JPWO2010067795A1 - 農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法 - Google Patents

農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2010067795A1
JPWO2010067795A1 JP2010542106A JP2010542106A JPWO2010067795A1 JP WO2010067795 A1 JPWO2010067795 A1 JP WO2010067795A1 JP 2010542106 A JP2010542106 A JP 2010542106A JP 2010542106 A JP2010542106 A JP 2010542106A JP WO2010067795 A1 JPWO2010067795 A1 JP WO2010067795A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
agricultural
product
sugar
heat treatment
catalyst
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010542106A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5805390B2 (ja
Inventor
菊地 裕人
裕人 菊地
福岡 淳
淳 福岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokkaido University NUC
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Hokkaido University NUC
Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hokkaido University NUC, Nippon Beet Sugar Manufacturing Co Ltd filed Critical Hokkaido University NUC
Priority to JP2010542106A priority Critical patent/JP5805390B2/ja
Publication of JPWO2010067795A1 publication Critical patent/JPWO2010067795A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5805390B2 publication Critical patent/JP5805390B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C13SUGAR INDUSTRY
    • C13KSACCHARIDES OBTAINED FROM NATURAL SOURCES OR BY HYDROLYSIS OF NATURALLY OCCURRING DISACCHARIDES, OLIGOSACCHARIDES OR POLYSACCHARIDES
    • C13K1/00Glucose; Glucose-containing syrups
    • C13K1/02Glucose; Glucose-containing syrups obtained by saccharification of cellulosic materials
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23VINDEXING SCHEME RELATING TO FOODS, FOODSTUFFS OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES AND LACTIC OR PROPIONIC ACID BACTERIA USED IN FOODSTUFFS OR FOOD PREPARATION
    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Abstract

【課題】セルロース、ヘミセルロース、ペクチンなどの細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を、酸、アルカリ又は酵素などでその成分を水溶性とする前処理を行うことなく利用できる、pH調整、酸、アルカリの中和等が不要な、低コストで簡便な糖アルコール及び/又は糖の製造方法を提供する。【解決手段】細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物をそのまま、あるいは単に機械的粉砕処理するのみで、触媒存在下又は非存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することで、アラビトール、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコール及び/又はアラビノース、グルコース、マルトースなどの糖を低コストで簡便に製造する。【選択図】なし

