JP2004257873A - 試料ガスのイオン化方法およびイオン化装置 - Google Patents

試料ガスのイオン化方法およびイオン化装置 Download PDF

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Kenzo Hiraoka
賢三 平岡
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    • H01J49/14Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers
    • H01J49/145Ion sources; Ion guns using particle bombardment, e.g. ionisation chambers using chemical ionisation

Abstract

【目的】選択的イオン化が可能なペニングイオン化においてイオン化効率を高める。
【構成】イオン化空間内に希ガスを導入するとともに,放電を生起させることによって希ガスの準安定励起種を生成し,イオン化空間内に試料ガスを導入して,希ガスの準安定励起種との衝突によりペニングイオン化を生じさせ,ペニングイオン化によって正イオン化された原子または分子から放出される電子を,イオン化空間内に配置された電子捕捉用電極に正電位を与えて捕捉し,正イオン化された原子または分子を質量分析装置側に誘導する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【技術分野】
この発明は,試料ガスのイオン化方法,イオン化操作方法およびイオン化装置に関する。
【0002】
【従来技術】
試料ガスの分析のために質量分析装置(方法)が有効であるが,この装置(方法)を用いるためには試料ガスのイオン化が必要である。現在広く用いられている大気圧イオン化法の代表的なものにコロナ放電を利用するAPCI(Atmospheric Pressure Chemical Ionization)法がある。この方法は,試料溶液を噴霧すると同時に加熱して溶媒を気化させ,その中に針状の高電圧電極を置いて正または負の高電圧を印加してコロナ放電を起こさせることで,大気圧下での化学イオン化を起こさせるという方法である。APCIでは,コロナ放電でまず,主成分のキャリヤガスがイオン化される。例えば,空気が主成分であれば,N やO が生成する。これらのイオンは試料ガス中の種々の不純物をイオン化する。不純物ガスとして極性の大きな水蒸気,含酸素化合物(アルコールなど),含窒素化合物などが存在すると,最終的にH(HO) ,HROH(ROH),NH (NHイオンなどが生成し,炭化水素化合物などが不純物として含まれていたとしても,これらは殆どイオン化されない。アルコールなどの共存下において,イオン化しにくい炭化水素などの成分を選択的にイオン化する方法が望まれている。
【0003】
試料ガス中の特定の成分を選択的にイオン化できる方法としてペニングイオン化法がある。ペニングイオン化法の原理は次の文献に記載されている。
【0004】
【非特許文献1】
平岡賢三著「低温プラズマの基礎と応用」質量分析,Vol.33,No.5,p.271〜306(1985),特にp.275〜276「2.2.ペニングイオン化」
【0005】
ペニングイオン化においては準安定励起種の準安定エネルギーよりも低いイオン化エネルギーをもつ原子や分子だけが選択的に正イオン化される。正イオン化の過程で原子または分子から電子が放出されるが,この電子が正イオンと再結合すると,イオン化効率が低下する。
【0006】
【発明の開示】
この発明の主目的は,ペニングイオン化におけるイオン化効率を高めることにある。
【0007】
この発明はまた,ペニングイオン化に適したイオン化装置の構造を利用したイオン化方法および装置も提供する。
【0008】
この発明による試料ガスのイオン化方法は,イオン化空間内に希ガス(被励起ガス)を導入するとともに,希ガスを励起することによって希ガスの準安定励起種を生成し,上記イオン化空間内に試料ガスを導入して,希ガスの準安定励起種と試料ガスとの衝突によりペニングイオン化を生じさせ,上記イオン化空間内に配置された電子捕捉用電極に正電位を与えて,ペニングイオン化によって正イオン化された原子または分子から放出される電子を捕捉し,正イオン化された原子または分子を質量分析装置側に誘導するものである。
