JPWO2010023783A1 - 通信装置及び通信装置の構成方法 - Google Patents

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Abstract

受動素子により構成され且つ濾波特性を変更可能な複素フィルタの濾波特性を改善するため、無線又は有線の通信装置1は、周波数変換器101、受動素子で構成されたロウパスフィルタ102、及び受動素子で構成された複素フィルタ104を有する。周波数変換器101は、通信に用いる所定の周波数を有する信号を入力して別の周波数を有する信号を出力する。ロウパスフィルタ102は周波数変換器101につながる。また、複素フィルタ104はロウパスフィルタ102につながる。

Description

本発明は、高速、広帯域な通信装置に関し、特に受動素子により構成され且つ濾波特性を変更可能な複素フィルタを使用した無線又は有線の通信装置に関する。
近年無線通信においては広帯域通信が必要とされ、IEEE802.11a規格などでは54Mbit/sの広帯域通信が実用化されている。さらに近年、WiMedia規格において、48054Mbit/sクラスの無線通信であるウルトラワイドバンド(UWB:Ultra Wide Band)の規格策定が行われている。このような無線通信では、シャノンの法則から無線伝送に必要とされる占有周波数帯域は非常に広いものとなり、例えばUWBでは3.1GHzから10.6GHzにわたる広い周波数帯域を使用する。このようなUWBの特徴を活かして、有線通信にUWB無線の考え方や構成を取り入れた、UWBケーブル通信も存在する。
特許文献1は、基本的なUWB通信装置の動作を開示している。UWBの各バンドは約500MHzの帯域で構成されている。図32Aに示すようにUWB信号は、シンボル(図32Aの図形3201)ごとに各バンドを順次ホッピングする。受信器は、ダイレクトコンバージョンの構成を持ち、シンボル周期ごとに周波数ホッピングするローカル信号を生成する(図32B)。受信信号は、ミキサで500MHz帯域のベースバンド信号にダウンコンバートされたのち、サンプリング周波数500MspsのA/D変換器によってデジタル信号に変換される。送信器は、500MspsのD/A変換器を持ち、周波数ホッピングするローカル信号を用いてベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする。
一方、特許文献2に開示された通信装置は、ローカル周波数を切り替えることなくf1に固定で設定しながら、ホッピングする信号を受信する(図32C、図31C)。具体的に述べると、特許文献2に開示された通信装置では、2112Mspsのサンプリング周波数でA/D変換器が高速サンプリングを行い、受信信号をデジタル信号に変換する。UWBの1バンドは528MHz帯域を持つ。特許文献2に開示された通信装置は、f1に固定されたローカル周波数を用いてダウンコンバートした3バンドの信号を順次A/D変換していくため、信号は−264〜+1320MHzの範囲に存在する。バンド1(中心周波数f1)はDC(Direct Current)付近に存在するが、バンド2(中心周波数f2)及びバンド3(中心周波数f3)はまだ高周波のIF周波数を持つ。このため、特許文献2に開示された通信装置は、さらにデジタル領域でダウンコンバートを行う。
特許文献3は、複素フィルタを用いたロウIF(Low−IF)方式のUWB通信装置を開示している(図31A)。図31Aの通信装置3100は、マルチバンド発生器3101を有している。マルチバンド発生器3101は、バンド中心周波数から所定量だけ周波数シフトさせたローカル信号を、周波数ホッピングする複数のバンドのそれぞれに応じて発生する。
特許文献4は、ホッピングフィルタを用いてマルチキャリアの分波を行う受信機を開示している。特許文献4に開示された受信機の構成を図31Bに示す。図31Bの受信機3110は、ホッピングフィルタ3111の後段に直交変調器が配置されている。つまり、特許文献4に開示された受信装置が有するホッピングフィルタは複素フィルタではない。特許文献4に開示された受信機は、RF領域でフィルタバンクを切り換えてマルチキャリアを分離する。
特許文献5は、図33に示す構成を有する通信装置を開示している。図33の通信装置3300は、ベースバンドフィルタ3303、ミキサ3302、第1のRFフィルタ3304、RFアンプ3301、及び第2のRFフィルタ3305を持つ。ベースバンドフィルタ3303、ミキサ3302、第1及び第2のRFフィルタ3304及び3305は、双方向に信号の伝搬が可能であり、これらの回路は送受信で兼用されている。通信装置3300に含まれるRFアンプ3301は双方向に信号伝搬できないが、スイッチ3306及び3307を付加することでRFアンプ3301が送受信で兼用されている。
特許文献6に開示された通信装置は、RFアンプ、ミキサ、ベースバンドフィルタ、及び可変ゲインアンプを持つ。特許文献6に開示された通信装置は、これらの各回路を送受信で兼用することで、回路規模の削減を図っている。特許文献7から10に開示された通信装置も、ミキサ等の送受兼用に関して特許文献6と同様の構成を持つ。
特許文献11に開示された通信装置は、送受信双方向に周波数変換が可能なミキサを持っている。これは、ダイオードの非線形を用いたミキサであり、双方向に周波数変換が可能だが、周波数変換に大きな減衰が伴う問題点を持っている。
特許文献12は、本願と共通の発明者によって考案されたトランシーバを開示している。特許文献12に開示されたトランシーバは、ミキサ、複素フィルタ、及びロウパスフィルタが順次接続された構成を有する。当該トランシーバが有するミキサは、バンドグループの中心周波数に設定された1つのローカル信号を用いてバンドグループ内の全てのサブバンドに関する周波数変換を実行する。そして複素フィルタは、その濾波特性を周波数ホッピングに合わせて高速に切り換える。このような構成により、周波数ホッピングを実現するために生じていたシンセサイザの回路規模及び消費電力の問題、ローカル信号の周波数に依存するローカルリークの問題、不要輻射(スプリアス)の問題等を軽減することができる。
米国特許出願公開第2004/0047285号明細書 (図10、図11) 特開2006−121439号公報 (図1、図4) 特開2006−121546号公報 米国特許出願公開第2006/0051038号明細書 特開2004−254009号公報 特許第3746209号公報 特開平05−129984号公報 特開2000−091945号公報 特開平09−252324号公報 特開2004−007451号公報 特開2006−261793号公報 国際公開第2008/056616号パンフレット
上述したように、特許文献12には、ミキサ、複素フィルタ、及びロウパスフィルタが順次つながる構成が開示されている。しかしながら、特許文献12には、ロウパスフィルタの構成に関しては記載がなく、ロウパスフィルタと複素フィルタの間のインピーダンス整合に関する開示はなされていない。また、その他の特許文献1〜11にも、ロウパスフィルタと複素フィルタの間のインピーダンス整合に関する開示及び示唆は何ら含まれていない。
本発明は、上述した知見に基づいてなされたものであって、受動素子により構成され且つ濾波特性を変更可能な複素フィルタを使用した無線又は有線の通信装置において、複素フィルタの濾波特性を改善することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる通信装置は、周波数変換器、受動素子で構成されたロウパスフィルタ、及び受動素子で構成された第1の複素フィルタを有する。前記周波数変換器は、通信に用いる所定の周波数を有する信号を入力して別の周波数を有する信号を出力する。前記ロウパスフィルタは前記周波数変換器につながる。また、前記第1の複素フィルタは前記ロウパスフィルタにつながる。
上述したように、周波数変換器と、受動素子で構成されるロウパスフィルタと、受動素子で構成される複素フィルタを順次接続することで、受動素子により消費電力が実質的にゼロにできる効果を持ちながら、受動素子の特性インピーダンスを考慮した最適インピーダンス接続が可能となる。よって、インピーダンス不整合に起因する複素フィルタの濾波特性の悪化を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態にかかる通信装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第1の適用例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第1の適用例の動作を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第1の適用例の動作を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第1の適用例の動作を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第1の適用例の動作を示す図である。 インピーダンス変換器の構成例を示す回路図である。 インピーダンス変換器の構成例を示す回路図である。 インピーダンス変換器の構成例を示す回路図である。 インピーダンス変換器の構成例を示す回路図である。 インピーダンス変換器の構成例を示す回路図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第1の適用例の動作を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態の第1の適用例の動作を示す図である。 本発明の第2の実施形態の第1の適用例の動作を示す図である。 本発明の第2の実施形態の第1の適用例の動作を示す図である。 本発明の第2の実施形態の第1の適用例の動作を示す図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第2の適用例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第3の適用例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第4の適用例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第5の適用例の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態にかかる通信装置の第6の適用例の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施形態にかかる通信装置の構成を示すブロック図である。 ロウパスフィルタ(LPF)の構成例を示す回路図である。 ロウパスフィルタ(LPF)の構成例を示す回路図である。 複素フィルタ及びこれに含まれる回路要素の構成例を示す図である。 複素フィルタ及びこれに含まれる回路要素の構成例を示す図である。 複素フィルタの特性を示す図である。 複素フィルタ及びこれに含まれる回路要素の構成例を示す図である。 複素フィルタ及びこれに含まれる回路要素の構成例を示す図である。 複素フィルタの動作を示す図である。 複素フィルタの動作を示す図である。 複素フィルタの動作を示す図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の構成例を示す回路図である。 RFアンプと周波数変換器の動作を示す図である。 本発明の実施の形態1乃至3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態1乃至3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態1乃至3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態1乃至3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる通信装置の動作を示す図である。 本発明の通信装置の動作を示す図である。 本発明の実施の形態3にかかる通信装置の設定アルゴリズムを示す図である。 背景技術に関する装置の構成を示す図である。 背景技術に関する装置の構成を示す図である。 背景技術に関する装置の動作を示す図である。 背景技術に関する装置の動作を示す図である。 背景技術に関する装置の動作を示す図である。 背景技術に関する装置の動作を示す図である。 背景技術に関する装置の構成を示す図である。
