JPWO2010010697A1 - 心筋梗塞のリスク検査法 - Google Patents

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Abstract

確度が高く臨床上有用な心筋梗塞のリスク検査法、それに使用する試薬及びキットを提供することを課題とする。被験者から採取された核酸検体について、rs6546820、rs10191517、rs7560272、rs7604588、rs6718864、rs6706179、rs7573719、rs6720094、rs6740173、rs6748040、rs6546829、rs1881246、rs12996463、rs2178154、rs1528169、rs1406105、rs6749680、rs1246105、rs780395、rs1246096、rs3820700、rs7598660、rs11685372、rs6744697、rs13008860、rs17349804、rs7566315、rs2948441、rs4852937、rs7570014、rs4241256、rs4852940、rs2421588、rs4852951、rs4852959、rs2421669、rs2421581、rs4511748、rs2421574、rs7608328、rs2947845、rs1815028、rs4852978、rs2006997、rs7210、rs11126416、rs2272178、rs12624267、rs2421559、rs2272051、rs2462127、rs3813229、rs6546875又はrs1036113で特定される一塩基多型を検出し、心筋梗塞のリスクを判定・評価する。

Description

本発明は心筋梗塞のリスク検査法、該リスク検査法に利用される試薬及びキットに関する。
心筋梗塞は欧米諸国において最も死亡率の高い疾患であり、たとえ致死的ではないにしても、心不全や狭心症・難治性不整脈を合併し患者の生活の質を著しく低下させるため、これを予防することが重要であることは言うまでもない。心筋梗塞の発症には環境因子のみならず遺伝的因子が大きな影響を及ぼす。心筋梗塞感受性遺伝子を同定できれば、心筋梗塞の予防に多大な貢献をする。これまでに、心筋梗塞との関連が認められる遺伝子座が見出されている(例えば非特許文献1を参照)。また、いくつかの候補遺伝子(アンギオテンシン変換酵素遺伝子、血小板糖タンパクIIIa遺伝子、第7血液凝固因子因子)が同定されている。遺伝子多型を心筋梗塞の診断に利用する試みも行われている。例えば、男性ではコネキシン37遺伝子の多型、NADH/NADPHオキシダーゼp22フォックス遺伝子の多型、女性ではプラスミノーゲン活性化因子インヒビター1遺伝子の多型、ストロメライシン1遺伝子の多型が心筋梗塞発症と強い関連を有することが報告されるとともに、これらの多型が心筋梗塞の診断に有用であることが示されている(特許文献1、非特許文献2)。
特開2004−24036号公報
Am J Hum Genet 74: 262, 2004 New Engl J Med 347: 1916-23, 2002
本発明は、確度が高く臨床上有用な心筋梗塞のリスク検査法、それに使用する試薬及びキットを提供することを課題とする。
生活習慣病の感受性遺伝子は、一般に、疾患発症への寄与があまり高くなく(オッズ比<2)、しかも複数存在するため、その同定は容易でない。さらに、集団での出現頻度が比較的高い遺伝子変異が疾患発症に関与する(common disease common variant hypothesis)とは限らず、出現頻度は低いものの、疾患発症リスクが高い変異も発見されている(common disease rare variant hypothesis)。従って、生活習慣病の感受性遺伝子の同定は、質・量ともに優れた大規模集団を対象として、候補遺伝子関連解析、ゲノムワイド連鎖解析(GWLS)及び大規模ゲノムワイド関連解析(GWAS)を駆使した多面的なアプローチをする必要がある。
本発明者らは、以上の視点に立ち、冠動脈疾患罹患同胞対を対象として、全染色体領域をカバーする405個のマイクロサテライトマーカーを用いたGWLSを実施し、5染色体6領域に候補連鎖領域を認めた。1領域を除く5領域については、これまでに報告のないものであった。この内の3領域(LOD>2.2)に20マーカーを追加、設定し、連鎖領域の確認と狭小化を実施したところ、心筋梗塞特異的な連鎖領域が第2染色体に見出された。次に、当該連鎖領域について高密度SNP関連解析(症例−対照関連解析)を実施した。その結果、ALMS1遺伝子近傍に位置する一群のSNPが有意に関連していることが判明し、心筋梗塞感受性領域の存在が示唆された。これらのSNPは全て一つの連鎖不平衡ブロック内に存在していた。続いて、これらのSNPの一部を用い大規模関連解析を実施した。その結果は、高密度SNP関連解析で見出された領域が心筋梗塞感受性領域であることを支持するものであった。言い換えれば、上記一群のSNPが心筋梗塞感受性遺伝子多型として有用であることが示された。特に、rs6748040は最も低いP値を示し、最も有用であると考えられた。
本発明は、主として以上の成果に基づき完成されたものであり、以下の通りである。
[1]被験者から採取された核酸検体について、米国バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のSNPデータベースにおける登録番号rs6546820、rs10191517、rs7560272、rs7604588、rs6718864、rs6706179、rs7573719、rs6720094、rs6740173、rs6748040、rs6546829、rs1881246、rs12996463、rs2178154、rs1528169、rs1406105、rs6749680、rs1246105、rs780395、rs1246096、rs3820700、rs7598660、rs11685372、rs6744697、rs13008860、rs17349804、rs7566315、rs2948441、rs4852937、rs7570014、rs4241256、rs4852940、rs2421588、rs4852951、rs4852959、rs2421669、rs2421581、rs4511748、rs2421574、rs7608328、rs2947845、rs1815028、rs4852978、rs2006997、rs7210、rs11126416、rs2272178、rs12624267、rs2421559、rs2272051、rs2462127、rs3813229、rs6546875又はrs1036113で特定される一塩基多型を検出するステップを含む、心筋梗塞のリスク検査法。
