JPWO2009066438A1 - アドレス割り当て方法、アドレス割り当てシステム、モバイルノード及び代理ノード - Google Patents

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Abstract

モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送する技術が開示され、その技術によれば、MN101が複数のIF1010、1011を介してネットワークから、ドメインID402を含むネットワーク情報40を受信し、受信したネットワーク情報内のドメインID402に基づいてIF1010、1011が同じドメイン11に接続していると判定した場合にIF1010、1011に同じアドレスを割り当てることを決定し、IF1010、1011がそれぞれ接続しているMAG111、112に対して同じアドレスをIF1010、1011の各リンク識別子にバインディングするように要求し、MAG111、112が要求に基づいてバインディングして、MN101の同じアドレスあてのパケットをMN101に転送する。

Description

本発明は、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法、アドレス割り当てシステム、モバイルノード及び代理ノードに関する。
近年、セルラ通信が進歩して多くの人の日常生活の一部となっている。また、今日では、セルラ電話機は音声通信として使用されるツールよりも多くの機能を有する。さらに新しい世代の電話機は、ユーザが例えばインターネットにアクセスしてデータ通信を行うことが可能な機能を有する。しかしながら、セルラ・オペレータは、インターネットサービスを提供することにより発生する新しい形態のセキュリティ上の脅威に対して、自身のシステムをオープンにしている。セルラ・オペレータのシステムの完全性や信用に被害を与えるのは、サービス否定(denial of service)やパケット攻撃である。例えば攻撃者がコンピュータを武装して、セルラ・オペレータのシステム内のアクティブでないインターネット・プロトコル(IP)アドレスにパケットを送信することができる。IPアドレスは、セルラ・オペレータが制御する有効なプリフィックスから構成されているので、セルラ・オペレータのシステムはこのIPアドレスあての経路を探索しようとする。この継続的で意味のない探索により、有効なシステム資源を浪費して、セルラ・オペレータが提供するサービスを有効な加入者が使用することを否定することになる。このような攻撃は、サービス否定攻撃(denial of service attack)として知られている。
したがって、セルラ・オペレータは常にセキュリティ・プロトコルを改訂してシステムを最新に保護していることを保証する必要がある。例えばサービス否定攻撃を受けることを最小限にするために、セルラ・オペレータはシステム内でパケット・フィルタリングを行う。セルラ・オペレータのシステム内のエンティティは、パケットのあて先アドレスにルーティングできない場合に起こす動作を記述したポリシーを有する。例えばあるルータがパケットのあて先アドレスに対する次の有効なホップをルーティング・キャッシュ内に発見できないときには、そのルータはそのパケットをシステム内の中央のデフォルト・ルーティング・ゲートウェイに送信する。他の例としては、システムがすべての可能なルーティング・パスのリストを構成していて、あるルータがこのリスト内に存在しないルーティング・パスでパケットを受信したときには、そのルータはそのパケットを偽パケットとして破棄する。
第3世代パートナーシップ・プロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)により作業を行っているLTE(The Long Term Evolution)プロジェクトは、現在のユニバーサル・モバイル通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)を第4世代(4G)モバイル通信システムに適合させることを目的としている。4Gネットワークの特徴は、現在の複合的な回路網とパケット交換ネットワークからオールIPシステムにシフトすることにある。オールIPシステムとは、通信及びシグナリングにIPを使用するネットワークである。オールIPシステムにシフトするためにはUMTSの現在の構造を進化させる必要があるが、この作業は3GPP内のSAE(Systems Architecture Evolution)が行っている。セルラ・オペレータにとって4Gにシフトするには、オールIPシステムにおける加入者のモビリティをいかにサポートするかを考慮する必要がある。
同様に、3GGP2(Third Generation Partnership Project 2)が作業を行っているIMT−2000(International Mobile Telecommunications-2000)は、無線通信の速度と簡略性を向上させることにより、高品質のモバイル・マルチメディア通信を世界的なマーケットにすることを目的としている。IPベースのモバイルシステムの作業を行う際、IMT−2000を開発しているセルラ・オペレータもまた、オールIPシステムにおける加入者のモビリティをいかにサポートするかを考慮する必要がある。
プロキシ・モバイルIPv6(Proxy Mobile IPv6 :PMIPv6)は、セルラ・オペレータにより、これらの要求を満たす候補として考慮されている。下記の非特許文献1では、PMIPv6は、モバイルノードがローカル・モビリティ・ドメイン内を移動するときに、モビリティに関するシグナリングから解放されるモビリティ管理形態として記載されている。ローカル・モビリティ・ドメイン内に位置するプロキシは、モバイルノードのモビリティ管理を援助する。このモビリティ管理方法は「ネットワークベースのモビリティ管理」と呼ばれている。
図1はこの「ネットワークベースのモビリティ管理」が用いられるシステムを示す。モバイルノード(mobile node:MN)101はローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置する。MN101のインタフェース(IF)1010は、モバイル・アクセス・ゲートウェイ(mobile access gateway :MAG)111に接続し、このとき、アクセス認証手順の一部としてMN101の識別子(MN−ID)を提示する。MN−IDは典型的には、不図示のローカルサーバから取得できるMN101のポリシー・プロファイルを関連づけるために用いられる。このポリシー・プロファイルは、ネットワークベースのモビリティサービスの特徴の規定と、他の関連するパラメータ、例えばMN101に割り当てられたホームネットワーク・プリフィックス、許可されたアドレス構成モード、ローミング・ポリシー、ネットワークベースのモビリティサービスを提供するために本質的な他のパラメータを含む。
アクセス認証が成功すると、MAG111は不図示のローカルサーバからMN101のポリシー・プロファイルを取得している。この意味は、MAG111が、MN101のモビリティ・シグナリングを遂行するのに必要とされるすべての情報を有するということである。このため、MAG111はMN101に対して、ルータ広告(Router Advertisement:RA)メッセージを周期的に送信してホームネットワーク・プリフィックスを広告する。MN101はホームネットワーク・プリフィックスを知得すると、IF1010が通信するためのIPアドレス(例えばホームアドレスHoA)を構成する。MN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内のどこに位置していても、IF1010は常にホームネットワーク・プリフィックスを知得している。この理由は、MN101が接続している各MAGが常にローカルサーバからMN101のポリシー・プロファイルを引き出しているからである。例えばMN101がMAG111からMAG112に移動してIF1010がMAG112に接続すると、MAG112は、認証手続の間に提示されるMN−IDに基づいて、ローカルサーバからMN101のホームネットワーク・プリフィックスを取得する。このため、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のMN101の位置に関係なく、MN101は常にホームアドレスを使用することができる。
ローカル・モビリティ・ドメイン11内のルーティングのために、ローカル・モビリティ・アンカー(local mobility anchor:LMA110)と呼ばれるエンティティが各モバイルノードの不変のアンカーポイント(ホームエージェント)として動作して、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のMN101と外部のネットワークの通信相手(CN:Correspondent Node)120を接続する。また、LMA110は各モバイルノードの到達性(reachability)の状態を管理している。LMA110は各モバイルノードのアンカーポイントとして動作するために、各モバイルノードの現在の位置を更新される必要がある。このため、あるモバイルノードがあるMAGに接続しているときにはいつでも、そのMAGはそのモバイルノードの代理ノードとして、プロキシ・バインディング・アップデート(proxy binding update:PBU)メッセージをLMA110に送信する。
LMA110はPBUメッセージにより、そのモバイルノードのルーティング・エントリをMN−IDに基づいて生成することができる。このルーティング・エントリにより、LMA110はそのモバイルノードのホームネットワーク・プリフィックスをMAGの気付アドレスにバインディング(bind)する。また、オプションとして、PBUメッセージがホームネットワーク・プリフィックスの代わりに、そのモバイルノードのIPアドレス(例えばホームアドレス)を含む場合、LMA110はそのホームアドレスをMAGの気付アドレスにバインディングする。このバインディングにより、LMA110はそのホームアドレスあてのパケットを適切なMAGを経由してルーティングすることができる。
図1において、MN101はIF1010を使用してMAG111と接続し、必要な認証手続を実行する。MAG111は認証が成功すると、PBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はPBUメッセージの内容に基づいて、自身のバインディング・キャッシュ・エントリ(Binding Cache Entry:BCE)内に、ホームネットワーク・プリフィックス又はMN101のホームアドレスをMAG111の気付アドレスにバインディングする。LMA110は外部のCN120からMN101のホームアドレスあてのパケットを受信すると、バインディング・キャッシュ・エントリをチェックしてそのパケットのルーティング・パスを見つける。図1に示すシステムでは、LMA110はそのパケットがMN101のホームアドレスあてであると認識する。LMA110はバインディング・キャッシュ・エントリに基づいてそのパケットをMAG111あてにトンネル化し、その結果、そのパケットがMN101に転送される。
ところで、セルラ電話機のような個人用のデバイスは、例えばワイヤレス・ローカルエリアネットワーク(WLAN)、セルラ無線、Bluetooth(登録商標)のように複数のインタフェースを備える。このため、消費者は既に、ネットワークに対して「同時接続」する能力を有する。しかしながら、セルラ・オペレータは現在、自身のネットワーク内にそのような同時接続サービスをサポートするかを検討中である。セルラ・オペレータにとって、ローカル・モビリティ・ドメイン内で輻輳が検出されたときに、同時バインディングの概念によりセルラ・オペレータがロード・バランシングを実行できると考えられる。モバイルノードに複数のパスを提供すると、セルラ・オペレータはモバイルノードあてのパケットをルーティングする際にどのパスを使用するかを選択できる。
ここで、図1において、ローカル・モビリティ・ドメイン11は2つのタイプのネットワークを有するものとする。例として、第1はMAG111が接続しているセルラ・ネットワークであり、第2はMAG112が接続しているWLANであるとする。また、MN101はIF1010としてMAG111に接続するセルラ・インタフェースと、IF1011としてMAG112に接続するWLANインタフェースの2つのインタフェースを有するものとする。このため、MN101はローカル・モビリティ・ドメイン11に対して同時アクセスが可能である。
下記の非特許文献2におけるアドレス解決方法を使用して、MN101はローカル・モビリティ・ドメイン11の各ネットワークと一連のメッセージ交換を実行して各IF1010、1011のIPアドレスを構成する。MN101は上記のメッセージ交換中に、近隣探索(Neighbor Solicitations:NS)メッセージを送信して、ネットワーク内のデバイスが、構成したIPアドレスを使用しているか否かを問い合わせる。MN101はNSメッセージに対する近隣広告(Neighbor Advertisement:NA)メッセージを受信しない場合、ネットワーク内のデバイスが、構成したIPアドレスを使用していないと仮定し、そのIPアドレスを自身のIF1010、1011に割り当てることができる。
ここで、図1では、MN101はIF1010にIPアドレスHoA1を、IF1011にIPアドレスHoA2に割り当てて、ローカル・モビリティ・ドメイン11内の通信を行うものとする。MN101がIF1010、1011にそれぞれIPアドレスHoA1、HoA2を割り当てると、IF1010、1011にそれぞれ接続したMAG111、112はIPアドレスHoA1、HoA2を知得することができる。その方法では、MN101がNAメッセージを送信して、IPアドレスHoA1、HoA2が利用可能であることを指示する。MAG111、112はNAメッセージ内の情報を用いて、ネットワーク内のMN101に対するルーティングステートを生成することができる。図19A、図19Bはそれぞれ、MAG111、112が生成したルーティングステートである近隣キャッシュ・エントリ(Neighbor Cache Entry:NCE)20、21を示す。以下に、ルーティングステートを生成する例を詳しく説明する。
図19Aによれば、IF1010はNAメッセージを送信して、IPアドレス200としてHoA1(図のエントリ2001)がセルラ・ネットワーク内で利用可能であることを広告する。IF1010はまた、このNAメッセージ内に、HoA1にバインディングするIF1010のリンク識別子201としてIF1010.Addr(図のエントリ2011)を記述する。リンク識別子201はIF1010とMAG111の間のリンクを表す。リンク識別子201はメディア・アクセス・コントロール(Media Access Control:MAC)アドレスや、リンクローカルアドレスや、IF1010が使用する3GGP無線チャネルでもよいが、これには限定されない。MAG111はリンク識別子201を用いて、新しいエントリ2001、2011をNCE20内に生成し、IPアドレス200としてHoA1をエントリ2001に記録し、また、リンク識別子201としてIF1010.Addrをエントリ2011に記録する。これは、MAG111がHoA1あてのパケットを受信すると、NCE20に基づいてそのパケットをリンク識別子IF1010.Addrのリンク経由でMN101に転送することを意味する。
同様に、図19Bを参照すると、IF1011はNAメッセージを送信して、IPアドレス210としてHoA2(図のエントリ2101)がWLANネットワーク内で利用可能であることを広告する。MAG112は新しいエントリ2101、2111をNCE21内に生成し、IPアドレス210としてHoA2をエントリ2101に記録し、また、リンク識別子211としてIF1011.Addrをエントリ2111に記録する。
上記のアドレス解決を行うと、LMA110がMN101あてのパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティングできるように、MAG111、112の両方がそれぞれの気付アドレスをLMA110にバインディングする。前述したように、LMA110におけるルーティング・エントリは、「プリフィックスによるバインディング」でも、「アドレスによるバインディング」でも生成することができる。ルーティング・エントリが生成された方法によって、LMA110がパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティングする動作が異なる。
図20Aは「アドレスによるバインディング」でLMA110が生成したルーティング・エントリのバインディング・キャッシュ・エントリ(Binding Cache Entry:BCE)30を示す。また、図20Bは「プリフィックスによるバインディング」で生成したBCE31を示す。図20Aを参照すると、MAG111、112はそれぞれ、MN101のホームアドレスHoA1、HoA2をMAG111、112の気付アドレスMAG1.CoA、MAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はMN.HoAのコラム300と気付アドレス(care-of address:CoA)のコラム301の2つのコラムを有するBCE30を生成する。コラム300はMN101のホームアドレスHoA1、HoA2を含み、コラム301はMAG111、112の気付アドレスMAG1.CoA、MAG2.CoAを含む。
例えばMAG111がHoA1をMAG1.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信すると、LMA110はHoA1をエントリ3001に、また、MAG1.CoAをエントリ3011にストアする。これにより、LMA110はHoA1あてのパケットをMAG111経由でMN101に送信すべきであると知得することができる。同様に、MAG112がHoA2をMAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージを送信すると、LMA110はHoA2をエントリ3002に、また、MAG2.CoAをエントリ3012にストアする。ここで、他の従来技術としては、下記の特許文献1、2、3が知られている。
S. Gundavelli, K. Leung, V. Devarapalli, K. Chowdhury and B. Patil, "Proxy Mobile IPv6", Internet Engineering Task Force Internet Draft: draft-ietf-netlmm-proxymip6-00.txt, April 08, 2007. T. Narten, E. Nordmark and W. Simpson, "Neighbor Discovery for IP Version 6 (IPv6)", Internet Engineering Task Force Request for Comments 2461, December, 1998. J-A. Bell and E-G. Britton, "Virtual internet protocol (IP) addressing", US Patent Number 5,923,854, July 13, 1999. K-A. Dobbins, D-L. Cullerot, S-H. Negus and W-T. Haggerty, "Internet protocol (IP) work group routing", US Patent Number 5,751,971, May 12, 1998. E-G. Britton, J-D. Haggar, T-D. Moore, A-H. Richter and B-C. Vashaw, "Method and apparatus for generating replies to address resolution protocol requests", US Patent Number 6,775,278, August 10, 2004.
