JPWO2010073362A1 - 開離嵌挿具付スライドファスナー - Google Patents

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Abstract

自動停止装置及び開離嵌挿具の双方を兼ね備えた開離嵌挿具付スライドファスナーの構成部品を、左差し用及び右差し用の双方に兼用可能とする。自動停止装置付スライダー及び開離嵌挿具の双方を備えた開離嵌挿具付スライドファスナーにおいて、務歯案内通路内へ爪孔(54)を介して突出する自動停止装置用の停止爪を有する爪部材(55)を、蝶棒側及び箱棒側の左右方向(LR方向)に向けて移動自在に構成した。これにより、開離させたファスナーストリンガー同士を再び結合させるために蝶棒を上スライダー(50)の肩口から務歯案内通路内に差し込んでゆく際に、蝶棒が停止爪を押しながら退避させることができる。これにより、少ない抵抗力で蝶棒を上スライダー(50)の奥までスムーズに嵌挿することができる。また、開離嵌挿具付スライドファスナーの構成部品を、左差し用及び右差し用の双方に兼用することができる。

Description

本発明は、左右のファスナーストリンガーの一側縁に配した箱棒及び蝶棒、並びに自動停止装置付のスライダーを有する開離嵌挿具付スライドファスナーに関するものである。
従来、スライダーが自然に下がってしまうことにより、スライドファスナーが勝手に開く不具合を防止するため、スライダーに自動停止装置又は半自動停止装置を備えさせたスライドファスナーが知られている。
また、従来、スライドファスナーのスライダーを最下部まで摺動させて左右のファスナーストリンガーを開いた後に、更に左右のファスナーストリンガー同士を開離可能に構成した開離嵌挿具付のスライドファスナーが知られている。
特許第3621040号公報(特許文献1)には、上記の自動停止装置付スライダー及び開離嵌挿具の双方を兼ね備えた開離嵌挿具付スライドファスナーの発明が開示されている。特許文献1に記載されているスライドファスナーでは、スライダーの表翼板及び裏翼片との間に形成された務歯案内通路に対し、表翼板に開設された爪孔から爪部材の停止爪が出没するように構成されている。
この停止爪は、付勢部材により務歯案内通路内へ突出する方向へ弾性的に付勢されている。したがって、左右のファスナーストリンガーが開離した状態から蝶棒をスライダーに挿入してゆくと、蝶棒に務歯案内通路に突出している爪部材の停止爪が当接するが、特許文献1の発明に係る蝶棒には、当該停止爪を徐々に押し上げる押上用の斜面を形成してあるので、特許文献1に記載されている開離嵌挿具を用いることによって、蝶棒をスライダーに対してスムーズに嵌挿することができるとしている。
また、特開2006−346364号公報(特許文献2)には、蝶棒の噛合端縁側及びスライダー表翼板側の隅角部に、スライダーの表翼板に開口している爪孔から務歯案内通路内に突出する自動停止装置用の停止爪との干渉を避けるための面取部を形成した開離嵌挿具付のスライドファスナーが開示されている。
特許第3621040号公報 特開2006−346364号公報
特許文献1に記載されているスライドファスナーでは、左右のファスナーストリンガーが開離した状態から蝶棒をスライダーに挿入してゆくと、その途中で蝶棒の下端部に停止爪が当接する。この停止爪は、務歯案内通路内に突出する方向へ向けて付勢されている。この付勢力に対抗して蝶棒を更に挿入してゆくと、蝶棒に形成されている押上用の傾斜面に沿って停止爪が上昇してゆく。この停止爪は、スライダーが自然に下がってしまわないようにするために所定の力で付勢されているものなので、このとき利用者は、停止爪を斜面に沿って上昇させる際の抵抗力を感じることになる。
また、特許文献2に記載されているスライドファスナーでは、蝶棒の噛合端縁側及びスライダー表翼板側の隅角部に面取部を形成することで、スライダーの表翼板から突出している停止爪との干渉を避けることができる。ところが、日本国内で一般に広く普及している左差しの開離嵌挿具と、外国で一部普及している右差しの開離嵌挿具とで蝶棒を共通化しようとすると、スライダー表翼板側及び裏翼片側の双方の隅角部に面取部を形成しなくてはならない。すると、蝶棒の噛合端縁側が山形に尖った形状になったり、芯紐を銜え込む部分の肉厚が薄くなる。
