JPWO2009150853A1 - 中継局装置、無線通信装置、バッファクリア方法および信号中継方法 - Google Patents

中継局装置、無線通信装置、バッファクリア方法および信号中継方法 Download PDF

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Abstract

シグナリングのオーバヘッドが増加することなくバッファサイズを小さくすることができる無線通信装置。この装置において、バッファ(201)は、送信データを蓄積する。無線受信部(206)は、自装置が送信した送信データに対する応答信号、他の無線通信装置が送信した送信データに対する応答信号、および、中継データを受信し、判定部(208)は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数、および、他の無線通信装置が送信した送信データに対するACK信号の数のうちより少ない数を判定し、バッファ(201)は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数と、判定部(208)で判定された数との差と同数の送信データを削除する。そして、ネットワーク復号部(209)は、中継データおよびバッファ(201)に蓄積されている送信データを用いてネットワーク復号を行って他の無線通信装置から送信されたデータ信号を得る。

Description

本発明は、無線通信システム、無線通信装置およびバッファクリア方法に関する。
無線通信システムにおいて、各無線通信基地局装置(以下、基地局(BS:Base Station)という)のカバーエリアを拡大させるために、基地局と無線通信移動局装置(以下、移動局(MS:Mobile Station)という)との間に無線通信中継局装置(以下、中継局(RS:Relay StationまたはRepeater Station)という)を設置し、基地局と移動局との間の通信を中継局を介して行う中継送信技術が検討されている。
また、無線通信システムにおいて、中継局にネットワークコーディング技術を適用することが検討されている。ネットワークコーディング技術は、中継局が基地局および移動局から受信したデータにネットワーク符号化を施すことにより効率的な中継を可能とする技術である。
例えば、中継局は、移動局が送信したデータS1(MS)=1111および基地局が送信したデータS1(BS)=1010を受信する。そして、中継局は、ネットワーク符号化処理として、S1(MS)とS1(BS)とのXOR(exclusive OR:排他的論理和)演算を行う。これにより、中継局はXOR演算結果=0101を得る。そして、中継局は、XOR演算結果(0101)、すなわち、ネットワーク符号化後のビット列を同一チャネル(同一リソース)を用いて移動局および基地局へ同時送信する。
移動局は、ネットワーク復号処理として、中継局から送信されたビット列(0101)と自装置が送信したS1(MS)=1111とのXOR演算を行うことで、基地局が送信したS1(BS)=1010を得ることができる。同様に、基地局は、ネットワーク復号処理として、中継局から送信されたビット列(0101)と自装置が送信したS1(BS)=1010とのXOR演算を行うことで、移動局が送信したS1(MS)=1111を得ることができる。このように、移動局および基地局は中継局から同一チャネルを用いて送信されたデータから所望データを抽出することができる。ただし、移動局および基地局は、中継局でネットワーク符号化されたデータから所望データを抽出するために、自局が送信した送信データをバッファに蓄積しなければならない。
また、中継局は、移動局から基地局への送信データ(上り回線データ)と、基地局から移動局への送信データ(下り回線データ)とからなるデータの組み(例えば、S1(MS)とS1(BS))に対してネットワーク符号化を行う。よって、移動局からの送信データ量と基地局からの送信データ量とが異なる場合には、中継局は、移動局からの送信データと基地局からの送信データとで構成し得るデータの組みに対してのみ、ネットワーク符号化を行う。つまり、中継局は、移動局からの送信データ量および基地局からの送信データ量のうち、送信データ量が少ない方のデータと同数のデータの組みに対して、ネットワーク符号化を行う。一方、中継局は、ネットワーク符号化を行うことができないデータを、個別リソースを用いて中継送信する。すなわち、中継局は、移動局からの送信データ量と基地局からの送信データ量との差分と同数の送信データを、個別リソースを用いて送信する。
ここで、移動局および基地局は、個別リソースを用いて中継送信されるデータ(中継局でネットワーク符号化されないデータ)に対してネットワーク復号処理(XOR演算)を行わない。つまり、移動局および基地局のバッファに蓄積された送信データのうち、個別リソースを用いて中継送信される送信データは不要となる。そこで、中継局は、個別リソースを用いて中継送信されるデータの削除を指示するバッファクリア信号を移動局および基地局に送信する。そして、移動局および基地局は、バッファクリア信号に示されたデータをバッファから削除する。例えば、中継局は、移動局から受信したS1(MS)を個別リソースを用いて基地局に中継送信する場合、S1(MS)の削除を指示するバッファクリア信号を移動局に送信する。そして、移動局は、中継局から送信されたバッファクリア信号に従って、バッファに蓄積されたS1(MS)を削除する。これにより、移動局が保持するバッファのバッファサイズを小さくすることができる。
また、中継送信技術を適用した無線通信システムでは、移動局(または基地局)から中継局に送信されるデータに対してARQ(Automatic Repeat Request)を適用することが検討されている。つまり、中継局はデータの誤り検出結果を示す応答信号を移動局(または基地局)へフィードバックする。具体的には、中継局はデータに対しCRC(Cyclic Redundancy Check)を行って、CRC=OK(誤り無し)であればACK(Acknowledgment)信号を応答信号として移動局(または基地局)へフィードバックし、CRC=NG(誤り有り)であればNACK(Negative Acknowledgment)信号を応答信号として移動局(または基地局)へフィードバックする。また、例えば、中継局はデータの受信後、所定時間経過後に応答信号を移動局(または基地局)へフィードバックし、移動局(または基地局)は、中継局からNACK信号がフィードバックされた場合には、NACK信号の受信後、所定時間経過後にデータを中継局へ再送する。
上述したように、移動局および基地局が保持するバッファのバッファサイズを小さくするために、中継局はバッファクリア信号を移動局および基地局へ送信しなければならない。つまり、バッファクリア信号の分だけシグナリングのオーバヘッドが増加してしまう。
本発明の目的は、シグナリングのオーバヘッドが増加することなくバッファサイズを小さくすることができる無線通信システム、無線通信装置およびバッファクリア方法を提供することである。
本発明の無線通信システムは、第1無線通信装置と、第2無線通信装置と、前記第1無線通信装置と前記第2無線通信装置との間で中継送信を行う無線通信中継局装置と、を具備する無線通信システムであって、前記無線通信中継局装置が、前記第1無線通信装置から送信された第1送信データおよび前記第2無線通信装置から送信された第2送信データに対して誤り検出を行ってACK信号またはNACK信号を応答信号として生成し、前記第1送信データに対する第1応答信号および前記第2送信データに対する第2応答信号の双方がACK信号の場合に、前記第1送信データおよび前記第2送信データを用いてネットワーク符号化を行って中継データを生成し、前記第1応答信号、前記第2応答信号および前記中継データを前記第1無線通信装置および前記第2無線通信装置へ送信し、前記第1無線通信装置が、前記無線通信中継局装置へ送信した前記第1送信データをバッファに蓄積し、前記第1応答信号、前記第2応答信号および前記中継データを受信し、前記第1送信データに対する第1ACK信号の数、および、前記第2送信データに対する第2ACK信号の数のうちより少ない数を判定し、前記第1ACK信号の数と前記より少ない数との差分と同数の第1送信データを前記バッファから削除し、前記中継データおよび前記バッファに蓄積されている第1送信データを用いてネットワーク復号を行って前記第2送信データを得る構成を採る。
本発明によれば、シグナリングのオーバヘッドが増加することなくバッファサイズを小さくすることができる。
本発明の実施の形態に係る中継局の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態に係るシーケンス図(誤り無しの場合) 本発明の実施の形態に係る無線通信装置で受信されるACK信号数およびNACK信号数を示す図 本発明の実施の形態に係るバッファにおける送信データの削除を示す図 本発明の実施の形態に係るシーケンス図(誤り有りの場合) 本発明の実施の形態に係る無線通信装置で受信されるACK信号数およびNACK信号数を示す図 本発明の実施の形態に係るバッファにおける送信データの削除を示す図
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、無線通信装置Aと、無線通信装置Bと、無線通信装置Aと無線通信装置Bとの間で中継送信を行う中継局100とを具備する。つまり、本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、2つの無線通信装置(無線通信装置Aおよび無線通信装置B)が中継局100を介して通信する。例えば、2つの無線通信装置は、基地局または移動局である。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、無線通信装置から中継局100へのデータに対してARQを適用する。すなわち、本実施の形態に係る中継局100は、受信データに対しCRCを行って、受信データに誤りが無ければACK信号を無線通信装置にフィードバックし、受信データに誤りが有ればNACK信号を無線通信装置にフィードバックする。このとき、中継局100がデータの受信後、所定時間経過後に応答信号を無線通信装置へフィードバックすることで、無線通信装置は、フィードバックされた応答信号を自装置宛ての応答信号として受信する。また、中継局100は、応答信号を無線通信装置Aおよび無線通信装置Bの双方で受信可能なリソースを用いて送信する。例えば、中継局100は、応答信号を無線通信装置Aと無線通信装置Bとの間で共通のリソースを用いて送信する。
