JPWO2009060717A1 - 透明電極及び透明電極の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、高光透過率、低表面抵抗、軽量性、柔軟性の各特性を満足する透明電極を提供することにあり、更には表面抵抗の均一性と表面平滑性に優れた透明電極と該透明電極の製造方法を提供する。この透明電極は、透明支持体上に互いに隣接する導電性繊維を含む導電性層(A層)と導電性高分子を含む導電性層(B層)を有し、且つA層が支持体に近い側に配置されており、且つB層がA層に接する界面の平滑性がRa(B)≦30nmであることを特徴とする。

Description

本発明は、液晶表示素子、有機発光素子、無機電界発光素子、太陽電池、電磁波シールド、タッチパネル等の各種分野において好適に用いることができる、高い導電性と良好な透明性を併せ持つ透明電極、及び該透明電極の製造方法に関するものである。
近年、薄型テレビ需要の高まりに伴い、液晶、プラズマ、有機エレクトロルミネッセンス、フィールドエミッション等、各種方式のディスプレイ技術が開発されている。これら表示方式の異なるいずれのディスプレイにおいても、透明電極は必須の構成技術となっている。また、テレビ以外でも、タッチパネルや携帯電話、電子ペーパ、各種太陽電池、各種エレクトロルミネッセンス調光素子においても、透明電極は欠くことのできない技術要素となっている。
従来、透明電極として、Au、Ag、Pt、Cu等の各種金属薄膜や、錫や亜鉛をドープした酸化インジウム(ITO、IZO等)、アルミニウムやガリウムをドープした酸化亜鉛(AZO、GZO等)、フッ素やアンチモンをドープした酸化錫(FTO、ATO等)等の金属酸化物半導体薄膜、TiN、ZrN、HfN等の導電性窒化物薄膜、LaB6等の導電性ホウ素化物薄膜が知られており、またこれらを組み合わせたBi23/Au/Bi23,TiO2/Ag/TiO2等の各種電極も知られている。無機物以外にも、導電性高分子を使用した透明電極も提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上述した金属薄膜、窒化物薄膜及びホウ素物薄膜は、光透過性と導電性の特性が両立し得ないため、電磁波シールド等の特殊な技術分野においてのみ使用されていた。一方、金属酸化物半導体薄膜は、光透過性と導電性との両立が可能で耐久性にも優れるため、透明電極の主流となりつつある。特に例示した酸化物半導体材料の中でも、ITOは光透過性と導電性とのバランスが良く、酸溶液を用いたウェットエッチングによる電極微細パターン形成が容易であることから、各種オプトエレクトロニクス用の透明電極として多用されている。
一方で、携帯電話や電子ペーパ等の各種携帯デバイスや調光素子、太陽電池では、透明電極の高光透過率化、低表面抵抗率化、薄膜化に加えて、軽量性や柔軟性、更に表面の平滑性を高めたいという要望が強く、各種のアプローチがなされている。
柔軟性を高めるための技術的なアプローチとしては、二つに大別される。第一の方法は、従来の剛直な基板の見直しであり、ガラス基板に代えて柔軟性、且つ防湿性に優れた高分子樹脂フィルム基板を適用しようとするものである。第二の方法は、上記基板の変更に加え、透明電極材料自体も改良して、より高いフレキシビリティを確保しようとする試みである。
第一のアプローチにおいては、例えば、透明電極体として、厚さ0.1〜0.2mmの高分子樹脂フィルム上に、ITOをスパッタ法やイオンプレーティング法等の真空成膜法で成膜して透明導電性膜とした電極体が検討されている。その際、高分子樹脂フィルムとしては、真空成膜時の熱的損傷と機械的強度を考慮して、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)またはポリカーボネート(PC)等が使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
しかし、ガラス基板を用いる従来の成膜法では、基板温度を300〜400℃程度に設定することができ、結晶性の高いITO膜を形成できるのに対して、高分子樹脂フィルム基板を用いる場合には、耐熱性の点から成膜時の温度を高温に設定できないため、ITO膜の結晶性が低下する。その結果、光透過率と表面抵抗との両特性を満足した透明電極が得られていないのが実状である。更に、ITO膜自体は一種のセラミックスであり、しかも抵抗値の低い結晶性のITO膜は構造的に柱状であるため、曲げや伸びに追従することが困難であり、依然として高いフレキシビリティを確保できていない。
そこで、第二のアプローチとして、酸化インジウムや酸化錫よりなる導電性酸化物粒子を含む分散液を、支持体上に塗布し熱処理を行うことにより透明導電膜を形成する方法や、基材上に塗布した無機酸化物微粒子の表面を溶解し、その後、加熱処理により安定化させる成膜方法が開示されている(例えば、特許文献4、5参照)。
しかし、これらの方法は、いずれも透明導電膜形成時に加熱処理を必要とするため、高分子樹脂フィルム上に透明導電膜を形成する場合には適用できない。また、一般に市販されている透明導電性ペーストや透明導電性インクと呼ばれる材料も、高い導電性を得るためには塗膜形成後に加熱処理や焼結処理が必要であり、樹脂支持体への使用には適さないものである。
柔軟性に優れた透明電極材料として、π共役系高分子に代表される導電性高分子材料が挙げられる。導電性高分子材料を用いると適当な溶媒に溶解または分散し、必要に応じてバインダー成分を加えて塗布や印刷することによって透明電極体を形成することができる(例えば、特許文献6参照)。しかし、真空成膜法によるITO等の金属酸化物透明電極に較べると、導電性は低く、且つ透明性にも劣る。
また、カーボンナノチューブ(CNT)や金属ナノワイヤのような導電性繊維を用いる技術も開示されており、導電性繊維の一部を透明樹脂膜で基板に固定し、且つ導電性繊維の一部を透明樹脂膜表面に露出または突起させて透明電極を形成することが提案されている(例えば、特許文献7〜9参照)。しかし、このような構成の透明電極は、表面に導電性繊維が露出または突起していない部分には導電性がないため、面電極としての機能を有しておらず、また表面に導電性繊維が露出または突起しているため、電極表面の平滑性が求められる技術用途には適用できない。
特開平6−145964号公報 特開平8−64034号公報 特開平8−17267号公報 特許第3251066号公報 特開2006−245516号公報 特開平6−273964号公報 特開2005−255985号公報 特表2006−519712号公報 米国特許出願公開第2007/0074316A1号明細書 「透明導電膜の技術」第80頁(オーム社出版局)
