JPWO2010050558A1 - コンデンサ素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

過酸化水素などの酸素供給剤と、エチレングリコールなどの凝固点降下剤と、リン酸などの電解質とが水に溶解されてなる電解液中で、該電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満の液温で、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極体を化成することにより、該陽極体表面に誘電体層を形成または該陽極体表面に形成された誘電体層を修復し、コンデンサ素子を得る。該コンデンサ素子の誘電体層上に陰極を形成し、陽極体および陰極をそれぞれ外部端子に電気的に接続し、次いで封止することによって電解コンデンサを得る。

Description

本発明はコンデンサ素子の製造方法に関する。より詳細には、本発明は、高電圧による化成が可能で、リフローなどの熱履歴を経たときにおける漏れ電流の変化が小さい、ニオブ製陽極体を用いたコンデンサ素子の製造方法に関する。
市販電解コンデンサの陽極体には、タンタルまたはアルミニウムが多用されている。前記陽極体の表面には、陽極酸化法(化成法)により陽極素材の酸化皮膜(化成皮膜)が形成され、この化成皮膜が電解コンデンサの誘電体層となる。アルミニウム電解コンデンサはタンタル電解コンデンサと大きく異なる性能特性を有するので両者は用途が分けられている。
ところで、タンタル金属と物理的化学的性質が類似しているものとしてニオブ金属が知られている。ニオブはタンタルに比べて資源的に豊富で、価格が安価である。また五酸化ニオブは他の金属酸化物に比べ誘電率が高い方である。そこで、タンタル電解コンデンサに用いられていたタンタルをニオブに置き換えることが検討されるようになった。
しかし、ニオブからなる陽極体を化成することによって得られるニオブ酸化皮膜はタンタル酸化皮膜に比べ不安定であった。特に化成電圧当たりに生成するニオブ酸化皮膜の厚みはタンタル酸化皮膜の倍であり、皮膜の成長に伴い発生する歪みもニオブ酸化皮膜はタンタル酸化皮膜の倍になる。そのため膜厚さ基準における耐電圧はニオブ酸化皮膜はタンタル酸化皮膜の半分であった。
また、ニオブ酸化物にはタンタル酸化物にはない非化学量論的低級酸化物が存在する。これが誘電体層内での酸素の拡散を助長し、誘電体層に半導体的性質を与え、漏れ電流を増加させる原因になっていると考えられている。
このような不安定な特性を有する酸化皮膜ではあるが、ニオブ電解コンデンサはタンタル電解コンデンサを超える性能を発揮する可能性を持っているので、さらなる多くの研究がなされている。
例えば、特許文献1には、ニオブ焼結体またはニオブ箔を塩素イオンを含む電解質水溶液中で、液温度−15〜100℃で、化成を実施し、次いでハロゲンイオンを実質的に含まない電解液でエージングするニオブ電解コンデンサの製造方法が記載されている。塩素イオンを含む電解質水溶液は、塩化水素、金属塩化物、アンモニウムまたはアミンの塩化物のごとき塩化物電解質を水に溶解することによって調製されている。
特許文献2には、フレーク化したニオブ粉末を真空中で焼結させ、該焼結体を0.1重量%のリン酸水溶液中で陽極酸化することで、電解コンデンサ陽極を生成することが記載されている。陽極酸化時のリン酸水溶液温度は特に開示されていないが、従来の化成において当業者が通常に採用する温度の60〜90℃程度であると考えられる。
特許文献3には、ニオブ陽極体を、リン酸、硝酸および硫酸から選ばれる少なくとも一つの酸を溶質として含む水溶液(化成液)に浸漬し、凝固点以上約40℃以下の液温で行う方法が提案されている。該化成液の凝固点は、溶質の種類や濃度によって多少異なるが、約0℃(或いは、約0℃から僅かに降下した温度)であると記載されている。実施例では化成時の液温度が5℃〜40℃に設定されている。
特許文献4には、弁作用を有する金属であるタンタルからなる多孔質焼結体を、過酸化水素およびリン酸を含有する水溶液に浸漬し、陽極酸化することによって前記焼結体表面に酸化皮膜を形成することを特徴とする固体電解コンデンサの製造方法が記載されている。陽極酸化時の化成液温度は特に開示されていないが、従来の化成において当業者が通常に採用する温度の60〜90℃程度であると考えられる。
特許文献5には、ニオブまたはニオブを主成分とする合金からなる陽極体の表面に誘電体皮膜層を形成し、前記誘電体皮膜層を形成した陽極体を、過酸化水素0.7〜10重量%および硫酸0.3〜3重量%を含み、水を主溶媒とする溶液に浸漬し、引き上げ後、ピロールまたはピロール誘導体の蒸気に晒すことにより、前記誘電体皮膜層上にポリピロールまたはポリピロール誘導体からなる第1の導電性ポリマー層を形成することを含む電解コンデンサの製造方法が開示されている。誘電体皮膜層は、ニオブ粉末を焼結させた多孔質陽極素子を、5℃のリン酸水溶液に浸漬し、38Vで化成処理して形成している。
