JPWO2009081446A1 - 質量分析システム - Google Patents

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Abstract

ペプチド混合物についてのMS分析、MS2分析、…、MSp分析を順次実行してそれぞれマススペクトルを取得する(S1)。その際に、プリカーサイオンを変更したり同一のプリカーサイオンについて異なる開裂条件を設定した分析を複数行うことで、それぞれ得られるマススペクトルに現れるピークを集約する。そうしてピークの数を増やした後に、MSmスペクトルとMSm+1スペクトルとのピークの共通性や相補性などを利用して有用なピークを抽出し、そのピーク選別種類毎に分類して該分類毎にピークの出現頻度を求める(S3、S4)。そして、予め求めておいた信頼率と出現頻度とから、抽出したピークがプロダクトイオンであることや末端に関する評価スコアを計算する(S8)。抽出したピークを用いて配列推定を行う際に評価スコアを利用し、例えば配列候補の優先順位を決め出力する(S8、S9)。

Description

本発明は、質量分析によりデータを収集しこれを解析処理する質量分析システムに関し、特に、ペプチド混合物を含む被検試料を質量分析することにより得られた質量スペクトルデータを用いて各ペプチドのアミノ酸配列を推定するためのアミノ酸配列解析に好適なシステムに関する。
近年、ポストゲノム研究として、タンパク質の構造や機能の解析が急速に進められている。このようなタンパク質の構造・機能解析手法(プロテオーム解析)の一つとして、質量分析を利用したタンパク質の発現解析や一次構造解析が広く行われるようになってきており、四重極型イオントラップや衝突誘起解離(CID)などによって特定のピークの捕捉と開裂を行う、いわゆるMS分析(nは2以上の整数)が威力を発揮している。一般にMS2(=MS/MS)分析では、まず、分析対象試料由来の各種イオンから特定の質量(厳密には質量電荷比m/z)を有するイオンをプリカーサイオンとして選別し、該プリカーサイオンをCIDにより開裂させる。その後、開裂によって生成したイオン(プロダクトイオン或いはフラグメントイオン)を質量分析することによって、目的とするイオンの質量や化学構造についての情報を得ることができる。
上記のようなMS分析を利用してタンパク質のアミノ酸配列を推定する際には、まず、タンパク質を適当な酵素で消化してペプチド断片の混合物としてから、該ペプチド混合物を質量分析する。このとき、各ペプチドを構成する元素には質量の異なる安定同位体が存在するため、同一のアミノ酸配列から成るペプチドであっても、その同位体組成の相違によって質量が異なる複数のピークを生じる。それら複数のピークは、天然存在比が最大の同位体のみで構成されたイオン(主イオン)のピークと、それ以外の同位体を含むイオン(同位体イオン)のピークとから成り、これらが1Da間隔で並んだ複数本のピークから成る同位体ピーク群を形成する。
続いて、上記のようなペプチド混合物のマススペクトルデータの中から、単一のペプチドに由来する一組の同位体ピーク群をプリカーサイオンとして選択し、該プリカーサイオンを開裂させて得られたイオンの質量分析(MS分析)を行う。また、1回の開裂操作では十分に小さな断片にならないような場合には、開裂操作を複数段回行うMS分析を行うこともある。
以上のようにして得られたプロダクトイオンのマススペクトルパターンや上記プリカーサイオンのマススペクトルパターンを基に、例えばマトリックスサイエンス社が提供しているマスコット(MASCOT)等の検索エンジンを利用してアミノ酸配列同定用データベースサーチを実行することにより、被検ペプチドのアミノ酸配列を決定することができる。或いは、デノボ(De Novo)シーケンスと呼ばれる各種の解析用ソフトウエアをコンピュータ上で実行させることでマススペクトルパターンに基づく数理的演算を行って、被検ペプチドのアミノ酸配列を推定することもできる。