以上のように、従来の各特許文献及び非特許文献に記載された技術では、いずれの方法でも各種特性を満足した透明電極を得るという課題を解決することができなかった。従って、本発明の目的は、高光透過率、低表面抵抗、軽量性、柔軟性の各特性を満足する透明電極を提供することにあり、更には表面抵抗の均一性と表面平滑性に優れた透明電極と該透明電極の製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、透明支持体上に導電性繊維を含む透明導電性層と導電性高分子を含む透明導電性層を平滑な面をもって積層することによって、高い導電性と透明性を有し、且つ表面抵抗の均一性と表面平滑性に優れた透明電極を実現できることを見出し、本発明に至った。また、透明支持体に透明樹脂フィルムを用いることにより、軽量性と柔軟性をも満足する透明電極を得ることもできる。即ち、本発明に係る上記課題は、以下の構成により解決される。
1.透明支持体上に互いに隣接する導電性繊維を含む導電性層(A層)と導電性高分子を含む導電性層(B層)を有し、且つA層が支持体に近い側に配置されており、且つA層に接するB層の第一表面の平滑性Ra(B)が、30nm以下であることを特徴とする透明電極。
2.前記透明支持体から遠い側のB層の第二表面の平滑性Ra(S)が、5nm以下であることを特徴とする前記1に記載の透明電極。
3.前記1または2に記載の透明電極を製造する透明電極の製造方法であって、離型性支持体の離型面側に導電性高分子を含む導電性層(B層)を形成した後、導電性繊維を含む導電性層(A層)を積層し、導電性高分子を含む導電性層(B層)と導電性繊維を含む導電性層(A層)の積層物を、透明支持体上に転写することを特徴とする透明電極の製造方法。
4.前記1または2に記載の透明電極を製造する透明電極の製造方法であって、離型性支持体の離型面上に導電性繊維を含む導電性層(A層)を形成し、該導電性繊維を含む導電性層(A層)を透明支持体上に形成した透明な樹脂を含むバインダー層に転写した後、導電性高分子を含む導電性層(B層)を積層することを特徴とする透明電極の製造方法。
本発明の上記構成によれば、高光透過率、低表面抵抗、軽量性、柔軟性といった特徴を有し、且つ表面抵抗の均一性と表面平滑性に優れた透明電極を得ることができ、その効果として、軽量性や柔軟性が求められるモバイルオプトエレクトロニクスデバイスや、表面抵抗の均一性や電極表面の平滑性が求められる電流駆動型オプトエレクトロニクスデバイスや、タッチパネルなどの技術用途にも適用可能な透明電極を提供できる。また、本発明の透明電極は、真空成膜を必要としないため、コストや環境適性にも優れた利点を備えている。
以下、本発明について詳述する。
本発明の透明電極は、互いに隣接する導電性繊維を含む導電性層(A層)と、導電性高分子を含む導電性層(B層)を有し、且つA層が支持体に近い側に配置されていることを特徴とする。この特徴は、前記構成1〜3に係る発明に共通する技術的特徴である。
以下、本発明の透明電極の各構成要素、及び本発明を実施するための最良の形態等について詳細な説明をする。
〔導電性繊維を含む導電性層(A層)〕
本発明で用いられる導電性繊維として、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバー、カーボンナノワイヤなどのカーボン系繊維状材料、金属ナノワイヤや金属ナノチューブ、金属ナノロッドなどの金属系繊維状材料、金属酸化物ナノワイヤや金属酸化物ナノワイヤ、金属酸化物ナノロッドなどの金属酸化物系繊維状材料、あるいは有機物繊維表面を金属や金属酸化物でコーティングした複合系繊維状材料などが挙げられる。
これらの導電性繊維の中でも、導電性の観点から、カーボンナノチューブや金属ナノワイヤを好ましく用いることができ、更にはコスト(原材料費、製造費)と性能(導電性、透明性、可撓性)の観点から、Agナノワイヤを最も好ましく用いることができる。カーボンナノチューブは、炭素によって作られる六員環ネットワーク(グラフェンシート)が、単層あるいは多層の同軸管状に構造化した物質で、その構造によって電気伝導率が変化することが知られている。
本発明においては、導電性に優れた単層カーボンナノチューブを用いることが好ましく、更には金属性(いわゆるアームチェア型)の単層カーボンナノチューブを用いることが好ましい。
単層カーボンナノチューブは、炭素ターゲットのレーザーアブレーションや炭化水素の分解、2つのグラファイト電極間でのアーク放電など色々な方法で作製でき、例えば、気体炭素原料と非担持触媒を使用する単層カーボンナノチューブの合成法が開示されている(例えば、米国特許第6,221,330号明細書参照)。また、金属性単層カーボンナノチューブの単離技術が報告されている。
金属ナノワイヤとしては、バルク状態での導電率が1×106S/m以上の金属元素を用いることが好ましい。本発明で好ましく用いることができる金属ナノワイヤの金属元素の具体例としては、Ag、Cu、Au、Al、Rh、Ir、Co、Zn、Ni、In、Fe、Pd、Pt、Sn、Ti等、及びそれらの合金を挙げることができる。本発明においては2種類以上の金属ナノワイヤを組み合わせて用いることもできるが、導電性の観点から、Ag、Cu、Au、Al、Coより選択される元素を用いることが好ましい。
金属ナノワイヤは、液相法や気相法などの色々な方法で作製できる。例えば、Agナノワイヤの製造方法としては、Adv.Mater.2002,14,833−837、及びChem.Mater.2002,14,4736−4745に、Auナノワイヤの製造方法としては、特開2006−233252号公報、Cuナノワイヤの製造方法としては、特開2002−266007号公報、Coナノワイヤの製造方法としては、特開2004−149871号公報を参考にできる。
特に、Adv.Mater.2002,14,833−837、及びChem.Mater.2002,14,4736−4745に報告されたAgナノワイヤの製造方法は、水系で簡便に、且つ大量にAgナノワイヤを製造することができ、また銀の導電率は金属中で最大であることから、本発明に係る金属ナノワイヤの製造方法として好ましく適用することができる。
本発明においては、水系にて製造した金属ナノワイヤを、必要に応じて疎水化処理することができる。例えば、金属ナノワイヤを疎水化処理する方法としては、特開2007−500606号公報などに記載の方法を参考にできる。
本発明においては、平均直径が0.3〜200nmの導電性繊維が好ましく使用される。特にカーボンナノチューブの場合には、平均直径が0.3〜100nm、金属ナノワイヤの場合には平均直径が30〜200nmであるものが好ましく用いられる。平均直径が200nmより小さい場合には、光散乱の影響を軽減でき透明性を高められるため好ましい。一方で、導電性を高めるためには平均直径が大きい方が好ましく、金属ナノワイヤの場合には、使用する金属における電子の平均自由行程以上の直径を有していることが好ましい。