特許文献6には、弁作用金属を、電解液に浸漬し、40℃で陽極酸化させて、電解コンデンサのアノードを製造する方法が記載されている。弁作用金属であるタンタル粉末においては、エチレングリコールまたはポリエチレングリコール、脱イオン水およびリン酸からなる電解液を用いることが示されている。
特許文献7には、弁作用金属上に誘電酸化物を形成させるための陽極酸化電解液であって、水;リンのオキソ酸またはその塩;無機酸、無機酸の塩、カルボン酸、カルボン酸の塩およびそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種;およびプロトン性溶媒を含有する陽極酸化電解液が開示されている。弁作用金属がタンタルである場合のプロトン性溶媒として、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコールなどが開示されている。陽極酸化時の化成液温度は特に開示されていないが、従来の化成において当業者が通常に採用する温度の60〜90℃程度であると考えられる。
特開昭57−113211号公報 特表2002−507247号公報 特開2002−198266号公報 特開平9−246109号公報 特開2003−59763号公報 特開2000−133557号公報 特開2007−224421号公報
しかしながら、上記のような従来の陽極酸化法においては、ニオブの化成電圧は40〜50V程度が上限である。化成処理で得られるニオブ誘電体皮膜は未だにゆがみが大きいので、該ニオブ製陽極体を用いた電解コンデンサはリフローなどの熱履歴を経たときにおける漏れ電流の変化を十分に小さくできていない。
本発明の目的は、高電圧による化成が可能で、リフローなどの熱履歴を経たときにおける漏れ電流の変化が小さい、ニオブ製陽極体を用いたコンデンサ素子または電解コンデンサを製造する方法を提供することである。
本発明者らは前記目的を達成するために鋭意検討した結果、酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む電解液中で、該電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満の液温で、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極体を化成することにより、該陽極体表面に誘電体層を形成または該陽極体表面に形成された誘電体層を修復すると、ニオブ酸化物中における酸素の熱拡散および結晶化が抑制され、常温では不可能であった高容量および高電圧での化成が可能になり、漏れ電流の変化が小さい、ニオブ製陽極体を用いたコンデンサ素子または電解コンデンサが得られることを見出した。本発明はこの知見に基づいてさらに検討したことによって完成に至ったものである。
すなわち、本発明は以下の態様を含む。
〔1〕酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む電解液中で、該電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満の液温で、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極体を化成することにより、該陽極体表面に誘電体層を形成または該陽極体表面に形成された誘電体層を修復することを含むコンデンサ素子の製造方法。
〔2〕ニオブまたはニオブ合金からなる陽極体を化成することにより該陽極体表面に誘電体層を形成し、該誘電体層の上に半導体層を形成し、
そして、半導体層の形成途中または形成後に、酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む電解液中で、該電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満の液温で、化成することにより、前記誘電体層を修復することを含むコンデンサ素子の製造方法。
〔3〕酸素供給剤が過酸化水素またはオゾンである前記〔1〕または〔2〕に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔4〕凝固点降下剤がアルコールである前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔5〕アルコールが、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、1−プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である前記〔4〕に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔6〕電解質がリン酸、硫酸、硝酸、硼酸、酢酸、アジピン酸またはこれらの塩であり、溶