JPWO2009057548A1 - 電子決済方法並びに電子決済装置 - Google Patents

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Abstract

電子決済装置により、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む方法であって、第2の口座が、名義人を特定できる特定口座であるかどうかを検査する第1のステップ(S54)と、第2の口座が特定口座であることが認識されると、振込先が特定口座であることを識別できる形で振込の履歴情報を、第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する第2のステップ(S54)とを有する。

Description

本発明は、金銭的価値を、所定の属性を有する口座との間で電子的に決済処理を行う方法と装置に関する。
近年、個人の取引きでも、支払いを電子決済によって行うことが増えてきた。貨幣として使用可能な額面を電子的な形でICメモリカード等に記憶した電子マネーや、銀行口座から直接支払われるクレジットカードやデビッドカードなど、種々の電子決済が行われている(例えば、特許文献1参照)。
図14に、従来の電子マネーを記憶したメモリカードとその処理装置とからなるシステム構成を示す。ICカード111は、ユーザの認証データや電子マネーの残額等のデータを暗号化して入出力するための暗号化処理部112と、電子マネーの額面(バリュー)を残額データ113aとして記憶するメモリ113とを有する。ICカード111は一般小売店等に設置された処理装置116により、記憶するデータが読み取られ、必要に応じて更新される。
ユーザが電子マネーを用いて支払を行なう際の処理は以下のとおりである。
電子マネーの処理装置116は、ICカード111が挿入されると、認証情報を読み出し、ICカード111のユーザ及び電子マネー情報が正当なものであるか否かの認証を行なう。この認証はネットワークを介して認証機関にある認証装置により行なわれる。認証の結果が正当であると認められると、処理装置116はICカード111に記憶されたバリューのうち支払額に相当するバリューを処理装置116に移動する。この際、ICカード111の残額データ(バリュー)113aの値が更新(減額)される。
その後、例えばクレジットカード会社等の決済機関にある決済装置は、処理装置116から決済情報を受け、電子マネーによる支払の発生に対して金融機関の処理装置と協働して支払決済処理を行なう。
また、特許文献2には電子的に金額データが記録されたカードを用いた決済方法が開示されている。また、ネットワーク販売などでは、購入者自身が自分の口座から販売主の口座に代金を振り込むという形の電子決済も増えてきている。
特開平10−124604号公報 特開平3−191497号公報
従来の電子決済では、単に個々の取引において現金を使用することなくこれを電子的に行うことで、個別の取引を便利にする程度の効果にとどまっており、これらが社会インフラとなったときのマクロ的な経済効果を引き出すような提案はなされていなかった。
景気低迷など将来不安を抱える社会情勢においては、個人の心理は保有する金銭の消費よりも貯蓄に興味を示し、一般消費者は消費を抑えてできるだけ多く貯蓄しようと考えるであろう。
このように消費性向が低迷していると、国の財政破綻を救済するために消費税を上げようとすると不況を深刻化する可能性が高く、財政の建て直しのための有効な手段が打てないことになる。景気を調整する手段として税制が大きな役割を果たすことは一般的に知られている。しかし現状では、低迷している消費性向を、消費税アップや環境税の導入などを可能にするほどに高め得る有効な税制は提案できていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、新規な電子決済により、消費性向を飛躍的に高めるような税制の導入を可能とし、利便性を高めながら消費刺激効果が期待できる電子的決済方法およびその装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、口座の名義人が確実に特定できる口座に「特定口座」としての属性を与え、この口座への振込を信憑性のある支出とする。これにより、収入と信憑性のある支出を確実に捕捉する。そのために特定口座への振込に対しては、振込先が特定口座であることを示す情報を含めて振込の履歴を電子的に記録し、必要に応じこれらを集計することができる。
本発明に係る第1の電子決済方法は、電子決済装置により、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む方法であって、第2の口座が、名義人を特定できる特定口座であるかどうかを検査する第1のステップと、第2の口座が特定口座であることが認識されると、振込先が特定口座であることを識別できる形で上記振込の履歴情報を、第1の口座に関連付けて所定の記憶手段に電子的に記録する第2のステップとを有してなる。
上記振込の履歴情報は、上記第2の口座の名義人の識別情報を含んでもよい。
本発明に係る第2の電子決済方法は、電子決済装置により、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む方法であって、第1の口座が、名義人を特定できるとともに電子的に送信される電子領収書を受信する機能を有するような特定口座であるかどうかを検査する第1のステップと、第1の口座が特定口座のときには第2の口座から第1の口座に電子領収書を送信する第2のステップと、第2の口座から送信される電子領収書を受信して、受信した電子領収書を第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する第3のステップとを有してなる。
本発明に係る第1の電子決済装置は、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、第2の口座が、口座の名義人を特定できる特定口座であるか否かを検査し、第2の口座が、口座の名義人を特定できる特定口座のときには、振込先が特定口座であることを識別できる形で、振込の履歴情報を、第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する処理手段を備える。
振込の履歴情報は、第2の口座の名義人の識別情報を含んでもよい。
処理手段は、第1の口座の、所定の期間内の入金の総額と、所定の属性を有する口座への振込の総額とを集計する機能を有してもよい。
本発明に係る第2の電子決済装置は、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、第1の口座が、電子的に発行される電子領収書を受け取ることが可能な特定口座かどうかを検査し、特定口座の場合には第2の口座から第1の口座に対して、電子的に振り込まれた額に応じた電子領収書を送信する処理手段を備える。
本発明に係る第3の電子決済装置は、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、第1の口座が、電子的に発行される電子領収書を第2の口座から受信したときには、この電子領収書の情報を、第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する処理手段を備える。
処理手段は、第1の口座の、所定の期間内の入金の総額と、受信した電子領収書の総額とを集計する機能を有してもよい。
本発明に係る第3の電子決済方法は、電子決済装置により、所定の預金口座と所定の金融機関との間で電子的に決済を行う方法である。その電子決済方法は、所定期間内に上記所定の預金口座へ入金された金額の総額を計算するステップと、所定期間内に所定の預金口座から、所定の預金口座の名義人とは異なる名義人の預金口座へ振り込まれた振込額の総額を計算するステップと、振込額の総額またはその一部に1未満の第1の比率を乗じた第1の金額を計算するステップと、入金の総額から振込額の総額を減じた金額に1未満の第2の比率を乗じた第2の金額を計算するステップと、第1の金額と第2の金額の合計額を所定の金融機関に振り込むための処理を実行するステップとを有する。
第1の金額を計算するステップは、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に上記第1の比率を乗じて計算してもよい。
または、第1の金額を計算するステップは、振込額の総額またはその一部に第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。その際、第1の金額を計算するステップは、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に、前記第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。
また、所定の控除額に第3の比率を乗じた金額を、所定の金融機関から所定の預金口座へ振り込む処理、及び、所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額と、所定の預金口座から前記所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行うステップをさらに有してもよい。
振込額の総額を計算するステップは、振込先がクレジットカード会社の口座の場合は、クレジットカード会社からの振り込み先が所定の条件を満たす場合のみを上記総額に含めてもよい。
本発明に係る第4の電子決済装置は、所定の預金口座と所定の金融機関との間で電子的に決済を行う装置であって、
所定期間内に所定の預金口座へ入金された金額の総額を計算する手段と、
所定期間内に所定の預金口座から、所定の預金口座の名義人とは異なる名義人の預金口座へ振り込まれた振込額の総額を計算する手段と、
振込額の総額またはその一部に1未満の第1の比率を乗じた第1の金額を計算する手段と、
入金の総額から振込額の総額を減じた金額に1未満の第2の比率を乗じた第2の金額を計算する手段と、
第1の金額と第2の金額の合計額を所定の金融機関に振り込むための処理を実行する手段とを備える。
第1の金額を計算する手段は、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に第1の比率を乗じて計算してもよい。
または、第1の金額を計算する手段は、振込額の総額またはその一部に第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。
または、第1の金額を計算する手段は、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に、第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。その際、第4の電子決済装置は、所定の控除額に第3の比率を乗じた金額を、所定の金融機関から所定の預金口座へ振り込む処理、及び、所定の控除額に第3の比率を乗じた金額と、所定の預金口座から所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行う手段をさらに有してもよい。
また、振込額の総額を計算する手段は、振込先がクレジットカード会社の口座の場合は、クレジットカード会社からの振り込み先が所定の条件を満たす場合のみ上記総額に含めてもよい。
本発明によれば、所定の口座から名義人を特定できる所定の属性を有する口座に振り込むとき、振込先が所定の属性であることを識別できる形で電子的に記録することにより、所定期間内に所定の属性を有する口座に振り込んだ金額の増額が捕捉できることになる。こうすることで、特定の属性を有する口座に対する払い込みを課税対象の所得から控除するような処理が可能になる。そうすれば積極的に消費しようとすると考えられ、故に、本発明により、個人消費が誘導されて需要の増大が図れる。
以下添付の図面を参照して、本発明に係る電子決済方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
1. システム構成
本発明に係る電子決済システムに用いる処理装置は、電子決済によって支払先の口座に振り込むとき、振込先の名義人が確実に特定できる口座である「特定口座」の場合には、振込先が特定口座であることを示す情報を含めて振込の履歴を、振込元の口座に関連して記録する。振込先の口座が振込元の口座に電子領収書を発行し、その情報を記録するようにしてもよい。こうすれば、電子決済による支出のうち、確実に消費とみなせるものを正確に捕捉できることになる。正確に捕捉した消費の少なくとも一部を課税所得から控除すれば、消費性向を押し上げ、経済を活性化することが期待できる。
図1、図2A及び図2Bを用いて本発明の電子決済システムの構成を説明する。なお、以下の説明では、「特定口座」とは、その口座の名義人が確実に特定できている口座である。口座の名義人の本人確認ができた場合にのみ特定口座として登録される。例えば、本人確認は、登録住所に確認用の郵便物を郵送して確認する手段や、免許証や保険証の提示など、従来から行われきた手段を用いることができる。また、特定口座は、電子領収書を授受する機能を有した口座であってもよい。この場合にも、電子領収書を発行するために、名義人が確実に特定できていなければならないのはもちろんである。また、ここで言う「口座」とは、金融機関の預金口座だけではなく、ICカードを用いて電子決済する場合も、このICカードの所有者を特定できる場合にはこのICカードも広い意味での口座であり、このICカード単独でも特定口座として登録することができる。この場合には、ICカードの発行会社が特定口座として管理することになり、名義人はカードの所有者である。
図1において、電子決済システムは、ICカード1を処理可能な金融機関カード端末10と小売店カード端末15を含む。ICカード1は、カード端末10、15と情報の授受を行う入出力部2と、情報を記憶する記憶部3とを有する。
入出力部2はカード端末10、15や記憶部3と情報の授受を行い、カード端末10、15から伝送される情報を記憶部3に記憶したり、記憶部3から読み取った情報をカード端末10、15に伝送したりする。
ICカード1の記憶部3には、図2Aに示すように、以下の情報3a〜3hが記憶されている。
口座情報(3a):口座番号と、口座の名義人に関する情報と、特定口座であるかどうかを識別できる情報(特定口座フラグ)とを含む。
残額情報(3b):電子マネーとして使用可能な残額を示す情報。
