JPWO2010018774A1 - 蒸気タービン設備 - Google Patents

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Abstract

650℃以上の蒸気条件を採用した場合であっても振動発生の可能性や設備コストの大幅な上昇を抑制してタービン設備の大型化が可能である蒸気タービン設備を提供する。高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備において、前記中圧タービンを高温高圧側の第1中圧タービンと低温低圧側の第2中圧タービンとに分離し、650℃以上の蒸気が導入される蒸気導入側のタービンのロータおよびケーシング全体の少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成する。

Description

本発明は、高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備に関するものである。
現在、主要な発電方法として原子力、火力、水力の3つの方法が用いられており、資源量及びエネルギー密度の観点から、今後も前記3つの発電方法が主要な発電方法として用いられていくと予想される。中でも火力発電は安全で負荷変動への対応能力の高い発電方法として利用価値が高く、発電分野において今後も引き続き重要な役割を果たしていくものと予想される。
蒸気タービンを含む石炭焚火力発電に用いられる蒸気タービン設備は、一般的に、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンを備えている。このような蒸気タービン設備においては600℃以下級の蒸気が用いられており、高圧タービンや中圧タービンのロータやケーシング(車室)などの高温に晒される部分には600℃以下級の蒸気に対する耐熱性を有し、製造性や経済性に優れたフェライト系材料が用いられている。
しかし近年、CO排気量削減と、更なる熱効率向上のために、650℃級、更には700℃級の蒸気条件を採用した技術が求められている。そこで、特許文献1には再熱蒸気条件が650℃以上の高温で運転することができる蒸気タービン設備が開示されている。
図4は特許文献1で開示されている従来の蒸気タービン設備の概略系統図を示したものである。図4に示された蒸気タービン発電設備110は、中圧タービンを高温高圧側の第1中圧タービン112と、低温低圧側の第2中圧タービン114とに分離し、高圧タービン116と第2中圧タービン114とを一体化して一体化物122を形成したうえで、該一体化物122を高温高圧側の第1中圧タービン112、低圧タービン124及び発電機126とともに同一軸線上で連結している。
ボイラ132で600℃級に過熱された主蒸気は、主蒸気管134を通って高圧タービン116に導入される。高圧タービン116に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、低温再熱管138を通ってボイラ132に戻される。該ボイラ132に戻された蒸気は、ボイラ132で再熱されて700℃級の蒸気となり、高温再熱管140を通って第1中圧タービン112に送られる。この第1中圧タービン112のロータは700℃級の高温蒸気に耐えうる材料(オーステナイト系耐熱鋼)で構成されている。第1中圧タービン112で膨張仕事を行った蒸気は550℃級まで低下して排気され、中圧部連絡管142を経て第2中圧タービン114に送られる。第2中圧タービン114に送られた蒸気は膨張仕事を行った後に排気され、クロスオーバー管144を通って低圧タービン124に導入される。低圧タービン124に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、復水器128に送られる。復水器128に送られた蒸気は復水器128で復水され、給水ポンプ130で昇圧されてボイラ132に戻される。発電機126はそれぞれのタービンの膨張仕事によって回転駆動され、発電する。
このような蒸気タービン設備においては、中圧タービンを分割し、第1の中圧タービン112にのみ650℃以上の蒸気に耐えうる材料を用いることで、650℃以上の蒸気条件の採用を可能とするとともに、650℃以上の蒸気に耐えうる材料の使用量を減らし設備全体の製造コストを抑えている。
しかしながら特許文献1に開示された技術では、大容量の蒸気タービン設備を考えると、図4に示した設備の実現は難しい。第1中圧タービン112を構成するために650℃以上の蒸気に耐えうる例えばNi基合金を使用すると、素材製造限界の観点から10t以上のタービンロータやケーシング(車室)を製造することは難しく、大型のタービンロータやケーシングが製造できないためである。
そのため、図5に示したように第1中圧タービンを更に第1−2中圧タービン113に分割することも考えられるが、その場合車室数の増加、それに伴う建屋や配管の増加により設備の製造コストが大きくなるという問題が発生する。さらに、軸数(分割されたタービンの数)が増加することによる振動が発生する可能性が高くなるという問題も発生する。
また、Ni基合金を使用せずにフェライト系材料で対応することも考えられるが、その場合には車室内に多量の冷却蒸気を導入する必要があり、タービン内部効率が低下する。
特許第4074208号公報
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、650℃以上の蒸気条件を採用した場合であっても振動発生の可能性や設備コストの大幅な上昇を抑制して設備の大型化が可能である蒸気タービン設備を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明においては、
高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備において、前記中圧タービンを高温高圧側の第1中圧タービンと低温低圧側の第2中圧タービンとに分離し、650℃以上の蒸気が導入される蒸気導入側のタービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することを特徴とする。
