JP2019011989A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】軽量小型化が可能で、高温環境下でも大電流を高い精度で測定することができる電流センサを提供する。【解決手段】上下方向に扁平な矩形平板状の圧電素子10aと圧電素子の上面と下面に積層された矩形平板状の第1および第2の磁歪体(20、30)とを備え、磁歪体は短辺方向の電流Iによって発生する磁界によって、長辺方向に伸張あるいは収縮する一方向に変形し、圧電素子の圧電体11において互いに対向する第1および第2端面の当該対向方向に分極しており、圧電素子は上面と下面に磁歪体の変形方向に沿う応力を受けてd15モードあるいはd33モードで電気機械変換を行って第1の電極12と第2の電極13との間に電圧Vを発生する電流センサ1aとしている。【選択図】図2

Description

本発明は電流センサに関する。
電線に流れる直流電流が発生する磁界を検出することで電線に流れる電流を非接触で測定できる電流センサがある。そして、この種の電流センサとしてはホール素子を用いたものがよく知られている。ホール素子を用いた電流センサは、環状の磁性体コアに設けたギャップ部位にホール素子を配置した構成を有している。この構成において、ホール素子は、環状の磁性体コアに挿通された電線を流れる電流によって発生した磁界の強さに応じたホール電圧を発生させる。そして、そのホール電圧の電圧値に基づいて電線を流れる電流値を非接触で測定するのである。
また以下の特許文献1には、磁歪素子を用いた磁界センサと、その磁界センサを用いた電流センサ(電流検出器)について記載されている。磁歪効果は、強磁性体が磁化すると形状が変化する現象である。特許文献1に記載されている磁歪効果を利用した電流センサは、大きな磁歪効果を有する「超磁歪材料」を板状に成形した磁歪体に圧電素子を積層させた構造を有している。圧電素子は、磁歪体の変形に伴って自身も変形して機械電気変換を行い、電圧を発生させる。そして、磁歪体を用いた電流センサでは、その圧電素子が発生する電圧に基づいて電流を測定している。
以下の特許文献2には、逆磁歪効果(ビラリ効果)を用いた電流センサについて記載されている。この特許文献2に記載の電流センサは、円環状の圧電体の表裏に円環状の磁性体を積層させてなる円環状の積層体と、その円環状の積層体の内外に線材を巻回させてなるピックアップコイルとを備えている。そして、ホール素子を用いた電流センサと同様に積層体の円環内に測定対象となる電線を挿通している。なお以下の非特許文献1には、圧電素子の特性などが記載されている。
特開2000−88937号公報 特開2008−145220号公報
FDK株式会社、"圧電セラミックス"、[online]、[平成29年5月29日検索]、インターネット<URL:http://www.fdk.co.jp/cyber-j/pdf/BZ-TEJ001.pdf>
近年、燃料電池車やハイブリット車を含む電気自動車に搭載する電流センサに注目が集まっている。車載用の電流センサには、大きな直流電流を非接触、かつ高精度で検出できることに加え、比較的に高温となるような厳しい環境でも電流測定が行えることが求められている。しかし、電流センサを含め、車載用途の各種センサには、特に、小型軽量であること、壊れにくい簡素な構造を備えていることなどがより重要となる。もちろん、車載用途に限らず、電流センサには、軽量小型化、高温環境下での信頼性、簡素な構造、および設置の容易性が求められている。そして従来の電流センサは、このような要求の全てに対応できるものではなかった。
例えば、ホール素子を用いた電流センサは、大電流の測定用途には適しているが、高温環境下での電流測定には向かない。また測定対象となる電線を環状の素子の内側に挿通する必要があり、設置形態が限られる。特許文献2に記載のビラリ効果を用いた電流センサはコイルを備えていることから簡素な構造であるとは言い難い。またホール素子と同様に設置形態が限られる。
一方、特許文献1に記載の「電流検出器」は、構造が簡素で小型化にも適しており、閉じた円環状の電流センサ内に電線を挿通する必要が無いことから、測定対象となる電線の敷設状態に応じて柔軟に設置することができる。また圧電素子や磁歪素子を構成する圧電体や磁歪体は、極めて熱に強い焼結体(セラミックス)からなる。したがって、現時点においては磁歪素子を用いた電流センサが、上述した要求の全てに対応できる可能性がある。しかしながら、従来の磁歪素子を用いた電流センサは、磁歪素子の変形に対する圧電素子の機械電気変換効率が十分ではなく、高い精度で電流を測定することが難しかった。
