JPWO2009069396A1 - 静電塗装装置 - Google Patents

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Abstract

ハウジング部材(6)にエアモータ(3)を収容し、該ハウジング部材(6)の前側に回転霧化頭(4)を有する噴霧器(2)を取付ける。ハウジング部材(6)の外周側には、ハウジング部材(6)を取囲んで第1の外部電極(8)を設ける。ハウジング部材(6)の前側には、第1の外部電極(8)よりも回転霧化頭(4)に近い位置に第2の外部電極(10)を配置する。第1の高電圧発生器(11)は、第1の外部電極(8)に直流電圧からなる第1の高電圧(V1)を供給する。一方、第2の高電圧発生器(12)は、第1の高電圧(V1)よりも低い範囲で、第2の外部電極(10)に間欠的なパルス状電圧(V2p)からなる第2の高電圧(V2)を供給する。

Description

本発明は、高電圧を印加した状態で塗料を噴霧するようにした静電塗装装置に関する。
近年、工業塗装の分野において、地球環境の保全等の観点から、溶剤型塗料に代わって有機溶剤の放出が少ない水性塗料を用いる傾向がある。水性塗料は電気抵抗値が低い導電性塗料であるため、水性塗料を用いた静電塗装装置では、高電圧電流が塗料経路を通じてアース側となる塗料供給源側に漏洩するのを防止する必要がある。このような高電圧電流の漏洩を防止する方法(ボルテージ・ブロック)として、回転霧化頭の外周側に高電圧を放電する複数の外部電極を設け、該外部電極を用いて回転霧化頭から噴霧された塗料粒子に間接的に高電圧を帯電させるものが知られている(例えば、特許文献1:特開平4−215864号公報、特許文献2:特開平6−7709号公報、特許文献3:米国特許第6896735号明細書参照)。
ところで、特許文献1には、外部電極から回転霧化頭に向けて高電圧が短絡しないように、外部電極の先端側には回転霧化頭に近い位置に絶縁材料からなる隠蔽突出部を設けた構成が開示されている。この場合、隠蔽突出部により外部電極と回転霧化頭との間の短絡は抑制できる。しかし、隠蔽突出部が邪魔となって、塗料粒子に帯電作用を与えるイオン化圏域は、回転霧化頭から離れた位置に形成される傾向があり、塗料粒子に充分な電荷を与えることができないという問題がある。
また、特許文献2には、塗料粒子を帯電するために回転霧化頭の外周側に複数の外部電極をリング状に配置すると共に、これら複数の外部電極を取囲む外周側に環状の補助電極を設けた構成が開示されている。この場合、補助電極には外部電極よりも高い電圧を印加することによって、補助電極と被塗物との間の電界強度を高めて、塗料粒子の吹き返しを抑えている。しかし、外部電極が回転霧化頭に近い位置に配置されるため、外部電極と回転霧化頭との間で短絡が生じ易い傾向がある。また、外部電極と回転霧化頭との間の短絡を防止するためには、外部電極に印加する電圧を低くする必要があり、塗料粒子に充分な電荷を与えることができないという問題がある。
さらに、特許文献3には、塗装装置のハウジングに複数の外部電極をリング状に嵌め込む構成が開示されている。この場合、外部電極の先端がハウジングと近い位置に配置されているから、外部電極の先端で高電圧の放電を行ったときには、ハウジングのうち外部電極の先端の周囲しか帯電させることができない。この結果、浮遊した帯電塗料粒子がハウジングに付着するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、回転霧化頭に近い位置で放電を行うことによって塗料粒子を充分に帯電させると共に、ハウジング部材の外表面に塗料粒子が付着するのを防止することができる静電塗装装置を提供することにある。
(1).上述した課題を解決するために、本発明は、前端側に回転霧化頭を有し該回転霧化頭に供給された塗料を被塗物に噴霧する塗料噴霧手段と、絶縁材料によって形成され前側に該塗料噴霧手段を保持するハウジング部材と、該ハウジング部材の外周側に配置された第1の外部電極と、該第1の外部電極よりも前記回転霧化頭に近い位置に配置された第2の外部電極と、前記第1の外部電極に第1の高電圧を印加する第1の高電圧印加手段と、前記第2の外部電極に第2の高電圧を印加する第2の高電圧印加手段とからなる静電塗装装置に適用される。
そして、本発明が採用する構成の特徴は、前記第2の高電圧印加手段は、前記第1の高電圧よりも低い範囲で電圧が間欠的に変化するパルス状電圧を生成し、該パルス状電圧からなる前記第2の高電圧を前記第2の外部電極に印加する構成としたことにある。
このように構成したことにより、第2の外部電極は、第1の外部電極よりも回転霧化頭に近い位置に配置する。これにより、第2の外部電極は、回転霧化頭から噴霧された塗料粒子を帯電させる塗料粒子帯電用電極として使用することができる。
ここで、第2の外部電極に直流電圧を印加した場合には、より強いコロナ放電が1箇所に膠着(集中)し易い。この理由は、放電によって電流が流れてイオン化されることで局所的な見かけ上の絶縁抵抗がさらに低下するためである。この結果、1箇所の電極の周囲でのみストリーマーに進展し易い状態になる。このため、例えば第2の外部電極を回転霧化頭の周囲に複数個設けた場合でも、いずれか1個の第2の外部電極でコロナ放電が生じると、コロナ放電が生じた電極の周囲が他の部位に比べて絶縁抵抗が低下する。この結果、同じ電極で集中的にコロナ放電が生じ、ストリーマーに進展してスパークに至る可能性がある。
これに対し、本発明では、第2の外部電極には、第2の高電圧として電圧が間欠的に変化するパルス状電圧を印加する構成としている。このため、第2の外部電極には強いコロナが間欠的に生成されるため、ストリーマーの発生、即ち放電が1箇所に集中してスパークに移行する前駆現象の発生を常時防ぐことができる。従って、パルス状電圧を用いた場合には、ストリーマーが発生して進展する前に電圧を低下させるため、直流電圧を用いた場合に比べて、より高い電圧を印加することができる。このため、回転霧化頭から噴霧される塗料粒子により多くの電荷を帯電させることができるから、塗料の塗着効率を向上させることができる。
一方、第1の外部電極は、第2の外部電極に比べて回転霧化頭から離れた位置に配置したから、第1の外部電極には第2の外部電極に比べて高い電圧を印加することができる。このため、第1の外部電極は、被塗物との間に強い電界を形成する電界形成用電極として使用することができる。また、第1の外部電極は第1の高電圧によるコロナ放電を生じるから、ハウジング部材の外表面に放電イオンを供給して、ハウジング部材の外表面に高電圧を帯電させることができる。さらに、第1の外部電極は、コロナ放電を生じることによって、その周囲を浮遊する塗料粒子を再帯電させることができる。
また、第2の外部電極によって塗料粒子の帯電を行うから、第1の外部電極と回転霧化頭との間で短絡が生じないように、第1の外部電極と回転霧化頭との間の距離を充分に離すことができる。このため、第1の外部電極に関する設計自由度を高めることができる。
(2).本発明では、前記第2の高電圧印加手段は、前記パルス状電圧のパルス幅を、電子なだれ(electronic avalanche)の増加によってストリーマー(ストリーマー放電)が形成されるストリーマー形成時間よりも短時間に設定し、前記パルス状電圧間の間隔を、正イオン数が減少して前記第2の外部電極の周囲で弱い安定したコロナ放電が生じるまでのリフレッシュ時間よりも長時間に設定する構成としている。
ここで、電子なだれとは、外部電極の周囲に生じる高電界によって外部電極の周囲に存在している電子が加速され、この電子が衝突電離(impact ionization)を繰り返しながら電子群となって被塗物に向い増殖しつつ進む現象をいう。また、ストリーマーとは、放電が1箇所に集中してスパークに移行する前駆現象をいう。
このように構成したことにより、第2の高電圧印加手段はパルス状電圧のパルス幅を電子なだれの増加によってストリーマーが形成されるストリーマー形成時間よりも短時間に設定している。このため、第2の外部電極にパルス状電圧を印加したときに電子なだれが増加しても、ストリーマーに進展する前に電圧を低下させることができ、スパークの発生を防止することができる。
また、第2の高電圧印加手段は、パルス状電圧間の間隔を正イオン数が減少して第2の外部電極の周囲で弱い安定したコロナ放電が生じるまでのリフレッシュ時間よりも長時間に設定している。このため、第2の外部電極にパルス状電圧を印加するときには、第2の外部電極の周囲は絶縁抵抗が高い状態にすることができる。
これにより、第2の外部電極にパルス状電圧を印加したときに電子なだれが増加しても、次のパルス状電圧を印加する前には第2の外部電極の周囲を電子なだれが増加する前の状態、即ち弱いコロナ放電が継続した状態に戻すことができ、ストリーマーの進展を確実に防止することができる。
(3).本発明では、前記第2の外部電極は、先端が前記回転霧化頭の周囲に位置した針状電極を用いて形成している。
これにより、針状電極の先端に電界を集中させてコロナ放電を促進させることができる。また、第2の高電圧印加手段は電圧が間欠的に変化するパルス状電圧を第2の外部電極に印加するから、針状電極を複数個設けたときでも、1個の針状電極にコロナ放電が集中することがなく、全ての針状電極で均等にコロナ放電を発生させることができる。
(4).本発明では、前記第2の外部電極は、前記回転霧化頭の外周側を取囲むリング状電極を用いて形成している。
これにより、リング状電極の全周に亘って均等にコロナ放電を発生させることができる。また、第2の高電圧印加手段は電圧が間欠的に変化するパルス状電圧を第2の外部電極に印加するから、リング状電極の一部にコロナ放電が集中することがなく、リング状電極の全周で均等にコロナ放電を発生させることができる。
(5).本発明では、前記リング状電極は、半導電性材料を用いて、または導電性材料の表面に絶縁性被膜を設けたものを用いて形成している。
