JPWO2009116114A1 - イオン化方法及びイオン化装置 - Google Patents

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Abstract

試料成分を含む試料溶液は、ノズル(1)の先端から電荷を付与されつつ略大気圧雰囲気中に噴霧される。帯電した微小液滴が大気ガスに衝突して分裂し、液滴から溶媒が気化する過程で試料分子がイオンとして放出される。この噴霧流中であってイオン導入部(4)の手前に第2焦点(F2)が位置するように、半切断回転楕円体形状のリフレクトロン(7)が配設され、その第1焦点(F1)の位置に放電電極(8)が設置される。放電電極(8)にパルス状の高電圧が印加され放電が生じると、それに伴い衝撃波が発生し、リフレクトロン(7)で反射した衝撃波は第2焦点(F2)に収束する。収束された衝撃波の作用により第2焦点(F2)付近は高温状態になり、また大きな圧力も加わる。そのため、液滴からの溶媒の気化が一層促進されてイオンが発生し易くなり、また直接的なイオン化も期待できる。これによってイオン生成効率を向上させることができる。

Description

本発明は、質量分析に供されるイオンを生成するためのイオン化方法及びイオン化装置に関する。
液体クロマトグラフのカラムで分離された試料成分を含む試料溶液を質量分析装置で分析する際には、一般に、エレクトロスプレイイオン化法(ESI)や大気圧化学イオン化法(APCI)などの大気圧イオン化法(API)が用いられる(例えば特許文献1など参照)。図6(A)はESIの原理構成図、図6(B)はAPCIの原理構成図である。
ESIにおいて、試料溶液は、先端に数kV程度の直流高電圧が印加された細径のノズル1に導入される。直流電圧源3から印加される高電圧によって試料溶液はその電圧と同極性の電荷を付与され、ノズル1とそれに対向するイオン導入部(例えばサンプリングコーンや脱溶媒管など)4との間の電位差によって形成される電場の作用で、ノズル1先端から引きちぎられるように霧化する。この試料溶液の霧化を補助するために、ノズル1と同軸で外筒となるネブライズガス管2を通して噴き出すネブライズガスが利用される。ノズル1から噴霧された帯電した微小液滴は、周囲の大気ガスに衝突するとともに内部の静電反発力によって分裂して微細化される。また、周囲は適度に加熱されており、微細液滴中の溶媒は気化する。こうして液滴が微細化する過程で、試料成分由来のイオンが放出され、生成されたイオンはイオン導入部4を経て図示しない質量分析部に送られる。
またAPCIでは、ネブライズガス管2を通して噴き出す窒素などのネブライズガスを用いて、試料溶液をノズル1先端から噴霧する。ヒータ5による高温の加熱雰囲気の下で噴霧流を構成する液滴中の溶媒は迅速に気化する。この噴霧流の前方には放電電極6が配置され、この放電電極6によるコロナ放電によって溶媒分子はイオン化され反応イオンとなる。この反応イオンと試料分子とが化学反応を生じ、試料分子はプロトン付加又はプロトン脱離によりイオンとなり、イオン導入部4を経て図示しない質量分析部に送られる。
上記のように大気圧イオン化法では、噴霧された液滴中の試料成分をイオン化するために、高温のアシストガスの吹き付けやヒータ加熱などにより、液滴中の溶媒の気化を促進させる手法が採られている。しかしながら、このような従来採用されている加熱手法では、たかだか数百℃程度の雰囲気温度による乾燥しか行えず、短時間で溶媒を気化させるには必ずしも十分ではない。
そのため、例えばイオン導入部4として高温に加熱された細径のキャピラリを用い、この管の内部でも脱溶媒化を促してイオンの生成量を増加させる工夫も行われている(例えば特許文献2参照)。しかしながら、加熱キャピラリ管に入らなかった液滴中の試料成分は無駄になることが避けられない。特にESIでは、ノズル1から噴霧される液滴のサイズが比較的大きいため、液滴中の溶媒が気化しにくく、無駄になる試料成分の割合も多い。大気圧イオン化法を用いた質量分析装置でさらなる高感度化を図るには、上述のように従来無駄になっていた試料成分を確実にイオン化し、質量分析に供することが重要である。