媒が水である前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔7〕電解液中の溶質が化成時に過飽和状態ではない前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔8〕陽極体が焼結体または箔である前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔9〕陽極体が多孔質体である前記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔10〕化成電圧が210V以上であり且つ陽極体のCV値が4万CV/g以下である前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔11〕化成電圧が294×exp(−8.4×10-6×陽極体のCV値[μFV/g])[V]以上であり、かつ、陽極体のCV値が4万CV/gより大きい前記〔1〕〜〔9〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔12〕化成の終点の電流値が定電圧化成初期の電流値の1/20以下である前記〔1〕〜〔11〕のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
〔13〕 前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の製造方法で得られるコンデンサ素子。
〔14〕 前記〔1〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の製造方法で誘電体層を有するコンデンサ素子を得、該コンデンサ素子の誘電体層上に陰極を形成し、陽極体および陰極をそれぞれ外部端子に電気的に接続し、次いで封止することを含む電解コンデンサの製造方法。
〔15〕 前記〔13〕に記載のコンデンサ素子の誘電体層上に陰極を有し、陽極体および陰極がそれぞれ外部端子に電気的に接続され、封止されている電解コンデンサ。
本発明の製造方法によると、誘電体皮膜中の酸素の拡散が抑えられ、高い化成電圧でも正孔や欠陥のない誘電体皮膜を形成でき、高温熱処理前後における漏れ電流の変化が小さい、ニオブ製陽極体を用いたコンデンサ素子または電解コンデンサを得ることができる。
本発明の製法と従来の製法で作成したコンデンサ素子の加熱前後での漏れ電流の変化を示した図である。 本発明の製法で作成したコンデンサ素子の電流−電圧特性を示した図である。 従来の製法で作成したコンデンサ素子の電流−電圧特性を示した図である。 従来の製法で作成したコンデンサ素子の電流−電圧特性を示した図である。 化成温度及びCV値に対する化成限界電圧を示した図である。 実施例2の200V化成したニオブ箔表面の走査型電子顕微鏡写真像である。 実施例2の200V化成したニオブ箔表面の走査型電子顕微鏡写真像である。 比較例3の200V600分間化成したニオブ箔表面の走査型電子顕微鏡写真像である。 比較例3の200V600分間化成したニオブ箔表面の走査型電子顕微鏡写真像である。
本発明のコンデンサ素子の製造方法は、酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む電解液中で、該電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満の液温で、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極体を化成することにより、該陽極体表面に誘電体層を形成または該陽極体表面に形成された誘電体層を修復することを含むものである。
本発明に使用するニオブまたはニオブ合金からなる陽極体は特に制限されず、一般に入手できるものを用いることができる。陽極体に用いられるニオブとしては、例えば、ハロゲン化ニオブのアルカリ金属還元品、酸化ニオブのアルカリ土類金属還元品、水素化ニオブの粉砕・脱水素処理品などが挙げられる。また、陽極体には、例えば、WO2002/015208に記載のごとき、ニオブを母金属とする合金(ニオブ合金)を用いてもよい。
陽極体は、箔、線、焼結体、スパッタ膜、蒸着膜などのいずれの形態でもよい。これらのうち焼結体または箔が好ましい。陽極体が箔の場合は巻回型コンデンサに好適である。
ニオブまたはニオブ合金の粉末の焼結体を陽極体として用いる場合、粉末の粒子形状に注意することが好ましい。例えばニオブの化成定数を4nm/Vとすると、仮に50V化成では裏表合計0.4μmの化成皮膜が成長し、元素の輸率を考慮すると陽極体中に表裏約0.15μmの誘電体皮膜が侵入する。焼結された粒子の中心付近まで誘電体に置き換わってしまうと、導電性部分が無くなってしまって容量が低下する。
