JP2017092208A - エネルギー変換デバイス - Google Patents

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Mitsunobu Yoshida
光伸 吉田
克己 大西
Katsuki Onishi
克己 大西
一洋 谷本
Kazuhiro Tanimoto
一洋 谷本
西川 茂雄
Shigeo Nishikawa
茂雄 西川
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Abstract

【課題】環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制できるエネルギー変換デバイスを提供する。【解決手段】25℃において応力電荷法で測定した圧電定数d31が0.1pC/N以上であり、比誘電率が1.0〜20である非焦電性の圧電材料と、前記圧電材料の主面に設けられた第一の磁歪材料で構成される第一の磁歪部材と、を備えるエネルギー変換デバイス。【選択図】図1

Description

本発明は、エネルギー変換デバイスに関する。
従来、エネルギー変換デバイスとして磁気センサが知られている。代表的な磁気センサとして、ホール効果を利用したホールセンサが広く使用されている他、多種多様な磁気センサが目的に応じて選択され使用されている。
その磁気センサの中にあって、磁歪素子と圧電素子とを構成要素に含む磁気センサの一例として、磁歪素子と圧電素子とを貼り合わせてなる磁気センサが知られている(例えば特許文献1参照)。前記磁気センサにおいては、圧電素子の圧電体(圧電材料)として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)圧電フィルムが用いられている。
一方、PVDF以外の圧電材料として、ポリペプチドやポリ乳酸等の光学活性を有する高分子が知られている(例えば特許文献2、3参照)。
特開2000−88937号公報 特開平5−152638号公報 特開2005−213376号公報
上記特許文献1において、圧電素子の圧電材料として用いられているPVDFは、高分子の中でも優れた圧電性を有し、圧電定数d31が20pC/N以上である。このようなPVDF、及び、フッ化ビニリデン(VDF)と三フッ化エチレン(TrFE)との共重合体から形成されるP(VDF−TrFE)から形成されるフィルム材料は、延伸操作により、延伸方向に高分子鎖を配向させた後に、コロナ放電などでフィルムの表裏に異種の電荷を付与することで、フィルム面垂直方向に電界を発生させ、高分子鎖の側鎖にあるフッ素を含む永久双極子を、電界方向に平行に配向させ、圧電性を付与する。しかし、分極したフィルム表面には、配向を打ち消す方向に、空気中の水やイオンのような異種電荷が付着しやすく、分極処理で揃えた永久双極子の配向が緩和し、経時的に圧電性が顕著に低下するといった実用上の課題があった。
また、PVDFは焦電性を有しているため、例えば、上記特許文献1に示される磁気センサの圧電素子の圧電体としてPVDF圧電フィルムを適用すると、測定中の磁気センサの環境温度が変化した際に、圧電体に焦電性に起因する電荷(電圧)が発生する。この焦電性に起因する電荷(電荷信号)は、磁界強度に比例した出力電圧(出力電圧信号)と区別することができず誤差信号となるため、測定温度が変化する環境下では磁界に比例した出力電圧の測定が困難という問題があった。
本発明においては上記事情に鑑み、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制できるエネルギー変換デバイスを提供することを目的とする。
前記課題を達成するための具体的手段は、以下の通りである。
<1> 25℃において応力電荷法で測定した圧電定数d31が0.1pC/N以上であり、比誘電率が1.0〜20である非焦電性の圧電材料と、
前記圧電材料の主面に設けられた第一の磁歪材料で構成される第一の磁歪部材と、
を備えるエネルギー変換デバイスである。
<2> 前記圧電材料と前記第一の磁歪部材との間に第一の接着層を有する<1>に記載のエネルギー変換デバイスである。
<3> さらに、前記圧電材料からみて前記第一の磁歪部材とは反対側に、第二の磁歪材料で構成される第二の磁歪部材を備える<1>または<2>に記載のエネルギー変換デバイスである。
<4> 前記圧電材料と前記第二の磁歪部材との間に第二の接着層を有する<3>に記載のエネルギー変換デバイスである。
<5> 前記圧電材料の比誘電率が、1.0〜10である<1>〜<4>のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイスである。
<6> 前記圧電材料は、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が40〜700である、<1>〜<5>のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイスである。
<7> 前記圧電材料の前記規格化分子配向MORcが、3.5〜15.0である<6>に記載のエネルギー変換デバイスである。
<8> 前記ヘリカルキラル高分子(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である<6>又は<7>に記載のエネルギー変換デバイスである。
<9> 前記ヘリカルキラル高分子(A)は、光学純度が95.00%ee以上である<6>〜<8>のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイスである。
<10> 前記圧電材料が、前記ヘリカルキラル高分子(A)を80質量%以上含有する<6>〜<9>のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイスである。
<11>
磁界強度をセンシングする磁気センサである<1>〜<10>のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイスである。
本発明によれば、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制できるエネルギー変換デバイスを提供することができる。
本実施形態のエネルギー変換デバイスの一例を示す概略斜視図である。 実施例において、磁場印加による発生電荷量を測定する測定装置の構成を示すブロック図である。 実施例において、温度変化による発生電荷量を測定する測定装置の構成を示すブロック図である。 実施例における、磁界強度と発生電荷量との関係を示すグラフである。 比較例における、磁界強度と発生電荷量との関係を示すグラフである。 実施例および比較例における、温度と発生電荷量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本明細書において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、圧電材料の「主面」とは、圧電材料の厚さ方向に直交する面(言い換えれば、長さ方向及び幅方向を含む面)を意味する。
本明細書において、部材の「面」は、特に断りが無い限り、部材の「主面」を意味する。
本明細書において、厚さ、幅、及び長さは、通常の定義どおり、厚さ<幅<長さの関係を満たす。
本明細書において、「フィルム」は、一般的に「フィルム」と呼ばれているものだけでなく、一般的に「シート」と呼ばれているものをも包含する概念である。
本明細書において、「接着」は、「粘着」を包含する概念である。また、「接着層」は、「粘着層」を包含する概念である。
本明細書において、「MD方向」とはフィルムの流れる方向(Machine Direction)、すなわち、延伸方向であり、「TD方向」とは、前記MD方向と直交し、フィルムの主面と平行な方向(Transverse Direction)である。
〔エネルギー変換デバイス〕
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、25℃において応力電荷法で測定した圧電定数d31が0.1pC/N以上であり、比誘電率が1.0〜20である非焦電性の圧電材料と、前記圧電材料の主面に設けられた第一の磁歪材料で構成される第一の磁歪部材と、を備えるエネルギー変換デバイスである。
ここで、「非焦電性の圧電材料」とは、焦電係数が300pC/(cm・K)未満であり、好ましくは150pC/(cm・K)未満であり、さらに好ましくは100pC/(cm・K)未満である圧電材料を意味する。なお、焦電係数の測定は、JIS R 1651(2002)のファインセラミックスの焦電係数の測定方法に準拠して行う。
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制することができる。また、長期安定性にも優れる。