入金履歴情報(3c):ICカード1に記憶される電子マネーへの入金の履歴を記録する。入金元の口座、金額、日付などを含み、入金元の口座が、名義人を特定できる特定口座の場合には、特定口座からの入金であることも併せて記憶する。
振込履歴情報(3d):ICカード1に記憶された電子マネーによる振込の履歴を記録する。振込先の口座、金額、日付などの情報を含み、支払先の口座が、名義人を特定できる特定口座の場合には、特定口座への振込であることも併せて記憶する。
クレジットカード番号情報(3e):ICカード1をクレジットカードとして使用するときのクレジットカード番号を示す情報。
有効期限情報(3f):ICカード1をクレジットカードとして使用するときの有効期限を示す情報。
補助情報(3g):名義人に付随する種々の情報で、小売業者のポイント会員情報や交通機関の定期券情報、改札入場情報などを含むことができる。
生体認証情報(3h):ICカード1を使用するときのセキュリティのために生体認証を行うための所有者の生体の特徴を示すデータを所定のシステム鍵で暗号化した情報。
カード鍵情報3i(3i):記憶部3の3a〜3gの情報を暗号化するためのカード鍵を暗号化した情報で、カード鍵を生体認証情報に関連した生体認証鍵で暗号化した情報と、外部から入力される外部鍵で暗号化した情報とを含む。
外部鍵情報送信機4は、上記外部鍵を含む情報を無線で発信しており、生体認証を用いることなく、操作者がICカード1の名義人本人(外部鍵情報送信機4の携行者)であることの認証を簡単に行うことを可能とする。
金融機関カード端末10は、金融機関認証処理器11と金融機関端末処理器12とを含む。金融機関端末処理器12は、ICカード1が正規のものかどうか、操作者がICカード1の名義人本人であるかどうかの認証を行う。金融機関端末処理器12は、金融機関認証処理器11によって正しく認証が行われたら、操作者の指示に従ってICカード1に電子マネーをチャージする処理を行う。
金融機関処理装置13は、金融機関端末処理器12からICカード1への振込の要求が来ると、金融機関口座データベース14を検索して、ICカード1に関連付けられている預金口座の残金を調べ、振込要求額がこの残金以下であれば、上記要求に応じて振込の処理を行う。
小売店カード端末15は、小売店認証処理器16と小売店端末処理器17とを含む。小売店認証処理器16は、ICカード1が正規のものかどうか、操作者がICカード1の名義人本人であるかどうかの認証を行う。小売店端末処理器17は、小売店認証処理器16によって正しく認証されたら、支払いのための決済処理を行う。
金融機関処理装置18は、小売店端末処理器17から決済の通知信号を受け取ると、金融機関口座データベース19を検索して、小売店カード端末15と連携している口座に入金処理を行う。
次に、本実施形態における電子決済システムの利用態様を説明する。
金融機関の預金口座が特定口座として登録されると、この口座に関連した金融機関口座データベースに特定口座情報が登録される。図2Bに、本実施形態の金融機関口座データベースで管理される特定口座情報を示す。同図に示すように特定口座情報は、口座情報5aと、口座の残額5bと、その口座への入金の履歴に関する入金履歴情報5cと、その口座からの振込の履歴に関する振込履歴情報5dとを管理する。なお、特定口座情報は他の情報を含んでも良い。
口座情報5aとして、口座番号と、口座の名義人情報(名義人の氏名、住所等)と、特定口座であるか否かを示すフラグ(特定口座フラグ)とが記録される。この口座情報5aの中には、名義人を特定するためのコード情報を含めることができる。コード情報としては、住民基本台帳の住民票コードや米国の納税者番号などのようなものを、また名義人が法人の場合には法人IDのようなものを用いることができる。このようなコード情報を記録すると、同じ名義人が複数の口座を持つときに、これらの複数の口座にまたがって集計する作業を確実に実行しやすくなる。なお、特定口座フラグの代わりに、特定口座であるか否かを示す情報であれば任意の形態のものが使用できる。
さらに、特定口座情報には、その口座に対する入金履歴情報5cと、振込履歴情報5dとが記録される。それらの履歴情報5c、5dには、相手先口座が特定口座か否かを示す情報(特定口座フラグ)が含まれる。
特定口座としては、金融機関の預金口座を利用するのが一般的であるが、電子マネーを蓄積することができるICカード単独でも特定口座となり得る。この場合はカードの所有者がこの口座の名義人となる。
ICカードを特定口座である預金口座と連携させ、ICカードに一時的に記録した入金履歴と振込履歴を連携した預金口座のデータベースに転送するような場合には、これらを一体の特定口座とみなすことができる。
特定口座への入金はすべて収入とみなし、他の特定口座への振込は、ICカードを介しての振込も含めて、支出とみなすことができる。このようにすれば、定められた期間の収入と支出を正確に捕捉することが可能となる。
総収入と総支出が正確に捕捉できると、これを税制に反映することが可能となる。例えば、支出を所得から控除するような税制の導入は、個人消費を拡大させる効果を期待できる。このとき、名義人の特定できていない口座への振込も支出の集計に含めると、支出を偽装することが可能となる。そこで、名義人が確実に特定できている特定口座への振込だけを集計してこれを実際の支出とみなすことで、このような偽装支出を排除することが可能となり、税制への利用が容易になる。
2. 電子決済の流れ
図3は本発明の電子決済システムにおいて決済処理の流れを説明した図である。ここでは、個人Bが会社Aの従業員であるとして説明する。会社Aは口座32の名義人であり、個人Bは口座(特定口座)33の名義人であるとする。また、ここでは、口座32及び33は、それぞれ別の金融機関処理装置(以下単に「処理装置」という。)により管理されているとするが、同じ処理装置により管理されていてもよい。
会社Aは口座32から口座33への振込の形で個人Bの給与を振り込む。このとき口座33の処理装置は、口座32の処理装置から、口座32に関する口座情報を受け取り、口座32が電子領収書を受領できるような特定口座であるかどうかを調べる。口座32が特定口座であれば、口座33の処理装置は、電子領収書を口座32の処理装置に送信する。口座32が特定口座の場合、口座32の処理装置は、この電子領収書の情報を振込履歴情報として金融機関口座データベースに特定口座32に関する特定口座情報として電子的に記録する。また、口座33の処理装置は、上記電子領収書の情報を入金履歴として金融機関口座データベースに特定口座33に関する特定口座情報として電子的に記録する。
個人Bの所有するICカード1は、電子マネーをチャージ可能である。口座33の処理装置に、ICカード1への電子マネーのチャージを指示すると、この処理装置は電子マネーのチャージを実行するとともに、電子マネー決済口座34に相当額の振込を行う。ここで、電子マネー決済口座34は所定の処理装置で管理されている。ICカード1は電子マネー決済口座34の処理装置から直接電子マネーをチャージすることもできる。この場合には、電子マネー決済口座34の処理装置に電子マネーのチャージを指示すると、この処理装置は口座33の処理装置に特定口座33の残金を問い合わせ、残金が足りておれば、指示された金額を特定口座33から引き落としてICカード1に同額の電子マネーをチャージする。特定口座33の処理装置は、特定口座33の残金をチャージした額と同額だけ減額する。
個人Bは、個人Dから電子マネーで支払いを受けることもできる。この場合には個人DがICカード35からICカード1に電子マネーを支払うように電子マネー決済口座34の処理装置に指示する。電子マネー決済口座34の処理装置は、それに接続されたICカード35からICカード1に、指示された額と同額の電子マネーを移動し、個人Dを特定できる情報とともに入金履歴を入金履歴情報3cに記録する。
個人Bが小売店Eで買い物をする場合には、小売店Eに設置された小売店処理装置36にICカード1を接触方式あるいは非接触方式で接続する。小売店処理装置36は、ICカード1の残額情報3bに記録されている電子マネーの残金額を読み出し、残金額が十分かどうかを検査し、十分であれば支払額に相当する額をICカード1の残額情報3bに記録されている電子マネーの残金額から差し引いて、電子マネーの支払額の情報を電子マネー決済口座34の処理装置に転送するとともに、ICカード1の振込履歴情報3dに振込履歴を記録する。電子マネー決済口座34の処理装置は転送された電子マネーの支払額の情報を受け取ると、その支払額と同額の金額を小売店Eの特定口座37に振り込む。この振込に伴い金融機関口座データベースにおいて特定口座37の特定口座情報が更新される。
3. 電子決済システムの処理
以上のように構成される電子決済システムについて、図4および図5のフローチャートを用いて金融機関カード端末10および小売店カード端末15の処理をそれぞれ説明する。
最初に、図4を参照し、個人Bが、自身が所有するICカード1に、自身が名義人である口座33から現金を引き出してICカード1に電子マネーをチャージする場合について説明する。口座33は特定口座とする。
個人Bは、特定口座33を管理する金融機関の金融機関カード端末10にICカード1を、入出力部2を介して電子的に接続する。接続の方法は接触式でも非接触式でもよい。ICカード1が接続されると、金融機関カード端末10の認証処理器11は外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵情報を読み取り、ICカード1の記憶部3から読み取ったカード鍵情報3iの中の、外部鍵によって暗号化されている部分の暗号を解読してカード鍵を生成する。外部鍵情報が読み取れない場合には、生体認証の実施が操作者に要求される。すなわち、認証処理器11は、操作者がかざした手や虹彩などから生体情報を読み取ると、生体認証情報3hに記録されている情報を所定のシステム鍵で解読した生体情報と照合する。認証処理器11は、生体情報の所定のレベルの一致が確認されると、カード鍵情報3iの中の所定の生体認証鍵で暗号化された部分をこの生体認証鍵で解読してカード鍵を生成する。このようにして、カード鍵が正しく生成されると、ICカード1と操作者が正規であるとして認証されることになる。(S41)。
ICカード1が正規のもので操作者がその所有者として認証されると、証処理器11はさらにICカード1の記憶部3から少なくとも一部の情報を読み取り、上記カード鍵でこれを解読して主処理器12に送出する。主処理器12は、ICカード1における入金履歴情報3cと振込履歴情報3dにデータが格納されているかどうか、補助情報3gが更新されていないかどうかなどを検査する(S42)。履歴情報3c、3dにデータが記録されていれば、金融機関処理装置13は、履歴情報3c、3dのデータを、金融機関口座データベース14に、口座33の特定口座情報として電子的に記録し、さらに、ICカード1の入金履歴情報3c、振込履歴情報3dに格納されていたデータを消去する。補助情報3gが更新されていれば、金融機関処理装置13は金融機関口座データベース14も同期して更新する(S43)。
続いて金融機関カード端末10は、電子マネーのチャージの必要性の有無を操作者に問い合わせ(S44)、操作者はチャージが必要な場合、金額を金融機関カード端末10に入力する(S45)。口座33の残金額が足りておれば、金融機関カード端末10はICカード1の残額情報3bを書き換えることで指定額の電子マネーをチャージすると共に、同等額を電子マネー決済口座34に振り組むように金融機関処理装置13に指示を出す。金融機関処理装置13はこの指示に応じて振込処理を実行する(S46)。このようにして一連の処理が完了すると、金融機関カード端末10はICカード1の接続を切断して処理を終了する(S47)。
次に、図5を参照し、個人Bが上記電子マネーを用いて小売店Eで買い物をする場合について説明する。小売店Eは特定口座である口座37を有している。
個人Bは、小売店処理装置36に、ICカード1を、入出力部2を介して電子的に接続する。なお、小売店処理装置36は、ICカード1を接続する小売店カード端末15を含んでいる。この場合も接続の方法は接触式でも非接触式でもよい。ICカード1が接続されると、小売店カード端末15の認証処理器16は、外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵を読み取り、ICカード1の記憶部3から読み取ったカード鍵情報3iの中の、外部鍵によって暗号化されている部分の暗号を解読してカード鍵を生成する。正しくカード鍵が生成されるとICカード1が正規のICカードとして認証されることになる。また、外部鍵情報が読み取れない場合には、生体認証の実施が操作者に要求される。認証処理器16は、操作者がかざした手や虹彩などから生体情報を読み取ると、生体認証情報3hに記録されている情報を所定のシステム鍵で解読した生体情報と照合する。生体情報の所定のレベルの一致が確認されると、認証処理器16は、カード鍵情報3iの中の所定の生体認証鍵で暗号化された部分をこの生体認証鍵で解読してカード鍵を生成する。このようにして、カード鍵が正しく生成されると、ICカード1と操作者が正規であるとして認証されることになる(S51)。
正しく認証されると、小売店処理装置36に支払金額が入力される(S52)。入力はテンキーなどを用いて入力してもよいし、バーコードリーダで商品情報を読み取るいわゆるPOS装置から合計金額が転送されるようにしてもよい。小売店処理装置36はICカード1の残額情報3bを読み出し、その金額が支払い金額以上かどうかを検査する(S53)。
支払金額以上の残金があれば、小売店処理装置36はICカード1から支払い金額の電子マネーを差し引く。すなわち、残額情報3bから相当額を減額して書き換え、差し引いた電子マネーの金額情報を、小売店の口座37の情報とともに電子マネー決済口座34の処理装置に転送する。電子マネー決済口座34の処理装置は、電子マネーの金額情報が転送されてくると、口座37の残額を増加させる。これにより、口座37に相当額の金額が振り込まれたことになる。口座37の処理装置は、金融機関口座データベースから口座37の口座情報を取得し、その口座情報に基づき、振り込み先である口座37が特定口座であるか否かを判断する。口座37は特定口座であるので、口座37の処理装置は、上記入金に関する履歴情報を、口座37の特定口座情報として、金融機関口座データベースに電子的に記録する(S54)。以上のようにして、ICカード1から特定口座37に支払額相当の現金が実質的に電子的に振り込まれることになる。