以下では、本発明を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略される。
<第1の実施の形態>
[構成の説明]
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる通信装置1の構成を示すブロック図である。通信装置1は、周波数変換器101、ロウパスフィルタ(LPF)102、インピーダンス変換器103、及び第1の複素フィルタ104を含む。LPF102及び第1の複素フィルタ104は、それぞれ受動素子で構成される。
LPF102は、例えば図14Aに示すように構成するとよい。図14Aの構成例は、第1及び第2のインダクタL1及びL2と、第1から第5のコンデンサC1〜C5を含む。図14Aの左側から信号が入力されるとすると、入力端子TE1にはL1及びC1の並列接続がつながり、L1及びC1それぞれのもう一方の端子はL2及びC2の並列接続につながる。また、L2及びC2それぞれのもう一方の端子は出力端子TE2につながる。入力端子TE1と接地の間にはC3が配置される。上記のL1及びC1のもう一方の端子と接地の間にはC4が配置される。出力端子TE2と接地の間にはC5が配置される。
なお、図14AはLPF102の構成例の1つに過ぎない。例えば、LPF102は、図14Bに示すように構成してもよい。図14Bの構成例は、図14Aを差動構成にしたものである。
インピーダンス変換器103の構成例を図5A〜5Cに示す。図5Aの構成例では、インピーダンス変換器103は、抵抗501を用いて構成されている。LPF102の所望の特性を得るために、図5Aに示す抵抗501の抵抗値はLPF102の特性インピーダンスあたりとするとよい。例えば特性インピーダンスが50Ωであれば、抵抗501の抵抗値は、50Ωに設定するとよい。
図5Bの構成例では、差動の正負それぞれの信号と接地の間に抵抗501が配置されている。このため、コモンモードを除去する効果が高い特徴がある。
図5Cの構成例は、1対の差動信号線間に配置された抵抗502を有する。これにより抵抗が1個で済む効果がある。また、信号線から接地に向かってDC電流が流れることが無く、周波数変換器101とLPF102との間を直結しても問題がない効果がある。周波数変換器101は出力ノードにDCバイアスを持つ場合があり、その場合LPF102を介してDCバイアスがLPF102の出力まで現れる場合がある。DCバイアスを切るために、DCブロックコンデンサを配置することも出来るが、多くの場合DCブロックコンデンサは信号に対してロスを発生したり、ハイパス特性によって信号の低周波領域が減衰したりする問題がある。
複素フィルタ104の構成例を図15Aに示す。図15Aの構成例は、ポリフェイズフィルタ1501及びセレクタ1502を含む。ポリフェイズフィルタ1501は、例えば、図15Bのように構成するとよい。図15Bの構成例は、1段あたり4個の容量と4個の抵抗で構成される回路構成要素を例えば3段持つ。なお、図15Aでは反転信号の記載を省略しているが(図1ではI/QのQ信号の記載を省略しているが)、実際には図15Bに示すようにI信号及びQ信号のそれぞれに正転信号(I+、Q+)及び反転信号(I−、Q−)を持たせてもよい。
図15Bの構成例では、Iin+とQin+は90°の位相差を持つ。また、Iin+とI+の間に抵抗Rが配置され、Iin+とQ+の間に容量C1aが配置されている。以後同様にして、Qin+とQ+の間、Iin−とI−の間、及びQin−とQ−の間にそれぞれ抵抗Rが配置されている。また、Qin+とI−の間、Iin−とQ−の間、及びQin−とI+の間に、容量C1b、C1c、C1dがそれぞれ配置されている。2段目の回路構成要素におけるC及びR、3段目の回路構成要素におけるC及びRも同様に配置されている。
[動作の説明]
次に本実施の形態にかかる通信装置1の動作について説明する。周波数変換器101は、入力のRF周波数を中間周波数(IF:Intermediate Frequency)又はベースバンド(BB: Base Band)周波数へ変換する。変換されたIF信号又はBB信号は、LPF102によって不要な高周波成分が除去された後に複素フィルタ104に入力される。複素フィルタ104はLPF102から出力されるIF信号に含まれているイメージ信号を除去する。
LPF102を図14A及び14Bに示したように受動素子を用いて構成することで、消費電力がゼロとなるフィルタリングが実現できる。なお、受動素子により構成されたLPFは、集積回路(LSI)の外に配置されることが一般的であった。これはLPFが必要となるのは通常ベースバンド領域であり、通常のベースバンド帯域はDC付近から数MHzであるためである。例えば無線LANのベースバンド周波数は、約10MHz程度である。しかしながら、ベースバンド周波数はUWB技術などにおいて一気に上昇している。例えば、現在開発が進んでいる480Mbit/sを上限とするUWB通信において、ベースバンド周波数の上限は約250MHzである。
本実施の形態にかかる通信装置1は、複素フィルタを用いた以下に述べる構成を使うことで、ベースバンドの上限周波数を上昇させている。UWBでは、図26Aに示すように、3つのバンドで構成されるバンドグループという単位がある。UWBでは、同一バンドグループ内に含まれる3バンドを使って図26Bに示すように周波数ホッピングを行う。つまり、空間を伝搬するシンボル2605の中心周波数は、バンド1、2及び3の中心周波数であるf1、f2及びf3の間で周期的に変化する。一例として、バンドグループ1(BG−1)を使用する場合を考える。周波数変換器101にローカル信号を供給するローカル信号発生器は、バンドグループ1の中心周波数(図26Aの矢印2601)である3960MHzを出力する。バンドグループ1(BG−1)はバンド1,2及び3の3バンドで構成されるため、3960MHzはバンド2の中心周波数でもある。従来のUWBトランシーバでは、周波数ホッピングに合わせて図32Bのようにローカル周波数のホッピングを行っていた。これに対して通信装置1は、図26Dに示すように、ローカル周波数をホッピングさせずにバンドグループ1の中心周波数に固定する。
ローカル周波数を固定することで、様々なメリットが生じる。しかしながら、上記の例の場合、バンド1からバンド3までを通すベースバンド帯域が必要になる。UWBの場合これは約±800MHzとなり、従来に比べて約3倍広い帯域となる。(本明細書ではベースバンド帯域とIF帯域を同義で使用している。これはホッピング信号にとっては±800MHzの帯域はIF周波数帯であるが、後述する複数バンド同時動作を行なう動作モードにおいてはベースバンド帯域になるためである。)
本実施の形態にかかる通信装置1は、さらに "複数バンド同時動作"によってもベースバンドの上限周波数を上昇させる。以下では、複数バンド同時動作について説明する。図26Cは3バンド同時に動作する場合(3バンドを使って信号を伝搬させる場合)の動作を示したものである。図26Bの場合と同様にLO周波数はバンドグループ1(BG−1)の中央である周波数f2(図26D)に配置される。例えば従来約500MHzの帯域(1バンド相当)を使用してOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)トーンとして約100本を伝搬させていたのに対して、本発明の複数バンド同時動作では3倍の帯域である約1.5GHzの帯域(3バンド相当)を使用して、OFDMトーン約300本を伝搬させる。例えば図26Cに示す図形2606は、約300本のOFDMトーンの集合体を表しており、シンボル時間約300nsを使って1個のシンボルを伝搬させる。
このように複数バンド同時動作の場合も、周波数ホッピング動作の場合と同様に、約±800MHzのベースバンド帯域が必要となる。
上述したように、使用する複数バンド範囲の中心にローカル周波数を設定することで、周波数ホッピングモードにも複数バンド同時動作モードにも高速に切り換え対応できるという通信装置1の特徴は、フィルタ特性を高速に切り替え可能な複素フィルタ104によって実現できる。複素フィルタ104のフィルタ特性の切り替えについては後述する。
このように複素フィルタを使用して広いベースバンド帯域を扱えるようになったことで、受動素子によるLPF102をLSI上に集積化しても大きな面積を占有しない新たな効果も発生する。例えばインダクタLとコンデンサCを用いるLPFで約800MHzのカットオフ周波数を実現する場合、Inverse Chebyshevフィルタ又は楕円フィルタ(Elliptic filter)等を使用することでインダクタンスを約10nHにすることが出来る。さらに多層配線を使った3次元構造のインダクタを使用すると、インダクタンスを小さくできる効果に加えて3次元構造による面積縮小も相まって、小型な受動LPFを他の能動素子と同じLSI上に形成できる。
3次元構造によるインダクタとして、例えば6層配線が可能な半導体プロセスを使用した場合、例えば2層目から6層目までを使用してインダクタをスパイラル状に巻くことができる。10nH程度のインダクタであれば、インダクタの一辺を50um以下にすることができる。図14Aのような5次のフィルタの場合、2個のインダクタが使用される。コンデンサの容量を数pFとすることで800MHzが実現できる。コンデンサとしてトランジスタのゲート酸化膜を使用すれば、1個のコンデンサの1辺を10um程度にすることができる。これにより、インダクタも含めた1個のLPF102の実装面積を約100um程度以下、つまりは通常のボンディングパッドサイズ程度にすることが出来る。
他の能動素子と同じLSI上に形成された、つまりオンチップの受動LPF(受動素子で構成されたLPF)を使用できることによって、従来オフチップ受動素子を使う時に問題であった、ボンディングワイヤ、パッケージ、LSIのパッド、静電破壊保護素子、パッドまでの長距離配線などに関わる寄生素子(容量、抵抗、インダクタンス)がほぼなくなる。これにより、1GHz程度まで上がってきているベースバンド信号処理の帯域濾波を低ロスで実現できる。
さらにLPF102を受動素子にすることで、能動素子に現れるようなノイズの発生や、歪みの発生が原理的にない効果が出現する。能動素子では熱ノイズに起因してノイズが発生しNF(Noise Figure)の劣化が生じる。熱ノイズを低減するにはバイアス電流を多く流す必要が出てくる。通常gmCフィルタで5次のフィルタを構成しようとすると数十個のトランジスタが必要である。NFを低減するために各段のバイアス電流として数mA程度を流す必要があり、トータルで数十mAの消費電流を必要としてしまう。