[2]検出対象の一塩基多型が、rs6748040、rs6740173、rs7604588、rs7573719、rs10191517、rs6706179、rs6546829、rs3820700、rs7560272、rs6718864又はrs7570014で特定される一塩基多型であることを特徴とする、[1]に記載のリスク検査法。
[3]rs6748040で特定される一塩基多型を検出することを特徴とする、[1]に記載のリスク検査法。
[4]以下の(a)又は(b)の基準に従いリスクを判定することを特徴とする、[3]に記載のリスク検査法:
(a)塩基がAのアレルが検出されればリスクが高い;
(b)遺伝子型がA/A型又はG/A型であればリスクが高い。
[5]米国バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のSNPデータベースにおける登録番号rs6546820、rs10191517、rs7560272、rs7604588、rs6718864、rs6706179、rs7573719、rs6720094、rs6740173、rs6748040、rs6546829、rs1881246、rs12996463、rs2178154、rs1528169、rs1406105、rs6749680、rs1246105、rs780395、rs1246096、rs3820700、rs7598660、rs11685372、rs6744697、rs13008860、rs17349804、rs7566315、rs2948441、rs4852937、rs7570014、rs4241256、rs4852940、rs2421588、rs4852951、rs4852959、rs2421669、rs2421581、rs4511748、rs2421574、rs7608328、rs2947845、rs1815028、rs4852978、rs2006997、rs7210、rs11126416、rs2272178、rs12624267、rs2421559、rs2272051、rs2462127、rs3813229、rs6546875又はrs1036113で特定される一塩基多型を検出するための核酸であって、前記多型部位を含む一定領域に相補的な配列を含み、前記領域に対して特異的にハイブリダイズする核酸を含む、心筋梗塞のリスク検査用の試薬。
[6]検出対象の一塩基多型が、rs6748040、rs6740173、rs7604588、rs7573719、rs10191517、rs6706179、rs6546829、rs3820700、rs7560272、rs6718864又はrs7570014で特定される一塩基多型であることを特徴とする、[5]に記載の試薬。
[7]rs6748040で特定される一塩基多型を検出することを特徴とする、[5]に記載の試薬。
[8][5]〜[7]のいずれか一項に記載の試薬を含む、心筋梗塞のリスク検査用のキット。
罹患同胞対連鎖解析の結果。第2染色体における、染色体上の位置(横軸)と多点解析によるLOD値(縦軸)の関係を示す。Aは心筋梗塞患者のみの同胞対、Bは少なくとも1名の心筋梗塞患者を含む同胞対、Cは全対象。 高密度SNP関連解析(アレル検定)の結果。各SNPの染色体上の位置(横軸)及びアレル検定でのP値(縦軸)を左欄に示す。右欄は、本研究で得たLDマップとHaoMapプロジェクトで得られたLDマップの比較である。 アレル検定において低いP値を示したSNPの一覧。多型毎に、多型の番号、染色体上の位置、優性モデルでのP値を示す。 アレル検定において特に低いP値を示したSNPの一覧。多型毎に、多型の番号、染色体上の位置、優性モデルでのP値を示す。 大規模関連解析の結果。高密度SNP関連解析(アレル検定)の結果を基に選択した3個のSNPについてオッズ比及びP値を示した。
(心筋梗塞のリスク検査法)
本発明の第1の局面は心筋梗塞のリスク検査法に関する。本発明において「心筋梗塞のリスク」とは、心筋梗塞を生ずるおそれの程度(易罹患性)をいう。従って、本発明のリスク検査方によれば、心筋梗塞の易罹患性を判定・評価することが可能である。
本発明のリスク検査法では、被験者から採取された核酸検体について、ALMS1遺伝子近傍の一塩基多型(慣例に従い、SNPともいう)を検出する。このように特定のSNPを検出し、検出結果に基づきリスクを判定・評価する。検出対照のSNPの詳細は後述する。
まず、被験者から採取された核酸検体を用意する。本発明では、心筋梗塞のリスク判定を必要とする者(被験者)に由来する核酸検体を使用する。核酸検体は、被験者の血液、唾液、リンパ液、尿、汗、皮膚細胞、粘膜細胞、毛髪等から公知の抽出方法、精製方法を用いて調製することができる。検出対象の多型部位を含むものであれば任意の長さのゲノムDNAを核酸検体として用いることができる。
被験者は特に限定されない。即ち、心筋梗塞のリスク判定が必要な者に対して広く本発明を適用することができる。例えば、心筋梗塞の患者、心筋梗塞に罹患していることが疑われる者、又は健常者が被検者となる。前二者についての判定結果はより適切な治療方針の決定に役立ち、治療効果の向上、患者のQOL(Quality of Life、生活の質)の向上を促す。一方、健常者についての判定結果は心筋梗塞の予防や早期診断に役立つ。即ち、リスクが高いとの情報に基づいて予防的措置や生活習慣の改善等を図れば、心筋梗塞の発生可能性(罹患可能性)を低下させることができる。また、リスクが高いとの情報は心筋梗塞の検診を受診させる契機となり、これによって心筋梗塞の早期診断(早期発見)が可能となる。尚、ここでの「健常者」とは、本発明のリスク検査法を適用する時点において、心筋梗塞に罹患しているとの判断が行われていない者のことをいう。
本発明の適用範囲は日本人に限られない。即ち、日本人以外のモンゴロイドやその他の人種(コーカサイド等)に対しても本発明を適用可能である。但し、遺伝的に近い集団(例えば日本人集団に対して中国人集団や韓国人集団は近い)では多型の種類・頻度が同様の傾向を示すことが多いという事実を考慮すると、本発明における被験者は好ましくはモンゴロイド(日本人、中国人、韓国人など)であり、更に好ましくは日本人である。