前述のようなデノボ・シーケンスを利用したアミノ酸配列推定方法の1つとして、従来、非特許文献1に記載の方法が知られている。これは、MS分析によるマススペクトルとさらに1段階の開裂を行ったMS分析によるマススペクトルとを利用するものである。簡単に説明すると、MS分析とMS分析の両方で観測されたイオンは同じ末端(C末端又はN末端のいずれか)を持つプロダクトイオンであることを利用してペプチドの部分配列を推定し、いくつかのMS分析により求めた部分配列を結合してペプチド全体のアミノ酸配列を推定するものである。但し、MS分析とMS分析の両方で観測されたイオンは、実際のペプチドが開裂して生じたプロダクトイオンの一部でしかなく、それだけでは解析のための情報が十分ではない。そこで、MS分析で得られたマススペクトル(以下単にMSスペクトルという)をMS分析時のプリカーサイオンの位置(質量)を基準として左右反転させることで求めた相補的スペクトル(Complimentary Spectrum)を利用することにより、収集するプロダクトイオンピークの種類を増やす試みもなされている。
また、特許文献1には複数のMSスペクトルを1つのマススペクトルに合成し、プロダクトイオンピークを増やすことが記載されている。しかしながら、この手法では、合成されたマススペクトルにノイズを含む多くのピークが存在する上に、nが3以上であるMS分析で測定されたプロダクトイオンには同一のペプチドの2個所以上の結合が切断されたイオンが含まれる。そのため、nの数が増えるに従い合成マススペクトのパターンは非常に複雑になる。その結果、こうした合成マススペクトルに現れるピークを利用してペプチドのアミノ酸配列を推定しようとしても、時間が掛かる割に信頼性が低い。
上記のような問題に対し、本願出願人は特許文献2において、新規なアミノ酸配列解析手法を提案している。即ち、MSスペクトルとMSスペクトルとで共通に存在するピーク、プリカーサイオンの質量の分だけMSスペクトルをシフトさせたマススペクトルとMSスペクトルとで共通に存在するピーク、或いは、プリカーサイオンの質量を中心にMSスペクトルを折り返して得たマススペクトルとMSスペクトルとで共通に存在するピーク(相補性を有するピーク)などを収集する。そして、これら多数のピークを同じ末端系列、つまりC末端系列とN末端系列とに属するものに分類して集約することにより、ノイズピークを除外しながら数多くのピークを収集する。こうして、bシリーズ、yシリーズ毎に集約したピークリストをデノボ・シーケンス等の解析ソフトウエアに供することで、アミノ酸配列を推定する。これによれば、ペプチドのアミノ酸配列の推定の正確性を改善することができる。
ところが、この方法によっても、対象とするペプチドの種類などによっては、解析ソフトウエアに供されるデータ自身の信頼性が落ち、アミノ酸配列の推定の正確性が低下する場合がある。その理由は、開裂操作の段数を増やしたMSスペクトルにおいても質量の共通性や相補性が見い出せないピークに対応するイオンはアミノ酸配列推定に利用されないこと、質量の共通性や相補性があって選別されたイオンをC末端/N末端のいずれかに分類する際に判別を誤る場合もあること、などが挙げられる。
米国特許第66244087号明細書 特開2007-278712号公報 ジャン(Z.Zhang)ほか1名、「デ・ノボ・ペプチド・シーケンシング・バイ・トゥー・ディメンジョナル・フラグメント・コリレイション・マス・スペクトロメトリー(De Novo Peptide Sequencing by Two-Dimensional Fragment Correlation Mass Spectrometry)」、アナリティカル・ケミストリー(Analytical Chemistry)、 Vol.72、No.11、June 1 2000、pp.2337-2350
本発明はこうした課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは、マススペクトルデータに基づくタンパク質やペプチドのアミノ酸配列の推定を容易にしその推定精度を従来よりもさらに高めることができる質量分析システムを提供することである。
上記課題を解決するために成された本発明は、MS分析(nは3以上の任意の整数)により得られるデータを利用してアミノ酸配列を推定するための質量分析システムであって、
a)被検試料について、MS分析(m=2以上の整数)と、該分析の結果得られるマススペクトルピークの少なくとも1つをプリカーサイオンとして選んだMSm+1分析と、を実行してマススペクトルデータを取得する質量分析手段と、
