JPWO2009151116A1 - 非アルコール性脂肪肝炎の予防/改善・治療薬 - Google Patents

非アルコール性脂肪肝炎の予防/改善・治療薬 Download PDF

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Abstract

NASHの安全で効果の高い予防/改善または治療薬およびその使用方法の提供。ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを第1成分、並びに、(a)ビグアナイド系血糖降下薬、(b)NSAIDs、(c)HMG−CoA還元酵素阻害薬、および(d)ARBからなる群から選ばれる少なくとも1つの第2成分を有効成分として併用する、NASHの予防/改善または治療薬およびその使用方法。

Description

本発明は、非アルコール性脂肪性肝疾患、特に非アルコール性脂肪肝炎の予防/改善または治療薬およびその使用方法を提供する。
ウィルス性肝疾患、自己免疫疾患性肝疾患、ヘマクロトーシスやWilson病等の代謝性肝疾患などを除外して、飲酒歴のない人に発生する単純脂肪肝から脂肪性肝炎、線維症、肝硬変までの肝障害を含む疾患群は、一括して非アルコール性脂肪性肝疾患(non-alcoholic fatty liver desease:以下、NAFLDと記す)と定義される。NAFLDは、さらに、肝生検(病理所見)により、一般に予後良好と考えられている単純性脂肪肝と、予後不良な非アルコール性脂肪肝炎(non-alcoholic steatohepatitis:以下、NASHと記す)とに分類され、NASHは、NAFLDの重症型と考えられている。肝生検によりNASHと判定される炎症、脂肪化、線維化ないし肝硬変、肝がんの病態は、他因と同じであり、アルコール性肝障害、ウィルス性肝炎や薬剤性肝障害の否定できる肝炎の多くがNASHの病態であろうと推定される(非特許文献1参照)。
米国では、人口の20%がNAFLD、3%がNASHであるとされる。日本でも一般診療においても比較的頻繁に遭遇する疾患であり、検診受診者におけるNAFLDの頻度は8%であり、NASHの頻度は少なくとも成人の0.5〜1%と推定される。日本では、BMI≧25の成人肥満者が、男性で1300万人、女性で1000万人いることから、国内のNAFLDは500〜600万人、NASHは約30〜50万人と推定される。また、NAFLDでのメタボリックシンドローム(以下、MetSと記す)診断基準に基づく、脂質代謝異状の合併頻度は約50%、高血圧の合併頻度は約30%、高血糖の合併頻度は約30%、MetSの合併頻度は約40%であり(非特許文献1参照)、生活習慣病の増加に伴い、今後、NASHの症例数の増加ならびに低年層への拡大が予想される。さらに肝炎を経て一部は星状細胞活性化による肝硬変、あるいは肝がんへの進行が臨床的な問題である。
イコサペント酸(以下、EPAと記す)ないし魚油のNASH・NAFLDに対する投与の報告例がある。たとえば、ω3多価不飽和脂肪酸(以下、PUFAsと記す)、具体的にはイコサペント酸エチル(以下、EPA−Eと記す)とドコサヘキサエン酸エチル(以下、DHA−Eと記す)との2種混合系によるNAFLD患者における肝炎の改善(非特許文献2参照)がある。また、Tanakaらの最新の報告では、高純度EPA−Eを2700mg/日、12ヶ月間投与し、アスパルテートアミノトランスフェレース(以下、ASTと記す)、ALT酵素観察、炎症性サイトカイン、酸化ストレスマーカー評価ならびに投与観察期間後の肝生検により、NASHを改善することが示される(非特許文献3参照)。
日本肝臓学会の「NASH・NAFLDの診察ガイド」(非特許文献1)には、種々の病態改善を目指したNASHの治療方法が試みられ、その有効性が報告されているが、確立した治療法がないのが現状であることが記載されている。具体的には、ビグアナイド薬(メトホルミン)、PPAR−γアゴニストのチアゾリジン誘導体(ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)などのインスリン抵抗性改善薬;ビタミン、ベタイン(コリン誘導体)、N−アセチルシステインなどの抗酸化剤;フィブラート系薬剤(PPAR−αアゴニスト)、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬(以下、HMG−CoA還元酵素阻害薬と記す)(スタチン)、プロブコールなどの高脂血症治療薬;ウルソデオキシコール酸、ポリエンホスファチジルコリン(EPL)などの肝庇護剤;ロサルタンなどのアンジオテンシンII受容体拮抗薬(以下、ARBと記す)などが記載される。
上記文献以外にも、インスリン抵抗性がNASHにおける重要な役割を担うとして、NASHの治療薬として、インスリン抵抗性改善作用を有するビグアナイド系血糖降下薬のメトホルミン(Metformin)を記載する。NASH患者に1500mg/日で4ヶ月間経口投与すると、血清アラニンアミノトランスフェレース(以下、ALTと記す)値が有意に減少し、乳酸値は有意に上昇したことが報告されている(非特許文献4参照)。
ビグアナイド系血糖降下薬はグアニジン基を2つ結合させた化合物で古くから糖尿病治療剤として使用されている。肥満を有する2型糖尿病に対して第一選択薬となるが、副作用として消化器症状がしばしば見られ、まれに重篤な副作用として乳酸アシドーシスや遅延性の低血糖をきたすことがあり、使用上の注意が必要な薬剤とされている。
一方、非ステロイド性抗炎症薬(以下、NSAIDsと記す)であるアセチルサリチル酸(アスピリン)はプロスタグランジンの生合成阻害による解熱・鎮痛・消炎・抗血小板作用を有し、解熱・鎮痛薬や血栓・塞栓形成の抑制薬として使用されている。サリチル酸系薬剤の副作用として、胃腸障害、過敏症、過量投与による耳鳴り・難聴などが報告されており、特に消化性潰瘍の既往のある患者、肝障害又はその既往歴のある患者やアスピリン喘息などの過敏症の既往歴のある患者には禁忌とされている(非特許文献5)。また、上記「NASH・NAFLDの診察ガイド」には、アスピリンは脂肪性肝炎(小滴性脂肪肝)の原因薬剤であることが記載されている。
HMG−CoA還元酵素阻害薬はコレステロール生合成系の律速酵素であるHMG−CoA還元酵素を特異的かつ拮抗的に阻害し、血清コレステロールを低下させることから、抗高脂血症剤として使用されている。重大な副作用として横紋筋融解症が報告されており、肝臓障害や腎障害またはそれらの既往歴のある患者やフィブラート系薬剤やニコチン酸を投与中の患者で横紋筋融解症が現れやすく、慎重投与することとされている。例えば、筋肉痛や血清クレアチンホスホキナーゼ(以下、CPKと記す)上昇は横紋筋融解症の前駆症状の可能性があるので、観察を十分に行い、必要に応じ投与を中止することとされている(非特許文献6)。HMG−CoA還元酵素阻害薬であるプラバスタチンをNASH患者に20mg/日で6ヵ月間経口投与すると、血清ALT値と肝組織所見が改善がすることが知られている(非特許文献7)。
ARBは主にアンジオテンシンII受容体サブタイプ1に結合し、生理的昇圧物質のアンジオテンシンIIに対して拮抗することで降圧作用をあらわし、抗高血圧剤として使用されている。両側性腎動脈狭窄のある患者では急速に腎機能を悪化させる恐れがあること、一過性の血圧低下でショック症状を起こす恐れがあること等が報告されており、特に腎機能障害や肝機能障害のある患者では血清クレアチニンをモニターしながら慎重に投与することとされている(非特許文献8)。高血圧を合併したNASH患者にARBであるロサルタンを50mg/日で48週間経口投与すると、ALT、IV型コラーゲンやフェリチンが改善することが知られている(非特許文献9)。
薬剤併用系としては、NASHなどの脂肪肝の治療に、フィブラートまたはチアゾリジン誘導体と、ω3PUFAsとの併用をする提案がある(特許文献1参照)。この併用系では、フィブラート併用系におけるPPAR−αの過剰活性、チアゾリジン誘導体併用系における肝毒性および基礎試験においてPPAR−γは脂肪肝を悪化させる問題点を有する。
2型糖尿病及び糖尿病に関連する疾患および状態の予防、進行の遅延または治療に使用するための脂肪酸とアミノ酸を含有する組成物における任意成分としてのメトホルミンとの併用がある(特許文献2参照)。
炎症の予防・治療に使用するためのPUFAsとアスピリンとの併用をする提案があるが、肝炎に関する記載はない(特許文献3参照)また、心血管と治療剤としてω3脂肪酸とアセチルサリチル酸とを含有する配合剤の提案がある(特許文献4)。
NAFLD・NASH治療目的におけるω3PUFAsと他の薬剤との併用は上記特許文献1以外に知られていない。
国際公開第2007/081773号パンフレット 特開2006−520335号公報 国際公開第2001/060778号パンフレット 欧州特許出願公開第1352648号明細書
日本肝臓学会編「NASH・NAFLDの診察ガイド」文光堂出版、2006年8月22日 Aliment Pharmacol Ther.,2006年4月15日,23(8):1143−51 J Clin Gastroenterol,2008年,42(4):413−418 Lancet, 2001年, 358, 893−894 アスピリン「バイエル」添付文書、バイエル薬品株式会社、2006年 メバロチン(登録商標)錠添付文書、第一三共株式会社、2007年 Atherosclerosis, 2004年,174:193−196 ニューロタン(登録商標)錠添付文書、萬有製薬株式会社、2007年 Hepatology, 2004年,40(5):1222−1225
本発明は、NAFLD、特にNASHの予防/改善・治療ならびにさらに重篤な肝硬変/肝癌への進行を抑制するための、安全性が高く、有効性に優れ、使いやすい、NASHの予防/改善または治療薬およびその使用方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ω3PUFAsと特定の薬剤とを併用すると、それぞれの単独投与時には見られなかった安全性や格別に顕著な効果を見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明で提供するNAFLD・NASHの予防/改善または治療薬は、第1の有効成分としてのω3PUFAsと、ビグアナイド系血糖降下薬、NSAIDs、HMG−CoA還元酵素阻害薬、ARBからなる群から選ばれる少なくとも1つの第2の有効成分とを含む。具体的には、以下の発明を提供する。
(1)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを第1成分、並びに、
(a)ビグアナイド系血糖降下薬、
(b)NSAIDs、
(c)HMG−CoA還元酵素阻害薬、および
(d)ARB
からなる群から選ばれる少なくとも1つを第2成分を有効成分として併用する、NASHの予防/改善または治療薬。
(2)上記第1成分がEPA、ドコサヘキサエン酸(以下、DHAと記す)、α−リノレン酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(1)に記載の予防/改善または治療薬。
(3)上記第1成分として、EPA−Eおよび/またはDHA−Eを含有する上記(1)に記載の予防/改善または治療薬。
(4)上記第1成分として、EPA−Eを含有する上記(1)に記載の予防/改善または治療薬。
(5)上記第1成分および第2成分を併用した治療効果が、併用の場合と同じ用量の第1成分または第2成分を単独で用いて得られる治療効果の和よりも大きい上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(6)上記第1成分および第2成分の配合剤である上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(7)上記第1成分を有効成分として含有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、上記第2成分を投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(8)上記第2成分を有効成分として含有する上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、上記第1成分を投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(9)上記第1成分を、上記第2成分を投与される患者に投与することで、上記第1成分、並びに、上記第2成分を併用する上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(10)上記第2成分を、上記第1成分を投与される患者に投与することで、上記第1成分、並びに、上記第2成分を併用する上記(1)ないし(6)および(8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(11)上記第1成分および上記第2成分の別個の製剤からなるキットである上記(1)ないし(5)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(12)上記第1成分を投与する工程、および上記第2成分を投与する工程を含む、NASHを予防/改善または治療するための方法。
(13)前記2つの投与工程を同時に行う上記(12)に記載の方法。
(14)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(12)に記載の方法。
(15)画像検査(超音波、CT、MRIなど)、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、Tissue Inhibitor of Metalloproteinases-1(以下、TIMP−1と記す)等)により測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT、AST/ALT比、遊離脂肪酸(以下、FFAと記す)、アディポネクチン、腫瘍壊死因子α(以下、TNFαと記す)、高感度C反応性蛋白(以下、CRPと記す)や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)、インスリン抵抗性指標(homeostasis model assessment of insulin resistance、以下、HOMA−IRと記す)改善からなる群から選ばれる少なくとも1つの値を測定してその値が正常範囲内になるまで、投与を継続する上記(12)に記載の方法。
(16)上記第1成分を投与する工程、および上記第2成分を投与する工程を含む、該第2成分による副作用を軽減するための方法。
(17)前記2つの投与工程を同時に行う上記(16)に記載の方法。
(18)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(16)に記載の方法。
(19)血漿中乳酸値を測定してその値が正常範囲を超えた場合に、血漿中乳酸値が正常範囲内になるまでビグアナイド系血糖降下薬の投与量を減少させる、ビグアナイド系血糖降下薬を休薬させる、およびω3PUFAsの投与量を増加させるからなる群から選ばれる少なくとも1つを行う上記(16)に記載の方法。
上記のような本発明における第一の態様として、第2成分が(a)ビグアナイド系血糖降下薬である態様が挙げられ、このω3PUFAs(第1成分)とビグアナイド系血糖降下薬との併用系は、それぞれの単独投与時には見られなかった安全性や格別に顕著な効果を示す。すなわち、本発明で提供するNAFLD・NASHの予防/改善または治療薬の第一の態様は、有効成分としてω3PUFAsとビグアナイド系血糖降下薬とを含む。第一の態様をより具体的に以下に示す。
(1-1)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ビグアナイド系血糖降下薬を有効成分として併用するNASHの予防/改善または治療薬。