本発明は、こうした従来技術を改善するために創出されたもので、自動停止装置及び開離嵌挿具の双方を兼ね備えた開離嵌挿具付スライドファスナーにおいて、左差し用及び右差し用の双方に兼用可能な部品から構成される開離嵌挿具付スライドファスナーを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明は、第1ファスナーストリンガーの一側縁に配された第1務歯列の下端に連設した箱棒と、第2ファスナーストリンガーの一側縁に配された第2務歯列の下端に連設し前記第1ファスナーストリンガーに対して開離可能に構成された蝶棒と、前記第1務歯列及び第2務歯列の表側を覆う表翼板及び裏側を覆う裏翼片との間に形成された務歯案内通路に対して前記表翼板に開設された爪孔から出没可能な停止爪が形成された爪部材と、前記停止爪を前記務歯案内通路内へ突出する方向へ弾性的に付勢する付勢部材と、前記表翼板と前記爪部材との間に引手軸部を配して当該引手軸部を上動させることで前記停止爪を前記務歯案内通路から抜脱させる方向に持ち上げることが可能な引手とから構成された自動停止装置を備える上開き用の上スライダーと、を有する開離嵌挿具付スライドファスナーであって、前記務歯案内通路内へ突出した停止爪は、前記蝶棒側及び箱棒側に向けて左右方向に移動自在に構成され、前記爪孔は、前記停止爪の移動を可能にする幅広の開口を有することを特徴とする。
また、前記蝶棒の差込端かつ前記箱棒側の角隅部に、開離状態から前記蝶棒を前記上スライダーへ差し込む際に前記務歯案内通路内に突出している前記停止爪と当接して前記停止爪を前記箱棒側に徐々に退避させる退避用当接部を備えることが好ましい。
また、前記箱棒における前記表翼板側に、前記退避してきた爪部材を格納する爪退避部を形成することが好ましい。
また、前記上開き用の上スライダーと前記自動停止装置を備える逆開き用の下スライダーとの後ろ口同士を対向して配置し、前記箱棒には、前記下スライダーからの脱落を防止する脱落防止片を形成することが好ましい。
本発明によれば、自動停止装置付スライダー及び開離嵌挿具の双方を兼ね備えた開離嵌挿具付スライドファスナーにおいて、務歯案内通路内へ突出した停止爪を箱棒側及び蝶棒側に向けて移動自在に構成したので、左右のファスナーストリンガーが開離した状態から蝶棒をスライダーに挿入してゆくときに、蝶棒に押された停止爪が箱棒側に向けて退避する。この、停止爪を退避させる際に必要な力は、停止爪を上昇させる際に必要となる力よりもはるかに少ない力で済むので、より軽い操作力で蝶棒をスライダーに嵌挿することができる。
また、本発明によれば、蝶棒の表裏を対称に成形することが容易であり、左差しの開離嵌挿具と右差しの開離嵌挿具とで共通の蝶棒を用いることが容易となる。
また、他の発明によれば、蝶棒の差込端かつ箱棒側の角隅部に退避用当接部を形成したので、開離状態から蝶棒を上スライダーへ差し込む際に、停止爪を箱棒側に徐々に退避させることが可能となる。これにより、より軽い操作力で蝶棒をスライダーに嵌挿することができる。
また、他の発明によれば、箱棒における表翼板側に爪退避部を形成したので、蝶棒に押されて退避してきた爪部材に対する抵抗力を増大させることなく箱棒側に格納することができる。
また、他の発明によれば、上開き用の上スライダーと逆開き用の下スライダーとの後ろ口同士を対向して配置することで、逆開きが可能な開離嵌挿具付スライドファスナーを提供することができる。この場合においても、右差し用及び左差し用の蝶棒、箱棒、並びに上スライダー及び下スライダーを共通化することができる。
逆開きスライドファスナー全体の外観平面図である。 スライダーの分解斜視図である。 スライダーの側面断面図である。 スライダーにおける爪部材の移動状態を説明する平面断面図であり、図3に示すIV−IV矢視断面図である。 蝶棒が連設されている第2ファスナーストリンガー下端の部分斜視図である。 箱棒が連設されている第1ファスナーストリンガー下端の部分斜視図である。 下スライダーと接触する最下位まで上スライダーを引き下げたときの逆開きスライドファスナーの平面断面図である。 第2ファスナーストリンガーの蝶棒が上スライダー左側の肩口部分から挿入されて、蝶棒下部の退避用当接部が停止爪に当接している状態を示す平面断面図である。 図8に示した状態において、退避用当接部が停止爪に当接している部分を拡大して説明する平面断面図である。 本発明に係る開離嵌挿具付スライドファスナーを、上開きスライドファスナーに適用した実施形態を説明する平面断面図である。 図10に示した上開きスライドファスナーにおいて、蝶棒が連設されている第2ファスナーストリンガー下端の部分斜視図である。 図10に示した上開きスライドファスナーにおいて、上開きスライドファスナーの箱棒が連設されている第1ファスナーストリンガー下端の部分斜視図である。
符号の説明
10、10A 開離嵌挿具付スライドファスナー
12 第2務歯列
13 第1務歯列
14 芯紐
16 第2ファスナーストリンガー
17 第1ファスナーストリンガー
18 上止具
22 開離嵌挿具
24 補強フィルム
30、30A 蝶棒
33 凹陥部
34 第2係止部
38 噛合突起
40、40A 箱棒