一方、固体状(又は固形状)の試料中の成分をイオン化するのには、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI)を代表とするレーザ脱離イオン化法(LDI)がよく用いられている。また略大気圧雰囲気の下でMALDIを適用する大気圧MALDI(AP−MALDI)も知られている。しかしながら、マトリックスを使用しないLDIの場合にはイオン化効率を高くするのが難しいという課題がある。また、MALDIの場合でも、レーザ光の吸収特性が良好であるマトリックスを選択する必要がある、試料結晶とマトリックスとの混合状態によって感度に大きな差が出る、といった課題がある。こうしたことから、LDIに代わる新しいイオン化手法の開発が望まれている。
特開2000−185886号公報(段落[0005]-[0007]、図6) 特開2003−107054号公報
本発明は上記課題を解決するために成されたものであり、その第1の目的とするところは、試料成分を含む試料溶液を噴霧して該成分のイオン化を行う際に液滴中の溶媒の気化を促進させて効率よくイオン化を行うことができるイオン化方法及びイオン化装置を提供することである。
また、本発明の第2の目的は、固形状の試料に含まれる成分のイオン化を、マトリックス等の補助物質を利用することなく、効率的に行うことができるイオン化方法及びイオン化装置を提供することである。
上記課題を解決するために成された第1発明に係るイオン化方法は、質量分析に供するために試料成分をイオン化するイオン化方法であって、
試料成分を含む試料溶液を噴霧部により噴霧し、その噴霧流に収束させた衝撃波を当て、微小液滴中の溶媒の気化を促進させてイオン生成を促すことを特徴としている。
また第2発明に係るイオン化装置は第1発明に係るイオン化方法を実施するための装置であって、試料成分を含む試料溶液を噴霧する噴霧部と、前記噴霧部からの噴霧流に対し収束させた衝撃波を当てて微小液滴中の溶媒の気化を促進させる衝撃波発生手段と、
を備えることを特徴としている。
第1発明に係るイオン化方法及び第2発明に係るイオン化装置は、特に、略大気雰囲気の下でイオン化を行う大気圧イオン化方法及び大気圧イオン化装置に有用である。具体的には、上述したESI、APCIのほか、大気圧光イオン化法(APPI)など、試料溶液を略大気圧雰囲気中に噴霧するイオン化法全般に利用することができる。
第2発明により実施される第1発明に係るイオン化方法では、収束された衝撃波によって噴霧流中が局所的に高温状態となるとともに、局所的に大きな圧力が加わる。衝撃波の強度や収束性、ガス圧などにも依存するが、通常の大気圧雰囲気中であれば、数千℃、数百気圧にもなり得る。これにより、液滴中の溶媒は急速に気化する。例えばESIの場合には、液滴が帯電しており、溶媒の気化が進むことで試料成分がイオンとなって放出され易くなる。またAPCIの場合には、液滴からの溶媒の気化が促進されることで、気相状の溶媒分子や試料分子の量(密度)が多くなり、化学反応が盛んになってイオン化効率が向上する。また、衝撃波が液滴中の溶媒気化に寄与するのみならず、直接的に試料分子に作用してイオン化を行うことも期待できる。
また上記課題を解決するために成された第3発明に係るイオン化方法は、質量分析に供するために試料成分をイオン化するイオン化方法であって、
分析対象である試料成分を含む試料又は被調製物に対し収束させた衝撃波を当て、その作用により試料成分をイオン化することを特徴としている。
また第4発明に係るイオン化装置は第3発明に係るイオン化方法を実施するための装置であって、
分析対象である試料成分を含む試料に対し収束させた衝撃波を当てる衝撃波発生手段を備え、衝撃波の作用により試料成分をイオン化することを特徴としている。
第3発明に係るイオン化方法及び第4発明に係るイオン化装置も、特に、略大気雰囲気の下でイオン化を行う大気圧イオン化方法及び大気圧イオン化装置に有用である。
第4発明により実施される第3発明に係るイオン化方法では、収束された衝撃波によって試料表面が局所的に高温状態となるとともに、局所的に大きな圧力(振動)が加わる。この熱や圧力の作用により、試料表面から試料成分が蒸発し、その際に該成分がイオン化される。
