JPWO2010032780A1 - 金属張積層体、回路基板及び電子部品 - Google Patents

金属張積層体、回路基板及び電子部品 Download PDF

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Abstract

導体をエッチングによって除去し形成した回路基板に半導体素子を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくするとともに接続信頼性を向上させることが可能な金属張積層体、回路基板及び電子部品を提供する。フィルム基材と、銅(Cu)または銅合金(Cu合金)からなる金属層とを有する金属張積層体であって、金属層をエッチングで除去した後の熱処理において、平面方向に0.05〜0.4%膨張する金属張積層体を用いることにより、回路基板に半導体素子を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくすることができることが判明した。従って、このような金属張積層体を用いることにより、信頼性の高い回路基板及び電子部品を作製することができる。

Description

本発明は、金属張積層体、回路基板及び電子部品に関する。特に、導体をエッチングによって除去し形成した回路基板に半導体素子を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくするとともに接続信頼性を向上させることが可能な金属張積層体、回路基板及び電子部品に関する。
近年、COF(Chip On Film)といわれる半導体チップをフィルム配線板に直接搭載する方法が用いられている。このような実装形式は、液晶画面のICドライバーの基板接続法としてよく用いられるが、信号配線の微細化、半導体チップの大型化から、実装時に発生する熱歪みが大きくなり、半導体チップと基板との接続信頼性が大きな問題になっている。
例えば、シリコンチップの熱膨張係数は3ppm/Kに対し、一般に基板の熱膨張係数は16〜60ppm/Kであるため、半田加熱後に室温まで下げた際、熱膨張差によって熱歪みが発生することが大きな問題となっている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2007−262563号公報
この熱歪みを小さくする方法として、例えば、低熱膨張係数の基板を用いる方法がある。しかしながら、回路基板は導体として銅を用いるため、フィルム基材の熱膨張係数を小さくすると、銅との熱膨張係数(16ppm/K)の違いから基板の反り等が発生してしまうという問題があり、本質的な解決にはならない。
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたもので、導体をエッチングによって除去し形成した回路基板に半導体素子を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくするとともに接続信頼性を向上させることが可能な金属張積層体、回路基板及び電子部品を提供することを目的とする。
発明者は上述した従来の問題点について鋭意研究を重ねた。その結果、金属層をエッチングで除去した後の熱処理において、平面方向に0.05〜0.4%膨張する金属張積層体を用いることにより、回路基板に半導体素子を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくできることが判明した。尚、熱処理は、フィルムが軟化する温度以上が望ましく、回路基板に半導体チップを直接搭載するときの半田付けである。
この発明は、上述した研究成果によってなされたものである。
本発明の第1の態様にかかる金属張積層体は、フィルム基材と、銅(Cu)または銅合金(Cu合金)からなる金属層と、を有する金属張積層体であって、前記金属層の少なくとも一部をエッチングで除去した後の熱処理における前記金属張積層体の平面方向の寸法変化率が、0.05〜0.4%であることを特徴とする。
本発明の第2の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第1の態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材の平面方向の線膨張係数が13〜60ppm/Kであることを特徴とする。
本発明の第3の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第1または2の態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材と前記金属層との間に、下地金属層が形成されていることを特徴とする。
本発明の第4の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第3の態様にかかる金属張積層体において、前記下地金属層がニッケル(Ni)、ニッケル合金(Ni合金)、銅(Cu)、銅合金(Cu合金)のいずれか1種からなることを特徴とする。
本発明の第5の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第1から4のいずれか1つの態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材が、熱可塑性フィルムであることを特徴とする。