40B 箱体
44 第1係止部
46 脱落防止片
50、50A 上スライダー
50B 脱落防止段部
50D 連結柱
50F フランジ部
51 務歯案内通路
52 表翼片
53 裏翼片
54 爪孔
55 爪部材
55A 停止爪
55B 軸部
56 取付柱
56A 受穴
56B 案内制限部
56C 嵌合凸部
57 付勢部材
57C 嵌合凹部
58 カバー
59 引手
59A 引手軸部
60 下スライダー
70 退避用案内部
72 爪退避部
以下、本発明に係る逆開きスライドファスナーの代表的な実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
図1は、逆開きが可能な開離嵌挿具付スライドファスナー10の全体の外観図であり、上スライダー50を上止具18の当接位置から下方に少し下げ、下スライダー60を蝶棒30及び箱棒40の嵌挿位置から上方に少し上げて、上下端部を開いた状態を示す正面図である。なお、箱棒40と、蝶棒30と、上スライダー50と、下スライダー60とで開離嵌挿具22を構成している。
図1に示すように、逆開きが可能な開離嵌挿具付スライドファスナー10は、例えばロングコートなどの左前身頃と右前身頃との開閉を可能にする開閉具である。開離嵌挿具付スライドファスナー10は、第2ファスナーストリンガー16及び第1ファスナーストリンガー17と、第2ファスナーストリンガー16及び第1ファスナーストリンガー17の対向する側縁部に沿って配された左右の芯紐14と、それぞれの芯紐14を挟持するように所定の間隔をおいて多数の務歯を列設した第2務歯列12及び第1務歯列13とを備えている。
また、開離嵌挿具付スライドファスナー10は、第2務歯列12及び第1務歯列13を挿通して上開きを可能にする上スライダー50と、逆開きを可能にする下スライダー60とを備えている。上スライダー50の後ろ口と下スライダー60の後ろ口とは対向するように配置してある。第2務歯列12及び第1務歯列13の上方の芯紐14部分には、第2務歯列12及び第1務歯列13から上スライダー50が脱落することを防止するための上止具18を固着してある。
図1に示すように、第1ファスナーストリンガー17下端の表裏には、樹脂製フィルムなどによる補強フィルム24を貼着してある。そして、この補強フィルム24及び芯紐14を共に挟み込む形で箱棒40を固着してある。また、同様に、第2ファスナーストリンガー16下端の表裏にも補強フィルム24を貼着してあり、この補強フィルム24及び芯紐14を共に挟み込む形で蝶棒30を固着してある。
箱棒40下端の端部には凸形状の脱落防止片46を形成してある。そして、下スライダー60を最下位まで下げた際において、下スライダー60の表翼片52又は裏翼片53の務歯案内通路51内の肩口部分に形成した脱落防止段部50Bに当接することにより、下スライダー60が下方に脱落してしまうことを防止している。なお、脱落防止片の形状は、図1に示す形状に限定するものではなく、例えば、箱棒下端にフック状の脱落防止片を形成し、下スライダーを最下位まで下げた際に下スライダーにおける肩口部分のフランジ部と直に当接することにより、下スライダーが下方へ脱落することを防止するように構成することもできる。
箱棒40における蝶棒30と相対する対向側面の第1務歯列13側には、三角形をした平板状の第1係止部44が突出している。第1係止部44は、後述する蝶棒30の第2係止部34と係合する部分である。
蝶棒30における箱棒40と相対する対向側面には、係止面を下方に向けた第2係止部34が両側壁により補強された形で突出している。この第2係止部34は、最下位に移動させた下スライダー60に蝶棒30を挿入した際に、箱棒40の第1係止部44と係合させることで、蝶棒30を箱棒40に対して上下方向に位置決めするための部分である。第2係止部34の下側には、両側壁で囲まれた凹陥部33が形成されている。この凹陥部33には、箱棒40の第1係止部44が進入する。蝶棒30の差込端かつ箱棒40側の角隅部には、開離状態から蝶棒30を上スライダー50及び下スライダー60へ差し込む際に、務歯案内通路51内に突出している停止爪55Aと当接することで停止爪55Aを箱棒40側に向けて徐々に退避させるR面取形状の退避用案内部70を形成してある。
また、箱棒40における蝶棒30と対向する対向側面の略中央部であって、下スライダー60の表翼片52側には、蝶棒30の挿入に伴って退避する停止爪55A(図2〜図4参照。)を格納するための凹状の爪退避部72を形成してある。
次に、図2〜図4を用いて、上スライダー50及び下スライダー60の構造について説明する。図2は、上スライダー50、下スライダー60の分解斜視図であり、図3は、組み立て後の上スライダー50、下スライダー60の側面断面図である。また、図4は上スライダー50、下スライダー60の平面断面図であり、爪部材55の移動状態を説明する図である。なお、図4は、図3に示すIV−IV矢視断面図である。