ここで、LMA110は、図20Aに示すように「アドレスによるバインディング」で生成したBCE30を使用すると、MN101あてのパケットの転送先を変更することができない。LMAが転送先の変更を試みようとする理由は、例えば、使用しているリンクが現在、輻輳しているかもしれないので、輻輳しているリンクの使用をネットワーク側が制限する必要があるからである。この場合、LMA110は代わりのルートを探してMN101あてのパケットを転送する必要がある。しかしながら、LMA110はHoA2あてのパケットを受信した場合、このパケットをMAG111経由でMN101に転送できない。この理由は、BCE30における両方のエントリが関連付けられていない、つまり、HoA2あてのパケットをMAG112経由で送信してもよいことを示すエントリが存在しないので、MN101がMAG111経由で到達できる(reachable)ことをLMA110が知得できないからである。
ここで、LMA110がBCEにおいてMN101に関連するエンティティを知得する方法として、LMA110が「プリフィックスによるバインディング」をローカル・モビリティ・ドメイン11内で実行する方法が考えられる。この方法は、非特許文献1においてローカル・モビリティ・アンカーにおいてバインディング・キャッシュ・エントリを取り扱うために推奨されている。
図20Bは「プリフィックスによるバインディング」でLMA110が生成したルーティング・エントリのBCE31を示す。図20Bを参照すると、MAG111、112はMN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)をそれぞれMAG111、112の気付アドレスMAG1.CoA、MAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はホームネットワーク・プリフィックス(Prefix)のコラム310と気付アドレス(care-of address:CoA))のコラム311の2つのコラムを有するBCE31を生成する。
例えばMAG111がMN.PrefixをMAG1.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信すると、LMA110はMN.Prefixをエントリ3101に、また、MAG1.CoAをエントリ3111にストアする。同様に、MAG112がMN.PrefixをMAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信すると、LMA110はMN.Prefixをエントリ3102に、また、MAG2.CoAをエントリ3112にストアする。この方法により、MN.Prefixを使用して構成したいかなるアドレス(HoA1、HoA2)あてのパケットであっても、MAG111、112のいずれを経由しても転送できることをLMA110が知得することができる。
しかしながら、LMA110はさらに、図20Bに示すように「プリフィックスによるバインディング」で生成したBCE31を使用しても、MN101のパケットの転送先を変更することができない。その理由は、「MAG111、112はそれぞれのNCE20、21において有効なルーティング・エントリに対応しないパケットを除外する」というセキュリティ・ポリシーをローカル・モビリティ・ドメイン11が備えるからである。例えばLMA110がHoA2あてのパケットをMAG111に転送すると、MAG111はNCE20においてHoA2に関する有効なルーティング・エントリを有しないので、このパケットを破棄する。
他の解決策として、特許文献3に示すように、同じリンクに位置する複数のインタフェースがお互いにバックアップ用として動作することが考えられる。特許文献3には、あるインタフェースが他方からトリガ信号を受信したときにバックアップ用として動作することが記載されている。このトリガ信号は両方のインタフェースが物理的に同じリンクに位置することを指示する。
しかしながら、ローカル・モビリティ・ドメイン11では、MN101の物理リンクがMAG111、112によりエミュレートされるので、上記のようなトリガ信号はMAG111、112間で伝搬するので好ましくない。その理由は、ローカル・モビリティ・ドメイン11が地理的に大きく、上記のようなトリガ信号が多くMAG111、112に到達することは、セルラ・オペレータが望む機能ではない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができるアドレス割り当て方法、アドレス割り当てシステム、モバイルノード及び代理ノードを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法において、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定するステップと、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求するステップと、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送するステップとを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおいて、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求する手段と、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける前記モバイルノードであって、
前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求する手段とを備え、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける代理ノードであって、
前記モバイルノードの要求に基づいて、前記複数のインタフェースの2以上に割り当てられている同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングする手段と、
前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを、前記バインディングされているリンク識別子に対応するリンクを介して前記モバイルノードに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、前記モバイルノードが前記同じアドレスの割り当て要求をアドレス割り当てサーバへ送信し、前記アドレス割り当てサーバが前記割り当て要求に基づいて前記同じアドレスを割り当てることを特徴とする。
この構成により、モバイルノードの同じドメインに接続している2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てて、2以上のインタフェースが接続している各代理ノードにおいて同じアドレスを2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするので、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができる。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法において、
前記モバイルノードの前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てるステップと、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定するステップと、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求するステップと、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送するステップとを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおいて、
前記モバイルノードの前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てる手段と、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求する手段と、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける前記モバイルノードであって、
前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てる手段と、
前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求する手段とを備え、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送するようにした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける代理ノードであって、
前記モバイルノードの要求に基づいて、前記複数のインタフェースの各々のそれぞれに割り当てられている異なるアドレスを前記複数のインタフェースの各リンク識別子にバインディングする手段と、
前記モバイルノードの要求に基づいて、同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかが他のインタフェースのバックアップ用となるように、又はお互いのバックアップ用となるように前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングする手段と、
前記バインディングに基づいて、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記異なる複数のアドレスが同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されているか否かを判定し、同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されている場合に前記同じホームネットワーク・プリフィックスを前記リンク識別子に共通にバインディングすることを特徴とする。
この構成により、モバイルノードの同じドメインに接続している2以上のインタフェースに異なるアドレスを割り当てて、2以上のインタフェースが接続している各代理ノードにおいて、あるインタフェースのアドレスをバックアップ用として他のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするので、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができる。
本発明によれば、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができる。
本発明に係る通信システムの第1の実施の形態を示すブロック図 図1のモバイルノードがローカル・モビリティ・ドメインに位置するときに受信するネットワーク情報のフォーマットを示す説明図 第1の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第1の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持するNCEを示す説明図 第1の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持するNCEを示す説明図 第1の実施の形態のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図 第1の実施の形態のモバイルノードの処理を示すフローチャート 本発明に係る通信システムの第2の実施の形態を示すブロック図 第2の実施の形態におけるIPアドレス要求メッセージのフォーマットを示す説明図 第2の実施の形態におけるIPアドレス割り当てサーバが実行するIPアドレス割り当て決定処理を示すフローチャート 第3の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持するNCEを示す説明図 第3の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持するNCEを示す説明図 第3の実施の形態のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図 第3の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第3の実施の形態のモバイルノードのバックアップIF選択処理を示すフローチャート 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持する更新前のNCEを示す説明図 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持する更新前のNCEを示す説明図 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持する更新後のNCEを示す説明図 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持する更新後のNCEを示す説明図 第4の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第4の実施の形態におけるモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)の処理を示すフローチャート 本発明のモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 本発明のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)の構成を機能的に示すブロック図 従来のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持するNCEを示す説明図 従来のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持するNCEを示す説明図 従来のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図であって、「アドレスによるバインディング」で生成したBCEを示す説明図 従来のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図であって、「プリフィックスによるバインディング」で生成したBCEを示す説明図
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る通信システムの第1の実施の形態として、ネットワークベースのモビリティ管理が用いられるシステムを示し、ローカル・モビリティ・ドメイン11のエッジに、MN101の代理ノードであるMAG111、112と、MN101のホームエージェントであるLMA110が設けられている。MN101はIF1010、1011を有し、IF1010、1011はそれぞれMAG111、112に接続している。LMA110はローカル・モビリティ・ドメイン11内のMN101と、外部ネットワークにおけるMN101の通信相手(CN)120を接続する。
図2はMN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するときに受信するネットワーク情報40のフォーマットを示す。ネットワーク情報40はパケットヘッダ401と、ドメイン識別子(ドメインID)402とMAG識別子(MAG−ID)403の各フィールドを有する。パケットヘッダ401はIPv4アドレス又はIPv6アドレスであるメッセージの送信元と、メッセージのタイプを示すタイプフィールドと、メッセージの長さを示すメッセージ長フィールドを含む。
ドメインID402はMN101のIF1010、1011が接続しているローカル・モビリティ・ドメイン11の識別子である。ドメインID402は望ましくはセルラ・オペレータを特定する識別子(ドメイン名など)や、WLANホットスポットのサービスセット識別子(Service Set Identifier:SSID)又はMN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内で使用するホームネットワーク・プリフィックスなどを使用して構成される。ただし、これには限定されない。例えば、MN101を管理するLMAとして、LMA110のアドレスを含めてもよい。ドメインID402の目的は、複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するか否かをMN101が知得できるようにするためにある。複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置する場合には、MN101はすべてのIF1010、1011がローカル・モビリティ・ドメイン11内で1つのIPアドレスを共有することを決定することができる。
MAG−ID403はMN101に対し、IF1010、1011がそれぞれ接続しているMAG111、112の識別子を提示する。MAG−ID403はMAG111、112のMACアドレス又は気付アドレス(CoA)などにより構成される。ただし、これには限定されない。MN101はIF1010、1011がそれぞれ接続しているMAG111、112を識別すると、どのIF1010、1011がどのMAG111、112に接続しているかをローカル・モビリティ・ドメイン11内のエンティティに通知することができる。この通知されたエンティティは、MN101が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置する複数のIF1010、1011を有するか否かを判断することができ、また、もしそうであれば、すべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを割り当てることができる。
望ましい第1の実施の形態では、ネットワーク情報40はMN101に対してMAG111、112を経由して転送される。当業者であれば、MAG111、112がIEEE802.11のビーコン又はルータ広告メッセージ(RA:Router Advertisement Message)及び近隣広告メッセージ(NA:Neighbor Advertisement Message)を用いてネットワーク情報40を送信できることは明らかである。また、ネットワークに接続した際に行われる認証手続きの中でネットワーク情報40を取得してもよい。MN101はネットワーク情報40を知得すると、ホームネットワークプレフィックスや、ドメインID402、LMAのアドレスなどが同一であることを確認することで、複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置することを検出して、すべてのIF1010、1011がローカル・モビリティ・ドメイン11内で1つのIPアドレスを共有することを決定することができる。
図3は第1の実施の形態の通信シーケンスの一例を示す。
(1)MN101の第1のIF1010が第1のMAG111からネットワーク情報40として、ホームネットワーク・プリフィックス(HomePrefix)を含むRAメッセージを受信すると、
(2)MN101は受信RAメッセージ内のホームプリフィックスに基づいて第1のIF1010のアドレス(例えばHoA1)を生成する。
(3)次いでMN101が第1のIF1010から第1のMAG111に対し、第1のIF1010のアドレスHoA1を含むNA(Neighbor Advertisement)メッセージを送信すると、
(4)第1のMAG111は、図4Aに示すようにNCE20において第1のIF1010のアドレスHoA1を第1のリンク識別子IF1010.Addrをバインディングするとともに、MN101の第1のIF1010のプロキシとして、MN101のホームプレフィックスを含むプロキシBU(ProxyBU)メッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図5に示すようにBCE30において第1のMAG111の気付アドレスMAG1.CoAをホームプレフィックスMN.Prfixにバインディングする。
(5)次いで、MN101の第2のIF1011が第2のMAG112からネットワーク情報40として、ホームネットワーク・プリフィックス(HomePrefix)を含むRAメッセージを受信すると、
(6)MN101は第2のMAG112に接続し、
(7)次いで、MN101は、RAメッセージに含まれるホームプレフィックスにより、第1のIF1010が受信したRAメッセージに含まれていたホームプレフィックスと同一であることを確認し、第2のIF1011が第1のIF1010と同じドメイン11に接続したことを知得する。
(8)次いで、MN101は第1のIF1010のアドレスHoA1を第2のIF1011に割り当てる。
(9)次いで、MN101が第1のIF1010と同じアドレスHoA1を含むNAメッセージを第2のMAG112に送信すると、
(10)第2のMAG112は、図4Bに示すようにNCE21において同じアドレスHoA1を第2のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングするとともに、MN101の第2のIF1011のプロキシとして、MN101のホームプレフィックス(MN.Prefix)を含むプロキシBU(ProxyBU)メッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図5に示すように第2のMAG112の気付アドレスMAG2.CoAをホームプレフィック(MN.Prefix)にバインディングする。なお、MAG111及びMAG112の気付アドレスを関連付ける対象として、プレフィックスの代わりにホームアドレスを用いてもよい。
図6はMN101が実行するアドレス割り当て決定処理を示すフローチャートである。この処理は、MN101がネットワーク情報40を受信するとスタートする(ステップS50)。MN101がネットワーク情報40を受信するとスタートする理由は、MN101が第2のIFをローカル・モビリティ・ドメイン11に接続しようとするからである。ただし、これには限定されない。ネットワーク情報40を受信すると、第2のIFが第1のIFと同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置するか否かを判断する(ステップS51)。この判断は、第1のIFからのドメインID402と第2のIFからのドメインID402を比較することにより行うことができる。ステップS51において2つのドメインID402が異なる場合には、第2のIFの新しいIPアドレスを生成し(ステップS52)、次いで処理を終了する(ステップS54)。他方、ステップS51において2つのドメインID402が同じである場合には、第2のIFのIPアドレスとして第1のIFと同じIPアドレスを割り当て(ステップS53)、次いで処理を終了する(ステップS54)。
図1を例にしてこの処理を詳しく説明する。MN101の第1のIF1010は現在、MAG111に接続してローカル・モビリティ・ドメイン11内でHoA1を用いて通信を行っているものとする。第2のIF1011がMAG112に接続しようとすると、IF1011はMAG112からネットワーク情報40を受信する。MN101はネットワーク情報40内のドメインID402をチェックしてIF1011がIF1010と同じドメイン11内に位置するか否かを判断する。IF1010、1011のドメインID402が一致する場合には、MN101はIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置するとみなして同じHoA1をIF1011に割り当てる。
なお、MN101の第2のIF1011が、ネットワークベースのモビリティ管理ではなく、ホストベースのモビリティ管理(MobileIPv6)が適用されるネットワークに接続した場合であっても、本実施の形態による手法を用いることができる。この場合の処理について説明する。なお、以下の説明では、IF1011の接続先として、MAG112の代わりにAR112(Access Router)を用いる。MN101の第1のIF1010は現在、MAG111に接続してHoA1を用いて通信を行っているものとする。第2のIF1011がAR112へ接続しようとすると、IF1011はAR112からネットワーク情報40を受信する。MN101はネットワーク情報40内のドメインID402をチェックしてIF1011がIF1010と同じドメイン11内に位置するか否かを判断する。IF1010、1011のドメインID402が一致する場合には、MN101はIF1010、1011が同じドメインに接続していると解釈して、IF1010と同じHoA1をIF1011でも使用する。なお、HoA1そのものではなく、HoA1を構成しているプレフィックスをIF1011でも使用すると判断し、そのプレフィックスから生成される別のアドレスをIF1011で使用してもよい。
<第2の実施の形態>
次に、図7〜図9を参照して第2の実施の形態を説明する。同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置するIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てる他の方法として、第2の実施の形態では、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のエンティティが割り当てる。その1つのエンティティとしては、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が動作しているDHCPサーバがある。図7において、MN101のあるIFがローカル・モビリティ・ドメイン11に接続すると、MN101はDHCPを実行してそのIFのIPアドレス割り当てを、IPアドレス割り当てサーバ130であるDHCPサーバに要求する。
図8はMN101がIPアドレス割り当てサーバ130に送信するIPアドレス要求メッセージ60のフォーマットを示す。IPアドレス要求メッセージ60はパケットヘッダ601と、モバイルノード識別子(MN−ID)602と、IPアドレス603と、ドメイン識別子(ドメインID)402とMAG識別子(MAG−ID)403の各フィールドを含む。パケットヘッダ601はIPv4アドレス又はIPv6アドレスであるメッセージの送信元と、メッセージのタイプを示すタイプフィールドと、メッセージの長さを示すメッセージ長フィールドを含む。
MN−ID602はMN101の識別子を含み、また、典型的にはMN101のポリシー・プロファイルと関連づけるために用いられる。このポリシー・プロファイルは不図示のローカルサーバから取得でき、また、ネットワークベースのモビリティサービスの特徴の規定と、他の関連するパラメータ、例えばMN101に割り当てられたホームネットワーク・プリフィックス、許可されたアドレス構成モード、ローミング・ポリシー、及びネットワークベースのモビリティサービスを提供するために本質的な他のパラメータを含む。MN−ID602の目的は、IPアドレス割り当てサーバ130がMN101に関する情報を引き出して、どのようにIPアドレスをMN101に割り当てるかを判断するのに使用することにある。