(1-2)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA、DHA、α−リノレン酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(1-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(1-3)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eおよび/またはDHA−Eを含有する上記(1-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(1-4)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eを含有する上記(1-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(1-5)ビグアナイド系血糖降下薬がメトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(1-1)ないし(1-4)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-6)ビグアナイド系血糖降下薬がメトホルミン塩酸塩あるいはブホルミン塩酸塩である上記(1-1)ないし(1-5)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-7)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eおよび/またはDHA−Eであり、かつ、ビグアナイド系血糖降下薬がメトホルミン塩酸塩あるいはブホルミン塩酸塩である上記(1-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(1-8)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eであり、かつ、ビグアナイド系血糖降下薬がメトホルミン塩酸塩である上記(1-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(1-9)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびビグアナイド系血糖降下薬を併用した治療効果が併用の場合と同じ用量のω3PUFAsまたはビグアナイド系血糖降下薬を単独で用いて得られる治療効果の和よりも大きい上記(1-1)ないし(1-8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-10)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびビグアナイド系血糖降下薬の配合剤である上記(1-1)ないし(1-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-11)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する上記(1-1)ないし(1-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、ビグアナイド系血糖降下薬を投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(1-12)ビグアナイド系血糖降下薬を有効成分として含有する上記(1-1)ないし(1-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(1-13)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を、ビグアナイド系血糖降下薬を投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ビグアナイド系血糖降下薬を併用する上記(1-1)ないし(1-11)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-14)ビグアナイド系血糖降下薬を、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ビグアナイド系血糖降下薬を併用する上記(1-1)ないし(1-10)および(1-12)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-15)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびビグアナイド系血糖降下薬の別個の製剤からなるキットである上記(1-1)ないし(1-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-16)有効成分として、肝庇護剤、血糖降下剤、高脂血症治療薬、降圧剤、抗酸化剤、抗炎症剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物をさらに併用する上記(1-1)ないし(1-15)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(1-17)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびビグアナイド系血糖降下薬を投与する工程を含む、NASHを予防/改善または治療するための方法。
(1-18)前記2つの投与工程を同時に行う上記(1-17)に記載の方法。
(1-19)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(1-17)に記載の方法。
(1-20)画像検査(超音波、CT、MRIなど)、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)により測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT、AST/ALT比、FFA、アディポネクチン、TNFα、高感度CRPや血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)、HOMA−IR改善からなる群から選ばれる少なくとも1つの値を測定してその値が正常範囲内になるまで、投与を継続する上記(1-17)に記載の方法。
(1-21)ビグアナイド系血糖降下薬が、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(1-17)ないし(1-20)のいずれかに記載の方法。
(1-22)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびビグアナイド系血糖降下薬を投与する工程を含む、ビグアナイド系血糖降下薬による副作用を軽減するための方法。
(1-23)前記2つの投与工程を同時に行う上記(1-22)に記載の方法。
(1-24)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(1-22)に記載の方法。
(1-25)血漿中乳酸値を測定してその値が正常範囲を超えた場合に、血漿中乳酸値が正常範囲内になるまでビグアナイド系血糖降下薬の投与量を減少させる、ビグアナイド系血糖降下薬を休薬させる、およびω3PUFAsの投与量を増加させるからなる群から選ばれる少なくとも1つを行う上記(1-22)に記載の方法。
(1-26)ビグアナイド系血糖降下薬が、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(1-22)ないし(1-25)のいずれかに記載の方法。
ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ビグアナイド系血糖降下薬の併用により、安全で効果の高いNASHの予防/改善または治療薬およびその使用方法を提供することができる。
具体的には、各々単独で使用した場合に比べて相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。特に、HOMA−IR改善やアディポネクチン増強、TNFαなどのアディポサイトカイン増加抑制、FFA減少において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。
ビグアナイド系血糖降下薬の最も重篤な副作用である乳酸アシドーシスは、肝機能障害や心不全、心筋梗塞、肺塞栓などの心血管系、肺機能に高度の障害のある患者で起こしやすく、投与禁忌とされている。また、重篤な遅延性の低血糖を起こすことがあり、日常診療で問題となる主な副作用として消化器症状(食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛など)がある。これらの理由から、投与量の制限や慎重投与などの使用上の注意が必要な薬剤とされている。本発明により各々の薬剤、特にビグアナイド系血糖降下薬の服薬量を低減することができ、乳酸アシドーシスや遅延性の低血糖などの副作用を軽減することができる。また、副作用のためにビグアナイド系血糖降下薬投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
また、配合剤やキット剤とすることで患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスを高めることで更に予防/改善または治療効果を高めることができる。
また、上記のような本発明における第二の態様として、第2成分が(b)NSAIDsである態様が挙げられ、このω3PUFAs(第1成分)とNSAIDsとの併用系は、それぞれの単独投与時には見られなかった安全性や格別に顕著な効果を示す。すなわち、本発明で提供するNAFLD・NASHの予防/改善または治療薬の第二の態様は、有効成分としてω3PUFAsとNSAIDs、特にアセチルサリチル酸とを含む。第二の態様をより具体的に以下に示す。
(2-1)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、NSAIDsを有効成分として併用するNASHの予防/改善または治療薬。
(2-2)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA、DHA、α−リノレン酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(2-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(2-3)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eおよび/またはDHA−Eを含有する上記(2-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(2-4)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eを含有する上記(2-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(2-5)NSAIDsがアセチルサリチル酸(アスピリン)、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである上記(2-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(2-6)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eおよび/またはDHA−Eであり、かつ、NSAIDsがアセチルサリチル酸(アスピリン)である上記(2-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(2-7)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eであり、かつ、NSAIDsがアセチルサリチル酸(アスピリン)である上記(2-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(2-8)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つおよびアセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを併用した治療効果が併用の場合と同じ用量のω3PUFAsおよびアセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを単独で用いて得られる治療効果の和よりも大きい上記(2-1)ないし(2-7)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(2-9)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびNSAIDsから選ばれる少なくとも1つの化合物の配合剤である上記(2-1)ないし(2-8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(2-10)3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する上記(2-1)ないし(2-8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、NSAIDsを投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(2-11)NSAIDsから選ばれる少なくとも1つを有効成分として含有する上記(2-1)ないし(2-8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(2-12)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を、NSAIDsを投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、NSAIDsから選ばれる少なくとも1つを併用する上記(2-1)ないし(2-10)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(2-13)NSAIDsから選ばれる少なくとも1つを、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、NSAIDsから選ばれる少なくとも1つを併用する上記(2-1)ないし(2-9)および(2-11)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(2-14)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびNSAIDsから選ばれる少なくとも1つの別個の製剤からなるキットである上記(2-1)ないし(2-8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(2-15)有効成分として、肝庇護剤、血糖降下剤、高脂血症治療薬、降圧剤、抗酸化剤、抗炎症剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物をさらに併用する上記(2-1)ないし(2-14)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(2-16)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびNSAIDsを投与する工程を含む、NASHを予防/改善または治療するための方法。
(2-17)前記2つの投与工程を同時に行う上記(2-16)に記載の方法。
(2-18)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(2-16)に記載の方法。
(2-19)画像検査(超音波、CT、MRIなど)、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)により測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT、AST/ALT比、アディポネクチン、TNFα、高感度CRPや血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)、HOMA−IR改善からなる群から選ばれる少なくとも1つの値を測定してその値が正常範囲内になるまで、投与を継続する上記(2-16)に記載の方法。
(2-20)NSAIDsがアセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである上記(2-16)ないし(2-19)のいずれかに記載の方法。
(2-21)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびNSAIDsを投与する工程を含む、NSAIDsによる副作用を軽減するための方法。
(2-22)前記2つの投与工程を同時に行う上記(2-21)に記載の方法。
(2-23)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(2-21)に記載の方法。
(2-24)血漿中ALT値を測定してその値が正常範囲を超えた場合に、血漿中ALT値が正常範囲内になるまでNSAIDsの投与量を減少させる、NSAIDsを休薬させる、およびω3PUFAsの投与量を増加させるからなる群から選ばれる少なくとも1つを行う上記(2-21)に記載の方法。
(2-25)NSAIDsがアセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである上記(2-21)ないし(2-24)のいずれかに記載の方法。
ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、NSAIDs、特にアセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの併用により、安全で効果の高いNASHの予防/改善または治療薬およびその使用方法を提供することができる。
具体的には、アセチルサリチル酸単独で使用した場合はNASHの予防/改善または治療効果は十分認められないにもかかわらず、ω3PUFAsとアセチルサリチル酸を併用すると、ω3PUFAs単独で使用した場合に比べて優れたNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。特に、血中好中球数増加抑制、TNFα、インターロイキン(以下、ILと記す)などのアディポサイトカイン増加抑制、フェリチン、チオレドキシンなどの酸化マーカー増加抑制、高感度CRP増加抑制において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。
アセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの重篤な副作用としてアスピリン喘息が知られており、アスピリン過敏症の既往歴のある患者や消化性潰瘍の既往のある患者、肝障害又はその既往歴のある患者には投与禁忌とされている。また、過量投与による耳鳴り・難聴や日常診療で問題となる主な副作用として胃腸障害、肝機能障害(AST、ALT等の上昇)、出血などがある。これらの理由から、投与量の制限や慎重投与などの使用上の注意が必要な薬剤とされている。本発明により各々の服薬量を低減することができ、アスピリン過敏症、耳鳴り・難聴や胃腸障害などの副作用を軽減することができる。また、副作用のためにアセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つによる投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。特に、狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害、冠動脈バイパス術あるいは経皮経管冠動脈形成術施行患者などアセチルサリチル酸の継続投与が必要な患者において有用性が高い。
また、配合剤やキット剤とすることで患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスを高めることで更に予防/改善または治療効果を高めることができる。