そこで本発明は、軽量小型化が可能で、高温環境下でも大電流を高い精度で測定することができる電流センサを提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、
上下方向に扁平な矩形平板状の圧電素子と、
前記圧電素子の上面に積層された矩形平板状の第1の磁歪体と、
前記圧電素子の下面に積層された矩形平板状の第2の磁歪体と、
を備え、
前記圧電素子は、矩形平板状の圧電体において、互いに対向する第1および第2の端面に電極が形成されてなり、
矩形平板状の前記第1の磁歪体と前記第2の磁歪体は、それぞれが、短辺方向の電流によって発生する磁界によって、長辺方向に伸張あるいは収縮する一方向に変形し、
前記圧電体は、前記第1の端面と前記第2の端面が互いに対向する方向に分極しており、
前記圧電素子は、上面および下面が前記第1の磁歪体および前記第2の磁歪体の変形方向に沿う応力を受けて、d15モードあるいはd33モードで電気機械変換を行って第1および第2の前記端面に形成されている電極間に電圧を発生する、
ことを特徴とする電流センサとしている。
前記電極が前記圧電体の上面と下面に形成され、
前記第1の磁歪体と前記第2の磁歪体が、前記磁界によって互いに逆方向に変形し、
前記圧電体が、d15モードで機械電気変換を行う、
電流センサとすることもできる。
好ましくは、前記第1の端面および第2の端面に形成されている電極が、前記圧電体の長辺方向を二分割するように形成されて一つの圧電体に対して二つの圧電素子が形成されているとともに、当該二つの圧電素子が直列接続されている電流センサとすることである。
また、より好適な本発明の一態様は、前記電極が矩形平板状の前記圧電体の短辺側の縁端面に形成され、前記第1の磁歪体と前記第2の磁歪体が前記磁界によって同方向に変形することを特徴とする電流センサである。
本発明に係る電流センサは、小型で簡素な構造を備え、高温環境下でも大電流を高い精度で測定することができる。なお、その他効果については以下の記載で明らかにする。
本発明の実施例に係る電流センサの基本構造を示す図である。 本発明の第1の実施例に係る電流センサの構造を示す図である。 上記第1の実施例に係る電流センサの動作を示す図である。 本発明の第2の実施例に係る電流センサを示す図である。 本発明の第3の実施例に係る電流センサを示す図である。 比較例に係る電流センサを示す図である。 本発明の実施例に係る電流センサの特性を示す図である。
本発明の実施形態について、以下に添付図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明に用いた図面において、同一または類似の部分に同一の符号を付して重複する説明を省略することがある。図面によっては説明に際して不要な符号を省略することもある。
===電流センサの基本的な構造と動作===
本発明の実施例に係る電流センサの動作原理は、上記特許文献1に記載の電流センサと同様であり、平板状の圧電素子と磁歪体を積層した構造を有し、電線を流れる電流によって発生する磁界によって磁歪体を変形させ、その変形による応力で圧電素子をさらに変形させている。そして圧電素子が変形に応じた電圧を発生させ、その電圧の値から電流値を求める。
図1に本発明の実施例に係る電流センサ1の基本構造を示した。図1に示したように、実施例に係る電流センサ1は、平板状の圧電素子10の表裏両面に平板状の磁歪体(20、30)が積層されており、圧電素子10は、圧電体において、互いに対向する二つの端面に電極が形成されてなる。そして、このような電流センサ1の構造によれば、圧電素子10には、二つの磁歪体(20、30)から応力を受けることになり、圧電素子10がより大きく変形し、より大きな電圧を発生させることができるようになっている。
さらに本発明の実施例に係る電流センサは、上記基本構造とともに、電極の形成箇所や構造、磁歪体(20、30)の変形方向、および圧電素子10を構成する圧電体の分極方向などに特徴を有して、より大きな電流をより高い精度で検出できるようになっている。概略的には、圧電素子がd15モードあるいはd33モードで電気機械変換を行って電極間に電圧を発生するように、上述した各特徴に関わる構成や構造が適宜に設定されている。以下では、電極の構造や圧電体の分極方向などが異なる幾つかの実施例を挙げ、その上で各実施例に係る電流センサの特性について説明する。