望ましい第2の実施の形態では、MN101のポリシー・プロファイルはさらに、各IF1010、1011を識別するためのインタフェース識別子(IF−ID)を含む。このIF−IDにより、IPアドレス割り当てサーバ130はどのIPアドレスがMN101のどのIFに割り当てられたかを知得することができる。また、IPアドレス割り当てサーバ130がMN101の使用しているIPアドレスの課金と追跡を行うのに役立つ。
IPアドレス要求メッセージ60におけるIPアドレス603のフィールドはオプションであるが、MN101が特定のIPアドレスを指定してIPアドレス割り当てサーバ130に要求するために用いられる。この要求はMN101が複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを使用する場合に行われ、MN101は新しいIFに割り当てられるIPアドレスをIPアドレス603で要求する。他の望ましい方法として、IPアドレス603はIPアドレス要求メッセージ60においてフラグとして使用される。したがって、このフラグがセットされている場合(ビット=1)、他のIFに現在使用されているIPアドレスをMN101が要求していることを意味する。同様に、このフラグがセットされていない場合(ビット=0)、新しいIPアドレスをMN101が要求していることを意味する。この場合、フラグと共にMN101が指定するIPアドレスが含まれていてもよい。
ドメインID402には、MN101のIF1010、1011が接続しているローカル・モビリティ・ドメイン11の名前が記述されるが、ドメインID402の目的は、IPアドレス割り当てサーバ130が、MN101のあるIFが他のIFと同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置しているか否かをチェックするためである。もしそうであれば、IPアドレス割り当てサーバ130はMN101の要求に同意して、同じIPアドレスをそのIFに割り当てることができる。
MAG−ID403は、MN101が接続しているMAG111、112をIPアドレス割り当てサーバ130に知らせるために使用する。MAG−ID403により、IPアドレス割り当てサーバ130がMAG111、112に対し、MN101のホームネットワーク・プリフィックスをサポートしているか否かを問い合わせることができる。もしサポートしている場合、IPアドレス割り当てサーバはMN101の要求に同意して、同じIPアドレスをそのIFに割り当てることができる。以上説明したIPアドレス要求メッセージ60のフォーマットにより、IPアドレス割り当てサーバ130がいかにMN101の複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てることができるかを説明した。
図9はIPアドレス割り当てサーバ130が実行するIPアドレス割り当て決定処理を示すフローチャートである。図9に示す処理は、IPアドレス割り当てサーバ130がIPアドレス要求メッセージ60を受信するとスタートし(ステップS70)、IPアドレス要求メッセージ60内のMN−ID602に関連するポリシー・プロファイルを引き出す(ステップS71)。次いでこのポリシー・プロファイルに基づいて、MN101が複数のIFに1つのIPアドレスを割り当てることを要求しているか否かを判断する(ステップS72)。Yesの場合、IPアドレスの割り当てが要求されたIFに対して、通知されたIPアドレスをローカル・モビリティ・ドメイン11内で有効なアドレスとして割り当てることができるか否かをチェックする(ステップS73)。要求されたIFにそのIPアドレスを割り当てることができる場合、IPアドレス割り当てサーバ130はさらに、MAG111、112がこのアドレス割り当て要求をサポートできるか否かをチェックする(ステップS74)。そして、すべてのチェックがOKの場合、要求されたIFにそのIPアドレスを割り当てる(ステップS75)。
MN101が複数のIFに1つのIPアドレスを割り当てることを要求していない場合(ステップS72でNo)、IPアドレス割り当てサーバ130は、要求されたIFに対する新しいIPアドレスを構成する(ステップS76)。同様に、要求されたIFに対して、通知されたIPアドレスをローカル・モビリティ・ドメイン11内で有効なアドレスとして割り当てることができないとみなした場合(ステップS73でNo)、IPアドレス割り当てサーバ130は、要求されたIFに対する新しいIPアドレスを構成する(ステップS76)。また、MAG111、112がこのアドレス割り当て要求をサポートできない場合(ステップS74でNo)、IPアドレス割り当てサーバ130は、要求されたIFに対する新しいIPアドレスを構成する(ステップS76)。そして、IPアドレス割り当てサーバ130は、IPアドレスをMN101に通知すると、この処理を終了する(ステップS77)。
このIPアドレス通知は、割り当てるIPアドレスを含むDHCPレスポンスメッセージをIPアドレス割り当てサーバ130が送信することにより実現することができる。この方法を用いる利点は、アドレス割り当てがネットワーク側で可能であることである。このため、セルラ・オペレータは、MN101がIPアドレスを複数のIF1010、1011に対して共有する場合の制御が可能となる。
この方法を以下に詳しく説明する。図7において、ローカル・モビリティ・ドメイン11はさらに、IPアドレス割り当てサーバ130としてMN101がIPアドレスを入手するために通信するDHCPサーバ130を有するものとする。また、第1のIF1010が現在、第1のMAG111に接続していて、ローカル・モビリティ・ドメイン11における通信のためにDHCPサーバ130によりHoA1を割り当てられているものとする。次に、第2のIF1011が第2のMAG112に接続しようとして、第2のIF1011がDHCP要求メッセージをDHCPサーバ130に送信して、第1のIF1010と同じHoA1を要求する。このDHCP要求メッセージはIPアドレス要求メッセージ60と同様なメッセージである。DHCPサーバ130はこのDHCP要求メッセージを受信すると、第2のIF1011に同じHoA1を割り当てられるか否かをチェックする。ここでは、DHCPサーバ130は第2のIF1011が同じHoA1を使用できるとみなし、DHCPレスポンスメッセージを送信して第2のIF1011がHoA1を使用することを通知する。
他の望ましい第2の実施の形態として、IPアドレス要求メッセージ60がMN101のために、MAG111、112によりIPアドレス割り当てサーバ130に送信される。MAG111、112はMN101が1つのIPアドレスをすべてのIF1010、1011に割り当てたいことを知得する。これは、MN101がその要求をMAG111、112に通知するか、又はMAG111、112がMN101のポリシー・プロファイルを用いてMN101のアドレス・プリファレンスを決定することにより実現することができる。
MAG111、112がIPアドレス要求メッセージ60をIPアドレス割り当てサーバ130に送信する場合の利点は、MN101がIPアドレスを取得するためのシグナリングから解放されることにある。このようなシグナリングは、限られた処理資源しかないMN101の処理を軽減させる。さらに他の利点としては、IPアドレス割り当てサーバ130は、MAG111、112がアドレス割り当て要求をサポートできる場合に、MAG111、112にそれを問い合わせる必要がないことにある。すなわち、MAG111、112からIPアドレス要求メッセージ60が来るということは、IPアドレス割り当てサーバ130にとってMAG111、112がアドレス割り当て要求をサポートできることを意味するからである。
この方法を以下に詳しく説明する。図7において、ローカル・モビリティ・ドメイン11はさらに、IPアドレス割り当てサーバ130としてMN101のIPアドレスを入手するためにMAG111、112が通信するDHCPサーバ(以下、130)を有するものとする。また、第1のIF1010が現在、第1のMAG111に接続していて、ローカル・モビリティ・ドメイン11における第1のIF1010の通信のためにDHCPサーバ130によりHoA1を割り当てられているものとする。次に、第2のIF1011が第2のMAG112に接続しようとして、第2のIF1011が同じHoA1を使用したい旨を示す要求メッセージを第2のMAG112に送信する。MN101がこの要求メッセージを送信する時期は、MN101が受信したネットワーク情報40からIF1010、1011の両方がローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置することを知得した後である。
第2のMAG112はDHCP要求メッセージをDHCPサーバ130に送信して、同じHoA1を要求する。このDHCP要求メッセージはIPアドレス要求メッセージ60と同様なメッセージである。DHCPサーバ130はこのDHCP要求メッセージを受信すると、第2のIF1011に同じHoA1を割り当てられるか否かをチェックする。ここでは、DHCPサーバ130は第2のIF1011が同じHoA1を使用できるとみなし、DHCPレスポンスメッセージを第2のMAG112に送信して第2のIF1011が同じHoA1を使用することを通知する。そして、この情報が第2のMAG112から第2のIF1011に転送される。
<第1、第2の実施の形態のキャッシュ>
アドレス割り当てが完了すると、MN101は第2のIF1011が利用可能であることを広告する。この広告は図3(9)に示すように、第2のIF1011が同じIPアドレス(HoA1)と第2のリンク識別子IF1011.Addrを広告する近隣広告(NA)メッセージを送信することにより実現することができる。第2のMAG112がこのNAメッセージを受信すると、図4Bに示すように第2のMAG112は自身の近隣キャッシュ・エントリ(Neighbour Cache Entry:NCE)21a内に第2のIF1011のルーティング・エントリ2101を生成する。NCE21aにおけるルーティング・エントリ2101はHoA1である。これにより、第2のMAG112はHoA1あてのパケットを第2のリンク識別子IF1011.Addrのリンクを経由してMN101に転送することができる。
第2のMAG112は第2のIF1011を第2のMAG112に関連づけると、図3(10)に示すようにPBUメッセージをLMA110に送信して、図5に示すようにHoA1(又はホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix))をMAG112の気付アドレス(MAG2.CoA)にバインディングする。これにより、MN101はローカル・モビリティ・ドメイン11内では、自身のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレス(HoA1)のみを有する。1つのIPアドレスのみを使用する利点は、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のすべてのエンティティ(MAG111、112、LMA110)がMN101を1つのIPアドレス(HoA1)のみに関連づけることにある。したがって、すべてのMAG111、112はそれぞれのNCE20、21a内にMN101のHoA1に対する有効なルーティング・パスを有する。これは、LMA110がMN101のパケットを、MAG111、112によりフィルタリングされることを心配することなく、MN101が関連づけられているいかなるMAG111、112にも転送できることを黙示している。
さらに望ましい第1、第2の実施の形態では、LMA110は、第2のMAG112からPBUメッセージを受信する前に第1のMAG111に問い合わせることができる。この問い合わせ方法は、ICMP(Internet Control Messaging Protocol)を用いて実現することができるが、これには限定されない。この問い合わせの目的は、MN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内で「同時接続」を試みようとしているか否かをLMA110が知得できることにある。もしそうであれば、LMA110は、MN101がMAG111、112の両方を介してルーティングできることを知得することができる。また、第1、第2の実施の形態によれば、MN101がすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用している場合、LMA110は、MN101あてのパケットをどのMAG111、112を介してルーティングするかを選択できる。
<従来技術との差異(1)(2)(3)>
(1)ここで、当業者であれば、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、特許文献1で説明されている方法と異なることは明らかである。特許文献1には、MNのすべてのIFが常に1つのIPアドレスのみを使用することが記載されている。しかし、この方法ではMNは1つのIPアドレスのみを使用することを「選択」できない。これに対し、本発明では、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用することを「選択」できる。これはネットワーク情報40により可能である。したがって、第1、第2の実施の形態と特許文献1の間には差異がある。
(2)さらに、当業者であれば、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、特許文献2で説明されている方法と異なることは明らかである。特許文献2には、ルータがモバイルノードの複数のIFにアドレスを割り当てるかは、ルータのみに基づいて決定される。このため、ルータはインテリジェント・ネットワーク・スイッチのように動作して、どのアドレスをどのIFに割り当てるかを決定する。これに対し、本発明では、MN101はネットワークから、MN101がどのIPアドレスをどのIFに割り当てるかを決定するための情報を受信することを必要とするが、これはネットワーク情報40により可能である。したがって、第1、第2の実施の形態と特許文献2の間には差異がある。
(3)最後に、当業者であれば、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、特許文献3で説明されている方法と異なることは明らかである。特許文献3では、複数のIFはトリガ信号を用いて同じリンクに位置することを知得する。このため、複数のIFはお互いにバックアップIFとして動作する。本発明では、このようなトリガ信号がローカル・モビリティ・ドメイン11内にあふれることを防止するために、ネットワーク情報40を導入している。しかし、第1、第2の実施の形態のネットワーク情報40はMAG111、112により送信されて、MN101が自身の複数のIF1010、1011が同じリンクに位置することを知得する。この動作により、ネットワーク情報40はMAG111、112により制御されるネットワーク内で送信されるのみであり、ネットワーク情報40がローカル・モビリティ・ドメイン11内にあふれることを防止することができる。したがって、第1、第2の実施の形態と特許文献3の間には差異がある。
<第1、第2の実施の形態の他の利用形態>
MN101の複数のIF1010、1011が同じMAGに接続することも可能である。図1において、IF1010、1011の両方がローカル・モビリティ・ドメイン11においてMAG111に接続しているものとする。ここでは、MN101は第1のIF1010としてIEEE802.11の無線IFと、第2のIF1011としてIEEE802.3の有線IFを有し、また、MAG111はIEEE802.11とIEEE802.3の両方のアクセス技術をサポートするアクセスポイントとして動作するものとする。したがって、MN101はIF1010、1011の両方をMAG111に接続することができる。この場合、MN101はIF1010、1011に1つのIPアドレスのみを割り当てることができる。この1つのIPアドレスのみを割り当てる方法の利点は、複数のアドレスを取り扱うタスクをMN101から除くことができることにある。
この利用形態では、MN101はIF1010、1011の両方をMAG111に接続していることを知得している。このMN101が知得する方法の1つとして、MN101がネットワーク情報40内のMAG−ID403を比較して同じであることを発見する方法がある。ただし、これには限定されない。したがって、MN101はどのリンク識別子をIPアドレスに関連づけるかを選択できる。このMN101がリンク識別子を選択する方法の1つとして、MN101が受信するフロータイプで選択する方法がある。ただし、これには限定されない。
IPアドレスに関連づけるリンク識別子を選択することにより、MAG111はNCE20においてMN101の1つのルートエントリをストアするだけでよい。例えばMN101は第1のHoA1経由でビデオストリームを受信する場合に、第2のIEEE802.3ワイヤドIF1011のルートを選択する。このとき、MN101は第2のIF1011に対し、第1のHoA1が第2のリンク識別子IF1011.Addrで利用可能であることを(例えばNAメッセージを用いて)広告するように指示する。これにより、MAG111はNCE20を更新して、第1のHoA1あてのパケットが第2のリンク識別子IF1011.Addr経由でMN101に転送されるように反映させることができる。
ビデオストリームを受信した後、MN101が第1のHoA1を使用して、電子メールを第1のIEEE802.11ワイヤレスIF1010経由でダウンロードすることを決定する場合、MN101は第1のIF1010に対し、第1のHoA1が第1のリンク識別子IF1010.Addrで利用可能であることを(例えばNAメッセージを用いて)広告するように指示する。これにより、MAG111はNCE20を更新して、第1のHoA1あてのパケットが第1のリンク識別子IF1010.Addr経由でMN101に転送されるように反映させることができる。
<第3の実施の形態>
上記の説明では、ローカル・モビリティ・ドメイン11内でMN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、MAG111、112がMN101あての転送先をスイッチングするためである。しかし、MN101が各IF1010、1011に対して異なるIPアドレスを使用している場合であっても、一方を他方のバックアップIFとして、また、お互いをバックアップIFとしてバインディングすることにより、LMA110はMN101あての転送先をスイッチングすることができる。
第3の実施の形態では、図1において、MN101はすべてのIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するかを判断し、位置する場合に、MN101はMAG111、112に対し、使用しているIPアドレスが複数であることを通知する。つまり、MN101は、各インタフェースに対して、同じドメイン内の他のMAGに接続しているインタフェースに割り当てられているアドレスを割り当てると共に、各インタフェースが接続しているMAGに対して、接続しているインタフェースに割り当てられているアドレスだけでなく、同じドメイン内の他のMAGに接続しているインタフェースに割り当てられているアドレスも通知する。MAG111、112はこの通知を受けると、MN101により広告される追加のIPアドレスに基づいて、図10A、図10Bにそれぞれ示すように、IF1010、1011がお互いにバックアップIFとなるようにNCE20、21を更新する。また、LMA110はまた、MAG111、112からのバックアップIF設定用のプロキシBUメッセージに従って、図11に示すようにIF1010、1011がお互いにバックアップIFとなるようにBCE30を更新する。
第3の実施の形態では、MN101が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内において個々のIF1010、1011がそれぞれ1つの異なるIPアドレスを使用している場合、LMA110はMAG111、112に対し、それぞれのNCE20、21をセットアップしてMN101のパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティングできるように指示することができる。例えばLMA110は第1のMAG111に対し、図10Aに示すNCE20において第2のIF1011のHoA2を第1のIF1010のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングする第2のエントリを生成するよう依頼する。さらにMAG111は、MN101に対して、HoA2をIF1010に割り当てるよう指示する。また、LMA110は第2のMAG112に対し、図10Bに示すNCE21において、第1のIF1010のHoA1を第2のIF1011のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングする第2のエントリを生成するよう依頼する。さらにMAG112は、MN101に対して、HoA1をIF1011に割り当てるよう指示する。MAGによるアドレス割り当ての指示は、DHCPを用いて行うことができる。したがって、図10A、図10Bにそれぞれ示すように更新したNCE20、21により、LMA110はMN101のHoA1、HoA2のいずれのあて先のパケットであっても、MAG111、112のいずれを経由するかを選択できる。
また、望ましい第3の実施の形態として、LMA110がMN101に対して、MAG111、112のNCE20、21を更新するよう指示するようにしてもよい。この場合、LMA110はMN101に対し、MAG111のNCE20をIF1011のIPアドレスで更新するよう指示する。また、MAG112のNCE21をIF1010のIPアドレスで更新するよう指示する。したがって、この動作により、MAG111、112のNCE20、21を、MN101に対する新しいルーティング・エントリで更新することができる。
例えばMN101がLMA110から、第1のMAG111のエントリを第2のIF1011のIPアドレスHoA2で更新する要求を受け取ると、MN101は例えばNAメッセージを用いて、第2のHoA2が第1のMAG111に利用可能であることを広告する。この広告により、第1のMAG111は、NCE20において第2のIF1011のIPアドレスHoA2を第1のIF1010のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングする第2のエントリを生成する。
同様に、MN101がLMA110から、第2のMAG112のエントリを第1のIPアドレスHoA1で更新する要求を受け取ると、MN101は例えばNAメッセージを用いて、第1のIPアドレスHoA1が第2のMAG112に利用可能であることを広告する。この広告により、第2のMAG112は、NCE21において第1のIF1010のIPアドレスHoA1を第2のIF1011のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングする第2のエントリを生成する。したがって、この更新したNCE20、21により、LMA110はMN101あてのどのパケットであっても、MAG111、112のどれを経由するかを選択できる。
図12は第3の実施の形態の通信シーケンスの一例を示す。図12において、
(1)MN101の第1のIF1010が第1のMAG111からネットワーク情報40として、ホームプリフィックスを含むRAメッセージを受信すると、
(2)MN101は受信RAメッセージ内のホームプリフィックスに基づいて第1のIF1010のアドレスHoA1を生成する。
(3)次いでMN101が第1のIF1010から第1のMAG111に対し、第1のIF1010のアドレスHoA1を含むNAメッセージを送信すると、
(4)第1のMAG111は、図10Aで説明したようにバインディングし、また、MN101の第1のIF1010のプロキシとして、IF1010に対して広告しているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図11に示すようにMN101のIF1010に対して広告しているホームプレフィックスに対してMAG111の気付けアドレスMAG1.CoAをバインディングする。
(5)次いで、MN101の第2のIF1011が第2のMAG112からネットワーク情報40として、ホームプリフィックスを含むRAメッセージを受信すると、
(6)MN101は第2のMAG112に接続し、
(7)MN101は、第2のMAG112から受信したRAメッセージ内のホームプリフィックスに基づいて第2のIF1011のアドレスHoA2を生成する。
(8)次いで、MN101が第2のIF1011のアドレスHoA2を含むNAメッセージを第2のMAG112に送信すると、
(9)第2のMAG112は、図10Bで説明したようにバインディングし、MN101の第2のIF1011のプロキシとして、第2のIF1011に対して広告しているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図11に示すようにMN101のIF1011に対して広告されているホームプレフィックスに対してMAG112の気付けアドレスMAG2.CoAにバインディングする。
(10)次いで、MN101は第1のIF1010から第1のMAG111に対し、図10Aで説明したように第2のIF1011のアドレスHoA2をバックアップ用として第1のIF1010のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングするように要求する。なお、MN101は、HoA2と共に、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスをMAG111へ通知してもよい。
(11)第1のMAG111はこの要求を受信すると、要求の通りIF1010のリンク識別子IF1010.Addrに対してHoA2をバインディングする。なお、HoA2のプレフィックスとIF1010に対して広告されているホームプレフィックスが異なる場合、つまり、IF1010に対して広告されているホームプレフィックスと、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスが異なる場合には、MN101の第2のIF1011のプロキシとして、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110は図11に示すように、第2のIF1011に対して広告されているホームプレフィックスに対して第1のMAG111の気付けアドレスMAG1.CoAをバインディングする。