Description

本発明は、細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物から触媒存在下又は非存在下で糖アルコール、糖を製造する方法に関するものである。特に、ビートファイバー、ビートパルプ、ポテトパルプ、コーン種皮、綿実殻等の利用しにくい農産物又は農産副産物から直接糖アルコール、糖を製造する方法に関する。
近年の二酸化炭素排出量増加の問題や、地球温暖化の問題から、植物性バイオマスの有効利用に注目が集まっている。バイオマスとは、再生可能な生物由来の有機性資源(化石資源を除く)と定義されており、植物性バイオマスの利用としては、とうもろこし澱粉からのエタノール生産(バイオエタノール)などが主に行われている。
しかし、植物性バイオマスの多くは農産副産物などの未利用農産物であり、細胞壁に由来する成分を主体としている。細胞壁はセルロース、ヘミセルロース、ペクチン、リグニンを主成分とする。また、ヘミセルロースは細胞壁からアルカリ性の水溶液で抽出される多糖類の総称であり、キシラン、マンナン、ガラクタン、グルカンなどが知られている。
これらの細胞壁由来成分は分解が容易でなく、したがってこれらを有効利用する技術については非常に開発が遅れている。例えば、セルロースを酵素分解(グルコース製造)する方法などが研究されているが、満足するような活性を持つ分解酵素は未だ得られておらず、また酵素と生成物の分離が別途必要という課題が残っている。さらに、コーンコブなどの触媒による反応(糖及び糖アルコール製造)についても研究されているが、原料の前処理などに使用する酸、アルカリによる装置等への負荷や中和廃棄物の生成などの問題があり、環境負荷等が大きいため実用化には至っていない。
一方、糖アルコールは植物性のバイオマスから得られる反応生成物としてだけでなく、その生理機能の高さから機能性成分(機能性食品原料)としても特に注目されている。例えば、ヘミセルロースの構成糖のひとつである五炭糖のアラビノースを還元したアラビトールは、水溶性食物繊維様の生理効果を有することが報告されており、また同じく五炭糖のキシロースを還元したキシリトールは、抗う蝕効果を利用した特定保健用食品などとして既に製品化されている。
一般的な糖アルコールの製造方法としては、単糖あるいは少糖類(2〜4分子のオリゴ糖)の水溶液を高圧、水素存在下で接触水素化する方法が知られている(特許文献1〜4)。糖アルコール製造原料となる単糖や少糖類としてはグルコース、マルトース、キシロースなどがあるが、これらはデンプンやコーンコブなどを酸、アルカリや酵素を用いて分解することによって得られていることがほとんどである。
しかし、特許文献1〜4のような方法では、デンプンやコーンコブなどから直接糖アルコールを製造することはできず、いずれも酸、アルカリまたは酵素(微生物培養液又は精製酵素製剤等)などでデンプンやコーンコブなどを前処理して可溶化した糖液を反応基質として用い、高圧、水素存在下で接触還元処理している。つまり、水に難溶のデンプンやコーンコブなどそのものを触媒等で反応させることは不可能に近いと考えられていた。さらに、これらの方法では酸、アルカリの中和、高価な酵素の使用など、環境及び製造コストに与える負の影響が大きいという課題がある。
別に、糖アルコールの製造方法として、廃菌床(キノコの菌床栽培に使用された培地)に含まれる糖アルコールを熱水抽出する方法(特許文献5)、糖アルコール生産能を有する微生物を培養して生成する方法(特許文献6、7)も検討されている。しかし、特許文献5の方法では、キノコ栽培後の廃菌床自体が多量に排出されるものでなく、原料に制限がある。また、特許文献6、7の方法は、酵母などの特殊な微生物の培養が必要となる。
また、触媒を用いて直接結晶セルロース粉末からソルビトール及びマンニトールを製造する方法(特許文献8、非特許文献1)も検討されている。しかし、これらの方法は、精製された結晶化セルロース等の粉末を原料として糖アルコールを製造するものであり、セルロース以外の成分(ヘミセルロースやペクチン等)も多く含まれる農産物や農産副産物を直接原料として利用できる方法ではない。
さらに糖に関しては、植物性バイオマスからの製造方法として、木質系バイオマス原料からヘミセルロースを分離し、糖を製造する方法も検討されているが(特許文献9、10)、いずれもヘミセルロース分離のための原料の前処理を必要とし、簡便性や環境、コスト、収率等の面で満足できるものではない。
なお、上述のアラビトールは、ビートファイバーなどに多く含まれる構成糖アラビノースが原料となりうるが、工業的に大量製造する方法がほとんど確立されておらず、供給量がごくわずか(試薬レベルの供給量)となっている。そのため、ソルビトールやキシリトールなどの他の糖アルコールと比較して、食品機能や生理機能などの研究、用途開発があまり進展していない。
これらの背景から、セルロース、ヘミセルロースなどの複数の細胞壁由来成分を含む、農産物に代表される植物性のバイオマス(特に農産副産物)を酸、アルカリ又は酵素などで水溶性とする前処理を行うことなくそのまま利用できる、環境負荷の少ない、低コストで簡便な糖アルコール、糖の製造方法の開発が強く求められている。
特表2006−509833号公報 特開2001−079411号公報 特開平10−204010号公報 特開平09−131535号公報 特開2007−259821号公報 特開2001−008682号公報 特開平01−055176号公報 WO2007/100052 特開2006−136263号公報 特開2008−092883号公報
触媒、Vol.49、No.4、286−291(2007)