本発明の第6の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第5の態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材が、光学的異方性の溶融相を形成しうる高分子、熱可塑性のポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂からなる群の中から選択されたいずれか1種類からなることを特徴とする。
本発明の第7の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第1から4のいずれか1つの態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材が、非熱可塑性のポリイミド樹脂で形成されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様にかかる回路基板は、本発明の第1から7のいずれか1つの態様にかかる金属張積層体を用いて回路形成されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様にかかる電子部品は、本発明の第1の態様にかかる回路基板上に半導体素子が直接搭載されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様にかかる電子部品は、本発明の第1の態様にかかる電子部品において、前記半導体素子の電極がバンプによって前記回路基板に接続されていることを特徴とする。
なお、本明細書において、「寸法変化率」は、寸法が大きくなる側をプラス、寸法が小さくなる側をマイナスとする。
本発明によれば、金属層をエッチングで除去した後の熱処理における金属張積層体の平面方向の寸法変化率が、0.05〜0.4%である(熱処理により膨張する)金属張積層体を用いることにより、回路基板に半導体素子を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくすることができる。また、このような金属張積層体を用いることにより、信頼性の高い回路基板及び電子部品を作製することができる。
本発明の第1の実施形態に係る金属張積層体を示す断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る金属張積層体を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る金属張積層体を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る回路基板を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る電子部品を示す断面図である。 フィルム基材が高分子フィルム(液晶ポリマーフィルム)である場合の接続信頼性を示したグラフである。 フィルム基材がPEEKである場合の接続信頼性を示したグラフである。 フィルム基材がPET、PENである場合の接続信頼性を示したグラフである。 フィルム基材が熱可塑性ポリイミドである場合の接続信頼性を示したグラフである。 フィルム基材が非熱可塑性ポリイミドである場合の接続信頼性を示したグラフである。
この発明の一実施形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は説明のためのものであり、本発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なもので置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
まず、本発明を適用可能な金属張積層体について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る金属張積層体を示す断面図である。
図1に示したように、本発明の第1の実施形態に係る金属張積層体10は、フィルム基材11と、フィルム基材11の面11a上に形成された金属層12とを有する。
本実施形態に係る金属張積層体10は、以下のような特徴が有する。
金属張積層体10は、金属層12の少なくとも一部をエッチングで除去した後の熱処理における金属張積層体10の平面方向の寸法変化率が、0.05〜0.4%である。また、フィルム基材11の平面方向の線膨張係数が13〜60ppm/Kである。
上記の特徴を有する本発明を適用可能な金属張積層体10を用いることにより、回路基板に半導体素子を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくすることができる。また、このような金属張積層体10を用いることにより、信頼性の高い回路基板及び電子部品を作製することができる。
次に、本発明の別の実施形態に係る金属張積層体について説明する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る金属張積層体を示す断面図である。図2に示すように、本発明の第2の実施形態に係る金属張積層体20は、フィルム基材11と、フィルム基材11の両面11a、11b上にそれぞれ形成された金属層12及び金属層12´とを有する。金属張積層体20と金属張積層体10の相違点は、金属張積層体10がフィルム基材11と金属層12とがこの順に積層された2層構造であるのに対して、金属張積層体20は金属層12´とフィルム基材11と金属層12とがこの順に積層された3層構造である。また、本発明の第2の実施形態に係る金属張積層体20は、上述した金属張積層体10と同様の特徴と効果を有する。