(12)また、MN101は、IF1010のアドレスHoA1をIF1011へ割り当てると共に、第2のIF1011から第2のMAG112に対し、図10Bで説明したように第1のIF1010のアドレスHoA1をバックアップ用として第2のIF1011のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングするように要求する。なお、MN101は、HoA1と共に、IF1010に対して広告されているホームプレフィックスをMAG112へ通知してもよい。
(13)第2のMAG112はこの要求を受信すると、要求の通りIF1011のリンク識別子IF1011.Addrに対してHoA1をバインディングする。なお、HoA1のプレフィックスとIF1011に対して広告されているホームプレフィックスが異なる場合、つまり、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスと、IF1010に対して広告されているプレフィックスが異なる場合には、MN101の第1のIF1010のプロキシとして、IF1010に対して広告されているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110は図11に示すように、第1のIF1010に対して広告されているホームプレフィックスに対して第2のMAG112の気付けアドレスMAG2.CoAをバインディングする。
なお、(4)及び(9)において、MAG111及びMAG112が送信するプロキシBUメッセージが、MN101のホームアドレスに対してMAGの気付けアドレスを関連付けるためのメッセージである場合(アドレスによるバインディング)は、(11)及び(13)においても、各MAGは、MN101から新たに通知されたHoAに対してMAGの気付けアドレスを登録するためのプロキシBUメッセージを送信する。
図13は第3の実施の形態において、MN101が実行するバックアップIF選択処理を示すフローチャートである。この処理は、IF1010、1011をバックアップ用として割り当て開始を決定したときにスタートする(ステップS80)。ここで、MN101が割り当て開始を決定する場合とは、MN101のユーザが、MN101の複数のIF1010、1011がアクティブになっていることを知得したときにMN101にトリガを印加した場合である。このトリガにより、アクティブになっているすべてのIF1010、1011に関するIF情報を引き出し(ステップS81)、次いでこのIF情報を用いて、複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するかを判断する(ステップS82)。
この判断は、IF1010、1011にそれぞれ関連する各ネットワーク情報40、特にドメインID402を比較することにより行う。各IF1010、1011のドメインID402が同じ位置である場合、各IF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するものと判断することができる。この場合、IF1010、1011の両方をお互いのバックアップ用として割り当て(ステップS83)、次いでステップS84に進む。このバックアップ割り当て処理では、例えばMN101は第1のIF1010に対し、第2のIF1011が使用するIPアドレスHoA2を第1のMAG111に広告するように指示する。
ステップS84では他のIFの処理が残っているか否かをチェックし、残っている場合にはステップS81に戻ってそのIFの情報を引き出し、処理を継続する。他方、残っていない場合にはこの処理を終了する(ステップS85)。ステップS82において複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置しないと判断した場合には、ステップS84に進んで他のIFの処理が残っているか否かをチェックする。
図1を例にしてこのバックアップIF設定を詳しく説明する。MN101の第1のIF1010は現在、第1のMAG111に接続してローカル・モビリティ・ドメイン11内で第1のアドレスHoA1を用いて通信を行っているものとする。同様に、第2のIF1011は現在、第2のMAG112に接続してローカル・モビリティ・ドメイン11内で第2のアドレスHoA2を用いて通信を行っているものとする。MN101はIF1010、1011の両方が受信したネットワーク情報40に基づいて、各ネットワーク情報40のドメインID402を比較する。ここでは、MN101は両方のドメインID402が一致するので、IF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置すると判断する。そして、MN101は第1のIF1010に対して第2のアドレスHoA2を第1のMAG111に広告するように指示し、また、第2のIF1011に対して第1のアドレスHoA1を第2のMAG112に広告するように指示する。この広告方法は、近隣広告(NA)メッセージを使用することにより実現することができるが、これには限定されない。
MAG111、112はこの近隣広告(NA)メッセージを受信すると、広告されたIPアドレスに基づいて、図10A、図10Bに示すようにそれぞれのNCE20、21を更新してMN101への追加のルーティング・エントリを生成する。好ましい第3の実施の形態では、MAG111、112はそれぞれのNCE20、21内に新しいルーティング・エントリを追加する。図10Aを参照して説明すると、第1のMAG111は第1のIF1010から、第2のアドレスHoA2を広告するNAメッセージを受信すると、NCE20内に新しいエントリを生成して第2のアドレスHoA2をバックアップIFとして第1のリンク識別子IF1010.Addrにマッピングする。同様に、図10Bを参照して説明すると、第2のMAG112は第2のIF1011から、第1のアドレスHoA1を広告するNAメッセージを受信すると、NCE21内に新しいエントリを生成して第1のアドレスHoA1をバックアップIFとして第2のリンク識別子IF1011.Addrにマッピングする。
このバックアップIF設定による利点は、LMA110が、MAG111、112により無効なルーティング・パスであるとしてMN101あてのパケットがフィルタリングされることを心配することなく、そのMN101あてのパケットをMAG111、112に転送できることにある。例えば図1において、LMA110が第2のアドレスHoA2あてのパケットを第1のMAG111を経由してMN101に転送すると、第1のMAG111のNCE20が第2のアドレスHoA2あての有効なルーティング・パスを有するので、第1のMAG111は、その第2のアドレスHoA2あてのパケットを第1のリンク識別子IF1010.Addrを経由してMN101に転送する。
なお、MN101の第2のIF1011が、ネットワークベースのモビリティ管理ではなく、ホストベースのモビリティ管理(MobileIPv6)が適用されるネットワークに接続している場合であっても、本実施の形態による手法を用いることができる。つまり、IF1011が第2のアドレスHoA2をMobileIPv6の中で使用しているときに、両方の接続ネットワークが同一のドメインであることが分かった場合、MN101は第1のIF1010に対して第2のアドレスHoA2を第1のMAG111に広告するように指示する。また、第2のIF1011に対しては、IF1011に割り当てられているケアオブアドレスをHoA1に関連付けるためのBUメッセージ(Binding Update)をHAへ送信するよう指示する。なお、HoA2そのものではなく、HoA2を構成しているプレフィックスをIF1010でも使用すると判断してもよい。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、図14C、図14Dに示すようにMAG111、112はそれぞれのNCE20、21において、MN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)をMN101の第1のリンク識別子IF1010.Addrと第2のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングすることができる。
図15は第4の実施の形態の通信シーケンスを示す。
(1)〜(11)は、図12における(1)〜(11)と同じであり、MN101においてIF1010、1011の各アドレスHoA1、HoA2がホームネットワーク・プリフィックスに基づいて生成される。また、MAG111はMN101から、(3)においてIF1010のアドレスHoA1が通知され、また、(10)においてIF1011のアドレスHoA2がバックアップ用として通知されて、図14Aに示すようにアドレスHoA1、HoA2を自身のNCE20に格納している。
(12)第1のMAG111は図14Aに示すNCE20をチェックして、同じホームプリフィックスを持つアドレスが2つ(HoA1、HoA2)あることを知得すると、
(13)第1のMAG111はMN101の第1のIF1010に対し、ホームネットワーク・プリフィックスを含むNSメッセージを送信する。
(14)MN101はこのNSメッセージを受信すると、図14Cに示すようにMN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)を第1のリンク識別子IF1010.Addrに関連づけるために、ホームネットワーク・プリフィックスを含むNAメッセージを第1のIF1010から第1のMAG111に送信する。第1のMAG111はNAメッセージを受信して、図14Cに示すようにバインディングする。
(15)また、MN101は第2のIF1011から第2のMAG112に対して、第1のIF1010のアドレスHoA1を含むNAメッセージを送信すると、
(16)第2のMAG112はこのNAメッセージを受信すると、図14Bに示すように第1のアドレスHoA1をバックアップ用としてNCE21を更新し、また、LMA110に対し、第1のIF1010の代理としてプロキシBUメッセージを送信する。
(17)また、第2のMAG112は自身のNCE21をチェックして、同じホームプリフィックスを持つアドレスが2つ(HoA1、HoA2)があることを知得すると、
(18)第2のMAG112はMN101の第2のIF1011に対し、ホームプリフィックスを含むNSメッセージを送信する。
(19)MN101はこのNSメッセージを受信すると、図14Dに示すようにMN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)を第2のリンク識別子IF1011.Addrに関連づけるために、ホームプリフィックスを含むNAメッセージを第2のIF1011から第2のMAG112に送信する。第2のMAG111はNAメッセージを受信して、図14Dに示すようにバインディングする。
図16は第4の実施の形態におけるMAG111、112の処理を示すフローチャートである。ステップS90では、MAG111、112がMN101から、IPアドレスを特定のリンク識別子に関連づけるNAメッセージを受信するとスタートする。続くステップS91では、受信NAメッセージ内のリンク識別子が自身のNCE20、21内に既に存在するか否かをチェックする。もしなければ、そのリンク識別子のエントリを自身のNCE20、21内に生成する(ステップS92)。この意味は、これでMAG111、112内のNCE20、21内に、このリンク識別子をIPアドレスに関連づけるエントリが存在するということであり、次いで処理を終了する(ステップS96)。
他方、ステップS91において、受信NAメッセージ内のリンク識別子が自身のNCE20、21内に既に存在する場合、IPアドレスに関連づけるべきリンク識別子が存在することを黙示しており、MAG111、112は、受信NAメッセージ内のIPアドレスとNCE20、21内のIPアドレスが同じか否かをチェックする(ステップS93)。もし、同じである場合、MAG111、112は、受信NAメッセージの目的が、自身のNCE20、21において存在するエントリのライフタイムをリフレッシュすることにあると判断して、そのエントリを更新し(ステップS94)、次いで処理を終了する(ステップS96)。
ステップS93において、受信NAメッセージ内のIPアドレスとNCE内のIPアドレスが異なる場合、これは受信NAメッセージ内のIPアドレスが複数のIPアドレスに関連づけられていることを意味する。そこで、MAG111、112はそれぞれ、図14A、図14Bに示すNCE20、21内のエントリを、図14Cに示すように受信NAメッセージ内のリンク識別子をMN101のホームネットワーク・プリフィックスに関連づけるエントリに置き換え(ステップS95)、次いで処理を終了する(ステップS96)。このホームネットワーク・プリフィックスは、望ましくはMAG111、112内に格納されているMN101のポリシー・プロファイルから知得することができる。
オプションとして、ステップS93において、受信NAメッセージ内のIPアドレスとNCE20、21内のIPアドレスが異なる場合、MAG111、112は、ステップS95におけるエントリ置き換えを行う前に、NCE20、21内のIPアドレスのテストを行うようにしてもよい。このテストは、MN101が古いIPアドレスを新しいIPアドレスに置き換える場合に有用である。MAG111、112はこのテストにより、MN101が複数のIPアドレスを特定の1つのIFに関連づける代わりに、古いIPアドレスを新しいIPアドレスに置き換えようとしていることを知得することができる。
もし可能な場合、このテストは、MAG111、112がNSメッセージをNCE20、21内の現在のIPアドレスあてに送信することにより行う。MN101がこのNSメッセージに対してNAメッセージで応答しない場合、これは、MN101が特定の1つのIFに対する古いIPアドレスを新しいIPアドレスに置き換えようとしていることを黙示している。また、MN101がこのNSメッセージに対してNAメッセージで応答しない場合、これは、特定の1つのIFに対して複数のIPアドレスに関連づけようとしていることを黙示している。
このテストによる利点は、MAG111、112がNSメッセージやNAメッセージを用いてMN101の接続性をテストする方法を簡略化できることにある。この場合、MAG111、112はそれぞれ、MN101の各IPアドレスHoA1、HoA2のためのNSメッセージを送る代わりに、MN101のホームネットワーク・プリフィックスのためのNSメッセージを送るだけでよい。MN101が未だ、MAG111、112に関連づけられているアクティブなIFを有する場合、MN101はこのNSメッセージに対し、NAメッセージで応答する。なお、受信NAメッセージ内のIPアドレスが異なる場合でも、既存のエントリを更新する目的であると解釈されないように、NAメッセージ内のIPアドレスが他インタフェースに割り当てられているアドレスであることを示す情報を付加してもよい。
以下に詳しく説明する。第1のMAG111は図14Aに示すNCE20を参照して、複数のIPアドレスHoA1、HoA2が同じリンク識別子IF1010.Addrにバインディングされていることを検出すると、図14Cに示すNCE20を修正して、MN.Prefixを第1のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングする。第1のMAG111は、第1のIF1010が未だアクティブか否かをテストする必要がある場合、図15(13)に示すようにNSメッセージを第1のリンク識別子IF1010.Addrあてに送信する。このNSメッセージはMN.Prefixを含む。MN101はこのNSメッセージを第1のIF1010を介して受信して、MN.Prefixが割り当てられているか否かをチェックする。もしそうであれば、図15(14)に示すようにMN101は第1のIF1010に対し、第1のIF1010が未だアクティブであることを広告するNAメッセージを送り返すことを指示する。
<MN101の構成>
次に、上記のようにMN101の複数のIF1010、1011に対してIPアドレスを割り当てる方法を実現するMN101の構成について説明する。図17はMN101の構成を機能的に示すブロック図であり、MN101はネットワーク・インタフェース(IF)900と、加入者ポリシー902及びインタフェース(IF)情報903を記憶するデータベース・モジュール901と、アドレス割り当てエンジン904と、ルーティング・パス構成エンジン905を有する。
ネットワークIF900は、MN101が幾つかの通信メディアを介して他のノードと通信するための必要なすべてのハードウエア及びソフトウエアを有するブロックである。関連する技術分野で知られている用語を用いれば、ネットワークIF900は、通信装置、ファームウエア、ドライバ、及びレイヤ1(物理層)、レイヤ2(データリンク層)の通信プロトコルを表す。当業者であれば、MN101は1以上のネットワーク・インタフェース900を含むことは明らかである。シグナル/データパス906は、ネットワークIF900とアドレス割り当てエンジン904との間でトリガ及びパケットを相互に転送する。同様に、シグナル/データパス907は、ネットワークIF900とルーティング・パス構成エンジン905との間でトリガ及びパケットを相互に転送する。
データベース・モジュール901はMN101に必要な情報をストアする。好ましい実施の形態として、加入者ポリシー902はMN101のユーザに関するすべての情報であり、例えばセルラ・オペレータが加入者を認証するために使用するIMSI(International Mobile Subscriber Identity)である。シグナル/データパス908により、アドレス割り当てエンジン904はローカル・モビリティ・ドメイン11内でIPアドレス割り当てを実行するときに、加入者に関する情報を加入者ポリシー902から取得できる。
また、IF情報903は1又は複数であって、MN101の各IF1010、1011に関するすべてのIF情報を含む。IF情報903は望ましくは、各IF1010、1011が接続しているドメイン名、各IF1010、1011に割り当てられているホームネットワーク・プリフィックスである。ただし、これには限定されない。シグナル/データパス909により、アドレス割り当てエンジン904はIF情報903のうちの必要な情報を引き出したり、更新したりすることができる。同様に、シグナル/データパス910により、ルーティング・パス構成エンジン905はIF情報903のうちの必要な情報を引き出したり、更新したりすることができる。
本発明では、アドレス割り当てエンジン904を導入することにより、MN101が各IF1010、1011に割り当てられるIPアドレスを決定する。アドレス割り当てエンジン904は図6及び図13に示すロジックで動作して、MN101の複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てるか否かを決定する。シグナル/データパス911により、アドレス割り当てエンジン904はルーティング・パス構成エンジン905に対して、ローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティング・パスを広告するように指示できる。
また本発明では、ルーティング・パス構成エンジン905を導入することにより、図3及び図12を用いて説明したように、MN101の各IF1010、1011に割り当てられるIPアドレスを広告する。この広告方法は、前述したように近隣発見(Neighbor discovery)を用いて実現することができる。この方法により、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のエンティティは、特定のIFを介してMN101に至るルーティング・パスを知得することができる。
<MAGの構成>
次にMAG111、112の構成について説明する。図18はMAG111(及び112)の構成を機能的に示す。MAG111はネットワーク・インタフェース(IF)11000と、加入者ポリシー11002及びルーティング・パス・キャッシュ11003を記憶するデータベース・モジュール11001と、広告メッセージ構成エンジン11004とルーティング・パス構成エンジン11005を有する。
ネットワークIF11000はMAG111が幾つかの通信メディアを介して他のノードと通信するための必要なすべてのハードウエア及びソフトウエアを有するブロックである。関連する技術分野で知られている用語を用いれば、ネットワークIF11000は、通信装置、ファームウエア、ドライバ、及びレイヤ1(物理層)、レイヤ2(データリンク層)の通信プロトコルを表す。当業者であれば、MAG111は1以上のネットワークIF11000を含むことは明らかである。シグナル/データパス11006は、ネットワークIF11000と加入者ポリシー11002のエリアとの間でトリガ及びパケットを相互に転送する。例えばシグナル/データパス11006は、不図示のローカルサーバから受信した加入者のポリシー・プロファイルを加入者ポリシー11002のエリアに転送して格納するために使用する。
同様に、シグナル/データパス11007は、ネットワークIF11000とルーティング・パス構成エンジン11005との間でトリガ及びパケットを相互に転送する。シグナル/データパス11007は、望ましくはMN101からこのMAG111に送信されたNAメッセージをルーティング・パス構成エンジン11005に転送する。
データベース・モジュール11001はMAG111に必要な情報を記憶する。データベース・モジュール11001は加入者ポリシー11002として、望ましくはMN101のユーザに関するすべての情報を保持する。その情報の例は、MN101に割り当てられたホームネットワーク・プリフィックスを含むMN101のポリシー・プロファイルである。広告メッセージ構成エンジン11004は、ローカル・モビリティ・ドメイン11内の特定のMN101に対してルータ広告(RA)メッセージを生成するときに、加入者ポリシー11002のエリアからシグナル/データパス11008を介してそのMNのホームネットワーク・プリフィックスを取得することができる。
データベース・モジュール11001はさらに、1又は複数のルーティング・パス・キャッシュ11003を保持する。ルーティング・パス・キャッシュ11003はMAG111がローカル・モビリティ・ドメイン11内でパケット・ルーティングを実行するために必要なすべての情報を含む。ルーティング・パス・キャッシュ11003は図4A、図4B、図10A、図10B、図14A、図14B、図14C、図14Dに示すNCEのテーブルを表す。MAG111はこのルーティング情報が利用可能となることにより、MN101あてのパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内の意図するあて先にスムーズにルーティングすることができる。シグナル/データパス11009により、ルーティング・パス・キャッシュ11003とルーティング・パス構成エンジン11005との間で適切なルーティング・パス情報を引き出したり、更新したりすることができる。
広告メッセージ構成エンジン11004の目的は、MAG111に接続している各MN101に対してルータ広告(RA)メッセージを周期的に生成することにある。広告メッセージ構成エンジン11004は、望ましくはドメインIDをRAメッセージ内に記述する。広告メッセージ構成エンジン11004はシグナル/データパス11010によりネットワークIF11000を介して、MAG111に接続している各MN101に対してRAメッセージを送信することができる。
本発明では、ルーティング・パス構成エンジン11005を導入することにより、MAG111がローカル・モビリティ・ドメイン11内でパケット・ルーティングするようにしている。図3及び図12を用いて説明したように、MAGのルーティング・パス構成エンジン11005のタスクは、ルーティング・パス・キャッシュ11003にストアされているルーティング・エントリを生成したり、維持したりすることにある。最新のルーティング情報がMAG111において利用可能になると、MAG111はMN101あてのパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内の意図するあて先にスムーズにルーティングすることができる。
加えて、ルーティング・パス構成エンジン11005の他のタスクは、ホームネットワーク・プリフィックスをMN101のリンク識別子にバインディングする必要があるか否かを決定することにある。この決定方法は図16に示した。その例は、MN101の第1のIF1010がその第1のリンク識別子の第2のIPアドレスを広告したときである。この場合、ルーティング・パス構成エンジン11005は、ルーティング・パス・キャッシュ11003において第1のIF1010が既に第1のIPアドレスに関連づけられていることを知得すると、MN101のホームネットワーク・プリフィックスをそのリンク識別子にバインディングすることを決定する。これにより、MN101のエントリが更新される。
<変形例>
以上、本発明について実施の形態を例にして説明したが、本発明は、種々の変形にも適用することはもちろんである。例えば図17に示すMN101の構成をモバイルルータに備えることができる。すなわち、アドレス割り当てエンジン904はアドレス割り当てサーバに備えることができる。この場合のアドレス割り当てエンジン904は図6に示すロジックで動作して、MN101の複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てるか否かを決定する。
また、MN101に備えるルーティング・パス構成エンジン905をMAG111、112に備えて、MN101のIF1010、1011がローカル・モビリティ・ドメイン11内におけるルーティング・パスを構成するのを助けるようにすることができる。最後に、MN101が実行するバックアップIF選択は、アドレス割り当てサーバ130が実行するようにしてもよい。例えばアドレス割り当てサーバ130は図13に示す方法を使用して、MN101のバックアップIFを割り当てる。この情報は、LMA110にとって、MN101あての現在のルーティング・パスを使用できないときに代わりのルーティング・パスを探すときに役立つ。
なお、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明は、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができるという効果を有し、プロキシ・モバイル・インタネット・プロトコル(PMIP)に利用することができる。
本発明は、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法、アドレス割り当てシステム、モバイルノード及び代理ノードに関する。