より詳細には、本実施形態のエネルギー変換デバイスは、非焦電性の圧電材料を備えている。非焦電性の圧電材料は、25℃において応力電荷法で測定した圧電定数d31が0.1pC/N以上であること、及び比誘電率が1.0〜20であることにより、圧電性が確保されている。その上で、本実施形態のエネルギー変換デバイスは、非焦電性の圧電材料の主面に第一の磁歪材料で構成される第一の磁歪部材を備えている。
本実施形態の効果が得られる理由は以下のように推測されるが、本実施形態は以下の理由によって限定されることはない。
ここで、圧電材料の代表的なものとして、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)や、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)等の無機セラミックスがある。しかし、これらの圧電材料は、いずれも強誘電体であるものの、温度変化によって電荷が発生する性質(つまり焦電性)を有しているため、例えば、エネルギー変換デバイスの圧電体として用いると、環境温度の変化によって圧電体に対して焦電性に起因する電荷(電圧)が発生する。この焦電性に起因する電荷(つまり電荷信号)は、磁界強度に比例した出力電圧(つまり出力電圧信号)と区別することができなくなり、誤差信号として検出される。
これに対し、本実施形態のエネルギー変換デバイスは、非焦電性の圧電材料を備えているため、測定中のエネルギー変換デバイスの環境温度が変化した場合でも、圧電体への焦電性に起因する電荷の発生が抑制される。
従って、本実施形態のエネルギー変換デバイスでは、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制することができる。
また、本実施形態のエネルギー変換デバイスは、非焦電性の圧電材料を備えているため、焦電性のPVDF圧電材料を備えている場合に比べ、長期安定性にも優れる。特に、非焦電性の圧電材料として、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を備えていると長期安定性はさらに優れる。これは、光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)が自発分極を有せず、結晶構造の対称性により、結晶格子間隔が変動しても電気双極子が互いに変動を打ち消し合うことに起因する。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の説明では、「非焦電性の圧電材料」を単に「圧電材料」と称して説明することがある。
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、圧電材料と第一の磁歪部材との間に第一の接着層を有することが好ましい。これにより第一の磁歪部材を安定に保持することができ、耐久性が向上する。
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、さらに、圧電材料からみて第一の磁歪部材とは反対側に、第二の磁歪材料で構成される第二の磁歪部材を備えることが好ましい。
磁歪部材として、第一の磁歪部材のみを備えるエネルギー変換デバイスでは、圧電材料に対して曲げ方向に歪み(ベンディングモードでの変形)が生じる。一方、磁歪部材として、第一の磁歪部材及び第二の磁歪部材を備えるエネルギー変換デバイスでは、圧電材料に対して伸縮による歪みが生じる。伸縮による歪みは、曲げ方向の歪みと比べ、エネルギー変換効率が高くなる傾向がある。このため、第一の磁歪部材及び第二の磁歪部材を備えるエネルギー変換デバイスでは、エネルギー変換効率が向上する。
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、圧電材料と第二の磁歪部材との間に第二の接着層を有することが好ましい。これにより第二の磁歪部材を安定に保持することができ、耐久性がより向上する。
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、圧電材料の比誘電率が、1.0〜10であることが好ましい。
ここで、圧電g定数(単位応力当たりの開放電圧)とは、圧電d定数を誘電率で割った値である。圧電材料の比誘電率が1.0以上であることにより、圧電性が確保される。また、圧電材料の比誘電率が10以下であることにより、環境温度が変化したときの誤差信号を抑制することができる。
本実施形態のエネルギー変換デバイスにおいて、圧電材料は、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が40〜700であることが好ましい。
これにより、圧電材料の圧電性(「圧電定数d31」以下同じ。)が向上する。また、圧電材料としてPVDF圧電材料を備える場合に比べ、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制することができる。
本実施形態のエネルギー変換デバイスにおいて、圧電材料の規格化分子配向MORcは、3.5〜15.0であることが好ましい。
これにより、ヘリカルキラル高分子の配向性が高まり、圧電材料の圧電性がより向上する。圧電材料の規格化分子配向MORcが3.5以上であれば、延伸方向に配列するヘリカルキラル高分子(A)の分子鎖(例えばポリ乳酸分子鎖)が多く、その結果、配向結晶の生成する率が高くなり、高分子圧電材料(例えば高分子圧電フィルム)はより高い圧電性を発現することが可能となる。規格化分子配向MORcが15.0以下であれば、高分子圧電材料の縦裂強度が更に向上する。
本実施形態のエネルギー変換デバイスにおいて、圧電材料の圧電性をより向上させる観点からヘリカルキラル高分子(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子であることが好ましい。
本実施形態のエネルギー変換デバイスにおいて、圧電材料の圧電性をより向上させる観点から、ヘリカルキラル高分子(A)は、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましい。
本実施形態のエネルギー変換デバイスにおいて、圧電材料の圧電性をより向上させる観点から、圧電材料は、ヘリカルキラル高分子(A)を80質量%以上含有することが好ましい。
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、磁界強度をセンシングする磁気センサであることが好ましい。これにより、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制できる磁気センサが実現される。
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、25℃において応力電荷法で測定した圧電定数d31が0.1pC/N以上であり、比誘電率が1.0〜20である非焦電性の圧電材料と、前記圧電材料の主面に設けられた第一の磁歪材料で構成される第一の磁歪部材と、を備え、前記第一の磁歪部材が電極の機能を有するか、又は前記圧電材料と前記第一の磁歪部材との間に電極を備えていてもよい。
電極の材質としては、金属(Al等)が挙げられるが、その他にも、例えば、Ag、Au、Cu、Ag−Pd合金、Agペースト、Cuペースト、カーボンブラック、ITO(結晶化ITO及び非晶ITO)、ZnO、IGZO、IZO(登録商標)、導電性ポリマー(ポリチオフェン、PEDOT)、Agナノワイヤー、カーボンナノチューブ、グラフェン等も挙げられる。
電極は、公知の方法(真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法、電子線蒸着法、ゾル−ゲル法、ウェットコーティング法、バートコート法、スクリーン印刷法、グラビア印刷法)によって形成できる。
以下、図面を参照し、本発明のエネルギー変換デバイスの一例として、磁気センサについて説明する。但し、本発明においては、以下に示す実施形態に制限されるものではない。
図1に、本実施形態の磁気センサの概略斜視図を示す。
図1に示すように、本実施形態の磁気センサ100は、非焦電性の圧電材料として、圧電フィルム10を備えている。
圧電フィルム10の一方の主面(長さL1×幅L3の領域)上には、第一の接着層12Aを介して第一の磁歪部材14Aが設けられている。また、圧電フィルム10の他方の主面上には、第二の接着層12Bを介して第二の磁歪部材14B(長さL2×幅L3)が設けられている。
第一の磁歪部材14Aは、圧電フィルム10の一方の主面上において、圧電フィルム10の長手方向(すなわち圧電フィルム10の長さL1の方向)の一方の端部より外側に延びて配置されている。また、第二の磁歪部材14Bは、圧電フィルム10の他方の主面上において、圧電フィルム10の長手方向(すなわち圧電フィルム10の長さL1の方向)の他方の端部より外側に延びて配置されている。