図3に示すように、上スライダー50及び下スライダー60の表翼片52と裏翼片53とは、連結柱50Dで連結されている。上スライダー50及び下スライダー60は、連結柱50Dの両側方に務歯案内通路51の肩口が開口しているスライダー本体と、スライダー本体を上下に移動させるための引手59と、上スライダー50及び下スライダー60が自然に下がってしまう不具合を防止するために第1、第2務歯列13、12の隣り合う務歯間に入り込む停止爪55Aを一端に形成した爪部材55と、爪部材55を務歯案内通路51側に向けて押圧することで停止爪55Aを務歯案内通路51内へ突出する方向へ弾性的に付勢する板ばね状の付勢部材57と、前記爪部材55及び付勢部材57を表側から覆うカバー58とから構成されている。
スライダー本体の表翼片52の表側には、カバー58を被せて固定するための取付柱56を二箇所立設させてある。肩口側の取付柱56の中央部には、爪部材55の軸部55Bを挿入する受穴56Aを開設してある。肩口側の取付柱56と、後ろ口側の取付柱56との間には、表翼片52を貫通して務歯案内通路51内に通じる爪孔54を開設してある。この爪孔54は、爪部材55の停止爪55Aを務歯案内通路51内まで挿通させた開口である。爪孔54は、停止爪55Aを務歯案内通路51に対して挿抜する動作を可能にするとともに、左右方向への移動を可能にする開口である。
表翼片52の表側の爪孔54と受穴56Aの間には、爪部材55の停止爪55Aを務歯案内通路51に突出させる際の最大突出量を制限するとともに、停止爪55Aの左右方向に対する移動量を制限する凹形状の案内制限部56Bを立設形成してある。案内制限部56Bと肩口側の取付柱56との間には、引手59の引手軸部59Aを挿通させるための傾斜面に囲まれた谷部を形成してある。
なお、表翼片52及び裏翼片53の両側縁部には、スライダーの移動に伴い第2務歯列12及び第1務歯列13同士を噛み合わせてゆくためのフランジ部50Fを立設してある。表翼片52及び裏翼片53のフランジ部50F同士が対向する部分には、第2ファスナーストリンガー16及び第1ファスナーストリンガー17のファスナーテープを挿通させるための隙間が設けられている。
上スライダー50及び下スライダー60を組み立てる際には、先ず案内制限部56Bと肩口側の取付柱56との間に引手59の引手軸部59Aを置く。次に、爪部材55の軸部55Bを肩口側の取付柱56の中央部に開設されている受穴56Aに挿入して、爪部材55の本体部中央を案内制限部56Bの凹部に置いて、爪部材55の停止爪55Aを爪孔54の内部に挿通させる。
次に、爪部材55の上面側を表翼片52の表面側から押し付けるようにして付勢部材57を置き、付勢部材57の両端に形成した嵌合凹部57Cと、二つの取付柱56の先端に突出させた嵌合凸部56Cとを嵌合させる。次に、爪部材55及び付勢部材57を表面側から覆う装飾用のカバー58を取付柱56に被せて加締める。このように組み立てた上スライダー50及び下スライダー60の自動停止装置の機能について、図3を用いて説明する。
図3は、上スライダー50及び下スライダー60を噛合軸線上で切断した側面断面図である。なお、図2に示した部材と同一の部材については同一の符番を付して、その説明を省略する。
図3に示すように、利用者が引手59を操作していない場合には、付勢部材57が爪部材55の上面側を務歯案内通路51側に押す方向に弾性的に付勢することで、停止爪55Aを務歯案内通路51内へ突出させる。図3に示す状態では、第1務歯列13及び第2務歯列12の記載を省略してあるが、務歯案内通路51に突出した停止爪55Aは、第1務歯列13と第2務歯列12の隣り合う務歯間に入り込むことでスライドファスナーの上下方向に対する抗力を発生させ、上スライダー50又は下スライダー60の自由移動を制限する。
利用者が上スライダー50又は下スライダー60を移動させる際に引手59を把持して上方向又は下方向に力を加えると、その力により引手軸部59Aが付勢部材57の付勢力に勝って爪部材55の下面側を押し上げる。すると、爪部材55が軸部55Bを支点に表側へ揺動して、停止爪55Aが務歯案内通路51から抜脱する方向に移動する。すると、第1務歯列13又は第2務歯列12を押圧していた押圧力が弱まるので、上スライダー50又は下スライダー60を容易にスライドファスナーの上下方向に移動させることができる。
