JPWO2009119651A1 - インクジェット用記録媒体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光沢感に優れ、染料インクを用いてインクジェット記録を行った際の印字濃度が高く、さらにインク吸収性及び耐水性に優れるインクジェット用記録媒体を提供する。【解決手段】透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含む塗工層を形成した後、該塗工層の表面に前記結着剤と凝固する凝固剤を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体であって、前記凝固剤に含まれるホウ素化合物、カチオン性樹脂、及びカチオン性コロイダルシリカが前記インク受理層の表面に存在している。【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット記録方式に好適な光沢を有するインクジェット用記録媒体及びその製造方法に関する。
インクジェット用記録媒体は、紙等の支持体表面にシリカ、アルミナなどの多孔質の顔料と結着剤とを含有するインク受理層を設けた構成になっていて、このインク受理層にインクの液滴が定着するようになっている。そして、近年のインクジェットプリンターの目覚しい進歩や、デジタルカメラの著しい普及により、インクジェット用記録媒体に要求される品質も年々高くなってきている。特に、従来の銀塩写真に匹敵する光沢を有するインクジェット用記録媒体においては、品質要求が厳しく、技術開発が活発に行われている。
上記した光沢を有するインクジェット用記録媒体は、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法で製造するのが一般的である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を支持体上に塗工して塗工層を設け、その塗工層をキャストドラムを用いて光沢仕上げする方法であり、この光沢塗工層が上記インク受理層となる。キャストコート法としては、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦乾燥又は半乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェット法、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類が一般に知られている。各方法の原理は、湿潤状態の塗工層を鏡面仕上げの面に押し当てて、塗工層表面に光沢を付与するという点では同一である。
そして、このような光沢インクジェット用記録媒体に要求される品質特性としては、記録媒体表面の光沢感が高いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと、印字ムラ(濃淡ムラ)がないこと、耐候性が優れること等が挙げられ、これら特性を向上するためには、インク受理層の改善が必要となってくる。例えば、インク受理層を1層以上の層構成とし、少なくとも1層が300nm以下の平均粒径を有するコロイド粒子とカチオン性樹脂を含有する技術が報告されている(例えば、特許文献1参照)。又、キャスト塗工層中に、一次粒子径が30〜100nmであるコロイダルシリカを含有する技術が報告されている(例えば、特許文献2参照)。
また、塗工層の接着剤と凝固し得る凝固剤を塗布し凝固法でインク受理層を形成する際、凝固剤にホウ素化合物、コロイダルシリカ及び樹脂を含有させる技術が報告されている(例えば、特許文献3参照)。
特開平9−263039号公報 特開2005−35169号公報 特開2002−166645号公報
しかしながら、上記した特許文献1、2記載の技術の場合、記録媒体の高光沢化の点で改善の余地があり、さらに染料インクでインクジェット記録を行った場合にインク受理層に含有される顔料の平均粒子径が大きいため、印字濃度が低下するという問題がある。
また、特許文献3記載の技術の場合、インク受理層表面に平均粒子径が小さいコロイダルシリカが存在するため、染料インクの印字濃度は向上するが、インク受理層表面にインクを定着させるカチオン性樹脂が存在しないため、耐水性が悪化するという問題がある。
さらに、特許文献3記載の技術において、凝固剤中のコロイダルシリカがアニオン性の場合には、カチオン性樹脂と凝集を起こすため、カチオン性樹脂を添加できないのでインクの定着性が悪化し、インク吸収性および耐水性に劣る。また、上記コロイダルシリカがカチオン性の場合には、ホウ酸塩と凝集を起こすため、凝固剤中にホウ酸塩を添加できないので、凝固作用が不十分となり操業性に問題が発生する。
従って、本発明は光沢感に優れ、染料インクを用いてインクジェット記録を行った際の印字濃度が高く、さらにインク吸収性および耐水性に優れるインクジェット用記録媒体を提供することを目的とする。
本発明者等は種々検討した結果、インク受理層の表面近傍にカチオン性コロイダルシリカを安定して存在させることで、上記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明のインクジェット用記録媒体は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含む塗工層を設けた後、該塗工層の表面に前記結着剤と凝固する凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体であって、前記凝固剤溶液に含まれるホウ素化合物、カチオン性樹脂、及びカチオン性コロイダルシリカが前記インク受理層の表面に存在している。
前記凝固剤溶液中に前記カチオン性コロイダルシリカが0.5〜4質量%含有されていることが好ましい。
前記カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径が前記顔料の一次粒子径より小さいことが好ましい。
前記塗工層中の前記顔料はコロイダルシリカを含有し、かつ前記結着剤はポリビニルアルコールを含有し、前記凝固剤溶液中の前記カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径が10〜50nmであり、前記ホウ素化合物がホウ酸であることが好ましい。
前記インク受理層表面の20度光沢度が20%以上であることが好ましい。
前記塗工層中のコロイダルシリカがアニオン性であることが好ましい。
前記塗工層の顔料はさらに、比表面積が100〜300m/gで、かつ平均二次粒子径が1〜4μmの湿式法合成非晶質シリカを含有することが好ましい。
前記凝固剤溶液が剥離剤を含有することが好ましい。
前記支持体は、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムをJIS−P 8251に規定される灰分として3〜25質量%含有することが好ましい。