また、以下の説明では、中継局100は、無線通信装置Aおよび無線通信装置Bからそれぞれ送信されたデータに対してネットワークコーディングを適用する。そして、中継局100は、ネットワーク符号化後のデータを、ネットワーク符号化されたデータの送信用に確保されたリソースであるネットワークコーディング用リソースを用いて無線通信装置Aおよび無線通信装置Bに同時に送信する。
本実施の形態に係る中継局の構成について説明する。図1に本実施の形態に係る中継局100の構成を示す。
中継局100において、無線受信部102は、複数の無線通信装置からのデータ信号をアンテナ101を介して受信し、ダウンコンバート等の無線処理を施して、無線処理後のデータ信号を復調部103に出力する。
復調部103は、無線受信部102から入力されるデータ信号を復調して、復調後のデータ信号を復号部104に出力する。
復号部104は、復調部103から入力されるデータ信号を復号して、復号後のデータ信号をバッファ105および誤り検出部106に出力する。
バッファ105は、復号部104から入力されるデータ信号を所定の時間だけ保存し、符号化部109に出力する。
誤り検出部106は、復号部104から入力されるデータ信号に対して誤りを検出する。そして、誤り検出部106は、検出結果(誤りの有無)を生成部107および制御部108に出力する。
生成部107は、誤り検出部106から入力される検出結果に基づいてACK信号またはNACK信号を応答信号として生成する。具体的には、生成部107は、データ信号に誤りがある場合にはNACK信号を応答信号として生成し、データ信号に誤りが無い場合にはACK信号を応答信号として生成する。そして、生成部107は、生成された応答信号を変調部111に出力する。
制御部108は、誤り検出部106から入力される検出結果(誤りの有無)に基づいて各信号の送信に用いるリソースを制御する。例えば、制御部108は、無線通信装置Aが送信したデータ信号に対する判定結果の数、および、無線通信装置Bが送信したデータ信号に対する判定結果の数に基づいて、ネットワーク符号化部110でネットワーク符号化されるデータ信号の数とネットワーク符号化部110でネットワーク符号化されないデータ信号の数とを特定する。具体的には、制御部108は、無線通信装置Aのデータ信号に対する誤り無しの数、および、無線通信装置Bのデータ信号に対する誤り無しの数のうち少ない数を、ネットワーク符号化されるデータ信号の数として特定する。また、制御部108は、無線通信装置Aのデータ信号に対する誤り無しの数と、無線通信装置Bのデータ信号に対する誤り無しの数との差を、ネットワーク符号化されないデータ信号の数として特定する。そして、制御部108は、ネットワーク符号化されるデータ信号の数に相当するネットワークコーディング用リソースを決定し、ネットワーク符号化されないデータ信号の数に相当する個別リソースを決定する。また、制御部108は、応答信号を割り当てる応答信号用リソースを決定する。そして、制御部108は、決定した各リソースを示す制御情報を割当部112に出力する。
符号化部109は、バッファ105から入力されるデータ信号を符号化して、符号化後のデータ信号をネットワーク符号化部110および変調部111に出力する。例えば、符号化部109は、無線通信装置Aのデータ信号に対する応答信号および無線通信装置Bのデータ信号に対する応答信号の双方がACK信号の場合に、無線通信装置Aのデータ信号と無線通信装置Bのデータ信号とからなるデータ信号の組みをネットワーク符号化部110に出力する。一方、符号化部109は、無線通信装置Aのデータ信号および無線通信装置Bのデータ信号のうち、データ信号の組みを構成できない残りのデータ信号、すなわち、ネットワーク符号化されないデータ信号を変調部111に出力する。
ネットワーク符号化部110は、符号化部109から入力される、異なる無線通信装置のデータ信号を用いてネットワーク符号化処理、つまり、XOR演算を行う。例えば、ネットワーク符号化部110は、無線通信装置Aから送信されたデータ信号と、無線通信装置Bから送信されたデータ信号とに対してXOR演算を行う。そして、ネットワーク符号化部110は、ネットワーク符号化後のデータ信号(中継データ)を変調部111に出力する。
変調部111は、生成部107から入力される応答信号、符号化部109から入力される符号化後のデータ信号またはネットワーク符号化部110から入力されるネットワーク符号化後のデータ信号を変調して、変調後の各信号を割当部112に出力する。
割当部112は、制御部108から入力される制御情報に従って、変調部111から入力される各信号を送信用リソースのいずれかに割り当てる。具体的には、割当部112は、生成部107から入力される応答信号を、制御情報に示される応答信号用リソースに割り当てる。また、割当部112は、符号化部109から入力されるデータ信号(ネットワーク符号化が行われないデータ信号)を、制御情報に示される個別リソースに割り当てる。また、割当部112は、ネットワーク符号化部110から入力されるデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)を、制御情報に示されるネットワークコーディング用リソースに割り当てる。ここで、応答信号用リソースは、複数の無線通信装置間で共通のリソース、つまり、複数の無線通信装置で受信可能なリソースである。そして、割当部112は、各リソースに割り当てられた信号(すなわち、中継データおよび応答信号)を無線送信部113に出力する。
無線送信部113は、割当部112から入力される信号に対してアップコンバート等の無線処理を施して、無線処理後の信号をアンテナ101から中継送信する。
次に、本実施の形態に係る無線通信装置の構成について説明する。図2に本実施の形態に係る無線通信装置200の構成を示す。本実施の形態の無線通信システムにおける無線通信装置Aおよび無線通信装置Bは、共に図2に示す構成を採る。
無線通信装置200において、バッファ201は、送信データを符号化部202に出力するとともに、送信データを蓄積する。また、ネットワーク復号部209が受信データを抽出する際、バッファ201は、蓄積した送信データをネットワーク復号部209に出力する。また、バッファ201は、判定部208から入力されるバッファクリア信号に基づいて、蓄積した送信データを削除する。
符号化部202は、バッファ201から入力される送信データを符号化して、符号化後の送信データを変調部203に出力する。
変調部203は、符号化部202から入力される送信データを変調して、変調後の送信データを無線送信部204に出力する。
無線送信部204は、変調部203から入力される送信データに対してアップコンバート等の無線処理を施して、無線処理後の送信データをアンテナ205から中継局100(図1)へ送信する。
一方、無線受信部206は、中継局100からの信号をアンテナ205を介して受信し、ダウンコンバート等の無線処理を施して、無線処理後の信号を復調部207に出力する。なお、中継局100からの信号には、応答信号用リソースに割り当てられた応答信号および中継データが含まれる。また、中継データは、ネットワークコーディング用リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)、個別リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われていないデータ信号)を含む。ここで、無線受信部206は、応答信号として、自装置が送信した送信データに対する応答信号(ACK信号またはNACK信号)、および、他の無線通信装置が送信した送信データに対する応答信号(ACK信号またはNACK信号)を複数の無線通信装置が受信可能なリソース、つまり、自装置と他の無線通信装置との共通リソースを用いて受信する。
復調部207は、無線受信部206から入力される信号を復調して、応答信号を判定部208に出力し、ネットワークコーディング用リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)をネットワーク復号部209に出力し、個別リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われていないデータ信号)を復号部210に出力する。
判定部208は、復調部207から入力される応答信号(ACK信号またはNACK信号)に対して、自装置が送信した送信データに対する応答信号の数(自装置宛ての応答信号の数)と、他の無線通信装置が送信した送信データに対する応答信号の数(他の無線通信装置宛ての応答信号の数)とをカウントする。そして、判定部208は、カウントした応答信号数に基づいて、自装置が送信した送信データのうち、中継局100でネットワーク符号化された送信データの数と、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数とを判定する。具体的には、まず、判定部208は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数、および、他の無線通信装置が送信した送信データに対するACK信号の数のうちより少ない数を判定する。ここで、判定される数は、中継局100でネットワーク符号化される送信データの数と同数である。例えば、判定部208は、次式(1)に従って、ネットワーク符号化される送信データ数NNCを判定する。
ここで、演算子min(X、Y)は、XおよびYの2つの数値のうち小さい数値を返す関数である。また、N ACKは自装置(例えば、無線通信装置A)が送信した送信データに対する応答信号のうちのACK信号の数であり、N ACKは他の無線通信装置(例えば、無線通信装置B)が送信した送信データに対する応答信号のうちのACK信号の数である。
次いで、判定部208は、判定された送信データ数NNCに基づいて、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数(ネットワーク符号化されていない送信データの数)を判定する。具体的には、判定部208は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数N ACKと、式(1)を用いて判定された数NNCとの差分を算出し、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数とする。例えば、判定部208は、次式(2)に従って、個別リソースで送信された送信データの数NDCを算出する。