b)前記質量分析手段により得られるMSスペクトルに現れるピークと、MSm+1スペクトルに現れるピークとをそれぞれ抽出するとともに、必要に応じてプリカーサイオンの質量差だけMSm+1スペクトルをシフトさせて得られるピークも抽出し、それらピークに対応するイオンの質量情報を収集し、それら収集した質量情報をプリカーサイオンの末端系列と同じであると判断できるもの、プリカーサイオンの末端系列と異なると判断できるもの、及びアミノ酸配列末端系列の判断ができないもの、のいずれかに区分して集約したピークリストを作成するピーク情報収集手段と、
c)前記ピーク情報収集手段により集約された質量情報を用い、MSスペクトル、MSm+1スペクトルそれぞれにおける質量の相補性や、MSスペクトルとMSm+1スペクトルとの間での質量の共通性及び相補性、に基づいた基準によりピークを選別して分類するとともに、その分類毎のピークの出現頻度を求めるピーク抽出手段と、
d)前記各分類毎に予め算出された、該分類に含まれるピークに対応したイオンがプロダクトイオンであることの確からしさを示す信頼度、及び該イオンの末端系列に関する信頼度とを含む信頼度情報と、前記ピーク抽出手段により得られた各分類毎のピークの出現頻度情報とに基づき、選別された各ピークに対応するイオンがプロダクトイオンであることの確からしさを示す評価指標値及び該イオンの末端系列に関する評価指標値をそれぞれ算出する評価値算出手段と、
e)前記ピーク抽出手段により選別されたピークの質量情報と前記評価値算出手段により得られた各ピークの評価指標値とを用いて被検試料のアミノ酸配列を推定する配列推定手段と、
を備えることを特徴としている。
上記「質量分析手段」はとくにその形態や方式を問わないが、典型的な一例として、三次元四重極型イオントラップを備えた質量分析装置であって、該イオントラップの内部でプリカーサイオンの開裂を行うものとすることができる。特に単一ピークを選択してMS分析を実行するためには、高い分離能でプリカーサイオンを選択してMS分析を行うことが可能な質量分析装置である必要があるが、三次元四重極イオントラップと飛行時間型質量分離部とを組み合わせたIT−TOF型の構成はこうした条件に適合する。また、質量分析装置のイオン源は例えばマトリックス支援レーザー脱離イオン化(Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization;MALDI)法による試料のイオン化を行うものとするとよい。
また、上記「各分類毎に予め算出された、該分類に含まれるピークに対応したイオンがプロダクトイオンであることの確からしさを示す信頼度、及び該イオンの末端系列(つまりC末端又はN末端)に関する信頼度とを含む信頼度情報」は、例えばアミノ酸配列が既知であるペプチドを分析した結果に基づいて予め求めておくものとする。
また本発明に係る質量分析システムでは、 ピーク情報収集手段、ピーク抽出手段、評価値算出手段、及び、配列推定手段は、所定のプログラムを汎用のコンピュータ上で実行させることにより、与えられたスペクトルデータに基づいた演算処理によりアミノ酸配列を推定するものとすることができる。ここでアミノ酸配列の推定とは、例えば、幾つかのアミノ酸配列候補を挙げて、その推定の信頼性の高いものから順に、又は信頼性を示す情報を付加して提示するものとすることができる。また上記配列推定手段は、既存のデータベースサーチやデノボ・シーケンスを利用したものであってもよい。
また、イオンの末端系列に関する信頼度は、例えば選別されたピークに対応したイオンがプリカーサイオンと同じ末端系列に属する可能性を示す信頼度、異なる末端系列に属する可能性を示す信頼度などとしたり、或いは、C末端、N末端にそれぞれ属する可能性を示す信頼度などとしたりすることができる。
本発明に係る質量分析システムでは、mは2以上の適宜の整数とし、m=2とすることこともできるが、アミノ酸配列の推定精度を上げるべく多くのピーク情報を収集するためにはmは3以上とすることが好ましい。mを3以上とする場合には、m=2、3、…と順に、上述したような各手段による処理を実行することが望ましい。
また、より多くのピーク情報を収集するために、上記質量分析手段は、或る1つのプリカーサイオンに対し複数の異なる開裂条件の下でMSm+1分析を実行し、ピーク情報収集手段は、その複数のMSm+1分析でそれぞれ得られたMSm+1スペクトルに現れるピークを収集するとよい。ここで開裂条件とは、プリカーサイオンに付与するエネルギー(励振電圧など)、衝突誘起解離のためのガス圧(供給流量)などが挙げられる。プリカーサイオンが同一であっても開裂条件が相違すると、プリカーサイオンの結合の切れる部位などが相違するためマススペクトルパターンが相違する。したがって、MSm+1スペクトル上で異なる質量のピークが出現し、共通性や相補性を利用して選別されるピークの数も多くなる。
