JPWO2009153832A1 - 治療台システム - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、粒子線治療装置は大型の加速器から出射される荷電粒子ビームを高エネルギで患部に照射する大型装置で、照射系の関連機器配置は一義的に決定され、粒子線の照射口を備える照射ポートを任意に配置することができない。
このシステムは、複数の医用装置に共通に使用される寝台と、この寝台を3次元方向の1次元方向に移動可能に支持する手段と、寝台の移動をその1次元方向にのみ制御して被検体を複数の医用装置それぞれのアイソセンタに個別に位置決めする手段とを備える。そして、複数の医用装置それぞれのアイソセンタの、残り2次元それぞれの方向の位置は互いに同一に設定されている(例えば、特許文献1参照)。
以下、この発明の実施の形態1による治療台システムを図について説明する。図1(a)、図1(b)は、この発明の実施の形態1による治療台システムの概略構成を示した上面図である。また、図1(a)、図1(b)で示した治療台システムの側面図を図2(a)、図2(b)に示す。特に、図1(a)、図2(a)は治療台5を3次元診断位置に配置した図であり、図1(b)、図2(b)は治療台5を粒子線治療位置に配置した図である。
図に示すように、治療台システムは、被検体である患者1を載置する載置板2と、載置板2を支持すると共に載置板2を移動させて患部Aの位置決めをする患部位置決め機構となる第1の患部位置決め機構3および第2の患部位置決め機構6と、第1の患部位置決め機構3の下層に配置された治療台移動機構4とを備えた治療台5を備える。また、第1、第2の患部位置決め機構3、6および治療台移動機構4を制御する制御部(図示せず)を備える。
第1の患部位置決め機構3の部材3aは、載置板2に対し、ロール調整(図3(a)参照)と、ピッチ調整(図3(b)参照)とを行う。部材3bは、載置板2を部材3aと共に長軸方向に移動させ(図3(b)参照)、部材3cは、載置板2を部材3a、3bと共に短軸方向に移動させる(図3(c)参照)。
治療台5が移動する際、3次元診断装置16は、治療台5の移動を妨げないように後方に退避しているものとする。なお、図1(a)、図1(b)では、照射ポート9が便宜上治療台5に近接しているが、治療台6の回転を妨げない位置で治療室壁面に固定されている。
粒子線治療装置本体は、大型の加速器20と、加速器20から出射される荷電粒子ビームを照射室に導入する輸送系と、供給された荷電粒子ビームである粒子線を患部Aに適正に照射する照射系とを備えて、照射口9aから粒子線を照射する。図2は、加速器20の概略構成を示す図である。図に示すように、加速粒子をイオン源21から荷電粒子ビームとして取り出し、線形加速器22を使って、あるエネルギまで加速した後、入射装置23aから円形軌道に打ち込む。荷電粒子ビームは、円形軌道を周回するたびに加速空洞24を通過し、そのたびに加速されエネルギが増加していく。それに合わせて磁場も増加させ同じ円形軌道を周回するように調整する。そして、最高エネルギに達したとき、取り出し装置23bから円形軌道の外部へ取り出す。
この実施の形態による治療台システムでは、照射ポート9の位置合わせができない粒子線治療装置での粒子線治療を想定して、患部Aを仮想アイソセンタ7に位置決めするため、実際の粒子線治療装置のアイソセンタ8での粒子線治療時に必要な位置決め動作ができる。またこの位置決め動作は、3次元診断装置16による3次元診断を行いつつ、その診断画像に基づいて位置決めするもので、患部Aの3次元形状に基づいて高精度に位置決めできる。また、3次元診断装置16を粒子線治療装置の照射ポート9と干渉することなく配置可能となり、既設の粒子線治療装置にも適用して患部Aを仮想アイソセンタ7に位置決めできる。
この場合、治療台5を粒子線治療装置の治療位置に配置した状態で、例えばレーザポインタなどを用いて光学的に、あるいは第1、第2の患部位置決め機構3、6に備えられた位置検出センサを用いて、アイソセンタ8の位置情報を、機械的、あるいは電子的に記録する。そして、治療台移動機構4により3次元診断装置16の付近に治療台5を配置し、3次元診断装置16の診断可能範囲内に、上記記録されたアイソセンタ8の位置情報に基づいて仮想アイソセンタ7を設定する。この場合、アイソセンタ8と仮想アイソセンタ7とが、治療台5内の回転軸10に対して対称となるように仮想アイソセンタ7を設定する。
