JPWO2010016291A1 - 有機圧電材料、その作製方法、それを用いた超音波振動子、超音波探触子および超音波画像検出装置 - Google Patents

有機圧電材料、その作製方法、それを用いた超音波振動子、超音波探触子および超音波画像検出装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、電気機械結合定数ktが0.25以上である第一の有機圧電体と、当該第一の有機圧電体と隣接し、破断点伸度が70%以上、910%以下である第二の有機圧電体とを含有することを特徴とする有機圧電材料であって、優れた圧電特性を維持しつつ、加工性に優れ、機械的強度の高い超音波振動子を与える圧電材料を提供することができる。

Description

本発明は、有機の圧電体を用いた有機圧電材料、その作製方法、それを用いた超音波振動子、超音波探触子および超音波画像検出装置に関する。
超音波探蝕子などのセンサーに用いられる圧電体材料としては、無機圧電材料および有機圧電材料が知られている。
無機圧電材料としては、例えば水晶、LiNbO、LiTaO、KNbOなどの単結晶、ZnO、AlNなどの薄膜、Pb(Zr,Ti)O系などの焼結体を分極処理した無機圧電材料が知られている。
しかしながら、これら無機材質の圧電材料は、弾性スティフネスが高く、機械的損失係数が高い、密度が高く誘電率も高いなどの性質がある。
一方、有機圧電材料としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(以下「PVDF」と略す。)、ポリシアン化ビニリデン(以下「PVDCN」と略す。)等の有機圧電材料が知られている(特許文献1参照)。
これらの有機圧電材料は、薄膜化、大面積化等の加工性に比較的優れ、任意の形状、形態の物が作ることができ、弾性率が低い、誘電率が低い等の特徴を持つため、センサーとしての使用に際しては、高感度な検出を可能とする特徴を持っている。また、これらの有機圧電材料は、高周波特性、広帯域特性を必要とするハーモニックイメージング技術における圧電材料として適している。
そして、圧電特性をさらに向上させたものとして、例えばPVDFフィルムを熱処理後分極させたもの(特許文献2参照)、3フッ化エチレンまたは4フッ化エチレンと、フッ化ビニリデンとの共重合体からなる圧電材料を延伸処理して作製したものが知られている(特許文献3参照)。
しかしながら、これらの圧電材料においては、圧電特性の向上はみられるものの、延伸軸と垂直方向に対する強度が不十分のため、圧電材料の加工性が不十分であり、圧電素子としたときの機械的強度が不十分であるといった問題があった。
特開平6−216422号公報 特開昭60−47034号公報 特開平8−36917号公報
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、優れた圧電特性を維持しつつ、加工性に優れ、機械的強度の高い超音波振動子を与える圧電材料を提供することにある。
本発明に係る上記課題は、下記の手段により解決される。
1.電気機械結合定数ktが0.25以上である第一の有機圧電体と、当該第一の有機圧電体と隣接し、破断点伸度が70%以上、910%以下である第二の有機圧電体とを含有することを特徴とする有機圧電材料。
2.前記第一の有機圧電体が、フッ化ビニリデンの重合体または共重合体であることを特徴とする1に記載の有機圧電材料。
3.前記第一の有機圧電体の有機圧電材料に対する含有量が、50質量%以上であることを特徴とする1または2に記載の有機圧電材料。
4.前記有機圧電材料が、延伸処理されて形成された有機圧電材料であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の有機圧電材料。
5.前記第一の有機圧電体の層と、前記第二の有機圧電体の層とが積層された積層体であることを特徴とする1〜4のいずれか1項に記載の有機圧電材料。
6.前記有機圧電材料が、重量平均分子量の異なる2種の高分子有機圧電体を含有する塗布液を用い、製膜された有機圧電材料であることを特徴とする1〜5のいずれか1項に記載の有機圧電材料。
7.6に記載の有機圧電材料を作製する、有機圧電材料の作製方法であって、重量平均分子量の異なる2種の高分子有機圧電体を含有する塗布液を用い製膜し、2層の有機圧電体が積層された有機圧電材料を作製することを特徴とする有機圧電材料の作製方法。
8.1〜6のいずれか1項に記載の有機圧電材料を有することを特徴とする超音波振動子。
9.対向する一対の電極間に、1〜6のいずれか1項に記載の有機圧電材料を有することを特徴とする8に記載の超音波振動子。
10.8または9に記載の超音波振動子を具備することを特徴とする超音波探触子。