また、第一の磁歪部材14Aは第一の磁歪材料で構成されており、第二の磁歪部材14Bは第二の磁歪材料で構成されている。本実施形態では、第一の磁歪材料と第二の磁歪材料とは同一の材料で構成されているが、これらの磁歪材料は異なる材料で構成されていてもよい。
また、本実施形態において、第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bは導電板で構成されている。つまり、第一の磁歪部材14Aは、磁歪部材であると共に電極としても機能する。同様に、第二の磁歪部材14Bは、磁歪部材であると共に電極としても機能する。
なお、第一の接着層12A及び第二の接着層12Bは、必要に応じて設けられる層である。このため、第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bは、各々、圧電フィルム10の主面に直接接して設けられていてもよい。
このような構成の磁気センサ100では、外部からの磁場により第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bが歪むことで圧電フィルム10が歪んで電荷を発生し、発生した電荷が電極としての第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bを介して外部に取り出されるように構成されている。
次に、磁気センサ100の作用について説明する。
第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bに対して外部から磁場がかかると、第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bは歪み、この歪みにより圧電フィルム10も歪む。圧電フィルム10では、圧電フィルム10の歪み量に応じ、圧電効果により電荷(電圧)が発生する。発生した電荷は、第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bで構成される一対の電極を介して外部に取り出される。そして、かかる電荷は、例えばロックインアンプ(図示省略)を介して電圧信号に変換されて検出される。
本実施形態の磁気センサ100は、非焦電性の圧電フィルム10を備えているため、測定中の磁気センサ100の環境温度が変化した場合でも、圧電体(すなわち圧電フィルム)への焦電性に起因する電荷の発生が抑制される。これにより、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制することができる。
また、本実施形態の磁気センサ100は、焦電性のPVDF圧電フィルムを備える場合に比べ、長期安定性にも優れる。
上記実施形態では、圧電フィルムの2つの主面(両面)に磁歪部材を設けた例を説明したが、圧電フィルムの一方の主面のみに磁歪部材を設けた構成(以下、積層体と称す)であってもよい。この場合、磁歪部材が電極の機能を兼ねる場合は、磁歪部材で覆われていない積層体の面(すなわち圧電フィルムの面)を電極で覆うことが好ましい。また、磁歪部材が電極の機能を有さない場合は、圧電フィルムと磁歪部材との間に電極を設けると共に、磁歪部材で覆われていない積層体の面(すなわち圧電フィルムの面)を電極で覆うことが好ましい。なお、積層体を複数繰り返し重ねた構成であってもよい。
第一の磁歪部材の2つの主面(両面)に圧電フィルムを設け、圧電フィルムの第一の磁歪部材で覆われていない方の面にそれぞれ電極を設けた構成であってもよい。
また、第一の磁歪部材の2つの主面(両面)に圧電フィルムを設けた構成を、複数繰り返し重ね、圧電フィルムの第一の磁歪部材で覆われていない方の面にそれぞれ電極を設けた構成であってもよい。
以下、本実施形態のエネルギー変換デバイスの構成について、より詳細に説明する。
<第一の磁歪部材>
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、第一の磁歪部材を備えている。
第一の磁歪部材は、第一の磁歪材料で構成される。
(第一の磁歪材料)
第一の磁歪材料としては、磁歪の性質のある磁性体であれば軟磁性体および硬磁性体のいずれも用いることができる。
例えば好ましい磁性体としては、Terfenol−D(つまり(Tb0.3Dy0.7)Fe)や、TbCo−DyCo等の組成で代表される超磁歪材料などが挙げられる。 また、純Fe、純Co、純Ni、FeSi系材料、FeNi系材料、FeAl系材料、FeAlSi系材料、FeSiNi系材料などの結晶質金属材料;Fe系、Co系などの非晶質金属材料;Fe系、Co系などの金属ナノ結晶質材料;フェライト等の酸化物磁性体;などが挙げられる。これらの磁性体(第一の磁性材料)は、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、Fe系非晶質金属材料としては、Fe−Si−B系、Fe−B系、Fe−P−C系などのFe−半金属系非晶質金属材料;Fe−Zr系、Fe−Hf系、Fe−Ti系などのFe−還移金属系非晶質金属材料;が例示できる。
また、Co系非晶質金属材料としては、Co−Si−B系、Co−B系などの非晶質金属材料を例示できる。非晶質金属材料としては、磁歪定数の大きいFe系非晶質金属材料を用いることが好ましい。
そして、非晶質金属材料を熱処理によりナノサイズに結晶化させた金属ナノ結晶質材料においては、Fe−Si−B−Cu−Nb系、Fe−B−Cu−Nb系、Fe−Zr−B−(Cu)系、Fe−Zr−Nb−B−(Cu)系、Fe−Zr−P−(Cu)系、Fe−Zr−Nb−P−(Cu)系、Fe−Ta−C系、Fe−Al−Si−Nb−B系、Fe−Al−Si−Ni−Nb−B系、Fe-Al-Nb-B系、Co−Ta−C系、などの金属ナノ結晶質材料が例示できる。
酸化物磁性体はMnZn系、NiZn系、CuZn系などのスピネル型フェライト、YFe系などのガ−ネット型フェライト、BaFe系などの六方晶型フェライトが例示できる。
これらの中ではFe系、Co系などの非晶質金属材料やFe系金属ナノ結晶質材料は、厚さが数十μmと薄く、さらに可とう性があるため、薄型、フレキシビリティのあるエネルギー変換デバイス(例えば磁気センサ)を実現する上でより好ましい。
硬磁性体しては、Fe−Co−V系合金、Pt−Co系合金、Mn系合金、Fe−Cr−Co系合金、Fe−Al−Ni系合金、Cu−Ni系合金、RCo系(R:希土類)系合金、Nd−Fe−B系合金、Sm−Fe−N系合金、Baフェライト系酸化物、Srフェライト系酸化物などが例示できる。
その他の磁性体として、金属材料に無機物を含有させた材料(例えばグラニュラ−構造)や、多層膜(金属/金属、金属/無機物)なども例示できる。
(第一の磁歪材料の厚さ)
第一の磁歪材料の厚さには特に限定はないが、例えば、1μm以上1000μm以下が挙げられ、好ましくは5μm以上500μm以下が挙げられ、より好ましくは5μm以上200μm以下が挙げられる。
<第二の磁歪部材>
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、圧電材料からみて第一の磁歪部材とは反対側に、第二の磁歪材料で構成される第二の磁歪部材を備えることが好ましい。
これにより、圧電材料に対してエネルギー変換効率が高い伸縮による歪みが生じるため、第一の磁歪部材のみを備える場合と比べ、エネルギー変換効率が向上する。
第二の磁歪部材は、第二の磁歪材料で構成される。
第二の磁歪材料の例示としては、上述した第一の磁歪材料と同様のものが挙げられる。
(第二の磁歪材料の厚さ)
第二の磁歪材料の厚さには特に限定はないが、例えば上述した第一の磁歪材料の厚さと同様の範囲が挙げられる。
なお、第一の磁歪材料と第二の磁歪材料とは、同一の材料であっても、異なる材料であってもよい。すなわち、第一の磁歪部材と第二の磁歪部材とは、同一の磁歪材料で構成されていても、異なる磁歪材料で構成されていてもよい。
<第一の接着層>
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、磁歪部材を安定に保持し、耐久性を向上させる観点から、圧電材料と第一の磁歪部材との間に第一の接着層を有することが好ましい。
ここで、「接着層」とは、上述したように「粘着層」を包含する概念である。
第一の接着層としては両面をセパレータでラミネートしてある両面テープ(OCA;Optical Clear Adhensive)の接着層を用いることができる。
また、上記接着層は、溶剤系、無溶剤系、水系などの接着コート液、UV硬化型OCR(Optical Clear Resin)、ホットメルト接着剤、などを用いて形成することもできる。
OCAとしては、光学用透明粘着シートLUCIACSシリーズ(日東電工株式会社製)や高透明両面テープ5400Aシリーズ(積水化学工業株式会社製)、光学粘着シートOpteriaシリーズ(リンテック株式会社製)、高透明性接着剤転写テープシリーズ(住友スリーエム株式会社製)、SANCUARYシリーズ(株式会社サンエー化研製)などが挙げられる。