本発明のインクジェット用記録媒体の製造方法は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料としてコロイダルシリカを含有し、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含有するpH7〜10のインク受理層用塗工液を塗布して塗工層を設け、前記塗工層が湿潤状態にある間に、一次粒子径10〜50nmのカチオン性コロイダルシリカを2〜15質量%、ホウ酸を1〜10質量%、及びカチオン性樹脂を含有するpH1〜4の凝固剤溶液を塗布した後、凝固法キャストコート法によりインク受理層を設けてなる。
本発明によれば、インク受理層の表面近傍にカチオン性コロイダルシリカが存在するので、光沢感に優れ、染料インクを用いてインクジェット記録を行った際の印字濃度が高く、さらにインク吸収性及び耐水性に優れるインクジェット用記録媒体が得られる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット用記録媒体は、透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含む塗工層を形成した後、該塗工層の表面に凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるものである。
(支持体)
本発明に使用される支持体は、キャストコート時にキャストドラムで発生する水蒸気を透過できる程度の透気性を有すれば、いずれの物を用いることが可能であり、塗工紙、未塗工紙等の紙(紙支持体)が好ましく用いられる。紙支持体の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。原料パルプとして針葉樹パルプが含有されることが好ましい。紙支持体中に針葉樹パルプを配合すると、原紙の強度が向上するほか、インク受理層の光沢感が向上する傾向にある。但し、針葉樹パルプの含有量が多くなると紙支持体の表面性が低下する傾向にあるため、針葉樹パルプの含有量は全パルプ中30質量%以下であることが好ましい。尚、前記紙支持体のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでも良い。
支持体は、ロゼッタ(rosette)型軽質炭酸カルシウムを填料として含有することが好ましい。ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムとは、紡錘形状の軽質炭酸カルシウムの一次粒子が放射状に凝集してロゼッタ型の二次粒子を形成したものであり、具体的にはSpecialty Minerals Inc.社のアルバカーHO、アルバカー5970、アルバカーLO等の製品を好ましく挙げることができる。ここで、放射状とは、例えば、前記二次粒子の中心近傍から、各一次粒子の長手方向が放射状に伸びたものである。
軽質炭酸カルシウムは生産コストや操業性、及び添加量が少ない場合でも高い不透明度が得られる点で優れており、さらにロゼッタ型の軽質炭酸カルシウムはその特殊な形状のため、支持体中に高い割合で配合させると不透明度が大きく向上し、インクジェット記録の際の裏抜けを有効に防止する。さらに、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムは、従来の軽質炭酸カルシウムと比較して比表面積も大きいため、インク吸収性に優れた基紙(支持体)が得られる。特に、インク受理層の塗工量が少ない場合に、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを用いるとインク吸収性が大きくなる効果を得ることができる。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの平均粒子径は1.0〜5.0μmであることが好ましい。平均粒子径はレーザー回折・散乱法によって測定され、例えば、シスメックス社製「マスターサイザー2000」にて測定することができる。ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの平均粒子径が1.0μm未満である場合、光の透過性が向上するために紙支持体の不透明性が低下し、結果として記録用紙の裏面から印字画像が透けて見えたり、裏抜けが発生することがある。また、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの平均粒子径が5.0μmを超える場合、填料であるロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの分布が不均一となり、紙支持体の不透明性が低下し、裏抜けが発生したり品質安定性が低下する傾向にある。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの吸油量は、90〜300ml/100gであることが好ましく、90〜140ml/100gであることが特に好ましい。ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの吸油量が90ml/100g未満の場合、得られたインクジェット用記録媒体のインク吸収性が低下する傾向にある。一方、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの吸油量が300ml/100gを超える場合、紙支持体の吸収性が大きくなり過ぎ、インク受理層用塗工液を塗工した際にバインダー成分のみが基紙中に浸透しやすい。その結果としてインク受理層の表面強度が低下し、断裁時の粉落ちなどの問題が生じることがある。
図1は、液中に分散した状態のロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(二次粒子)の形態の一例を示す電子顕微鏡像である。この図において、各一次粒子の基部同士が凝集し、各一次粒子がその先端へ向かって放射状に伸びている。また、各一次粒子は基部の幅(径)がやや大きく、先端に向かって細くなっている。なお、図中のmicronは、μmを示す。
填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを含有する基紙上に、インク受理層をキャストコート法で設けると、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを填料として含有しない紙支持体を用いた場合と比較してJIS−Z 8741に規定されるインク受理層表面の20度光沢度が向上する。この理由は明らかではないが、次のように考えられる。
まず、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムを基紙中に配合すると、紙支持体の密度が低下して嵩高な紙となり、クッション性が向上する。このため、キャストコート時にインク受理層用塗工層をキャストドラムに圧接した際、インク受理層がキャストドラム表面に密着し易くなり、その結果として、得られたインク受理層の光沢感が向上すると考えられる。20度光沢度の値が高いほど光沢感が優れており、本発明においては20度光沢度が20%以上であることが好ましい。また、写像性の数値が高いほど光沢感が優れており、本発明において写像性は50%以上であることが好ましく、特に70%以上であることが好ましい。なお、紙支持体の密度は0.8g/cm以下であることが好ましい。