図3は、本発明の第3の実施形態に係る金属張積層体を示す断面図である。図3に示すように、本発明の第3の実施形態に係る金属張積層体30は、フィルム基材11と、フィルム基材11の面11a上に形成された下地金属層13と、下地金属層13の面13a上に形成された金属層12とを有する。金属張積層体30と金属張積層体10の相違点は、金属張積層体10がフィルム基材11と金属層12とがこの順に積層された2層構造であるのに対して、金属張積層体30はフィルム基材11と下地金属層13と金属層12とがこの順に積層された3層構造である。また、本発明の第3の実施形態に係る金属張積層体30は、上述した金属張積層体10と同様の特徴と効果を有する。
尚、図3では、フィルム基材11の片面上にのみ下地金属層13を形成し、続いて下地金属層13上に金属層12を形成した場合を説明したが、フィルム基材11の両面上にそれぞれ下地金属層13を形成し、続いてそれぞれの下地金属層13上に金属層12を形成した、金属層12と下地金属層13とフィルム基材11と下地金属層13と金属層12とがこの順に積層された5層構造であっても良い。
次に、本発明を適用可能な金属張積層体の金属層、下地金属層、フィルム基材について説明する。本発明を適用可能な金属張積層体10、20、30の金属層12、12´は、銅(Cu)または銅合金(Cu合金)からなる。
また、本発明を適用可能な金属張積層体30の下地金属層13としては、ニッケル(Ni)、ニッケル合金(Ni合金)、銅(Cu)、銅合金(Cu合金)のいずれか1種からなることが望ましい。また、下地金属層13の厚さは、0.05から0.5ミクロン厚の範囲が望ましい。
フレキシブル回路基板には、耐熱性に優れた非熱可塑性ポリイミド基材が用いられることが多いが、本発明を適用可能な金属張積層体10、20、30のフィルム基材11としては、比較的高温でフレキシブル回路基板が軟化しやすい熱可塑性樹脂を用いる方が良い。これは、銅エッチング後、熱によって膨張を起こしやすいためである。
具体的には、液晶ポリマーフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム(PEEK)、熱可塑性ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルムなどが適用できる。また、ポリエステルフィルムの中では、比較的耐熱性が低いものの、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)が適応できる。
実際のSn、SnAg系の半田付けを行う場合、液晶ポリエステル、PEEK、熱可塑性ポリイミドは耐熱性が高く好適である。
次に、本発明を適用可能な金属張積層体を用いた回路基板(配線基板)が、金属層をエッチング除去した後の熱処理により膨張するメカニズムについて、金属張積層体30を例に挙げて説明する。
金属張積層体30の作製には、接着剤を使用せず、フィルム基材11に直接金属をめっきする方法で作製する。その際、めっき皮膜に応力を残し、その後の熱処理によって、あらかじめ平面方向に一定量収縮させた金属張積層体30を作製する。
即ち、無電解めっき法により下地金属層13を形成する際、めっき皮膜が引張応力になるようなめっき液、めっき条件にて皮膜を作製する。次に、フィルムの軟化温度まで加熱することにより、フィルムを軟化させ、めっき皮膜の応力により金属張積層体30を平面方向に収縮させる。
配線基板を作製する際、エッチングによって一部の金属層12を除去することにより、めっき皮膜の応力が除去される。したがって、再度加熱することによりフィルム基材11の収縮量が解放される。即ち、半田加熱時に膨張する金属張積層体30を得ることが可能となる。
次に、本発明を適用可能な金属張積層体の一製造方法について説明する。ここでは、フィルム基材11に直接金属をめっきして金属張積層体30を作製する方法を例に挙げて説明する。
まず、めっき前にフィルム基材11の表面に粗化処理を行う(表面の粗化処理)。次に、無電解めっきを行い金属層の下地層(下地金属層、または、下地めっき層)13を形成する(下地金属層の形成処理)。下地金属層13を形成する際には、めっき皮膜の応力が引張応力となるようにめっきを行う。
引張応力をもつ下地金属層13を形成するには、めっき浴のpHが弱酸性から中性であり、60℃以上の高温で実用的に析出される無電解ニッケル−リンめっき液が適する。また、析出した金属皮膜のリン濃度は5%以下である低濃度リン、5〜10%程度の中濃度リン皮膜が適する。
めっき皮膜(ここでは、下地金属層13である)の応力が引張応力か、圧縮応力かの判定は、フィルム基材11の片面のみにめっきを行い、めっき後の金属張積層体の反りの方向をみて判定できる。即ち、めっき皮膜が上になるように置いたとき、凹状になれば、めっき皮膜は引張応力を示し、凸状になれば、めっき皮膜は圧縮応力を示す。
これにより、めっき皮膜は、フィルム基材11に対して収縮する力が発生するので、その後の熱処理においてフィルム基材が軟化すると、めっき皮膜の応力により金属張積層体30は平面方向に収縮することになる。
したがって、めっき液の選定、めっき条件によってめっき皮膜の応力を制御し、熱処理によってフィルム基材11を軟化させることによって、あらかじめ平面方向に収縮させた金属張積層体30を作製することが可能である。