つまり、算出される送信データの数NDCは、ネットワーク復号処理に不要な送信データの数と等しい。換言すると、送信データの数NDCは、バッファ201に蓄積された送信データのうち、削除可能な送信データの数と等しい。そこで、判定部208は、NDC個の送信データの削除を指示するバッファクリア信号をバッファ201に出力する。つまり、バッファ201は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数N ACKと、判定部208で判定された数NNCとの差分と同数の送信データを削除する。換言すると、バッファ201は、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数NDCと同数の送信データを削除する。
ネットワーク復号部209は、復調部207から入力されるデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)およびバッファ201に蓄積されている送信データを用いてネットワーク復号処理、つまり、XOR演算を行う。そして、ネットワーク復号部209は、演算結果、すなわち、他の無線通信装置から送信されたデータ信号を復号部210に出力する。
復号部210は、復調部207から入力されるデータ信号、または、ネットワーク復号部209から入力されるデータ信号を復号して受信データを得る。
次に、本実施の形態に係る無線通信システムにおける中継送信処理について説明する。ここでは、無線通信装置Aが2つの送信データ(S1(A)およびS2(A))を送信し、無線通信装置Bが1つの送信データS1(B)を送信する。すなわち、無線通信装置Aから無線通信装置Bに送信するデータ量が、無線通信装置Bから無線通信装置Aに送信するデータ量より多い。また、説明を簡略にするために、無線通信装置Aのバッファ201における送信データの削除処理(バッファクリア処理)のみを説明し、無線通信装置Bのバッファ201におけるバッファクリア処理の説明を省略する。
まず、中継局100において、各無線通信装置からの送信データに誤りが無い場合(図3)について説明する。
図3に示すシーケンス図のステップ(以下、STという)101では、無線通信装置Aは、S1(A)を、中継局100に送信するとともに、S1(A)をバッファ201(図2)に蓄積する。
中継局100は、受信したS1(A)に対して誤り検出を行う。S1(A)に誤りが無い場合、ST102では、中継局100は、S1(A)に対するACK信号を無線通信装置Aにフィードバックする。無線通信装置Aの判定部208は、自装置宛てのACK信号が受信されたことをカウントする。ここで、S1(A)に対するACK信号は、無線通信装置Aおよび無線通信装置Bの間で共通のリソースを用いて送信されるため、無線通信装置Bは、無線通信装置A宛てのACK信号(図3のST102の破線矢印)を受信することができる。つまり、中継局100は、無線通信装置Aに対する応答信号を無線通信装置Aおよび無線通信装置Bへ送信する。
ST103では、無線通信装置Bが、S1(B)を中継局100に送信する。
ST104では、中継局100は、受信したS1(B)に対して誤り検出を行い、S1(B)に誤りが無い場合、S1(B)に対するACK信号を無線通信装置Bにフィードバックする。ここで、ST102と同様、S1(B)に対するACK信号は、無線通信装置Aおよび無線通信装置Bの間で共通のリソースを用いて送信されるため、無線通信装置Aは、無線通信装置B宛てのACK信号(図3のST104の破線矢印)を受信することができる。つまり、中継局100は、無線通信装置Bに対する応答信号を無線通信装置Aおよび無線通信装置Bへ送信する。そこで、無線通信装置Aの判定部208は、他の無線通信装置(ここでは、無線通信装置B)宛てのACK信号が受信されたことをカウントする。
ST105では、無線通信装置Aは、S2(A)を中継局100に送信するとともに、バッファ201に蓄積する。
ST106では、中継局100は、受信したS2(A)に対して誤り検出を行い、S2(A)に誤りが無い場合、S2(A)に対するACK信号を無線通信装置Aにフィードバックする。そして、無線通信装置Aの判定部208は、自装置宛てのACK信号が受信されたことをカウントする。また、ST102と同様、無線通信装置Bは、無線通信装置A宛てのACK信号(図3のST106の破線矢印)を受信する。
図3に示すように、無線通信装置Aから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が2つ(S1(A)およびS2(A))であるのに対し、無線通信装置Bから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が1つ(S1(B))である。そのため、中継局100では、無線通信装置Aの送信データと無線通信装置Bの送信データとで構成し得るデータの組みは1組となる。そこで、ST107では、中継局100は、無線通信装置Aから送信されたS1(A)および無線通信装置Bから送信されたS1(B)を用いてネットワーク符号化(XOR演算)を行う。すなわち、中継局100は、無線通信装置Aからの送信データと、無線通信装置Bの送信データとからなる1組のデータの組みに対してネットワーク符号化(XOR演算)を行う。そして、中継局100は、ネットワーク符号化後の送信データ(S1(A)XORS1(B))をネットワークコーディング用リソースを用いて無線通信装置Aおよび無線通信装置Bに同時に送信する。
ST107でネットワーク符号化されたデータの組み(S1(A)およびS1(B))以外のデータである、無線通信装置Aから送信されたS2(A)は、他の無線通信装置の送信データとデータの組みを構成することができない。よって、ST108では、中継局100は、S2(A)を個別リソースを用いて無線通信装置Bに送信する。
図4は、無線通信装置Aの判定部208においてカウントされたACK信号数およびNACK信号数を示す。具体的には、無線通信装置Aは、無線通信装置A宛てのACK信号を、図3に示すST102およびST106で受信するため、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置AへのACK信号数(無線通信装置A宛てのACK信号数)は2となる。同様に、無線通信装置Aは、無線通信装置B宛てのACK信号を、図3に示すST104で受信するため、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置BへのACK信号数(無線通信装置B宛てのACK信号数)は1となる。また、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置AへのNACK信号数(無線通信装置A宛てのNACK信号数)および中継局100から無線通信装置BへのNACK信号数(無線通信装置B宛てのNACK信号数)は0となる。
よって、判定部208は、中継局100でネットワーク符号化された送信データ数NNCを、式(1)より1(=min(2,1))個と判定する。また、判定部208は、個別リソースで送信された送信データ数NDCを、式(2)より1(=2−1)個と判定する。すなわち、バッファ201から削除される送信データ数は1つとなる。ここでは、無線通信装置Aは、1番目に送信したS1(A)をネットワーク符号化された送信データと判断し、2番目に送信したS2(A)を個別リソースで送信された送信データと判断する。つまり、無線通信装置Aのバッファ201で保存する必要がない送信データはS2(A)である。そこで、判定部208は、1個の送信データ(S2(A))の削除を指示するバッファクリア信号をバッファ201に出力する。
図5に示すように、無線通信装置Aのバッファ201は、図3に示すST101で送信されたS1(A)およびST105で送信されたS2(A)を蓄積している。ここで、S2(A)の削除を指示するバッファクリア信号が判定部208からバッファ201へ入力されると、図5に示すように、バッファ201は、S2(A)を削除する。つまり、バッファ201はS1(A)のみを蓄積する。換言すると、バッファ201は、中継局100でネットワーク符号化された送信データのみを蓄積した状態となる。
次に、中継局100において、無線通信装置Bからの送信データに誤りが有る場合(図6)について説明する。なお、図3に示すシーケンス図における動作と同一の動作については説明を省略する。
図6に示すシーケンス図のST201では、無線通信装置Bが、S1(B)を中継局100に送信する。中継局100は、受信したS1(B)に対して誤り検出を行う。ここで、S1(B)に誤りが有る場合(NGの場合)、ST202では、中継局100は、S1(B)に対するNACK信号を無線通信装置Bにフィードバックする。このとき、無線通信装置Aは、無線通信装置B宛てのNACK信号(図6のST202の破線矢印)を受信し、無線通信装置Aの判定部208は、無線通信装置Bに対するNACK信号が受信されたことをカウントする。
図6に示すように、無線通信装置Aから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が2つ(S1(A)およびS2(A))であるのに対し、無線通信装置Bから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が0個である。つまり、図6では、無線通信装置Bから無線通信装置Aへの送信データは無く、無線通信装置Aから無線通信装置Bへの送信データのみが中継局100で中継される。そのため、中継局100は、ネットワーク符号化されるデータの組みを構成することができない。よって、ST203では、中継局100は、S1(A)を個別リソースを用いて無線通信装置Bに送信し、ST204では、中継局100は、S2(A)を個別リソースを用いて無線通信装置Bに送信する。