紙支持体中におけるロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの、JIS−P 8251に規定される灰分が3〜25質量%であることが好ましく、10〜20質量%であることがより好ましい。紙支持体中のロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの灰分が高くなるほど、キャストコート法で設けたインク受理層表面の光沢感が大きく向上すると共に、印字した場合のインク吸収性向上の効果が大きくなる。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの灰分が3質量%未満の場合は、光沢およびインク吸収性向上効果が少ない場合がある。また、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの灰分が高くなるほど、光沢およびインク吸収性の向上効果が高くなるが、灰分が25質量%を超えると、粉落ちが発生したり紙支持体の強度が低下する等の問題が発生する場合がある。従って、製造コストと効果のバランスを考慮すると、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの灰分は25質量%を超えないことが好ましい。
なお、JIS−P 8251に規定する灰分は、試料(紙)を525±25℃の温度で燃焼させた後の灰分残留物の量を、試料の絶乾重量に対する百分率で表したものである。
本発明の効果を損なわない範囲で、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム(ロゼッタ型軽質炭酸カルシウム以外のもの)、酸化チタン、合成樹脂微粒子等の公知の填料の中から適宜選択し、上記ロゼッタ型炭酸カルシウムと併用することができる。ロゼッタ型炭酸カルシウム以外の填料は、紙支持体中の填料全体の30質量%以下であることが好ましく、ロゼッタ型炭酸カルシウム以外の填料を含有しないことがより好ましい。
インクジェット用記録媒体の生産効率の点から、紙支持体の透気度は1000秒以下であることが好ましく、又、塗工性の点から紙支持体のステキヒトサイズ度は10秒以上であることが望ましい。
また、上記紙支持体には、水溶性高分子添加剤をはじめとする各種の添加剤を含有する液を、タブサイズ、サイズプレス、ゲートロールコーター又はフィルムトランスファーコーター等を用い、オンマシン又はオフマシンで塗工することが可能である。
上記水溶性高分子添加剤としては、例えば、澱粉、カチオン化澱粉、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;ポリビニルアルコール、カルボキシ変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロースサルフェート等のセルロース誘導体;ゼラチン、カゼイン、大豆蛋白等の水溶性天然高分子;ポリアクリル酸ナトリウム、スチレン−無水マレイン酸共重合体ナトリウム塩、ポリスチレンスルフォン酸ナトリウム等、無水マレイン酸樹脂等の水溶性高分子;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性高分子接着剤等が用いられる。
その他の添加剤としては、サイズ剤として石油樹脂エマルション、スチレン−無水マレイン酸共重合体アルキルエステルのアンモニウム塩、アルキルケテンダイマー、アルケニル無水コハク酸、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン等のディスパーションが挙げられる。その他の添加剤としては、帯電防止剤として、無機電解質である塩化ナトリウム、塩化カルシウム、ボウ硝等が、吸湿性物質としてグリセリン、ポリエチレングリコール等が挙げられる。その他の添加剤では、顔料としてクレー、カオリン、タルク、硫酸バリウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、水和珪酸、ホワイトカーボン、合成樹脂微粒子等が挙げられる。その他の添加剤としては、pH調節剤として塩酸、苛性ソーダ、炭酸ソーダ等が用いられ、その他染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の添加剤を組み合わせて使用することも可能である。
(インク受理層の顔料)
インク受理層(塗工層を凝固キャストコート法によりインク受理層とするが、便宜上、塗工層とインク受理層を区別せずに用いる)の顔料としては、特に発色性および光沢の点からコロイダルシリカを用いることが好ましい。またインク吸収性の点から、合成非晶質シリカをコロイダルシリカと併用することが好ましい。
上記インク受理層中に使用するコロイダルシリカは、アニオン性であることが好ましい。これは後述する凝固剤溶液中のコロイダルシリカがカチオン性であるため、凝固性の向上に効果がある凝集反応を起こすアニオン性コロイダルシリカをインク受理層中に使用することが好ましいからである。また、アニオン性コロイダルシリカの一次粒子径は5〜100nmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜70nmである。アニオン性コロイダルシリカの一次粒子径が5nm未満であると、顔料インクを用いたインクジェットプリンターで印字した場合にインク発色性が低下する場合がある。アニオン性コロイダルシリカの一次粒子径が100nmを超えると、粒子間の空隙が増えてインク受理層のインク吸収性は良好となるが、不透明性が増大するため、染料インクでインクジェット記録した際の発色性が低下する場合がある。
インク受理層中の顔料として、コロイダルシリカに加えて合成非晶質シリカを併用してもよい。合成非晶質シリカはその製造法により、湿式法シリカと気相法シリカとに大別できる。
湿式法で製造された合成非晶質シリカ(以下、「湿式法合成非晶質シリカ」と称する)は、顔料の透明性が気相法シリカに劣るが、ポリビニルアルコールをインク受理層の結着剤として含有した場合の塗料安定性に優れる。さらに、湿式法合成非晶質シリカは、内部空隙の無い気相法シリカに比べて分散性が良好であり、塗料濃度を高くすることが可能である。そのため、インク受理層中の(結着剤に対する)顔料の割合を高くすることができ、インク受理層の吸収性を高くできるので、インク吸収性を向上できると共に染料インクの発色性を向上できる。高い光沢感を得るという点から湿式法合成非晶質シリカの二次粒子径は1〜5μmであることが好ましく、BET比表面積は100〜300m/gであることが好ましい。上記二次粒子径が1μmより小さいとインク吸収性が劣り、4μmを超えると光沢感が低下する傾向にある。
また、透明度の高い塗工層を得るという点から気相法シリカを用いてもよい。気相法シリカの一次粒子径は4〜30nmであることが好ましく、そのBET比表面積は100〜400m/gであることが好ましい。
