JPWO2009084230A1 - 燃料電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池を提供することを目的としている。本発明の燃料電池は、反応ガス流路13aを内部に有するとともに反応ガス流路13aに反応ガスを供給するための反応ガス供給口17を一方の端面に有するセルスタック2と、反応ガス供給口17と反応ガス供給用の外部配管Pとをつなぐ継手5と、セルスタック2の前記一方の端面に配置されるとともに、継手5が内壁面に接することなく挿通する貫通孔21、23を有する板状の端部材3、4と、継手5と貫通孔21、23の内壁面との間に形成された空間を実質的に閉塞する閉塞部材9と、を備えている。

Description

本発明は燃料電池に関し、より詳細には、フラッティングを防止する機構を備えた燃料電池に関する。
燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する空気などの酸化剤ガスを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものであり、使用される燃料や構成材料によって様々な種類に分けることができる。その1つが高分子電解質膜を用いた高分子電解質形燃料電池である。図11は、従来の高分子電解質形燃料電池51の端部を拡大した図である。高分子電解質形燃料電池51は、高分子電解質膜が内蔵された単電池52を複数段積層して形成されたセルスタック53と、このセルスタック53の両端に配設された集電板54と、さらに外方に配設された端板55とを備えており、これらはボルトによって両側から締付けられることで固定されている。また、図11に示すように、燃料電池51の端面には、発電に必要な反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)を供給するための反応ガス供給口56が設けられており、この反応ガス供給口56に反応ガスを送る外部配管Pが接続される。
ここで、高分子電解質形燃料電池51が有する高分子電解質膜は、イオン導伝性を保つために常に湿った状態を維持しなければならず、高分子電解質膜に接する燃料ガス及び酸化剤ガス(これらを「反応ガス」と呼ぶ)の少なくとも一方を加湿してから燃料電池51に供給するのが一般的である。このとき反応ガスは飽和に近い状態にまで加湿されているため、経路中の配管の温度が反応ガスの温度よりも低いと配管内で結露が生じてしまい、これにより反応ガスの供給が阻害されて発電電圧が低下するフラッティングと呼ばれる性能低下現象が起こる。
外部配管Pには断熱材を巻くことで管内の結露を防止できるが、燃料電池51の内部に位置する部分には断熱材を巻くことができず、使用条件により結露が生じてしまう。本来、燃料電池51は始動時に内部(つまり、セルスタック53)の温度を60〜90°Cまで上げるため、燃料電池51の内部で結露が起こらないようにも考えられるが、実際は、最も外側に位置する厚みの大きい端板55は、燃料電池内部(セルスタック53)の温度上昇に追随できず、始動直後は温度の低い状態が続く。そのため、端板55付近の通路内において結露が発生してしまうのである。
これに対し、端板付近での結露を防ぐために、外部配管を端板に接続するのでなく、継手を介して外部配管をセルスタックに接続する構成を備えた燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1の図3参照)。図12は、上記の構成を備えた燃料電池61の端面部分を拡大した図であって、(a)は断面図であり、(b)は斜視図である。図12に示すように、この燃料電池61は、セルスタック62と外部配管Pとを接続する継手63を備えている。そして、集電板64及び端板65は、それぞれ継手63よりも径の大きい貫通孔66、67を有しており、継手63と端板65とが接触しない構成となっている。かかる構成によれば、継手63と端板65との接触が無くなることから、端板65との接触を原因とする反応ガス経路内(継手63内)の結露の発生を防止することができる。
特開平7−282836号公報
ところが、図12に示す燃料電池61の継手63は、作業効率の面から断熱材を巻くのが困難なため、端板65との隙間に入り込む外気と広い範囲で接することになる。そのため、冬季、高地、及び高緯度帯などの寒冷地では、外気によって継手63が冷却され、継手63(反応ガス経路)の内部で結露が生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかる燃料電池は、反応ガス流路を内部に有するとともに前記反応ガス流路に反応ガスを供給するための反応ガス供給口を一方の端面に有するセルスタックと、前記反応ガス供給口と反応ガス供給用の外部配管とをつなぐ継手と、前記セルスタックの前記一方の端面に配置されるとともに、前記継手が内壁面に接することなく挿通する貫通孔を有する板状の端部材と、前記継手と前記貫通孔の内壁面との間に形成された空間を実質的に閉塞する閉塞構造と、を備えている。
ここで端部材とは、燃料電池の端部付近に位置する部材をいい、端板(絶縁板も含む)の他、端板(絶縁板も含む)と集電板を合わせたものも含む。上記の構成によれば、継手と貫通孔の間に実質的な閉空間が形成されるため、継手から外気への熱移動を抑えることができ、継手の温度低下を防止することができる。よって、かかる構成によれば、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池を提供することができる。なお、ここでいう実質的な閉空間とは、外気との対流が防がれる程度の密閉性がある空間をいい、必ずしも完全な気密性を有する空間を意味するものではない。
また、上記燃料電池において、前記端部材の前記貫通孔の周囲部分が外方に突出するようにしてもよい。かかる構成によれば、外部配管付近まで上記の実質的な閉空間を大きく形成することができるため、継手の外気と接する部分をより小さくすることができる。
また、上記燃料電池において、前記貫通孔の内側において前記継手を取り巻くようにして環状に形成された閉塞部材を備え、該閉塞部材が前記閉塞構造を構成するようにしてもよい。
また、上記燃料電池において、前記貫通孔はその周辺に比べ内径が小さい小径部を有し、該小径部が前記閉塞構造を構成するようにしてもよい。かかる構成によれば、部品点数を減らすことができる。
また、上記燃料電池において、前記継手はその周辺に比べ外径が大きい大径部を有し、該大径部が前記閉塞構造を構成するようにしてもよい。かかる構成の場合も、部品点数を減らすことができる。
また、上記燃料電池において、前記継手の基端部分は平板状の形状を有しており、該基端部分は前記セルスタックと前記端部材とで狭持されるようにしてもよい。かかる構成によれば、継手にセルスタックからの熱が伝わりやすくなるため、継手の温度上昇を助け、又は温度低下を抑えることができる。
また、上記燃料電池において、前記実質的に閉塞される空間の外方側において、前記端部材と前記継手との間にガスシール部材を設ける構成としてもよい。かかる構成にすることで、閉塞部内外のガスの移動がさらに抑制されるため、断熱性能が向上する。また、ガスシール部材が緩衝材の効果をもたらすため、耐振動性も向上する。
本発明によれば、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池を提供することができる。
