JPWO2009041401A1 - フラックス内包糸半田 - Google Patents

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Abstract

本発明が解決しようとする課題は、酸化や水分吸収などによるフラックスの劣化の問題が無く、且つ半田付け作業時の急激な加熱によるフラックス及び半田の飛散を効率的に防止することができる糸半田を提供することである。本発明のフラックス内包糸半田は、半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含む糸半田であって、該チューブ状外殻には、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有するが、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていないことを特徴とするものである。また、本発明の小型切り込み器は、前記のフラックス内包糸半田の溝に沿って切り込みを入れ、溝を深くして、それにより半田用フラックスを露呈させるものである。

Description

本発明は、フラックス内包糸半田に関する。更に詳細には、本発明は、半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含むフラックス内包糸半田であって、該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田に関する。本発明のフラックス内包糸半田は、その表面に長手方向に延びる溝が設けられているが、この溝はフラックスまで達してないため、半田付け作業の前にフラックスが酸化や水分吸収などにより劣化することを防止することができるのみならず、半田付け作業時に、従来と比較して格段に簡単な装置及び/又は作業によって(例えば、糸半田を手で捻ることなどによって)、上記の溝に沿ってフラックスを露呈させる切込みを入れることができ、それによって、半田付け作業時の急激な加熱によるフラックス及び半田の飛散を防止することができる。更に、本発明の糸半田は、フラックスを露呈させる切込みを入れるフラックス露呈工程を行う際に、従来のような出力の大きい動力源を備えた比較的大型の装置を必要としないために、フラックス露呈工程を含まない既存の自動半田付けラインへのフラックス露呈工程の導入が容易であるのみならず、糸半田のみ、若しくは、糸半田と、フラックスを露呈させるための非常に簡単で小型の切込み器とを携帯し、所望の場所でフラックス露呈工程を含む半田付け作業を行うことができる。また、本発明は、上記のようなフラックス内包糸半田の使用時に、フラックスを露呈させるために使用できる小型切込み器にも関する。
糸半田は、例えば、電子部品等の半田付けなどに使用され、該糸半田を、半田ごてのこて先に順次供給することによって半田付けを行う。通常、糸半田には、「フラックス」と称される樹脂組成物が内包されている。フラックスの役割は、半田付け箇所の酸化膜の除去、半田付け箇所や溶融半田の酸化防止、半田の濡れ性の向上などである。しかし、従来のフラックス内包糸半田は、半田付けに際して該糸半田を急激に加熱して溶融すると、内部のフラックスが沸騰して爆発的にはじけ、該フラックスや溶融した半田粒が周囲に飛散して製品を汚染したり、不良品を発生させるのみならず、作業員に火傷を負わせる危険性があるなどの問題があった。
特に、近年、環境問題の観点から主流になっている鉛フリー半田は、上記の問題が顕著である。鉛フリー半田は、通常、錫を主成分とする合金で形成され、旧来の錫-鉛系半田より融点が高いため、必然的に作業温度が高くなる。このため、フラックスを内包している鉛フリー半田の場合、半田付け作業をすると、作業温度が高くなった分、半田付け時にフラックス成分が分解され易く、瞬間的な気化によりフラックスと溶融半田粒の飛散が生じ易い。飛散フラックスや飛散半田粒が多くなれば、上記した製品の汚染やそれに伴う不良品の発生、更には火傷の危険性などの問題がより深刻になる。
このため従来では、糸半田の表面に、その長手方向に沿って噴気の逃げ道となる切り込みを入れるということが行われている。しかし、糸半田に切込みを入れてフラックスを露呈させてしまうと、吸水、酸化などにより該フラックスの劣化が進み、フラックスや溶融半田粒の飛散が増加したり、半田の濡れ性が低下するなどの問題が発生する。従って、通常、半田付け作業の直前に、専用の溝入れ加工装置を使用して、必要量だけの糸半田に切り込みを入れるという方法が採用されている(例えば、日本国実開平3−101363号公報(特許文献1)、日本国実開平7−33457号公報(特許文献2)、日本国特開平8−281469号公報(特許文献3)、特開平11−332310号公報(特許文献4)、特開2001−150130号公報(特許文献5)、特開2003−023114号公報(特許文献6)、及び特開2003−200290号公報(特許文献7)等参照)。しかし、ロボット等による自動半田付けでは、溝入れ加工供給装置に加工のための動力供給源として、制御用モータを使用するが、溝入れ加工に必要な動力を得る必要性から、モータ小型化に限界があり、比較的大きな装置が必要になってしまう。更には、既に自動半田付け機として稼動している糸半田供給装置のモータは、通常、溝入れ加工に必要な動力をも更に供給することはできない。そのためフラックス及び溶融半田粒の飛散を防止するためには、既存の設備を改造することが必要になるが、そのような改造を行うと、糸半田供給装置と自動運転制御用コントローラなどを一新することになり、費用がかかり、廃棄物も増える。