通常の受信機においては、ダウンコンバータとその次段のLPFあたりに歪みのボトルネックが発生する。これはLPFを通過すればブロッカや隣接チャネルなどからの不要波が減衰するため、減衰する直前のLPFの初段あたりの線形性が受信システムの総合線形性を決定することが多いためである。受動LPFを使用すれば原理的にどのような不要波が来ても、LPFで総合線形性が決まることはない。本発明による複素フィルタと、それによる効果である受動LPFの採用によって、さらに歪みの低減と、NFの低減も図れることになる。
図14Aに示すような受動LPF102は、LPF102を設計するときの特性インピーダンスによって、LPF102の前段回路に要求される出力インピーダンス、LPF102の後段回路に要求される入力インピーダンスに制限を生じさせる。具体的には前段の出力インピーダンス及び後段の入力インピーダンスをLPF102の特性インピーダンスに合わせる必要がある。これによってLPF102の所望の特性(例えば−1dBや−3dBで定義される遮断周波数、通過域特性、遷移域特性、遮断域特性など)を得ることができる。
もちろん、LPF102の特性インピーダンスを大きい値に設計することも出来る。しかしながら、特性インピーダンスを大きくするためには、LPF102に含まれるインダクタ(例えば図14AのL1及びL2)のインダクタンス値を大きくする必要がある。このため、LPF102のサイズが大きくなってしまう。逆に特性インピーダンスを小さくとると、前段の出力インピーダンスとして小さい値が必要となり、前段で消費する電流が増大するなどの問題が起こる。
このような観点から、例えば、特性インピーダンスを50Ω程度にすると、前段の出力インピーダンスも50Ω程度で済み、前段回路の最終段に流すバイアス電流も数mA程度ですむ。これはLPF102の前段回路の最終段の相互コンダクタンスgmを20mSにすると、ちょうどゲイン1倍が得られるためである。20mS程度のgmなら数mA程度のバイアス電流で容易に実現できる。
ところで、LPF102は、図14Bに示すような差動構成としてもよい。差動構成を有するLPF102は、図14Aの回路を2つ並べることでも実現できる。LPF102を差動構成とする場合、インピーダンス変換器103としては、例えば図5B又は図5Cの構成を採ることが出来る。上述したように、図5Bの構成例では、正負の差動信号線のそれぞれに抵抗501が接続されている。図5Bの例では、抵抗501の抵抗値をLPF102の特性インピーダンス程度に設定するとよい。図5Cの構成例では、差動信号線間に抵抗502が配置されている。図5Cの例では、抵抗502の抵抗値をLPF102の特性インピーダンスの2倍程度に設定するとよい。
次に通信装置1の中での複素フィルタ104の働きに関して説明する。前述したようにUWBでは図26Bに示したように高速の周波数ホッピングを行っている。1個の四角2605は、1つのOFDMシンボルを表している。1OFDMシンボルは、約500MHzの帯域を持ち、OFDMシンボル間のインターバルは約9.5nsと定められている。周波数ホッピングするUWB信号は、受信アンテナに入力され、ロウノイズアンプ(LNA)で増幅され、周波数変換器101のRFポートに入力される。周波数変換器101にはローカル周波数が与えられる。例えばバンドグループ1を使用する場合、ローカル周波数は3960MHzである。RFポートに入力されたバンド1からバンド3のUWB信号は約−792MHzから+792MHzの範囲のIF信号にダウンコンバートされ、周波数変換器101から出力される。
このとき周波数変換器101から出力されるのは90°の位相差を持ったI/Q信号である。周波数変換器101は、I側及びQ側それぞれの周波数変換器を含んで構成され、各周波数変換器のローカルポートにI側又はQ側のローカル信号が入力され、I/QのIF信号が得られる。より詳細には、I側IF信号、Q側IF信号それぞれは差動信号となっており、順番に90°の位相差を持つI+、Q+、I−、Q−の4つの信号で構成されている。
この4つのIF信号は前述した複素フィルタ104に入力される。図26Bのf1シンボル期間において、複素フィルタ104のフィルタ特性は図16Aに示すように+f阻止となるように切り換えられる。これによって、−792〜−264MHzにあるf1シンボルにとってイメージ周波数にあたるf3シンボルの周波数範囲264〜792MHzが複素フィルタ104により抑圧される。この段階ではまだf1シンボルは−792〜−264MHzと周波数の絶対値が高いところにある。例えば後述するデジタル領域にある第2のダウンコンバータ1303は、第2のローカル発生器からの528MHzのローカル信号を受けて、−792〜−264MHzのf1シンボルをDCを中心とする−264〜264MHzのベースバンド周波数にダウンコンバートする。同時に、このダウンコンバートによって−264〜264MHzの範囲にあったf2シンボルをベースバンド帯域外の周波数に追い出すことになる。
第2のダウンコンバータ1303の出力は、例えばデジタル領域で、230MHz付近にカットオフ周波数を持つ第2のLPF1304に入力される。第2のLPF1304の詳細は後述する。これにより、ベースバンド帯域外に追いやったf2シンボルの電力やその他干渉波の電力を減衰させることができる。
次に、f2シンボル期間について説明する。上述したように、周波数変換器101に供給されるローカル周波数は、第2のサブバンドの中心周波数3960MHzに設定されているから、f2シンボルはLO周波数をまたいで存在する。このため、周波数変換器101でダウンコンバートされた後のf2シンボルは、DC周辺の−264〜264MHzに存在する。よってf2シンボル期間においては、複素フィルタ104のフィルタ特性は、図16Bに示すように全通過となるように切り換えられる。これによって−264〜264MHzにあるf2シンボルは、複素フィルタ104をそのまま通過する。例えばデジタル領域に配置された第2のダウンコンバータ1303は、LOポートにDCを入力し、RFポートのf2シンボル信号をそのままベースバンドポートに出力すればよい。なお、f2シンボルの受信の時は、複素フィルタ104の出力を、第2のダウンコンバータ1303を介さずに第2のLPF1304に入力することも可能である。
f3シンボル期間においては、複素フィルタ104は図16Cに示すように−f阻止となるように切り換えられ、f1シンボルの時と同様の手順で信号処理される。
イメージ周波数の抑圧によって、例えばf1シンボル受信時において、f3シンボル部分に他の無線局の電波が存在してもf1シンボルに大きな影響を与えなくできる。また、f3シンボル部分の熱ノイズの影響をほとんど受けないようにできるメリットがある。
図26Cに示した複数バンド同時動作では、複素フィルタ104の特性は、上記ホッピング時のf2シンボルの受信時と同様に、全通過とすればよい。これによって例えば−792MHzから+792MHzに存在する3バンド分のベースバンド信号をそのまま通過させることができる。
本実施の形態で述べた複素フィルタ104の働きによって、連続するシンボルの途中で1バンド通信と複数バンド通信との間を高速に切り換えることが可能となる。例えば、プリアンブルは1つのバンドで伝送し、ペイロードは複数バンドで伝送することができる。これは消費電力最小の観点からは、情報量の少ないプリアンブル中は最小限のバンドを使用して、情報量が多いペイロード中は最大限のバンドを利用して一気に情報を送るという観点で好ましい。
ホッピング複素フィルタ104はCとRとスイッチで構成可能であり、基本的には定常電流を消費せず、高いリニアリティを持っている。周辺周波数に無線LANや携帯電話などの干渉源を持つUWBにとって、高いリニアリティを持つことの意義は大きい。アクティブ素子に伴うノイズを発生しないことも特に受信機にとっては大きなメリットとなる。トランスコンダクタンスアンプを使ったアクティブフgmCフィルタでは、そもそも同様のフィルタ特性を得るのに高い次数を必要とするほか、定常電流が大きい、高いリニアリティを得るのが難しい、熱ノイズ及び1/fノイズが大きいなどの問題がある。
次に、図15Aに示した複素フィルタ104の動作について説明する。ポリフェイズフィルタ1501で特定の周波数に阻止特性が生まれるメカニズムは以下の通りである。すなわち、90°の位相差を持つQin+信号がコンデンサC1によるインピーダンス1/jωCによって90°の位相回転を受けて180°の位相差となり、Rを通過してきた0°の信号とある周波数で打ち消し合うためである。以上はI+信号に関する動作であるが、同じ動作がQ+、I−、Q−それぞれに関しても起こる。これにより、I/Qの直交性を保ちながらある周波数での阻止特性が得られる。
RとCの積であるR、R、Rは同じ値を使わずに少しずつ値をずらすとよい。これによって図15Bに示した3段のポリフェイズフィルタ1501の各段の阻止特性をずらすことができ、図15Cのようにトータルで広いバンドにわたる阻止特性を得ることができる。ちなみに図15Cにおいて下向きのピークの位置は各段の阻止特性のピークを表す。図15Cにおいて、−f阻止はマイナス周波数のある周波数範囲のスペクトルを抑圧し、プラス周波数のスペクトルにはほとんど影響を与えない。+f阻止はその逆である。全通過はマイナス周波数もプラス周波数も抑圧せずに、全通過させる場合である。
例えばC=C=C=1pF、R=216Ω、R=320Ω、R=567Ω程度の値を用いることで、264〜792MHz(又は−264〜−792MHz)にわたる広帯域な阻止特性が得られると共に、周波数ホッピングに合わせた高速切り替え動作が可能になる。阻止性能はI/Qの直交性にも依存するが40dBc以上にすることが可能である。
図15Aの複素フィルタ104の構成例において、−f阻止と+f阻止の切り替えはセレクタ1502によって行われる。セレクタ1502は例えば図15Dのように構成するとよい。図15Dの構成例は、第1スイッチ群1503と第2スイッチ群1504を持つ。第1スイッチ群1503は、4つのスイッチ素子を含み、I/Q信号をそのまま通過させるか遮断するかを切り替える。第2スイッチ群1504は、4つのスイッチ素子を含み、Q信号の中の正転信号Qin+と反転信号Qin−の接続を入れ替え可能である。このような構成により、第1スイッチ群1503の4個のスイッチ素子をオンにして第2スイッチ群1504の4個のスイッチ素子をオフにすると−f阻止が選択される。逆に第1スイッチ群1503の4個のスイッチ素子をオフにして第2スイッチ群1504の4個のスイッチ素子をオンにすると+f阻止が選択される。
なお、第2スイッチ群1504に含まれる4つのスイッチ素子のうち、正負のI信号の配線上に配置された2つのスイッチ素子は信号をそのまま通過させる。このため、これら2つのスイッチ素子は、第1スイッチ群1503の中の正負のI信号の配線上に配置された2つのスイッチ素子と機能的には等価である。しかしながら、I/Qの直交性を維持するために各信号に同じ寄生容量やチャージインジェクション、ゲートフィードスルーが発生するよう、同じ機能であっても両者のスイッチを配置した方がよい。