粘着コート液としては、SKダインシリーズ(綜研化学株式会社製)、ファインタックシリーズ(DIC株式会社製)、ボンコートシリーズ、LKGシリーズ(藤倉化成株式会社製)、コーポニールシリーズ(日本合成化学工業株式会社製)などが挙げられる。
接着層としては、圧電材料の加熱を防ぐ観点から、OCAの接着層、OCRを用いて形成された接着層、圧電材料以外の部材(例えば磁歪部材)に接着コート液を塗布して形成した接着層、圧電材料以外の部材(例えば磁歪部材)にホットメルト接着材を使用して形成した接着層が好ましい。
接着層の材料には特に限定はないが、接着層は、樹脂を含むことが好ましい。
樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ウレタン樹脂、セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ナイロン−エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、クロロプレンゴム系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、シリコーン系樹脂、変性シリコーン系樹脂、水性高分子-イソシアネート系樹脂、スチレン-ブタジエンゴム系樹脂、ニトリルゴム系樹脂、アセタール樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、臭素樹脂、デンプン系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。
(第一の接着層の厚さ)
第一の接着層の厚さは、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制する観点から、5μm以上100μm以下が好ましく、5μm以上50μm以下がより好ましい。
<第二の接着層>
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、磁歪部材を安定に保持し、耐久性を向上させる観点から、圧電材料と第二の磁歪部材との間に第二の接着層を有することが好ましい。
第二の接着層の例示としては、上述した第一の接着層と同様のものが挙げられる。
また、第二の接着層の厚さの範囲は、上述した第一の接着層の厚さと同様の範囲であり、好ましい範囲も同様である。
なお、第一の接着層と第二の接着層とは、同一のものであっても、異なるものであってもよい。
<圧電材料>
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、非焦電性の圧電材料を備える。
本実施形態における非焦電性の圧電材料とは、上述の通り、焦電係数が300pC/(cm・K)未満であり、好ましくは150pC/(cm・K)未満であり、さらに好ましくは100pC/(cm・K)未満である圧電材料を意味する。
(圧電定数d31
本実施形態における圧電材料の圧電定数d31は、0.1pC/N以上であり、0.5pC/N以上が好ましく、1pC/N以上がより好ましい。また、圧電定数d31の上限には特に限定はないが、100pC/N以下が好ましく、50pC/N以下がより好ましい。
圧電材料の圧電定数d31(応力−電荷法)の測定方法の一例は、後述の実施例において示すとおりである。
(比誘電率)
本実施形態における圧電材料は、比誘電率が1.0〜20である。
以下、圧電材料の比誘電率は、JIS C2138に準拠し測定する。
まず、圧電材料の試験片形状は、矩形とし、試験片寸法:幅100(mm)×長さ100(mm)とする。さらに、JIS C2138に定める電極形状を、導電性塗料を用いてスクリーン印刷により形成し、比誘電率測定用のサンプルを得る。サンプルをLCRメータ(HP4284A)により、温度20℃±5℃、湿度65%±5%RHの環境下で、印加励振電圧:励振レベル:0.05V、印加励振周波数:1kHzの条件で、サンプルの静電容量Cを測定し、またサンプルの厚さをマイクロメータで測定し、下式に従い、比誘電率εを算出する。
比誘電率εは下式により定義される。ここで、εはε33である。
ε = C×d/(ε×S)
C:サンプルの静電容量(F)
d:サンプルの厚さ(m)
S:サンプルの電極面積(m
ε:真空の誘電率(8.854×10−12(F/m))
本実施形態における圧電材料の比誘電率は、上述のとおり1.0〜20であるが、好ましくは1〜10であり、より好ましくは1〜5である。
(結晶化度)
本実施形態における圧電材料の結晶化度は、DSC法によって測定される値である。
本実施形態における圧電材料の結晶化度は、前述のとおり、20%〜80%であることが好ましい。
結晶化度が20%以上であることにより、圧電性が高く維持される。また、結晶化度が80%以下であることにより、圧電材料を延伸によって製造する際に白化や破断がおきにくいので、圧電材料を製造しやすい。
従って、圧電材料の結晶化度は20%〜80%であるが、上記結晶化度は、好ましくは25%〜70%であり、より好ましくは30%〜50%である。
(規格化分子配向MORc)
本実施形態における圧電材料の規格化分子配向MORcは3.5〜15.0であることが好ましい。
規格化分子配向MORcは、ヘリカルキラル高分子の配向の度合いを示す指標である「分子配向度MOR」に基づいて定められる値である。
ここで、分子配向度MOR(Molecular Orientation Ratio)は、以下のようなマイクロ波測定法により測定される。すなわち、圧電材料を、周知のマイクロ波分子配向度測定装置(マイクロ波透過型分子配向計ともいう)のマイクロ波共振導波管中に、マイクロ波の進行方向に対し圧電材料の主面が垂直になるように配置する。そして、振動方向が一方向に偏ったマイクロ波を試料に連続的に照射した状態で、圧電材料をマイクロ波の進行方向と垂直な面内で0〜360°回転させて、試料を透過したマイクロ波強度を測定することにより分子配向度MORを求める。
規格化分子配向MORcは、基準厚さtcを50μmとしたときの分子配向度MORであって、下記式により求めることができる。
MORc=(tc/t)×(MOR−1)+1
(tc:補正したい基準厚さ、t:圧電材料の厚さ)
規格化分子配向MORcは、公知の分子配向計、例えば王子計測機器株式会社製マイクロ波方式分子配向計MOA−2012AやMOA−6000等により、4GHzもしくは12GHz近傍の共振周波数で測定することができる。
圧電材料の規格化分子配向MORcは3.5〜15.0であることが好ましいが、4.0〜15.0であることがより好ましく、4.0〜10.0であることが更に好ましく、4.0〜8.0であることが特に好ましい。
規格化分子配向MORcが3.5以上であれば、延伸方向に配列するヘリカルキラル高分子の分子鎖(例えばポリ乳酸分子鎖)が多く、その結果、配向結晶の生成する率が高くなり、より高い圧電性を発現することが可能となる。
規格化分子配向MORcが15.0以下であれば、縦裂強度が更に向上する。
(規格化分子配向MORcと結晶化度との積)
圧電材料の規格化分子配向MORcと結晶化度との積は、好ましくは40〜700であり、より好ましくは75〜680であり、更に好ましくは90〜660であり、更に好ましくは125〜650であり、更に好ましくは150〜350である。上記の積が40〜700の範囲にあれば、圧電材料の圧電性が高く維持され、かつ寸法安定性も高い。
本実施形態における圧電材料では、例えば、圧電材料を製造する際の結晶化及び延伸の条件を調整することにより、上記の積を上記範囲に調整することができる。
(圧電材料の厚さ)
圧電材料の厚さには特に限定はないが、環境温度が変化したときに生じる誤差信号を抑制する観点から、10μm〜400μmが好ましく、20μm〜200μmがより好ましく、20μm〜100μmが更に好ましく、20μm〜80μmが特に好ましい。
(圧電材料の弾性率)
圧電材料の弾性率は、0.01GPa以上20GPa以下が好ましく、0.1GPa以上15GPa以下がより好ましく、1GPa以上10GPa以下が更に好ましい。
圧電材料の弾性率が0.01GPa以上であると、十分な形状保持性を確保することができ、弾性率が20GPa以下であると、圧電材料が脆くなることを抑制できる。
圧電材料の弾性率は、圧電材料の組成、延伸倍率および加熱条件などによって調整することができる。例えば、延伸倍率を高めれば、圧電材料の弾性率を高くすることができる。
以下、圧電材料の弾性率の測定方法の一例を示す。
圧電材料として、例えば圧電フィルム(以下、フィルムと称す)を準備する。
フィルムを延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に120mm、45°なす方向に直交する方向に10mmの大きさに切り出して矩形の試験片を得る。得られた試験片について、引張試験器(株式会社エー・アンド・デイ社製テンシロンRTG1250)を用いてJIS K 7127に準拠し、45°方向のフィルムの弾性率を測定する。
