JPWO2009044901A1 - 回転傾斜露光法を用いた流路形成方法 - Google Patents

回転傾斜露光法を用いた流路形成方法 Download PDF

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Abstract

複数部品の位置合せなしに簡単にかつ高精度に微小構造体を作製することができる、微小構造体の形成方法を提供する。(1)マスクパターン及び光硬化性樹脂を貫通する一つの回転軸を中心に回転させながら、回転軸に対して斜め方向からマスクパターンを介して光硬化性樹脂の露光を行い、光硬化性樹脂の露光部分に、光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値以上の吸光量になった高露光部分と硬化基準値未満の吸光量である低露光部分とを含む吸光量分布を形成する第1のステップと、(2)光硬化性樹脂の高露光部分の少なくとも一部により微小構造体の少なくとも一部を形成する第2のステップとを備える。

Description

本発明は、回転傾斜露光法を用いた流路形成方法に関し、詳しくは、マイクロ流体システムの流路要素等の微細構造を形成する技術に関し、特に、交差する流路、合流分岐する流路、延在する方向が変化する流路や、開口を有するオリフィス構造体の形成に好適である流路形成方法に関する。
微少量の流体の混合や細胞の操作等を行うマイクロ流体システムを、光硬化性樹脂を用いて作製することが提案されている。
例えば図22に示すように、マスクパターン222が形成された透明なマスク板221上の光硬化性樹脂223を、矢印224a,224bで示すように異なる方向から露光し、光硬化性樹脂223の未露光部分224kを除去することによって立体形状を形成する、傾斜露光法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、非特許文献1には、図23の説明図に示すように露光方向に対して中心軸を傾斜させた回転ステージ上に光硬化性樹脂(SU−8)とマスク板とを載置して露光を行う回転傾斜露光法により、図24の写真に示すように格子状に配列され林立する微細構造を三次元加工した試作例が開示されている。
国際公開特許公報WO2006/098430号「細胞内物質導入装置、細胞クランプ装置及び流路の形成方法」 花井計、中原崇、鈴木慎也、松本佳宜「傾斜回転露光法による三次元加工法」電気学会論文誌E、126巻、6号、222ページから227ページまで
傾斜露光法を用いると、直線状に延在し、断面が一定の流路を形成することができる。
しかし、傾斜露光法では、流路が折れ曲がったり、湾曲したり、交差したりする場合には、断面が一様な流路を形成することができない。
例えば、図25に示すように、U字状の遮光要素4xを有するマスクパターンが上面2aに形成されたマスク板2を用い、矢印5a,5bで示すように、異なる2方向から、マスク板2上の光硬化性樹脂6を露光すると、遮光要素4xの直線部分により、断面7aに示すように、未露光部分に対応して三角形形状の断面8aの流路を作製できる。しかし、遮光要素4xの湾曲部分では、未露光部分の形状が変化し、流路の断面積が変化し、例えば断面7bに示すように、台形形状の断面8bとなり、光硬化性樹脂6の上面6aに開口9が形成される。
そのため、断面が一定の流路を形成することができない上、密閉流路を形成する場合には、開口9に別部品を重ねて塞ぐ必要がある。
湾曲したり、交差したり、合流・分岐する流路等は、適宜に分割し、それぞれ別々に形成した複数部品を、後工程で貼り合わせれば作製可能である。
しかし、そうすると工程数が増えてコスト高となる上、微小構造を形成した部品同士を高精度に位置合せする必要があり、作製は容易ではない。
本発明は、かかる実情に鑑み、複数部品の位置合せなしに簡単にかつ高精度に微小構造体を作製することができる、微小構造体の形成方法を提供しようとするものである。
本発明は、上記課題を解決するために、以下のように構成した微小構造体の形成方法を提供する。
微小構造体の形成方法は、(1)光が透過する透光部と光の透過を阻止する遮光部とを含むマスクパターンと、前記マスクパターンに沿って配置された光硬化性樹脂とを、前記マスクパターン及び前記光硬化性樹脂を貫通する一つの回転軸を中心に回転させながら、前記回転軸に対して斜め方向から前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行い、前記光硬化性樹脂に、前記光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値以上の吸光量になった高露光部分と、前記硬化基準値未満の吸光量である低露光部分とを形成する第1のステップと、(2)前記光硬化性樹脂の少なくとも前記低露光部分を除去して、前記光硬化性樹脂の前記高露光部分の少なくとも一部により微小構造の少なくとも一部を形成する第2のステップとを備える。
第1のステップにおいて光硬化性樹脂の露光を行う前に、光硬化性樹脂は、全く露光されていないか、露光されていても吸光量は硬化基準値未満である。第1のステップにおいて、マスクパターンと光硬化性樹脂とは接していても、離れていてもよい。