実施の形態1に係る燃料電池の概略図である。 実施の形態1に係る単電池の分解斜視図である。 実施の形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。 実施の形態1に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態2に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態3に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態4に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態5に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態6に係る継手周辺の拡大図である。 他の実施形態に係る燃料電池の概略図である。 従来の燃料電池を示した図である。 従来の燃料電池を示した図である。
符号の説明
1、1A〜1F 燃料電池
2 セルスタック
3 集電板
4 端板
5〜8 継手
5a セルスタック接続部
5b 外部配管接続部
9 閉塞部材
13a 反応ガス流路
17 反応ガス供給口
23 貫通孔
24 間隙(空間)
25 外環部分
26 小径部
27 大径部
P 外部配管
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を、図1〜4を参照しつつ以下に説明する。
まず、図1〜3を参照し、実施の形態1に係る燃料電池1の概要を説明する。図1は、実施の形態1に係る燃料電池1の斜視図である。図1に示すように、実施の形態1に係る燃料電池1は、セルスタック2と、集電板3と、端板4と、継手5〜8と、閉塞部材9とを備えている。
セルスタック2は単電池10が複数段積層されて形成されたものである。通常は、要求される出力に応じて2〜200段程度単電池10を積層してセルスタック2を形成する。図2は、実施の形態1に係る単電池10の分解斜視図である。各単電池は、MEA(電極電解質膜接合体)11と、ガスシール12と、セパレータ13より構成されている。
MEA11は、高分子電解質膜14の両側に触媒層15を設け、その外側にガス拡散層16を重ねたものである。高分子電解質膜14は水素イオンを選択的に輸送する陽イオン交換樹脂からなるものである。また、触媒層15は白金などの触媒機能を有する金属を担持させたカーボン粉末を主成分とするものである。また、ガス拡散層16は反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)の通気性と電子の伝導性を併せ持つものである。なお、以下では触媒層15及びガス拡散層16を電極と総称する。
ガスシール12は、環状の形状を有しており、MEA11の両外面に電極(15、16)を囲むよう配設されている。このガスシール12は、燃料ガスや酸化剤ガスが外にリークしたり、異なるガス同士が混合したりするのを防止する役割を果たしている。
セパレータ13は、ガスシール12及び電極(15、16)の外側に配置されており、その両面には流路が形成されている。これらの流路のうち、内面に形成された流路13aは反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)を触媒層15に供給する反応ガス流路13aである。外面に形成された流路は冷却水を単電池10の間に流すためのものである。また、セパレータ13は、導電性を有しており、隣接するMEA11を互いに電気的に直列に接続することができる。なお、実施の形態1では、冷却水を用いてMEA11が発生する熱を除去する構成を有しているが、冷却フィンや熱伝導管を用いてMEA11を冷却するようにしてもよい。
セパレータ13に形成された各流路は、上流端が供給マニホールド孔に接続され、下流端が排出マニホールド孔に接続されている。そして、MEA11の周縁部にマニホールド孔が設けられており、このマニホールド孔はセパレータ13の各マニホールド孔に対応している。そのため、各セパレータ13及び各MEA11がセルスタック2に組み立てられると、各セパレータ13及び各MEA11のマニホールド孔は互いに繋がって、各流体のマニホールド(流路)が形成される。実施の形態1に係るセルスタック2には、このようにして形成された2つの反応ガス供給マニホールド、2つの反応ガス排出マニホールド、1つの冷却水供給マニホールド、及び1つの冷却水排出マニホールドが、その積層方向に伸延するように形成されている。そして、2つの反応ガス供給マニホールドの一端が2つの反応ガス供給口を構成し、2つの反応ガス排出マニホールドが2つの反応ガス排出口を構成し、冷却水供給マニホールドの一端が冷却水供給口を構成し、冷却水排出マニホールドの一端が冷却水排出口を構成している。
図3は、実施の形態1に係る燃料電池1の分解斜視図である。上述したように、各単電池10の内部(セパレータ13)には複数の流路が形成されているため、各流路には反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)や冷却水を供給する供給口や排出する排出口が必要である。そこで、図3に示すように、セルスタック2の端面(最も外側に位置する単電池におけるセパレータ13の外面)のうち一方の端面には、上述したように反応ガスが供給される反応ガス供給口17が2つ、反応ガスが排出される反応ガス排出口18が2つ、冷却水が供給される冷却水供給口19が1つ、及び冷却水が排出される冷却水排出口20が1つ形成されている。各供給口17、19から入った反応ガスや冷却水は、各単電池10の内部又は境界を通過して、各排出口18、20から排出される。
集電板3は、セルスタック2の両外側に配設されており、単電極と外部回路の電気的接触をよくするためのつなぎの役割を果たす。図3に示すように、2つの集電板3のうち一方の集電板3にはセルスタック2に設けられた各供給口17、19及び各排出口18、20に対応する位置に矩形状の貫通孔21が形成されており、継手5〜8がこの貫通孔21を挿通するようになっている。
端板4は、集電板3のさらに外方に配設されており、セルスタック2と集電板3を両側から狭持し固定する役割を有する。セルスタック2と集電板3を狭持する締結手段としてボルト22(図1及び図3ではねじ部分を省略している。)を用いる。ここで使用するボルト22の長さは、およそ燃料電池1の単電池積層方向の長さに等しい。このボルト22を一方の端板4のボルト用貫通孔に挿入し、集電板3及びセルスタック2の内部を通して、他方の端板4のボルト用貫通孔を通し、さらにその外側に位置するナット(図示せず)と締結して、燃料電池1の全体を固定する。このように、両側から燃料電池1の全体をしっかりと押さえつけなければならない端板4は、高い剛性が求められており、ある程度の厚みが必要となる。なお、集電板3の場合と同様、2つの端板4のうち一方の端板4にはセルスタック2に設けられた各供給口17、19及び各排出口18、20に対応する位置に円状の貫通孔23が形成されており、継手5〜8がこの貫通孔23を挿通するようになっている。端板4は、ここでは例えば樹脂で構成されていて絶縁性を有する。また、端板4は、ここでは単一の部材で構成されているが、内側に配置された絶縁性の板(絶縁板)と外側に配置された強度保持用の板(いわゆる端板)とで構成されていてもよく、また、これらが一体化されてなる2層構造を有していてもよい。