近年、セルラ通信が進歩して多くの人の日常生活の一部となっている。また、今日では、セルラ電話機は音声通信として使用されるツールよりも多くの機能を有する。さらに新しい世代の電話機は、ユーザが例えばインターネットにアクセスしてデータ通信を行うことが可能な機能を有する。しかしながら、セルラ・オペレータは、インターネットサービスを提供することにより発生する新しい形態のセキュリティ上の脅威に対して、自身のシステムをオープンにしている。セルラ・オペレータのシステムの完全性や信用に被害を与えるのは、サービス否定(denial of service)やパケット攻撃である。例えば攻撃者がコンピュータを武装して、セルラ・オペレータのシステム内のアクティブでないインターネット・プロトコル(IP)アドレスにパケットを送信することができる。IPアドレスは、セルラ・オペレータが制御する有効なプリフィックスから構成されているので、セルラ・オペレータのシステムはこのIPアドレスあての経路を探索しようとする。この継続的で意味のない探索により、有効なシステム資源を浪費して、セルラ・オペレータが提供するサービスを有効な加入者が使用することを否定することになる。このような攻撃は、サービス否定攻撃(denial of service attack)として知られている。
したがって、セルラ・オペレータは常にセキュリティ・プロトコルを改訂してシステムを最新に保護していることを保証する必要がある。例えばサービス否定攻撃を受けることを最小限にするために、セルラ・オペレータはシステム内でパケット・フィルタリングを行う。セルラ・オペレータのシステム内のエンティティは、パケットのあて先アドレスにルーティングできない場合に起こす動作を記述したポリシーを有する。例えばあるルータがパケットのあて先アドレスに対する次の有効なホップをルーティング・キャッシュ内に発見できないときには、そのルータはそのパケットをシステム内の中央のデフォルト・ルーティング・ゲートウェイに送信する。他の例としては、システムがすべての可能なルーティング・パスのリストを構成していて、あるルータがこのリスト内に存在しないルーティング・パスでパケットを受信したときには、そのルータはそのパケットを偽パケットとして破棄する。
第3世代パートナーシップ・プロジェクト(Third Generation Partnership Project:3GPP)により作業を行っているLTE(The Long Term Evolution)プロジェクトは、現在のユニバーサル・モバイル通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)を第4世代(4G)モバイル通信システムに適合させることを目的としている。4Gネットワークの特徴は、現在の複合的な回路網とパケット交換ネットワークからオールIPシステムにシフトすることにある。オールIPシステムとは、通信及びシグナリングにIPを使用するネットワークである。オールIPシステムにシフトするためにはUMTSの現在の構造を進化させる必要があるが、この作業は3GPP内のSAE(Systems Architecture Evolution)が行っている。セルラ・オペレータにとって4Gにシフトするには、オールIPシステムにおける加入者のモビリティをいかにサポートするかを考慮する必要がある。
同様に、3GGP2(Third Generation Partnership Project 2)が作業を行っているIMT−2000(International Mobile Telecommunications-2000)は、無線通信の速度と簡略性を向上させることにより、高品質のモバイル・マルチメディア通信を世界的なマーケットにすることを目的としている。IPベースのモバイルシステムの作業を行う際、IMT−2000を開発しているセルラ・オペレータもまた、オールIPシステムにおける加入者のモビリティをいかにサポートするかを考慮する必要がある。
プロキシ・モバイルIPv6(Proxy Mobile IPv6 :PMIPv6)は、セルラ・オペレータにより、これらの要求を満たす候補として考慮されている。下記の非特許文献1では、PMIPv6は、モバイルノードがローカル・モビリティ・ドメイン内を移動するときに、モビリティに関するシグナリングから解放されるモビリティ管理形態として記載されている。ローカル・モビリティ・ドメイン内に位置するプロキシは、モバイルノードのモビリティ管理を援助する。このモビリティ管理方法は「ネットワークベースのモビリティ管理」と呼ばれている。
図1はこの「ネットワークベースのモビリティ管理」が用いられるシステムを示す。モバイルノード(mobile node:MN)101はローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置する。MN101のインタフェース(IF)1010は、モバイル・アクセス・ゲートウェイ(mobile access gateway :MAG)111に接続し、このとき、アクセス認証手順の一部としてMN101の識別子(MN−ID)を提示する。MN−IDは典型的には、不図示のローカルサーバから取得できるMN101のポリシー・プロファイルを関連づけるために用いられる。このポリシー・プロファイルは、ネットワークベースのモビリティサービスの特徴の規定と、他の関連するパラメータ、例えばMN101に割り当てられたホームネットワーク・プリフィックス、許可されたアドレス構成モード、ローミング・ポリシー、ネットワークベースのモビリティサービスを提供するために本質的な他のパラメータを含む。
アクセス認証が成功すると、MAG111は不図示のローカルサーバからMN101のポリシー・プロファイルを取得している。この意味は、MAG111が、MN101のモビリティ・シグナリングを遂行するのに必要とされるすべての情報を有するということである。このため、MAG111はMN101に対して、ルータ広告(Router Advertisement:RA)メッセージを周期的に送信してホームネットワーク・プリフィックスを広告する。MN101はホームネットワーク・プリフィックスを知得すると、IF1010が通信するためのIPアドレス(例えばホームアドレスHoA)を構成する。MN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内のどこに位置していても、IF1010は常にホームネットワーク・プリフィックスを知得している。この理由は、MN101が接続している各MAGが常にローカルサーバからMN101のポリシー・プロファイルを引き出しているからである。例えばMN101がMAG111からMAG112に移動してIF1010がMAG112に接続すると、MAG112は、認証手続の間に提示されるMN−IDに基づいて、ローカルサーバからMN101のホームネットワーク・プリフィックスを取得する。このため、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のMN101の位置に関係なく、MN101は常にホームアドレスを使用することができる。
ローカル・モビリティ・ドメイン11内のルーティングのために、ローカル・モビリティ・アンカー(local mobility anchor:LMA110)と呼ばれるエンティティが各モバイルノードの不変のアンカーポイント(ホームエージェント)として動作して、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のMN101と外部のネットワークの通信相手(CN:Correspondent Node)120を接続する。また、LMA110は各モバイルノードの到達性(reachability)の状態を管理している。LMA110は各モバイルノードのアンカーポイントとして動作するために、各モバイルノードの現在の位置を更新される必要がある。このため、あるモバイルノードがあるMAGに接続しているときにはいつでも、そのMAGはそのモバイルノードの代理ノードとして、プロキシ・バインディング・アップデート(proxy binding update:PBU)メッセージをLMA110に送信する。
LMA110はPBUメッセージにより、そのモバイルノードのルーティング・エントリをMN−IDに基づいて生成することができる。このルーティング・エントリにより、LMA110はそのモバイルノードのホームネットワーク・プリフィックスをMAGの気付アドレスにバインディング(bind)する。また、オプションとして、PBUメッセージがホームネットワーク・プリフィックスの代わりに、そのモバイルノードのIPアドレス(例えばホームアドレス)を含む場合、LMA110はそのホームアドレスをMAGの気付アドレスにバインディングする。このバインディングにより、LMA110はそのホームアドレスあてのパケットを適切なMAGを経由してルーティングすることができる。
図1において、MN101はIF1010を使用してMAG111と接続し、必要な認証手続を実行する。MAG111は認証が成功すると、PBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はPBUメッセージの内容に基づいて、自身のバインディング・キャッシュ・エントリ(Binding Cache Entry:BCE)内に、ホームネットワーク・プリフィックス又はMN101のホームアドレスをMAG111の気付アドレスにバインディングする。LMA110は外部のCN120からMN101のホームアドレスあてのパケットを受信すると、バインディング・キャッシュ・エントリをチェックしてそのパケットのルーティング・パスを見つける。図1に示すシステムでは、LMA110はそのパケットがMN101のホームアドレスあてであると認識する。LMA110はバインディング・キャッシュ・エントリに基づいてそのパケットをMAG111あてにトンネル化し、その結果、そのパケットがMN101に転送される。
ところで、セルラ電話機のような個人用のデバイスは、例えばワイヤレス・ローカルエリアネットワーク(WLAN)、セルラ無線、Bluetooth(登録商標)のように複数のインタフェースを備える。このため、消費者は既に、ネットワークに対して「同時接続」する能力を有する。しかしながら、セルラ・オペレータは現在、自身のネットワーク内にそのような同時接続サービスをサポートするかを検討中である。セルラ・オペレータにとって、ローカル・モビリティ・ドメイン内で輻輳が検出されたときに、同時バインディングの概念によりセルラ・オペレータがロード・バランシングを実行できると考えられる。モバイルノードに複数のパスを提供すると、セルラ・オペレータはモバイルノードあてのパケットをルーティングする際にどのパスを使用するかを選択できる。
ここで、図1において、ローカル・モビリティ・ドメイン11は2つのタイプのネットワークを有するものとする。例として、第1はMAG111が接続しているセルラ・ネットワークであり、第2はMAG112が接続しているWLANであるとする。また、MN101はIF1010としてMAG111に接続するセルラ・インタフェースと、IF1011としてMAG112に接続するWLANインタフェースの2つのインタフェースを有するものとする。このため、MN101はローカル・モビリティ・ドメイン11に対して同時アクセスが可能である。
下記の非特許文献2におけるアドレス解決方法を使用して、MN101はローカル・モビリティ・ドメイン11の各ネットワークと一連のメッセージ交換を実行して各IF1010、1011のIPアドレスを構成する。MN101は上記のメッセージ交換中に、近隣探索(Neighbor Solicitations:NS)メッセージを送信して、ネットワーク内のデバイスが、構成したIPアドレスを使用しているか否かを問い合わせる。MN101はNSメッセージに対する近隣広告(Neighbor Advertisement:NA)メッセージを受信しない場合、ネットワーク内のデバイスが、構成したIPアドレスを使用していないと仮定し、そのIPアドレスを自身のIF1010、1011に割り当てることができる。
ここで、図1では、MN101はIF1010にIPアドレスHoA1を、IF1011にIPアドレスHoA2に割り当てて、ローカル・モビリティ・ドメイン11内の通信を行うものとする。MN101がIF1010、1011にそれぞれIPアドレスHoA1、HoA2を割り当てると、IF1010、1011にそれぞれ接続したMAG111、112はIPアドレスHoA1、HoA2を知得することができる。その方法では、MN101がNAメッセージを送信して、IPアドレスHoA1、HoA2が利用可能であることを指示する。MAG111、112はNAメッセージ内の情報を用いて、ネットワーク内のMN101に対するルーティングステートを生成することができる。図19A、図19Bはそれぞれ、MAG111、112が生成したルーティングステートである近隣キャッシュ・エントリ(Neighbor Cache Entry:NCE)20、21を示す。以下に、ルーティングステートを生成する例を詳しく説明する。
図19Aによれば、IF1010はNAメッセージを送信して、IPアドレス200としてHoA1(図のエントリ2001)がセルラ・ネットワーク内で利用可能であることを広告する。IF1010はまた、このNAメッセージ内に、HoA1にバインディングするIF1010のリンク識別子201としてIF1010.Addr(図のエントリ2011)を記述する。リンク識別子201はIF1010とMAG111の間のリンクを表す。リンク識別子201はメディア・アクセス・コントロール(Media Access Control:MAC)アドレスや、リンクローカルアドレスや、IF1010が使用する3GGP無線チャネルでもよいが、これには限定されない。MAG111はリンク識別子201を用いて、新しいエントリ2001、2011をNCE20内に生成し、IPアドレス200としてHoA1をエントリ2001に記録し、また、リンク識別子201としてIF1010.Addrをエントリ2011に記録する。これは、MAG111がHoA1あてのパケットを受信すると、NCE20に基づいてそのパケットをリンク識別子IF1010.Addrのリンク経由でMN101に転送することを意味する。
同様に、図19Bを参照すると、IF1011はNAメッセージを送信して、IPアドレス210としてHoA2(図のエントリ2101)がWLANネットワーク内で利用可能であることを広告する。MAG112は新しいエントリ2101、2111をNCE21内に生成し、IPアドレス210としてHoA2をエントリ2101に記録し、また、リンク識別子211としてIF1011.Addrをエントリ2111に記録する。
上記のアドレス解決を行うと、LMA110がMN101あてのパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティングできるように、MAG111、112の両方がそれぞれの気付アドレスをLMA110にバインディングする。前述したように、LMA110におけるルーティング・エントリは、「プリフィックスによるバインディング」でも、「アドレスによるバインディング」でも生成することができる。ルーティング・エントリが生成された方法によって、LMA110がパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティングする動作が異なる。
図20Aは「アドレスによるバインディング」でLMA110が生成したルーティング・エントリのバインディング・キャッシュ・エントリ(Binding Cache Entry:BCE)30を示す。また、図20Bは「プリフィックスによるバインディング」で生成したBCE31を示す。図20Aを参照すると、MAG111、112はそれぞれ、MN101のホームアドレスHoA1、HoA2をMAG111、112の気付アドレスMAG1.CoA、MAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はMN.HoAのコラム300と気付アドレス(care-of address:CoA)のコラム301の2つのコラムを有するBCE30を生成する。コラム300はMN101のホームアドレスHoA1、HoA2を含み、コラム301はMAG111、112の気付アドレスMAG1.CoA、MAG2.CoAを含む。
例えばMAG111がHoA1をMAG1.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信すると、LMA110はHoA1をエントリ3001に、また、MAG1.CoAをエントリ3011にストアする。これにより、LMA110はHoA1あてのパケットをMAG111経由でMN101に送信すべきであると知得することができる。同様に、MAG112がHoA2をMAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージを送信すると、LMA110はHoA2をエントリ3002に、また、MAG2.CoAをエントリ3012にストアする。ここで、他の従来技術としては、下記の特許文献1、2、3が知られている。
S. Gundavelli, K. Leung, V. Devarapalli, K. Chowdhury and B. Patil, "Proxy Mobile IPv6", Internet Engineering Task Force Internet Draft: draft-ietf-netlmm-proxymip6-00.txt, April 08, 2007. T. Narten, E. Nordmark and W. Simpson, "Neighbor Discovery for IP Version 6 (IPv6)", Internet Engineering Task Force Request for Comments 2461, December, 1998. J-A. Belland E-G. Britton, "Virtual internet protocol (IP) addressing", US Patent Number 5,923,854, July 13, 1999. K-A. Dobbins, D-L. Cullerot, S-H. Negus and W-T. Haggerty, "Internet protocol (IP) work group routing", US Patent Number 5,751,971, May 12, 1998. E-G. Britton, J-D. Haggar, T-D. Moore, A-H. Richter and B-C. Vashaw, "Method and apparatus for generating replies to address resolution protocol requests", US Patent Number 6,775,278, August 10, 2004.
ここで、LMA110は、図20Aに示すように「アドレスによるバインディング」で生成したBCE30を使用すると、MN101あてのパケットの転送先を変更することができない。LMAが転送先の変更を試みようとする理由は、例えば、使用しているリンクが現在、輻輳しているかもしれないので、輻輳しているリンクの使用をネットワーク側が制限する必要があるからである。この場合、LMA110は代わりのルートを探してMN101あてのパケットを転送する必要がある。しかしながら、LMA110はHoA2あてのパケットを受信した場合、このパケットをMAG111経由でMN101に転送できない。この理由は、BCE30における両方のエントリが関連付けられていない、つまり、HoA2あてのパケットをMAG112経由で送信してもよいことを示すエントリが存在しないので、MN101がMAG111経由で到達できる(reachable)ことをLMA110が知得できないからである。
ここで、LMA110がBCEにおいてMN101に関連するエンティティを知得する方法として、LMA110が「プリフィックスによるバインディング」をローカル・モビリティ・ドメイン11内で実行する方法が考えられる。この方法は、非特許文献1においてローカル・モビリティ・アンカーにおいてバインディング・キャッシュ・エントリを取り扱うために推奨されている。
図20Bは「プリフィックスによるバインディング」でLMA110が生成したルーティング・エントリのBCE31を示す。図20Bを参照すると、MAG111、112はMN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)をそれぞれMAG111、112の気付アドレスMAG1.CoA、MAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はホームネットワーク・プリフィックス(Prefix)のコラム310と気付アドレス(care-of address:CoA))のコラム311の2つのコラムを有するBCE31を生成する。
例えばMAG111がMN.PrefixをMAG1.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信すると、LMA110はMN.Prefixをエントリ3101に、また、MAG1.CoAをエントリ3111にストアする。同様に、MAG112がMN.PrefixをMAG2.CoAにバインディングするためのPBUメッセージをLMA110に送信すると、LMA110はMN.Prefixをエントリ3102に、また、MAG2.CoAをエントリ3112にストアする。この方法により、MN.Prefixを使用して構成したいかなるアドレス(HoA1、HoA2)あてのパケットであっても、MAG111、112のいずれを経由しても転送できることをLMA110が知得することができる。
しかしながら、LMA110はさらに、図20Bに示すように「プリフィックスによるバインディング」で生成したBCE31を使用しても、MN101のパケットの転送先を変更することができない。その理由は、「MAG111、112はそれぞれのNCE20、21において有効なルーティング・エントリに対応しないパケットを除外する」というセキュリティ・ポリシーをローカル・モビリティ・ドメイン11が備えるからである。例えばLMA110がHoA2あてのパケットをMAG111に転送すると、MAG111はNCE20においてHoA2に関する有効なルーティング・エントリを有しないので、このパケットを破棄する。
他の解決策として、特許文献3に示すように、同じリンクに位置する複数のインタフェースがお互いにバックアップ用として動作することが考えられる。特許文献3には、あるインタフェースが他方からトリガ信号を受信したときにバックアップ用として動作することが記載されている。このトリガ信号は両方のインタフェースが物理的に同じリンクに位置することを指示する。
しかしながら、ローカル・モビリティ・ドメイン11では、MN101の物理リンクがMAG111、112によりエミュレートされるので、上記のようなトリガ信号はMAG111、112間で伝搬するので好ましくない。その理由は、ローカル・モビリティ・ドメイン11が地理的に大きく、上記のようなトリガ信号が多くMAG111、112に到達することは、セルラ・オペレータが望む機能ではない。
本発明は上記従来技術の問題点に鑑み、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができるアドレス割り当て方法、アドレス割り当てシステム、モバイルノード及び代理ノードを提供することを目的とする。
本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法において、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定するステップと、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求するステップと、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送するステップとを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおいて、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求する手段と、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける前記モバイルノードであって、
前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求する手段とを備え、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送するようにしたことを特徴とする。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける代理ノードであって、
前記モバイルノードの要求に基づいて、前記複数のインタフェースの2以上に割り当てられている同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングする手段と、
前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを、前記バインディングされているリンク識別子に対応するリンクを介して前記モバイルノードに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、前記モバイルノードが前記同じアドレスの割り当て要求をアドレス割り当てサーバへ送信し、前記アドレス割り当てサーバが前記割り当て要求に基づいて前記同じアドレスを割り当てることを特徴とする。
この構成により、モバイルノードの同じドメインに接続している2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てて、2以上のインタフェースが接続している各代理ノードにおいて同じアドレスを2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするので、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができる。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法において、
前記モバイルノードの前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てるステップと、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定するステップと、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求するステップと、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送するステップとを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおいて、
前記モバイルノードの前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てる手段と、
前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求する手段と、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける前記モバイルノードであって、