以下、この発明の実施の形態2による治療台システムについて図5〜図8に基づいて説明する。
この実施の形態2は、上記実施の形態1と治療台移動機構4が異なる。また、載置板2および第1の患部位置決め機構3は、上記実施の形態1と同様であり、第1の患部位置決め機構3は、載置板2を支持すると共に、長軸方向、短軸方向、長軸方向を軸とした回転方向、および短軸方向を軸とした回転方向の組み合わせにより載置板2を移動させて患部Aの上下方向以外の位置決めをする。なお、載置板2および第1の患部位置決め機構3は、便宜上簡便に図示している。
支持脚6aから成る第2の患部位置決め機構6aは、上下に伸縮することにより載置板2を上下方向に移動させて、患部Aの上下方向の位置決めする機能は上記実施の形態1と同様であるが、幅広の構造となっている。
なお、図5(a)、図5(b)は治療台5を3次元診断位置に配置した図であり、図8(a)、図8(b)は治療台5を粒子線治療位置に配置した図である。また、図6(a)、図6(b)および図7(a)、図7(b)、さらに図8(c)は、治療台5が、3次元診断位置から粒子線治療位置に移動する途中の段階を図示したものである。また、図5(a)、図6(a)、図7(a)、図8(a)は上面図であり、図5(b)、図6(b)、図7(b)、図8(b)、図8(c)は側面図である。
図に示すように、治療台移動機構4は複数部材4c〜4fが高さ方向に階層的に配置されて構成される。なお、部材4cは、支持脚6a上に配置されて上層部材4d〜4fを支持し、これ自体は移動しない。
そして、図5、図8に示すように、粒子線治療位置と3次元診断位置との治療台5の状態は、支持脚6aの中央を軸として180度回転対称で同等の状態となる。これにより治療台5全体が、診断位置と治療位置とで、たわみ、変形などの状態にも変化がなく、患部Aを粒子線治療装置のアイソセンタ8に高精度に位置決めできる。
粒子線治療室の形状や大きさにより、3次元診断装置16の配置は制約されるため、上記実施の形態1、2と、3次元診断装置16の配置が異なる場合を以下に示す。
この実施の形態3は、上記実施の形態1、2と治療台移動機構4内の各部の構成が異なるが、治療台移動機構4の各部の形状や動作は、便宜上省略し、治療台5全体の移動の様子を図9(a)〜図9(c)に基づいて説明する。
なお、図9(a)は治療台5を3次元診断位置に配置した上面図であり、図9(c)は治療台5を粒子線治療位置に配置した上面図である。また、図9(b)は、治療台5が、3次元診断位置から粒子線治療位置に移動する途中の段階を図示したものである。
次に、上記実施の形態1と同様に、患部Aとアイソセンタ8との中間点を通る回転軸10を中心に、治療台5は180度回転され、図9(c)に示す状態となる。これにより、患部Aは、粒子線治療装置のアイソセンタ8の位置に移動され、アイソセンタ8に位置決めされる。
しかしながら、粒子線治療装置は大型の加速器から出射される荷電粒子ビームを高エネルギで患部に照射する大型装置で、照射系の関連機器配置は一義的に決定され、粒子線の照射口を備える照射ポートを任意に配置することができない。
このシステムは、複数の医用装置に共通に使用される寝台と、この寝台を3次元方向の1次元方向に移動可能に支持する手段と、寝台の移動をその1次元方向にのみ制御して被検体を複数の医用装置それぞれのアイソセンタに個別に位置決めする手段とを備える。そして、複数の医用装置それぞれのアイソセンタの、残り2次元それぞれの方向の位置は互いに同一に設定されている(例えば、特許文献1参照)。
加速器から出射される荷電粒子ビームを高エネルギで被検体の患部に照射する粒子線治療に3次元診断を利用する粒子線治療装置の治療台システムにおいて、
上記被検体を載置する載置板と、
上記載置板を支持すると共に上記載置板を移動させることにより、上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めする患部位置決め機構と、