第1及び第3発明に係るイオン化方法、並びに、第2及び第4発明に係るイオン化装置では、衝撃波発生手段における衝撃波の生成手法や衝撃波の収束手法は特に限定されるものではなく、例えば胆石破砕などの医療分野などで従来知られている様々な手法を用いることができる。
一態様として、上記衝撃波発生手段は、半切断回転楕円体による反射を利用して発生源より発生された衝撃波の収束を行うものとすることができる。即ち、この構成では、半切断回転楕円体内部の第1焦点に発生源を配置し、もう一方の第2焦点に衝撃波を収束させることができる。したがって、この第2焦点の位置に噴霧流が来るように或いは試料表面が配置されるように、衝撃波発生手段の位置を決めればよい。また衝撃波の発生源としては、レーザ光源から放出された高出力のレーザ光をレンズにより収束させて放電を生起させることによるもの、放電電極に印加した高電圧により放電を生起させることによるもの、などとすることができる。
また、上記衝撃波発生手段は、凹面体の内面に多数設けたピエゾ素子による振動により衝撃波を発生し、その凹面の焦点に衝撃波を収束させるものや、衝撃管内の金属膜の振動により衝撃波を発生するもの、などとしてもよい。
第1発明に係るイオン化方法及び第2発明に係るイオン化装置によれば、従来に比べてイオン生成効率を向上させ、より多くの量のイオンを質量分析に供することができる。それにより、検出感度や検出精度を向上させ、ひいては定性精度や定量精度の向上にも寄与する。
また第3発明に係るイオン化方法及び第4発明に係るイオン化装置によれば、従来とは全く異なる手法で固形状の試料中の成分のイオン化を行うことができる。イオン化のエネルギーは直接的に試料成分に作用するので、MALDIのマトリックスのような補助的な物質を用いずに、高い効率でイオン化を行うことができる。
本発明の一実施例によるイオン化装置の概略構成図。 図1に示したイオン化装置を利用した質量分析装置の全体構成図。 本発明の他の実施例によるイオン化装置の概略構成図。 図3のイオン化装置の変形例の概略構成図。 衝撃波発生手段の別の構成を示す概略図。 従来の大気圧イオン化装置の概略構成図であり、(A)はESI、(B)はAPCIを示す図。
符号の説明
1…ノズル
2…ネブライズガス管
3…直流電圧源
4…イオン導入部(サンプリングコーン)
5…ヒータ
6…放電電極
7…リフレクタ
8…放電電極
9…放電電源
30…試料台
31…試料
32…キャピラリ管
33…直流電源
40…レーザ光源
41…レンズ
[第1実施例]
本発明の一実施例(第1実施例)であるイオン化装置について、添付図面を参照して説明する。図1は本実施例のイオン化装置の概略構成図、図2はこのイオン化装置を用いた質量分析装置の一例を示す全体構成図である。
図2に示すように、この質量分析装置は、略大気圧雰囲気に維持されるイオン化室10と高真空雰囲気に維持される分析室13との間に、2つの中間真空室12、13を備え、イオン化室10から分析室13に向かって段階的に真空度を高める多段差動排気系の構成を採用している。イオン化室10においては後述するイオン化装置により、試料溶液中の試料成分がイオン化され、発生したイオンはイオン導入部4を通して第1中間真空室11に送られる。
イオンは、第1中間真空室11内に配設された第1イオンガイド14、及び、第2中間真空室12内に配設された第2イオンガイド15により収束されつつ、後段に輸送される。そして、様々な質量(厳密には質量電荷比m/z)を持つイオンの中で、分析室13内に配設された四重極質量フィルタ16により、所定の質量を持つイオンが選択され、検出器17に到達して検出される。四重極質量フィルタ16を通過し得るイオンの質量は、該フィルタ16に印加される高周波電圧及び直流電圧に応じて相違する。したがって、これら電圧を走査することにより、検出器17に到達するイオンの質量を走査し、その検出信号に基づいて質量スペクトルを作成することができる。
この質量分析装置では、四重極質量フィルタ16に導入するイオンの量を増加させることで検出感度を向上させることができ、そのためには、イオン化室10内での、つまりイオン化装置でのイオン生成効率を向上させることが有益である。