前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てる手段と、
前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求する手段とを備え、
前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送するようにした。
また、本発明は上記目的を達成するために、モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける代理ノードであって、
前記モバイルノードの要求に基づいて、前記複数のインタフェースの各々のそれぞれに割り当てられている異なるアドレスを前記複数のインタフェースの各リンク識別子にバインディングする手段と、
前記モバイルノードの要求に基づいて、同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかが他のインタフェースのバックアップ用となるように、又はお互いのバックアップ用となるように前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングする手段と、
前記バインディングに基づいて、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送する手段とを、
備えた構成とした。
また、前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記異なる複数のアドレスが同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されているか否かを判定し、同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されている場合に前記同じホームネットワーク・プリフィックスを前記リンク識別子に共通にバインディングすることを特徴とする。
この構成により、モバイルノードの同じドメインに接続している2以上のインタフェースに異なるアドレスを割り当てて、2以上のインタフェースが接続している各代理ノードにおいて、あるインタフェースのアドレスをバックアップ用として他のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするので、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができる。
本発明によれば、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
図1は本発明に係る通信システムの第1の実施の形態として、ネットワークベースのモビリティ管理が用いられるシステムを示し、ローカル・モビリティ・ドメイン11のエッジに、MN101の代理ノードであるMAG111、112と、MN101のホームエージェントであるLMA110が設けられている。MN101はIF1010、1011を有し、IF1010、1011はそれぞれMAG111、112に接続している。LMA110はローカル・モビリティ・ドメイン11内のMN101と、外部ネットワークにおけるMN101の通信相手(CN)120を接続する。
図2はMN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するときに受信するネットワーク情報40のフォーマットを示す。ネットワーク情報40はパケットヘッダ401と、ドメイン識別子(ドメインID)402とMAG識別子(MAG−ID)403の各フィールドを有する。パケットヘッダ401はIPv4アドレス又はIPv6アドレスであるメッセージの送信元と、メッセージのタイプを示すタイプフィールドと、メッセージの長さを示すメッセージ長フィールドを含む。
ドメインID402はMN101のIF1010、1011が接続しているローカル・モビリティ・ドメイン11の識別子である。ドメインID402は望ましくはセルラ・オペレータを特定する識別子(ドメイン名など)や、WLANホットスポットのサービスセット識別子(Service Set Identifier:SSID)又はMN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内で使用するホームネットワーク・プリフィックスなどを使用して構成される。ただし、これには限定されない。例えば、MN101を管理するLMAとして、LMA110のアドレスを含めてもよい。ドメインID402の目的は、複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するか否かをMN101が知得できるようにするためにある。複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置する場合には、MN101はすべてのIF1010、1011がローカル・モビリティ・ドメイン11内で1つのIPアドレスを共有することを決定することができる。
MAG−ID403はMN101に対し、IF1010、1011がそれぞれ接続しているMAG111、112の識別子を提示する。MAG−ID403はMAG111、112のMACアドレス又は気付アドレス(CoA)などにより構成される。ただし、これには限定されない。MN101はIF1010、1011がそれぞれ接続しているMAG111、112を識別すると、どのIF1010、1011がどのMAG111、112に接続しているかをローカル・モビリティ・ドメイン11内のエンティティに通知することができる。この通知されたエンティティは、MN101が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置する複数のIF1010、1011を有するか否かを判断することができ、また、もしそうであれば、すべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを割り当てることができる。
望ましい第1の実施の形態では、ネットワーク情報40はMN101に対してMAG111、112を経由して転送される。当業者であれば、MAG111、112がIEEE802.11のビーコン又はルータ広告メッセージ(RA:Router Advertisement Message)及び近隣広告メッセージ(NA:Neighbor Advertisement Message)を用いてネットワーク情報40を送信できることは明らかである。また、ネットワークに接続した際に行われる認証手続きの中でネットワーク情報40を取得してもよい。MN101はネットワーク情報40を知得すると、ホームネットワークプレフィックスや、ドメインID402、LMAのアドレスなどが同一であることを確認することで、複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置することを検出して、すべてのIF1010、1011がローカル・モビリティ・ドメイン11内で1つのIPアドレスを共有することを決定することができる。
図3は第1の実施の形態の通信シーケンスの一例を示す。
(1)MN101の第1のIF1010が第1のMAG111からネットワーク情報40として、ホームネットワーク・プリフィックス(HomePrefix)を含むRAメッセージを受信すると、
(2)MN101は受信RAメッセージ内のホームプリフィックスに基づいて第1のIF1010のアドレス(例えばHoA1)を生成する。
(3)次いでMN101が第1のIF1010から第1のMAG111に対し、第1のIF1010のアドレスHoA1を含むNA(Neighbor Advertisement)メッセージを送信すると、
(4)第1のMAG111は、図4Aに示すようにNCE20において第1のIF1010のアドレスHoA1を第1のリンク識別子IF1010.Addrをバインディングするとともに、MN101の第1のIF1010のプロキシとして、MN101のホームプレフィックスを含むプロキシBU(ProxyBU)メッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図5に示すようにBCE30において第1のMAG111の気付アドレスMAG1.CoAをホームプレフィックスMN.Prfixにバインディングする。
(5)次いで、MN101の第2のIF1011が第2のMAG112からネットワーク情報40として、ホームネットワーク・プリフィックス(HomePrefix)を含むRAメッセージを受信すると、
(6)MN101は第2のMAG112に接続し、
(7)次いで、MN101は、RAメッセージに含まれるホームプレフィックスにより、第1のIF1010が受信したRAメッセージに含まれていたホームプレフィックスと同一であることを確認し、第2のIF1011が第1のIF1010と同じドメイン11に接続したことを知得する。
(8)次いで、MN101は第1のIF1010のアドレスHoA1を第2のIF1011に割り当てる。
(9)次いで、MN101が第1のIF1010と同じアドレスHoA1を含むNAメッセージを第2のMAG112に送信すると、
(10)第2のMAG112は、図4Bに示すようにNCE21において同じアドレスHoA1を第2のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングするとともに、MN101の第2のIF1011のプロキシとして、MN101のホームプレフィックス(MN.Prefix)を含むプロキシBU(ProxyBU)メッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図5に示すように第2のMAG112の気付アドレスMAG2.CoAをホームプレフィック(MN.Prefix)にバインディングする。なお、MAG111及びMAG112の気付アドレスを関連付ける対象として、プレフィックスの代わりにホームアドレスを用いてもよい。
図6はMN101が実行するアドレス割り当て決定処理を示すフローチャートである。この処理は、MN101がネットワーク情報40を受信するとスタートする(ステップS50)。MN101がネットワーク情報40を受信するとスタートする理由は、MN101が第2のIFをローカル・モビリティ・ドメイン11に接続しようとするからである。ただし、これには限定されない。ネットワーク情報40を受信すると、第2のIFが第1のIFと同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置するか否かを判断する(ステップS51)。この判断は、第1のIFからのドメインID402と第2のIFからのドメインID402を比較することにより行うことができる。ステップS51において2つのドメインID402が異なる場合には、第2のIFの新しいIPアドレスを生成し(ステップS52)、次いで処理を終了する(ステップS54)。他方、ステップS51において2つのドメインID402が同じである場合には、第2のIFのIPアドレスとして第1のIFと同じIPアドレスを割り当て(ステップS53)、次いで処理を終了する(ステップS54)。
図1を例にしてこの処理を詳しく説明する。MN101の第1のIF1010は現在、MAG111に接続してローカル・モビリティ・ドメイン11内でHoA1を用いて通信を行っているものとする。第2のIF1011がMAG112に接続しようとすると、IF1011はMAG112からネットワーク情報40を受信する。MN101はネットワーク情報40内のドメインID402をチェックしてIF1011がIF1010と同じドメイン11内に位置するか否かを判断する。IF1010、1011のドメインID402が一致する場合には、MN101はIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置するとみなして同じHoA1をIF1011に割り当てる。
なお、MN101の第2のIF1011が、ネットワークベースのモビリティ管理ではなく、ホストベースのモビリティ管理(MobileIPv6)が適用されるネットワークに接続した場合であっても、本実施の形態による手法を用いることができる。この場合の処理について説明する。なお、以下の説明では、IF1011の接続先として、MAG112の代わりにAR112(Access Router)を用いる。MN101の第1のIF1010は現在、MAG111に接続してHoA1を用いて通信を行っているものとする。第2のIF1011がAR112へ接続しようとすると、IF1011はAR112からネットワーク情報40を受信する。MN101はネットワーク情報40内のドメインID402をチェックしてIF1011がIF1010と同じドメイン11内に位置するか否かを判断する。IF1010、1011のドメインID402が一致する場合には、MN101はIF1010、1011が同じドメインに接続していると解釈して、IF1010と同じHoA1をIF1011でも使用する。なお、HoA1そのものではなく、HoA1を構成しているプレフィックスをIF1011でも使用すると判断し、そのプレフィックスから生成される別のアドレスをIF1011で使用してもよい。
<第2の実施の形態>
次に、図7〜図9を参照して第2の実施の形態を説明する。同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置するIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てる他の方法として、第2の実施の形態では、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のエンティティが割り当てる。その1つのエンティティとしては、DHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)が動作しているDHCPサーバがある。図7において、MN101のあるIFがローカル・モビリティ・ドメイン11に接続すると、MN101はDHCPを実行してそのIFのIPアドレス割り当てを、IPアドレス割り当てサーバ130であるDHCPサーバに要求する。
図8はMN101がIPアドレス割り当てサーバ130に送信するIPアドレス要求メッセージ60のフォーマットを示す。IPアドレス要求メッセージ60はパケットヘッダ601と、モバイルノード識別子(MN−ID)602と、IPアドレス603と、ドメイン識別子(ドメインID)402とMAG識別子(MAG−ID)403の各フィールドを含む。パケットヘッダ601はIPv4アドレス又はIPv6アドレスであるメッセージの送信元と、メッセージのタイプを示すタイプフィールドと、メッセージの長さを示すメッセージ長フィールドを含む。
MN−ID602はMN101の識別子を含み、また、典型的にはMN101のポリシー・プロファイルと関連づけるために用いられる。このポリシー・プロファイルは不図示のローカルサーバから取得でき、また、ネットワークベースのモビリティサービスの特徴の規定と、他の関連するパラメータ、例えばMN101に割り当てられたホームネットワーク・プリフィックス、許可されたアドレス構成モード、ローミング・ポリシー、及びネットワークベースのモビリティサービスを提供するために本質的な他のパラメータを含む。MN−ID602の目的は、IPアドレス割り当てサーバ130がMN101に関する情報を引き出して、どのようにIPアドレスをMN101に割り当てるかを判断するのに使用することにある。
望ましい第2の実施の形態では、MN101のポリシー・プロファイルはさらに、各IF1010、1011を識別するためのインタフェース識別子(IF−ID)を含む。このIF−IDにより、IPアドレス割り当てサーバ130はどのIPアドレスがMN101のどのIFに割り当てられたかを知得することができる。また、IPアドレス割り当てサーバ130がMN101の使用しているIPアドレスの課金と追跡を行うのに役立つ。
IPアドレス要求メッセージ60におけるIPアドレス603のフィールドはオプションであるが、MN101が特定のIPアドレスを指定してIPアドレス割り当てサーバ130に要求するために用いられる。この要求はMN101が複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを使用する場合に行われ、MN101は新しいIFに割り当てられるIPアドレスをIPアドレス603で要求する。他の望ましい方法として、IPアドレス603はIPアドレス要求メッセージ60においてフラグとして使用される。したがって、このフラグがセットされている場合(ビット=1)、他のIFに現在使用されているIPアドレスをMN101が要求していることを意味する。同様に、このフラグがセットされていない場合(ビット=0)、新しいIPアドレスをMN101が要求していることを意味する。この場合、フラグと共にMN101が指定するIPアドレスが含まれていてもよい。
ドメインID402には、MN101のIF1010、1011が接続しているローカル・モビリティ・ドメイン11の名前が記述されるが、ドメインID402の目的は、IPアドレス割り当てサーバ130が、MN101のあるIFが他のIFと同じローカル・モビリティ・ドメイン11に位置しているか否かをチェックするためである。もしそうであれば、IPアドレス割り当てサーバ130はMN101の要求に同意して、同じIPアドレスをそのIFに割り当てることができる。
MAG−ID403は、MN101が接続しているMAG111、112をIPアドレス割り当てサーバ130に知らせるために使用する。MAG−ID403により、IPアドレス割り当てサーバ130がMAG111、112に対し、MN101のホームネットワーク・プリフィックスをサポートしているか否かを問い合わせることができる。もしサポートしている場合、IPアドレス割り当てサーバはMN101の要求に同意して、同じIPアドレスをそのIFに割り当てることができる。以上説明したIPアドレス要求メッセージ60のフォーマットにより、IPアドレス割り当てサーバ130がいかにMN101の複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てることができるかを説明した。
図9はIPアドレス割り当てサーバ130が実行するIPアドレス割り当て決定処理を示すフローチャートである。図9に示す処理は、IPアドレス割り当てサーバ130がIPアドレス要求メッセージ60を受信するとスタートし(ステップS70)、IPアドレス要求メッセージ60内のMN−ID602に関連するポリシー・プロファイルを引き出す(ステップS71)。次いでこのポリシー・プロファイルに基づいて、MN101が複数のIFに1つのIPアドレスを割り当てることを要求しているか否かを判断する(ステップS72)。Yesの場合、IPアドレスの割り当てが要求されたIFに対して、通知されたIPアドレスをローカル・モビリティ・ドメイン11内で有効なアドレスとして割り当てることができるか否かをチェックする(ステップS73)。要求されたIFにそのIPアドレスを割り当てることができる場合、IPアドレス割り当てサーバ130はさらに、MAG111、112がこのアドレス割り当て要求をサポートできるか否かをチェックする(ステップS74)。そして、すべてのチェックがOKの場合、要求されたIFにそのIPアドレスを割り当てる(ステップS75)。
MN101が複数のIFに1つのIPアドレスを割り当てることを要求していない場合(ステップS72でNo)、IPアドレス割り当てサーバ130は、要求されたIFに対する新しいIPアドレスを構成する(ステップS76)。同様に、要求されたIFに対して、通知されたIPアドレスをローカル・モビリティ・ドメイン11内で有効なアドレスとして割り当てることができないとみなした場合(ステップS73でNo)、IPアドレス割り当てサーバ130は、要求されたIFに対する新しいIPアドレスを構成する(ステップS76)。また、MAG111、112がこのアドレス割り当て要求をサポートできない場合(ステップS74でNo)、IPアドレス割り当てサーバ130は、要求されたIFに対する新しいIPアドレスを構成する(ステップS76)。そして、IPアドレス割り当てサーバ130は、IPアドレスをMN101に通知すると、この処理を終了する(ステップS77)。
このIPアドレス通知は、割り当てるIPアドレスを含むDHCPレスポンスメッセージをIPアドレス割り当てサーバ130が送信することにより実現することができる。この方法を用いる利点は、アドレス割り当てがネットワーク側で可能であることである。このため、セルラ・オペレータは、MN101がIPアドレスを複数のIF1010、1011に対して共有する場合の制御が可能となる。
この方法を以下に詳しく説明する。図7において、ローカル・モビリティ・ドメイン11はさらに、IPアドレス割り当てサーバ130としてMN101がIPアドレスを入手するために通信するDHCPサーバ130を有するものとする。また、第1のIF1010が現在、第1のMAG111に接続していて、ローカル・モビリティ・ドメイン11における通信のためにDHCPサーバ130によりHoA1を割り当てられているものとする。次に、第2のIF1011が第2のMAG112に接続しようとして、第2のIF1011がDHCP要求メッセージをDHCPサーバ130に送信して、第1のIF1010と同じHoA1を要求する。このDHCP要求メッセージはIPアドレス要求メッセージ60と同様なメッセージである。DHCPサーバ130はこのDHCP要求メッセージを受信すると、第2のIF1011に同じHoA1を割り当てられるか否かをチェックする。ここでは、DHCPサーバ130は第2のIF1011が同じHoA1を使用できるとみなし、DHCPレスポンスメッセージを送信して第2のIF1011がHoA1を使用することを通知する。
他の望ましい第2の実施の形態として、IPアドレス要求メッセージ60がMN101のために、MAG111、112によりIPアドレス割り当てサーバ130に送信される。MAG111、112はMN101が1つのIPアドレスをすべてのIF1010、1011に割り当てたいことを知得する。これは、MN101がその要求をMAG111、112に通知するか、又はMAG111、112がMN101のポリシー・プロファイルを用いてMN101のアドレス・プリファレンスを決定することにより実現することができる。
MAG111、112がIPアドレス要求メッセージ60をIPアドレス割り当てサーバ130に送信する場合の利点は、MN101がIPアドレスを取得するためのシグナリングから解放されることにある。このようなシグナリングは、限られた処理資源しかないMN101の処理を軽減させる。さらに他の利点としては、IPアドレス割り当てサーバ130は、MAG111、112がアドレス割り当て要求をサポートできる場合に、MAG111、112にそれを問い合わせる必要がないことにある。すなわち、MAG111、112からIPアドレス要求メッセージ60が来るということは、IPアドレス割り当てサーバ130にとってMAG111、112がアドレス割り当て要求をサポートできることを意味するからである。
この方法を以下に詳しく説明する。図7において、ローカル・モビリティ・ドメイン11はさらに、IPアドレス割り当てサーバ130としてMN101のIPアドレスを入手するためにMAG111、112が通信するDHCPサーバ(以下、130)を有するものとする。また、第1のIF1010が現在、第1のMAG111に接続していて、ローカル・モビリティ・ドメイン11における第1のIF1010の通信のためにDHCPサーバ130によりHoA1を割り当てられているものとする。次に、第2のIF1011が第2のMAG112に接続しようとして、第2のIF1011が同じHoA1を使用したい旨を示す要求メッセージを第2のMAG112に送信する。MN101がこの要求メッセージを送信する時期は、MN101が受信したネットワーク情報40からIF1010、1011の両方がローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置することを知得した後である。
第2のMAG112はDHCP要求メッセージをDHCPサーバ130に送信して、同じHoA1を要求する。このDHCP要求メッセージはIPアドレス要求メッセージ60と同様なメッセージである。DHCPサーバ130はこのDHCP要求メッセージを受信すると、第2のIF1011に同じHoA1を割り当てられるか否かをチェックする。ここでは、DHCPサーバ130は第2のIF1011が同じHoA1を使用できるとみなし、DHCPレスポンスメッセージを第2のMAG112に送信して第2のIF1011が同じHoA1を使用することを通知する。そして、この情報が第2のMAG112から第2のIF1011に転送される。
<第1、第2の実施の形態のキャッシュ>
アドレス割り当てが完了すると、MN101は第2のIF1011が利用可能であることを広告する。この広告は図3(9)に示すように、第2のIF1011が同じIPアドレス(HoA1)と第2のリンク識別子IF1011.Addrを広告する近隣広告(NA)メッセージを送信することにより実現することができる。第2のMAG112がこのNAメッセージを受信すると、図4Bに示すように第2のMAG112は自身の近隣キャッシュ・エントリ(Neighbour Cache Entry:NCE)21a内に第2のIF1011のルーティング・エントリ2101を生成する。NCE21aにおけるルーティング・エントリ2101はHoA1である。これにより、第2のMAG112はHoA1あてのパケットを第2のリンク識別子IF1011.Addrのリンクを経由してMN101に転送することができる。
第2のMAG112は第2のIF1011を第2のMAG112に関連づけると、図3(10)に示すようにPBUメッセージをLMA110に送信して、図5に示すようにHoA1(又はホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix))をMAG112の気付アドレス(MAG2.CoA)にバインディングする。これにより、MN101はローカル・モビリティ・ドメイン11内では、自身のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレス(HoA1)のみを有する。1つのIPアドレスのみを使用する利点は、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のすべてのエンティティ(MAG111、112、LMA110)がMN101を1つのIPアドレス(HoA1)のみに関連づけることにある。したがって、すべてのMAG111、112はそれぞれのNCE20、21a内にMN101のHoA1に対する有効なルーティング・パスを有する。これは、LMA110がMN101のパケットを、MAG111、112によりフィルタリングされることを心配することなく、MN101が関連づけられているいかなるMAG111、112にも転送できることを黙示している。