また、上記のような本発明における第三の態様として、第2成分が(c)HMG−CoA還元酵素阻害薬である態様が挙げられ、このω3PUFAs(第1成分)とHMG−CoA還元酵素阻害薬との併用系は、それぞれの単独投与時には見られなかった安全性や格別に顕著な効果を示す。すなわち、本発明で提供するNAFLD・NASHの予防/改善または治療薬の第三の態様は、有効成分としてω3PUFAsとHMG−CoA還元酵素阻害薬とを含む。第三の態様をより具体的に以下に示す。
(3-1)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、HMG−CoA還元酵素阻害薬を有効成分として併用するNASHの予防/改善または治療薬。
(3-2)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA、DHA、α−リノレン酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(3-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(3-3)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eおよび/またはDHA−Eを含有する上記(3-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(3-4)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eを含有する上記(3-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(3-5)HMG−CoA還元酵素阻害薬が、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、セリバスタチン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(3-1)ないし(3-4)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-6)HMG−CoA還元酵素阻害薬が、プラバスタチンナトリウム塩、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、あるいはロスバスタチンカルシウム塩である上記(3-1)ないし(3-5)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-7)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eおよび/またはDHA−Eであり、かつ、HMG−CoA還元酵素阻害薬がプラバスタチンナトリウム塩、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、あるいはロスバスタチンカルシウム塩である上記(3-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(3-8)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eであり、かつ、HMG−CoA還元酵素阻害薬がプラバスタチンナトリウム塩、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、あるいはロスバスタチンカルシウム塩である上記(3-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(3-9)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびHMG−CoA還元酵素阻害薬を併用した治療効果が併用の場合と同じ用量のω3PUFAsまたはHMG−CoA還元酵素阻害薬を単独で用いて得られる治療効果の和よりも大きい上記(3-1)ないし(3-8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-10)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびHMG−CoA還元酵素阻害薬の配合剤である上記(3-1)ないし(3-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-11)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する上記(3-1)ないし(3-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、HMG−CoA還元酵素阻害薬を投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(3-12)HMG−CoA還元酵素阻害薬を有効成分として含有する上記(3-1)ないし(3-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(3-13)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を、HMG−CoA還元酵素阻害薬を投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、HMG−CoA還元酵素阻害薬を併用する上記(3-1)ないし(3-11)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-14)HMG−CoA還元酵素阻害薬を、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、HMG−CoA還元酵素阻害薬を併用する上記(3-1)ないし(3-10)および(3-12)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-15)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびHMG−CoA還元酵素阻害薬の別個の製剤からなるキットである上記(3-1)ないし(3-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-16)有効成分として、肝庇護剤、血糖降下剤、高脂血症治療薬、降圧剤、抗酸化剤、抗炎症剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物をさらに併用する上記(3-1)ないし(3-15)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(3-17)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびHMG−CoA還元酵素阻害薬を投与する工程を含む、NASHを予防/改善または治療するための方法。
(3-18)前記2つの投与工程を同時に行う上記(3-17)に記載の方法。
(3-19)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(3-17)に記載の方法。
(3-20)画像検査(超音波、CT、MRIなど)、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)により測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT、AST/ALT比、アディポネクチン、TNFα、高感度CRPや血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)、HOMA−IR改善からなる群から選ばれる少なくとも1つの値を測定してその値が正常範囲内になるまで、投与を継続する上記(3-17)に記載の方法。
(3-21)HMG−CoA還元酵素阻害薬が、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、セリバスタチン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(3-17)ないし(3-20)のいずれかに記載の方法。
(3-22)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびHMG−CoA還元酵素阻害薬を投与する工程を含む、HMG−CoA還元酵素阻害薬による副作用を軽減するための方法。
(3-23)前記2つの投与工程を同時に行う上記(3-22)に記載の方法。
(3-24)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(3-22)に記載の方法。
(3-25)血清CPK値を測定してその値が正常範囲を超えた場合に、血清CPK値が正常範囲内になるまでHMG−CoA還元酵素阻害薬の投与量を減少させる、HMG−CoA還元酵素阻害薬を休薬させる、およびω3PUFAsの投与量を増加させるからなる群から選ばれる少なくとも1つを行う上記(3-22)に記載の方法。
(3-26)HMG−CoA還元酵素阻害薬が、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、セリバスタチン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(3-22)ないし(3-25)のいずれかに記載の方法。
ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、HMG−CoA還元酵素阻害薬の併用により、安全で効果の高いNASHの予防/改善または治療薬およびその使用方法を提供することができる。
具体的には、各々単独で使用した場合に比べて相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。特に、HOMA−IR改善、TNFα、ILなどのアディポサイトカインや高感度CRPの改善、繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)改善において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。
HMG−CoA還元酵素阻害薬の重大な副作用である横紋筋融解症は、肝臓障害や腎障害またはそれらの既往歴のある患者やフィブラート系薬剤やニコチン酸を投与中の患者で現れやすく、慎重投与とされている。本発明により各々の薬剤、特にHMG−CoA還元酵素阻害薬の服薬量を低減することができ、横紋筋融解症などの副作用を軽減することができる。また、副作用のためにHMG−CoA還元酵素阻害薬投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
また、配合剤やキット剤とすることで患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスを高めることで更に予防/改善または治療効果を高めることができる。
また、上記のような本発明における第四の態様として、第2成分が(d)ARBである態様が挙げられ、このω3PUFAs(第1成分)とARBとの併用系は、それぞれの単独投与時には見られなかった安全性や格別に顕著な効果を示す。すなわち、本発明で提供するNAFLD・NASHの予防/改善または治療薬の第四の態様は、有効成分としてω3PUFAsとARBとを含む。第四の態様をより具体的に以下に示す。
(4-1)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ARBを有効成分として併用するNASHの予防/改善または治療薬。
(4-2)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA、DHA、α−リノレン酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(4-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(4-3)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eおよび/またはDHA−Eを含有する上記(4-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(4-4)前記ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルとして、EPA−Eを含有する上記(4-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(4-5)ARBが、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(4-1)ないし(4-4)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(4-6)ARBが、バルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタンシレキセチルあるいはオルメサルタンメドキソミルである上記(4-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(4-7)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eおよび/またはDHA−Eであり、かつ、ARBがバルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタンシレキセチルあるいはオルメサルタンメドキソミルである上記(4-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(4-8)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルがEPA−Eであり、かつ、ARBがバルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタンシレキセチルあるいはオルメサルタンメドキソミルである上記(4-1)に記載の予防/改善または治療薬。
(4-9)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびARBを併用した治療効果が併用の場合と同じ用量のω3PUFAsまたはARBを単独で用いて得られる治療効果の和よりも大きい上記(4-1)ないし(4-8)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(4-10)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびARBの配合剤である上記(4-1)ないし(4-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(4-11)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を有効成分として含有する上記(4-1)ないし(4-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、ARBを投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(4-12)ARBを有効成分として含有する上記(4-1)ないし(4-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬であって、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与される患者のNASHの予防/改善または治療薬。
(4-13)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を、ARBを投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ARBを併用する上記(4-1)ないし(4-11)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(4-14)ARBを、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物を投与される患者に投与することで、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ARBを併用する上記(4-1)ないし(4-10)および(4-12)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(4-15)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物およびARBの別個の製剤からなるキットである上記(4-1)ないし(4-9)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(4-16)有効成分として、肝庇護剤、血糖降下剤、高脂血症治療薬、降圧剤、抗酸化剤、抗炎症剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物をさらに併用する上記(4-1)ないし(4-15)のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
(4-17)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびARBを投与する工程を含む、NASHを予防/改善または治療するための方法。
(4-18)前記2つの投与工程を同時に行う上記(4-17)に記載の方法。
(4-19)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(4-17)に記載の方法。
(4-20)画像検査(超音波、CT、MRIなど)、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)により測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT、AST/ALT比、アディポネクチン、TNFα、高感度CRPや血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)、HOMA−IR改善からなる群から選ばれる少なくとも1つの値を測定してその値が正常範囲内になるまで、投与を継続する上記(4-17)に記載の方法。