本発明では以下の多型のいずれかを検出する。尚、米国バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のSNPデータベースにおける登録番号によって各多型を特定する。括弧内は染色体上の多型位置を示す。
rs6706562(73402295)、rs6546820(73406905)、rs10191517(73411911)、rs7560272(73414993)、rs7604588(73424925)、rs6718864(73428099)、rs6706179(73432085)、rs7573719(73436494)、rs6720094(73441584)、rs6740173(73455774)、rs6748040(73463436)、rs6546829(73467297)、rs1881246(73503630)、rs12996463(73509004)、rs2178154(73515246)、rs1528169(73522694)、rs1406105(73527769)、rs6749680(73539360)、rs1246105(73547668)、rs780395(73554361)、rs1246096(73558596)、rs3820700(73570318)、rs7598660(73593933)、rs11685372(73602969)、rs6744697(73618946)、rs13008860(73627527)、rs17349804(73636668)、rs7566315(73645316)、rs2948441(73679278)、rs4852937(73687592)、rs7570014(73699311)、rs4241256(73707017)、rs4852940(73710510)、rs2421588(73715732)、rs4852951(73723304)、rs4852959(73734109)、rs2421669(73740138)、rs2421581(73743245)、rs4511748(73755999)、rs2421574(73762275)、rs7608328(73767527)、rs2947845(73783864)、rs1815028(73792434)、rs4852978(73796618)、rs2006997(73801354)、rs7210(73810632)、rs11126416(73827385)、rs2272178(73831117)、rs12624267(73840439)、rs2421559(73853162)、rs2272051(73860644)、rs2462127(73902334)、rs3813229(73910072)、rs6546875(73917181)、rs1036113(73924659)
以上の多型は全て一つの連鎖不平衡ブロックの中に存在し、互いに強い連鎖不平衡の関係にある。尚、本発明において用語「多型を検出する」は、用語「多型を解析する」又は用語「アレルを検出する」と置換可能である。多型の検出によって多型位置の状態(即ち、塩基の種類)が明らかとなる。
好ましくは、以上の多型の内、rs6748040(73463436)、rs6740173(73455774)、rs7604588(73424925)、rs7573719(73436494)、rs10191517(73411911)、rs6706179(73432085)、rs6546829(73467297)、rs3820700(73570318)、rs7560272(73414993)、rs6718864(73428099)又はrs7570014(73699311)を検出対照にする。これらの多型は関連解析において特に低いP値を示したものである。従って、当該態様によれば信頼度の一層高いリスク検査が可能となる。以下の通り、これらの多型の位置を添付の配列表に示す。
rs6748040の多型の位置:配列番号1の301番目の塩基
rs6740173の多型の位置:配列番号2の501番目の塩基
rs7604588の多型の位置:配列番号3の301番目の塩基
rs7573719の多型の位置:配列番号4の1510番目の塩基
rs10191517の多型の位置:配列番号5の201番目の塩基
rs6706179の多型の位置:配列番号6の778番目の塩基
rs6546829の多型の位置:配列番号7の301番目の塩基
rs3820700の多型の位置:配列番号8の201番目の塩基
rs7560272の多型の位置:配列番号9の861番目の塩基
rs6718864の多型の位置:配列番号10の594番目の塩基
rs7570014の多型の位置:配列番号11の301番目の塩基
更に好ましくは、rs6748040(73463436)を検出対照にする。当該多型は関連解析において最も低いP値を示したものである。従って、当該態様によれば最大の信頼度が得られる。
ところで、ALMS1遺伝子は、Alstrom症候群の原因遺伝子として同定されたものである。Alstrom症候群は、網膜色素変性症、難聴、肥満及び糖尿病を主徴とする。Alstrom症候群の症状ないし病態として、他に黒色表皮腫、脊柱側弯症、拡張型心筋症、肝疾患、肺線維症、腎不全、高脂血症、甲状腺機能不全などが報告されている。ALMS1遺伝子については複数の多型の存在が報告されているが、これらの多型が特定の疾患に関連するとの報告はない。尚、白色英国人を対象とした解析が行われ、ALMS1遺伝子の多型rs1881245、rs3820700及びrs1320374が2型糖尿病の発症に関与しないとの結論が示されている(Patel, S., J. Minton, et al. (2006). "Common variations in the ALMS1 gene do not contribute to susceptibility to type 2 diabetes in a large white UK population." Diabetologia 49(6): 1209-1213)。
本発明では多型の検出結果、即ち検出されたアレルの種類又はアレルの組合せ(遺伝子型)を基にリスクを判定する。ここでの判定は、その判定基準から明らかな通り、医師や検査技師など専門知識を有する者の判断によらずとも自動的/機械的に行うことができる。