11.10に記載の超音波探触子を具備することを特徴とする超音波画像検出装置。
本発明の上記手段により、優れた圧電特性を維持しつつ、加工性に優れ、機械的強度の高い超音波振動子を与える有機圧電材料を提供することができ、さらにそれを用いた超音波振動子、有機圧電材料の作製方法、超音波探触子および超音波画像検出装置が提供できる。
本発明の有機圧電材料の例の模式断面図である。 本発明の超音波振動子の例の模式断面図である。 本発明の超音波探触子の例の模式断面図である。 本発明の超音波画像検出装置の主要部の構成を示す概念図である。
符号の説明
1 有機圧電材料
2 第一の有機圧電体
3 第二の有機圧電体
4 電極
5 送信用圧電材料
6 バッキング層
7 基板
8 音響整合層
9 音響レンズ
10 超音波振動子
11 受信用有機圧電材料
12 送信用超音波振動子
13 受信用超音波振動子
20 超音波探触子
本発明は、有機圧電材料であって、電気機械結合定数ktが0.25以上である第一の有機圧電体と、当該第一の有機圧電体と隣接し、破断点伸度が70%以上、910%以下である第二の有機圧電体とを含有することを特徴とする。
本発明においては、圧電材料を、各層の間に電極などの層を有することのない、少なくとも上記第一の有機圧電体と上記第二の有機圧電体から構成することにより、優れた圧電特性を維持して、加工性に優れ、機械的強度の高い超音波振動子を与える有機圧電材料が提供でき、さらにそれを用いた超音波振動子、圧電材料の製造方法、超音波探触子および超音波画像検出装置が提供できる。
(第一および第二の有機圧電体)
本発明の有機圧電材料は、第一の有機圧電体と第一の有機圧電体に隣接する第二の有機圧電体とを含有する。
第一の有機圧電体に隣接するとは、第一の有機圧電体と第二の有機圧電体同士が電極などの層を介することなく直接接触して積層されている態様を指す。即ち本発明の有機圧電材料は、少なくとも第一の有機圧電体と第二の有機圧電体が積層された構成を有する。
本発明において、有機圧電体とは、機械的力や歪みを加えることにより、電荷を発生する正圧電効果および、電界を加えると力や歪みを発生する逆圧電効果を持つ有機物質であり、電気機械結合定数ktが、0.1以上であるものをいう。
有機圧電体とは、機械的力や歪みを加えることにより、電荷を発生する正圧電効果および、電界を加えると力や歪みを発生する逆圧電効果を持つ有機物質である。
電気機械結合定数ktとは、(出力されたエネルギー/入力されたエネルギー)1/2であり、下記の測定方法により測定された値をいう。
電気機械結合定数ktは、電子情報技術産業協会規格JEITA EM−4501(旧EMAS−6100)圧電セラミック振動子の電気的試験方法に記載の円盤状振動子の厚みたて振動に4.2.6項に準拠した値であり、下記式に基づく値である。
kt=(α/tan(α))1/2
ただし、α=(π/2)×(S/P)、Pは厚み共振周波数付近の抵抗値のピーク周波数、Sはコンダクタンスのピーク周波数である。
第一の有機圧電体は、電気機械結合定数ktが、0.25以上であることが必要であるが、0.30以上であることが好ましく特に0.34以上であることが好ましい。
第一の有機圧電体のktを0.25以上とすることは、下述するような材料から第一の有機圧電体を選択することで可能となる。
第一の有機圧電体としては、低分子材料、高分子材料を問わず使用することができるが特に高分子材料が好ましく、分子量としては、重量平均分子量が10万〜30万であるものが特に好ましく用いられる。
また、第一の有機圧電体としては、重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)5.0以下の高分子化合物が圧電特性の面から特に好ましい。
重量平均分子量Mwおよび数平均分子量Mnは、下記の測定方法により測定された値である。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。東ソー社製高速液体クロマトグラフィーHLC−8220に東ソー社製カラムTSKgel α−M(7.8mmI.D.×30cm)を2本装填し、検出器は示差屈折率検出器として測定を行う。展開溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用い、流速1.0ml/分、40℃にて行う。
第一の有機圧電体に用いられる高分子の有機圧電体としては、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニリデン共重合体、シアン化ビニリデン重合体、シアン化ビニリデン共重合体などが挙げられるが、フッ化ビニリデン重合体またはフッ化ビニリデン共重合体が圧電特性、加工性、入手容易性等の面から特に好ましく用いられる。