一般的に、リング状電極は、針状電極に比べて対地静電容量が大きい。このため、該リング状電極が被塗物等のアース体に異常接近してスパークが発生した場合には、放電電流が大きくなる傾向があり、着火の可能性が増加する。これに対し、本発明のように、半導電性材料を用いてリング状電極を形成した場合には、放電電流を小さくすることができる。また、本発明のように、導電性材料の表面に絶縁性被膜を設けたもの用いてリング状電極を形成した場合には、絶縁性被膜によってスパークの発生を防止することができる。
(6).本発明では、前記第1の外部電極は、先端が前記第2の外部電極よりも前記回転霧化頭から離れた位置に配置された針状電極を用いて形成している。
これにより、第1の外部電極を形成する針状電極の先端に電界を集中させることができ、針状電極と被塗物との間に強い静電界を形成することができる。このため、この強い静電界を用いて、第1,第2の外部電極によって帯電した帯電塗料粒子を積極的に被塗物側に向かわせることができる。
(7).本発明では、前記第1の外部電極は、前記ハウジング部材の外周側を取囲んで前記第2の外部電極よりも前記回転霧化頭から離れた位置に配置されたリング状電極を用いて形成している。
これにより、第1の外部電極を形成するリング状電極の全周でコロナ放電を発生させることができる。このため、ハウジング部材に十分な量の放電イオンを供給でき、ハウジング部材の外表面の高電圧電位を安定して維持することができる。また、リング状電極によるコロナ放電によって、帯電量が減衰した塗料粒子に対して再帯電させることができる。
(8).本発明では、前記第1の外部電極は、前記ハウジング部材の外周側を取囲んで前記第2の外部電極よりも前記回転霧化頭から離れた位置に配置され、その先端が全周に亘って薄刃状に尖ってエッジ部となったブレード状電極を用いて形成している。
これにより、第1の外部電極を形成するブレード状電極のエッジ部に電界を集中させることができ、ブレード状電極の全周でコロナ放電を発生させることができる。このため、ハウジング部材に十分な量の放電イオンを供給でき、ハウジング部材の外表面の高電圧電位を安定して維持することができる。また、ブレード状電極のエッジ部によるコロナ放電によって、帯電量が減衰した塗料粒子に対して再帯電させることができる。
さらに、ブレード状電極のエッジ部を用いてハウジング部材を取囲む環状のブレード状電極の全体でコロナ放電を生じさせることができる。このため、ブレード状電極のうち部分的にコロナ放電させた場合に比べて、ブレード状電極を小型化することができ、ブレード状電極と被塗物との間に十分な距離を確保することができる。この結果、ブレード状電極と被塗物との間の火花放電を防止できると共に、狭い空間で塗装を行うときでも、塗料噴霧手段の可動範囲を広げて、操作性を高めることができる。
(9).本発明では、前記ブレード状電極のエッジ部には、前記ブレード状電極の全周のうち複数箇所に切欠きを設けている。
このように構成したことにより、ブレード状電極のエッジ部のうち切欠きの周方向両端部位に電界を集中させることができる。これにより、切欠きの周方向両端部位で放電を起こし易くすることができ、ブレード状電極のコロナ放電を促進することができる。
(10).本発明では、前記第1の外部電極は、前記ハウジング部材の外周側を取囲んで前記第2の外部電極よりも前記回転霧化頭から離れた位置に配置され、螺旋状に巻回したワイヤからなる螺旋状電極を用いて形成している。
これにより、第1の外部電極を形成する螺旋状電極の外形を小さくしつつ、ワイヤの全長を長くすることができる。また、ワイヤの直径を小さくすることによって、螺旋状電極の全体で電界集中を高め、コロナ放電を継続的に行うことができる。このため、全長の長い螺旋状電極の全体でコロナ放電を生じさせることができるから、放電イオンの量を増加させてハウジング部材に十分な量の放電イオンを供給することができる。
さらに、螺旋状電極全体でコロナ放電を生じさせるから、螺旋状電極のうち部分的にコロナ放電させた場合に比べて、螺旋状電極を小型化することができ、螺旋状電極と被塗物との間に十分な距離を確保することができる。この結果、螺旋状電極と被塗物との間の火花放電を防止できると共に、狭い空間で塗装を行うときでも、塗料噴霧手段の可動範囲を広げて、操作性を高めることができる。
(11).本発明では、前記第1の高電圧印加手段は、電圧が間欠的に変化するパルス状電圧を生成し、該パルス状電圧からなる前記第1の高電圧を前記第1の外部電極に印加する構成としている。
これにより、第1の高電圧印加手段は第1の高電圧として電圧が間欠的に変化するパルス状電圧を第1の外部電極に印加するから、直流電圧を印加する場合に比べて、第1の外部電極に印加する電圧を高めることができる。このため、ハウジング部材の外表面に対してより多くの放電イオンを供給することができると共に、浮遊した塗料粒子に対してより多くの電荷を再帯電させることができる。
(12).本発明では、前記回転霧化頭は、絶縁性樹脂材料もしくは半導電性樹脂材料を用いて、または絶縁性樹脂材料の表面に半導電性被膜を設けたものを用いて形成している。
これにより、回転霧化頭を導電性材料を用いて形成した場合に比べて、第2の外部電極と回転霧化頭との間で高電圧によるスパークが生じるのを抑制することができる。このため、第2の外部電極に対する第2の高電圧の設定、および第2の外部電極の配置寸法等の設計自由度が向上するから、装置全体を小型化することができ、塗装装置の塗装操作性が向上する。
図1は、第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す正面図である。
図2は、図1中の回転霧化頭型塗装装置を噴霧器の周囲を破断した状態で示す正面図である。
図3は、第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す図1の左側面図である。
図4は、第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置の回路構成を示すブロック図である。
図5は、第1,第2の外部電極に印加する第1,第2の高電圧の時間変化を示す特性線図である。
図6は、図5中の第2の高電圧の時間変化を拡大して示す特性線図である。
図7は、第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す正面図である。
図8は、第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す図7の左側面図である。
図9は、第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置の回路構成を示すブロック図である。
図10は、第2の実施の形態に用いるリング状電極を図7中のa部の位置で拡大して示す断面図である。
図11は、変形例によるリング状電極を示す図10と同様位置の断面図である。
図12は、第3の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す正面図である。
図13は、第4の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置の全体構成を示すブロック図である。
図14は、第1,第2の外部電極に印加する第1,第2の高電圧の時間変化を示す特性線図である。
図15は、第5の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を噴霧器の周囲を破断した状態で示す図2と同様な正面図である。
図16は、第6の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す正面図である。
図17は、図16中のブレード状電極を単体で示す斜視図である。
図18は、第7の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す正面図である。
図19は、図18中のブレード状電極を単体で示す斜視図である。
図20は、第8の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示す正面図である。
図21は、図20中の螺旋状電極を単体で示す斜視図である。
符号の説明
1,21,31,41,51,61,71,81 回転霧化頭型塗装装置(静電塗装装置)
2 噴霧器(塗料噴霧手段)
3 エアモータ
3C 回転軸
4,52 回転霧化頭
6 ハウジング部材
6A 外表面
7 シェーピングエアリング
8,22,62,72,82 第1の外部電極
8B,10B 針状電極
10,23,23′,32 第2の外部電極
11,42 第1の高電圧発生器(第1の高電圧印加手段)
12 第2の高電圧発生器(第2の高電圧印加手段)
22B,23B,23B′,32B リング状電極
24 金属ワイヤ
25 絶縁性被膜
63,73 ブレード状電極
64〜66,74〜76 エッジ部
77〜79 切欠き
83 螺旋状電極
以下、本発明の実施の形態による静電塗装装置として回転霧化頭型塗装装置を例に挙げて添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図6は本発明に係る静電塗装装置の第1の実施の形態を示している。
図において、1は第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置1は、後述の噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極8,10、第1,第2の高電圧発生器11,12によって構成されている。
2はアース電位にある被塗物Aに向けて塗料を噴霧する塗料噴霧手段としての噴霧器で、該噴霧器2は、後述するエアモータ3、回転霧化頭4等によって構成されている。