本発明に係る導電性繊維を含む導電性層は、導電性繊維が互いに接触し合うことにより、三次元的な導電ネットワークが形成されて導電性を発現する。従って、導電性繊維が長い方が導電ネットワーク形成に有利であり好ましい。一方で、導電性繊維が長くなると、導電性繊維が絡み合って凝集体を生じ、光散乱を劣化させる場合がある。導電ネットワーク形成や凝集体生成には、導電性繊維の剛性や直径等も影響するため、使用する導電性繊維に応じて最適な平均アスペクト比(長さ/直径)のものを使用することが好ましい。大凡の目安として、平均アスペクト比は、10〜10,000であるものが好ましい。
本発明において、上記導電性繊維の平均直径及び平均アスペクト比は、十分な数のナノワイヤについて電子顕微鏡写真を撮影し、個々の導電性繊維像の計測値の算術平均から求めることができる。導電性繊維の長さは、本来は直線状に伸ばした状態で求めるべきであるが、現実には屈曲している場合が多いため、電子顕微鏡写真から画像解析装置を用いてナノワイヤの投影径及び投影面積を算出し、円柱体を仮定して算出する(長さ=投影面積/投影径)ものとする。計測対象のナノワイヤ数は、少なくとも100個以上が好ましく、300個以上のナノワイヤを計測するのが更に好ましい。
本発明に係る導電性繊維を含む導電性層は、導電性繊維の他に透明なバインダー材料や添加剤を含んでいてもよい。透明なバインダー材料としては、天然高分子樹脂または合成高分子樹脂から広く選択して使用することができる。例えば、透明な熱可塑性樹脂(例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリメチルメタクリレート、ニトロセルロース、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、弗化ビニリデン)や、熱、光、電子線、放射線等で硬化する透明硬化性樹脂(例えば、メラミンアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル変性シリケート等のシリコーン樹脂)を使用することができる。
導電性繊維を含む導電性層の厚さは、使用する導電性繊維の平均直径や含有量によって異なるが、大凡の目安として、導電性繊維の平均直径以上500nm以下が好ましい。本発明に係る導電性繊維を含む導電性層の厚さは、薄くすることにより厚さ方向の導電性繊維のネットワーク形成を密にすることができるため好ましい。
〔導電性高分子を含む導電性層(B層)〕
本発明で用いられる導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリチエニレンビニレン、ポリアズレン、ポリイソチアナフテン、ポリカルバゾール、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリフェニルアセチレン、ポリジアセチレン及びポリナフタレンの各誘導体からなる群より選ばれる化合物を挙げられる。
本発明に係る導電性高分子を含む導電性層は、1種類の導電性高分子を単独で含有してもよいし、2種類以上の導電性高分子を組み合わせて含有してもよいが、導電性及び透明性の観点から、下記一般式(I)または(II)で示される繰り返し単位を有するポリアニリンまたはその誘導体や、下記一般式(III)で示される繰り返し単位を有するポリピロール誘導体、または下記一般式(IV)で示される繰り返し単位を有するポリチオフェン誘導体からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことがより好ましい。
なお、上記一般式(III)及び一般式(IV)において、Rは主として線状有機置換基であり、アルキル基、アルコキシ基、アリル基またはこれらの基の組み合わせが好ましいが、更にこれらにスルホネート基、エステル基、アミド基などが、可溶性導電性高分子としての性質を損なわない範囲で結合、あるいは組み合わされてもよい。また、nは整数である。
本発明で用いられる導電性高分子には、導電性をより高めるためにドーピング処理を施すことができる。
導電性高分子に対するドーパントとしては、例えば、炭素数が6〜30の炭化水素基を有するスルホン酸(以下、長鎖スルホン酸ともいう)あるいはその重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸等)、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO4(M=Li+、Na+)、R4+(R=CH3、C49、C65)、またはR4+(R=CH3、C49、C65)からなる群から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。中でも、上記長鎖スルホン酸が好ましい。
長鎖スルホン酸としては、例えば、ジノニルナフタレンジスルホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸等が挙げられる。ハロゲンとしては、Cl2、Br2、I2、ICl3、IBr、IF5等が挙げられる。ルイス酸としては、PF5、AsF5、SbF5、BF3、BCl3、BBr3、SO3、GaCl3等が挙げられる。プロトン酸としては、HF、HCl、HNO3、H2SO4、HBF4、HClO4、FSO3H、ClSO3H、CF3SO3H等が挙げられる。
遷移金属ハロゲン化物としては、例えば、NbF5、TaF5、MoF5、WF5、RuF5、BiF5、TiCl4、ZrCl4、MoCl5、MoCl3、WCl5、FeCl3、TeCl4、SnCl4、SeCl4、FeBr3、SnI5等が挙げられる。遷移金属化合物としては、AgClO4、AgBF4、La(NO33、Sm(NO33等が挙げられる。アルカリ金属としては、Li、Na、K、Rb、Cs等が挙げられる。アルカリ土類金属としては、Be、Mg、Ca、Sc、Ba等が挙げられる。
また、導電性高分子に対するドーパントは、水素化フラーレン、水酸化フラーレン、スルホン酸化フラーレンなどのフラーレン類に導入されていてもよい。
本発明の透明電極において、上記ドーパントは、導電性高分子100質量部に対して0.001質量部以上含まれていることが好ましい。更には0.5質量部以上含まれていることがより好ましい。
なお、本実施形態の透明導電性組成物は、長鎖スルホン酸、長鎖スルホン酸の重合体(例えば、ポリスチレンスルホン酸)、ハロゲン、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン化物、遷移金属化合物、アルカリ金属、アルカリ土類金属、MClO4、R4+、及びR4+からなる群から選ばれる少なくとも1種のドーパントと、フラーレン類との双方を含んでいてもよい。