上スライダー50又は下スライダー60の移動が終了した場合には、利用者は把持していた引手59を放す。付勢部材57は、爪部材55の上面側を押圧しているので、停止爪55Aが務歯案内通路51に突出する方向に移動し、再び第1務歯列13と第2務歯列12の隣り合う務歯間に入り込む。すると、上スライダー50又は下スライダー60がスライドファスナーの上下方向へ移動しようとしても、停止爪55Aが務歯と係合することでスライドファスナーの上下方向に対する抗力が強くなり、上スライダー50又は下スライダー60の自由移動を制限する。
なお、図3に示す実施形態では、板ばね状の付勢部材57を用いて爪部材55の上面側を付勢することで停止爪55Aを務歯案内通路51内に突出させているが、この実施形態の他にも、圧縮ばね又は引張ばね等の付勢部材を用いて停止爪を務歯案内通路51内に突出させるように構成することもできる。また、爪部材を弾性体で形成することで、爪部材自体が停止爪を務歯案内通路51内に突出させるための付勢力を生成するように構成することもできる。
次に、務歯案内通路51内へ突出した停止爪55Aが、蝶棒30側及び箱棒40側に向けて左右方向に移動する様子について、図4を用いて説明する。図4は、上スライダー50及び下スライダー60を図3に示すIV−IV矢視断面で切断した状態を示す平面断面図である。なお、図2及び図3に示した部材と同一の部材については同一の符番を付して、その説明を省略する。
図4に示すように、爪部材55は受穴56Aに挿入した軸部55B(図2参照)を中心にして揺動可能に構成されている。この停止爪55Aの揺動に伴って、爪部材55の停止爪55A(図2又は図3参照)が爪孔54の内部を左右方向(図4に示すLR方向)に移動する。図4に示す実施形態では、爪部材55が受穴56Aに挿入した軸部55Bを中心に揺動する実施形態を示したが、本発明はこの形の揺動に限定するものではなく、爪部材55が左右方向に平行に移動するように構成しても本発明の目的を達成することができる。
また、図4に示す実施形態では、停止爪55Aが開離嵌挿具付スライドファスナー10の噛合軸線に対して左右対称に側移動するように構成してあることから、上スライダー50及び下スライダー60を右差し用及び左差し用の双方の用途に兼用して用いることができるが、本発明は左右対称な停止爪55Aの移動に限定するものではない。
次に、ファスナーストリンガーの下端に配した蝶棒30及び箱棒40の構造について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、蝶棒30が固着されている第2ファスナーストリンガー16の下端の部分斜視図である。図6は、箱棒40が固着されている第1ファスナーストリンガー17の下端の部分斜視図である。なお、図1に示した部材と同一の部材については同一の符番を付して、その説明を省略する。
図5に示すように、第2ファスナーストリンガー16における噛合端縁側の側縁部に芯紐14を形成し、この芯紐14を挟持する形で所定の間隔をおいて多数の務歯を列設して第2務歯列12を形成する。
第2ファスナーストリンガー16下端の表裏には、樹脂製フィルムなどにより構成した補強フィルム24を貼着してある。蝶棒30は、補強フィルム24及び芯紐14を共に挟み込む形で第2務歯列12の下端に連設してある。
蝶棒30における噛合端縁側の上端部には、第1務歯列13の最下位に配されている務歯と噛合させるための噛合突起38を形成してある。蝶棒30における噛合突起38の務歯頭部の中央には、最下位に移動させた下スライダー60に蝶棒30を挿入したときに箱棒40の第1係止部44と係合することで蝶棒30を箱棒40に対して上下方向に位置決めして、蝶棒30が下スライダー60を通り越して下降することを防止するための第2係止部34を形成してある。箱棒40の第1係止部44が進入する凹陥部33は、第2係止部34とその補強用の側壁とで囲まれている。
また、蝶棒30の差込端かつ箱棒40側の角隅部には、開離状態から蝶棒30を上スライダー50及び下スライダー60へ差し込んでゆく際に、務歯案内通路51内に突出している停止爪55Aと当接して停止爪55Aを箱棒40側に徐々に退避させるためのR面取形状の退避用案内部70を形成してある。このR面取形状は、停止爪55Aが突出している表翼片52側に形成してあれば十分であるが、図5に示す実施形態では、右差し用及び左差し用の双方に兼用可能な蝶棒として構成しているために、表翼片52及び裏翼片53の双方側において対称なR面取形状に形成してある。なお、退避用案内部70の形状は、曲線状のR面取形状に限定するものではなく、直線状のC面取形状を用いることもできる。
また、図6に示すように、第1ファスナーストリンガー17における噛合端縁側の側縁部に芯紐14を形成し、この芯紐14を挟持する形で所定の間隔をおいて多数の務歯を列設して第1務歯列13を形成してある。