例えば、最も有用性の高い多型rs6748040の場合、Aアレルがリスクアレルであることが判明している(後述の実施例を参照)。そこで、当該多型を検出対象とした場合、好ましくは以下の基準(a)に従ってリスクを判定・評価する。
(a)塩基がAのアレルが検出されればリスクが高い。
一方、アレル検定の結果、当該多型は優勢(Dominant)モデルにおいて極めて低いP値を示した(後述の実施例を参照)。そこで、以下の基準(b)に従ってリスクを判定・評価することにしてもよい。
(b)遺伝子型がA/A型又はG/A型であればリスクが高い。
当該基準を採用する場合、多型の検出結果より遺伝子型(アレルの組合せ)を決定し、遺伝子型に基づきリスクを判定・評価する。具体的には、G/G型(多型位置の塩基がGのアレルのホモ接合型)、G/A型(多型位置の塩基がGのアレルと多型位置の塩基がAのアレルのヘテロ接合型)及びA/A型(多型位置の塩基がAのアレルのホモ接合型)のいずれであるかを決定した後、上記基準(b)に従ってリスクを判定・評価する。
多型の検出法(解析法)は特に限定されるものではなく例えばアレル特異的プライマー(及びプローブ)を用い、PCR法による増幅、及び増幅産物の多型を蛍光又は発光によって検出する方法や、PCR(polymerase chain reaction)法を利用したPCR-RFLP(restriction fragment length polymorphism:制限酵素断片長多型)法、PCR-SSCP(single strand conformation polymorphism:単鎖高次構造多型)法(Orita,M. et al., Proc. Natl. Acad. Sci., U.S.A., 86, 2766-2770(1989)等)、PCR-SSO(specific sequence oligonucleotide:特異的配列オリゴヌクレオチド)法、PCR-SSO法とドットハイブリダイゼーション法を組み合わせたASO(allele specific oligonucleotide:アレル特異的オリゴヌクレオチド)ハイブリダイゼーション法(Saiki, Nature, 324, 163-166(1986)等)、TaqMan(登録商標、Roche Molecular Systems社)-PCR法(Livak, KJ, Genet Anal,14,143(1999),Morris, T. et al., J. Clin. Microbiol.,34,2933(1996))、Invader(登録商標、Third Wave Technologies社)法(Lyamichev V et al., Nat Biotechnol,17,292(1999))、FRET(Fluorescence Resonance Energy Transfer)を利用した方法(Heller, Academic Press Inc, pp. 245-256(1985)、Cardullo et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 85, 8790-8794(1988)、国際公開第99/28500号パンフレット、特開2004-121232号公報など)、ASP-PCR(Allele Specific Primer-PCR)法(国際公開第01/042498号公報など)、プライマー伸長法を用いたMALDI-TOF/MS(matrix)法(Haff LA, Smirnov IP, Genome Res 7,378(1997))、RCA(rolling cycle amplification)法(Lizardi PM et al., Nat Genet 19,225(1998))、DNAチップ又はマイクロアレイを用いた方法(Wang DG et al., Science 280,1077(1998)等)、プライマー伸長法、サザンブロットハイブリダイゼーション法、ドットハイブリダイゼーション法(Southern,E., J. Mol. Biol. 98, 503-517(1975))等、公知の方法を採用できる。さらに、検出対象の多型部位を直接シークエンスすることにしてもよい。尚、これらの方法を任意に組み合わせて多型を検出してもよい。また、PCR法又はPCR法を応用した方法などの核酸増幅法により核酸試料を予め増幅(核酸試料の一部領域の増幅を含む)した後、上記いずれかの検出方法を適用することもできる。
多数の核酸検体を検出する場合にはアレル特異的PCR法、アレル特異的ハイブリダイゼーション法、TaqMan-PCR法、Invader法、FRETを利用した方法、ASP-PCR法、プライマー伸長法を用いたMALDI-TOF/MS(matrix)法、RCA(rolling cycle amplification)法、又はDNAチップ又はマイクロアレイを用いた方法等、多数の検体を比較的短時間で検出可能な検出法を用いることが特に好ましい。
以上の方法では、各方法に応じたプローブやプライマー等の核酸(本発明において「多型検出用核酸」ともいう)が使用される。プローブとして利用される多型検出用核酸の例としては、検出対象の多型位置を含む染色体領域(部分染色体領域)に特異的にハイブリダイズする核酸を挙げることができる。例えば、検出対象の多型がrs6748040であれば、位置73463436を含む染色体領域を標的としてプローブを設計すればよい。ここでの「部分染色体領域」の長さは、例えば16〜500塩基長、好ましくは18〜200塩基長、さらに好ましくは20〜50塩基長である。また、当該核酸は好ましくは部分染色体領域に相補的な配列を有するが、特異的なハイブリダイゼーションに支障のない限り、多少のミスマッチがあってもよい。ミスマッチの程度としては、1〜数個、好ましくは1〜5個、更に好ましくは1〜3個である。ここでの「特異的なハイブリダイゼーション」とは、核酸プローブによる検出の際に通常採用されるハイブリダイゼーション条件(好ましくはストリンジェントな条件)の下、標的の核酸(部分染色体領域)に対してハイブリダイズする一方で、他の核酸との間にクロスハイブリダイゼーションを有意に生じないことを意味する。尚、当業者であれば例えばMolecular Cloning(Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)を参考にしてハイブリダイゼーション条件を容易に設定可能である。