バンドグループ内に阻止周波数を発生させずに全通過させる方法はいくつかのケースが考えられる。図15Cに示すように第3スイッチ群1505を配置することによって、正負のIin及びQinから正負のIout及びQoutへそのままダイレクトにつながるパスを設けるのも一例である。また、ポリフェイズフィルタ1501においてコンデンサが配置された全てのパスのそれぞれにスイッチを配置し、これらのパスを遮断してもよい。抵抗は残ることになるが、全通過時だけ抵抗による減衰が発生しないことに起因して、+f阻止及び−f阻止の場合と比べてゲインの高低ができるのを防ぐことができる。なお、図15Cのように、正負のIin及びQinから正負のIout及びQoutへダイレクトに接続したうえで、ゲインの高低を防ぐために抵抗等の減衰器を配置してもよい。
また、複素フィルタ104は、図15Eに示すように構成してもよい。すなわち、−f阻止及び+f阻止のそれぞれを行なうために、2つのポリフェイズフィルタ1506及び1507を配置してもよい。全通過を行う際には、上記のように正負のIin及びQinと正負のIout及びQoutの間をダイレクトに接続すればよい。図15Eの構成例は、−f阻止及び+f阻止それぞれの阻止特性を個別に変化させたい場合などに適している。
尚、本実施の形態における上記の説明は、3バンドの分離に関して行ったが、任意のバンド数に拡張可能であるのは言うまでもない。
<第2の実施の形態>
[構成の説明]
図2は、本発明の第2の実施の形態にかかる通信装置2の構成を示すブロック図である。図1に示した通信装置1と同様に、通信装置2は、周波数変換器201、LPF202、インピーダンス変換器203、第1の複素フィルタ204を含む。LPF202及び第1の複素フィルタ204は、それぞれ受動素子で構成される。通信装置2は、周波数変換器201、LPF202、インピーダンス変換器203、第1の複素フィルタ204が双方向に信号の伝達が可能である点で上述した通信装置1と相違する。なお、通信装置2に含まれる上述の4つの構成要素の全てが双方向に信号を伝達可能であることが最良の結果を生じさせるが、これらの構成要素の一部のみが双方向に信号伝達可能な構成としてもよい。
双方向に信号が伝達可能な周波数変換器101の構成例を図17に示す。図17の構成例は、伝送媒体(無線である場合は空間及びアンテナ、有線である場合はケーブル等)との間で信号を入出力するIN/OUT端子、第2のインダクタ1704、トランジスタ1703、第3のインダクタ1702、第3のスイッチ1705a及びb、コンデンサ1706a及びb、並びにリセットスイッチ1707a及びbを含む。
双方向に信号伝達可能なLPF202には、第1の実施の形態で説明したLPF102が使用できる。図14A及び14Bに示したLPF102の構成例は受動素子で構成され、左右対称の回路構成を持っており、各インダクタやコンデンサの値もほぼ左右対称となり、左右どちらから信号を入力した場合であっても、所望のLPF特性を得ることができる。
双方向に信号伝達可能なインピーダンス変換器203には図5A〜5Cに示したインピーダンス変換器103の構成例が使用できる。また、図5Dに示すように、インピーダンス変換器203は、2つの抵抗501、セレクタ503及びバッファ504を含む構成としてもよい。図5Dの例では、抵抗501、セレクタ503及びバッファ504は差動構成をとっている。具体的には、2つの抵抗501が配置され、セレクタ503及びバッファ504は正負2つの入力及び出力を持つ。図5Dの左側の端子にLPF202がつながり、右側の端子に複素フィルタ203がつながる。
図5Dの構成例の受信時および送信時の動作を説明する。受信時には、セレクタ503が左の端子から右の端子に信号を直結し、バッファ504の出力は開放とする。一方、送信時には、セレクタ503が左の端子とバッファ504の出力を接続し、左の端子と右の端子の接続は開放とする。
図5Eは、インピーダンス変換器203の他の構成例を示している。図5Eに示すように、差動信号線の間に抵抗502を配置してもよい。
双方向に信号伝達可能な複素フィルタ204には、図15A、15B、15D及び15Eに示した構成例を適用可能である。図15Aのように、セレクタ1502は、インピーダンス変換器103側に配置するとよい。これにより、受信と送信の両方において、+f抑圧と―f抑圧の間でイメージ抑圧を切り換えることができる。受信時は、セレクタ1502が、Q+とQ−を入れ替えてポリフェイズフィルタ1501に供給する。送信時は、セレクタ1502が、ポリフェイズフィルタ1501から供給されるQ+とQ−信号を入れ替えて周波数変換器101側へ(正確にはインピーダンス変換器103へ)送る。このようなセレクタ動作により、上側サイドバンド(USB)と下側サイドバンド(LSB)の切り替えができる。
続いて以下では、通信装置2をトランシーバに適用した第1〜第6の適用例について順に説明する。
[第1の適用例]
図3は双方向に信号伝達可能なLPF202a及びb、インピーダンス変換器203a及びb、複素フィルタ204を含む通信装置2を使用して構成されたトランシーバ3の一例である。図3の例では、周波数変換器201は、ダウンコンバータ312a及びb並びにアップコンバータ311a及びbによって構成されている。図3の例では、ダウンコンバータ312aのベースバンド(BB)出力とアップコンバータ311aのBB入力は、共通接続されている。その共通接続された信号線は、さらにLPF202aに接続されている。ダウンコンバータ312bのBB出力及びアップコンバータ311bのBB入力も同様である。
次に、トランシーバ3における受信時の信号処理について説明する。図3の矢印F1は、トランシーバ3の受信時の信号の流れを示している。伝送媒体を通過してきた受信信号は、ロウノイズアンプ304によって必要なレベルにまで増幅され、ダウンコンバータ312a及びbに入力される。ダウンコンバータ312a及びbは、第1のローカル発生器309からローカル信号の供給を受けて、受信信号をBB信号に変換する。変換されたBB信号はLPF202a及びbに供給される。第1の実施の形態と同様に、LPF202a及びbは、BB信号から熱ノイズ及びブロッカ等を除去する。インピーダンス変換器203a及びbは、LPF202a及びb並びに複素フィルタ204の所望の濾波特性を引き出すために、LPF202a及びbの出力整合、複素フィルタ204の入力整合を行う。複素フィルタ204は、上述したように、フィルタ特性の切り換えを行なうことによって、周波数ホッピングを行なう動作モードにおけるホッピング信号のイメージ除去と、バンドグループ内の複数バンドを使って信号伝送を行う複数バンド同時動作モードでの全通過動作を選択的に行うことができる。可変ゲインアンプ307a及びbは、複素フィルタ204の出力整合を行うと共に、受信信号を次段のA/D変換器308a及びbにとって必要な所望のレベルにまで増幅する。
LPF202a及びbの所望の濾波特性を得るためには、LPF202a及びbの特性インピーダンスと同じインピーダンスが、LPFa及びbの前段回路の出力インピーダンス及び後段回路の入力インピーダンスに必要とされる。LPF202a及びbがLCの受動素子で構成されているためである。受信時の場合、LPF202a及びbの前段回路は周波数変換器201(図3の例ではダウンコンバータ312a及びb)である。このため、ダウンコンバータ312a及びbの出力インピーダンスを、LPF202a及びbの特性インピーダンス(例えば50Ω)あたりに設定すればよい。また、受信時の場合、LPF202a及びbの後段回路は、インピーダンス変換器203a及びbである。よって、インピーダンス変換器203a及びbの入力インピーダンスを50Ω相当とすればよい。これにより、LPF202a及びbの後段回路に必要なインピーダンス条件が満たされる。
複素フィルタ204の所望の濾波特性を得るためには、複素フィルタ204の前段回路に低い出力インピーダンスが要求され、複素フィルタの後段回路に高い入力インピーダンスが要求される。複素フィルタ204が図15Bに示すように抵抗R1、コンデンサC1等で構成されているためである。受信時の場合、複素フィルタ204の入力には50Ω相当のインピーダンス変換器203a及びbがつながるため、複素フィルタ204の入力として低い出力インピーダンスが接続される必要条件が満たされる。さらに受信時の場合、複素フィルタ204の出力には可変ゲインアンプ307a及びbの入力が接続されるため、複素フィルタの後段として高い入力インピーダンスが接続される必要条件が満たされる。
図4A〜4Dは受信時におけるトランシーバ3の各部の信号を示したものである。図4Aは、ロウノイズアンプ304の入力信号を示している。例えば480Mbit/sモードでf3信号を所望波とする場合、伝送媒体からやってきた所望波(図4Aの実線の台形)、隣接チャネル信号(図4Aの破線の台形)、他の通信などのブロッカ(図4Aの太線矢印)がロウノイズアンプ304の入力に存在する。例えばUWB通信の最低受信感度は約−80dBmであるから、トランシーバ3はこの信号レベルの所望波を検出できる必要がある。キャリア周波数は3〜10GHzあたりに存在する。隣接チャネル信号やブロッカ信号は所望波より数十dB大きいレベルとなることがある。
図4Bは、ダウンコンバータ312aの出力信号を示している。ダウンコンバータ312aは、RF信号をベースバンド信号に変換する。図4Bの例では、所望波が複素領域のプラス周波数領域に、破線の隣接チャネル信号がマイナス周波数領域に、ブロッカがプラス周波数の高域に存在する。例えばUWB通信では、ベースバンド信号は約800MHz以下に存在する。よって、LPF202aを通過することで、高域のブロッカや熱ノイズは除去される(図4C)。なお、図4Cは、インピーダンス変換回路203aの出力信号を示している。
図4Dは、複素フィルタ204の出力信号を示している。複素フィルタ204を通過することで、イメージ信号である隣接チャネル信号が除去される。なお、ここでは複素フィルタ204はマイナス周波数を除去する−f阻止設定である。所望波信号はプラス周波数領域のみに存在するため、Q側の可変ゲインアンプ307bやA/D変換器308bの動作を休止させてもよい。これにより、低消費電力化を図ることが出来る。
ロウノイズアンプ304の入力端での受信電力を−80dBmとすると、複素フィルタ204通過直後の電力は、(−80+G1+G2+G3)dBmと表すことができる。ここで、G1はロウノイズアンプ304からダウンコンバータ312aまでのゲイン、G2はLPF202aのゲイン、G3は複素フィルタ204のゲインである。可変ゲインアンプ308aは、A/D変換器308aの入力電力として通常−10dBm程度を供給する必要がある。このため、可変ゲインアンプ308aには、複素フィルタ204通過直後の受信電力を最大で60dB程度増幅する能力を持たせればよい。可変ゲインアンプ308a直前での信号レベル及びノイズレベルの比が、システムのNF性能を左右する。上述のとおり、本実施の形態では、LPF202a及びb、インピーダンス変換器203a及びb、並びに複素フィルタ204が受動素子で構成されている。このため、受信時においては、能動素子に起因するノイズの発生はないため、システムNFを極めて小さくすることが可能である。