(4-21)ARBが、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(4-17)ないし(4-20)のいずれかに記載の方法。
(4-22)ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つを投与する工程、およびARBを投与する工程を含む、ARBによる副作用を軽減するための方法。
(4-23)前記2つの投与工程を同時に行う上記(4-22)に記載の方法。
(4-24)前記2つの投与工程を別々の時期に行う上記(4-22)に記載の方法。
(4-25)血清クレアチニン値を測定してその値が正常範囲を超えた場合に、血清クレアチニン値が正常範囲内になるまでARBの投与量を減少させる、ARBを休薬させる、およびω3PUFAsの投与量を増加させるからなる群から選ばれる少なくとも1つを行う上記(4-22)に記載の方法。
(4-26)ARBが、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である上記(4-22)ないし(4-25)のいずれかに記載の方法。
ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ、並びに、ARBの併用により、安全で効果の高いNASHの予防/改善または治療薬およびその使用方法を提供することができる。
具体的には、各々単独で使用した場合に比べて相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。特に、高血圧やメタボリックシンドロームを併発しているNASH患者など、HOMA−IR改善や繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1など)において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。
ARBは、両側性腎動脈狭窄のある患者では急速に腎機能を悪化させる恐れがあること、一過性の血圧低下でショック症状を起こす恐れがあること等が報告されており、特に腎機能障害や肝機能障害のある患者には慎重に投与することとされている。本発明により各々の服薬量を低減することができ、腎機能障害、肝機能障害や一過性の血圧低下によるショック症状などの副作用を軽減することができる。また、副作用のためにARB投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
また、配合剤やキット剤とすることで患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスを高めることで更に予防/改善または治療効果を高めることができる。
本発明の、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの第1成分、並びに、(a)ビグアナイド系血糖降下薬、(b)NSAIDs、(c)HMG−CoA還元酵素阻害薬、および(d)ARBからなる群から選ばれる少なくとも1つの第2成分を有効成分として併用する、NASHの予防/改善または治療薬は、各々単独で使用した場合に比べて相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。また、本発明により各有効成分を単独で使用する場合の投与量を減少させることが可能である。また、配合剤やキット剤とすることで患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスを高めることで更に予防/改善または治療効果を高めることができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つ(第1成分)、並びに、ビグアナイド系血糖降下薬、NSAIDs、HMG−CoA還元酵素阻害薬、ARBからなる群より選ばれる少なくとも1つ(第2成分)を有効成分として併用する、NASHの予防/改善または治療薬およびその使用方法である。すなわち、本発明の予防/改善または治療薬は、有効成分の、第1成分、並びに、第2成分を、組み合わせて用いる組み合わせ薬およびその使用方法である。
本発明において予防とは、疾患の発症を予防することのみでなく、発症時期を遅延させることおよび発症率を低下させることも含む。
本発明において改善とは、疾患の何らかのパラメーターを改善することのみでなく、患者の自覚症状や生活の質(Quality of life)を改善することを含む。また、本発明において治療とは、既に疾患を発症した患者に薬物を投与することのみでなく、疾患を発症するリスクの高い患者に薬物を投与する予防的治療も含む。
<第1成分>
多価不飽和脂肪酸(PUFAs)は、分子内に複数の炭素−炭素二重結合を有する脂肪酸と定義され、二重結合の位置により、ω3、ω6などに分類される。ω3PUFAsとしては、α−リノレン酸、EPA、DHAなどが例示される。
本発明で用いられる「PUFAs」の語は、特に断らない限りは、多価不飽和脂肪酸だけでなく、その製薬上許容される塩、あるいはエステル、アミド、リン脂質、グリセリドなどの多価不飽和脂肪酸誘導体も含む意味で用いられる。
本発明で用いられるω3PUFAsは、合成品、半合成品または天然品のいずれでもよく、これらを含有する天然油の形態でもよい。ここで、天然品とは、ω3PUFAsを含有する天然油から公知の方法によって抽出されたもの、粗精製されたもの、あるいはそれらを更に高度に精製したものを意味する。半合成品は、微生物などにより産生された多価不飽和脂肪酸を含み、また該多価不飽和脂肪酸あるいは天然の多価不飽和脂肪酸にエステル化、エステル交換等の化学処理を施したものも含まれる。本発明では、ω3PUFAsとして、これらのうちの1種を単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明では、ω3PUFAsとして、具体的には、EPA、DHA、α−リノレン酸およびこれらの製薬学上許容しうる塩およびエステルが例示される。製薬学上許容しうる塩およびエステルは、ナトリウム塩、カリウム塩などの無機塩基、ベンジルアミン塩、ジエチルアミン塩などの有機塩基、アルギニン塩、リジン塩などの塩基性アミノ酸との塩およびエチルエステル等のアルキルエステルやモノ−、ジ−およびトリ−グリセリド等のエステルが例示される。好ましくはエチルエステルであり、特にEPA−Eおよび/またはDHA-Eが好ましい。
ω3PUFAsの純度は特に限定されないが、通常、本剤組成物の全脂肪酸中のω3PUFAsの含量として、好ましくは25質量%以上、さらに好ましくは50質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、より好ましくは85質量%以上であり、とりわけ好ましくは本剤組成物がω3PUFAs以外の他の脂肪酸成分を実質的に含まない態様である。例えば、EPA−EおよびDHA−Eを用いる場合、EPA−E/DHA−Eの組成比および全脂肪酸中のEPA−E+DHA−Eの含量比は特に問わないが、好ましい組成比として、EPA−E/DHA−Eは、0.8以上であることが好ましく、更に好ましくは、1.0以上、より好ましくは、1.2以上である。EPA−E+DHA−Eは高純度のもの、例えば、全脂肪酸およびその誘導体中のEPA−E+DHA−E含量比が40質量%以上のものが好ましく、55質量%以上のものがさらに好ましく、84質量%以上のものがさらに好ましく、96.5質量%以上のものが更に好ましい。他の長鎖飽和脂肪酸含量は少ないことが好ましく、長鎖不飽和脂肪酸でもω6系、特にアラキドン酸含量は少ないことが望まれ、2質量%未満が好ましく、1質量%未満がさらに好ましい。
本発明の予防/改善または治療薬に用いられるEPA−Eおよび/またはDHA−Eは、魚油あるいは魚油の濃縮物に比べ、飽和脂肪酸やアラキドン酸等の心血管イベントに対して好ましくない不純物が少なく、栄養過多やビタミンA過剰摂取の問題もなく作用効果を発揮することが可能である。また、エステル体のため主にトリグリセリド体である魚油等に比べて酸化安定性が高く、通常の酸化防止剤添加により十分安定な組成物を得ることが可能である。
このEPA−Eは、日本において、閉塞性動脈硬化症(ASO)および高脂血症治療薬として入手可能な高純度EPA−E(96.5質量%以上)含有軟カプセル剤(商品名エパデール:持田製薬社製)を用いることができる。また、EPA−EとDHA−Eの混合物は、たとえば、米国で高TG血症治療薬として市販されているロバザ(Lovaza:グラクソ・スミス・クライン:EPA−E約46.5質量%、DHA−E約37.5質量%含有する軟カプセル剤)を使用することもできる。
ω3PUFAsとして、精製魚油も使用できる。また、ω3PUFAsのモノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリドまたはこれらの組合せなども好ましい態様の一つである。例えばインクロメガ(lncromega)F2250、F2628、E2251、F2573、TG2162、TG2779、TG2928、TG3525およびE5015(クローダ インターナショナル ピーエルシー (Croda International PLC, Yorkshire, England))、および EPAX6000FA、EPAX5000TG、EPAX4510TG、EPAX2050TG、EPAX7010EE、K85TG、K85EEおよびK80EE (プロノバ バイオファーマ(Pronova Biopharma, Lysaker, Norway) )などの種々のω3PUFAs、その塩およびエステルを含有する製品が市販されており、これらを入手して使用することもできる。
<第2成分>
(a)ビグアナイド系血糖降下薬
本発明において、ビグアナイド系血糖降下薬は、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン及びその製薬学上許容しうる塩が例示され、好ましくはメトホルミン塩酸塩、ブホルミン塩酸塩が例示され、さらに好ましくはメトホルミン塩酸塩が例示される。本発明においてビグアナイド系血糖降下薬とは、特に断らない限りは、上記のような塩も含む意味で用いられる。
なお、メトホルミン塩酸塩はメルビン(登録商標)錠(大日本住友製薬株式会社)として、ブホルミン塩酸塩はジベトンS錠(ゼリア新薬工業株式会社)として日本で市販されおり、また、徐放化された錠剤としてGlucophage XR(登録商標) (Bristol Mayer Squibb)、Fortamet(登録商標)(Andrx Labs)などがアメリカで市販されており、これらを入手して使用することもできる。副作用軽減の観点で上記のような徐放化錠を使用することがより好ましい。
上記のようなω3PUFAsおよびビグアナイド系血糖降下薬併用の本発明薬剤において、好ましい態様は、EPA−Eおよび/またはDHA−Eとメトホルミン塩酸塩および/またはブホルミン塩酸塩との組合せであり、特に好ましい態様は、EPA−Eとメトホルミン塩酸塩との組合せである。
(b)非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
本発明において、NSAIDsは、アセチルサリチル酸、サリチル酸のようなサリチル酸誘導体、インドメタシン、ジクロフェナク、イブプロフェン、ケトプロフェン、ナプロキセン、ピロキシカムなどが例示され、好ましくはアセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルである。アセチルサリチル酸の製薬学上許容しうる塩およびエステルは、ナトリウム塩、カリウム塩などの無機塩基、ベンジルアミン塩、ジエチルアミン塩などの有機塩基、アルギニン塩、リジン塩などの塩基性アミノ酸との塩およびエチルエステル等のアルキルエステル、サリチル酸とのエステルであるアセチルサリチルサリチル酸が例示される。本発明においてアセチルサリチル酸とは、特に断らない限りは、上記のような塩およびエステルも含む意味で用いられる。好ましくはアセチルサリチル酸が例示される。
なお、アセチルサリチル酸は例えばアスピリン「バイエル」、耐酸性フィルムコーティングし腸溶錠としたバイアスピリン(登録商標)錠(バイエル薬品株式会社)、あるいはダイアルミネート(アルミニウムグリシネートおよび炭酸マグネシウム)などの制酸剤を添加したバッファリン81mg錠(ライオン株式会社)として日本で市販されおり、また、徐放化された錠剤として8-Hour Bayer (Bayer)、Measurin(Bayer)などがアメリカで市販されており、これらを入手して使用することもできる。副作用軽減の観点で上記のような腸溶錠、制酸剤を添加した製剤や徐放化錠を使用することがより好ましい。また、抗炎症・鎮痛作用を示す用量より少ない、例えば抗血小板作用を示す低用量で本発明の効果を示すことが期待され、その場合は、バイアスピリン(登録商標)錠100mgやバッファリン81mg錠などを使用することが好ましい。
上記のようなω3PUFAsおよびアセチルサリチル酸併用の本発明薬剤において、好ましい態様は、EPA−Eおよび/またはDHA−Eとアセチルサリチル酸との組合せであり、特に好ましい態様は、EPA−Eとアセチルサリチル酸との組合せである。
(c)HMG−CoA還元酵素阻害薬
本発明において、HMG−CoA還元酵素阻害薬は、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、セリバスタチン、LCP-AtorFen(LifeCycle Pharma)、RBx-10558(Ranbaxy Laboratories)、Carvastatin(東菱薬品、NCX-6560 (NicOx)および及びその製薬学上許容しうる塩およびエステルが例示される。好ましくはロバスタチン、プラバスタチンナトリウム塩、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、ロスバスタチンカルシウム塩、ピタバスタチンカルシウム塩、セリバスタチンナトリウム塩が例示され、さらに好ましくはプラバスタチンナトリウム塩、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、ロスバスタチンカルシウム塩が例示される。本発明においてHMG−CoA還元酵素阻害薬とは、特に断らない限りは、上記のような塩も含む意味で用いられる。
なお、ロバスタチンはMevacor(登録商標)錠(Merck)として、プラバスタチンナトリウム塩はメバロチン(登録商標)錠(第一三共株式会社)として、シンバスタチンはリポバス(登録商標)錠(萬有製薬株式会社)として、フルバスタチンナトリウム塩はローコール(登録商標)錠(ノバルティス ファーマ株式会社)として、アトルバスタチンカルシウム水和物リピトール(登録商標)錠(アステラス製薬株式会社)として、ロスバスタチンカルシウム塩はクレストール(登録商標)錠(アストラゼネカ株式会社)として、あるいはピタバスタチンカルシウム塩はリバロ(登録商標)錠(興和株式会社)として市販されており、これらを入手して使用することもできる。また、副作用軽減の観点では、米国で市販されているフルバスタチンナトリウム塩の徐放化錠であるLescol(登録商標) XL錠(Novartis)を使用することも好ましい。また、高脂血症剤であるナイアシン徐放剤との配合剤としてAdvicor(登録商標)錠(Kos Pharmaceuticals)、Simcor(登録商標) 錠(Abbott)が、エゼチミブとの配合剤としてVytrin(登録商標)錠(Merck/Schering-Plough Pharmaceuticals)が、カルシウム拮抗剤としてアムロジピンとの配合剤であるCaduet(登録商標) 錠(Pfizer Labs)が市販されており、重症な高脂血症や高血圧を併発しているNASH患者の場合、これらを入手して使用することも好ましい。
上記のようなω3PUFAsおよびHMG−CoA還元酵素阻害薬併用の本発明薬剤において、好ましい態様は、EPA−Eおよび/またはDHA−Eとロバスタチン、プラバスタチンナトリウム塩、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、ロスバスタチンカルシウム塩、ピタバスタチンカルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物との組合せであり、特に好ましい態様は、EPA−Eとプラバスタチンナトリウム塩、シンバスタチン、フルバスタチンナトリウム塩、アトルバスタチンカルシウム水和物、ロスバスタチンカルシウム塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物との組合せである。
(d)アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)
本発明において、ARBは、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、アリサルタン(Allisartan, Allist Pharmaceutical)、アジルサルタン(Azilsartan)、TAK−491およびTAK−591(以上、武田薬品工業)、CYT−006−AngQb(Cytos Biotechnology)、PS−433540(Bristol-Myers Squibb Pharmaceutical)、VNP−489(Novartis)、CR−3834(Rottapharm)、EK−112(National Taiwan University)、LY−285434(Eli Lilly)、サプリサルタン(Glaxo Group Research)および及びその製薬学上許容しうる塩およびエステルが例示される。好ましくはロサルタンカリウム塩、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタンメシレート、カンデサルタンシレキセチル、テルミサルタン、あるいはオルメサルタンメドキソミルが例示され、さらに好ましくはバルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタンシレキセチルあるいはオルメサルタンメドキソミルが例示される。本発明においてARBとは、特に断らない限りは、上記のような塩も含む意味で用いられる。