フィルム基材11の表面への下地めっきとしては、無電解ニッケル−リンめっき液、無電解銅めっき液などを用いて、フィルム基材11の表面に0.05から0.5ミクロン厚の範囲で下地金属層13を析出させる。
次に、熱処理を行う(熱処理)。ここで、熱処理は、金属張積層体30が平坦形状を維持できるように張力を負荷した状態で行うこと、または、著しい変形を防ぐためにフィルムを重ねた静止状態を維持できる状態で行うことが望ましい。即ち、平坦な支持板にフィルムを複数枚重ねて加熱を行うこと、または、ロール状に巻き取った状態で加熱を行うことが望ましい。または、加熱から冷却まで一貫して金属張積層体30が平坦形状を維持できるように、金属張積層体30に張力を負荷して連続的に加熱しても良い。
この熱処理によってフィルムが軟化し、めっき皮膜の応力によって金属張積層体30は平面方向に収縮する。収縮量が大きいほど、銅エッチング後の半田加熱時の膨張量が大きくなる。
最後に、下地めっき上に、電気銅めっきにて、導体として1ミクロンから20ミクロン厚の上部金属層12を形成し(上部金属層の形成処理)、金属張積層体30を作製する。
上述した金属張積層体30の作製方法においては、下地金属層13を形成した後に、熱処理を行い、最後に上部金属層12を形成しているが、下地金属層13を形成した後に、続けて上部金属層12を形成し、最後に熱処理を行うようにしても良い。
収縮量を大きめに設定したときは、下地金属層13のみを形成した後に熱処理を行った方が良い。無電解めっき皮膜のみの方が、引張応力が大きいためである。
次に、本発明を適用可能な回路基板及び電子部品について説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る回路基板を示す断面図である。ここでは、図1に示した金属張積層体10を用いて回路形成された回路基板を例に挙げて説明する。
図4に示すように、回路基板40は、フィルム基材11と、フィルム基材11の面11a上に積層された回路形成された回路金属層15とを有している。この回路基板40の回路金属層15の形成方法としては、例えば、サブトラクト法により、所望の配線パターンとなるように、図1に示した金属張積層体10の金属層12の不要な金属部分をエッチングにて取り除き、所望の配線パターンを有する回路金属層15を形成する。
図5は、本発明の一実施形態に係る電子部品を示す断面図である。ここでは、図4に示した回路基板40を用いた電子部品を例に挙げて説明する。
図5に示すように、電子部品50は、図4に示した回路基板40の表面に半導体素子16の実装部分を残してソルダーレジスト17が塗布されており、回路基板40の回路金属層15と半導体素子16の電極とがバンプ18によって接続されている。
上述した本発明を適用可能な金属張積層体10を用いることにより、回路基板40に半導体素子16を実装する際の半田加熱等による熱歪みを小さくすることができる。従って、信頼性の高い回路基板40及び電子部品50を作製することができる。
次に、本発明に好適ないくつかの実施例を説明する。ここでは、銅エッチング後の熱処理による本発明を適用可能な金属張積層体の平面方向の寸法変化率(膨張率)の測定結果、及び、本発明を適用可能な金属張積層体を用いた回路基板と半導体チップとの接続信頼性についての実施例を説明する。
(液晶ポリマーフィルムの実施例及び比較例)
フィルム基材11として光学的異方性の溶融相を形成し得る高分子フィルム(液晶ポリマーフィルム)を使用した場合について説明する。ここでは、高分子フィルム(液晶ポリマーフィルム)として、(株)クラレ製のVecsterCTを使用した場合について説明する。尚、フィルム厚は50ミクロン厚を用いた。
まず、高分子フィルムを、10規定の水酸化カリウム溶液に80℃で15〜30分間浸して、表面を溶かし凸凹を形成する。次に、コンディショナー処理、ニッケル合金の無電解めっき処理、熱処理、銅の電気めっき処理の各処理を順に施して本発明を適用可能な金属張積層体30(フィルム金属張積層体)を製造した。
コンディショナー処理は、奥野製薬工業(株)製のOPC−350コンディショナーにより、高分子フィルムの表面を洗浄した。ここで、パラジウムを含む触媒付与液として奥野製薬工業(株)のOPC−80キャタリスト、活性化剤としてOPC−500アクセラレーターを用いた。
ニッケル合金の無電解めっき処理は、フィルム両面にニッケル−リンめっきを行った。市販のニッケル−リンめっき液として、奥野製薬工業(株)製のトップニコロン LPH−LFを使用した。
皮膜応力は、浴温度、pH、次亜リン酸と金属ニッケルの比率等を変更させ、異なる下地めっき皮膜(下地金属層13)からなるフィルム金属張積層体30を作製した(実施例1から実施例10の10種類)。pHは5.6から6.3の範囲とし、0.1ミクロン厚の下地めっき層(下地金属層13)を両面に形成した。
めっき皮膜(下地金属層13)の応力の判定には、片面のみめっきを行い、めっき後に発生する反りの方向をみて、引張応力か、圧縮応力かを判断した。尚、めっき後にめっき皮膜側が凹となる場合に引張応力、凸となる場合に圧縮応力と判断した。
熱処理は、フィルム金属張積層体を熱処理槽に入れ、熱処理温度を200℃から250℃にて10分保持した。