さらに小売店処理装置36は、ICカード1の口座情報3aを読み取り、ICカード1が電子領収書を受領して記録できるかどうかを検査する(S55)。電子領収書を受領可能であることが判ると、小売店処理装置36は電子領収書を発行して、これを振込履歴情報3dとしてICカード1に記録する(S56)。さらに小売店処理装置36は、補助情報3gを検査し、ICカード1の所有者が上記小売店のポイントカード会員であれば購入金額に応じたポイントを加算して補助情報3gを書き換える。続いて、小売店処理装置36は領収書を印刷出力し(S57)、ICカード1の接続を解除して終了する(S58) 。
以上のように金融機関口座データベース14の特定口座情報を更新することで、金融機関口座データベース14は、特定口座の所定期間内の入金の全履歴と、他の特定口座への振込による振込の全履歴を記録していることになる。よって、所定期間内のこれらの履歴のリストおよびその集計を印刷して出力、あるいはファイルとして電子的に出力することができる。これらの出力は、納税時の控除のための証憑として使用することが可能である。
(実施の形態2)
本発明に係る電子決済システムの別の形態を説明する。本実施形態では、電子マネーを用いずに銀行口座上での振込による決済処理を行なう、いわゆるデビットカード方式を用いるものである。
図6に、本実施形態の電子決済システムの構成を示す。本実施形態の小売店カード端末60は、デビットカード方式の決済に対応するもので、認証処理器16と主処理器62を有する。認証処理器16は実施の形態1における認証処理器16と同一のものでよい。金融機関処理装置13および金融機関口座データベース14は、実施の形態1におけるものとそれぞれ同じである。金融機関処理装置63および金融機関口座データベース64は、上記小売店の特定口座の置かれている金融機関に属するものである。
小売店カード端末60の主処理器62は、ICカード1が正しく認証されると、ICカード1の口座情報3aに記録されている情報の示す特定口座の金融機関処理装置13と通信して、上記金融機関処理装置13に、上記特定口座から上記小売店の特定口座に購入代金を振り込むように指示を出す。金融機関処理装置13は上記小売店の特定口座を管理する金融機関処理装置63に対して振込の処理を行う。
本実施形態における電子決済処理の概要を図7を用いて説明する。
実施の形態1同様、会社Aは口座72の名義人であり、個人Bは口座(特定口座)73の名義人であるとする。口座72及び73は、それぞれ別の処理装置により管理されているとするが、同じ処理装置により管理されていてもよい。会社Aは口座72から特定口座73への振込の形で個人Bの給与を振り込む。このとき口座72の処理装置は、口座73の処理装置から、口座73に関する口座情報を受け取り、口座73が特定口座であるかどうかを検査する。口座73が特定口座であれば、口座72の処理装置は、特定口座への振込であることを示す情報(特定口座フラグ)を含む振込の実績を、口座72の特定口座情報における振込履歴として金融機関口座データベースに記録する。一方、特定口座73の金融機関処理装置13は、上記振込情報を、口座73の特定口座情報における入金履歴として、金融機関口座データベース14に記録する。
個人Bが小売店Fで所定額の購入代金を支払うときには、個人Bの所有するICカード1を小売店処理装置76に電子的に接続する。なお、小売店処理装置76は小売店カード端末を含んでいる。小売店処理装置76は、外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵情報あるいは生体認証情報を用いて、ICカード1が正規のもので、操作者が正規の所有者であることを認証するとともにカード鍵を生成する。
上記の認証が正しく行われると、小売店処理装置76は、ICカード1に記録されている口座73の金融機関処理装置13と通信し、再度ICカード1の認証を行った後、口座73の残額を照会する。残額が購入金額以上であれば、小売店処理装置76は、金融機関処理装置13に、所定額を小売店Fの口座77に振り込むよう指示を出す。口座77は特定口座である。
金融機関処理装置13は、特定口座である口座77に所定額を振り込み(すなわち、口座77の残額を所定額だけ増加させ)、口座77の口座情報を読み取る。読み取った口座情報から口座77が特定口座であることが判明すると、金融機関処理装置13は、口座73の特定口座情報として、上記振込の履歴情報を、振込先が特定口座であることを示す情報を含めて、金融機関口座データベース14に記録する。
図8のフローチャートを用いて上記の処理を説明する。
個人Bが小売店Fで所定額の購入代金を支払うために、ICカード1を小売店処理装置76の小売店カード端末に電子的に接続されると、小売店処理装置76はICカード1が正規のもので、使用者が正規の所有者であることを認証する(S81)。
小売店処理装置76に所定額が入力されると(S82)、ICカード1に記録されている口座情報3aに基づいて特定口座73の金融機関処理装置13と通信して、再度認証する(S83)。認証が完了すると、小売店処理装置76は特定口座73の残高を照会し、残高が所定額以上かどうかを検査する(S84)。
残高が所定額以上であれば、小売店処理装置76は、口座73の金融機関処理装置13に、所定額を口座(特定口座)77に振り込むよう指示をする。金融機関処理装置13はこの指示にしたがって、口座73から所定額を口座77に振り込む処理を行う(S85)。すなわち、口座73の残額を減額し、口座77の残額を増額する。
上記振込み処理が完了すると、口座73の金融機関処理装置13は、振込先の口座が特定口座か否かを識別できる情報や、事業者識別コードが付与されている場合にはその情報も含めて、金融機関口座データベース14に振込履歴情報を電子的に記録する。すなわち、口座73の金融機関処理装置13は、金融機関口座データベース14から取得した口座情報に基づき、振込先である口座77が特定口座であるか否かを判断する。口座77が特定口座である場合、口座73の金融機関処理装置13は、振込履歴情報を金融機関口座データベース14に電子的に記録する。その際、振込先である口座77が特定口座であることを識別できる形態で金融機関口座データベース14に履歴情報が記録される。さらに、上記小売店Fのポイントカード会員であることを示す情報が金融機関口座データベース14に記録されている場合には、購入代金に対応するポイントを加算してポイント情報を書き換える。また、口座77の金融機関処理装置63は、入金の履歴を金融機関口座データベース64に記録する(S86)。
その後、小売店処理装置76は領収書を印刷して出力し(S87)、ICカード1の接続を解除して終了する(S88)。
口座73の残高が所定額に満たないときには、小売店処理装置76は、残高不足であることを表示して(S89)ICカード1の接続を解除して終了する(S88)。
以上のように、本実施形態においては、デビットカード決済を用いた振込の履歴を、振込先が特定口座かどうかを識別できる形で電子的に記録することができる。これによって、特定期間内の特定口座への振込みの集計を行うことが可能となる。また、特定口座に振り込んだとき、この特定口座の名義人である事業者の識別コードを併せて記録することで、特定口座の名義人である事業者の入金履歴を、より確実に補足することができるようになる。
(実施の形態3)
以上説明した特定口座を利用した電子決済についての利用態様の別の例を説明する。具体的には、小売業者から商品を購入した個人が名義人となっている特定口座から、金融機関の処理装置(ATMなど)を直接操作して振り込む場合につき、図9および図10を用いて説明する。
図9において、商品を購入する個人Bは、自身が名義人となっている特定口座を管理する金融機関のATM端末90にICカード1を電子的に接続する。ATM端末90に含まれる認証処理器91は外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵情報を受信し、これを用いてICカード1が正規のもので、操作者がその所有者であるかどうかを検査する(S101)。正しく認証されない場合は、ICカード1の接続を解除して終了する(S107)。
認証が正しく完了すると、ATMデータ処理器92は操作者に入力を促し、操作者は振込金額と振込先口座情報を入力する(S102)。ATMデータ処理器92は、入力された情報を金融機関処理装置93に転送し、金融機関口座データベース94に照会して振込金額以上の残金が個人Bの口座に残っているかどうかを検査する(S103)。ATMデータ処理器92は、残金が不十分な場合はICカード1の接続を解除して終了する(S107)。
金融機関処理装置93は小売業者の口座を管理する金融機関処理装置95と通信し、上記入力情報に従って、個人Bの特定口座から小売業者の口座に入力した金額の振込処理を行う(S104)。
振込処理が終わると、金融機関処理装置93は、小売業者の口座が特定口座かどうかを判断し、特定口座の場合に、振込みの履歴情報を、振込先が特定口座かどうかを示す情報を含めて、金融機関口座データベース94に記録する。さらに、金融機関処理装置95は、入金の履歴を金融機関口座データベース96に記録する(S105)。続いてATM端末90は振込の控えを印刷して出力し(S106)、ICカード1の接続を解除して終了する(S107)。
以上は、ATM端末で振込を行う場合について説明したが、振込は自動引き落としや、パーソナルコンピュータによるネットバンキングによる振込であっても同様に処理される。
次に、認証のための初期の設定について図1を用いて説明する。
発行された直後のICカード1は初期状態で、記憶部3には口座情報3aと、必要に応じてクレジットカード番号情報と有効期限情報が、予め登録されている口座の暗証番号などを利用して所定の手順で暗号化されて記録されている。さらに、初期状態であることを示す情報も記憶部3の所定部分に記録されている。
この初期状態のICカード1を金融機関カード端末10に電子的に接続すると、金融機関カード端末10はICカード1が初期状態であることを検出して、生体認証情報と外部鍵情報送信機4の発信する外部鍵情報のいずれか、あるいは両方の入力を要求する。
生体認証情報を入力するときには、生体認証に使用する使用者の身体の一部を金融機関認証処理器11の入力部にかざす。金融機関認証処理器11は、生体情報を読み取ると、入出力部2を介して生体認証情報3hにこの生体情報を所定の手順で暗号化して記録する。
外部鍵情報を入力するときには、外部鍵情報送信機4を金融機関カード端末10の認証処理器11の受信部に近接させる。外部鍵情報送信機4としては、専用の外部鍵情報送信機の他にも、周期的にID信号を発信している携帯電話や、自動車のワイヤレスの電子キーを用いることもできる。これらのいずれかの外部鍵情報送信機4を上記受信部に近接すると、認証処理器11は外部鍵情報送信機4の種類を自動的に認識あるいは手動で選択し、外部鍵情報として使用する情報を受信信号から抽出する。外部鍵情報が抽出されると、この外部鍵情報で記憶部3に初期に記録されている情報を暗号化しなおしてこれらを書き換える。さらに、外部鍵情報送信機4の種類を示す情報をカード鍵情報3iに記録する。これらの記録が終わると、初期状態にあることを示す情報を消去して認証情報の登録を終了する。以上のようにして認証情報の登録を終了すると、次回からの認証時に、カード鍵情報3iから外部鍵情報送信機4の種類がわかるため、外部鍵情報の迅速な抽出が可能になる。
生体認証情報の登録をしておけば、鍵情報は更新することも可能である。その場合には、金融機関カード端末10でICカード1の生体認証を終えた後、外部鍵情報の更新のメニューを選択し、外部鍵情報送信機4を受信部に近接させると、受信信号から外部鍵情報送信機4の種類の識別と鍵情報を抽出を行う。これの情報に基づいて、認証情報の初期の登録時と同様に記憶部3に記録されている情報を書き換えることで認証情報の登録が更新される。
以上に説明した実施の形態では、個人が購入代金を支払う相手先を小売店あるいは小売業者として説明したが、支払先はこのような事業者に限定されない。登録された特定口座への振込みだけを消費支出として集計するのは、自分自身の別口座に振り込むことで消費支出を偽装することを排除できるようにするためである。したがって、特定口座の登録は、偽装支出に利用できないことが保障されるものであればどのような方法によっても構わない。例えば、金融機関とすでに取引がある大口取引先で、十分な信用がある場合には、その口座の名義人からの申請がなくても、金融機関の独自の判断により特定口座として登録してもよい。
上記実施例によれば、同じICカードで、電子マネー、デビットカード、クレジットカード、ポイントカード、乗車カードなど、多様な用途に使用することが可能であり、カードの使用できる端末が増えれば、カード1枚で財布を持たずに外出することも可能となるばかりでなく、現金をほとんど必要としない社会が実現されれば、偽造貨幣の被害を避ける有力な手段となる。
また、本願に基づくICカードは生体認証や、外部鍵情報送信機の併用などによって極めて安全性が高くなっており、プリチャージされている電子マネーによる決済に限らず、デビットカードやクレジットカードによる決済においてもサインや暗証番号の入力などが不要で、迅速な決済が可能となるばかりでなく、外部鍵情報送信機の使用により、生体認証に抵抗のある人に対して、初期の登録時以外は生体認証を使うことなく高い安全性を提供することが可能となる。
さらに、特定口座からの振込決済時に、口座情報によって特定口座からの振込であることがわかるので、そのような消費支出の時には、他の一般の消費支出とは異なる消費税率を適用するような処理も可能となる。この場合には、特定口座からの消費支出を課税所得から控除する代わりに消費税率を高めに設定するような異なった税体系を適用して、消費性向を高めるように誘導することも可能となる。また、消費支出額の正確な捕捉ができるので、消費税に累進性を導入して所得の再配分に供することも可能となる。
(実施の形態4)
特定口座を利用した電子決済のさらに別の利用態様について説明する。具体的には、クレジットカードを利用して小売業者から商品を購入する場合につき、図11および図12を用いて説明する。
図11において、商品を購入する個人はクレジットカード120を用いて小売店で商品を購入するものとする。このとき、小売事業者はクレジットカード120を小売店カード端末121に電子的に接続する(S120)。接続の仕方は、挿入して接点に接触する方法でも、近接して無線で通信する方法でも差支えない。クレジットカード120と小売店カード端末121の接続が確立すると、小売店カード端末121の認証処理器121aはクレジットカード会社122の認証処理装置123にアクセスして(S121)、クレジットカード120が有効かどうか、また、使用限度額が購入金額以上かどうかを確認する(S122)。