このようにして、650℃以上の蒸気が導入されるタービンのロータを、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、Ni基合金の素材製造限界に影響されずにタービンのロータやケーシングを大型化することが可能となる。650℃以上の蒸気が導入される蒸気条件であっても、車室数や軸数(分割されたタービンの数)を増加させることなく設備の大型化が可能である。
前記高圧タービンと、第1中圧タービンと、第2中圧タービンと、低圧タービンとを同一軸線上において連結し、第1中圧タービン又は第1中圧タービンと高圧タービンの650℃以上の蒸気が導入される蒸気導入側のタービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成してもよい。
また、前記第1中圧タービンに650℃以上の蒸気を導入し、前記第1中圧タービンとは別軸で、前記高圧タービンと前記第2中圧タービンと一体化して前記低圧タービンと同一軸線上で連結するとともに、前記高圧タービンと第2中圧タービンとの連結体よりも、前記第1中圧タービンを、前記高圧タービン及び中圧タービンに導入される蒸気を過熱するボイラに近い位置に配置してもよい。
650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンを前記ボイラの近くに配置することにより、ボイラと650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンとを接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラと650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンを接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金を使用することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを低減することが可能となる。
また、高圧タービンと第2中圧タービンと低圧タービンとを一体化し、一体化物を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
また、前記高圧タービン及び第1中圧タービンに650℃以上の蒸気を導入し、前記高圧タービンと第1中圧タービンとを一体化し、前記高圧タービンと前記第1中圧タービンとの一体化物とは別軸で、前記第2中圧タービンと前記低圧タービンを同一軸線上で連結するとともに、該第2中圧タービンと低圧タービンとの連結体よりも、前記高圧タービンと第1中圧タービンの一体化物を、前記高圧タービン及び中圧タービンに導入される蒸気を過熱するボイラに近い位置に配置してもよい。
650℃以上の蒸気が導入される高圧タービンと第1中圧タービンを前記ボイラの近くに配置することにより、ボイラと高圧タービンを接続する配管及びボイラと第1中圧タービンを接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラと高圧タービンを接続する配管及びボイラと第1中圧タービンを接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金を使用することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを低減することが可能となる。また、第2中圧タービンと低圧タービンとを一体化し、一体化物を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
以上記載のごとく本発明によれば、650℃級、更には700℃級の蒸気条件を採用した場合であっても振動発生の可能性や設備コストの大幅な上昇を抑制して設備の大型化が可能である蒸気タービン設備を提供することができる。
実施例1における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。 実施例2における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。 実施例3における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。 従来例における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。 別の従来例における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、実施例1における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
図1を参照して、実施例1に係る蒸気タービン設備により構成される発電設備について説明する。
図1に示された蒸気タービン発電設備10は、高圧タービン16、後述するように2つに分割された中圧タービン、低圧タービン24、発電機26、復水器28、ボイラ32から主に構成される。前記中圧タービンは高温高圧側の第1中圧タービン12と低温低圧側の第2中圧タービン14とに分離されており、高圧タービン16と第2中圧タービン14とが一体化されて一体化物22を形成している。
また、前記第1中圧タービン12、一体化物22、低圧タービン24及び発電機26は同一軸線上で連結するように構成されている。
前記第1中圧タービン12のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方は、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されている。