実開平3−101363号公報 実開平7−33457号公報 特開平8−281469号公報 特開平11−332310号公報 特開2001−150130号公報 特開2003−023114号公報 特開2003−200290号公報
酸化や水分吸収などによるフラックスの劣化の問題が無く、且つ半田付け作業時の急激な加熱によるフラックス及び半田の飛散を効率的に防止することができる糸半田の開発が望まれていた。
このような状況下、本発明者が上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含むフラックス内包糸半田であって、該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田により上記課題を解決できることを見出した。この知見に基づき、本発明を完成した。
本発明の上記及びその他の諸目的、諸特徴並びに諸利益は、添付の図面を参照しながら述べる以下の詳細な説明及び請求の範囲の記載から明らかになる。
本発明のフラックス内包糸半田は、その表面に長手方向に延びる溝が設けられているが、この溝はフラックスまで達してないため、半田付け作業の前にフラックスが酸化や水分吸収などにより劣化することを防止することができるのみならず、半田付け作業時に、従来と比較して格段に簡単な装置及び/又は作業によって(例えば、糸半田を手で捻ることによって)、上記の溝に沿ってフラックスまで達する切込みを入れることができ、それによって、半田付け作業時の急激な加熱によるフラックス及び半田の飛散を防止することができる。更に、本発明の糸半田は、フラックスを露呈させる切込みを入れるフラックス露呈工程を行う際に、従来のような出力の大きい動力源を備えた比較的大型の装置を必要としないために、フラックス露呈工程を含まない既存の自動半田付けラインへのフラックス露呈工程の導入が容易であるのみならず、糸半田のみ、若しくは、糸半田と、フラックスを露呈させるための非常に簡単で小型の切込み器とを携帯し、所望の場所でフラックス露呈工程を含む半田付け作業を行うことができる。
(a)は、溝入れ加工を施していない従来のフラックス内包糸半田の斜視図であり、(b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。 従来の方法でフラックスを露呈させる溝を形成したフラックス内包糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。 本発明の溝入りフラックス内包糸半田の1つの態様の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。 (a)は、本発明の溝入りフラックス内包糸半田の他の1つの態様を示す斜視図であり、(b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。 (a)は、図4のフラックス内包糸半田のフラックスを露呈させた状態を示す斜視図であり、(b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。 リールに巻き取った状態の本発明の溝入りフラックス内包糸半田の斜視図である。 (a)は、棒状の本発明のフラックス内包糸半田を1本、包装してなる包装品を示す斜視図であり、(b)は、該糸半田の軸に垂直な方向に切ったその断面図である。 図7に示す包装品を複数並べて連結したものを示す斜視図である。 本発明のフラックス内包糸半田の製造に使用することができる、溝入れ装置の一例を示す説明図である。 (a)〜(j)は、本発明のフラックス内包糸半田の製造に使用することができる、溝入れ刃の刃先の例を示す断面図である。 (a)は、本発明の溝入りフラックス内包糸半田のフラックスを露呈させるための小型切込み器の一つの態様を示す説明図であり、(b)は、図11(a)のA-A線に沿った断面図であり、(c)は、図11(b)の断面図の拡大図である。 本発明の溝入りフラックス内包糸半田のフラックスを露呈させるための小型切込み器の他の一つの態様を示す図である。 図6に示す本発明のフラックス内包糸半田を巻き取ったリールと図12に示す小型切込み器とを組み込んでなるリールスタンドの正面図である。 図13に示すリールスタンドの側面図である。
符号の説明
1 糸半田
2 半田合金で形成されてなるチューブ状外殻
3 フラックスで形成されてなる線状コア
4 線状コアを形成するフラックスを露呈させた溝
4’ 溝底部におけるフラックス露呈部分
5 線状コアまで達しない溝(いわゆる半溝)
5’ 線状コアを形成するフラックスを露呈させた溝
6 チューブ状外殻薄肉部
7 リール
8 包装具
9 連結包装具
10 切り離し用ミシン目
11 溝入れ装置
12 溝入れ刃
13 溝入れガイドローラ
14 溝入れ加工用動力モータ
15 フラックス露呈糸半田自動供給装置
16a 糸半田導入ゲート
16b 半溝5に挿入する糸半田誘導板
17 フラックス露呈用切込み刃
18 フラックス露呈用ガイドローラ
19 フラックス露呈糸半田排出ノズル
20 フラックス露呈用小型切込み器
21 フラックス露呈用小型切込み器のケーシング
22 リールスタンド
23 フラックス露呈用小型切込み器固定用サポート
d 溝5の深さ
1 外殻2の厚み
2 溝5の底部と、フラックス線状コア3との距離
W 溝入れ刃12と溝入れガイドローラ13の軸間距離