焼結体における粒子間の結合状態は、電解化成に大きな影響を与える。粉末を成形体にするときの圧縮力もしくは成形体中の粉末のみかけ成形密度が上がるほど、粉末を焼結させるときの温度が高いほどまたは焼結処理の時間が長くなるほど、焼結体における粉末間の融着が進み結合部分が太る。結合部分が太くなると誘電体皮膜の形成や成長に耐えられるようになり、より高電圧の化成に耐えられるようになる。その反面、陽極体の比表面積が減少し、静電容量が減少する傾向になる。また、曲面において化成皮膜が成長すると外周部と内周部の曲率差から歪みを生じやすく、誘電体皮膜の破壊の原因になることがある。
そのため使用する陽極体が焼結体の様に多孔質体である場合、陽極体のCV値(CV値:陽極体単位質量あたりの静電容量と化成電圧の積。単位μFV/gで表す。)によって自ずと化成電圧の限界(化成限界電圧)が決まる。CV値が約4万μFV/gまでは化成限界電圧はほぼ同じ高さであるが、CV値がそれよりも高くなると化成限界電圧が低くなってくる。例えば10万μFV/gクラスの陽極体では約120Vが、20万μFV/gクラスの陽極体では約50Vが化成電圧の限界であった。
本発明に使用する陽極体は、例えば、4万μFV/gクラスの焼結体のように焼結体構成粒子の曲率差による歪みが小さいもので、元々高電圧化成に有利な焼結体に限定されるものではない。いわゆるBケースサイズで1%リン酸を用いて20V化成を実施したときに容量が150μF程度の素子、言い換えると15万μFV/gクラスの焼結体などが使用できる。もちろんより高容量粉末を使用し適切な成型、焼結を実施した焼結体を用いて大容量、高耐圧のコンデンサを設計することができる。
本発明に使用する電解液は、酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む溶液である。
電解質は、陽極酸化(化成)において従来から一般に用いられている電解質である。電解質は、酸素供給剤または凝固点降下剤と化学反応を起こし難いものであることが好ましい。例えば、リン酸、硫酸、硝酸、硼酸、シュウ酸、酢酸、アジピン酸およびそれらの塩が挙げられる。これらのうちリン酸、硫酸、硝酸、硼酸、酢酸、アジピン酸およびそれらの塩が好ましく、特にリン酸が好ましい。電解質の量は、電解液全体に対して、好ましくは0.01〜10質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
酸素供給剤は、陽極酸化で消費される酸素を補うことができるものであれば特に制限されない。例えば、過酸化水素やオゾンが挙げられる。過酸化水素やオゾンは溶媒に溶解させて電解液に含有させることが好ましい。酸素供給剤の量は、電解液全体に対して、好ましくは0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量%である。
溶媒には、水が通常用いられる。本発明に使用する電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液は、例えば、溶媒に水を用いた場合には、凝固点がほぼ0℃である。
凝固点降下剤は、該凝固点降下剤を添加する前の液の凝固点を降下させることができるものであれば特に限定されないが、溶媒との相溶性の高いものが好ましい。例えば、溶媒に水を用いている場合には、凝固点降下剤は、アルコールが好ましく、特にメタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、1−プロパノール、2−プロパノール、またはブタノールが好ましい。なお、電解質にも凝固点を降下させる効果があるが、本発明における凝固点降下剤には電解質を含まない。
凝固点降下剤は、電解液に対して電気抵抗成分となるので、所望の化成温度で電解液が凍結しないようにするための最低必要量を添加することが最も好ましい。凝固点降下剤の使用量は、電解液全体に対して、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10〜30質量%である。
本発明のコンデンサ素子の製造方法では、酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満、好ましくは−30℃〜前記凝固点未満、より好ましくは−20℃〜−2℃、さらに好ましくは−13℃〜−7℃の液温で、陽極体を電解酸化によって化成する。これによって、該陽極体表面に良好な誘電体層を形成または該陽極体表面に形成された誘電体層を良好なものに修復することができる。
化成時の液温が電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点以上になると誘電体皮膜内に結晶が生成し、この結晶が化成皮膜損傷の起点となり高電圧化成に不利になる。温度上昇につれて誘電体皮膜内の酸素拡散が活発になり、誘電体皮膜層が厚くなり静電容量が小さくなる。
一方、液温を−30℃以下の低い温度に設定すると、高い化成限界電圧が得られる。ただし、添加しなければならない凝固点降下剤の量が増えて、電解液の電気抵抗が高くなる。高電気抵抗の電解液はそれ自体が発熱体となるので、大掛かりな冷却装置を要することになる。