上記患部位置決め機構および上記載置板を備えた治療台を、3次元診断装置の診断位置と上記粒子線治療装置の治療位置との間で移動させる治療台移動機構とを備え、
上記患部位置決め機構は、上記載置板を、長軸方向、短軸方向、上下方向、長軸方向を軸とした回転方向、および短軸方向を軸とした回転方向の組み合わせにより移動させる階層的に配置した複数の部材で構成され、
上記患部位置決め機構は、上記治療台が上記3次元診断装置の診断位置において、上記3次元診断装置のアイソセンタを上記粒子線治療装置の仮想アイソセンタとして、上記粒子線治療装置の粒子線照射口の位置および粒子線照射方向に基づく粒子線治療を想定し、上記3次元診断装置による上記患部の画像に基づいて、上記患部を上記仮想アイソセンタに位置決めし、
上記治療台移動機構は、それぞれ所定方向に互いに独立して回転駆動又は並進駆動される複数部材を備え、
上記治療台移動機構は、上記患部が上記仮想アイソセンタに位置決めされる位置決め時点の上記載置板および上記患部位置決め機構の状態を保持したまま、上記載置板の回転半径が小さくなるよう該各部材を順次駆動し、
上記載置板を上記粒子線治療装置の治療位置に移動させることで上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めすることを特徴とするものである。
以下、この発明の実施の形態1による治療台システムを図について説明する。図1(a)、図1(b)は、この発明の実施の形態1による治療台システムの概略構成を示した上面図である。また、図1(a)、図1(b)で示した治療台システムの側面図を図2(a)、図2(b)に示す。特に、図1(a)、図2(a)は治療台5を3次元診断位置に配置した図であり、図1(b)、図2(b)は治療台5を粒子線治療位置に配置した図である。
図に示すように、治療台システムは、被検体である患者1を載置する載置板2と、載置板2を支持すると共に載置板2を移動させて患部Aの位置決めをする患部位置決め機構となる第1の患部位置決め機構3および第2の患部位置決め機構6と、第1の患部位置決め機構3の下層に配置された治療台移動機構4とを備えた治療台5を備える。また、第1、第2の患部位置決め機構3、6および治療台移動機構4を制御する制御部(図示せず)を備える。
第1の患部位置決め機構3の部材3aは、載置板2に対し、ロール調整(図3(a)参照)と、ピッチ調整(図3(b)参照)とを行う。部材3bは、載置板2を部材3aと共に長軸方向に移動させ(図3(b)参照)、部材3cは、載置板2を部材3a、3bと共に短軸方向に移動させる(図3(c)参照)。
治療台5が移動する際、3次元診断装置16は、治療台5の移動を妨げないように後方に退避しているものとする。なお、図1(a)、図1(b)では、照射ポート9が便宜上治療台5に近接しているが、治療台6の回転を妨げない位置で治療室壁面に固定されている。
粒子線治療装置本体は、大型の加速器20と、加速器20から出射される荷電粒子ビームを照射室に導入する輸送系と、供給された荷電粒子ビームである粒子線を患部Aに適正に照射する照射系とを備えて、照射口9aから粒子線を照射する。図4は、加速器20の概略構成を示す図である。図に示すように、加速粒子をイオン源21から荷電粒子ビームとして取り出し、線形加速器22を使って、あるエネルギまで加速した後、入射装置23aから円形軌道に打ち込む。荷電粒子ビームは、円形軌道を周回するたびに加速空洞24を通過し、そのたびに加速されエネルギが増加していく。それに合わせて磁場も増加させ同じ円形軌道を周回するように調整する。そして、最高エネルギに達したとき、取り出し装置23bから円形軌道の外部へ取り出す。
この実施の形態による治療台システムでは、照射ポート9の位置合わせができない粒子線治療装置での粒子線治療を想定して、患部Aを仮想アイソセンタ7に位置決めするため、実際の粒子線治療装置のアイソセンタ8での粒子線治療時に必要な位置決め動作ができる。またこの位置決め動作は、3次元診断装置16による3次元診断を行いつつ、その診断画像に基づいて位置決めするもので、患部Aの3次元形状に基づいて高精度に位置決めできる。また、3次元診断装置16を粒子線治療装置の照射ポート9と干渉することなく配置可能となり、既設の粒子線治療装置にも適用して患部Aを仮想アイソセンタ7に位置決めできる。