継手5〜8は、セルスタック2に設けられた各供給口17、19及び各排出口18、20と、外部配管P(図4参照)とをつなぐ役割を有している。図3に示すように、各継手5〜8は各供給口17、19及び各排出口18、20に取り付けられる。このうち結露が問題となるのは、反応ガス供給口17に取り付けられる継手5である。また、図3に示すように、継手5は、セルスタック接続部5a、外部配管接続部5b、及び筒状部5cから主に構成されている。セルスタック接続部5aは、継手5の基端部分に形成されており、セルスタック2に形成された反応ガス供給口17と接続している。外部配管接続部5bは、継手5の先端部分に形成され、外部配管P(図4参照)と接続することができる。筒状部5cは、セルスタック接続部5aと外部配管接続部5bとの間である中央部分に形成され、反応ガスの流路となる。ここでは、継手5について説明したが、継手6〜8の構成も継手5の構成と同じである。また、継手5〜8の材料は樹脂等の熱伝導率の低いものとするのが望ましい。熱伝導率の低い材料を使用することにより、外部からの熱的な影響によって生じる結露を抑えることができる。なお、実施の形態1では、6つの継手5〜8はいずれも同じ構成であるが、継手5〜8を通過する流体の性質や流量に対応して、内径を大きくする等の変形をそれぞれに施しても良い。
閉塞部材9は、図3に示すように、平板状でかつ環状の形状を有している。また、図1に示すように、閉塞部材9は端板4の貫通孔23内に位置するとともに、各継手5〜8を取り巻くように取り付けられている(各継手5〜8をその内孔に挿通せしめるように該各継手5〜8に嵌められている)。また、閉塞部材9は、樹脂や木材等の熱伝導性が低い材料で作られていることが望ましい。なお、実施の形態1では、すべての継手5〜8に閉塞部材9が取り付けられているが、反応ガス供給口17と接続する継手5にのみ閉塞部材9を取り付けるようにしてもよい。以上が実施の形態1に係る燃料電池1の概要である。
次に、図4を参照して実施の形態1に係る継手5〜8周辺の構成について詳細に説明する。図4は、実施の形態1に係る継手5〜8のうち、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺を拡大した図であって、(a)は断面図であり、(b)は斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図4(a)に示すように、継手5の基端部分に位置するセルスタック接続部5aには、雄ねじが形成されており、また、セルスタック2の端面(最端に位置する単電池10におけるセパレータの外面)には雌ねじが形成されている。そして、セルスタック接続部5aの雄ねじがセルスタック2の雌ねじにねじ込まれることにより、セルスタック2の端面に継手5が外方に突出するように固定されている。
継手5の先端部分に位置する外部配管接続部5bは、端板4の端面よりもさらに外方に位置しており、外部配管Pと接続できるようになっている。なお、実施の形態1では、外部配管接続部5bは、外部配管Pとワンタッチで接続できるような構成を有している。ただし、他の接続機構を採用しても良い。例えば、外部配管接続部5bを外部配管Pとねじによって接続できるような構成としても良い。
継手5の中央部分に位置する筒状部5cは、長手方向における過半部が貫通孔23の内部に位置している。また、筒状部5cの外径は集電板3の貫通孔21の一辺や端板4の貫通孔23の内径に比べ小さくなっている。換言すると、貫通孔21、23の内壁面は間隙を有して継手5を囲んでいる。そのため、図4(a)に示すように、継手5と貫通孔21、23の内壁面との間に間隙24が形成されている。
閉塞部材9は、その上面と端板4の外面とが略同一面になるように配設されている。これにより、閉塞部材9は、継手5と貫通孔21、23との間に生じた間隙24の開口部を閉塞することになり、閉塞構造を構成することになる。この閉塞構造により、継手5と貫通孔21、23の間に実質的な閉空間が生じることになる。なお、図4では閉塞部材9と端板4との間には隙間がほとんど生じていないが、上記の閉空間内の空気と外気との対流を防ぐことができるのであれば、ある程度の隙間は許容される。
以上が、実施の形態1に係る燃料電池の構成である。実施の形態1では、継手5と端板4の貫通孔23の間に実質的な閉空間が生じることになるため、セルスタック2から伝わる熱によって上記閉空間内の空気を温めつつ、外部からの空気を遮断することができる。そのため、寒冷地における使用であっても、外気による継手5の温度低下を防ぎ、継手5の内部で発生する結露を抑えることができる。また、閉塞部材9が継手5と端板4の間に隙間無く配設されると、閉塞部材9により継手5が支持されるため、継手5周辺全体の剛性が向上する。
なお、実施の形態1では、継手5〜8をセルスタック2に直接接続する構成について説明したが、継手5〜8を集電板3に接続するようにしてもよい。このとき、集電板3は上記の貫通孔21を有さず、継手5〜8と接触することになる。ただし、この場合であっても端板4の貫通孔23の壁面は間隙を有して継手5〜8を囲んでいることに変りはない。また、端板(絶縁板も含む)のみならず、端板(絶縁板も含む)と集電板を合わせたものを含む「端部材」という概念を用いれば、上記で説明したいずれの場合も、端部材は間隙を有して継手5を挿通せしめる貫通孔23(21)を有していることになる。
(実施の形態2)
次に、図5を参照して、実施の形態2に係る燃料電池1Aについて説明する。実施の形態2に係る燃料電池1Aは、継手周辺を除いて実施の形態1に係る燃料電池1と同じ構成を有しているため、継手周辺以外の構成についての説明は省略する。なお、後述する実施の形態3〜5についても同様の理由から継手周辺以外の構成についての説明は省略する。図5は、実施の形態2に係る燃料電池の反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図5は、実施の形態1の説明で参照した図4に対応する図である。
図5に示すように、実施の形態2に係る燃料電池1Aは、実施の形態1に係る燃料電池1と構成がほぼ同じであるが、実施の形態2に係る燃料電池では端板4の端面のうち貫通孔23の周囲部分25が外方(継手5の先端方向)に突出している点で実施の形態1に係る燃料電池1と構成が異なる。実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成によれば、継手5と端板4の貫通孔23との間で生じる実質的な閉空間をより大きくすることができる。そのため、この閉空間により継手5をその長手方向においてより広い範囲に渡って収容することになり、結露が発生しうる範囲を小さくすることができる。同様の理由から、端板4の貫通孔23の周囲部分25は、継手5と外部配管Pとの接続を妨げない程度にまで外方に突出しているのが望ましい。また、実施の形態2の場合、高さが高い継手5には有効である。
(実施の形態3)