銅の電気めっき処理は、導体厚(金属層12の厚さ)が8ミクロンになるように銅(金属層12)を形成した。銅電気めっき液は下記を用いた。尚、添加剤として、荏原ユージライト(株)製のキューブライトTH−RIIIを使用した。尚、全ての実施例では両面に導体(金属層12)を形成した。
硫酸銅 120 g/L
硫酸 150 g/L
濃塩酸 0.125 mL/L(塩素イオンとして)
なお、実施例9、実施例10は電気銅めっき後、80℃で30分の乾燥を行った後、200℃以上の熱処理をした。この場合のめっき皮膜の応力の判定は、片面のみ導体まで形成した状態での凹凸を見て、引張応力か、圧縮応力かの判断をした。
また、比較例1から比較例6として、実施例1から実施例10と同様のフィルム基材11を用い、同様にアルカリ溶液にて表面を粗化した。
比較例1では、無電解めっき液としてトップニコロンLPH−LFを用いた。また、pHを6.9とし、0.1ミクロン厚のニッケル−リンの下地めっき層を形成した。その後の熱処理は、熱処理温度を160℃で10分とした。その後、銅の電気めっき処理は、導体厚が8ミクロンになるように銅を形成した。
比較例2では、無電解めっき液として、米国ローム・アンド・ハース社製のオムニシールド1580を用いた。pHを9とし、0.1ミクロン厚のニッケル−リンの下地めっき層を形成した。その後の熱処理は、熱処理温度を230℃で10分とした。その後、銅の電気めっき処理は、導体厚が8ミクロンになるように銅を形成した。
比較例3では、無電解めっき液として、米国ローム・アンド・ハース社製のオムニシールド1580を用いた。pHを9とし、ニッケル−リン皮膜を0.1ミクロン厚形成した。その後、80℃で30分の乾燥をした後、電気銅めっきを行い、続いて熱処理をした。
比較例4から比較例6では、無電解めっき液として、奥野製薬工業(株)製のトップニコロンNACを用いた。pHを4.6とし、0.1ミクロン厚のニッケル−リンの下地めっき層を形成した。その後の熱処理は、熱処理温度を比較例4では240℃で、比較例5では250℃で、比較例6では260℃で、それぞれ10分とした。その後、銅の電気めっき処理は、導体厚が8ミクロンになるように銅を形成した。
以上のような条件で作製した実施例1から実施例10及び比較例1から比較例6のフィルム金属張積層体について、導体を除去した後、加熱による平面方向の寸法変化率(膨張率)を、次の方法によって測定した。
IPC−TM−650 2.2.4に記載の寸法安定性の測定方法に類似した方法にて平面方向の変化率を求めた。270mm×290mmのフィルム金属張積層体の四隅にけがき線を形成し、4つの評点A、B、C、Dを作製し、初期値として、AB間、BC間、CD間、DA間の評点距離を測定した。
次に、評点エリアを除く部分の金属をすべてエッチングにより除去した。エッチングには塩化銅を用いた。その後、半田加熱温度を想定した240℃で1分の熱処理を行った。熱処理中はフィルムに高温槽の熱風の影響がでないようにするため、フィルムを金属製の箱に入れ、無負荷状態にて熱処理を行った。
熱処理後に再度、AB間、BC間、CD間、DA間の評点距離を測定し、初期値からの変化量をもとめ、フィルム金属張積層体の長手方向、幅方向のもとめた変化量の平均を平面方向の寸法変化率(膨張率)とした。表1に、銅エッチング後の熱処理による平面方向の寸法変化率(膨張率)の測定結果を示す。
Figure 2010032780
表1に示すように、実施例1から実施例10の平面方向の寸法変化率(膨張率)は、0.06〜0.38%であった。また、比較例1から比較例3の平面方向の寸法変化率(膨張率)は、−0.1〜0.04%であった。また、比較例4から比較例6の平面方向の寸法変化率(膨張率)は、0.41〜0.48%であった。
次に、半導体チップの基板との接続信頼性を試験するため、COF基板を作製して、温度サイクル試験を行った。
金属をエッチングにより除去した回路基板を作製し、フリップチップボンダーを用いてTEGチップに接続して電子部品を作製した。ここで、実施例1から実施例10及び比較例1から比較例6で作製した両面基板のフィルム金属張積層体を用いて片面パターンを作製した。TEGチップとして、日立超LSIシステムズよりJTEG Phase6_50を使用し、それに適合する配線基板を作製した。尚、JTEG Phase6_50の仕様は下記である。
チップサイズ : 1.6mm×15.1mm×15.1mm
パッドピッチ : 50ミクロン
パッド数 : 479パッド
バンプサイズ : 30ミクロン×100ミクロン
バンプ : 金めっき 高さ10ミクロン
回路基板を作製するため、フィルム金属張積層体をサブトラクト法によってエッチングした後、Snめっきを0.5ミクロン厚になるように、置換めっきによって銅表面に析出させた。その後、ソルダーレジストを塗布して回路基板を作製した。
回路基板とチップとの接続は、フリップチップボンダーにてチップのバンプと回路基板との位置合わせを行い、Snの溶融温度以上に加熱してチップと回路基板の接合を行った。
信頼性試験として、温度サイクル試験を行った。温度サイクル試験条件として、−55℃で10分間保持した後、125℃まで昇温して10分間保持、さらに−55℃への降温を繰り返した。接続抵抗として、チップと回路基板との接続抵抗を100サイクル毎に測定し、初期抵抗から20%増加したところで、破断とみなした。温度サイクル試験によって測定した破断までのサイクル数を、表2及び図6に示す。
Figure 2010032780