この場合、治療台5を粒子線治療装置の治療位置に配置した状態で、例えばレーザポインタなどを用いて光学的に、あるいは第1、第2の患部位置決め機構3、6に備えられた位置検出センサを用いて、アイソセンタ8の位置情報を、機械的、あるいは電子的に記録する。そして、治療台移動機構4により3次元診断装置16の付近に治療台5を配置し、3次元診断装置16の診断可能範囲内に、上記記録されたアイソセンタ8の位置情報に基づいて仮想アイソセンタ7を設定する。この場合、アイソセンタ8と仮想アイソセンタ7とが、治療台5内の回転軸10に対して対称となるように仮想アイソセンタ7を設定する。
以下、この発明の実施の形態2による治療台システムについて図5〜図8に基づいて説明する。
この実施の形態2は、上記実施の形態1と治療台移動機構4が異なる。また、載置板2および第1の患部位置決め機構3は、上記実施の形態1と同様であり、第1の患部位置決め機構3は、載置板2を支持すると共に、長軸方向、短軸方向、長軸方向を軸とした回転方向、および短軸方向を軸とした回転方向の組み合わせにより載置板2を移動させて患部Aの上下方向以外の位置決めをする。なお、載置板2および第1の患部位置決め機構3は、便宜上簡便に図示している。
支持脚6aから成る第2の患部位置決め機構6aは、上下に伸縮することにより載置板2を上下方向に移動させて、患部Aの上下方向の位置決めする機能は上記実施の形態1と同様であるが、幅広の構造となっている。
なお、図5(a)、図5(b)は治療台5を3次元診断位置に配置した図であり、図8(a)、図8(b)は治療台5を粒子線治療位置に配置した図である。また、図6(a)、図6(b)および図7(a)、図7(b)、さらに図8(c)は、治療台5が、3次元診断位置から粒子線治療位置に移動する途中の段階を図示したものである。また、図5(a)、図6(a)、図7(a)、図8(a)は上面図であり、図5(b)、図6(b)、図7(b)、図8(b)、図8(c)は側面図である。
図に示すように、治療台移動機構4は複数部材4c〜4fが高さ方向に階層的に配置されて構成される。なお、部材4cは、支持脚6a上に配置されて上層部材4d〜4fを支持し、これ自体は移動しない。
そして、図5、図8に示すように、粒子線治療位置と3次元診断位置との治療台5の状態は、支持脚6aの中央を軸として180度回転対称で同等の状態となる。これにより治療台5全体が、診断位置と治療位置とで、たわみ、変形などの状態にも変化がなく、患部Aを粒子線治療装置のアイソセンタ8に高精度に位置決めできる。
粒子線治療室の形状や大きさにより、3次元診断装置16の配置は制約されるため、上記実施の形態1、2と、3次元診断装置16の配置が異なる場合を以下に示す。
この実施の形態3は、上記実施の形態1、2と治療台移動機構4内の各部の構成が異なるが、治療台移動機構4の各部の形状や動作は、便宜上省略し、治療台5全体の移動の様子を図9(a)〜図9(c)に基づいて説明する。
なお、図9(a)は治療台5を3次元診断位置に配置した上面図であり、図9(c)は治療台5を粒子線治療位置に配置した上面図である。また、図9(b)は、治療台5が、3次元診断位置から粒子線治療位置に移動する途中の段階を図示したものである。
次に、上記実施の形態1と同様に、患部Aとアイソセンタ8との中間点を通る回転軸10を中心に、治療台5は180度回転され、図9(c)に示す状態となる。これにより、患部Aは、粒子線治療装置のアイソセンタ8の位置に移動され、アイソセンタ8に位置決めされる。
しかしながら、粒子線治療装置は大型の加速器から出射される荷電粒子ビームを高エネルギで患部に照射する大型装置で、照射系の関連機器配置は一義的に決定され、粒子線の照射口を備える照射ポートを任意に配置することができない。
このシステムは、複数の医用装置に共通に使用される寝台と、この寝台を3次元方向の1次元方向に移動可能に支持する手段と、寝台の移動をその1次元方向にのみ制御して被検体を複数の医用装置それぞれのアイソセンタに個別に位置決めする手段とを備える。そして、複数の医用装置それぞれのアイソセンタの、残り2次元それぞれの方向の位置は互いに同一に設定されている(例えば、特許文献1参照)。