本発明に係る導電性高分子として、特表2001−511581号、特開2004−99640号、特開2007−165199号の各公報に開示される金属によって改質された導電性高分子を用いることもできる。
本発明係る導電性高分子を含む導電性層(B層)には、水溶性有機化合物を含有してもよい。水溶性有機化合物の中で、導電性高分子に添加することによって導電性を向上させる効果を有する化合物が知られており、2nd.ドーパント(あるいは増感剤)と称される場合がある。本発明で用いることができる2nd.ドーパントには特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、酸素含有化合物が好適に挙げられる。
前記酸素含有化合物としては、酸素を含有する限り特に制限はなく、例えば、水酸基含有化合物、カルボニル基含有化合物、エーテル基含有化合物、スルホキシド基含有化合物などが挙げられる。
前記水酸基含有化合物としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリンなどが挙げられ、これらの中でも、エチレングリコール、ジエチレングリコールが好ましい。前記カルボニル基含有化合物としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、シクロヘキサノン、γ−ブチロラクトンなどが挙げられる。前記エーテル基含有化合物としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。前記スルホキシド基含有化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよいが、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール、ジエチレングリコールから選ばれる少なくとも1種を用いることが特に好ましい。
本発明に係る導電性高分子を含む導電性層(B層)において、導電性高分子100質量部に対する上記2nd.ドーパントの含有量は0.001質量部以上が好ましく、0.01〜50質量部がより好ましく、0.01〜10質量部が特に好ましい。
本発明に係る導電性高分子を含む導電性層(B層)は、成膜性や膜強度を確保するために導電性高分子の他に透明な樹脂成分や添加剤を含んでいてもよい。透明な樹脂成分としては、導電性高分子と相溶または混合分散可能であれば特に制限されず、硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑性樹脂であってもよい。
例えば、硬化型樹脂として、熱硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、電子線硬化型樹脂などが挙げられるが、これらの硬化型樹脂のうちでは、樹脂硬化のための設備が簡易で作業性に優れることから、紫外線硬化型樹脂を用いることが好ましい。紫外線硬化型樹脂とは紫外線照射により架橋反応等を経て硬化する樹脂で、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマーを含む成分が好ましく用いられる。例えば、アクリルウレタン系樹脂、ポリエステルアクリレート系樹脂、エポキシアクリレート系樹脂、ポリオールアクリレート系樹脂等が挙げられる。本発明では、バインダーとしてアクリル系、アクリルウレタン系の紫外線硬化型樹脂を主成分とすることが好ましい。
アクリルウレタン系樹脂は、一般にポリエステルポリオールにイソシアネートモノマー、またはプレポリマーを反応させて得られた生成物にさらに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(以下、アクリレートにはメタクリレートを包含するものとしてアクリレートのみを表示する)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等の水酸基を有するアクリレート系のモノマーを反応させることによって容易に得ることができる。例えば、特開昭59−151110号に記載のものを用いることができる。例えば、ユニディック17−806(大日本インキ(株)製)100部とコロネートL(日本ポリウレタン(株)製)1部との混合物等が好ましく用いられる。
紫外線硬化型ポリエステルアクリレート系樹脂としては、一般にポリエステルポリオールに2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシアクリレート系のモノマーを反応させると容易に形成されるものを挙げることができ、特開昭59−151112号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型エポキシアクリレート系樹脂の具体例としては、エポキシアクリレートをオリゴマーとし、これに反応性希釈剤、光反応開始剤を添加し、反応させて生成するものを挙げることができ、特開平1−105738号に記載のものを用いることができる。
紫外線硬化型ポリオールアクリレート系樹脂の具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等を挙げることができる。
樹脂モノマーとしては、例えば、不飽和二重結合が一つのモノマーとして、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、酢酸ビニル、スチレン等の一般的なモノマーを挙げることができる。また不飽和二重結合を二つ以上持つモノマーとして、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ジビニルベンゼン、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、1,4−シクロヘキシルジメチルアジアクリレート、前出のトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリルエステル等を挙げることができる。
これらの中で、バインダーの主成分として、1,4−シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレートから選択されるアクリル系の活性線硬化樹脂が好ましい。