【0009】
ハウジング等(後述するオリフィスとダイヤフラムにより形成したものを含む)により形成された閉空間(イオン化空間)内にほぼ大気圧の希ガスを導入して充満させておく。好ましくは,イオン化空間内に希ガスを導入するとともにイオン化空間から排出して,希ガスの流れを形成する。希ガスの励起には光励起を含む種々の方法があるが,放電による励起が望ましく,さらにコロナ放電または高周波放電が好ましい。コロナ放電を生起させるためにイオン化空間内にコロナ放電用電極を配置し,この電極に負の電圧を印加する。高周波放電の場合にも,同様に,イオン化空間内に高周波放電用電極を配置し,この電極に高周波を印加する。これによって,希ガスを通して放電が生起し,希ガスが励起されて準安定励起種が生成される。
【0010】
イオン化空間内にイオン化すべきガスを含む試料ガスを導入する。試料ガスが微量の場合にはキャリアガス(水素ガス,希ガス等)とともに導入するとよい。試料が液体の場合には液体試料の蒸気をキャリアガスに混ぜて運んでイオン化空間内に導入することができる。ガスクロマトグラフから出力(流出)される分離したガス成分をイオン化空間内に導入してもよい。
【0011】
励起によって生成された希ガスの準安定励起種と試料ガスとの衝突によりペニングイオン化が生じる。ペニングイオン化においては,希ガスの準安定励起種のもつ準安定エネルギーよりも低いイオン化エネルギーをもつ試料ガス中の原子または分子だけが選択的に正にイオン化される。ペニングイオン化の過程で原子または分子から電子が放出される。
【0012】
ペニングイオン化によって正イオン化される原子または分子(これらをまとめていうときには,イオン化ガス,イオン化ガス粒子という)から放出される電子は,イオン化空間内に配置され,正電位が与えられた電子捕捉用電極によって捕捉(吸着)される。これにより,イオン化ガスが電子と再結合するのが防止される。
【0013】
好ましくは,イオン化空間内に希ガスの流れをつくっておき,この流れの上流側(希ガスの導入箇所付近)で希ガスの準安定励起種を生成し,流れの下流側(試料ガスの導入箇所付近)でペニングイオン化を生じさせるようにする。試料ガスにエネルギーを与えて基底状態に戻った希ガスはイオン化空間内から排出される。
【0014】
正イオン化されたガス粒子は質量分析装置に,たとえば電界を形成することにより誘導される。もちろん,イオン化空間内を形成するハウジング(ケース)等には正イオン化ガス粒子が質量分析装置に向って出ていく微細孔が形成される。
【0015】
質量分析装置には,イオンを加速電圧や磁場の強さを連続的に加減しつつ測定して質量スペクトルを得る質量分析計,同じエネルギーを得たイオンでも質量が異なれば速度が違うことから,一定距離を通る時間が異なることを利用した飛行時間(time of flight)形や,高周波電場内でのイオンの共鳴振動を利用したもの等がある。
【0016】
この発明による試料ガスのイオン化操作方法は,イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたハウジングによってイオン化空間を形成し,このイオン化空間内に,放電用電極と電子捕捉用電極とを上記ハウジングと絶縁した状態で配置し,上記イオン化空間内に希ガスを導入するとともに放電用電極に電気エネルギーを与えて放電を生じさせ,上記イオン化空間内に試料ガスを導入するとともに電子捕捉用電極に正電圧を印加するものである。放電によって生成された希ガスの準安定励起種と試料ガスとの衝突によって正イオン化される試料ガスから放出される電子を,電子捕捉用電極に正電圧を印加することにより捕捉することができる。正イオン化された試料ガスはイオン化空間からハウジングの微細孔を通して質量分析装置に導かれる。また,ペニングイオン化により基底状態に戻った希ガスはイオン化空間から排出される。電子捕捉用電極は試料ガス導入口の近傍に配置される。
【0017】
このイオン化操作方法においても,ペニングイオン化において生成された電子が電子捕捉用電極によって捕捉されるので,イオンと電子の再結合が防止される。
【0018】