図7は、無線通信装置Aの判定部208においてカウントされたACK信号数およびNACK信号数を示す。具体的には、判定部208でカウントされる無線通信装置A宛てのACK信号数は、図4と同様、2となる。また、無線通信装置Aでは、無線通信装置B宛てのNACK信号が、図6に示すST202で受信されるため、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置BへのNACK信号数(無線通信装置B宛てのNACK信号数)は1となる。また、中継局100から無線通信装置AへのNACK信号数(無線通信装置A宛てのNACK信号数)および中継局100から無線通信装置BへのACK信号数(無線通信装置B宛てのACK信号数)は0となる。
よって、判定部208は、中継局100でネットワーク符号化された送信データ数NNCを、式(1)より0(=min(2,0))個と判定する。また、判定部208は、個別リソースで送信された送信データ数NDCを、式(2)より2(=2−0)個と判定する。すなわち、ネットワーク復号処理のために無線通信装置Aのバッファ201で保存する必要がある送信データは0個であり、バッファ201から削除される送信データ数(個別リソースで送信される送信データ数NDC)は2つとなる。よって、判定部208は、2つの送信データ(S1(A)およびS2(A))の削除を指示するバッファクリア信号をバッファ201に出力する。
図8に示すように、無線通信装置Aのバッファ201は、図5と同様、S1(A)およびS2(A)を蓄積している。ここで、S1(A)およびS2(A)の削除を指示するバッファクリア信号が判定部208からバッファ201へ入力されると、図8に示すように、バッファ201は、S(1)およびS2(A)を削除する。これにより、バッファ201には蓄積された送信データが無い状態となる。
このようにして、無線通信装置Aは、中継局100での送信データの誤りの有無に関わらず、中継局100でネットワーク符号化される送信データの数を把握することができる。また、無線通信装置Aは、中継局100でネットワーク符号化されず、個別リソースを用いて中継される送信データ、つまり、無線通信装置Aのバッファ201での蓄積が不要な送信データの数を把握することができる。これにより、無線通信装置Aは、中継局100からシグナリングされることなく、ネットワーク復号処理に不要な送信データをバッファ201から削除することができる。
このように、本実施の形態によれば、無線通信装置は自装置宛てのACK信号の数と他の無線通信装置宛てのACK信号の数をカウントし、中継局でネットワーク符号化された送信データ数および個別リソースで送信された送信データ数(ネットワーク符号化されない送信データ数)を判定する。これにより、無線通信装置は、中継局からのシグナリングを受信することなく、バッファに蓄積された不要な送信データ(個別リソースで送信される送信データ)をバッファから削除することができる。よって、本実施の形態によれば、シグナリングのオーバヘッドを増加することなく不要な送信データをバッファから削除することができ、バッファサイズを小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、無線通信装置Aにおけるバッファクリア方法についてのみ説明したが、無線通信装置Bにおいても、無線通信装置Aと同様の処理を行うことで同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態における無線通信装置200を基地局または移動局に備えることができる。これにより、上記同様の作用・効果を奏する基地局および移動局を実現することができる。ここで、移動局では、小型軽量化が要求されるため、基地局が保持できるバッファのバッファサイズと比較して、移動局が保持できるバッファのバッファサイズが制限される。そのため、本発明における無線通信装置を移動局に備えることで、バッファサイズをより小さくすることができるため、本発明の効果をより得ることができる。
また、本実施の形態では、複数の無線通信装置の共通リソースを用いて応答信号が送信される場合について説明した。例えば、複数の無線通信装置の共通リソースとして、ネットワーク符号化された中継データの通信用に確保されたネットワークコーディング用リソースを用いてもよい。
また、本実施の形態では、判定部208(図2)は、式(1)および式(2)に示すように、受信されるACK信号の数に基づいてネットワーク符号化される送信データ数NNCおよび個別リソースで送信される送信データ数NDCを判定する場合について説明した。しかし、本発明では、判定部208は、受信されるNACK信号を用いてACK信号数を算出し、式(1)および式(2)により、ネットワーク符号化される送信データ数NNCおよび個別リソースで送信される送信データ数NDCを判定してもよい。具体的には、式(1)および式(2)に示す無線通信装置A宛てのACK信号数N ACKは、次式(3)より算出される。
ACK=無線通信装置Aが送信する送信データ数−N NACK (3)
ここで、N NACKは、無線通信装置A宛てのNACK信号の数である。つまり、無線通信装置Aにおいて、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数は、自装置が送信した送信データ数と、自装置が送信した送信データに対するNACK信号の数との差と同数である。これにより、無線通信装置Aでは、受信されるNACK信号に基づいて、バッファから削除する送信データ数を判定することができる。
また、本実施の形態では、中継局が、無線通信装置(例えば、移動局および基地局)に対してバッファクリア方法を予め指示し、各無線通信装置が、中継局からの応答信号(ACK信号またはNACK信号)に基づいてバッファクリア処理を補正してもよい。例えば、無線通信装置(例えば、移動局)から送信される送信データに対して、ネットワーク符号化を行う中継送信と、ネットワーク符号化を行わない中継送信(個別リソースを用いた中継送信)とが1回ずつ交互に実施されることが中継局から無線通信装置(例えば、移動局)に対して予め指示される。この場合、例えば、中継局には、無線通信装置(例えば、移動局)から2つの送信データが受信されるのに対し、他の無線通信装置(例えば、基地局)から1つの送信データが受信される。ただし、ここでは、各無線通信装置からの送信データが中継局に誤り無く送信されることを想定する。このとき、中継局では、無線通信装置(例えば、移動局)からの送信データに対して1つおきにネットワーク符号化が行われるため、無線通信装置(例えば、移動局)は、バッファに蓄積された送信データを1つおきに削除すればよい。
ここで、無線通信装置(例えば、移動局)から送信される送信データのいずれかに誤りが発生した場合、中継局で中継送信される送信データは、無線通信装置(例えば、移動局)および他の無線通信装置(例えば、基地局)でそれぞれ1つとなる。つまり、中継局では、1組のデータの組みに対するネットワーク符号化のみが行われる。そこで、無線通信装置(例えば、移動局)は、自装置宛てのNACK信号を受信した場合、バッファクリア方法に対して、バッファに蓄積された送信データの削除を中止する補正を施す。
一方、他の無線通信装置(例えば、基地局)から送信される送信データに誤りが発生した場合、中継局で中継送信される送信データは、無線通信装置(例えば、移動局)の2つの送信データとなる。つまり、中継局では、個別リソースを用いた中継送信のみが行われ、ネットワーク符号化が行われない。そこで、無線通信装置(例えば、移動局)は、他の無線通信装置(例えば、基地局)宛てのNACK信号を受信した場合、バッファクリア方法に対して、バッファに蓄積された送信データを全て削除する補正を施す。
これにより、各無線通信装置にバッファクリア方法が予め指示され、中継局で誤りが発生した場合、無線通信装置が中継局からの応答信号に応じてバッファクリア方法が補正されることで、本発明と同様、シグナリングのオーバヘッドが増加することなく、バッファサイズを小さくすることができる。
また、上記実施の形態では、中継局は、符号化後の中継データに対してネットワーク符号化を行う場合について説明した。しかし、本発明では、中継局は、ネットワーク符号化を行った後の中継データを符号化してもよい。
また、上記実施の形態では、中継局は、再送が発生したデータに対してネットワーク符号化を行わず、個別リソースを用いて送信することも考えられる。
また、上記実施の形態では、ACK/NACK信号に基づくバッファクリア方法について説明した。しかし、本発明では、ACK/NACK信号に限らず、新規データであるか再送データであるかを示すNDI(New Data Indicator)を用いてもよい。
また、上記実施の形態における基地局はNode B、eNode B(evolved Node B)と表され、移動局はUEと表されることがある。また、上記実施の形態における中継局は、RN(Relay Node)、リピータ、簡易基地局、クラスタヘッド等と呼ばれることもある。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2008年6月13日出願の特願2008−155820の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、複数の無線通信装置が中継局を介して無線通信を行う無線通信システム等に適用することができる。
本発明は、中継局装置、無線通信装置、バッファクリア方法および信号中継方法に関する。
無線通信システムにおいて、各無線通信基地局装置(以下、基地局(BS:Base Station)という)のカバーエリアを拡大させるために、基地局と無線通信移動局装置(以下、移動局(MS:Mobile Station)という)との間に無線通信中継局装置(以下、中継局(RS:Relay StationまたはRepeater Station)という)を設置し、基地局と移動局との間の通信を中継局を介して行う中継送信技術が検討されている。
また、無線通信システムにおいて、中継局にネットワークコーディング技術を適用することが検討されている。ネットワークコーディング技術は、中継局が基地局および移動局から受信したデータにネットワーク符号化を施すことにより効率的な中継を可能とする技術である。
例えば、中継局は、移動局が送信したデータS1(MS)=1111および基地局が送信したデータS1(BS)=1010を受信する。そして、中継局は、ネットワーク符号化処理として、S1(MS)とS1(BS)とのXOR(exclusive OR:排他的論理和)演算を行う。これにより、中継局はXOR演算結果=0101を得る。そして、中継局は、XOR演算結果(0101)、すなわち、ネットワーク符号化後のビット列を同一チャネル(同一リソース)を用いて移動局および基地局へ同時送信する。