ところで、UWB通信を始めとするOFDM通信は、ピーク対平均電力比(PAPR:Peak to Average Power Ratio)が大きいという問題がある。さらに前述したように、受信機における非線形のボトルネックはLPFの入力部に発生することが多い。これは図4Aに示したブロッカや隣接チャネルの入力電力が−30〜0dBm程度となった時に、G1が30dB程度であると仮定すると、LPF202a及びbの入力部においてブロッカや隣接チャネルの信号レベルが0〜30dBmとなることからも容易に想像できる。このように比較的高レベルのブロッカや隣接チャネル信号を仮定すると、gmCフィルタのようなアクティブ素子によるLPFでは対処できない。LPF202a及びbのゲインG2や複素フィルタ204のゲインG3はほぼ0程度に出来るため、0〜30dBm程度のブロッカレベルは複素フィルタ204の入力においても存在する。トランシーバ3の受信時に関して述べると、LPF202a及びbから複素フィルタ204まで受動素子で構成されているために、この部分での歪みの発生は実質的にない。複素フィルタ204は、所望波のみを濾波することが可能であり(図4D)、ブロッカや隣接チャネルの影響を最小限にすることが出来る。このことは、ロウノイズアンプ304からダウンコンバータ312a又はbまでのゲインG1をかなり上げてもブロッカ等の影響が起こりにくいことを意味している。ゲインG1を上げることで、システムNFを低減する(ロウノイズアンプ304の後段のノイズを見えにくくする)効果にもつながる。
続いて、トランシーバ3の送信時の信号処理について説明する。図6の矢印F2は、トランシーバ3の送信時の信号の流れを示している。送信時においては、D/A変換器306が送信アナログ信号を出力する。なお、I信号及びQ信号のそれぞれのために2つのD/A変換器306が配置される。スイッチ305は、送信時にD/A変換器306の出力と複素フィルタ204との間を接続する。なお、受信時には、受信信号の処理に影響を与えないようにスイッチ305は開放となる。送信時においては、可変ゲインアンプ307a及びbとA/D変換器308a及びbの動作を休止させるとよい。つまり、送信処理に寄与しないこれらの回路にバイアス電流を流さないことが低消費電力を得るために好ましい。
複素フィルタ204の前段を低出力インピーダンスにする観点で、D/A変換器306の出力インピーダンスは50Ωにすることが好ましい。また、複素フィルタ204の後段を高入力インピーダンスにする観点で、インピーダンス変換器203a及びbは、図5D及び5Eに示したようなスイッチ503及びバッファ504を有する構成とするとよい。図5Dに示す構成を採用する場合、インピーダンス変換器203a及びbは、送信時にセレクタ503を操作して、バッファ504の出力がLPF202a及びbにつながるようにすればよい。複素フィルタ204からはバッファ504の入力インピーダンスが見えるため、複素フィルタ204の後段として高い入力インピーダンスが必要な条件が満たされる。また、LPF202a及びbの前段として図5Dの抵抗501が存在するため、LPF202a及びbの前段として特性インピーダンス相当が必要とされる条件を満たす。
さらに、送信時には、LPF202a及びbの後段にダウンコンバータ312の出力インピーダンスが存在する。送信時には、ダウンコンバータ312は休止させるとよい。つまり、ダウンコンバータ312にバイアス電流を流さないことが消費電力低減のために好ましい。ダウンコンバータ312a及びbがギルバート型の回路構成を有する場合を仮定すると、ダウンコンバータ312a及びbの出力負荷として抵抗が存在する。この出力負荷抵抗として50Ω相当を使用すれば、送信時にLPF202a及びbの後段として50Ω相当のインピーダンスが必要な条件が満たされる。アップコンバータ311a及びbもギルバート型の回路構成を採用してもよい。ギルバート型ミキサの入力インピーダンスは高いため、このようにダウンコンバータの出力負荷抵抗をインピーダンス整合のために使用することは好ましい。
アップコンバータ311a及びbは、ローカル発生器309からのローカル信号を受けて、LPF202a及びbから供給される複素ベースバンド信号をRF信号にアップコンバートする。アップコンバートされたRF信号はRFアンプ310によって所望のレベルにまで増幅される。
図7A〜7Dは送信時におけるトランシーバ3の各部の信号を示したものである。図7Dは、D/A変換器306aから複素フィルタ204に供給される信号を示している。例えば480Mbit/sモードでf3信号を所望波とする場合、D/A変換器306aからの信号(図7D)は、所望波(実線の台形)及びその複素共役(破線の台形)並びにエイリアス(一点破線の台形)を含む。この場合、I信号及びQ信号用に設けられた2つのD/A変換器の片方をイメージ抑圧時に休止させるとよい。これによって、トランシーバ3の低消費電力化を図ることができる。
図7Cは、複素フィルタ204を通過した後の信号を示している。複素フィルタ204は、マイナス周波数領域の複素共役及びエイリアスを除去する。図7Bは、LPF202aを通過した後の信号を示している。LPF202aは、高域のエイリアスや熱ノイズやスプリアス等を除去する。アップコンバータ311aは、IF信号をRF信号に変換する(図7A)。例えばUWB通信の場合、キャリア周波数は3〜10GHzであり、ローカル発生器309においてキャリア信号を生成して、3〜10GHzのRF信号を生成する。
トランシーバ3の送信電力は、(Pin+G1+G2+G3)と表すことができる。ここで、Pinは、D/A変換器306の出力電力、つまりは複素フィルタ204への入力電力である。G1は、複素フィルタ204のゲインである。G2は、インピーダンス変換器203a及びLPF202aによるゲインである。また、G3は、アップコンバータ311a及びRFアンプ310によるゲインである。受動素子である複素フィルタ204並びにLPF202a及びbによるゲインはないため、G1+G2はゼロ以下であるが、寄生抵抗の低減によってロスを最小限にすることが出来る。
例えばUWB通信では、送信平均電力は−10dBm程度となる。D/A変換器306の出力として-10dBm程度が出せると、G1+G2はゼロ程度に出来るため、アップコンバータ311aからRFアンプ310までのゲインG3をゼロ程度にできることになる。アクティブLPFを用いてこれを行なうためには、アクティブLPFの非線形が問題になってくる。しかしながら、本実施の形態では、受動素子によるLPF202a及びb並びに複素フィルタ204を用いているため、D/A変換器306からの出力の伝達過程で歪みを発生させることが無い。ゲインG1を0程度にできることによって、RFアンプ310の段数削減、場合によってはRFアンプ310を除くことも可能であり、極めて低消費電力な送信システムが実現できる。
[第2の適用例]
図8は通信装置2をトランシーバに適用した第2の適用例を示すブロック図である。図8のトランシーバ4では、1つのRFアンプ801が上述したロウノイズアンプ304及び送信RFアンプ310を兼用している。受信時には、伝送媒体からの信号がRFアンプ801に入力され、所定の増幅がされた後に周波数変換器201a及びbに供給される。送信時には、周波数変換器201a及びbからのRF信号がRFアンプ801に入力され、所定の増幅がされた後に伝送媒体へ出力される。
送受兼用のRFアンプ801及び周波数変換器201aは、例えば、前述した図17の構成としてもよい。図17において破線内はRFアンプ801として働く。受信時、伝送媒体からの信号はIN/OUT端子に入力される。第2のインダクタ1704は、バイアス電流を通過させ、RF信号を可能な限り通過させない働きを持つ。これによって入力されたRF信号はトランジスタ1703のソースからドレインに向かって流れる。トランジスタ1703のドレインには第3のインダクタ1702と第3のスイッチ1705a及びbが存在する。信号電流が可能な限り第3のスイッチ1705a及びbに流れるように第3のインダクタ1702のインダクタンス値を設定するとよい。例えば第3のインダクタンス1702とトランジスタ1703のドレイン間に存在する寄生容量によって決まる共振周波数を、所望波である信号電流の周波数付近に設定するとよい。
第3のスイッチ1705a及びbは、制御端子に入力されるローカル信号によってスイッチングされる。これによって信号電流がローカル信号によってスイッチングされ、信号電流のダウンコンバートが行える。スイッチ1705a及びbのもう一方の端子であるBB端子にはコンデンサ1706a及びbが接続されている。信号電流はこのコンデンサ1706a及びbに蓄積される。コンデンサ1706a及びbの位置に抵抗やインダクタなど、他のインピーダンスを接続してもよい。コンデンサ1706a及びbを使用する場合、例えば図25に示すような信号発生器251によって規定されるタイミングで、コンデンサ1706a及びbのリセット動作を行うとよい。ここでは第3のスイッチ1705aがオンの時に、リセットスイッチ1707aがオフとなる。逆に第3のスイッチ1705aがオフの時にリセットスイッチ1707aがオンとなる。
この積分動作の伝達関数は、図25に示すように1/tintにノッチをもつsinc関数2505で表現される。ここで、tintは積分時間である。一方ローカル周波数付近の信号2506は、サンプリングによって、ベースバンドであるDC付近2503に変換される。この時、ローカル周波数の周期t0と積分時間tintの関係をt0=2×tintとするとよい。これにより、ローカル信号の2倍の周波数の所にノッチが現れ、この付近のブロッカや熱ノイズがDC付近に折り返ることを防ぐことが出来る。さらにRFアンプ801の周波数特性として波形2504の様な共振特性を持たせるとよい。これにより、所望波以外の成分がベースバンドに入り込むことを防ぐことが出来る。ちなみに波形2502はこの積分とリセット動作によりコンデンサ1706aに現れる電圧波形であり、波形2501はそのエンベロープ波形である。
続いて、本適用例の送信時の動作を図18を用いて説明する。図18は、RFアンプ801及び周波数変換器201aの構成例である。送信時には、図17に示していなかった第1の電源スイッチ1801、第2の電源スイッチ1802、並びにコンデンサ1706a及びbにつながるスイッチ1803a及びbを動作させる。具体的には第1の電源スイッチ1801は受信時には高電位側に接続し、送信時には低電位側に接続する。第2の電源スイッチ1802は受信時には低電位側に接続し、送信時には高電位側に接続する。コンデンサ1706a及びbにつながるスイッチ1803a及びbは受信時にはオンし、送信時にはオフする。
送信時、図18に示されるBB端子にベースバンド信号が入力される。入力されたベースバンド信号電流は第3のスイッチ1705aによってスイッチングされる。このスイッチング電流は、ローカル信号によってアップコンバートされたRF信号電流そのものである。スイッチング電流はトランジスタ1703のソースに現れる。第1の電源スイッチ1801は低電位側電源に接続されるため、図18では、トランジスタ1703の上側の端子がソースとなる。トランジスタ1703の下側の端子であるドレインには増幅された信号が現れ、IN/OUT端子を介して伝送媒体に送り出される。
図19は、RFアンプ801及び周波数変換器201aの他の構成例を示している。図19に示す構成例は、BB端子と第3のスイッチ1705aの間に配置された、受信用アンプ1901とその制御端子1902並びに送信用アンプ1903とその制御端子1904を有する。これらのアンプ1901及び1903はベースバンド周波数を増幅する。受信時には、受信アンプ1901をアクティブにするための信号が制御端子1902に供給され、これによって受信アンプ1901が動作する。一方、制御端子1904には送信アンプ1903を非アクティブとするための信号が供給され、これによって送信アンプ1903がハイインピーダンス状態に設定される。この時送信アンプのバイアス電流が流れないようにすることで、消費電力の低減が図れる。受信アンプ1901は、第3のスイッチ1705aから供給される受信信号を増幅してBB端子に送る。受信アンプ1901の入力インピーダンスを高く設定することで、前述した積分動作が効果的に行われる。もし受信アンプ1901の入力インピーダンスが低いと、積分コンデンサ1706aと並列にこの低いインピーダンスが接続されることになり、所望の積分時間が得られない。