3は導電性金属材料からなるエアモータで、該エアモータ3は、図2に示すように、モータハウジング3Aと、該モータハウジング3A内に静圧エア軸受3Bを介して回転可能に支持された中空の回転軸3Cと、該回転軸3Cの基端側に固定されたエアタービン3Dとによって構成されている。そして、エアモータ3は、エアタービン3Dに駆動エアを供給することにより、回転軸3Cと回転霧化頭4を、例えば3000〜100000rpmで高速回転させるものである。
4はエアモータ3の回転軸3Cの先端側に取付けられた回転霧化頭である。該回転霧化頭4は、例えばアルミニウム合金等の導電性金属材料によって形成されている。そして、回転霧化頭4は、エアモータ3によって高速回転される。この状態で、後述のフィードチューブ5を通じて回転霧化頭4に塗料が供給されると、回転霧化頭4は、その塗料を遠心力によって先端側の放出端縁4Aから噴霧する。また、回転霧化頭4には、例えばアース電位にある塗料供給源(図示せず)から水性塗料等が供給されるから、回転霧化頭4もアース体となっている。
5は回転軸3C内に挿通して設けられたフィードチューブで、該フィードチューブ5の先端側は、回転軸3Cの先端から突出して回転霧化頭4内に延在している。また、フィードチューブ5内には塗料通路(図示せず)が設けられ、該塗料通路は色替弁装置等を介して塗料供給源および洗浄シンナ供給源(いずれも図示せず)に接続されている。これにより、フィードチューブ5は、塗装時には塗料通路を通じて回転霧化頭4に向けて塗料供給源からの塗料を供給すると共に、洗浄時、色替時等には洗浄シンナ供給源からの洗浄流体(シンナ、空気等)を供給する。
6はエアモータ3が収容されると共に前端側に回転霧化頭4が配置されたハウジング部材である。このハウジング部材6は、例えば絶縁性樹脂材料を用いて略円柱形状に形成されている。そして、ハウジング部材6は円筒状の外表面6Aを有すると共に、ハウジング部材6の前側にはエアモータ3を収容するエアモータ収容穴6Bが形成されている。
なお、ハウジング部材6は、全て同じ材料を用いて形成してもよく、例えば内部と外表面6Aとで異なる材料を用いて形成してもよい。この場合、外表面6Aは、塗料の付着を防止するために、高絶縁性、非吸水性をもつ絶縁性樹脂材料として、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、POM(ポリオキシメチレン)または表面撥水処理を施したPET(ポリエチレンテレフタレート)等を用いて形成するのが好ましい。
7はシェーピングエアを噴出するシェーピングエアリングで、該シェーピングエアリング7は、回転霧化頭4の外周側を覆うようにハウジング部材6の先端側(前端側)に設けられている。そして、シェーピングエアリング7は、ハウジング部材6とほぼ同様の材料を用いて筒状に形成されている。また、シェーピングエアリング7には複数個のエア吐出孔7Aが穿設され、該エア吐出孔7Aはハウジング部材6内に設けられたシェーピングエア通路(図示せず)に連通している。そして、エア吐出孔7Aにはシェーピングエア通路を通じてシェーピングエアが供給され、エア吐出孔7Aは、該シェーピングエアを回転霧化頭4から噴霧される塗料に向けて噴出する。これにより、シェーピングエアは、回転霧化頭4から噴霧された塗料粒子の噴霧パターンを整形する。
8はハウジング部材6の外周側に設けられた第1の外部電極で、該第1の外部電極8は、図1ないし図3に示すように、ハウジング部材6の後側に配置された鍔状の支持部9に取付けられている。ここで、支持部9は、例えばハウジング部材6と同じ絶縁性樹脂材料を用いて形成され、ハウジング部材6から径方向外側に向けて突出している。また、外部電極8は、支持部9の突出端側(外径側)に位置して周方向に等間隔に例えば6個設けられている。
そして、外部電極8は、支持部9から前側に向けて長尺の棒状に延びた電極支持部8Aと、該電極支持部8Aの先端に設けられた針状電極8Bとによって構成されている。ここで、電極支持部8Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁樹脂材料を用いて形成され、その先端が回転霧化頭4の外周側に配置されている。一方、針状電極8Bは、例えば金属等の導電性材料を用いて先端が自由端となった針状に形成され、抵抗8Cを介して後述する第1の高電圧発生器11に接続されている。ここで、抵抗8Cは、針状電極8Bが被塗物Aと短絡しても、第1の高電圧発生器11側に蓄えられた電荷が一気に放電するのを抑制するものである。そして、針状電極8Bには、高電圧発生器11による第1の高電圧V1が印加される構成となっている。
また、6個の針状電極8Bは、回転霧化頭4と同軸の環状に配置され、回転軸3Cを中心として直径寸法が大きい大径円に沿った位置に設けられている。これにより、6個の針状電極8Bは、回転霧化頭4との距離寸法が全て等しくなっている。さらに、外部電極8の針状電極8Bは、ハウジング部材6と隙間(空間)をもって離間すると共に、ハウジング部材6の周囲を取囲んで配置されている。これにより、外部電極8は、針状電極8Bでコロナ放電が生じることによって、ハウジング部材6の周囲を浮遊する塗料粒子に高電圧を再帯電させると共に、ハウジング部材6の外表面6Aにコロナイオンを供給して、ハウジング部材6の外表面6Aを帯電させるものである。
10はハウジング部材6の前側に設けられた第2の外部電極で、該第2の外部電極10は、ハウジング部材6の前側に位置して周方向に等間隔に例えば6個設けられている。このとき、各外部電極10は、周方向に対して互いに隣合う2個の外部電極8の中間となる位置に配置されている。これにより、6個の第2の外部電極10は、周方向に対して6個の第1の外部電極8と互い違いとなる位置に配置されている。
また、外部電極10は、ハウジング部材6から前側に向けて短尺の棒状に延びた電極支持部10Aと、該電極支持部10Aの先端に設けられた針状電極10Bとによって構成されている。ここで、電極支持部10Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁性樹脂材料を用いて形成され、その先端が回転霧化頭4の外周側に配置されている。一方、針状電極10Bは、例えば金属等の導電性材料を用いて先端が自由端となった針状に形成され、抵抗10Cを介して後述する第2の高電圧発生器12に接続されている。ここで、抵抗10Cは、針状電極10Bが被塗物Aと短絡しても、第2の高電圧発生器12側に蓄えられた電荷が一気に放電するのを抑制するものである。そして、針状電極10Bには、高電圧発生器12による第2の高電圧V2が印加される構成となっている。
また、外部電極10の針状電極10Bは、回転霧化頭4と同軸の環状に配置され、第1の外部電極8の針状電極8Bよりも内周側で、かつ前側に位置している。具体的には、6個の針状電極10Bは、回転軸3Cを中心として針状電極8Bの大径円よりも直径寸法が小さい小径円に沿った位置に設けられる。これに加え、6個の針状電極10Bは、軸方向(前,後方向)に対して第1の外部電極8の針状電極8Bよりも回転霧化頭4に近い前側に位置している。
これにより、6個の針状電極10Bは、回転霧化頭4との距離寸法が全て等しくなると共に、第1の外部電極8の針状電極8Bよりも回転霧化頭4に近い位置に配置されている。そして、外部電極10は、針状電極10Bでコロナ放電が生じることによって、主として回転霧化頭4から噴霧される塗料粒子に高電圧を帯電させる。また、6個の針状電極10Bは、回転霧化頭4に近い位置に配置されているから、回転霧化頭4の放出端縁4Aの全周(360度)に亘って放出される塗料粒子に対して、充分かつ均等に高電圧を帯電させることができる。
また、外部電極10の針状電極10Bは、シェーピングエアリング7の周囲を取囲んで配置されている。これにより、外部電極10は、シェーピングエアリング7の外表面にコロナイオンを供給して、シェーピングエアリング7を帯電させる。
11は第1の外部電極8に接続された第1の高電圧印加手段としての第1の高電圧発生器で、該高電圧発生器11は、図4に示すように、複数のコンデンサ、ダイオード(いずれも図示せず)からなる多段式整流回路11A(所謂、コッククロフト回路)を用いて構成されている。また、多段式整流回路11Aは、抵抗11Bを介して外部電極8の針状電極8Bに接続されている。そして、高電圧発生器11は、例えば−60kV〜−100kVの直流電圧からなる第1の高電圧V1を発生する。これにより、高電圧発生器11は、外部電極8の針状電極8Bに対して、第1の高電圧V1を供給する。
12は第2の外部電極10に接続された第2の高電圧印加手段としての第2の高電圧発生器で、該高電圧発生器12は、第1の高電圧発生器11と同様に多段式整流回路12Aを用いて構成されている。但し、高電圧発生器12は、パルス状電圧V2pを発生するパルス発生回路12Bを備えている。そして、パルス発生回路12Bは、コンデンサ12Cおよび抵抗12Dを介して多段式整流回路12Aの出力側に接続されると共に、コンデンサ12Cと抵抗12Dとの間が外部電極10の針状電極10Bに接続されている。
また、高電圧発生器12は、第1の高電圧V1よりも低い範囲で電圧が間欠的に変化するパルス状電圧V2pを生成し、このパルス状電圧V2pからなる第2の高電圧V2を外部電極10の針状電極10Bに対して供給する。具体的には、第2の高電圧V2は、図5および図6に示すように、例えば−10kV〜−30kVの直流電圧V2dと、例えば−10kV〜−45kVのパルス振幅A2pをもったパルス状電圧V2pとによって構成されている。
このとき、パルス振幅A2pは、以下の数1の式に示すように、例えば直流電圧V2dの1.5倍以下の値に設定されている。この理由は、パルス状電圧V2pの立ち下がり部分でオーバーシュートが生じたときでも、針状電極10Bに常に負の電圧を印加するようにして、ブレークダウンの発生を防止するためである。
Figure 2009069396