具体的には、大きい双極子モーメントをもつCF基を有する、ポリフッ化ビニリデンの単独重合体又はフッ化ビニリデンを主成分とする共重合体である。共重合体における共重合成分としては、テトラフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロパン、クロロフルオロエチレン等を用いることができる。
例えば、フッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体の場合、圧電特性の面から、前者の共重合比が60〜99モル%であるものが好ましく、更に85〜99モル%であるものが好ましく用いられる。
また、フッ化ビニリデンを85〜99モル%にして、パーフルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロアルコキシエチレン、パーフルオロヘキサエチレンを1〜15モル%にしたポリマーは、高調波受信を感度の面から特に好ましく用いられる。
第一の有機圧電体の有機圧電材料に対する含有量としては、50質量%以上であることが好ましく、特に90質量%以上であることが特に好ましい。
本発明に係る第二の有機圧電体は、破断点伸度が70%以上、910%以下である必要がある。第二の有機圧電体を第一の有機圧電体と隣接させることで、圧電特性を維持しつつ、加工性を向上させ、超音波振動子の機械的強度を向上させることができる。
第二の有機圧電体の破断点伸度を70%以上、910%以下とすることは、下述するような材料から第二の有機圧電体を選択することで可能となる。
破断点伸度はJIS K7127に従い、20mm幅、200mmの試験片を用い、5mm/minにて測定した値をいう。尚、延伸処理を施した膜の破断点伸度測定方向は、延伸軸に対して垂直な方向に力を加える方向とする。
本発明に係る第二の有機圧電体としては、高分子の有機圧電体が好ましく用いられ、分子量としては重量平均分子量が、10万〜100万であるものが特に好ましく用いられる。
第二の有機圧電体に用いられる高分子の有機圧電体としては、フッ化ビニリデン重合体、フッ化ビニリデン共重合体、シアン化ビニリデン重合体、シアン化ビニリデン共重合体、ナイロン9やナイロン11などの奇数ナイロン、芳香族ナイロン、脂環族ナイロン、ポリ乳酸やポリヒドロキシブチレートなどのポリヒドロキシカルボン酸、セルロース系誘導体、ポリウレアおよび下記の比誘電率の比較的低い高分子材料などが挙げられる。
比誘電率の比較的低い高分子材料としては、例えば、メタクリル酸メチル樹脂(3.0)、アクリルニトリル樹脂(4.0)、アセテート樹脂(3.4)、アニリン樹脂(3.5)、アニリンホルムアルデヒド樹脂(4.0)、アミノアルキル樹脂(4.0)、アルキッド樹脂(5.0)、ナイロン−6−6(3.4)、エチレン樹脂(2.2)、エポキシ樹脂(2.5)、塩化ビニル樹脂(3.3)、塩化ビニリデン樹脂(3.0)、尿素ホルムアルデヒド樹脂(7.0)、ポリアセタール樹脂(3.6)、ポリウレタン(5.0)、ポリエステル樹脂(2.8)、ポリエチレン(低圧)(2.3)、ポリエチレンテレフタレート(2.9)、ポリカーポネート樹脂(2.9)、メラミン樹脂(5.1)、メラミンホルムアルデヒド樹脂(8.0)、酢酸セルロース(3.2)、酢酸ビニル樹脂(2.7)、スチレン樹脂(2.3)、スチレンブタジエンゴム(3.0)、スチロール樹脂(2.4)、フッ化エチレン樹脂(2.0)等が挙げられる(かっこ内は、比誘電率の値である)。
本発明の有機圧電材料の厚さとしては、10μm〜300μmが好ましく、特に20μm〜100μmであることが好ましい。
本発明の有機圧電材料は、積層された第一の有機圧電体と第二の有機圧電体とを含有することが好ましいが、特にこの2層の有機圧電体が、下述するように重量平均分子量が異なる2種の高分子化合物を含有する塗布液を用い、製膜して形成された2層の有機圧電体である態様が好ましい。
また、本発明の複数の有機圧電体の組み合わせとしては、第一の有機圧電体の電気結合定数が0.34以上であり、第二の有機圧電体の分子量が5000以上である高分子化合物である組み合わせが好ましく、さらには第二の有機圧電体の分子量が10万以上であることが特に好ましい。
本発明の有機圧電材料により、圧電特性を維持しつつ機械的強度が高いものが得られる理由は明確ではないが、以下のように推測される。
圧電材料として、有機圧電体単体のみの場合には、機械的強度がある特定の方向においては弱いが、本発明の有機圧電材料は、少なくとも2層の有機圧電体からなり、各圧電材料間に界面が存在するため、この界面において機械的強度の方向性が変化し、その結果有機圧電体全体の機械的強度が向上すると推定される。
図1を用いて、本発明の有機圧電体を説明する。