加速器から出射される荷電粒子ビームを高エネルギで被検体の患部に照射する粒子線治療に3次元診断を利用する粒子線治療装置の治療台システムにおいて、
上記被検体を載置する載置板と、
上記載置板を支持すると共に上記載置板を移動させることにより、上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めする患部位置決め機構と、
上記患部位置決め機構および上記載置板を備えた治療台を、3次元診断装置の診断位置と上記粒子線治療装置の治療位置との間で移動させる治療台移動機構とを備え、
上記患部位置決め機構は、上記載置板を、長軸方向、短軸方向、上下方向、長軸方向を軸とした回転方向、および短軸方向を軸とした回転方向の組み合わせにより移動させる階層的に配置した複数の部材で構成され、
上記患部位置決め機構は、上記治療台が上記3次元診断装置の診断位置において、上記3次元診断装置のアイソセンタを上記粒子線治療装置の仮想アイソセンタとして、上記粒子線治療装置の粒子線照射口の位置および粒子線照射方向に基づく粒子線治療を想定し、上記3次元診断装置による上記患部の画像に基づいて、上記患部を上記仮想アイソセンタに位置決めし、
上記治療台移動機構は、それぞれ所定方向に互いに独立して回転駆動又は並進駆動される複数部材を備え、
上記治療台移動機構は、上記患部が上記仮想アイソセンタに位置決めされる位置決め時点の上記載置板および上記患部位置決め機構の状態を保持したまま、上記載置板の回転半径を小さくする為に、上記載置板及び上記患部位置決め機構を、当該載置板の中心が上記治療台移動機構の回転軸に近づくように予め並進移動させてから回転させ、
その後、上記載置板及び上記患部位置決め機構を上記粒子線治療装置の治療位置に並進移動させて上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めすることを特徴とするものである。
以下、この発明の実施の形態1による治療台システムを図について説明する。図1(a)、図1(b)は、この発明の実施の形態1による治療台システムの概略構成を示した上面図である。また、図1(a)、図1(b)で示した治療台システムの側面図を図2(a)、図2(b)に示す。特に、図1(a)、図2(a)は治療台5を3次元診断位置に配置した図であり、図1(b)、図2(b)は治療台5を粒子線治療位置に配置した図である。
図に示すように、治療台システムは、被検体である患者1を載置する載置板2と、載置板2を支持すると共に載置板2を移動させて患部Aの位置決めをする患部位置決め機構となる第1の患部位置決め機構3および第2の患部位置決め機構6と、第1の患部位置決め機構3の下層に配置された治療台移動機構4とを備えた治療台5を備える。また、第1、第2の患部位置決め機構3、6および治療台移動機構4を制御する制御部(図示せず)を備える。
第1の患部位置決め機構3の部材3aは、載置板2に対し、ロール調整(図3(a)参照)と、ピッチ調整(図3(b)参照)とを行う。部材3bは、載置板2を部材3aと共に長軸方向に移動させ(図3(b)参照)、部材3cは、載置板2を部材3a、3bと共に短軸方向に移動させる(図3(c)参照)。
治療台5が移動する際、3次元診断装置16は、治療台5の移動を妨げないように後方に退避しているものとする。なお、図1(a)、図1(b)では、照射ポート9が便宜上治療台5に近接しているが、治療台6の回転を妨げない位置で治療室壁面に固定されている。
粒子線治療装置本体は、大型の加速器20と、加速器20から出射される荷電粒子ビームを照射室に導入する輸送系と、供給された荷電粒子ビームである粒子線を患部Aに適正に照射する照射系とを備えて、照射口9aから粒子線を照射する。図4は、加速器20の概略構成を示す図である。図に示すように、加速粒子をイオン源21から荷電粒子ビームとして取り出し、線形加速器22を使って、あるエネルギまで加速した後、入射装置23aから円形軌道に打ち込む。荷電粒子ビームは、円形軌道を周回するたびに加速空洞24を通過し、そのたびに加速されエネルギが増加していく。それに合わせて磁場も増加させ同じ円形軌道を周回するように調整する。そして、最高エネルギに達したとき、取り出し装置23bから円形軌道の外部へ取り出す。