ボイラ32で650℃以上に過熱された主蒸気は、主蒸気管34を通って高圧タービン16に導入される。高圧タービン16に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、低温再熱管38を通ってボイラ32に戻される。該ボイラ32に戻された蒸気は、ボイラ32で再熱されて650℃以上の蒸気となり、高温再熱管40を通って第1中圧タービン12に送られる。第1中圧タービン12で膨張仕事を行った蒸気は550℃級まで低下して排気され、中圧部連絡管42を経て第2中圧タービン14に送られる。第2中圧タービン14に送られた蒸気は膨張仕事を行った後に排気され、クロスオーバー管44を通って低圧タービン24に送られる。低圧タービン24に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、復水器28に送られる。復水器28に送られた蒸気は復水器28で復水され、給水ポンプ30で昇圧されてボイラ32に戻される。発電機26はそれぞれのタービンの膨張仕事によって回転駆動され、発電する。
以上のような実施例1の形態の蒸気タービン発電設備10によれば、650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方を、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、翼段数、車室数や軸数を増加させることなく設備の大型化が可能である。
また、高圧タービン16と第2中圧タービン14と低圧タービン24とを一体化し、一体化物(図示せず)を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
図2は、実施例2における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
図2を参照して、実施例2に係る蒸気タービン設備により構成される発電設備について説明する。
図2に示された蒸気タービン発電設備10は、高圧タービン16、後述するように2つに分割された中圧タービン、低圧タービン24、発電機26、27、復水器28、ボイラ32から主に構成される。前記中圧タービンは高温高圧側の第1中圧タービン12と低温低圧側の第2中圧タービン14とに分離されており、高圧タービン16と第2中圧タービン14とが一体化されて一体化物22を形成している。
また、一体化物22、低圧タービン24及び発電機26は同一軸線上で連結するように構成されており、それよりもボイラ32に近い位置に第1中圧タービン12と発電機27とが同一軸線上で連結して配置されている。第1中圧タービン12はボイラ32に近いほど好ましい。
また、第1中圧タービン12のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されている。
ボイラ32で650℃以上に過熱された主蒸気は、主蒸気管34を通って高圧タービン16に導入される。高圧タービン16に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、低温再熱管38を通ってボイラ32に戻される。該ボイラ32に戻された蒸気は、ボイラ32で再熱されて650℃以上の蒸気となり、高温再熱管40を通って第1中圧タービン12に送られる。第1中圧タービン12で膨張仕事を行った蒸気は550℃級まで低下して排気され、中圧部連絡管42を経て第2中圧タービン14に送られる。第2中圧タービン14に送られた蒸気は膨張仕事を行った後に排気され、クロスオーバー管44を通って低圧タービン24に送られる。低圧タービン24に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、復水器28に送られる。復水器28に送られた蒸気は復水器28で復水され、給水ポンプ30で昇圧されてボイラ32に戻される。発電機26、27はそれぞれのタービンの膨張仕事によって回転駆動され、発電する。
以上のような実施例2の形態の蒸気タービン発電設備10によれば、650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方を、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、翼段数、車室数や軸数を増加させることなく設備の大型化が可能である。
さらに、650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービン12を前記ボイラ32の近くに配置することにより、ボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金を使用することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを低減することが可能となる。
また、高圧タービン16と第2中圧タービン14と低圧タービン24とを一体化し、一体化物(図示せず)を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
図3は、実施例3における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
図3に示された蒸気タービン発電設備10は、図2に示した実施例2の形態の蒸気タービン設備と一部を変更した形態であり、実施例2と違う部分についてのみ説明する。
図3に示された蒸気タービン発電設備10においては、高圧タービン16と第1中圧タービン12とが一体化されて一体化物20を形成している。また、第2中圧タービン14及び発電機26は同一軸線上で連結するように構成されており、それよりもボイラ32に近い位置で一体化物20と発電機27とが同一軸線上で連結して配置されている。一体化物20はボイラ32に近いほど好ましい。
また、高圧タービン16及び第1中圧タービン12のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されている。
また、高圧タービン16及び第1中圧タービン12には何れも650℃以上の蒸気が導入される。
以上のような実施例3の形態の蒸気タービン発電設備10によれば、650℃以上の蒸気が導入される高圧タービン16及び第1中圧タービン12のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、翼段数、車室数や軸数を増加させることなく設備の大型化が可能となる。