移動局は、ネットワーク復号処理として、中継局から送信されたビット列(0101)と自装置が送信したS1(MS)=1111とのXOR演算を行うことで、基地局が送信したS1(BS)=1010を得ることができる。同様に、基地局は、ネットワーク復号処理として、中継局から送信されたビット列(0101)と自装置が送信したS1(BS)=1010とのXOR演算を行うことで、移動局が送信したS1(MS)=1111を得ることができる。このように、移動局および基地局は中継局から同一チャネルを用いて送信されたデータから所望データを抽出することができる。ただし、移動局および基地局は、中継局でネットワーク符号化されたデータから所望データを抽出するために、自局が送信した送信データをバッファに蓄積しなければならない。
また、中継局は、移動局から基地局への送信データ(上り回線データ)と、基地局から移動局への送信データ(下り回線データ)とからなるデータの組み(例えば、S1(MS)とS1(BS))に対してネットワーク符号化を行う。よって、移動局からの送信データ量と基地局からの送信データ量とが異なる場合には、中継局は、移動局からの送信データと基地局からの送信データとで構成し得るデータの組みに対してのみ、ネットワーク符号化を行う。つまり、中継局は、移動局からの送信データ量および基地局からの送信データ量のうち、送信データ量が少ない方のデータと同数のデータの組みに対して、ネットワーク符号化を行う。一方、中継局は、ネットワーク符号化を行うことができないデータを、個別リソースを用いて中継送信する。すなわち、中継局は、移動局からの送信データ量と基地局からの送信データ量との差分と同数の送信データを、個別リソースを用いて送信する。
ここで、移動局および基地局は、個別リソースを用いて中継送信されるデータ(中継局でネットワーク符号化されないデータ)に対してネットワーク復号処理(XOR演算)を行わない。つまり、移動局および基地局のバッファに蓄積された送信データのうち、個別リソースを用いて中継送信される送信データは不要となる。そこで、中継局は、個別リソースを用いて中継送信されるデータの削除を指示するバッファクリア信号を移動局および基地局に送信する。そして、移動局および基地局は、バッファクリア信号に示されたデータをバッファから削除する。例えば、中継局は、移動局から受信したS1(MS)を個別リソースを用いて基地局に中継送信する場合、S1(MS)の削除を指示するバッファクリア信号を移動局に送信する。そして、移動局は、中継局から送信されたバッファクリア信号に従って、バッファに蓄積されたS1(MS)を削除する。これにより、移動局が保持するバッファのバッファサイズを小さくすることができる。
また、中継送信技術を適用した無線通信システムでは、移動局(または基地局)から中継局に送信されるデータに対してARQ(Automatic Repeat Request)を適用することが検討されている。つまり、中継局はデータの誤り検出結果を示す応答信号を移動局(または基地局)へフィードバックする。具体的には、中継局はデータに対しCRC(Cyclic Redundancy Check)を行って、CRC=OK(誤り無し)であればACK(Acknowledgment)信号を応答信号として移動局(または基地局)へフィードバックし、CRC=NG(誤り有り)であればNACK(Negative Acknowledgment)信号を応答信号として移動局(または基地局)へフィードバックする。また、例えば、中継局はデータの受信後、所定時間経過後に応答信号を移動局(または基地局)へフィードバックし、移動局(または基地局)は、中継局からNACK信号がフィードバックされた場合には、NACK信号の受信後、所定時間経過後にデータを中継局へ再送する。
上述したように、移動局および基地局が保持するバッファのバッファサイズを小さくするために、中継局はバッファクリア信号を移動局および基地局へ送信しなければならない。つまり、バッファクリア信号の分だけシグナリングのオーバヘッドが増加してしまう。
本発明の目的は、シグナリングのオーバヘッドが増加することなくバッファサイズを小さくすることができる中継局装置、無線通信装置、バッファクリア方法および信号中継方法を提供することである。
本発明の一態様に係る無線通信システムは、第1無線通信装置と、第2無線通信装置と、前記第1無線通信装置と前記第2無線通信装置との間で中継送信を行う無線通信中継局装置と、を具備する無線通信システムであって、前記無線通信中継局装置が、前記第1無線通信装置から送信された第1送信データおよび前記第2無線通信装置から送信された第2送信データに対して誤り検出を行ってACK信号またはNACK信号を応答信号として生成し、前記第1送信データに対する第1応答信号および前記第2送信データに対する第2応答信号の双方がACK信号の場合に、前記第1送信データおよび前記第2送信データを用いてネットワーク符号化を行って中継データを生成し、前記第1応答信号、前記第2応答信号および前記中継データを前記第1無線通信装置および前記第2無線通信装置へ送信し、前記第1無線通信装置が、前記無線通信中継局装置へ送信した前記第1送信データをバッファに蓄積し、前記第1応答信号、前記第2応答信号および前記中継データを受信し、前記第1送信データに対する第1ACK信号の数、および、前記第2送信データに対する第2ACK信号の数のうちより少ない数を判定し、前記第1ACK信号の数と前記より少ない数との差分と同数の第1送信データを前記バッファから削除し、前記中継データおよび前記バッファに蓄積されている第1送信データを用いてネットワーク復号を行って前記第2送信データを得る構成を採る。
本発明によれば、シグナリングのオーバヘッドが増加することなくバッファサイズを小さくすることができる。
本発明の実施の形態に係る中継局の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態に係る無線通信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態に係るシーケンス図(誤り無しの場合) 本発明の実施の形態に係る無線通信装置で受信されるACK信号数およびNACK信号数を示す図 本発明の実施の形態に係るバッファにおける送信データの削除を示す図 本発明の実施の形態に係るシーケンス図(誤り有りの場合) 本発明の実施の形態に係る無線通信装置で受信されるACK信号数およびNACK信号数を示す図 本発明の実施の形態に係るバッファにおける送信データの削除を示す図
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、無線通信装置Aと、無線通信装置Bと、無線通信装置Aと無線通信装置Bとの間で中継送信を行う中継局100とを具備する。つまり、本発明の実施の形態に係る無線通信システムは、2つの無線通信装置(無線通信装置Aおよび無線通信装置B)が中継局100を介して通信する。例えば、2つの無線通信装置は、基地局または移動局である。
また、本実施の形態に係る無線通信システムは、無線通信装置から中継局100へのデータに対してARQを適用する。すなわち、本実施の形態に係る中継局100は、受信データに対しCRCを行って、受信データに誤りが無ければACK信号を無線通信装置にフィードバックし、受信データに誤りが有ればNACK信号を無線通信装置にフィードバックする。このとき、中継局100がデータの受信後、所定時間経過後に応答信号を無線通信装置へフィードバックすることで、無線通信装置は、フィードバックされた応答信号を自装置宛ての応答信号として受信する。また、中継局100は、応答信号を無線通信装置Aおよび無線通信装置Bの双方で受信可能なリソースを用いて送信する。例えば、中継局100は、応答信号を無線通信装置Aと無線通信装置Bとの間で共通のリソースを用いて送信する。
また、以下の説明では、中継局100は、無線通信装置Aおよび無線通信装置Bからそれぞれ送信されたデータに対してネットワークコーディングを適用する。そして、中継局100は、ネットワーク符号化後のデータを、ネットワーク符号化されたデータの送信用に確保されたリソースであるネットワークコーディング用リソースを用いて無線通信装置Aおよび無線通信装置Bに同時に送信する。
本実施の形態に係る中継局の構成について説明する。図1に本実施の形態に係る中継局100の構成を示す。
中継局100において、無線受信部102は、複数の無線通信装置からのデータ信号をアンテナ101を介して受信し、ダウンコンバート等の無線処理を施して、無線処理後のデータ信号を復調部103に出力する。
復調部103は、無線受信部102から入力されるデータ信号を復調して、復調後のデータ信号を復号部104に出力する。
復号部104は、復調部103から入力されるデータ信号を復号して、復号後のデータ信号をバッファ105および誤り検出部106に出力する。
バッファ105は、復号部104から入力されるデータ信号を所定の時間だけ保存し、符号化部109に出力する。
誤り検出部106は、復号部104から入力されるデータ信号に対して誤りを検出する。そして、誤り検出部106は、検出結果(誤りの有無)を生成部107および制御部108に出力する。
生成部107は、誤り検出部106から入力される検出結果に基づいてACK信号またはNACK信号を応答信号として生成する。具体的には、生成部107は、データ信号に誤りがある場合にはNACK信号を応答信号として生成し、データ信号に誤りが無い場合にはACK信号を応答信号として生成する。そして、生成部107は、生成された応答信号を変調部111に出力する。