(ヘリカルキラル高分子(A))
本実施形態における圧電材料は、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含む。
ここで、「光学活性を有するヘリカルキラル高分子」とは、分子構造が螺旋構造であり分子光学活性を有する高分子を指す。
ヘリカルキラル高分子(A)は、上記の「光学活性を有するヘリカルキラル高分子」のうち、重量平均分子量が5万〜100万である高分子である。
上記ヘリカルキラル高分子(A)としては、例えば、ポリペプチド、セルロース誘導体、ポリ乳酸系高分子、ポリプロピレンオキシド、ポリ(β―ヒドロキシ酪酸)等を挙げることができる。
上記ポリペプチドとしては、例えば、ポリ(グルタル酸γ−ベンジル)、ポリ(グルタル酸γ−メチル)等が挙げられる。
上記セルロース誘導体としては、例えば、酢酸セルロース、シアノエチルセルロース等が挙げられる。
ヘリカルキラル高分子(A)は、圧電材料の圧電性を向上する観点から、光学純度が95.00%ee以上であることが好ましく、96.00%ee以上であることがより好ましく、99.00%ee以上であることがさらに好ましく、99.99%ee以上であることがさらにより好ましい。特に、好ましくは100.00%eeである。ヘリカルキラル高分子(A)の光学純度を上記範囲とすることで、圧電性を発現する高分子結晶のパッキング性が高くなり、その結果、圧電性が高くなるものと考えられる。
ここで、ヘリカルキラル高分子(A)の光学純度は、下記式にて算出した値である。
光学純度(%ee)=100×|L体量−D体量|/(L体量+D体量)
すなわち、ヘリカルキラル高分子(A)の光学純度は、
『「ヘリカルキラル高分子(A)のL体の量〔質量%〕とヘリカルキラル高分子(A)のD体の量〔質量%〕との量差(絶対値)」を「ヘリカルキラル高分子(A)のL体の量〔質量%〕とヘリカルキラル高分子(A)のD体の量〔質量%〕との合計量」で割った(除した)数値』に、『100』をかけた(乗じた)値である。
なお、ヘリカルキラル高分子(A)のL体の量〔質量%〕とヘリカルキラル高分子(A)のD体の量〔質量%〕は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いた方法により得られる値を用いる。具体的な測定の詳細については後述する。
ヘリカルキラル高分子(A)としては、上述したとおり、式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子が好ましい。
ここで、ポリ乳酸系高分子とは、「ポリ乳酸(L−乳酸及びD−乳酸から選ばれるモノマー由来の繰り返し単位のみからなる高分子)」、「L−乳酸又はD−乳酸と、該L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」、又は、両者の混合物をいう。
ポリ乳酸系高分子の中でも、ポリ乳酸が好ましく、L−乳酸のホモポリマー(PLLA)又はD−乳酸のホモポリマー(PDLA)が最も好ましい。
ポリ乳酸は、乳酸がエステル結合によって重合し、長く繋がった高分子である。
ポリ乳酸は、ラクチドを経由するラクチド法;溶媒中で乳酸を減圧下加熱し、水を取り除きながら重合させる直接重合法;などによって製造できることが知られている。
ポリ乳酸としては、L−乳酸のホモポリマー、D−乳酸のホモポリマー、L−乳酸及びD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むブロックコポリマー、及び、L−乳酸及びD−乳酸の少なくとも一方の重合体を含むグラフトコポリマーが挙げられる。
上記「L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物」としては、グリコール酸、ジメチルグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、2−ヒドロキシカプロン酸、3−ヒドロキシカプロン酸、4−ヒドロキシカプロン酸、5−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシカプロン酸、6−ヒドロキシメチルカプロン酸、マンデル酸等のヒドロキシカルボン酸;グリコリド、β−メチル−δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等の環状エステル;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テレフタル酸等の多価カルボン酸及びこれらの無水物;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、テトラメチレングリコール、1,4−ヘキサンジメタノール等の多価アルコール;セルロース等の多糖類;α−アミノ酸等のアミノカルボン酸;等を挙げることができる。
上記「L−乳酸又はD−乳酸と、該L−乳酸又はD−乳酸と共重合可能な化合物とのコポリマー」としては、らせん結晶を生成可能なポリ乳酸シーケンスを有する、ブロックコポリマー又はグラフトコポリマーが挙げられる。
また、ヘリカルキラル高分子(A)中におけるコポリマー成分に由来する構造の濃度は20mol%以下であることが好ましい。
例えば、ヘリカルキラル高分子(A)が、ポリ乳酸系高分子である場合、ポリ乳酸系高分子中における、乳酸に由来する構造と、乳酸と共重合可能な化合物(コポリマー成分)に由来する構造と、のモル数の合計に対して、コポリマー成分に由来する構造の濃度が20mol%以下であることが好ましい。
ポリ乳酸系高分子は、例えば、特開昭59−096123号公報、及び特開平7−033861号公報に記載されている乳酸を直接脱水縮合して得る方法;米国特許2,668,182号及び4,057,357号等に記載されている乳酸の環状二量体であるラクチドを用いて開環重合させる方法;などにより製造することができる。
さらに、上記各製造方法により得られたポリ乳酸系高分子は、光学純度を95.00%ee以上とするために、例えば、ポリ乳酸をラクチド法で製造する場合、晶析操作により光学純度を95.00%ee以上の光学純度に向上させたラクチドを、重合することが好ましい。
−重量平均分子量−
ヘリカルキラル高分子(A)の重量平均分子量(Mw)は、前述のとおり5万〜100万である。
ヘリカルキラル高分子(A)のMwが5万以上であることにより、圧電材料の機械的強度が向上する。上記Mwは、10万以上であることが好ましく、20万以上であることがさらに好ましい。
一方、ヘリカルキラル高分子(A)のMwが100万以下であることにより、成形(例えば押出成形)によって、圧電材料の原料である高分子圧電フィルムを得る際の成形性が向上する。上記Mwは、80万以下であることが好ましく、30万以下であることがさらに好ましい。
また、ヘリカルキラル高分子(A)の分子量分布(Mw/Mn)は、圧電材料の強度の観点から、1.1〜5であることが好ましく、1.2〜4であることがより好ましい。さらに1.4〜3であることが好ましい。
なお、ヘリカルキラル高分子(A)の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて測定された、ポリスチレン換算のMw及びMw/Mnを指す。ここで、Mnは、ヘリカルキラル高分子(A)の数平均分子量である。
Mw及びMw/Mnの測定方法の例は、後述の実施例に示すとおりである。
ヘリカルキラル高分子(A)の例であるポリ乳酸系高分子としては、市販のポリ乳酸を用いることができる。
市販品としては、例えば、PURAC社製のPURASORB(PD、PL)、三井化学社製のLACEA(H−100、H−400)、NatureWorks LLC社製のIngeoTM biopolymer、等が挙げられる。
ヘリカルキラル高分子(A)としてポリ乳酸系高分子を用いるときに、ポリ乳酸系高分子の重量平均分子量(Mw)を5万以上とするためには、ラクチド法、又は直接重合法によりポリ乳酸系高分子を製造することが好ましい。
圧電材料は、上述したヘリカルキラル高分子(A)を、1種のみ含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
圧電材料中におけるヘリカルキラル高分子(A)の含有量(2種以上である場合には総含有量)は、圧電定数をより高める観点から、圧電材料の全量に対し、80質量%以上が好ましい。
(安定化剤)
本実施形態における圧電材料は、更に、一分子中に、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有する重量平均分子量が200〜60000の安定化剤(B)を含有することが好ましい。これにより、耐湿熱性をより向上させることができる。