以上の関係から、パルス状電圧V2pのピーク電圧値V2max(最大電圧値)は、以下の数2の式に示すように、第1の高電圧V1よりも低い範囲(|V2max|<|V1|)で例えば−20kV〜−75kVに設定されている。
Figure 2009069396
また、パルス状電圧V2pのパルス幅τ2(半値幅)は、以下の数3の式に示すように、電子なだれの増加によってストリーマーが形成されるストリーマー形成時間よりも短時間となるように、例えば0.5μs〜5μsの値に設定されている。なお、このときの電子なだれとは、外部電極10の周囲に生じる高電界によって外部電極10の周囲に存在している電子が加速され、この電子が衝突電離を繰り返しながら電子群となって被塗物Aに向い増殖しつつ進む現象をいう。また、ストリーマーとは、放電が1箇所に集中してスパークに移行する前駆現象をいう。
Figure 2009069396
さらに、2つの隣合うパルス状電圧V2p間の間隔S2は、以下の数4の式に示すように、リフレッシュ時間よりも長時間となるように、例えば0.2ms〜10ms程度の値に設定されている。なお、リフレッシュ時間とは、正イオン数が減少して第2の外部電極10(針状電極10B)の周囲で弱い安定したコロナ放電が生じるまでの時間をいう。
Figure 2009069396
これにより、パルス状電圧V2pの繰返し周期T2は、以下の数5の式に示すように、間隔S2とパルス幅τ2の加算値となる。そして、パルス状電圧V2pの繰返し周波数F2(F2=1/T2)は、例えば100Hz〜5kHz程度の値に設定されている。また、パルス状電圧V2pの立ち上がり勾配ΔV2は、パルス幅τ2の半分の時間で直流電圧V2dからピーク電圧値V2maxに到達するように、例えば100kV/μs以上の値に設定されている。
Figure 2009069396
なお、第2の外部電極10には、パルス状電圧V2pが印加されないときでも、直流電圧V2dが印加されている。このため、パルス状電圧V2pが印加されないときでも、第2の外部電極10には、弱いコロナ放電が生じている。また、パルス状電圧V2p間の間隔S2が長くなるに従って、針状電極10Bの強いコロナ放電の頻度が低下し、塗料粒子に対する帯電効率が低下する。このため、間隔S2(パルス状電圧V2pの繰返し周期T2)は、リフレッシュ時間よりも長時間となる範囲で、できるだけ短時間に設定するのが好ましい。
第1の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置1は上述のような構成を有するもので、次に、該塗装装置1を用いた塗装動作について説明する。
噴霧器2は、エアモータ3によって回転霧化頭4を高速回転させ、この状態でフィードチューブ5を通じて回転霧化頭4に塗料を供給する。これにより、噴霧器2は、回転霧化頭4が回転するときの遠心力によって塗料を微粒化し、塗料粒子として噴霧する。また、シェーピングエアリング7からシェーピングエアが供給され、このシェーピングエアによって塗料粒子からなる噴霧パターンが制御される。
また、第1の外部電極8の針状電極8Bには、直流電圧からなる第1の高電圧V1が印加されている。このため、針状電極8Bとアース電位となった被塗物Aとの間には常に静電界が形成されている。一方、第2の外部電極10の針状電極10Bには、間欠的なパルス状電圧V2pからなる第2の高電圧V2が印加されている。このため、針状電極10Bは、間欠的に強いコロナ放電を生じ、回転霧化頭4の周囲にコロナ放電に伴うイオン化圏域を発生させる。この結果、回転霧化頭4から噴霧された塗料粒子は、イオン化圏域を通過することによって、間接的に高電圧に帯電する。そして、帯電した塗料粒子(帯電塗料粒子)は、針状電極8Bと被塗物Aとの間に形成された静電界に沿って飛行し、被塗物Aに塗着する。
然るに、第1の実施の形態では、第2の外部電極10は、第1の外部電極8よりも回転霧化頭4に近い位置に配置したから、第2の外部電極10は、回転霧化頭4から噴霧された塗料粒子を帯電させる塗料粒子帯電用電極として使用することができる。
ここで、第2の外部電極10は第1の外部電極8よりも回転霧化頭4に近い位置に配置したから、第2の外部電極10とアース体である回転霧化頭4との間でスパークが生じないように、第2の外部電極10には、第1の外部電極8よりも低い電圧を印加する必要がある。このため、第2の外部電極10に直流電圧を印加した場合には、電圧が低くなる分だけコロナ放電が生じ難くなり、塗料粒子に対する帯電効率が低下する傾向がある。
また、第2の外部電極10に直流電圧を印加した場合には、より強いコロナ放電が1箇所に膠着(集中)し易い。この理由は、放電によって電流が流れてイオン化されることで局所的な見かけ上の絶縁抵抗がさらに低下するためである。この結果、1箇所の電極の周囲でのみストリーマーに進展し易い状態になる。このため、第2の外部電極10の針状電極10Bを回転霧化頭4の周囲に6個設けた場合でも、いずれか1個の針状電極10Bでコロナ放電が生じると、コロナ放電が生じた針状電極10Bの周囲が他の部位に比べて絶縁抵抗が低下する。この結果、同じ針状電極10Bで集中的にコロナ放電が生じ、ストリーマーに進展してスパークに至る可能性がある。
これに対し、第1の実施の形態では、第2の外部電極10には、第2の高電圧V2として電圧が間欠的に変化するパルス状電圧V2pを印加する構成としている。このため、第2の外部電極10には強いコロナが間欠的に生成されるため、放電が1箇所に集中してスパークに移行するストリーマーの発生を常時防ぐことができる。
従って、第1の実施の形態のように、パルス状電圧V2pを用いた場合には、ストリーマーが発生して進展する前に電圧を低下させるため、直流電圧を用いた場合に比べて、パルス状電圧V2pのピーク電圧値V2maxをより高い電圧値に設定することができる。このため、回転霧化頭4から噴霧される塗料粒子により多くの電荷を帯電させることができるから、塗料の塗着効率を向上することができる。
また、6個の第2の外部電極10は、回転霧化頭4に近い位置で回転霧化頭4を取囲むと共に、パルス状電圧V2pからなる第2の高電圧V2が印加される。このため、6個の第2の外部電極10で均等なコロナ放電を継続的に発生させることができるから、回転霧化頭4の放出端縁4Aの全周から放出される個々の塗料粒子に対して、均一で、かつ充分な高電圧を帯電させることができる。即ち、個々の塗料粒子に常時均等に電荷を帯電させることができ、極端に帯電量の低い塗料粒子は発生しなくなる。この結果、静電界から逸脱した浮遊塗料粒子の発生を抑えることができ、浮遊塗料粒子がハウジング部材6の外表面6Aに付着して汚染するのを防止することができる。
一方、第1の外部電極8は、第2の外部電極10に比べて回転霧化頭4から離れた位置に配置したから、第1の外部電極8には第2の外部電極10に比べて高い電圧を印加することができる。このため、第1の外部電極8は、被塗物Aとの間に強い電界を形成する電界形成用電極として使用することができる。この結果、第2の外部電極10によって帯電した塗料粒子を、第1の外部電極8と被塗物Aとの間に形成された強い静電界に沿って飛行させることができ、被塗物Aに確実に塗着させることができる。
また、第1の外部電極8は第1の高電圧V1によるコロナ放電を生じる。このとき、第1の外部電極8は、ハウジング部材6から隙間をもって離間した位置に配置されているから、ハウジング部材6の外表面6Aに対して広い範囲に亘って放電イオンを供給することができる。このため、ハウジング部材6の外表面6Aを広い範囲に亘って帯電塗料粒子と同極性に帯電させることができ、外表面6Aと帯電塗料粒子とを反発させて、帯電塗料粒子が外表面6Aに付着するのを確実に抑制することができる。
さらに、第1の外部電極8は、コロナ放電を生じることによって、その周囲を浮遊する塗料粒子を再帯電させることができる。このため、例えば回転霧化頭4から噴霧された塗料粒子の一部が第2の外部電極10によって帯電しなかったときでも、この塗料粒子は第1の外部電極8を用いて再帯電させることができる。これにより、電荷を失ってハウジング部材6の周囲を浮遊する塗料粒子を減少させることができ、塗料の塗着効率を高めることができる。
また、第2の外部電極10によって塗料粒子の帯電を行うから、回転霧化頭4との間で短絡が生じないように、第1の外部電極8と回転霧化頭4との間の距離を充分に離すことができる。このため、第1の外部電極8に関する設計自由度を高めることができる。
また、第1の外部電極8は被塗物Aとの間の静電界を形成するために機能し、第2の外部電極10は塗料粒子に対する帯電を行うために機能する構成となっている。このため、それぞれの外部電極8,10は、その機能のために精度の高い電圧V1,V2の設定が可能となるから、塗料の塗着効率を高めることができ、塗料コストを低減することができる。
さらに、数3の式に示すように、第2の高電圧発生器12から発生するパルス状電圧V2pのパルス幅τ2は、ストリーマー形成時間よりも短時間に設定されている。このため、第2の外部電極10にパルス状電圧V2pを印加したときに電子なだれが増加しても、ストリーマーに進展する前にパルス状電圧V2pの電圧を低下させることができ、スパークの発生を防止することができる。
また、第2の高電圧発生器12によるパルス状電圧V2p間の間隔S2は、正イオン数が減少して第2の外部電極10の周囲で弱い安定したコロナ放電が生じるまでのリフレッシュ時間よりも長時間に設定されている。このため、例えば第2の外部電極10に1回目のパルス状電圧V2pを印加したときに、第2の外部電極10の周囲で正イオン数が増加しても、次なる2回目のパルス状電圧V2pを印加する時点では、この正イオン数が減少する。このように、第2の外部電極10にパルス状電圧V2pを印加するときには、第2の外部電極10の周囲の絶縁抵抗が高い状態にすることができる。