また可能であれば、上記プリカーサイオンから水(HO)やアンモニア(NH)などがロスして副次的に生成された脱水イオンや脱アンモニアイオンなど、同じペプチド由来であると考えられるイオンをプリカーサイオンに設定したMSm+1分析を実行して収集したデータも利用するとよい。
またピーク抽出手段は、さらにMSm+1スペクトルをMS分析とMSm+1分析とのプリカーサイオンの質量差の分だけ高質量側にシフトさせたマススペクトルに現れるピーク情報も得て、これを元のMSm+1スペクトルで得たピーク情報に合わせて、MSスペクトルとのピークの共通性や相補性を判断するようにすることが好ましい。なお、こうしたシフト処理は、マススペクトルに現れるピークに対応するプロダクトイオンの末端系列を入れ替える(C末端→N末端、N末端→C末端に反転させる)作用を有する。これにより、共通性や相補性を利用して選別されるピークの数も多くなり、ピーク頻度情報の確度が向上し、ひいてはアミノ酸配列推定の信頼性の向上に寄与する。
従来、最終的にデータベースサーチやデノボ・シーケンスなどのアミノ酸配列推定ソフトウエアに供されるピーク情報(イオンの質量情報)は、被検試料である未知ペプチド由来のプロダクトイオンのピークであるとの前提で処理されていた。また、各ピークにC末端/N末端のいずれに属するのかを示す情報が付与されていて、それをアミノ酸配列推定に利用できる場合でも、その末端情報は確かであるとの前提で処理されていた。
これに対し、本発明に係る質量分析システムでは、質量分析の結果から抽出された各ピークについてプロダクトイオンであることの確からしさを示す評価指標値と末端の種別などに関する判断の確からしさを示す評価指標値とが与えられるので、例えばプロダクトイオンであることや末端の判断についての信頼性が高いピークから優先的にアミノ酸配列推定に供することで、その推定の精度を従来よりもさらに向上させることができる。
また、例えば同一プリカーサイオンに対し異なる開裂条件の下でMSm+1分析を行ってそれぞれ得たMSm+1スペクトルに現れているピークを収集するようにすれば、同一の未知ペプチド由来のピークを従来よりも多数集めることができる。それによって質量の共通性や相違性などに基づいて選別されるピークの数も増やすことができ、分類毎のピークの出現頻度の確度を上げることができる。その結果、アミノ酸配列の推定精度を向上させることができる。
本発明の一実施例である質量分析システムの概略構成図。 本実施例の質量分析システムにおけるペプチドのアミノ酸配列を推定する手順を示すフローチャート。 MS分析、MS分析で収集されたピークリストの一例を示す図。
符号の説明
10…質量分析部
11…イオン化部
12…イオントラップ部
13…質量分離部
14…イオン検出器
20…制御/処理部
21…制御部
22…スペクトルデータ処理部
23…ピーク抽出部
24…信頼度情報記憶部
25…評価指標値算出部
26…同定用データベース(DB)
27…配列推定処理部
以下、本発明に係る質量分析システムの一実施例を図面を参照して説明する。このシステムは、ペプチドを被検試料とし、そのアミノ酸配列を推定するアミノ酸配列解析システムである。
図1は本実施例による質量分析システムの概略構成図である。本実施例のシステムは、大きく分けて質量分析部10と制御/処理部20とから成る。質量分析部10は、MALDI法によってペプチド混合物を含む被検試料をイオン化するイオン化部11と、所定の質量(厳密には質量電荷比m/z)を有するイオンをプリカーサイオンとして選別すると共に、該プリカーサイオンを衝突誘起解離により開裂させて各種のプロダクトイオンを生成させる三次元四重極型のイオントラップ部12と、イオントラップ部12から放出された各種イオンをそれぞれの質量に応じて時間方向に分離する飛行時間型の質量分離部13と、質量に応じて分離されたイオンを順次検出してイオン量に応じた検出信号を出力するイオン検出器14と、を備える。