クレジットカード120が商品の購入に使用できない場合は、小売店カード端末121の主処理器121bは、クレジットカードに関する処理を停止する(S123)。すなわち、小売事業者はクレジットカードによる販売を停止する。一方、使用できることが確認された場合、主処理器121bは、クレジットカードに関する処理を継続する(S124)。すなわち、小売事業者は商品を提供して購入金額を小売店カード端末121から入力して販売を完了する。
クレジットカード会社122の決済処理装置124は、小売店カード端末121から入力された金額の情報と小売店の情報を受け取ると、相当額の金額をクレジットカード会社122の預金口座から上記小売店の預金口座に振り込むように金融機関処理装置125に指示を送る。金融機関処理装置125は指示に従って、小売店の預金口座のある金融機関の金融機関処理装置63と協働して、クレジットカード会社122の預金口座から小売店の預金口座に指示された金額を振り込む(S125)。
クレジットカード会社122の預金口座を管理する金融機関の金融機関処理装置125は、小売店の預金口座が特定預金口座かどうかを金融機関処理装置63に問い合わせる(S126)。金融機関端末処理器125は、振込先の小売店の預金口座が特定口座か否かを示す情報を含めて振込の実績を金融機関端末処理器126に記録する(S127a,S127b)。
金融機関処理装置125は、クレジットカードを使用する個人ごとに所定期間内にクレジットカードを使用した合計金額を集計し、決められた期日に、上記個人の預金口座を管理する金融機関の金融機関処理装置13と協働して、上記個人の預金口座から上記合計金額を引き落とす。口座が特定口座であれば、金融機関処理装置13は、金融機関口座データベースにおける特定口座情報の履歴情報を更新する。このとき金融機関処理装置125は金融機関処理装置13に、支払先の小売店の口座が特定口座か否かを識別できる情報を含めて支払の履歴情報を転送し(S128)、上記所定期間のクレジット決済処理を終了する(S129)。
(実施の形態5)
次に、これまでの実施形態で説明してきた電子決済システムを利用して、新規な個人税制と従来の税制を選択可能な形で併存させた税制を実現する方法について、図13のフローチャートを用いて説明する。ここで、新規な個人税制とは、所得税に代わって消費税に重点を置き、貯蓄の増分に対しては流動資産税を新規に課すような税制(以下、「消費・流動資産税制」と呼ぶ)である。このような新税制は、上記の実施形態で説明した電子決済システムを利用することで初めて実現可能となる。
まず、個人は従来税制と消費・流動資産税制のどちらで納税するかをあらかじめ選択可能とし、新税制を選択する場合には、所定の金融機関に特定の預金口座を開設する。ここで、消費・流動資産税制は以下の規則で運用する。
(1)自身の特定預金口座への入金はすべて収入とみなし、それ以外の収入は別途申告する;
(2)他の特定口座への振り込みだけを消費とみなす;
(3)消費の総額に従来税制の消費税(第1の消費税)よりも大きな第2の消費税を課す;
(4)総収入から総消費を差し引いた金額を貯蓄の増分とみなしてこれに流動資産税を課す。
以上を消費・流動資産税制の骨子とするが、このままでは従来税制の所得税が有している累進課税のような再配分機能がない。そこで再配分のために、家族構成に基づいて定められる所定額を一律に戻す方法や、所定の消費額までは消費税を減免する方法などが考えられるが、本実施形態ではさらに以下の規則を設けることとする。
(5)所定の消費額までは消費税を無税とする。
納税額を決定する所定の期間が過ぎると、個人の特定預金口座を管理する金融機関の金融機関処理装置13は金融機関口座データベース14にアクセスして、上記個人の所定期間内の入金額の合計と所定期間内の特定口座への出金額の合計を計算する(S130)。本実施例では、上記入金額の合計は総収入とみなし、特定口座への出金額の合計は総支出とみなす。金融機関処理装置13は、総支出が消費税を無税とする消費額の上限である所定金額以下かそれを超えているかを検査する(S131)。総支出が上記所定金額を超えていれば、金融機関処理装置13は、この所定金額を、消費税が無税となる免税消費額(A)とし、総支出から免税消費額(A)を控除した残りが課税消費額(B)とする(S132)。総支出が上記所定金額以下の場合には、金融機関処理装置13は、この総支出を免税消費額(A)とし、課税消費額(B)をゼロとする(S133)。
次に、金融機関処理装置13は総支出と総収入を比較する(S134)。総支出が総収入以下であれば、金融機関処理装置13は、〔総収入−総支出〕を貯蓄増加額(C)とし(S135)、総支出が総収入を上回っていれば、〔総支出−総収入〕を貯蓄の取り崩し額(D)とする(S136)。
ここで、本実施形態では、従来税制と消費・流動資産税制との併存を前提にしおり、消費・流動資産税制では所得税を課さないので、従来税制による消費税率である第1の比率よりも、消費・流動資産税制の消費税率である第2の比率を大きく設定する。消費・流動資産税制ではさらに、貯蓄増加額(C)に対しては第3の比率の流動資産税を課す。また、消費・流動資産税制において、貯蓄の取り崩し(D)部分に消費税を課すと、その部分に対しては流動資産税と消費税の二重取りになるので、貯蓄の取り崩し(D)に対しては実質的に消費税が掛からないようにする。しかし、顧客が従来税制による納税者か消費・流動資産税制による納税者かによって小売店での消費税の徴収額が異なると混乱を招き、事業者による消費税納税額の計算がきわめて煩雑になるので、これを避けるためには、小売店では顧客全員に対して一律の税率で消費税を納税するようにしなければならない。そこで、本実施例では小売店で一律に第1の消費税を徴税する。
以上の手順に従って消費・流動資産税制による納税額が計算される。すなわち、総支出から免税消費額を控除した課税消費額(B)から貯蓄の取り崩し(D)を差し引いた分に対する消費税は〔(B−D)×第2の消費税率〕となる。流動資産税は、〔貯蓄増加額(C)×流動資産税率〕で計算される。また、総消費に対して小売店で納入済みの第1の消費税を戻す必要があり、戻し分は〔総消費×第1の消費税率〕によって計算される。したがって納税総額は、〔第2の消費税額+流動資産税額−既納の第1の消費税〕となる(S137)。納税総額が正数のときには、個人の特定預金口座から国庫を代行する所定の金融機関に納税総額が振り込まれる(S139a)。すなわち、金融機関処理装置13は、所定の金融機関が管理する国庫の口座に納税総額の振り込み処理を指示する。また、納税総額が負数の場合にはその絶対額が国庫から個人の特定預金口座に還付されることになる(S139b)。すなわち、所定の金融機関から、金融機関処理装置13に、個人の特定預金口座への還付金の振り込み処理が指示される。
本実施形態では、流動資産税を導入するために、消費者の消費マインドを高めて消費不況を解消する有効な手段を提供することができる。また、消費税を主体にするために、捕捉の不確実な所得に基づく所得税よりも徴税が確実であるため、従来から正確な納税をしてきた人はすべて税負担を軽くしながら税収の総額が増加するような制度設計が可能となる。さらに、従来税制との併存を可能にしているので、制度の導入も容易であるという効果もある。
なお、本実施形態では、再配分の手段として、所定額の消費までは消費税を免税するようにしたが、家族構成などで決まる所定の金額を各世帯一律に還付するようにすれば、免税消費額に対する消費税の既納分を還付するような処理は不要となる。また、免税消費額に対しては消費税を無税としたが、無税とするのではなく第1の消費税としても消費税の既納分を還付する処理は不要となる。
また、上記の実施の形態では特定口座を示すために特定口座フラグを用いたが、特定口座には所定の範囲の口座番号を割り振ることで特定口座フラグと同等の情報を口座番号に持たせることもできる。
上記の各実施形態において、金融機関カード端末10、小売店カード端末15、…、金融機関処理装置13,18、…、等は、コンピュータ(CPUのような制御手段やメモリのような記憶手段を含む)で構成でき、所定のプログラムを実行することによりそれらの機能が実現される。また、そのようなプログラムはCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体または通信媒体を介して提供され得る。
本発明の実施の形態1の電子決済システムの構成図である。 実施の形態1におけるICカードに記録される情報一例を説明した図である。 実施の形態1における金融機関口座データベースで管理される特定口座情報の一例を説明した図である。 実施の形態1における電子決済における金銭価値の流れの一例を説明した図である。 ICカードに電子マネーのチャージを行うときの処理を示すフローチャートである。 ICカードを用いた電子決済処理における支払処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2のデビットカード方式を用いた電子決済システムの構成図である。 デビットカード決済における金銭価値の流れを説明した図である。 デビットカード決済を行うときの処理を示すフローチャートである。 特定口座から直接振込処理を行う実施の形態3による電子決済システムの構成図である 実施の形態3における決済処理を示すフローチャートである。 実施の形態4におけるクレジットカードを用いた電子決済システムも構成図である。 クレジットカードによる決済処理を示すフローチャートである。 実施の第5の形態における納税処理を示すフローチャートである。 従来の電子マネーシステムの構成図である。
符号の説明
1,35 ICカード
2 入出力部
3 記憶部
4 外部鍵情報送信機
10 金融機関カード端末
11,91 金融機関カード端末の認証処理器
12 金融機関カード端末の主処理器
13,18,63,93,95 金融機関処理装置
14,19,64,94,96 金融機関口座データベース
16 小売店カード端末の認証処理器
17 小売店カード端末の主処理器
33,37,73,77 特定口座
34 電子マネー決済口座
36,76 小売店処理装置
60 小売店カード端末
62 小売店端末処理器
90 ATM端末
92 ATMデータ処理器
本発明は、金銭的価値を、所定の属性を有する口座との間で電子的に決済処理を行う方法と装置に関する。
近年、個人の取引きでも、支払いを電子決済によって行うことが増えてきた。貨幣として使用可能な額面を電子的な形でICメモリカード等に記憶した電子マネーや、銀行口座から直接支払われるクレジットカードやデビッドカードなど、種々の電子決済が行われている(例えば、特許文献1参照)。
図14に、従来の電子マネーを記憶したメモリカードとその処理装置とからなるシステム構成を示す。ICカード111は、ユーザの認証データや電子マネーの残額等のデータを暗号化して入出力するための暗号化処理部112と、電子マネーの額面(バリュー)を残額データ113aとして記憶するメモリ113とを有する。ICカード111は一般小売店等に設置された処理装置116により、記憶するデータが読み取られ、必要に応じて更新される。
ユーザが電子マネーを用いて支払を行なう際の処理は以下のとおりである。
電子マネーの処理装置116は、ICカード111が挿入されると、認証情報を読み出し、ICカード111のユーザ及び電子マネー情報が正当なものであるか否かの認証を行なう。この認証はネットワークを介して認証機関にある認証装置により行なわれる。認証の結果が正当であると認められると、処理装置116はICカード111に記憶されたバリューのうち支払額に相当するバリューを処理装置116に移動する。この際、ICカード111の残額データ(バリュー)113aの値が更新(減額)される。
その後、例えばクレジットカード会社等の決済機関にある決済装置は、処理装置116から決済情報を受け、電子マネーによる支払の発生に対して金融機関の処理装置と協働して支払決済処理を行なう。
また、特許文献2には電子的に金額データが記録されたカードを用いた決済方法が開示されている。また、ネットワーク販売などでは、購入者自身が自分の口座から販売主の口座に代金を振り込むという形の電子決済も増えてきている。
特開平10−124604号公報 特開平3−191497号公報
従来の電子決済では、単に個々の取引において現金を使用することなくこれを電子的に行うことで、個別の取引を便利にする程度の効果にとどまっており、これらが社会インフラとなったときのマクロ的な経済効果を引き出すような提案はなされていなかった。
景気低迷など将来不安を抱える社会情勢においては、個人の心理は保有する金銭の消費よりも貯蓄に興味を示し、一般消費者は消費を抑えてできるだけ多く貯蓄しようと考えるであろう。
このように消費性向が低迷していると、国の財政破綻を救済するために消費税を上げようとすると不況を深刻化する可能性が高く、財政の建て直しのための有効な手段が打てないことになる。景気を調整する手段として税制が大きな役割を果たすことは一般的に知られている。しかし現状では、低迷している消費性向を、消費税アップや環境税の導入などを可能にするほどに高め得る有効な税制は提案できていない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、新規な電子決済により、消費性向を飛躍的に高めるような税制の導入を可能とし、利便性を高めながら消費刺激効果が期待できる電子的決済方法およびその装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は、口座の名義人が確実に特定できる口座に「特定口座」としての属性を与え、この口座への振込を信憑性のある支出とする。これにより、収入と信憑性のある支出を確実に捕捉する。そのために特定口座への振込に対しては、振込先が特定口座であることを示す情報を含めて振込の履歴を電子的に記録し、必要に応じこれらを集計することができる。
本発明に係る第1の電子決済方法は、電子決済装置により、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む方法であって、第2の口座が、名義人を特定できる特定口座であるかどうかを検査する第1のステップと、第2の口座が特定口座であることが認識されると、振込先が特定口座であることを識別できる形で上記振込の履歴情報を、第1の口座に関連付けて所定の記憶手段に電子的に記録する第2のステップと、記憶手段に記録された所定期間内の特定口座への振込だけを他の取引と区別して集計する第3のステップとを有してなる。