この発明による試料ガスのイオン化装置は,イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成され,イオン化空間を形成するハウジング,上記イオン化空間内に配置され,上記ハウジングに絶縁状態で支持された放電用電極,上記イオン化空間内に希ガスを導入するための上記ハウジングに形成された希ガス導入口,上記イオン化空間から希ガスを排出するための上記ハウジングに形成された希ガス排出口,上記イオン化空間内に試料ガスを導入するための上記ハウジングに形成された試料導入口,およびペニングイオン化によって生成された電子を捕捉するための,正電位が加えられる電子捕捉用電極を備えているものである。
【0019】
この発明による試料ガスのイオン化装置は,より具体的に表現すると,イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたオリフィスとによってイオン化空間を形成するための凹部を持つダイヤフラム,上記イオン化空間内に配置され,上記ダイヤフラムに絶縁状態で支持された放電用電極,上記イオン化空間内に希ガスを導入するための上記ダイヤフラムに形成された希ガス導入口,上記イオン化空間から希ガスを排出するための上記ダイヤフラムに形成された希ガス排出口,上記イオン化空間内に試料ガスを導入するための上記ダイヤフラムに形成された試料ガス導入口,およびペニングイオン化によって生成された電子を捕捉するための,正電位が加えられる電子捕捉用電極を備えているものである。
【0020】
一般的には,希ガス導入口には希ガス供給管(可撓性でもよい)が,希ガス排出口には希ガス排出管(可撓性でもよい)が,試料ガス導入口には試料ガス供給管(可撓性でもよい)がそれぞれ接続される。
【0021】
オリフィスとダイヤフラムとによってイオン化空間が形成されるが,この全体をハウジング等と呼ぶことができる。好ましい実施態様では,希ガス導入口の近傍に放電用電極が配置される。また,好ましくは試料ガス導入口の近傍に電子捕捉用電極が配置される。さらに好ましくは,生成されたイオンを効果的に質量分析装置に導くために,試料ガス導入口の近傍に上記の微細な孔が位置する。希ガス排出口はイオン化されなかった試料ガス排出口にもなるが,試料ガス導入口の近くにあるとよい。
【0022】
好ましい一実施態様では,試料ガス供給管(試料ガス導入管)が電子捕捉用電極と兼用される。この場合には試料ガス供給管は導電体(金属)で形成され,その先端開口が試料ガス導入口となる。試料ガス供給管の先端は,電子の捕捉を効果的に実現するために,必要に応じてその断面が尖った形状に加工されるが,必ずしも尖った形状としなくてもよい。
【0023】
一実施態様では,オリフィスと凹部を持つダイヤフラムとによってほぼ筒状(たとえば円筒状)(高さの低い)のイオン化空間が形成され,その周囲において希ガスがイオン化空間に導入され,かつ放電(コロナ放電,高周波放電)により希ガスの準安定励起種が生成される。希ガスの準安定励起種がイオン化空間の中心部に流れていき,ここでペニングイオン化が生じる。イオン化空間の中心部に試料ガスが導入され,かつ電子の捕捉が行なわれる。また,イオン化空間の中心部で基底状態に戻った希ガスの排出が行なわれ,イオン化ガス粒子はイオン化空間の中心部付近に設けられたオリフィスの微細孔から質量分析装置に導入される。
【0024】
もっとも,希ガスがイオン化空間内で流れをつくっている場合には,イオン化空間内の上記流れの上流付近で放電を生じさせ,下流付近でペニングイオン化を生起させれば良いので,イオン化空間がほぼ筒状(ほぼ円筒状)のものに限定されないのはいうまでもない。すなわち,希ガスの導入口付近に放電電極を配置して希ガスを励起する。試料ガスの導入口付近に電子捕捉用電極を配置して,ペニングイオン化によって生成された電子を捕捉する。
【0025】
ほぼ円筒状のイオン化空間を持つこの発明によるイオン化装置は,イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が中心部に形成されたオリフィスとによってイオン化空間を形成するための凹部を持つダイヤフラム,上記イオン化空間内の周囲に配置され,上記ダイヤフラムに絶縁状態で支持された放電用電極,上記イオン化空間内の周囲において上記ダイヤフラムに形成された,上記イオン化空間内に希ガスを導入するための希ガス導入口,上記イオン化空間から希ガスを排出するための上記ダイヤフラムの中央部に形成された希ガス排出口,および先端部が上記希ガス排出口に臨むように配置され,先端部が電子捕捉用電極として作用する試料ガス導入管を備えているものである。
【0026】