この実施の形態による治療台システムでは、照射ポート9の位置合わせができない粒子線治療装置での粒子線治療を想定して、患部Aを仮想アイソセンタ7に位置決めするため、実際の粒子線治療装置のアイソセンタ8での粒子線治療時に必要な位置決め動作ができる。またこの位置決め動作は、3次元診断装置16による3次元診断を行いつつ、その診断画像に基づいて位置決めするもので、患部Aの3次元形状に基づいて高精度に位置決めできる。また、3次元診断装置16を粒子線治療装置の照射ポート9と干渉することなく配置可能となり、既設の粒子線治療装置にも適用して患部Aを仮想アイソセンタ7に位置決めできる。
この場合、治療台5を粒子線治療装置の治療位置に配置した状態で、例えばレーザポインタなどを用いて光学的に、あるいは第1、第2の患部位置決め機構3、6に備えられた位置検出センサを用いて、アイソセンタ8の位置情報を、機械的、あるいは電子的に記録する。そして、治療台移動機構4により3次元診断装置16の付近に治療台5を配置し、3次元診断装置16の診断可能範囲内に、上記記録されたアイソセンタ8の位置情報に基づいて仮想アイソセンタ7を設定する。この場合、アイソセンタ8と仮想アイソセンタ7とが、治療台5内の回転軸10に対して対称となるように仮想アイソセンタ7を設定する。
以下、この発明の実施の形態2による治療台システムについて図5〜図8に基づいて説明する。
この実施の形態2は、上記実施の形態1と治療台移動機構4が異なる。また、載置板2および第1の患部位置決め機構3は、上記実施の形態1と同様であり、第1の患部位置決め機構3は、載置板2を支持すると共に、長軸方向、短軸方向、長軸方向を軸とした回転方向、および短軸方向を軸とした回転方向の組み合わせにより載置板2を移動させて患部Aの上下方向以外の位置決めをする。なお、載置板2および第1の患部位置決め機構3は、便宜上簡便に図示している。
支持脚6aから成る第2の患部位置決め機構6aは、上下に伸縮することにより載置板2を上下方向に移動させて、患部Aの上下方向の位置決めする機能は上記実施の形態1と同様であるが、幅広の構造となっている。
なお、図5(a)、図5(b)は治療台5を3次元診断位置に配置した図であり、図8(a)、図8(b)は治療台5を粒子線治療位置に配置した図である。また、図6(a)、図6(b)および図7(a)、図7(b)、さらに図8(c)は、治療台5が、3次元診断位置から粒子線治療位置に移動する途中の段階を図示したものである。また、図5(a)、図6(a)、図7(a)、図8(a)は上面図であり、図5(b)、図6(b)、図7(b)、図8(b)、図8(c)は側面図である。
図に示すように、治療台移動機構4は複数部材4c〜4fが高さ方向に階層的に配置されて構成される。なお、部材4cは、支持脚6a上に配置されて上層部材4d〜4fを支持し、これ自体は移動しない。
そして、図5、図8に示すように、粒子線治療位置と3次元診断位置との治療台5の状態は、支持脚6aの中央を軸として180度回転対称で同等の状態となる。これにより治療台5全体が、診断位置と治療位置とで、たわみ、変形などの状態にも変化がなく、患部Aを粒子線治療装置のアイソセンタ8に高精度に位置決めできる。
粒子線治療室の形状や大きさにより、3次元診断装置16の配置は制約されるため、上記実施の形態1、2と、3次元診断装置16の配置が異なる場合を以下に示す。
この実施の形態3は、上記実施の形態1、2と治療台移動機構4内の各部の構成が異なるが、治療台移動機構4の各部の形状や動作は、便宜上省略し、治療台5全体の移動の様子を図9(a)〜図9(c)に基づいて説明する。
なお、図9(a)は治療台5を3次元診断位置に配置した上面図であり、図9(c)は治療台5を粒子線治療位置に配置した上面図である。また、図9(b)は、治療台5が、3次元診断位置から粒子線治療位置に移動する途中の段階を図示したものである。
次に、上記実施の形態1と同様に、患部Aとアイソセンタ8との中間点を通る回転軸10を中心に、治療台5は180度回転され、図9(c)に示す状態となる。これにより、患部Aは、粒子線治療装置のアイソセンタ8の位置に移動され、アイソセンタ8に位置決めされる。
Claims (10)