プライマーとして利用される多型検出用核酸の例としては、検出対象の多型位置を含む染色体領域(部分染色体領域)に相補的な配列を有し、当該多型部分を含むDNAフラグメントを特異的に増幅できるように設計された核酸を挙げることができる。プライマーとして利用される多型検出用核酸の他の例として、検出対象の多型部位がいずれかの塩基である場合にのみ当該多型部位を含むDNAフラグメントを特異的に増幅するように設計された核酸セットを挙げることができる。より具体的には、検出対象の多型部位を含むDNAフラグメントを特異的に増幅するように設計された核酸セットであって、多型部位がいずれかの塩基であるアンチセンス鎖の当該多型部位を含む染色体領域(部分染色体領域)に対して特異的にハイブリダイズするセンスプライマーと、センス鎖の一部領域(多型部位の近傍領域)に対して特異的にハイブリダイズするアンチセンスプライマーとからなる核酸セットを例示することができる。ここで、増幅されるDNAフラグメントの長さはその検出に適した範囲で適宜設定され例えば15〜1000塩基長、好ましくは20〜500塩基長、更に好ましくは30〜200塩基長である。
尚、プローブの場合と同様、プライマーとして利用される多型核酸用核酸についても、増幅対象(鋳型)に特異的にハイブリダイズし、目的のDNAフラグメントを増幅することができる限り、鋳型となる配列に対して多少のミスマッチがあってもよい。ミスマッチの程度としては、1〜数個、好ましくは1〜3個、更に好ましくは1〜2個である。
多型検出用核酸(プローブ、プライマー)には、検出法に応じて適宜DNA、RNA、ペプチド核酸(PNA:Peptide nucleic acid:)等が用いられる。多型検出用核酸の塩基長はその機能が発揮される長さであればよく、プローブとして用いられる場合の塩基長の例としては16〜500塩基長、好ましくは18〜200塩基長、さらに好ましくは20〜50塩基長である。他方、プライマーとして用いられる場合の塩基長の例としては10〜50塩基長、好ましくは15〜40塩基長、更に好ましくは15〜30塩基長である。
多型検出用核酸(プローブ、プライマー)はホスホジエステル法など公知の方法によって合成することができる。尚、多型検出用核酸の設計、合成等に関しては成書(例えばMolecular Cloning,Third Edition,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New YorkやCurrent protocols in molecular biology(edited by Frederick M. Ausubel et al., 1987))を参考にすることができる。
本発明における多型検出用核酸を予め標識物質で標識しておくことができる。このような標識化核酸を用いることにより例えば、増幅産物の標識量を指標として多型を検出することができる。また、多型を構成する各遺伝子型の遺伝子における部分DNA領域をそれぞれ特異的に増幅するように設計された2種類のプライマーを互いに異なる標識物質で標識しておけば、増幅産物から検出される標識物質及び標識量によって核酸試料の遺伝子型を判別できる。このような標識化プライマーを用いた検出方法の具体例としては、多型を構成する各遺伝子型のセンス鎖にそれぞれ特異的にハイブリダイズする2種類の核酸プライマー(アレル特異的センスプライマー)をフルオレセインイソチオシアネートとテキサスレッドでそれぞれ標識し、これら標識化プライマーとアンチセンス鎖に特異的にハイブリダイズするアンチセンスプライマーとを用いて多型部位を含む部分DNA領域を増幅し、得られた増幅産物における各蛍光物質の標識量を測定して多型を検出する方法を挙げることができる。尚、ここでのアンチセンスプライマーを例えばビオチンで標識しておけば、ビオチンとアビジンとの特異的な結合を利用して増幅産物の分離を行うことができる。
多型検出用核酸の標識に用いられる標識物質としては7-AAD、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、CyTM 2、DsRED、EGFP、EYFP、FITC、PerCPTM、R-Phycoerythrin、Propidium Iodide、AMCA、DAPI、ECFP、MethylCoumarin、Allophycocyanin(APC)、CyTM 3、CyTM 5、Rhodamine-123、Tetramethylrhodamine、テキサスレッド(Texas Red(登録商標))、PE、PE-CyTM5、PE-CyTM5.5、PE-CyTM7、APC-CyTM7、オレゴングリーン(Oregon Green)、カルボキシフルオレセイン、カルボキシフルオレセインジアセテート、量子ドットなどの蛍光色素、32P、131I、125Iなどの放射性同位元素、ビオチンを例示でき、標識方法としてはアルカリフォスファターゼ及びT4ポリヌクレオチドキナーゼを用いた5'末端標識法、T4 DNAポリメラーゼやKlenow断片を用いた3'末端標識法、ニックトランスレーション法、ランダムプライマー法(Molecular Cloning,Third Edition,Chapter 9,Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York)などを例示できる。
以上の多型検出用核酸を不溶性支持体に固定化した状態で用いることもできる。固定化に使用する不溶性支持体をチップ状、ビーズ状などに加工しておけば、これら固定化核酸を用いて多型の検出をより簡便に行うことができる。
アミノ酸の変化を伴う多型については、遺伝子発現産物であるペプチドないしタンパク質を用いて多型の検出を行うことにしてもよい。この場合、多型部位に対応するアミノ酸を含んでいる限り、発現産物の大きさ(長さ)は特に限定されない。遺伝子発現産物を用いた検出方法としては、多型部位のアミノ酸を直接検出する方法、又は立体構造の変化を利用して免疫学的に分析する方法などが挙げられる。前者としては、例えば、周知のアミノ酸配列分析法(エドマン法を利用した方法)を用いることができる。後者としては、多型を構成するいずれかの遺伝子型を有する遺伝子の発現産物に特異的な結合活性を有する抗体を用いた、ELISA法(酵素結合免疫吸着定量法)、ラジオイムノアッセイ、免疫沈降法、免疫拡散法等などを用いることができる。