また、このような設備においては高圧タービン16及び第1中圧タービン12に650℃以上の蒸気が導入され、第2中圧タービン14には650℃未満の蒸気が導入される。従って650℃以上の蒸気が導入され、Ni基合金で形成されるとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されたロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方が使用される高圧タービン16と第1中圧タービン12とを一体化して一体化物20を構成することで、高級材料であるNi基合金の使用量を少なくし、設備コストの上昇を抑制することができる。
さらに、650℃以上の蒸気が導入される高圧タービン16及び第1中圧タービン12を前記ボイラ32の近くに配置することにより、ボイラ32と高圧タービン16及びボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金で製作することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを大幅に低減することが可能となる。
また、第2中圧タービン14と低圧タービン24とを一体化し、一体化物(図示せず)を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
650℃級、更には700℃級の蒸気条件を採用した場合であっても振動発生の可能性や設備コストの大幅な上昇を抑制してタービン設備の大型化が可能である蒸気タービン設備として利用することができる。
【書類名】 明細書
【発明の名称】 蒸気タービン設備
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、主要な発電方法として原子力、火力、水力の3つの方法が用いられており、資源量及びエネルギー密度の観点から、今後も前記3つの発電方法が主要な発電方法として用いられていくと予想される。中でも火力発電は安全で負荷変動への対応能力の高い発電方法として利用価値が高く、発電分野において今後も引き続き重要な役割を果たしていくものと予想される。
【0003】
蒸気タービンを含む石炭焚火力発電に用いられる蒸気タービン設備は、一般的に、高圧タービン、中圧タービン、低圧タービンを備えている。このような蒸気タービン設備においては600℃以下級の蒸気が用いられており、高圧タービンや中圧タービンのロータやケーシング(車室)などの高温に晒される部分には600℃以下級の蒸気に対する耐熱性を有し、製造性や経済性に優れたフェライト系材料が用いられている。
【0004】
しかし近年、CO排気量削減と、更なる熱効率向上のために、650℃級、更には700℃級の蒸気条件を採用した技術が求められている。そこで、特許文献1には再熱蒸気条件が650℃以上の高温で運転することができる蒸気タービン設備が開示されている。
図4は特許文献1で開示されている従来の蒸気タービン設備の概略系統図を示したものである。図4に示された蒸気タービン発電設備110は、中圧タービンを高温高圧側の第1中圧タービン112と、低温低圧側の第2中圧タービン114とに分離し、高圧タービン116と第2中圧タービン114とを一体化して一体化物122を形成したうえで、該一体化物122を高温高圧側の第1中圧タービン112、低圧タービン124及び発電機126とともに同一軸線上で連結している。
【0005】
ボイラ132で600℃級に過熱された主蒸気は、主蒸気管134を通って高圧タービン116に導入される。高圧タービン116に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、低温再熱管138を通ってボイラ132に戻される。該ボイラ132に戻された蒸気は、ボイラ132で再熱されて700℃級の蒸気となり、高温再熱管140を通って第1中圧タービン112に送られる。この第1中圧タービン112のロータは700℃級の高温蒸気に耐えうる材料(オーステナイト系耐熱鋼)で構成されている。第1中圧タービン112で膨張仕事を行った蒸気は550℃級まで低下して排気され、中圧部連絡管142を経て第2中圧タービン114に送られる。第2中圧タービン114に送られた蒸気は膨張仕事を行った後に排気され、クロスオーバー管144を通って低圧タービン124に導入される。低圧タービン124に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、復水器128に送られる。復水器128に送られた蒸気は復水器128で復水され、給水ポンプ130で昇圧されてボイラ132に戻される。発電機126はそれぞれのタービンの膨張仕事によって回転駆動され、発電する。
【0006】
このような蒸気タービン設備においては、中圧タービンを分割し、第1の中圧タービン112にのみ650℃以上の蒸気に耐えうる材料を用いることで、650℃以上の蒸気条件の採用を可能とするとともに、650℃以上の蒸気に耐えうる材料の使用量を減らし設備全体の製造コストを抑えている。
【0007】
しかしながら特許文献1に開示された技術では、大容量の蒸気タービン設備を考えると、図4に示した設備の実現は難しい。第1中圧タービン112を構成するために650℃以上の蒸気に耐えうる例えばNi基合金を使用すると、素材製造限界の観点から10t以上のタービンロータやケーシング(車室)を製造することは難しく、大型のタービンロータやケーシングが製造できないためである。
【0008】
そのため、図5に示したように第1中圧タービンを更に第1−2中圧タービン113に分割することも考えられるが、その場合車室数の増加、それに伴う建屋や配管の増加により設備の製造コストが大きくなるという問題が発生する。さらに、軸数(分割されたタービンの数)が増加することによる振動が発生する可能性が高くなるという問題も発生する。
【0009】
また、Ni基合金を使用せずにフェライト系材料で対応することも考えられるが、その場合には車室内に多量の冷却蒸気を導入する必要があり、タービン内部効率が低下する。
【0010】
【特許文献】
【特許文献1】 特許第4074208号公報
【発明の概要】
【0011】