本発明の目的は、ビートファイバー、ビートパルプ、ポテトパルプ、デンプンやコーンコブなどの細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を、酸、アルカリ又は酵素などでその成分を水溶性とする前処理を行うことなく利用できる、pH調整、酸、アルカリの中和が不要な糖アルコール、糖の製造方法を提供することにある。さらに、原料処理だけでなく、必要に応じて使用される触媒や未反応原料と反応生成物の分離などの操作も容易な、環境負荷の少ない、低コストで簡便な糖アルコール、糖の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究の結果、細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物をそのまま、あるいは単に機械的粉砕処理するのみで、触媒存在下又は非存在下で、一定の条件で加熱処理又は加圧加熱処理することで、糖アルコール及び/又は糖を製造することができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を原料として、触媒存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することを特徴とする糖アルコール及び/又は糖(単糖及び/又は二糖)の製造方法。
(2)細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を原料として、触媒非存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することを特徴とする糖(単糖及び/又は二糖)の製造方法。
(3)原料となる細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を、熱水又は酸又はアルカリ又は酵素で前処理して細胞壁由来成分等を水溶性化することなく、直接、触媒存在下又は非存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することを特徴とする(1)又は(2)に記載の方法。
(4)農産物又は農産副産物がビートファイバー、ビートパルプ、ポテトパルプ、デンプン、コーンコブ、トウモロコシ種皮、バガス、綿実殻、ぶな、樺、ピールロス、マッシュロスのうち1つ以上の由来であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)農産物又は農産副産物がヘミセルロースを含有し、このヘミセルロースの反応産物を得ることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法。
(6)農産物又は農産副産物をそのまま、又は機械的粉砕処理のみを行って原料とすることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1つに記載の方法。
(7)農産物又は農産副産物を70℃以上の熱により乾燥したものをそのまま、又は機械的粉砕処理のみを行って原料とすることを特徴とする(1)〜(6)のいずれか1つに記載の方法。
(8)触媒が、金属前駆体である塩化白金酸又は塩化ルテニウムをγ−アルミナに担持したものであることを特徴とする(1)、(3)〜(7)のいずれか1つに記載の方法。
(9)加圧加熱処理する際に水素を添加して接触水素化し、その際の水素初圧が2MPa以上であることを特徴とする(1)、(3)〜(8)のいずれか1つに記載の方法。
(10)加熱処理又は加圧加熱処理する際の反応温度が100〜190℃、好ましくは100〜160℃、更に好ましくは120〜140℃であることを特徴とする(1)〜(9)のいずれか1つに記載の方法。
(11)加熱処理する際に、過熱水蒸気式焼成装置等によって過熱水蒸気を使用することを特徴とする(1)〜(10)のいずれか1つに記載の方法。
(12)過熱水蒸気の温度が110℃以上であることを特徴とする(11)に記載の方法。
(13)加熱処理又は加圧加熱処理する際に、オートクレーブ等の高圧容器を使用することを特徴とする(1)〜(12)のいずれか1つに記載の方法。
(14)得られる糖アルコールが、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、エリスリトール、マルチトールのうち1種以上を含むことを特徴とする(1)、(3)〜(13)のいずれか1つに記載の方法。
(15)得られる糖が、アラビノース、キシロース、マルトース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、リボース、ソルボース、マンノースのうち1種以上を含むことを特徴とする(1)〜(14)のいずれか1つに記載の方法。
(16)反応生成物である糖アルコール及び/又は糖を、さらにクロマトグラフィーにより精製することを特徴とする(1)〜(15)のいずれか1項に記載の方法。
さらに、本発明は有効利用されていない農産物又は農産副産物の処理方法として、次の実施形態も包含する。
(17)触媒を用いて、細胞壁由来成分を含む有効利用されていない農産物又は農産副産物を、酸、アルカリ、酵素の少なくともひとつによる前処理を行うことなく、触媒存在下又は非存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することを特徴とする、農産物又は農産副産物の処理方法。
本発明によれば、細胞壁由来成分を含む農産物及び/又は農産副産物を、化学的又は酵素的(微生物的)処理を行うことなくそのまま、あるいは単に物理的処理するのみで、特定の触媒の存在下あるいは非存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することで、糖アルコール及び/又は糖を製造することができる。これにより、簡便で低コストに農産物又は農産副産物から直接糖アルコール、糖が得られると共に、環境への負荷が少なく、原料調製方法も容易である。また、本発明により、糖アルコール又は糖をそれぞれ得ることができるほか、一定の条件において糖アルコール及び糖の双方を同時に得ることができる点でも極めて特徴的である。更に、本発明は触媒や未反応原料と反応生成物の反応後の分離が非常に容易であり、かつ触媒を再生処理する必要がない。
なお、本発明においては有効利用されていない細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物の、効率的、効果的な処理方法も提供することができる。