これにより、第2の外部電極10にパルス状電圧V2pを印加したときに電子なだれが増加しても、次のパルス状電圧V2pを印加する前には正イオン数を減少させて第2の外部電極10の周囲を電子なだれが増加する前の状態(弱いコロナ放電が継続した状態)に戻すことができ、ストリーマーの進展を確実に防止することができる。
また、第2の外部電極10は先端が回転霧化頭4の周囲に位置した針状電極10Bを用いて形成したから、針状電極10Bの先端に電界を集中させてコロナ放電を促進させることができる。また、第2の高電圧発生器12は電圧が間欠的に変化するパルス状電圧V2pを第2の外部電極10に印加する。このため、針状電極10Bを複数個設けたときでも、1個の針状電極10Bにコロナ放電が集中することがなく、全ての針状電極10Bで均等にコロナ放電を発生させることができる。
さらに、第1の外部電極8は針状電極8Bを用いて形成したから、針状電極8Bの先端に電界を集中させることができ、針状電極8Bと被塗物Aとの間に強い静電界を形成することができる。このため、強い静電界を用いて、第1,第2の外部電極8,10によって帯電した帯電塗料粒子を積極的に被塗物A側に向かわせることができる。
なお、第1の実施の形態では、シェーピングエアリング7は、絶縁性樹脂材料を用いて形成するものとした。しかし、本発明はこれに限らず、例えばシェーピングエアリングを導電性金属材料を用いて形成してもよい。この場合、金属材料からなるシェーピングエアリングには、第2の外部電極10からコロナイオンが供給されるから、シェーピングエアリングの全体がほぼ均一な状態で帯電塗料粒子と同極性に帯電する。これにより、シェーピングエアリングは反発電極として機能するから、シェーピングエアリングに帯電塗料粒子が付着するのを防止することができる。
次に、図7ないし図10は第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
第2の実施の形態の特徴は、第1,第2の外部電極をリング状電極を用いて形成したことにある。なお、第2の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
21は第2の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置21は、第1の実施の形態による塗装装置1とほぼ同様に、噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極22,23、第1,第2の高電圧発生器11,12によって構成されている。
22はハウジング部材6の外周側に設けられた第1の外部電極で、該第1の外部電極22は、第1の実施の形態による第1の外部電極8とほぼ同様に、ハウジング部材6の後側に配置された鍔状の支持部9に取付けられている。しかし、第1の外部電極22は、針状電極8Bに代えて、リング状電極22Bを用いて構成している点で、第1の実施の形態による第1の外部電極8とは異なっている。
そして、外部電極22は、支持部9から前側に向けて長尺の棒状に延びた例えば3本の電極支持部22Aと、該電極支持部22Aの先端に設けられたリング状電極22Bとによって構成されている。ここで、3本の電極支持部22Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁樹脂材料を用いて形成され、周方向に等間隔に配置されている。一方、リング状電極22Bは、例えば100MΩ〜300MΩ程度の抵抗値をもった半導電性材料を用いて円形のリング状に形成され、抵抗22Cを介して第1の高電圧発生器11に接続されている。
ここで、リング状電極22Bは、例えば半導電性材料からなる細長いワイヤを円環状に湾曲させることによって形成されている。また、抵抗22Cは、リング状電極22Bが被塗物Aと短絡しても、第1の高電圧発生器11側に蓄えられた電荷が一気に放電するのを抑制するものである。そして、リング状電極22Bには、高電圧発生器11による第1の高電圧V1が印加される構成となっている。
また、リング状電極22Bは、回転霧化頭4と同軸の環状に配置され、回転軸3Cを中心として直径寸法が大きい大径円に沿った位置に設けられている。これにより、リング状電極22Bは、全周に亘って回転霧化頭4との距離寸法が全て等しくなっている。さらに、外部電極22のリング状電極22Bは、ハウジング部材6と隙間(空間)をもって離間すると共に、ハウジング部材6の周囲を取囲んで配置されている。これにより、外部電極22は、リング状電極22Bでコロナ放電が生じることによって、ハウジング部材6の周囲を浮遊する塗料粒子に高電圧を再帯電させると共に、ハウジング部材6の外表面6Aにコロナイオンを供給して、ハウジング部材6を帯電させるものである。
23はハウジング部材6の前側に設けられた第2の外部電極で、該第2の外部電極23は、第1の外部電極22とほぼ同様に、ハウジング部材6から前側に向けて短尺の棒状に延びた例えば3本の電極支持部23Aと、該電極支持部23Aの先端に設けられたリング状電極23Bとによって構成されている。
ここで、電極支持部23Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁性樹脂材料を用いて形成され、周方向に等間隔に配置されている。一方、リング状電極23Bは、例えば100MΩ〜300MΩ程度の抵抗値をもった半導電性材料を用いて円形のリング状に形成され、抵抗23Cを介して第2の高電圧発生器12に接続されている。また、抵抗23Cは、リング状電極23Bが被塗物Aと短絡しても、第2の高電圧発生器12側に蓄えられた電荷が一気に放電するのを抑制するものである。そして、リング状電極23Bには、高電圧発生器12による第2の高電圧V2が印加される構成となっている。
また、外部電極23のリング状電極23Bは、回転霧化頭4と同軸の環状に配置され、第1の外部電極22のリング状電極22Bよりも内周側で、かつ前側に位置している。具体的には、リング状電極23Bは、回転軸3Cを中心としてリング状電極22Bよりも直径寸法が小さい小径円に沿った位置に設けられる。これに加え、リング状電極23Bは、軸方向(前,後方向)に対して第1の外部電極22のリング状電極22Bよりも回転霧化頭4に近い前側に位置している。
これにより、リング状電極23Bは、全周に亘って回転霧化頭4との距離寸法が全て等しくなると共に、第1の外部電極22のリング状電極22Bよりも回転霧化頭4に近い位置に配置されている。そして、外部電極23は、リング状電極23Bでコロナ放電が生じることによって、主として回転霧化頭4から噴霧される塗料粒子に高電圧を帯電させる。
かくして、第2の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態では、第2の外部電極23は回転霧化頭4の外周側を取囲むリング状電極23Bを用いて形成したから、リング状電極23Bの全周に亘って均等にコロナ放電を発生させることができる。また、第2の高電圧発生器12は電圧が間欠的に変化するパルス状電圧V2pを第2の外部電極23に印加するから、リング状電極23Bの一部にコロナ放電が集中することがなく、リング状電極23Bの全周で均等にコロナ放電を発生させることができる。
また、一般に金属材料からなるリング状電極は、針状電極に比べて対地静電容量が大きい。このため、従来の金属材料製リング状電極を用いた場合、被塗物A等のアース体に異常接近してスパークが発生すると、放電電流が大きくなる傾向があり、着火の可能性が増加する。
これに対し、本実施の形態では、リング状電極22B,23Bは半導電性材料を用いて形成したから、放電電流を小さくすることができ、着火を抑制することができる。
第1の外部電極22はハウジング部材6の外周側を取囲むリング状電極22Bを用いて形成したから、リング状電極22Bの全周でコロナ放電を発生させることができる。このため、ハウジング部材6に十分な量の放電イオンを供給でき、ハウジング部材6の外表面6Aの高電圧電位を安定して維持することができる。また、リング状電極22Bによるコロナ放電によって、帯電量が減衰した塗料粒子に対して再帯電させることができる。
なお、第2の実施の形態では、リング状電極22B,23Bは半導電性材料を用いて形成する構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば図11に示す変形例のように、導電性材料からなる金属ワイヤ24の表面に絶縁性被膜25を設けてリング状電極23B′を形成してもよい。この場合でも、絶縁性被膜25によってスパークの発生を防止することができる。
次に、図12は第3の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
第3の実施の形態の特徴は、第1の外部電極は針状電極を用いて形成し、第2の外部電極はリング状電極を用いて形成する構成としたことにある。なお、第3の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
31は第3の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置31は、第1の実施の形態による塗装装置1とほぼ同様に、噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極8,32、第1,第2の高電圧発生器11,12によって構成されている。
32はハウジング部材6の前側に設けられた第2の外部電極で、該第2の外部電極32は、第2の実施の形態による第2の外部電極23とほぼ同様に、ハウジング部材6から前側に向けて短尺の棒状に延びた例えば3本の電極支持部32Aと、該電極支持部32Aの先端に設けられたリング状電極32Bとによって構成されている。