図1は、本発明の有機圧電材料の例の模式断面図である。有機圧電材料1は、第一の有機圧電体2と、これと隣接する第二の有機圧電体3からなり、第一の有機圧電体2と第二の有機圧電体3とは積層されている構造を有している。
第一の有機圧電体2と第二の有機圧電体とが接触している面の近傍においては、第一の有機圧電体と第二の有機圧電体とが混合して存在してもよい。
本発明の有機圧電材料は、上記第一および第二の有機圧電体以外の有機圧電体をさらに隣接して有してもよい。第一および第二の有機圧電体以外の有機圧電体として用いられる素材としては、上記第一および第二の有機圧電体で挙げられた素材を挙げることができる。
(有機圧電材料の作製方法)
本発明の有機圧電材料は、複数の有機圧電体の膜を同時に形成する方法または別々に形成した有機圧電体の膜を一体化して形成する方法により作製することができる。
有機圧電体の膜を作製する方法としては、溶融・流延法、上記有機圧電体を溶解してなる溶液を基板上に塗布し、乾燥して得る方法、上記有機圧電体の原料化合物を用いて従来公知の蒸着重合法や溶液重合塗布法などにより高分子膜を形成する方法が挙げられる。
蒸着重合法としては、特開平7−258370号公報、特開平5−311399号公報、及び特開2006−49418号公報に開示されている方法を用いることができる。
また溶液重合塗布法としては、有機圧電体原料の混合溶液を基板上に塗布し、減圧条件下である程度乾燥後(溶媒を除去した後)、加熱し、熱重合を行う方法を用いることができる。
第一の有機圧電体と第二の有機圧電体の膜を同時に形成する方法としては、組成が異なること、分子量が異なることなどで、溶媒に対する相溶性が異なる2つの高分子化合物である有機圧電体を溶液に溶解し塗布液とし、塗布液を基板上に塗布し、乾燥して膜を形成する方法が挙げられる。これは、乾燥途中で、塗布液が濃縮されるに従い2つの有機圧電体の塗布液への溶解度の差が顕著となり、所謂ブルーミング現象の一種により2つの膜を生ずるものと推測される。
例えば、重量平均分子量が100万であるフッ化ビニリデンの共重合体と、重量平均分子量が10万であるフッ化ビニリデンの共重合体とを用い、メチルエチルケトンを溶媒として塗布する方法が挙げられる。
また、第一の有機圧電体と第二の有機圧電体の膜を別々に作製する方法としては、例えば、第一の有機圧電体の膜を作製した後、この膜の上に、第一の有機圧電体の膜を実質的に溶解しない溶媒に第二の有機圧電体を含む塗布液を塗布し、乾燥して第二の有機圧電体の膜を作製する方法などがある。
(延伸処理)
本発明の有機圧電材料は延伸処理を施したものであることが好ましい。延伸処理は、圧電特性を向上させるために行われるもので、種々の公知の方法を採用することができる。
延伸処理は、所定形状の有機圧電体膜が破壊されない程度に一軸・ニ軸方向に延伸することができる。延伸倍率としては、2〜10倍、好ましくは2〜6倍の範囲で行うことができる。
例えば、ポリフッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体の場合、エチルメチルケトン(MEK)に溶解した液をガラス板などの基板上に流延し、常温にて溶媒を乾燥させ、所望の厚さのフィルムを得て、このフィルムを室温で所定の倍率の長さに延伸する方法が挙げられる。
(超音波振動子)
本発明の超音波振動子は、本発明の有機圧電材料に電極を付したものであり、対向する一対の電極間に、本発明の有機圧電材料を有する態様が好ましい。
本発明の有機圧電材料は、超音波振動子に用いる場合、形成された膜の状態のまま使用することもできるが、延伸処理、分極処理が施されていることが好ましい。
(分極処理)
分極処理の方法としては、従来公知の直流電圧印加処理、交流電圧印加処理又はコロナ放電処理方法が適用され得る。
例えば、コロナ放電処理法による場合には、コロナ放電処理は、市販の高電圧電源と電極からなる装置を使用して処理することができる。
放電条件は、機器や処理環境により異なるので適宜条件を選択すればよいが、高電圧電源の電圧としては−1〜−20kV、電流としては1〜80mA、電極間距離としては、1〜10cm、印加電圧としては、0.5〜2.0MV/mである条件が好ましい。
分極処理に用いられる電極としては、従来から用いられている針状電極、線状電極(ワイヤー電極)、網状電極を用いることができる。
分極処理は、下記の電極を付す前に行ってもよいし、電極を付した後に、当該電極を使用して分極処理を行ってもよい。
(電極)
超音波振動子に付される電極に用いられる材料としては、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、スズ(Sn)などが挙げられる。