ビートファイバー処理における、ルテニウム触媒での100℃(横軸のRU−1)、130℃(横軸のRU−2)、160℃(横軸のRU−3)、190℃(横軸のRU−4)、250℃(横軸のRU−5)、白金触媒での100℃(横軸のPT−1)、130℃(横軸のPT−2)、160℃(横軸のPT−3)、190℃(横軸のPT−4)、250℃(横軸のPT−5)の各処理条件でのアラビノース(黒塗り棒グラフ)、アラビトール(斜線棒グラフ)、プロピレングリコール(網掛け棒グラフ)、エチレングリコール(横線棒グラフ)の各生成収率(%、縦軸)を示す(いずれも水素初圧5MPa、24時間反応)。 ビートファイバーを触媒非存在下で3時間処理した際の、130〜180℃の各反応温度(横軸)でのアラビノース収率(%、縦軸)を示す。なお、棒グラフ右端はビートファイバーを触媒非存在下で130℃24時間処理した際のアラビノース収率を示す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で原料とする細胞壁由来成分(セルロース、ヘミセルロース等)を含む農産物又は農産副産物としては、ビートファイバー、ビートパルプ、ポテトパルプ、デンプン、コーンコブ、トウモロコシ種皮、バガス、綿実殻、ぶな、樺、ピールロス、マッシュロスなど大量に排出されるものが選ばれる。また、これらのうち1つ以上を含む混合物も原料とすることができる。これらは、これに限定されるものではないが、ヘミセルロース成分を含んでいることが好ましい。また、70℃以上(例えば70〜90℃、70〜130℃など)の熱により乾燥した農産物又は農産副産物を原料とすることもできる。
なお、ここでビートパルプとは甜菜(ビート)を製糖工程において洗浄切断した後、砂糖を抽出した残渣及びその脱水乾燥物を示し、ビートファイバーとは脱水乾燥したビートパルプをさらに粉砕したものを示す。また、ポテトパルプとはジャガイモを原料とするデンプン製造工程における残渣物(ジャガイモ絞り滓)を示し、コーンコブとはトウモロコシの芯(穂軸とも言う)を粉砕したものを示す。また、バガスとは、さとうきびから砂糖を搾った後の残渣を示す。さらに、ピールロスとは、馬鈴薯加工で発生するジャガイモ皮部分を示し、マッシュロスとはポテトフレーク生産時に発生する廃棄部分を示す。
本発明においては、通常の糖アルコールや糖の製造で行うような原料の前処理(酸、アルカリ、酵素又は微生物などで原料成分を水溶性とする工程)を一切必要としない。つまり、原料となる細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物をそのまま、あるいは単に機械的粉砕処理を行うのみで、処理に供することができる。
本発明で用いる触媒は、金属前駆体を多孔質材料からなる固体担体に担持したものを用いる。例えば、塩化白金酸又は塩化ルテニウムをγ−アルミナに担持したものであることが好ましい。触媒の形状、形態は特に制限されないが、粉末状が好ましい。触媒の調製は、通常の含浸法を用い担持した後、焼成、還元を行う方法を用いる。焼成、還元の温度及び時間は、200〜500℃で1〜5時間処理するのが好ましい。
糖アルコール及び糖の製造には、加熱処理又は加圧加熱処理を行う。本発明において、加熱処理とは、容器内部に入った反応材料(農産物や触媒など)に熱を加える処理のことをいう。この際、容器はオートクレーブ等の高圧容器を用いるのが好ましく、密閉、非密閉を問わないが、密閉である場合には加熱によって内部圧力が大気圧よりもやや高くなる場合がある。一方、加圧加熱処理とは、密閉した(高圧)容器内部に入れる反応材料の1つとしてガス(水素など)を使用する場合、ガス充填によって内部圧力が高くなり、そのような状態で加熱することをいう。
なお、糖アルコールを得るためには、触媒及び水素存在下で加圧加熱処理することが好ましい。水素添加の際の水素初圧は2MPa以上であることが好ましく、5MPa以上であることがさらに好ましい。
加熱処理又は加圧加熱処理する際の反応温度は100〜190℃であることが好ましく、100〜160℃であることが更に好ましく、120〜140℃であることがなお好ましい。さらに、処理時間は原料や触媒の量に応じて適宜設定できるが、反応時間を長くするほど高い収量が得られ、3〜6時間以上が好ましく、24時間以上とすることが更に望ましい。また、処理に際しては、水の存在下(原料に含まれる水及び/又は添加した水)で処理することが好ましい。
なお、加熱処理は、過熱水蒸気式焼成装置等のような過熱水蒸気を利用した加熱処理方法を一部又は全ての処理工程で用いてもよい。この際の過熱水蒸気の温度は、110℃以上(例えば110〜200℃、好ましくは120〜190℃)にすることが求められる。
触媒や未反応原料と反応生成物である糖アルコール及び糖との分離は、処理物を冷却前及び/又は冷却後に固液分離することによる。液相は糖アルコール及び/又は糖(反応生成物)を含む水溶液、固相は触媒及び/又は未反応原料である。固液分離方法は常法を用いることができ、例えば濾過法、遠心分離法、沈降法などを利用できる。また、触媒や未反応原料を含む固相は、特に触媒の再生処理等を行うことなくそのまま再度反応に利用できる。必要であれば、反応生成物をさらにクロマトグラフィー等により精製を行ってもよい。
得られる糖アルコールとしては、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、エリスリトール、マルチトールが挙げられる。これらは主にヘミセルロースから触媒及び水素存在下での加圧加熱処理による接触水素化反応で生成される。ソルビトールは甘味料や保湿剤として広く食品工業に利用されているものであり、マンニトールはソルビトールの異性体でその性質はソルビトールと同様である。キシリトールは抗う蝕性の糖質として非常に注目されている糖アルコールであり、アラビトールもキシリトールと同様の機能性を有することが期待されている。