これら紫外線硬化型樹脂の光反応開始剤としては、具体的には、ベンゾイン及びその誘導体、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、α−アミロキシムエステル、チオキサントン等及びこれらの誘導体を挙げることができる。光増感剤と共に使用してもよい。上記光反応開始剤も光増感剤として使用できる。また、エポキシアクリレート系の光反応開始剤の使用の際、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等の増感剤を用いることができる。紫外線硬化型樹脂組成物に用いられる光反応開始剤また光増感剤は該組成物100質量部に対して0.1〜15質量部であり、好ましくは1〜10質量部である。
〔透明支持体〕
本発明で用いられる透明支持体には特に制限はなく、その材料、形状、構造、厚み等については公知のものの中から適宜選択することができる。例えば、基材としての硬度に優れ、またその表面への導電性層の形成のし易さ等の点で、ガラス基板、樹脂基板、樹脂フィルムなどが好適に挙げられるが、軽量性と柔軟性の観点から樹脂フィルムを用いることが好ましい。
該樹脂には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメタクリル酸メチル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリオレフィンポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリブタジエン樹脂、酢酸セルロース、硝酸セルロース、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合樹脂などが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、透明性及び可撓性に優れる点でポリエチレンテレフタレート樹脂が好ましい。
本発明に係る透明支持体を形成する透明樹脂には、目的に応じて可塑剤、酸化防止剤などの安定剤、界面活性剤、溶解促進剤、重合禁止剤、染料や顔料などの着色剤などの添加物を含んでいてもよい。更に係る透明樹脂には、塗布性などの作業性を高める観点から、溶媒(例えば、水、アルコール類、グリコール類、セロソルブ類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、炭化水素類等の有機溶媒)を含んでいてもよい。
〔離型性支持体〕
本発明の透明電極の製造方法で用いられる離型性支持体としては、樹脂基板や樹脂フィルムなどが好適に挙げられる。該樹脂には特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの合成樹脂の単層あるいは複数層からなる基板やフィルムが好適に用いられる。更にガラス基板や紙類を用いることもできる。
また、離型性支持体の表面(離型面)には、必要に応じてシリコーン樹脂やフッ素樹脂、ワックスなどの離型剤を塗布して表面処理を施してもよい。
〔透明電極〕
本発明の透明電極は、透明支持体上に互いに隣接する導電性繊維を含む導電性層(A層)と導電性高分子を含む導電性層(B層)を有し、且つA層が支持体に近い側に配置されており、且つA層に接するB層の第一表面の平滑性Ra(B)が30nm以下であることを特徴とする。更には、A層に接するB層の第一表面の平滑性Ra(B)が10nm以下であることが好ましく、Ra(B)が5nm以下であることが特に好ましい。
また、本発明の透明電極においては、支持体から遠い側のB層の第二表面の平滑性Ra(S)が、5nm以下であることが好ましく、Ra(S)が3nm以下であることより好ましく、Ra(S)が1nm以下であることが更に好ましい。
ここで、平滑性Ra(B)及びRa(S)は、算術平均粗さ(平均線からの絶対値偏差の平均値)を意味し、値が小さいほど平滑性に優れる。Ra(B)及びRa(S)は、直接測定できる場合には、市販の表面粗さ計などを用いて測定して求めることができる。あるいは、ミクロトームで透明電極に垂直な断面切片を作製し、10切片以上の電子顕微鏡写真を撮影して画像処理装置などを用いて、Ra(B):B層がA層に接するB層表面(第一表面)の粗さ曲線、Ra(S):B層の支持体から遠い側のB層表面(第二表面)の粗さ曲線を計測し、算術平均粗さを計算して求めることもできる。
本発明の透明電極には、必要に応じて、ハードコート層やノングレアコート層、バリアコート層、アンカーコート層、キャリア輸送層、キャリア蓄積層などの各種機能性層を付与することもできる。
ハードコート層やノングレアコート層を付与する場合には、透明支持体を挟み本発明に係る導電性層とは反対側に配置させることが好ましく、バリアコート層を付与する場合には、透明支持体と本発明に係る導電性層の間に配置させることが好ましく、アンカーコート層やキャリア輸送層、キャリア蓄積層を付与する場合には、透明支持体に対して本発明に係る導電性層と同じ側に配置させることが好ましい。
本発明の透明電極の厚みには特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一般的に10μm以下であることが好ましく、厚みが薄くなるほど支持体との密着性や透明性が向上するためより好ましい。
本発明の透明電極における全光線透過率は60%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましく、80%以上であることが特に好ましい。全光透過率は、分光光度計等を用いた従来公知の方法に従って測定することができる。
また、本発明の透明電極における電気抵抗値としては、表面抵抗率として104Ω/□以下であることが好ましく、103Ω/□以下であることがより好ましく、102Ω/□以下であることが特に好ましい。104Ω/□を越えると、液晶ディスプレイ、透明タッチパネル等の透明電極や電磁波シールド材として用いたときに、電極として十分に機能しないこと、あるいは十分な電磁波シールド特性が得られない場合がある。前記表面抵抗率は、例えば、JIS K7194、ASTM D257に準拠して測定することができ、また市販の表面抵抗率計を用いて簡便に測定することができる。
〔製造方法〕
本発明の透明電極の製造方法において、導電性層の形成方法としては特に制限はないが、生産性と生産コスト、平滑性や均一性などの電極品質、環境負荷軽減の観点から、塗布法や印刷法などの液相成膜法を用いることが好ましい。
塗布法としては、例えば、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法などを用いることができる。印刷法としては、凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法などを用いることができる。
また、本発明の特徴を有する透明電極を透明支持体上にパターン形成して、透明配線や透明回路を形成することもできる。なお、必要に応じて密着性・塗工性を向上させるための予備処理として、透明支持体表面にコロナ放電処理、プラズマ放電処理などの物理的表面処理を施すこともできる。