さらに望ましい第1、第2の実施の形態では、LMA110は、第2のMAG112からPBUメッセージを受信する前に第1のMAG111に問い合わせることができる。この問い合わせ方法は、ICMP(Internet Control Messaging Protocol)を用いて実現することができるが、これには限定されない。この問い合わせの目的は、MN101がローカル・モビリティ・ドメイン11内で「同時接続」を試みようとしているか否かをLMA110が知得できることにある。もしそうであれば、LMA110は、MN101がMAG111、112の両方を介してルーティングできることを知得することができる。また、第1、第2の実施の形態によれば、MN101がすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用している場合、LMA110は、MN101あてのパケットをどのMAG111、112を介してルーティングするかを選択できる。
<従来技術との差異(1)(2)(3)>
(1)ここで、当業者であれば、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、特許文献1で説明されている方法と異なることは明らかである。特許文献1には、MNのすべてのIFが常に1つのIPアドレスのみを使用することが記載されている。しかし、この方法ではMNは1つのIPアドレスのみを使用することを「選択」できない。これに対し、本発明では、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用することを「選択」できる。これはネットワーク情報40により可能である。したがって、第1、第2の実施の形態と特許文献1の間には差異がある。
(2)さらに、当業者であれば、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、特許文献2で説明されている方法と異なることは明らかである。特許文献2には、ルータがモバイルノードの複数のIFにアドレスを割り当てるかは、ルータのみに基づいて決定される。このため、ルータはインテリジェント・ネットワーク・スイッチのように動作して、どのアドレスをどのIFに割り当てるかを決定する。これに対し、本発明では、MN101はネットワークから、MN101がどのIPアドレスをどのIFに割り当てるかを決定するための情報を受信することを必要とするが、これはネットワーク情報40により可能である。したがって、第1、第2の実施の形態と特許文献2の間には差異がある。
(3)最後に、当業者であれば、MN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、特許文献3で説明されている方法と異なることは明らかである。特許文献3では、複数のIFはトリガ信号を用いて同じリンクに位置することを知得する。このため、複数のIFはお互いにバックアップIFとして動作する。本発明では、このようなトリガ信号がローカル・モビリティ・ドメイン11内にあふれることを防止するために、ネットワーク情報40を導入している。しかし、第1、第2の実施の形態のネットワーク情報40はMAG111、112により送信されて、MN101が自身の複数のIF1010、1011が同じリンクに位置することを知得する。この動作により、ネットワーク情報40はMAG111、112により制御されるネットワーク内で送信されるのみであり、ネットワーク情報40がローカル・モビリティ・ドメイン11内にあふれることを防止することができる。したがって、第1、第2の実施の形態と特許文献3の間には差異がある。
<第1、第2の実施の形態の他の利用形態>
MN101の複数のIF1010、1011が同じMAGに接続することも可能である。図1において、IF1010、1011の両方がローカル・モビリティ・ドメイン11においてMAG111に接続しているものとする。ここでは、MN101は第1のIF1010としてIEEE802.11の無線IFと、第2のIF1011としてIEEE802.3の有線IFを有し、また、MAG111はIEEE802.11とIEEE802.3の両方のアクセス技術をサポートするアクセスポイントとして動作するものとする。したがって、MN101はIF1010、1011の両方をMAG111に接続することができる。この場合、MN101はIF1010、1011に1つのIPアドレスのみを割り当てることができる。この1つのIPアドレスのみを割り当てる方法の利点は、複数のアドレスを取り扱うタスクをMN101から除くことができることにある。
この利用形態では、MN101はIF1010、1011の両方をMAG111に接続していることを知得している。このMN101が知得する方法の1つとして、MN101がネットワーク情報40内のMAG−ID403を比較して同じであることを発見する方法がある。ただし、これには限定されない。したがって、MN101はどのリンク識別子をIPアドレスに関連づけるかを選択できる。このMN101がリンク識別子を選択する方法の1つとして、MN101が受信するフロータイプで選択する方法がある。ただし、これには限定されない。
IPアドレスに関連づけるリンク識別子を選択することにより、MAG111はNCE20においてMN101の1つのルートエントリをストアするだけでよい。例えばMN101は第1のHoA1経由でビデオストリームを受信する場合に、第2のIEEE802.3ワイヤドIF1011のルートを選択する。このとき、MN101は第2のIF1011に対し、第1のHoA1が第2のリンク識別子IF1011.Addrで利用可能であることを(例えばNAメッセージを用いて)広告するように指示する。これにより、MAG111はNCE20を更新して、第1のHoA1あてのパケットが第2のリンク識別子IF1011.Addr経由でMN101に転送されるように反映させることができる。
ビデオストリームを受信した後、MN101が第1のHoA1を使用して、電子メールを第1のIEEE802.11ワイヤレスIF1010経由でダウンロードすることを決定する場合、MN101は第1のIF1010に対し、第1のHoA1が第1のリンク識別子IF1010.Addrで利用可能であることを(例えばNAメッセージを用いて)広告するように指示する。これにより、MAG111はNCE20を更新して、第1のHoA1あてのパケットが第1のリンク識別子IF1010.Addr経由でMN101に転送されるように反映させることができる。
<第3の実施の形態>
上記の説明では、ローカル・モビリティ・ドメイン11内でMN101のすべてのIF1010、1011に対して1つのIPアドレスのみを使用する方法は、MAG111、112がMN101あての転送先をスイッチングするためである。しかし、MN101が各IF1010、1011に対して異なるIPアドレスを使用している場合であっても、一方を他方のバックアップIFとして、また、お互いをバックアップIFとしてバインディングすることにより、LMA110はMN101あての転送先をスイッチングすることができる。
第3の実施の形態では、図1において、MN101はすべてのIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するかを判断し、位置する場合に、MN101はMAG111、112に対し、使用しているIPアドレスが複数であることを通知する。つまり、MN101は、各インタフェースに対して、同じドメイン内の他のMAGに接続しているインタフェースに割り当てられているアドレスを割り当てると共に、各インタフェースが接続しているMAGに対して、接続しているインタフェースに割り当てられているアドレスだけでなく、同じドメイン内の他のMAGに接続しているインタフェースに割り当てられているアドレスも通知する。MAG111、112はこの通知を受けると、MN101により広告される追加のIPアドレスに基づいて、図10A、図10Bにそれぞれ示すように、IF1010、1011がお互いにバックアップIFとなるようにNCE20、21を更新する。また、LMA110はまた、MAG111、112からのバックアップIF設定用のプロキシBUメッセージに従って、図11に示すようにIF1010、1011がお互いにバックアップIFとなるようにBCE30を更新する。
第3の実施の形態では、MN101が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内において個々のIF1010、1011がそれぞれ1つの異なるIPアドレスを使用している場合、LMA110はMAG111、112に対し、それぞれのNCE20、21をセットアップしてMN101のパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティングできるように指示することができる。例えばLMA110は第1のMAG111に対し、図10Aに示すNCE20において第2のIF1011のHoA2を第1のIF1010のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングする第2のエントリを生成するよう依頼する。さらにMAG111は、MN101に対して、HoA2をIF1010に割り当てるよう指示する。また、LMA110は第2のMAG112に対し、図10Bに示すNCE21において、第1のIF1010のHoA1を第2のIF1011のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングする第2のエントリを生成するよう依頼する。さらにMAG112は、MN101に対して、HoA1をIF1011に割り当てるよう指示する。MAGによるアドレス割り当ての指示は、DHCPを用いて行うことができる。したがって、図10A、図10Bにそれぞれ示すように更新したNCE20、21により、LMA110はMN101のHoA1、HoA2のいずれのあて先のパケットであっても、MAG111、112のいずれを経由するかを選択できる。
また、望ましい第3の実施の形態として、LMA110がMN101に対して、MAG111、112のNCE20、21を更新するよう指示するようにしてもよい。この場合、LMA110はMN101に対し、MAG111のNCE20をIF1011のIPアドレスで更新するよう指示する。また、MAG112のNCE21をIF1010のIPアドレスで更新するよう指示する。したがって、この動作により、MAG111、112のNCE20、21を、MN101に対する新しいルーティング・エントリで更新することができる。
例えばMN101がLMA110から、第1のMAG111のエントリを第2のIF1011のIPアドレスHoA2で更新する要求を受け取ると、MN101は例えばNAメッセージを用いて、第2のHoA2が第1のMAG111に利用可能であることを広告する。この広告により、第1のMAG111は、NCE20において第2のIF1011のIPアドレスHoA2を第1のIF1010のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングする第2のエントリを生成する。
同様に、MN101がLMA110から、第2のMAG112のエントリを第1のIPアドレスHoA1で更新する要求を受け取ると、MN101は例えばNAメッセージを用いて、第1のIPアドレスHoA1が第2のMAG112に利用可能であることを広告する。この広告により、第2のMAG112は、NCE21において第1のIF1010のIPアドレスHoA1を第2のIF1011のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングする第2のエントリを生成する。したがって、この更新したNCE20、21により、LMA110はMN101あてのどのパケットであっても、MAG111、112のどれを経由するかを選択できる。
図12は第3の実施の形態の通信シーケンスの一例を示す。図12において、
(1)MN101の第1のIF1010が第1のMAG111からネットワーク情報40として、ホームプリフィックスを含むRAメッセージを受信すると、
(2)MN101は受信RAメッセージ内のホームプリフィックスに基づいて第1のIF1010のアドレスHoA1を生成する。
(3)次いでMN101が第1のIF1010から第1のMAG111に対し、第1のIF1010のアドレスHoA1を含むNAメッセージを送信すると、
(4)第1のMAG111は、図10Aで説明したようにバインディングし、また、MN101の第1のIF1010のプロキシとして、IF1010に対して広告しているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図11に示すようにMN101のIF1010に対して広告しているホームプレフィックスに対してMAG111の気付けアドレスMAG1.CoAをバインディングする。
(5)次いで、MN101の第2のIF1011が第2のMAG112からネットワーク情報40として、ホームプリフィックスを含むRAメッセージを受信すると、
(6)MN101は第2のMAG112に接続し、
(7)MN101は、第2のMAG112から受信したRAメッセージ内のホームプリフィックスに基づいて第2のIF1011のアドレスHoA2を生成する。
(8)次いで、MN101が第2のIF1011のアドレスHoA2を含むNAメッセージを第2のMAG112に送信すると、
(9)第2のMAG112は、図10Bで説明したようにバインディングし、MN101の第2のIF1011のプロキシとして、第2のIF1011に対して広告しているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110はプロキシBUメッセージを受信すると、図11に示すようにMN101のIF1011に対して広告されているホームプレフィックスに対してMAG112の気付けアドレスMAG2.CoAにバインディングする。
(10)次いで、MN101は第1のIF1010から第1のMAG111に対し、図10Aで説明したように第2のIF1011のアドレスHoA2をバックアップ用として第1のIF1010のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングするように要求する。なお、MN101は、HoA2と共に、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスをMAG111へ通知してもよい。
(11)第1のMAG111はこの要求を受信すると、要求の通りIF1010のリンク識別子IF1010.Addrに対してHoA2をバインディングする。なお、HoA2のプレフィックスとIF1010に対して広告されているホームプレフィックスが異なる場合、つまり、IF1010に対して広告されているホームプレフィックスと、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスが異なる場合には、MN101の第2のIF1011のプロキシとして、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110は図11に示すように、第2のIF1011に対して広告されているホームプレフィックスに対して第1のMAG111の気付けアドレスMAG1.CoAをバインディングする。
(12)また、MN101は、IF1010のアドレスHoA1をIF1011へ割り当てると共に、第2のIF1011から第2のMAG112に対し、図10Bで説明したように第1のIF1010のアドレスHoA1をバックアップ用として第2のIF1011のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングするように要求する。なお、MN101は、HoA1と共に、IF1010に対して広告されているホームプレフィックスをMAG112へ通知してもよい。
(13)第2のMAG112はこの要求を受信すると、要求の通りIF1011のリンク識別子IF1011.Addrに対してHoA1をバインディングする。なお、HoA1のプレフィックスとIF1011に対して広告されているホームプレフィックスが異なる場合、つまり、IF1011に対して広告されているホームプレフィックスと、IF1010に対して広告されているプレフィックスが異なる場合には、MN101の第1のIF1010のプロキシとして、IF1010に対して広告されているホームプレフィックスを含むプロキシBUメッセージをLMA110に送信する。LMA110は図11に示すように、第1のIF1010に対して広告されているホームプレフィックスに対して第2のMAG112の気付けアドレスMAG2.CoAをバインディングする。
なお、(4)及び(9)において、MAG111及びMAG112が送信するプロキシBUメッセージが、MN101のホームアドレスに対してMAGの気付けアドレスを関連付けるためのメッセージである場合(アドレスによるバインディング)は、(11)及び(13)においても、各MAGは、MN101から新たに通知されたHoAに対してMAGの気付けアドレスを登録するためのプロキシBUメッセージを送信する。
図13は第3の実施の形態において、MN101が実行するバックアップIF選択処理を示すフローチャートである。この処理は、IF1010、1011をバックアップ用として割り当て開始を決定したときにスタートする(ステップS80)。ここで、MN101が割り当て開始を決定する場合とは、MN101のユーザが、MN101の複数のIF1010、1011がアクティブになっていることを知得したときにMN101にトリガを印加した場合である。このトリガにより、アクティブになっているすべてのIF1010、1011に関するIF情報を引き出し(ステップS81)、次いでこのIF情報を用いて、複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するかを判断する(ステップS82)。
この判断は、IF1010、1011にそれぞれ関連する各ネットワーク情報40、特にドメインID402を比較することにより行う。各IF1010、1011のドメインID402が同じ位置である場合、各IF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置するものと判断することができる。この場合、IF1010、1011の両方をお互いのバックアップ用として割り当て(ステップS83)、次いでステップS84に進む。このバックアップ割り当て処理では、例えばMN101は第1のIF1010に対し、第2のIF1011が使用するIPアドレスHoA2を第1のMAG111に広告するように指示する。
ステップS84では他のIFの処理が残っているか否かをチェックし、残っている場合にはステップS81に戻ってそのIFの情報を引き出し、処理を継続する。他方、残っていない場合にはこの処理を終了する(ステップS85)。ステップS82において複数のIF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置しないと判断した場合には、ステップS84に進んで他のIFの処理が残っているか否かをチェックする。
図1を例にしてこのバックアップIF設定を詳しく説明する。MN101の第1のIF1010は現在、第1のMAG111に接続してローカル・モビリティ・ドメイン11内で第1のアドレスHoA1を用いて通信を行っているものとする。同様に、第2のIF1011は現在、第2のMAG112に接続してローカル・モビリティ・ドメイン11内で第2のアドレスHoA2を用いて通信を行っているものとする。MN101はIF1010、1011の両方が受信したネットワーク情報40に基づいて、各ネットワーク情報40のドメインID402を比較する。ここでは、MN101は両方のドメインID402が一致するので、IF1010、1011が同じローカル・モビリティ・ドメイン11内に位置すると判断する。そして、MN101は第1のIF1010に対して第2のアドレスHoA2を第1のMAG111に広告するように指示し、また、第2のIF1011に対して第1のアドレスHoA1を第2のMAG112に広告するように指示する。この広告方法は、近隣広告(NA)メッセージを使用することにより実現することができるが、これには限定されない。
MAG111、112はこの近隣広告(NA)メッセージを受信すると、広告されたIPアドレスに基づいて、図10A、図10Bに示すようにそれぞれのNCE20、21を更新してMN101への追加のルーティング・エントリを生成する。好ましい第3の実施の形態では、MAG111、112はそれぞれのNCE20、21内に新しいルーティング・エントリを追加する。図10Aを参照して説明すると、第1のMAG111は第1のIF1010から、第2のアドレスHoA2を広告するNAメッセージを受信すると、NCE20内に新しいエントリを生成して第2のアドレスHoA2をバックアップIFとして第1のリンク識別子IF1010.Addrにマッピングする。同様に、図10Bを参照して説明すると、第2のMAG112は第2のIF1011から、第1のアドレスHoA1を広告するNAメッセージを受信すると、NCE21内に新しいエントリを生成して第1のアドレスHoA1をバックアップIFとして第2のリンク識別子IF1011.Addrにマッピングする。
このバックアップIF設定による利点は、LMA110が、MAG111、112により無効なルーティング・パスであるとしてMN101あてのパケットがフィルタリングされることを心配することなく、そのMN101あてのパケットをMAG111、112に転送できることにある。例えば図1において、LMA110が第2のアドレスHoA2あてのパケットを第1のMAG111を経由してMN101に転送すると、第1のMAG111のNCE20が第2のアドレスHoA2あての有効なルーティング・パスを有するので、第1のMAG111は、その第2のアドレスHoA2あてのパケットを第1のリンク識別子IF1010.Addrを経由してMN101に転送する。
なお、MN101の第2のIF1011が、ネットワークベースのモビリティ管理ではなく、ホストベースのモビリティ管理(MobileIPv6)が適用されるネットワークに接続している場合であっても、本実施の形態による手法を用いることができる。つまり、IF1011が第2のアドレスHoA2をMobileIPv6の中で使用しているときに、両方の接続ネットワークが同一のドメインであることが分かった場合、MN101は第1のIF1010に対して第2のアドレスHoA2を第1のMAG111に広告するように指示する。また、第2のIF1011に対しては、IF1011に割り当てられているケアオブアドレスをHoA1に関連付けるためのBUメッセージ(Binding Update)をHAへ送信するよう指示する。なお、HoA2そのものではなく、HoA2を構成しているプレフィックスをIF1010でも使用すると判断してもよい。
<第4の実施の形態>
第4の実施の形態では、図14C、図14Dに示すようにMAG111、112はそれぞれのNCE20、21において、MN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)をMN101の第1のリンク識別子IF1010.Addrと第2のリンク識別子IF1011.Addrにバインディングすることができる。
図15は第4の実施の形態の通信シーケンスを示す。
(1)〜(11)は、図12における(1)〜(11)と同じであり、MN101においてIF1010、1011の各アドレスHoA1、HoA2がホームネットワーク・プリフィックスに基づいて生成される。また、MAG111はMN101から、(3)においてIF1010のアドレスHoA1が通知され、また、(10)においてIF1011のアドレスHoA2がバックアップ用として通知されて、図14Aに示すようにアドレスHoA1、HoA2を自身のNCE20に格納している。
(12)第1のMAG111は図14Aに示すNCE20をチェックして、同じホームプリフィックスを持つアドレスが2つ(HoA1、HoA2)あることを知得すると、
(13)第1のMAG111はMN101の第1のIF1010に対し、ホームネットワーク・プリフィックスを含むNSメッセージを送信する。
(14)MN101はこのNSメッセージを受信すると、図14Cに示すようにMN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)を第1のリンク識別子IF1010.Addrに関連づけるために、ホームネットワーク・プリフィックスを含むNAメッセージを第1のIF1010から第1のMAG111に送信する。第1のMAG111はNAメッセージを受信して、図14Cに示すようにバインディングする。
(15)また、MN101は第2のIF1011から第2のMAG112に対して、第1のIF1010のアドレスHoA1を含むNAメッセージを送信すると、
(16)第2のMAG112はこのNAメッセージを受信すると、図14Bに示すように第1のアドレスHoA1をバックアップ用としてNCE21を更新し、また、LMA110に対し、第1のIF1010の代理としてプロキシBUメッセージを送信する。
(17)また、第2のMAG112は自身のNCE21をチェックして、同じホームプリフィックスを持つアドレスが2つ(HoA1、HoA2)があることを知得すると、
(18)第2のMAG112はMN101の第2のIF1011に対し、ホームプリフィックスを含むNSメッセージを送信する。
(19)MN101はこのNSメッセージを受信すると、図14Dに示すようにMN101のホームネットワーク・プリフィックス(MN.Prefix)を第2のリンク識別子IF1011.Addrに関連づけるために、ホームプリフィックスを含むNAメッセージを第2のIF1011から第2のMAG112に送信する。第2のMAG111はNAメッセージを受信して、図14Dに示すようにバインディングする。
図16は第4の実施の形態におけるMAG111、112の処理を示すフローチャートである。ステップS90では、MAG111、112がMN101から、IPアドレスを特定のリンク識別子に関連づけるNAメッセージを受信するとスタートする。続くステップS91では、受信NAメッセージ内のリンク識別子が自身のNCE20、21内に既に存在するか否かをチェックする。もしなければ、そのリンク識別子のエントリを自身のNCE20、21内に生成する(ステップS92)。この意味は、これでMAG111、112内のNCE20、21内に、このリンク識別子をIPアドレスに関連づけるエントリが存在するということであり、次いで処理を終了する(ステップS96)。
他方、ステップS91において、受信NAメッセージ内のリンク識別子が自身のNCE20、21内に既に存在する場合、IPアドレスに関連づけるべきリンク識別子が存在することを黙示しており、MAG111、112は、受信NAメッセージ内のIPアドレスとNCE20、21内のIPアドレスが同じか否かをチェックする(ステップS93)。もし、同じである場合、MAG111、112は、受信NAメッセージの目的が、自身のNCE20、21において存在するエントリのライフタイムをリフレッシュすることにあると判断して、そのエントリを更新し(ステップS94)、次いで処理を終了する(ステップS96)。