第1のステップにおいて、光硬化性樹脂に未露光部分が残る場合には、第2のステップにおいて、光硬化性樹脂の未露光部分も除去する。第2のステップにおいて、光硬化性樹脂の高露光部分の一部が除去されてもよい。第2のステップにおいて除去されずに残っている光硬化性樹脂の高露光部分によって、大略、光硬化性樹脂の高露光部分と低露光部分との境界面に沿って立体形状が形成される。この立体形状が、流路やノズル等の流路要素のような微小構造体の一部又は全部を形成するようにする。
第1のステップにおいて光硬化性樹脂を露光するときの露光量の大きさに応じて、光硬化性樹脂内の吸光量分布が変化し、光硬化性樹脂に形成される高露光部分と低露光部分との境界面の形状が変わり、第2のステップにおいて形成される立体形状が変化する。第1のステップにおいて光硬化性樹脂内に低露光部分が形成されるように露光することにより、複雑な形状の微小構造体を形成することが可能となる。例えば、第1のステップにおいて用いるマスクパターンの透光部又は遮光部は、(a)交差する要素、例えばX字状に交差する要素と、(b)合流分岐する要素、例えばY字状に合流分岐する要素と、(c)延在する方向が変化する要素、例えばU字状やS字状に湾曲する要素、あるいはV字状やZ字状に折れ曲がる要素とのうち、少なくとも一つを含むようにする。
好ましくは、前記第1のステップの実行後における前記光硬化性樹脂内の吸光量の分布を算出し、前記光硬化性樹脂内の前記吸光量が等しい面によって形成される立体形状のうち、所望の立体形状を選択し、選択した立体形状を形成する前記光硬化性樹脂内の前記吸光量が等しい面の部分について、前記第1のステップの実行後における吸光量が実質的に前記硬化基準値に等しくなるように前記第1のステップにおいて前記光硬化性樹脂の露光を行うために必要な露光量を決定する第3のステップをさらに備える。前記第1のステップにおいて、前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行う際の露光量が、前記第3のステップにおいて決定した露光量と一致するように、露光量を制御する。前記第2のステップにおいて、前記第3のステップで選択した立体形状と実質的に同一の形状を前記光硬化性樹脂に形成する。
この場合、第2のステップで光硬化性樹脂に所望の立体形状が形成されるように、第1のステップにおいて露光量を制御する。第3のステップにおいて、所望の立体形状を選択できない場合には、マスクパターンの形状・寸法等の条件を変更して、光硬化性樹脂内の吸光量の分布の算出をやり直す。
光硬化性樹脂内の吸光量の分布を算出した結果を検討し、所望の立体形状を実現できるマスクパターンや露光条件を決定することができるので、試作や実験を減らし、所望の形状の流路要素を容易に作製することができる。
具体的な一態様としては、前記マスクパターンの前記透光部は、前記回転軸と平行な軸と同軸に延在するリング状のリング要素を含む。前記第2のステップにおいて、前記光硬化性樹脂には、前記マスクパターンの前記透光部の前記リング要素に対応して、先端に開口を有し、内部に前記開口に連通する空洞を有する突起状のオリフィス構造体が形成される。
この場合、第1のステップにおいて光硬化性樹脂を露光する露光量を調節することにより、第2のステップにおいて形成されるオリフィス構造体について、開口や空洞の大きさ、先端の形状を制御することができる。
また、本発明は、以下のように構成した他の微小構造体の形成方法を提供する。
微小構造体の形成方法は、(1)光が透過する透光部と、光の透過を阻止し、かつ延在する方向が変化する遮光要素とを含むマスクパターンと、前記マスクパターンに沿って配置された光硬化性樹脂とを、前記マスクパターン及び前記光硬化性樹脂を貫通する一つの回転軸を中心に回転させながら、前記回転軸に対して斜め方向から前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行い、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光要素に接して形成される未露光部分を囲む部分に、前記光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値以上の吸光量になる高露光部分を形成する第1のステップと、(2)前記光硬化性樹脂の少なくとも前記未露光部分を除去して、前記光硬化性樹脂の前記高露光部分の少なくとも一部により、延在する向きが変化する流路空間の少なくとも一部を形成する第2のステップとを備える。
上記方法によれば、遮光要素に沿って、折れ曲がったり、湾曲したり、交差するなど、延在する方向が変化する流路を形成することができる。特に、マスクパターン及び光硬化性樹脂を、マスクパターンに垂直な回転軸を中心に回転させながら、回転軸に対して斜め方向から露光を行う場合には、遮光要素の幅(遮光要素が延在する方向に直角な方向の寸法)が一定であれば、流路は、延在する方向が変化しても、延在する方向に直角な断面の形状と大きさが一定となる。遮光要素の幅を変化させることによって、延在する方向に直角な断面の大きさが変化する流路やオリフィス等を形成することができる。
また、本発明は、以下のように構成した別の微小構造体の形成方法を提供する。