ここで、電極支持部32Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁性樹脂材料を用いて形成され、周方向に等間隔に配置されている。一方、リング状電極32Bは、例えば半導電性材料を用いて、または導電性材料の表面に絶縁樹脂被膜を設けたものを用いて円形のリング状に形成され、火花放電等を抑制するための抵抗(図示せず)を介して第2の高電圧発生器12に接続されている。そして、リング状電極32Bには、高電圧発生器12による第2の高電圧V2が印加される構成となっている。
また、外部電極32のリング状電極32Bは、回転霧化頭4と同軸の環状に配置され、第1の外部電極8の針状電極8Bよりも内周側で、かつ前側に位置している。具体的には、リング状電極32Bは、回転軸3Cを中心として針状電極8Bよりも内径側に位置する小径円に沿った位置に設けられる。これに加え、リング状電極32Bは、軸方向(前,後方向)に対して第1の外部電極8の針状電極8Bよりも回転霧化頭4に近い前側に位置している。
これにより、リング状電極32Bは、全周に亘って回転霧化頭4との距離寸法が全て等しくなると共に、第1の外部電極8の針状電極8Bよりも回転霧化頭4に近い位置に配置されている。そして、外部電極32は、リング状電極32Bでコロナ放電が生じることによって、主として回転霧化頭4から噴霧される塗料粒子に高電圧を帯電させる。
かくして、第3の実施の形態でも第1,第2の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態では、第1の外部電極8は針状電極8Bを用いて形成したから、例えば第1の外部電極8をリング状電極を用いて形成した場合に比べて、針状電極8Bに電界を集中させて、針状電極8Bと被塗物Aとの間に強い静電界を形成することができる。このため、針状電極8Bによる強い静電界を用いて、第2の外部電極32によって帯電した塗料粒子を積極的に被塗物Aに向かわせることができる。
次に、図13および図14は第4の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
第4の実施の形態の特徴は、第1の高電圧発生器はパルスからなる第1の高電圧を第1の外部電極に供給し、第2の高電圧発生器はパルスからなる第2の高電圧を第2の外部電極に供給する構成としたことにある。なお、第4の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
41は第4の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置41は、第1の実施の形態による塗装装置1とほぼ同様に、噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極8,10、第1,第2の高電圧発生器42,12によって構成されている。
42は第1の外部電極8に接続された第1の高電圧印加手段としての第1の高電圧発生器で、該高電圧発生器42は、第2の高電圧発生器12とほぼ同様に、多段式整流回路42A、パルス発生回路42B、コンデンサ42C、抵抗42Dによって構成されている。そして、パルス発生回路42Bは、コンデンサ42Cおよび抵抗42Dを介して多段式整流回路42Aの出力側に接続されると共に、コンデンサ42Cと抵抗42Dとの間が外部電極8の針状電極8Bに接続されている。
また、高電圧発生器42は、第2の高電圧V2よりも高い範囲で電圧が間欠的に変化するパルス状電圧V1pを生成し、このパルス状電圧V1pからなる第1の高電圧V1を外部電極8の針状電極8Bに対して供給する。具体的には、第1の高電圧V1は、図14に示すように、例えば−30kV〜−60kVの直流電圧V1dと、例えば−30kV〜−90kVのパルス振幅A1pをもったパルス状電圧V1pとによって構成される。このとき、直流電圧V1dは、第2の高電圧V2よりも高い範囲で設定されている。また、パルス振幅A1pは、例えば直流電圧V1dの1.5倍以下の値に設定されている。これにより、パルス状電圧V1pのピーク電圧値V1max(最大電圧値)は、以下の数6の式に示すように、例えば−60kV〜−150kVに設定されている。
Figure 2009069396
なお、第2の高電圧V2は、第1の実施の形態と同様に、例えば−10kV〜−30kVの直流電圧V2dと、例えば−10kV〜−45kVのパルス振幅A2pをもったパルス状電圧V2pとによって構成されている。
また、パルス状電圧V1pのパルス幅τ1(半値幅)は、以下の数7の式に示すように、電子なだれの増加によってストリーマーが形成されるストリーマー形成時間よりも短時間となるように設定されている。
Figure 2009069396
さらに、2つの隣合うパルス状電圧V1p間の間隔S1は、以下の数8の式に示すように、正イオン数が減少して第1の外部電極8(針状電極8B)の周囲で弱い安定したコロナ放電が生じるまでのリフレッシュ時間よりも長時間となるように設定されている。
Figure 2009069396
なお、第1の外部電極8には、パルス状電圧V1pが印加されないときでも、直流電圧V1dが印加されている。このため、パルス状電圧V1pが印加されないときでも、第1の外部電極8には、弱いコロナ放電が生じている。
そして、第1,第2の高電圧発生器42,12は、パルス状電圧V1p,V2pを同一周期かつ同一位相で印加する。これにより、パルス状電圧V1p,V2pは同じタイミング(同期して)で印加されるから、パルス状電圧V1p,V2pを異なるタイミングで印加した場合に比べて、パルス状電圧V1p,V2pの印加時における針状電極8B、10B間の電位差を小さくすることができる。このため、針状電極8B、10B間の電位差に基づいて外部電極8,10に塗料粒子が付着するときでも、この塗料粒子の付着を防ぐことができ、外部電極8,10の汚染を抑制することができる。
かくして、第4の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態では、第1の高電圧発生器42は第1の高電圧V1として間欠的に電圧が高くなるパルス状電圧V1pを第1の外部電極8に印加するから、直流電圧を印加する場合に比べて、第1の外部電極8に印加する電圧を高めることができる。このため、ハウジング部材6の外表面6Aに対してより多くの放電イオンを供給することができると共に、浮遊した塗料粒子に対してより多くの電荷を再帯電させることができる。
なお、第4の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1,第2の外部電極8,10は針状電極8B,10Bを用いて形成したが、第2の実施の形態のように、第1,第2の外部電極はリング状電極を用いて形成してもよい。また、第4の実施の形態による第1の高電圧発生器42を、第3の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置31に適用してもよい。
次に、図15は第5の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
第5の実施の形態の特徴は、回転霧化頭を絶縁性樹脂材料を用いて形成したことにある。なお、第5の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
51は第5の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置51は、第1の実施の形態による塗装装置1とほぼ同様に、噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極8,10、第1,第2の高電圧発生器11,12によって構成されている。但し、噴霧器2の回転霧化頭52が絶縁性樹脂材料を用いて形成されている点で、第1の実施の形態による塗装装置1とは異なっている。
52は第5の実施の形態による回転霧化頭で、該回転霧化頭52は、エアモータ3の回転軸3Cの先端側に取付けられている。また、回転霧化頭52は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、POM(ポリオキシメチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PP(ポリプロピレン)、HP−PE(高圧ポリエチレン)、HP−PVC(高圧塩化ビニル)、PEI(ポリエーテルイミド)、PES(ポリエーテルサルホン)、ポリメチルペンテン、PPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PAI(ポリアミドイミド)、PI(ポリイミド)等の絶縁性樹脂材料によって形成されている。
そして、回転霧化頭52がエアモータ3によって高速回転される。この状態で、フィードチューブ5を通じて回転霧化頭52に塗料が供給されると、回転霧化頭52は、その塗料を遠心力によって先端側の放出端縁52Aから噴霧する。
かくして、第5の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第5の実施の形態では、回転霧化頭52は、絶縁性樹脂材料を用いて形成したから、回転霧化頭52を導電性材料を用いて形成した場合に比べて、第2の外部電極10と回転霧化頭52との間で高電圧V2によるスパークが生じるのを抑制することができる。このため、第2の外部電極10に対する第2の高電圧V2の設定、および第2の外部電極10の配置寸法等の設計自由度が向上するから、塗装装置51全体を小型化することができ、塗装装置51の塗装操作性を向上させることができる。
なお、第5の実施の形態では、回転霧化頭52は絶縁性樹脂材料を用いて形成するものとした。しかし、本願発明はこれに限らず、回転霧化頭は、例えば半導電性樹脂材料を用いて形成してもよく、絶縁性樹脂材料の表面に半導電性被膜を設けることによって形成してもよい。これらの場合でも、第5の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