上記振込の履歴情報は、上記第2の口座の名義人の識別情報を含んでもよい。
本発明に係る第2の電子決済方法は、電子決済装置により、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む方法であって、第1の口座が、名義人を特定できるとともに電子的に送信される電子領収書を受信する機能を有するような特定口座であるかどうかを検査する第1のステップと、第1の口座が特定口座のときには第2の口座から第1の口座に電子領収書を送信する第2のステップと、第2の口座から送信される電子領収書を受信して、受信した電子領収書を第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する第3のステップと、記憶手段に記憶された所定期間内の電子領収書の額面金額を他の取引と区別して集計する第4のステップとを有してなる。
本発明に係る第1の電子決済装置は、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、第2の口座が、口座の名義人を特定できる特定口座であるか否かを検査し、第2の口座が、口座の名義人を特定できる特定口座のときには、振込先が特定口座であることを識別できる形で、振込の履歴情報を、第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する処理手段と、所定期間内に特定口座に振り込んだ金額だけを他の取引と区別して集計する集計手段とを備える。
振込の履歴情報は、第2の口座の名義人の識別情報を含んでもよい。
処理手段は、第1の口座の、所定の期間内の入金の総額と、所定の属性を有する口座への振込の総額とを集計し、その差額を演算する機能を有してもよい。
本発明に係る第の電子決済装置は、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、第1の口座が、電子的に発行される電子領収書を第2の口座から受信したときには、この電子領収書の情報を、第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する記憶手段と、所定期間内の上記電子領収書の額面金額を他の取引と区別して集計する集計手段とを備える。
処理手段は、第1の口座の、所定の期間内の入金の総額と、受信した電子領収書の総額とを集計し、その差額を演算する機能を有してもよい。
本発明に係る第3の電子決済方法は、電子決済装置により、所定の預金口座と所定の金融機関との間で電子的に決済を行う方法である。その電子決済方法は、所定期間内に上記所定の預金口座へ入金された金額の総額を計算するステップと、所定期間内に所定の預金口座から、所定の預金口座の名義人とは異なる名義人の預金口座へ振り込まれた振込額の総額を計算するステップと、振込額の総額またはその一部に1未満の第1の比率を乗じた第1の金額を計算するステップと、入金の総額から振込額の総額を減じた金額に1未満の第2の比率を乗じた第2の金額を計算するステップと、第1の金額と第2の金額の合計額を所定の金融機関に振り込むための処理を実行するステップとを有する。
第1の金額を計算するステップは、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に上記第1の比率を乗じて計算してもよい。
または、第1の金額を計算するステップは、振込額の総額またはその一部に第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。その際、第1の金額を計算するステップは、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に、前記第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。
また、所定の控除額に第3の比率を乗じた金額を、所定の金融機関から所定の預金口座へ振り込む処理、及び、所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額と、所定の預金口座から前記所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行うステップをさらに有してもよい。
振込額の総額を計算するステップは、振込先がクレジットカード会社の口座の場合は、クレジットカード会社からの振り込み先が所定の条件を満たす場合のみを上記総額に含めてもよい。
本発明に係る第の電子決済装置は、所定の預金口座と所定の金融機関との間で電子的に決済を行う装置であって、
所定期間内に所定の預金口座へ入金された金額の総額を計算する手段と、
所定期間内に所定の預金口座から、所定の預金口座の名義人とは異なる名義人の預金口座へ振り込まれた振込額の総額を計算する手段と、
振込額の総額またはその一部に1未満の第1の比率を乗じた第1の金額を計算する手段と、
入金の総額から振込額の総額を減じた金額に1未満の第2の比率を乗じた第2の金額を計算する手段と、
第1の金額と第2の金額の合計額を所定の金融機関に振り込むための処理を実行する手段とを備える。
第1の金額を計算する手段は、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に第1の比率を乗じて計算してもよい。
または、第1の金額を計算する手段は、振込額の総額またはその一部に第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。
または、第1の金額を計算する手段は、振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に、第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算してもよい。その際、第4の電子決済装置は、所定の控除額に第3の比率を乗じた金額を、所定の金融機関から所定の預金口座へ振り込む処理、及び、所定の控除額に第3の比率を乗じた金額と、所定の預金口座から所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行う手段をさらに有してもよい。
また、振込額の総額を計算する手段は、振込先がクレジットカード会社の口座の場合は、クレジットカード会社からの振り込み先が所定の条件を満たす場合のみ上記総額に含めてもよい。
本発明によれば、所定の口座から名義人を特定できる所定の属性を有する口座に振り込むとき、振込先が所定の属性であることを識別できる形で電子的に記録することにより、所定期間内に所定の属性を有する口座に振り込んだ金額の増額が捕捉できることになる。こうすることで、特定の属性を有する口座に対する払い込みを課税対象の所得から控除するような処理が可能になる。そうすれば積極的に消費しようとすると考えられ、故に、本発明により、個人消費が誘導されて需要の増大が図れる。
以下添付の図面を参照して、本発明に係る電子決済方法の実施の形態を詳細に説明する。
(実施の形態1)
1. システム構成
本発明に係る電子決済システムに用いる処理装置は、電子決済によって支払先の口座に振り込むとき、振込先の名義人が確実に特定できる口座である「特定口座」の場合には、振込先が特定口座であることを示す情報を含めて振込の履歴を、振込元の口座に関連して記録する。振込先の口座が振込元の口座に電子領収書を発行し、その情報を記録するようにしてもよい。こうすれば、電子決済による支出のうち、確実に消費とみなせるものを正確に捕捉できることになる。正確に捕捉した消費の少なくとも一部を課税所得から控除すれば、消費性向を押し上げ、経済を活性化することが期待できる。
図1、図2A及び図2Bを用いて本発明の電子決済システムの構成を説明する。なお、以下の説明では、「特定口座」とは、その口座の名義人が確実に特定できている口座である。口座の名義人の本人確認ができた場合にのみ特定口座として登録される。例えば、本人確認は、登録住所に確認用の郵便物を郵送して確認する手段や、免許証や保険証の提示など、従来から行われきた手段を用いることができる。また、特定口座は、電子領収書を授受する機能を有した口座であってもよい。この場合にも、電子領収書を発行するために、名義人が確実に特定できていなければならないのはもちろんである。また、ここで言う「口座」とは、金融機関の預金口座だけではなく、ICカードを用いて電子決済する場合も、このICカードの所有者を特定できる場合にはこのICカードも広い意味での口座であり、このICカード単独でも特定口座として登録することができる。この場合には、ICカードの発行会社が特定口座として管理することになり、名義人はカードの所有者である。
図1において、電子決済システムは、ICカード1を処理可能な金融機関カード端末10と小売店カード端末15を含む。ICカード1は、カード端末10、15と情報の授受を行う入出力部2と、情報を記憶する記憶部3とを有する。
入出力部2はカード端末10、15や記憶部3と情報の授受を行い、カード端末10、15から伝送される情報を記憶部3に記憶したり、記憶部3から読み取った情報をカード端末10、15に伝送したりする。
ICカード1の記憶部3には、図2Aに示すように、以下の情報3a〜3hが記憶されている。
口座情報(3a):口座番号と、口座の名義人に関する情報と、特定口座であるかどうかを識別できる情報(特定口座フラグ)とを含む。
残額情報(3b):電子マネーとして使用可能な残額を示す情報。
入金履歴情報(3c):ICカード1に記憶される電子マネーへの入金の履歴を記録する。入金元の口座、金額、日付などを含み、入金元の口座が、名義人を特定できる特定口座の場合には、特定口座からの入金であることも併せて記憶する。
振込履歴情報(3d):ICカード1に記憶された電子マネーによる振込の履歴を記録する。振込先の口座、金額、日付などの情報を含み、支払先の口座が、名義人を特定できる特定口座の場合には、特定口座への振込であることも併せて記憶する。
クレジットカード番号情報(3e):ICカード1をクレジットカードとして使用するときのクレジットカード番号を示す情報。
有効期限情報(3f):ICカード1をクレジットカードとして使用するときの有効期限を示す情報。
補助情報(3g):名義人に付随する種々の情報で、小売業者のポイント会員情報や交通機関の定期券情報、改札入場情報などを含むことができる。
生体認証情報(3h):ICカード1を使用するときのセキュリティのために生体認証を行うための所有者の生体の特徴を示すデータを所定のシステム鍵で暗号化した情報。
カード鍵情報3i(3i):記憶部3の3a〜3gの情報を暗号化するためのカード鍵を暗号化した情報で、カード鍵を生体認証情報に関連した生体認証鍵で暗号化した情報と、外部から入力される外部鍵で暗号化した情報とを含む。
外部鍵情報送信機4は、上記外部鍵を含む情報を無線で発信しており、生体認証を用いることなく、操作者がICカード1の名義人本人(外部鍵情報送信機4の携行者)であることの認証を簡単に行うことを可能とする。
金融機関カード端末10は、金融機関認証処理器11と金融機関端末処理器12とを含む。金融機関端末処理器12は、ICカード1が正規のものかどうか、操作者がICカード1の名義人本人であるかどうかの認証を行う。金融機関端末処理器12は、金融機関認証処理器11によって正しく認証が行われたら、操作者の指示に従ってICカード1に電子マネーをチャージする処理を行う。
金融機関処理装置13は、金融機関端末処理器12からICカード1への振込の要求が来ると、金融機関口座データベース14を検索して、ICカード1に関連付けられている預金口座の残金を調べ、振込要求額がこの残金以下であれば、上記要求に応じて振込の処理を行う。
小売店カード端末15は、小売店認証処理器16と小売店端末処理器17とを含む。小売店認証処理器16は、ICカード1が正規のものかどうか、操作者がICカード1の名義人本人であるかどうかの認証を行う。小売店端末処理器17は、小売店認証処理器16によって正しく認証されたら、支払いのための決済処理を行う。
金融機関処理装置18は、小売店端末処理器17から決済の通知信号を受け取ると、金融機関口座データベース19を検索して、小売店カード端末15と連携している口座に入金処理を行う。
次に、本実施形態における電子決済システムの利用態様を説明する。
金融機関の預金口座が特定口座として登録されると、この口座に関連した金融機関口座データベースに特定口座情報が登録される。図2Bに、本実施形態の金融機関口座データベースで管理される特定口座情報を示す。同図に示すように特定口座情報は、口座情報5aと、口座の残額5bと、その口座への入金の履歴に関する入金履歴情報5cと、その口座からの振込の履歴に関する振込履歴情報5dとを管理する。なお、特定口座情報は他の情報を含んでも良い。
口座情報5aとして、口座番号と、口座の名義人情報(名義人の氏名、住所等)と、特定口座であるか否かを示すフラグ(特定口座フラグ)とが記録される。この口座情報5aの中には、名義人を特定するためのコード情報を含めることができる。コード情報としては、住民基本台帳の住民票コードや米国の納税者番号などのようなものを、また名義人が法人の場合には法人IDのようなものを用いることができる。このようなコード情報を記録すると、同じ名義人が複数の口座を持つときに、これらの複数の口座にまたがって集計する作業を確実に実行しやすくなる。なお、特定口座フラグの代わりに、特定口座であるか否かを示す情報であれば任意の形態のものが使用できる。
さらに、特定口座情報には、その口座に対する入金履歴情報5cと、振込履歴情報5dとが記録される。それらの履歴情報5c、5dには、相手先口座が特定口座か否かを示す情報(特定口座フラグ)が含まれる。
特定口座としては、金融機関の預金口座を利用するのが一般的であるが、電子マネーを蓄積することができるICカード単独でも特定口座となり得る。この場合はカードの所有者がこの口座の名義人となる。
ICカードを特定口座である預金口座と連携させ、ICカードに一時的に記録した入金履歴と振込履歴を連携した預金口座のデータベースに転送するような場合には、これらを一体の特定口座とみなすことができる。
特定口座への入金はすべて収入とみなし、他の特定口座への振込は、ICカードを介しての振込も含めて、支出とみなすことができる。このようにすれば、定められた期間の収入と支出を正確に捕捉することが可能となる。