コロイダルシリカと合成非晶質シリカの配合割合(質量)は、10:90(コロイダルシリカ:合成非晶質シリカ)〜60:40であること好ましい。コロイダルシリカの配合量が10未満の場合には発色性および光沢感に劣り、コロイダルシリカの配合量が60を超えるとインク吸収性に劣る傾向にある。
シリカに加え、公知の無機微粒子や有機微粒子を、インク受理層中の他の顔料として併用することができる。他の顔料としては、例えば、アルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、アルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、γ型結晶のアルミナ等)、炭酸カルシウム、二酸化チタン等を用いることができる。印字品質および光沢感の観点より、顔料はコロイダルシリカおよび合成非晶質シリカのみを用いることが好ましい。
本発明において、インク受理層の顔料、及び後述する凝固剤溶液中のカチオン性コロイダルシリカの一次粒径はBET法粒子径(窒素吸着法による測定)で、二次粒子径は動的光散乱法粒子径(レーザー回折・散乱法による測定)でそれぞれ測定できる。
(インク受理層の結着剤)
インク受理層の結着剤としては、凝固作用を有する水系バインダー樹脂であるポリビニルアルコールを含むことが好ましい。その他の水系バインダー樹脂もインク受理層強度の確保から必要に応じ、ポリビニルアルコールと併用してもよい。なお、「水系」とは、水又は水と少量の有機溶剤からなる媒体中で樹脂が溶解又は分散し、安定化すること(水溶性及び/又は水分散性の樹脂エマルジョン)を意味する。ここで、水系バインダー樹脂とは水溶性樹脂又は水分散性樹脂を意味する。水系バインダー樹脂は、紙支持体に塗工する塗工液中では溶解又は粒子となって分散しているが、塗工し乾燥した後に顔料の結着剤となり、インク受理層を形成する。
その他の水系バインダー樹脂としては、例えば、ポリビニルピロリドン;ウレタン樹脂エマルジョン由来のウレタン樹脂;酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン;ゼラチン;大豆タンパク;スチレン−アクリル樹脂及びその誘導体;スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス;アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、尿素樹脂エマルジョン、アルキッド樹脂エマルジョン及びこれらの誘導体等が挙げられる。これらの水系バインダー樹脂をポリビニルアルコールと混合して用いることができる。
本発明においては、ポリビニルアルコールは部分鹸化のポリビニルアルコールが好ましい。ポリビニルアルコールの添加量は、インク受理層中の全顔料100質量部に対して5質量部から30質量部であることが好ましい。但し、必要なインク受理層の強度が得られる限り、結着剤の種類は特に限定されるものではない。
インク受理層は、上記した顔料と結着剤を含むが、その他の成分、例えば、増粘剤、消泡剤、抑泡剤、顔料分散剤、離型剤、発泡剤、pH調整剤、表面サイズ剤、着色染料、着色顔料、蛍光染料、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、防腐剤、耐水化剤、染料定着剤、界面活性剤、湿潤紙力増強剤、保水剤、カチオン性高分子電解質等を、本発明の効果を損なわない範囲内で、インク受理層の前駆体となる塗工層に適宜添加することができる。
支持体上にインク受理層となる塗工液を塗布する方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコーター、ゲートロールコーター、ショートドウェルコーター等の公知の塗工機をオンマシン、又はオフマシンで用いた塗工方法の中から適宜選択して使用することができる。
インク受理層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ充分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができる。記録濃度及びインク吸収性を両立させる観点から、インク受理層の塗工量は、支持体の片面当たり、固形分換算で3〜25g/mであることが好ましく、特に、生産性をも加味すると5〜20g/mであることが好ましい。インク受理層の塗工量が25g/mを超えると、キャストドラム鏡面仕上げ面からの剥離性が低下し、塗工層がキャストドラム鏡面鏡面仕上げ面に付着するなどの問題を生じることがある。
本発明において、インク受理層(塗工層)の塗工量を多く必要とする場合には、インク受理層を多層にすることも可能である。また、紙支持体とインク受理層の間にインク吸収性、接着性その他の各種機能を有するアンダーコート層を設けても良い。さらに、インク受理層を設けた面の反対側にさらにインク吸収性、筆記性、プリンター印字適性他各種機能を有するバックコート層を設けても良い。
(インク受理層の形成)
本発明においては、最表面のインク受理層を凝固キャストコート法で形成することによって光沢を付与する。凝固キャストコート法は、例えば、以下のようにして行う。まず、インク受理層用塗工液を支持体に塗布して、塗工層を設ける。次に、塗工層中の結着剤(特に水系結着剤)を凝固させる作用を有する凝固剤溶液を湿潤状態の塗工層に塗布してゲル化させてから、加熱した鏡面仕上げ面に圧着、乾燥する。凝固キャストコート法は、銀塩写真に匹敵する面感、光沢をインク受理層に付与することが可能である。
凝固剤溶液を塗布する際に塗工層が乾燥状態であると鏡面ドラム表面を写し取ることが難しく、得られたインク受理層表面に微小な凹凸が多くなり、銀塩写真並の光沢感を得にくい。特にインク受理層の水系結着剤としてポリビニルアルコールを用いた場合には、凝固剤としてホウ酸塩を用いることにより、凝固時の固さを適度なものとすることが容易となり、インク受理層に良好な光沢感を付与でき、操業性も良好となる。しかしながら、後述するように本発明ではカチオン性コロイダルシリカを凝固剤溶液に添加するので、凝固剤溶液にホウ酸塩を用いるとカチオン性コロイダルシリカと凝集するため、ホウ酸塩を使用すると凝固剤溶液の調製が困難となる場合がある。
そこで、本発明においては、凝固剤溶液にホウ酸塩を加えずにホウ酸を含有し、インク受理層中のポリビニルアルコールと架橋反応で凝固させ、印字品質に優れ、高い光沢を有するインク受理層を付与すると好ましい。さらにアニオン性のコロイダルシリカをインク受理層用塗工液に含む場合は、このアニオン性の塗工液とカチオン性の凝固剤溶液による凝集反応による凝固作用によって、さらに印字品質に優れ、高い光沢を有するインク受理層を付与することが可能となり、安定操業が可能となる。
(凝固剤溶液の成分)
上記したように、本発明に用いる凝固剤溶液は、カチオン性コロイダルシリカ、ホウ酸及びカチオン性樹脂を含有し、ホウ酸塩を含有しないことが好ましい。
(カチオン性コロイダルシリカ)
凝固剤溶液中にカチオン性コロイダルシリカを添加すると、キャストコートによってインク受理層の表面近傍にカチオン性コロイダルシリカが付着(存在)する。一次粒子径10〜50nmの微細なカチオン性コロイダルシリカがインク受理層の表面に存在すると、染料インクで印字した際の印字濃度が向上する。又、一次粒子径10〜50nmの微細なカチオン性コロイダルシリカがインク受理層の最表面に存在するため、インク受理層の表面が平滑になり、光沢が向上する。
