JPWO2009057296A1 - 移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノード - Google Patents

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Abstract

PMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消する技術が開示される。MN200は複数の無線通信インタフェースを有しており、例えば、第1インタフェースをホームPMIPv6ドメイン230のMAG220に接続している。ここで、第2インタフェースの接続をホームPMIPv6ドメインのMAG221からCMIPv6ドメイン231のAR222に変更した場合、LMA/HA250にBUメッセージ262を第2インタフェースから送信するとともに、このBUメッセージの識別情報を第1インタフェースからMAGに通知する。MAGはこの識別情報に時刻情報を付加してLMA/HAに送信することで、この時刻情報からBUメッセージの送信時刻(他のメッセージとの相対順序)を把握できるようになる。

Description

本発明は、インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)を利用した通信技術に係る移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードに関し、特に、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン(Network based Local Mobility Management Domain)内で複数のインタフェースを有する移動端末(以下、モバイルノードと呼ぶこともある)が接続ポイントを変更しながら通信を行うシステムにおける移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードに関する。
現在、多数のデバイスが、インターネットプロトコルを使用して、互いに通信を行っている。モバイル機器にモビリティサポートを提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)では、下記の非特許文献1において、IPv6におけるモビリティサポートが規定されている。
非特許文献1では、ホームネットワークにホームエージェント(HA:Home Agent)を導入することによって、モビリティサポートが実現される。モバイルノードは、外部リンクで取得した気付アドレス(CoA:Care-of Address)をBU(バインディングアップデート)メッセージを利用してホームエージェントに登録する。そして、BUによって、ホームエージェントは、ホームリンクで取得される長期的なアドレスであるホームアドレス(HoA)と気付アドレスとの間のバインディングを作成することが可能となる。
ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスに向けられたメッセージを受信(intercept)し、パケットのカプセル化(あるパケットを新たなパケットのペイロードとすることであり、パケットトンネリングとしても知られている)を用いて、そのパケットをモバイルノードの気付アドレスに転送する機能を担っている。
MIPv6(Mobile IPv6)の問題の1つは、ネットワーク接続ポイントを変更するために、MNは、1つ以上のHA及びCN(Correspondent Node:コレスポンデントノード)にアップデートを行う必要がある点であり、高速で移動しているMNに関して、よりシグナリングの負荷が高くなる。さらに、ネットワーク接続の変更時にRR(Return Routability:リターンルータビリティ)やBUメッセージの送信を行う必要があり、ネットワーク接続の変更時の平均ハンドオフ時間が大きい。
したがって、フローや接続に関連するセッションにおいて、ハンドオフ処理にかなりの時間が費やされ、その結果、ジッタやパケットロスが生じてしまう場合がある。このようなジッタは、ボイスオーバIP(VoIP)やマルチメディアストリーミング、ビデオストリーミングなどの即時性の高いアプリケーションにとっては好ましいものではなく、パケットロスは重要なテキスト/データ情報を伝送するフローにとって好ましいものではない。さらに、重要データの伝送にTCP(Transmission Control Protocol :送信制御プロトコル)が利用される場合、パケットロスによってTCPのスループットが低下してしまう。
このようなMIPv6に係る問題を解決するため、現在、ネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMM:Network-based Local Mobility Management)プロトコルが注目されており、IETFのNetLMMワーキンググループでこの種のプロトコルが研究されている。なお、ネットワークベースのローカルモビリティ管理は、論理的に局在化しているネットワークセグメントにおいて、モバイルノードの代わりにネットワークによってノードのモビリティの管理を行うことである。
この目的を達成するため、MNは、ローカルドメインにおいては同一のプレフィックスを取得する。このプレフィックスは、ローカルモビリティ管理に係る利益が得られるように、ルーティングの階層が高次の位置であり、ローカルドメイン内のすべてのMNのデフォルトルーティングパス上に位置するルータから取得可能とすべきである。
このプレフィックスの頂点(階層的に最上位の位置)に存在するルータにおいて、このプレフィックスの到達可能情報(プレフィックスに基づくルート)が保持され、プレフィックスに基づくルートが管理されることが望ましい。
NetLMMワーキンググループによって考案されている最良のネットワークタイプのローカルモビリティ管理プロトコルは、下記の非特許文献2に開示されている PMIPv6(Proxy Mobile IPv6)である。PMIPv6は、ネットワークの局所的なエリアにおいて、IPv6ホストのモビリティをサポートするように設計されている。なお、PMIPv6は、クライアントタイプのモバイルIPv6(CMIPv6)スタックを実装していないIPv6ホストのモビリティをサポートすることが可能である。
なお、PMIPv6では、MNの現在の到達可能アドレスにローカルPMIPv6プレフィックスをバインドするためのローカルドメイン内のローカル管理シグナリングがネットワーク側で処理されることになるので、CMIPv6スタックを有するノードにとっても有用である。
CMIPv6スタックを有するMNはPMIPv6ドメイン(PMIPv6が実装されている管理ドメイン)内を移動している間に、1つ又は複数のHA及び/又はCNに登録しているバインディングの期限が切れそうになった場合には、PMIPv6ドメインのアドレス(気付アドレス)をホームアドレスと関連付けるグローバルな登録を送信する必要があるかもしれない。
CMIPv6スタックを有するMNは、PMIPv6sドメインから別のPMIPv6ドメイン又はネットワークベースのローカルモビリティ管理をサポートしていない別のドメインに移動すると、1つ又は複数のHA及び/またはCNに対してグローバル登録を送信する必要がある。また、こうしたグローバルな登録は、CMIPv6スタックを持つMNがPMIPv6ドメインに入るとき、実行される必要があるかもしれない。
MNは、PMIPv6ドメインに接続されている場合には、MAG(Mobile Access Gateway:モバイルアクセスゲートウェイ)との接続の間、そのNAI(Network Access Identifier:ネットワークアクセス識別子)を提供する。MAGはLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)に対して、MAGに直接接続されているか管理下にある移動端末(IPv6ホストも含む、以下、MNと呼ぶ)に代わって、プロキシローカル登録を実行するルータである。
また、NAIは、例えば、認証のためにAAA(Authorization, Authentication and Accounting:認証、認可、課金)サーバに渡される。AAAサーバ(LS(ローカルサーバ))は、MNのネットワーク接続を認証すると、認証成功を通知する応答をMAGに返信し、ホームリンク又はMNのローカルPMIPv6ドメインパラメータを提供する。上記のパラメータは、例えば非特許文献2や下記の非特許文献3に開示されているような各MNにユニークなプレフィックス、LMAのアドレス、許可されているアドレス構成モード(ステートレス又はステートフル)MNの移動ポリシ、MNの能力(IPv6可能、MIPv実装など)である。MAGは、こうしたMNのパラメータを取得すると、ホームリンク/ローカルホームリンクをエミュレートし、同時にプロキシBU(PBU:Proxy BU)をLMAに送信する。
MAGによって実行されるPBU又はローカルな登録は、この処理がプロキシBUであることを示すフラグをセットすることなどの詳細なパラメータ設定を除いて、MIPv6のBUと同一である。PBUを実行することによって、LMAにおいて、MNへの到達可能ステートが作成される。基本的に、LMAは、PMIPv6ドメインで取得されるMNのプレフィックスに到達可能であり、このプレフィックスへの到達可能アドレスはMAGのアドレスである。すなわち、LMAは、MNのプレフィックスとそのMNが接続されているMAGのアドレスとが関連付けられた情報を保持している。MNは、ステートレス又はステートフルなアドレス構成モードを利用して、PMIPv6ドメインで受信したプレフィックスを用いてアドレスを構成する。各MNがそれぞれユニークなプレフィックスを取得するので、LMAのプレフィックスベースのキャッシュにおいて、MNへの到達可能性は十分に実現される。
LMAに到達するすべてのデータパケットは、MNが接続されているMAGにトンネルされる。また、逆方向も同様であり、MNから送信されたデータパケットはMAGからLMAにトンネルされる。MAGの近隣キャッシュテーブルには、MNのPMIPv6ローカルアドレスと、そのリンクレイヤアドレスとのバインディングが含まれており、MNへのパケット伝送の際に参照される。
また、広義のマルチホーミングのモバイルノードは、複数のインタフェースを有するMN(各インタフェースが異なるアクセス技術を有していてもよい)、又は、異なるプレフィックスを処理し、同一インタフェース上で異なるアドレスを構成することが可能な1つのインタフェースを有するMNを指す。なお、例えば下記の非特許文献4には、様々なシナリオのマルチホームのホストの利点について記載されており、今後、MNが複数のインタフェースを有したり、複数のプレフィックスの処理機能を有したりするようになることが予見できる。しかしながら、非特許文献2で概説されているPMIPv6は、単一のインタフェースを有するモバイルノードを考慮して設計されており、MIPv6には、マルチホーミングサポート機能が欠けている。
また、下記の非特許文献7には、CMIPv6実装ノードが外部(foreign)ドメインに移動した際に、マルチホーミングをサポートする機能をホームエージェントに提供する方法が開示されている。非特許文献7に開示されているマルチホーミングサポート機能は、マルチホーミングの利点を実現するため、1つ又は複数のMNのインタフェースに関連付けられている異なる気付アドレス経由でMNのパケットを到達可能とするメカニズムである。MNがCMIPv6の外部ドメインに移動した場合には、マルチホーミングを行うため、MNのホームプレフィックスの論理的なアンカポイントであるホームエージェントが、MNの気付アドレスに関するバインディング情報を保持する必要がある。上記のバインディング情報は、1つ又は複数のMNのインタフェースに関連する様々な気付アドレスをホームアドレスにマッピングする情報である。
異なるバインディングを同時に保持できるようにするため、非特許文献7では、バインディング識別番号(BID:Binding Identifier Number)が用いられる。上記のBIDは、インタフェースやインタフェースに関連する気付アドレスをユニークに識別するための識別情報である。BIDは、移動するMNによって生成され、バインディング登録時にHAに転送される。BIDを使用することによって、HAは、1つのホームアドレスに対して異なる気付アドレスを経由する到達可能性を実現する登録を維持することが可能となる。一般に、この種のメカニズムは、マルチホーミングサポートメカニズムと呼ばれている。現在のPMIPv6はこのマルチホーミングサポートメカニズムの実現を考慮していない。
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)、セルラネットワーク(3Gネットワーク)、WiMAXタイプのワイアレスワイドエリアネットワーク(WWLAN:Wireless Wide Area Network)など、様々なタイプの無線アクセスネットワークによって構成されたグローバルな異種ネットワークアーキテクチャの実現を模索している。このグローバルな異種ネットワークアーキテクチャは、シームレスなモビリティを実現したり、(例えば、リアルタイムビデオ、VoIP、重要データの伝送などの異種タイプのアプリケーションサービスを高いQoS(Quality of Service:サービス品質)を保った状態でサポートしたりする際に有用である。
また、下記の非特許文献6には、3GPPのローカルドメインのローカルモビリティ管理プロトコルとして、PMIPv6が採用される可能性が高いことが記載されている。なお、このような3GPPローカルエリアは、例えば、3Gセルラアクセスネットワークや、信頼できるWLAN(trusted WLAN)又は信頼できないWLAN(non-trusted WLAN)などによって構成される。さらに、複数の異種タイプのインタフェースを有するMNが上述のような3GPPネットワーク内を移動し、この際に、マルチホーミングの効果を得るために、異なるタイプのインタフェースによる同時接続を必要とする場合も起こり得る。したがって、3GPPに実装されるPMIPv6は、何らかのマルチホーミングサポートを実現する必要があると考えられる。
また、下記の非特許文献5には、MIPv6及びMIPv6が相互作用した場合の様々な問題について言及されている。ここでは、主に、CMIPv6スタックを実装しているとともに、PMIPv6サービスに加入しているMNに関する問題が挙げられている。非特許文献2及び非特許文献5では、LMAがHA機能を更に有することが可能である旨が記載されている。このようなデュアルモードのLMAは、PMIPv6のLMAの機能とMIPv6のHAの機能が1つの通信装置によって実現されており、併設LMA/HA(本明細書ではLMA/HAと記載)と呼ばれる。
LMA/HAは、LMAのプレフィックス(論理的にLMAの配下に属し、各MNにユニークなプレフィックス)からホームアドレスを構成するノードに対してPMIPv6のホームLMAとして機能する。また、LMA/HAは、LMAのプレフィックスを用いないホームアドレスを有し、PMIPv6に外部から移動してきたノードに対しては外部LMAとして機能する。さらに、LMA/HAは、他のドメインに移動中のノードにとってMIPv6のHAとして機能し、そのノードンの位置管理(気付アドレスの管理)を行うことが可能である。また、LMA/HAが特定のノードのホームエージェントであり、このノードがホームドメインであるPMIPv6ドメインで起動した場合には、LMA/HAはホームLMAとして機能する。この場合には、LMA/HAにおいて、位置登録シグナリングが実行される。上記のMNが別の外部ドメインに移動した場合、同一のLMA/HAがMIPv6のHAとして機能し、MNか直接MIPv6の登録を受信する。
一般に、非特許文献2や非特許文献5に開示されているように、インタフェースを1つだけ有し、そのインタフェースに1つのアドレスを関連付けているMNに関しては、LMA/HAでは、1つのキャッシュエントリは1つだけしか利用できない。なお、インタフェースを1つのみ有するMNに関しては、ホームPMIPv6ドメイン、外部ドメイン、ホームリンクなどの任意の接続ポイントのいずれかに接続するため、1つのMNに対して1つのキャッシュエントリしか登録できないようにする必要があし、LMA/HAは、あるMNに関してキャッシュを1つのみ保持すべきである。
また、下記の特許文献1には、移動中のMN(MIPv6スタックを実装)に対して、ネットワークの局所的なエリアのローカルモビリティ管理をドメイン内のネットワークアクセルータを通じて提供する方法が開示されている。ここでは、ローカルモビリティの管理を行うアンカは、モビリティアンカ(MA)と呼ばれ、そのプレフィックスがアクセスルータから通知される。これにより、MNは気付アドレスを構成し、HAやCNにMIPv6の登録を行うことができるようになる。
また、下記の特許文献2には、MAがローカルモビリティ管理ドメイン内で、MIPv6の登録におけるシーケンスナンバーを使用することによって競合を解消しようとする技術が開示されている。さらに、下記の特許文献2には、MNに2つのプレフィックスを通知する情報が開示されている。ここでは、2つのプレフィックスのうちの1つはローカルのプレフィックス(例えば、AR(アクセスルータ)から通知されるプレフィックスであり、ARのアドレスと)であり、もう1つは、モビリティエージェント(MA)のアドレスである。MNがMAアドレスを受信するローカルネットワークセグメントはローカルモビリティドメインと呼ばれる。MNは2つの気付アドレスを構成する。
MNがARに関連したプレフィックスから構成したアドレスはローカルアドレスと呼ばれ、MAのプレフィックスから構成したアドレスはグローバルアドレスと呼ばれる。ローカルドメイン内でサブネットワークの変更が行われるたびに、MNはローカル気付アドレスを構成し、そのローカルアドレスをMAに通知する。また、MNは、モビリティエージェントが変更された場合のみグローバルアドレスを構成して、HA又はCNに通知する。HA又はCNに通知されるバインディングは、MNのホームアドレスとMNのグローバルアドレスとを関連付けるバインディングである。
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しかしながら、PMIPv6はマルチホーミングをサポートしておらず、LMA/HAが、あるMNに関するキャッシュエントリを1つしか保持できないことから問題が生じ、また、形式的にPMIPv6がマルチホーミングをサポートできるようにした場合であっても、問題が生じる。以下、この問題について説明する。
図1Aにおいて、MN10は、異なるタイプのアクセス技術を有する2つのインタフェースを有している。MN10は、最初はホームドメインであるホームPMIPv6ドメイン100に接続されており、このホームPMIPv6ドメインを通じてグローバルなインターネット102に接続されている。また、時間が経過した後、一方のインタフェースはホームPMIv6ドメインから外部ドメインに移動するが、他方のインタフェースはまだホームPMIPv6ドメインに接続されているとする。MN10の一方のインタフェースは、WLANアクセス技術を用いるタイプのインタフェースであり、他方のインタフェースは3Gタイプのインタフェースである。また、不図示であるが、ホームPMIPv6ドメイン100とWLANのアクセスネットワーク(外部ドメイン101)とがグローバルなインターネット102を介することなく接続されている場合(例えば、LMAやMAGなどのノードを介して接続されている場合)も考えられる。
また、MN10はCMIPv6スタックを実装しているとする。さらに、3Gインタフェースは、無線リンク11を経由してMAG20に直接接続されており、WLANインタフェースは、無線リンク12を経由してMAG21に直接接続されているとする。さらに、図1Aでは、WLANインタフェースが非特許文献6に記載されているように、3Gネットワークから見て信頼できない(non-trusted)WLANに接続されているとする。なお、信頼できる(trusted)WLANでは、MAGの機能はARに設置されていると考えることができる。
また、MN10が複数インタフェースのうちのいずれかによってこのPMIPv6ドメインに接続した後に受信するプレフィックスはホームプレフィックスであり、このことから、PMIPv6ドメイン100をホームPMIPv6ドメインと記載することもある。なお、このホームプレフィックスは、MN10であらかじめ設定されていてもよく、ブートストラッピングの間に、DHCPv6サーバ(不図示)やAAAサーバ30から取得してもよい。したがって、MN10は、レイヤ2認証を受けた後にRA(Router Advertisement:ルータアドバタイズメント)によってホームプレフィックスを受信すると、ここがホームネットワークであることをすぐに特定することができる。この場合、MN10は、LMA/HA40との間でモビリティ関連の位置アップデータシグナリングを行わない。
さらに、MN10は、最初に3Gインタフェースを通じてMAG20に接続しているとする。この場合、上述のように、MN10はRAシグナリングによって3Gインタフェース経由でホームプレフィックスを受信する。この場合には、MN10は、ステートフル又はステートレスのアドレス構成モードを使用して、3Gインタフェースにおけるアドレスを構成する。
また、MN10は、3Gインタフェース用に構成されたアドレスを、両方のインタフェースにおけるMIPv6のホームアドレスとして使用してもよい。以下では、MN10は、上述のように、3Gインタフェース用に構成されたアドレスを、両方のインタフェースにおけるMIPv6のホームアドレスとして使用するものとする。また、DHCPv6サーバは、NAI及びプレフィックス情報に基づいて両方のインタフェースに同一のアドレスを提供するので、ステートレスなアドレス構成が行われる際に、両方のインタフェースに同一のアドレスが構成されてしまう可能性がある。
MAG20は、ローカルなAAA30からMN10のパラメータを取得すると、LMA/HA40に対してプロキシBU60を実行する。このようなプロキシ登録(PBU)60によって作成されたバインディングキャッシュ(BC:Binding Cache)のエントリは、例えば、図1Bに図示されているBC50の最初のエントリである。以降の説明では、このような構成のバインディングキャッシュを用いて説明するが、実質的には、これらのエントリがどのような関連付けで管理されているかは様々である。例えば、LMA及びHAの機能を果たすエンティティが別々に配置され、それぞれのバインディングキャッシュがPMIP用とCMIP用で別々に管理され、連携した処理がLMAとHAの機能を持つそれぞれのエンティティ間で互いに通知し合いながら行われるということも考えられる。
さらに、ホームPMIPv6ドメイン100はマルチホーミングサポート機能を有しているとする。このマルチホーミングサポート機能は、非特許文献7で開示されている場合と同様にインタフェース識別子(IF−ID)又はBIDを用いることによって、LMA/HA40が同時接続バインディングを保持できることを意味する。さらに、MN10の両方のインタフェースのそれぞれに関して送信されたPBUによって、LMA/HA40は、MN10の同一プレフィックスに関する複数のバインディングを作成し、例えばBIDなどの別のパラメータを用いて、同一のMN10による同時接続を区別できるようにする必要がある。
また、MN10の各インタフェースは、1つのプレフィックス(LMA/HA40に管理されており、MNに固有のプレフィックス)のみを取得できるものとする。したがって、MAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)アドレスやBIDなどのインタフェースIDを使用して、異なるインタフェースを用いて接続を行っている同一MNによるバインディングを区別することが可能となる。
また、複数のプレフィックスが通知され、1つのインタフェースで処理される場合には、LMA/HA40で複数のバインディングを識別する際に、BIDの使用がより適切である。図1Aにおいても、PBU60にはBIDの情報が含まれているとする。このBIDは、MN10又はAAA30によって提供されるか、あるいは、MAG20によって生成される。なお、BIDの生成方法、BIDの取得方法は多数存在し、任意の方法を用いればよい。
BC50の最初のエントリを見ると、MN10のホームプレフィックスに関する到達可能性の状態(転送先)がMAG20のアドレス(MAG20.CoA)に関連付けられていることが分かる。このMAG20のアドレスは、MN10の3Gインタフェースの気付アドレスであるか、あるいは、MN10の3Gインタフェースのプロキシ気付アドレスである。
また、PBU60はPMIPv6登録であり、PBUにはシーケンスナンバーは用いられていないため、シーケンスナンバーのフィールドには、エントリが存在しない(N/A)。また、PBUはタイムスタンプオプションフィールドを有しており、PBU60のタイムスタンプオプション内に含まれる時刻情報がPBU60に係るバインディングのエントリに格納される。
さらに、3Gインタフェースの接続に続いて、MN10のWLANインタフェースがMAG21に接続を行うとする。L2認証の成功後に、WLANインタフェースは、3Gインタフェースから見えるプレフィックスと同一のホームプレフィックスを受信する。MAG21は、AAA30からアクセス認証の成功の通知を受信すると、LMA/HA40に対してPBU61を実行する。
そして、MN10のWLANインタフェースは、MAG21に短い時間だけ接続した後、すぐに移動して外部ドメイン101に接続を行うものとする。なお、この外部ドメイン101もグローバルなインターネット102に接続されている。また、外部ドメイン101は別の3GPPドメインであってもよく、WiMAXやWLANなどの異なるアクセスネットワークであってもよく、FMC(Fixed Mobile Convergence)などによって無線系と固定系が統合されたネットワークや、NGN(Next Generation Network)などの高度に管理されるネットワーク構成に関わるネットワークでもよく、それらネットワークとの信頼関係が高くても低くてもよい。さらに、ホームPMIPv6ドメイン100とWLANのアクセスネットワーク(外部ドメイン101)がグローバルなインターネット102を介することなく接続されていてもよい(例えば、LMAやMAGなどのノードを介して接続されていてもよい)。以降、これらネットワーク構成の差異によらず、本質的な課題が存在するが、本明細書では図1Aの構成を例として説明する。
外部ドメイン101への接続においては、WLANインタフェースが無線リンク13を通じてAR22に接続を行うとする。MN10のWLANインタフェースの迅速な接続変更は、図1Aの矢印14によって模式的に表されている。なお、MN10は、AR22からノマディックなプレフィックスを受信してもよい。このプレフィックスの受信後、MN10は気付アドレスを構成し、LMA/HA40に対してMIPv6 BU62を実行する。
ここで、このBU登録62が、MAG21からのPBU61(インタフェース切り換え前の接続に係るPBU)より早くLMA/HA40に到達したと仮定する。この場合、MAG21に接続が非常に短い時間だったことから、競合条件(race condition)と通常呼ばれる事象が発生する。また、上記の短時間の接続以外にも、ホームPMIPv6ドメイン100内のパケットの輻輳によって、MIPv6(CMIPv6)のBU62よりPBU61が遅れて到達することで、競合条件が発生する場合もある。
MIPv6のBU62が先にLMA/HA40に到達すると、LMA/HA40にMIPv6の登録が作成される。なお、LMA/HA40においては、例えば、PMIPv6及びCMIPv6のキャッシュは1つのキャッシュ又は1つのアドレス空間で管理されるとする。さらに、LMA/HA40は例えばNAIを使用して、MN10の特定のインタフェースのPMIPv6及びCMIPv6のキャッシュの違いを把握することが可能である。また、BC50の2番目のエントリには、CMIPv6キャッシュが存在している。なお、BC50においては、IF−ID/BIDのフィールドによって、インタフェースをユニークに識別することができる。
また、CMIPv6バインディングに関しては、シーケンスナンバー(Seq#)のエントリにBUメッセージに含まれていたシーケンスナンバーが格納される。また、CMIPv6バインディングにおいては、タイムスタンプフィールドに挿入すべき情報はない。短い時間経過後に、MAG21から発送された古いPBU61がLMA/HA40に到達する可能性がある。この場合、上述のように、PMIPv6又はCMIPv6のどちらかをあるインタフェースに割り当てるバインディングが1つのみ維持されるので、BC50の正しいCMIPv6バインディングはMAG21からの古いPBU61によって上書きされてしまうことになる。これは、図1Bにおいて、BC50の2番目のエントリの消去によって表されている。
上記のようにしてセットされた間違ったエントリは、MAG20からプロキシ登録削除を受けるか、MN10がWLANインタフェースからバインディングリフレッシュBUが到達するまで、LMA/HA40によって利用可能な状態となる。そして、間違ったエントリを削除するまで、WLANインタフェースにおいて送受信されるすべてのパケットは失われてしまうことになる。この結果、ネットワークは、ロード(負荷)バランス、フォールトトレランス、バイキャスティングなどの各種サービス(マルチホーミングの機能を用いたサービス)を提供できず、マルチホーミングの利益に享受できない。
なお、一般的に、古いPMIPv6登録によって現在のCMIPv6のキャッシュを上書きしてしまうという問題は、PMIP/CMIP競合条件(PMIP/CMIP race condition)と呼ばれている。当業者であれば、MN10のWLANインタフェースが最初に外部ドメインに接続されており、ホームPMIPv6に戻ってきた場合においても同様の問題が発生することが分かるであろう。このような場合には、現在のPMIPv6キャッシュに置き換わって、古いCMIPv6キャッシュが登録されてしまうことになる。
また、特許文献1に係る技術においては、MNがローカルモビリティ管理ドメイン内を移動すると、アクセスルータがMNのプロキシとして機能し、MAに対してMNのローカル位置登録シグナリングを実行する。このシグナリング方法は、HMIPv6又はMIPv6のタイプのものと同じである。
また、特許文献2に係る技術においては、MAはMNのホームエージェントではなく、単なるモビリティエージェントである。したがって、図1A及び図1Bで説明されるようCMIPv6バインディングをPMIPv6バインディングで上書きするような競合条件は発生しない。また、MNがあるローカルモビリティ管理ドメインから別のドメインに移動する場合、古い(移動前の)ドメインの古いローカル登録は削除され、新しいドメインにおいては新しいローカル登録の管理が行われる。したがって、特許文献2に係る技術では、PMIPv6ドメインにおけるPMIPv6バインディングとCMIPv6ドメインにおけるCMIPv6バインディングとの競合は起こり得ない。
また、特許文献2に係る技術では、MNはMAに対してローカルな登録を実行する。しかしながら、ローカルドメインのローカルモビリティ管理シグナリングにおける競合問題は、MIPv6のようにシーケンスナンバーを使用することで解決される。また、特許文献2に係る技術では、MAが単なるローカルモビリティ管理アンカであってホームエージェントではないので、MNがローカルドメインから移動したとき、MNの新たな登録は、移動前に接続していたローカルドメインのMAには通知されない。したがって、図1A及び図1Bで説明されるようCMIPv6バインディングをPMIPv6バインディングで上書きするような競合条件は発生せず、特許文献2に係る技術は本発明に係る問題を解決するものではない。
上記の課題を解決するため、本発明は、PMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能な移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の移動端末は、複数の無線通信インタフェースと、
モバイルIP機能を実現するモバイルIPモジュールと、