- 加速器から出射される荷電粒子ビームを高エネルギで被検体の患部に照射する粒子線治療に3次元診断を利用する粒子線治療装置の治療台システムにおいて、
上記被検体を載置する載置板と、
上記載置板を支持すると共に上記載置板を移動させることにより、上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めする患部位置決め機構と、
上記患部位置決め機構および上記載置板を備えた治療台を、3次元診断装置の診断位置と上記粒子線治療装置の治療位置との間で移動させる治療台移動機構とを備え、
上記患部位置決め機構は、上記治療台が上記3次元診断装置の診断位置において、上記3次元診断装置のアイソセンタを上記粒子線治療装置の仮想アイソセンタとして、上記粒子線治療装置の粒子線照射口の位置および粒子線照射方向に基づく粒子線治療を想定し、上記3次元診断装置による上記患部の画像に基づいて、上記患部を上記仮想アイソセンタに位置決めし、
上記治療台移動機構は、上記患部が上記仮想アイソセンタに位置決めされる位置決め時点の上記載置板および上記患部位置決め機構の状態を保持して、上記粒子線治療装置の治療位置に移動させることで上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めすることを特徴とする治療台システム。 - 上記患部位置決め機構を複数の部材で構成し、該各部材を駆動して、上記載置板を、長軸方向、短軸方向、上下方向、長軸方向を軸とした回転方向、および短軸方向を軸とした回転方向の組み合わせにより移動させることにより、上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタあるいは上記仮想アイソセンタに位置決めすることを特徴とする請求項1に記載の治療台システム。
- 上記患部位置決め機構と上記治療台移動機構とは、互いに独立して駆動されることを特徴とする請求項1に記載の治療台システム。
- 上記治療台移動機構は、上記治療台の高さを保持して2次元で移動させるもので、上記患部位置決め機構は、該患部位置決め機構の内、上下方向以外に駆動される部材は、上記治療台移動機構の上層に配置することを特徴とする請求項2に記載の治療台システム。
- 上記治療台移動機構は、上記粒子線治療装置の治療位置での状態を、上記位置決め時点での状態と同等にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療台システム。
- 上記治療台移動機構の状態とは、その形状、および上記治療台に基づく相対的位置であることを特徴とする請求項5に記載の治療台システム。
- 上記治療台移動機構は、それぞれ所定方向に互いに独立して駆動される複数部材を階層的に配置して備え、該各部材を順次駆動して状態を変化させた後、復帰させることを特徴とする請求項5に記載の治療台システム。
- 上記治療台移動機構の上記複数部材は、並進駆動される部材と回転駆動される部材とを含むことを特徴とする請求項7に記載の治療台システム。
- 上記3次元診断装置による診断可能範囲内に上記仮想アイソセンタを設定する手段を備え、上記患部の画像は、上記3次元診断装置のアイソセンタを上記仮想アイソセンタに重ねて行う診断画像であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療台システム。
- 上記患部位置決め機構は、X線撮像装置による上記患部の画像に基づいて該患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めすることを可能とし、上記患部位置決め機構の位置決め情報を保持する手段を備え、上記治療台が記粒子線治療装置の治療位置において、上記保持した位置決め情報に基づいて上記患部を上記粒子線治療装置のアイソセンタに位置決めした後、上記X線撮像装置による上記患部の画像に基づいて上記患部の位置決めを補正することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の治療台システム。
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