所望する化成電圧が十分得られる限り、−13℃〜−7℃の液温であれば、電解液の抵抗がまだ小さく、印加した電力が効率よく電解化成に使われ、バランスのよい処理条件である。
なお、電解液中の溶質が化成時に過飽和状態ではないことが好ましい。過飽和状態になっていると何等かのきっかけ(例えば、衝撃など)によって、相平衡状態に移行し、結晶が析出し、高電圧化成に不利になることがある。
化成開始時の電流密度はコンデンサ素子の表面積当たり1μA/cm2〜10mA/cm2であることが望ましい。例えば、陽極体が15万CV/gの焼結体の場合、コンデンサ素子質量当たり3mA/g〜30A/gであることが好ましい。化成電圧は2〜300Vに調整することが好ましい。電圧は、最初に一定電流で昇圧させ、次いで一定電圧(化成電圧)で保持するのが好ましい。化成時間は30分間〜960分間であることが好ましい。
化成の終点の電流値は定電圧化成初期の電流値の1/20以下であることが好ましい。
上記方法で得られたコンデンサ素子は、通常、純水で洗浄され、次いで乾燥される。乾燥は素子に付着した水が蒸発する温度および時間であれば特に制限はない。ただし乾燥時の温度が120℃を超えると誘電体層内の酸素が拡散しやすくなり、電気特性に影響が出るおそれがある。そこで、例えば、温度105℃で30分間保持するなどの条件で乾燥することが好ましい。
乾燥後のコンデンサ素子はウェット評価に供され、その電気特性が測定される。電気特性は、特に指定しない限り、日本電子機械工業会規格 EIAJ RC−2361A タンタル電解コンデンサ用タンタル焼結素子の試験方法(2000年2月改正)に準拠して測定することができる。
本発明の電解コンデンサの製造方法は、前記のごとき方法でコンデンサ素子を得、該コンデンサ素子の誘電体層上に陰極を形成し、陽極体および陰極をそれぞれ外部端子に電気的に接続し、次いで封止することを含むものである。
陰極は従来の電解コンデンサに用いられている陰極材料で形成できる。例えば、無機半導体である二酸化モリブデン、二酸化タングステン、二酸化鉛、または二酸化マンガンや;有機半導体であるポリピロールなどで半導体層を形成できる。さらに導電性ペーストであるカーボンペーストや銀ペースト、あるいは金属メッキなどで導電体層を形成できる。
半導体層の形成途中または形成後に修復化成(再化成)を行ってもよい。修復化成には、一般的に行われている方法を用いることもできるが、漏れ電流をより低く抑えるために本発明の化成方法を適用することが好ましい。特に、所望する修復化成電圧が従来の方法では化成できない高電圧である場合には本発明の方法が好ましく適用される。
また、従来の方法で誘電体層を形成した場合でも、修復化成に本発明の化成方法を適用することにより、漏れ電流をより低く抑えることができるため好ましい。
上記陰極に陰極リードが通電可能な状態で接続され、該陰極リードが電解コンデンサの外装の外部に露出して陰極外部端子となる。一方、陽極体には、陽極リードが通電可能な状態で接続され、該陽極リードが電解コンデンサの外装の外部に露出して陽極外部端子となる。陰極リードおよび陽極リードの取り付けには通常のリードフレームを用いることができる。次いで、樹脂等による封止によって外装を形成して電解コンデンサを得ることができる。このようにして作成された電解コンデンサは、所望によりエージング処理を行うことができる。本発明の電解コンデンサは、各種電気回路または電子回路に装着し、使用することができる。
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
インゴット粉砕法で作成された平均一次粒子径0.5μmのニオブ粉末にポリメタクリル酸イソブチルをトルエンに溶解させたものを粉末質量の5%添加した。よく撹拌後トルエンを蒸発させ除去した。得られた粉末をタンタル粉末成型機TAP−2R(株式会社OPPC製)で縦×横=2.0mm×2.0mmの金型を用い、太さ0.2mmのニオブワイヤを埋設、植立させながら、見かけ成形密度3.0g/cm3、質量22mgの粉末成形体を得た。
粉末成形体を5×10-4Pa以下の減圧下、1230℃で30分間の焼結処理を実施し、ニオブ焼結体を作成した。この焼結体のCV値は15万μFV/gであった。