なお、ロサルタンカリウム塩はニューロタン(登録商標)錠(萬有製薬株式会社)として、バルサルタンはディオバン(登録商標)錠(ノバルティスファーマ株式会社)として、イルベサルタンはイルベタン(登録商標)錠(塩野義製薬株式会社)あるいはAvapro(登録商標)錠(Sanofi Synthelabo)として、エプロサルタンメシレートはTeveten(登録商標)錠(Smithkline Beecham Pharmaceuticals)として、カンデサルタンシレキセチルはブロプレス(登録商標)錠(武田薬品工業株式会社)として、テルミサルタンはミカルディス(登録商標)錠(日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社)として、あるいはオルメサルタンメドキソミルはオルメテック(登録商標)錠(第一三共株式会社)として市販あるいは市販予定であり、これらを入手して使用することもできる。また、利尿剤であるヒドロクロロチアジドとの配合剤として、Atacand(登録商標)HCT (Astrazeneca)、Avalide(登録商標) (Sanifi Synthelabo)、Benicar(登録商標)HCT (Daiichi Sankyo)、Diovan(登録商標)HCT (Novartis)、Hyzzar(登録商標) (Merck)、Micardis(登録商標)HCT (Boehringer Ingelheim)、Teveten(登録商標)HCT (Smithkline Beecham Pharmaceuticals)が、カルシウム拮抗剤であるアムロジピンとの配合剤として、Azor(登録商標) (Daiichi Sankyo)、Exforge(登録商標) (Novartis)が市販されており、高血圧を合併するNASH患者の場合、これらを入手して使用することも好ましい。
上記のようなω3PUFAsおよびARB併用の本発明薬剤において、好ましい態様は、EPA−Eおよび/またはDHA−Eとロサルタンカリウム塩、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタンメシレート、カンデサルタンシレキセチル、テルミサルタンおよびオルメサルタンメドキソミルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物との組合せであり、特に好ましい態様は、EPA−Eとバルサルタン、イルベサルタン、カンデサルタンシレキセチルおよびオルメサルタンメドキソミルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物との組合せである。
<併用の形態>
本発明において、有効成分の「併用」とは、有効成分を組合せて用いることであり、第1成分および第2成分を共に含む配合剤として投与すること、および、第1成分と第2成分とがそれぞれ別個の製剤として同時期にもしくは時間差をおいて別々に投与されることを含む。「別個の製剤として同時期にもしくは時間差をおいて別々に投与される」態様には、(1)第1成分を投与される患者に、第2成分を有効成分として含有する組成物を投与する態様、および、(2)第2成分を投与される患者に、第1成分有効成分として含有する組成物を投与する態様が含まれる。また、「併用」とは必ずしも患者の体内、例えば血中において同時に存在する場合に限られないが、本発明において「併用」とは、いずれか一方の薬剤の作用・効果が患者の体内に発現している状態で他方の薬剤を投与する使用態様をいう。本発明の予防/改善または治療薬を用いてNAFLDもしくはNASHに関連する疾患の予防/改善または治療効果が得られるような使用態様である。好ましくは、患者の体内、例えば血中において同時に存在する使用態様が望ましく、また好ましくは、患者に対して、一方の薬剤を投与してから24時間以内に他方の薬剤を投与する使用態様が好ましい。
本発明の予防/改善または治療薬における併用の形態は、特に限定されず、有効成分が組み合わされていればよい。このような薬剤の形態としては、例えば(1)有効成分を同時製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)有効成分を別々に製剤化して得られる2種類の製剤を組合せてキットとし、または組み合わせないで別々に用意し、同一投与経路での同時投与に使用する。(3)有効成分を別々に製剤化して得られる2種類の製剤を組合せてキットとし、または組み合わせないで別々に用意し、同一投与経路で時間差をおいて投与する。(4)有効成分を別々に製剤化して得られる2種類の製剤を組合せてキットとし、または組み合わせないで別々に用意し、異なる投与経路(同一患者の異なる部位から投与する)で同時に投与する。(5)有効成分を別々に製剤化して得られる2種類の製剤を組合せてキットとし、または組み合わせないで別々に用意し、異なる投与経路(同一患者の異なる部位から投与する)で時間差をおいて投与する。
これらの時間差をおいて投与する場合は、例えば、第1成分と第2成分の順序での投与、または逆の順序での投与がある。同時に投与する場合、投与経路が同一であれば投与直前に両薬剤を混合してもよく、別々に投与しても良い、また種々の目的で計画的に投与時期をずらして用いることができる。具体的な例としては、一方の薬剤を投与し、その効果が発現し始める時期もしくは十分に発現している間に、他方の薬剤を投与して作用させる方法がある。
また、一方の薬剤、特に第2成分を徐放化して1日1〜2回投与とし、他方の薬剤、特に第1成分を1日複数回、例えば2ないし3回投与としてもよいし、同様に1日1〜2回投与としてもよい。両薬ともに1日1〜2回投与、さらには1日1〜2回同時投与あるいは配合剤とすれば、患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスが向上して予防/改善・治療効果および副作用軽減効果も増すことが期待され、好ましい。また、例えば、両薬剤を投与し、その効果が発現し始める時期もしくは十分発現している時期に、一方の薬剤の投薬を中止する方法がある。
薬剤の投薬を中止する場合には、段階的に薬剤の用量を減量してもよい。また、例えば、一方の薬剤の休薬期間に他方の薬剤を投与する方法が挙げられる。
本発明のNASHの予防/改善または治療薬には、有効成分として少なくとも第1成分および第2成分の1種ずつを併用した治療効果が得られる態様で使用すれば、その使用態様は制限されない。たとえば、第1成分および第2成分のみを使用することを特徴とするもの、すなわち、第1成分と、第2成分とを組み合わせてなるNASHの予防/改善または治療薬のほか、さらに他の有効成分を組み合わせて使用するNASHの予防/改善または治療薬も含まれる。
望ましくは、第1成分および第2成分を併用した治療効果が、併用の場合と同じ用量の第1成分および第2成分を個々に用いて得られる治療効果の和よりも大きな効果を得られる態様が好ましい。ここでの治療効果とは、NAFLDもしくはNASHに関連する疾患の予防/改善または治療効果あるいは肝硬変や肝癌への進行抑制であれば、特に限定されないが、例えば、第2成分がビグアナイド系血糖降下薬である第一の態様においては、画像検査(超音波、CT、MRIなど)、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)により測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT値の減少、AST/ALT比の減少、アディポネクチンの増加、TNFα減少、高感度CRPの減少、FFAの減少や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)の減少、HOMA−IR改善などが例示され、好ましくはアディポネクチンの増加、TNFαの減少やHOMA−IR改善が例示される。
また、第二の態様では、例えば、上記画像検査、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカーにより測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT値の減少、AST/ALT比の減少、アディポネクチンの増加、TNFαやILの減少、高感度CRPの減少や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)の減少、好中球の減少などが例示され、好ましくはTNFα、IL、高感度CRPの減少や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)の減少、好中球の減少が例示される。
第三の態様では、例えば、上記画像検査、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカーにより測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT値の減少、AST/ALT比の減少、アディポネクチンの増加、TNFαやILの減少、高感度CRPの減少や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)の減少、HOMA−IR改善などが例示され、好ましくはHOMA−IR改善、TNFα、IL、高感度CRPの減少、繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)の減少が例示される。
第四の態様では、例えば、上記画像検査、肝生検あるいは血漿中の繊維化マーカーにより測定した肝繊維化の程度、血清ASTやALT値の減少、AST/ALT比の減少、アディポネクチンの増加、TNFα減少、高感度CRPの減少や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)の減少、HOMA−IR改善などが例示され、好ましくは繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)の減少やHOMA−IR改善が例示される。
その他のNAFLDもしくはNASHに関連する生化学的・病理学的あるいは病態パラメータにより予防/改善または治療効果をモニタリングしてもよい。
本発明の予防/改善または治療薬に用いられる第1成分および第2成分の投与量および投与期間は対象となる作用を現すのに十分な量および期間とされるが、その剤形、投与方法、1日当たりの投与回数、症状の程度、体重、年齢等によって適宜増減することができる。
経口投与する場合は、第1成分について、例えばEPA−Eおよび/またはDHA−Eとして0.1〜10g/日、好ましくは0.3〜6g/日、より好ましくは0.6〜4g/日、さらに好ましくは0.9〜2.7g/日を1ないし3回に分けて投与するが、必要に応じて全量を1回あるいは数回に分けて投与してもよい。また、第2成分の投与量に応じて減量することも可能である。投与時間は食中ないし食後が好ましく、食直後(30分以内)投与が更に好ましい。上記投与量を経口投与する場合、投与期間は1年以上、好ましくは2年以上、より好ましくは3.5年以上、更に好ましくは5年以上であるが、NASHに関連する病態あるいは生化学的指標などが継続している間、NASHの発症および/または再発の危険度が高い状態が続いている間は投与を継続することが望ましい。また、例えば1日おきに投与する、1週間に2〜3日投与する態様や、場合により1日〜3ヵ月程度、好ましくは1週間〜1ヵ月程度の休薬期間を設けることもできる。
本発明の予防/改善または治療薬に用いられる第2成分の投与量は、その薬剤単独での用法・用量の範囲内で使用されることが好ましいが、その種類、剤形、投与方法、1日当たりの投与回数は、症状の程度、体重、性別、年齢等によって適宜増減することができる。
第一の態様において、経口投与する場合は、例えばメトホルミン塩酸塩として、10〜5000mg/日、好ましくは100〜1000mg/日、さらに好ましくは500〜750mg/日を1回ないし3回に分けて投与するが、必要に応じて全量を数回に分けて投与してもよい。医師の指示によっては、投与開始日に、1日の推奨用量よりも低い用量(例えば、10〜300mg)を経口投与し、その後、維持量として、1日の最高投与量(例えば2550mg)まで漸増して経口投与してもよい。また、第1成分の投与量に応じて減量することも可能である。副作用軽減の観点で1日投与量をできるだけ減量し、徐放化錠を使用して1日1回投与とすることがより好ましい。上記投与量を経口投与する場合、投与期間は1年以上、好ましくは2年以上、より好ましくは3.5年以上、更に好ましくは5年以上であるが、NASHに関連する病態あるいは生化学的指標などが継続している間、NASHの発症および/または再発の危険度が高い状態が続いている間は投与を継続することが望ましい。また、例えば1日おきに投与する、1週間に2〜3日投与する態様や、場合により1日〜3ヵ月程度、好ましくは1週間〜1ヵ月程度の休薬期間を設けることもできる。
第二の態様において、第2成分の投与時間は食後が好ましく、空腹時の投与は避けることが好ましい。経口投与する場合は、例えば50〜4500mg/日、好ましくは100〜2000mg/日、さらに好ましくは300〜1500mg/日を1回ないし3回に分けて投与するが、必要に応じて全量を数回に分けて投与してもよい。医師の指示によっては、投与開始日に、1日の推奨用量よりも多い用量(例えば数倍)を経口投与し、その後、維持量として、1日の最高投与量を経口投与してもよい。また、第1成分の投与量に応じて減量することも可能である。副作用軽減の観点で1日投与量をできるだけ減量し、腸溶錠、制酸剤を添加した製剤を用いたり、徐放化錠を使用して1日1〜2回投与とすることがより好ましい。上記投与量を経口投与する場合、投与期間は1年以上、好ましくは2年以上、より好ましくは3.5年以上、更に好ましくは5年以上であるが、NASHに関連する病態あるいは生化学的指標などが継続している間、NASHの発症および/または再発の危険度が高い状態が続いている間は投与を継続することが望ましい。また、例えば1日おきに投与する、1週間に2〜3日投与する態様や、場合により1日〜3ヵ月程度、好ましくは1週間〜1ヵ月程度の休薬期間を設けることもできる。
第三の態様において、第2成分を経口投与する場合は、例えばロバスタチンとして0.5〜1000mg/日、好ましくは5〜500mg/日、さらに好ましくは10〜80mg/日を、プラバスタチンナトリウム塩として0.5〜1000mg/日、好ましくは5〜500mg/日、さらに好ましくは10〜80mg/日を、シンバスタチンとして0.2〜1000mg/日、好ましくは2〜500mg/日、さらに好ましくは5〜80mg/日を、フルバスタチンナトリウム塩として1〜500mg/日、好ましくは10〜200mg/日、さらに好ましくは20〜80mg/日を、アトルバスタチンカルシウム水和物として0.5〜500mg/日、好ましくは5〜200mg/日、さらに好ましくは10〜80mg/日を、ロスバスタチンカルシウム塩として0.1〜100mg/日、好ましくは1〜60mg/日、さらに好ましくは2.5〜40mg/日を、ピタバスタチンカルシウム塩として0.05〜20mg/日、好ましくは0.5〜10mg/日、さらに好ましくは1〜4mg/日を、1回ないし2回に分けて投与するが、必要に応じて全量を数回に分けて投与してもよい。医師の指示によっては、投与開始日に、1日の推奨用量よりも低い用量(例えばロバスタチンの場合1〜10mg)を経口投与し、その後、維持量として、1日の最高投与量(例えばロバスタチンの場合80mg)まで漸増して経口投与してもよい。また、第1成分の投与量に応じて減量することも可能である。副作用軽減の観点で1日投与量をできるだけ減量し、1日1回投与とすることがより好ましい。上記投与量を経口投与する場合、投与期間は1年以上、好ましくは2年以上、より好ましくは3.5年以上、更に好ましくは5年以上であるが、NASHに関連する病態あるいは生化学的指標などが継続している間、NASHの発症および/または再発の危険度が高い状態が続いている間は投与を継続することが望ましい。また、例えば1日おきに投与する、1週間に2〜3日投与する態様や、場合により1日〜3ヵ月程度、好ましくは1週間〜1ヵ月程度の休薬期間を設けることもできる。
第四の態様において、第2成分を経口投与する場合は、例えばロサルタンカリウム塩として1〜500mg/日、好ましくは10〜250mg/日、さらに好ましくは25〜100mg/日を、バルサルタンとして2〜1600mg/日、好ましくは20〜800mg/日、さらに好ましくは40〜320mg/日を、イルベサルタンとして2〜1500mg/日、好ましくは20〜750mg/日、さらに好ましくは50〜300mg/日を、エプロサルタンメシレートとして20〜4000mg/日、好ましくは200〜2000mg/日、さらに好ましくは400〜800mg/日を、カンデサルタンシレキセチルとして0.2〜160mg/日、好ましくは2〜80mg/日、さらに好ましくは4〜32mg/日を、テルミサルタンとして1〜400mg/日、好ましくは10〜200mg/日、さらに好ましくは20〜80mg/日を、オルメサルタンメドキソミルとして0.5〜200mg/日、好ましくは5〜100mg/日、さらに好ましくは10〜40mg/日を、1回ないし2回に分けて投与するが、必要に応じて全量を数回に分けて投与してもよい。医師の指示によっては、投与開始日に、1日の推奨用量よりも低い用量(例えばロサルタンカリウム塩の場合1〜20mg)を経口投与し、その後、維持量として、1日の最高投与量(例えばロサルタンカリウム塩の場合150mg)まで漸増して経口投与してもよい。また、第1成分の投与量に応じて減量することも可能である。副作用軽減の観点で1日投与量をできるだけ減量することがより好ましい。上記投与量を経口投与する場合、投与期間は1年以上、好ましくは2年以上、より好ましくは3.5年以上、更に好ましくは5年以上であるが、NASHに関連する病態あるいは生化学的指標などが継続している間、NASHの発症および/または再発の危険度が高い状態が続いている間は投与を継続することが望ましい。また、例えば1日おきに投与する、1週間に2〜3日投与する態様や、場合により1日〜3ヵ月程度、好ましくは1週間〜1ヵ月程度の休薬期間を設けることもできる。