微小構造体の形成方法は、(1)光の透過を阻止する主流路要素と前記主流路要素の一端から放射状に延在し光の透過を阻止する2本以上の分岐流路要素とを含むマスクパターンに沿って光硬化性樹脂を配置した状態で、少なくとも異なる2方向から前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行い、前記光硬化性樹脂内に、(a)前記マスクパターンの前記主流路要素及び前記分岐流路要素により前記主流路要素及び前記分岐流路要素と接する第1の未露光部分を形成し、(b)前記マスクパターンの前記分岐流路要素により前記マスクパターンの前記主流路要素の前記一端から前記マスクパターンに対して斜めに延在する第2の未露光部分を形成し、(c)前記第1の未露光部分を囲む部分と前記第2の未露光部分を囲む部分とに、前記光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値以上の吸光量になる高露光部分を形成する第1のステップと、(2)前記光硬化性樹脂の前記第1の未露光部分を除去して、主流路と、前記主流路の一端から放射状に延在する2本以上の平行分岐流路とを、同一面に沿って平行に形成し、前記光硬化性樹脂の前記第2の未露光部分を除去して、前記主流路の前記一端から前記同一面に対して斜めに延在する、1又は2本以上の斜行分岐流路を形成する第2のステップとを備える。
この場合、傾斜露光法により、三次元的に合流・分岐する流路を有する微小構造体を、複数部品の位置合せなしに形成することができる。
すなわち、上記方法により、(a)基板と、(b)前記基板に沿って平行に延在する主流路と、(c)前記基板に沿って平行に、かつ前記主流路の一端から放射状に延在する、2本以上の平行分岐流路と、(d)前記主流路の前記一端から前記基板に対して斜めに延在する、1又は2本以上の斜行分岐流路とを備える微小構造体を形成することができる。
この微小構造体は、主流路と平行分岐流路とがなす角度や、主流路と斜行分岐流路とがなす角度を、180°又は180°前後の大きさにすることができる。また、合流・分岐の前後において、主流路の断面積と、平行分岐流路及び斜行分岐流路の断面積の合計とを、実質的に等しくすることができる。そのため、これらの流路を液体が流れて合流・分岐する際に、流れの乱れができるだけ生じないようにすることができる。特に平行分岐流路及び斜行分岐流路から主流路に合流する場合、主流路内において三次元多層流を実現でき、液界面の増加による高速混合が可能となる。
また、本発明は、以下の構成の細胞クランプ装置を提供する。
前記マスクパターンの前記遮光部は、(a)平行に配置された相対的に幅が大きい第1の要素と、(b)前記第1の要素の間を接続する、相対的に幅が小さい複数の第2の要素と、(c)前記第2の要素の中間位置に前記第2の要素から膨出するように形成された第3の要素とを含む。細胞クランプ装置は、前記マスクパターンを用いて、前記微小構造体の形成方法により形成される。細胞クランプ装置は、相対的に太い流路の間に相対的に細い流路を介してオフィス構造体が並列に配置されている。
この場合、細胞クランプ装置の相対的に太い流路は、マスクパターンの遮光部の第1の要素により形成される。細胞クランプ装置の相対的に細い流路は、マスクパターンの遮光部の第2の要素により形成される。細胞クランプ装置のオリフィス構造体は、マスクパターンの遮光部の第3の要素により形成される。細胞クランプ装置は、細胞吸引力の不足や、細胞への過度の圧力負荷による損傷が起こらないようにすることができ、容易に作製することができる。
本発明によれば、複数部品の位置合せなしに簡単にかつ高精度に微小構造体を作製することができる。
露光システムを模式的に示す構成図である。(実施例1) 光硬化性樹脂内の光の透過を示す斜視図である。(実施例1) マスク板の平面図である。(実施例1) 断面位置の吸光量分布図である。(実施例1) 吸光量の等高面により形成される立体形状の(1)斜視図、(2)断面図、(3)作製例のSEM写真である。(実施例1) 吸光量の等高面により形成される立体形状の(1)斜視図、(2)断面図、(3)作製例のSEM写真である。(実施例1) 吸光量の等高面により形成される立体形状の(1)斜視図、(2)断面図、(3)作製例のSEM写真である。(実施例1) 作製条件の詳細を示す表である。(実施例1) 作製例のSEM写真である。(実施例1) マスク板の平面図である。(実施例1) 流路の透視図である。(実施例2) (1)流路の要部透視図、(2)作製例のSEM写真である。(実施例2) (1)流路の要部透視図、(2)作製例のSEM写真である。(実施例2) (1)オリフィス構造体の要部透視図、(2)作製例のSEM写真である。(実施例3) 細胞クランプ装置の斜視図である。(参考例) 図11の直線A−Aに沿って切断した細胞クランプ装置の断面図である。(参考例) マスクパターンを示す要部斜視図である。(参考例) オリフィス構造体の要部透視図である。(参考例) マスクパターンを示す要部斜視図である。(実施例3) オリフィス構造体の要部透視図である。(実施例3) 合流・分岐流路の斜視図である。(実施例4) マスクパターンの平面図である。(実施例4) 図18の断面位置(1)で切断して光硬化性樹脂内の露光状態を示す斜視図である。(実施例4) 図18の断面位置(2)で切断して光硬化性樹脂内の露光状態を示す斜視図である。(実施例4) 図18の断面位置(3)で切断して光硬化性樹脂内の露光状態を示す斜視図である。(実施例4) 図18の断面位置(4)で切断して光硬化性樹脂内の露光状態を示す斜視図である。(実施例4) 作製例のSEM写真である。(実施例4) 作製例のSEM写真である。(実施例4) 作製条件の詳細を示す表である。(実施例4) 傾斜露光法の説明図である。(従来例1) 回転傾斜露光法の説明図である。(従来例2) 回転傾斜露光法による作製例の写真である。(従来例2) 傾斜露光法の説明図である。(従来例3)