得られる糖としては、アラビノース、キシロース、マルトース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、リボース、ソルボース、マンノースが挙げられる。これらも主にヘミセルロースから生成される。これらは糖として食品工業に用いられるだけでなく、糖アルコールの製造原料として使用することもできる。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(原料農産副産物の糖組成確認)
本発明で原料として使用できる農産副産物のうち、ビートファイバー、ポテトパルプ、コーン種皮、木材パルプについて、塩酸及び硫酸で加水分解して糖組成をHPLC(高速液体クロマトグラフィー:島津製作所社製)にて測定した。全ての原料に細胞壁成分由来の糖が含まれていることが確認され、ビートファイバーではアラビノースが、ポテトパルプ及びコーン種皮ではグルコースが主たる構成糖であることが明らかとなった(表1)。なお、収率は各農産副産物の質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
(白金触媒及びルテニウム触媒の調製)
触媒担体として、γ−アルミナ(γ−Al、触媒学会参照触媒JRC−ALO−2)を用いた。この担体200mgを前処理として150℃で1時間真空乾燥した。室温に冷却後、水20mlを加えて粉末を分散させ、これに試薬として市販されている塩化白金酸(HPtCl)又は塩化ルテニウム(RuCl)各15mgを水5mlに分散した溶液をそれぞれ加えて、室温で15時間攪拌した。これをエバポレーターで水を蒸発させ、室温で2時間真空乾燥した。さらに、この乾燥粉末をガラスU字管に入れ、酸素ガス流通下(流量20ml/min)、400℃で2時間焼成した。室温に冷却後、窒素ガスを流して酸素を除いた後、水素ガス流通下(流量20ml/min)、400℃で2時間加熱還元した。室温に冷却後、窒素ガスを流して水素を除いた後回収した。得られた金属担持量2.0重量%の白金触媒(Pt/γ−Al)及びルテニウム触媒(Ru/γ−Al)を以降の試験に使用した。
(白金触媒を用いたビートファイバーからのアラビトール、アラビノースの製造)
水40gに実施例2で得た白金触媒193mgおよびビートパルプ粉砕物(ビートファイバー)320mgをステンレス製オートクレーブ(オーエムラボテック社製、高圧マイクロリアクターMMJ−100)に加えて懸濁した。そこに水素(初圧5MPa)を加え、反応温度100、130、160、190、250℃の各温度で24時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液をHPLC(島津製作所社製)にて分析した結果、反応温度130、160、190℃の場合にアラビトール(糖アルコール)の生成が認められた(表2、図1:PT−2〜PT−4)。また、反応温度100、130℃の場合にアラビノース(五炭糖)の生成も認められた(表2、図1:PT−1、PT−2)。なお、収率はビートパルプ粉砕物の質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
(ルテニウム触媒を用いたビートファイバーからのアラビノースの製造)
水40gに実施例2で得たルテニウム触媒100mgおよびビートパルプ粉砕物(ビートファイバー)320mgをステンレス製オートクレーブ(オーエムラボテック社製、高圧マイクロリアクターMMJ−100)に加えて懸濁した。そこに水素(初圧5MPa)を加え、反応温度100、120、130、140、160、190、220、250℃の各温度で24時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液をHPLC(島津製作所社製)にて分析した結果、いずれの反応においてもアラビトールの生成は認められなかった(表3、図1)。一方、反応温度120〜140℃の場合にアラビノースの生成が認められた(表3、図1:RU−2)。したがって、細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物の触媒での反応に際して、触媒の種類及び反応温度による反応生成物の差異があることが明らかとなった。なお、収率はビートパルプ粉砕物の質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
実施例3及び4の100〜250℃のいずれの温度条件においても、ソルビトール及びマンニトールの生成は見られなかった。特に、190℃の温度条件は特許文献8に記載する条件と極めて近いものであるが、ソルビトール及びマンニトールの生成は全く見られなかった。これらの結果は、精製結晶セルロースでない農産物(植物体そのもの)から、特許文献8に記載の範囲の条件でソルビトール及びマンニトールを直接製造することは困難であることを示している。また、驚くべきことに特許文献8に記載の温度条件よりも低い温度条件(130℃)でも糖アルコール(アラビトール)の生成が認められ、100〜140℃の条件では糖(アラビノース)を得ることができた。
(ルテニウム触媒を用いたビートファイバーからのアラビノース製造における反応時間の影響確認)
水40gに実施例2で得たルテニウム触媒100mgおよびビートパルプ粉砕物(ビートファイバー)320mgをステンレス製オートクレーブ(オーエムラボテック社製、高圧マイクロリアクターMMJ−100)に加えて懸濁した。水素添加は行わず、反応温度130℃で各3、6、24時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液をHPLC(島津製作所社製)にて分析した結果、アラビノースの生成が認められた。また、反応時間の経過とともにアラビノース生成量が増えることも明らかとなった(表4)。なお、収率はビートパルプ粉砕物の質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
(白金触媒、ルテニウム触媒を用いたポテトパルプからのグルコース、マルトース製造)