第1成分および第2成分の併用による本発明では、第1成分および/または第2成分の用量を一般的に使用される通常の用量より低く設定することも可能である。例えば、個々の薬剤を単独で治療効果を得るには不十分な用量を用いることも可能である。これにより、薬剤、特に第2成分による副作用を軽減することができる利点を有する。
第1成分および/または第2成分単独の用量が、治療効果を得るには不十分な用量であって、第1成分および第2成分を併用した治療効果が、併用の場合と同じ用量の第1成分および第2成分を個々に用いて得られる治療効果の和よりも大きな効果を得られるような使用態様も望ましい。
また、第1成分および/または第2成分単独の用量が、治療効果を得るには不十分な用量であって、第1成分および第2成分を併用した際の副作用が、併用の場合と同じ用量の第1成分および第2成分を個々に用いて発現する副作用の和よりも小さいような使用態様も望ましい。
第1成分単独の用量が、治療効果を得るには不十分な用量とは、患者の個々の状態や体型により変動し、限定されるものではないが、例えば、EPA−Eおよび/またはDHA−Eの場合、1日あたりの投与量が、0.1g以上2g未満、好ましくは0.2g以上1.8g以下、さらに好ましくは0.3g以上〜0.9g以下、また好ましくは、0.3g以上〜0.6g以下である。
第一の態様において、第2成分ビグアナイド系血糖降下薬単独の用量が、治療効果を得るには不十分な用量とは、患者の個々の状態や体型により変動し、限定されるものではないが、例えば、メトホルミン塩酸塩の1日あたりの投与量が推奨用量の1日500mg未満であり、好ましくは10mg以上400mg以下、より好ましくは20mg以上300mg以下、さらに好ましくは50mg以上200mg以下、あるいはブホルミン塩酸塩の1日あたりの投与量が推奨用量の1日100mg未満であり、好ましくは2mg以上80mg以下、より好ましくは4mg以上60mg以下、さらに好ましくは10mg以上40mg以下である。
第1成分およびビグアナイド系血糖降下薬の投与量の比率は、特に限定されないが、好ましい第1成分とビグアナイド系血糖降下薬の投与量の比率は、第1成分:メトホルミン塩酸塩=1〜50:1、好ましくは1.5〜20:1、さらに好ましくは、2〜10:1、最も好ましくは2.5〜3:1および第1成分:ブホルミン塩酸塩=5〜250:1、好ましくは8〜100:1、さらに好ましくは、10〜50:1、最も好ましくは12〜15:1が例示され、ビグアナイド系血糖降下薬による副作用軽減の観点ではビグアナイド系血糖降下薬の量をさらに1/2〜1/5量とすることもできる。例えば、ヒトにおいて第1成分1800mgに対して、メトホルミン塩酸塩250〜750mg、好ましくは500mg、あるいはブホルミン塩酸塩50〜150mg、好ましくは100mgの比率で投与されることが望ましく、副作用軽減の観点では、メトホルミン塩酸塩100〜250mgあるいはブホルミン塩酸塩20〜50mgの比率で投与されることが望ましい。配合剤とする場合にも、これらの比率で配合されることが望ましい。
ビグアナイド系血糖降下薬および第1成分の1日投与量、投与回数あるいは投与比率は、肝繊維化の程度、血清ASTやALTの減少、AST/ALT比の減少、アディポネクチンの増加、TNFαの減少や血中酸化ストレスマーカーの減少、HOMA−IR改善などの検査値を確認しながら適宜増減できる。例えば、ビグアナイド系血糖降下薬を単独で投与したときに血清ALT値を測定し、この測定値を指標にして、その後、ビグアナイド系血糖降下薬の投与量を減少して第1成分の投与を開始し、本発明の治療効果を得ることもできる。本発明の予防/改善または治療薬を用いた場合の各種副作用発現は、本発明と同じ治療効果を得るためにビグアナイド系血糖降下薬単独投与で必要とする用量で発現する副作用、例えば血漿中乳酸値増加を超えないことが望ましい。
第二の態様において、第2成分アセチルサリチル酸単独の用量が、治療効果を得るには不十分な用量とは、患者の個々の状態や体型により変動し、限定されるものではないが、例えば、1日あたりの投与量が推奨用量の1日500mg未満であり、好ましくは10mg以上300mg以下、より好ましくは20mg以上200mg以下、さらに好ましくは50mg以上100mg以下である。
本発明の効果は、アセチルサリチル酸単独で抗炎症・鎮痛作用を示す用量より少ない、例えば抗血小板作用を示す低用量で現れることが期待される。
第1成分およびアセチルサリチル酸の投与量の比率は、特に限定されないが、好ましい第1成分とアセチルサリチル酸の投与量の比率は、第1成分:アセチルサリチル酸=0.5〜100:1、好ましくは1〜50:1、さらに好ましくは、1.5〜20:1、最も好ましくは2〜10:1が例示され、アセチルサリチル酸による副作用軽減の観点ではアセチルサリチル酸の量をさらに1/2〜1/10量とすることもできる。ヒトにおいて第1成分1800mgに対してアセチルサリチル酸500〜1500mg、好ましくは1000mgの比率で投与されることが望ましく、副作用軽減の観点では、アセチルサリチル酸50〜500mgの比率で投与されることが望ましい。配合剤とする場合にも、この比率で配合されることが望ましい。
アセチルサリチル酸および第1成分の1日投与量、投与回数あるいは投与比率は、血清AST、ALT値の減少、AST/ALT比の減少、アディポネクチンの増加、TNFα、IL、高感度CRPの減少や血中酸化ストレスマーカー、好中球数などの検査値を確認しながら適宜増減できる。例えば、アセチルサリチル酸を単独で投与したときに血清ALT値を測定し、この測定値を指標にして、その後、アセチルサリチル酸の投与量を減少して第1成分の投与を開始し、本発明の治療効果を得ることもできる。本発明の予防/改善または治療薬を用いた場合の各種副作用発現は、本発明と同じ治療効果を得るためにアセチルサリチル酸単独投与で必要とする用量で発現する副作用、例えば血漿中ASTあるいはALT値増加を超えないことが望ましい。
第三の態様において、第2成分HMG−CoA還元酵素阻害薬単独の用量が、治療効果を得るには不十分な用量とは、患者の個々の状態や体型により変動し、限定されるものではないが、例えば、ロバスタチンの1日あたりの投与量が推奨用量の1日10mg未満であり、好ましくは0.2mg以上8mg以下、より好ましくは0.4mg以上6mg以下、さらに好ましくは1mg以上4mg以下、プラバスタチンナトリウム塩の1日あたりの投与量が推奨用量の1日10mg未満であり、好ましくは0.2mg以上8mg以下、より好ましくは0.4mg以上6mg以下、さらに好ましくは1mg以上4mg以下、シンバスタチンの1日あたりの投与量が推奨用量の1日5mg未満であり、好ましくは0.1mg以上4mg以下、より好ましくは0.2mg以上2mg以下、さらに好ましくは0.4mg以上1mg以下、フルバスタチンナトリウム塩の1日あたりの投与量が推奨用量の1日20mg未満であり、好ましくは0.4mg以上16mg以下、より好ましくは0.8mg以上12mg以下、さらに好ましくは1.5mg以上8mg以下、アトルバスタチンカルシウム水和物の1日あたりの投与量が推奨用量の1日10mg未満であり、好ましくは0.2mg以上8mg以下、より好ましくは0.4mg以上6mg以下、さらに好ましくは1mg以上4mg以下、ロスバスタチンカルシウム塩の1日あたりの投与量が推奨用量の1日2.5mg未満であり、好ましくは0.05mg以上2mg以下、より好ましくは0.1mg以上1.5mg以下、さらに好ましくは0.2mg以上1mg以下、あるいはピタバスタチンカルシウム塩の1日あたりの投与量が推奨用量の1日1mg未満であり、好ましくは0.02mg以上0.8mg以下、より好ましくは0.04mg以上0.6mg以下、さらに好ましくは0.1mg以上0.4mg以下、が例示される。
本発明の効果は、HMG−CoA還元酵素阻害薬単独で血清脂質低下作用を示す用量より少ない低用量で現れることが期待される。
第1成分およびHMG−CoA還元酵素阻害薬の投与量の比率は、特に限定されないが、好ましい第1成分とHMG−CoA還元酵素阻害薬の投与量の比率は、第1成分:ロバスタチン=5〜2000:1、好ましくは10〜1000:1、さらに好ましくは、15〜400:1、最も好ましくは25〜150:1、第1成分:プラバスタチンナトリウム塩=5〜2000:1、好ましくは10〜1000:1、さらに好ましくは、15〜400:1、最も好ましくは25〜150:1、第1成分:シンバスタチン=5〜5000:1、好ましくは10〜3000:1、さらに好ましくは、15〜1000:1、最も好ましくは25〜400:1、第1成分:フルバスタチンナトリウム塩=5〜1000:1、好ましくは10〜600:1、さらに好ましくは、15〜200:1、最も好ましくは25〜80:1、第1成分:アトルバスタチンカルシウム水和物=5〜2000:1、好ましくは10〜1000:1、さらに好ましくは、15〜400:1、最も好ましくは25〜150:1、第1成分:ロスバスタチンカルシウム塩=10〜10000:1、好ましくは20〜5000:1、さらに好ましくは、30〜1000:1、最も好ましくは40〜500:1および第1成分:ピタバスタチンカルシウム塩=50〜10000:1、好ましくは100〜5000:1、さらに好ましくは、200〜3000:1、最も好ましくは500〜1200:1が例示され、HMG−CoA還元酵素阻害薬による副作用軽減の観点ではHMG−CoA還元酵素阻害薬の量をさらに1/2〜1/5量とすることもできる。ヒトにおいて第1成分1800mgに対してロバスタチン25〜50mg、プラバスタチンナトリウム塩40〜80mg、シンバスタチン50〜100mg、フルバスタチンナトリウム塩400〜800mg、アトルバスタチンカルシウム水和物4〜8mg、ロスバスタチンカルシウム塩20〜40mg、あるいはピタバスタチンカルシウム塩10〜20mgの比率で投与されることが望ましい。配合剤とする場合にも、この比率で配合されることが望ましい。
HMG−CoA還元酵素阻害薬および第1成分の1日投与量、投与回数あるいは投与比率は、血清AST、ALT値の減少、AST/ALT比の減少、TNFα、ILや高感度CRPの減少、血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン等)や繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)、血清CPKなどの検査値を確認しながら適宜増減できる。例えば、HMG−CoA還元酵素阻害薬を単独で投与したときに血清ALT値を測定し、この測定値を指標にして、その後、HMG−CoA還元酵素阻害薬の投与量を減少して第1成分の投与を開始し、本発明の治療効果を得ることもできる。本発明の予防/改善または治療薬を用いた場合の各種副作用発現は、本発明と同じ治療効果を得るためにHMG−CoA還元酵素阻害薬単独投与で必要とする用量で発現する副作用、例えば血清CPK増加を超えないことが望ましい。
第四の態様において、第2成分ARB単独の用量が、治療効果を得るには不十分な用量とは、患者の個々の状態や体型により変動し、限定されるものではないが、例えば、ロサルタンカリウム塩の1日あたりの投与量が推奨用量の1日25mg未満であり、好ましくは0.5mg以上20mg以下、より好ましくは1mg以上15mg以下、さらに好ましくは2mg以上10mg以下、バルサルタンの1日あたりの投与量が推奨用量の1日40mg未満であり、好ましくは1mg以上30mg以下、より好ましくは2mg以上20mg以下、さらに好ましくは4mg以上10mg以下、イルベサルタンの1日あたりの投与量が推奨用量の1日50mg未満であり、好ましくは1mg以上40mg以下、より好ましくは2mg以上30mg以下、さらに好ましくは5mg以上20mg以下、エプロサルタンメシレートの1日あたりの投与量が推奨用量の1日400mg未満であり、好ましくは10mg以上300mg以下、より好ましくは20mg以上200mg以下、さらに好ましくは30mg以上100mg以下、カンデサルタンシレキセチルの1日あたりの投与量が推奨用量の1日4mg未満であり、好ましくは0.1mg以上3mg以下、より好ましくは0.2mg以上2mg以下、さらに好ましくは0.4mg以上1mg以下、テルミサルタンの1日あたりの投与量が推奨用量の1日20mg未満であり、好ましくは0.5mg以上15mg以下、より好ましくは1mg以上10mg以下、さらに好ましくは2mg以上5mg以下、あるいはオルメサルタンメドキソミルの1日あたりの投与量が推奨用量の1日10mg未満であり、好ましくは0.2mg以上8mg以下、より好ましくは0.5mg以上6mg以下、さらに好ましくは1mg以上4mg以下、が例示される。
本発明の効果は、ARB単独で降圧作用を示す用量より少ない低用量で現れることが期待される。
第1成分およびARBの投与量の比率は、特に限定されないが、好ましい第1成分とARBの投与量の比率は、第1成分:ロサルタンカリウム塩=10〜1000:1、好ましくは20〜500:1、さらに好ましくは、30〜200:1、最も好ましくは40〜60:1、第1成分:バルサルタン=5〜500:1、好ましくは10〜300:1、さらに好ましくは、15〜100:1、最も好ましくは25〜40:1、第1成分:イルベサルタン=5〜500:1、好ましくは10〜300:1、さらに好ましくは、15〜100:1、最も好ましくは20〜30:1、第1成分:エプロサルタンメシレート=0.5〜50:1、好ましくは1〜30:1、さらに好ましくは、2〜10:1、最も好ましくは2.5〜4:1、第1成分:カンデサルタンシレキセチル=0.5〜50:1、好ましくは1〜30:1、さらに好ましくは、2〜10:1、最も好ましくは4〜6:1、第1成分:テルミサルタン=10〜1000:1、好ましくは20〜600:1、さらに好ましくは、30〜200:1、最も好ましくは50〜80:1および第1成分:オルメサルタンメドキソミル=20〜2000:1、好ましくは40〜1200:1、さらに好ましくは、60〜400:1、最も好ましくは100〜150:1が例示され、ARBによる副作用軽減の観点ではARBの量をさらに1/2〜1/5量とすることもできる。例えば、ヒトにおいて第1成分1800mgに対してロサルタンカリウム塩25〜50mg、好ましくは25mg、バルサルタン40〜80mg、好ましくは40mg、イルベサルタン50〜100mg、好ましくは50mg、エプロサルタンメシレート400〜800mg、好ましくは400mg、カンデサルタンシレキセチル4〜8mg、好ましくは4mg、テルミサルタン20〜40mg、好ましくは20mg、あるいはオルメサルタンメドキソミル10〜20mg、好ましくは10mgの比率で投与されることが望ましく、副作用軽減の観点では、ロサルタンカリウム塩5〜25mgバルサルタン8〜40mgイルベサルタン20〜50mg、エプロサルタンメシレート160〜400mg、カンデサルタンシレキセチル1.6〜4mgテルミサルタン8〜20mg、あるいはオルメサルタンメドキソミル4〜10mgの比率で投与されることが望ましい。配合剤とする場合にも、この比率で配合されることが望ましい。
ARBおよび第1成分の1日投与量、投与回数あるいは投与比率は、肝繊維化の程度、血清ASTやALTの減少、AST/ALT比の減少、アディポネクチンの増加、TNFαの減少や血中酸化ストレスマーカーの減少、HOMA−IR改善などの検査値を確認しながら適宜増減できる。例えば、ARBを単独で投与したときに血清ALT値を測定し、この測定値を指標にして、その後、ARBの投与量を減少して第1成分の投与を開始し、本発明の治療効果を得ることもできる。本発明の予防/改善または治療薬を用いた場合の各種副作用発現は、本発明と同じ治療効果を得るためにARB単独投与で必要とする用量で発現する副作用、例えば一過性の血圧低下、を超えないことが望ましい。
本発明のNASHの予防/改善または治療薬は、有効成分を化合物(精製の際に不可避的に含まれる他の成分を含む場合もある)をそのまま投与するか、或いは一般的に用いられる適当な担体または媒体、賦形剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、香味剤、必要に応じて滅菌水や植物油、更には無害性有機溶媒あるいは無害性溶解補助剤(たとえばグリセリン、プロピレングリコール)、乳化剤、懸濁化剤(例えばツイーン80、アラビアゴム溶液)、等張化剤、pH調整剤、安定化剤、無痛化剤、嬌味剤、着香剤、保存剤、抗酸化剤、緩衝剤、着色剤などの添加剤と適宜選択組み合わせて適当な医薬用製剤に調製することができる。添加剤として、たとえば乳糖、部分α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、マクロゴール、トコフェロール、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酸化チタン、タルク、ジメチルポリシロキサン、二酸化ケイ素、カルナウバロウなどを含有しうる。
特に、第1成分は高度に不飽和であるため、抗酸化剤たとえばブチレート化ヒドロキシトルエン、ブレチート化ヒドロキシアニソール、プロピルガレート、没食子酸、医薬として許容されうるキノンおよびα−トコフェロールから選ばれる少なくとも1種を抗酸化剤として有効量含有させることが望ましい。
また、第2の態様では、アセチルサリチル酸の消化器系副作用を軽減するために、ダイアルミネートなどの制酸剤を添加したり、耐酸性フィルムコーティングをして腸溶性としてもよい。
製剤の剤形は、本発明の有効成分の併用形態によっても異なり、特に限定されないが、経口製剤としては、例えば、錠剤、フィルムコーティング錠、カプセル剤、マイクロカプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、経口用液体製剤、シロップ剤、ゼリー剤、吸入剤の形で、非経口製剤としては、例えば、軟膏、坐剤、注射剤(乳濁性、懸濁性、非水性)あるいは用時乳濁または懸濁して用いる固形注射剤、輸液製剤、経皮吸収剤などの外用剤で、経口および静脈内あるいは動脈内、吸入、直腸内、膣内あるいは外用を問わず患者に投与されるが、経口服用できる患者に対しては、簡便な経口製剤が望ましく、とりわけカプセルたとえば、軟質カプセルやマイクロカプセルに封入して、あるいは錠剤、フィルムコーティング錠での経口投与が好ましい。また、腸溶製剤や徐放化製剤として経口投与してもよく、透析患者や嚥下困難な患者などにはゼリー剤として経口投与することも好ましい。
本発明の予防/改善または治療薬は、両薬剤を別々に製剤して得られる2種類の製剤を組み合わせて使用する場合には、それぞれ公知の方法により製剤化する。また、本発明の予防/改善または治療薬は、第1成分と第2成分とを有効成分とする配合剤とすることができる。