次に、図6を参照して、実施の形態3に係る燃料電池について説明する。図6は、実施の形態2に係る燃料電池1Bの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図6に示すように、実施の形態3に係る燃料電池1Bは実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成とほぼ同じであるが、実施の形態2に係る燃料電池1Aが閉塞部材9を備えているのに対し、実施の形態3に係る燃料電池1Bは閉塞部材9を備えておらず、これに代えて端板4の貫通孔23がその周辺よりも内径が小さい小径部26を有している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aと構成が異なる。換言すれば、実施の形態3に係る燃料電池1Bは、端板4の貫通孔23の開口部分が半径方向内側に突出している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成と異なる。実施の形態3に係る燃料電池1Bの構成によれば、小径部26が閉塞構造としての役割を果たすことができるため、閉塞部材9が不要となる。つまり、燃料電池1Bの部品点数及び作業工程を減らすことができる。
(実施の形態4)
次に、図7を参照して、実施の形態4に係る燃料電池1Cについて説明する。図7は、実施の形態4に係る燃料電池1Cの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図7に示すように、実施の形態4に係る燃料電池1Cは実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成とほぼ同じであるが、実施の形態2に係る燃料電池1Aが閉塞部材9を備えているのに対し、実施の形態4に係る燃料電池1Cは閉塞部材9を備えておらず、これに代えて継手5がその周辺よりも外径が大きい大径部27を有している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aと構成が異なる。換言すれば、実施の形態4に係る燃料電池1Cは、継手5のうち端板4の貫通孔23の開口部分に位置する部分が半径方向外側に突出している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成と異なる。実施の形態4に係る燃料電池1Cの構成によれば、大径部27が閉塞構造としての役割を果たすことができるため、閉塞部材9が不要となる。つまり、実施の形態3に係る燃料電池1Bの場合と同様、燃料電池1Cの部品点数及び作業工程を減らすことができる。
(実施の形態5)
次に、図8を参照して、実施の形態5に係る燃料電池1Dについて説明する。図8は、実施の形態5に係る燃料電池1Dの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図8に示すように、実施の形態5に係る燃料電池1Dは、実施の形態4に係る燃料電池1Cと構成がほぼ同じであるが、実施の形態4に係る燃料電池1Cはセルスタック接続部(基端部分)5aが雄ねじ状になっており、この雄ねじをセルスタック2にねじ込んでいるのに対し、実施の形態5に係る燃料電池1Cはセルスタック接続部5aがセルスタック2の端面に沿って広がる平板状の形状を有しており、セルスタック接続部5aがセルスタック2と端板4との間で狭持されている点で実施の形態4に係る燃料電池1Cと構成が異なる。
具体的には、集電板3の貫通孔21が継手5のセルスタック接続部5aを収容可能な大きさに形成されており、さらに端板4の貫通孔23の基端部に拡張部28が形成されている。そして、継手5のセルスタック接続部5aの集電板3の貫通孔21から突出した部分がこの拡張部28に収容されている。また、該セルスタック接続部5aはその主面がこの拡張部28の段差面を構成する端板4の壁面29に押圧されるようにして該拡張部28に収容されている。なお、継手5のセルスタック接続部5aと、その表面に接触しているセルスタック2、集電板3、及び端板4との間には、図示されないシール部材が適宜配置されている。
実施の形態5に係る燃料電池1Dの構成によれば、継手5のセルスタック2と接触する面積が大きくなるため、セルスタック2からの熱が伝わりやすくなり、結露の発生をより効果的に抑えることができる。
なお、図8では、継手5のセルスタック接続部5aが端板4とセルスタック2の間に直接挟まれているが、集電板3を介して挟むようにしてもよい。つまり、セルスタック接続部5aが端板4と集電板3の間に直接挟まれるようにしても良く、集電板3とセルスタック2の間に直接挟まれるようにしてもよい。また、実施の形態1で説明した「端部材」の概念を用いれば、上記のいずれの場合であっても、セルスタック接続部5aがセルスタック2と端部材との間で狭持されていることになる。
(実施の形態6)
次に、図9を参照して、実施の形態6に係る燃料電池1Eについて説明する。図9は、実施の形態6に係る燃料電池1Eの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)は一部破断斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図9に示すように、実施の形態6に係る燃料電池1Eは実施の形態5に係る燃料電池1Dの構成とほぼ同じであるが、実施の形態5に係る燃料電池1Dの大径部27が直接端板4に接しているのに対し、実施の形態6に係る燃料電池1Eは大径部27と端板4の間にガスシール材71を設ける点で、実施の形態5に係る燃料電池1Dと構成が異なる。
実施の形態6に係る燃料電池1Eの構成によれば、ガスシール材71により、間隙24内の空気と外気とを完全に遮断することが可能となり、断熱性能をさらに向上させることができる。また、燃料電池1Eに振動が加わった場合、ガスシール材71が緩衝材の役割を果たすため、さらに耐振動性を向上させることができる。なお、実施の形態6のガスシール材71の材料としては、フッ素ゴムやEPDMやシリコンゴムなどのように、弾性とガスバリア性を備えた材料であれば良い。
なお、実施形態3の継手5と端板4の小径部26との間に、ガスシール材を設けても同様の効果を奏することは言うまでも無い。
以上、本発明に係る実施の形態1〜6について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、以上ではセルスタック2と集電板3を狭持する締結手段としてボルト22を用いる場合について説明したが(図1及び図3参照)、締結手段としては、図10に示したように、厚さの薄い締結バンド30を用いてセルスタック2を締結することもできる。締結手段として締結バンド30を用いると、締結バンド30が端板4の表面から大きく突出することがないので、燃料電池1Fのサイズを小さくすることができる。締結バンド30の部材としては、樹脂(エンジニアリングプラスチック、エラストマー等)、スンレス鋼(SUS304等)またはクロムモリブデン鋼等のような引張強度及び防錆性に優れた材料が用いられる。
本発明の燃料電池は、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池等として有用である。
本発明は燃料電池に関し、より詳細には、フラッティングを防止する機構を備えた燃料電池に関する。
燃料電池は、水素を含有する燃料ガスと酸素を含有する空気などの酸化剤ガスを、電気化学的に反応させることで、電力と熱とを同時に発生させるものであり、使用される燃料や構成材料によって様々な種類に分けることができる。その1つが高分子電解質膜を用いた高分子電解質形燃料電池である。図11は、従来の高分子電解質形燃料電池51の端部を拡大した図である。高分子電解質形燃料電池51は、高分子電解質膜が内蔵された単電池52を複数段積層して形成されたセルスタック53と、このセルスタック53の両端に配設された集電板54と、さらに外方に配設された端板55とを備えており、これらはボルトによって両側から締付けられることで固定されている。また、図11に示すように、燃料電池51の端面には、発電に必要な反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)を供給するための反応ガス供給口56が設けられており、この反応ガス供給口56に反応ガスを送る外部配管Pが接続される。