水40gに実施例2で得たルテニウム触媒100mg又は白金触媒193mgと、ポテトパルプ乾燥物320mgをステンレス製オートクレーブ(オーエムラボテック社製、高圧マイクロリアクターMMJ−100)に加えて懸濁した。水素添加は行わず、反応温度130℃で24時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液をHPLC(島津製作所社製)にて分析した結果、グルコースおよびマルトースの生成が認められ、白金触媒の場合に最も収率が高いことが明らかとなった(表5)。なお、収率はポテトパルプ乾燥物の質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
(白金触媒を用いたコーン種皮からのアラビノース、グルコース、マルトースの製造)
水10gに実施例2で得た白金触媒48mgおよびコーン種皮乾燥物80mgを粉砕したものをステンレス製オートクレーブ(オーエムラボテック社製、高圧マイクロリアクターMMJ−100)に加えて懸濁した。水素添加は行わず、反応温度120、130、140℃の各温度で24時間加熱撹拌した。反応終了後、反応液をHPLC(島津製作所社製)にて分析した結果、アラビノース、グルコース、マルトースの生成が認められ、140℃の場合に最も収率が高いことが明らかとなった(表6)。なお、収率はコーン種皮乾燥物の質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
(白金触媒、ルテニウム触媒を用いたビートファイバー及びポテトパルプからのアラビトール、アラビノース製造)
ビートファイバーをルテニウム触媒存在下で加熱撹拌処理し(水素は無添加)、処理物の上清中のアラビノース、アラビトールの含量をHPLCにて調査した。また、ポテトパルプをルテニウム触媒又は白金触媒存在下で加熱撹拌処理(オートクレーブ内水素初圧5MPa)し、処理物の上清中のアラビノース、アラビトールの含量をHPLCにて調査した。これらの処理条件の詳細を表7に示した。
Figure 2010067795
各処理後のアラビノース及びアラビトールの収率の結果を表8に示す。なお、収率は各原料の質量に対する割合(%)で示した。この結果より、ポテトパルプを原料として白金触媒による反応でアラビトールが得られること、またビートファイバーを原料として水素初圧なしで、またポテトパルプを原料として水素初圧5MPaでいずれもルテニウム触媒による処理を行うと、アラビノースが得られることが明らかとなった。また、ビートファイバーからのアラビノース生成の収率結果から、処理時間を長くするほど高い収率が得られることも明らかとなった。なお、収率は各原料の質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
(ビートファイバーからの触媒非存在下でのアラビノース製造)
ビートファイバーの触媒非存在下での加圧加熱処理におけるアラビノース収率を確認するため、以下の試験を行った。
水40g及びビートファイバー320mgをステンレス製オートクレーブ(オーエムラボテック社製、高圧マイクロリアクターMMJ−100)に加えて懸濁した。水素添加は行わず、反応温度を130〜180℃の各温度で3時間加熱撹拌した。また、130℃については24時間の加熱撹拌も行った。反応終了後、反応液をHPLC(島津製作所社製)にて分析した結果、全ての反応温度においてアラビノースの生成が認められ、3時間の加熱撹拌では、160℃で最もアラビノース収率が高かった。130℃については、3時間反応では160℃のときの1/3のアラビノース収率であったが、24時間反応では160℃、3時間反応とほぼ同等のアラビノース収率を得ることができた(表9、図2)。なお、収率はビートファイバーの質量に対する割合(%)で示した。
Figure 2010067795
(過熱水蒸気を使用した加熱処理によるビートファイバーからのアラビノース製造)
ビートファイバー100gを、約180℃の過熱水蒸気によって1時間加熱した。その後、ビートファイバーに水1Lを加えて、60℃で1時間加熱撹拌した。遠心分離して、上清を回収した。残渣に水1Lを加えて、60℃で1時間加熱撹拌し、遠心分離して、上清を回収した。この操作をさらに2回繰り返した。上清をまとめて混合し、HPLC(島津製作所社製)にてアラビノース生成量を測定した。アラビノース15gの生成を確認した(収率15%)。
(クロマトグラフィー処理によるアラビノース精製)
実施例8(表7)の処理条件No.2の反応を100回実施し、100回分の反応液をまとめて混合した。その混合液を遠心分離して、触媒及び未反応原料を除去した。上清を珪藻土ろ過した。ろ液を減圧下で加熱濃縮して、固形分濃度40%の濃縮液を得た。この濃縮液を表10に示すようなクロマトグラフィー条件で分離し(複数回実施)、アラビノースの固形分純度が80%の画分を得た。
Figure 2010067795
本発明を要約すれば、以下の通りである。
セルロース、ヘミセルロース、ペクチンなどの細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を、酸、アルカリ又は酵素などでその成分を水溶性とする前処理を行うことなく利用できる、pH調整、酸、アルカリの中和等が不要な、低コストで簡便な糖アルコール及び/又は糖の製造方法の提供を課題とし、該課題解決のため、細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物をそのまま、あるいは単に機械的粉砕処理するのみで、触媒存在下又は非存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することで、アラビトール、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコール及び/又はアラビノース、グルコース、マルトースなどの糖を低コストで簡便に製造できる。また、必要であれば、得られた糖アルコール及び/又は糖の混合生成物から、さらに定法の分離精製(クロマトグラフィーなど)により目的の成分を単離することもできる。