図19の構成例での送信時は、上記とは逆の動作となる。すなわち、受信アンプ1901が非アクティブに設定され、送信アンプ1903がアクティブに設定される。なお、送信アンプ1903の出力に電流出力を持たせる(いわゆるトランスコンダクタンスアンプにする)ことで、第3のスイッチ1705aによる電流のスイッチング動作を効果的に行うことができる。
図20は、RFアンプ801及び周波数変換器201aの他の構成例を示している。図20は受信入力INと送信出力OUTを分けた場合の構成例である。送信アンプ1903で十分な送信電力が得られ、トランジスタ1703による増幅を必要としない場合に用いるとよい。この場合、送信アンプ1903の出力は、第3のスイッチ1705aによるスイッチング、つまりは周波数変換を経た後に、OUT端子にRF信号として供給される。
図21は、RFアンプ801及び周波数変換器201aの他の構成例を示している。図21の構成例は、比較的高いRF送信電力が必要な場合に対応するものであり、RFアンプ2101とその制御端子2102を含む。受信時には、RFアンプ2101を非アクティブとするための制御信号が制御端子2102に与えられる。逆に送信時には、RFアンプ2101をアクティブとするための制御信号が制御端子2102に与えられる。第3のスイッチ1705aからのスイッチング電流はRFアンプ2101によって増幅され、OUT端子を介して伝送媒体に送り出される。
図22は、図17で示した構成にカスコードトランジスタ2201を追加した例である。カスコードトランジスタ2201を追加することで、トランジスタ1703が単独で存在する場合よりドレイン抵抗Rdを上げることができ、高周波特性を改善できる。特にCMOSプロセスにより10GHz付近で高いゲインを得る時に効果がある。
図23は、ベースバンド周波数を増幅する送信用のアンプ2301及び2304を配置した構成を示している。受信時は、スイッチ2303及び2306をONすることによって、アンプ2301及び2304をバイパスする。受信時、BB端子以降の回路の入力インピーダンスが比較的高い場合にこのような構成が採ることができる。受信時には制御端子2302及び2305に与える制御信号によって、アンプ2301及び2304を非アクティブ状態にすればよい。
図24は、ベースバンド周波数を増幅する受信用のアンプ2401及び2404を配置した構成を示している。送信時は、スイッチ2303及び2306をONすることによって、アンプ2401及び2404をバイパスする。送信時、BB端子以降の回路の出力インピーダンスが比較的低い場合にこのような構成が採れる。送信時には制御端子2402及び2405に与える制御信号によって、アンプ2401及び2404を非アクティブ状態にすればよい。
[第3の適用例]
図9は通信装置2をトランシーバに適用した第3の適用例を示すブロック図である。図9のトランシーバ5では、周波数変換器201a及びbが双方向に信号を伝達できる構成となっている。周波数変換器201a及びbの伝送媒体側には、ロウノイズアンプ304とRFアンプ310が配置されている。なお、要求される受信ゲイン、NF、送信出力電力によってはこれらのアンプを省略することも可能である。ローカル発生器309は周波数変換器201a及びbにローカル信号を供給する。
[第4の適用例]
図10は、通信装置2をトランシーバに適用した第4の適用例を示すブロック図である。図10のトランシーバ6では、D/A変換器306からの信号は、スイッチ305を介してLPF202a及びbと複素フィルタ204との間に接続される。よって、図10に破線矢印F2で示すように、トランシーバ6では、送信時、送信信号が複素フィルタ204を通過しない。例えば、デジタル領域の複素フィルタを用いる場合に、図6に示すようなアナログ領域の複素フィルタ204を用いない構成をとることができる。
通常、複素空間において正負周波数のどちらかだけに信号が存在する時、I/Q信号の片側のみで表現することが出来る。これによって、今まで述べてきた、アナログ領域の複素フィルタ204を使用する構成では、I信号及びQ信号のそれぞれに対応して配置された2つのD/A変換器306のどちらか片方をイメージ抑圧時に休止させることが出来る。
本適用例では、送信時にアナログ領域の複素フィルタ204を用いない。D/A変換器306の消費電力は、A/D変換器308a又はbの消費電力より小さい場合がある。よって、I信号及びQ信号のそれぞれに対応して配置された2つのD/A変換器306の片方を休止させた場合に低消費電力化のシステムインパクトが低い場合に、図10に示した構成を用いるとよい。さらに本適用例では、複素フィルタ204を送信信号が通過しないため、図5D及び5Eに示した複素フィルタ204の構成例において、バッファ504を省略することが出来る。2つのD/A変換器306の片側を休止するより、バッファ504を取り除くことによる消費電力低減の効果が大きい場合にも、図10の構成例を使用するとよい。なおトランシーバ6の受信時の動作は、図3に示したトランシーバ3と同様とすればよい。
[第5の適用例]
図11は、通信装置2をトランシーバに適用した第5の適用例を示すブロック図である。図11のトランシーバ7では、D/A変換器306からの送信信号がダウンコンバータ312a及びbとLPF202a及びbの間に入力される。よって、図11に破線矢印F2で示すように、送信信号はLPF202a及びbで濾波された後に、インピーダンス変換器203a及びb、複素フィルタ1101を通過してアップコンバータ311a及びbに入力される。ここで、複素フィルタ1101は、図2に示した通信装置2が有する複素フィルタ204の変形である。
複素フィルタ1101は、送信時のフィルタ特性変更のために、図11における複素フィルタ1101の右側(可変ゲインアンプ307a及びbにつながる側)で前述したQ+とQ−の切り替え操作を行う必要がある。このため、複素フィルタ1101は、ポリフェイズフィルタ1501の右側にセレクタ1503を持つ。なお、受信時のフィルタ特性変更のために、ポリフェイズフィルタ1501の左側(インピーダンス変換器203a及びbにつながる側)にセレクタ1502を配置する必要がある。このため、図11の構成では、ポリフェイズフィルタ1501の両側にセレクタ(1502及び1503)が配置されている。
図11に示した第5の適用例では、LPF202a及びb、インピーダンス変換器203a及びb、並びに複素フィルタ1101の信号伝達方向は、送信時と受信時で同一である。このためインピーダンス変換器203a及びbは、送受に応じて切り換える必要が無い。よって、インピーダンス変換器203a及びbの構成として、図5A、5B及び5Cに示した構成を適用可能である。なおトランシーバ7の受信時の動作は、図3に示したトランシーバ3と同様とすればよい。
[第6の適用例]
図12は、通信装置2をトランシーバに適用した第6の適用例を示すブロック図である。図12のトランシーバ8では、D/A変換器306からの送信信号が複素フィルタ204とLPF202a及びbの間に入力される。さらに、アップコンバータ311a及びbとLPF202a及びbの間に第2の複素フィルタ1201が配置されている。送信信号は、LPF202a及びbで濾波された後、第2の複素フィルタ1201を通過してアップコンバータ311に入力される。
第2の複素フィルタ1201は、アップコンバート専用の複素処理を行う。この複素処理によって、I信号及びQ信号のそれぞれに対応して配置された2つのD/A変換器306の片方をイメージ抑圧時に休止させることが出来る。なおトランシーバ8の受信時の動作は、図3に示したトランシーバ3と同様とすればよい。
本実施の形態で述べたように、周波数変換器201、LPF202、複素フィルタ204の少なくとも1つが双方向に信号伝達できるよう構成することによって、以下に述べる効果が得られる。すなわち、受信時と送信時において回路の兼用が可能となる。よって、回路規模を削減することができる。この場合最大で約1/2の回路が削減できることになる。さらに双方向に信号伝達ができることで、例えば受信時に伝送媒体側からベースバンド方向に信号が流れるとすると、送信時にはベースバンド側から伝送媒体側に向かって信号が流れることになる。つまり、送信と受信との間で、信号経路の変更をなくすことができる。このことは、余分な信号の引き回しや、経路変更に関わるスイッチ回路が不要できるため、高周波信号を扱うときに信号減衰を抑えられる効果がある。
<第3の実施の形態>
図13は本発明の第3の実施の形態にかかる通信装置9の構成を示すブロック図である。アナログフロントエンド(AFE)部91の構成及び動作は、図8に示したトランシーバ4と同様とすればよい。通信装置9は、AFE91の他に伝送媒体1301、デジタル領域のスイッチ1302、デジタル領域の周波数変換器1303、デジタル領域のLPF1304a及びb、デジタルベースバンド処理回路1305を持つ。デジタルベースバンド処理回路1305はさらに、主信号を処理する信号処理回路1306と通信装置9全体の制御を行う制御回路1307を持つ。デジタルベースバンド処理回路1305は、上位レイヤであるMAC層とのやりとりを行う通信ポート1308も持つ。制御回路1307は、AFE部の制御を行うために制御信号1309を出力する。
デジタル領域の周波数変換器1303は、図16A〜16Cの説明箇所で述べたように、例えば528MHzを中心とする周波数(いわゆる中間周波数)にある受信信号をDC付近にダウンコンバートする。また、周波数変換器1303は、DC付近にある送信信号を中間周波数にアップコンバートする。
デジタル領域のスイッチ1302は、図16A〜16Cの説明箇所で述べたように、I信号及びQ信号のそれぞれに対応して配置された2つのA/D変換器308a及びbの片側を休止させた時に、周波数変換器1303に含まれる2つの乗算器の両方に受信信号が供給されるように働く。例えば図13のQ信号用のA/D変換器308bが休止するとする。このとき、I信号用のA/D変換器308aの出力が周波数変換器1303に含まれる2つの乗算器に供給されるように、スイッチ1302をオンとする。なお、休止されたA/D変換器308bの出力はハイインピーダンスとすればよい。デジタル領域の周波数変換器1303は、I信号及びQ信号のそれぞれに対応して配置された2つの乗算器を含み、500MHz付近にある中間周波数をDC付近を中心とするベースバンド信号に変換する。
送信時においても同様に、デジタル領域のスイッチ1302は、I信号及びQ信号のそれぞれに対応して配置された2つのD/A変換器306a及びbの片側(例えば306b)を停止させた時に、周波数変換器に含まれる2つの乗算器の送信信号を加算して他の一方のD/A変換器306aに供給するように働く。つまり、スイッチ1302としてデジタル信号の加算演算を実行する加算器を用いてもよい。なお、図13ではスイッチ1302を送受兼用としているが、送受別々のスイッチを設けてもよい。