ここで、高分子電解質形燃料電池51が有する高分子電解質膜は、イオン導伝性を保つために常に湿った状態を維持しなければならず、高分子電解質膜に接する燃料ガス及び酸化剤ガス(これらを「反応ガス」と呼ぶ)の少なくとも一方を加湿してから燃料電池51に供給するのが一般的である。このとき反応ガスは飽和に近い状態にまで加湿されているため、経路中の配管の温度が反応ガスの温度よりも低いと配管内で結露が生じてしまい、これにより反応ガスの供給が阻害されて発電電圧が低下するフラッティングと呼ばれる性能低下現象が起こる。
外部配管Pには断熱材を巻くことで管内の結露を防止できるが、燃料電池51の内部に位置する部分には断熱材を巻くことができず、使用条件により結露が生じてしまう。本来、燃料電池51は始動時に内部(つまり、セルスタック53)の温度を60〜90°Cまで上げるため、燃料電池51の内部で結露が起こらないようにも考えられるが、実際は、最も外側に位置する厚みの大きい端板55は、燃料電池内部(セルスタック53)の温度上昇に追随できず、始動直後は温度の低い状態が続く。そのため、端板55付近の通路内において結露が発生してしまうのである。
これに対し、端板付近での結露を防ぐために、外部配管を端板に接続するのでなく、継手を介して外部配管をセルスタックに接続する構成を備えた燃料電池が提案されている(例えば、特許文献1の図3参照)。図12は、上記の構成を備えた燃料電池61の端面部分を拡大した図であって、(a)は断面図であり、(b)は斜視図である。図12に示すように、この燃料電池61は、セルスタック62と外部配管Pとを接続する継手63を備えている。そして、集電板64及び端板65は、それぞれ継手63よりも径の大きい貫通孔66、67を有しており、継手63と端板65とが接触しない構成となっている。かかる構成によれば、継手63と端板65との接触が無くなることから、端板65との接触を原因とする反応ガス経路内(継手63内)の結露の発生を防止することができる。
特開平7−282836号公報
ところが、図12に示す燃料電池61の継手63は、作業効率の面から断熱材を巻くのが困難なため、端板65との隙間に入り込む外気と広い範囲で接することになる。そのため、冬季、高地、及び高緯度帯などの寒冷地では、外気によって継手63が冷却され、継手63(反応ガス経路)の内部で結露が生じてしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかる燃料電池は、反応ガス流路を内部に有するとともに前記反応ガス流路に反応ガスを供給するための反応ガス供給口を一方の端面に有するセルスタックと、前記反応ガス供給口と反応ガス供給用の外部配管とをつなぐ継手と、前記セルスタックの前記一方の端面に配置されるとともに、前記継手が内壁面に接することなく挿通する貫通孔を有する板状の端部材と、前記継手と前記貫通孔の内壁面との間に形成された空間を実質的に閉塞する閉塞構造と、を備えている。
ここで端部材とは、燃料電池の端部付近に位置する部材をいい、端板(絶縁板も含む)の他、端板(絶縁板も含む)と集電板を合わせたものも含む。上記の構成によれば、継手と貫通孔の間に実質的な閉空間が形成されるため、継手から外気への熱移動を抑えることができ、継手の温度低下を防止することができる。よって、かかる構成によれば、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池を提供することができる。なお、ここでいう実質的な閉空間とは、外気との対流が防がれる程度の密閉性がある空間をいい、必ずしも完全な気密性を有する空間を意味するものではない。
また、上記燃料電池において、前記端部材の前記貫通孔の周囲部分が外方に突出するようにしてもよい。かかる構成によれば、外部配管付近まで上記の実質的な閉空間を大きく形成することができるため、継手の外気と接する部分をより小さくすることができる。
また、上記燃料電池において、前記貫通孔の内側において前記継手を取り巻くようにして環状に形成された閉塞部材を備え、該閉塞部材が前記閉塞構造を構成するようにしてもよい。
また、上記燃料電池において、前記貫通孔はその周辺に比べ内径が小さい小径部を有し、該小径部が前記閉塞構造を構成するようにしてもよい。かかる構成によれば、部品点数を減らすことができる。
また、上記燃料電池において、前記継手はその周辺に比べ外径が大きい大径部を有し、該大径部が前記閉塞構造を構成するようにしてもよい。かかる構成の場合も、部品点数を減らすことができる。
また、上記燃料電池において、前記継手の基端部分は平板状の形状を有しており、該基端部分は前記セルスタックと前記端部材とで狭持されるようにしてもよい。かかる構成によれば、継手にセルスタックからの熱が伝わりやすくなるため、継手の温度上昇を助け、又は温度低下を抑えることができる。
また、上記燃料電池において、前記実質的に閉塞される空間の外方側において、前記端部材と前記継手との間にガスシール部材を設ける構成としてもよい。かかる構成にすることで、閉塞部内外のガスの移動がさらに抑制されるため、断熱性能が向上する。また、ガスシール部材が緩衝材の効果をもたらすため、耐振動性も向上する。
本発明によれば、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池を提供することができる。
実施の形態1に係る燃料電池の概略図である。 実施の形態1に係る単電池の分解斜視図である。 実施の形態1に係る燃料電池の分解斜視図である。 実施の形態1に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態2に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態3に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態4に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態5に係る継手周辺の拡大図である。 実施の形態6に係る継手周辺の拡大図である。 他の実施形態に係る燃料電池の概略図である。 従来の燃料電池を示した図である。 従来の燃料電池を示した図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図面を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1を、図1〜4を参照しつつ以下に説明する。
まず、図1〜3を参照し、実施の形態1に係る燃料電池1の概要を説明する。図1は、実施の形態1に係る燃料電池1の斜視図である。図1に示すように、実施の形態1に係る燃料電池1は、セルスタック2と、集電板3と、端板4と、継手5〜8と、閉塞部材9とを備えている。
セルスタック2は単電池10が複数段積層されて形成されたものである。通常は、要求される出力に応じて2〜200段程度単電池10を積層してセルスタック2を形成する。図2は、実施の形態1に係る単電池10の分解斜視図である。各単電池は、MEA(電極電解質膜接合体)11と、ガスシール12と、セパレータ13より構成されている。