このニオブ焼結体を、リン酸3質量%、過酸化水素1質量%および凝固点降下剤としてのエチレングリコール25質量%を含む水溶液に浸漬し、冷凍装置内で液温度を−10℃に調整した。なお、該水溶液から凝固点降下剤を除いた組成(リン酸4質量%、過酸化水素1.3質量%)の液の凝固点は約−1.5℃であった。化成は、最初に一定電流で昇圧させ、次いで一定の化成電圧で120分間保持して行った(定電圧化成)。電流密度1.5A/g、化成電圧20V、40V、60Vおよび100Vでそれぞれ化成を行った。化成後、水で洗浄し、乾燥して、コンデンサ素子を得た。得られたコンデンサ素子の電気特性値を測定した。なお、漏れ電流は化成電圧の0.7倍の電圧を印加したときの測定値である。100V化成品については25Vを印加したときの漏れ電流も測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1と同じ方法で得た15万μFV/gのニオブ焼結体を1質量%リン酸水溶液に浸漬し、液温を80℃に調整した。化成は、最初に一定電流で昇圧させ、次いで一定の化成電圧で120分間保持して行った。電流密度200mA/g、化成電圧20V、40V、60Vおよび100Vでそれぞれ化成を行った。化成後、水で洗浄し、乾燥して、コンデンサ素子を得た。得られたコンデンサ素子の電気特性値を測定した。測定結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1と同じ方法で得た15万μFV/gのニオブ焼結体を1質量%硝酸水溶液に浸漬し、液温を30℃に調整した以外は比較例1と同じ手法でコンデンサ素子を得た。得られたコンデンサ素子の電気特性値を測定した。測定結果を表1に示す。
Figure 2010050558
実施例1、比較例1および比較例2のコンデンサ素子に250℃で20分間の熱処理を行った。この熱処理前と熱処理後での漏れ電流値の変化を表1および図1に示した。
表1に示すように、比較例1および比較例2では100Vによる化成ができなかったが、実施例1では100Vでの化成が可能であった。100V化成品は一般的な漏れ電流測定電圧が70Vであるけれど、化成電圧から設定する使用定格電圧(例えば、25V)での漏れ電流値は十分に低く問題がない。同じ化成電圧による静電容量が、実施例1のコンデンサ素子は、比較例1のコンデンサ素子よりも高く、比較例2のコンデンサ素子に比べても遜色なく十分に高い。
図1より、実施例1のコンデンサ素子は比較例1および比較例2のコンデンサ素子と比べて漏れ電流の変化が小さく、熱的に安定した化成皮膜が形成されていることがわかる。
(実施例2)
市販の純度3N、厚さ100μmのニオブ箔を10mm×30mmに切断し、短辺の一部に太さ0.2mmのニオブワイヤを溶接した。さらにアセトンで脱脂し、硝酸洗浄し、水洗浄し、次いで乾燥して、ニオブ箔素子を得た。
このニオブ箔素子を、リン酸3質量%、過酸化水素1質量%および凝固点降下剤としてのエチレングリコール25質量%を含む水溶液に浸漬し、冷凍装置内で液温度を−10℃に調整した。化成は、最初に一定電流で昇圧させ、次いで一定の化成電圧で120分間、360分間、480分間および600分間でそれぞれ保持して行った。電流密度5.5mA/cm2または0.83mA/cm2、化成電圧60V〜300Vでそれぞれ化成を行った。化成後、水で洗浄し、乾燥して、コンデンサ素子を得た。得られたコンデンサ素子の電気特性値を測定した。測定結果を表2に示す。
また、200V化成したニオブ箔表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真像を図6および図7に示した。図7は高倍率のSEM写真像である。図6および図7に示すように、視野内には欠陥のある化成膜が観察されなかった。
(比較例3)
実施例2と同じ方法で得られたニオブ箔素子を1質量%リン酸水溶液に浸漬し、液温を70℃または60℃に調整した以外は実施例2と同じ手法でコンデンサ素子を得た。得られたコンデンサ素子の電気特性値を測定した。測定結果を表2に示す。また、200Vで600分間化成したニオブ箔表面のSEM写真像を図8および図9に示した。図9は高倍率のSEM写真像である。図8に示すように、視野全体に粒状の模様が観察された。この粒状模様は、図9に示すように、化成膜の欠陥であった。この欠陥のために、比較例3では、化成終了時電流が十分に低くならなかったと考えられる。
Figure 2010050558
表2より、ニオブ箔において本発明の方法を用いると300V以上での化成が可能であり、CV値の低い素子では高電圧に対応できることがわかる。なお、箔は、CV値数100μFV/gの焼結体に相当すると考えられる。
また、図6〜9より、本発明の方法を用いると誘電体層として欠陥の少ない化成膜が得られることがわかる。
(実施例3)
実施例1で作成したコンデンサ素子を陽極に、白金黒を陰極に用い、これらを40質量%硫酸に室温で浸漬し、陽極と陰極とに直流電源を順方向に接続した。電流10mA、電圧0.5Vにて直流を流し始め30秒間経過後に電流値を測定した。直流電源を一旦切り、電圧を0.5V上げ1.0Vに設定して直流を再度流し30秒間経過後に電流値を測定した。以下同様に0.5Vずつ電圧を上げてその都度電流値を測定した。印加した電圧値と30秒間経過後の電流値との関係を図2に示した。
図2は実施例1で作成したコンデンサ素子のデータを示している。100V化成品は約40Vに変曲点(丸で標した部分)を有していることがわかる。すなわち、変曲点以下の電圧ではオームの法則に従う可逆的な電流−電圧特性領域であり、電解コンデンサにした場合この変曲点以下での定格電圧が選択できる。