有機圧電材料に電極を付す方法としては、例えば、チタン(Ti)やクロム(Cr)などの下地金属をスパッタ法により0.02〜1.0μmの厚さに形成した後、上記金属元素を主体とする金属及びそれらの合金からなる金属材料、さらには必要に応じ一部絶縁材料をスパッタ法、その他の適当な方法で1〜10μmの厚さに形成する方法が挙げられる。
電極形成はスパッタ法以外でも、微粉末の金属粉末と低融点ガラスとを混合した導電ペーストをスクリーン印刷やディッピング法、溶射法で形成することもできる。
さらに、有機圧電材料の膜の両面に形成した電極間に、所定の電圧を供給し、有機圧電材料の膜を分極処理することができる。
超音波振動子は、超音波探触子に用いられる場合、基板と共に用いられることが好ましい。
基板としては、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィンポリマーのようなプラスチック板またはフィルムでもよいし、これらの素材の表面をアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素等で覆ったものでもよい。
またアルミニウム、金、銅、マグネシウム、珪素単体、希土類のハロゲン化物の単結晶の板またはフィルムでもかまわない。
本発明に係る超音波振動子は、超音波探触子に用いられる場合、超音波受信用振動子として、または超音波送信用振動子として用いられるが、特に超音波受信用振動子として用いられることが好ましい態様である。
図2を用いて、本発明の超音波振動子を説明する。
図2は、本発明の超音波振動子の例の模式断面図である。超音波振動子10は、第一の有機圧電体2と、第二の有機圧電体3とが積層された有機圧電材料1の両側に電極4が配置されている。電極4は、必要に応じ、有機圧電材料1の全面にわたり配置されてもよいし、有機圧電材料1の一部分に配置されてもよい。
(超音波探触子)
本発明の超音波探触子は、本発明の超音波振動子を具備したものである。超音波探触子は、超音波振動子として、超音波送信用振動子と超音波受信用振動子とを具備することが好ましい。
本発明の超音波探触子は、超音波送信用振動子および超音波受信用振動子の少なくとも一方が本発明の超音波振動子であることが必要であるが、特に少なくとも超音波受信用振動子が本発明の超音波振動子であることが好ましい。
本発明においては、超音波の送受信の両方を一つの振動子で担ってもよいが、より好ましくは、送信用と受信用で振動子は分けて超音波探触子内に構成されることが好ましい。
本発明の超音波振動子以外の超音波振動子を用いる場合、それは従来公知のセラミックス無機圧電材料でも、有機圧電材料でもよい。
送信用振動子と、受信用振動子の配列としては、各々を上下に配置する配列および並列に配置する配列のどちらでもよいが、上下に配置して積層する構造が好ましい。
積層する場合の送信用振動子および受信用振動子の厚さとしては、40〜150μmであることが好ましい。
本発明の超音波探触子は、必要に応じバッキング層、音響整合層、音響レンズなどを具備することが好ましい。
図3に本発明の超音波探触子の好ましい態様の例を示す。超音波探触子20は、バッキング層6上に、送信用圧電材料5に電極4が付された送信用超音波振動子12を有し、送信用超音波振動子12上に基板7を有し、基板7上に受信用有機圧電材料11に電極4が付された受信用超音波振動子13を有し、さらにその上に音響整合層8および音響レンズ9を有する構成を有する。
(超音波医用画像診断装置)
本発明の超音波探触子は、種々の態様の超音波診断装置に用いることができる。例えば、図4に示すような超音波画像検出装置において好適に使用することができる。
図4は、本発明の超音波画像検出装置の主要部の構成を示す概念図である。
超音波画像検出装置は、例えば、生体などの被検体に対して超音波を送信し、被検体で反射した超音波をエコー信号として受信する超音波振動子が配列されている超音波探触子(プローブ)を備えている。
また当該超音波探触子に電気信号を供給して超音波を発生させるとともに、当該超音波探触子の各超音波振動子が受信したエコー信号を受信する送受信回路と、送受信回路の送受信制御を行う送受信制御回路を備えている。
さらに、送受信回路が受信したエコー信号を被検体の超音波画像データに変換する画像データ変換回路を備えている。また当該画像データ変換回路によって変換された超音波画像データでモニタを制御して表示する表示制御回路と、超音波画像検出装置全体の制御を行う制御回路を備えている。
制御回路には、送受信制御回路、画像データ変換回路、表示制御回路が接続されており、制御回路はこれら各部の動作を制御している。そして、超音波探触子の各超音波振動子に電気信号を印加して被検体に対して超音波を送信し、被検体内部で音響インピーダンスの不整合によって生じる反射波を超音波探触子で受信する。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。