総収入と総支出が正確に捕捉できると、これを税制に反映することが可能となる。例えば、支出を所得から控除するような税制の導入は、個人消費を拡大させる効果を期待できる。このとき、名義人の特定できていない口座への振込も支出の集計に含めると、支出を偽装することが可能となる。そこで、名義人が確実に特定できている特定口座への振込だけを集計してこれを実際の支出とみなすことで、このような偽装支出を排除することが可能となり、税制への利用が容易になる。
2. 電子決済の流れ
図3は本発明の電子決済システムにおいて決済処理の流れを説明した図である。ここでは、個人Bが会社Aの従業員であるとして説明する。会社Aは口座32の名義人であり、個人Bは口座(特定口座)33の名義人であるとする。また、ここでは、口座32及び33は、それぞれ別の金融機関処理装置(以下単に「処理装置」という。)により管理されているとするが、同じ処理装置により管理されていてもよい。
会社Aは口座32から口座33への振込の形で個人Bの給与を振り込む。このとき口座33の処理装置は、口座32の処理装置から、口座32に関する口座情報を受け取り、口座32が電子領収書を受領できるような特定口座であるかどうかを調べる。口座32が特定口座であれば、口座33の処理装置は、電子領収書を口座32の処理装置に送信する。口座32が特定口座の場合、口座32の処理装置は、この電子領収書の情報を振込履歴情報として金融機関口座データベースに特定口座32に関する特定口座情報として電子的に記録する。また、口座33の処理装置は、上記電子領収書の情報を入金履歴として金融機関口座データベースに特定口座33に関する特定口座情報として電子的に記録する。
個人Bの所有するICカード1は、電子マネーをチャージ可能である。口座33の処理装置に、ICカード1への電子マネーのチャージを指示すると、この処理装置は電子マネーのチャージを実行するとともに、電子マネー決済口座34に相当額の振込を行う。ここで、電子マネー決済口座34は所定の処理装置で管理されている。ICカード1は電子マネー決済口座34の処理装置から直接電子マネーをチャージすることもできる。この場合には、電子マネー決済口座34の処理装置に電子マネーのチャージを指示すると、この処理装置は口座33の処理装置に特定口座33の残金を問い合わせ、残金が足りておれば、指示された金額を特定口座33から引き落としてICカード1に同額の電子マネーをチャージする。特定口座33の処理装置は、特定口座33の残金をチャージした額と同額だけ減額する。
個人Bは、個人Dから電子マネーで支払いを受けることもできる。この場合には個人DがICカード35からICカード1に電子マネーを支払うように電子マネー決済口座34の処理装置に指示する。電子マネー決済口座34の処理装置は、それに接続されたICカード35からICカード1に、指示された額と同額の電子マネーを移動し、個人Dを特定できる情報とともに入金履歴を入金履歴情報3cに記録する。
個人Bが小売店Eで買い物をする場合には、小売店Eに設置された小売店処理装置36にICカード1を接触方式あるいは非接触方式で接続する。小売店処理装置36は、ICカード1の残額情報3bに記録されている電子マネーの残金額を読み出し、残金額が十分かどうかを検査し、十分であれば支払額に相当する額をICカード1の残額情報3bに記録されている電子マネーの残金額から差し引いて、電子マネーの支払額の情報を電子マネー決済口座34の処理装置に転送するとともに、ICカード1の振込履歴情報3dに振込履歴を記録する。電子マネー決済口座34の処理装置は転送された電子マネーの支払額の情報を受け取ると、その支払額と同額の金額を小売店Eの特定口座37に振り込む。この振込に伴い金融機関口座データベースにおいて特定口座37の特定口座情報が更新される。
3. 電子決済システムの処理
以上のように構成される電子決済システムについて、図4および図5のフローチャートを用いて金融機関カード端末10および小売店カード端末15の処理をそれぞれ説明する。
最初に、図4を参照し、個人Bが、自身が所有するICカード1に、自身が名義人である口座33から現金を引き出してICカード1に電子マネーをチャージする場合について説明する。口座33は特定口座とする。
個人Bは、特定口座33を管理する金融機関の金融機関カード端末10にICカード1を、入出力部2を介して電子的に接続する。接続の方法は接触式でも非接触式でもよい。ICカード1が接続されると、金融機関カード端末10の認証処理器11は外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵情報を読み取り、ICカード1の記憶部3から読み取ったカード鍵情報3iの中の、外部鍵によって暗号化されている部分の暗号を解読してカード鍵を生成する。外部鍵情報が読み取れない場合には、生体認証の実施が操作者に要求される。すなわち、認証処理器11は、操作者がかざした手や虹彩などから生体情報を読み取ると、生体認証情報3hに記録されている情報を所定のシステム鍵で解読した生体情報と照合する。認証処理器11は、生体情報の所定のレベルの一致が確認されると、カード鍵情報3iの中の所定の生体認証鍵で暗号化された部分をこの生体認証鍵で解読してカード鍵を生成する。このようにして、カード鍵が正しく生成されると、ICカード1と操作者が正規であるとして認証されることになる。(S41)。
ICカード1が正規のもので操作者がその所有者として認証されると、証処理器11はさらにICカード1の記憶部3から少なくとも一部の情報を読み取り、上記カード鍵でこれを解読して主処理器12に送出する。主処理器12は、ICカード1における入金履歴情報3cと振込履歴情報3dにデータが格納されているかどうか、補助情報3gが更新されていないかどうかなどを検査する(S42)。履歴情報3c、3dにデータが記録されていれば、金融機関処理装置13は、履歴情報3c、3dのデータを、金融機関口座データベース14に、口座33の特定口座情報として電子的に記録し、さらに、ICカード1の入金履歴情報3c、振込履歴情報3dに格納されていたデータを消去する。補助情報3gが更新されていれば、金融機関処理装置13は金融機関口座データベース14も同期して更新する(S43)。
続いて金融機関カード端末10は、電子マネーのチャージの必要性の有無を操作者に問い合わせ(S44)、操作者はチャージが必要な場合、金額を金融機関カード端末10に入力する(S45)。口座33の残金額が足りておれば、金融機関カード端末10はICカード1の残額情報3bを書き換えることで指定額の電子マネーをチャージすると共に、同等額を電子マネー決済口座34に振り組むように金融機関処理装置13に指示を出す。金融機関処理装置13はこの指示に応じて振込処理を実行する(S46)。このようにして一連の処理が完了すると、金融機関カード端末10はICカード1の接続を切断して処理を終了する(S47)。
次に、図5を参照し、個人Bが上記電子マネーを用いて小売店Eで買い物をする場合について説明する。小売店Eは特定口座である口座37を有している。
個人Bは、小売店処理装置36に、ICカード1を、入出力部2を介して電子的に接続する。なお、小売店処理装置36は、ICカード1を接続する小売店カード端末15を含んでいる。この場合も接続の方法は接触式でも非接触式でもよい。ICカード1が接続されると、小売店カード端末15の認証処理器16は、外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵を読み取り、ICカード1の記憶部3から読み取ったカード鍵情報3iの中の、外部鍵によって暗号化されている部分の暗号を解読してカード鍵を生成する。正しくカード鍵が生成されるとICカード1が正規のICカードとして認証されることになる。また、外部鍵情報が読み取れない場合には、生体認証の実施が操作者に要求される。認証処理器16は、操作者がかざした手や虹彩などから生体情報を読み取ると、生体認証情報3hに記録されている情報を所定のシステム鍵で解読した生体情報と照合する。生体情報の所定のレベルの一致が確認されると、認証処理器16は、カード鍵情報3iの中の所定の生体認証鍵で暗号化された部分をこの生体認証鍵で解読してカード鍵を生成する。このようにして、カード鍵が正しく生成されると、ICカード1と操作者が正規であるとして認証されることになる(S51)。
正しく認証されると、小売店処理装置36に支払金額が入力される(S52)。入力はテンキーなどを用いて入力してもよいし、バーコードリーダで商品情報を読み取るいわゆるPOS装置から合計金額が転送されるようにしてもよい。小売店処理装置36はICカード1の残額情報3bを読み出し、その金額が支払い金額以上かどうかを検査する(S53)。
支払金額以上の残金があれば、小売店処理装置36はICカード1から支払い金額の電子マネーを差し引く。すなわち、残額情報3bから相当額を減額して書き換え、差し引いた電子マネーの金額情報を、小売店の口座37の情報とともに電子マネー決済口座34の処理装置に転送する。電子マネー決済口座34の処理装置は、電子マネーの金額情報が転送されてくると、口座37の残額を増加させる。これにより、口座37に相当額の金額が振り込まれたことになる。口座37の処理装置は、金融機関口座データベースから口座37の口座情報を取得し、その口座情報に基づき、振り込み先である口座37が特定口座であるか否かを判断する。口座37は特定口座であるので、口座37の処理装置は、上記入金に関する履歴情報を、口座37の特定口座情報として、金融機関口座データベースに電子的に記録する(S54)。以上のようにして、ICカード1から特定口座37に支払額相当の現金が実質的に電子的に振り込まれることになる。
さらに小売店処理装置36は、ICカード1の口座情報3aを読み取り、ICカード1が電子領収書を受領して記録できるかどうかを検査する(S55)。電子領収書を受領可能であることが判ると、小売店処理装置36は電子領収書を発行して、これを振込履歴情報3dとしてICカード1に記録する(S56)。さらに小売店処理装置36は、補助情報3gを検査し、ICカード1の所有者が上記小売店のポイントカード会員であれば購入金額に応じたポイントを加算して補助情報3gを書き換える。続いて、小売店処理装置36は領収書を印刷出力し(S57)、ICカード1の接続を解除して終了する(S58) 。
以上のように金融機関口座データベース14の特定口座情報を更新することで、金融機関口座データベース14は、特定口座の所定期間内の入金の全履歴と、他の特定口座への振込による振込の全履歴を記録していることになる。よって、所定期間内のこれらの履歴のリストおよびその集計を印刷して出力、あるいはファイルとして電子的に出力することができる。これらの出力は、納税時の控除のための証憑として使用することが可能である。
(実施の形態2)
本発明に係る電子決済システムの別の形態を説明する。本実施形態では、電子マネーを用いずに銀行口座上での振込による決済処理を行なう、いわゆるデビットカード方式を用いるものである。
図6に、本実施形態の電子決済システムの構成を示す。本実施形態の小売店カード端末60は、デビットカード方式の決済に対応するもので、認証処理器16と主処理器62を有する。認証処理器16は実施の形態1における認証処理器16と同一のものでよい。金融機関処理装置13および金融機関口座データベース14は、実施の形態1におけるものとそれぞれ同じである。金融機関処理装置63および金融機関口座データベース64は、上記小売店の特定口座の置かれている金融機関に属するものである。
小売店カード端末60の主処理器62は、ICカード1が正しく認証されると、ICカード1の口座情報3aに記録されている情報の示す特定口座の金融機関処理装置13と通信して、上記金融機関処理装置13に、上記特定口座から上記小売店の特定口座に購入代金を振り込むように指示を出す。金融機関処理装置13は上記小売店の特定口座を管理する金融機関処理装置63に対して振込の処理を行う。
本実施形態における電子決済処理の概要を図7を用いて説明する。
実施の形態1同様、会社Aは口座72の名義人であり、個人Bは口座(特定口座)73の名義人であるとする。口座72及び73は、それぞれ別の処理装置により管理されているとするが、同じ処理装置により管理されていてもよい。会社Aは口座72から特定口座73への振込の形で個人Bの給与を振り込む。このとき口座72の処理装置は、口座73の処理装置から、口座73に関する口座情報を受け取り、口座73が特定口座であるかどうかを検査する。口座73が特定口座であれば、口座72の処理装置は、特定口座への振込であることを示す情報(特定口座フラグ)を含む振込の実績を、口座72の特定口座情報における振込履歴として金融機関口座データベースに記録する。一方、特定口座73の金融機関処理装置13は、上記振込情報を、口座73の特定口座情報における入金履歴として、金融機関口座データベース14に記録する。
個人Bが小売店Fで所定額の購入代金を支払うときには、個人Bの所有するICカード1を小売店処理装置76に電子的に接続する。なお、小売店処理装置76は小売店カード端末を含んでいる。小売店処理装置76は、外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵情報あるいは生体認証情報を用いて、ICカード1が正規のもので、操作者が正規の所有者であることを認証するとともにカード鍵を生成する。
上記の認証が正しく行われると、小売店処理装置76は、ICカード1に記録されている口座73の金融機関処理装置13と通信し、再度ICカード1の認証を行った後、口座73の残額を照会する。残額が購入金額以上であれば、小売店処理装置76は、金融機関処理装置13に、所定額を小売店Fの口座77に振り込むよう指示を出す。口座77は特定口座である。
金融機関処理装置13は、特定口座である口座77に所定額を振り込み(すなわち、口座77の残額を所定額だけ増加させ)、口座77の口座情報を読み取る。読み取った口座情報から口座77が特定口座であることが判明すると、金融機関処理装置13は、口座73の特定口座情報として、上記振込の履歴情報を、振込先が特定口座であることを示す情報を含めて、金融機関口座データベース14に記録する。
図8のフローチャートを用いて上記の処理を説明する。
個人Bが小売店Fで所定額の購入代金を支払うために、ICカード1を小売店処理装置76の小売店カード端末に電子的に接続されると、小売店処理装置76はICカード1が正規のもので、使用者が正規の所有者であることを認証する(S81)。
小売店処理装置76に所定額が入力されると(S82)、ICカード1に記録されている口座情報3aに基づいて特定口座73の金融機関処理装置13と通信して、再度認証する(S83)。認証が完了すると、小売店処理装置76は特定口座73の残高を照会し、残高が所定額以上かどうかを検査する(S84)。