===実施例===
<第1の実施例>
図2に第1の実施例に係る電流センサ1aの構造を示した。図2では電流センサ1aの構成が分かり易いように、各構成要素を異なるハッチングで示した。図2に示したように、電流センサ1aを構成する圧電素子10aは、矩形平板状の圧電体11の表裏両面に全面電極(12、13)が形成された構造を有し、当該圧電素子10の表裏両面には矩形平板状の磁歪体(20、30)が積層されている。ここで、図中に示したように、圧電素子10aと磁歪体(20、30)の長辺方向を左右方向とし、短辺方向を前後方向、積層方向を上下方向とすると、圧電素子10aと磁歪体(20、30)の短辺の幅Wは同じであり、圧電素子10aの長辺の長さL1は磁歪体(20、30)の長辺L2より長い。そして圧電素子10aと磁歪体(20、30)は、互いの長辺同士を上下方向で揃えつつ、圧電素子10aが磁歪体(20、30)に対して左右一方の方向に突出するように積層されている。また、圧電素子10aにおいて、磁歪体(20、30)に対して左右一方に突出した部分の上下それぞれの面にリード線(14,15)が取り付けられている。そして、この例では、圧電体11と二つの磁歪体(20、30)は、全て同じ厚さtとしている。なお、実際の電極(12、13)の厚さ(例えば5μm)は、圧電体11や磁歪体(20、30)の厚さt(例えば1mm)に比べて極めて薄く、ここでは、圧電素子10aの厚さを圧電体11の厚さtとしている。
圧電素子10aを構成する圧電体11は圧電材料からなる焼結体であり、ここでは、上記非特許文献1に製品名「P−15」として記載されたPZTからなる圧電体11を用いた。また、圧電素子10aの電極(12、13)は、圧電体11の上下両面に銀ペーストを塗布して焼き付けることで形成している。
二つの磁歪体(20、30)は、粉末冶金法などによって作製される焼結体であり、第1の実施例に係る電流センサ1aでは、二つの磁歪体(20、30)が異なる材料からなり、一方の磁歪体(20または30)は、磁界に対して伸張するように変形し、他方の磁歪体(30または20)は、磁界に対して収縮するように変形する。ここでは、一方の磁歪体20が組成式Tb0.3Dy0.7Fe1.92で表されるTb―Dy−Fe系の磁歪材料からなり、このTb―Dy−Fe系の磁歪材料は、磁界によって形状が伸張する方向に変形する。他方の磁歪体30aは、Sm−Fe−Co系の磁歪材料からなり、このSm−Fe―Co系の磁歪材料は磁界によって形状が収縮する方向に変形する。そして、電線40に流れる電流Iを測定するためには、例えば、電線40が磁歪体(20、30)の左右中央の位置にて前後方向に延長するように電流センサ1aを配置し、電流センサ1aの上下一方の面を電線40に近接させる、あるいは接触させればよい。
図3に、第1の実施例に係る電流センサ1aの動作を示した。図3(A)は、電流センサ1aを前後方向から見たときの図であり、磁歪体(20、30)の変形方向と圧電体11の分極方向を示している。図3(B)は、動作中にある電流センサ1aにおける圧電体11の変形状態を示す模式図である。ここで電線40が電流センサの下面側に敷設されていることとして上下の各方向を規定し、磁歪体(20、30)に対して圧電素子10aが右方に突出していることとして左右の各方向を規定することとする。そして、前方から後方を見たときに左右の各方向が一致するように前後の各方向を規定する。
図3(A)には、磁歪体(20、30)の変形方向が図中黒塗りの矢印で示され、圧電体11の分極方向が白塗り矢印で示されている。第1の実施例に係る電流センサ1aにおいて、圧電素子10aを構成する圧電体11は、上下方向を分極方向とし、圧電素子10aの下方に積層されている磁歪体30は、Sm−Fe−Co系の磁歪材料からなる。そして圧電素子10aの上方に積層されている磁歪体20がTb−Dy−Fe系の磁歪材料からなる。そのため、図3(B)に示したように、前後方向に延長して敷設された電線40に電流Iを流すと、圧電体11の下面には左右方向に収縮する方向に応力が掛り、上面には左右方向に伸張する方向に応力が掛かる。それによって、図中に鎖線の矢印で示したように、圧電体11は、左右方向で二分された二つの領域(11L、11R)が滑り振動モード、すなわちd15モードで機械電気変換を行い、上下方向で対面する電極間(12、13)に電圧Vが発生する。
<第2の実施例>