従って、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、650℃以上の蒸気条件を採用した場合であっても振動発生の可能性や設備コストの大幅な上昇を抑制して設備の大型化が可能である蒸気タービン設備を提供することを目的とする。
【0012】
上記課題を解決するため本発明においては、
高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備において、前記中圧タービンを高温高圧側の第1中圧タービンと低温低圧側の第2中圧タービンとに分離し、650℃以上の蒸気が導入される蒸気導入側のタービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することを特徴とする。
【0013】
このようにして、650℃以上の蒸気が導入される側(蒸気導入側)のタービンのロータ及びケーシングの少なくともいずれか一方(すなわち、高圧タービン及び第1中圧タービンの蒸気導入側のロータ及びケーシングの少なくとも一方)を、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、Ni基合金の素材製造限界に影響されずにタービンのロータやケーシングを大型化することが可能となる。650℃以上の蒸気が導入される蒸気条件であっても、車室数や軸数(分割されたタービンの数)を増加させることなく設備の大型化が可能である。
【0014】
前記高圧タービンと、第1中圧タービンと、第2中圧タービンと、低圧タービンとを同一軸線上において連結し、第1中圧タービン又は第1中圧タービンと高圧タービンの650℃以上の蒸気が導入される蒸気導入側のタービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成してもよい。
【0015】
また、前記第1中圧タービンに650℃以上の蒸気を導入し、前記第1中圧タービンとは別軸で、前記高圧タービンと前記第2中圧タービンと一体化して前記低圧タービンと同一軸線上で連結するとともに、前記高圧タービンと第2中圧タービンとの連結体よりも、前記第1中圧タービンを、前記高圧タービン及び中圧タービンに導入される蒸気を過熱するボイラに近い位置に配置してもよい。
【0016】
650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンを前記ボイラの近くに配置することにより、ボイラと650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンとを接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラと650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービンを接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金を使用することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを低減することが可能となる。
また、高圧タービンと第2中圧タービンと低圧タービンとを一体化し、一体化物を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
【0017】
また、前記高圧タービン及び第1中圧タービンに650℃以上の蒸気を導入し、前記高圧タービンと第1中圧タービンとを一体化し、前記高圧タービンと前記第1中圧タービンとの一体化物とは別軸で、前記第2中圧タービンと前記低圧タービンを同一軸線上で連結するとともに、該第2中圧タービンと低圧タービンとの連結体よりも、前記高圧タービンと第1中圧タービンの一体化物を、前記高圧タービン及び中圧タービンに導入される蒸気を過熱するボイラに近い位置に配置してもよい。
【0018】
650℃以上の蒸気が導入される高圧タービンと第1中圧タービンを前記ボイラの近くに配置することにより、ボイラと高圧タービンを接続する配管及びボイラと第1中圧タービンを接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラと高圧タービンを接続する配管及びボイラと第1中圧タービンを接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金を使用することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを低減することが可能となる。
また、第2中圧タービンと低圧タービンとを一体化し、一体化物を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
【0019】
以上記載のごとく本発明によれば、650℃級、更には700℃級の蒸気条件を採用した場合であっても振動発生の可能性や設備コストの大幅な上昇を抑制して設備の大型化が可能である蒸気タービン設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
[図1] 実施例1における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
[図2] 実施例2における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
[図3] 実施例3における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
[図4] 従来例における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
[図5] 別の従来例における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
【実施例1】
【0022】
図1は、実施例1における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
図1を参照して、実施例1に係る蒸気タービン設備により構成される発電設備について説明する。
【0023】