配合剤の有効成分として、第三の薬剤を含有することも可能である。第三の薬剤は特に限定されないが、本発明の効果を減弱しないことが好ましく、例えば、肝庇護剤、血糖降下剤、高脂血症治療薬、降圧剤、抗酸化剤、抗炎症剤などが例示され、これらのうちから第一〜第四の各態様における第2成分以外の薬剤が適宜選択される。
ここで肝庇護剤としては、例えば、ウルソデオキシコール酸やベタインが挙げられる。又、血糖降下剤としては、例えば、インスリンやインスリン誘導体、トルブタミド、グリクラジド、グリベンクラミド、グリメピリドのようなスルホニルウレア剤、ナテグリニド、レパグリニド、ミチグリニドのような速効型インスリン分泌促進剤、アカルボース、ボグリボース、ミグリトールのようなαグルコシダーゼ阻害剤、ピオグリタゾン、ロジグリタゾン、トログリタゾンのようなチアゾリジン類、メトホルミン、ブホルミンのようなビグアナイド血糖降下薬等が挙げられる。又、高脂血症治療薬としては、例えば、プラバスタチン、シンバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、ピタバスタチン、ロスバスタチン、セリバスタチンのようなHMG-CoA還元酵素阻害剤やシンフィブラート、クロフィブラート、クリノフィブラート、ベザフィブラート、フェノフィブラートのようなフィブラート系薬剤、あるいはオルリスタットのような脂肪分解酵素阻害剤、エゼチミブが挙げられる。又、降圧剤としては、例えば、カプトプリル、アラセプリル、イミダプリル、エナラプリル、シラザプリル、テモカプリル、デラプリル、リシノプリル、ベナゼプリルのようなアンジオテンシン変換酵素阻害剤、ロサルタン、バルサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、イルベサルタン、エプロサルタンのようなアンジオテンシン受容体拮抗剤、アリスキレンのようなレニン阻害剤、アムロジピン、ニフェジピン、ベニジピン、ニカルジピン、ニルバジピン、シルニジピン、アゼルニジピン、マニジピン、ニトレンジピン、パルニジピン、ニソルジピン、エホニジピン、フェロジピン、アラニジピン、ジルチアゼム、ベラパミル、ベプリジルのようなカルシウム拮抗剤等が挙げられる。又、抗酸化剤としては、例えば、ビタミンCやビタミンE等のビタミン類、Nアセチルシステイン、プロブコールなどが挙げられる。又、抗炎症剤としては、例えば、ペントキシフィリン等のサイトカイン産生抑制剤、ロイコトリエン受容体拮抗剤、ロイコトリエン生合成阻害剤、NSAIDs、COX−2選択的阻害剤、M2/M3拮抗剤、コルチコステロイド、ファルネシル酸プレドニゾロンなどのステロイド、Hi(ヒスタミン)受容体拮抗剤、サラゾスルファピリジン、メサラジンなどのアミノサリチル酸、等が挙げられる。又、免疫抑制剤としては、例えば、アザチオプリン、6−メルカプトプリン、タクロリムスなどが挙げられる。又、C型肝炎ウイルス(HCV)用の抗ウイルス薬としては、例えば、インターフェロン、プロテアーゼ阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤などが挙げられる。
配合剤の剤形は、特に限定されず、経口製剤としては、例えば、錠剤、フィルムコーティング錠、カプセル剤、マイクロカプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、経口用液体製剤、シロップ剤、ゼリー剤の形で、非経口製剤としては、例えば、注射剤、輸液製剤、経皮吸収剤などの外用剤で患者に投与される。例えば、徐放化した製剤、あるいは、2剤を時間差で放出する製剤なども含む。
本発明の配合剤は、有効成分に加え、薬学的に許容され得る賦形剤を含むことができる。適宜、公知の抗酸化剤、コーティング剤、ゲル化剤、嬌味剤、着香剤、保存剤、抗酸化剤、乳化剤、pH調整剤、緩衝剤、着色剤などを含有させてもよい。
本発明の配合剤は、常法に従って製剤化することが可能である。第1成分の粉末は、例えば、(A)EPA−E、(B)食物繊維、(C)デンプン加水分解物及び/又は低糖化還元デンプン分解物、及び(D)水溶性抗酸化剤を含有する水中油型乳化液を、高真空下で乾燥させ、粉砕処理する(特開平10−99046)など公知の方法により得られる。得られたEPA−Eの粉体と、第2成分の粉体とを用いて、常法に従い、顆粒剤、細粒剤、散剤、錠剤、フィルムコーティング錠、チュアブル錠、徐放錠、口腔内崩壊錠(OD錠)などを得ることができる。チュアブル錠であれば、例えば、EPA−Eをヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの水溶性高分子溶液中に乳化し、得られた乳化液を乳糖などの添加剤に噴霧して粉粒体を得(特開平8−157362)、第2成分の粉体と混合して打錠することなど公知の方法により得ることができる。徐放錠であれば、例えば(1)EPA−Eおよび第2成分のいずれかを内層に、他方を外層に形成する、(2)各成分を含有する円盤状のマトリックスを2層に重ねる、(3)一成分を含有する粒状カプセルを他方の成分を含有するマトリックス中に埋め込む、(4)両剤を予め混合した後に何らかの徐放のための工夫が施される、などが挙げられる。各有効成分は放出速度を調整されていることが望ましく、両剤同時に放出されてもよいし、別々に時間差で放出されてもよい。口腔内崩壊錠であれば、例えば特開平8−333243など、口腔用フィルム製剤であれば、例えば特開2005−21124など、公知の方法に準じて製造することができる。第2成分は単純には第1成分に溶解しないため、例えば、軟カプセル剤、液剤などにする場合には実施例に記載の工夫が必要である。本発明の配合剤は、このように第1成分と第2成分とを1剤に配合するための工夫をしている製剤を含む。
本発明の配合剤は、有効成分の薬理作用を発現できるように、放出、吸収されることが望ましい。本発明の配合剤は、有効成分の放出性に優れる、有効成分の吸収性に優れる、有効成分の分散性に優れる、配合剤の保存安定性に優れる、患者の服用利便性、あるいはコンプライアンスに優れる製剤の少なくともいずれか1以上の効果を持つことが望ましい。
本発明の予防/改善または治療薬は、動物とりわけ哺乳動物のNAFLD、特にNASHの予防/改善または治療、再発予防あるいは肝硬変や肝癌への進行抑制に有効である。哺乳動物とは、例えば、ヒトやウシ、ウマ、ブタなどの家畜動物やイヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどの家庭用動物等があげられ、好ましくはヒトである。
特に、第一の態様における糖尿病やメタボリックシンドローム患者など、インスリン抵抗性を発現している、アディポネクチンが減少しているあるいはTNFαが増加しているNASH患者において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。
また、ビグアナイド系血糖降下薬による乳酸アシドーシスや遅延性の低血糖などの副作用が懸念されるNASH患者において、副作用を軽減することができ、また、これらの副作用のためにビグアナイド系血糖降下薬投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
第二の態様におけるアセチルサリチル酸によるアスピリン過敏症や胃腸障害などの副作用が懸念されるNASH患者において、副作用を軽減することができ、また、これらの副作用のためにアセチルサリチル酸投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。特に、狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害、冠動脈バイパス術あるいは経皮経管冠動脈形成術施行患者などアセチルサリチル酸の継続投与が必要な患者において有用性が高い。
第三の態様において、高脂血症やメタボリックシンドローム患者など、血中脂質が増加している、インスリン抵抗性を発現している、TNFαが増加している、あるいは繊維化マーカーが増加しているNASH患者において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。また、HMG−CoA還元酵素阻害薬による横紋筋融解症や血清CPK増加などの副作用が懸念されるNASH患者において、副作用を軽減することができ、また、これらの副作用のためにHMG−CoA還元酵素阻害薬投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
第四の態様において、特に、インスリン抵抗性を発現している、繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1など)が増加しているNASH患者において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。また、両側性腎動脈狭窄のある患者など腎機能障害や肝機能障害のあるNASH患者において、ARBによる副作用を軽減することができ、また、これらの副作用のためにARB投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
また、配合剤やキット剤とすることで患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスを高めることで更に予防/改善または治療効果を高めることができる。
次に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
メチオニン・コリン欠乏食ラットにおける有効性
NASH様の肝病変をきたすことが知られているメチオニン・コリン欠乏食(以下、MCD食と記す)負荷ラットを用いてEPA−Eおよび/またはメトホルミン塩酸塩、アセチルサリチル酸、シンバスタチンあるいはバルサルタンの肝障害および線維化に対する薬理作用を確認する。
7週令の雄性ウイスターラットを通常食(F−1、船橋農場)あるいはMCD食(Dyets社)を20週間自由摂取させて12時間明暗周期、23℃で飼育する。正常群(通常食負荷)、対照群(MCD食負荷)、EPA−E群(MCD食負荷+EPA−E投与)、メトホルミン群(MCD食負荷+メトホルミン塩酸塩投与)およびメトホルミン併用群(MCD食負荷+EPA−E投与+メトホルミン塩酸塩投与)、アセチルサリチル酸群(MCD食負荷+アセチルサリチル酸投与)およびアセチルサリチル酸併用群(MCD食負荷+EPA−E投与+アセチルサリチル酸投与)、シンバスタチン群(MCD食負荷+シンバスタチン投与)およびシンバスタチン併用群(MCD食負荷+EPA−E投与+シンバスタチン投与)、バルサルタン群(MCD食負荷+バルサルタン投与)およびバルサルタン併用群(MCD食負荷+EPA−E投与+バルサルタン投与)の11群(各群20匹)を設定する。飼育期間中、EPA−E群にはEPA−Eを1000mg/kg、メトホルミン群にはメトホルミン塩酸塩を40mg/kg、メトホルミン併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびメトホルミン塩酸塩を40mg/kg、アセチルサリチル酸群にはアセチルサリチル酸を20mg/kg、アセチルサリチル酸併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびアセチルサリチル酸を20mg/kg、シンバスタチン群にはシンバスタチンを5mg/kg、シンバスタチン併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびシンバスタチンを5mg/kg、バルサルタン群にはバルサルタンを20mg/kg、およびバルサルタン併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびバルサルタンを20mg/kg、を5%アラビアゴム水溶液に懸濁して1日1回経口投与する。正常群および対照群には5%アラビアゴム水溶液を1日1回経口投与する。20週間飼育後、採血して血漿中の生化学検査および肝臓の病理学的検査を行う。
対照群は正常群に比べて、血漿中のAST、ALT、総ビリルビン、アルブミン、総蛋白質、コリンエステラーゼ、IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1量が有意に増加し、また、肝臓のマッソントリクローム染色による線維化面積、ハイドロキシプロリン含量が有意に増加してNASH様肝病変を呈する。
EPA−E群は対照群に比べて、血漿中のAST、ALT、総ビリルビン、アルブミン、総蛋白質、コリンエステラーゼ、IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1量の増加および肝臓の線維化面積、ハイドロキシプロリン含量の増加を抑制する。
メトホルミン群、シンバスタチン群およびバルサルタン群は対照群に比べて血漿中のALT量の増加を抑制する等のEPA−E群と同様の効果が認められるが、アセチルサリチル酸群ではEPA−E群と同様の効果が認められず、血漿中ALTやASTなど一部増悪するパラメーターがある。上記血漿中の生化学パラメーターの増加抑制効果において、メトホルミン併用群、シンバスタチン併用群およびバルサルタン併用群はEPA−E群、メトホルミン群、シンバスタチン群およびバルサルタン群個々で得られる治療効果の和よりも大きい効果が認められる。また、上記パラメーターの増加抑制効果において、アセチルサリチル酸併用群はEPA−E群で得られる治療効果よりも大きい効果が認められ、またアセチルサリチル酸群で認められる増悪作用を抑制する。よって本発明の予防/改善または治療薬はNASHの予防/改善または治療等に有用である。
(実験例2)
メチオニン・コリン欠乏食糖尿病モデルマウスにおける有効性
NASH様の肝病変をきたすことが知られているMCD食負荷食糖尿病モデルラットを用いてEPA−Eおよび/またはメトホルミン塩酸塩あるいはオルメサルタンメドキソミルの肝障害および線維化に対する薬理作用を確認する。
7週令の雄性db/dbマウス(日本チャールズ・リバー株式会社)を通常食(F−1、船橋農場)あるいはMCD食(Dyets社)を2週間自由摂取させて12時間明暗周期、23℃で飼育する。正常群(通常食負荷)、対照群(MCD食負荷)、EPA−E群(MCD食負荷+EPA−E投与)、メトホルミン群(MCD食負荷+メトホルミン塩酸塩投与)、メトホルミン併用群(MCD食負荷+EPA−E投与+メトホルミン塩酸塩投与)、オルメサルタン群(MCD食負荷+オルメサルタンメドキソミル投与)およびオルメサルタン併用群(MCD食負荷+EPA−E投与+オルメサルタンメドキソミル投与)の7群(各群20匹)を設定する。飼育期間中、EPA−E群にはEPA−Eを1000mg/kg、メトホルミン群にはメトホルミン塩酸塩を80mg/kg、メトホルミン併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびメトホルミン塩酸塩を80mg/kg、オルメサルタン群にはオルメサルタンメドキソミルを5mg/kgおよびオルメサルタン併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびオルメサルタンメドキソミルを5mg/kg、を5%アラビアゴム水溶液に懸濁して1日1回経口投与する。正常群および対照群には5%アラビアゴム水溶液を1日1回経口投与する。2週間飼育後、HOMA−IR測定および採血して血漿中の生化学検査を行う。
対照群は正常群に比べて、HOMA−IRの増悪、血漿中のAST、ALT、IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1およびFFA量が有意に増加し、また、血漿中のアディポネクチンが有意に減少し、TNFαが増加する。
EPA−E群は対照群に比べて、血漿中のAST、ALT、IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1およびFFA量の増加を抑制し、アディポネクチン量の減少およびTNFαの増加を抑制する。
メトホルミン群は対照群に比べて、HOMA−IRの改善、血漿中のALTおよびFFA量の増加を抑制し、オルメサルタン群はEPA−E群と同様の効果を示す。上記パラメーターの改善効果において、メトホルミン併用群およびオルメサルタン併用群はEPA−E群、メトホルミン群およびオルメサルタン群個々で得られる治療効果の和よりも大きい効果が認められる。よって本発明の予防/改善または治療薬はNASHの予防/改善または治療等に有用である。
(実験例3)
高脂肪食摂取ラットにおける有効性
4週齢の雄性SD系ラットを通常食(F−1、船橋農場)あるいは高脂肪高ショ糖食(TD88137、Harlan Teklad社、以下HF食と記す)を4週間自由摂取させて12時間明暗周期、23℃で飼育する。正常群(通常食負荷)、対照群(HF食負荷)、EPA−E群(HF食負荷+EPA−E投与)、アセチルサリチル酸群(HF食負荷+アセチルサリチル酸投与)、アセチルサリチル酸併用群(HF食負荷+EPA−E投与+アセチルサリチル酸投与)、アトルバスタチン群(HF食負荷+アトルバスタチンカルシウム水和物投与)およびアトルバスタチン併用群(HF食負荷+EPA−E投与+アトルバスタチンカルシウム水和物投与)の7群(各群10匹)を設定する。飼育期間中、EPA−E群にはEPA−Eを1000mg/kg、アセチルサリチル酸群にはアセチルサリチル酸を10mg/kg、アセチルサリチル酸併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびアセチルサリチル酸を10mg/kg、アトルバスタチン群にはアトルバスタチンカルシウム水和物を10mg/kgおよびアトルバスタチン併用群にはEPA−Eを1000mg/kgおよびアトルバスタチンカルシウム水和物を10mg/kg、を5%アラビアゴム水溶液に懸濁して1日1回経口投与する。正常群および対照群には5%アラビアゴム水溶液を1日1回経口投与する。4週間飼育後、採血して好中球数測定および血漿中の生化学検査を行う。
対照群は正常群に比べて、血漿中のAST、ALT量が有意に増加し、また、好中球数、TNFα、IL−6、高感度CRPが増加する。また、フェリチン、チオレドキシンおよびIV型コラーゲンが増加する。