この質量分析部10では、イオントラップ部12においてプリカーサイオンの選別操作と開裂操作とを交互に繰り返すことにより、MS分析(nは3以上の整数)を行うことができる。このMS分析のnに理論的な上限はないが、実際にはプリカーサイオンの選別効率や開裂効率などが100%とはならない、といった制約から、一般的にはnの最大値は5〜7程度に抑えられる。
制御/処理部20は、質量分析部10の各部を制御してMS分析を実行する制御部21と、イオン検出器14により得られる検出信号をデジタルデータに変換して処理し、MSスペクトルを作成するスペクトルデータ処理部22と、1つの被検試料に対して複数得られたMSスペクトルを用いて後述するような処理を施すことによりピークを選別し分類し、さらに各分類毎にピークの出現頻度を調べるピーク抽出部23と、予め基準となる信頼度情報を記憶させておく信頼度情報記憶部24と、記憶されている信頼度情報とピーク抽出部23で得られた出現頻度情報とに基づいて各ピーク毎に評価指標値を計算する評価指標値算出部25と、各ピーク毎の評価指標値とピーク情報とから被検試料のアミノ酸配列を推定する配列推定処理部27と、その配列推定の際に使用される同定用データベース26と、を含み、配列推定処理部27による推定結果は出力部28から出力される。
上記制御/処理部20の中で制御部21の一部を除いた他の機能は、汎用のコンピュータに搭載した専用の制御/処理ソフトウエアを実行させることにより実現される。
また、信頼度情報記憶部24に記憶される信頼度情報は、アミノ酸配列が既知である標準的なペプチドを解析処理した結果を用いて予め作成しておくものとする。ここでの信頼度情報とは、後述する全てのピーク選別分類に付与された番号iについて、そのピークに対応するイオンがプロダクトイオンであることを信頼度を示す確率w1(i)、そのピークに対応するイオンがプリカーサイオンと同じ末端系列に属することの信頼度を示す確率w2(i)、そのピークに対応するイオンがプリカーサイオンとは異なる末端系列に属することの信頼度を示す確率w3(i)、である。
上記質量分析システムを用いて未知ペプチドのアミノ酸配列を推定する際の手順の一例について、図2のフローチャートに従って説明する。
まず、制御部21の制御の下に質量分析部10により、開裂を伴わない通常の質量分析を行い、それによって得られたマススペクトル(=MSスペクトル)上の或る特定のピークをプリカーサイオンとして設定し、MS分析を実行し、MSスペクトルを取得する。このとき、同一のプリカーサイオンに対し、例えばイオントラップ部12の内部ガス圧、プリカーサイオンに加えるエネルギー(励振電圧)などの開裂条件を変え、それぞれMSスペクトルを得るようにするのが好ましい。このように開裂条件を変化させると、結合の切断位置が変わるため、同じMSスペクトルでもピークの出現位置、つまり質量が相違するから、MSスペクトルについて、より多数のピークを得ることができる。また、プリカーサイオンから水やアンモニアなどが脱離したと考えられる脱水イオンや脱アンモニアイオンなど、同じペプチド由来であると考えられるピークが存在する場合には、そのピークに対応するイオンをプリカーサイオンとして設定してMS分析を実行するとよい。このようにして、多数のMSスペクトルを得ることで、後述のステップS2でMS分析により収集されるピークの数を格段に増やすことができる。
MSスペクトルが得られたならば、そのマススペクトル上の或る特定のピークをプリカーサイオンとして選択してMS分析を実行し、MSスペクトルを取得する。このときにもMS分析時と同様に、開裂条件を変えたりプリカーサイオンからの水やアンモニウムの脱離イオンをプリカーサイオンに設定したりすることで複数種類のMSスペクトルを取得するとよい。さらに必要に応じて、そのMSスペクトル上の或る特定のピークをプリカーサイオンとして設定し、MS分析を実行してMSスペクトルを取得する。このようにして予め決めた段数pまでの開裂操作を伴うMS分析を実行する(ステップS1)。いま、ここでは一例としてp=4とし、MS分析、MS分析、MS分析、MS分析を実行するものとする。