安定化剤(B)としては、国際公開第2013/054918号の段落0039〜0055に記載された「安定化剤(B)」を用いることができる。
安定化剤(B)として用い得る、一分子中にカルボジイミド基を含む化合物(カルボジイミド化合物)としては、モノカルボジイミド化合物、ポリカルボジイミド化合物、環状カルボジイミド化合物が挙げられる。
モノカルボジイミド化合物としては、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド、等が好適である。
また、ポリカルボジイミド化合物としては、種々の方法で製造したものを使用することができる。従来のポリカルボジイミドの製造方法(例えば、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.0rg.Chem.28,2069−2075(1963)、Chemical Review 1981,Vol.81 No.4、p619−621)により、製造されたものを用いることができる。具体的には特許4084953号公報に記載のカルボジイミド化合物を用いることもできる。
ポリカルボジイミド化合物としては、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)、ポリ(N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド)、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド、等が挙げられる。
環状カルボジイミド化合物は、特開2011−256337号公報に記載の方法などに基づいて合成することができる。
カルボジイミド化合物としては、市販品を用いてもよく、例えば、東京化成社製、B2756(商品名)、日清紡ケミカル社製、カルボジライトLA−1(商品名)、ラインケミー社製、Stabaxol P、Stabaxol P400、Stabaxol I(いずれも商品名)等が挙げられる。
安定化剤(B)として用い得る、一分子中にイソシアネート基を含む化合物(イソシアネート化合物)としては、イソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、等が挙げられる。
安定化剤(B)として用い得る、一分子中にエポキシ基を含む化合物(エポキシ化合物)としては、フェニルグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA−ジグリシジルエーテル、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
安定化剤(B)の重量平均分子量は、上述のとおり200〜60000であるが、200〜30000がより好ましく、300〜18000がさらに好ましい。
分子量が上記範囲内ならば、安定化剤(B)がより移動しやすくなり、耐湿熱性改良効果がより効果的に奏される。
安定化剤(B)の重量平均分子量は、200〜900であることが特に好ましい。なお、重量平均分子量200〜900は、数平均分子量200〜900とほぼ一致する。また、重量平均分子量200〜900の場合、分子量分布が1.0である場合があり、この場合には、「重量平均分子量200〜900」を、単に「分子量200〜900」と言い換えることもできる。
圧電材料が安定化剤(B)を含有する場合、上記圧電材料は、安定化剤を1種のみ含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
圧電材料がヘリカルキラル高分子(A)及び安定化剤(B)を共に含む場合、安定化剤(B)の含有量は、ヘリカルキラル高分子(A)100質量部に対し、0.01質量部〜10質量部であることが好ましく、0.01質量部〜5質量部であることがより好ましく、0.1質量部〜3質量部であることがさらに好ましく、0.5質量部〜2質量部であることが特に好ましい。
上記含有量が0.01質量部以上であると、耐湿熱性がより向上する。
上記の範囲にあれば、圧電材料の耐湿熱性がより向上する。
安定化剤(B)の好ましい態様としては、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を有し、且つ、数平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)と、カルボジイミド基、エポキシ基、及びイソシアネート基からなる群より選ばれる1種類以上の官能基を1分子内に2以上有し、且つ、重量平均分子量が1000〜60000の安定化剤(B2)とを併用するという態様が挙げられる。なお、数平均分子量が200〜900の安定化剤(B1)の重量平均分子量は、大凡200〜900であり、安定化剤(B1)の数平均分子量と重量平均分子量とはほぼ同じ値となる。
安定化剤として安定化剤(B1)と安定化剤(B2)とを併用する場合、安定化剤(B1)を多く含むことが透明性向上の観点から好ましい。
具体的には、安定化剤(B1)100質量部に対して、安定化剤(B2)が10質量部〜150質量部の範囲であることが、透明性と耐湿熱性の両立という観点から好ましく、50質量部〜100質量部の範囲であることがより好ましい。
以下、安定化剤(B)の具体例(安定化剤B−1〜B−3)を示す。
以下、上記安定化剤B−1〜B−3について、化合物名、市販品等を示す。
・安定化剤B−1 … 化合物名は、ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドである。重量平均分子量(この例では、単なる「分子量」に等しい)は、363である。市販品としては、ラインケミー社製「Stabaxol I」、東京化成社製「B2756」が挙げられる。
・安定化剤B−2 … 化合物名は、ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)である。市販品としては、重量平均分子量約2000のものとして、日清紡ケミカル社製「カルボジライトLA−1」が挙げられる。
・安定化剤B−3 … 化合物名は、ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)である。市販品としては、重量平均分子量約3000のものとして、ラインケミー社製「Stabaxol P」が挙げられる。また、重量平均分子量20000のものとして、ラインケミー社製「Stabaxol P400」が挙げられる。
(その他の成分)
圧電材料は、必要に応じ、その他の成分を含有してもよい。
その他の成分としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂等の公知の樹脂;シリカ、ヒドロキシアパタイト、モンモリロナイト等の公知の無機フィラー;フタロシアニン等の公知の結晶核剤;安定化剤(B)以外の安定化剤;等が挙げられる。
無機フィラー及び結晶核剤としては、国際公開第2013/054918号の段落0057〜0058に記載された成分を挙げることもできる。
<圧電材料の製造方法>
本実施形態における圧電材料の製造方法には特に限定はなく、公知の方法により製造することができる。
例えばヘリカルキラル高分子(A)を含む圧電フィルム(圧電材料の一例)の製造方法としては、ヘリカルキラル高分子(A)を含む原料をフィルム状に成形して未延伸フィルムを得、得られた未延伸フィルムに対し、延伸及び結晶化を施す方法が挙げられる。
延伸及び結晶化は、いずれが先であってもよい。また、未延伸フィルムに対し、予備結晶化、延伸、及び結晶化(アニール)を順次施す方法であってもよい。延伸は、一軸延伸であっても二軸延伸であってもよい。二軸延伸の場合には、好ましくは一方(主延伸方向)の延伸倍率を高くする。
圧電フィルムの製造方法については、特許第4934235号公報、国際公開第2010/104196号、国際公開第2013/054918号、国際公開第2013/089148号、等の公知文献を適宜参照できる。
<エネルギー変換デバイスの製造方法>
本実施形態のエネルギー変換デバイスの製造方法には特に限定はないが、例えば、圧電材料を準備して、別途準備した第一の磁歪部材と貼り合わせることにより製造することができる。このとき、圧電材料と第一の磁歪部材とを接着剤を介して貼り合わせることが好ましい。
圧電材料(例えば圧電フィルム)は、公知の方法で製造したものであっても、予め製造されたものであってもよい。
また、第一の磁歪部材は、上述のように、磁歪の性質のある磁性体を含む部材であればよく、公知の方法で製造したものであっても、予め製造されたものであってもよい。
なお、本実施形態のエネルギー変換デバイスが、さらに圧電材料からみて第一の磁歪部材とは反対側に、第二の磁歪材料で構成される第二の磁歪部材を備える場合、かかるエネルギー変換デバイスは、上述のように、圧電材料と、第一の磁歪部材とを貼り合わせる方法に準じて、圧電材料と、さらに第二の磁歪部材と貼り合わせることにより製造することができる。このとき、圧電材料と第二の磁歪部材とを接着層を介して貼り合わせることが好ましい。