カチオン性コロイダルシリカは、その粒子表面が高い陽性電荷を帯びているコロイダルシリカである。カチオン性コロイダルシリカは、例えば、ケイ酸ナトリウムの酸などによる複分解やイオン交換樹脂層を通して得られるシリカゾルを加熱熟成して得られるコロイダルシリカに対し、アルミニウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、又はジルコニウムイオン等の多価金属イオンを反応させて得られる。例えば、特公昭47−26959号公報にはアルミニウム処理によるカチオン性コロイダルシリカが開示されている。
市販されているカチオン性コロイダルシリカとしては、グレース社のLUDOX CL、LUDOX CL−P等が挙げられる。本発明では2種以上のカチオン性コロイダルシリカを混合して使用してもよい。
インク受理層の光沢性、透明度を向上させる観点から、カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径を10〜50nmとする。カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径が10nmより小さいと、インク受理層の光沢感は優れるが、染料インクの吸収性が劣る場合がある。一方、カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径が50nmより大きいと、インク受理層の透明度が低下し、染料インクで印字した際の印字濃度が低下する場合がある。さらにインク吸収性を補う目的で、一次粒子径が50nmを超えたり、房状や繭状等の形状が異なる(各種の不定形の凝集形態をとるもの)カチオン性コロイダルシリカを併用してもよい。
又、インク受理層の最表面を平滑にし、光沢度を向上させる観点から、カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径は、インク受理層の顔料の一次粒子径より小さいことが好ましい。このようにすると、インク受理層の最表面を微細なカチオン性コロイダルシリカが覆うため、光沢度が向上する。
なお、一次粒子径の異なる2種類以上のカチオン性コロイダルシリカを用いる場合、「カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径」とは、各カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径を各カチオン性コロイダルシリカの含有割合で加重平均した値とする。同様に、インク受理層の顔料として一次粒子径の異なる2種類以上の顔料を用いる場合、「顔料の一次粒子径」とは、各顔料の一次粒子径を各顔料の含有割合で加重平均した値とする。
なお、カチオン性コロイダルシリカは、ホウ酸塩と凝集するため、本発明では好ましくはホウ酸を凝固剤溶液に添加して凝固をコントロールするが、ホウ酸はホウ酸塩に比べて凝固の(硬さの)制御が難しい。そこで、インク受理層用塗工液にアニオン性コロイダルシリカを含有してそのpHを7〜10(30℃条件時)とし、カチオン性の凝固剤溶液のpHを1〜4(30℃条件時)に調整することで、凝固性を安定的に得ることができるので、ホウ酸を用いても凝固を制御し易く、安定操業が可能となる。ここで、インク受理層用塗工液のpHが10を超えるか、又は凝固剤溶液のpHが1未満であると、塗工装置等の配管が溶け出す可能性がある。一方、インク受理層用塗工液のpHが7未満か、又は凝固剤溶液のpHが4を超える場合、凝固反応が不十分となり、安定操業が難しくなる傾向にある。
カチオン性コロイダルシリカは凝固剤溶液中に2〜15質量%含有されることが好ましい。カチオン性コロイダルシリカの含有割合が2質量%未満であると、光沢度が低下し、染料インクで印字した際の印字濃度が低下する場合がある。また、カチオン性コロイダルシリカの含有割合が15質量%を超えると凝集体(析出物)が発生し、操業トラブルとなる場合がある。
カチオン性コロイダルシリカ以外の顔料として、アルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト等)、アルミナ(α型結晶のアルミナ、θ型結晶のアルミナ、γ型結晶のアルミナ等)等を、カチオン性コロイダルシリカと混合して使用してもよいが、カチオン性コロイダルシリカに対するその他の顔料の混合比率は50質量%以下とすることが望ましい。
(ホウ酸)
ホウ酸が凝固剤溶液中に1〜10質量%含有されることが好ましい。ホウの含有割合が1質量%未満であると凝固作用が不十分となる場合がある。また、ホウの含有割合が10質量%を超えると水に溶解することができず、凝集体(析出物)が発生し、操業トラブルとなる場合がある。
(カチオン性樹脂)
凝固剤溶液中にカチオン性樹脂を含有させることにより、凝固キャストコートによってインク受理層の表面にカチオン性樹脂が付着(存在)する。カチオン性樹脂はインクを定着させ、水溶性染料インク使用時の印字濃度が向上し、さらに耐水性が向上する。凝固剤溶液中にいずれも電気的に陽性のカチオン性樹脂とカチオン性コロイダルシリカとが共存するので、両者が凝集することがない。
カチオン性樹脂としては、ポリアミンスルホン、ポリアルキレンポリアミン、ポリアミン縮合物、ポリアリルアミン、ポリジアリルアミン、ポリビニルアミン、ポリエチレンイミン、ジシアンジアミド縮合物、カチオン性アクリル樹脂、カチオン性ウレタン樹脂等が挙げられ、これらを1種又は複数種選沢して用いることができる。凝固剤溶液中のカチオン性樹脂の含有量は特に限定されるものではないが、0.5〜10質量%含有されることが好ましい。カチオン性樹脂の含有割合が0.5質量%未満であると、インク定着機能が低下し、印刷した画像の印字濃度が低下する場合がある。カチオン性樹脂の含有割合が10質量%を超えると、凝固剤の粘度が上昇して塗工性が悪化する場合がある。
凝固剤溶液を塗布する方法は、塗工層に塗布できる限り特に制限されず、公知の方法(例えば、ロール方式、スプレー方式、カーテン方式等)の中から適宜選択して用いることができる。
凝固剤(溶液)の付着量は固形分で1〜10g/mとすることが好ましい。凝固剤の付着量が1g/m未満であると、凝固作用が不十分となり、インク受理層への光沢の付与が不十分となる場合がある。凝固剤の付着量が10g/mを超えても、インク受理層の光沢の向上効果が飽和すると共に、凝固剤溶液の固形分濃度を高くしなければならないので、後述する問題が発生する場合がある。
凝固剤溶液の濃度は3質量%以上から30質量%未満であることが好ましい。凝固剤溶液の濃度が3質量%未満であると、塗工層への凝固剤の付着量(固形分で1g/m未満)が不十分となり、凝固作用が不十分となる場合がある。また、凝固剤溶液の濃度が10質量%を超えると水に溶解させることが困難となり、凝集体(析出物)が発生し、操業トラブルとなる場合がある。