残高が所定額以上であれば、小売店処理装置76は、口座73の金融機関処理装置13に、所定額を口座(特定口座)77に振り込むよう指示をする。金融機関処理装置13はこの指示にしたがって、口座73から所定額を口座77に振り込む処理を行う(S85)。すなわち、口座73の残額を減額し、口座77の残額を増額する。
上記振込み処理が完了すると、口座73の金融機関処理装置13は、振込先の口座が特定口座か否かを識別できる情報や、事業者識別コードが付与されている場合にはその情報も含めて、金融機関口座データベース14に振込履歴情報を電子的に記録する。すなわち、口座73の金融機関処理装置13は、金融機関口座データベース14から取得した口座情報に基づき、振込先である口座77が特定口座であるか否かを判断する。口座77が特定口座である場合、口座73の金融機関処理装置13は、振込履歴情報を金融機関口座データベース14に電子的に記録する。その際、振込先である口座77が特定口座であることを識別できる形態で金融機関口座データベース14に履歴情報が記録される。さらに、上記小売店Fのポイントカード会員であることを示す情報が金融機関口座データベース14に記録されている場合には、購入代金に対応するポイントを加算してポイント情報を書き換える。また、口座77の金融機関処理装置63は、入金の履歴を金融機関口座データベース64に記録する(S86)。
その後、小売店処理装置76は領収書を印刷して出力し(S87)、ICカード1の接続を解除して終了する(S88)。
口座73の残高が所定額に満たないときには、小売店処理装置76は、残高不足であることを表示して(S89)ICカード1の接続を解除して終了する(S88)。
以上のように、本実施形態においては、デビットカード決済を用いた振込の履歴を、振込先が特定口座かどうかを識別できる形で電子的に記録することができる。これによって、特定期間内の特定口座への振込みの集計を行うことが可能となる。また、特定口座に振り込んだとき、この特定口座の名義人である事業者の識別コードを併せて記録することで、特定口座の名義人である事業者の入金履歴を、より確実に補足することができるようになる。
(実施の形態3)
以上説明した特定口座を利用した電子決済についての利用態様の別の例を説明する。具体的には、小売業者から商品を購入した個人が名義人となっている特定口座から、金融機関の処理装置(ATMなど)を直接操作して振り込む場合につき、図9および図10を用いて説明する。
図9において、商品を購入する個人Bは、自身が名義人となっている特定口座を管理する金融機関のATM端末90にICカード1を電子的に接続する。ATM端末90に含まれる認証処理器91は外部鍵情報送信機4から送信される外部鍵情報を受信し、これを用いてICカード1が正規のもので、操作者がその所有者であるかどうかを検査する(S101)。正しく認証されない場合は、ICカード1の接続を解除して終了する(S107)。
認証が正しく完了すると、ATMデータ処理器92は操作者に入力を促し、操作者は振込金額と振込先口座情報を入力する(S102)。ATMデータ処理器92は、入力された情報を金融機関処理装置93に転送し、金融機関口座データベース94に照会して振込金額以上の残金が個人Bの口座に残っているかどうかを検査する(S103)。ATMデータ処理器92は、残金が不十分な場合はICカード1の接続を解除して終了する(S107)。
金融機関処理装置93は小売業者の口座を管理する金融機関処理装置95と通信し、上記入力情報に従って、個人Bの特定口座から小売業者の口座に入力した金額の振込処理を行う(S104)。
振込処理が終わると、金融機関処理装置93は、小売業者の口座が特定口座かどうかを判断し、特定口座の場合に、振込みの履歴情報を、振込先が特定口座かどうかを示す情報を含めて、金融機関口座データベース94に記録する。さらに、金融機関処理装置95は、入金の履歴を金融機関口座データベース96に記録する(S105)。続いてATM端末90は振込の控えを印刷して出力し(S106)、ICカード1の接続を解除して終了する(S107)。
以上は、ATM端末で振込を行う場合について説明したが、振込は自動引き落としや、パーソナルコンピュータによるネットバンキングによる振込であっても同様に処理される。
次に、認証のための初期の設定について図1を用いて説明する。
発行された直後のICカード1は初期状態で、記憶部3には口座情報3aと、必要に応じてクレジットカード番号情報と有効期限情報が、予め登録されている口座の暗証番号などを利用して所定の手順で暗号化されて記録されている。さらに、初期状態であることを示す情報も記憶部3の所定部分に記録されている。
この初期状態のICカード1を金融機関カード端末10に電子的に接続すると、金融機関カード端末10はICカード1が初期状態であることを検出して、生体認証情報と外部鍵情報送信機4の発信する外部鍵情報のいずれか、あるいは両方の入力を要求する。
生体認証情報を入力するときには、生体認証に使用する使用者の身体の一部を金融機関認証処理器11の入力部にかざす。金融機関認証処理器11は、生体情報を読み取ると、入出力部2を介して生体認証情報3hにこの生体情報を所定の手順で暗号化して記録する。
外部鍵情報を入力するときには、外部鍵情報送信機4を金融機関カード端末10の認証処理器11の受信部に近接させる。外部鍵情報送信機4としては、専用の外部鍵情報送信機の他にも、周期的にID信号を発信している携帯電話や、自動車のワイヤレスの電子キーを用いることもできる。これらのいずれかの外部鍵情報送信機4を上記受信部に近接すると、認証処理器11は外部鍵情報送信機4の種類を自動的に認識あるいは手動で選択し、外部鍵情報として使用する情報を受信信号から抽出する。外部鍵情報が抽出されると、この外部鍵情報で記憶部3に初期に記録されている情報を暗号化しなおしてこれらを書き換える。さらに、外部鍵情報送信機4の種類を示す情報をカード鍵情報3iに記録する。これらの記録が終わると、初期状態にあることを示す情報を消去して認証情報の登録を終了する。以上のようにして認証情報の登録を終了すると、次回からの認証時に、カード鍵情報3iから外部鍵情報送信機4の種類がわかるため、外部鍵情報の迅速な抽出が可能になる。
生体認証情報の登録をしておけば、鍵情報は更新することも可能である。その場合には、金融機関カード端末10でICカード1の生体認証を終えた後、外部鍵情報の更新のメニューを選択し、外部鍵情報送信機4を受信部に近接させると、受信信号から外部鍵情報送信機4の種類の識別と鍵情報を抽出を行う。これの情報に基づいて、認証情報の初期の登録時と同様に記憶部3に記録されている情報を書き換えることで認証情報の登録が更新される。
以上に説明した実施の形態では、個人が購入代金を支払う相手先を小売店あるいは小売業者として説明したが、支払先はこのような事業者に限定されない。登録された特定口座への振込みだけを消費支出として集計するのは、自分自身の別口座に振り込むことで消費支出を偽装することを排除できるようにするためである。したがって、特定口座の登録は、偽装支出に利用できないことが保障されるものであればどのような方法によっても構わない。例えば、金融機関とすでに取引がある大口取引先で、十分な信用がある場合には、その口座の名義人からの申請がなくても、金融機関の独自の判断により特定口座として登録してもよい。
上記実施例によれば、同じICカードで、電子マネー、デビットカード、クレジットカード、ポイントカード、乗車カードなど、多様な用途に使用することが可能であり、カードの使用できる端末が増えれば、カード1枚で財布を持たずに外出することも可能となるばかりでなく、現金をほとんど必要としない社会が実現されれば、偽造貨幣の被害を避ける有力な手段となる。
また、本願に基づくICカードは生体認証や、外部鍵情報送信機の併用などによって極めて安全性が高くなっており、プリチャージされている電子マネーによる決済に限らず、デビットカードやクレジットカードによる決済においてもサインや暗証番号の入力などが不要で、迅速な決済が可能となるばかりでなく、外部鍵情報送信機の使用により、生体認証に抵抗のある人に対して、初期の登録時以外は生体認証を使うことなく高い安全性を提供することが可能となる。
さらに、特定口座からの振込決済時に、口座情報によって特定口座からの振込であることがわかるので、そのような消費支出の時には、他の一般の消費支出とは異なる消費税率を適用するような処理も可能となる。この場合には、特定口座からの消費支出を課税所得から控除する代わりに消費税率を高めに設定するような異なった税体系を適用して、消費性向を高めるように誘導することも可能となる。また、消費支出額の正確な捕捉ができるので、消費税に累進性を導入して所得の再配分に供することも可能となる。
(実施の形態4)
特定口座を利用した電子決済のさらに別の利用態様について説明する。具体的には、クレジットカードを利用して小売業者から商品を購入する場合につき、図11および図12を用いて説明する。
図11において、商品を購入する個人はクレジットカード120を用いて小売店で商品を購入するものとする。このとき、小売事業者はクレジットカード120を小売店カード端末121に電子的に接続する(S120)。接続の仕方は、挿入して接点に接触する方法でも、近接して無線で通信する方法でも差支えない。クレジットカード120と小売店カード端末121の接続が確立すると、小売店カード端末121の認証処理器121aはクレジットカード会社122の認証処理装置123にアクセスして(S121)、クレジットカード120が有効かどうか、また、使用限度額が購入金額以上かどうかを確認する(S122)。
クレジットカード120が商品の購入に使用できない場合は、小売店カード端末121の主処理器121bは、クレジットカードに関する処理を停止する(S123)。すなわち、小売事業者はクレジットカードによる販売を停止する。一方、使用できることが確認された場合、主処理器121bは、クレジットカードに関する処理を継続する(S124)。すなわち、小売事業者は商品を提供して購入金額を小売店カード端末121から入力して販売を完了する。
クレジットカード会社122の決済処理装置124は、小売店カード端末121から入力された金額の情報と小売店の情報を受け取ると、相当額の金額をクレジットカード会社122の預金口座から上記小売店の預金口座に振り込むように金融機関処理装置125に指示を送る。金融機関処理装置125は指示に従って、小売店の預金口座のある金融機関の金融機関処理装置63と協働して、クレジットカード会社122の預金口座から小売店の預金口座に指示された金額を振り込む(S125)。
クレジットカード会社122の預金口座を管理する金融機関の金融機関処理装置125は、小売店の預金口座が特定預金口座かどうかを金融機関処理装置63に問い合わせる(S126)。金融機関端末処理器125は、振込先の小売店の預金口座が特定口座か否かを示す情報を含めて振込の実績を金融機関端末処理器126に記録する(S127a,S127b)。
金融機関処理装置125は、クレジットカードを使用する個人ごとに所定期間内にクレジットカードを使用した合計金額を集計し、決められた期日に、上記個人の預金口座を管理する金融機関の金融機関処理装置13と協働して、上記個人の預金口座から上記合計金額を引き落とす。口座が特定口座であれば、金融機関処理装置13は、金融機関口座データベースにおける特定口座情報の履歴情報を更新する。このとき金融機関処理装置125は金融機関処理装置13に、支払先の小売店の口座が特定口座か否かを識別できる情報を含めて支払の履歴情報を転送し(S128)、上記所定期間のクレジット決済処理を終了する(S129)。
(実施の形態5)
次に、これまでの実施形態で説明してきた電子決済システムを利用して、新規な個人税制と従来の税制を選択可能な形で併存させた税制を実現する方法について、図13のフローチャートを用いて説明する。ここで、新規な個人税制とは、所得税に代わって消費税に重点を置き、貯蓄の増分に対しては流動資産税を新規に課すような税制(以下、「消費・流動資産税制」と呼ぶ)である。このような新税制は、上記の実施形態で説明した電子決済システムを利用することで初めて実現可能となる。
まず、個人は従来税制と消費・流動資産税制のどちらで納税するかをあらかじめ選択可能とし、新税制を選択する場合には、所定の金融機関に特定の預金口座を開設する。ここで、消費・流動資産税制は以下の規則で運用する。
(1)自身の特定預金口座への入金はすべて収入とみなし、それ以外の収入は別途申告する;
(2)他の特定口座への振り込みだけを消費とみなす;
(3)消費の総額に従来税制の消費税(第1の消費税)よりも大きな第2の消費税を課す;
(4)総収入から総消費を差し引いた金額を貯蓄の増分とみなしてこれに流動資産税を課す。
以上を消費・流動資産税制の骨子とするが、このままでは従来税制の所得税が有している累進課税のような再配分機能がない。そこで再配分のために、家族構成に基づいて定められる所定額を一律に戻す方法や、所定の消費額までは消費税を減免する方法などが考えられるが、本実施形態ではさらに以下の規則を設けることとする。
(5)所定の消費額までは消費税を無税とする。
納税額を決定する所定の期間が過ぎると、個人の特定預金口座を管理する金融機関の金融機関処理装置13は金融機関口座データベース14にアクセスして、上記個人の所定期間内の入金額の合計と所定期間内の特定口座への出金額の合計を計算する(S130)。本実施例では、上記入金額の合計は総収入とみなし、特定口座への出金額の合計は総支出とみなす。金融機関処理装置13は、総支出が消費税を無税とする消費額の上限である所定金額以下かそれを超えているかを検査する(S131)。総支出が上記所定金額を超えていれば、金融機関処理装置13は、この所定金額を、消費税が無税となる免税消費額(A)とし、総支出から免税消費額(A)を控除した残りが課税消費額(B)とする(S132)。総支出が上記所定金額以下の場合には、金融機関処理装置13は、この総支出を免税消費額(A)とし、課税消費額(B)をゼロとする(S133)。
次に、金融機関処理装置13は総支出と総収入を比較する(S134)。総支出が総収入以下であれば、金融機関処理装置13は、〔総収入−総支出〕を貯蓄増加額(C)とし(S135)、総支出が総収入を上回っていれば、〔総支出−総収入〕を貯蓄の取り崩し額(D)とする(S136)。