標的(多型を構成するいずれかの遺伝子型を有する遺伝子の発現産物)に対する抗体は免疫学的手法、ファージディスプレイ法、リボソームディスプレイ法などを利用して調製することができる。標的に対する抗体はポリクローナルであってもモノクローナルであってもよい。免疫学的手法によるポリクローナル抗体の調製は次の手順で行うことができる。標的(又はその一部)を調製し、これを用いてウサギ等の動物に免疫を施す。標的(又はその一部)としては、生体材料から調製したもの(天然抗原)又は組換え抗原を用いることができる。免疫惹起作用を増強するために、キャリアタンパク質を結合させた抗原を用いてもよい。キャリアタンパク質としてはKLH(Keyhole Limpet Hemocyanin)、BSA(Bovine Serum Albumin)、OVA(Ovalbumin)などが使用される。キャリアタンパク質の結合にはカルボジイミド法、グルタールアルデヒド法、ジアゾ縮合法、MBS(マレイミドベンゾイルオキシコハク酸イミド)法などを使用できる。一方、CD46(又はその一部)を、GST、βガラクトシダーゼ、マルトース結合タンパク、又はヒスチジン(His)タグ等との融合タンパク質として発現させた抗原を用いることもできる。このような融合タンパク質は、汎用的な方法により簡便に精製することができる。
必要に応じて免疫を繰り返し、十分に抗体価が上昇した時点で採血し、遠心処理などによって血清を得る。得られた抗血清をアフィニティー精製し、ポリクローナル抗体とする。
一方、モノクローナル抗体については次の手順で調製することができる。まず、上記と同様の手順で免疫操作を実施する。必要に応じて免疫を繰り返し、十分に抗体価が上昇した時点で免疫動物から抗体産生細胞を摘出する。次に、得られた抗体産生細胞と骨髄腫細胞とを融合してハイブリドーマを得る。続いて、このハイブリドーマをモノクローナル化した後、目的タンパク質に対して高い特異性を有する抗体を産生するクローンを選択する。選択されたクローンの培養液を精製することによって目的の抗体が得られる。一方、ハイブリドーマを所望数以上に増殖させた後、これを動物(例えばマウス)の腹腔内に移植し、腹水内で増殖させて腹水を精製することにより目的の抗体を取得することもできる。上記培養液の精製又は腹水の精製には、プロテインG、プロテインA等を用いたアフィニティークロマトグラフィーが好適に用いられる。また、抗原を固相化したアフィニティークロマトグラフィーを用いることもできる。更には、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、硫安分画、及び遠心分離等の方法を用いることもできる。これらの方法は単独ないし任意に組み合わされて用いられる。
以上の方法で得られたポリクローナル又はモノクローナル抗体は必要に応じて標識化される。標識物質としては7-AAD、Alexa Fluor(登録商標)488、Alexa Fluor(登録商標)350、Alexa Fluor(登録商標)546、Alexa Fluor(登録商標)555、Alexa Fluor(登録商標)568、Alexa Fluor(登録商標)594、Alexa Fluor(登録商標)633、Alexa Fluor(登録商標)647、CyTM 2、DsRED、EGFP、EYFP、FITC、PerCPTM、R-Phycoerythrin、Propidium Iodide、AMCA、DAPI、ECFP、MethylCoumarin、Allophycocyanin(APC)、CyTM 3、CyTM 5、Rhodamine-123、Tetramethylrhodamine、テキサスレッド(Texas Red(登録商標))、PE、PE-CyTM5、PE-CyTM5.5、PE-CyTM7、APC-CyTM7、オレゴングリーン(Oregon Green)、カルボキシフルオレセイン、カルボキシフルオレセインジアセテート、量子ドットなどの蛍光色素、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、マイクロペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ等の酵素、ルミノール、アクリジン色素等の化学又は生物発光化合物、32P、131I、125Iなどの放射性同位元素、ビオチンを例示できる。
(心筋梗塞のリスク検査用試薬及びキット)
本発明の他の局面は、心筋梗塞のリスク検査に用いられる試薬及びキットを提供する。本発明の試薬は、検出対象の多型(rs6546820、rs10191517、rs7560272、rs7604588、rs6718864、rs6706179、rs7573719、rs6720094、rs6740173、rs6748040、rs6546829、rs1881246、rs12996463、rs2178154、rs1528169、rs1406105、rs6749680、rs1246105、rs780395、rs1246096、rs3820700、rs7598660、rs11685372、rs6744697、rs13008860、rs17349804、rs7566315、rs2948441、rs4852937、rs7570014、rs4241256、rs4852940、rs2421588、rs4852951、rs4852959、rs2421669、rs2421581、rs4511748、rs2421574、rs7608328、rs2947845、rs1815028、rs4852978、rs2006997、rs7210、rs11126416、rs2272178、rs12624267、rs2421559、rs2272051、rs2462127、rs3813229、rs6546875又はrs1036113)を検出するための核酸(多型検出用核酸)からなる。
本発明の試薬である多型検出用核酸は、それが適用される検出法(上述したアレル特異的核酸等を用いたPCR法を利用する方法、PCR-RFLP法、PCR-SSCP、TaqMan(登録商標)-PCR法、Invader(登録商標)法等)に応じて適宜設計される。多型検出用核酸の詳細については既述の通りであるが、キットの成分として特に有効である多型rs6748040検出用核酸(又は多型rs6748040検出用核酸のセット)の具体例を以下に示す。