前記複数の無線通信インタフェースのうちの第1無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージ、又は、前記複数の無線通信インタフェースのうちのいずれかの第1無線通信インタフェースから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージを特定する識別情報を、前記複数の無線通信インタフェースのうちのネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルを実装しているホームドメインに接続している第2無線通信インタフェースから送信する識別情報送信手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースが接続されているネットワークノードに通知する際に、前記ネットワークノードに前記識別情報に現在の時刻情報を付加して前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードに通知する依頼を行うように構成されている。
この構成により、移動端末は時刻情報の付加をMAGに依頼することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースが接続されている前記ネットワークノードが、前記依頼に応じて前記現在の時刻情報の付加を行う時刻情報付加機能を有するか否かを特定し、前記ネットワークノードが前記時刻情報付加機能を有する場合に依頼を行うように構成されている。
この構成により、MAGの機能を把握して、依頼を行うか否かを決定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報として、前記第1無線通信インタフェースを識別するためのインタフェース識別情報又は前記第1無線通信インタフェースに設定されるアドレスを識別するためのアドレス識別情報と、前記バインディングアップデートメッセージに含まれるシーケンスナンバーとを使用するように構成されている。
この構成により、確実にバインディングアップデートメッセージ(すなわちバインディング情報)を特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージを前記識別情報として使用するように構成されている。
この構成により、識別情報としてバインディングアップデートメッセージをそのまま別の無線通信インタフェースから送信することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記第1無線通信インタフェースが前記ホームドメインから別のドメインに接続先を変更して、前記第1無線通信インタフェースから前記バインディングアップデートメッセージを送信したか、これから送信しようとする場合に、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースから送信するように構成されている。
この構成により、ホームドメインから別のドメインへの接続変更によって生じる競合条件を適切なタイミングで解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を送信するように構成されており、
前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードは、前記識別情報と共に前記バインディング情報が最新のものである旨を受信することで、前記バインディング情報が有効である旨を把握可能となる。
この構成により、ホームドメイン内のパケット転送管理ノードは、バインディング情報を有効にすべき旨を容易に把握できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記第1無線通信インタフェースが別のドメインから前記ホームドメインに接続先を変更した場合に、前記第1無線通信インタフェースが前記別のドメインに接続していた際に送信した前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースから送信するように構成されている。
この構成により、別のドメインからホームドメインへの接続変更によって生じる競合条件を適切なタイミングで解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を送信するように構成されており、
前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードが、前記識別情報と共に前記バインディング情報が最新のものではない旨を受信することで、前記バインディング情報が無効である旨を把握可能となる。
この構成により、ホームドメイン内のパケット転送管理ノードは、バインディング情報を無効にすべき旨を容易に把握できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記別のドメインでは、前記移動端末は、移動端末自身がモビリティ管理に係る処理を行うクライアントタイプのモビリティ管理プロトコルを実行するように構成されている。
この構成により、クライアントタイプのモビリティ管理プロトコルを作動させるドメインと、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実装されているホームドメインとの間の接続変更によって生じる競合条件を解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報送信手段による前記識別情報の送信の際に、前記ホームドメインから現在時刻情報を取得する現在時刻取得手段を有し、
前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に前記現在時刻情報を送信するように構成されている。
この構成により、移動端末は、ホームドメインの時刻に同期した現在時刻情報をバインディングアップデートメッセージの識別情報に付加することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のネットワークノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ネットワークドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードであって、
前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報を包含したパケットを含む前記移動端末から受信したパケットに時刻情報を付加して前記ネットワークドメイン内のパケット転送管理ノードに送信するように構成されている。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記移動端末から前記時刻情報の付加を依頼された場合に、前記移動端末から受信したパケットに前記時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信するように構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージの識別情報が送信された時刻をネットワーク側の時計に基づいて記録することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージ、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報が含まれている特定のパケットに前記時刻情報を付加するように前記移動端末から依頼を受ける。
この構成により、移動端末からの依頼に応じて時刻情報の付加を行うことが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記移動端末から受信するパケットの中から、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報を検出した場合に、前記パケットに時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信するように構成されている。
この構成により、MAGが自らバインディングアップデートメッセージの識別情報を検出して、時刻情報を付加することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信する機能を有することを、前記移動端末からの問い合わせを受けた場合に前記移動端末に受動的に通知するか、前記移動端末からの問い合わせを受けない場合であっても前記移動端末に能動的に通知するように構成されている。
この構成により、MAGの時刻情報付加機能を移動端末に通知することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送管理ノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、
前記ホームエージェント実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するモバイルIPバインディング情報格納手段と、
前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するローカルバインディング情報格納手段とを有するローカル管理ノードと通信を行う通信手段と、
前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を前記ローカル管理ノードが受信した場合、前記通信手段を介して前記ローカル管理ノードから前記識別情報及び前記時刻情報を受信し、前記識別情報に基づいて前記モバイルIPバインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けるバインディング情報処理手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送管理ノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、
前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するローカルバインディング情報格納手段と、
モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、前記ホームエージェント実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するモバイルIPバインディング情報格納手段とを有するグローバル管理ノードと通信を行う通信手段と、
前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を受信した場合、前記通信手段を介して前記グローバル管理ノードに前記識別情報及び前記時刻情報を渡すことによって、前記ローカル管理ノードが前記識別情報に基づいて前記モバイルIPバインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けられるようにするバインディング情報処理手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送管理ノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、
前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、
前記ホームエージェント実現手段及び前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するバインディング情報格納手段と、
前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を受信した場合、前記識別情報に基づいて前記バインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けるバインディング情報処理手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が存在している場合には、それぞれのバインディング情報の時刻情報をチェックして、最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている。
この構成により、PMIPv6バインディングとCMIPv6バインディングのそちらのバインディング情報が新しいかを特定して、より新しいバインディング情報を有効なバインディング情報と設定することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておくように構成されている。
この構成により、不要なバインディング情報を完全に消去せずに残しておくことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておき、前記最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報が無効に設定されているバインディング情報の場合には、無効に設定されているバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている。
この構成により、不要なバインディング情報を完全に消去せずに残しておき、必要に応じて、再び有効なバインディング情報として設定することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている。
この構成により、いったん無効化された状態において使用されずに一定時間経過した不要なバインディング情報を削除することで、段階的かつ効率的なバインディング情報の削除が実現される。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、最も新しい時刻を示す時刻情報が前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に送信されてきた前記時刻情報であるが、前記バインディングアップデートメッセージに係るバインディング情報が前記バインディング情報格納手段内に存在しない場合には、前記移動端末に対して前記バインディングアップデートメッセージの再送信を要求するように構成されている。
この構成により、有効なバインディング情報として設定されるべきバインディング情報がバインディングキャッシュに存在しない場合には、すぐに移動端末にその再送を要求することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が、受信した前記識別情報と同一又はそれより古い識別情報によって特定されるバインディング情報である場合には、前記他のバインディング情報を無効にするように構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージの識別情報(例えばシーケンスナンバー)に基づいて、不要なバインディング情報の無効化を行うことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を有効にするよう構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではある旨を明示する情報を参照することで、バインディング情報を有効にすべき旨を容易に把握することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を無効にするよう構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を明示する情報を参照することで、バインディング情報を無効にすべき旨を容易に把握することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記識別情報によって特定される前記バインディング情報の受信時刻と、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報の受信時刻とが、所定の時間より短い時間間隔の場合に、前記移動端末に対して前記無線通信インタフェースに係るバインディング情報の再通知を要求するように構成されている。
この構成により、同一の無線通信インタフェースに係るバインディング情報を短時間で連続して受信した場合に競合条件の発生を推測し、移動端末に対して問い合わせを行うことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、同一の無線通信インタフェースにおいてバインディング情報の競合が検出された場合に、前記競合が検出された旨を前記移動端末に通知するとともに、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースにおける通信に関して、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースとは異なる別の無線通信インタフェースを一時的に使用できるようにする。
この構成により、特定の無線通信インタフェースに係るバインディング情報に関して競合条件の発生が推測された場合であっても、別の無線通信インタフェースを使用して、その特定の無線通信インタフェースに係る通信を継続して行わせることが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、PMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消するという効果を有している。また、本発明は、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消する際に効率的な動作を実現し、ネットワークや各通信ノードが受ける負荷を小さくするという効果を有している。
従来の技術を説明するためのシステム構成図 従来の技術におけるLMA/HAのBCの一例を示す図 本発明の第1の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのBCの一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるMNの構成例を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態におけるMNの動作例を示すフローチャート 本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAの構成例を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのLMA/HA BU競合解消モジュールの動作例を示すフローチャート 本発明の第1の実施の形態における障害発生時の概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第1の実施の形態における障害発生時のLMA/HAのBCの一例を示す図 本発明の第2の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第3の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第4の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図
本発明では、複数のインタフェースを有するMN(移動端末)によって行われるホームPMIPv6のBUとCMIPv6のBUとの競合問題を解決するため、MNは、一方のインタフェースから送信したCMIPv6のBUメッセージの識別情報(例えばCMIPのBUメッセージに使用されているシーケンスナンバー及び/又はBID値)を他方のインタフェースで接続しているPMIPv6ドメインのMAGに通知するように構成されている。
また、本発明では、MAGは、MNからCMIPv6のBUメッセージの識別情報(あるいは、BUメッセージそのものでもよい)を受信した場合に、そのBUメッセージの識別情報を含むパケットを作成するとともに、自身の時計から取得した時刻情報を含むタイムスタンプオプションをそのパケットに付加してLMA/HAに送信するように構成されている。
また、本発明では、PMIPv6ドメイン内のLMA/HAは、MNによって送信されたCMIPv6のBUメッセージの識別情報を含み、さらに時刻情報を含むタイムスタンプオプションが付加されたパケットを受信した場合には、このパケットに含まれている識別情報によって特定されるCMIPv6のBUメッセージを送信したインタフェースを特定して、このインタフェースに関連するPMIPv6のPBUによるバインディングを保持しているか否かを検索し、このインタフェースに関連するPMIPv6のPBUによるバインディングを保持している場合には、このバインディングキャッシュエントリに含まれている時刻情報と、受信したパケットのタイムスタンプオプションに含まれている時刻情報とを比較し、時刻情報が新しいバインディングを有効にするように構成されている。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。最初に図2Aを参照しながら、本発明の第1の実施の形態の概要について説明する。図2Aは、本発明の第1の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図である。
図2Aにおいて、MN200は、2つのインタフェースを持っている(3Gタイプ及びWLANタイプ)。なお、MN200は様々なタイプのインタフェースを有することが可能であり、インタフェースのタイプは上記の3Gタイプ及びWLANタイプに限定されるものではない。
ここでは、MN200が3GインタフェースによってホームPMIPv6ドメイン230のMAG220に接続されているとする。また、MN200のWLANインタフェースは、ホームPMIPv6ドメイン230のMAG221に接続していたが、その後、CMIPv6ドメインである外部ドメイン(外部CMIPv6ドメイン)231に移動したとする。
なお、外部ドメイン231は、外部PMIPv6ドメイン(ホームPMIPv6ドメイン230とは異なるPMIPv6管理ドメイン)であってもよく、非信頼(Non-trusted)ドメインであってもよい。また、ホームPMIPv6ドメイン230及び外部ドメイン231は、グローバルなインターネット232を介して接続されている。
上述のように、このような異種遷移(ホームPMIPv6から外部CMIPv6)がMN200のWLANインタフェースで行われる場合、バインディングアップデートの競合条件が生じる可能性がある。このような競合問題を解決するため、MN200はAR222からRA261を受信する際に、WLANインタフェースがホームネットワークから外部ネットワークに移動したことを認識する。このとき、MN200は、そのWLANインタフェースを通じてCMIPv6のBU262をホームエージェントに送信する。
そして本発明では、WLANインタフェースがホームPMIPv6ドメイン230から外部ドメイン231に移動したことを把握したMN200は、競合条件が起こる可能性があると判断し、メッセージ263をMAG220に送信することによって、WLANインタフェースによる現在の接続がCMIPv6接続である旨をLMA/HA250に通知するようMAG220に要求する。なお、MN200は、メッセージ263の送信に際して、メッセージ262の送信を待機する必要はなく、例えば、まずメッセージ263を送信してからメッセージ262を送信してもよい。
MN200は、WLANインタフェースによる現在の接続がCMIPv6接続である旨をLMA/HA250に通知するようMAG220に要求する際に、CMIPv6ドメイン231に接続したWLANインタフェースのインタフェースID(IF−ID)又はBIDと共に、そのWLANインタフェースから送信するCMIPv6のBUメッセージ262のシーケンスナンバーをメッセージ263を用いてMAG220に渡す。
なお、このメッセージ263には、BUメッセージ262を識別するための識別情報が含まれる必要があり、ここでは、例えばBUメッセージ262の識別情報として、WLANインタフェースから送信されたCMIPv6のBUメッセージ262のシーケンスナンバー及びWLANインタフェースのIF−ID/BIDを利用しているが、これらの情報に限定されるものではない。例えば、メッセージ263にBUメッセージ262がそのまま含まれてもよい。また、メッセージ263には、MN200を識別するための識別情報(例えばMNのNAI)が含まれてもよい。
また、メッセージ263は、BUメッセージ262の識別情報を含む新しいタイプのICMPv6メッセージであってもよく、BUメッセージ262の識別情報が付加されたL2(レイヤ2)メッセージであってもよい。また、メッセージ263は、新しいコード値が使用された近隣探索(NA:Neighbor Advertisement)メッセージであってもよい。なお、当業者であれば、このような重要な情報パラメータをMAG220に渡す方法が数多く存在し、任意の方法を用いてBUメッセージ262の識別情報をMAG220に渡せることが容易に分かるであろう。
また、メッセージ263において、WLANインタフェースによる現在の接続がCMIPv6接続である旨をLMA/HA250に通知するようMAG220に明示的に要求することも可能である。例えば、MN200は、メッセージ263に特定のフラグをセットすることで、後述のような時刻情報を含むタイムスタンプオプションの付加を依頼してもよい。これにより、MAG220は、こうしたフラグがセットされているメッセージ263を受信した場合のみ、時刻情報を含むタイムスタンプオプションの付加を行えばよく、MAG220による処理の効率化を図ることが可能となる。
また、MAG220が、パケットを精査してBUメッセージ262の識別情報を含むパケットを自ら検出して、本発明に係る動作(例えば、時刻情報を含むタイムスタンプオプションの付加)を行ってもよい。なお、MAG220は、例えば3Gインタフェースを通じて送信されてくるBUメッセージの内容をそのまま含むメッセージを検出できるように待機し、検出されたBUメッセージの内容をそのまま含むメッセージに対して本発明に係る動作を行ってもよい。
MAG220はこの特別なメッセージ263を受信すると、メッセージ264をLMA/HA250に送信する。このメッセージ264は、新たなタイプのICMPv6メッセージであってもよく、新たなタイプのモビリティメッセージであってもよく、新たなオプションを有するMIPv6のBUメッセージであってもよく、新たなオプションを有するPMIPv6のPBUメッセージであってもよい。
メッセージ264のタイプによらず、メッセージ264には、メッセージ263によって提供されたBUメッセージ262の識別情報(CMIPv6のBUメッセージ261のシーケンスナンバーやIF−ID/BID、WLANインタフェースの気付アドレス、MN200のNAIなど)と共に、MAG220によって現在の時刻情報が付加される必要がある。例えば、メッセージ264にはタイムスタンプオプションが付加され、このタイムスタンプオプション内に現在の時刻情報が挿入される。
なお、データパケットがMN200の3Gインタフェースから送信される場合には、メッセージ264を構成する上述のパラメータは、MAG220からLMA/HA250に送信されるトンネルヘッダに挿入されて、このトンネルヘッダがデータパケットに付加されて送信されてもよい。
メッセージ264に付加される現在の時刻情報は、例えばMAG220に内蔵されている時計から得られる。この時計は、ホームPMIPv6ドメイン230内の共通の時計に同期して時刻合わせが行われているか、あるいは、NTP(Network Time Protocol:ネットワークタイムプロトコル)などを利用してグローバルな時刻サーバと同期して時刻合わせが行われている。
また、図2Bには、本発明の第1の実施の形態による登録を含むLMA/HA250のBC(Binding Cache:バインディングキャッシュ)260の一例が図示されている。初めに、MAG220から送信されたPBUはLMA/HA250に届いて、BC260の最初のエントリによって表されるBCE(Binding Cache Entry:バインディングキャッシュエントリ)が作成される。なお、このBCEは純粋なPMIPv6バインディングであり、MN200のHoA(ホームアドレス)又はプレフィックス、CoA(気付アドレス)、IF−ID/BID、シーケンスナンバー(Seq#)、タイムスタンプ(時刻情報)が含まれている。また、BC260にはNAIフィールドは明確に表されていないが、LMA/HA250は、PMIPバインディング及びCMIPバインディングの登録に関するNAIを各BIDと関連付けて保持する。
続いて、MN200のWLANインタフェースによるCMIPv6のBUメッセージ262の送信が行われ、BC260の2番目のエントリによって表されるCMIPv6の登録によるBCEが作成される。なお、基本的にCMIPv6のBUメッセージには時刻情報は含まれておらず、BUメッセージ262に関してはタイムスタンプオプションのエントリは作成されない。
また、メッセージ264がLMA/HA250に到達した場合、LMA/HA250は、BUメッセージ262によるBUが有効であることが確認でき、CMIPv6エントリ(BC260の2番目のエントリ)を有効なエントリとしてマークし、さらに、メッセージ264から受信した時刻情報(タイムスタンプオプション内の値)をBC260に追加する。
上述のように、LMA/HA250は、CMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバーや、メッセージ264で受信したタイムスタンプオプションを使用して、CMIPv6エントリを有効なエントリとしてマークする。タイムスタンプオプションの値は、LMA/HA250の時計が示す現在の時刻に近い時刻を示しており、このような決定が行われることになる。
一方、PBUメッセージ(WLANインタフェースの接続変更前の接続に係る古いPBUメッセージ)265がMAG221から到着した場合には、LMA/HA250は、PBUメッセージ265のタイムスタンプオプションの値を参照して、BC260のCMIPv6のエントリ(BC260の2番目のエントリ)に登録されているタイムスタンプオプションの値と比較する。
MAG221からの古いPBUメッセージ265のタイムスタンプオプションの値が、同一インタフェースに係る現在のCMIPv6のBUのタイムスタンプの値より古い場合には、LMA/HA250はPBUメッセージ265を拒絶(若しくは単に廃棄)する。
なお、図2Bには反映されていないが、LMA/HA250は、PBUメッセージ265を受信してからBUメッセージ262を受信した場合(あるいは、BUメッセージ262を受信してからPBUメッセージ265を受信した場合)、同一のWLANインタフェースに関して、後で到達したバインディングで既にBC260に存在していたバインディングを上書きしてもよく、あるいは、後で到達したバインディングを登録する一方、既に存在していたバインディングを無効化するもののすぐには消去しないようにしてもよい。この場合、例えば、無効化の状態が所定の時間以上続いたバインディングに関しては消去してもよい。
前者の場合、例えばメッセージ265のほうがメッセージ262より遅れてLMA/HA250に到達した場合には、例えばメッセージ264がLMA/HA250に到達した時点で、CMIPv6のバインディングはBC260には存在せず、PMIPv6の古いバインディングがBC260に登録されているが、LMA/HA250はこのPMIPv6の古いバインディングを削除するとともに、再度BUを行うように促すバインディングリフレッシュリクエストをMN200に行うことが可能である。
一方、後者の場合、例えばメッセージ265のほうがメッセージ262より遅れてLMA/HA250に到達した場合には、例えばメッセージ264がLMA/HA250に到達した時点で有効なバインディングを、無効化された状態で残っていたCMIPv6のバインディングが有効になるように切り換えることで、適切なバインディングの登録を即座に行うことが可能となる。
また、MN200のWLANインタフェースが短い時間だけ外部ドメイン231に接続した後に再びホームPMIPv6ドメイン230にすぐに戻る場合に、メッセージ264で使用されているタイムスタンプオプションが非常に有用となる。MN200がこのような接続の変更を行った場合であっても、別の同様のメッセージ(メッセージ264と同様のメッセージ)が3Gインタフェース経由で送信され、MN200がCMIPv6からホームPMIPv6に移動したことが示される。
しかしながら、この同様のメッセージが前のメッセージ264より遅く到着するような場合には、メッセージ264にタイムスタンプオプションがなければ、LMA/HA250は、現在の有効なPBUがWLANインタフェースに関する本当に最新のバインディングであるかどうかが分からない。このように、当業者であれば、タイムスタンプオプションは、より困難な競合に係る問題を解決するために重要であることが容易に分かるであろう。また、当業者であれば、本発明を用いてPMIPv6からCMIPv6への競合に係る問題を解決する方法に関して容易に分かるであろう。