ステップS93において、受信NAメッセージ内のIPアドレスとNCE内のIPアドレスが異なる場合、これは受信NAメッセージ内のIPアドレスが複数のIPアドレスに関連づけられていることを意味する。そこで、MAG111、112はそれぞれ、図14A、図14Bに示すNCE20、21内のエントリを、図14Cに示すように受信NAメッセージ内のリンク識別子をMN101のホームネットワーク・プリフィックスに関連づけるエントリに置き換え(ステップS95)、次いで処理を終了する(ステップS96)。このホームネットワーク・プリフィックスは、望ましくはMAG111、112内に格納されているMN101のポリシー・プロファイルから知得することができる。
オプションとして、ステップS93において、受信NAメッセージ内のIPアドレスとNCE20、21内のIPアドレスが異なる場合、MAG111、112は、ステップS95におけるエントリ置き換えを行う前に、NCE20、21内のIPアドレスのテストを行うようにしてもよい。このテストは、MN101が古いIPアドレスを新しいIPアドレスに置き換える場合に有用である。MAG111、112はこのテストにより、MN101が複数のIPアドレスを特定の1つのIFに関連づける代わりに、古いIPアドレスを新しいIPアドレスに置き換えようとしていることを知得することができる。
もし可能な場合、このテストは、MAG111、112がNSメッセージをNCE20、21内の現在のIPアドレスあてに送信することにより行う。MN101がこのNSメッセージに対してNAメッセージで応答しない場合、これは、MN101が特定の1つのIFに対する古いIPアドレスを新しいIPアドレスに置き換えようとしていることを黙示している。また、MN101がこのNSメッセージに対してNAメッセージで応答しない場合、これは、特定の1つのIFに対して複数のIPアドレスに関連づけようとしていることを黙示している。
このテストによる利点は、MAG111、112がNSメッセージやNAメッセージを用いてMN101の接続性をテストする方法を簡略化できることにある。この場合、MAG111、112はそれぞれ、MN101の各IPアドレスHoA1、HoA2のためのNSメッセージを送る代わりに、MN101のホームネットワーク・プリフィックスのためのNSメッセージを送るだけでよい。MN101が未だ、MAG111、112に関連づけられているアクティブなIFを有する場合、MN101はこのNSメッセージに対し、NAメッセージで応答する。なお、受信NAメッセージ内のIPアドレスが異なる場合でも、既存のエントリを更新する目的であると解釈されないように、NAメッセージ内のIPアドレスが他インタフェースに割り当てられているアドレスであることを示す情報を付加してもよい。
以下に詳しく説明する。第1のMAG111は図14Aに示すNCE20を参照して、複数のIPアドレスHoA1、HoA2が同じリンク識別子IF1010.Addrにバインディングされていることを検出すると、図14Cに示すNCE20を修正して、MN.Prefixを第1のリンク識別子IF1010.Addrにバインディングする。第1のMAG111は、第1のIF1010が未だアクティブか否かをテストする必要がある場合、図15(13)に示すようにNSメッセージを第1のリンク識別子IF1010.Addrあてに送信する。このNSメッセージはMN.Prefixを含む。MN101はこのNSメッセージを第1のIF1010を介して受信して、MN.Prefixが割り当てられているか否かをチェックする。もしそうであれば、図15(14)に示すようにMN101は第1のIF1010に対し、第1のIF1010が未だアクティブであることを広告するNAメッセージを送り返すことを指示する。
<MN101の構成>
次に、上記のようにMN101の複数のIF1010、1011に対してIPアドレスを割り当てる方法を実現するMN101の構成について説明する。図17はMN101の構成を機能的に示すブロック図であり、MN101はネットワーク・インタフェース(IF)900と、加入者ポリシー902及びインタフェース(IF)情報903を記憶するデータベース・モジュール901と、アドレス割り当てエンジン904と、ルーティング・パス構成エンジン905を有する。
ネットワークIF900は、MN101が幾つかの通信メディアを介して他のノードと通信するための必要なすべてのハードウエア及びソフトウエアを有するブロックである。関連する技術分野で知られている用語を用いれば、ネットワークIF900は、通信装置、ファームウエア、ドライバ、及びレイヤ1(物理層)、レイヤ2(データリンク層)の通信プロトコルを表す。当業者であれば、MN101は1以上のネットワーク・インタフェース900を含むことは明らかである。シグナル/データパス906は、ネットワークIF900とアドレス割り当てエンジン904との間でトリガ及びパケットを相互に転送する。同様に、シグナル/データパス907は、ネットワークIF900とルーティング・パス構成エンジン905との間でトリガ及びパケットを相互に転送する。
データベース・モジュール901はMN101に必要な情報をストアする。好ましい実施の形態として、加入者ポリシー902はMN101のユーザに関するすべての情報であり、例えばセルラ・オペレータが加入者を認証するために使用するIMSI(International Mobile Subscriber Identity)である。シグナル/データパス908により、アドレス割り当てエンジン904はローカル・モビリティ・ドメイン11内でIPアドレス割り当てを実行するときに、加入者に関する情報を加入者ポリシー902から取得できる。
また、IF情報903は1又は複数であって、MN101の各IF1010、1011に関するすべてのIF情報を含む。IF情報903は望ましくは、各IF1010、1011が接続しているドメイン名、各IF1010、1011に割り当てられているホームネットワーク・プリフィックスである。ただし、これには限定されない。シグナル/データパス909により、アドレス割り当てエンジン904はIF情報903のうちの必要な情報を引き出したり、更新したりすることができる。同様に、シグナル/データパス910により、ルーティング・パス構成エンジン905はIF情報903のうちの必要な情報を引き出したり、更新したりすることができる。
本発明では、アドレス割り当てエンジン904を導入することにより、MN101が各IF1010、1011に割り当てられるIPアドレスを決定する。アドレス割り当てエンジン904は図6及び図13に示すロジックで動作して、MN101の複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てるか否かを決定する。シグナル/データパス911により、アドレス割り当てエンジン904はルーティング・パス構成エンジン905に対して、ローカル・モビリティ・ドメイン11内でルーティング・パスを広告するように指示できる。
また本発明では、ルーティング・パス構成エンジン905を導入することにより、図3及び図12を用いて説明したように、MN101の各IF1010、1011に割り当てられるIPアドレスを広告する。この広告方法は、前述したように近隣発見(Neighbor discovery)を用いて実現することができる。この方法により、ローカル・モビリティ・ドメイン11内のエンティティは、特定のIFを介してMN101に至るルーティング・パスを知得することができる。
<MAGの構成>
次にMAG111、112の構成について説明する。図18はMAG111(及び112)の構成を機能的に示す。MAG111はネットワーク・インタフェース(IF)11000と、加入者ポリシー11002及びルーティング・パス・キャッシュ11003を記憶するデータベース・モジュール11001と、広告メッセージ構成エンジン11004とルーティング・パス構成エンジン11005を有する。
ネットワークIF11000はMAG111が幾つかの通信メディアを介して他のノードと通信するための必要なすべてのハードウエア及びソフトウエアを有するブロックである。関連する技術分野で知られている用語を用いれば、ネットワークIF11000は、通信装置、ファームウエア、ドライバ、及びレイヤ1(物理層)、レイヤ2(データリンク層)の通信プロトコルを表す。当業者であれば、MAG111は1以上のネットワークIF11000を含むことは明らかである。シグナル/データパス11006は、ネットワークIF11000と加入者ポリシー11002のエリアとの間でトリガ及びパケットを相互に転送する。例えばシグナル/データパス11006は、不図示のローカルサーバから受信した加入者のポリシー・プロファイルを加入者ポリシー11002のエリアに転送して格納するために使用する。
同様に、シグナル/データパス11007は、ネットワークIF11000とルーティング・パス構成エンジン11005との間でトリガ及びパケットを相互に転送する。シグナル/データパス11007は、望ましくはMN101からこのMAG111に送信されたNAメッセージをルーティング・パス構成エンジン11005に転送する。
データベース・モジュール11001はMAG111に必要な情報を記憶する。データベース・モジュール11001は加入者ポリシー11002として、望ましくはMN101のユーザに関するすべての情報を保持する。その情報の例は、MN101に割り当てられたホームネットワーク・プリフィックスを含むMN101のポリシー・プロファイルである。広告メッセージ構成エンジン11004は、ローカル・モビリティ・ドメイン11内の特定のMN101に対してルータ広告(RA)メッセージを生成するときに、加入者ポリシー11002のエリアからシグナル/データパス11008を介してそのMNのホームネットワーク・プリフィックスを取得することができる。
データベース・モジュール11001はさらに、1又は複数のルーティング・パス・キャッシュ11003を保持する。ルーティング・パス・キャッシュ11003はMAG111がローカル・モビリティ・ドメイン11内でパケット・ルーティングを実行するために必要なすべての情報を含む。ルーティング・パス・キャッシュ11003は図4A、図4B、図10A、図10B、図14A、図14B、図14C、図14Dに示すNCEのテーブルを表す。MAG111はこのルーティング情報が利用可能となることにより、MN101あてのパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内の意図するあて先にスムーズにルーティングすることができる。シグナル/データパス11009により、ルーティング・パス・キャッシュ11003とルーティング・パス構成エンジン11005との間で適切なルーティング・パス情報を引き出したり、更新したりすることができる。
広告メッセージ構成エンジン11004の目的は、MAG111に接続している各MN101に対してルータ広告(RA)メッセージを周期的に生成することにある。広告メッセージ構成エンジン11004は、望ましくはドメインIDをRAメッセージ内に記述する。広告メッセージ構成エンジン11004はシグナル/データパス11010によりネットワークIF11000を介して、MAG111に接続している各MN101に対してRAメッセージを送信することができる。
本発明では、ルーティング・パス構成エンジン11005を導入することにより、MAG111がローカル・モビリティ・ドメイン11内でパケット・ルーティングするようにしている。図3及び図12を用いて説明したように、MAGのルーティング・パス構成エンジン11005のタスクは、ルーティング・パス・キャッシュ11003にストアされているルーティング・エントリを生成したり、維持したりすることにある。最新のルーティング情報がMAG111において利用可能になると、MAG111はMN101あてのパケットをローカル・モビリティ・ドメイン11内の意図するあて先にスムーズにルーティングすることができる。
加えて、ルーティング・パス構成エンジン11005の他のタスクは、ホームネットワーク・プリフィックスをMN101のリンク識別子にバインディングする必要があるか否かを決定することにある。この決定方法は図16に示した。その例は、MN101の第1のIF1010がその第1のリンク識別子の第2のIPアドレスを広告したときである。この場合、ルーティング・パス構成エンジン11005は、ルーティング・パス・キャッシュ11003において第1のIF1010が既に第1のIPアドレスに関連づけられていることを知得すると、MN101のホームネットワーク・プリフィックスをそのリンク識別子にバインディングすることを決定する。これにより、MN101のエントリが更新される。
<変形例>
以上、本発明について実施の形態を例にして説明したが、本発明は、種々の変形にも適用することはもちろんである。例えば図17に示すMN101の構成をモバイルルータに備えることができる。すなわち、アドレス割り当てエンジン904はアドレス割り当てサーバに備えることができる。この場合のアドレス割り当てエンジン904は図6に示すロジックで動作して、MN101の複数のIF1010、1011に同じIPアドレスを割り当てるか否かを決定する。
また、MN101に備えるルーティング・パス構成エンジン905をMAG111、112に備えて、MN101のIF1010、1011がローカル・モビリティ・ドメイン11内におけるルーティング・パスを構成するのを助けるようにすることができる。最後に、MN101が実行するバックアップIF選択は、アドレス割り当てサーバ130が実行するようにしてもよい。例えばアドレス割り当てサーバ130は図13に示す方法を使用して、MN101のバックアップIFを割り当てる。この情報は、LMA110にとって、MN101あての現在のルーティング・パスを使用できないときに代わりのルーティング・パスを探すときに役立つ。
なお、上記実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサーを利用してもよい。さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適用などが可能性としてあり得る。
本発明は、モバイルノードが複数のインタフェースを有する場合に、ローカル・モビリティ・ドメイン内のモバイルノードのパケット転送先アドレスをスイッチングしてモバイルノードに転送することができるという効果を有し、プロキシ・モバイル・インタネット・プロトコル(PMIP)に利用することができる。
本発明に係る通信システムの第1の実施の形態を示すブロック図 図1のモバイルノードがローカル・モビリティ・ドメインに位置するときに受信するネットワーク情報のフォーマットを示す説明図 第1の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第1の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持するNCEを示す説明図 第1の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持するNCEを示す説明図 第1の実施の形態のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図 第1の実施の形態のモバイルノードの処理を示すフローチャート 本発明に係る通信システムの第2の実施の形態を示すブロック図 第2の実施の形態におけるIPアドレス要求メッセージのフォーマットを示す説明図 第2の実施の形態におけるIPアドレス割り当てサーバが実行するIPアドレス割り当て決定処理を示すフローチャート 第3の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持するNCEを示す説明図 第3の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持するNCEを示す説明図 第3の実施の形態のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図 第3の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第3の実施の形態のモバイルノードのバックアップIF選択処理を示すフローチャート 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持する更新前のNCEを示す説明図 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持する更新前のNCEを示す説明図 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持する更新後のNCEを示す説明図 第4の実施の形態のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持する更新後のNCEを示す説明図 第4の実施の形態の通信シーケンスを示す説明図 第4の実施の形態におけるモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)の処理を示すフローチャート 本発明のモバイルノードの構成を機能的に示すブロック図 本発明のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)の構成を機能的に示すブロック図 従来のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第1のMAGが保持するNCEを示す説明図 従来のモバイル・アクセス・ゲートウェイ(MAG)が保持する近隣キャッシュ・エントリ(NCE)を示す説明図であって、第2のMAGが保持するNCEを示す説明図 従来のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図であって、「アドレスによるバインディング」で生成したBCEを示す説明図 従来のローカル・モビリティ・アンカー(LMA)が保持するバインディング・キャッシュ・エントリ(BCE)を示す説明図であって、「プリフィックスによるバインディング」で生成したBCEを示す説明図

Claims (14)

  1. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法において、
    前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定するステップと、
    前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求するステップと、
    前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送するステップとを、
    備えたことを特徴とするアドレス割り当て方法。
  2. 前記モバイルノードが前記同じアドレスの割り当て要求をアドレス割り当てサーバへ送信し、前記アドレス割り当てサーバが前記割り当て要求に基づいて前記同じアドレスを割り当てるステップを、
    さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載のアドレス割り当て方法。
  3. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおいて、
    前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
    前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求する手段と、
    前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを前記モバイルノードに転送する手段とを、
    備えたことを特徴とするアドレス割り当てシステム。
  4. 前記モバイルノードが前記同じアドレスの割り当て要求をアドレス割り当てサーバへ送信し、前記アドレス割り当てサーバが前記割り当て要求に基づいて前記同じアドレスを割り当てる手段を、
    さらに備えたことを特徴とする請求項3に記載のアドレス割り当てシステム。
  5. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける前記モバイルノードであって、
    前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
    前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースに同じアドレスを割り当てることを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングするように要求する手段とを、
    備えたことを特徴とするモバイルノード。
  6. 前記同じアドレスの割り当て要求をアドレス割り当てサーバへ送信し、前記割り当て要求に基づいて前記アドレス割り当てサーバにより割り当てられた前記同じアドレスを前記2以上のインタフェースに共通に設定する手段を、
    さらに備えたことを特徴とする請求項5に記載のモバイルノード。
  7. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける代理ノードであって、
    前記モバイルノードの要求に基づいて、前記複数のインタフェースの2以上に割り当てられている同じアドレスを前記2以上のインタフェースの各リンク識別子にバインディングする手段と、
    前記モバイルノードの前記同じアドレスあてのパケットを、前記バインディングされているリンク識別子に対応するリンクを介して前記モバイルノードに転送する手段とを、
    備えたことを特徴とする代理ノード。
  8. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当て方法において、
    前記モバイルノードの前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てるステップと、
    前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定するステップと、
    前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求するステップと、
    前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送するステップとを、
    備えたことを特徴とするアドレス割り当て方法。
  9. 前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記異なる複数のアドレスが同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されているか否かを判定し、同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されている場合に前記同じホームネットワーク・プリフィックスを前記リンク識別子に共通にバインディングするステップを、
    さらに備えたことを特徴とする請求項8に記載のアドレス割り当て方法。
  10. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおいて、
    前記モバイルノードの前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てる手段と、
    前記モバイルノードが前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
    前記モバイルノードが前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求する手段と、
    前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送する手段とを、
    備えたことを特徴とするアドレス割り当てシステム。
  11. 前記各代理ノードが前記要求に基づいてバインディングして、前記異なる複数のアドレスが同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されているか否かを判定し、同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されている場合に前記同じホームネットワーク・プリフィックスを前記リンク識別子に共通にバインディングする手段を、
    さらに備えたことを特徴とする請求項10に記載のアドレス割り当てシステム。
  12. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける前記モバイルノードであって、
    前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ異なるアドレスを割り当てる手段と、
    前記複数のインタフェースの各々を介してネットワークから、ドメイン識別子を含むネットワーク情報を受信し、前記受信したネットワーク情報内の前記ドメイン識別子に基づいて前記複数のインタフェースの2以上が同じドメインに接続しているか否かを判定する手段と、
    前記同じドメインに接続していると判定した場合に、前記同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかを他のインタフェースのバックアップ用として、又はお互いのバックアップ用として使用することを決定し、前記2以上のインタフェースの各々が接続している各代理ノードに対して前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングするように要求する手段とを、
    備えたことを特徴とするモバイルノード。
  13. モバイルノードが有する複数のインタフェースの各々にアドレスを割り当てるためのアドレス割り当てシステムにおける代理ノードであって、
    前記モバイルノードの要求に基づいて、前記複数のインタフェースの各々のそれぞれに割り当てられている異なるアドレスを前記複数のインタフェースの各リンク識別子にバインディングする手段と、
    前記モバイルノードの要求に基づいて、同じドメインに接続している前記2以上のインタフェースのいずれかが他のインタフェースのバックアップ用となるように、又はお互いのバックアップ用となるように前記複数のインタフェースの各々にそれぞれ割り当てられているアドレスをバックアップ・インタフェースとなるリンク識別子にバインディングする手段と、
    前記バインディングに基づいて、前記モバイルノードの前記アドレスあてのパケットを前記モバイルノードのバックアップ・インタフェースに転送する手段とを、
    備えたことを特徴とする代理ノード。
  14. 前記異なる複数のアドレスが同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されているか否かを判定し、同じホームネットワーク・プリフィックスにより生成されている場合に前記同じホームネットワーク・プリフィックスを前記リンク識別子に共通にバインディングする手段を、
    さらに備えたことを特徴とする請求項13に記載の代理ノード。
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