EPA−E群およびアトルバスタチン群は対照群に比べて、血漿中のAST、ALT量の増加を抑制し、好中球数、TNFα、IL−6、高感度CRP、フェリチン、チオレドキシン、IV型コラーゲンの増加を抑制するが、アセチルサリチル酸群は対照群に比べて有意な改善作用は認められない。上記パラメーターの改善効果において、アセチルサリチル酸併用群およびアトルバスタチン併用群はEPA−E群、アセチルサリチル酸群およびアトルバスタチン群個々で得られる治療効果の和よりも大きい効果が認められる。よって本発明の予防/改善または治療薬はNASHの予防/改善または治療等に有用である。
(実験例4)
NASHと確定診断された患者を8群(各群15名)に分けて、EPA−E群にはエパデールS(登録商標)900(EPA−E900mg含有)を1日2回、メトホルミン群にはメルビン(登録商標)錠(メトホルミン塩酸塩250mg含有)を、メトホルミン併用群にはメルビン(登録商標)錠およびエパデールS(登録商標)900を1日2回服用させる。メルビン(登録商標)錠は1日に1回投与で開始し、投与開始後5週目以降は1日2回服用まで、さらに投与開始後9週目以降は1日3回服用まで、患者の状況に応じて投与量を適宜増減する。アセチルサリチル酸併用群にはエパデールS(登録商標)900およびバイアスピリン(登録商標)錠(アセチルサリチル酸100mg含有)を1日2回服用させる。バイアスピリン(登録商標)錠は1日2回計10錠投与で開始し、投与開始後5週目以降は1日1回計1錠まで、患者の状況に応じて投与量を適宜増減する。プラバスタチン群にはメバロチン(登録商標)錠5(プラバスタチンナトリウム塩5mg含有)を1日1回、プラバスタチン併用群にはメバロチン(登録商標)錠5を1日1回およびエパデールS(登録商標)900を1日2回服用させる。カンデサルタン群にはブロプレス(登録商標)錠2(カンデサルタンシレキセチル2mg含有)を、カンデサルタン併用群にはブロプレス(登録商標)錠2およびエパデールS(登録商標)900を1日2回服用させる。メバロチン(登録商標)錠5およびブロプレス(登録商標)錠2は1日に1回1錠投与で開始し、投与開始後5週目以降は1日2回合計2錠服用まで、さらに投与開始後9週目以降は1日2回合計4錠服用まで、患者の状況に応じて投与量を適宜増減する。患者のクライテリア、モニタリング、組織検査、統計学的解析等はAm. J. Gastroenterol. 2001; 96: 2711-2717の方法に準じ、1年間の投与期間中経時的に血中好中球数およびHOMA−IR測定、ALT、AST等の血液生化学検査を行うと共に、投与終了後に肝生検を行い、組織学的評価を行う。
EPA−E群のNASH患者のHOMA−IRは改善し、血中好中球数およびALT、AST、TNFα、IL−6、高感度CRP、フェリチン、チオレドキシン、繊維マーカーなどの血液生化学パラメーターは治療前に比べ低下し、アディポネクチンは増加する。又肝組織の病理学的検査像は、投与前に比べ、Bruntの方法による脂肪蓄積のグレード、炎症グレード、線維化ステージの総合的評価で改善する。血中ALT、ASTおよび肝組織の病理学的検査の指標は各併用群において相乗的に改善される。また、メトホルミン併用群ではTNFαおよびアディポネクチンが相乗的に改善され、アセチルサリチル酸併用群ではTNFα、IL−6、高感度CRP、フェリチンおよびチオレドキシンが相乗的に改善され、カンデサルタン併用群ではHOMA−IRおよび繊維化マーカーが相乗的に改善する。
メトホルミン併用群ではメトホルミン群に比べてメルビン(登録商標)錠の投与量増加が少なく、血漿中乳酸値の上昇が抑制される。アセチルサリチル酸併用群では、バイアスピリンの投与量減量が大きいが、副作用などによるバイアスピリン投与量の減量あるいは休薬は認められない。プラバスタチン併用群ではプラバスタチン群に比べてメバロチン(登録商標)錠5の投与量増加が少なく、血清CPK値の上昇が抑制される。カンデサルタン併用群ではカンデサルタン群に比べてブロプレス(登録商標)錠2の投与量増加が少なく、一過性の低血圧も認められない。よって本発明の予防/改善または治療薬はNASHの予防/改善または治療に有用であり、かつビグアナイド系血糖降下薬による乳酸アシドーシスなどの副作用軽減、アセチルサリチル酸によるアスピリン過敏症や胃腸障害などの副作用軽減、HMG−CoA還元酵素阻害剤による横紋筋融解症などの副作用軽減あるいはARBによる一過性の低血圧などの副作用軽減に有用である。
常法に従い、ω3PUFAsとビグアナイド系血糖降下薬、NSAIDs、HMG−CoA還元酵素阻害薬またはARBとの配合剤を製造する。
(製剤例1)軟カプセル剤
Figure 2009151116
上記表1の組成の濃グリセリン、メトホルミン塩酸塩および精製水を加えて撹拌し、水酸化ナトリウムを用いてpHを7付近に調整する。この液にゼラチンおよびD−ソルビトールを添加し60℃に加温・攪拌して溶解あるいは均一に分散させる。この溶解液あるいは分散液を減圧脱泡した後、精製水で粘度を調整して軟カプセル剤皮用液を得る。この軟カプセル剤皮用液と、EPA−Eを用いて、1カプセルあたりEPA−Eとして300mg、メトホルミン塩酸塩として40mg含有する軟カプセルを得る。
同様にして、メトホルミン塩酸塩に換えてブホルミン塩酸塩8mg、アセチルサリチル酸50mg、シンバスタチン5mg、ロバスタチン5mg、プラバスタチンナトリウム塩3mg、フルバスタチンナトリウム塩5mg、アトルバスタチンカルシウム水和物3mg、ロスバスタチンカルシウム塩1mg、ピタバスタチンカルシウム塩0.3mg、バルサルタン5mg、ロサルタンカリウム塩4mg、イルベサルタン6mg、エプロサルタンメシレート50mg、カンデサルタンシレキセチル0.5mg、テルミサルタン3mgまたはオルメサルタンメドキソミル1mgを用いて軟カプセルを得る。
(製剤例2)軟カプセル剤
Figure 2009151116
上記表2のBの組成の濃グリセリンに水を加え、さらに、ゼラチンおよびD−ソルビトールを添加し60℃に加温・攪拌して溶解させる。この溶解液を減圧脱泡した後、精製水で粘度を調整して軟カプセル剤皮用液を得る。上記Aの組成のEPA−Eに微粉砕したメトホルミン塩酸塩を混合して均一に分散し、軟カプセル内容液を得る。これらの軟カプセル剤皮用液および軟カプセル内容液を用いて、1カプセルあたりEPA−Eとして300mg、メトホルミン塩酸塩として80mg含有する軟カプセルを得る。
同様にして、メトホルミン塩酸塩に換えてブホルミン塩酸塩16mg、アセチルサリチル酸10mg、シンバスタチン2mg、ロバスタチン2mg、プラバスタチンナトリウム塩1mg、フルバスタチンナトリウム塩2mg、アトルバスタチンカルシウム水和物1mg、ロスバスタチンカルシウム塩0.4mg、ピタバスタチンカルシウム塩0.1mg、バルサルタン2mg、ロサルタンカリウム塩1.5mg、イルベサルタン2.5mg、エプロサルタンメシレート20mg、カンデサルタンシレキセチル0.2mg、テルミサルタン1mgまたはオルメサルタンメドキソミル2mgを用いて軟カプセルを得る。また、EPA−Eに換えてK85EE300mgを用いて軟カプセルを得る。
(製剤例3)液剤
Figure 2009151116
上記表3のBの組成の各成分に精製水を加えて溶解あるいは均一に分散し、水酸化ナトリウムでpHを7付近に調整する。この液にAの各成分を加え、減圧下、高速で撹拌して得られる乳化液を、アルミラミネートフィルム製スティック包装に9gずつ分注し、包装内部を窒素置換して密封し、1包あたりEPA−Eとして1800mg、メトホルミン塩酸塩として500mgを含有する液剤を得る。
同様にして、メトホルミン塩酸塩に換えてブホルミン塩酸塩100mg、アセチルサリチル酸600mg、シンバスタチン10mg、ロバスタチン40mg、プラバスタチンナトリウム塩10mg、フルバスタチンナトリウム塩30mg、アトルバスタチンカルシウム水和物20mg、ロスバスタチンカルシウム塩5mg、ピタバスタチンカルシウム塩2mg、バルサルタン80mg、ロサルタンカリウム塩50mg、イルベサルタン100mg、エプロサルタンメシレート800mg、カンデサルタンシレキセチル8mg、テルミサルタン40mgまたはオルメサルタンメドキソミル20mgを用いて液剤を得る。また、EPA−Eに換えてK85EE1800mgを用いて液剤を得る。
(製剤例4)ゼリー剤
Figure 2009151116
上記表4のBの組成の各成分に精製水を加えて溶解あるいは均一に分散し、水酸化ナトリウムでpHを7付近に調整する。この液に組成Aの各成分を加え、減圧下、高速で撹拌して乳化液を得る。この乳化液を85℃に加温し、組成Cの各成分を混合撹拌して均一分散した液を加え、均一に練合する。この調製液を、アルミラミネートフィルム製スティック包装に9gずつ分注し、包装内部を窒素置換して密封した後、冷却固化し、1包あたりEPA−Eとして1800mg、メトホルミン塩酸塩として250mgを含有するゼリー剤を得る。
同様にして、メトホルミン塩酸塩に換えてブホルミン塩酸塩50mg、アセチルサリチル酸300mg、シンバスタチン20mg、ロバスタチン40mg、プラバスタチンナトリウム塩20mg、フルバスタチンナトリウム塩30mg、アトルバスタチンカルシウム水和物20mg、ロスバスタチンカルシウム塩5mg、ピタバスタチンカルシウム塩2mg、バルサルタン40mg、ロサルタンカリウム塩25mg、イルベサルタン50mg、エプロサルタンメシレート400mg、カンデサルタンシレキセチル4mg、テルミサルタン20mgまたはオルメサルタンメドキソミル10mgを用いてゼリー剤を得る。
(製剤例5)分包配合剤
EPA−Eとして20mgを含有する、直径約4mmのゼラチン皮膜を有するシームレスソフトカプセルを製する。EPA−E含有シームレスソフトカプセル45カプセルと、メルビン(登録商標)錠(1錠280mgの錠剤にメトホルミン塩酸塩として250mg含有)1錠、バイアスピリン(登録商標)錠(1錠137mgの錠剤にアセチルサリチル酸として100mg含有)3錠、ローコール(登録商標)錠10mg(1錠66mgの錠剤にフルバスタチンナトリウム塩として10mg含有)1錠あるいはミカルディス(登録商標)錠20(1錠約85mgの錠剤にテルミサルタンとして20mg含有)1錠とを、アルミラミネートフィルム製スティック包装に入れ、包装内部を窒素置換して密封し、1包あたりEPA−Eとして900mgと、メトホルミン塩酸塩として250mg、アセチルサリチル酸として100mg、フルバスタチンナトリウム塩として10mgあるいはテルミサルタンとして20mgとを含有する分包配合剤を得る。同様にして、EPA−Eに換えてK85EE20mgを含有するシームレスカプセルを用いて分包配合剤を得る。
EPA−E含有シームレスソフトカプセル90カプセルと、Glucophage XR(登録商標)500mg錠、Measurin錠(1錠にアセチルサリチル酸として650mg含有)1錠、クレストール(登録商標)錠10mg(1錠中150mg中にロスバスタチンカルシウム塩として10mg含有)1錠あるいはニューロタン(登録商標)錠50(1錠中にロサルタンカリウム塩として50mg含有)1錠とを、アルミラミネートフィルム製スティック包装に入れ、包装内部を窒素置換して密封し、1包あたりEPA−Eとして1800mgと、メトホルミン塩酸塩として500mg、アセチルサリチル酸として650mg、ロスバスタチンカルシウム塩として10mgあるいはロサルタンカリウム塩として50mgとを含有する分包配合剤を得る。
本発明の、ω3PUFAs、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの第1成分、並びに、ビグアナイド系血糖降下薬、NSAIDs、HMG−CoA還元酵素阻害薬およびARBからなる群から選ばれる少なくとも1つの第2成分を有効成分として併用する、NASHの予防/改善または治療薬は、各々単独で使用した場合に比べて相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。
例えば、第2成分がビグアナイド系血糖降下薬である場合は、特に、糖尿病やメタボリックシンドローム患者など、インスリン抵抗性を発現している、アディポネクチンが減少しているあるいはTNFαが増加しているNASH患者において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。糖尿病を併発していないNASH患者においても、少量のビグアナイド系血糖降下薬との併用により、顕著な病態改善が期待される。
第2成分がHMG−CoA還元酵素阻害薬である場合は、特に、高脂血症やメタボリックシンドローム患者など、インスリン抵抗性を発現している、TNFα、ILや高感度CRPが増加している、繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1等)や血中酸化ストレスマーカー(フェリチン、チオレドキシン)が増加しているNASH患者において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。高脂血症を併発していないNASH患者においても、少量のHMG−CoA還元酵素阻害薬との併用により、顕著な病態改善が期待される。
第2成分がARBである場合は、特に、高血圧やメタボリックシンドロームを併発しているNASH患者など、インスリン抵抗性を発現して、繊維化マーカー(IV型コラーゲン、ヒアルロン酸、TIMP−1など)が増加しているNASH患者において相乗的なNASHの予防/改善または治療効果を示すことが期待される。高血圧を併発していないNASH患者においても、少量のARBとの併用により、顕著な病態改善が期待される。
また、本発明により各有効成分、特に第2成分を単独で使用する場合の投与量を減少させ、副作用を軽減することが可能であり、これらの副作用のために薬物投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
例えば、ビグアナイド系血糖降下薬による乳酸アシドーシスや遅延性の低血糖などの副作用が懸念される患者、アセチルサリチル酸のアスピリン過敏症や胃腸障害などの副作用の発現によりアセチルサリチル酸投与を中断せざるを得なかった患者、狭心症、心筋梗塞、虚血性脳血管障害、冠動脈バイパス術あるいは経皮経管冠動脈形成術施行患者などアセチルサリチル酸の継続投与が必要な患者、HMG−CoA還元酵素阻害薬の重大な副作用である横紋筋融解症などの副作用が懸念される患者およびARBによる腎機能障害、肝機能障害や一過性の血圧低下によるショック症状などの副作用が懸念される患者など、これらの副作用のためにARB投与を行えなかった患者や中断せざるを得なかった患者において治療を継続することができる。
また、配合剤やキット剤とすることで患者の服薬の負担を軽減し、服薬コンプライアンスを高めることで更に予防/改善または治療効果を高めることができる。

Claims (11)

  1. ω3多価不飽和脂肪酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの第1成分、並びに、
    (a)ビグアナイド系血糖降下薬、
    (b)非ステロイド性抗炎症薬、
    (c)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬、および
    (d)アンジオテンシンII受容体拮抗薬
    からなる群から選ばれる少なくとも1つの第2成分を有効成分として併用する、非アルコール性脂肪肝炎の予防/改善または治療薬。
  2. 前記第1の有効成分が、イコサペント酸、ドコサヘキサエン酸、α−リノレン酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項1に記載の予防/改善または治療薬。
  3. 前記第1の有効成分および第2の有効成分の配合剤である請求項1または2に記載の予防/改善または治療薬。
  4. 前記第2の有効成分が、(a)ビグアナイド系血糖降下薬である請求項1ないし3のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
  5. 前記(a)ビグアナイド系血糖降下薬が、メトホルミン、ブホルミン、フェンホルミン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項1ないし4のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
  6. 前記第2の有効成分が、(b)非ステロイド性抗炎症薬である請求項1ないし3のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
  7. 前記(b)非ステロイド性抗炎症薬が、アセチルサリチル酸、その製薬学上許容しうる塩およびエステルからなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項6に記載の予防/改善または治療薬。
  8. 前記第2の有効成分が、(c)3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬である請求項1ないし3のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
  9. 前記3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルコエンザイムA還元酵素阻害薬が、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、アトルバスタチン、ロスバスタチン、ピタバスタチン、セリバスタチン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項8に記載の予防/改善または治療薬。
  10. 前記第2の有効成分が、(d)アンジオテンシンII受容体拮抗薬である請求項1ないし3のいずれかに記載の予防/改善または治療薬。
  11. 前記アンジオテンシンII受容体拮抗薬が、ロサルタン、バルサルタン、イルベサルタン、エプロサルタン、カンデサルタン、テルミサルタン、オルメサルタン、及びその製薬学上許容しうる塩からなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物である請求項10記載の予防/改善または治療薬。
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