透明支持体上に互いに隣接する導電性繊維を含む導電性層(A層)と導電性高分子を含む導電性層(B層)を有し、且つA層が支持体に近い側に配置された構成を有する本発明の透明電極は、以下のような本発明の透明電極の製造方法の一例に従って製造する。
(1)離型性支持体の離型面上に、導電性高分子を含む塗工液を塗布・乾燥してB層を形成する。次いで、B層の上に導電性繊維を揮発性の液に均一に分散した塗工液を塗布・乾燥してA層を形成する。更にアンカーコート層を形成する。これらの積層体を透明支持体に接着し、離型性支持体を剥離することによって積層体を透明支持体に転写する。
(2)離型性支持体の離型面上に、導電性高分子を含む塗工液を塗布・乾燥してB層を形成する。次いで、B層の上に導電性繊維を揮発性の液に均一に分散した塗工液を塗布し乾燥する。続いて、前記透明なバインダー材料を含有する溶液を塗布・乾燥して、導電性繊維とバインダー材料を含むA層を形成する。更にアンカーコート層を形成する。これらの積層体を透明支持体に接着し、離型性支持体を剥離することによって積層体を透明支持体に転写する。
(3)離型性支持体の離型面上に、導電性高分子を含む塗工液を塗布・乾燥してB層を形成する。次いで、B層の上に前記透明なバインダー材料を含有する溶液に導電性繊維を均一に分散した塗工液を塗布・乾燥してA層を形成する。更にアンカーコート層を形成する。これらの積層体を透明支持体に接着し、離型性支持体を剥離することによって積層体を透明支持体に転写する。
(4)離型性支持体の離型面上に、導電性繊維を揮発性の液に均一に分散した塗工液を塗布・乾燥してA層を形成する。透明支持体上に、透明なエネルギー線(紫外光や電子線)硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を含有する溶液を塗布・乾燥し、バインダー層を形成する。離型性支持体状に形成したA層をバインダー層に圧着し、エネルギー線や熱を付与してバインダーを硬化させた後、離型性支持体を剥離することにより、透明支持体上のバインダー層表面部分にA層が固定化された導電性層を形成する。更に、該導電性層上に導電性高分子を含む塗工液を塗布・乾燥してB層を形成する。
上記(1)〜(2)及び(4)の方法においては、導電性繊維を揮発性の液に均一に分散した塗工液を塗布・乾燥した後、カレンダー処理を施し導電性繊維間の密着性を高めることは、A層の導電性を向上させる方法として有効である。
また、(1)〜(3)の方法においては、A層の上に形成した機能性層(上記製造方法例では、アンカーコート層)の一部が導電性繊維を含有してA層の一部を形成する場合がある。
上記いずれの方法においても、B層を形成する離型性支持体の離型面は、予めコロナ放電(プラズマ)などにより親水化処理していてもよいし、B層を形成する塗工液には前記透明な樹脂成分を含んでいてもよい。また、アンカーコート層は透明支持体側に形成されていてもよい。また、積層体を転写する側の透明支持体上にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、積層体を転写する反対側の透明支持体上にはハードコート層が予め形成されていてもよい。また、B層の上にキャリア輸送層やキャリア蓄積層等の機能性層を形成する場合には、透明電極製造後に形成してもよいし、B層形成前に離型性支持体の離型面上に予め形成しておいてもよい。
(4)の方法においては、A層を形成する離型性支持体の離型面は、予めコロナ放電(プラズマ)などにより親水化処理していてもよいし、A層を形成する塗液には前記透明な樹脂成分を含んでいてもよい。また、バインダー層を形成する側の透明支持体上にはバリアコート層が予め形成されていてもよいし、バインダー層を形成する反対側の透明支持体上にはハードコード層が予め形成されていてもよい。また、B層の上にキャリア輸送層やキャリア蓄積層等の機能性層を形成する場合には、透明電極製造後に形成してもよい。
上記のように、B層を塗布形成した後にA層を積層する製造方法によれば、塗液のレベリングによってB層の表面を容易に平滑化できるため、B層がA層に接する界面に優れた平滑性を付与することが可能となる。また、B層を形成する基板の表面(上記製造方法例では離型性支持体の離型面)を平滑に保つことによって、B層の支持体から遠い側の表面の平滑性を制御することが可能であり、本発明においては、B層を形成する基板の表面の算術平均粗さが5nm以下であることが好ましく、3nm以下であることがより好ましく、1nm以下であることが更に好ましい。
(4)の方法のように、離型性支持体上にA層を塗布形成した後にバインダー層に転写し表面部分に固定化する方法によれば、A層を含むバインダー層表面を平滑化できるため、B層がA層に接する界面に優れた平滑性を付与することが可能となる。また、B層の表面は塗液のレベリングによって平滑化できるため、B層の支持体から遠い側の表面の平滑性を容易に制御することが可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。また、A層とB層は、それぞれ請求の範囲で規定する構成に従う。
(導電性繊維及び導電性高分子)
本実施例では、導電性繊維としてAgナノワイヤ、導電性高分子として3,4−エチレンジオキシチオフェン(以下、PEDOTと略記する)/ポリスチレンスルホン酸(以下、PSSと略記する)を用いた。以下の実施例で用いたAgナノワイヤ分散液は、次のようにして準備した。
Adv.Mater.2002,14,833−837に記載の方法を参考に、平均直径75nm、平均長さ6.2μmのAgナノワイヤを作製し、フィルターを用いてAgナノワイヤを濾別、且つ水洗処理した後、エタノール中に再分散してAgナノワイヤ分散液(Agナノワイヤ含有量5質量%)を調製した。また、PEDOT/PSSは、BaytronRPH500(H.C.Starck社製)を使用した。また、いずれの実施例においても、塗布はスピンコーターを用いて行った。
実施例1
《透明電極の作製》
〔透明電極TC−10の作製〕
前述の本発明の製造方法(3)に従い、透明電極TC−10を作製した。
コロナ放電処理を施した離型性支持体の離型面上に、乾燥後の膜厚が150nmとなるようにPEDOT/PSSとジメチルスルホキシド(以下、DMSOと略記する)を含む溶液を均一に塗布・乾燥してB層を形成した。次いで、メチルイソブチルケトンにウレタンアクリレートと上記Agナノワイヤ分散液を加え均一に分散した溶液を塗布・乾燥してA層を形成した。なお、乾燥後のウレタンアクリレート膜厚が150nmでAgナノワイヤの目付け量が0.3g/m2となるように、ウレタンアクリレートとAgナノワイヤ分散液の添加量を調整した。更にA層の上にアンカーコート層を形成した。これらの積層体を全光透過率90%のポリエチレンテレフタレート(以下、PETと略記する)支持体に接着した後、離型性支持体を剥離することによって積層体をポリエチレンナフタレート(以下、PENと略記する)透明支持体に転写し、本発明の透明電極TC−10を作製した。