符号の説明
10 マスク板
12 マスクパターン
12k 第1要素(遮光部)
12s 第2要素(遮光部)
12t 第3要素(遮光部)
12x 遮光要素
20 光硬化性樹脂
21 オリフィス構造体
22x 流路
40 合流流路(主流路)
42 第1の分岐流路(平行分岐流路)
43 第4の分岐流路(斜行分岐流路)
44 第2の分岐流路(平行分岐流路)
45 第5の分岐流路(斜行分岐流路)
46 第3の分岐流路(平行分岐流路)
47 第6の分岐流路(斜行分岐流路)
66 回転軸
以下、本発明の実施の形態として実施例について、図1〜図21を参照ながら説明する。
<実施例1> 実施例1の突起状のオリフィス構造体について、図1〜図7を参照しながら説明する。
実施例1の突起状のオリフィス構造体は、例えば図1の構成図に模式的に示す露光システムを用いて、回転傾斜露光法により作製する。
すなわち、図1に示すように、防振台50上に傾斜回転装置60を固定し、傾斜回転装置60のステージ64上に、マスクパターンが形成されたマスク板10と光硬化性樹脂20とを重ねて配置する。そして、傾斜回転装置60のモータ62により、矢印68で示すようにステージ64を回転させながら、露光装置52から矢印54で示すように光(例えば、紫外線)を照射し、マスク板10を介して光硬化性樹脂20の露光を行う。このとき、矢印54で示す露光装置52からの光照射方向に対して、傾斜回転装置60のステージ64の回転軸66が斜めになる状態で、すなわち光照射方向に対してステージ64が垂直でも平行でもない状態で、露光を行う。
ステージ64を傾けて回転しながら露光すると、光硬化性樹脂側から見た図2の説明図に示すように、マスク板10の主面10aに形成されたマスクパターン12を通過し、光硬化性樹脂内を透過する透過光58は円錐状に移動し、マスクパターン12上に配置された不図示の光硬化性樹脂を露光する。
この円錐の半頂角θは、ステージ64の回転軸66とマスク板10の法線方向11とが一致する場合には、回転軸66と光照射方向とがなす角度と略一致する。厳密には、屈折により、多少のずれが生じる。
なお、マスク板10及び光硬化性樹脂20を回転する代わりに、露光装置52側に光照射方向を変える光学系を追加する等の方法で、照射光を円錐状に移動させ、マスク板10及び光硬化性樹脂20を固定することにより、光硬化性樹脂と透過光の相対位置関係が実質的に同じになるようにすることが可能である。
次に、所望形状の突起状のオリフィス構造体を形成する方法について説明する。
まず、所望形状の突起状のオリフィス構造体を形成するために用いるのに適していると思われるマスクパターンを想定する。例えば、図3の平面図に1/4部分を示すように、内径R、外径R+d、幅dのリング状の透光部が形成されたマスクパターンを想定する。このリング状の透光部は、マスクパターンの透光部に含まれる「延在する方向が変化する要素」である。
次いで、想定したマスクパターンを用いて、図1に示した回転傾斜露光法により光硬化性樹脂の露光を行ったときの光硬化性樹脂内の吸光量分布を算出する。
例えば、マスクパターンの形状、光硬化性樹脂の膜厚、光照射方向に対するステージの傾き角、光硬化性樹脂の吸光率等のパラメータを決め、光硬化性樹脂を分割したメッシュ、あるいは光硬化性樹脂内の点群について、光照射方向を変えながら吸光量を逐次算出し、積算する。
図4に、図3のマスク板上に塗布した光硬化性樹脂の吸光量分布を算出した結果を示す。図4は、マスク板に形成されたリング状の透光部の中心軸を通る光硬化性樹脂断面の吸光量分布を示し、図において右側の縦軸がリング状の透光部の中心軸である。吸光量分布は、マスク基板に形成されたマスクパターンの透光部中心近傍部分の最大吸光量で規格化している。
次いで、演算した吸光量分布に基づいて検討を行う。すなわち、規格化された吸光量が一定となる部分をつないだ吸光量の等高面により形成される種々の立体形状のうち、所望形状の突起状のオリフィス構造体に対応する立体形状を選択する。
例えば、図5a(1)及び(2)は規格化した吸光量が1.0、図5b(1)及び(2)は規格化した吸光量が0.8、図5c(1)及び(2)は規格化した吸光量が0.6の場合の吸光量の等高面により形成される立体形状を示す斜視図及び中心軸を通る断面図である。
所望形状の突起状のオリフィス構造体に対応する立体形状がなければ、マスク板のマスクパターンの形状等の条件を変えて吸光量分布の演算をやり直して、再検討する。
所望形状の突起状のオリフィス構造体に対応する立体形状を選択した後、その立体形状を形成する吸光量の等高面の部分について、吸光量が、光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値に達するようにするために必要な露光条件、例えば露光装置の出力、露光時間等を算出する。