ここで、本実施形態では、従来税制と消費・流動資産税制との併存を前提にしおり、消費・流動資産税制では所得税を課さないので、従来税制による消費税率である第1の比率よりも、消費・流動資産税制の消費税率である第2の比率を大きく設定する。消費・流動資産税制ではさらに、貯蓄増加額(C)に対しては第3の比率の流動資産税を課す。また、消費・流動資産税制において、貯蓄の取り崩し(D)部分に消費税を課すと、その部分に対しては流動資産税と消費税の二重取りになるので、貯蓄の取り崩し(D)に対しては実質的に消費税が掛からないようにする。しかし、顧客が従来税制による納税者か消費・流動資産税制による納税者かによって小売店での消費税の徴収額が異なると混乱を招き、事業者による消費税納税額の計算がきわめて煩雑になるので、これを避けるためには、小売店では顧客全員に対して一律の税率で消費税を納税するようにしなければならない。そこで、本実施例では小売店で一律に第1の消費税を徴税する。
以上の手順に従って消費・流動資産税制による納税額が計算される。すなわち、総支出から免税消費額を控除した課税消費額(B)から貯蓄の取り崩し(D)を差し引いた分に対する消費税は〔(B−D)×第2の消費税率〕となる。流動資産税は、〔貯蓄増加額(C)×流動資産税率〕で計算される。また、総消費に対して小売店で納入済みの第1の消費税を戻す必要があり、戻し分は〔総消費×第1の消費税率〕によって計算される。したがって納税総額は、〔第2の消費税額+流動資産税額−既納の第1の消費税〕となる(S137)。納税総額が正数のときには、個人の特定預金口座から国庫を代行する所定の金融機関に納税総額が振り込まれる(S139a)。すなわち、金融機関処理装置13は、所定の金融機関が管理する国庫の口座に納税総額の振り込み処理を指示する。また、納税総額が負数の場合にはその絶対額が国庫から個人の特定預金口座に還付されることになる(S139b)。すなわち、所定の金融機関から、金融機関処理装置13に、個人の特定預金口座への還付金の振り込み処理が指示される。
本実施形態では、流動資産税を導入するために、消費者の消費マインドを高めて消費不況を解消する有効な手段を提供することができる。また、消費税を主体にするために、捕捉の不確実な所得に基づく所得税よりも徴税が確実であるため、従来から正確な納税をしてきた人はすべて税負担を軽くしながら税収の総額が増加するような制度設計が可能となる。さらに、従来税制との併存を可能にしているので、制度の導入も容易であるという効果もある。
なお、本実施形態では、再配分の手段として、所定額の消費までは消費税を免税するようにしたが、家族構成などで決まる所定の金額を各世帯一律に還付するようにすれば、免税消費額に対する消費税の既納分を還付するような処理は不要となる。また、免税消費額に対しては消費税を無税としたが、無税とするのではなく第1の消費税としても消費税の既納分を還付する処理は不要となる。
また、上記の実施の形態では特定口座を示すために特定口座フラグを用いたが、特定口座には所定の範囲の口座番号を割り振ることで特定口座フラグと同等の情報を口座番号に持たせることもできる。
上記の各実施形態において、金融機関カード端末10、小売店カード端末15、…、金融機関処理装置13,18、…、等は、コンピュータ(CPUのような制御手段やメモリのような記憶手段を含む)で構成でき、所定のプログラムを実行することによりそれらの機能が実現される。また、そのようなプログラムはCD−ROM、DVD−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記録媒体または通信媒体を介して提供され得る。
本発明の実施の形態1の電子決済システムの構成図である。 実施の形態1におけるICカードに記録される情報一例を説明した図である。 実施の形態1における金融機関口座データベースで管理される特定口座情報の一例を説明した図である。 実施の形態1における電子決済における金銭価値の流れの一例を説明した図である。 ICカードに電子マネーのチャージを行うときの処理を示すフローチャートである。 ICカードを用いた電子決済処理における支払処理を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2のデビットカード方式を用いた電子決済システムの構成図である。 デビットカード決済における金銭価値の流れを説明した図である。 デビットカード決済を行うときの処理を示すフローチャートである。 特定口座から直接振込処理を行う実施の形態3による電子決済システムの構成図である 実施の形態3における決済処理を示すフローチャートである。 実施の形態4におけるクレジットカードを用いた電子決済システムも構成図である。 クレジットカードによる決済処理を示すフローチャートである。 実施の第5の形態における納税処理を示すフローチャートである。 従来の電子マネーシステムの構成図である。
1,35 ICカード
2 入出力部
3 記憶部
4 外部鍵情報送信機
10 金融機関カード端末
11,91 金融機関カード端末の認証処理器
12 金融機関カード端末の主処理器
13,18,63,93,95 金融機関処理装置
14,19,64,94,96 金融機関口座データベース
16 小売店カード端末の認証処理器
17 小売店カード端末の主処理器
33,37,73,77 特定口座
34 電子マネー決済口座
36,76 小売店処理装置
60 小売店カード端末
62 小売店端末処理器
90 ATM端末
92 ATMデータ処理器

Claims (23)

  1. 電子決済装置により、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む方法であって、
    上記第2の口座が、名義人を特定できる特定口座であるかどうかを検査する第1のステップと、
    第2の口座が特定口座であることが認識されると、振込先が特定口座であることを識別できる形で上記振込の履歴情報を、第1の口座に関連付けて所定の記憶手段に電子的に記録する第2のステップと
    を有してなることを特徴とする電子決済方法。
  2. 上記振込の履歴情報は、上記第2の口座の名義人の識別情報を含むことを特徴とする請求項1記載の電子決済方法。
  3. 電子決済装置により、第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む方法であって、
    上記第1の口座が、名義人を特定できるとともに電子的に送信される電子領収書を受信する機能を有するような特定口座であるかどうかを検査する第1のステップと、
    第1の口座が特定口座のときには第2の口座から第1の口座に電子領収書を送信する第2のステップと、
    第2の口座から送信される電子領収書を受信して、受信した電子領収書を第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する第3のステップと
    を有してなることを特徴とする電子決済方法。
  4. 第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、 上記第2の口座が、口座の名義人を特定できる特定口座であるか否かを検査し、上記第2の口座が、口座の名義人を特定できる特定口座のときには、振込先が特定口座であることを識別できる形で、振込の履歴情報を、第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する処理手段を備えたことを特徴とする電子決済装置。
  5. 上記振込の履歴情報が、第2の口座の名義人の識別情報を含むことを特徴とする請求項4記載の電子決済装置。
  6. 上記処理手段は、上記第1の口座の、所定の期間内の入金の総額と、所定の属性を有する口座への振込の総額とを集計する機能を有することを特徴とする請求項5記載の電子決済装置。
  7. 第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、
    上記第1の口座が、電子的に発行される電子領収書を受け取ることが可能な特定口座かどうかを検査し、特定口座の場合には第2の口座から第1の口座に対して、電子的に振り込まれた額に応じた電子領収書を送信する処理手段を備えたことを特徴とする電子決済装置。
  8. 第1の口座から第2の口座に所定額の金銭的価値を電子的に振り込む処理を行う装置であって、
    上記第1の口座が、電子的に発行される電子領収書を第2の口座から受信したときには、この電子領収書の情報を、第1の口座に関連付けて、所定の記憶手段に電子的に記録する処理手段を備えたことを特徴とする電子決済装置。
  9. 上記処理手段は、上記第1の口座の、所定の期間内の入金の総額と、受信した電子領収書の総額とを集計する機能を有することを特徴とする請求項8記載の電子決済装置。
  10. 電子決済装置により、所定の預金口座と所定の金融機関との間で電子的に決済を行う方法であって、
    所定期間内に上記所定の預金口座へ入金された金額の総額を計算するステップと、
    上記所定期間内に上記所定の預金口座から、上記所定の預金口座の名義人とは異なる名義人の預金口座へ振り込まれた振込額の総額を計算するステップと、
    上記振込額の総額またはその一部に1未満の第1の比率を乗じた第1の金額を計算するステップと、
    上記入金の総額から上記振込額の総額を減じた金額に1未満の第2の比率を乗じた第2の金額を計算するステップと、
    上記第1の金額と第2の金額の合計額を上記所定の金融機関に振り込むための処理を実行するステップと
    を有することを特徴とする電子決済方法。
  11. 上記第1の金額を計算するステップは、上記振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に上記第1の比率を乗じて計算することを特徴とする請求項10記載の電子決済方法。
  12. 前記第1の金額を計算するステップは、前記振込額の総額またはその一部に前記第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算することを特徴とする請求項10記載の電子決済方法。
  13. 前記第1の金額を計算するステップは、前記振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に、前記第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算することを特徴とする請求項10記載の電子決済方法。
  14. 前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額を、前記所定の金融機関から前記所定の預金口座へ振り込む処理、及び、前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額と、前記所定の預金口座から前記所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行うステップをさらに有することを特徴とする請求項11記載の電子決済方法。
  15. 前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額を、前記所定の金融機関から前記所定の預金口座へ振り込む処理、及び、前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額と、前記所定の預金口座から前記所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行うステップをさらに有することを特徴とする請求項13記載の電子決済方法。
  16. 前記振込額の総額を計算するステップは、振込先がクレジットカード会社の口座の場合は、クレジットカード会社からの振り込み先が所定の条件を満たす場合のみを上記総額に含めることを特徴とする請求項10記載の電子決済方法。
  17. 所定の預金口座と所定の金融機関との間で電子的に決済を行う装置であって、
    所定期間内に上記所定の預金口座へ入金された金額の総額を計算する手段と、
    上記所定期間内に上記所定の預金口座から、上記所定の預金口座の名義人とは異なる名義人の預金口座へ振り込まれた振込額の総額を計算する手段と、
    上記振込額の総額またはその一部に1未満の第1の比率を乗じた第1の金額を計算する手段と、
    上記入金の総額から上記振込額の総額を減じた金額に1未満の第2の比率を乗じた第2の金額を計算する手段と、
    上記第1の金額と第2の金額の合計額を上記所定の金融機関に振り込むための処理を実行する手段と
    を備えたことを特徴とする電子決済装置。
  18. 上記第1の金額を計算する手段は、上記振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に上記第1の比率を乗じて計算することを特徴とする請求項17記載の電子決済装置。
  19. 前記第1の金額を計算する手段は、前記振込額の総額またはその一部に前記第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算することを特徴とする請求項17記載の電子決済装置。
  20. 前記第1の金額を計算する手段は、前記振込額の総額から所定の控除額を差し引いた金額に、前記第1の比率からこの第1の比率よりも小さい第3の比率を差し引いた差の比率を乗じて計算することを特徴とする請求項17記載の電子決済装置。
  21. 前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額を、前記所定の金融機関から前記所定の預金口座へ振り込む処理、及び、前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額と、前記所定の預金口座から前記所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行う手段をさらに有することを特徴とする請求項18記載の電子決済装置。
  22. 前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額を、前記所定の金融機関から前記所定の預金口座へ振り込む処理、及び、前記所定の控除額に前記第3の比率を乗じた金額と、前記所定の預金口座から前記所定の金融機関に振り込む金額との間での相殺処理のいずれかを行う手段をさらに有することを特徴とする請求項20記載の電子決済装置。
  23. 前記振込額の総額を計算する手段は、振込先がクレジットカード会社の口座の場合は、クレジットカード会社からの振り込み先が所定の条件を満たす場合のみ上記総額に含めることを特徴とする請求項17記載の電子決済装置。
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