〔透明電極TC−11の作製〕
上記透明電極TC−10の作製方法において、B層の膜厚を300nmに変更した以外は透明電極TC−10と同様にして、本発明の透明電極TC−11を作製した。
〔透明電極TC−12の作製〕
上記透明電極TC−10の作製方法において、乾燥後のウレタンアクリレート膜厚が200nmになるように、ウレタンアクリレートの添加量を調整してA層を形成した以外は透明電極TC−10と同様にして、本発明の透明電極TC−12を作製した。
〔透明電極TC−13の作製〕
上記透明電極TC−10の作製方法において、B層の膜厚を300nmに変更し、且つ乾燥後のウレタンアクリレート膜厚が200nmになるように、ウレタンアクリレートの添加量を調整してA層を形成した以外は透明電極TC−10と同様にして、本発明の透明電極TC−13を作製した。
〔透明電極TC−14の作製〕
PET支持体上に、透明電極TC−10と同様にしてA層を形成し、続いて透明電極TC−10と同様にしてB層を形成し、比較の透明電極TC−14を作製した。
〔透明電極TC−15の作製〕
PET支持体上に、透明電極TC−11と同様にしてA層を形成し、続いて透明電極TC−11と同様にしてB層を形成し、比較の透明電極TC−15を作製した。
〔透明電極TC−16の作製〕
PET支持体上に、透明電極TC−12と同様にしてA層を形成し、続いて透明電極TC−12と同様にしてB層を形成し、比較の透明電極TC−16を作製した。
〔透明電極TC−17の作製〕
PET支持体上に、透明電極TC−13と同様にしてA層を形成し、続いて透明電極TC−13と同様にしてB層を形成し、比較の透明電極TC−17を作製した。
〔透明電極TC−18の作製〕
PET支持体上に、透明電極TC−10と同様にしてA層を形成し、比較の透明電極TC−18を作製した。
〔透明電極TC−19の作製〕
PET支持体上に、透明電極TC−10と同様にしてB層を形成し、比較の透明電極TC−19を作製した。
《評価》
上記のように作製した各透明電極の全光透過率Tを測定した。また、透明電極表面を10×10のエリアに区分けして、合計100箇所の表面抵抗を測定し、表面抵抗の平均値SR(a)と、標準偏差SR(σ)を求めた。更に、透明電極TC−10〜17については、前述の方法でB層がA層に接する界面の粗さ曲線を計測して、B層がA層に接するB層の表面の平滑性Ra(B)を求めた。得られた結果を表1に示す。
表1の結果において、透明電極TC−18(A層構成)と透明電極TC−19(B層構成)を比較するとA層が導電性に優れており、2つの層を積層した場合にはA層(換言するとAgナノワイヤ)が主たる導電体として機能することが判る。
同様に、表1の結果において、透明電極TC−10〜17を比較すると、比較の透明電極に対して、本発明の透明電極は、全光透過率が同等で、表面抵抗の平均値(SR(a))が改良され、表面抵抗の標準偏差(SR(σ))が大幅に改善されていることが分かる。上記、B層表面の平滑性Ra(B)を測定した時の透明電極の断面観察において、比較の透明電極ではA層のAgナノワイヤがB層にはみ出しているのに対して、本発明の透明電極では、A層のAgナノワイヤがB層との界面に接しながらはみ出すことなく、界面近傍に多く存在していることが確認された。
従って、本発明の透明電極における表面抵抗の平均値の改良は、A層のAgナノワイヤの多くがB層と接触していることにより、A層とB層間における導電性が向上することによってもたらされ、また非常に優れた表面抵抗の均一性は、主たる導電体として機能するAgナノワイヤと透明電極表面の距離が一定に保たれている、即ち、Ra(B)の値が小さいという本発明の特徴によってもたらされると考えられる。
実施例2
《透明電極の作製》
〔透明電極TC−20の作製〕
前述の本発明の製造方法(3)に従い、透明電極TC−20を作製した。コロナ放電処理を施した離型性支持体の離型面上に、乾燥後の膜厚が200nmとなるようにPEDOT/PSSとDMSOを含む溶液を均一に塗布・乾燥してB層を形成した。次いで、Agナノワイヤ分散液を目付け量が0.3g/m2となるように塗布・乾燥した。
続いて、乾燥後の膜厚が400nmとなるようにウレタンアクリレートのメチルイソブチルケトン溶液を塗布・乾燥し、Agナノワイヤ層を部分被覆してA層を形成した。更にA層の上にアンカーコート層を形成した。これらの積層体を実施例1でも用いたPET透明支持体に接着した後、離型性支持体を剥離することによって積層体を転写し、本発明の透明電極TC−20を作製した。
〔透明電極TC−21の作製〕
前述の本発明の製造方法(3)に従い、透明電極TC−21を作製した。コロナ放電処理を施した離型性支持体の離型面上に、乾燥後の膜厚が200nmとなるようにPEDOT/PSSとDMSOを含む溶液を均一に塗布・乾燥してB層を形成した。続いて、表面に微細な凹凸を有するローラーを用いて、B層表面全体にテクスチャー構造を形成した。次いで、テクスチャー構造を付与したB層上に、Agナノワイヤ分散液を目付け量が0.3g/m2となるように塗布・乾燥した。
続いて、乾燥後の膜厚が400nmとなるようにウレタンアクリレートのメチルイソブチルケトン溶液を塗布・乾燥し、Agナノワイヤ層を部分被覆してA層を形成した。更にA層の上にアンカーコート層を形成した。これらの積層体を実施例1でも用いたPET透明支持体に接着した後、離型性支持体を剥離することによって積層体を転写し、本発明の透明電極TC−21を作製した。
〔透明電極TC−22〜24の作製〕
上記透明電極TC−21の作製方法において、B層表面にテクスチャー構造を形成する際のローラーの種類を各々変えた(凹凸のPeak to Valleyが異なる)以外は透明電極TC−21と同様にして、透明電極TC−22〜24を作製した。
《評価》
上記のように作製した各透明電極の垂直な断面を観察して、B層がA層に接するB層表面の平滑性Ra(B)を求めた。また、実施例1と同様の方法で表面抵抗の平均値:SR(a)と標準偏差:SR(σ)を測定し、表面抵抗のバラツキの指標として表面抵抗分布:D(SR)=SR(σ)/SR(a)を×100[%]求めた。得られた結果を表2に示す。