表2及び図6に示すように、銅エッチング後に、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例1から実施例10において、破断までのサイクル数が大きいことがわかった。即ち、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例1から実施例10において、高い接続信頼性を示していることがわかった。また、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.1〜0.3%のである実施例3から実施例8において、特に、高い接続信頼性を示していることがわかった。
一方、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%未満の比較例1から比較例3、及び、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.4%以上の比較例4から比較例6において、破断までのサイクル数が小さく、接続信頼性が低いことを示していることがわかった。
次に、その他のフィルム基材として、PEEK、熱可塑性ポリイミド、PET、PEN、非熱可塑性ポリイミドを用いた場合について説明する。
(PEEKの実施例及び比較例)
フィルム基材としてPEEKを使用した場合について説明する。ここでは、PEEKとして、三菱樹脂(株)製のIBUKIを使用した場合について説明する。尚、フィルム厚は50ミクロン厚を用いた。
まず、PEEKを、10規定の水酸化カリウム溶液に80℃で15〜30分間浸して、表面を溶かし凸凹を形成する。次に、コンディショナー処理、ニッケル合金の無電解めっき処理、熱処理、銅の電気めっき処理の各処理を順に施してフィルム金属張積層体を製造した。
表3に示すめっき液にて、0.1ミクロン厚の下地めっき層を形成し、表3に示す熱処理温度にて10分間の熱処理を行った。
銅の電気めっき処理は、導体厚が8ミクロンになるように銅を形成した。尚、全ての実施例では両面に導体を形成した。
以上のような条件で作製した実施例11から実施例20及び比較例7から比較例12のフィルム金属張積層体について、高分子フィルム(液晶ポリマーフィルム)の場合と同様に、導体を除去して後の加熱による平面方向の寸法変化率(膨張率)を測定した。また、半導体チップの基板との接続信頼性を試験するため、COF基板を作製して、温度サイクル試験を行った。表3及び図7は、銅エッチング後の熱処理による平面方向の寸法変化率(膨張率)の測定結果及び温度サイクル試験によって測定した破断までのサイクル数の測定結果を示したものである。
Figure 2010032780
表3及び図7に示すように、銅エッチング後に、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例11から実施例20において、破断までのサイクル数が大きいことがわかった。即ち、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例11から実施例20において、高い接続信頼性を示していることがわかった。
一方、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%未満の比較例7から比較例9、及び、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.4%以上の比較例10から比較例12において、破断までのサイクル数が小さく、接続信頼性が低いことを示していることがわかった。
(PET、PENの実施例及び比較例)
フィルム基材としてPET、PENを使用した場合について説明する。ここでは、PETとして、帝人デュポンフィルム(株)製のテトロン HSLを使用した場合について説明する。尚、フィルム厚は50ミクロン厚を用いた。また、PENとして、帝人デュポンフィルム(株)製のテオネックス Q83を使用した場合について説明する。尚、フィルム厚は50ミクロン厚を用いた。
まず、フィルムの粗化として、ブラスト処理を行い、サンドマット加工を施し、フィルム表面に凸凹を形成した。次に、コンディショナー処理、ニッケル合金の無電解めっき処理、熱処理、銅の電気めっき処理の各処理を順に施してフィルム金属張積層体を製造した。
表4に示すめっき液にて、0.1ミクロン厚の下地めっき層を形成し、表4に示す熱処理温度にて10分間の熱処理を行った。
銅の電気めっき処理は、導体厚が8ミクロンになるように銅を形成した。尚、全ての実施例では両面に導体を形成した。
以上のような条件で作製した実施例21から実施例30及び比較例13から比較例18のフィルム金属張積層体について、高分子フィルム(液晶ポリマーフィルム)の場合と同様に、導体を除去して後の加熱による平面方向の寸法変化率(膨張率)を測定した。また、半導体チップの基板との接続信頼性を試験するため、COF基板を作製して、温度サイクル試験を行った。
ここで、PET、PENは耐熱性が低いため、平面方向の寸法変化率(膨張率)の測定における導体を除去して後の加熱では、PETの場合は170℃で1分、PENの場合は200℃で1分の加熱処理とした。また、PET、PENフィルムは、耐熱性が低いため、SnめっきとBiめっきを行った。また、チップとの接続は約150℃の加熱にて実施した。
表4及び図8は、銅エッチング後の熱処理による平面方向の寸法変化率(膨張率)の測定結果及び温度サイクル試験によって測定した破断までのサイクル数の測定結果を示したものである。
Figure 2010032780