又、上記塗工層及び/又は凝固剤には、必要に応じて剥離剤を添加することができる。剥離剤の融点は90〜150℃であることが好ましく、特に95〜120℃であることが好ましい。上記の温度範囲においては、剥離剤の融点が鏡面仕上げ面の温度とほぼ同等であるため、剥離剤としての能力が最大限に発揮される。剥離剤は上記特性を有していれば特に限定されるものではないが、ポリエチレン系のワックスエマルジョンを用いることが好ましい。剥離剤の凝固剤溶液中の含有量は特に限定されるものではないが、0.1〜5質量%含有されることが好ましい。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
なお、実施例1〜10、及び比較例1〜6は、凝固剤溶液中にホウ酸以外のホウ素化合物(具体的には硼砂)を含む実験例である。一方、実施例11〜16、及び比較例11〜15は、凝固剤溶液中にホウ酸以外のホウ素化合物を含まない実験例である。
[実施例1]
広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)90部と針葉樹晒クラフトパルプ(N−BKP)10部とからなる叩解度350mlのパルプスラリ−に対し、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を灰分20%となるように添加し、さらに硫酸アルミニウム1.0部、AKD0.15部、歩留向上剤0.05部を添加した。このスラリーを用いて抄紙機で抄紙し、その際に5%のデンプンと0.2%の表面サイズ剤(AKD)とを固形分で1.5g/m2となるように塗布し、180g/m2の支持体を得た。
この支持体にロールコーターで塗工液Aを13g/m2塗工し、塗工層が湿潤状態にある間に、凝固剤Bを2.0g/m2塗布して凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、195g/m2のインクジェット記録媒体を得た。
塗工液A:顔料として、コロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製、平均一次粒子径20nm)60部、気相法合成非晶質シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm)20部、及び湿式法合成非晶質シリカ(ファインシールX−37B:トクヤマ株式会社製、平均二次粒子径2.6μm)20部、バインダーとしてポリビニルアルコール(PVA224:クラレ株式会社製)12部、蛍光染料(BLANKOPHOR P liquid01:LANXESS社製)1.5部、離型剤(メイカテックスHP68:明成化学工業社製)0.5部、消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ社製)0.1部を配合して濃度25%の塗工液を調整した。
なお、塗工液A中の各顔料の加重平均粒子径は2.7μmであった。
凝固剤B:硼砂2%、ホウ酸4%(硼砂/ホウ酸の質量比=1/2、NaおよびHBO換算で計算)、カチオン性樹脂(サフトマーST3300、三菱化学製)2%、カチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製、平均一次粒子径12nm)0.5%、離型剤(メイカテックスHP68:明成化学工業社製の商品名)0.5部、消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ社製)0.01%を配合して凝固剤(水溶液)を調製した。
[実施例2]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)の配合量を1%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例3]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)の配合量を2%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例4]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)の配合量を3%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例5]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)の配合量を4%に変更したこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例6]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)に代えて、カチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P グレース社製、平均一次粒子径22nm)を用いたこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例7]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P グレース社製)の配合量を1%に変更したこと以外は実施例6と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例8]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P グレース社製)の配合量を2%に変更したこと以外は実施例6と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例9]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P グレース社製)の配合量を3%に変更したこと以外は実施例6と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例10]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P グレース社製)の配合量を4%に変更したこと以外は実施例6と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例1]
凝固剤B中にカチオン性コロイダルシリカとカチオン性樹脂をいずれも配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例2]
凝固剤B中にカチオン性コロイダルシリカを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例3]
凝固剤B中にカチオン性樹脂を配合しなかったこと以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例4]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)に代えて、カチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P グレース社製)を用いたこと以外は比較例3と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例5]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)に代えて、アニオン性コロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製)を用いたこと以外は比較例3と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[比較例6]