第1の実施例に係る電流センサ1aでは、圧電素子10aは、圧電体11の上下両面の全面に電極(12、13)が形成されていた。そして、図3(B)に示したように、圧電体11が左右二つの領域でd15モードによって機械電気変換を行う際、電極(12、13)が二つの領域(11L、11R)に跨がって形成されているため、圧電体11が変形し難くなる可能性がある。そこで、本発明の第2の実施例として、圧電体11の変形が阻害されにくい電極構造を備えた電流センサを示す。
図4に本発明の第2の実施例に係る電流センサ1bの構造と動作を示した。図4(A)は電流センサ1bの外観図であり、図4(B)は電流センサ1bを圧電素子10bと磁歪体(20、30)に分解したときの図である。図4(C)は電流センサ1bにおける磁歪体(20、30)の変形方向と圧電体11の分極方向を示している。そして、図4(D)は動作中にある電流センサ1bにおける圧電体11の変形状態を模式的に示す図である。なお、図4では、上下左右前後の各方向を、図2、図3に示した方向に一致させている。
図4(A)に示したように、第2の実施例に係る電流センサ1bは、圧電素子10bが自身の上下両面に積層されている磁歪体(20、30)に対して左右両方向に突出し、その突出した部位の上下両面の電極(12、13)にリード線(14、15)が接続されている。
また、図4(B)に示したように、電流センサ1bは、磁界に対する磁歪体(20、30)の変形方向や圧電体11の分極方向は第1の実施例と同様であるが、圧電素子10bにおける上下両面の電極(12、13)が、それぞれ、左右方向で二分割されている。そして、圧電体11の上面の左方および右方に形成されている電極12Lおよび電極12Rのそれぞれが、圧電体11の下面の左方および右方に形成されている電極13Lおよび電極13Rと対面している。第2の実施例に係る電流センサ1bでは、このような電極構造を備えることで、図4(C)に示したように、実質的に、二つの同じ圧電素子(10bL、10bR)が左右に並んで配置されている構造になっている。
さらにリード線(14、15)は、二つの圧電素子(10bL、10bR)を直列に接続するように結線されている。この例では、右上方の電極12Rに接続されたリード線14Rが左下方の電極12Lに接続されたリード線15Lを兼ね、右方の圧電素子10bRにおける上方の電極12Rと左方の圧電素子10bLにおける下方の電極15Lが接続されている。また、右下方の電極13Rに接続されているリード線15Rと、左上方の電極12Lに接続されているリード線14Lが電圧計に接続されている。そして、第2の実施例に係る電流センサ1bでは、図4(D)に示したように、左右二つの圧電素子(10bL、10bR)に対応する領域間(11L、11R)に、圧電体11の変形を阻害する電極(12、13)が形成されていないため、圧電体11は、左右それぞれの領域においてd15モードでの機械電気変換をより効率的に行うことができる。その結果、磁歪体(20、30)の変形に対し、圧電素子10bはより大きな電圧を発生することができ、より高い精度で電流を検出することができる。
<第3の実施例>
第1および第2の実施例に係る電流センサ(1a、1b)では、圧電体11をd15モードで機械電気変換させる構造や構成を備えていた。しかし、同じサイズの平板状の圧電体11を用いるのであれば、圧電体11を長辺方向に伸縮するように変形させて、長辺方向に電圧を発生させるd33モードの方が機械電気変換の効率が高い。そこで本発明の第3の実施例として、第1および第2の実施例に係る電流センサ(1a、1b)と実質的に同じサイズとしながら、圧電体をd33モードで機械電気変換させる電流センサを示す。
図5に本発明の第3の実施例に係る電流センサ1cの構造を示した。図5(A)は電流センサ1cの外観図であり、図5(B)は磁歪体(20、30)の変形方向と圧電体11の分極方向を示している。図5(A)に示したように、第3の実施例に係る電流センサ1cは、圧電素子10cと磁歪体(20、30)は、左右の長さ(L1、L2)が同じであり、圧電素子10cの電極(16、17)が圧電体11の左右の端面に形成され、それぞれの電極(16,17)にリード線(14、15)が接続されている。
また、第3の実施例に係る電流センサ1cは、図5(B)に示したように、圧電体11が、左右方向、すなわち矩形平板状の圧電体11の長辺方向に分極しており、圧電素子10cの上下両面に積層されている磁歪体(20、30)は、前後方向の電流によって発生する磁界によって左右同方向に伸張、あるいは収縮する。この例では、二つの磁歪体(20、30)は、Tb―Dy−Fe系の磁歪材料を用いたものであり、左右方向に伸張するように変形する。そして、圧電素子10cは、左右方向を縦方向とした縦振動モード、すなわちd33モードで機械電気変換を行う。