次に、図16および図17は第6の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
第6の実施の形態の特徴は、第1の外部電極をブレード状電極を用いて形成したことにある。なお、第6の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
61は第6の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置61は、第1の実施の形態による塗装装置1とほぼ同様に、噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極62,10、第1,第2の高電圧発生器11,12によって構成されている。
62はハウジング部材6の外周側に設けられた第1の外部電極で、該第1の外部電極62は、第1の実施の形態による第1の外部電極8とほぼ同様に、ハウジング部材6の後側に配置された鍔状の支持部9に取付けられている。しかし、第1の外部電極62は、針状電極8Bに代えて、ブレード状電極63を用いて構成している点で、第1の実施の形態による第1の外部電極8とは異なっている。
そして、外部電極62は、支持部9から前側に向けて長尺の棒状に延びた例えば3本の電極支持部62Aと、該電極支持部62Aの先端に設けられたブレード状電極63とによって構成されている。ここで、3本の電極支持部62Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁樹脂材料を用いて形成され、周方向に等間隔に配置されている。
また、ブレード状電極63は、回転霧化頭4と同軸の環状に配置され、回転軸3Cを中心として直径寸法が大きい大径円に沿った位置に設けられている。さらに、ブレード状電極63は、ハウジング部材6と隙間(空間)をもって離間すると共に、ハウジング部材6の外周側を取囲んで配置されている。これにより、ブレード状電極63は、全周に亘って回転霧化頭4およびハウジング部材6との距離寸法が等しくなっている。
また、ブレード状電極63は、例えば金属等の導電性材料または半導電性材料を用いて略円筒状に形成されている。ここで、ブレード状電極63は、前,後両方向にそれぞれ突出した前側突出部63Aと後側突出部63Bとを有すると共に、外径方向に突出した円環状の鍔部63Cを備えている。
そして、ブレード状電極63は、抵抗(図示せず)を介して第1の高電圧発生器11に接続されている。これにより、ブレード状電極63には、高電圧発生器11による第1の高電圧V1が印加される。このため、ブレード状電極63とアース電位となった被塗物Aとの間には静電界が形成される。
64,65,66はブレード状電極63の前側突出部63A,後側突出部63B,鍔部63Cの先端にそれぞれ設けられたエッジ部である。ここで、前側エッジ部64は、前側突出部63Aの厚さ寸法を前方に向けて漸次薄くすることによって、薄刃状に尖って形成されている。また、後側エッジ部65は、後側突出部63Bの厚さ寸法を後方に向けて漸次薄くすることによって、薄刃状に尖って形成されている。さらに、鍔状エッジ部66は、鍔部63Cの厚さ寸法を外径方向に向けて漸次薄くすることによって、薄刃状に尖って形成されている。
そして、エッジ部64,65,66は、ブレード状電極63の全周に亘って電界を高めている。これにより、エッジ部64,65,66は、例えば90kVの高電圧を印加したときに、20μA〜100μA程度の放電電流が流れて、安定したコロナ放電を生じさせる。この結果、外部電極62は、ブレード状電極63でコロナ放電が生じることによって、ハウジング部材6の周囲を浮遊する塗料粒子に高電圧を再帯電させると共に、ハウジング部材6の外表面6Aにコロナイオンを供給して、ハウジング部材6を帯電させるものである。
かくして、第6の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第6の実施の形態では、第1の外部電極62はブレード状電極63を用いて形成したから、ブレード状電極63のエッジ部64,65,66に電界を集中させることができ、ブレード状電極63の全周でコロナ放電を発生させることができる。このため、ハウジング部材6に十分な量の放電イオンを供給でき、ハウジング部材6の外表面6Aの高電圧電位を安定して維持することができる。また、ブレード状電極63のエッジ部64,65,66によるコロナ放電によって、帯電量が減衰した塗料粒子に対して再帯電させることができる。
さらに、ブレード状電極63は、エッジ部64,65,66を用いてハウジング部材6を取囲む環状のエッジ部64,65,66の全体を用いて、コロナ放電を生じさせることができる。このため、ブレード状電極63のうち部分的にコロナ放電させた場合に比べて、ブレード状電極63を小型化することができ、ブレード状電極63と被塗物Aとの間に十分な距離を確保することができる。この結果、ブレード状電極63と被塗物Aとの間の火花放電を防止できると共に、狭い空間で塗装を行うときでも、塗装装置61の可動範囲を広げて、操作性を高めることができる。
次に、図18および図19は第7の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
第7の実施の形態の特徴は、第1の外部電極はブレード状電極を用いて形成すると共に、ブレード状電極のエッジ部には、ブレード状電極の全周のうち複数箇所に切欠きを設けたことにある。なお、第7の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
71は第7の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置71は、第1の実施の形態による塗装装置1とほぼ同様に、噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極72,10、第1,第2の高電圧発生器11,12によって構成されている。
72はハウジング部材6の外周側に設けられた第1の外部電極で、該第1の外部電極72は、第1の実施の形態による第1の外部電極8とほぼ同様に、ハウジング部材6の後側に配置された鍔状の支持部9に取付けられている。ここで、第1の外部電極72は、第6の実施の形態による外部電極62と同様に、ブレード状電極73を用いて構成されている。
そして、外部電極72は、支持部9から前側に向けて長尺の棒状に延びた例えば3本の電極支持部72Aと、該電極支持部72Aの先端に設けられたブレード状電極73とによって構成されている。ここで、3本の電極支持部72Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁樹脂材料を用いて形成され、周方向に等間隔に配置されている。
また、ブレード状電極73は、回転霧化頭4と同軸の環状に配置され、回転軸3Cを中心として直径寸法が大きい大径円に沿った位置に設けられている。さらに、ブレード状電極73は、ハウジング部材6と隙間(空間)をもって離間すると共に、ハウジング部材6の外周側を取囲んで配置されている。これにより、ブレード状電極73は、全周に亘って回転霧化頭4およびハウジング部材6との距離寸法が等しくなっている。
また、ブレード状電極73は、例えば金属等の導電性材料または半導電性材料を用いて略円筒状に形成されている。ここで、ブレード状電極73は、前側に突出した前側突出部73Aと、後側に突出した後側突出部73Bと、外径方向に突出した円環状の鍔部73Cとを備えている。
そして、ブレード状電極73は、抵抗(図示せず)を介して第1の高電圧発生器11に接続されている。これにより、ブレード状電極73には、高電圧発生器11による第1の高電圧V1が印加される。このため、ブレード状電極73とアース電位となった被塗物Aとの間には静電界が形成される。
74,75,76はブレード状電極73の前側突出部73A,後側突出部73B,鍔部73Cの先端にそれぞれ設けられたエッジ部である。
ここで、前側エッジ部74は、前側突出部73Aの厚さ寸法を前方に向けて漸次薄くすることによって、薄刃状に尖って形成されている。しかも、前側エッジ部74は、隣合う切欠き77を挟んで、複数個(例えば10個)形成されている。また、後側エッジ部75は、後側突出部73Bの厚さ寸法を後方に向けて漸次薄くすることによって、薄刃状に尖って10個形成されている。さらに、鍔状エッジ部76は、鍔部73Cの厚さ寸法を外径方向に向けて漸次薄くすることによって、薄刃状に尖って10個形成されている。
そして、エッジ部74,75,76は、ブレード状電極73の全周に亘って電界を高めている。これにより、エッジ部74,75,76は、例えば90kVの高電圧を印加したときに、20μA〜100μA程度の放電電流が流れて、安定したコロナ放電を生じさせるものである。
77,78,79はエッジ部74,75,76のうちブレード状電極73の周方向に沿って複数箇所にそれぞれ設けられた切欠きで、該切欠き77〜79は、例えばブレード状電極73の周方向に対して等間隔に10個設けられている。
このとき、各切欠き77は、円弧形状をなしてエッジ部74の周方向に沿って延びている。しかも、切欠き77は、隣合う2つのエッジ部74に挟まれて複数個(例えば10個)形成されている。これにより、切欠き77は、エッジ部74のうちその周方向の両側の端部74Aにさらに電界を集中し、放電を促進させるものである。
同様に、切欠き78も、隣合う2つのエッジ部75に挟まれて10個形成され、その周方向の両側の端部75Aにさらに電界を集中させている。さらに、切欠き79も、隣合う2つのエッジ部76に挟まれて10個形成され、その周方向の両側の端部76Aにさらに電界を集中させている。
かくして、第7の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第7の実施の形態では、ブレード状電極73のエッジ部74〜76には周方向の複数箇所に切欠き77〜79を設けたから、切欠き77〜79の周方向両側に位置する端部74A〜76Aで電界集中をさらに高めることができる。これにより、端部74A〜76Aで放電を起こし易くすることができ、エッジ部74〜76のコロナ放電を促進することができる。