このイオン化装置によると,試料ガス導入管(導電性)(供給管)と電子捕捉用電極とが共用されているので,装置構成が簡素になる。
【0027】
以上のようにしてこの発明によると,希ガスの準安定励起種を用いて試料ガスをペニングイオン化しているので,希ガスの準安定エネルギーよりも低いイオン化エネルギーを持つ原子または分子のみが選択的にイオン化できる。また,イオン化空間内に電子捕捉用電極が設けられており,イオン化によって生じた電子が捕捉されるから,試料ガスのイオン化により生成された電子がイオンと再結合することが防止され,最終的に得られるイオンのイオン化効率が高まる。
【0028】
上述したペニングイオン化に適したイオン化装置の構造の全部または一部を利用して,他の原理によるイオン化を達成することもでき,この発明はこのようなイオン化方法およびイオン化装置も提供している。
【0029】
この発明による試料ガスのイオン化方法は,イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたハウジング内にイオン化空間を形成し,このイオン化空間内にキャリアガスを導入しキャリアガス排出口から排出させるようにして上記イオン化空間内にキャリアガスを充満または流しておき,先端部が上記キャリアガス排出口に臨むように配置された試料ガス導入管を通して試料ガスを上記イオン化空間内に導入するとともに,試料ガス導入管に負の電圧を印加して放電を発生させ,放電により発生した電子を試料ガスの原子または分子に付着させることにより負イオンを生成するものである。
【0030】
キャリアガスは放電(コロナ放電等)を生起させるものであればよく,希ガス,酸素ガスなどが用いられる。放電(たとえばコロナ放電)により発生した電子は試料ガス中の正の電子親和力をもつ原子または分子に付着し,負イオンが生成される。生成された負イオンは質量分析装置に誘導される。
【0031】
この発明による試料ガスのイオン化装置は,イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたイオン化空間を形成するためのハウジング,上記イオン化空間内にキャリアガスを導入するための上記ハウジングに形成されたキャリアガス導入口,上記イオン化空間からキャリアガスを排出するための上記ハウジングに形成されたキャリアガス排出口,上記イオン化空間内に試料ガスを導入するための上記ハウジングに形成された試料ガス導入口,上記イオン化空間内の上記試料ガス導入口の近傍に配置された放電用電極を備えたものである。
【0032】
この発明による試料ガスのイオン化装置をより具体的に表現すると,イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が中心に形成されたオリフィスとによってイオン化空間を形成するための凹部を持つダイヤフラム,上記イオン化空間内の周囲において上記ダイヤフラムに形成された,上記イオン化空間内にキャリアガスを導入するためのキャリアガス導入口,上記イオン化空間からキャリアガスを排出するための上記ダイヤフラムの中央部に形成されたキャリアガス排出口,および先端部が上記キャリアガス排出口に臨むように配置され,負の電圧が印加されることにより先端部がコロナ放電用電極として作用する試料ガス導入管を備えたものであるといえる。
【0033】
このようなイオン化装置は,上述したペニングイオン化のための装置の基本的構造をそのまま利用して実現することもできるし,一部を改造して実現することもできる。ペニングイオン化のための装置により正イオンが生成されるのに対して,上記のイオン化装置では負イオンが生成される。
【0034】
【実施例】
第1実施例
図1は,試料ガスの分析システムの全体的な構成を示している。
【0035】
イオン化装置10は質量分析装置(この実施例では四重極質量分析計)30に取付けられている。すなわち,質量分析装置30に固定され,装置30にイオンを導入するための微細な孔19aが中心にあけられたオリフィス19と,質量分析装置30に固定され,ほぼ円筒状の凹部を有するダイヤフラム11により,イオン化空間10Aが形成されている。オリフィス19とダイヤフラム11はともに導電体(金属)によりつくられている。
【0036】