(実施例1)
(有機圧電材料1および超音波振動子1の作製と評価)
フッ化ビニリデン(以下VDF)とトリフルオロエチレン(以下3FE)との共重合比率が80:20である共重合体粉末[以下P(VDF80/3FE20)](Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)10.01gを60℃に加熱したエチルメチルケトン(以下MEK)に40gに溶解した。この溶液をガラス板上に塗布し、溶媒を乾燥させ、第一の有機圧電体の膜を作製した。このフィルムの上に、PVDF粉末(Mw4.8×10、Mw/Mn1.7)0.97g/MEK3gのMEK溶液を塗布し、溶媒を乾燥させ、第二の有機圧電体の膜を作製し、有機圧電体材料のフィルムを得た。このフィルムを室温で4倍に延伸した後、延伸した長さを保ったまま135℃1時間熱処理を行い、有機圧電材料1を得た。得られた熱処理後のフィルムの示差走査熱量計による吸熱ピーク温度は、118℃、120℃、141℃、153℃であった。
得られたフィルムの両面に表面抵抗が1Ω以下になるように金/アルミニウムを蒸着塗布して表面電極付の試料を得た。つづいて、この電極に室温にて、0.1Hzの交流電圧を印加しながら分極処理を行い、超音波振動子1を得た。分極処理は低電圧から行い、最終的に電極間電場が50MV/mになるまで徐々に電圧をかけた。
(超音波振動子2の作製)
P(VDF80/3FE20)共重合体粉末(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)9.97g用い、超音波振動子1を作製したのと同様な手順で製膜した。つづいて、この膜の上に、PVDF粉末(Mw4.8×10、Mw/Mn4.0)1.00g/MEK3gのMEK溶液を塗布し、溶媒を乾燥させフィルムを得、超音波振動子1と同様に延伸を行った。このフィルムに超音波振動子1を作製したのと同様な手順にて熱処理、電極付けを行い、分極済みの超音波振動子2を得た。
(超音波振動子3の作製)
P(VDF80/3FE20)共重合体粉末(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)10.01gを用い、超音波振動子1を作製したのと同様な手順で製膜、延伸を行った。つづいて、このフィルムの上に、PVDF粉末(Mw4.8×10、Mw/Mn4.0)0.99g/MEK3gのMEK溶液を塗布し、溶媒を乾燥させた。さらに、このフィルムに熱処理、電極付けを行い、分極済みの超音波振動子3を得た。
(超音波振動子4(比較)の作製)
P(VDF80/3FE20)共重合体粉末(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)を用い、超音波振動子1を作製したのと同様な手順で製膜、延伸、熱処理および電極付けを行い、分極済みの超音波振動子4を得た。
(超音波振動子5(比較)の作製)
m−キシリレンジアミン(以下XDA)と4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下MDI)との共重合比率が50:50であるポリ尿素共重合体粉末(XDA−MDI)(Mw9.3×10、Mw/Mn3.8)(第二の有機圧電体)のDMF溶液をガラス板上に塗布し、溶媒を乾燥させた。つづいて、このフィルムの上に、P(VDF80/3FE20)共重合体粉末(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)(第一の有機圧電体)用い、超音波振動子1を作製したのと同様な手順で製膜を行った。その後、減圧下、50℃にて溶媒を乾燥させた。このフィルムへの延伸処理を試みたが、延伸されなかった。フィルムを熱処理し、電極付けを行い、分極済みの超音波振動子5を得た。
(超音波振動子6〜10の作製)
超音波振動子1〜5を作製したのと同様にして、第一の有機圧電体として、P(VDF60/3FE40)共重合体粉末(Mw3.5×10、Mw/Mn1.9)と各対応する材料を用い、分極済みの超音波振動子6〜10を得た。
(超音波振動子11〜16(比較)の作製)
下記に記載の第一の有機圧電体と、第二の有機圧電体とを用い、上記方法と同様にして、表1に示す超音波振動子11〜16を得た。
(超音波振動子17〜19の作製)
下記に記載の第一の有機圧電体と、第二の有機圧電体とを用い、表1に示す割合で第一の有機圧電体と、第二の有機圧電体との割合を変えた他は、超音波振動子1と同様にして、超音波振動子17〜19を作製した。
(超音波振動子20の作製)