Claims (16)

  1. 細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を原料として、触媒存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することを特徴とする糖アルコール及び/又は糖の製造方法。
  2. 細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を原料として、触媒非存在下で加熱処理又は加圧加熱処理することを特徴とする糖の製造方法。
  3. 原料となる細胞壁由来成分を含む農産物又は農産副産物を、熱水、酸、アルカリ又は酵素で前処理することなく、加熱処理又は加圧加熱処理することを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 農産物又は農産副産物がビートファイバー、ビートパルプ、ポテトパルプ、デンプン、コーンコブ、トウモロコシ種皮、バガス、綿実殻、ぶな、樺、ピールロス、マッシュロスのうち1つ以上の由来であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 農産物又は農産副産物がヘミセルロースを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 農産物又は農産副産物をそのまま、又は機械的粉砕処理のみを行って原料とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 農産物又は農産副産物を70℃以上の熱により乾燥したものをそのまま、又は機械的粉砕処理のみを行って原料とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 触媒が、金属前駆体である塩化白金酸又は塩化ルテニウムをγ−アルミナに担持したものであることを特徴とする請求項1、3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 加圧加熱処理する際に水素を添加して接触水素化し、その際の水素初圧が2MPa以上であることを特徴とする請求項1、3〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 加熱処理又は加圧加熱処理する際の反応温度が100〜190℃であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 加熱処理する際に、過熱水蒸気を使用することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 過熱水蒸気の温度が110℃以上であることを特徴とする請求項11に記載の方法。
  13. 加熱処理又は加圧加熱処理する際に、高圧容器を使用することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 糖アルコールが、アラビトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、リビトール、ガラクチトール、エリスリトール、マルチトールのうち1種以上を含むことを特徴とする請求項1、3〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 糖が、アラビノース、キシロース、マルトース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、リボース、ソルボース、マンノースのうち1種以上を含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 反応生成物である糖アルコール及び/又は糖を、さらにクロマトグラフィーにより精製することを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
JP2010542106A 2008-12-09 2009-12-08 農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法 Active JP5805390B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010542106A JP5805390B2 (ja) 2008-12-09 2009-12-08 農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008313590 2008-12-09
JP2008313590 2008-12-09
JP2010542106A JP5805390B2 (ja) 2008-12-09 2009-12-08 農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法
PCT/JP2009/070540 WO2010067795A1 (ja) 2008-12-09 2009-12-08 農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2010067795A1 true JPWO2010067795A1 (ja) 2012-05-17
JP5805390B2 JP5805390B2 (ja) 2015-11-04