次いで、選択した立体形状を形成するためのマスク板を実際に作製し、それ用いて実際に回転傾斜露光法により光硬化性樹脂の露光を行う。このとき、算出した露光条件となるように、露光装置の出力、露光時間等を制御する。露光後、光硬化性樹脂の現像を行い、必要に応じてポストベーク工程を経て、所望形状に略一致する突起状のオリフィス構造体を実際に作製することができる。
例えば、図5a(3)、図5b(3)、図5c(3)は、それぞれ、図5a(1)及び(2)、図5b(1)及び(2)、図5c(1)及び(2)の立体形状を選択して作製した突起状のオリフィス構造体のSEM写真である。この作製例において、透明なガラス基板上に蒸着された金属膜をパターニングすることによりマスクパターンが形成されたマスク板を用いた。マスクパターンはR=5.5μm、d=1.0μmであり、光硬化性樹脂にはmicrochem社製のSU−8 2010を用い、光硬化性樹脂の膜厚を10μm、マスク板の法線と照射光とがなす角度θを40°とした。作製条件の詳細を、図5dに示す。図5a〜図5cから、選択した立体形状と実際に作製した突起状のオリフィス構造体の三次元形状とが略一致していることが分かる。
図6のSEM写真は、図7の平面図に示すマスクパターンを用いて、同様に回転傾斜露光法で作製した構造体の作製例の写真である。この作製例では、突起状のオリフィス構造体に流路が接続している。図7のマスクパターンの透光部(non-Masked Area)は、リング状の第1の要素E1、すなわち「延在する方向が変化する要素」と、第1の要素E1に接続された互いに平行な第2の要素E2とを含み、第1の要素E1により突起状のオリフィス構造体が形成され、第2の要素E2により流路が形成されている。
以上に説明した突起状のオリフィス構造体は、その先端に細胞等を吸着して固定するために用いたり、その先端から液滴(ビーズ)を吐出したりするために用いることができる。
以上に説明したように、光硬化性樹脂内の吸光量の分布を算出した結果を検討し、所望の立体形状を実現できるマスクパターンや露光条件を決定する手法を用いると、試作や実験を減らすことができるので、突起状のオリフィス構造体に限らず、任意の三次元形状の流路要素を、容易に作製することができる。なお、図7のマスクパターンにおいて第1の要素E1に接続された第2の要素E2を、直線状ではなく曲線状にする、すなわち「延在する方向が変化する要素」に代えると、曲がった流路を形成することができる。マスクパターンの透光部は、交差する要素や合流分岐する要素を含むようにしてもよい。
<実施例2> 実施例2の流路について、図8、図9a、図9bを参照しながら説明する。
実施例2の流路は、実施例1と同様に、回転傾斜露光法を用いて作製する。
例えば図8の透視図に示すように、流路は、マスク板10上に塗布された光硬化性樹脂20に断面3角形の空間を形成することにより、作製する。流路は、マスク板10の主面10aに形成されたU字状に湾曲する遮光要素12xに沿って形成され、流路の内面には遮光要素12xが露出する。このマスクパターンの遮光部は、「延在する方向が変化する要素」として、U字状に湾曲する遮光要素12xを含んでいる。
次に、U字状に延在する流路の作製方法について説明する。
まず、上面10aにU字状に湾曲する一定幅の遮光要素12xを有するマスクパターンが形成されたマスク板10を用意し、マスク板10の上面10aに光硬化性樹脂20を塗布する。
次いで、上述した回転傾斜露光法により、マスクパターンを介して光硬化性樹脂20の露光を行う。
回転露光法を用いると、遮光要素12xの幅(遮光要素12xの延在方向に対して直角方向の寸法)が一定であれば、遮光要素12xが湾曲しても、光硬化性樹脂20には遮光要素12xの延在方向に直角方向の断面14a,14bにおいて、寸法・形状が一定の未露光部分が形成されるので、流路22xは、その延在方向に直角な断面15a,15b,15s,15tの寸法・形状が一定となる。
上記のように、光硬化性樹脂20内の露光部分のうち、少なくとも遮光要素に沿って形成される未露光部分の近傍部分について、吸光量が硬化基準値以上となるように回転露光法により露光すると、マスクパターンの遮光要素に沿って延在し、かつ、遮光要素が内面に露出する流路を形成することができる。
次に、図9a、図9bを参照しながら作製例について説明する。
図9a(1)の要部斜視図に模式的に示すように、マスクパターンの湾曲した遮光要素に対応して、湾曲した流路を作製することができる。図9a(2)は、円弧状に複数の流路を作製した作製例の写真である。
図9b(1)に示すように、マスクパターンの交差した遮光要素に対応して、交差した流路を作製することができる。このマスクパターンの遮光部は、X字状に「交差する要素」Xを含んでいる。図9b(2)は、種々の幅の遮光要素が直角に交差するマスクパターンを用いて光硬化性樹脂に流路を作成した作製例の写真である。
図9a、図9bに示すように、回転傾斜露光法を用いると、流路を任意の方向に曲げたり、任意の方向に交差させたりすることができ、設計の自由度が向上する。例えば、U字状やS字状に湾曲し、延在する方向が変化する遮光要素により、U字状やS字状に滑らかに曲がる流路を形成することができる。また、V字状やZ字状に折れ曲がり、延在する方向が変化する遮光要素により、V字状やZ字状に折れ曲がる流路を形成することができる。また、X字状に交差する遮光要素により、X字状に交差する流路を形成することができる。さらには、Y字状に合流分岐する遮光要素により、Y字状に合流分岐する流路を形成することができる。