フッ化ビニリデンとトリフルオロエチレンとの共重合比率が80:20である共重合体粉末(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)10.01g、同共重合体粉末(Mw5.3×10、Mw/Mn1.9)0.97gを50℃に加熱したエチルメチルケトン(以下MEK)1000mlに溶解した。この溶液をガラス板上に塗布した。その後、常温にて溶媒を乾燥させ、厚さ約140μmのフィルム(有機圧電体膜)を得た。このフィルムを室温で4倍に延伸した後、延伸した長さを保ったまま135℃1時間熱処理を行った。得られたフィルムの両面に表面抵抗が1Ω以下になるように金/アルミニウムを蒸着塗布して表面電極付の試料を得た。つづいて、この電極に室温にて、0.1Hzの交流電圧を印加しながら分極処理を行った。分極処理は低電圧から行い、最終的に電極間電場が50MV/mになるまで徐々に電圧をかけ超音波振動子20を得た。
(超音波振動子21の作製)
超音波振動子5を作製したのと同様にして、第一の有機圧電体として、P(VDF60/3FE40)共重合体粉末(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)、第二の有機圧電体として、4,4′−メチレンジアニリン(以下MDA)とMDIとのポリ尿素共重合体粉末(MDA−MDI)(Mw3.7×10、Mw/Mn2.9)を用い、製膜および乾燥を行った。このフィルムに延伸処理を施し、分極済みの超音波振動子21を得た。
[分子量および分子量分布の測定方法]
数平均分子量Mn、重量平均分子量Mwはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値である。東ソー社製高速液体クロマトグラフィーHLC−8220に東ソー社製カラムTSKgel α−M(7.8mmI.D.×30cm)を2本装填し、検出器は示差屈折率検出器として測定を行った。展開溶媒にN,N−ジメチルホルムアミドを用い、流速1.0ml/分、40℃にて行った。
[圧電特性評価方法]
上記のようにして得られた電極付の超音波振動子の両面の電極にリード線を付け、アジレントテクノロジー社製インピーダンスアナライザ4294Aを用いて、25℃雰囲気下において、40Hzから110MHzまで等間隔で600点周波数掃引した。厚み共振周波数における比誘電率の値を求めた。同様に、厚み共振周波数付近の抵抗値のピーク周波数P、コンダクタンスのピーク周波数Sをそれぞれ求め、下記式にて電気機械結合定数ktを求めた。
kt=(α/tan(α))1/2 ただし、α=(π/2)×(S/P)
インピーダンスアナライザを用いて厚み共振周波数から電気機械結合定数を求める方法としては、電子情報技術産業協会規格JEITA EM−4501(旧EMAS−6100)圧電セラミック振動子の電気的試験方法に記載の円盤状振動子の厚みたて振動に4.2.6項に準拠した。
電気機械結合定数ktの値としては、0.24以上が実用的に良好な範囲である。
[加工性評価方法]
上記により得られた有機圧電体材料の薄膜から所定の大きさの有機圧電材料とするために切断した際の膜の変形を観察し、これを加工性の指標とした。
具体的には、厚さ40μm、20cm×30cmのフィルムを作製し、押切カッターで2cm×5cmの大きさに切断した。
上記評価結果を表1に示す。(kt:電気機械結合定数、H(%):破断点伸度)
A−1:フッ化ビニリデン(以下VDF)とトリフルオロエチレン(以下3FE)との共重合比率が80:20である共重合体[以下P(VDF80/3FE20)](Mw2.2×105、Mw/Mn2.1)(延伸、熱処理あり)
A−2:P(VDF80/3FE20)共重合体(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)(熱処理のみ)
A−3:PVDF(Mw4.8×10、Mw/Mn1.7)(延伸、熱処理)
A−4:PVDF(Mw4.8×10、Mw/Mn1.7)(熱処理))
A−5:フッ化ビニリデン(以下VDF)とトリフルオロエチレン(以下3FE)との共重合比率が80:20である共重合体[以下P(VDF80/3FE20)](Mw3.1×10、Mw/Mn5.4)(延伸、熱処理あり)
A−11:フッ化ビニリデン(以下VDF)とトリフルオロエチレン(以下3FE)との共重合比率が60:40である共重合体[以下P(VDF60/3FE40)](Mw3.5×10、Mw/Mn1.9)
B−1:P(VDF80/3FE20)共重合体(Mw2.2×10、Mw/Mn2.1)(熱処理のみ)
B−2:PVDF(Mw4.8×10、Mw/Mn1.7)(延伸、熱処理)
B−3:PVDF(Mw4.8×10、Mw/Mn1.7)(熱処理)