<ケーシング>
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、ケーシングされていることが好ましい。ケーシングの形態には特に限定はないが、好ましいケーシング形態としては、銅、アルミ等の非磁性の電気的良導体等で静電的にシールドされた状態でケーシングされていることがよい。エネルギー変換デバイスが静電的にシールドされていることで、静電容量的な結合により電極(例えばセンサ電極)の電位が変化し、磁界強度以外の静電気的なノイズ信号の影響を回避することができる。
<エネルギー変換デバイスの用途>
本実施形態のエネルギー変換デバイスは、例えば、磁気を検出する様々な機器やデバイス;磁力で駆動する様々な機器やデバイス;環境発電、エネルギーハーベスティング等の発電機器や発電デバイス;に適用することができる。具体的には、例えば磁気センサ、電流センサ、磁気エンコード、地磁気センサ、磁気スイッチ、バイオセンサ、磁気ヘッド、トルクセンサ、アクチュエータ、トランスデューサ等の様々な分野で利用することができる。
なお、本実施形態のエネルギー変換デバイスは、磁界強度をセンシングする磁気センサであることが好ましい。
以下に実施例によって本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって制限されるものではない。
なお、以下の実施例において、「at%」は原子%を表す。
〔実施例1〕
以下の手順にて、磁歪複合型の磁気センサを作製した。
<圧電フィルム(a)の作製>
ヘリカルキラル高分子(A)として、NatureWorks LLC社製のポリ乳酸(品名:IngeoTM biopolymer、銘柄:4032D、重量平均分子量Mw:20万、融点(Tm):166℃、ガラス転移温度(Tg):57℃〜60℃)を用意した。上記ポリ乳酸(100質量部)と下記安定化剤X(1.0質量部)とをドライブレンドして原料を作製した。
得られた原料を押出成形機ホッパーに入れ、210℃に加熱しながらTダイから押し出し、50℃のキャストロールに0.3分間接触させて、厚さ0.15mmの予備結晶化シートを製膜した(予備結晶化工程)。予備結晶化シートの結晶化度を測定したところ6%であった。
得られた予備結晶化シートを70℃に加熱しながらロールツーロールで、延伸速度10m/分で延伸を開始し、3.5倍までMD方向に一軸延伸した(延伸工程)。得られた一軸延伸フィルムの厚さは0.05mmであった。
その後、上記一軸延伸フィルムを、ロールツーロールで、145℃に加熱したロール上に15秒間接触させアニール処理し、その後急冷を行って、圧電材料としての圧電フィルム(a)を作製した(アニール処理工程)。
−安定化剤X−
安定化剤Xとしては、ラインケミー社製Stabaxol P400(20質量部)、ラインケミー社製Stabaxol I(50質量部)、及び日清紡ケミカル社製カルボジライトLA−1(30質量部)の混合物を用いた。
上記混合物における各成分の詳細は以下のとおりである。
Stabaxol I … ビス−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミド(分子量(=重量平均分子量):363)
Stabaxol P400 … ポリ(1,3,5−トリイソプロピルフェニレン−2,4−カルボジイミド)(重量平均分子量:20000)
カルボジライトLA−1 … ポリ(4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド)(重量平均分子量:約2000)
<ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)>
ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用い、以下のようにして、圧電フィルム(a)中のポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を測定した。
まず、圧電フィルム(a)を40℃で溶媒(クロロホルム)へ溶解させ、濃度1mg/mLのサンプル溶液を準備した。
得られたサンプル溶液0.1mLを、溶媒(クロロホルム)、温度40℃、1mL/分の流速でカラムに導入し、カラムで分離されたサンプル溶液中のサンプル濃度を示差屈折計で測定した。別途ポリスチレン標準試料にてユニバーサル検量線を作成し、ユニバーサル検量線及びサンプル濃度の測定結果に基づき、ポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を算出した。
ここで、GPC測定装置及びカラムとしては、以下のものを用いた。
−GPC測定装置−
Waters社製GPC−100
−カラム−
昭和電工社製、Shodex LF−804
以上の測定の結果、圧電フィルム(a)中のポリ乳酸は、Mwが20万であり、Mw/Mnが1.5であった。
<圧電フィルム(a)の圧電定数d31(応力−電荷法)の測定>
上記圧電フィルム(a)を、延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に80mm、45°なす方向に直交する方向に10mmの大きさに切り出して矩形の試験片を作製した。得られた80mm×10mmの試験片の表裏の全面にそれぞれ有機電極(例えばポリチオフェン系導電性ポリマー「PEDOT/PSS」を均一にコーティングし、電極を形成し、サンプルを得た。
得られたサンプルを、チャック間距離70mmとした引張試験機(AND社製、TENSILON RTG−1250)に、サンプルの長手方向が張力方向と平行になるようにチャックした。
引張試験機で、サンプルに対して1.5N〜4.5Nの応力範囲で0.2Hzで周期的に三角波状に応力を繰り返し印加し、その時のサンプルの表裏に発生する電荷量をエレクトロメータ(ケースレー社製6514)で測定した。
発生電荷量Q[C]とサンプルの引張力F[N]と、サンプルのチャック間距離L[m]、サンプルの厚さt[m]を用いて下式に従い、サンプルの圧電定数d31を算出する。
31=(t/L)×(ΔQ/ΔF)
t:サンプル厚[m]
L:チャック間距離[m]
ΔQ/ΔF:サンプルの引張力Fの変化量に対する、発生電荷量Qの変化量比
以上の測定の結果、圧電フィルム(a)の圧電定数d31(応力−電荷法)は、3.25pC/Nであった。
<圧電定数g31
上記の方法で算出した圧電定数d31をサンプル材料(ポリ乳酸)の誘電率(真空の誘電率×比誘電率)で割った値を圧電定数g31とした。
以上の測定の結果、圧電フィルム(a)の圧電定数g31(応力−電荷法)は、141mVm/Nであった。
表1に、圧電フィルム(a)中に含まれるポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)、圧電定数d31、圧電定数g31及び比誘電率をまとめて示す。
<磁歪圧電ハイブリッド磁気センサの製作>
図1に示す磁気センサ100と同様の構成の磁歪圧電ハイブリッド磁気センサを、以下に示す方法により作製した。
上記圧電フィルム(a)を、延伸方向(MD方向)に対して45°なす方向に80mm、45°なす方向に直交する方向に10mmの大きさに切り出した。切り出された圧電フィルム(長さ80mm×幅10mm×厚さ0.05mm)の両面に磁歪薄板を粘着テープを介して固定した。
具体的には、切り出された圧電フィルム(以下、「圧電フィルム」と称す。(圧電定数d31=3.25pC/N、比誘電率ε33=2.6))の両面に、磁歪薄板(ハネウェル社製、Metglas:2605TCA(商品名)、磁歪定数27ppm、長さ150mm×幅10mm×厚さ0.025mmのFe78Si13(at%)の組成を持つ非晶質金属薄帯)を両面粘着テープ(積水化学製高透明両面テープ5402A−50、厚さ0.025mm)を介して、それぞれ粘着固定した。
なお、上記磁性薄板は、金属合金からなり、圧電フィルムから発生する電荷信号を伝える導体板(すなわち電極)としても機能する。
また、圧電フィルムと磁歪薄板とを粘着固定するとき、圧電フィルムの一方の主面上において、磁歪薄板を、圧電フィルムの一方の主面と重ねつつ、圧電フィルムの長さ方向の一方の端部より外側にはみ出すように配置した。同様に、圧電フィルムの他方の主面上において、磁歪薄板を、圧電フィルムの他方の主面と重ねつつ、圧電フィルムの長さ方向の他方の端部より外側にはみ出すように配置した。これにより、圧電フィルムと磁歪薄板との重なり部分の面積は、圧電フィルムの両面において、長さ80mm×幅10mm(すなわち圧電フィルムの主面の面積に相当)となった。
以上のようにして、実施例1の磁歪圧電ハイブリッド磁気センサを作製した。
なお、圧電フィルムは、図1中の圧電フィルム10に相当する。磁性薄板は、図1中の第一の磁歪部材14A及び第二の磁歪部材14Bに相当する。両面粘着テープは、図1中の第一の接着層12A及び第二の接着層12Bに相当する。