表4及び図8に示すように、銅エッチング後に、加熱温度が170℃または200℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例21から実施例30において、破断までのサイクル数が大きいことがわかった。即ち、加熱温度が170℃または200℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例21から実施例30において、高い接続信頼性を示していることがわかった。
一方、加熱温度が170℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%未満の比較例13から比較例15、及び、加熱温度が200℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.4%以上の比較例16から比較例18において、破断までのサイクル数が小さく、接続信頼性が低いことを示していることがわかった。
(熱可塑性ポリイミドの実施例及び比較例)
フィルム基材として熱可塑性ポリイミドを使用した場合について説明する。ここでは、熱可塑性ポリイミドとして、三井化学のAURUMを使用した場合について説明する。尚、フィルム厚は25ミクロン厚を用いた。
まず、熱可塑性ポリイミドを、10規定の水酸化カリウム溶液に80℃で5〜15分間浸して、表面を溶かし凸凹を形成する。次に、コンディショナー処理、ニッケル合金の無電解めっき処理、熱処理、銅の電気めっき処理の各処理を順に施してフィルム金属張積層体を製造した。
表5に示すめっき液にて、0.1ミクロン厚の下地めっき層を形成し、表5に示す熱処理温度にて10分間の熱処理を行った。
銅の電気めっき処理は、導体厚が8ミクロンになるように銅を形成した。尚、全ての実施例では両面に導体を形成した。
以上のような条件で作製した実施例31から実施例40及び比較例19から比較例24のフィルム金属張積層体について、高分子フィルム(液晶ポリマーフィルム)の場合と同様に、導体を除去して後の加熱による平面方向の寸法変化率(膨張率)を測定した。また、半導体チップの基板との接続信頼性を試験するため、COF基板を作製して、温度サイクル試験を行った。表5及び図9は、銅エッチング後の熱処理による平面方向の寸法変化率(膨張率)の測定結果及び温度サイクル試験によって測定した破断までのサイクル数の測定結果を示したものである。
Figure 2010032780
表5及び図9に示すように、銅エッチング後に、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例31から実施例40において、破断までのサイクル数が大きいことがわかった。即ち、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例31から実施例40において、高い接続信頼性を示していることがわかった。
一方、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%未満の比較例22から比較例24、及び、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.4%以上の比較例19から比較例21において、破断までのサイクル数が小さく、接続信頼性が低いことを示していることがわかった。
(非熱可塑性ポリイミドの実施例及び比較例)
フィルム基材として非熱可塑性ポリイミドを使用した場合について説明する。ここでは、非熱可塑性ポリイミドとして、東レ・デュポン(株)製のカプトン100ENを使用した場合について説明する。
まず、非熱可塑性ポリイミドを、10規定の水酸化カリウム溶液に80℃で5〜15分間浸して、表面を溶かし凸凹を形成する。次に、コンディショナー処理、ニッケル合金の無電解めっき処理、熱処理、銅の電気めっき処理の各処理を順に施してフィルム金属張積層体を製造した。
表6に示すめっき液にて、0.1ミクロン厚の下地めっき層を形成し、表6に示す熱処理温度にて10分間の熱処理を行った。
銅の電気めっき処理は、導体厚が8ミクロンになるように銅を形成した。尚、全ての実施例では両面に導体を形成した。
以上のような条件で作製した実施例41から実施例46及び比較例25から比較例28のフィルム金属張積層体について、高分子フィルム(液晶ポリマーフィルム)の場合と同様に、導体を除去して後の加熱による平面方向の寸法変化率(膨張率)を測定した。また、半導体チップの基板との接続信頼性を試験するため、COF基板を作製して、温度サイクル試験を行った。表6及び図10は、銅エッチング後の熱処理による平面方向の寸法変化率(膨張率)の測定結果及び温度サイクル試験によって測定した破断までのサイクル数の測定結果を示したものである。
Figure 2010032780
表6及び図10に示すように、銅エッチング後に、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例41から実施例46において、破断までのサイクル数が大きいことがわかった。即ち、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%〜0.4%である実施例41から実施例46において、高い接続信頼性を示していることがわかった。
一方、加熱温度が240℃で1分の加熱処理した後の平面方向の寸法変化率(膨張率)が、0.05%未満の比較例25から比較例28において、破断までのサイクル数が小さく、接続信頼性が低いことを示していることがわかった。