本発明の第1の実施の形態では、WLANインタフェースを経由して送信されるCMIPv6のBUメッセージ262のバインディングを識別するためにシーケンスナンバーを使用することによって、MN200は、WLANインタフェースの正しいバインディング状態をLMA/HA250に迅速に通知できるという利点がある。
また、MN200は、WLANインタフェースに関する気付アドレスを構成するために待機する必要はなく、メッセージ263を用いてMAG220に通知する。なお、CMIPv6のBUメッセージ262を識別するためにWLANインタフェースの気付アドレスが使用されるのであれば、MN200は、アドレスに係る処理が完了するまで待機する必要がある。
なお、メッセージ264がメッセージ265の後にLMA/HA250に到達する場合には、WLANインタフェースの接続変更前のバインディングがBC260内で一時的に有効となるため、パケットロスが生じる可能性があるが、MN200は、WLANインタフェースを通じてRA261を受信した後に可能な限り迅速にMAG220に通知を行うことで、メッセージ265がLMA/HA250に到達する前にメッセージ264がLMA/HA250に到達可能となり、パケットロスを抑えることが可能となる。
また、本発明の第1の実施の形態では、3Gインタフェースを用いてWLANインタフェースの接続状態を通知することによって、MN200に関するLS/AAA240の認証処理、MAG220とLMA/HA250との間のトンネルセットアップやMN200に関するPBUなどを必ずしも行う必要がないことから、LMA/HA250に迅速に情報が到達するという利点もある。
また、MN200の3GインタフェースによるホームPMIPv6ドメイン230への接続が既に確立されているので、メッセージ264はLMA/HA250に迅速に到達可能である。また、本発明には、メッセージ263などのMAG220への要求がL3メッセージではなくL2メッセージであってもよく、本発明を実行する際に大きなシグナリングパケットサイズを用いる必要がないという利点がある。
さらに、本発明の第1の実施の形態を実行するために、次の接続が、WLANインタフェースにおけるCMIPv6/外部ドメイン接続であることを予測する必要がなく、競合問題を解決するために必要なパラメータを取得する必要がない。さらに、本発明の第1の実施の形態では、MN200は、MAGからタイムスタンプオプションを得る必要はないのでホームPMIPv6ドメイン230との間で時計を同期させるためのシグナリングを送受信する必要がなく、また、MAGからシーケンスナンバーなどを取得する必要もない。すなわち、ネットワークに対する負荷を最小限に留めた状態で、ホームPMIPv6のBU及びCMIPv6のBUが適切に反映されるようにすることが可能となる。
また、MN200は、ホームPMIPv6ドメイン320で本発明に係るサービスを提供しているか否かを確認し、本発明に係るサービスが提供されていることが確認できてから、WLANインタフェースを経由して送信したCMIPv6のBUメッセージ262の識別情報を含むメッセージ263をMAG220に送信してもよく、タイムスタンプの付加を依頼してもよい。なお、本発明に係るサービスが提供されていることをMN200が確認する方法は任意であり、例えば、MN200がホームPMIPv6ドメイン320や情報サーバに問い合わせを行ってもよく、ホームPMIPv6ドメイン320側からRAなどを利用して本発明に係るサービスが提供されていることを明示的に通知してもよい。
次に、本発明の第1の実施の形態を実行するためのMNの機能アーキテクチャについて説明する。図3Aは、本発明の第1の実施の形態におけるMNの構成例を示すブロック図である。
MN200はマルチホーミング機能を有しており、さらに、CMIPv6スタックを実装している。マルチホーミング機能は、MN200が外部ドメインに接続した際にBIDを生成し、1つ以上のインタフェースや気付アドレスに関連した同時登録バインディングをMIPv6のHAに対して実行することが可能な能力を有していることを表している。
図3Aに図示されているMN300の機能アーキテクチャは、本発明の第1の実施の形態を実現するため、IPv6関連のプロトコルスタックを実装するために必要なすべてのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアを有している。図3Aにおいて、MN300は、上位レイヤプロトコル301、レイヤ3プロトコル302、ルーティング下位レイヤプロトコル303を有している。
図3Aの下位レイヤプロトコル303には、複数の下位レイヤプロトコルモジュールが存在し得る。すなわち、MN300が有する1つ又は複数のインタフェースや、各インタフェースの物理層及びデータリンク層における機能(インタフェースごとに異なっていてもよい)を有している。
また、MN300の有する中間レイヤは、すべてのルーティング関連プロトコルを有しており、これは図3Aのレイヤ3プロトコル302によって表されている。
また、図3Aの上位レイヤプロトコル301は、すべてのトランスポート及びアプリケーションレイヤプロトコルを有している。上位レイヤプロトコル301とレイヤ3プロトコル302とは、インタフェース305を通じてメッセージのやり取りを行う。また、レイヤ3プロトコル302と下位レイヤプロトコル303とは、インタフェース304を通じてメッセージのやり取りを行う。
また、図3Aにおいて、レイヤ3プロトコル302(すなわち、ルーティングレイヤプロトコル)はIPv6ルーティングモジュール306、MIPv6モジュール307、マルチホーミングサポートモジュール308、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309を有している。
IPv6ルーティングモジュール306とMIPv6モジュール307は、インタフェース310を通じてインタラクションを行う。また、MIPv6モジュール307とマルチホーミングサポートモジュール308は、インタフェース312を通じてインタラクションを行う。また、MIPv6モジュール307とホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309とは、インタフェース311を通じてインタラクションを行う。また、IPV6ルーティングモジュール306とホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309とは、インタフェース313を通じてインタラクションを行う。
IPv6ルーティングモジュール306は、MN300のIPv6パケットを受信・処理する機能、上位レイヤプロトコル301又は下位レイヤプロトコル303にパケットを渡す機能、IPv6ヘッダや拡張ヘッダを生成する機能、RAを受信・処理する機能、近隣探索メッセージを生成・処理する機能、アドレス構成機能、ICMPv6メッセージを生成・処理する機能、デフォルトルータリストを保持する機能などを有している。
MIPv6モジュール307はMIPv6のBUモビリティヘッダを生成する機能、バインディング登録に関連したアクノレッジメントを処理する機能、複数の気付アドレスの登録に関して作成されたバインディングのバインディングアップデートリストを生成・保持する機能、BUメッセージにBIDオプションを付加する機能などを有している。
なお、IPv6ルーティングモジュール306は、適切な拡張ヘッダを有する完全なBUメッセージを構成するためにMIPv6モジュール307とインタフェース310を通じてインタラクションを行う必要がある。
さらに、マルチホームノードは複数の気付アドレスを有することができるので、IPv6ルーティングモジュール306は、インタフェース310を通じてMIPv6モジュール307とインタラクションを行って、複数のあて先アドレスの有効性をチェックする必要がある。MIPv6モジュール307は、BIDオプションを有するMIPv6のBUを生成する際に、インタフェース312を通じてマルチホーミングサポートモジュール308とインタラクションを行ってBIDを取得する。そして、マルチホーミングサポートモジュール308は、下位レイヤプロトコル303からの情報に基づいて、必要なインタフェースや気付アドレスの数を把握する。
さらに、IPv6ルーティングモジュール306が複数のプレフィックスを受信した場合、例えば、この情報はMIPv6ルーティングモジュール307に送られ、さらにマルチホーミングサポートモジュール308に渡される。マルチホーミングサポートモジュール308は1つのインタフェースに対して複数のアドレスを構成することを決定すると、ソフトウェアモジュールによる適切なシグナリングによってIPv6ルーティングモジュール306にその決定が通知される。
なお、図3AのMN300のアーキテクチャでは、MIPv6モジュール307が他のソフトウェアモジュールに対して情報を仲介するセンタモジュールとして図示されているが、これは必須な構成ではなく、当業者が想到し得る任意の構成を取ることが可能である。
また、マルチホーミングサポートモジュール308によって、上位レイヤのフローに対して気付アドレスのマッピングを行うことが決定される。
また、MIPv6モジュール307はホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309とインタラクションを行う。このホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、MN300のインタフェースの1つがホームPMIPv6ドメインからCMIPv6/外部ドメインに移動したことを検出する機能を有する。
ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、競合条件が起こり得ると予測した場合、その他のインタフェース(接続を変更していないインタフェース)がまだホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かをチェックする。そして、その他のインタフェースがまだホームPMIPv6ドメインに接続されている場合には、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、上述のメッセージ263を構築する。
MNのインタフェースのうちのいずれか1つに関するホームPMIPv6ドメイン情報や現在の外部ドメイン接続情報は、インタフェース313を通じてIPv6ルーティングモジュール306からホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309に供給可能である。そして、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、このような接続情報を受信することで、競合条件が発生し得ると予測することが可能となる。なお、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、競合条件が発生する可能性を予測した場合に加え、例えば、ホームPMIPv6ドメインにおけるサービス(CMIP/PMIPのバインディングの競合を解消するサービス)の実働状況を確認して、実際に稼動していることが確認できた場合に、上述のメッセージ263に相当するメッセージを送信して、MAGにタイムスタンプの付加を行わせるようにしてもよい。
なお、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、任意のインタフェースにおけるアクセスルータの変更がすぐに行われたことを測定できるタイマを有していてもよい。さらに、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、ホームPMIP/CMIP切り換えであることを把握した場合には、移動するインタフェース(roaming interface)のBIDと共に、移動するインタフェースから送信されるCMIPv6のBUメッセージに含まれるシーケンスナンバーを有するICMPv6メッセージを生成するか、あるいは、上記のBIDと共に上記のシーケンスナンバーを下位レイヤプロトコル303に送信することで適切なL2(レイヤ2)メッセージを生成可能とし、上記のICMPv6メッセージ又はL2メッセージを上述のメッセージ263として、ホームPMIPv6ドメインのMAGに送信する。なお、CMIPv6のBUメッセージで用いられている現在のシーケンスナンバー及び移動するインタフェースのBIDは、インタフェース311を通じてMIPv6モジュール307から取得可能である。
また、ICMPv6メッセージが、図2Aのメッセージ263のように、シーケンスナンバーやBIDなどのBUメッセージ識別情報をMAGに通知するために使用される場合には、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309が完全なICMPv6メッセージを構築する機能を有していてもよく、あるいは、インタフェース313を通じてIPv6ルーティングモジュール306にこのICMPv6メッセージを構築するよう要求してもよい。
また、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、図2Aのメッセージ263として、CMIPv6のBUメッセージの一部(識別情報として利用可能な情報要素)又は全部を含むメッセージ(例えばICMPv6メッセージ)を構築してもよい。
また、IPv6ルーティングモジュール306は、図2Aのメッセージ263に相当するパケットを発送するために、任意のインタフェースにおいて使用されるデフォルトルータに関する情報を取得する必要がある。なお、IPv6ルーティングテーブルは、異なるインタフェースに対して異なるデフォルトルータを有していてもよい。
次に、本発明の第1の実施の形態を実行するためのMNの動作について説明する。図3Bは、本発明の第1の実施の形態におけるMNの動作例を示すフローチャートである。
図3Bにおいて、MNは最初にステップS314を実行し、MNが有する複数のインタフェースのうちのいずれかにおいて、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインに移動したか否かをチェックする。さらに、MNは、ステップS314において、MNのインタフェースの少なくとも1つが移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かをチェックする。なお、MNは、複数のインタフェースのうちのいずれかを通じてホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かを検出する機能を有している。
MNのインタフェースにおいて、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインに移動したものが存在し、さらに、MNのインタフェースの少なくとも1つが移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続された状態となっている場合(ステップS314で『はい』の場合)には、MNは競合条件(PMIP/CMIPの異種競合)が起こり得ると予測し、ステップS315の処理を開始する。
ステップS315では、MNは、ホームPMIPv6ドメイン/外部CMIPv6ドメインに移動するインタフェースの気付アドレスを構成し、異種移動を行うインタフェース経由でCMIPv6のBUメッセージを送信し、CMIPv6のBUメッセージに使用されたシーケンスナンバーを記録する。また、MNはステップS315を実行する際に、同時にステップS316を実行してもよい。
このステップS316では、MNはメッセージ(図2Aのメッセージ263に対応するメッセージ)の構築を行う。このメッセージは、例えば上記のように、移動するインタフェースの現在のCMIPv6のシーケンスナンバー(既に送信されたシーケンスナンバー又はこれから送信されるシーケンスナンバー)と共に上記の移動するインタフェースのBID/IDを有するICMPv6メッセージとすることが可能である。
また、ステップS316では、MNは、さらに上記のように作られたICMPv6メッセージを、MNのホームPMIPv6ドメインに属しているMAGであって、MNのインタフェースが移動せずに接続しているMAGに送信する。
なお上記のICMPv6メッセージのあて先アドレスは、リンクローカルアドレスであってもよく、グローバルなIPv6アドレスであってもよい。また同様に、ICMPv6メッセージの送信元アドレスは、MNのリンクローカルアドレスであってもよく、ルーティング可能なグローバルIPv6アドレスであってもよい。
また、MNのインタフェースにおいて、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインに移動したものが存在しない場合や、ホームPMIPv6ドメインに接続されているMNのインタフェースが存在しない場合(ステップS314で『いいえ』の場合)には、ステップS317が実行される。このステップS317では、MNのインタフェースの1つが外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインに移動し、さらに、他のインタフェースの少なくとも1つが移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かのチェックが行われる。
そして、MNのインタフェースにおいて、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインに移動したものが存在しない場合や、ホームPMIPv6ドメインに接続されているMNのインタフェースが存在しない場合(ステップS317で『いいえ』の場合)には、例えばどのインタフェースにおいてもホームPMIPv6ドメインからCMIPv6ドメインへの接続変更が起きていないことを示しており、MNにおいて通常のPMIPv6動作や通常のホームネットワーク動作が行われる(ステップS320)。
一方、MNのインタフェースにおいて、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインに移動したものが存在し、さらに、ホームPMIPv6ドメインに接続されているMNのインタフェースが存在する場合(ステップS317で『はい』の場合)には、上述のような競合問題(古いCMIPv6のBUによって現在のPMIPv6のBUが上書きされてしまうという問題)が生じ得る。このような場合には、MNはステップS318を実行する。
このステップS318では、単に、移動するインタフェースによってホームPMIPv6ドメインへの接続が行われ、通常のアクセス認証やアドレス構成などが実行される。また、ステップS318を実行した後又は実行中に、MNはステップS319を実行する。このステップS319はステップS316と動作はほぼ同様であるが、ここではMNは移動するインタフェースに関して、BIDと共に過去のCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバー(移動前に送信したCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバー)を、ホームPMIPv6ドメインに属するMAGであって、移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているインタフェースの接続先であるMAGに対して送信する。なお、移動するインタフェースによってホームPMIPv6ドメインへの接続が既に完了している場合は、そのインタフェースの接続先であるMAGに対して送信することも可能であるが、移動するインタフェースの接続前、あるいは移動するインタフェースの接続と同時に送信する場合は、移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているインタフェースを経由して送信することが望ましい。
ステップS319では、例えば、MNは所定のパラメータ(過去のシーケンスナンバーやIF−ID/BID)を有するICMPv6メッセージによって、移動するインタフェースに関して適切な現在のバインディングがホームPMIPv6バインディングであることを示すメッセージをLMA/HAに送信するようMAGに要求する。なお、この場合には、MAGは、メッセージをLMA/HAに送信する際にこのメッセージにタイムスタンプオプションを必ずしも付加する必要はない。したがって、MAGからは、図2Aのメッセージ264とは異なるタイプのメッセージが送信される場合もあり得る。
MAGがタイムスタンプオプションを付加した場合には、LMA/HAは、移動するインタフェースを通じたPMIPv6バインディングがかなり最近のものであることを特定する際に有用である。一方、インタフェースの接続が外部ドメインからホームPMIPv6ドメインに変更される場合、LMA/HAは、移動していないインタフェース経由で最初に送信した古い/過去のシーケンスナンバーのみを使用して、古いCMIPv6バインディングを識別する。例えば、CMIPv6のBUメッセージの古いシーケンスナンバーを有するメッセージ(図2Aのメッセージ264と同様)がLMA/HAに到達することでLMA/HAは、現在のCMIPv6のバインディングが同一インタフェースによるPMIPv6のPMIPv6バインディングより古く、すぐにCMIPv6のバインディングを無効化したほうがよいことを把握する。
なお、LMA/HAでの判断が容易になるように、MNが示すCMIPv6のバインディング(ここではシーケンスナンバー)が新しいもの又は古いものであることを明示できるようにメッセージを構成することが望ましい。このようなシーケンスナンバーが新しいもの又は古いものであることの明示は、例えばメッセージ内にフラグを設けることにより実現可能である。LMA/HAは、シーケンスナンバーが新しいもの又は古いものであることを明示された情報を参照することで、このCMIPv6のバインディングを有効又は無効にすべきであることを容易に判断できるようになる。
また、LMA/HAはMNの更なるハンドオーバによる異なる通知メッセージとの混同を避けるために、無効化するCMIPv6のバインディングとMNが示すCMIPv6のバインディングの新旧を確認することが望ましい。例えば、MNが示すCMIPv6のバインディングのシーケンスナンバー以前のバインディングを無効化すべきであって、LMA/HAが把握しているCMIPv6のバインディングのシーケンスナンバーがこれよりも新しい場合は、MNが更なるハンドオーバに伴って取得したCMIPv6のアドレスのためのバインディングである可能性を考慮する必要がある。
次に、本発明の第1の実施の形態を実行するためのLMA/HAの機能アーキテクチャについて説明する。図4Aは、本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAの構成例を示すブロック図である。
図4Aに図示されているLMA/HA400の機能アーキテクチャは、本発明の第1の実施の形態を実現するため、IPv6関連のプロトコルスタックを実装するために必要なすべてのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアを有している。なお、LMA/HA400は、上位レイヤプロトコルを有していてもよいが、図4Aでは図示省略する。
図4Aの下位レイヤプロトコル402は、物理層及びデータリンク層における機能を有している。
また、レイヤ3プロトコル401は、本発明の実現に必要なすべてのルーティング関連プロトコル及びルーティングレイヤモジュールを有している。
また、レイヤ3プロトコル401及び下位レイヤプロトコル402は、インタフェース403を通じてパケット(データパケット及び制御パケット)の受け渡しを行う。
また、図4Aにおいて、レイヤ3プロトコル401(すなわち、ルーティングレイヤプロトコル)はIPv6ルーティングモジュール405、LMA/HAトンネリングモジュール406、LMA/HAバインディングアップデート処理モジュール407、LMA/HA BU競合解消モジュール408、IPv6近隣キャッシュ409、バインディングキャッシュ410を有している。
IPv6ルーティングモジュール405は、IPv6パケットのルーティング機能を始めとして様々なパケット処理を行う機能を有している、なお、基本的に図3AのMN300のIPv6ルーティングモジュール306と同一であり、ここでは説明を省略する。このIPv6ルーティングモジュール405は、IPv6近隣キャッシュ409とインタラクションし、データを発送するためのパケット構築を支援する。
また、LMA/HAトンネリングモジュール406は、LMA/HA400からMNへの直接のトンネル、LMA/HA400からMNに接続されているMAGへの直接のトンネル、あるいはこれらの逆方向のトンネルを実現するために使用される。また、LMA/HA400は、MNのホームアドレスへのデータパケットを受信すると、LMA/HAトンネリングモジュール406を用いて、MNの複数のインタフェース又は気付アドレスのうちのいずれか1つを使用してパケットをトンネルすることが可能である。また、LMA/HAトンネリングモジュール406で選択した気付アドレスがバインディングキャッシュ410のCMIPエントリに存在している場合には、パケットはMNに直接トンネルされる。また、選択された気付アドレスがMAGに属しているのであれば、パケットはMNの代わりにMAGにトンネルされる。
LMA/HAトンネリングモジュール406はこのようなトンネリング処理を行うので、バインディングキャッシュ410とインタラクションを行う必要があり、トンネリングに必要なパラメータはインタフェース416を通じてバインディングキャッシュ410からLMA/HAトンネリングモジュール406に供給される。
また、LMA/HAバインディングアップデート処理モジュール407は、CMIPv6バインディング及びPMIPv6バインディングを処理するために使用される。このLMA/HAバインディングアップデート処理モジュール407は、同一MNの同一BIDに関するCMIPv6バインディングとPMIPv6バインディングとをそれぞれ別に処理することが可能であり、インタフェース417を通じてバインディングキャッシュ410にパラメータを渡すことが可能である。
また、LMA/HA BU競合解消モジュール408は、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインへの移動(又は逆向きの移動)を通知するメッセージ(例えば、図2Aのメッセージ264)を処理する機能、バインディングキャッシュ410内に存在している有効なバインディングにマークを付す機能、PMIPv6バインディングとCMIPv6バインディングとの比較(例えば、時間情報の比較)を行って有効なバインディングを判断する機能、さらには、LMA/HA400が競合問題を認識せずに誤ったバインディングを登録した場合に、図2Aのメッセージ264と同様のメッセージを受信すると、このメッセージに基づいて誤ったバインディングを削除(又は無効化)する機能などを有している。
また、LMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404は、基本的に、LMA/HA400が受信したデータパケット・制御パケットがどのモジュールに供給されるべきかを決定する機能を有している。このLMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404は、基本的に、インタフェース411、412、413、414のそれぞれを通じて各モジュール405、406、407、408とインタラクションを行う。なお、このLMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404は、単に好適なパケット振り分け機能の実現方法の一例に過ぎず、その他の任意の構成又は実現方法によって、このLMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404と同等の機能を実現してもよい。
また、バインディングキャッシュ410は、LMAとしてPMIPv6バインディングの格納を行うとともに、HAとしてCMIPバインディングの格納を行う。また、マルチホーミングをサポートし、例えばBIDを用いて、MNのインタフェースに対して複数の気付アドレスの登録を管理することも可能である。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのLMA/HA BU競合解消モジュールの動作について説明する。図4Bは、本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのLMA/HA BU競合解消モジュールの動作例を示すフローチャートである。
図4Bにおいて、LMA/HAは、まずステップS419を実行する。ステップS419では、パケットがLMA/HAに直接接続されたノードあてか否か、あるいは別のアドレスあての場合にはアドレスプレフィックスがLMA/HAに管理されていないもの(LMA/HAのアドレスプレフィックスに含まれていないプレフィックス)であるか否かのチェックが行われる。
受信したパケットが、通常のHAやルータとしてルーティング処理されるべきものである場合(ステップS419で『はい』の場合)には、LMA/HAは、ステップS420において、パケットに対して、IPv6ルーティングメカニズムと同様の通常のルーティング処理が行う。すなわち、LMA/HAは、HAとしてパケットの受信(intercept)及び転送を行う場合や、管理下にないノードあてのパケットの転送を行うルータとして機能する場合には、通常のルーティング処理を実行する。一方、受信したパケットが通常のルーティング処理を行うべきものではない場合(ステップS419で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS421において、パケットのあて先アドレスがLMA/HAのアドレスか否かのチェックを行う。
ここで、パケットがLMA/HAあてではない場合(ステップS421で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS422において、このパケットをMNが接続されているMAGにトンネルする必要がある。なお、このMNは各MNに固有のプレフィックスをLMA/HA(LMA)から取得しており、MNのアドレスプレフィックスはLMA/HAで管理されている。
一方、パケットがLMA/HAあての場合(ステップS421で『はい』の場合)には、ステップS423が実行される。ステップS423では、LMA/HAは、受信したパケット(メッセージ)が、MAGによる代理送信であることを示すプロキシフラグがオンにセットされたMIPv6のBUメッセージか否かのチェックが行われる。
受信パケットが、プロキシフラグがオンにセットされたMIPv6のBUメッセージの場合(ステップS423で『はい』の場合)には、ステップS424が実行される。ステップS424では、LMA/HAは、PMIPv6ドメイン内を移動する単一のインタフェースにおいて競合条件が発生するか否かのチェックが行われる。例えば、受信パケットにおいて特定されるバインディングに係るインタフェース(IF−ID)と同一のインタフェースのPMIPv6バインディングが既にバインディングキャッシュ内に存在する場合には競合条件が発生する。
PMIPv6ドメイン内を移動する単一のインタフェースにおいて競合条件が発生する場合(ステップS424で『はい』の場合)には、LMA/HAは、ステップS425において、古いPMIPv6バインディングを破棄する。一方、PMIPv6ドメイン内を移動する単一のインタフェースにおいて競合条件が発生しない場合(ステップS424で『いいえ』の場合)には、競合は発生せず、LMA/HAは、ステップS426において、PBUによるPMIPv6バインディングを有効とみなしてバインディングキャッシュに登録する。
また、受信パケットが、プロキシフラグがオンにセットされたMIPv6のBUメッセージではない場合(ステップS423で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS427において、受信メッセージが、図2Aのメッセージ264(ホームPMIPからCMIPに移動するインタフェースのIF−ID/BID、現在のCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバー、タイムスタンプオプションを有するメッセージ)と同等の機能を有する別のシグナリングメッセージか否かのチェックが行われる。