MEA11は、高分子電解質膜14の両側に触媒層15を設け、その外側にガス拡散層16を重ねたものである。高分子電解質膜14は水素イオンを選択的に輸送する陽イオン交換樹脂からなるものである。また、触媒層15は白金などの触媒機能を有する金属を担持させたカーボン粉末を主成分とするものである。また、ガス拡散層16は反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)の通気性と電子の伝導性を併せ持つものである。なお、以下では触媒層15及びガス拡散層16を電極と総称する。
ガスシール12は、環状の形状を有しており、MEA11の両外面に電極(15、16)を囲むよう配設されている。このガスシール12は、燃料ガスや酸化剤ガスが外にリークしたり、異なるガス同士が混合したりするのを防止する役割を果たしている。
セパレータ13は、ガスシール12及び電極(15、16)の外側に配置されており、その両面には流路が形成されている。これらの流路のうち、内面に形成された流路13aは反応ガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)を触媒層15に供給する反応ガス流路13aである。外面に形成された流路は冷却水を単電池10の間に流すためのものである。また、セパレータ13は、導電性を有しており、隣接するMEA11を互いに電気的に直列に接続することができる。なお、実施の形態1では、冷却水を用いてMEA11が発生する熱を除去する構成を有しているが、冷却フィンや熱伝導管を用いてMEA11を冷却するようにしてもよい。
セパレータ13に形成された各流路は、上流端が供給マニホールド孔に接続され、下流端が排出マニホールド孔に接続されている。そして、MEA11の周縁部にマニホールド孔が設けられており、このマニホールド孔はセパレータ13の各マニホールド孔に対応している。そのため、各セパレータ13及び各MEA11がセルスタック2に組み立てられると、各セパレータ13及び各MEA11のマニホールド孔は互いに繋がって、各流体のマニホールド(流路)が形成される。実施の形態1に係るセルスタック2には、このようにして形成された2つの反応ガス供給マニホールド、2つの反応ガス排出マニホールド、1つの冷却水供給マニホールド、及び1つの冷却水排出マニホールドが、その積層方向に伸延するように形成されている。そして、2つの反応ガス供給マニホールドの一端が2つの反応ガス供給口を構成し、2つの反応ガス排出マニホールドが2つの反応ガス排出口を構成し、冷却水供給マニホールドの一端が冷却水供給口を構成し、冷却水排出マニホールドの一端が冷却水排出口を構成している。
図3は、実施の形態1に係る燃料電池1の分解斜視図である。上述したように、各単電池10の内部(セパレータ13)には複数の流路が形成されているため、各流路には反応ガス(燃料ガス及び酸化剤ガス)や冷却水を供給する供給口や排出する排出口が必要である。そこで、図3に示すように、セルスタック2の端面(最も外側に位置する単電池におけるセパレータ13の外面)のうち一方の端面には、上述したように反応ガスが供給される反応ガス供給口17が2つ、反応ガスが排出される反応ガス排出口18が2つ、冷却水が供給される冷却水供給口19が1つ、及び冷却水が排出される冷却水排出口20が1つ形成されている。各供給口17、19から入った反応ガスや冷却水は、各単電池10の内部又は境界を通過して、各排出口18、20から排出される。
集電板3は、セルスタック2の両外側に配設されており、単電極と外部回路の電気的接触をよくするためのつなぎの役割を果たす。図3に示すように、2つの集電板3のうち一方の集電板3にはセルスタック2に設けられた各供給口17、19及び各排出口18、20に対応する位置に矩形状の貫通孔21が形成されており、継手5〜8がこの貫通孔21を挿通するようになっている。
端板4は、集電板3のさらに外方に配設されており、セルスタック2と集電板3を両側から狭持し固定する役割を有する。セルスタック2と集電板3を狭持する締結手段としてボルト22(図1及び図3ではねじ部分を省略している。)を用いる。ここで使用するボルト22の長さは、およそ燃料電池1の単電池積層方向の長さに等しい。このボルト22を一方の端板4のボルト用貫通孔に挿入し、集電板3及びセルスタック2の内部を通して、他方の端板4のボルト用貫通孔を通し、さらにその外側に位置するナット(図示せず)と締結して、燃料電池1の全体を固定する。このように、両側から燃料電池1の全体をしっかりと押さえつけなければならない端板4は、高い剛性が求められており、ある程度の厚みが必要となる。なお、集電板3の場合と同様、2つの端板4のうち一方の端板4にはセルスタック2に設けられた各供給口17、19及び各排出口18、20に対応する位置に円状の貫通孔23が形成されており、継手5〜8がこの貫通孔23を挿通するようになっている。端板4は、ここでは例えば樹脂で構成されていて絶縁性を有する。また、端板4は、ここでは単一の部材で構成されているが、内側に配置された絶縁性の板(絶縁板)と外側に配置された強度保持用の板(いわゆる端板)とで構成されていてもよく、また、これらが一体化されてなる2層構造を有していてもよい。
継手5〜8は、セルスタック2に設けられた各供給口17、19及び各排出口18、20と、外部配管P(図4参照)とをつなぐ役割を有している。図3に示すように、各継手5〜8は各供給口17、19及び各排出口18、20に取り付けられる。このうち結露が問題となるのは、反応ガス供給口17に取り付けられる継手5である。また、図3に示すように、継手5は、セルスタック接続部5a、外部配管接続部5b、及び筒状部5cから主に構成されている。セルスタック接続部5aは、継手5の基端部分に形成されており、セルスタック2に形成された反応ガス供給口17と接続している。外部配管接続部5bは、継手5の先端部分に形成され、外部配管P(図4参照)と接続することができる。筒状部5cは、セルスタック接続部5aと外部配管接続部5bとの間である中央部分に形成され、反応ガスの流路となる。ここでは、継手5について説明したが、継手6〜8の構成も継手5の構成と同じである。また、継手5〜8の材料は樹脂等の熱伝導率の低いものとするのが望ましい。熱伝導率の低い材料を使用することにより、外部からの熱的な影響によって生じる結露を抑えることができる。なお、実施の形態1では、6つの継手5〜8はいずれも同じ構成であるが、継手5〜8を通過する流体の性質や流量に対応して、内径を大きくする等の変形をそれぞれに施しても良い。
閉塞部材9は、図3に示すように、平板状でかつ環状の形状を有している。また、図1に示すように、閉塞部材9は端板4の貫通孔23内に位置するとともに、各継手5〜8を取り巻くように取り付けられている(各継手5〜8をその内孔に挿通せしめるように該各継手5〜8に嵌められている)。また、閉塞部材9は、樹脂や木材等の熱伝導性が低い材料で作られていることが望ましい。なお、実施の形態1では、すべての継手5〜8に閉塞部材9が取り付けられているが、反応ガス供給口17と接続する継手5にのみ閉塞部材9を取り付けるようにしてもよい。以上が実施の形態1に係る燃料電池1の概要である。