圧電フィルムと磁歪薄板との重なり部分の長さは、図1中L1に相当し、圧電フィルムと磁歪薄板との重なり部分の幅は、図1中L3に相当する。
また、磁歪薄板の長さは、図1中のL2に相当し、磁歪薄板の幅は、図1中のL3に相当する。
<評価>
得られた磁歪圧電ハイブリッド磁気センサを用い、以下の評価を行った。
(磁場印加時の発生電荷量の評価)
磁場印加による発生電荷量を測定した。詳細を図2を参照しながら説明する。
図2は、磁場印加による発生電荷量を測定する測定装置の構成を示すブロック図である。
図2に示す測定装置200は、空芯コイル20と、ファンクションジェネレータ(NF回路:DF1906、正弦波100Hz)22と、ロックインアンプ(NF4010)24と、エレクトロメータ(KEITHLEY社製6514)26と、オシロスコープ28と、電流計Aとを備えている。
まず、圧電フィルムを備えた磁歪圧電ハイブリッド磁気センサ100(以下、「磁気センサ100」とも称す)を空芯コイル20の間に配置した。
次に、この状態で、ファンクションジェネレータ22、ロックインアンプ24、及び空芯コイル20(ポリウレタン被覆銅線(線径φ0.4、1500ターン)を用いて100Hzの正弦波の交流磁場、(最大H=7000(A/m))を磁気センサ100に印加した。
次に、交流磁場の印加により発生した電荷量をエレクトロメータ26で測定した。
結果を図4に示す。図4は、磁界強度と発生電荷量との関係を示すグラフである。
図4に示すように、磁界強度の増加に伴い発生電荷量が増加することがわかった。これにより、実施例1の磁気センサは、センサとして機能することが確認された。
(電圧信号波形の安定性の評価)
電圧信号波形の振幅測定を行うことにより、電圧信号波形の安定性を評価した。
上記磁場印加時の発生電荷量の評価において、交流磁場の印加により発生した電荷信号をエレクトロメータ26で測定した後、かかる電荷信号を、ロックインアンプ(図示省略、NF回路設計ブロック製LI−574A)を介して電圧信号に変換しオシロスコープ28で測定した。
その後、電圧信号波形の振幅測定を行った。結果を表1に示す。表1に示すように、実施例1の磁気センサは、電圧信号波形が安定していることが確認され、振幅測定が可能であることがわかった。
(温度変化時の発生電荷量の評価)
温度変化による発生電荷量を測定した。詳細を図3を参照しながら説明する。
図3は、温度変化による発生電荷量を測定する測定装置の構成を示すブロック図である。
図3に示す測定装置300は、支持台32を備えたオーブン30と、エレクトロメータ(KEITHLEY社製6514)34とを備えている。
オーブン30の支持台32上に磁気センサ100を設置し、オーブン30を常温から40℃まで昇温した。
次に、オーブン30の昇温により発生した電荷量をエレクトロメータ34で測定した。
結果を図6に示す。図6は、温度と発生電荷量との関係を示すグラフである。
図6に示すように、実施例1の磁気センサは、オーブン30を昇温しても発生電荷量がほとんど発生しないことがわかった。これにより、実施例1の磁気センサは、焦電性による電荷変動がほとんどないことが確認された。
〔比較例1〕
<PVDFフィルム>
圧電材料として、クレハ社製PVDF(ポリフッ化ビニリデン)フィルム(商標:KFピエゾフィルム)厚さ50μm、圧電定数d31=25pC/N、比誘電率ε33=13)を準備した。
上述の圧電フィルム(a)中のポリ乳酸の重量平均分子量(Mw)の測定と同様の方法により、PVDFフィルム中のポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量(Mw)を算出した。
測定の結果、PVDFフィルム中のポリフッ化ビニリデンは、Mwが30万であった。
また、圧電定数d31をPVDFフィルムの材料(ポリフッ化ビニリデン)の誘電率(真空の誘電率×比誘電率)で割った値を圧電定数g31としたところ、PVDFフィルムの圧電定数g31(応力−電荷法)は、217mVm/Nであった。
表1に、PVDFフィルム中に含まれるポリフッ化ビニリデンの重量平均分子量(Mw)、圧電定数d31、圧電定数g31及び比誘電率をまとめて示す。
<磁歪圧電ハイブリッド磁気センサの製作>
実施例1の磁歪圧電ハイブリッド磁気センサの製作において、圧電フィルム(a)の代わりに、上記PVDFフィルムを使用したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の磁気センサを作製した。
得られた磁気センサを用い、実施例1と同様の評価を行った。
(磁場印加時の発生電荷量の評価)
結果を図5に示す。図5は、磁界強度と発生電荷量との関係を示すグラフである。
図5に示すように、磁界強度の増加に伴い発生電荷量が増加することがわかった。これにより、比較例1の磁気センサは、センサとして機能することが確認された。
(電圧信号波形の安定性の評価)
結果を表1に示す。表1に示すように、比較例1の磁気センサは、電圧信号波形が安定せず、振幅測定が不可能であることがわかった。すなわち、信号レベルがノイズに埋もれて測定できないことがわかった。
(温度変化時の発生電荷量の評価)
結果を図6に示す。図6に示すように、比較例1の磁気センサは、オーブン30の昇温に伴い、発生電荷量が増加することがわかった。より詳細には、比較例1の磁気センサは、発生電荷量が数十pCオーダーであるが(図5参照)、図6に示すように、5℃の変化で150nC程度の焦電性に起因する電荷が発生していることが確認された。この結果、比較例1の磁気センサは、温度が1℃変わると焦電性による発生電荷に埋もれて電圧信号の検出が困難になることがわかった。
−表1の説明−
・PLLAは、ポリ乳酸であることを示す。
以上の評価結果から、PLLAフィルムを備える実施例1は、PVDFフィルムを備える比較例1に比べ、磁界強度に対する感度は劣るものの、電圧信号波形の振幅が安定していることがわかった。
さらに、PLLAフィルムを備える実施例1は、PVDFフィルムを備える比較例1に比べ、焦電性による電荷変動がほとんどないため、温度変化のある環境では高感度な磁界検出が可能となることがわかった。
10 圧電フィルム
12A 第一の接着層
12B 第二の接着層
14A 第一の磁歪部材
14B 第二の磁歪部材
100 磁気センサ(エネルギー変換デバイスの一例)

Claims (11)

  1. 25℃において応力電荷法で測定した圧電定数d31が0.1pC/N以上であり、比誘電率が1.0〜20である非焦電性の圧電材料と、
    前記圧電材料の主面に設けられた第一の磁歪材料で構成される第一の磁歪部材と、
    を備えるエネルギー変換デバイス。
  2. 前記圧電材料と前記第一の磁歪部材との間に第一の接着層を有する請求項1に記載のエネルギー変換デバイス。
  3. さらに、前記圧電材料からみて前記第一の磁歪部材とは反対側に、第二の磁歪材料で構成される第二の磁歪部材を備える請求項1または請求項2に記載のエネルギー変換デバイス。
  4. 前記圧電材料と前記第二の磁歪部材との間に第二の接着層を有する請求項3に記載のエネルギー変換デバイス。
  5. 前記圧電材料の比誘電率が、1.0〜10である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイス。
  6. 前記圧電材料は、重量平均分子量が5万〜100万である光学活性を有するヘリカルキラル高分子(A)を含み、DSC法で得られる結晶化度が20%〜80%であり、かつ、マイクロ波透過型分子配向計で測定される基準厚さを50μmとしたときの規格化分子配向MORcと前記結晶化度との積が40〜700である、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイス。
  7. 前記圧電材料の前記規格化分子配向MORcが、3.5〜15.0である請求項6に記載のエネルギー変換デバイス。
  8. 前記ヘリカルキラル高分子(A)が、下記式(1)で表される繰り返し単位を含む主鎖を有するポリ乳酸系高分子である請求項6又は請求項7に記載のエネルギー変換デバイス。

  9. 前記ヘリカルキラル高分子(A)は、光学純度が95.00%ee以上である請求項6〜請求項8のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイス。
  10. 前記圧電材料が、前記ヘリカルキラル高分子(A)を80質量%以上含有する請求項6〜請求項9のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイス。
  11. 磁界強度をセンシングする磁気センサである請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のエネルギー変換デバイス。
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