凝固剤Bのカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL グレース社製)に代えて、アニオン性コロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製)を用いたこと以外は実施例2と同様にしてインクジェット記録媒体を得た。
[実施例11]
広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)90部及び針葉樹晒クラフトパルプ(N−BKP)10部からなるカナダ標準濾水度(CSF)350mlのパルプスラリーに対し、填料としてロゼッタ型軽質炭酸カルシウム(アルバカー5970:SMI社製)を灰分20%となるように添加し、さらに硫酸アルミニウム1.0部、アルキルケテンダイマー(AKD)0.20部、歩留向上剤0.05部を添加した。このスラリーを用いて抄紙機で抄紙し、その際に固形分濃度5%のデンプンと固形分濃度0.2%の表面サイズ剤(AKD)とを含む塗液を、付着量が固形分で1.5g/mとなるように塗布し、180g/mの紙支持体を得た。
この紙支持体に対し、ロールコーターで塗工液A2を固形分で塗工量が12g/mとなるように塗工した。この塗工層が湿潤状態にある間に、凝固剤溶液B2を固形分で付着量が3.0g/mとなるように塗布して凝固させ、次いでプレスロールを介して加熱された鏡面仕上げ面に圧着して鏡面を写し取り、195g/mのインクジェット用記録媒体を得た。
<塗工液A2>:顔料として、コロイダルシリカ(クォートロンPL−3:扶桑化学工業株式会社製、平均一次粒子径30nm)20部、気相法合成非晶質シリカ(アエロジル200V:日本アエロジル株式会社製、平均一次粒子径12nm)10部、及び湿式法合成非晶質シリカ(ファインシールX−37:トクヤマ株式会社製、平均二次粒子径2.3μm)70部、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA217:株式会社クラレ製)12部、蛍光染料(BLANKOPHOR P liquid01:LANXESS社製)1.5部、離型剤(メイカテックスHP68:明成化学工業株式会社製)0.5部、消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ社製)0.1部を配合して濃度25%でpH8.3の塗工液を調整した。
<凝固剤溶液B2>:ホウ酸4%、カチオン性樹脂(サフトマーST3300:三菱化学株式会社製)1%、カチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P:グレース社製、平均一次粒子径22nm)2%、離型剤(メイカテックスHP68:明成化学工業株式会社製)0.5部、消泡剤(SNデフォーマー480:サンノプコ社製)0.1%を配合してpH3の凝固剤溶液を調製した。
[実施例12]
凝固剤溶液B2のカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P:グレース社製)の配合量を7%に変更したこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[実施例13]
凝固剤溶液B2のカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P:グレース社製)の配合量を15%に変更したこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[実施例14]
凝固剤溶液B2のカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P グレース社製、平均一次粒子径22nm)に代えて、カチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL:グレース社製、平均一次粒子径12nm)を用い、その配合量を6%に変更したこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[実施例15]
凝固剤溶液B2のホウ酸の配合量を1%に変更し、カチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P:グレース社製)の配合量を6%に変更したこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[実施例16]
凝固剤溶液B2のホウ酸の配合量を10%に変更したこと以外は実施例15と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[比較例11]
凝固剤溶液B2中にカチオン性コロイダルシリカを配合しなかったこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[比較例12]
凝固剤溶液B2のカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P:グレース社製)の配合量を1%に変更したこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[比較例13]
凝固剤溶液B2のカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P:グレース社製)の配合量を16%に変更したこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[比較例14]
凝固剤溶液B2のカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL:グレース社製)に代えて、アニオン性コロイダルシリカ(ST−30:日産化学社製)を用いたこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
[比較例15]
凝固剤溶液B2のカチオン性コロイダルシリカ(LUDOX CL−P:グレース社製)に代えて、アニオン性コロイダルシリカ(クォートロンPL−2:扶桑化学工業社製)を用いたこと以外は実施例11と同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。
(評価)
1.染料インク印字濃度
得られたインクジェット用記録媒体に対し、染料インクジェットプリンター(PM―970C:エプソン株式会社製)を用いて所定のパターンを記録し、記録画像部の鮮やかさを目視で下記の基準によって評価した。評価が△以上であれば実用上問題がない。