===性能評価===
<電流センサの作製条件>
次に、上述した各構造や構成を備えた第1〜第3の実施例に係る電流センサ(1a〜1c)の性能を評価した。また、第1〜第3の実施例に係る電流センサ(1a〜1c)に対する比較例として、図6に示した電流センサ1dを作製した。図6は、比較例に係る電流センサ1dを前方から見たときの図であり、第1の実施例の電流センサ1aに対して、圧電素子10dの上下両面に同じ材料からなる磁歪体(20、30)が積層されている点のみが異なっている。すなわち、比較例に係る電流センサ1dでは、圧電体11の上下両面の長辺方向に同方向の応力が係るようになっている。そして、比較例に係る電流センサ1dは、長辺方向伸び振動モード、すなわちd31モードでの機械電気変換により電極間(12、13)に電圧Vを発生させる。
ここで図2を参照しつつ、各電流センサ(1a〜1d)のサイズについて説明すると、磁歪体(20、30)は、左右長L2=10mm、前後幅W=6mmであり、厚さはt=1mmである。圧電素子(10a〜10d)を構成する圧電体11は、いずれの電流センサ(1a〜1d)でも幅W=6mmであるが、第1、第2の実施例、および比較例のそれぞれに係る電流センサ(1a、1b、および1c)では、左右長L1=8mmであり、磁歪体(20、30)の左右長L2=6mmよりも2mm長い。そして、第1の実施例に係る電流センサ1aと比較例に係る電流センサ1dのそれぞれについては、圧電素子(10a、10d)が磁歪体(20、30)に対して左右一方向に突出するように、圧電素子(10a、10d)と磁歪体(20、30)を積層させた。第2の実施例に係る電流センサ1bについては、圧電素子10bを磁歪体(20、30)に対して左右均等に突出させた。なお、第3の実施例に係る電流センサ1cについては、圧電体11は、左右の長さL1が磁歪体(20、30)の長さL2と同じでL1=L2=6mmである。
また、各電流センサ(1a〜1d)における磁歪体(20、30)を構成する磁歪材料は、前後方向の電流が発生させる磁界に対する変形方向が同じであれば同じ材料を用いている。すなわち、磁歪体(20、30)は、左右方向に伸張するTb―Dy−Fe系の磁歪材料、または左右方向に収縮するSm−Fe−Co系の磁歪材料のいずれかからなる。第1、第2の実施例のそれぞれに係る電流センサ(1a、1b)では、圧電素子(10a、10b)の上方にTb―Dy−Fe系の磁歪材料からなる磁歪体20を積層し、下方にSm−Fe−Co系の磁歪材料からなる磁歪体30を積層した。第3の実施例および比較例のそれぞれに係る電流センサ(1c、1d)では、圧電素子(10c、10d)の上下両側にTb―Dy−Fe系の磁歪材料からなる磁歪体(20、30)を積層した。
また、第1、第2の実施例、および比較例のそれぞれに係る電流センサ(1a、1b、1d)では、圧電体11として、上下方向で互いに対向する端面に形成された電極間(12、13)に所定の強度の電界(例えば、2kV/mm)を所定時間(例えば、15min)印加することで分極させたものを用いた。ここでは、分極方向が下方から上方に向かうように分極させた。第3の実施例に係る電流センサ1cでは、圧電体11として、左右方向で互いに対向する端面に形成された電極間(16、17)に、他の実施例や比較例と同様の強度の電界(例えば、2kV/mm)を所定時間(例えば、15min)印加することで分極させたものを用いた。ここでは、分極方向が左方から右方に向かうように分極させた。
圧電素子(10a〜10d)と磁歪体(20、30)との接着にはエポキシ系の接着剤を用いた。ここでは圧電素子(10a〜10d)と磁歪体(20、30)との積層界面に接着剤を塗布した後、接着剤の厚さが5μm程度になるまで積層方向に荷重を掛け、余分な接着剤を積層界面から外方に押し出し、その上で接着剤を硬化させた。
<電流検出特性>