<実施例3> 実施例3のオリフィス構造体について、図10〜図16を参照しながら説明する。
実施例2と同様に、回転傾斜露光法により、図10(a)に示すように、中間部分の幅を広くしたマスクパターンを用いて、図10(b)の写真に示すように、流路の中間位置に開口を有するオリフィス構造体を作製した。図10(b)において破線は、流路の位置を示している。
実施例3のオリフィス構造体を利用すると、図11の斜視図に示した傾斜露光法で作製した参考例の細胞クランプ装置100を改良することができる。
まず、傾斜露光法で作製した参考例の細胞クランプ装置100について、図11〜図14を参照しながら説明する。
図11に示すように、参考例の細胞クランプ装置100は、基板110上の配置された光硬化性樹脂120に、直列に接続された複数のオリフィス構造体が形成され、光硬化性樹脂120の上面120aには格子状あるいは千鳥状に開口122が形成されている。
図11の線A−Aに沿って切断した断面図である図12に示すように、一つの流路124に複数の開口122が連通している。この細胞クランプ装置100は、複数個の細胞150を、各開口122に吸着し固定するために用いる。例えば流路124の一端から流体と物質を供給し、他端から吸引し、細胞150を開口122に吸着して固定した状態で、細胞に瞬間的に電圧を印加し、細胞150の開口122に接している部分の細胞膜に孔を開け、細胞150内に開口122に連通する流路124側から物質を導入し、そのときの細胞150の挙動を観察する。
参考例の細胞クランプ装置100のオリフィス構造体は、図13の要部拡大斜視図に示すように、マスク板110の上面110aに、直線状の第1要素112aの中間位置において長円状に第2要素112bが膨出するように形成された遮光部112を有するマスクパターンを用い、遮光部112の第1要素112aの延在方向に垂直な断面において、マスク板110の法線方向に対して左右に傾いた2方向から露光を行い、図14の要部拡大透視図に示すように、オリフィス構造体124を形成する。オリフィス構造体124は、直線状に延在し断面三角形である流路124aの中間位置に、開口122に連通する円錐台形状の空洞部124bが接続されている。
この参考例の細胞クランプ装置100は、直列に配置する同一寸法・形状のオリフィス構造体124が増えると、各開口122における吸引圧力の差が大きくなり、細胞150を吸着する力が不足して細胞150を固定できなかったり、逆に細胞150を開口122に吸引する力が過大となり、細胞150が圧力負荷により損傷を受けたりするおそれがある。
オリフィス構造体124が直列に接続されている参考例の細胞クランプ装置100は、実施例3のオリフィス構造体が並列に接続された構成とすることにより、改良することができる。
次に、実施例3のオリフィス構造体が並列に接続された細胞クランプ装置について、図15及び図16を参照しながら説明する。
図15の要部拡大斜視図に示すように、マスク板10の上面10aに、マスクパターンとして、平行に配置された相対的に幅が大きい第1要素12kと、第1の要素12kの間を接続する相対的に幅が小さい第2要素12sと、第2要素12sの中間位置に膨出するように形成された円形の第3要素12tとにより、遮光部が形成されている。平行に配置された第1の要素12kの間に第2要素12sが接続されており、第1の要素12kと第2要素12sとは、合流分岐する要素である。第3要素12tは、第2要素12sの中間位置に配置され、第2要素12sから膨出している。このマスク板10を用いて、マスク板10上に配置された光硬化性樹脂20を回転傾斜露光法により露光した後、現像して、図16の要部拡大透視図に示すように、開口23を有するオリフィス構造体21を形成する。すなわち、マスクパターンの遮光部の第1要素12kに沿って、流路24a,24bが形成される。流路24a,24bの間には、マスクパターンの遮光部の第2要素に12sに沿って流路22sが形成される。流路22sの中間位置には、マスクパターンの遮光部の第3要素12tを底面とする円錐台形状の空洞部22tが形成され、空洞部22tは開口23に連通する。
このように相対的に太い流路24a,24bの間に、相対的に細い流路22sを介してオリフィス構造体21を並列に配置すると、オリフィス構造体21の開口23間の吸引圧力差を小さくすることができる。そのため、開口23の個数を増やしても、細胞吸着力の不足や、細胞への過度の圧力負荷により損傷が起こらないようにすることができ、多数の細胞を同時に固定できる細胞クランプ装置を、容易に作製することができる。
<実施例4> 実施例4の合流・分岐流路構造について、図17〜図21を参照しながら説明する。
実施例4の合流・分岐流路構造は、図17の斜視図に示すように、マスク板10上の光硬化性樹脂20に形成された流路が、三次元的に分岐している。すなわち、破線で囲んだ部分において、矢印40sで示すようにマスク板10に接して延在する合流流路と、矢印42s,44s,446で示すようにマスク板10に接して延在する第1〜第3の分岐流路と、矢印43s,45s,47sで示すようにマスク板10に対して斜めに延在する第4〜第6の分岐流路とが、接続されている。