第1ファスナーストリンガー17下端の表裏には、樹脂製フィルムなどにより構成した補強フィルム24を貼着してある。箱棒40は、補強フィルム24及び芯紐14を共に挟み込む形で第1務歯列13の下端に連設してある。
箱棒40における噛合端縁側の上端部には、蝶棒30の第2係止部34と係合する平板状の第1係止部44が突出している。また、箱棒40における蝶棒30と対向する対向側面の略中央部には、退避してきた停止爪55Aを格納するための凹状の爪退避部72を形成してある。なお、爪退避部72は、停止爪55Aが突出している表翼片52側に形成してあれば十分であるが、図6に示す実施形態では右差し用及び左差し用の双方に兼用可能な蝶棒として構成しているために、表翼片52及び裏翼片53の双方側において対称な爪退避部72を形成してある。
箱棒40下端における表翼片52側及び裏翼片53側の面には、凸形状の脱落防止片46を形成してある。この脱落防止片46は、下スライダー60を最下位まで下げた際において、下スライダー60の表翼片52又は裏翼片53の務歯案内通路51内の肩口部分に形成された脱落防止段部50Bと当接することにより、下スライダー60が下方に脱落してしまうことを防止するためのものである。この脱落防止片46も、表翼片52側又は裏翼片53側のいずれかに形成してあれば十分であるが、右差し用及び左差し用の双方に兼用可能な箱棒とするために、表翼片52側及び裏翼片53側の双方において対称な脱落防止片46を形成してある。
次に、図1に示す状態から上スライダー50及び下スライダー60を最下位まで引き下ろした状態について、図7を用いて説明する。
図7は、開離嵌挿具付スライドファスナー10の上スライダー50及び下スライダー60を最下位まで下げた状態を示す図であり、表翼片52の直下で切断した平面断面図である。なお、図1に示した部材と同一の部材については同一の符番を付して、その説明を省略する。
下スライダー60及び上スライダー50の内部には、第2務歯列12及び第1務歯列13を上下方向に貫通させるための務歯案内通路51が形成されている。務歯案内通路51は、上スライダー50及び下スライダー60の前端側に設けられた肩口と、後端側に設けられた後ろ口とを有し、肩口は、分離した左右の務歯を務歯案内通路へ導入又は排出し、後ろ口は、噛合した左右務歯を務歯案内通路へ導入又は排出する。
下スライダー60を下げると、下スライダー60の後ろ口からは、分離状態にあった左右の第2務歯列12及び第1務歯列13が噛合状態となって出てくる。更に下スライダー60を下げてゆき最下位に近づくと、箱棒40と蝶棒30とが下スライダー60の肩口から進入する。そして、箱棒40下端に形成されている脱落防止片46が、下スライダー60の肩口から少し入った務歯案内通路51内の表翼片52及び裏翼片53の内面に形成されている脱落防止段部50Bに当接して停止する。この位置が下スライダー60の最下位となる。
図7に示す状態では、上スライダー50及び下スライダー60の双方が最下位まで下げられているので、この状態で左右の補強フィルム24をそれぞれ左右の指で把持し、蝶棒30側の第2ファスナーストリンガー16を上方に引き上げることで、蝶棒30を上スライダー50及び下スライダー60から引き抜いて、第2ファスナーストリンガー16と第1ファスナーストリンガー17とを開離することができる。
図7に示す実施形態では、脱落防止段部50Bが下スライダー60の肩口から少し入った務歯案内通路51内に形成してあるので、蝶棒30及び箱棒40は下スライダー60の表翼片52の裏側に隠れることになる。こうすることで、下スライダー60が下端にある場合において蝶棒30及び箱棒40を隠すことができるので、開離嵌挿具付スライドファスナー10の外観を美的に仕上げることができる。
次に、第2ファスナーストリンガー16と第1ファスナーストリンガー17とを開離させた状態から、第2ファスナーストリンガー16を上スライダー50及び下スライダー60に挿入させてゆくときの状態について、図8及び図9を参照しながら説明する。
図8は、第2ファスナーストリンガー16の蝶棒30が上スライダー50の左側の肩口から挿入され、更に下スライダー60の後ろ口から挿入されている途中の状態を示す図である。図9は、図8に示す状態から第2ファスナーストリンガー16を少し深く挿入していった状態を示す停止爪55A付近の部分拡大図である。なお、図8及び図9は、図7に示した断面図と同様に、表翼片52の直下で切断した平面断面図である。なお、図7に示した部材と同一の部材については同一の符番を付して、その説明を省略する。