図1に示された蒸気タービン発電設備10は、高圧タービン16、後述するように2つに分割された中圧タービン、低圧タービン24、発電機26、復水器28、ボイラ32から主に構成される。前記中圧タービンは高温高圧側の第1中圧タービン12と低温低圧側の第2中圧タービン14とに分離されており、高圧タービン16と第2中圧タービン14とが一体化されて一体化物22を形成している。
また、前記第1中圧タービン12、一体化物22、低圧タービン24及び発電機26は同一軸線上で連結するように構成されている。
【0024】
前記第1中圧タービン12の蒸気導入側のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方は、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されている。
【0025】
ボイラ32で650℃以上に過熱された主蒸気は、主蒸気管34を通って高圧タービン16に導入される。高圧タービン16に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、低温再熱管38を通ってボイラ32に戻される。該ボイラ32に戻された蒸気は、ボイラ32で再熱されて650℃以上の蒸気となり、高温再熱管40を通って第1中圧タービン12に送られる。第1中圧タービン12で膨張仕事を行った蒸気は550℃級まで低下して排気され、中圧部連絡管42を経て第2中圧タービン14に送られる。第2中圧タービン14に送られた蒸気は膨張仕事を行った後に排気され、クロスオーバー管44を通って低圧タービン24に送られる。低圧タービン24に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、復水器28に送られる。復水器28に送られた蒸気は復水器28で復水され、給水ポンプ30で昇圧されてボイラ32に戻される。発電機26はそれぞれのタービンの膨張仕事によって回転駆動され、発電する。
【0026】
以上のような実施例1の形態の蒸気タービン発電設備10によれば、650℃以上の蒸気が導入される側(蒸気導入側)の第1中圧タービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方を、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、翼段数、車室数や軸数を増加させることなく設備の大型化が可能である。
また、高圧タービン16と第2中圧タービン14と低圧タービン24とを一体化し、一体化物(図示せず)を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
【実施例2】
【0027】
図2は、実施例2における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
図2を参照して、実施例2に係る蒸気タービン設備により構成される発電設備について説明する。
【0028】
図2に示された蒸気タービン発電設備10は、高圧タービン16、後述するように2つに分割された中圧タービン、低圧タービン24、発電機26、27、復水器28、ボイラ32から主に構成される。前記中圧タービンは高温高圧側の第1中圧タービン12と低温低圧側の第2中圧タービン14とに分離されており、高圧タービン16と第2中圧タービン14とが一体化されて一体化物22を形成している。
また、一体化物22、低圧タービン24及び発電機26は同一軸線上で連結するように構成されており、それよりもボイラ32に近い位置に第1中圧タービン12と発電機27とが同一軸線上で連結して配置されている。第1中圧タービン12はボイラ32に近いほど好ましい。
また、第1中圧タービン12の蒸気導入側のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されている。
【0029】
ボイラ32で650℃以上に過熱された主蒸気は、主蒸気管34を通って高圧タービン16に導入される。高圧タービン16に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、低温再熱管38を通ってボイラ32に戻される。該ボイラ32に戻された蒸気は、ボイラ32で再熱されて650℃以上の蒸気となり、高温再熱管40を通って第1中圧タービン12に送られる。第1中圧タービン12で膨張仕事を行った蒸気は550℃級まで低下して排気され、中圧部連絡管42を経て第2中圧タービン14に送られる。第2中圧タービン14に送られた蒸気は膨張仕事を行った後に排気され、クロスオーバー管44を通って低圧タービン24に送られる。低圧タービン24に導入された蒸気は、膨張仕事を行った後に排気され、復水器28に送られる。復水器28に送られた蒸気は復水器28で復水され、給水ポンプ30で昇圧されてボイラ32に戻される。発電機26、27はそれぞれのタービンの膨張仕事によって回転駆動され、発電する。
【0030】
以上のような実施例2の形態の蒸気タービン発電設備10によれば、650℃以上の蒸気が導入される側(蒸気導入側)の第1中圧タービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方を、Ni基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、翼段数、車室数や軸数を増加させることなく設備の大型化が可能である。
【0031】
さらに、650℃以上の蒸気が導入される第1中圧タービン12を前記ボイラ32の近くに配置することにより、ボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金を使用することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを低減することが可能となる。
また、高圧タービン16と第2中圧タービン14と低圧タービン24とを一体化し、一体化物(図示せず)を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
【実施例3】
【0032】