続いて、変数mを2に初期設定して(ステップS2)、MSスペクトルとMSm+1スペクトルとで得られたピークの質量情報をそれぞれ収集し、ピークリストを作成する(ステップS3)。なお、このとき、MS分析とMSm+1分析とのプリカーサイオンの質量の差だけMSm+1スペクトルを高質量側にシフトさせたマススペクトルを計算上求め、そのマススペクトルに現れるピークの質量情報も収集するようにするとよい。こうしてピークの質量情報を収集してピークリストを作成する際に、各ピークがプリカーサイオンと同じ末端系列を持つものであるか、プリカーサイオンと異なる末端系列を持つものであるか、或いは末端系列が不明である(判断ができない)ものであるか、を判断して、3つのピークリストを作成する。具体的には、例えばMS分析のプリカーサイオンがyイオン(C末端フラグメントイオン)であれば、MSマススペクトルに現れるピークはそのプリカーサイオンと同じ系列(つまりC末端)のイオンである。また、上記のようなシフト処理により末端系列は入れ替わる、つまりC末端→N末端、N末端→C末端、となる。
次に、上述のように収集したピークの質量情報を用いて有用な(有用であると思われる)ピークを抽出し、これをピーク選別種類毎に分類した上で、その種類毎にピークの出現頻度(回数)を調べる(ステップS4)。ここでは、具体的な例として、アミノ酸配列が[KVPQVSTPTLTLVEVSR]であるペプチドを測定対象とし、プリカーサイオンの質量PCms2を1639.938としたMS分析と、プリカーサイオンの質量PCms3を1412.775としたMS分析とを行った場合に得られる理論的プロダクトイオンに基づいて説明する。図3はこのときの理論的プロダクトイオンの質量情報を示す図である。なお、ここでは相補性(2つのピーク質量の和がプリカーサイオン質量と等しくなる)を満たすものをb/yペアと呼ぶこととする。
MSスペクトルで抽出されるyイオン(C末端系列プロダクトイオン)とbイオン(N末端系列プロダクトイオン)との組であるb/yペア(by0と記す)や、MSスペクトルで抽出されるyイオンとbイオンとの組であるb/yペア(by00と記す)は、プロダクトイオンである可能性が高い。そこで、by0、by00をそれぞれピーク選別種類とする。但し、これらイオンはN末端系列であるかC末端系列であるかの区別はできない。図3の例では、by0、by00として次の質量を持つピークが抽出される。
[by0]:1465.827+175.1195=PCms2+H
[by00]:1238.663+175.1195=PCms3+H
いずれもプリカーサイオンと同じ末端系列のイオンであるかプリカーサイオンと相違する系列のイオンであるのかは不明である。
MSスペクトルとMSスペクトルとで共通に現れる(つまり質量が同一である)ピーク(共通ピーク、com1と記す)は、プリカーサイオンと同じ末端系列を持つフラグメントシリーズである。一方、MSスペクトルのプリカーサイオンの質量PCms2とMSスペクトルのプリカーサイオンの質量PCms3との質量差(PCdiff)だけMSスペクトルに現れる各ピークの位置を高質量側にシフトしたとき、これとMSスペクトルとに共通に現れるピーク(共通ピーク、com2と記す)はプリカーサイオンとは異なる末端系列を持つフラグメントシリーズである。このcom1、com2をそれぞれピーク選別種類とする。図3の例では、com1、com2として次の質量を持つピークが抽出される。
[com1]:262.1515=262.1515
[com2]:1279.726=(1052.563+PCdiff)
com1はMS、MSいずれでもプリカーサイオンと同じ末端系列を持つイオンであり、他方、com2はMS、MSいずれでもプリカーサイオンと異なる末端系列を持つイオンである。
MSスペクトルとMSスペクトルとのそれぞれからプリカーサイオンの質量PCms2、PCms3と等しくなるb/yペアを求める。MSスペクトルから求まるb/yペアをby2と記し、MSスペクトルから求まるb/yペアをby3と記す。これらは、プリカーサイオンと同じ又は異なる末端を持つことを区別することができる。by2、by3で且つプリカーサイオンの末端と同じ末端を持つ又は異なる末端を持つもの毎に分けてそれぞれピーク選別種類とする。ここでは、by2であってMSにおいてプリカーサイオンと同じ末端を持ちMSにおいてプリカーサイオンと異なる末端を持つものをby2+、b/y2であってMSにおいてプリカーサイオンと異なる末端を持ちMSにおいてプリカーサイオンと同じ末端を持つものをby2-、b/y3であってMSにおいてプリカーサイオンと同じ末端を持ちMSにおいてプリカーサイオンと異なる末端を持つものをby3+、b/y3であってMSにおいてプリカーサイオンと異なる末端を持ちMSにおいてプリカーサイオンと同じ末端を持つものをby3-と記す。