◎:非常に鮮やか
○:鮮やか
△:若干鮮やかさが劣る
×:鮮やかに見えない
2.写像性(像鮮明度)
得られたインクジェット用記録媒体(のインク受理層面)に対し、JIS K 7105に準じ、写像性測定器(型番:ICM−1DP、スガ試験機株式会社製)を用いて測定した。測定角度を60度、くし幅2mmの条件で、紙のMD方向を測定した。写像性が60%以上であれば反射した像が鮮明に写り、光沢感に優れている。写像性が60%未満の場合、反射した像が不鮮明に写り、光沢感に劣る。
3.20°光沢度
得られたインクジェット用記録媒体のインク受理層表面の未印字部分の20°光沢度を、JIS Z 8741に従い、光沢度計(村上色彩技術研究所製、True GLOSS GM−26PRO)を用いて測定した。20度光沢度が20%以上であれば実用上問題がない。
4.耐水性
得られたインクジェット用記録媒体に対し、染料インクジェットプリンター(PM―970C:エプソン株式会社製)を用いて所定のパターンを記録し、このパターン上に水滴を滴下後3時間静置し、インクの滲みを下記の基準によって目視で評価した。評価が△以上であれば実用上問題がない。
○:滲みが殆ど認められない。
△:滲みがやや認められる。
×:滲みが著しく認められる。
5.インク受理層用塗工液および凝固用水溶液の安定性
インク受理層用塗工液および凝固用水溶液を調製後24時間静置し、凝集体の発生の有無を目視で評価した。いずれの液の評価についても△以上であれば実用上問題がない。
○:凝集体がある。
△:微細な凝集体がある。
×:凝集体がない。
6.キャスト塗工性
連続ラインで20,000mの連続塗工後のキャストドラムの曇り状態を目視にて観察し、下記の基準で評価した。
◎: ドラム表面に曇りが、全く無し
○: ドラム表面に僅かに曇りが確認出来るが、ロングラン適性にほぼ問題なし
△: ドラム表面に曇りが確認出来て、問題となるレベル
×: ドラム表面の全面に曇りが多く確認された
得られた結果を表1、2に示す。
表1、2から明らかなように、各実施例の場合、染料インク記録時の印字濃度が高く、写像性、光沢感に優れ、さらに耐水性にも優れていた。さらに、操業性にも優れていた。
なお、実施例1〜5において、カチオン性コロイダルシリカの配合量が多くなるほど染料インク印字濃度、写像性、光沢度が向上した。但し、カチオン性コロイダルシリカの配合量が3%以上の場合、凝固剤の安定性が若干劣る傾向にあった。
又、実施例1〜5と、実施例6〜10とを比較すると、カチオン性コロイダルシリカの平均一次粒子径が小さい実施例1〜5の方が写像性、光沢度が向上したが、凝固剤の安定性が若干劣る傾向にあった。
一方、凝固剤中にコロイダルシリカ、カチオン性樹脂をいずれも配合しなかった比較例1の場合、染料インク印字濃度、写像性、光沢度、耐水性がすべて劣っていた。
凝固剤中にコロイダルシリカを配合しなかった比較例2の場合、耐水性は優れていたが、写像性、光沢度が劣った。
凝固剤中にカチオン性樹脂を配合しなかった比較例3〜5の場合、耐水性が劣った。
凝固剤中にアニオン性コロイダルシリカとカチオン性樹脂を配合した比較例6の場合、凝固剤が凝集して塗工できず、インクジェット記録媒体が得られなかった。
凝固剤溶液中にカチオン性コロイダルシリカを配合しなかった比較例11の場合、染料インク印字濃度、写像性、光沢度及びキャスト塗工性が劣っていた。
凝固剤溶液中のカチオン性コロイダルシリカの配合量が2質量%未満である比較例12の場合、光沢度が劣っていた。これは、微細なコロイダルシリカがインク受理層表面に存在する量が少なく、インク受理層表面を平滑にする効果が低くなったためと考えられる。
凝固剤溶液中のカチオン性コロイダルシリカの配合量が15質量%を超えた比較例13の場合、凝固剤溶液が凝集して塗工できず、インクジェット用記録媒体が得られなかった。
凝固剤溶液中にアニオン性コロイダルシリカとカチオン性樹脂を配合した比較例14,15の場合も、凝固剤溶液が凝集して塗工できず、インクジェット用記録媒体が得られなかった。
ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムの二次粒子形状の電子顕微鏡像の一例を示す図である。

Claims (10)

  1. 透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料及び結着剤を含む塗工層を設けた後、該塗工層の表面に前記結着剤と凝固する凝固剤溶液を塗布して凝固キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体であって、前記凝固剤溶液に含まれるホウ素化合物、カチオン性樹脂、及びカチオン性コロイダルシリカが前記インク受理層の表面に存在しているインクジェット用記録媒体。
  2. 前記凝固剤溶液中に前記カチオン性コロイダルシリカが0.5〜4質量%含有されている請求項1に記載のインクジェット用記録媒体。
  3. 前記カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径が前記顔料の一次粒子径より小さい請求項1又は2に記載のインクジェット用記録媒体。
  4. 前記塗工層中の前記顔料はコロイダルシリカを含有し、かつ前記結着剤はポリビニルアルコールを含有し、前記凝固剤溶液中の前記カチオン性コロイダルシリカの一次粒子径が10〜50nmであり、前記ホウ素化合物がホウ酸である請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  5. 前記インク受理層表面の20度光沢度が20%以上である請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  6. 前記塗工層中のコロイダルシリカがアニオン性である請求項1〜5のいずれか記載のインクジェット用記録媒体。
  7. 前記塗工層の顔料はさらに、比表面積が100〜300m/gで、かつ平均二次粒子径が1〜4μmの湿式法合成非晶質シリカを含有する請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  8. 前記凝固剤溶液が剥離剤を含有する請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  9. 前記支持体は、ロゼッタ型軽質炭酸カルシウムをJIS−P 8251に規定される灰分として3〜25質量%含有する請求項1〜8のいずれかに記載のインクジェット用記録媒体。
  10. 透気性を有する支持体の少なくとも一方の面に、顔料としてコロイダルシリカを含有し、かつ結着剤としてポリビニルアルコールを含有するpH7〜10のインク受理層用塗工液を塗布して塗工層を設け、前記塗工層が湿潤状態にある間に、一次粒子径10〜50nmのカチオン性コロイダルシリカを2〜15質量%、ホウ酸を1〜10質量%、及びカチオン性樹脂を含有するpH1〜4の凝固剤溶液を塗布した後、凝固法キャストコート法によりインク受理層を設けてなるインクジェット用記録媒体の製造方法。
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