受信メッセージが図2Aのメッセージ264と同等のメッセージの場合(ステップS427で『はい』の場合)には、このメッセージはホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインへの移動を通知するものであり、LMA/HAは、ステップS428において、まずバインディングキャッシュを検索して正しいCMIPv6バインディングが既に登録されているか否かを調べる。なお、この検索は、IF−ID/BID及びシーケンスナンバーを用いて実行可能である。そして、このようなCMIPv6バインディングが既に登録されている場合には、このIF−ID/BID及びシーケンスナンバーを有するCMIPv6バインディングを有効なバインディングとしてマークする。また、受信したタイムスタンプオプションの時刻情報がCMIPv6のキャッシュ内に挿入されてもよい。
一方、このようなCMIPv6バインディングが登録されていない場合には、タイムスタンプオプションの時刻情報やシーケンスナンバーなどを別の変数として一時的に保存する。そして、移動するインタフェースによるCMIPv6バインディングが到達した場合には、一時的な変数として保存しておいた情報を参照することで、このCMIPv6バインディングを正しいバインディングとしてマークすることが可能となる。また、CMIPv6バインディングがLMA/HAに存在せず、間違ったPMIPv6バインディングが存在している場合には、LMA/HAはPMIPv6バインディングを削除し、正しいCMIPv6バインディングが到達するか、新たなCMIPv6のBUメッセージが到達することでCMIPv6バインディングの登録が行われる。また、古いPBUメッセージが到達した場合には、タイムスタンプの値に基づいてそのPBUメッセージは破棄される。
また、受信メッセージが図2Aのメッセージ264と同等のメッセージではない場合(ステップS427で『いいえ』の場合)には、このメッセージは外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインへの移動を通知するものであり、LMA/HAは、ステップS429において、古いCMIPv6のBUメッセージ(移動前に送信されていたBUメッセージ)のシーケンスナンバーを有しているか否かがチェックされる。
そして、このメッセージが古いシーケンスナンバーを含み、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインへの移動を通知するメッセージである場合(ステップS429で『はい』の場合)には、ステップS430が実行される。
ステップS430では、以下の処理が実行される。移動したインタフェースに関連して新たなバインディング(すなわち、PMIPバインディング)がバインディングキャッシュ内に存在している場合には、このエントリは有効である旨がマークされるとともに、受信したCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバーが一時的に格納される。
一方、同一のシーケンスナンバーを有する間違ったCMIPv6バインディング(すなわち、MNの移動前に用いられていたCMIPv6バインディング)がバインディングキャッシュ内に存在している場合には、そのCMIPv6バインディングは削除される。また、古いCMIPv6のBUメッセージが到達した場合には、その古いCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバーに基づいてそのBUメッセージは破棄される。
また、古いシーケンスナンバーを含み、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインへの移動を通知するメッセージではない場合(ステップS429で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS431において、このメッセージが単なるCMIPv6のBUメッセージか否かをチェックする。
このメッセージが単なるCMIPv6のBUメッセージの場合(ステップS431で『はい』の場合)には、LMA/HAは、ステップS432において、シーケンスナンバーを比較してパケットの順序を特定することによって、CMIPv6バインディングの有効性を把握する。例えばステップS432において、受信したBUメッセージのシーケンスナンバーと、バインディングキャッシュに登録されているバインディングキャッシュのシーケンスナンバーとを比較することによって、より遅くに送信されたCMIPv6バインディング(新しいCMIPv6バインディング)を特定する。一方、このメッセージがCMIPv6のBUメッセージでない場合(ステップS431で『いいえ』の場合)には、MNからLMA/HAに対する(本発明で取り扱うメッセージとは)異なるメッセージであると考えられるので、LMA/HAによる別のメッセージ処理(本発明で取り扱うメッセージとは異なるメッセージに関する通常の処理)が行われる。(ステップS450)
受信したメッセージのCMIPv6のほうが古い場合(ステップS432で『はい』の場合)には、ステップS433が実行されパケットは破棄される。一方、受信したメッセージのCMIPv6のほうが新しい場合(ステップS432で『いいえ』の場合)には、ステップS434が実行されて、受信したメッセージに含まれているCMIPv6バインディングがバインディングキャッシュ内に登録される。
次に、本発明の第1の実施の形態において発生し得る障害条件と、LMA/HAによるリカバリ方法について説明する。
例えば、インタフェースの異種ドメイン移動(CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメイン、又は、ホームPMIPドメインからCMIPv6ドメイン)による現在の接続状態(CMIPv6ドメイン又はPMIPv6ドメインに接続)を通知する通知メッセージよりも、移動するインタフェースの古い登録に係るメッセージが遅れて到達することで、新しい情報が古い情報によって上書きされてしまう障害が発生し得る。
このような障害が発生した場合、LMA/HAは有効なバインディングを古いバインディングで上書きしてしまい、移動するインタフェースから新たなCMIPv6のリフレッシュBUメッセージが到達するまで、あるいは、移動するインタフェースに接続されているMAGから新たなリフレッシュPBUメッセージが到達するまで、パケットロスが起こったり、MNの望まないインタフェースを経由してパケットの送受信が行われてしまったりする可能性がある。
上述の実施の形態で説明したように、LMA/HAがあるインタフェースに関して古いバインディングを有しており、そのインタフェースの新たな状態を通知するメッセージ(図2Aのメッセージ264)を受信すると、LMA/HAはその古いバインディングを削除する。しかしながら、LMA/HAで削除されたバインディングに関連するMNのインタフェースは、そのインタフェースに関連する有効なバインディングが到達するまで使用することができない。
以下、図5A及び図5Bを参照しながら、上述のような障害が発生した場合に、移動するインタフェースに関連する正しいバインディングを迅速に取得する方法について説明する。図5Aでは、MN500の3GインタフェースがMAG520に接続されており、WLANインタフェースがホームPMIPv6ドメイン530から外部ドメインへの異種移動(ホームPMIPドメイン530からCMIPv6ドメイン531への変更)を行うとする。
また、図5Bに図示されているように、BC560が、MAG520から送信されたPBUメッセージによって作成された適切なエントリを有しているとする。上記のエントリは、図5Bにおいて、BC560の最初のエントリによって表されている。さらに、MN500がAR522を経由してLMA/HA550にCMIPv6のBUメッセージ561を送信すると仮定する。このメッセージ561がLMA/HA550に到達したときに作成されるBCのエントリは、BC560の2番目のエントリによって表されている。
MN500は、メッセージ561の送信後に、WLANインタフェースのBID及びCMIPv6のBU561のシーケンスナンバーなどのCMIPv6のBU561を特定できるような情報を通知するメッセージ562をMAG520に送信して、上記のパラメータ及びタイムスタンプオプションを有するメッセージを送信するようMAG520に要求する。
ここで、MAG520が、MN500から受信したメッセージ562に基づいてメッセージ564(BID、シーケンスナンバー、タイムスタンプオプション)を送信した場合、そのメッセージ564がメッセージ563より遅く到達すると仮定する。メッセージ563は、WLANインタフェースが移動前に接続していたMAG521から送信され、PMIPv6バインディング(すなわち、古いPMIPv6バインディング)に関連するメッセージである。
このメッセージ563がメッセージ564より早く到達すると、LMA/HA550によって正しいエントリ(2番目のエントリ)は削除され、古いPBUメッセージ563のエントリがBC560に作成される。この間違ったエントリのセットはBC560の3番目のエントリによって表されている。
メッセージ564がLMA/HA550に到達すると、LMA/HA550はメッセージ564内のタイムスタンプオプション、及び古いPBUエントリのタイムスタンプオプションをチェックし、両者を比較する。LMA/HA550は、このような比較によってWLANインタフェースのPMIPv6キャッシュが間違っていることを特定し、間違ったエントリのセット(3番目のエントリ)を削除する。
そして、上述のようにリフレッシュBUを待機する代わりに、LMA/HA550は、MAG520経由でトンネルしてMN500にバインディングリフレッシュリクエストメッセージ(BRRメッセージ)を送信する。このメッセージは図5Aのメッセージ565によって表されているもので、MN500に対してBUメッセージの再送信を促すものである。なお、このメッセージ565には、オプションとしてWLANインタフェースのID又はBID情報が含まれていることが望ましい。また、このメッセージ565は、MN500のホームアドレスをあて先として送信される。
なお、ここでは、LMA/HA550がMN500のWLANインタフェースに関して有効なバインディングを有していないため、LMA/HA550は、メッセージ565を別のインタフェース(3Gインタフェース)経由で送信する。このメッセージ565がMN500に到達すると、MN500は、有効なバインディングを含むCMIPv6のBUメッセージを送信し、LMA/HA550に有効なCMIPv6バインディングを作成する。以上、本発明に係るメッセージ及び古いPBUメッセージの競合条件を解消するためのLMA/HAによる動作方法である。なお、CMIPv6ドメイン531からホームPMIPv6ドメイン530への接続変更でこのような問題が生じた場合には、MN500がバインディングリフレッシュリクエストメッセージを受信した際に、MN500は、別のPBUをLMA/HA550に送信するようMAG521に要求する。若しくは、LMA/HA550は、バインディングリフレッシュリクエストメッセージを送信する前に、いったん削除すると判断したバインディングを、一定期間、競合状態が発生したときのために削除待機状態としておき、MN500からの競合条件を解消する識別情報の通知を待つようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。以下、図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。この方法では、MNはホームのPMIPドメインから時刻情報(タイムスタンプを生成するための情報)を得ることによって、LMA/HAでの競合状態を解決している。
図6において、MN600の3GインタフェースはMAG620に接続されており、WLANインタフェースは、移動前に接続していたMAG621から外部ドメイン631に移動を行う。MN600は、AR622からRA661を受信すると、LMA/HA650に対してCMIPv6のBUを実行する必要があることに気付き、BUメッセージ662を送信する。このとき、MN600は、このCMIPv6のBUメッセージ662に現在時刻情報を付加することで、タイムスタンプオプションを有するPBUメッセージ663がMAG621から遅れて到達した場合であっても、LMA/HA650は、BUメッセージ662及びPBUメッセージ663のそれぞれに付加されている時刻情報を参照すすることで、WLANインタフェースの正しいバインディング又は現在のバインディングを識別することが可能である。
また、CMIPv6のBUメッセージ662を送信する前に、MN600は、現在の時刻をMN600に渡すようにMAG620に要求する。そして、MN600は、この時刻情報をメッセージ660を通じて取得すると、PMIPv6ドメインとのタイムスタンプオプションを有するCMIPv6のBUメッセージ662を送信する。なお、MAG620から取得した時刻情報は、ホームPMIPv6ドメインと同期した時刻を示している。
なお、本発明の第2の実施の形態では、MN600は、何らかのシグナリングを行ってBUメッセージ662に付加する時間情報をPMIPv6ドメインから取得することが望ましく、さらに、時刻情報を取得する処理を完了してからCMIPv6のBUメッセージを送信する必要がある。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。以下、図7を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。この方法では、LMA/HAが競合状態が起こりそうだと判断した場合は、改めて最新のバインディングを通知するようMNに指示する。
ここでも、MN700の3GインタフェースがMAG720に接続されていると仮定する。さらに、MN700のWLANインタフェースが移動前にMAG721に接続されており、現在はAR722に接続されていると仮定する。
MN700がホームPMIPv6ドメイン730のMAG720からCMIPv6ドメイン731のAR722に(あるいはその逆)接続を変更した場合には、通常は、ホームPMIPv6ドメイン730からCMIPv6ドメイン731、又は、CMIPv6ドメイン731からホームPMIPv6ドメイン730への競合条件が発生する。このとき、CMIPバインディングに係るBUメッセージ及びPBUメッセージがある短い時間間隔(あらかじめ定められている所定の時間以内の時間間隔)で到達した場合に、LMA/HA750は、競合条件が発生した可能性があると予測する。LMA/HA750は、競合発生の可能性を予測すると、移動していないインタフェースを通じて、移動しているインタフェースの現在のバインディングを送信するようMN700に要求する。
図7において、MN700は、まずAR722からRA760を受信する。ここで、MN700がCMIPv6のBUメッセージ761を送信する前に、MAG721からメッセージ762が送信されるとする。さらに、BUメッセージ761の後にメッセージ762がLMA/HA750に到達して、競合条件が生じるとする。さらに、LMA/HA750でこれらのメッセージ761、762の両方を受信する時間間隔がかなり短いとする。
この場合、LMA/HA750は、MAG720経由でトンネルを行ってMN700の3Gインタフェースに新しいメッセージ763を送信し、WLANインタフェースの現在の接続のバインディングを送信するようMN700に要求する。現在のWLANインタフェースの接続がCMIPv6接続の場合には、MN700はBUメッセージ764を送信する。一方、現在のWLANネットワークの接続がホームPMIPv6接続の場合には、MN700は、PBUメッセージ762を再度送信するようMAG721に要求する。なお、LMA/HA750は、MAG720に直接メッセージ763を送信することが可能である。
このメッセージ763は、MN700のホームプレフィックスやWLANインタフェースのBIDなどをMAG720に通知するとともに、さらに、MN700にWLANインタフェースの現在の接続のバインディングを送信するようMAG720に要求するものである。図7では、WLANインタフェースの現在の接続がCMIPv6接続なので、MN700はBUメッセージ764を送信し、このBUメッセージがLMA/HAに到達されると、競合問題が解決される。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。以下、図8を参照しながら、本発明の第4の実施の形態について説明する。この方法では、LMA/HAが競合状態が起こりそうだと判断した場合は、競合状態の発生(又はその可能性)をMNに通知すると共にMNからの通知(正しいバインディング情報の再通知)を待つ間、移動していないインタフェースを一時的に使用できるようにする。
本発明の第4の実施の形態では、本発明の第1の実施の形態で説明した方法の派生例について説明する。図8では、MN800の3GインタフェースがMAG820に接続されており、WLANインタフェースがホームPMIPv6ドメイン830からCMIPドメイン831に移動を行うとする。これは、WLANインタフェースが最初にMAG821に接続されており、その後移動してAR822に接続したことを意味する。このような場合では、競合条件が起こり得る。
第4の実施の形態では、ホームPMIPv6ドメイン830のMAG821から外部AR822への迅速な接続変更が発生して、競合条件が起こり得ることをMN800が把握する方法について説明する。MN800は、起こり得る競合問題を予測すると、競合が起こる可能性があることを示す何らかのオプション又はフラグを有するCMIPv6のBUメッセージ861を用いて、その移動しているインタフェースに関連する新たなバインディングアップデート又はリフレッシュバインディングアップデートが届くまで、MN800の移動していない別のインタフェース(3Gインタフェース)経由でデータパケットを送信するようLMA/HA850に要求する。メッセージ861の受信後、リフレッシュBUがMN800からWLANインタフェース経由で送信されるまで、メッセージ863に示されているようにデータパケットが送信される。
なお、本明細書では、本発明が最も実用的かつ好適な実施例となるように考慮されて図示及び説明されているが、当業者であれば、上述の各装置の構成要素に係る設計やパラメータの詳細において、発明の範囲から逸脱しない程度に様々な変更が行われてもよいことは明白である。
例えば、MNがMAGに対してタイムスタンプオプションの付加を明示的に依頼する方法について説明したが、MAGがLMA/HAに対して送信する情報には必ず時刻情報が付与されるようなシステムにおいては明示する必要がないし、異なる環境が混在するような場合は、MNが事前にタイムスタンプオプションの付加を明示的に依頼すべきかどうかを問い合わせたうえでいずれかの動作を行ってもよい。
また、本明細書では、MNのネットワークインタフェースが複数であることを前提に説明を行っているが、本発明を実施するうえでの論理的なインタフェースが複数あればよい。例えば、1つの無線部を複数の接続方式で共用し、ネットワークインタフェースの観点からはその変化が問題にならない程度の速度で切り替えたり、レイヤ2で論理的なリンクを維持したりすることにより、ネットワーク部からは複数のインタフェースを介してネットワークに接続している場合と同等に動作できるよう構成されていてもよい。
また、本明細書ではホームPMIPドメインを3GPPネットワークが主体(移動しない方のインタフェース)である場合について例示したが、WiMAXやWLANなどを用いた異なるアクセスネットワークであってもよい。
なお、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明の移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードは、PMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消するという効果を有しており、パケット交換型データ通信ネットワークのシステム(特に、PMIPなどのネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルが実装されているネットワークシステム)における通信技術分野に適用可能である。
本発明は、インターネットプロトコル(IP:Internet Protocol)を利用した通信技術に係る移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードに関し、特に、ネットワークベースのローカルモビリティ管理ドメイン(Network based Local Mobility Management Domain)内で複数のインタフェースを有する移動端末(以下、モバイルノードと呼ぶこともある)が接続ポイントを変更しながら通信を行うシステムにおける移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードに関する。
現在、多数のデバイスが、インターネットプロトコルを使用して、互いに通信を行っている。モバイル機器にモビリティサポートを提供するために、IETF(Internet Engineering Task Force)では、下記の非特許文献1において、IPv6におけるモビリティサポートが規定されている。
非特許文献1では、ホームネットワークにホームエージェント(HA:Home Agent)を導入することによって、モビリティサポートが実現される。モバイルノードは、外部リンクで取得した気付アドレス(CoA:Care-of Address)をBU(バインディングアップデート)メッセージを利用してホームエージェントに登録する。そして、BUによって、ホームエージェントは、ホームリンクで取得される長期的なアドレスであるホームアドレス(HoA)と気付アドレスとの間のバインディングを作成することが可能となる。
ホームエージェントは、モバイルノードのホームアドレスに向けられたメッセージを受信(intercept)し、パケットのカプセル化(あるパケットを新たなパケットのペイロードとすることであり、パケットトンネリングとしても知られている)を用いて、そのパケットをモバイルノードの気付アドレスに転送する機能を担っている。
MIPv6(Mobile IPv6)の問題の1つは、ネットワーク接続ポイントを変更するために、MNは、1つ以上のHA及びCN(Correspondent Node:コレスポンデントノード)にアップデートを行う必要がある点であり、高速で移動しているMNに関して、よりシグナリングの負荷が高くなる。さらに、ネットワーク接続の変更時にRR(Return Routability:リターンルータビリティ)やBUメッセージの送信を行う必要があり、ネットワーク接続の変更時の平均ハンドオフ時間が大きい。
したがって、フローや接続に関連するセッションにおいて、ハンドオフ処理にかなりの時間が費やされ、その結果、ジッタやパケットロスが生じてしまう場合がある。このようなジッタは、ボイスオーバIP(VoIP)やマルチメディアストリーミング、ビデオストリーミングなどの即時性の高いアプリケーションにとっては好ましいものではなく、パケットロスは重要なテキスト/データ情報を伝送するフローにとって好ましいものではない。さらに、重要データの伝送にTCP(Transmission Control Protocol :送信制御プロトコル)が利用される場合、パケットロスによってTCPのスループットが低下してしまう。
このようなMIPv6に係る問題を解決するため、現在、ネットワークベースのローカルモビリティ管理(NetLMM:Network-based Local Mobility Management)プロトコルが注目されており、IETFのNetLMMワーキンググループでこの種のプロトコルが研究されている。なお、ネットワークベースのローカルモビリティ管理は、論理的に局在化しているネットワークセグメントにおいて、モバイルノードの代わりにネットワークによってノードのモビリティの管理を行うことである。
この目的を達成するため、MNは、ローカルドメインにおいては同一のプレフィックスを取得する。このプレフィックスは、ローカルモビリティ管理に係る利益が得られるように、ルーティングの階層が高次の位置であり、ローカルドメイン内のすべてのMNのデフォルトルーティングパス上に位置するルータから取得可能とすべきである。
このプレフィックスの頂点(階層的に最上位の位置)に存在するルータにおいて、このプレフィックスの到達可能情報(プレフィックスに基づくルート)が保持され、プレフィックスに基づくルートが管理されることが望ましい。
NetLMMワーキンググループによって考案されている最良のネットワークタイプのローカルモビリティ管理プロトコルは、下記の非特許文献2に開示されている PMIPv6(Proxy Mobile IPv6)である。PMIPv6は、ネットワークの局所的なエリアにおいて、IPv6ホストのモビリティをサポートするように設計されている。なお、PMIPv6は、クライアントタイプのモバイルIPv6(CMIPv6)スタックを実装していないIPv6ホストのモビリティをサポートすることが可能である。
なお、PMIPv6では、MNの現在の到達可能アドレスにローカルPMIPv6プレフィックスをバインドするためのローカルドメイン内のローカル管理シグナリングがネットワーク側で処理されることになるので、CMIPv6スタックを有するノードにとっても有用である。
CMIPv6スタックを有するMNはPMIPv6ドメイン(PMIPv6が実装されている管理ドメイン)内を移動している間に、1つ又は複数のHA及び/又はCNに登録しているバインディングの期限が切れそうになった場合には、PMIPv6ドメインのアドレス(気付アドレス)をホームアドレスと関連付けるグローバルな登録を送信する必要があるかもしれない。
CMIPv6スタックを有するMNは、PMIPv6sドメインから別のPMIPv6ドメイン又はネットワークベースのローカルモビリティ管理をサポートしていない別のドメインに移動すると、1つ又は複数のHA及び/またはCNに対してグローバル登録を送信する必要がある。また、こうしたグローバルな登録は、CMIPv6スタックを持つMNがPMIPv6ドメインに入るとき、実行される必要があるかもしれない。
MNは、PMIPv6ドメインに接続されている場合には、MAG(Mobile Access Gateway:モバイルアクセスゲートウェイ)との接続の間、そのNAI(Network Access Identifier:ネットワークアクセス識別子)を提供する。MAGはLMA(Local Mobility Anchor:ローカルモビリティアンカ)に対して、MAGに直接接続されているか管理下にある移動端末(IPv6ホストも含む、以下、MNと呼ぶ)に代わって、プロキシローカル登録を実行するルータである。
また、NAIは、例えば、認証のためにAAA(Authorization, Authentication and Accounting:認証、認可、課金)サーバに渡される。AAAサーバ(LS(ローカルサーバ))は、MNのネットワーク接続を認証すると、認証成功を通知する応答をMAGに返信し、ホームリンク又はMNのローカルPMIPv6ドメインパラメータを提供する。上記のパラメータは、例えば非特許文献2や下記の非特許文献3に開示されているような各MNにユニークなプレフィックス、LMAのアドレス、許可されているアドレス構成モード(ステートレス又はステートフル)MNの移動ポリシ、MNの能力(IPv6可能、MIPv6実装など)である。MAGは、こうしたMNのパラメータを取得すると、ホームリンク/ローカルホームリンクをエミュレートし、同時にプロキシBU(PBU:Proxy BU)をLMAに送信する。
MAGによって実行されるPBU又はローカルな登録は、この処理がプロキシBUであることを示すフラグをセットすることなどの詳細なパラメータ設定を除いて、MIPv6のBUと同一である。PBUを実行することによって、LMAにおいて、MNへの到達可能ステートが作成される。基本的に、LMAは、PMIPv6ドメインで取得されるMNのプレフィックスに到達可能であり、このプレフィックスへの到達可能アドレスはMAGのアドレスである。すなわち、LMAは、MNのプレフィックスとそのMNが接続されているMAGのアドレスとが関連付けられた情報を保持している。MNは、ステートレス又はステートフルなアドレス構成モードを利用して、PMIPv6ドメインで受信したプレフィックスを用いてアドレスを構成する。各MNがそれぞれユニークなプレフィックスを取得するので、LMAのプレフィックスベースのキャッシュにおいて、MNへの到達可能性は十分に実現される。
LMAに到達するすべてのデータパケットは、MNが接続されているMAGにトンネルされる。また、逆方向も同様であり、MNから送信されたデータパケットはMAGからLMAにトンネルされる。MAGの近隣キャッシュテーブルには、MNのPMIPv6ローカルアドレスと、そのリンクレイヤアドレスとのバインディングが含まれており、MNへのパケット伝送の際に参照される。
また、広義のマルチホーミングのモバイルノードは、複数のインタフェースを有するMN(各インタフェースが異なるアクセス技術を有していてもよい)、又は、異なるプレフィックスを処理し、同一インタフェース上で異なるアドレスを構成することが可能な1つのインタフェースを有するMNを指す。なお、例えば下記の非特許文献4には、様々なシナリオのマルチホームのホストの利点について記載されており、今後、MNが複数のインタフェースを有したり、複数のプレフィックスの処理機能を有したりするようになることが予見できる。しかしながら、非特許文献2で概説されているPMIPv6は、単一のインタフェースを有するモバイルノードを考慮して設計されており、PMIPv6には、マルチホーミングサポート機能が欠けている。
また、下記の非特許文献7には、CMIPv6実装ノードが外部(foreign)ドメインに移動した際に、マルチホーミングをサポートする機能をホームエージェントに提供する方法が開示されている。非特許文献7に開示されているマルチホーミングサポート機能は、マルチホーミングの利点を実現するため、1つ又は複数のMNのインタフェースに関連付けられている異なる気付アドレス経由でMNのパケットを到達可能とするメカニズムである。MNがCMIPv6の外部ドメインに移動した場合には、マルチホーミングを行うため、MNのホームプレフィックスの論理的なアンカポイントであるホームエージェントが、MNの気付アドレスに関するバインディング情報を保持する必要がある。上記のバインディング情報は、1つ又は複数のMNのインタフェースに関連する様々な気付アドレスをホームアドレスにマッピングする情報である。
異なるバインディングを同時に保持できるようにするため、非特許文献7では、バインディング識別番号(BID:Binding Identifier Number)が用いられる。上記のBIDは、インタフェースやインタフェースに関連する気付アドレスをユニークに識別するための識別情報である。BIDは、移動するMNによって生成され、バインディング登録時にHAに転送される。BIDを使用することによって、HAは、1つのホームアドレスに対して異なる気付アドレスを経由する到達可能性を実現する登録を維持することが可能となる。一般に、この種のメカニズムは、マルチホーミングサポートメカニズムと呼ばれている。現在のPMIPv6はこのマルチホーミングサポートメカニズムの実現を考慮していない。
第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)は、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN:Wireless Local Area Network)、セルラネットワーク(3Gネットワーク)、WiMAXタイプのワイアレスワイドエリアネットワーク(WWLAN:Wireless Wide Area Network)など、様々なタイプの無線アクセスネットワークによって構成されたグローバルな異種ネットワークアーキテクチャの実現を模索している。このグローバルな異種ネットワークアーキテクチャは、シームレスなモビリティを実現したり、(例えば、リアルタイムビデオ、VoIP、重要データの伝送などの異種タイプのアプリケーションサービスを高いQoS(Quality of Service:サービス品質)を保った状態でサポートしたりする際に有用である。
また、下記の非特許文献6には、3GPPのローカルドメインのローカルモビリティ管理プロトコルとして、PMIPv6が採用される可能性が高いことが記載されている。なお、このような3GPPローカルエリアは、例えば、3Gセルラアクセスネットワークや、信頼できるWLAN(trusted WLAN)又は信頼できないWLAN(non-trusted WLAN)などによって構成される。さらに、複数の異種タイプのインタフェースを有するMNが上述のような3GPPネットワーク内を移動し、この際に、マルチホーミングの効果を得るために、異なるタイプのインタフェースによる同時接続を必要とする場合も起こり得る。したがって、3GPPに実装されるPMIPv6は、何らかのマルチホーミングサポートを実現する必要があると考えられる。