図3の例では、by2+、by2-、by3+、by3-として次の質量を持つピークが抽出される。
[by2+]:589.3309+(824.4518+PCdiff)=PCms2+H
[by2-]:1150.684+490.2625=PCms2+H
[by3+]:(702.415-PCdiff)+(711.3677+PCdiff)=PCms3+H
[by3-]:(1051.605-PCdiff)+589.3309=PCms3+H
なお、前述のように同じプリカーサイオンを用い開裂条件を変えて複数のMSスペクトルを取得した場合、上記と同様に共通ピークやb/yペアを抽出することはできるものの、それらがN末端系列であるかC末端系列であるかを区別することはできない。また、ニュートラルロスピークをプリカーサイオンとして得たMSスペクトルと、ロスが生じていないピークをプリカーサイオンとして得たMSスペクトルとの間でも、共通ピークやb/yペアの抽出が可能であるが、これらもN末端であるかC末端であるかの区別はできない。これらは図3中には記載していないが、ピーク選別種類とすることができる。
以上のようにして、ステップS2で得られたマススペクトルに現れる多数のピークを複数のピーク選別種類に分類することができる。そこで、そのピーク選別種類毎に分類されたピークの数、つまりは出現頻度を求める。なお、このときに抽出されないピークはノイズピークであるとみなされて処理の上からは除去されることになる。
上述のようなピーク選別種類に1から順に連番を付す。上記例では、[by0]、[by00]、[com1]、[com2]、[by2+]、[by2-]、[by3+]、[by3-]の8種類のピーク選別種類が明示されているが、実際には16種類のピーク選別を行い、それらに連番を付す。そして、全てのピーク選別種類の番号i(i=0,1、…、16)に対し、実際にプロダクトイオンである確率を示す信頼性w1(i)とステップS3で求めた頻度n1(i)とを積算し、その総和を求めることで、抽出されたピークがプロダクトイオンであることを評価するための評価スコア値f1を求める。即ち、
fk =Σwk(i)・nk(i)、但し、Σはi=1から16までの総和
においてk=1である。
また同様に、抽出されたピークがプリカーサイオンと同じ末端を持つ確率を示す信頼率w2(i)と実際のピークがプリカーサイオンと同じ末端を持つと区別された頻度n2(i)とから選別ピークがプリカーサイオンと同じ末端を持つ評価スコアf2を求め、さらに、抽出されたピークがプリカーサイオンと異なる末端を持つ確率を示す信頼率w3(i)と実際のピークがプリカーサイオンと異なる末端を持つと区別された頻度n3(i)とから選別ピークがプリカーサイオンと異なる末端を持つ評価スコアf3を求める(ステップS5)。
その後、mを1だけ増やしてm+1が予め決められた最大値に達していなければ(ステップS6、S7)、ステップS2へと戻り、ステップS2〜S4の処理を再び実行する。即ち、m=3とし、MSスペクトルとMSスペクトルとで得られたピークの質量情報をそれぞれ収集し、これらに対しピークの抽出・分類及び頻度の算出を行い、評価スコアを求める。こうした処理をm+1が予め決められた最大値に達するまで繰り返す。
上述のようにそれぞれ抽出されたピークの質量情報、つまりピークリストを利用して、データベースサーチにより、いくつかのペプチド配列候補を推定する(ステップS8)。或いは、デノボ・シーケンスによりいくつかの候補を推定するようにしてもよい。このいくつかの配列候補を出力部28から出力する際に、ステップS4で求めた評価スコアf1、f2、f3を利用する。例えば、ペプチド配列候補を同定/推定するために使用したピークの評価スコアf1が高いものや、末端系列に関する評価スコアf2、f3と同定/推定時の仮定が一致するものの優先的な候補とする。このため、各配列候補に対し、評価スコアf1〜f3などを参照した配列推定の信頼スコアを算出し、この信頼スコアが高い配列を優先して提示したり信頼性スコアを配列と同時に提示したりする。
なお、データベースサーチやデノボ・シーケンスで配列候補を推定する際に、ピークに対する評価スコアを利用してもよい。最も単純な方法としては、例えば評価スコアが或る一定基準値よりも低いピークは配列推定に利用しない等の利用が考え得る。こうした手法は、特にマススペクトルに出現するピークの数が多すぎる場合に有効である。