制御部108は、誤り検出部106から入力される検出結果(誤りの有無)に基づいて各信号の送信に用いるリソースを制御する。例えば、制御部108は、無線通信装置Aが送信したデータ信号に対する判定結果の数、および、無線通信装置Bが送信したデータ信号に対する判定結果の数に基づいて、ネットワーク符号化部110でネットワーク符号化されるデータ信号の数とネットワーク符号化部110でネットワーク符号化されないデータ信号の数とを特定する。具体的には、制御部108は、無線通信装置Aのデータ信号に対する誤り無しの数、および、無線通信装置Bのデータ信号に対する誤り無しの数のうち少ない数を、ネットワーク符号化されるデータ信号の数として特定する。また、制御部108は、無線通信装置Aのデータ信号に対する誤り無しの数と、無線通信装置Bのデータ信号に対する誤り無しの数との差を、ネットワーク符号化されないデータ信号の数として特定する。そして、制御部108は、ネットワーク符号化されるデータ信号の数に相当するネットワークコーディング用リソースを決定し、ネットワーク符号化されないデータ信号の数に相当する個別リソースを決定する。また、制御部108は、応答信号を割り当てる応答信号用リソースを決定する。そして、制御部108は、決定した各リソースを示す制御情報を割当部112に出力する。
符号化部109は、バッファ105から入力されるデータ信号を符号化して、符号化後のデータ信号をネットワーク符号化部110および変調部111に出力する。例えば、符号化部109は、無線通信装置Aのデータ信号に対する応答信号および無線通信装置Bのデータ信号に対する応答信号の双方がACK信号の場合に、無線通信装置Aのデータ信号と無線通信装置Bのデータ信号とからなるデータ信号の組みをネットワーク符号化部110に出力する。一方、符号化部109は、無線通信装置Aのデータ信号および無線通信装置Bのデータ信号のうち、データ信号の組みを構成できない残りのデータ信号、すなわち、ネットワーク符号化されないデータ信号を変調部111に出力する。
ネットワーク符号化部110は、符号化部109から入力される、異なる無線通信装置のデータ信号を用いてネットワーク符号化処理、つまり、XOR演算を行う。例えば、ネットワーク符号化部110は、無線通信装置Aから送信されたデータ信号と、無線通信装置Bから送信されたデータ信号とに対してXOR演算を行う。そして、ネットワーク符号化部110は、ネットワーク符号化後のデータ信号(中継データ)を変調部111に出力する。
変調部111は、生成部107から入力される応答信号、符号化部109から入力される符号化後のデータ信号またはネットワーク符号化部110から入力されるネットワーク符号化後のデータ信号を変調して、変調後の各信号を割当部112に出力する。
割当部112は、制御部108から入力される制御情報に従って、変調部111から入力される各信号を送信用リソースのいずれかに割り当てる。具体的には、割当部112は、生成部107から入力される応答信号を、制御情報に示される応答信号用リソースに割り当てる。また、割当部112は、符号化部109から入力されるデータ信号(ネットワーク符号化が行われないデータ信号)を、制御情報に示される個別リソースに割り当てる。また、割当部112は、ネットワーク符号化部110から入力されるデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)を、制御情報に示されるネットワークコーディング用リソースに割り当てる。ここで、応答信号用リソースは、複数の無線通信装置間で共通のリソース、つまり、複数の無線通信装置で受信可能なリソースである。そして、割当部112は、各リソースに割り当てられた信号(すなわち、中継データおよび応答信号)を無線送信部113に出力する。
無線送信部113は、割当部112から入力される信号に対してアップコンバート等の無線処理を施して、無線処理後の信号をアンテナ101から中継送信する。
次に、本実施の形態に係る無線通信装置の構成について説明する。図2に本実施の形態に係る無線通信装置200の構成を示す。本実施の形態の無線通信システムにおける無線通信装置Aおよび無線通信装置Bは、共に図2に示す構成を採る。
無線通信装置200において、バッファ201は、送信データを符号化部202に出力するとともに、送信データを蓄積する。また、ネットワーク復号部209が受信データを抽出する際、バッファ201は、蓄積した送信データをネットワーク復号部209に出力する。また、バッファ201は、判定部208から入力されるバッファクリア信号に基づいて、蓄積した送信データを削除する。
符号化部202は、バッファ201から入力される送信データを符号化して、符号化後の送信データを変調部203に出力する。
変調部203は、符号化部202から入力される送信データを変調して、変調後の送信データを無線送信部204に出力する。
無線送信部204は、変調部203から入力される送信データに対してアップコンバート等の無線処理を施して、無線処理後の送信データをアンテナ205から中継局100(図1)へ送信する。
一方、無線受信部206は、中継局100からの信号をアンテナ205を介して受信し、ダウンコンバート等の無線処理を施して、無線処理後の信号を復調部207に出力する。なお、中継局100からの信号には、応答信号用リソースに割り当てられた応答信号および中継データが含まれる。また、中継データは、ネットワークコーディング用リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)、個別リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われていないデータ信号)を含む。ここで、無線受信部206は、応答信号として、自装置が送信した送信データに対する応答信号(ACK信号またはNACK信号)、および、他の無線通信装置が送信した送信データに対する応答信号(ACK信号またはNACK信号)を複数の無線通信装置が受信可能なリソース、つまり、自装置と他の無線通信装置との共通リソースを用いて受信する。
復調部207は、無線受信部206から入力される信号を復調して、応答信号を判定部208に出力し、ネットワークコーディング用リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)をネットワーク復号部209に出力し、個別リソースに割り当てられたデータ信号(ネットワーク符号化が行われていないデータ信号)を復号部210に出力する。
判定部208は、復調部207から入力される応答信号(ACK信号またはNACK信号)に対して、自装置が送信した送信データに対する応答信号の数(自装置宛ての応答信号の数)と、他の無線通信装置が送信した送信データに対する応答信号の数(他の無線通信装置宛ての応答信号の数)とをカウントする。そして、判定部208は、カウントした応答信号数に基づいて、自装置が送信した送信データのうち、中継局100でネットワーク符号化された送信データの数と、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数とを判定する。具体的には、まず、判定部208は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数、および、他の無線通信装置が送信した送信データに対するACK信号の数のうちより少ない数を判定する。ここで、判定される数は、中継局100でネットワーク符号化される送信データの数と同数である。例えば、判定部208は、次式(1)に従って、ネットワーク符号化される送信データ数NNCを判定する。

ここで、演算子min(X、Y)は、XおよびYの2つの数値のうち小さい数値を返す関数である。また、N ACKは自装置(例えば、無線通信装置A)が送信した送信データに対する応答信号のうちのACK信号の数であり、N ACKは他の無線通信装置(例えば、無線通信装置B)が送信した送信データに対する応答信号のうちのACK信号の数である。
次いで、判定部208は、判定された送信データ数NNCに基づいて、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数(ネットワーク符号化されていない送信データの数)を判定する。具体的には、判定部208は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数N ACKと、式(1)を用いて判定された数NNCとの差分を算出し、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数とする。例えば、判定部208は、次式(2)に従って、個別リソースで送信された送信データの数NDCを算出する。

つまり、算出される送信データの数NDCは、ネットワーク復号処理に不要な送信データの数と等しい。換言すると、送信データの数NDCは、バッファ201に蓄積された送信データのうち、削除可能な送信データの数と等しい。そこで、判定部208は、NDC個の送信データの削除を指示するバッファクリア信号をバッファ201に出力する。つまり、バッファ201は、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数N ACKと、判定部208で判定された数NNCとの差分と同数の送信データを削除する。換言すると、バッファ201は、中継局100で個別リソースを用いて送信された送信データの数NDCと同数の送信データを削除する。
ネットワーク復号部209は、復調部207から入力されるデータ信号(ネットワーク符号化が行われたデータ信号)およびバッファ201に蓄積されている送信データを用いてネットワーク復号処理、つまり、XOR演算を行う。そして、ネットワーク復号部209は、演算結果、すなわち、他の無線通信装置から送信されたデータ信号を復号部210に出力する。
復号部210は、復調部207から入力されるデータ信号、または、ネットワーク復号部209から入力されるデータ信号を復号して受信データを得る。
次に、本実施の形態に係る無線通信システムにおける中継送信処理について説明する。ここでは、無線通信装置Aが2つの送信データ(S1(A)およびS2(A))を送信し、無線通信装置Bが1つの送信データS1(B)を送信する。すなわち、無線通信装置Aから無線通信装置Bに送信するデータ量が、無線通信装置Bから無線通信装置Aに送信するデータ量より多い。また、説明を簡略にするために、無線通信装置Aのバッファ201における送信データの削除処理(バッファクリア処理)のみを説明し、無線通信装置Bのバッファ201におけるバッファクリア処理の説明を省略する。
まず、中継局100において、各無線通信装置からの送信データに誤りが無い場合(図3)について説明する。
図3に示すシーケンス図のステップ(以下、STという)101では、無線通信装置Aは、S1(A)を、中継局100に送信するとともに、S1(A)をバッファ201(図2)に蓄積する。