次に、図4を参照して実施の形態1に係る継手5〜8周辺の構成について詳細に説明する。図4は、実施の形態1に係る継手5〜8のうち、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺を拡大した図であって、(a)は断面図であり、(b)は斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図4(a)に示すように、継手5の基端部分に位置するセルスタック接続部5aには、雄ねじが形成されており、また、セルスタック2の端面(最端に位置する単電池10におけるセパレータの外面)には雌ねじが形成されている。そして、セルスタック接続部5aの雄ねじがセルスタック2の雌ねじにねじ込まれることにより、セルスタック2の端面に継手5が外方に突出するように固定されている。
継手5の先端部分に位置する外部配管接続部5bは、端板4の端面よりもさらに外方に位置しており、外部配管Pと接続できるようになっている。なお、実施の形態1では、外部配管接続部5bは、外部配管Pとワンタッチで接続できるような構成を有している。ただし、他の接続機構を採用しても良い。例えば、外部配管接続部5bを外部配管Pとねじによって接続できるような構成としても良い。
継手5の中央部分に位置する筒状部5cは、長手方向における過半部が貫通孔23の内部に位置している。また、筒状部5cの外径は集電板3の貫通孔21の一辺や端板4の貫通孔23の内径に比べ小さくなっている。換言すると、貫通孔21、23の内壁面は間隙を有して継手5を囲んでいる。そのため、図4(a)に示すように、継手5と貫通孔21、23の内壁面との間に間隙24が形成されている。
閉塞部材9は、その上面と端板4の外面とが略同一面になるように配設されている。これにより、閉塞部材9は、継手5と貫通孔21、23との間に生じた間隙24の開口部を閉塞することになり、閉塞構造を構成することになる。この閉塞構造により、継手5と貫通孔21、23の間に実質的な閉空間が生じることになる。なお、図4では閉塞部材9と端板4との間には隙間がほとんど生じていないが、上記の閉空間内の空気と外気との対流を防ぐことができるのであれば、ある程度の隙間は許容される。
以上が、実施の形態1に係る燃料電池の構成である。実施の形態1では、継手5と端板4の貫通孔23の間に実質的な閉空間が生じることになるため、セルスタック2から伝わる熱によって上記閉空間内の空気を温めつつ、外部からの空気を遮断することができる。そのため、寒冷地における使用であっても、外気による継手5の温度低下を防ぎ、継手5の内部で発生する結露を抑えることができる。また、閉塞部材9が継手5と端板4の間に隙間無く配設されると、閉塞部材9により継手5が支持されるため、継手5周辺全体の剛性が向上する。
なお、実施の形態1では、継手5〜8をセルスタック2に直接接続する構成について説明したが、継手5〜8を集電板3に接続するようにしてもよい。このとき、集電板3は上記の貫通孔21を有さず、継手5〜8と接触することになる。ただし、この場合であっても端板4の貫通孔23の壁面は間隙を有して継手5〜8を囲んでいることに変りはない。また、端板(絶縁板も含む)のみならず、端板(絶縁板も含む)と集電板を合わせたものを含む「端部材」という概念を用いれば、上記で説明したいずれの場合も、端部材は間隙を有して継手5を挿通せしめる貫通孔23(21)を有していることになる。
(実施の形態2)
次に、図5を参照して、実施の形態2に係る燃料電池1Aについて説明する。実施の形態2に係る燃料電池1Aは、継手周辺を除いて実施の形態1に係る燃料電池1と同じ構成を有しているため、継手周辺以外の構成についての説明は省略する。なお、後述する実施の形態3〜5についても同様の理由から継手周辺以外の構成についての説明は省略する。図5は、実施の形態2に係る燃料電池の反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図5は、実施の形態1の説明で参照した図4に対応する図である。
図5に示すように、実施の形態2に係る燃料電池1Aは、実施の形態1に係る燃料電池1と構成がほぼ同じであるが、実施の形態2に係る燃料電池では端板4の端面のうち貫通孔23の周囲部分25が外方(継手5の先端方向)に突出している点で実施の形態1に係る燃料電池1と構成が異なる。実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成によれば、継手5と端板4の貫通孔23との間で生じる実質的な閉空間をより大きくすることができる。そのため、この閉空間により継手5をその長手方向においてより広い範囲に渡って収容することになり、結露が発生しうる範囲を小さくすることができる。同様の理由から、端板4の貫通孔23の周囲部分25は、継手5と外部配管Pとの接続を妨げない程度にまで外方に突出しているのが望ましい。また、実施の形態2の場合、高さが高い継手5には有効である。
(実施の形態3)
次に、図6を参照して、実施の形態3に係る燃料電池について説明する。図6は、実施の形態2に係る燃料電池1Bの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図6に示すように、実施の形態3に係る燃料電池1Bは実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成とほぼ同じであるが、実施の形態2に係る燃料電池1Aが閉塞部材9を備えているのに対し、実施の形態3に係る燃料電池1Bは閉塞部材9を備えておらず、これに代えて端板4の貫通孔23がその周辺よりも内径が小さい小径部26を有している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aと構成が異なる。換言すれば、実施の形態3に係る燃料電池1Bは、端板4の貫通孔23の開口部分が半径方向内側に突出している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成と異なる。実施の形態3に係る燃料電池1Bの構成によれば、小径部26が閉塞構造としての役割を果たすことができるため、閉塞部材9が不要となる。つまり、燃料電池1Bの部品点数及び作業工程を減らすことができる。
(実施の形態4)
次に、図7を参照して、実施の形態4に係る燃料電池1Cについて説明する。図7は、実施の形態4に係る燃料電池1Cの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図7に示すように、実施の形態4に係る燃料電池1Cは実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成とほぼ同じであるが、実施の形態2に係る燃料電池1Aが閉塞部材9を備えているのに対し、実施の形態4に係る燃料電池1Cは閉塞部材9を備えておらず、これに代えて継手5がその周辺よりも外径が大きい大径部27を有している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aと構成が異なる。換言すれば、実施の形態4に係る燃料電池1Cは、継手5のうち端板4の貫通孔23の開口部分に位置する部分が半径方向外側に突出している点で実施の形態2に係る燃料電池1Aの構成と異なる。実施の形態4に係る燃料電池1Cの構成によれば、大径部27が閉塞構造としての役割を果たすことができるため、閉塞部材9が不要となる。つまり、実施の形態3に係る燃料電池1Bの場合と同様、燃料電池1Cの部品点数及び作業工程を減らすことができる。
(実施の形態5)