(1)多型rs6748040部位の塩基がGである染色体領域(部分染色体領域)に相補的な配列を有する非標識又は標識核酸
(2)多型rs6748040部位の塩基がAである染色体領域(部分染色体領域)に相補的な配列を有する非標識又は標識核酸
(3)(1)の核酸と(2)の核酸との組合せ
(4)多型rs6748040部位の塩基がGである場合にのみ、該多型部位を含むDNAフラグメントを特異的に増幅するように設計された核酸セット
(5)多型rs6748040部位の塩基がAである場合にのみ、該多型部位を含むDNAフラグメントを特異的に増幅するように設計された核酸セット
(6)(4)の核酸セットと(5)の核酸セットとの組合せ
(7)多型rs6748040部位を含むDNAフラグメントを特異的に増幅するように設計された核酸セットであって、多型rs6748040部位の塩基がGである、当該多型部位を含む染色体領域(部分染色体領域)に対して特異的にハイブリダイズするセンスプライマー、及び/又は多型rs6748040部位の塩基がAである、当該多型部位を含む染色体領域(部分染色体領域)に対して特異的にハイブリダイズするセンスプライマーと、当該部分染色体領域の近傍領域に対して特異的にハイブリダイズするアンチセンスプライマーと、からなる核酸セット
本発明のキットには、本発明の試薬(多型検出用核酸)が含まれる。多型検出用核酸を使用する際(即ち多型検出の際)に必要な試薬(DNAポリメラーゼ、制限酵素、緩衝液、発色試薬など)や容器、器具等を本発明のキットに含めてもよい。尚、通常、本発明のキットには取り扱い説明書が添付される。
致死率の高い生活習慣病である心筋梗塞の発症に関与する遺伝要因、即ち心筋梗塞感受性遺伝子、及び心筋梗塞感受性遺伝子多型を同定することを目的とし、以下の検討を行った。
1.罹患同胞対を用いた連鎖解析
227対457名(心筋梗塞患者312名、冠動脈狭窄患者145名。男性361名。平均年齢65.57±8.89歳)の冠動脈疾患罹患同胞対を用いて連鎖解析を行った。X染色体を除く全染色体領域に亘るマイクロサテライトマーカー405個を設定し(ヘテロ接合性:平均75.6%、マーカー間の距離:平均8.7cM (1.1−26.8cM))、MAPMAKER/SIBS ver.2.1(Kruglyak et al., 1996)を用い、アレル共有度から多点LOD(log odds)値を求めた。尚、常染色体ならば一般にLOD≧2のとき危険率α=0.01で有意となる。
比較的高いLOD値が得られた3領域について、マイクロサテライトマーカーを追加(20個)し、再度多点LOD値を求めた。その結果、心筋梗塞に特異的な領域として2p13.2が同定された(図1)。
2.連鎖領域高密度SNP関連解析及びSNPを用いた連鎖解析
冠動脈疾患罹患同胞対(457名)及び心筋梗塞弧発例(156名(男性107名))並びに対照(502名(男性340名))を用い、連鎖解析で高いLOD値が得られた3領域の中で心筋梗塞に特異的な領域(2p13.2、LOD値は2.326469)を対象に高密度SNP関連解析を行った。具体的には、3072個のSNPを選択し、ピークから1LOD下がる範囲(約24Mb)をIllumina Golden Gate Assayを用いて関連解析した。並行して、罹患同胞対を用いた連鎖解析も行なった。尚、SNPの選択基準は以下の通りとした。
(i)MAF(Minor Allele Frequency:マイナーアレル頻度)>0.1のSNPsを選択する。
(ii)RNAが登録されており、SNPが疎な部分にはMAF>0.05まで域値を下げてSNP追加する。
(iii)隣り合うSNPの間隔が2Kb以下の場合、片方を削除する。
(iv)RNAが登録されていない領域は、SNP密度を下げる。
高密度SNP関連解析(アレル検定)の結果、ALMS1遺伝子近傍の領域に存在する一群のSNP(以下に列挙する)が有意に低いP値を示した(図2左欄)。これらのP値のアレル検定の結果の一部を図3(低いP値を示したSNP)及び図4(特に低いP値を示したSNP)に示す。図3及び4は、全患者(冠動脈疾患罹患同胞対457名と心筋梗塞孤発例156名)を対照と比較する解析パターンを採用し、付加モデル又は優性モデルで有意性を検定した結果を示したものである。最小のP値を示したのはrs6748040であった。また、これらのSNPは連鎖不平衡にあり(一つのLD(連鎖不平衡)ブロック内に存在する)、当該領域に心筋梗塞感受性遺伝子が存在することを示唆した。尚、本研究で得られた当該領域のLDマップは、HapMapプロジェクトのLDマップと高い類似性を示した(図2の右欄)。
(低いp値を示したSNP)
rs6546820、rs10191517、rs7560272、rs7604588、rs6718864、rs6706179、rs7573719、rs6720094、rs6740173、rs6748040、rs6546829、rs1881246、rs12996463、rs2178154、rs1528169、rs1406105、rs6749680、rs1246105、rs780395、rs1246096、rs3820700、rs7598660、rs11685372、rs6744697、rs13008860、rs17349804、rs7566315、rs2948441、rs4852937、rs7570014、rs4241256、rs4852940、rs2421588、rs4852951、rs4852959、rs2421669、rs2421581、rs4511748、rs2421574、rs7608328、rs2947845、rs1815028、rs4852978、rs2006997、rs7210、rs11126416、rs2272178、rs12624267、rs2421559、rs2272051、rs2462127、rs3813229、rs6546875、rs1036113
(特に低いp値を示したSNP)
rs6748040、rs6740173、rs7604588、rs7573719、rs10191517、rs6706179、rs6546829、rs3820700、rs7560272、rs6718864、rs7570014
3.大規模関連解析
心筋梗塞例617名(男性は50歳以下m、女性は65歳以下)、対照(地域一般住民)2983名を用い、前述の解析結果で有意に低いp値が得られた候補遺伝子多型(rs6748040、rs3745368、rs4852937)を大規模関連解析に供した。