なお、デジタル領域の周波数変換器1303を使用せずに、FFT(Fast Fourier Transform)やIFFT(Inverse FFT)の長さ(ポイント数)を大きく取り、高速に動かすことで中間周波数までをカバーすることも出来る。例えばUWBの480Mbit/s通信ではFFT及びIFFTのポイント数は128個であり、264MHzのナイキスト動作のために528MHzのサンプリングを行っている。これに対して、FFT及びIFFTのポイント数を3〜4倍の384〜512ポイントとし、792MHzのナイキスト動作のため1584MHzサンプリングを行うことで、−792MHzから+792MHzまでの周波数を扱うことができる。
デジタル領域のLPF1304a及びbは、ホッピング動作時や1バンド動作時、例えば−264〜264MHzの信号を通過させ、その他の周波数を抑圧する。一方、複数バンド同時動作時には、例えば−792MHzから+792MHzの周波数を通過させ、その他の周波数を抑圧する。
信号処理回路1306は、受信信号のプリアンブル処理、周波数ホッピング処理、FFT処理、検波処理、ディインターリブ処理、復号処理等を行う。また、信号処理回路1306は、送信信号のプリアンブル処理、周波数ホッピング処理、IFFT処理、変調処理、インターリブ処理、符号処理等を行う。
制御回路1307は、信号処理回路1306と連携して、AFE部91内の各部の制御を行う。AFE部91に対する制御の具体例は、RFアンプ801の送受信の切り替え、周波数変換器201の送受信の切り替え、ローカル発生器309の周波数の切り替え、LPF202のカットオフ周波数の調整、インピーダンス変換器203のインピーダンスの切り替え及び送受信の切り替え、複素フィルタ204の抑圧領域の切り替え、可変ゲインアンプ307a及びbのゲインの切り替え及び動作状態の切り替え、D/A変換器306の動作状態(片側動作、全動作、全休止)の切り替え、A/D変換器308a及びbの動作状態(片側動作、全動作、全休止)の切り替え等を行う。さらに制御回路1307は、デジタル領域のスイッチ1302の切り替え、デジタル領域の周波数変換器1303の送受信の切り替え、デジタル領域のLPF1304a及びbのカットオフ周波数の切り替え等を行なってもよい。
図27Aは、UWB通信を例として本実施の形態におけるホッピング動作を示したものである。なお、図27Aは、バンド#1〜3の3バンドを含むバンドグループを受信する場合を示している。図27Bは、デジタル領域のスイッチ1302とその周辺回路の拡大図である。なお、図27Bでは、デジタル領域のスイッチ1302はスイッチs1及びs2を含む。つまり、スイッチs1は、図13に示したスイッチ1302と比べて冗長な回路である。休止時にハイインピーダンスに切り替える機能をA/D変換器308bが有していない場合に、A/D変換器308bと周波数変換器1303の間にスイッチs1を配置するとよい。
図27Cは、f1〜f3バンドそれぞれの受信動作を順次行う際のセレクタs1及びs2の状態を示している。すなわち、図27A〜27Cの例では、f1バンド受信動作時とf3バンド受信動作に、Q側の可変ゲインアンプ307b及びA/D変換器308bを休止させて低消費電力化を図っている。この場合A/D変換器308aは1.5バンド分を変換できる能力を持っていることになる。f2バンドの受信動作では、I/Q両方の回路(可変ゲインアンプ307a及びb並びにA/D変換器308a及びb)を動作させる。なお、図27A〜27Cの例では、A/D変換器308a及びbの変換レートとして3バンドを変換できるレートを選択している。しかしながら、A/D変換器308a及びbは、1バンドを変換できる変換レートを選択してもよい。
図28Aは、UWB通信を例として本実施の形態における複数バンド同時動作を示したものである。図28Bは、デジタル領域のスイッチ1302とその周辺回路の拡大図である。複数バンド同時動作の場合、I/Q両方のパスを動作させて、3バンド分の受信信号を各部で処理している。よって、図28Bに示すように、スイッチs1はON、スイッチs2はOFFに設定される。また、ここでは複素フィルタ204は3バンド全通過とする。
図29は、本実施の形態にかかる通信装置9の動作モードのバリエーションを示すテーブルである。図29では、横方向に1バンド動作及び複数バンド動作のバリエーションを示し、縦方向にインターリーブモード(ここではホッピングか周波数固定かの選択)のバリエーションを示している。具体的には、1バンド動作では、高速ホッピングモードと周波数固定モードを選択することが出来る。周波数固定モードの中には、高速動作モードと低消費電力モードがある。高速動作モードではローカル周波数をバンドグループの中央に配置する。一方、低消費電力モードでは、使用される各バンドの中心周波数をローカル周波数に設定する。高速動作モードでは、他のバンドへの移行を高速に行うことができる。低消費電力モードでは最小で1バンド変換のA/D変換器を用いることで、低消費電力化を図ることができる。1バンド変換を選択するか2バンド変換を選択するかは、低消費電力に対する要求の大きさ、ブロッカ等の存在有無によって判断すればよい。
偶数個のバンドを同時に用いて信号伝送を行なう偶数バンド同時動作の場合も、ローカル周波数の設定は、1バンド動作の場合と同様である。すなわち、高速動作の場合はバンドグループ全体の中央にローカル周波数が設定される。また、低消費電力動作の場合は、バンドグループの中で使用される複数個のバンドの中央にローカル周波数が設定される。なお、低消費電力動作では、使用されるバンド分(図29の例では2バンド分)の変換能力をA/D変換器308a及びbに持たせればよい。これにより、A/D変換部分の消費電力を低電力化できる。なお、図29の例では、バンドグループに含まれるバンドが3であるため、奇数バンド同時動作の場合は、バンドグループの中央と、複数バンドの中央は同一となる。
図30は制御回路1307による通信装置9に含まれる各部に対する設定手順の一例を示すフローチャートである。制御回路1307は、上述した複数の動作モードのいずれかの動作モードとなるように、通信装置9のアナログ部やデジタル部の設定を行う。設定すべき動作モードに応じて、ステップS11では、ローカル周波数の設定をAFE部91内のローカル発生器309及びデジタル領域のローカル発生器(周波数変換器1303に含まれるローカル発生器)に対して行う。
ステップS12では、アナログ領域のLPF102並びにデジタル領域のLPF1304a及びbのカットオフ周波数の設定を行う。
ステップS13では、A/D変換器308a及びb、並びにD/A変換器306a及びbに対するサンプリングレートの設定を行う。
ステップS14では、複素フィルタ204の抑圧領域の設定(+f抑圧、−f抑圧、又は全透過)を行う。
ステップS15では、I/Qパスに設けられた可変ゲインアンプ307a及びb、A/D変換器308a及びb、D/A変換器306a及びbに対して片側動作又は全動作の設定を行う。
ステップS16では、送受信の切り替え設定や送信時の受信部休止や受信時の送信部休止の設定を、RFアンプ801、周波数変換器201、インピーダンス変換器203、可変ゲインアンプ307a及びb、D/A変換器306a及びb、A/D変換器308a及びb、信号処理回路1306等に対して行う。特に送信時において周波数変換器201に含まれるダウンコンバータ312a及びbを休止させる処理と、受信時において周波数変換器201に含まれるアップコンバータ311a及びbを休止させる処理と、使用するバンドに応じて複素フィルタ204の阻止域を変化させる処理を行うことによって、以下に述べる効果が得られる。すなわち、受信時にアップコンバータ312a及びbから不要な電力が送信されることを防ぎ、送信時に不要な電力を受信することを防ぐことができる。本実施の形態では受動素子である複素フィルタ204の特性切り替えによってローカル周波数を1本にすることができるため、ローカル信号にも不要なスプリアスがほぼ存在しない。複数のローカル発生器を持つ通常の構成では、スプリアスを無視できる程度に抑えることは難しい。SSBミキサを用いたローカル発生器においても同様である。つまり、上述した設定アルゴリズムによって、不要な電力の影響を抑えることができる。
なお、図30に示した設定手順が一例に過ぎないことはもちろんである。例えば、ステップS11〜S16の実行順序は適宜入れ替えてもよい。また、一度設定したら、その後変化がなく再設定の必要が無いステップを適宜省略してもよい。また、例えば送信動作や受信動作の最中に、複素フィルタ204の高速切り替えを行ったり、I/Qの動作設定を高速に切り換えたりしてもよい。また、ホッピング動作モードにおいて、f1使用時又はf3使用時はA/D変換器308a及びb並びにD/A変換器306a及びbのサンプリングレートを高くし、f2周波数の時はサンプリングレートを低くするよう、サンプリングレートの切り替えを行なってもよい。
上述したように、本実施の形態にかかる通信装置9が有するホッピング複素フィルタ204の特性切り替えの高速性と、ローカル周波数を1本しか使わない構成により、低消費電力化及びやチップ面積の縮小化を図ることができる。
また、制御回路1307によるA/D変換器308a及びb、I/Qパス上の回路、LPF202等への制御を実施することによって様々な動作モードに対応できる。具体的には、複数バンドの同時動作によって高いスループットを得ることが出来るほか、トラフィックのダイナミックな変化に対応できると共に、周波数利用効率を上げることが出来る。
上述したように、通信装置9は、複数バンドの同時動作と高速ホッピング動作を、同一の回路で実現できる。しかも複数バンドの同時動作と高速ホッピング動作で使用するローカル周波数を同一にすることができ、両者の間を高速に切り換えることができる。その理由は、高速ホッピング時に複素フィルタを3つの特性の間で(+f阻止、全通過、-f阻止)切り換えを行い、複数バンド同時動作時には3つの特性の内の1特性(全通過)を使用するためである。回路資源を共有することで、チップ面積増大を抑制することができる。
[順序回路、プログラム及び記憶媒体]
以上で説明した制御回路1307は、例えば、論理回路で構成された順序回路で実現してもよい。また、制御回路1307は、図30に示した制御店が記述されたプログラムを実行するコンピュータを用いて実現してもよい。順序回路は、あらかじめ動作を規定された回路でもよいし、論理や順序を変更可能な回路であってもよい。また、コンピュータには、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ又はDSP(Digital Signal Processor)を使用すればよい。また、コンピュータは、パーソナルコンピュータ又はワークステーションなどの汎用コンピュータでもよい。
さらに、本発明は上述した実施の形態のみに限定されるものではなく、既に述べた本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であることは勿論である。
この出願は、2008年8月28日に出願された日本出願特願2008−220373を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
本発明は、高速、広帯域な通信装置に適用され、特に受動素子により構成され且つ濾波特性を変更可能な複素フィルタを使用した無線又は有線の通信装置に適用される。
101、201 周波数変換器
102、202a及びb 受動素子で構成されるロウパスフィルタ
103、203a及びb インピーダンス変換器
104、204 受動素子で構成される第1の複素フィルタ
311a及びb アップコンバータ
312a及びb ダウンコンバータ
305 第1のセレクタ
306、306a及びb D/A変換器