この第1実施例のイオン化装置は図6(A)に示したESIによるイオン化装置に本発明を適用したものであり、図6(A)で説明した構成要素には同一符号を付す。即ち、試料成分を含む試料溶液は、ネブライズガス管2から噴き出すネブライズガスの助けを受け、且つ、直流電圧源3から印加される電圧により片寄った電荷を付与され、帯電した微小液滴として略大気圧雰囲気中に噴霧される。帯電微小液滴は周囲の大気ガスと衝突することにより、或いは液滴内部の静電的な斥力により、分裂して次第に微細な液滴となる。さらに、液滴中の溶媒が気化し、試料分子は電荷を持ったイオンとして放出される。
第1実施例における特徴的な構成として、イオン導入部4であるサンプリングコーンの前方には、半切断回転楕円体形状の反射面を有するリフレクタ7が配設されている。該リフレクタ7の反射面及びそれと連続する回転楕円体Eには、2つの焦点F1、F2が存在し、リフレクタ7の反射面で囲繞される第1焦点F1の位置に、放電電極8が設置されている。もう一方の第2焦点F2は、ノズル1からの噴霧流中で、イオン導入部4の手前直近に位置する。このリフレクタ7、放電電極8、及び放電電源9が本発明における衝撃波発生手段に相当する。
放電電源9より放電電極8に所定のパルス状の高電圧が印加され、放電電極8で放電が発生すると、第1焦点F1から周囲に略球状に衝撃波が広がる。第1焦点F1から前方、つまりイオン導入部4に向かって進行した衝撃波を除き、他の衝撃波はリフレクタ7により反射され、その反射衝撃波は第2焦点F2に収束される。第1焦点F1から一斉に放出された衝撃波の多くが第2焦点F2に収束されるので、第2焦点F2付近はきわめて高い高温状態となり、また圧力も加わる。
放電電極8で生成される衝撃波の強度にもよるが、理想的には第2焦点F2において数千℃の温度、数百気圧の圧力が得られ、その近傍でもヒータなどの加熱に比べて高い温度となる。この温度と圧力(振動)の作用により、液滴中の溶媒の気化は一層促進され、それに伴ってイオンの生成も促される。また、収束された衝撃波は液滴中の溶媒の気化のみならず、より直接的に試料分子をイオン化させる働きを持つ。したがって、従来に比べてイオン生成効率が向上し、同じ量の試料溶液を噴霧した場合でも、より多くの量のイオンをイオン導入部4を通して後段に送り込むことができる。
なお、図1は本発明をESIに適用した例であるが、図6(B)に示したAPCIやAPPIなどに適用しても同様にイオン生成効率を上げることができる。
[第2実施例]
次に本発明の別の実施例(第2実施例)であるイオン化装置について、添付図面を参照して説明する。図3はこの第2実施例のイオン化装置の概略構成図である。
衝撃波発生手段であるリフレクタ7、放電電極8及び放電電源9は第1実施例と同じであるが、この例では、回転楕円体Eの第2焦点F2が試料台30に保持された試料31の表面に位置するようにしている。この試料31は固体状の試料、又は試料溶液を乾化させた固形状の試料である。この試料台30と放電電極8との間には、イオンを収集して後段に送るためのキャピラリ管32がイオン導入部として配設されている。
放電電源9より放電電極8に所定のパルス状の高電圧が印加され、放電電極8で放電が発生すると、第1焦点F1から周囲に略球状に衝撃波が広がる。リフレクタ7による反射衝撃波は第2焦点F2に収束されるが、この第2焦点F2には試料31が存在するので、試料31が局所的に高温状態となり、また圧力が加わることにより、試料31が気化する。それに伴って試料31中の試料分子はイオン化され、発生したイオンは、直流電源33から試料台30とキャピラリ管32との間に印加される電圧によって生成される電場の作用で、試料31から引き出されてキャピラリ管32に吸引される。
即ち、この第2実施例のイオン化装置では、収束された衝撃波が試料31に直接的に作用することで、試料31中の成分がイオン化される。したがって、MALDIのようにマトリックスを用いる必要がなく、試料31のみを試料台30に保持させればよい。