このような合流・分岐流路構造は、図18の平面図に示すように、幅dの合流要素30の一端に、幅d/3の第1、第2及び第3の分岐要素32,34,36が接続された遮光部を有するマスクパターンをマスク板10に形成し、その上に光硬化性樹脂20を塗布し、傾斜露光法により、マスク板10を介して光硬化性樹脂20の露光を行うことにより形成することができる。マスク板10に形成されたマスクパターンの遮光部は、合流要素30と第1、第2及び第3の分岐要素32,34,36とにより形成された「合流分岐する要素」を含む。
図19a〜図19dは、図18において矢印で示した断面位置(1)〜(4)で切断して光硬化性樹脂20内の露光状態を模式的に示した斜視図である。
図19aに示すように、光硬化性樹脂20には、マスク板10に沿って延在し、遮光部の合流要素30に接する未露光部分によって、断面三角形の合流流路40が形成される。合流流路40の底面には、遮光部の合流要素30が露出する。
また、図19b〜図19dに示すように、光硬化性樹脂20には、マスク板10に沿って延在し、それぞれ、遮光部の第1〜第3の分岐要素32,34,36に接する未露光部分によって、断面三角形の第1〜第3の分岐流路42,44,46が形成される。分岐流路42,44,46の底面には、遮光部の第1〜第3の分岐要素32,34,36が露出する。
さらに、図19b〜図19dに示すように、光硬化性樹脂20には、マスク板10に対して斜めに延在し、断面が平行四辺形の第4〜第6の分岐流路43,45,47が形成される。第4の分岐流路43は、遮光部の第1の分岐要素32による未露光部分と、遮光部の第2の分岐要素34による未露光部分とが重なり合う部分に形成される。第5の分岐流路45は、遮光部の第2の分岐要素34による未露光部分と、遮光部の第3の分岐要素36による未露光部分とが重なり合う部分に形成される。第6の分岐流路47は、遮光部の第3の分岐要素36による未露光部分と、遮光部の第1の分岐要素32による未露光部分とが重なり合う部分に形成される。光硬化性樹脂20の上面20aには、第4〜第6の分岐流路43,45,47に連通する開口43x,45x,47xが形成される。
つまり、合流流路40は主流路であり、第1〜第3の分岐流路42,44,46は平行分岐流路であり、第4〜第6の分岐流路43,45,47は斜行分岐流路である。
図20a、図20bは、作製例のSEM写真である。図20aは図18において矢印で示した断面位置(2)を、図20bは分岐流路の先端側(合流流路から遠い側)を、それぞれ斜めから撮影したSEM写真である。図20aからは、図19a及び図19bのように、合流路40から分岐流路44〜47が分岐し、光硬化性樹脂20の上面20aに開口47xが形成されている様子が分かる。図20aからは、図19a及び図19bのように、光硬化性樹脂20の上面20aに開口43x,45x,47xが形成されている様子が分かる。この作製例では、d=30μmのマスクパターンを用い、光硬化性樹脂の膜厚を50μm、マスク板の法線方向に対して±17°傾けて2回の露光を行った。作製条件の詳細を図21に示す。
合流流路40の断面積は、第1〜第7の分岐流路42〜47の断面積の合計に等しい。合流流路40が第1〜第7の分岐流路42〜47のそれぞれとなす角度は、180°又は180°前後の大きさにすることができる。そのため、第1〜第7の分岐流路42〜47を流れる流体が合流流路40で合流する場合においても、逆に、合流流路40を流れる液体が第1〜第7の分岐流路42〜47に分岐する場合においても、合流・分岐の際に、流れの乱れができるだけ生じないようにすることができる。
特に、第1〜第7の分岐流路42〜47を流れる流体が合流流路40で合流する場合には、合流流路40内において三次元多層流を実現でき、液界面の増加による高速混合が可能となる。
<まとめ> 以上に説明した種々の流路要素の形成方法を適宜に組み合わせることで、マイクロチップや細胞クランプ装置など、種々の微細構造を組み合わせた微小構造体について、微小構造体の微細構造を一括して形成することができる。これにより、微細加工した部品同士を高精度に位置合せするアライメント工程が不要になり、種々の微細構造を組み合わせた製品の作製が容易になり、製造コスト低減が可能になる。
なお、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えて実施することが可能である。例えば、本発明を、マイクロ流体システム以外の微小構造体に適用することも可能である。
本発明は、マイクロチップや細胞クランプ装置など、微細構造を有するMEMSデバイス等の製造に適用することができる。

Claims (7)

  1. 光が透過する透光部と光の透過を阻止する遮光部とを含むマスクパターンと、前記マスクパターンに沿って配置された光硬化性樹脂とを、前記マスクパターン及び前記光硬化性樹脂を貫通する一つの回転軸を中心に回転させながら、前記回転軸に対して斜め方向から前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行い、前記光硬化性樹脂に、前記光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値以上の吸光量になった高露光部分と、前記硬化基準値未満の吸光量である低露光部分とを形成する第1のステップと、