この図8に示す状態まで第2ファスナーストリンガー16を挿入してゆくと、蝶棒30の差込端の角隅部に形成してある退避用案内部70が、務歯案内通路51内に突出している停止爪55Aに当接する。務歯案内通路51内へ突出している停止爪55Aは、蝶棒30側及び箱棒40の左右方向に向けて移動自在に構成されている。したがって、利用者が更に第2ファスナーストリンガー16を挿入してゆくと、図9の部分拡大図に示されるように退避用案内部70が停止爪55Aを徐々に退避させてゆき、停止爪55Aは箱棒40と接触することなく、箱棒40に形成されている爪退避部72に格納される。
この後は、蝶棒30と停止爪55Aとの接触による抵抗力が少ないまま、箱棒40の第1係止部44に蝶棒30の第2係止部34が当接する位置まで蝶棒30を嵌挿することができる。蝶棒30を下端まで嵌挿した状態において上スライダー50を上方に向けて引き上げると、第2務歯列12と第1務歯列13とが噛合して、衣服の左前身頃と右前身頃が閉じ、双方の前身頃同士を結合させることができる。
次に、上開きのみが可能な開離嵌挿具付スライドファスナーに本発明を適用した実施形態について説明する。
図10は、上開きのみが可能な開離嵌挿具付スライドファスナー10Aの断面図であり、上スライダー50Aを最下位まで引き下ろした状態を示す平面断面図である。図10に示す断面図の切断面は、先に説明した図7と同様に、上スライダー50Aの表翼片の直下で切断した状態を示している。
図11は、図10に示す第2ファスナーストリンガー16の下端の部分斜視図である。図12は、図10に示す第1ファスナーストリンガー17の下端の部分斜視図である。なお、図5〜図7に示した部材と同一の部材については同一の符番を付して、その説明を省略する。
図10に示すように、上開きのみが可能な開離嵌挿具付スライドファスナー10Aは、第2ファスナーストリンガー16及び第1ファスナーストリンガー17と、左右の芯紐14を挟持するように所定の間隔をおいて多数の務歯を列設した第2務歯列12とその下方に連設した蝶棒30A、及び第1務歯列13とその下方に連設した箱棒40Aと、上開きを可能にする自動停止装置付の上スライダー50Aとを備えている。
図10及び図12に示すように、箱棒40Aの下端部には、蝶棒30Aの下端部を嵌挿することで、左右の第2ファスナーストリンガー16と第1ファスナーストリンガー17とを結合させる箱体40Bを備えている。この箱体40Bには、蝶棒30Aの下端部を嵌挿するための凹陥部が形成されている。上スライダー50Aとして、図2〜図4にて説明した上スライダー50と同一の構成の停止爪55Aを備えるスライダーを用いることができる。なお、箱棒40Aと、蝶棒30Aと、箱体40Bとで開離嵌挿具を構成している。
図10〜図12に示した開離嵌挿具付スライドファスナー10Aでは、箱棒40Aの下端に箱体40Bを備える開離嵌挿具を用いているが、この他にも箱体40Bを用いないサイドオープン式のスライドファスナーに本発明を適用することも可能である。
上スライダー50Aの内部には、第2務歯列12及び第1務歯列13を上下方向に貫通させるための務歯案内通路が、フランジ部50F及び連結柱50Dで囲まれる形で形成されている。この務歯案内通路は、上スライダー50Aの前端側に設けられた肩口と、後端側に設けられた後ろ口とを有し、肩口は、分離した左右の務歯を務歯案内通路へ導入又は排出し、後ろ口は、噛合した左右務歯を務歯案内通路へ導入又は排出する。
上スライダー50Aを第2務歯列12及び第1務歯列13に沿って上げると、上スライダー50Aの後ろ口からは、分離状態にあった左右の第2務歯列12及び第1務歯列13が噛合状態となって出てくる。逆に、上スライダー50Aを下げてゆくと、上スライダー50Aの後ろ口から噛合状態の第2務歯列12及び第1務歯列13が導入され、左右の肩口からは第2務歯列12及び第1務歯列13が分離状態となって出てくる。
上スライダー50Aの務歯案内通路には、スライダーが自然に下がってしまわないようにするために所定の力で付勢されている出没可能な停止爪を突出させてある。上スライダー50Aの停止爪は、図2〜図4に示したスライダーと同様に、務歯案内通路内に出没可能であると同時に、蝶棒30A側及び箱棒40A側に向けて左右方向に移動自在に構成されている。
図10には示していないが、上スライダー50Aの表翼片には、利用者が第2務歯列12及び第1務歯列13に沿って上下させる際に把持する引手が取り付けられており、当該引手を操作することで務歯案内通路に挿通され第2務歯列12と第1務歯列13の隣り合う務歯間に入り込んでいた停止爪を引き上げて、第1務歯列13と務歯との係止状態を解除して、上スライダー50Aの上下操作を自由に行えるようにする。
図11に示すように、蝶棒30Aの差込端の箱棒40A側の角隅部には、停止爪55Aを箱棒40A側に徐々に退避させるためのR面取形状の退避用案内部70を形成してある。この退避用案内部70の形状は、上スライダー50Aの表翼片及び裏翼片53の双方側において対称なR面取形状に形成してある。したがって、図10〜図12に示す実施形態においても、蝶棒30A、箱棒40A及び上スライダー50Aから構成される開離嵌挿具の部品を、そのまま右差し用及び左差し用の双方に兼用することが可能となっている。なお、退避用案内部70の形状は、曲線状のR面取形状に限定するものではなく、直線状のC面取形状を用いることもできる。