308a及びb A/D変換器
501 インピーダンス変換器の第2及び第3の抵抗
502 インピーダンス変換器の第1の抵抗
503 第3のセレクタ
504 第1のバッファ
1201 第2の複素フィルタ
1302 アップコンバータの出力を合成し、ダウンコンバータの入力を合成するスイッチ
1502 正負両方の周波数の通過を切り換える第2のセレクタ
1702 第2のインダクタ
1703 第1のトランジスタ
1704 第3のインダクタ
1705a及びb LO信号を制御端子に入力する第3のスイッチ

Claims (26)

  1. 通信に用いる所定の周波数を有する信号を入力して別の周波数を有する信号を出力する周波数変換器と、
    受動素子で構成され且つ前記周波数変換器につながるロウパスフィルタと、
    受動素子で構成され且つ前記ロウパスフィルタにつながる第1の複素フィルタを備える通信装置。
  2. 前記周波数変換器、前記ロウパスフィルタ、及び前記第1の複素フィルタの少なくともどれか一つが双方向に信号を伝達することを特徴とする請求項1記載の通信装置。
  3. 前記周波数変換器は、受信信号を入力してベースバンド信号に変換するダウンコンバータと、送信ベースバンド信号を入力して送信信号を出力するアップコンバータを備え、
    前記ダウンコンバータの出力及び前記アップコンバータの入力は、前記ロウパスフィルタに共通して接続されている請求項1又は2記載の通信装置。
  4. 前記ロウパスフィルタと前記第1の複素フィルタの間に配置され、受信時においては抵抗となり、送信時においてはバッファとなるインピーダンス変換器をさらに備える請求項1から3のいずれか1項に記載の通信装置。
  5. 前記第1の複素フィルタにつながる可変ゲインアンプと、
    前記可変ゲインアンプにつながるA/D変換器と、
    前記第1の複素フィルタと前記可変ゲインアンプの共通端子につながる第1のセレクタと、
    前記第1のセレクタにつながるD/A変換器をさらに備える請求項2記載の通信装置。
  6. 前記第1の複素フィルタは、複素領域の正の周波数の通過と、負の周波数の通過と、正負両方の周波数の通過を切り換える第2のセレクタを備える請求項1から5のいずれか1項に記載の通信装置。
  7. 前記インピーダンス変換器は、第1の抵抗と、第3のセレクタと、第1のバッファを備え、
    前記第1の抵抗は、前記ロウパスフィルタにつながる1対の差動信号線の間に接続され、
    前記第3のセレクタは、前記ロウパスフィルタと前記第1の複素フィルタの間につながり、
    前記第1のバッファの入力は前記第1の複素フィルタにつながり、前記第1のバッファの出力は前記第3のセレクタにつながる請求項4記載の通信装置。
  8. 前記インピーダンス変換器は、第2及び第3の抵抗と、第3のセレクタと、第1のバッファを備え、
    前記第2及び第3の抵抗は、前記ロウパスフィルタにつながる1対の差動信号線に含まれる正信号線と接地の間並びに負信号線と接地の間にそれぞれ接続され、
    前記第3のセレクタは、前記ロウパスフィルタと前記第1の複素フィルタの間につながり、
    前記第1のバッファの入力は前記第1の複素フィルタにつながり、前記第1のバッファの出力は前記第3のセレクタにつながる請求項4記載の通信装置。
  9. 送信時には、前記D/A変換器が動作すると共に前記第1のセレクタがオンすることで前記D/A変換器の出力が前記第1の複素フィルタに供給され、前記可変ゲインアンプ及び前記A/D変換器が動作を休止し、
    受信時には、前記D/A変換器が動作を休止すると共に前記第1のセレクタがオフすることで、前記第1の複素フィルタからの受信信号が前記可変ゲインアンプとそれに続く前記A/D変換器に供給される請求項5記載の通信装置。
  10. 前記D/A変換器は、I信号及びQ信号に対応して配置された第1及び第2のD/A変換器を備え、
    前記A/D変換器は、I信号及びQ信号に対応して配置された第1及び第2のA/D変換器を備え、
    前記第1の複素フィルタの濾波特性が正の周波数の通過又は負の周波数の通過に設定されている場合に、
    送信時においては、前記第1及び第2のD/A変換器の一方の動作が休止し、
    受信時においては、前記第1及び第2のA/D変換器の一方の動作が休止する請求項6記載の通信装置。
  11. 前記第1の複素フィルタにつながる可変ゲインアンプと、
    前記可変ゲインアンプにつながるA/D変換器と、
    前記ロウパスフィルタと前記第1の複素フィルタの共通端子につながる第1のセレクタと、
    前記第1のセレクタにつながるD/A変換器をさらに備える請求項1から4のいずれか1項に記載の通信装置。
  12. 送信時には、前記D/A変換器が動作すると共に前記第1のセレクタがオンすることで前記D/A変換器の出力が前記ロウパスフィルタに供給され、前記可変ゲインアンプと前記A/D変換器が動作を休止し、
    受信時には、前記D/A変換器の動作が休止すると共に前記第1のセレクタがオフすることで、前記第1の複素フィルタからの受信信号が前記可変ゲインアンプとそれに続く前記A/D変換器に供給される請求項11記載の通信装置。
  13. 前記第1の複素フィルタにつながる可変ゲインアンプと、
    前記可変ゲインアンプにつながるA/D変換器と、
    前記ロウパスフィルタと前記アップコンバータの間に配置された第2の複素フィルタと、
    前記ロウパスフィルタと前記複素フィルタの共通端子につながる第1のセレクタと、
    前記第1のセレクタにつながるD/A変換器をさらに備える請求項3記載の通信装置。
  14. I信号に対応して配置され、前記第1のD/A変換器に接続され、デジタル領域で動作する第1のアップコンバータと、
    Q信号に対応して配置され、前記第2のD/A変換器に接続され、デジタル領域で動作する第2のアップコンバータと、
    送信時において前記第1及び第2のD/A変換器の一方の動作を休止させる時に選択的に、前記第1及び第2のアップコンバータの出力を合成する第1のスイッチと、
    をさらに備える請求項10記載の通信装置。
  15. I信号に対応して配置され、前記第1のA/D変換器に接続され、デジタル領域で動作する第1のダウンコンバータと、
    Q信号に対応して配置され、前記第2のA/D変換器に接続され、デジタル領域で動作する第2のダウンコンバータと、
    受信時において前記第1及び第2のA/D変換器の一方の動作を休止させる時に選択的に、動作させる他方のA/D変換器の出力を前記第1及び第2のダウンコンバータの入力に供給する第2のスイッチと、
    をさらに備える請求項10記載の通信装置。
  16. 前記ロウパスフィルタは、前記ロウパスフィルタの入力と出力の間につながる第1のインダクタと、前記第1のインダクタに並列につながる第1のコンデンサと、前記ロウパスフィルタの入力と接地の間につながる第2のコンデンサと、前記ロウパスフィルタの出力と接地の間につながる第3のコンデンサを備える請求項2記載の通信装置。
  17. 前記複素フィルタは、
    前記複素フィルタの入力と出力の間につながるI+、Q+、I−、Q−信号用の4つの抵抗と、
    前記I+信号用抵抗の入力側端子と前記Q+信号用抵抗の出力側端子との間につながる第4のコンデンサと、
    前記Q+信号用抵抗の入力側端子と前記I−信号用抵抗の出力側端子との間につながる第5のコンデンサと、
    前記I−信号用抵抗の入力側端子と前記Q−信号用抵抗の出力側端子との間につながる第6のコンデンサと、
    前記Q−信号用抵抗の入力側端子と前記I+信号用抵抗の出力側端子との間につながる第7のコンデンサと、
    前記前記複素フィルタの入力と前記4つの抵抗との間で、前記Q+信号と前記Q−信号の経路を互いに入れ替える第4のセレクタと、
    を備える請求項2記載の通信装置。
  18. 前記周波数変換器は、
    ローカル信号が制御端子に入力される第3のスイッチと、
    一方の信号端子が前記第3のスイッチの一方の信号端子に接続される第2のインダクタと、
    前記第2のインダクタの前記一方の信号端子と共に前記第3のスイッチの前記一方の信号端子に共通接続されるドレイン端子を有する第1のトランジスタと、
    を備え、
    前記第2のインダクタのもう一方の端子は電源端子につながり、
    前記第3のスイッチのもう一方の信号端子は前記ロウパスフィルタにつながることを特徴とする請求項2記載の通信装置。
  19. 前記周波数変換器は、前記第2のインダクタの電源端子側に配置された第4のスイッチと、
    一方の端子が前記第1のトランジスタのソース端子に接続された第3のインダクタと、
    前記第3のインダクタのもう一方の端子に接続された第5のスイッチと、
    をさらに備え、
    前記第4のスイッチは接地電位と電源電位の切り替えを行い、
    前記第5のスイッチは、前記第4のスイッチと相補的に、接地電位と電源電位の切り替えを行う請求項18記載の通信装置。
  20. 前記周波数変換器は、
    前記第3のスイッチのもう一方の信号端子と前記ロウパスフィルタの間に配置された第1及び第2のアンプをさらに備え、
    前記第1のアンプは、前記第3のスイッチからの信号を入力として前記ロウパスフィルタに出力し、
    前記第2のアンプは、前記ロウパスフィルタからの信号を入力として、前記第3のスイッチに出力する請求項18記載の通信装置。
  21. 受信時において前記ダウンコンバータが休止し、
    送信時において前記アップコンバータが休止し、
    前記複素フィルタは、使用するバンドに応じて阻止域を変化させることを特徴とする請求項3記載の通信装置。
  22. 受信時において前記インピーダンス変換器が抵抗に設定され、
    送信時において前記インピーダンス変換器がバッファに設定され、
    前記複素フィルタは、使用するバンドに応じて阻止域を変化させることを特徴とする請求項4記載の通信装置。
  23. 受信時において前記第1のセレクタがオフし、
    受信時において前記D/A変換器が休止し、
    送信時において前記可変ゲインアンプ及び前記A/D変換器が休止することを特徴とする請求項5記載の通信装置。
  24. 通信に用いる所定の周波数を有する信号を入力して別の周波数を有する信号を出力する周波数変換器を配置し、
    受動素子で構成されたロウパスフィルタを前記周波数変換器に接続し、
    受動素子で構成され且つ通信に使用する周波数域に応じて阻止域を変化させることが可能な第1の複素フィルタを前記ロウパスフィルタに接続する、通信装置の構成方法。
  25. 前記ロウパスフィルタと前記第1の複素フィルタの間に、受信時においては抵抗となり、送信時においてはバッファとなるインピーダンス変換器をさらに配置する、請求項24記載の通信装置の構成方法。
  26. 前記インピーダンス変換器は、第1の抵抗、第3のセレクタ、及び第1のバッファを備え、
    前記第1の抵抗を、前記ロウパスフィルタにつながる1対の差動信号線の間に接続し、
    前記第3のセレクタを、前記ロウパスフィルタと前記第1の複素フィルタの間に接続し、
    前記第1のバッファの入力を前記第1の複素フィルタに接続し、
    前記第1のバッファの出力を前記第3のセレクタに接続する、請求項25記載の通信装置の構成方法。
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