このイオン化空間10A内にはその周囲の数箇所において,希ガスシリンダ24から希ガス供給管(可撓性)23を通して,大気圧程度の希ガスが導入される。ダイヤフラム11の希ガス導入口付近にはコロナ放電用電極14がイオン化空間10A内の周囲に設けられている。コロナ放電用電極14には高電圧発生回路40によって負の高電圧(たとえば− 500V〜−2000V)が印加され,イオン化空間10A内において,コロナ放電により希ガスが励起され,その準安定励起種が生成される。
【0037】
ダイヤフラム11の中央部には希ガス排出口(試料ガス等の排出口でもある)12があけられている。ダイヤフラム11にはこの排出口12を覆うように筒状体(合成樹脂,グラス,石英,セラミックス等の絶縁体により形成れさている)(キャップまたは排気筒)16が固定されている。この筒状体16に試料ガス導入細管(金属製)15がその底部で固定され,細管15の先端部はダイヤフラム11の方向にのび,細管15の先端が排出口12に臨んでいる。試料ガス導入細管15は電子捕捉用電極を兼用しており,高電圧発生回路40から発生する正の電圧(たとえば+ 500V〜+1000V)が印加される。また,試料導入細管15には試料ガス供給管26が接続され,この試料ガス供給管(可撓性)26にはガスシリンダ28によってキャリアガスが供給される。キャリアガスを供給しながら,試料ガス供給管26の途中の注入箇所27において,分析すべき試料ガスが注入される。たとえば,試料ガス供給管のゴムまたはコルクの部分に注射針によって試料ガスを供給することができる(マイクロインジェクション)。試料ガスはキャリアガスに運ばれてイオン化空間10A内に導入される。図6に示すように,試料ガス供給管26の途上にガスクロマトグラフ40を設け,ガスクロマトグラフ40によって分離されたガス成分を順次イオン化装置10に供給し,イオン化後,質量分析装置30において順次分析するようにすることも可能である。
【0038】
イオン化空間10A内の試料導入細管15の先端部付近において,次のようなペニングイオン化が生じる。
【0039】
+B→A+B+e
【0040】
ここでA は希ガスの準安定励起種であり,Bは試料ガス中の原子または分子である。
【0041】
コロナ放電により生成された準安定励起種と試料ガス中の原子または分子が衝突し,準安定励起種のエネルギーにより,原子または分子がイオン化され,かつ電子eが放出される。希ガスの準安定励起種はエネルギーを放出すると基底状態に戻る。このペニングイオン化において,準安定励起種の準安定エネルギーよりも低いイオン化エネルギーを持つ原子や分子のみが選択的にイオン化されることになる。
【0042】
希ガスにはヘリウム(He),ネオン(Ne),アルゴン(Ar),クリプトン(Kr),キャノン(Xe)などがある。一例を挙げればアルゴンの準安定エネルギーは11.5eVである。キャリアガスにも上記の希ガス,水素,酸素等を用いることができる。
【0043】
ペニングイオン化によって放出された電子は正の高電圧が印加された試料ガス導入細管15の先端部によって捕捉されるので,イオンと電子の再結合を防止することができる。
【0044】
イオン化された原子または分子は,ダイヤフラム11,オリフィス19に適当な電圧を印加し,電位勾配をつくることによって,オリフィス19の微細孔19aから質量分析装置30内に導入される。
【0045】
基底状態に戻った希ガスは排出口12からキャップ16内に入り,排気管17を通して外部に排出される。
【0046】
質量分析装置30は差動排気方式のもので,導入室(チャンバー)30Aと分析室30Bとを備えている。導入室は10−3Torr程度に,分析室30Bは10−6Torr程度に排気される。イオンはオリフィス19の微細孔19aから導入室30A内に入り,スキーマ31の微細孔を通って,分析室30B内に入る。分析室30B内には電子レンズ32と分析管33が配置され,イオンは電子レンズ32でフォーカスされて分析管33内に導入される。
【0047】
なお,図1ではダイヤフラム11やオリフィス19に適当な電圧を印加するための電圧発生回路および結線は省略されている。
【0048】
図2および図3はイオン化装置の全体を示すものである。
【0049】
ダイヤフラム11は,内部に凹部(イオン化空間10A)を形成するように外方に突出した高さの低い円筒状の部分11aとその周囲のフランジ部分11bとを備えている。ダイヤフラム11はオリフィス19とともに,ねじにより質量分析装置30に固定されている。ダイヤフラム11とオリフィス19との間およびオリフィス19と質量分析装置30の取付壁との間には絶縁体が設けられている。オリフィス19はダイヤフラム11の円筒状部分11aの内部に突出するように錐状に形成され,その先端部に微細孔19aがあけられている。イオン化空間10A内で生成したイオンをオリフィス19の微細孔19aに誘導するために,ダイヤフラム11には+ 350V程度の,オリフィス19には+50V程度の電圧が印加される。