図10に示す状態では、上スライダー50Aが最下位に下げられているので、この状態で左右の補強フィルム24をそれぞれ左右の指で把持し、蝶棒30A側の第2ファスナーストリンガー16を上方に引き上げることで、蝶棒30Aを上スライダー50Aから引き抜いて、第2ファスナーストリンガー16と第1ファスナーストリンガー17とを開離することができる。
一旦開離した第2ファスナーストリンガー16を上スライダー50Aの肩口から挿入してゆくと、蝶棒30Aの差込端の角隅部に形成してある退避用案内部70が、務歯案内通路内に突出している停止爪55Aに当接する。務歯案内通路内へ突出している停止爪55Aは、蝶棒30A側及び箱棒40A側の左右方向に向けて移動自在に構成されている。したがって、利用者が更に第2ファスナーストリンガー16を挿入してゆくと、退避用案内部70が停止爪55Aを箱棒40A側に徐々に退避させてゆく。更に第2ファスナーストリンガー16を挿入してゆくと蝶棒30Aの下端部が箱体40Bの凹陥部に進入して、左右方向に対する位置決めがなされる。蝶棒30Aは、箱棒40Aの第1係止部44に蝶棒30Aの第2係止部34が当接する位置まで嵌挿することができる。蝶棒30Aを下端まで嵌挿した状態で上スライダー50Aを上方に向けて引き上げると、第2務歯列12と第1務歯列13とが噛合して、衣服の左前身頃と右前身頃が閉じて、双方の前身頃同士を結合させることができる。
本発明に係る開離嵌挿具付スライドファスナーは、務歯に樹脂の射出成形品を用いた樹脂ファスナーに適用することができる他、金属ファスナー、コイルファスナーその他のスライドファスナーに適用することができる。

Claims (4)

  1. 第1ファスナーストリンガー(17)の一側縁に配された第1務歯列(13)の下端に連設した箱棒(40)と、
    第2ファスナーストリンガー(16)の一側縁に配された第2務歯列(12)の下端に連設し、前記第1ファスナーストリンガー(17)に対して開離可能に構成された蝶棒(30)と、
    前記第1務歯列(13)及び第2務歯列(12)の表側を覆う表翼板(52)及び裏側を覆う裏翼片(53)との間に形成された務歯案内通路(51)に対して前記表翼板(52)に開設された爪孔(54)から出没可能な停止爪(55A)が形成された爪部材(55)と、前記停止爪(55A)を前記務歯案内通路(51)内へ突出する方向へ弾性的に付勢する付勢部材(57)と、前記表翼板(52)と前記爪部材(55)との間に引手軸部(59A)を配して当該引手軸部(59A)を上動させることで前記停止爪(55A)を前記務歯案内通路(51)から抜脱させる方向に持ち上げることが可能な引手(59)とから構成された自動停止装置を備える上開き用の上スライダー(50)と、
    を有する開離嵌挿具付スライドファスナーであって、
    前記務歯案内通路(51)内へ突出した停止爪(55A)は、前記蝶棒(30)側及び箱棒(40)側に向けて左右方向に移動自在に構成され、
    前記爪孔(54)は、前記停止爪(55A)の移動を可能にする幅広の開口を有することを特徴とする開離嵌挿具付スライドファスナー。
  2. 請求の範囲1に記載の開離嵌挿具付スライドファスナーにおいて、
    前記蝶棒(30)の差込端かつ前記箱棒(40)側の隅角部には、開離状態から前記蝶棒(30)を前記上スライダー(50)へ差し込む際に前記務歯案内通路(51)内に突出している前記停止爪(55A)と当接して前記停止爪(55A)を前記箱棒(40)側に徐々に退避させる退避用当接部(70)を備えてなることを特徴とする開離嵌挿具付スライドファスナー。
  3. 請求の範囲1又は2に記載の開離嵌挿具付スライドファスナーにおいて、
    前記箱棒(40)における前記表翼板(52)側には、前記退避してきた爪部材(55)を格納する爪退避部を形成してなることを特徴とする開離嵌挿具付スライドファスナー。
  4. 請求の範囲1又は2に記載の開離嵌挿具付スライドファスナーにおいて、
    前記上開き用の上スライダー(50)と前記自動停止装置を備える逆開き用の下スライダー(60)との後ろ口同士を対向して配置し、
    前記箱棒(40)には、前記下スライダー(60)からの脱落を防止する脱落防止片を形成してなることを特徴とする開離嵌挿具付スライドファスナー。
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