中継局100は、受信したS1(A)に対して誤り検出を行う。S1(A)に誤りが無い場合、ST102では、中継局100は、S1(A)に対するACK信号を無線通信装置Aにフィードバックする。無線通信装置Aの判定部208は、自装置宛てのACK信号が受信されたことをカウントする。ここで、S1(A)に対するACK信号は、無線通信装置Aおよび無線通信装置Bの間で共通のリソースを用いて送信されるため、無線通信装置Bは、無線通信装置A宛てのACK信号(図3のST102の破線矢印)を受信することができる。つまり、中継局100は、無線通信装置Aに対する応答信号を無線通信装置Aおよび無線通信装置Bへ送信する。
ST103では、無線通信装置Bが、S1(B)を中継局100に送信する。
ST104では、中継局100は、受信したS1(B)に対して誤り検出を行い、S1(B)に誤りが無い場合、S1(B)に対するACK信号を無線通信装置Bにフィードバックする。ここで、ST102と同様、S1(B)に対するACK信号は、無線通信装置Aおよび無線通信装置Bの間で共通のリソースを用いて送信されるため、無線通信装置Aは、無線通信装置B宛てのACK信号(図3のST104の破線矢印)を受信することができる。つまり、中継局100は、無線通信装置Bに対する応答信号を無線通信装置Aおよび無線通信装置Bへ送信する。そこで、無線通信装置Aの判定部208は、他の無線通信装置(ここでは、無線通信装置B)宛てのACK信号が受信されたことをカウントする。
ST105では、無線通信装置Aは、S2(A)を中継局100に送信するとともに、バッファ201に蓄積する。
ST106では、中継局100は、受信したS2(A)に対して誤り検出を行い、S2(A)に誤りが無い場合、S2(A)に対するACK信号を無線通信装置Aにフィードバックする。そして、無線通信装置Aの判定部208は、自装置宛てのACK信号が受信されたことをカウントする。また、ST102と同様、無線通信装置Bは、無線通信装置A宛てのACK信号(図3のST106の破線矢印)を受信する。
図3に示すように、無線通信装置Aから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が2つ(S1(A)およびS2(A))であるのに対し、無線通信装置Bから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が1つ(S1(B))である。そのため、中継局100では、無線通信装置Aの送信データと無線通信装置Bの送信データとで構成し得るデータの組みは1組となる。そこで、ST107では、中継局100は、無線通信装置Aから送信されたS1(A)および無線通信装置Bから送信されたS1(B)を用いてネットワーク符号化(XOR演算)を行う。すなわち、中継局100は、無線通信装置Aからの送信データと、無線通信装置Bの送信データとからなる1組のデータの組みに対してネットワーク符号化(XOR演算)を行う。そして、中継局100は、ネットワーク符号化後の送信データ(S1(A)XORS1(B))をネットワークコーディング用リソースを用いて無線通信装置Aおよび無線通信装置Bに同時に送信する。
ST107でネットワーク符号化されたデータの組み(S1(A)およびS1(B))以外のデータである、無線通信装置Aから送信されたS2(A)は、他の無線通信装置の送信データとデータの組みを構成することができない。よって、ST108では、中継局100は、S2(A)を個別リソースを用いて無線通信装置Bに送信する。
図4は、無線通信装置Aの判定部208においてカウントされたACK信号数およびNACK信号数を示す。具体的には、無線通信装置Aは、無線通信装置A宛てのACK信号を、図3に示すST102およびST106で受信するため、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置AへのACK信号数(無線通信装置A宛てのACK信号数)は2となる。同様に、無線通信装置Aは、無線通信装置B宛てのACK信号を、図3に示すST104で受信するため、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置BへのACK信号数(無線通信装置B宛てのACK信号数)は1となる。また、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置AへのNACK信号数(無線通信装置A宛てのNACK信号数)および中継局100から無線通信装置BへのNACK信号数(無線通信装置B宛てのNACK信号数)は0となる。
よって、判定部208は、中継局100でネットワーク符号化された送信データ数NNCを、式(1)より1(=min(2,1))個と判定する。また、判定部208は、個別リソースで送信された送信データ数NDCを、式(2)より1(=2−1)個と判定する。すなわち、バッファ201から削除される送信データ数は1つとなる。ここでは、無線通信装置Aは、1番目に送信したS1(A)をネットワーク符号化された送信データと判断し、2番目に送信したS2(A)を個別リソースで送信された送信データと判断する。つまり、無線通信装置Aのバッファ201で保存する必要がない送信データはS2(A)である。そこで、判定部208は、1個の送信データ(S2(A))の削除を指示するバッファクリア信号をバッファ201に出力する。
図5に示すように、無線通信装置Aのバッファ201は、図3に示すST101で送信されたS1(A)およびST105で送信されたS2(A)を蓄積している。ここで、S2(A)の削除を指示するバッファクリア信号が判定部208からバッファ201へ入力されると、図5に示すように、バッファ201は、S2(A)を削除する。つまり、バッファ201はS1(A)のみを蓄積する。換言すると、バッファ201は、中継局100でネットワーク符号化された送信データのみを蓄積した状態となる。
次に、中継局100において、無線通信装置Bからの送信データに誤りが有る場合(図6)について説明する。なお、図3に示すシーケンス図における動作と同一の動作については説明を省略する。
図6に示すシーケンス図のST201では、無線通信装置Bが、S1(B)を中継局100に送信する。中継局100は、受信したS1(B)に対して誤り検出を行う。ここで、S1(B)に誤りが有る場合(NGの場合)、ST202では、中継局100は、S1(B)に対するNACK信号を無線通信装置Bにフィードバックする。このとき、無線通信装置Aは、無線通信装置B宛てのNACK信号(図6のST202の破線矢印)を受信し、無線通信装置Aの判定部208は、無線通信装置Bに対するNACK信号が受信されたことをカウントする。
図6に示すように、無線通信装置Aから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が2つ(S1(A)およびS2(A))であるのに対し、無線通信装置Bから送信され、中継局100で誤り無く受信された送信データの数が0個である。つまり、図6では、無線通信装置Bから無線通信装置Aへの送信データは無く、無線通信装置Aから無線通信装置Bへの送信データのみが中継局100で中継される。そのため、中継局100は、ネットワーク符号化されるデータの組みを構成することができない。よって、ST203では、中継局100は、S1(A)を個別リソースを用いて無線通信装置Bに送信し、ST204では、中継局100は、S2(A)を個別リソースを用いて無線通信装置Bに送信する。
図7は、無線通信装置Aの判定部208においてカウントされたACK信号数およびNACK信号数を示す。具体的には、判定部208でカウントされる無線通信装置A宛てのACK信号数は、図4と同様、2となる。また、無線通信装置Aでは、無線通信装置B宛てのNACK信号が、図6に示すST202で受信されるため、判定部208でカウントされる中継局100から無線通信装置BへのNACK信号数(無線通信装置B宛てのNACK信号数)は1となる。また、中継局100から無線通信装置AへのNACK信号数(無線通信装置A宛てのNACK信号数)および中継局100から無線通信装置BへのACK信号数(無線通信装置B宛てのACK信号数)は0となる。
よって、判定部208は、中継局100でネットワーク符号化された送信データ数NNCを、式(1)より0(=min(2,0))個と判定する。また、判定部208は、個別リソースで送信された送信データ数NDCを、式(2)より2(=2−0)個と判定する。すなわち、ネットワーク復号処理のために無線通信装置Aのバッファ201で保存する必要がある送信データは0個であり、バッファ201から削除される送信データ数(個別リソースで送信される送信データ数NDC)は2つとなる。よって、判定部208は、2つの送信データ(S1(A)およびS2(A))の削除を指示するバッファクリア信号をバッファ201に出力する。
図8に示すように、無線通信装置Aのバッファ201は、図5と同様、S1(A)およびS2(A)を蓄積している。ここで、S1(A)およびS2(A)の削除を指示するバッファクリア信号が判定部208からバッファ201へ入力されると、図8に示すように、バッファ201は、S(1)およびS2(A)を削除する。これにより、バッファ201には蓄積された送信データが無い状態となる。
このようにして、無線通信装置Aは、中継局100での送信データの誤りの有無に関わらず、中継局100でネットワーク符号化される送信データの数を把握することができる。また、無線通信装置Aは、中継局100でネットワーク符号化されず、個別リソースを用いて中継される送信データ、つまり、無線通信装置Aのバッファ201での蓄積が不要な送信データの数を把握することができる。これにより、無線通信装置Aは、中継局100からシグナリングされることなく、ネットワーク復号処理に不要な送信データをバッファ201から削除することができる。
このように、本実施の形態によれば、無線通信装置は自装置宛てのACK信号の数と他の無線通信装置宛てのACK信号の数をカウントし、中継局でネットワーク符号化された送信データ数および個別リソースで送信された送信データ数(ネットワーク符号化されない送信データ数)を判定する。これにより、無線通信装置は、中継局からのシグナリングを受信することなく、バッファに蓄積された不要な送信データ(個別リソースで送信される送信データ)をバッファから削除することができる。よって、本実施の形態によれば、シグナリングのオーバヘッドを増加することなく不要な送信データをバッファから削除することができ、バッファサイズを小さくすることができる。