【0050】
ダイヤフラム11の円筒状部分11aの周面には4箇所に希ガス導入口13があけられ,この希ガス導入口13に希ガス供給管23(図2,図3では図示略)が接続されている。ダイヤフラム11の円筒状部分11aの内側にはコロナ放電用電極14が配置されている。この電極14は円環状の部分14aと,この円環状の部分14aから内方に突出した多数の針14bと,円環状の部分14aを支持する端子14cとから構成されている。端子14cはダイヤフラム11の円筒状部分11aに設けられた絶縁体14dを通して外部に導かれ,上記の高電圧発生回路40に接続されている。
【0051】
ダイヤフラム11の円筒状部分11aの底壁面11cの中央部には希ガスの排出口12があけられている。この排出口12の周縁は内部から外方に向って口径が小さくなる方向にテーパー状に形成されている。
【0052】
底壁面11cには円筒体16がねじにより固定されている。この円筒体16の底壁面に穴があけられ,この穴に試料ガス導入細管15が通され,かつ支持されている。細管15の先端部は排出口12を通って(排出口12の周縁と細管との間には空隙がある),ダイヤフラム11内のイオン化空間10A内にわずかに突出している。細管15の先端部は断面からみて先が尖っている。すなわち,細管の先端部の外周面が,先端にいくほど管壁の厚さが薄くなるようにテーパー状に形成されている。細管15は試料ガス供給管26に接続されるとともに,高電圧発生回路40により正の高電圧が印加される。図5に示すように,試料ガス導入細管15の先端部を必ずしも尖らせなくても電子捕捉のためには充分である。
【0053】
円筒体16の周壁には希ガス排出口が形成され,この排出口に希ガス排出管17が接続されている。
【0054】
図4を参照して,イオン生成の過程を説明する。この図においては,コロナ放電用電極(その針14b)は試料ガス導入細管15にかなり接近した状態で描かれている。
【0055】
ほぼ大気圧の希ガス(たとえばアルゴンAr)が導入口13からイオン化空間10A内に導入される。希ガスArはイオン化空間10Aの周囲から中心部に向ってゆっくりと流れる。コロナ放電用電極14に負電圧が印加されると,コロナ放電が起り,希ガスArが励起され,その準安定励起種Ar が生成される。この準安定励起種Ar もイオン化空間10A内の中心部に向って流れていく。
【0056】
イオン化空間10Aの中心部には試料ガス導入細管15の先端部が臨んでいる。細管15からはキャリアガス(たとえばH,He,Arなど)とともに試料ガスが供給される。試料ガス(これをMで表わす)とArの準安定励起種Ar とが衝突して,上述したペニングイオン化により試料ガスMがイオン化され,M と電子e とが生成される。電子e は正の高電圧が印加された細管15によって捕捉される。基底状態に戻ったアルゴンAr,その他のアルゴンAr,キャリアガスおよびイオン化されなかった試料ガスは排出口12から筒状体16内に拡散し,排出管17を通して外部に排出される。イオン化された試料ガスM はオリフィス19の微細孔19aを通して質量分析装置30内に誘導される。
【0057】
上記実施例において,ダイヤフラムの円筒状部分11aには希ガス導入口14が中心に向う方向にあけられているが,図3に鎖線13Aで示すように,中心からずれる方向に導入口をあけ,この導入口から導入された希ガスがイオン化空間内を旋回して中心部に近づくようにしてもよい。また,イオン化空間は円筒状に限定されないのはいうまでもない。たとえば,イオン化空間内の一部において,希ガスの導入口付近にコロナ放電用電極を配置し,試料ガスの導入口付近に,電子捕捉用電極,排出口,イオンの質量分析装置への誘導口を設ければよい。電子捕捉用電極は試料ガス導入細管と兼用しなくてもよい。さらに,コロナ放電のみならず,高周波放電によっても希ガスの準安定励起種の生成は可能である。試料ガスをキャリアガスと一緒に導入しなくてもよい。試料が液体の場合には,その蒸気をキャリアガスと一緒に導入することもできる。
【0058】
第2実施例