B−4:XDAとMDIとの共重合比率が50:50であるポリ尿素共重合体粉末(XDA−MDI)(Mw9.3×10、Mw/Mn3.8)(熱処理)
B−5:P(VDF80/3FE20)共重合体(Mw5.3×10、Mw/Mn1.9)(延伸、熱処理)
B−6:4,4′−メチレンジアニリン(以下MDA)とMDIとの共重合比率が50:50であるポリ尿素共重合体粉末(MDA−MDI)(Mw3.7×10、Mw/Mn2.9)(熱処理、延伸)
表1から、本発明の有機圧電材料は、優れた圧電特性を維持しており、加工性に優れ、機械的強度の高い超音波振動子を与えることが分かる。
(実施例2)
−超音波探触子の作製と評価−
(送信用振動子の作製)
成分原料であるCaCO、La、BiとTiO、及び副成分原料であるMnOを準備し、成分原料については、成分の最終組成が(Ca0.97La0.03)Bi4.01Ti15となるように秤量した。次に、純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて8時間混合し、十分に乾燥を行い、混合粉体を得た。
得られた混合粉体を、仮成形し、空気中、800℃で2時間仮焼を行い仮焼物を作製した。次に、得られた仮焼物に純水を添加し、純水中でジルコニア製メディアを入れたボールミルにて微粉砕を行い、乾燥することにより圧電セラミックス原料粉末を作製した。
微粉砕においては、微粉砕を行う時間および粉砕条件を変えることにより、それぞれ粒子径100nmの圧電セラミックス原料粉末を得た。それぞれ粒子径の異なる各圧電セラミックス原料粉末にバインダーとして純水を6質量%添加し、プレス成形して、厚み100μmの板状仮成形体とし、この板状仮成形体を真空パックした後、235MPaの圧力でプレスにより成形した。次に、上記の成形体を焼成した。最終焼結体の厚さは20μmの焼結体を得た。なお、焼成温度は、それぞれ1100℃であった。抗電界の1.5倍以上の電界を1分間印加して分極処理を施した。
(超音波探触子1、超音波画像検出装置の作製)
常法に従って、上記の送信用振動子の上に基板を介して超音波振動子1を積層し、かつバッキング層と音響整合層を設置し超音波探触子1を作製した。超音波探触子1と同様にして、超音波振動子2、3、5〜8、10〜21を用い超音波探触子2、3、5〜8、10〜21を作製した。これらを用い、図4に記載の機能を有する超音波検出装置1〜3、5〜8、10〜20を作製し、生体を対象として測定を行った。超音波検出装置1〜3、6〜8、17〜20においては良好な画像が得られたが、超音波検出装置5、10〜16においては画像が不明瞭であった。

Claims (11)

  1. 電気機械結合定数ktが0.25以上である第一の有機圧電体と、当該第一の有機圧電体と隣接し、破断点伸度が70%以上、910%以下である第二の有機圧電体とを含有することを特徴とする有機圧電材料。
  2. 前記第一の有機圧電体が、フッ化ビニリデンの重合体または共重合体であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の有機圧電材料。
  3. 前記第一の有機圧電体の有機圧電材料に対する含有量が、50質量%以上であることを特徴とする請求の範囲第1項または第2項に記載の有機圧電材料。
  4. 前記有機圧電材料が、延伸処理されて形成された有機圧電材料であることを特徴とする請求の範囲第1項から第3項のいずれか1項に記載の有機圧電材料。
  5. 前記第一の有機圧電体の層と、前記第二の有機圧電体の層とが積層された積層体であることを特徴とする請求の範囲第1項から第4項のいずれか1項に記載の有機圧電材料。
  6. 前記有機圧電材料が、重量平均分子量の異なる2種の高分子有機圧電体を含有する塗布液を用い、製膜された有機圧電材料であることを特徴とする請求の範囲第1項から第5項のいずれか1項に記載の有機圧電材料。
  7. 請求の範囲第6項に記載の有機圧電材料を作製する、有機圧電材料の作製方法であって、重量平均分子量の異なる2種の高分子有機圧電体を含有する塗布液を用い製膜し、2層の有機圧電体が積層された有機圧電材料を作製することを特徴とする有機圧電材料の作製方法。
  8. 請求の範囲第1項から第6項のいずれか1項に記載の有機圧電材料を有することを特徴とする超音波振動子。
  9. 対向する一対の電極間に、請求の範囲第1項から第6項のいずれか1項に記載の有機圧電材料を有することを特徴とする請求の範囲第8項に記載の超音波振動子。
  10. 請求の範囲第8項または第9項に記載の超音波振動子を具備することを特徴とする超音波探触子。
  11. 請求の範囲第10項に記載の超音波探触子を具備することを特徴とする超音波画像検出装置。
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