次に、図8を参照して、実施の形態5に係る燃料電池1Dについて説明する。図8は、実施の形態5に係る燃料電池1Dの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図8に示すように、実施の形態5に係る燃料電池1Dは、実施の形態4に係る燃料電池1Cと構成がほぼ同じであるが、実施の形態4に係る燃料電池1Cはセルスタック接続部(基端部分)5aが雄ねじ状になっており、この雄ねじをセルスタック2にねじ込んでいるのに対し、実施の形態5に係る燃料電池1Cはセルスタック接続部5aがセルスタック2の端面に沿って広がる平板状の形状を有しており、セルスタック接続部5aがセルスタック2と端板4との間で狭持されている点で実施の形態4に係る燃料電池1Cと構成が異なる。
具体的には、集電板3の貫通孔21が継手5のセルスタック接続部5aを収容可能な大きさに形成されており、さらに端板4の貫通孔23の基端部に拡張部28が形成されている。そして、継手5のセルスタック接続部5aの集電板3の貫通孔21から突出した部分がこの拡張部28に収容されている。また、該セルスタック接続部5aはその主面がこの拡張部28の段差面を構成する端板4の壁面29に押圧されるようにして該拡張部28に収容されている。なお、継手5のセルスタック接続部5aと、その表面に接触しているセルスタック2、集電板3、及び端板4との間には、図示されないシール部材が適宜配置されている。
実施の形態5に係る燃料電池1Dの構成によれば、継手5のセルスタック2と接触する面積が大きくなるため、セルスタック2からの熱が伝わりやすくなり、結露の発生をより効果的に抑えることができる。
なお、図8では、継手5のセルスタック接続部5aが端板4とセルスタック2の間に直接挟まれているが、集電板3を介して挟むようにしてもよい。つまり、セルスタック接続部5aが端板4と集電板3の間に直接挟まれるようにしても良く、集電板3とセルスタック2の間に直接挟まれるようにしてもよい。また、実施の形態1で説明した「端部材」の概念を用いれば、上記のいずれの場合であっても、セルスタック接続部5aがセルスタック2と端部材との間で狭持されていることになる。
(実施の形態6)
次に、図9を参照して、実施の形態6に係る燃料電池1Eについて説明する。図9は、実施の形態6に係る燃料電池1Eの反応ガス供給口17に接続する継手5周辺の拡大図であって、(a)は断面図であり、(b)は一部破断斜視図である。ここでは、反応ガス供給口17に接続する継手5の周辺の構成を説明するが、他の継手6〜8の周辺も構成は同じである。図9に示すように、実施の形態6に係る燃料電池1Eは実施の形態5に係る燃料電池1Dの構成とほぼ同じであるが、実施の形態5に係る燃料電池1Dの大径部27が直接端板4に接しているのに対し、実施の形態6に係る燃料電池1Eは大径部27と端板4の間にガスシール材71を設ける点で、実施の形態5に係る燃料電池1Dと構成が異なる。
実施の形態6に係る燃料電池1Eの構成によれば、ガスシール材71により、間隙24内の空気と外気とを完全に遮断することが可能となり、断熱性能をさらに向上させることができる。また、燃料電池1Eに振動が加わった場合、ガスシール材71が緩衝材の役割を果たすため、さらに耐振動性を向上させることができる。なお、実施の形態6のガスシール材71の材料としては、フッ素ゴムやEPDMやシリコンゴムなどのように、弾性とガスバリア性を備えた材料であれば良い。
なお、実施形態3の継手5と端板4の小径部26との間に、ガスシール材を設けても同様の効果を奏することは言うまでも無い。
以上、本発明に係る実施の形態1〜6について図を参照して説明したが、具体的な構成はこれらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、以上ではセルスタック2と集電板3を狭持する締結手段としてボルト22を用いる場合について説明したが(図1及び図3参照)、締結手段としては、図10に示したように、厚さの薄い締結バンド30を用いてセルスタック2を締結することもできる。締結手段として締結バンド30を用いると、締結バンド30が端板4の表面から大きく突出することがないので、燃料電池1Fのサイズを小さくすることができる。締結バンド30の部材としては、樹脂(エンジニアリングプラスチック、エラストマー等)、スンレス鋼(SUS304等)またはクロムモリブデン鋼等のような引張強度及び防錆性に優れた材料が用いられる。
本発明の燃料電池は、端板付近でも結露しにくい反応ガス供給経路を備えた燃料電池等として有用である。
1、1A〜1F 燃料電池
2 セルスタック
3 集電板
4 端板
5〜8 継手
5a セルスタック接続部
5b 外部配管接続部
9 閉塞部材
13a 反応ガス流路
17 反応ガス供給口
23 貫通孔
24 間隙(空間)
25 外環部分
26 小径部
27 大径部
P 外部配管
また、上記燃料電池において、前記セルスタックと接触する前記継手の基端部分は平板状の形状を有しており、該基端部分は前記セルスタックと前記端部材とで狭持されるようにしてもよい。かかる構成によれば、継手にセルスタックからの熱が伝わりやすくなるため、継手の温度上昇を助け、又は温度低下を抑えることができる。
また、上記燃料電池において、前記実質的に閉塞される空間の外方側において、前記小径部と前記継手との間にガスシール部材を設ける構成としてもよく、前記実質的に閉塞される空間の外方側において、前記端部材と前記大径部との間にガスシール部材を設ける構成としてもよい。かかる構成にすることで、閉塞部内外のガスの移動がさらに抑制されるため、断熱性能が向上する。また、ガスシール部材が緩衝材の効果をもたらすため、耐振動性も向上する。
なお、図8では、継手5のセルスタック接続部5aが端板4とセルスタック2の間に直接挟まれているが、集電板3を介して挟むようにしてもよい。つまり、セルスタック接続部5aが端板4と集電板3の間に直接挟まれるようにしても良く、集電板3とセルスタック2の間に直接挟まれるようにしてもよい。


Claims (7)

  1. 反応ガス流路を内部に有するとともに前記反応ガス流路に反応ガスを供給するための反応ガス供給口を一方の端面に有するセルスタックと、前記反応ガス供給口と反応ガス供給用の外部配管とをつなぐ継手と、前記セルスタックの前記一方の端面に配置されるとともに、前記継手が内壁面に接することなく挿通する貫通孔を有する板状の端部材と、前記継手と前記貫通孔の内壁面との間に形成された空間を実質的に閉塞する閉塞構造と、を備えた燃料電池。
  2. 前記端部材の前記貫通孔の周囲部分が外方に突出している、請求項1に記載の燃料電池。
  3. 前記貫通孔の内側において前記継手を取り巻くようにして環状に形成された閉塞部材を備え、該閉塞部材が前記閉塞構造を構成している請求項1又は2に記載の燃料電池。
  4. 前記貫通孔はその周辺に比べ内径が小さい小径部を有し、該小径部が前記閉塞構造を構成している請求項1又は2に記載の燃料電池。
  5. 前記継手はその周辺に比べ外径が大きい大径部を有し、該大径部が前記閉塞構造を構成している請求項1又は2に記載の燃料電池。
  6. 前記継手の基端部分は平板状の形状を有しており、該基端部分は前記セルスタックと前記端部材とで狭持されている請求項1乃至5のうちいずれか一の項に記載の燃料電池。
  7. 前記実質的に閉塞される空間の外方側において、前記端部材と前記継手との間にガスシール部材が設けられている請求項1乃至6のうちいずれか一の項に記載の燃料電池。
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