    前記光硬化性樹脂の少なくとも前記低露光部分を除去して、前記光硬化性樹脂の前記高露光部分の少なくとも一部により微小構造体の少なくとも一部を形成する第2のステップと、
    を備えたことを特徴とする、微小構造体の形成方法。
  2. 前記マスクパターンの前記透光部又は前記遮光部は、交差する要素と、合流分岐する要素と、延在する方向が変化する要素とのうち、少なくとも一つを含むことを特徴とする、請求項1に記載の微小構造体の形成方法。
  3. 前記第1のステップの実行後における前記光硬化性樹脂内の吸光量の分布を算出し、前記光硬化性樹脂内の前記吸光量が等しい面によって形成される立体形状のうち、所望の立体形状を選択し、選択した立体形状を形成する前記光硬化性樹脂内の前記吸光量が等しい面の部分について、前記第1のステップの実行後における吸光量が実質的に前記硬化基準値に等しくなるように前記第1のステップにおいて前記光硬化性樹脂の露光を行うために必要な露光量を決定する第3のステップをさらに備え、
    前記第1のステップにおいて、前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行う際の露光量が、前記第3のステップにおいて決定した露光量と一致するように、露光量を制御し、
    前記第2のステップにおいて、前記第3のステップで選択した立体形状と実質的に同一の形状を前記光硬化性樹脂に形成することを特徴とする、請求項1又は2に記載の微小構造体の形成方法。
  4. 前記マスクパターンの前記透光部は、前記回転軸と平行な軸と同軸に延在するリング形状のリング要素を含み、
    前記第2のステップにおいて、前記光硬化性樹脂には、前記マスクパターンの前記透光部の前記リング要素に対応して、先端に開口を有し、内部に前記開口に連通する空洞を有する突起状のオリフィス構造体が形成されることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の微小構造体の形成方法。
  5. 光が透過する透光部と、光の透過を阻止し、かつ延在する方向が変化する遮光要素とを含むマスクパターンと、前記マスクパターンに沿って配置された光硬化性樹脂とを、前記マスクパターン及び前記光硬化性樹脂を貫通する一つの回転軸を中心に回転させながら、前記回転軸に対して斜め方向から前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行い、前記光硬化性樹脂内において、前記遮光要素に接して形成される未露光部分を囲む部分に、前記光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値以上の吸光量になる高露光部分を形成する第1のステップと、
    前記光硬化性樹脂の少なくとも前記未露光部分を除去して、前記光硬化性樹脂の前記高露光部分の少なくとも一部により、延在する向きが変化する流路空間の少なくとも一部を形成する第2のステップと、
    を備えたことを特徴とする、微小構造体の形成方法。
  6. 光の透過を阻止する主流路要素と前記主流路要素の一端から放射状に延在し光の透過を阻止する2本以上の分岐流路要素とを含むマスクパターンに沿って光硬化性樹脂を配置した状態で、少なくとも異なる2方向から前記マスクパターンを介して前記光硬化性樹脂の露光を行い、
    前記光硬化性樹脂内に、
    前記マスクパターンの前記主流路要素及び前記分岐流路要素により前記主流路要素及び前記分岐流路要素と接する第1の未露光部分を形成し、
    前記マスクパターンの前記分岐流路要素により前記マスクパターンの前記主流路要素の前記一端から前記マスクパターンに対して斜めに延在する第2の未露光部分を形成し、
    前記第1の未露光部分を囲む部分と前記第2の未露光部分を囲む部分とに、前記光硬化性樹脂が硬化する吸光量の閾値である硬化基準値以上の吸光量になる高露光部分を形成する第1のステップと、
    前記光硬化性樹脂の前記第1の未露光部分を除去して、主流路と、前記主流路の一端から放射状に延在する2本以上の平行分岐流路とを、同一面に沿って平行に形成し、
    前記光硬化性樹脂の前記第2の未露光部分を除去して、前記主流路の前記一端から前記同一面に対して斜めに延在する、1又は2本以上の斜行分岐流路を形成する第2のステップと、
    を備えたことを特徴とする、微小構造体の形成方法。
  7. 請求項1に記載の微小構造体の形成方法により形成される細胞クランプ装置であって、
    前記マスクパターンの前記遮光部は、
    平行に配置された相対的に幅が大きい第1の要素と、
    前記第1の要素の間を接続する、相対的に幅が小さい複数の第2の要素と、
    前記第2の要素の中間位置に前記第2の要素から膨出するように形成された第3の要素と、
    を含み、
    前記マスクパターンを用いて、請求項1に記載の微小構造体の形成方法により形成され、相対的に太い流路の間に相対的に細い流路を介してオフィス構造体が並列に配置されていることを特徴とする、細胞クランプ装置。
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