また、下記の非特許文献5には、MIPv6及びPMIPv6が相互作用した場合の様々な問題について言及されている。ここでは、主に、CMIPv6スタックを実装しているとともに、PMIPv6サービスに加入しているMNに関する問題が挙げられている。非特許文献2及び非特許文献5では、LMAがHA機能を更に有することが可能である旨が記載されている。このようなデュアルモードのLMAは、PMIPv6のLMAの機能とMIPv6のHAの機能が1つの通信装置によって実現されており、併設LMA/HA(本明細書ではLMA/HAと記載)と呼ばれる。
LMA/HAは、LMAのプレフィックス(論理的にLMAの配下に属し、各MNにユニークなプレフィックス)からホームアドレスを構成するノードに対してPMIPv6のホームLMAとして機能する。また、LMA/HAは、LMAのプレフィックスを用いないホームアドレスを有し、PMIPv6に外部から移動してきたノードに対しては外部LMAとして機能する。さらに、LMA/HAは、他のドメインに移動中のノードにとってMIPv6のHAとして機能し、そのノードンの位置管理(気付アドレスの管理)を行うことが可能である。また、LMA/HAが特定のノードのホームエージェントであり、このノードがホームドメインであるPMIPv6ドメインで起動した場合には、LMA/HAはホームLMAとして機能する。この場合には、LMA/HAにおいて、位置登録シグナリングが実行される。上記のMNが別の外部ドメインに移動した場合、同一のLMA/HAがMIPv6のHAとして機能し、MNから直接MIPv6の登録を受信する。
一般に、非特許文献2や非特許文献5に開示されているように、インタフェースを1つだけ有し、そのインタフェースに1つのアドレスを関連付けているMNに関しては、LMA/HAでは、1つのキャッシュエントリは1つだけしか利用できない。なお、インタフェースを1つのみ有するMNに関しては、ホームPMIPv6ドメイン、外部ドメイン、ホームリンクなどの任意の接続ポイントのいずれかに接続するため、1つのMNに対して1つのキャッシュエントリしか登録できないようにする必要があし、LMA/HAは、あるMNに関してキャッシュを1つのみ保持すべきである。
また、下記の特許文献1には、移動中のMN(MIPv6スタックを実装)に対して、ネットワークの局所的なエリアのローカルモビリティ管理をドメイン内のネットワークアクセルータを通じて提供する方法が開示されている。ここでは、ローカルモビリティの管理を行うアンカは、モビリティアンカ(MA)と呼ばれ、そのプレフィックスがアクセスルータから通知される。これにより、MNは気付アドレスを構成し、HAやCNにMIPv6の登録を行うことができるようになる。
また、下記の特許文献2には、MAがローカルモビリティ管理ドメイン内で、MIPv6の登録におけるシーケンスナンバーを使用することによって競合を解消しようとする技術が開示されている。さらに、下記の特許文献2には、MNに2つのプレフィックスを通知する情報が開示されている。ここでは、2つのプレフィックスのうちの1つはローカルのプレフィックス(例えば、AR(アクセスルータ)から通知されるプレフィックスであり、ARのアドレスと)であり、もう1つは、モビリティエージェント(MA)のアドレスである。MNがMAアドレスを受信するローカルネットワークセグメントはローカルモビリティドメインと呼ばれる。MNは2つの気付アドレスを構成する。
MNがARに関連したプレフィックスから構成したアドレスはローカルアドレスと呼ばれ、MAのプレフィックスから構成したアドレスはグローバルアドレスと呼ばれる。ローカルドメイン内でサブネットワークの変更が行われるたびに、MNはローカル気付アドレスを構成し、そのローカルアドレスをMAに通知する。また、MNは、モビリティエージェントが変更された場合のみグローバルアドレスを構成して、HA又はCNに通知する。HA又はCNに通知されるバインディングは、MNのホームアドレスとMNのグローバルアドレスとを関連付けるバインディングである。
国際特許公開WO/03/107600 米国特許第6992995号 Johnson, D. B., Perkins, C. E., and Arkko, J., "Mobility Support in IPv6", Internet Engineering Task Force Request For Comments 3775, June 2004. Gundavelli, S., et. al., "Proxy Mobile IPv6", Internet Engineering Task Force (IETF) Working Group Draft: draft-sgundave-mip6-proxymip6-02.txt, March 05, 2007. Damic, D., et. al., "Proxy Mobile IPv6 indication and discovery", Internet Engineering Task Force (IETF) Working Group Draft: draft-damic-netlmm-pmip6-ind-discover-01.txt, June 19, 2007. Ernst, T., et. al., "Motivations and Scenarios for Using Multiple Interfaces and Global Addresses", Internet Engineering Task Force (IETF) Working Group Draft: draft-ietf-monami6-multihoming-motivation-scenario-02.txt, July 12, 2007. Giaretta, G., et. al., "Interactions between PMIPv6 and MIPv6: scenarios and related issues" Internet Engineering Task Force (IETF) Working Group Draft: draft-giaretta-netlmm-mip-interactions-01, July 6, 2007. "3GPP System Architecture Evolution: Report on Technical Options and Conclusion", 3GPP TR 23.882, V1.9.0, April 2007. Wakikawa, R., et. al., "Multiple Care-of Addresses Registration", Internet Engineering Task Force Working Group Draft: draft-ietf-monami6-multiplecoa-03.txt, July 9, 2007.
しかしながら、PMIPv6はマルチホーミングをサポートしておらず、LMA/HAが、あるMNに関するキャッシュエントリを1つしか保持できないことから問題が生じ、また、形式的にPMIPv6がマルチホーミングをサポートできるようにした場合であっても、問題が生じる。以下、この問題について説明する。
図1Aにおいて、MN10は、異なるタイプのアクセス技術を有する2つのインタフェースを有している。MN10は、最初はホームドメインであるホームPMIPv6ドメイン100に接続されており、このホームPMIPv6ドメインを通じてグローバルなインターネット102に接続されている。また、時間が経過した後、一方のインタフェースはホームPMIv6ドメインから外部ドメインに移動するが、他方のインタフェースはまだホームPMIPv6ドメインに接続されているとする。MN10の一方のインタフェースは、WLANアクセス技術を用いるタイプのインタフェースであり、他方のインタフェースは3Gタイプのインタフェースである。また、不図示であるが、ホームPMIPv6ドメイン100とWLANのアクセスネットワーク(外部ドメイン101)とがグローバルなインターネット102を介することなく接続されている場合(例えば、LMAやMAGなどのノードを介して接続されている場合)も考えられる。
また、MN10はCMIPv6スタックを実装しているとする。さらに、3Gインタフェースは、無線リンク11を経由してMAG20に直接接続されており、WLANインタフェースは、無線リンク12を経由してMAG21に直接接続されているとする。さらに、図1Aでは、WLANインタフェースが非特許文献6に記載されているように、3Gネットワークから見て信頼できない(non-trusted)WLANに接続されているとする。なお、信頼できる(trusted)WLANでは、MAGの機能はARに設置されていると考えることができる。
また、MN10が複数インタフェースのうちのいずれかによってこのPMIPv6ドメインに接続した後に受信するプレフィックスはホームプレフィックスであり、このことから、PMIPv6ドメイン100をホームPMIPv6ドメインと記載することもある。なお、このホームプレフィックスは、MN10であらかじめ設定されていてもよく、ブートストラッピングの間に、DHCPv6サーバ(不図示)やAAAサーバ30から取得してもよい。したがって、MN10は、レイヤ2認証を受けた後にRA(Router Advertisement:ルータアドバタイズメント)によってホームプレフィックスを受信すると、ここがホームネットワークであることをすぐに特定することができる。この場合、MN10は、LMA/HA40との間でモビリティ関連の位置アップデータシグナリングを行わない。
さらに、MN10は、最初に3Gインタフェースを通じてMAG20に接続しているとする。この場合、上述のように、MN10はRAシグナリングによって3Gインタフェース経由でホームプレフィックスを受信する。この場合には、MN10は、ステートフル又はステートレスのアドレス構成モードを使用して、3Gインタフェースにおけるアドレスを構成する。
また、MN10は、3Gインタフェース用に構成されたアドレスを、両方のインタフェースにおけるMIPv6のホームアドレスとして使用してもよい。以下では、MN10は、上述のように、3Gインタフェース用に構成されたアドレスを、両方のインタフェースにおけるMIPv6のホームアドレスとして使用するものとする。また、DHCPv6サーバは、NAI及びプレフィックス情報に基づいて両方のインタフェースに同一のアドレスを提供するので、ステートレスなアドレス構成が行われる際に、両方のインタフェースに同一のアドレスが構成されてしまう可能性がある。
MAG20は、ローカルなAAA30からMN10のパラメータを取得すると、LMA/HA40に対してプロキシBU60を実行する。このようなプロキシ登録(PBU)60によって作成されたバインディングキャッシュ(BC:Binding Cache)のエントリは、例えば、図1Bに図示されているBC50の最初のエントリである。以降の説明では、このような構成のバインディングキャッシュを用いて説明するが、実質的には、これらのエントリがどのような関連付けで管理されているかは様々である。例えば、LMA及びHAの機能を果たすエンティティが別々に配置され、それぞれのバインディングキャッシュがPMIP用とCMIP用で別々に管理され、連携した処理がLMAとHAの機能を持つそれぞれのエンティティ間で互いに通知し合いながら行われるということも考えられる。
さらに、ホームPMIPv6ドメイン100はマルチホーミングサポート機能を有しているとする。このマルチホーミングサポート機能は、非特許文献7で開示されている場合と同様にインタフェース識別子(IF−ID)又はBIDを用いることによって、LMA/HA40が同時接続バインディングを保持できることを意味する。さらに、MN10の両方のインタフェースのそれぞれに関して送信されたPBUによって、LMA/HA40は、MN10の同一プレフィックスに関する複数のバインディングを作成し、例えばBIDなどの別のパラメータを用いて、同一のMN10による同時接続を区別できるようにする必要がある。
また、MN10の各インタフェースは、1つのプレフィックス(LMA/HA40に管理されており、MN10に固有のプレフィックス)のみを取得できるものとする。したがって、MAC(Media Access Control:メディアアクセス制御)アドレスやBIDなどのインタフェースIDを使用して、異なるインタフェースを用いて接続を行っている同一MNによるバインディングを区別することが可能となる。
また、複数のプレフィックスが通知され、1つのインタフェースで処理される場合には、LMA/HA40で複数のバインディングを識別する際に、BIDの使用がより適切である。図1Aにおいても、PBU60にはBIDの情報が含まれているとする。このBIDは、MN10又はAAA30によって提供されるか、あるいは、MAG20によって生成される。なお、BIDの生成方法、BIDの取得方法は多数存在し、任意の方法を用いればよい。
BC50の最初のエントリを見ると、MN10のホームプレフィックスに関する到達可能性の状態(転送先)がMAG20のアドレス(MAG20.CoA)に関連付けられていることが分かる。このMAG20のアドレスは、MN10の3Gインタフェースの気付アドレスであるか、あるいは、MN10の3Gインタフェースのプロキシ気付アドレスである。
また、PBU60はPMIPv6登録であり、PBUにはシーケンスナンバーは用いられていないため、シーケンスナンバーのフィールドには、エントリが存在しない(N/A)。また、PBUはタイムスタンプオプションフィールドを有しており、PBU60のタイムスタンプオプション内に含まれる時刻情報がPBU60に係るバインディングのエントリに格納される。
さらに、3Gインタフェースの接続に続いて、MN10のWLANインタフェースがMAG21に接続を行うとする。L2認証の成功後に、WLANインタフェースは、3Gインタフェースから見えるプレフィックスと同一のホームプレフィックスを受信する。MAG21は、AAA30からアクセス認証の成功の通知を受信すると、LMA/HA40に対してPBU61を実行する。
そして、MN10のWLANインタフェースは、MAG21に短い時間だけ接続した後、すぐに移動して外部ドメイン101に接続を行うものとする。なお、この外部ドメイン101もグローバルなインターネット102に接続されている。また、外部ドメイン101は別の3GPPドメインであってもよく、WiMAXやWLANなどの異なるアクセスネットワークであってもよく、FMC(Fixed Mobile Convergence)などによって無線系と固定系が統合されたネットワークや、NGN(Next Generation Network)などの高度
に管理されるネットワーク構成に関わるネットワークでもよく、それらネットワークとの信頼関係が高くても低くてもよい。さらに、ホームPMIPv6ドメイン100とWLANのアクセスネットワーク(外部ドメイン101)がグローバルなインターネット102を介することなく接続されていてもよい(例えば、LMAやMAGなどのノードを介して接続されていてもよい)。以降、これらネットワーク構成の差異によらず、本質的な課題が存在するが、本明細書では図1Aの構成を例として説明する。
外部ドメイン101への接続においては、WLANインタフェースが無線リンク13を通じてAR22に接続を行うとする。MN10のWLANインタフェースの迅速な接続変更は、図1Aの矢印14によって模式的に表されている。なお、MN10は、AR22からノマディックなプレフィックスを受信してもよい。このプレフィックスの受信後、MN10は気付アドレスを構成し、LMA/HA40に対してMIPv6 BU62を実行する。
ここで、このBU登録62が、MAG21からのPBU61(インタフェース切り換え前の接続に係るPBU)より早くLMA/HA40に到達したと仮定する。この場合、MAG21に接続が非常に短い時間だったことから、競合条件(race condition)と通常呼ばれる事象が発生する。また、上記の短時間の接続以外にも、ホームPMIPv6ドメイン100内のパケットの輻輳によって、MIPv6(CMIPv6)のBU62よりPBU61が遅れて到達することで、競合条件が発生する場合もある。
MIPv6のBU62が先にLMA/HA40に到達すると、LMA/HA40にMIPv6の登録が作成される。なお、LMA/HA40においては、例えば、PMIPv6及びCMIPv6のキャッシュは1つのキャッシュ又は1つのアドレス空間で管理されるとする。さらに、LMA/HA40は例えばNAIを使用して、MN10の特定のインタフェースのPMIPv6及びCMIPv6のキャッシュの違いを把握することが可能である。また、BC50の2番目のエントリには、CMIPv6キャッシュが存在している。なお、BC50においては、IF−ID/BIDのフィールドによって、インタフェースをユニークに識別することができる。
また、CMIPv6バインディングに関しては、シーケンスナンバー(Seq#)のエントリにBUメッセージに含まれていたシーケンスナンバーが格納される。また、CMIPv6バインディングにおいては、タイムスタンプフィールドに挿入すべき情報はない。短い時間経過後に、MAG21から発送された古いPBU61がLMA/HA40に到達する可能性がある。この場合、上述のように、PMIPv6又はCMIPv6のどちらかをあるインタフェースに割り当てるバインディングが1つのみ維持されるので、BC50の正しいCMIPv6バインディングはMAG21からの古いPBU61によって上書きされてしまうことになる。これは、図1Bにおいて、BC50の2番目のエントリの消去によって表されている。
上記のようにしてセットされた間違ったエントリは、MAG21からプロキシ登録削除を受けるか、MN10がWLANインタフェースからバインディングリフレッシュBUが到達するまで、LMA/HA40によって利用可能な状態となる。そして、間違ったエントリを削除するまで、WLANインタフェースにおいて送受信されるすべてのパケットは失われてしまうことになる。この結果、ネットワークは、ロード(負荷)バランス、フォールトトレランス、バイキャスティングなどの各種サービス(マルチホーミングの機能を用いたサービス)を提供できず、マルチホーミングの利益に享受できない。
なお、一般的に、古いPMIPv6登録によって現在のCMIPv6のキャッシュを上書きしてしまうという問題は、PMIP/CMIP競合条件(PMIP/CMIP race condition)と呼ばれている。当業者であれば、MN10のWLANインタフェースが最初に外部ドメインに接続されており、ホームPMIPv6に戻ってきた場合においても同様の問題が発生することが分かるであろう。このような場合には、現在のPMIPv6キャッシュに置き換わって、古いCMIPv6キャッシュが登録されてしまうことになる。
また、特許文献1に係る技術においては、MNがローカルモビリティ管理ドメイン内を移動すると、アクセスルータがMNのプロキシとして機能し、MAに対してMNのローカル位置登録シグナリングを実行する。このシグナリング方法は、HMIPv6又はMIPv6のタイプのものと同じである。
また、特許文献2に係る技術においては、MAはMNのホームエージェントではなく、単なるモビリティエージェントである。したがって、図1A及び図1Bで説明されるようCMIPv6バインディングをPMIPv6バインディングで上書きするような競合条件は発生しない。また、MNがあるローカルモビリティ管理ドメインから別のドメインに移動する場合、古い(移動前の)ドメインの古いローカル登録は削除され、新しいドメインにおいては新しいローカル登録の管理が行われる。したがって、特許文献2に係る技術では、PMIPv6ドメインにおけるPMIPv6バインディングとCMIPv6ドメインにおけるCMIPv6バインディングとの競合は起こり得ない。
また、特許文献2に係る技術では、MNはMAに対してローカルな登録を実行する。しかしながら、ローカルドメインのローカルモビリティ管理シグナリングにおける競合問題は、MIPv6のようにシーケンスナンバーを使用することで解決される。また、特許文献2に係る技術では、MAが単なるローカルモビリティ管理アンカであってホームエージェントではないので、MNがローカルドメインから移動したとき、MNの新たな登録は、移動前に接続していたローカルドメインのMAには通知されない。したがって、図1A及び図1Bで説明されるようCMIPv6バインディングをPMIPv6バインディングで上書きするような競合条件は発生せず、特許文献2に係る技術は本発明に係る問題を解決するものではない。
上記の課題を解決するため、本発明は、PMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能な移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の移動端末は、複数の無線通信インタフェースと、
モバイルIP機能を実現するモバイルIPモジュールと、
前記複数の無線通信インタフェースのうちの第1無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージ、又は、前記複数の無線通信インタフェースのうちのいずれかの第1無線通信インタフェースから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージを特定する識別情報を、前記複数の無線通信インタフェースのうちのネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルを実装しているホームドメインに接続している第2無線通信インタフェースから送信する識別情報送信手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースが接続されているネットワークノードに通知する際に、前記ネットワークノードに前記識別情報に現在の時刻情報を付加して前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードに通知する依頼を行うように構成されている。
この構成により、移動端末は時刻情報の付加をMAGに依頼することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースが接続されている前記ネットワークノードが、前記依頼に応じて前記現在の時刻情報の付加を行う時刻情報付加機能を有するか否かを特定し、前記ネットワークノードが前記時刻情報付加機能を有する場合に依頼を行うように構成されている。
この構成により、MAGの機能を把握して、依頼を行うか否かを決定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報として、前記第1無線通信インタフェースを識別するためのインタフェース識別情報又は前記第1無線通信インタフェースに設定されるアドレスを識別するためのアドレス識別情報と、前記バインディングアップデートメッセージに含まれるシーケンスナンバーとを使用するように構成されている。
この構成により、確実にバインディングアップデートメッセージ(すなわちバインディング情報)を特定することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージを前記識別情報として使用するように構成されている。
この構成により、識別情報としてバインディングアップデートメッセージをそのまま別の無線通信インタフェースから送信することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記第1無線通信インタフェースが前記ホームドメインから別のドメインに接続先を変更して、前記第1無線通信インタフェースから前記バインディングアップデートメッセージを送信したか、これから送信しようとする場合に、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースから送信するように構成されている。
この構成により、ホームドメインから別のドメインへの接続変更によって生じる競合条件を適切なタイミングで解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を送信するように構成されており、
前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードは、前記識別情報と共に前記バインディング情報が最新のものである旨を受信することで、前記バインディング情報が有効である旨を把握可能となる。
この構成により、ホームドメイン内のパケット転送管理ノードは、バインディング情報を有効にすべき旨を容易に把握できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記第1無線通信インタフェースが別のドメインから前記ホームドメインに接続先を変更した場合に、前記第1無線通信インタフェースが前記別のドメインに接続していた際に送信した前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースから送信するように構成されている。
この構成により、別のドメインからホームドメインへの接続変更によって生じる競合条件を適切なタイミングで解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を送信するように構成されており、
前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードが、前記識別情報と共に前記バインディング情報が最新のものではない旨を受信することで、前記バインディング情報が無効である旨を把握可能となる。
この構成により、ホームドメイン内のパケット転送管理ノードは、バインディング情報を無効にすべき旨を容易に把握できるようになる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記別のドメインでは、前記移動端末は、移動端末自身がモビリティ管理に係る処理を行うクライアントタイプのモビリティ管理プロトコルを実行するように構成されている。
この構成により、クライアントタイプのモビリティ管理プロトコルを作動させるドメインと、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実装されているホームドメインとの間の接続変更によって生じる競合条件を解消することが可能となる。
さらに、本発明の移動端末は上記の構成に加えて、前記識別情報送信手段による前記識別情報の送信の際に、前記ホームドメインから現在時刻情報を取得する現在時刻取得手段を有し、
前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に前記現在時刻情報を送信するように構成されている。
この構成により、移動端末は、ホームドメインの時刻に同期した現在時刻情報をバインディングアップデートメッセージの識別情報に付加することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のネットワークノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ネットワークドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードであって、
前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報を包含したパケットを含む前記移動端末から受信したパケットに時刻情報を付加して前記ネットワークドメイン内のパケット転送管理ノードに送信するように構成されている。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記移動端末から前記時刻情報の付加を依頼された場合に、前記移動端末から受信したパケットに前記時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信するように構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージの識別情報が送信された時刻をネットワーク側の時計に基づいて記録することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージ、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報が含まれている特定のパケットに前記時刻情報を付加するように前記移動端末から依頼を受ける。
この構成により、移動端末からの依頼に応じて時刻情報の付加を行うことが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記移動端末から受信するパケットの中から、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報を検出した場合に、前記パケットに時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信するように構成されている。
この構成により、MAGが自らバインディングアップデートメッセージの識別情報を検出して、時刻情報を付加することが可能となる。
さらに、本発明のネットワークノードは上記の構成に加えて、前記時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信する機能を有することを、前記移動端末からの問い合わせを受けた場合に前記移動端末に受動的に通知するか、前記移動端末からの問い合わせを受けない場合であっても前記移動端末に能動的に通知するように構成されている。
この構成により、MAGの時刻情報付加機能を移動端末に通知することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送管理ノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、
前記ホームエージェント実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するモバイルIPバインディング情報格納手段と、
前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するローカルバインディング情報格納手段とを有するローカル管理ノードと通信を行う通信手段と、
前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を前記ローカル管理ノードが受信した場合、前記通信手段を介して前記ローカル管理ノードから前記識別情報及び前記時刻情報を受信し、前記識別情報に基づいて前記モバイルIPバインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けるバインディング情報処理手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送管理ノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、
前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するローカルバインディング情報格納手段と、
モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、前記ホームエージェント実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するモバイルIPバインディング情報格納手段とを有するグローバル管理ノードと通信を行う通信手段と、
前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を受信した場合、前記通信手段を介して前記グローバル管理ノードに前記識別情報及び前記時刻情報を渡すことによって、前記ローカル管理ノードが前記識別情報に基づいて前記モバイルIPバインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けられるようにするバインディング情報処理手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送管理ノードは、ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、
前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、
前記ホームエージェント実現手段及び前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するバインディング情報格納手段と、