上述した表1から表6及び図6から図10に示したように、銅エッチング後の加熱による平面方向の寸法変化率(膨張率)が0.05〜0.4%であると接続信頼性が高いことがわかった。また、通常の回路基板で用いられるSn、SnAg系の半田付けを行う場合、フィルム基材としては、液晶ポリエステル(液晶ポリマー)、PEEKにて高い接続信頼性が得られることがわかった。また、耐熱性が要求されない場合には、PET、PENを用いることができることもわかった。
以上のことから、金属層をエッチングにより除去した後の熱処理により、平面方向に0.05%〜0.4%膨張する金属張積層体を用いた回路基板に半導体チップを直接搭載する(例えば、バンプによって回路基板の電極と半導体チップとを接続する)ことにより接続信頼性の高い電子部品を製造することができる。
10,20,30:金属張積層体
11:フィルム基材
12,12´:金属層
13:下地金属層
15:回路金属層
16:半導体素子
17:ソルダーレジスト
18:バンプ
40:回路基板
50:電子部品
本発明の第1の態様にかかる金属張積層体は、フィルム基材上に、該フィルム基材に引っ張り応力が生じるように下地金属層をめっきにより形成した後、熱処理により前記フィルム基材を軟化させて該フィルム基材を収縮させた後、銅または銅合金からなる金属層を形成した金属張積層体であって、
前記下地金属層及び前記金属層の少なくとも一部をエッチングで除去した後の熱処理における前記金属張積層体の平面方向の寸法変化率が、0.0〜0.38%であることを特徴とする。
本発明の第1の態様にかかる金属張積層体は、フィルム基材上に、該フィルム基材に引っ張り応力が生じるようにニッケル―リンからなる下地金属層をめっきにより形成した後、熱処理により前記フィルム基材を軟化させて該フィルム基材を収縮させた後、銅または銅合金からなる金属層を形成した金属張積層体であって、前記下地金属層及び前記金属層の少なくとも一部をエッチングで除去した後の熱処理における前記金属張積層体の平面方向の寸法変化率が、0.06〜0.38%であることを特徴とする。
本発明の第の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第1または2の態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材が、熱可塑性フィルムであることを特徴とする。
本発明の第の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第の態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材が、光学的異方性の溶融相を形成しうる高分子、熱可塑性のポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂からなる群の中から選択されたいずれか1種類からなることを特徴とする。
本発明の第の態様にかかる金属張積層体は、本発明の第1または2の態様にかかる金属張積層体において、前記フィルム基材が、非熱可塑性のポリイミド樹脂で形成されていることを特徴とする。

Claims (10)

  1. フィルム基材と、銅(Cu)または銅合金(Cu合金)からなる金属層と、を有する金属張積層体であって、
    前記金属層の少なくとも一部をエッチングで除去した後の熱処理における前記金属張積層体の平面方向の寸法変化率が、0.05〜0.4%であることを特徴とする金属張積層体。
  2. 前記フィルム基材の平面方向の線膨張係数が13〜60ppm/Kであることを特徴とする請求項1に記載の金属張積層体。
  3. 前記フィルム基材と前記金属層との間に、下地金属層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属張積層体。
  4. 前記下地金属層がニッケル(Ni)、ニッケル合金(Ni合金)、銅(Cu)、銅合金(Cu合金)のいずれか1種からなることを特徴とする請求項3に記載の金属張積層体。
  5. 前記フィルム基材は、熱可塑性フィルムであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金属張積層体。
  6. 前記フィルム基材は、光学的異方性の溶融相を形成しうる高分子、熱可塑性のポリイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂からなる群の中から選択されたいずれか1種類からなることを特徴とする請求項5に記載の金属張積層体。
  7. 前記フィルム基材は、非熱可塑性のポリイミド樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の金属張積層体。
  8. 請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の金属張積層体を用いて回路形成されていることを特徴とする回路基板。
  9. 請求項8に記載の回路基板上に半導体素子が直接搭載されていることを特徴とする電子部品。
  10. 前記半導体素子の電極がバンプによって前記回路基板に接続されていることを特徴とする請求項9に記載の電子部品。
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