(比較例4)
比較例1で作成したコンデンサ素子を陽極に用いた以外は実施例3と同じ手法で測定を行った。結果を図3に示した。
図3に示すように、比較例1のコンデンサ素子は、60V化成品でも変曲点(丸で標した部分)の電圧値が約30Vになるのがやっとで、実施例1には及ばない。
(比較例5)
比較例2で作成したコンデンサ素子を陽極に用いた以外は実施例3と同じ手法で測定を行った。結果を図4に示した。
図4から、40V化成品および60V化成品のデータは、初期から20V化成品より電流値が大きいため、見かけ上30V付近に変曲点が表れるが、電気特性としては劣っていることがわかる。
(実施例4)
BET比表面積から換算される平均1次粒子径が0.3μm〜1μmのインゴット粉砕法で作成されたニオブ粉末を用いて、実施例1と同様の手法で表3に示すCV値を有するニオブ焼結体を作成した。
この焼結体を用いて、実施例1と同じ手法で化成を行った。ただし、種々の電圧で化成を行い、化成の終点の電流値が定電圧化成初期の電流値の1/20以下となる化成電圧の上限(これを化成限界電圧とした)を求めた。測定結果を表3に示す。
(比較例6)
実施例4と同じ手法で得られた焼結体を用いて、実施例4と同様の手法で化成を行い、化成限界電圧を求めた。ただし、化成液として1質量%リン酸水溶液を用い、化成液の温度を60℃とした。測定結果を表3に示す。
実施例4及び比較例6の化成限界電圧とCV値の関係は、CV値4万μFV/gを超える領域で、図5(実線)に示したように良好に指数近似で表され、式1の関係となった。また、測定値より求められる指数近似式の定数(式1のA及びB)を表3に示した。
化成限界電圧[V]=A × exp(B × CV値[μFV/g])
(式1)
式1中のA,Bは定数、CV値>4万μFV/gである。
なお、CV値4万μFV/g以下の領域の化成限界電圧は、CV値による影響がほとんど無く、一定の電圧となる。
Figure 2010050558
(実施例5)
実施例4と同じ手法で得られた17万μFV/gの焼結体を用いて、実施例4と同様の手法で化成を行った。ただし、化成液の温度を−2℃とした。測定結果を表4に示す。
(実施例6)
実施例4と同じ手法で得られた17万μFV/gの焼結体を用いて、実施例4と同様の手法で化成を行った。ただし、化成液として、リン酸5.6質量%、過酸化水素1.9質量%およびエタノール28質量%を含む水溶液を用い、化成液の温度を−20℃とした。測定結果を表4に示す。
(比較例7)
実施例4と同じ手法で得られた17万μFV/gの焼結体を用いて、比較例6と同様の手法で化成を行った。ただし、化成液の温度を10℃、20℃、30℃、40℃で実施した。測定結果を表4に示す。
Figure 2010050558
実施例4および比較例6より、指数近似式の定数A,Bの内、A値は化成温度に依存し、B値は化成温度に依存せず、一定であった。これより、特定の化成温度及びCV値での化成限界電圧がわかれば、これより定数Aを求め、その化成温度での各CV値での化成限界電圧が推定できる。各化成温度でのA値を表4に示した。また、各化成温度及びCV値での化成限界電圧を図5(点線)に示した。
図5に示したように、従来の化成方法では、CV値が4万μFV/g以下では、化成限界電圧が203V未満である。4万μFV/gを超えるCV値では、式1のA値が285未満の範囲の化成限界電圧である。
一方、本発明の方法を用いることにより、CV値が4万μFV/g以下では、210V以上、好ましくは230V以上で化成することが可能である。4万μFV/gを超えるCV値では、式2でa=294の際の化成電圧以上、好ましくはa=322の際の化成電圧以上で化成することが可能である。
化成電圧[V]=a × exp(b × CV値[μFV/g]) (式2)
式2中のa、bは定数、b=−8.4×10-6 、CV値>4万μFV/gである。
(実施例7)
比較例1と同じ手法にて40Vで化成したコンデンサ素子を得た。得られた素子を、60質量%硝酸マンガン水溶液に浸し、次にこの素子に付着している硝酸マンガンを220℃で熱分解させる操作を10回繰り返した。この操作により、素子に無機半導体層である二酸化マンガン層を形成した。
この素子を実施例1で行ったニオブ焼結体の化成方法と同じ方法にて化成し修復化成を実施した。ただし、電流密度は1.5A/g、化成電圧は30V、保持時間は30分間とした。修復化成後、カーボン層、および銀ペースト層を順次積層し、リードフレームに載せ、次いで全体をエポキシ樹脂で封止し、チップ型コンデンサを作成した。得られたコンデンサの容量は71μF、漏れ電流は21μAであった。
(比較例8)
比較例1と同じ手法にて40Vで化成したコンデンサ素子を得た。得られた素子を、60質量%硝酸マンガン水溶液に浸し、次にこの素子に付着している硝酸マンガンを220℃で熱分解させる操作を10回繰り返した。この操作により、素子に無機半導体層である二酸化マンガン層を形成した。