前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を受信した場合、前記識別情報に基づいて前記バインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けるバインディング情報処理手段とを、
有する。
この構成により、例えばPMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が存在している場合には、それぞれのバインディング情報の時刻情報をチェックして、最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている。
この構成により、PMIPv6バインディングとCMIPv6バインディングのそちらのバインディング情報が新しいかを特定して、より新しいバインディング情報を有効なバインディング情報と設定することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておくように構成されている。
この構成により、不要なバインディング情報を完全に消去せずに残しておくことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておき、前記最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報が無効に設定されているバインディング情報の場合には、無効に設定されているバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている。
この構成により、不要なバインディング情報を完全に消去せずに残しておき、必要に応じて、再び有効なバインディング情報として設定することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている。
この構成により、いったん無効化された状態において使用されずに一定時間経過した不要なバインディング情報を削除することで、段階的かつ効率的なバインディング情報の削除が実現される。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、最も新しい時刻を示す時刻情報が前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に送信されてきた前記時刻情報であるが、前記バインディングアップデートメッセージに係るバインディング情報が前記バインディング情報格納手段内に存在しない場合には、前記移動端末に対して前記バインディングアップデートメッセージの再送信を要求するように構成されている。
この構成により、有効なバインディング情報として設定されるべきバインディング情報がバインディングキャッシュに存在しない場合には、すぐに移動端末にその再送を要求することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が、受信した前記識別情報と同一又はそれより古い識別情報によって特定されるバインディング情報である場合には、前記他のバインディング情報を無効にするように構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージの識別情報(例えばシーケンスナンバー)に基づいて、不要なバインディング情報の無効化を行うことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を有効にするよう構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではある旨を明示する情報を参照することで、バインディング情報を有効にすべき旨を容易に把握することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を無効にするよう構成されている。
この構成により、バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を明示する情報を参照することで、バインディング情報を無効にすべき旨を容易に把握することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、前記識別情報によって特定される前記バインディング情報の受信時刻と、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報の受信時刻とが、所定の時間より短い時間間隔の場合に、前記移動端末に対して前記無線通信インタフェースに係るバインディング情報の再通知を要求するように構成されている。
この構成により、同一の無線通信インタフェースに係るバインディング情報を短時間で連続して受信した場合に競合条件の発生を推測し、移動端末に対して問い合わせを行うことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送管理ノードは上記の構成に加えて、同一の無線通信インタフェースにおいてバインディング情報の競合が検出された場合に、前記競合が検出された旨を前記移動端末に通知するとともに、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースにおける通信に関して、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースとは異なる別の無線通信インタフェースを一時的に使用できるようにする。
この構成により、特定の無線通信インタフェースに係るバインディング情報に関して競合条件の発生が推測された場合であっても、別の無線通信インタフェースを使用して、その特定の無線通信インタフェースに係る通信を継続して行わせることが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、PMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消するという効果を有している。また、本発明は、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消する際に効率的な動作を実現し、ネットワークや各通信ノードが受ける負荷を小さくするという効果を有している。
本発明では、複数のインタフェースを有するMN(移動端末)によって行われるホームPMIPv6のBUとCMIPv6のBUとの競合問題を解決するため、MNは、一方のインタフェースから送信したCMIPv6のBUメッセージの識別情報(例えばCMIPのBUメッセージに使用されているシーケンスナンバー及び/又はBID値)を他方のインタフェースで接続しているPMIPv6ドメインのMAGに通知するように構成されている。
また、本発明では、MAGは、MNからCMIPv6のBUメッセージの識別情報(あるいは、BUメッセージそのものでもよい)を受信した場合に、そのBUメッセージの識別情報を含むパケットを作成するとともに、自身の時計から取得した時刻情報を含むタイムスタンプオプションをそのパケットに付加してLMA/HAに送信するように構成されている。
また、本発明では、PMIPv6ドメイン内のLMA/HAは、MNによって送信されたCMIPv6のBUメッセージの識別情報を含み、さらに時刻情報を含むタイムスタンプオプションが付加されたパケットを受信した場合には、このパケットに含まれている識別情報によって特定されるCMIPv6のBUメッセージを送信したインタフェースを特定して、このインタフェースに関連するPMIPv6のPBUによるバインディングを保持しているか否かを検索し、このインタフェースに関連するPMIPv6のPBUによるバインディングを保持している場合には、このバインディングキャッシュエントリに含まれている時刻情報と、受信したパケットのタイムスタンプオプションに含まれている時刻情報とを比較し、時刻情報が新しいバインディングを有効にするように構成されている。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。最初に図2Aを参照しながら、本発明の第1の実施の形態の概要について説明する。図2Aは、本発明の第1の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図である。
図2Aにおいて、MN200は、2つのインタフェースを持っている(3Gタイプ及びWLANタイプ)。なお、MN200は様々なタイプのインタフェースを有することが可能であり、インタフェースのタイプは上記の3Gタイプ及びWLANタイプに限定されるものではない。
ここでは、MN200が3GインタフェースによってホームPMIPv6ドメイン230のMAG220に接続されているとする。また、MN200のWLANインタフェースは、ホームPMIPv6ドメイン230のMAG221に接続していたが、その後、CMIPv6ドメインである外部ドメイン(外部CMIPv6ドメイン)231に移動したとする。
なお、外部ドメイン231は、外部PMIPv6ドメイン(ホームPMIPv6ドメイン230とは異なるPMIPv6管理ドメイン)であってもよく、非信頼(Non-trusted)ドメインであってもよい。また、ホームPMIPv6ドメイン230及び外部ドメイン231は、グローバルなインターネット232を介して接続されている。
上述のように、このような異種遷移(ホームPMIPv6から外部CMIPv6)がMN200のWLANインタフェースで行われる場合、バインディングアップデートの競合条件が生じる可能性がある。このような競合問題を解決するため、MN200はAR222からRA261を受信する際に、WLANインタフェースがホームネットワークから外部ネットワークに移動したことを認識する。このとき、MN200は、そのWLANインタフェースを通じてCMIPv6のBU262をホームエージェントに送信する。
そして本発明では、WLANインタフェースがホームPMIPv6ドメイン230から外部ドメイン231に移動したことを把握したMN200は、競合条件が起こる可能性があると判断し、メッセージ263をMAG220に送信することによって、WLANインタフェースによる現在の接続がCMIPv6接続である旨をLMA/HA250に通知するようMAG220に要求する。なお、MN200は、メッセージ263の送信に際して、メッセージ262の送信を待機する必要はなく、例えば、まずメッセージ263を送信してからメッセージ262を送信してもよい。
MN200は、WLANインタフェースによる現在の接続がCMIPv6接続である旨をLMA/HA250に通知するようMAG220に要求する際に、CMIPv6ドメイン231に接続したWLANインタフェースのインタフェースID(IF−ID)又はBIDと共に、そのWLANインタフェースから送信するCMIPv6のBUメッセージ262のシーケンスナンバーをメッセージ263を用いてMAG220に渡す。
なお、このメッセージ263には、BUメッセージ262を識別するための識別情報が含まれる必要があり、ここでは、例えばBUメッセージ262の識別情報として、WLANインタフェースから送信されたCMIPv6のBUメッセージ262のシーケンスナンバー及びWLANインタフェースのIF−ID/BIDを利用しているが、これらの情報に限定されるものではない。例えば、メッセージ263にBUメッセージ262がそのまま含まれてもよい。また、メッセージ263には、MN200を識別するための識別情報(例えばMNのNAI)が含まれてもよい。
また、メッセージ263は、BUメッセージ262の識別情報を含む新しいタイプのICMPv6メッセージであってもよく、BUメッセージ262の識別情報が付加されたL2(レイヤ2)メッセージであってもよい。また、メッセージ263は、新しいコード値が使用された近隣探索(NA:Neighbor Advertisement)メッセージであってもよい。なお、当業者であれば、このような重要な情報パラメータをMAG220に渡す方法が数多く存在し、任意の方法を用いてBUメッセージ262の識別情報をMAG220に渡せることが容易に分かるであろう。
また、メッセージ263において、WLANインタフェースによる現在の接続がCMIPv6接続である旨をLMA/HA250に通知するようMAG220に明示的に要求することも可能である。例えば、MN200は、メッセージ263に特定のフラグをセットすることで、後述のような時刻情報を含むタイムスタンプオプションの付加を依頼してもよい。これにより、MAG220は、こうしたフラグがセットされているメッセージ263を受信した場合のみ、時刻情報を含むタイムスタンプオプションの付加を行えばよく、MAG220による処理の効率化を図ることが可能となる。
また、MAG220が、パケットを精査してBUメッセージ262の識別情報を含むパケットを自ら検出して、本発明に係る動作(例えば、時刻情報を含むタイムスタンプオプションの付加)を行ってもよい。なお、MAG220は、例えば3Gインタフェースを通じて送信されてくるBUメッセージの内容をそのまま含むメッセージを検出できるように待機し、検出されたBUメッセージの内容をそのまま含むメッセージに対して本発明に係る動作を行ってもよい。
MAG220はこの特別なメッセージ263を受信すると、メッセージ264をLMA/HA250に送信する。このメッセージ264は、新たなタイプのICMPv6メッセージであってもよく、新たなタイプのモビリティメッセージであってもよく、新たなオプションを有するMIPv6のBUメッセージであってもよく、新たなオプションを有するPMIPv6のPBUメッセージであってもよい。
メッセージ264のタイプによらず、メッセージ264には、メッセージ263によって提供されたBUメッセージ262の識別情報(CMIPv6のBUメッセージ262のシーケンスナンバーやIF−ID/BID、WLANインタフェースの気付アドレス、MN200のNAIなど)と共に、MAG220によって現在の時刻情報が付加される必要がある。例えば、メッセージ264にはタイムスタンプオプションが付加され、このタイムスタンプオプション内に現在の時刻情報が挿入される。
なお、データパケットがMN200の3Gインタフェースから送信される場合には、メッセージ264を構成する上述のパラメータは、MAG220からLMA/HA250に送信されるトンネルヘッダに挿入されて、このトンネルヘッダがデータパケットに付加されて送信されてもよい。
メッセージ264に付加される現在の時刻情報は、例えばMAG220に内蔵されている時計から得られる。この時計は、ホームPMIPv6ドメイン230内の共通の時計に同期して時刻合わせが行われているか、あるいは、NTP(Network Time Protocol:ネットワークタイムプロトコル)などを利用してグローバルな時刻サーバと同期して時刻合わせが行われている。
また、図2Bには、本発明の第1の実施の形態による登録を含むLMA/HA250のBC(Binding Cache:バインディングキャッシュ)260の一例が図示されている。初めに、MAG220から送信されたPBUはLMA/HA250に届いて、BC260の最初のエントリによって表されるBCE(Binding Cache Entry:バインディングキャッシュエントリ)が作成される。なお、このBCEは純粋なPMIPv6バインディングであり、MN200のHoA(ホームアドレス)又はプレフィックス、CoA(気付アドレス)、IF−ID/BID、シーケンスナンバー(Seq#)、タイムスタンプ(時刻情報)が含まれている。また、BC260にはNAIフィールドは明確に表されていないが、LMA/HA250は、PMIPバインディング及びCMIPバインディングの登録に関するNAIを各BIDと関連付けて保持する。
続いて、MN200のWLANインタフェースによるCMIPv6のBUメッセージ262の送信が行われ、BC260の2番目のエントリによって表されるCMIPv6の登録によるBCEが作成される。なお、基本的にCMIPv6のBUメッセージには時刻情報は含まれておらず、BUメッセージ262に関してはタイムスタンプオプションのエントリは作成されない。
また、メッセージ264がLMA/HA250に到達した場合、LMA/HA250は、BUメッセージ262によるBUが有効であることが確認でき、CMIPv6エントリ(BC260の2番目のエントリ)を有効なエントリとしてマークし、さらに、メッセージ264から受信した時刻情報(タイムスタンプオプション内の値)をBC260に追加する。
上述のように、LMA/HA250は、CMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバーや、メッセージ264で受信したタイムスタンプオプションを使用して、CMIPv6エントリを有効なエントリとしてマークする。タイムスタンプオプションの値は、LMA/HA250の時計が示す現在の時刻に近い時刻を示しており、このような決定が行われることになる。
一方、PBUメッセージ(WLANインタフェースの接続変更前の接続に係る古いPBUメッセージ)265がMAG221から到着した場合には、LMA/HA250は、PBUメッセージ265のタイムスタンプオプションの値を参照して、BC260のCMIPv6のエントリ(BC260の2番目のエントリ)に登録されているタイムスタンプオプションの値と比較する。
MAG221からの古いPBUメッセージ265のタイムスタンプオプションの値が、同一インタフェースに係る現在のCMIPv6のBUのタイムスタンプの値より古い場合には、LMA/HA250はPBUメッセージ265を拒絶(若しくは単に廃棄)する。
なお、図2Bには反映されていないが、LMA/HA250は、PBUメッセージ265を受信してからBUメッセージ262を受信した場合(あるいは、BUメッセージ262を受信してからPBUメッセージ265を受信した場合)、同一のWLANインタフェースに関して、後で到達したバインディングで既にBC260に存在していたバインディングを上書きしてもよく、あるいは、後で到達したバインディングを登録する一方、既に存在していたバインディングを無効化するもののすぐには消去しないようにしてもよい。この場合、例えば、無効化の状態が所定の時間以上続いたバインディングに関しては消去してもよい。
前者の場合、例えばメッセージ265のほうがメッセージ262より遅れてLMA/HA250に到達した場合には、例えばメッセージ264がLMA/HA250に到達した時点で、CMIPv6のバインディングはBC260には存在せず、PMIPv6の古いバインディングがBC260に登録されているが、LMA/HA250はこのPMIPv6の古いバインディングを削除するとともに、再度BUを行うように促すバインディングリフレッシュリクエストをMN200に行うことが可能である。
一方、後者の場合、例えばメッセージ265のほうがメッセージ262より遅れてLMA/HA250に到達した場合には、例えばメッセージ264がLMA/HA250に到達した時点で有効なバインディングを、無効化された状態で残っていたCMIPv6のバインディングが有効になるように切り換えることで、適切なバインディングの登録を即座に行うことが可能となる。
また、MN200のWLANインタフェースが短い時間だけ外部ドメイン231に接続した後に再びホームPMIPv6ドメイン230にすぐに戻る場合に、メッセージ264で使用されているタイムスタンプオプションが非常に有用となる。MN200がこのような接続の変更を行った場合であっても、別の同様のメッセージ(メッセージ264と同様のメッセージ)が3Gインタフェース経由で送信され、MN200がCMIPv6からホームPMIPv6に移動したことが示される。
しかしながら、この同様のメッセージが前のメッセージ264より遅く到着するような場合には、メッセージ264にタイムスタンプオプションがなければ、LMA/HA250は、現在の有効なPBUがWLANインタフェースに関する本当に最新のバインディングであるかどうかが分からない。このように、当業者であれば、タイムスタンプオプションは、より困難な競合に係る問題を解決するために重要であることが容易に分かるであろう。また、当業者であれば、本発明を用いてPMIPv6からCMIPv6への競合に係る問題を解決する方法に関して容易に分かるであろう。
本発明の第1の実施の形態では、WLANインタフェースを経由して送信されるCMIPv6のBUメッセージ262のバインディングを識別するためにシーケンスナンバーを使用することによって、MN200は、WLANインタフェースの正しいバインディング状態をLMA/HA250に迅速に通知できるという利点がある。
また、MN200は、WLANインタフェースに関する気付アドレスを構成するために待機する必要はなく、メッセージ263を用いてMAG220に通知する。なお、CMIPv6のBUメッセージ262を識別するためにWLANインタフェースの気付アドレスが使用されるのであれば、MN200は、アドレスに係る処理が完了するまで待機する必要がある。
なお、メッセージ264がメッセージ265の後にLMA/HA250に到達する場合には、WLANインタフェースの接続変更前のバインディングがBC260内で一時的に有効となるため、パケットロスが生じる可能性があるが、MN200は、WLANインタフェースを通じてRA261を受信した後に可能な限り迅速にMAG220に通知を行うことで、メッセージ265がLMA/HA250に到達する前にメッセージ264がLMA/HA250に到達可能となり、パケットロスを抑えることが可能となる。
また、本発明の第1の実施の形態では、3Gインタフェースを用いてWLANインタフェースの接続状態を通知することによって、MN200に関するLS/AAA240の認証処理、MAG220とLMA/HA250との間のトンネルセットアップやMN200に関するPBUなどを必ずしも行う必要がないことから、LMA/HA250に迅速に情報が到達するという利点もある。
また、MN200の3GインタフェースによるホームPMIPv6ドメイン230への接続が既に確立されているので、メッセージ264はLMA/HA250に迅速に到達可能である。また、本発明には、メッセージ263などのMAG220への要求がL3メッセージではなくL2メッセージであってもよく、本発明を実行する際に大きなシグナリングパケットサイズを用いる必要がないという利点がある。
さらに、本発明の第1の実施の形態を実行するために、次の接続が、WLANインタフェースにおけるCMIPv6/外部ドメイン接続であることを予測する必要がなく、競合問題を解決するために必要なパラメータを取得する必要がない。さらに、本発明の第1の実施の形態では、MN200は、MAGからタイムスタンプオプションを得る必要はないのでホームPMIPv6ドメイン230との間で時計を同期させるためのシグナリングを送受信する必要がなく、また、MAGからシーケンスナンバーなどを取得する必要もない。すなわち、ネットワークに対する負荷を最小限に留めた状態で、ホームPMIPv6のBU及びCMIPv6のBUが適切に反映されるようにすることが可能となる。
また、MN200は、ホームPMIPv6ドメイン230で本発明に係るサービスを提供しているか否かを確認し、本発明に係るサービスが提供されていることが確認できてから、WLANインタフェースを経由して送信したCMIPv6のBUメッセージ262の識別情報を含むメッセージ263をMAG220に送信してもよく、タイムスタンプの付加を依頼してもよい。なお、本発明に係るサービスが提供されていることをMN200が確認する方法は任意であり、例えば、MN200がホームPMIPv6ドメイン230や情報サーバに問い合わせを行ってもよく、ホームPMIPv6ドメイン230側からRAなどを利用して本発明に係るサービスが提供されていることを明示的に通知してもよい。
次に、本発明の第1の実施の形態を実行するためのMNの機能アーキテクチャについて説明する。図3Aは、本発明の第1の実施の形態におけるMNの構成例を示すブロック図である。
MN200はマルチホーミング機能を有しており、さらに、CMIPv6スタックを実装している。マルチホーミング機能は、MN200が外部ドメインに接続した際にBIDを生成し、1つ以上のインタフェースや気付アドレスに関連した同時登録バインディングをMIPv6のHAに対して実行することが可能な能力を有していることを表している。
図3Aに図示されているMN300の機能アーキテクチャは、本発明の第1の実施の形態を実現するため、IPv6関連のプロトコルスタックを実装するために必要なすべてのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアを有している。図3Aにおいて、MN300は、上位レイヤプロトコル301、レイヤ3プロトコル302、ルーティング下位レイヤプロトコル303を有している。
図3Aの下位レイヤプロトコル303には、複数の下位レイヤプロトコルモジュールが存在し得る。すなわち、MN300が有する1つ又は複数のインタフェースや、各インタフェースの物理層及びデータリンク層における機能(インタフェースごとに異なっていてもよい)を有している。
また、MN300の有する中間レイヤは、すべてのルーティング関連プロトコルを有しており、これは図3Aのレイヤ3プロトコル302によって表されている。
また、図3Aの上位レイヤプロトコル301は、すべてのトランスポート及びアプリケーションレイヤプロトコルを有している。上位レイヤプロトコル301とレイヤ3プロトコル302とは、インタフェース305を通じてメッセージのやり取りを行う。また、レイヤ3プロトコル302と下位レイヤプロトコル303とは、インタフェース304を通じてメッセージのやり取りを行う。
また、図3Aにおいて、レイヤ3プロトコル302(すなわち、ルーティングレイヤプロトコル)はIPv6ルーティングモジュール306、MIPv6モジュール307、マルチホーミングサポートモジュール308、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309を有している。
IPv6ルーティングモジュール306とMIPv6モジュール307は、インタフェース310を通じてインタラクションを行う。また、MIPv6モジュール307とマルチホーミングサポートモジュール308は、インタフェース312を通じてインタラクションを行う。また、MIPv6モジュール307とホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309とは、インタフェース311を通じてインタラクションを行う。また、IPV6ルーティングモジュール306とホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309とは、インタフェース313を通じてインタラクションを行う。
IPv6ルーティングモジュール306は、MN300のIPv6パケットを受信・処理する機能、上位レイヤプロトコル301又は下位レイヤプロトコル303にパケットを渡す機能、IPv6ヘッダや拡張ヘッダを生成する機能、RAを受信・処理する機能、近隣探索メッセージを生成・処理する機能、アドレス構成機能、ICMPv6メッセージを生成・処理する機能、デフォルトルータリストを保持する機能などを有している。
MIPv6モジュール307はMIPv6のBUモビリティヘッダを生成する機能、バインディング登録に関連したアクノレッジメントを処理する機能、複数の気付アドレスの登録に関して作成されたバインディングのバインディングアップデートリストを生成・保持する機能、BUメッセージにBIDオプションを付加する機能などを有している。
なお、IPv6ルーティングモジュール306は、適切な拡張ヘッダを有する完全なBUメッセージを構成するためにMIPv6モジュール307とインタフェース310を通じてインタラクションを行う必要がある。
さらに、マルチホームノードは複数の気付アドレスを有することができるので、IPv6ルーティングモジュール306は、インタフェース310を通じてMIPv6モジュール307とインタラクションを行って、複数のあて先アドレスの有効性をチェックする必要がある。MIPv6モジュール307は、BIDオプションを有するMIPv6のBUを生成する際に、インタフェース312を通じてマルチホーミングサポートモジュール308とインタラクションを行ってBIDを取得する。そして、マルチホーミングサポートモジュール308は、下位レイヤプロトコル303からの情報に基づいて、必要なインタフェースや気付アドレスの数を把握する。
さらに、IPv6ルーティングモジュール306が複数のプレフィックスを受信した場合、例えば、この情報はMIPv6ルーティングモジュール307に送られ、さらにマルチホーミングサポートモジュール308に渡される。マルチホーミングサポートモジュール308は1つのインタフェースに対して複数のアドレスを構成することを決定すると、ソフトウェアモジュールによる適切なシグナリングによってIPv6ルーティングモジュール306にその決定が通知される。
なお、図3AのMN300のアーキテクチャでは、MIPv6モジュール307が他のソフトウェアモジュールに対して情報を仲介するセンタモジュールとして図示されているが、これは必須な構成ではなく、当業者が想到し得る任意の構成を取ることが可能である。
また、マルチホーミングサポートモジュール308によって、上位レイヤのフローに対して気付アドレスのマッピングを行うことが決定される。
また、MIPv6モジュール307はホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309とインタラクションを行う。このホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、MN300のインタフェースの1つがホームPMIPv6ドメインからCMIPv6/外部ドメインに移動したことを検出する機能を有する。
ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、競合条件が起こり得ると予測した場合、その他のインタフェース(接続を変更していないインタフェース)がまだホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かをチェックする。そして、その他のインタフェースがまだホームPMIPv6ドメインに接続されている場合には、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、上述のメッセージ263を構築する。
MNのインタフェースのうちのいずれか1つに関するホームPMIPv6ドメイン情報や現在の外部ドメイン接続情報は、インタフェース313を通じてIPv6ルーティングモジュール306からホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309に供給可能である。そして、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、このような接続情報を受信することで、競合条件が発生し得ると予測することが可能となる。なお、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、競合条件が発生する可能性を予測した場合に加え、例えば、ホームPMIPv6ドメインにおけるサービス(CMIP/PMIPのバインディングの競合を解消するサービス)の実働状況を確認して、実際に稼動していることが確認できた場合に、上述のメッセージ263に相当するメッセージを送信して、MAGにタイムスタンプの付加を行わせるようにしてもよい。
なお、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、任意のインタフェースにおけるアクセスルータの変更がすぐに行われたことを測定できるタイマを有していてもよい。さらに、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、ホームPMIP/CMIP切り換えであることを把握した場合には、移動するインタフェース(roaming interface)のBIDと共に、移動するインタフェースから送信されるCMIPv6のBUメッセージに含まれるシーケンスナンバーを有するICMPv6メッセージを生成するか、あるいは、上記のBIDと共に上記のシーケンスナンバーを下位レイヤプロトコル303に送信することで適切なL2(レイヤ2)メッセージを生成可能とし、上記のICMPv6メッセージ又はL2メッセージを上述のメッセージ263として、ホームPMIPv6ドメインのMAGに送信する。なお、CMIPv6のBUメッセージで用いられている現在のシーケンスナンバー及び移動するインタフェースのBIDは、インタフェース311を通じてMIPv6モジュール307から取得可能である。