図7は第2実施例によるイオン化装置を示すものである。このイオン化装置は,図2に示すものと比べると,コロナ放電用電極14が設けられていない点で異なるのみで,他の構成は図2に示すイオン化装置と同じである。したがって,図2に示すものと同一物には同一符号を付し説明を省略する。
【0059】
第2実施例のイオン化装置は負イオンを生成するものである。したがって,図7に示すイオン化装置は図2に示すイオン化装置と使用方法(操作方法)が異なる。
【0060】
希ガスや酸素ガスなどのキャリアガスを導入口13からイオン化空間10A内に導入してその流れをつくっておき,試料ガス導入細管15に負の高電圧を印加して(たとえば− 500V〜−3000V),細管15の先端にコロナ放電を発生させる。試料ガス導入細管15からはイオン化すべき試料ガスをイオン化空間10A内に供給する。放電により発生した電子は,試料ガス中の正の電子親和力をもつ原子や分子に付着して,負イオンが生成される。生成された負イオンはオリフィス19の微細孔19aから質量分析装置に送られる。この方法によりフロンガスなどのハロゲン化有機化合物の質量分析を行うことができる。
【0061】
第1実施例によるペニングイオン化法は,ペニングイオン化により原子,分子をイオン化し,発生した電子を試料ガス導入細管兼電子捕捉用電極(試料ガス導入口)で捕捉し,正イオンを効率よく取出し,質量分析装置に誘導するものである。これに対して第2実施例のイオン化方法は,試料ガス導入細管兼電子捕捉用電極(試料導入口)に負の高電圧を印加することにより,電極先端にコロナ放電を発生させて原子,分子を負イオン化するものであり,負イオンを質量分析装置に供給するものである。したがって,第2実施例におけるイオン化法は,第1実施例におけるイオン化装置をそのまま用いても実施することができる。すなわち,コロナ放電用電極14に電圧を印加しない状態で,試料ガス導入細管15に負の高電圧を印加すればよい。
【0062】
第2実施例においても,試料ガス導入細管をコロナ放電用電極として用いずに,試料ガス導入口付近にコロナ放電用電極を設けてもよい。その他,第1実施例に関して上述したすべての変形例が第2実施例においても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】質量分析システム全体を示す線図である。
【図2】第1実施例のイオン化装置の縦断面図である。
【図3】イオン化装置の横断面図である。
【図4】イオン化の過程を示す説明図である。
【図5】試料ガス導入細管の変形例を示す先端部の断面図である。
【図6】試料ガス導入の変形例を示す図1の一部に相当する部分を示す線図である。
【図7】第2実施例のイオン化装置の縦断面図である。
【符号の説明】
10 イオン化装置
10A イオン化空間
11 ダイヤフラム(ハウジング)
12 希ガス排出口またはキャリアガス排出口
13 希ガス導入口またはキャリアガス導入口
14 コロナ放電用電極
15 試料ガス導入細管兼電子捕捉用電極(試料ガス導入口)または試料ガス導入細管兼コロナ放電用電極
19 オリフィス(ハウジング)
19a 微細孔

Claims (8)

  1. イオン化空間内に希ガスを導入するとともに,希ガスを励起することによって希ガスの準安定励起種を生成し,
    上記イオン化空間内に試料ガスを導入して,希ガスの準安定励起種との衝突によりペニングイオン化を生じさせ,
    上記イオン化空間内に配置された電子捕捉用電極に正電位を与えて,ペニングイオン化によって正イオン化される原子または分子から放出された電子を捕捉し,
    正イオン化された原子または分子を質量分析装置側に誘導する,
    試料ガスのイオン化方法。
  2. イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたハウジング内にイオン化空間を形成し,
    このイオン化空間内に,放電用電極と電子捕捉用電極とを上記ハウジングと絶縁した状態で配置し,
    上記イオン化空間内に希ガスを導入するとともに放電用電極に電気エネルギーを与えて放電を生じさせ,
    上記イオン化空間内に試料ガスを導入するとともに電子捕捉用電極に正電圧を印加する,
    試料ガスのイオン化操作方法。
  3. イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成され,イオン化空間を形成するハウジング,