図3は、実施例3における蒸気タービン発電設備の構成を示す図である。
図3に示された蒸気タービン発電設備10は、図2に示した実施例2の形態の蒸気タービン設備と一部を変更した形態であり、実施例2と違う部分についてのみ説明する。
【0033】
図3に示された蒸気タービン発電設備10においては、高圧タービン16と第1中圧タービン12とが一体化されて一体化物20を形成している。また、第2中圧タービン14、低圧タービン24及び発電機26は同一軸線上で連結するように構成されており、それよりもボイラ32に近い位置で一体化物20と発電機27とが同一軸線上で連結して配置されている。一体化物20はボイラ32に近いほど好ましい。
また、高圧タービン16及び第1中圧タービン12の蒸気導入側のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されている。
また、高圧タービン16及び第1中圧タービン12には何れも650℃以上の蒸気が導入される。
【0034】
以上のような実施例3の形態の蒸気タービン発電設備10によれば、650℃以上の蒸気が導入される高圧タービン16及び第1中圧タービン12の蒸気導入側のロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することで、翼段数、車室数や軸数を増加させることなく設備の大型化が可能となる。
また、このような設備においては高圧タービン16及び第1中圧タービン12に650℃以上の蒸気が導入され、第2中圧タービン14には650℃未満の蒸気が導入される。従って650℃以上の蒸気が導入され、Ni基合金で形成されるとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成されたロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方が使用される高圧タービン16と第1中圧タービン12とを一体化して一体化物20を構成することで、高級材料であるNi基合金の使用量を少なくし、設備コストの上昇を抑制することができる。
【0035】
さらに、650℃以上の蒸気が導入される高圧タービン16及び第1中圧タービン12を前記ボイラ32の近くに配置することにより、ボイラ32と高圧タービン16及びボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管長を短くすることができ、該配管に使用する材料を低減することができる。前記ボイラ32と第1中圧タービン12を接続する配管は650℃以上の蒸気が流通するため、高級材料であるNi基合金で製作することが必要であるが、該配管を短くし材料使用量を削減することで設備全体の製作コストを大幅に低減することが可能となる。
また、第2中圧タービン14と低圧タービン24とを一体化し、一体化物(図示せず)を形成してもよい。これにより、更に車室数や軸数を低減することができ、設備の低コスト化を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
650℃級、更には700℃級の蒸気条件を採用した場合であっても振動発生の可能性や設備コストの大幅な上昇を抑制してタービン設備の大型化が可能である蒸気タービン設備として利用することができる。

Claims (7)

  1. 高圧タービン、中圧タービン及び低圧タービンを備えた蒸気タービン設備において、
    前記中圧タービンを高温高圧側の第1中圧タービンと低温低圧側の第2中圧タービンとに分離し、
    650℃以上の蒸気が導入される蒸気導入側のタービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することを特徴とする蒸気タービン設備。
  2. 前記高圧タービンと、第1中圧タービンと、第2中圧タービンと、低圧タービンとを同一軸線上において連結し、
    第1中圧タービン又は第1中圧タービンと高圧タービンの650℃以上の蒸気が導入される蒸気導入側のタービンのロータおよびケーシングの少なくともいずれか一方をNi基合金で形成するとともに、タービンロータ全体およびケーシング全体の少なくともいずれか一方を複数材料のロータ部材またはケーシング部材を溶接によって接合して構成することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン設備。
  3. 前記高圧タービンと前記第2中圧タービンと前記低圧タービンとを一体化し、一体化物を構成することを特徴とする請求項1又は2記載の蒸気タービン設備。
  4. 前記第1中圧タービンに650℃以上の蒸気を導入し、
    前記第1中圧タービンとは別軸で、前記高圧タービンと前記第2中圧タービンとを一体化して前記低圧タービンと同一軸線上で連結するとともに、
    前記高圧タービンと第2中圧タービンと低圧タービンとの連結体よりも、前記第1中圧タービンを、前記高圧タービン及び中圧タービンに導入される蒸気を過熱するボイラに近い位置に配置することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン設備。
  5. 前記高圧タービンと前記第2中圧タービンと前記低圧タービンとを一体化し、一体化物を構成することを特徴とする請求項4記載の蒸気タービン設備。
  6. 前記高圧タービン及び第1中圧タービンに650℃以上の蒸気を導入し、
    前記高圧タービンと第1中圧タービンとを一体化し、
    前記高圧タービンと前記第1中圧タービンとの一体化物とは別軸で、前記第2中圧タービンと前記低圧タービンを同一軸線上で連結するとともに、
    該第2中圧タービンと低圧タービンとの連結体よりも、前記高圧タービンと第1中圧タービンの一体化物を、前記高圧タービン及び中圧タービンに導入される蒸気を過熱するボイラに近い位置に配置することを特徴とする請求項1記載の蒸気タービン設備。
  7. 前記第2中圧タービンと前記低圧タービンとを一体化し、一体化物を構成することを特徴とする請求項6記載の蒸気タービン設備。
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