また、ICMPv6メッセージが、図2Aのメッセージ263のように、シーケンスナンバーやBIDなどのBUメッセージ識別情報をMAGに通知するために使用される場合には、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309が完全なICMPv6メッセージを構築する機能を有していてもよく、あるいは、インタフェース313を通じてIPv6ルーティングモジュール306にこのICMPv6メッセージを構築するよう要求してもよい。
また、ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール309は、図2Aのメッセージ263として、CMIPv6のBUメッセージの一部(識別情報として利用可能な情報要素)又は全部を含むメッセージ(例えばICMPv6メッセージ)を構築してもよい。
また、IPv6ルーティングモジュール306は、図2Aのメッセージ263に相当するパケットを発送するために、任意のインタフェースにおいて使用されるデフォルトルータに関する情報を取得する必要がある。なお、IPv6ルーティングテーブルは、異なるインタフェースに対して異なるデフォルトルータを有していてもよい。
次に、本発明の第1の実施の形態を実行するためのMNの動作について説明する。図3Bは、本発明の第1の実施の形態におけるMNの動作例を示すフローチャートである。
図3Bにおいて、MNは最初にステップS314を実行し、MNが有する複数のインタフェースのうちのいずれかにおいて、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインに移動したか否かをチェックする。さらに、MNは、ステップS314において、MNのインタフェースの少なくとも1つが移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かをチェックする。なお、MNは、複数のインタフェースのうちのいずれかを通じてホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かを検出する機能を有している。
MNのインタフェースにおいて、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインに移動したものが存在し、さらに、MNのインタフェースの少なくとも1つが移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続された状態となっている場合(ステップS314で『はい』の場合)には、MNは競合条件(PMIP/CMIPの異種競合)が起こり得ると予測し、ステップS315の処理を開始する。
ステップS315では、MNは、ホームPMIPv6ドメイン/外部CMIPv6ドメインに移動するインタフェースの気付アドレスを構成し、異種移動を行うインタフェース経由でCMIPv6のBUメッセージを送信し、CMIPv6のBUメッセージに使用されたシーケンスナンバーを記録する。また、MNはステップS315を実行する際に、同時にステップS316を実行してもよい。
このステップS316では、MNはメッセージ(図2Aのメッセージ263に対応するメッセージ)の構築を行う。このメッセージは、例えば上記のように、移動するインタフェースの現在のCMIPv6のシーケンスナンバー(既に送信されたシーケンスナンバー又はこれから送信されるシーケンスナンバー)と共に上記の移動するインタフェースのBID/IDを有するICMPv6メッセージとすることが可能である。
また、ステップS316では、MNは、さらに上記のように作られたICMPv6メッセージを、MNのホームPMIPv6ドメインに属しているMAGであって、MNのインタフェースが移動せずに接続しているMAGに送信する。
なお上記のICMPv6メッセージのあて先アドレスは、リンクローカルアドレスであってもよく、グローバルなIPv6アドレスであってもよい。また同様に、ICMPv6メッセージの送信元アドレスは、MNのリンクローカルアドレスであってもよく、ルーティング可能なグローバルIPv6アドレスであってもよい。
また、MNのインタフェースにおいて、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインに移動したものが存在しない場合や、ホームPMIPv6ドメインに接続されているMNのインタフェースが存在しない場合(ステップS314で『いいえ』の場合)には、ステップS317が実行される。このステップS317では、MNのインタフェースの1つが外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインに移動し、さらに、他のインタフェースの少なくとも1つが移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているか否かのチェックが行われる。
そして、MNのインタフェースにおいて、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインに移動したものが存在しない場合や、ホームPMIPv6ドメインに接続されているMNのインタフェースが存在しない場合(ステップS317で『いいえ』の場合)には、例えばどのインタフェースにおいてもホームPMIPv6ドメインからCMIPv6ドメインへの接続変更が起きていないことを示しており、MNにおいて通常のPMIPv6動作や通常のホームネットワーク動作が行われる(ステップS320)。
一方、MNのインタフェースにおいて、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインに移動したものが存在し、さらに、ホームPMIPv6ドメインに接続されているMNのインタフェースが存在する場合(ステップS317で『はい』の場合)には、上述のような競合問題(古いCMIPv6のBUによって現在のPMIPv6のBUが上書きされてしまうという問題)が生じ得る。このような場合には、MNはステップS318を実行する。
このステップS318では、単に、移動するインタフェースによってホームPMIPv6ドメインへの接続が行われ、通常のアクセス認証やアドレス構成などが実行される。また、ステップS318を実行した後又は実行中に、MNはステップS319を実行する。このステップS319はステップS316と動作はほぼ同様であるが、ここではMNは移動するインタフェースに関して、BIDと共に過去のCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバー(移動前に送信したCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバー)を、ホームPMIPv6ドメインに属するMAGであって、移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているインタフェースの接続先であるMAGに対して送信する。なお、移動するインタフェースによってホームPMIPv6ドメインへの接続が既に完了している場合は、そのインタフェースの接続先であるMAGに対して送信することも可能であるが、移動するインタフェースの接続前、あるいは移動するインタフェースの接続と同時に送信する場合は、移動せずにホームPMIPv6ドメインに接続されているインタフェースを経由して送信することが望ましい。
ステップS319では、例えば、MNは所定のパラメータ(過去のシーケンスナンバーやIF−ID/BID)を有するICMPv6メッセージによって、移動するインタフェースに関して適切な現在のバインディングがホームPMIPv6バインディングであることを示すメッセージをLMA/HAに送信するようMAGに要求する。なお、この場合には、MAGは、メッセージをLMA/HAに送信する際にこのメッセージにタイムスタンプオプションを必ずしも付加する必要はない。したがって、MAGからは、図2Aのメッセージ264とは異なるタイプのメッセージが送信される場合もあり得る。
MAGがタイムスタンプオプションを付加した場合には、LMA/HAは、移動するインタフェースを通じたPMIPv6バインディングがかなり最近のものであることを特定する際に有用である。一方、インタフェースの接続が外部ドメインからホームPMIPv6ドメインに変更される場合、LMA/HAは、移動していないインタフェース経由で最初に送信した古い/過去のシーケンスナンバーのみを使用して、古いCMIPv6バインディングを識別する。例えば、CMIPv6のBUメッセージの古いシーケンスナンバーを有するメッセージ(図2Aのメッセージ264と同様)がLMA/HAに到達することでLMA/HAは、現在のCMIPv6のバインディングが同一インタフェースによるPMIPv6のPMIPv6バインディングより古く、すぐにCMIPv6のバインディングを無効化したほうがよいことを把握する。
なお、LMA/HAでの判断が容易になるように、MNが示すCMIPv6のバインディング(ここではシーケンスナンバー)が新しいもの又は古いものであることを明示できるようにメッセージを構成することが望ましい。このようなシーケンスナンバーが新しいもの又は古いものであることの明示は、例えばメッセージ内にフラグを設けることにより実現可能である。LMA/HAは、シーケンスナンバーが新しいもの又は古いものであることを明示された情報を参照することで、このCMIPv6のバインディングを有効又は無効にすべきであることを容易に判断できるようになる。
また、LMA/HAはMNの更なるハンドオーバによる異なる通知メッセージとの混同を避けるために、無効化するCMIPv6のバインディングとMNが示すCMIPv6のバインディングの新旧を確認することが望ましい。例えば、MNが示すCMIPv6のバインディングのシーケンスナンバー以前のバインディングを無効化すべきであって、LMA/HAが把握しているCMIPv6のバインディングのシーケンスナンバーがこれよりも新しい場合は、MNが更なるハンドオーバに伴って取得したCMIPv6のアドレスのためのバインディングである可能性を考慮する必要がある。
次に、本発明の第1の実施の形態を実行するためのLMA/HAの機能アーキテクチャについて説明する。図4Aは、本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAの構成例を示すブロック図である。
図4Aに図示されているLMA/HA400の機能アーキテクチャは、本発明の第1の実施の形態を実現するため、IPv6関連のプロトコルスタックを実装するために必要なすべてのソフトウェア、ハードウェア、ファームウェアを有している。なお、LMA/HA400は、上位レイヤプロトコルを有していてもよいが、図4Aでは図示省略する。
図4Aの下位レイヤプロトコル402は、物理層及びデータリンク層における機能を有している。
また、レイヤ3プロトコル401は、本発明の実現に必要なすべてのルーティング関連プロトコル及びルーティングレイヤモジュールを有している。
また、レイヤ3プロトコル401及び下位レイヤプロトコル402は、インタフェース403を通じてパケット(データパケット及び制御パケット)の受け渡しを行う。
また、図4Aにおいて、レイヤ3プロトコル401(すなわち、ルーティングレイヤプロトコル)はIPv6ルーティングモジュール405、LMA/HAトンネリングモジュール406、LMA/HAバインディングアップデート処理モジュール407、LMA/HA BU競合解消モジュール408、IPv6近隣キャッシュ409、バインディングキャッシュ410を有している。
IPv6ルーティングモジュール405は、IPv6パケットのルーティング機能を始めとして様々なパケット処理を行う機能を有している、なお、基本的に図3AのMN300のIPv6ルーティングモジュール306と同一であり、ここでは説明を省略する。このIPv6ルーティングモジュール405は、IPv6近隣キャッシュ409とインタラクションし、データを発送するためのパケット構築を支援する。
また、LMA/HAトンネリングモジュール406は、LMA/HA400からMNへの直接のトンネル、LMA/HA400からMNに接続されているMAGへの直接のトンネル、あるいはこれらの逆方向のトンネルを実現するために使用される。また、LMA/HA400は、MNのホームアドレスへのデータパケットを受信すると、LMA/HAトンネリングモジュール406を用いて、MNの複数のインタフェース又は気付アドレスのうちのいずれか1つを使用してパケットをトンネルすることが可能である。また、LMA/HAトンネリングモジュール406で選択した気付アドレスがバインディングキャッシュ410のCMIPエントリに存在している場合には、パケットはMNに直接トンネルされる。また、選択された気付アドレスがMAGに属しているのであれば、パケットはMNの代わりにMAGにトンネルされる。
LMA/HAトンネリングモジュール406はこのようなトンネリング処理を行うので、バインディングキャッシュ410とインタラクションを行う必要があり、トンネリングに必要なパラメータはインタフェース416を通じてバインディングキャッシュ410からLMA/HAトンネリングモジュール406に供給される。
また、LMA/HAバインディングアップデート処理モジュール407は、CMIPv6バインディング及びPMIPv6バインディングを処理するために使用される。このLMA/HAバインディングアップデート処理モジュール407は、同一MNの同一BIDに関するCMIPv6バインディングとPMIPv6バインディングとをそれぞれ別に処理することが可能であり、インタフェース417を通じてバインディングキャッシュ410にパラメータを渡すことが可能である。
また、LMA/HA BU競合解消モジュール408は、ホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインへの移動(又は逆向きの移動)を通知するメッセージ(例えば、図2Aのメッセージ264)を処理する機能、バインディングキャッシュ410内に存在している有効なバインディングにマークを付す機能、PMIPv6バインディングとCMIPv6バインディングとの比較(例えば、時間情報の比較)を行って有効なバインディングを判断する機能、さらには、LMA/HA400が競合問題を認識せずに誤ったバインディングを登録した場合に、図2Aのメッセージ264と同様のメッセージを受信すると、このメッセージに基づいて誤ったバインディングを削除(又は無効化)する機能などを有している。
また、LMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404は、基本的に、LMA/HA400が受信したデータパケット・制御パケットがどのモジュールに供給されるべきかを決定する機能を有している。このLMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404は、基本的に、インタフェース411、412、413、414のそれぞれを通じて各モジュール405、406、407、408とインタラクションを行う。なお、このLMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404は、単に好適なパケット振り分け機能の実現方法の一例に過ぎず、その他の任意の構成又は実現方法によって、このLMAデータパケット・制御パケット決定モジュール404と同等の機能を実現してもよい。
また、バインディングキャッシュ410は、LMAとしてPMIPv6バインディングの格納を行うとともに、HAとしてCMIPバインディングの格納を行う。また、マルチホーミングをサポートし、例えばBIDを用いて、MNのインタフェースに対して複数の気付アドレスの登録を管理することも可能である。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのLMA/HA BU競合解消モジュールの動作について説明する。図4Bは、本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのLMA/HA BU競合解消モジュールの動作例を示すフローチャートである。
図4Bにおいて、LMA/HAは、まずステップS419を実行する。ステップS419では、パケットがLMA/HAに直接接続されたノードあてか否か、あるいは別のアドレスあての場合にはアドレスプレフィックスがLMA/HAに管理されていないもの(LMA/HAのアドレスプレフィックスに含まれていないプレフィックス)であるか否かのチェックが行われる。
受信したパケットが、通常のHAやルータとしてルーティング処理されるべきものである場合(ステップS419で『はい』の場合)には、LMA/HAは、ステップS420において、パケットに対して、IPv6ルーティングメカニズムと同様の通常のルーティング処理が行う。すなわち、LMA/HAは、HAとしてパケットの受信(intercept)及び転送を行う場合や、管理下にないノードあてのパケットの転送を行うルータとして機能する場合には、通常のルーティング処理を実行する。一方、受信したパケットが通常のルーティング処理を行うべきものではない場合(ステップS419で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS421において、パケットのあて先アドレスがLMA/HAのアドレスか否かのチェックを行う。
ここで、パケットがLMA/HAあてではない場合(ステップS421で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS422において、このパケットをMNが接続されているMAGにトンネルする必要がある。なお、このMNは各MNに固有のプレフィックスをLMA/HA(LMA)から取得しており、MNのアドレスプレフィックスはLMA/HAで管理されている。
一方、パケットがLMA/HAあての場合(ステップS421で『はい』の場合)には、ステップS423が実行される。ステップS423では、LMA/HAは、受信したパケット(メッセージ)が、MAGによる代理送信であることを示すプロキシフラグがオンにセットされたMIPv6のBUメッセージか否かのチェックが行われる。
受信パケットが、プロキシフラグがオンにセットされたMIPv6のBUメッセージの場合(ステップS423で『はい』の場合)には、ステップS424が実行される。ステップS424では、LMA/HAは、PMIPv6ドメイン内を移動する単一のインタフェースにおいて競合条件が発生するか否かのチェックが行われる。例えば、受信パケットにおいて特定されるバインディングに係るインタフェース(IF−ID)と同一のインタフェースのPMIPv6バインディングが既にバインディングキャッシュ内に存在する場合には競合条件が発生する。
PMIPv6ドメイン内を移動する単一のインタフェースにおいて競合条件が発生する場合(ステップS424で『はい』の場合)には、LMA/HAは、ステップS425において、古いPMIPv6バインディングを破棄する。一方、PMIPv6ドメイン内を移動する単一のインタフェースにおいて競合条件が発生しない場合(ステップS424で『いいえ』の場合)には、競合は発生せず、LMA/HAは、ステップS426において、PBUによるPMIPv6バインディングを有効とみなしてバインディングキャッシュに登録する。
また、受信パケットが、プロキシフラグがオンにセットされたMIPv6のBUメッセージではない場合(ステップS423で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS427において、受信メッセージが、図2Aのメッセージ264(ホームPMIPからCMIPに移動するインタフェースのIF−ID/BID、現在のCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバー、タイムスタンプオプションを有するメッセージ)と同等の機能を有する別のシグナリングメッセージか否かのチェックが行われる。
受信メッセージが図2Aのメッセージ264と同等のメッセージの場合(ステップS427で『はい』の場合)には、このメッセージはホームPMIPv6ドメインから外部CMIPv6ドメインへの移動を通知するものであり、LMA/HAは、ステップS428において、まずバインディングキャッシュを検索して正しいCMIPv6バインディングが既に登録されているか否かを調べる。なお、この検索は、IF−ID/BID及びシーケンスナンバーを用いて実行可能である。そして、このようなCMIPv6バインディングが既に登録されている場合には、このIF−ID/BID及びシーケンスナンバーを有するCMIPv6バインディングを有効なバインディングとしてマークする。また、受信したタイムスタンプオプションの時刻情報がCMIPv6のキャッシュ内に挿入されてもよい。
一方、このようなCMIPv6バインディングが登録されていない場合には、タイムスタンプオプションの時刻情報やシーケンスナンバーなどを別の変数として一時的に保存する。そして、移動するインタフェースによるCMIPv6バインディングが到達した場合には、一時的な変数として保存しておいた情報を参照することで、このCMIPv6バインディングを正しいバインディングとしてマークすることが可能となる。また、CMIPv6バインディングがLMA/HAに存在せず、間違ったPMIPv6バインディングが存在している場合には、LMA/HAはPMIPv6バインディングを削除し、正しいCMIPv6バインディングが到達するか、新たなCMIPv6のBUメッセージが到達することでCMIPv6バインディングの登録が行われる。また、古いPBUメッセージが到達した場合には、タイムスタンプの値に基づいてそのPBUメッセージは破棄される。
また、受信メッセージが図2Aのメッセージ264と同等のメッセージではない場合(ステップS427で『いいえ』の場合)には、このメッセージは外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインへの移動を通知するものであり、LMA/HAは、ステップS429において、古いCMIPv6のBUメッセージ(移動前に送信されていたBUメッセージ)のシーケンスナンバーを有しているか否かがチェックされる。
そして、このメッセージが古いシーケンスナンバーを含み、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインへの移動を通知するメッセージである場合(ステップS429で『はい』の場合)には、ステップS430が実行される。
ステップS430では、以下の処理が実行される。移動したインタフェースに関連して新たなバインディング(すなわち、PMIPバインディング)がバインディングキャッシュ内に存在している場合には、このエントリは有効である旨がマークされるとともに、受信したCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバーが一時的に格納される。
一方、同一のシーケンスナンバーを有する間違ったCMIPv6バインディング(すなわち、MNの移動前に用いられていたCMIPv6バインディング)がバインディングキャッシュ内に存在している場合には、そのCMIPv6バインディングは削除される。また、古いCMIPv6のBUメッセージが到達した場合には、その古いCMIPv6のBUメッセージのシーケンスナンバーに基づいてそのBUメッセージは破棄される。
また、古いシーケンスナンバーを含み、外部CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメインへの移動を通知するメッセージではない場合(ステップS429で『いいえ』の場合)には、LMA/HAは、ステップS431において、このメッセージが単なるCMIPv6のBUメッセージか否かをチェックする。
このメッセージが単なるCMIPv6のBUメッセージの場合(ステップS431で『はい』の場合)には、LMA/HAは、ステップS432において、シーケンスナンバーを比較してパケットの順序を特定することによって、CMIPv6バインディングの有効性を把握する。例えばステップS432において、受信したBUメッセージのシーケンスナンバーと、バインディングキャッシュに登録されているバインディングキャッシュのシーケンスナンバーとを比較することによって、より遅くに送信されたCMIPv6バインディング(新しいCMIPv6バインディング)を特定する。一方、このメッセージがCMIPv6のBUメッセージでない場合(ステップS431で『いいえ』の場合)には、MNからLMA/HAに対する(本発明で取り扱うメッセージとは)異なるメッセージであると考えられるので、LMA/HAによる別のメッセージ処理(本発明で取り扱うメッセージとは異なるメッセージに関する通常の処理)が行われる。(ステップS450)
受信したメッセージのCMIPv6のほうが古い場合(ステップS432で『はい』の場合)には、ステップS433が実行されパケットは破棄される。一方、受信したメッセージのCMIPv6のほうが新しい場合(ステップS432で『いいえ』の場合)には、ステップS434が実行されて、受信したメッセージに含まれているCMIPv6バインディングがバインディングキャッシュ内に登録される。
次に、本発明の第1の実施の形態において発生し得る障害条件と、LMA/HAによるリカバリ方法について説明する。
例えば、インタフェースの異種ドメイン移動(CMIPv6ドメインからホームPMIPv6ドメイン、又は、ホームPMIPドメインからCMIPv6ドメイン)による現在の接続状態(CMIPv6ドメイン又はPMIPv6ドメインに接続)を通知する通知メッセージよりも、移動するインタフェースの古い登録に係るメッセージが遅れて到達することで、新しい情報が古い情報によって上書きされてしまう障害が発生し得る。
このような障害が発生した場合、LMA/HAは有効なバインディングを古いバインディングで上書きしてしまい、移動するインタフェースから新たなCMIPv6のリフレッシュBUメッセージが到達するまで、あるいは、移動するインタフェースに接続されているMAGから新たなリフレッシュPBUメッセージが到達するまで、パケットロスが起こったり、MNの望まないインタフェースを経由してパケットの送受信が行われてしまったりする可能性がある。
上述の実施の形態で説明したように、LMA/HAがあるインタフェースに関して古いバインディングを有しており、そのインタフェースの新たな状態を通知するメッセージ(図2Aのメッセージ264)を受信すると、LMA/HAはその古いバインディングを削除する。しかしながら、LMA/HAで削除されたバインディングに関連するMNのインタフェースは、そのインタフェースに関連する有効なバインディングが到達するまで使用することができない。
以下、図5A及び図5Bを参照しながら、上述のような障害が発生した場合に、移動するインタフェースに関連する正しいバインディングを迅速に取得する方法について説明する。図5Aでは、MN500の3GインタフェースがMAG520に接続されており、WLANインタフェースがホームPMIPv6ドメイン530から外部ドメインへの異種移動(ホームPMIPドメイン530からCMIPv6ドメイン531への変更)を行うとする。
また、図5Bに図示されているように、BC560が、MAG520から送信されたPBUメッセージによって作成された適切なエントリを有しているとする。上記のエントリは、図5Bにおいて、BC560の最初のエントリによって表されている。さらに、MN500がAR522を経由してLMA/HA550にCMIPv6のBUメッセージ561を送信すると仮定する。このメッセージ561がLMA/HA550に到達したときに作成されるBCのエントリは、BC560の2番目のエントリによって表されている。
MN500は、メッセージ561の送信後に、WLANインタフェースのBID及びCMIPv6のBU561のシーケンスナンバーなどのCMIPv6のBU561を特定できるような情報を通知するメッセージ562をMAG520に送信して、上記のパラメータ及びタイムスタンプオプションを有するメッセージを送信するようMAG520に要求する。
ここで、MAG520が、MN500から受信したメッセージ562に基づいてメッセージ564(BID、シーケンスナンバー、タイムスタンプオプション)を送信した場合、そのメッセージ564がメッセージ563より遅く到達すると仮定する。メッセージ563は、WLANインタフェースが移動前に接続していたMAG521から送信され、PMIPv6バインディング(すなわち、古いPMIPv6バインディング)に関連するメッセージである。
このメッセージ563がメッセージ564より早く到達すると、LMA/HA550によって正しいエントリ(2番目のエントリ)は削除され、古いPBUメッセージ563のエントリがBC560に作成される。この間違ったエントリのセットはBC560の3番目のエントリによって表されている。
メッセージ564がLMA/HA550に到達すると、LMA/HA550はメッセージ564内のタイムスタンプオプション、及び古いPBUエントリのタイムスタンプオプションをチェックし、両者を比較する。LMA/HA550は、このような比較によってWLANインタフェースのPMIPv6キャッシュが間違っていることを特定し、間違ったエントリのセット(3番目のエントリ)を削除する。
そして、上述のようにリフレッシュBUを待機する代わりに、LMA/HA550は、MAG520経由でトンネルしてMN500にバインディングリフレッシュリクエストメッセージ(BRRメッセージ)を送信する。このメッセージは図5Aのメッセージ565によって表されているもので、MN500に対してBUメッセージの再送信を促すものである。なお、このメッセージ565には、オプションとしてWLANインタフェースのID又はBID情報が含まれていることが望ましい。また、このメッセージ565は、MN500のホームアドレスをあて先として送信される。
なお、ここでは、LMA/HA550がMN500のWLANインタフェースに関して有効なバインディングを有していないため、LMA/HA550は、メッセージ565を別のインタフェース(3Gインタフェース)経由で送信する。このメッセージ565がMN500に到達すると、MN500は、有効なバインディングを含むCMIPv6のBUメッセージを送信し、LMA/HA550に有効なCMIPv6バインディングを作成する。以上、本発明に係るメッセージ及び古いPBUメッセージの競合条件を解消するためのLMA/HAによる動作方法である。なお、CMIPv6ドメイン531からホームPMIPv6ドメイン530への接続変更でこのような問題が生じた場合には、MN500がバインディングリフレッシュリクエストメッセージを受信した際に、MN500は、別のPBUをLMA/HA550に送信するようMAG521に要求する。若しくは、LMA/HA550は、バインディングリフレッシュリクエストメッセージを送信する前に、いったん削除すると判断したバインディングを、一定期間、競合状態が発生したときのために削除待機状態としておき、MN500からの競合条件を解消する識別情報の通知を待つようにしてもよい。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。以下、図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態について説明する。この方法では、MNはホームのPMIPドメインから時刻情報(タイムスタンプを生成するための情報)を得ることによって、LMA/HAでの競合状態を解決している。
図6において、MN600の3GインタフェースはMAG620に接続されており、WLANインタフェースは、移動前に接続していたMAG621から外部ドメイン631に移動を行う。MN600は、AR622からRA661を受信すると、LMA/HA650に対してCMIPv6のBUを実行する必要があることに気付き、BUメッセージ662を送信する。このとき、MN600は、このCMIPv6のBUメッセージ662に現在時刻情報を付加することで、タイムスタンプオプションを有するPBUメッセージ663がMAG621から遅れて到達した場合であっても、LMA/HA650は、BUメッセージ662及びPBUメッセージ663のそれぞれに付加されている時刻情報を参照すすることで、WLANインタフェースの正しいバインディング又は現在のバインディングを識別することが可能である。
また、CMIPv6のBUメッセージ662を送信する前に、MN600は、現在の時刻をMN600に渡すようにMAG620に要求する。そして、MN600は、この時刻情報をメッセージ660を通じて取得すると、PMIPv6ドメインとのタイムスタンプオプションを有するCMIPv6のBUメッセージ662を送信する。なお、MAG620から取得した時刻情報は、ホームPMIPv6ドメインと同期した時刻を示している。