    上記イオン化空間内に配置され,上記ハウジングに絶縁状態で支持された放電用電極,
    上記イオン化空間内に希ガスを導入するための上記ハウジングに形成された希ガス導入口,
    上記イオン化空間から希ガスを排出するための上記ハウジングに形成された希ガス排出口,
    上記イオン化空間内に試料ガスを導入するための上記ハウジングに形成された試料導入口,および
    ペニングイオン化によって生成された電子を捕捉するための,正電位が加えられる電子捕捉用電極,
    を備えた試料ガスのイオン化装置。
  4. イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたオリフィスとによってイオン化空間を形成するための凹部を持つダイヤフラム,
    上記イオン化空間内に配置され,上記ダイヤフラムに絶縁状態で支持された放電用電極,
    上記イオン化空間内に希ガスを導入するための上記ダイヤフラムに形成された希ガス導入口,
    上記イオン化空間から希ガスを排出するための上記ダイヤフラムに形成された希ガス排出口,
    上記イオン化空間内に試料ガスを導入するための上記ダイヤフラムに形成された試料導入口,および
    ペニングイオン化によって生成された電子を捕捉するための,正電位が加えられる電子捕捉用電極,
    を備えた試料ガスのイオン化装置。
  5. イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたオリフィスとによってイオン化空間を形成するための凹部を持つダイヤフラム,
    上記イオン化空間内の周囲に配置され,上記ダイヤフラムに絶縁状態で支持された放電用電極,
    上記イオン化空間内の周囲において上記ダイヤフラムに形成された,上記イオン化空間内に希ガスを導入するための希ガス導入口,
    上記イオン化空間から希ガスを排出するための上記ダイヤフラムの中央部に形成された希ガス排出口,および
    先端部が上記希ガス排出口に臨むように配置され,先端部が電子捕捉用電極として作用する試料ガス導入管,
    を備えた試料ガスのイオン化装置。
  6. イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたハウジング内にイオン化空間を形成し,
    このイオン化空間内にキャリアガスを導入しキャリアガス排出口から排出させるようにして上記イオン化空間内にキャリアガスを充満または流しておき,
    先端部が上記キャリアガス排出口に臨むように配置された試料ガス導入管を通して試料ガスを上記イオン化空間内に導入するとともに,試料ガス導入管に負の電圧を印加して放電を発生させ,
    放電により発生した電子を試料ガスの原子または分子に付着させることにより負イオンを生成する,
    試料ガスのイオン化方法。
  7. イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が形成されたイオン化空間を形成するためのハウジング,
    上記イオン化空間内にキャリアガスを導入するための上記ハウジングに形成されたキャリアガス導入口,
    上記イオン化空間からキャリアガスを排出するための上記ハウジングに形成されたキャリアガス排出口,
    上記イオン化空間内に試料ガスを導入するための上記ハウジングに形成された試料ガス導入口,および
    上記イオン化空間内の上記試料ガス導入口の近傍に配置された放電用電極,
    を備えた試料ガスのイオン化装置。
  8. イオン化された試料ガスを質量分析装置に導入するための微細な孔が中心に形成されたオリフィスとによってイオン化空間を形成するための凹部を持つダイヤフラム,
    上記イオン化空間内の周囲において上記ダイヤフラムに形成された,上記イオン化空間内にキャリアガスを導入するためのキャリアガス導入口,
    上記イオン化空間からキャリアガスを排出するための上記ダイヤフラムの中央部に形成されたキャリアガス排出口,および
    先端部が上記キャリアガス排出口に臨むように配置され,負の電圧が印加されることにより先端部がコロナ放電用電極として作用する試料ガス導入管,
    を備えた試料ガスのイオン化装置。
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