以上のようにして、本実施例の質量分析システムでは、被検試料であるペプチド混合物のアミノ酸配列の候補を高い信頼性で以て提示することができる。
なお、上記実施例は本発明の一例にすぎず、本発明の趣旨の範囲で適宜変形、修正、追加等を行っても本願請求の範囲に包含されることは当然である。
上述のようにそれぞれ抽出されたピークの質量情報、つまりピークリストを利用して、データベースサーチにより、いくつかのペプチド配列候補を推定する(ステップS8)。或いは、デノボ・シーケンスによりいくつかの候補を推定するようにしてもよい。このいくつかの配列候補を出力部28から出力する際に、ステップS4で求めた評価スコアf1、f2、f3を利用する。例えば、ペプチド配列候補を同定/推定するために使用したピークの評価スコアf1が高いものや、末端系列に関する評価スコアf2、f3と同定/推定時の仮定が一致するもの優先的な候補とする。このため、各配列候補に対し、評価スコアf1〜f3などを参照した配列推定の信頼スコアを算出し、この信頼スコアが高い配列を優先して提示したり信頼性スコアを配列と同時に提示したりする。

Claims (4)

  1. MS分析(nは3以上の任意の整数)により得られるデータを利用してアミノ酸配列を推定するための質量分析システムであって、
    a)被検試料について、MS分析(m=2以上の整数)と、該分析の結果得られるマススペクトルピークの少なくとも1つをプリカーサイオンとして選んだMSm+1分析と、を実行してマススペクトルデータを取得する質量分析手段と、
    b)前記質量分析手段により得られるMSスペクトルに現れるピークと、MSm+1スペクトルに現れるピークとをそれぞれ抽出するとともに、必要に応じてプリカーサイオンの質量差だけMSm+1スペクトルをシフトさせて得られるピークも抽出し、それらピークに対応するイオンの質量情報を収集し、それら収集した質量情報をプリカーサイオンの末端系列と同じであると判断できるもの、プリカーサイオンの末端系列と異なると判断できるもの、及びアミノ酸配列末端系列の判断ができないもの、のいずれかに区分して集約したピークリストを作成するピーク情報収集手段と、
    c)前記ピーク情報収集手段により集約された質量情報を用い、MSスペクトル、MSm+1スペクトルそれぞれにおける質量の相補性や、MSスペクトルとMSm+1スペクトルとの間での質量の共通性及び相補性、に基づいた基準によりピークを選別して分類するとともに、その分類毎のピークの出現頻度を求めるピーク抽出手段と、
    d)前記各分類毎に予め算出された、該分類に含まれるピークに対応したイオンがプロダクトイオンであることの確からしさを示す信頼度、及び該イオンの末端系列に関する信頼度とを含む信頼度情報と、前記ピーク抽出手段により得られた各分類毎のピークの出現頻度情報とに基づき、選別された各ピークに対応するイオンがプロダクトイオンであることの確からしさを示す評価指標値及び該イオンの末端系列に関する評価指標値をそれぞれ算出する評価値算出手段と、
    e)前記ピーク抽出手段により選別されたピークの質量情報と前記評価値算出手段により得られた各ピークの評価指標値とを用いて被検試料のアミノ酸配列を推定する配列推定手段と、
    を備えることを特徴とする質量分析システム。
  2. 請求項1に記載の質量分析システムであって、mは3以上であって、m=2、3、…と順に前記各手段による処理を実行することを特徴とする質量分析システム。
  3. 請求項1に記載の質量分析システムであって、前記ピーク情報収集手段は、或る1つのプリカーサイオンに対し複数の異なる開裂条件の下でMSm+1分析を行ってそれぞれ得られたMSm+1スペクトルに現れるピークを収集することを特徴とする質量分析システム。
  4. 請求項1に記載の質量分析システムであって、前記ピーク抽出手段は、さらにMSm+1スペクトルをMS分析とMSm+1分析とのプリカーサイオンの質量差の分だけ高質量側にシフトさせたマススペクトルに現れるピーク情報も得て、これを元のMSm+1スペクトルで得たピーク情報に合わせて、MSスペクトルとのピークの共通性や相補性を判断することを特徴とする質量分析システム。
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