なお、本発明の第2の実施の形態では、MN600は、何らかのシグナリングを行ってBUメッセージ662に付加する時間情報をPMIPv6ドメインから取得することが望ましく、さらに、時刻情報を取得する処理を完了してからCMIPv6のBUメッセージを送信する必要がある。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。以下、図7を参照しながら、本発明の第3の実施の形態について説明する。この方法では、LMA/HAが競合状態が起こりそうだと判断した場合は、改めて最新のバインディングを通知するようMNに指示する。
ここでも、MN700の3GインタフェースがMAG720に接続されていると仮定する。さらに、MN700のWLANインタフェースが移動前にMAG721に接続されており、現在はAR722に接続されていると仮定する。
MN700がホームPMIPv6ドメイン730のMAG720からCMIPv6ドメイン731のAR722に(あるいはその逆)接続を変更した場合には、通常は、ホームPMIPv6ドメイン730からCMIPv6ドメイン731、又は、CMIPv6ドメイン731からホームPMIPv6ドメイン730への競合条件が発生する。このとき、CMIPバインディングに係るBUメッセージ及びPBUメッセージがある短い時間間隔(あらかじめ定められている所定の時間以内の時間間隔)で到達した場合に、LMA/HA750は、競合条件が発生した可能性があると予測する。LMA/HA750は、競合発生の可能性を予測すると、移動していないインタフェースを通じて、移動しているインタフェースの現在のバインディングを送信するようMN700に要求する。
図7において、MN700は、まずAR722からRA760を受信する。ここで、MN700がCMIPv6のBUメッセージ761を送信する前に、MAG721からメッセージ762が送信されるとする。さらに、BUメッセージ761の後にメッセージ762がLMA/HA750に到達して、競合条件が生じるとする。さらに、LMA/HA750でこれらのメッセージ761、762の両方を受信する時間間隔がかなり短いとする。
この場合、LMA/HA750は、MAG720経由でトンネルを行ってMN700の3Gインタフェースに新しいメッセージ763を送信し、WLANインタフェースの現在の接続のバインディングを送信するようMN700に要求する。現在のWLANインタフェースの接続がCMIPv6接続の場合には、MN700はBUメッセージ764を送信する。一方、現在のWLANネットワークの接続がホームPMIPv6接続の場合には、MN700は、PBUメッセージ762を再度送信するようMAG721に要求する。なお、LMA/HA750は、MAG720に直接メッセージ763を送信することが可能である。
このメッセージ763は、MN700のホームプレフィックスやWLANインタフェースのBIDなどをMAG720に通知するとともに、さらに、MN700にWLANインタフェースの現在の接続のバインディングを送信するようMAG720に要求するものである。図7では、WLANインタフェースの現在の接続がCMIPv6接続なので、MN700はBUメッセージ764を送信し、このBUメッセージがLMA/HAに到達されると、競合問題が解決される。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。以下、図8を参照しながら、本発明の第4の実施の形態について説明する。この方法では、LMA/HAが競合状態が起こりそうだと判断した場合は、競合状態の発生(又はその可能性)をMNに通知すると共にMNからの通知(正しいバインディング情報の再通知)を待つ間、移動していないインタフェースを一時的に使用できるようにする。
本発明の第4の実施の形態では、本発明の第1の実施の形態で説明した方法の派生例について説明する。図8では、MN800の3GインタフェースがMAG820に接続されており、WLANインタフェースがホームPMIPv6ドメイン830からCMIPドメイン831に移動を行うとする。これは、WLANインタフェースが最初にMAG821に接続されており、その後移動してAR822に接続したことを意味する。このような場合では、競合条件が起こり得る。
第4の実施の形態では、ホームPMIPv6ドメイン830のMAG821から外部AR822への迅速な接続変更が発生して、競合条件が起こり得ることをMN800が把握する方法について説明する。MN800は、起こり得る競合問題を予測すると、競合が起こる可能性があることを示す何らかのオプション又はフラグを有するCMIPv6のBUメッセージ861を用いて、その移動しているインタフェースに関連する新たなバインディングアップデート又はリフレッシュバインディングアップデートが届くまで、MN800の移動していない別のインタフェース(3Gインタフェース)経由でデータパケットを送信するようLMA/HA850に要求する。メッセージ861の受信後、リフレッシュBUがMN800からWLANインタフェース経由で送信されるまで、メッセージ863に示されているようにデータパケットが送信される。
なお、本明細書では、本発明が最も実用的かつ好適な実施例となるように考慮されて図示及び説明されているが、当業者であれば、上述の各装置の構成要素に係る設計やパラメータの詳細において、発明の範囲から逸脱しない程度に様々な変更が行われてもよいことは明白である。
例えば、MNがMAGに対してタイムスタンプオプションの付加を明示的に依頼する方法について説明したが、MAGがLMA/HAに対して送信する情報には必ず時刻情報が付与されるようなシステムにおいては明示する必要がないし、異なる環境が混在するような場合は、MNが事前にタイムスタンプオプションの付加を明示的に依頼すべきかどうかを問い合わせたうえでいずれかの動作を行ってもよい。
また、本明細書では、MNのネットワークインタフェースが複数であることを前提に説明を行っているが、本発明を実施するうえでの論理的なインタフェースが複数あればよい。例えば、1つの無線部を複数の接続方式で共用し、ネットワークインタフェースの観点からはその変化が問題にならない程度の速度で切り替えたり、レイヤ2で論理的なリンクを維持したりすることにより、ネットワーク部からは複数のインタフェースを介してネットワークに接続している場合と同等に動作できるよう構成されていてもよい。
また、本明細書ではホームPMIPドメインを3GPPネットワークが主体(移動しない方のインタフェース)である場合について例示したが、WiMAXやWLANなどを用いた異なるアクセスネットワークであってもよい。
なお、上記の本発明の実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明の移動端末及びネットワークノード並びにパケット転送管理ノードは、PMIPv6のPBUメッセージによるPMIPv6バインディングと、CMIPv6のBUメッセージによるCMIPv6バインディングとの間の競合を解消するという効果を有しており、パケット交換型データ通信ネットワークのシステム(特に、PMIPなどのネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルが実装されているネットワークシステム)における通信技術分野に適用可能である。
従来の技術を説明するためのシステム構成図 従来の技術におけるLMA/HAのBCの一例を示す図 本発明の第1の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのBCの一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるMNの構成例を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態におけるMNの動作例を示すフローチャート 本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAの構成例を示すブロック図 本発明の第1の実施の形態におけるLMA/HAのLMA/HA BU競合解消モジュールの動作例を示すフローチャート 本発明の第1の実施の形態における障害発生時の概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第1の実施の形態における障害発生時のLMA/HAのBCの一例を示す図 本発明の第2の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第3の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図 本発明の第4の実施の形態における概要を説明するためのシステム構成図
10、300、500、600、700、800 MN(モバイルノード、移動端末)
20、21、220、221、520、521、620、621、720、721、820、821 MAG(モバイルアクセスゲートウェイ)
22、222、522、622、722、822 AR(アクセスルータ)
30、240、540、640、740、840 LS/AAAサーバ
40、250、400、550、650、750、850、 LMA/HA(ローカルモビリティアンカ/ホームエージェント)
50、260、560 BC(バインディングキャッシュ)
100 230、530、630、730、830 ホームPMIPドメイン
101、231、531、631、731、831 外部ドメイン(外部CMIPv6ドメイン)
102、232、532、632、732、832 インターネット
301 上位レイヤプロトコル
302、401 レイヤ3プロトコル
303、402 下位レイヤプロトコル。
306、405 IPv6ルーティングモジュール
307 MIPv6モジュール
308 マルチホーミングサポートモジュール
309 ホームPMIP/CMIP切り換えモジュール
406 LMA/HAトンネリングモジュール
407 LMA/HAバインディングアップデート処理モジュール
408 LMA/HA BU競合解消モジュール
409 IPv6近隣キャッシュ
410 バインディングキャッシュ

Claims (52)

  1. 複数の無線通信インタフェースと、
    モバイルIP機能を実現するモバイルIPモジュールと、
    前記複数の無線通信インタフェースのうちの第1無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージ、又は、前記複数の無線通信インタフェースのうちのいずれかの第1無線通信インタフェースから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージを特定する識別情報を、前記複数の無線通信インタフェースのうちのネットワークベースのローカルモビリティ管理プロトコルを実装しているホームドメインに接続している第2無線通信インタフェースから送信する識別情報送信手段とを、
    有する移動端末。
  2. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースが接続されているネットワークノードに通知する際に、前記ネットワークノードに前記識別情報に現在の時刻情報を付加して前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードに通知する依頼を行うように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  3. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースが接続されている前記ネットワークノードが、前記依頼に応じて前記現在の時刻情報の付加を行う時刻情報付加機能を有するか否かを特定し、前記ネットワークノードが前記時刻情報付加機能を有する場合に依頼を行うように構成されている請求項2に記載の移動端末。
  4. 前記識別情報として、前記第1無線通信インタフェースを識別するためのインタフェース識別情報又は前記第1無線通信インタフェースに設定されるアドレスを識別するためのアドレス識別情報と、前記バインディングアップデートメッセージに含まれるシーケンスナンバーとを使用するように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  5. 前記バインディングアップデートメッセージを前記識別情報として使用するように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  6. 前記第1無線通信インタフェースが前記ホームドメインから別のドメインに接続先を変更して、前記第1無線通信インタフェースから前記バインディングアップデートメッセージを送信したか、これから送信しようとする場合に、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースから送信するように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  7. 前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を送信するように構成されており、
    前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードは、前記識別情報と共に前記バインディング情報が最新のものである旨を受信することで、前記バインディング情報が有効である旨を把握可能となる請求項6に記載の移動端末。
  8. 前記第1無線通信インタフェースが別のドメインから前記ホームドメインに接続先を変更した場合に、前記第1無線通信インタフェースが前記別のドメインに接続していた際に送信した前記バインディングアップデートメッセージの識別情報を前記第2無線通信インタフェースから送信するように構成されている請求項1に記載の移動端末。
  9. 前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を送信するように構成されており、
    前記ホームドメイン内のパケット転送管理ノードが、前記識別情報と共に前記バインディング情報が最新のものではない旨を受信することで、前記バインディング情報が無効である旨を把握可能となる請求項8に記載の移動端末。
  10. 前記別のドメインでは、前記移動端末は、移動端末自身がモビリティ管理に係る処理を行うクライアントタイプのモビリティ管理プロトコルを実行するように構成されている請求項6に記載の移動端末。
  11. 前記識別情報送信手段による前記識別情報の送信の際に、前記ホームドメインから現在時刻情報を取得する現在時刻取得手段を有し、
    前記識別情報送信手段が、前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に前記現在時刻情報を送信するように構成されている請求項1に記載に移動端末。
  12. ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ネットワークドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードであって、
    前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報を包含したパケットを含む前記移動端末から受信したパケットに時刻情報を付加して前記ネットワークドメイン内のパケット転送管理ノードに送信するように構成されているネットワークノード。
  13. 前記移動端末から前記時刻情報の付加を依頼された場合に、前記移動端末から受信したパケットに前記時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信するように構成されている請求項12に記載のネットワークノード。
  14. 前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージ、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報が含まれている特定のパケットに前記時刻情報を付加するように前記移動端末から依頼を受ける請求項13に記載のネットワークノード。
  15. 前記移動端末から受信するパケットの中から、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報を検出した場合に、前記パケットに時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信するように構成されている請求項12に記載のネットワークノード。
  16. 前記時刻情報を付加して前記パケット転送管理ノードに送信する機能を有することを、前記移動端末からの問い合わせを受けた場合に前記移動端末に受動的に通知するか、前記移動端末からの問い合わせを受けない場合であっても前記移動端末に能動的に通知するように構成されている請求項12に記載のネットワークノード。
  17. ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
    モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、
    前記ホームエージェント実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するモバイルIPバインディング情報格納手段と、
    前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するローカルバインディング情報格納手段とを有するローカル管理ノードと通信を行う通信手段と、
    前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を前記ローカル管理ノードが受信した場合、前記通信手段を介して前記ローカル管理ノードから前記識別情報及び前記時刻情報を受信し、前記識別情報に基づいて前記モバイルIPバインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けるバインディング情報処理手段とを、
    有するパケット転送管理ノード。
  18. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が存在している場合には、それぞれのバインディング情報の時刻情報をチェックして、最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている請求項17に記載のパケット転送管理ノード。
  19. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておくように構成されている請求項17に記載のパケット転送管理ノード。
  20. 前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている請求項19に記載のパケット転送管理ノード。
  21. 前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておき、前記最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報が無効に設定されているバインディング情報の場合には、無効に設定されているバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている請求項18に記載のパケット転送管理ノード。
  22. 前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている請求項21に記載のパケット転送管理ノード。
  23. 最も新しい時刻を示す時刻情報が前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に送信されてきた前記時刻情報であるが、前記バインディングアップデートメッセージに係るバインディング情報が前記バインディング情報格納手段内に存在しない場合には、前記移動端末に対して前記バインディングアップデートメッセージの再送信を要求するように構成されている請求項18に記載のパケット転送管理ノード。
  24. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が、受信した前記識別情報と同一又はそれより古い識別情報によって特定されるバインディング情報である場合には、前記他のバインディング情報を無効にするように構成されている請求項17に記載のパケット転送管理ノード。
  25. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を有効にするよう構成されている請求項17に記載のパケット転送管理ノード。
  26. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を無効にするよう構成されている請求項17に記載のパケット転送管理ノード。
  27. 前記識別情報によって特定される前記バインディング情報の受信時刻と、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報の受信時刻とが、所定の時間より短い時間間隔の場合に、前記移動端末に対して前記無線通信インタフェースに係るバインディング情報の再通知を要求するように構成されている請求項17に記載のパケット転送管理ノード。
  28. 同一の無線通信インタフェースにおいてバインディング情報の競合が検出された場合に、前記競合が検出された旨を前記移動端末に通知するとともに、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースにおける通信に関して、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースとは異なる別の無線通信インタフェースを一時的に使用できるようにする請求項17に記載のパケット転送管理ノード。
  29. ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
    前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、
    前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するローカルバインディング情報格納手段と、
    モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、前記ホームエージェント実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するモバイルIPバインディング情報格納手段とを有するグローバル管理ノードと通信を行う通信手段と、
    前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を受信した場合、前記通信手段を介して前記グローバル管理ノードに前記識別情報及び前記時刻情報を渡すことによって、前記ローカル管理ノードが前記識別情報に基づいて前記モバイルIPバインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けられるようにするバインディング情報処理手段とを、
    有するパケット転送管理ノード。
  30. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が存在している場合には、それぞれのバインディング情報の時刻情報をチェックして、最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている請求項29に記載のパケット転送管理ノード。
  31. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておくように構成されている請求項29に記載のパケット転送管理ノード。
  32. 前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている請求項31に記載のパケット転送管理ノード。
  33. 前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておき、前記最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報が無効に設定されているバインディング情報の場合には、無効に設定されているバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている請求項30に記載のパケット転送管理ノード。
  34. 前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている請求項33に記載のパケット転送管理ノード。
  35. 最も新しい時刻を示す時刻情報が前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に送信されてきた前記時刻情報であるが、前記バインディングアップデートメッセージに係るバインディング情報が前記バインディング情報格納手段内に存在しない場合には、前記移動端末に対して前記バインディングアップデートメッセージの再送信を要求するように構成されている請求項30に記載のパケット転送管理ノード。
  36. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が、受信した前記識別情報と同一又はそれより古い識別情報によって特定されるバインディング情報である場合には、前記他のバインディング情報を無効にするように構成されている請求項29に記載のパケット転送管理ノード。
  37. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を有効にするよう構成されている請求項29に記載のパケット転送管理ノード。
  38. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を無効にするよう構成されている請求項29に記載のパケット転送管理ノード。
  39. 前記識別情報によって特定される前記バインディング情報の受信時刻と、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報の受信時刻とが、所定の時間より短い時間間隔の場合に、前記移動端末に対して前記無線通信インタフェースに係るバインディング情報の再通知を要求するように構成されている請求項29に記載のパケット転送管理ノード。
  40. 同一の無線通信インタフェースにおいてバインディング情報の競合が検出された場合に、前記競合が検出された旨を前記移動端末に通知するとともに、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースにおける通信に関して、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースとは異なる別の無線通信インタフェースを一時的に使用できるようにする請求項29に記載のパケット転送管理ノード。
  41. ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルが実行されているネットワークドメイン内に存在し、前記ネットワークドメイン内のパケット転送を管理するパケット転送管理ノードであって、
    モバイルIPのホームエージェントとしての機能を実現するホームエージェント実現手段と、
    前記ネットワークベースのモビリティ管理プロトコルのローカルモビリティアンカとしての機能を実現するローカルモビリティアンカ実現手段と、
    前記ホームエージェント実現手段及び前記ローカルモビリティアンカ実現手段で管理するノードのバインディング情報を格納するバインディング情報格納手段と、
    前記ネットワークドメイン内のネットワークノードであって前記ネットワークドメインをホームドメインとする移動端末に対して前記ホームドメインへの接続ポイントとなることが可能なネットワークノードから、前記移動端末が別の無線通信インタフェースから送信したバインディングアップデートメッセージの識別情報、あるいはこれから送信しようとしているバインディングアップデートメッセージの識別情報及び付加されている時刻情報を受信した場合、前記識別情報に基づいて前記バインディング情報格納手段内のバインディングを特定し、特定された前記バインディング情報と前記時刻情報と関連付けるバインディング情報処理手段とを、
    有するパケット転送管理ノード。
  42. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が存在している場合には、それぞれのバインディング情報の時刻情報をチェックして、最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている請求項41に記載のパケット転送管理ノード。
  43. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておくように構成されている請求項41に記載のパケット転送管理ノード。
  44. 前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている請求項43に記載のパケット転送管理ノード。
  45. 前記バインディング情報格納手段内に不要なバインディング情報が存在する場合には、前記不要なバインディング情報を無効に設定した状態で残しておき、前記最も新しい時刻を示す時刻情報を有するバインディング情報が無効に設定されているバインディング情報の場合には、無効に設定されているバインディング情報を有効なバインディング情報として設定するように構成されている請求項42に記載のパケット転送管理ノード。
  46. 前記無効に設定した状態のまま所定の時間以上経過した前記不要なバインディング情報を削除するように構成されている請求項45に記載のパケット転送管理ノード。
  47. 最も新しい時刻を示す時刻情報が前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に送信されてきた前記時刻情報であるが、前記バインディングアップデートメッセージに係るバインディング情報が前記バインディング情報格納手段内に存在しない場合には、前記移動端末に対して前記バインディングアップデートメッセージの再送信を要求するように構成されている請求項42に記載のパケット転送管理ノード。
  48. 前記モバイルIPバインディング情報格納手段及び前記ローカルバインディング情報格納手段、あるいは、前記バインディング情報格納手段内に、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報が存在しているか否かをチェックし、前記他のバインディング情報が、受信した前記識別情報と同一又はそれより古い識別情報によって特定されるバインディング情報である場合には、前記他のバインディング情報を無効にするように構成されている請求項41に記載のパケット転送管理ノード。
  49. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものである旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を有効にするよう構成されている請求項41に記載のパケット転送管理ノード。
  50. 前記バインディングアップデートメッセージの識別情報と共に、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報が最新のものではない旨を示す情報を受信した場合、前記識別情報によって特定される前記バインディングアップデートメッセージのバインディング情報を無効にするよう構成されている請求項41に記載のパケット転送管理ノード。
  51. 前記識別情報によって特定される前記バインディング情報の受信時刻と、受信した前記識別情報によって特定される前記バインディング情報が設定されている前記無線通信インタフェースに係る他のバインディング情報の受信時刻とが、所定の時間より短い時間間隔の場合に、前記移動端末に対して前記無線通信インタフェースに係るバインディング情報の再通知を要求するように構成されている請求項41に記載のパケット転送管理ノード。
  52. 同一の無線通信インタフェースにおいてバインディング情報の競合が検出された場合に、前記競合が検出された旨を前記移動端末に通知するとともに、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースにおける通信に関して、前記競合が検出された前記無線通信インタフェースとは異なる別の無線通信インタフェースを一時的に使用できるようにする請求項41に記載のパケット転送管理ノード。
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