解析結果を図5に示す。rs6748040は優性モデル(Dominant)でオッズ比1.59(Aアレルを有する場合のリスクがAアレルを有しない場合のリスクの1.59倍)、P値1.81×10-7を示し、有意かつ強く疾患と関連していることが明らかとなった。このようにrs6748040についてAアレルをもつと心筋梗塞リスクが高くなることが示された。即ち、リスクの判定基準が明らかとなった。尚、他の二つの多型についても有意な関連が認められた(図5)。
以上の結果は、高密度SNP関連解析によって見出された領域が心筋梗塞感受性領域であることを裏付けるとともに、当該領域に存在するSNP(高密度SNP関連解析によって有意に低いP値を示したSNP)が心筋梗塞の易罹患性の判定(心筋梗塞のリスク検査)に有用であることを示す。また、rs6748040が特に有用であることを示す。
本発明のリスク検査法は、心筋梗塞に関して確度が高く臨床上有用なリスク情報(発生可能性に関する情報)を与える。リスク情報は、心筋梗塞の発生可能性の低下、心筋梗塞の予防や早期診断、より適切な治療方針の決定、治療効果の向上、患者のQOL(Quality of Life:生活の質)の向上などに役立つ。また、無駄な医療行為を未然に防止することによる医療経済への貢献も期待される。
この発明は、上記発明の実施の形態及び実施例の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様もこの発明に含まれる。
本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、及び特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。

Claims (8)

  1. 被験者から採取された核酸検体について、米国バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のSNPデータベースにおける登録番号rs6546820、rs10191517、rs7560272、rs7604588、rs6718864、rs6706179、rs7573719、rs6720094、rs6740173、rs6748040、rs6546829、rs1881246、rs12996463、rs2178154、rs1528169、rs1406105、rs6749680、rs1246105、rs780395、rs1246096、rs3820700、rs7598660、rs11685372、rs6744697、rs13008860、rs17349804、rs7566315、rs2948441、rs4852937、rs7570014、rs4241256、rs4852940、rs2421588、rs4852951、rs4852959、rs2421669、rs2421581、rs4511748、rs2421574、rs7608328、rs2947845、rs1815028、rs4852978、rs2006997、rs7210、rs11126416、rs2272178、rs12624267、rs2421559、rs2272051、rs2462127、rs3813229、rs6546875又はrs1036113で特定される一塩基多型を検出するステップを含む、心筋梗塞のリスク検査法。
  2. 検出対象の一塩基多型が、rs6748040、rs6740173、rs7604588、rs7573719、rs10191517、rs6706179、rs6546829、rs3820700、rs7560272、rs6718864又はrs7570014で特定される一塩基多型であることを特徴とする、請求項1に記載のリスク検査法。
  3. 検出対象の一塩基多型が、rs6748040で特定される一塩基多型であることを特徴とする、請求項1に記載のリスク検査法。
  4. 以下の(a)又は(b)の基準に従いリスクを判定することを特徴とする、請求項3に記載のリスク検査法:
    (a)塩基がAのアレルが検出されればリスクが高い;
    (b)遺伝子型がA/A型又はG/A型であればリスクが高い。
  5. 米国バイオテクノロジー情報センター(NCBI)のSNPデータベースにおける登録番号rs6546820、rs10191517、rs7560272、rs7604588、rs6718864、rs6706179、rs7573719、rs6720094、rs6740173、rs6748040、rs6546829、rs1881246、rs12996463、rs2178154、rs1528169、rs1406105、rs6749680、rs1246105、rs780395、rs1246096、rs3820700、rs7598660、rs11685372、rs6744697、rs13008860、rs17349804、rs7566315、rs2948441、rs4852937、rs7570014、rs4241256、rs4852940、rs2421588、rs4852951、rs4852959、rs2421669、rs2421581、rs4511748、rs2421574、rs7608328、rs2947845、rs1815028、rs4852978、rs2006997、rs7210、rs11126416、rs2272178、rs12624267、rs2421559、rs2272051、rs2462127、rs3813229、rs6546875又はrs1036113で特定される一塩基多型を検出するための核酸であって、前記多型部位を含む一定領域に相補的な配列を含み、前記領域に対して特異的にハイブリダイズする核酸を含む、心筋梗塞のリスク検査用の試薬。
  6. 検出対象の一塩基多型が、rs6748040、rs6740173、rs7604588、rs7573719、rs10191517、rs6706179、rs6546829、rs3820700、rs7560272、rs6718864又はrs7570014で特定される一塩基多型であることを特徴とする、請求項5に記載の試薬。
  7. 検出対象の一塩基多型が、rs6748040で特定される一塩基多型であることを特徴とする、請求項5に記載の試薬。
  8. 請求項5〜7のいずれか一項に記載の試薬を含む、心筋梗塞のリスク検査用のキット。
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