表2の結果において、B層表面の平滑性(Ra(B))の劣化に伴い、表面抵抗の標準偏差(SR(σ))も大きくなる傾向が認められるが、Ra(B)≦30nmである本発明の透明電極TC−20〜23においては、表面抵抗分布(D(SR))が3%以下に抑えられている。一方、Ra(B)>30nmの比較の透明電極TC−24では表面抵抗分布が急激に劣化しており、表面抵抗のバラツキを小さくするためには、Ra(B)を30nm以下にすることが有効であることが判る。
実施例3
《透明電極の作製》
〔透明電極TC−30の作製〕
前述の本発明の製造方法(3)に従い、透明電極TC−30を作製した。離型面の算術平均粗さが1nm以下の高平滑性離型性支持体上に、乾燥後の膜厚が100nmとなるようにPEDOT/PSSとDMSOを含む溶液を均一に塗布・乾燥してB層を形成した。次いで、Agナノワイヤ分散液を目付け量が0.3g/m2となるように塗布・乾燥しAgナノワイヤ層を形成した。
続いて、乾燥後の膜厚が300nmとなるようにウレタンアクリレートのメチルイソブチルケトン溶液を塗布・乾燥し、Agナノワイヤ層を被覆してA層を形成した。更にA層の上にアンカーコート層を形成した。これらの積層体を実施例1でも用いたPET透明支持体に接着した後、離型性支持体を剥離することによって積層体を転写し、本発明の透明電極TC−30を作製した。
〔透明電極TC−31の作製〕
上記透明電極TC−30の作製方法において、Agナノワイヤ分散液を塗布・乾燥した後、ウレタンアクリレート溶液の塗布前に、Agナノワイヤ層にカレンダー処理を施した以外は透明電極TC−30と同様にして、本発明の透明電極TC−31を作製した。
〔透明電極TC−32の作製〕
上記透明電極TC−31の作製方法において、離型面の算術平均粗さが約2nmの高平滑性離型性支持体を用いた以外は透明電極TC−31と同様にして、本発明の透明電極TC−32を作製した。
〔透明電極TC−33の作製〕
上記透明電極TC−31の作製方法において、離型面の算術平均粗さが約4nmの高平滑性離型性支持体を用いた以外は透明電極TC−31と同様にして、本発明の透明電極TC−33を作製した。
〔透明電極TC−34の作製〕
上記透明電極TC−31の作製方法において、離型面の算術平均粗さが約6nmの高平滑性離型性支持体を用いた以外は透明電極TC−31と同様にして、本発明の透明電極TC−34を作製した。
《評価》
上記のように作製した各透明電極において、表面抵抗の平均値:SR(a)を実施例1と同様の方法で測定した。また、各透明電極表面(即ち、B層の支持体から遠い側の表面)の平滑性:Ra(S)を測定した。得られた結果を表3に示す。
表3の結果において、透明電極TC−31は透明電極TC−30から、表面抵抗の平均値(SR(a))が明確に改良されている。これはAgナノワイヤ層形成後にカレンダー処理を施すことによって、Agナノワイヤ同士の密着性が高まり、Agナノワイヤ間の導電性が向上したと同時に、B層とAgナノワイヤの密着性も高まり、B層とAgナノワイヤ間の導電性も併せて向上したためと考えられる。また、表3における各透明電極の表面の平滑性(Ra(S))は、各透明電極作製時に使用した離型性支持体の表面粗さを反映している。即ち、本発明の透明電極の製造方法によれば、本発明に係る透明電極の表面粗さを任意に制御することが可能である。
特に、有機発光デバイスのような電極間隔が狭いオプトエレクトロニクスデバイスに本発明の透明電極を適用すれば、その優れた透明電極表面の平滑性により、対極との短絡や電界の集中を防止することができる。更にその優れた表面抵抗の均一性により、有機発光デバイスの面内発光強度を均一にすることが可能となる。本発明の透明電極が有する高透明性、高導電性、優れた表面抵抗の均一性は、電流駆動型のオプトエレクトロニクスデバイスに広く有用である。
また、透明電極の支持体に透明樹脂フィルムを用いることにより、軽量性や柔軟性が求められるモバイルオプトエレクトロニクスデバイスにも好ましく適用できる。更に本発明の透明電極、及び本発明の透明電極の製造方法は、真空成膜を必要としないため製造コストや環境適性にも優れる。
実施例4
〔透明電極TC−40の作製〕
前述の本発明の製造方法(4)の方法に従い、透明電極を作製した。
コロナ放電処理を施した離型性支持体の離型面上に、前記Agナノワイヤ分散液を均一に分散した溶液を塗布・乾燥してA層を形成した。Agナノワイヤの目付け量が0.3g/m2となるように、Agナノワイヤ分散液の添加量を調整した。次いで、コロナ放電処理を施した全光透過率90%のポリエチレンテレフタレート(PET)支持体に、UV光硬化性樹脂と溶媒を含む溶液を塗布・乾燥してバインダー層を形成した後、上記離型性支持体上に形成したA層をバインダー層に圧着し、その状態を保持したままでUV光を照射してバインダー層を硬化した。その後、離型性支持体を剥離して、透明支持体上のバインダー層表面部分にA層が固定化された導電層を形成した。更に、該導電層上に乾燥後の膜厚が150nmとなるようにPEDOT/PSSとDMSOを含む溶液を均一に塗布・乾燥してB層を積層し、本発明の透明電極TC−40を作製した。
上記のように作製した透明電極TC−40の全光透過率T、表面抵抗の平均値SR(a)と標準偏差SR(σ)、B層がA層に接するB層表面の平滑性Ra(B)を実施例1と同様の方法で測定した。その結果、本発明の製造方法(4)で作製された本発明の透明電極TC−40は、実施例1に示した本発明の製造方法(3)で作製された本発明の透明電極TC−10と同等の性能と特性を有することが確認された。

Claims (4)

  1. 透明支持体上に互いに隣接する導電性繊維を含む導電性層(A層)と導電性高分子を含む導電性層(B層)を有し、且つA層が支持体に近い側に配置されており、且つA層に接するB層の第一表面の平滑性Ra(B)が、30nm以下であることを特徴とする透明電極。
  2. 前記透明支持体から遠い側のB層の第二表面の平滑性Ra(S)が、5nm以下であることを特徴とする請求の範囲第1項に記載の透明電極。
  3. 請求の範囲第1項または第2項に記載の透明電極を製造する透明電極の製造方法であって、離型性支持体の離型面側に導電性高分子を含む導電性層(B層)を形成した後、導電性繊維を含む導電性層(A層)を積層し、導電性高分子を含む導電性層(B層)と導電性繊維を含む導電性層(A層)の積層物を、透明支持体上に転写することを特徴とする透明電極の製造方法。
  4. 請求の範囲第1項または第2項に記載の透明電極を製造する透明電極の製造方法であって、離型性支持体の離型面上に導電性繊維を含む導電性層(A層)を形成し、該導電性繊維を含む導電性層(A層)を透明支持体上に形成した透明な樹脂を含むバインダー層に転写した後、導電性高分子を含む導電性層(B層)を積層することを特徴とする透明電極の製造方法。
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