次に、図20および図21は第8の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置を示している。
第8の実施の形態の特徴は、第1の外部電極は、螺旋状に巻回したワイヤからなる螺旋状電極を用いて形成したことにある。なお、第8の実施の形態では第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
81は第8の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置で、該塗装装置81は、第1の実施の形態による塗装装置1とほぼ同様に、噴霧器2、ハウジング部材6、第1,第2の外部電極82,10、第1,第2の高電圧発生器11,12によって構成されている。
82はハウジング部材6の外周側に設けられた第1の外部電極で、該第1の外部電極82は、第1の実施の形態による第1の外部電極8とほぼ同様に、ハウジング部材6の後側に配置された鍔状の支持部9に取付けられている。但し、第1の外部電極82は、針状電極8Bに代えて、螺旋状電極83を用いて構成している点で、第1の実施の形態による第1の外部電極8とは異なっている。
そして、外部電極82は、支持部9から前側に向けて長尺の棒状に延びた例えば3本の電極支持部82Aと、該電極支持部82Aの先端に設けられた螺旋状電極83とによって構成されている。ここで、3本の電極支持部82Aは、例えばハウジング部材6と同じ絶縁樹脂材料を用いて形成され、周方向に等間隔に配置されている。
また、螺旋状電極83は、例えば金属等の導電性材料または半導電性材料のワイヤを用いて形成されている。そして、螺旋状電極83は、ワイヤを螺旋状(コイル状)に例えば18回巻回すると共に、該ワイヤを用いてリング状に形成されている。ここで、螺旋状電極83に用いるワイヤの直径は、放電開始電界が得られ、かつ形状維持ができるように、例えば0.3〜5mm程度の値に設定されている。そして、互いに隣合う螺旋状電極83の各ターン間のピッチは、コロナ雲の間隔に比べて十分に大きな値として例えば20mm以上の間隔寸法だけ離れている。
また、螺旋状電極83は、ハウジング部材6と隙間(空間)をもって離間すると共に、ハウジング部材6の外周側を取囲んで配置されている。そして、螺旋状電極83は、抵抗(図示せず)を介して第1の高電圧発生器11に接続されている。これにより、螺旋状電極83には、高電圧発生器11による第1の高電圧V1が印加される。このため、螺旋状電極83とアース電位となった被塗物Aとの間には静電界が形成される。
かくして、第8の実施の形態でも第1の実施の形態と同様の作用効果を得ることができる。特に、第8の実施の形態では、第1の外部電極82はハウジング部材6を取囲む周方向に向けてワイヤを旋回させた螺旋状電極83を用いる構成としている。このため、第1の外部電極82の外形を小さくしつつ、螺旋状電極83のワイヤの全長を延ばすことができる。これにより、全長の長いワイヤ全体でコロナ放電を生じさせることができるから、第1の外部電極82を小型化しつつ放電イオンの量を増加させることができる。
なお、第5の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第1,第2の外部電極8,10は針状電極8B,10Bを用いて形成したが、第2の実施の形態のように、第1,第2の外部電極はリング状電極を用いて形成してもよい。また、第5の実施の形態による回転霧化頭52を、第3,第4,第6,第7,第8の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置31,41,61,71,81に適用してもよい。
また、第6,第7の実施の形態では、ブレード状電極63,73は前,後の両方向および外径方向の合計3方向にエッジ部64,65,66,74,75,76を設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、前方向、後方向、外径方向の3方向のうちいずれか1方向または2方向にエッジ部を備えたブレード状電極を用いてもよい。
また、第6〜第8の実施の形態では、第1の実施の形態と同様に、第2の外部電極10は針状電極10Bを用いて形成したが、第2の実施の形態のように、第2の外部電極はリング状電極を用いて形成してもよい。また、第6〜第8の実施の形態による第1の外部電極62,72,82を、第4の実施の形態による回転霧化頭型塗装装置41に適用してもよい。
さらに、前記第1,第3,第4、第6〜第8の実施の形態では、第1,第2の外部電極8,10の針状電極8B,10Bをそれぞれ6個設ける構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、例えば第1,第2の外部電極の針状電極の数は5個以下でもよく、7個以上でもよい。

Claims (12)

  1. 前端側に回転霧化頭(4,52)を有し該回転霧化頭(4,52)に供給された塗料を被塗物(A)に噴霧する塗料噴霧手段(2)と、絶縁材料によって形成され前側に該塗料噴霧手段(2)を保持するハウジング部材(6)と、該ハウジング部材(6)の外周側に配置された第1の外部電極(8,22,62,72,82)と、該第1の外部電極(8,22,62,72,82)よりも前記回転霧化頭(4,52)に近い位置に配置された第2の外部電極(10,23,23′,32)と、前記第1の外部電極(8,22,62,72,82)に第1の高電圧(V1)を印加する第1の高電圧印加手段(11,42)と、前記第2の外部電極(10,23,23′,32)に第2の高電圧(V2)を印加する第2の高電圧印加手段(12)とからなる静電塗装装置において、
    前記第2の高電圧印加手段(12)は、前記第1の高電圧(V1)よりも低い範囲で電圧が間欠的に変化するパルス状電圧(V2p)を生成し、該パルス状電圧(V2p)からなる前記第2の高電圧(V2)を前記第2の外部電極(10,23,23′,32)に印加する構成としたことを特徴とする静電塗装装置。
  2. 前記第2の高電圧印加手段(12)は、前記パルス状電圧(V2p)のパルス幅(τ2)を、電子なだれの増加によってストリーマーが形成されるストリーマー形成時間よりも短時間に設定し、前記パルス状電圧(V2p)間の間隔(S2)を、正イオン数が減少して前記第2の外部電極(10,23,23′,32)の周囲で弱い安定したコロナ放電が生じるまでのリフレッシュ時間よりも長時間に設定する構成としてなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  3. 前記第2の外部電極(10)は、先端が前記回転霧化頭(4)の周囲に位置した針状電極(10B)を用いて形成してなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  4. 前記第2の外部電極(23,23′,32)は、前記回転霧化頭(4)の外周側を取囲むリング状電極(23B,23B′,32B)を用いて形成してなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  5. 前記リング状電極(23B,23B′,32B)は、半導電性材料を用いて、または導電性材料の表面に絶縁性被膜を設けたものを用いて形成してなる請求項4に記載の静電塗装装置。
  6. 前記第1の外部電極(8)は、先端が前記第2の外部電極(10)よりも前記回転霧化頭(4)から離れた位置に配置された針状電極(8B)を用いて形成してなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  7. 前記第1の外部電極(22)は、前記ハウジング部材(6)の外周側を取囲んで前記第2の外部電極(23)よりも前記回転霧化頭(4)から離れた位置に配置されたリング状電極(22B)を用いて形成してなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  8. 前記第1の外部電極(62,72)は、前記ハウジング部材(6)の外周側を取囲んで前記第2の外部電極(10)よりも前記回転霧化頭(4)から離れた位置に配置され、その先端が全周に亘って薄刃状に尖ってエッジ部(64,65,66,74,75,76)となったブレード状電極(63,73)を用いて形成してなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  9. 前記ブレード状電極(73)のエッジ部(74,75,76)には、前記ブレード状電極(73)の全周のうち複数箇所に切欠き(77,78,79)を設けてなる請求項8に記載の静電塗装装置。
  10. 前記第1の外部電極(82)は、前記ハウジング部材(6)の外周側を取囲んで前記第2の外部電極(10)よりも前記回転霧化頭(4)から離れた位置に配置され、螺旋状に巻回したワイヤからなる螺旋状電極(83)を用いて形成してなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  11. 前記第1の高電圧印加手段(42)は、電圧が間欠的に変化するパルス状電圧(V1p)を生成し、該パルス状電圧(V1p)からなる前記第1の高電圧(V1)を前記第1の外部電極(8)に印加する構成としてなる請求項1に記載の静電塗装装置。
  12. 前記回転霧化頭(52)は、絶縁性樹脂材料もしくは半導電性樹脂材料を用いて、または絶縁性樹脂材料の表面に半導電性被膜を設けたものを用いて形成してなる請求項1に記載の静電塗装装置。
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