Family

ID=42242784

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010542106A Active JP5805390B2 (ja) 2008-12-09 2009-12-08 農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5805390B2 (ja)
WO (1) WO2010067795A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5900792B2 (ja) * 2011-02-21 2016-04-06 国立大学法人信州大学 フェルラ酸結合型糖質の製造方法
JP6017896B2 (ja) * 2012-09-06 2016-11-02 日本製紙株式会社 アラビノースの製造方法

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FI102962B (fi) * 1996-06-24 1999-03-31 Xyrofin Oy Menetelmä ksylitolin valmistamiseksi
JP4223579B2 (ja) * 1996-11-18 2009-02-12 三菱商事フードテック株式会社 キシロースおよびキシリトールの製造方法
FI106853B (fi) * 1998-11-18 2001-04-30 Xyrofin Oy Menetelmä polyolien valmistamiseksi arabinoksylaania sisältävästä materiaalista
EP1686192A1 (en) * 2003-11-21 2006-08-02 Tama-Tlo Corporation Method of hydrolyzing organic compound
JP4604194B2 (ja) * 2004-11-02 2010-12-22 国立大学法人広島大学 触媒を用いたセルロースの加水分解方法および触媒を用いたグルコースの生産方法
RU2427422C2 (ru) * 2006-03-01 2011-08-27 Нэшнл Юниверсити Корпорейшн Хоккайдо Юниверсити Катализатор гидролиза целлюлозы и/или восстановления продуктов гидролиза целлюлозы и способ получения из целлюлозы сахарных спиртов
JP4765073B2 (ja) * 2006-07-05 2011-09-07 国立大学法人広島大学 リグノセルロースの水熱加水分解方法
EP2520673B1 (en) * 2006-10-26 2016-03-16 Kawasaki Jukogyo Kabushiki Kaisha Method and system for hydrolytic saccharification of a cellulosic biomass
JP5314917B2 (ja) * 2008-04-23 2013-10-16 川崎重工業株式会社 セルロース系バイオマスの糖化分解方法及び糖化分解装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5805390B2 (ja) 2015-11-04
WO2010067795A1 (ja) 2010-06-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Monteiro et al. Hydrothermal treatment on depolymerization of hemicellulose of mango seed shell for the production of xylooligosaccharides
KR100894374B1 (ko) 셀로올리고당의 제조 방법
EP3094734B1 (en) Process for fractionation of oligosaccharides from agri-waste
JP2015523084A (ja) バイオマスの超臨界加水分解
US9809867B2 (en) Carbon purification of concentrated sugar streams derived from pretreated biomass
Fehér Novel approaches for biotechnological production and application of L-arabinose
JP2009189291A (ja) セルロースを含むバイオマスの糖化方法
CN106574278B (zh) 通过分开的糖化和发酵步骤从木质纤维素材料制备乳酸和/或乳酸盐
Lesiecki et al. Enzymatic hydrolysis of potato pulp
US10106862B2 (en) Mixed super critical fluid hydrolysis and alcoholysis of cellulosic materials to form alkyl glycosides and alkyl pentosides
Awasthi et al. Emerging trends of microbial technology for the production of oligosaccharides from biowaste and their potential application as prebiotic
Subroto et al. Chemical and biotechnological methods for the production of xylitol: a review
Surek et al. Processing of hazelnut (Corylus avellana L.) shell autohydrolysis liquor for production of low molecular weight xylooligosaccharides by Aureobasidium pullulans NRRL Y–2311–1 xylanase
JP5805390B2 (ja) 農産物又は農産副産物からの糖アルコール及び糖の製造方法
JP6844535B2 (ja) 糖アルコールの製造方法
JPWO2011114914A1 (ja) 糖化溶液の製造方法
KR20170132190A (ko) 향상된 효소 제조를 위한 조성물
KR101254662B1 (ko) 그물말과 조류 바이오매스로부터 글루코오스 고함유 당화액의 제조방법
Islam et al. Synthesis of Bacterial Cellulose Sheets from Alternative Natural and Waste Resources
KR20230119864A (ko) 감귤 부산물로부터 발효성 당, 폴라보노이드, 바이오차를 생산하는 제조방법
Rocha et al. Agri-wastes Valorization for Enzymatic Production of Galactooligosaccharides and Fructooligosaccharides
Trinh et al. INTEGRATED PROCESS FOR THE PRODUCTION OF XYLO-OLIGOSACCHARIDES AND BIOETHANOL FROM BAMBOO (PHYLLOSTACHYS PUBESCENS)
Tong Improving saccharification process by pre-swelling of normal maize starch granules for production of sugar and fermented chemicals
Rocha et al. 1 Agri-wastes Valorization
Hermiati et al. Extraction, Isolation, Purification, and Potential Application of Xylose and Xylooligosaccharides from Lignocellulosic Biomass

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20121119

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140527

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140725

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150420

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150901

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150902

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5805390

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350