上述した条件で作製した各電流センサ(1a〜1d)に対し、磁歪体(20、30)の左右中央を前後方向に延長するように電線40を配置し、各電流センサ(1a〜1d)をその電線40上に載置した。そして、電線40に流す電流Iの値を変え、各電流センサ(1a〜1d)が出力する電圧を測定した。図7に、各電流センサ(1a〜1d)の電流検出特性として、電線40に流す電流Iと出力電圧Vとの関係を示した。当該図7に示したように、各電流センサ(1a〜1d)のいずれも、10Aの電流までは電流Iと電圧Vの関係がほぼ正確に比例しており、10Aの電流までは確実に検出できることが確認できた。また、各電流センサ(1a〜1d)のいずれにおいても圧電素子(10a〜10d)が出力する電圧Vに飽和傾向が見られないことから、さらに大きな電流Iを検出できることが容易に予想される。さらに実施例1〜3に係る電流センサ(1a〜1c)は、比較例に係る電流センサ1dと比較すると、同じ電流Iに対してより大きな電圧Vを出力することが分かった。そして、その出力電圧Vは、電流Iの値が同じであれば、第1、第2、第3のそれぞれの実施例に係る電流センサ(1a、1b、1c)の順で大きくなった。
===その他の実施例===
第1と第2の実施例に係る電流センサ(1a、1b)において、圧電体11の分極方向、あるいは磁歪体(20、30)の伸縮方向は、上下逆方向、あるいは左右逆方向であってもよい。第3の実施例に係る電流センサ1cについても、圧電体11の分極方向や磁歪体(20、30)の伸縮方向を左右逆方向としてもよい。
上記各実施例に係る電流センサ(1a〜1c)は電線40を流れる電流Iの前後方向の成分を測定するものであって、電流Iを測定する際に、電流センサ(1a〜1c)の前後方向を測定対象となる電線40の延長方向とを必ず一致させる必要はない。もちろん、本発明の実施例に係る電流センサ(1a〜1c)の本質は磁気センサであることから、本発明の実施例に係る電流センサ(1a〜1c)を、例えば、永久磁石の磁界強度など、定常的な磁界の強度を測定する用途に供することもできる。
上記各実施例に係る電流センサ(1a〜1c)において、圧電素子(10a〜10c)の電極(12、13、16、17)は、スパッタリングや蒸着などによって形成した薄膜とすればより好ましい。特に第1および第2の実施例に係る電流センサ(1a、1b)では、磁歪体(20、30)の変形がより確実に圧電体11に伝達され、圧電素子(10a、10b)に、より大きな電圧を発生させることができる。
また当然のことながら、磁歪体(20、30)や圧電体11の作製方法や、これらを構成する材料は、上記実施例に限らない。作製方法については、種々のセラミックスの製造方法を適用することができる。
1,1a〜1d 電流センサ、10a〜10d 圧電素子、11 圧電体、
12,12L,12R,13,13L,13R,16,17 電極、
14,14L,14R,15,15L,15R,18,19 リード線、
20,30 磁歪体、40 電線、I 電流 V 電圧

Claims (4)

  1. 上下方向に扁平な矩形平板状の圧電素子と、
    前記圧電素子の上面に積層された矩形平板状の第1の磁歪体と、
    前記圧電素子の下面に積層された矩形平板状の第2の磁歪体と、
    を備え、
    前記圧電素子は、矩形平板状の圧電体において、互いに対向する第1および第2の端面に電極が形成されてなり、
    矩形平板状の前記第1の磁歪体と前記第2の磁歪体は、それぞれが、短辺方向の電流によって発生する磁界によって、長辺方向に伸張あるいは収縮する一方向に変形し、
    前記圧電体は、前記第1の端面と前記第2の端面が互いに対向する方向に分極しており、
    前記圧電素子は、上面および下面が前記第1の磁歪体および前記第2の磁歪体の変形方向に沿う応力を受けて、d15モードあるいはd33モードで電気機械変換を行って第1および第2の前記端面に形成されている電極間に電圧を発生する、
    ことを特徴とする電流センサ。
  2. 請求項1に記載の電流センサであって、
    前記電極は前記圧電体の上面と下面に形成され、
    前記第1の磁歪体と前記第2の磁歪体は、前記磁界によって互いに逆方向に変形し、
    前記圧電体は、d15モードで機械電気変換を行う、
    ことを特徴とする電流センサ。
  3. 請求項2に記載の電流センサであって、前記第1の端面および第2の端面に形成されている電極は、前記圧電体の長辺方向を二分割するように形成されて一つの圧電体に対して二つの圧電素子が形成されているとともに、当該二つの圧電素子が直列接続されていることを特徴とする電流センサ。
  4. 請求項1に記載の電流センサであって、前記電極は、矩形平板状の前記圧電体の短辺側の縁端面に形成され、前記第1の磁歪体と前記第2の磁歪体は、前記磁界によって同方向に変形することを特徴とする電流センサ。
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