図4は上記第2実施例によるイオン化装置の変形例の概略構成図である。上述したように収束させた衝撃波を試料31に直接当てることで試料31からイオンが放出されるが、イオン以外に、試料31由来の中性粒子も多く試料31から飛び出る。つまり、図4中に模式的に記載したように、試料31の周囲にはイオンPと中性粒子Nとが混在した粒子雲が形成される。このままでは、この中性粒子Pは質量分析に利用できず無駄になる。そこで、この変形例によるイオン化装置は、試料31から飛び出した中性粒子Nのイオン化を促す手段をさらに備える。
図4の例では、粒子雲にレーザ光を照射するレーザ光照射部34を設け、そのレーザ光により中性粒子Nを励起させてイオン化を促す。これによって、イオンの生成効率が向上し、より多くの量のイオンを質量分析に供し、分析感度を向上させることができる。また、レーザ光の代わりに、例えばESIと同様の手法により帯電させた微小液滴を生成してこれを粒子雲に吹き付ける、例えばEI法のようにフィラメントの加熱などにより生成した電子を粒子雲に当てる、等の方法でも中性粒子のイオン化を促進することができる。こうしたイオン化促進手段を別途設けることで、試料31に加える衝撃波のパワーを落としても、高いイオン生成効率を達成できる。
上記実施例では、衝撃波を生成するために放電電極8による放電を利用し、生成された衝撃波を収束するために半切断回転楕円体形状であるリフレクタ7を利用していたが、衝撃波発生手段として、例えば医療分野(具体的には胆石破砕用の収束衝撃波発生装置等)などで使用されている各種の構成を採用することもできる。
図5は衝撃波発生手段の別の構成を示す概略図である。この例では、レーザ光源40から放出された高出力のレーザ光を、レンズ41によってリフレクタ7の第1焦点F1に集光する。これによって、空中で放電が発生し、それに伴い衝撃波が球状に広がる。
また、衝撃管と呼ばれる直状の管路内に設けられた金属膜(ダイヤフラム)を振動させることで衝撃波を発生させ、これを音響レンズにより所定の焦点に収束させる構成としてもよい。また、凹面状のリフレクタに多数のピエゾ素子を取り付け、それらピエゾ素子を同時に駆動して振動させることで、凹面状リフレクタの焦点に衝撃波を収束させる構成としてもよい。もちろん、それ以外の構成としてもよい。
上記実施例や各種態様は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜に変更、修正、追加を行っても本願請求の範囲に包含されることは当然である。
特開2004−185886号公報(段落[0005]-[0007]、図6) 特開2003−107054号公報

Claims (7)

  1. 質量分析に供するために試料成分をイオン化するイオン化方法であって、
    試料成分を含む試料溶液を噴霧部により噴霧し、その噴霧流に収束させた衝撃波を当て、微小液滴中の溶媒の気化を促進させてイオン生成を促すことを特徴とするイオン化方法。
  2. 質量分析に供するために試料成分をイオン化するイオン化装置において、
    試料成分を含む試料溶液を噴霧する噴霧部と、
    前記噴霧部からの噴霧流に対し収束させた衝撃波を当てて微小液滴中の溶媒の気化を促進させる衝撃波発生手段と、
    を備えることを特徴とするイオン化装置。
  3. 請求項2に記載のイオン化装置であって、前記噴霧部は、試料溶液に電荷を付与して帯電液滴として噴霧するものであることを特徴とするイオン化装置。
  4. 質量分析に供するために試料成分をイオン化するイオン化方法であって、
    分析対象である試料成分を含む試料又は被調製物に対し収束させた衝撃波を当て、その作用により試料成分をイオン化することを特徴とするイオン化方法。
  5. 質量分析に供するために試料成分をイオン化するイオン化装置であって、
    分析対象である試料成分を含む試料又は被調製物に対し収束させた衝撃波を当てる衝撃波発生手段を備え、衝撃波の作用により試料成分をイオン化することを特徴とするイオン化装置。
  6. 請求項1又は4に記載のイオン化方法であって、略大気雰囲気の下でイオン化を行う大気圧イオン化方法であることを特徴とするイオン化方法。
  7. 請求項2又は5に記載のイオン化装置であって、略大気雰囲気の下でイオン化を行う大気圧イオン化装置であることを特徴とするイオン化装置。
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