なお、本実施の形態では、無線通信装置Aにおけるバッファクリア方法についてのみ説明したが、無線通信装置Bにおいても、無線通信装置Aと同様の処理を行うことで同様の効果を得ることができる。
また、本実施の形態における無線通信装置200を基地局または移動局に備えることができる。これにより、上記同様の作用・効果を奏する基地局および移動局を実現することができる。ここで、移動局では、小型軽量化が要求されるため、基地局が保持できるバッファのバッファサイズと比較して、移動局が保持できるバッファのバッファサイズが制限される。そのため、本発明における無線通信装置を移動局に備えることで、バッファサイズをより小さくすることができるため、本発明の効果をより得ることができる。
また、本実施の形態では、複数の無線通信装置の共通リソースを用いて応答信号が送信される場合について説明した。例えば、複数の無線通信装置の共通リソースとして、ネットワーク符号化された中継データの通信用に確保されたネットワークコーディング用リソースを用いてもよい。
また、本実施の形態では、判定部208(図2)は、式(1)および式(2)に示すように、受信されるACK信号の数に基づいてネットワーク符号化される送信データ数NNCおよび個別リソースで送信される送信データ数NDCを判定する場合について説明した。しかし、本発明では、判定部208は、受信されるNACK信号を用いてACK信号数を算出し、式(1)および式(2)により、ネットワーク符号化される送信データ数NNCおよび個別リソースで送信される送信データ数NDCを判定してもよい。具体的には、式(1)および式(2)に示す無線通信装置A宛てのACK信号数N ACKは、次式(3)より算出される。
ACK=無線通信装置Aが送信する送信データ数−N NACK (3)
ここで、N NACKは、無線通信装置A宛てのNACK信号の数である。つまり、無線通信装置Aにおいて、自装置が送信した送信データに対するACK信号の数は、自装置が送信した送信データ数と、自装置が送信した送信データに対するNACK信号の数との差と同数である。これにより、無線通信装置Aでは、受信されるNACK信号に基づいて、バッファから削除する送信データ数を判定することができる。
また、本実施の形態では、中継局が、無線通信装置(例えば、移動局および基地局)に対してバッファクリア方法を予め指示し、各無線通信装置が、中継局からの応答信号(ACK信号またはNACK信号)に基づいてバッファクリア処理を補正してもよい。例えば、無線通信装置(例えば、移動局)から送信される送信データに対して、ネットワーク符号化を行う中継送信と、ネットワーク符号化を行わない中継送信(個別リソースを用いた中継送信)とが1回ずつ交互に実施されることが中継局から無線通信装置(例えば、移動局)に対して予め指示される。この場合、例えば、中継局には、無線通信装置(例えば、移動局)から2つの送信データが受信されるのに対し、他の無線通信装置(例えば、基地局)から1つの送信データが受信される。ただし、ここでは、各無線通信装置からの送信データが中継局に誤り無く送信されることを想定する。このとき、中継局では、無線通信装置(例えば、移動局)からの送信データに対して1つおきにネットワーク符号化が行われるため、無線通信装置(例えば、移動局)は、バッファに蓄積された送信データを1つおきに削除すればよい。
ここで、無線通信装置(例えば、移動局)から送信される送信データのいずれかに誤りが発生した場合、中継局で中継送信される送信データは、無線通信装置(例えば、移動局)および他の無線通信装置(例えば、基地局)でそれぞれ1つとなる。つまり、中継局では、1組のデータの組みに対するネットワーク符号化のみが行われる。そこで、無線通信装置(例えば、移動局)は、自装置宛てのNACK信号を受信した場合、バッファクリア方法に対して、バッファに蓄積された送信データの削除を中止する補正を施す。
一方、他の無線通信装置(例えば、基地局)から送信される送信データに誤りが発生した場合、中継局で中継送信される送信データは、無線通信装置(例えば、移動局)の2つの送信データとなる。つまり、中継局では、個別リソースを用いた中継送信のみが行われ、ネットワーク符号化が行われない。そこで、無線通信装置(例えば、移動局)は、他の無線通信装置(例えば、基地局)宛てのNACK信号を受信した場合、バッファクリア方法に対して、バッファに蓄積された送信データを全て削除する補正を施す。
これにより、各無線通信装置にバッファクリア方法が予め指示され、中継局で誤りが発生した場合、無線通信装置が中継局からの応答信号に応じてバッファクリア方法が補正されることで、本発明と同様、シグナリングのオーバヘッドが増加することなく、バッファサイズを小さくすることができる。
また、上記実施の形態では、中継局は、符号化後の中継データに対してネットワーク符号化を行う場合について説明した。しかし、本発明では、中継局は、ネットワーク符号化を行った後の中継データを符号化してもよい。
また、上記実施の形態では、中継局は、再送が発生したデータに対してネットワーク符号化を行わず、個別リソースを用いて送信することも考えられる。
また、上記実施の形態では、ACK/NACK信号に基づくバッファクリア方法について説明した。しかし、本発明では、ACK/NACK信号に限らず、新規データであるか再送データであるかを示すNDI(New Data Indicator)を用いてもよい。
また、上記実施の形態における基地局はNode B、eNode B(evolved Node B)と表され、移動局はUEと表されることがある。また、上記実施の形態における中継局は、RN(Relay Node)、リピータ、簡易基地局、クラスタヘッド等と呼ばれることもある。
また、上記実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2008年6月13日出願の特願2008−155820の日本出願に含まれる明細書、図面および要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明は、複数の無線通信装置が中継局を介して無線通信を行う無線通信システム等に適用することができる。

Claims (8)

  1. 第1無線通信装置と、第2無線通信装置と、前記第1無線通信装置と前記第2無線通信装置との間で中継送信を行う無線通信中継局装置と、を具備する無線通信システムであって、
    前記無線通信中継局装置が、
    前記第1無線通信装置から送信された第1送信データおよび前記第2無線通信装置から送信された第2送信データに対して誤り検出を行ってACK信号またはNACK信号を応答信号として生成し、
    前記第1送信データに対する第1応答信号および前記第2送信データに対する第2応答信号の双方がACK信号の場合に、前記第1送信データおよび前記第2送信データを用いてネットワーク符号化を行って中継データを生成し、
    前記第1応答信号、前記第2応答信号および前記中継データを前記第1無線通信装置および前記第2無線通信装置へ送信し、
    前記第1無線通信装置が、
    前記無線通信中継局装置へ送信した前記第1送信データをバッファに蓄積し、
    前記第1応答信号、前記第2応答信号および前記中継データを受信し、
    前記第1送信データに対する第1ACK信号の数、および、前記第2送信データに対する第2ACK信号の数のうちより少ない数を判定し、
    前記第1ACK信号の数と前記より少ない数との差分と同数の第1送信データを前記バッファから削除し、
    前記中継データおよび前記バッファに蓄積されている第1送信データを用いてネットワーク復号を行って前記第2送信データを得る、
    無線通信システム。
  2. 前記無線通信中継局装置は、前記第1応答信号および前記第2応答信号を、前記第1無線通信装置と前記第2無線通信装置との共通リソースを用いて送信する、
    請求項1記載の無線通信システム。
  3. 前記無線通信中継局装置は、前記第1応答信号および前記第2応答信号を、ネットワーク符号化された前記中継データの通信用に確保されたリソースを用いて送信する、
    請求項1記載の無線通信システム。
  4. 自装置が送信した第1送信データおよび他の無線通信装置が送信した第2送信データを用いてネットワーク符号化を行って中継データを生成する無線通信中継局装置を介して前記他の無線通信装置と通信する無線通信装置であって、
    前記第1送信データをバッファに蓄積し、
    前記第1送信データに対する第1応答信号、前記第2送信データに対する第2応答信号および前記中継データを受信する受信手段と、
    前記第1送信データに対する第1ACK信号の数、および、前記第2送信データに対する第2ACK信号の数のうちより少ない数を判定する判定手段と、
    前記第1ACK信号の数と前記より少ない数との差分と同数の第1送信データを前記バッファから削除する削除手段と、
    前記中継データおよび前記バッファに蓄積されている第1送信データを用いてネットワーク復号を行って前記第2送信データを得る復号手段と、
    を具備する無線通信装置。
  5. 前記受信手段は、前記第1応答信号および前記第2応答信号を、自装置と前記他の無線通信装置との共通リソースを用いて受信する、
    請求項4記載の無線通信装置。
  6. 前記受信手段は、前記第1応答信号および前記第2応答信号を、ネットワーク符号化された前記中継データの通信用に確保されたリソースを用いて受信する、
    請求項4記載の無線通信装置。
  7. 前記無線通信装置は、無線通信基地局装置または無線通信移動局装置である、
    請求項4記載の無線通信装置。
  8. 自装置が送信した第1送信データおよび他の無線通信装置が送信した第2送信データを用いてネットワーク符号化を行って中継データを生成する無線通信中継局装置を介して前記他の無線通信装置と通信する無線通信装置におけるバッファクリア方法であって、
    前記第1送信データに対する第1ACK信号の数、および、前記第2送信データに対する第2ACK信号の数のうちより少ない数を判定し、
    バッファに蓄積されている前記第1送信データのうち、前記第1ACK信号の数と前記より少ない数との差分と同数の第1送信データを前記バッファから削除する、
    バッファクリア方法。
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