この素子を比較例1で行ったニオブ焼結体の化成方法と同じ方法にて化成し修復化成を実施した。ただし、電流密度は200mA/g、化成電圧は30Vで、保持時間は30分間とした。修復化成後、実施例7と同じ方法でチップ型コンデンサを作成し電気的特性を測定した。得られたコンデンサの容量は70μF、漏れ電流は35μAであった。
なお、実施例7および比較例8における漏れ電流は、電流10mA、電圧10Vにて直流を流し始め30秒間経過後に測定した電流値である。
実施例7で作成したコンデンサは比較例8で作成したコンデンサと比べて、漏れ電流が少ない。すなわち、従来の化成方法で形成された誘電体層を本発明の方法で修復化成することにより、コンデンサの漏れ電流を低減できることがわかる。

Claims (15)

  1. 酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む電解液中で、該電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満の液温で、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極体を化成することにより、該陽極体表面に誘電体層を形成または該陽極体表面に形成された誘電体層を修復することを含むコンデンサ素子の製造方法。
  2. ニオブまたはニオブ合金からなる陽極体を化成することにより該陽極体表面に誘電体層を形成し、該誘電体層の上に半導体層を形成し、
    そして、半導体層の形成途中または形成後に、酸素供給剤と凝固点降下剤と電解質と溶媒とを含む電解液中で、該電解液から凝固点降下剤を除いた組成の液の凝固点未満の液温で、化成することにより、前記誘電体層を修復することを含むコンデンサ素子の製造方法。
  3. 酸素供給剤が過酸化水素またはオゾンである請求項1または2に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  4. 凝固点降下剤がアルコールである請求項1〜3のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  5. アルコールが、メタノール、エタノール、エチレングリコール、グリセリン、1−プロパノール、2−プロパノールおよびブタノールからなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である請求項4に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  6. 電解質がリン酸、硫酸、硝酸、硼酸、酢酸、アジピン酸またはこれらの塩であり、溶媒が水である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  7. 電解液中の溶質が化成時に過飽和状態ではない請求項1〜6のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  8. 陽極体が焼結体または箔である請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  9. 陽極体が多孔質体である請求項1〜8のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  10. 化成電圧が210V以上であり且つ陽極体のCV値が4万CV/g以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  11. 化成電圧が294×exp(−8.4×10-6×陽極体のCV値[μFV/g])[V]以上であり、かつ、陽極体のCV値が4万CV/gより大きい請求項1〜9のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  12. 化成の終点の電流値が定電圧化成初期の電流値の1/20以下である請求項1〜11のいずれか1項に記載のコンデンサ素子の製造方法。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法で得られるコンデンサ素子。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法で誘電体層を有するコンデンサ素子を得、該コンデンサ素子の誘電体層上に陰極を形成し、陽極体および陰極をそれぞれ外部端子に電気的に接続し、次いで封止することを含む電解コンデンサの製造方法。
  15. 請求項13に記載のコンデンサ素子の誘電体層上に陰極を有し、陽極体および陰極がそれぞれ外部端子に電気的に接続され、封止されている電解コンデンサ。
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