本発明によれば、半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含むフラックス内包糸半田であって、該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田が提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、本発明の基本的特徴及び好ましい諸態様を列挙する。
1.半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含むフラックス内包糸半田であって、
該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田。
2.直径が0.1mm〜3mmであり、該外殻の壁厚が、該少なくとも1本の溝の深さが、少なくとも0.05mmであり、該フラックス線状コアと該少なくとも1本の溝の底部との間の距離が、少なくとも0.01mmである、ことを特徴とする前項1に記載の糸半田。
3.包装されている、ことを特徴とする前項1又は2に記載の糸半田。
4.リールに巻き取られている、ことを特徴とする前項1〜3のいずれかに記載の糸半田。
5.フラックス内包糸半田に含まれているフラックスを露呈させるための小型切込み器であって、
フラックス内包糸半田のための誘導路を有する糸半田ガイド、及び
フラックス内包糸半田に切込みを入れるための少なくとも1つの切込み刃
を含み、
該フラックス内包糸半田が、半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含み、該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田であって、
該小型切込み器の使用時に、該フラックス内包糸半田を、該糸半田ガイドの誘導路に沿って該糸半田の軸方向に移動させながら、フラックス内包糸半田の該少なくとも1本の溝に沿って切込みを入れ、溝を深くして、それにより半田用フラックスを露呈させる、ことを特徴とする小型切込み器。
6.動力源を有しない手動操作型である、ことを特徴とする前項5に記載の小型切込み器。
7.該糸半田ガイドが、ガイドローラーであって、周囲の筒状表面に、ガイドローラーの回転方向に延びる該誘導路としての溝を有する、ことを特徴とする前項5又は6に記載の小型切込み器。
8.該切込み刃が、ローラー刃である、ことを特徴とする前項5〜7のいずれかに記載の小型切込み器。
以下、本発明について添付の図面に参照して詳細に説明する。
図1(a)は、溝入れ加工を施していない従来のフラックス内包糸半田の斜視図であり、図1(b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。また、図2は、従来の方法でフラックスを露呈させるための溝を形成したフラックス内包糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。図1に示すようなフラックス内包糸半田を、そのままの状態で使用して半田付けを行うと、急激な加熱により、内部のフラックスが沸騰して爆発的にはじけ、該フラックスや溶融した半田が周囲に飛散して製品を汚染したり、不良品を発生させるのみならず、作業員に火傷を負わせる危険性がある。従って、上記したように、半田付け作業の直前に、特許文献1〜7に記載のような専用の溝入れ加工装置を使用して、必要量だけの糸半田にフラックスを露呈させるための溝4を形成する方法が採用されていた。しかし、そのような方法の場合には、溝4を形成するために必要な動力を供給するためモータなどの動力源を有する専用の装置が必要になる。
これに対して本発明の糸半田は、フラックスを露呈させない溝が形成されてなるフラックス内包糸半田である(以後、屡々「半溝式糸半田」と称す)。本発明の半溝式糸半田の一例を図3に示す。図3は、本発明のフラックス内包糸半田の1つの態様の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。また、図4(a)は、本発明のフラックス内包糸半田の他の1つの態様の斜視図であり、図4(b)は、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面図である。
より具体的には、本発明の半溝式糸半田は、半田合金により形成されたチューブ状外殻2と半田用フラックスにより形成された線状コア3とを含み、該チューブ状外殻2は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝5を有しており、該フラックス線状コア3は該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田である。
本発明の半溝式糸半田は、図1に示すような従来の糸半田のチューブ状外殻2の外表面に、その長手方向に延びる少なくとも1本の溝5を、フラックスが露呈しないように形成することにより製造することができる。従来の溝入れ加工をしていないフラックス内包糸半田は、通常、図1(b)に示すように、糸半田の外周とフラックスで形成されたコアの外周とが同心円になるような断面構造を有している。図1に示すような溝入れ加工をしていないフラックス内包糸半田は、公知の方法で製造することができる。公知の製造方法の代表例としては、半田合金から連続鋳造若しくは普通造塊で直径50mm程度のインゴットを製造し、該インゴットを割りダイスで2つに割って、フラックス導入管から中心にフラックスを入れ、これを押出シリンダーで押して合わせて直径9mm又は12mm程度の棒ハンダ(原線はんだ)に加工し、これを伸線機によって直径を絞ることによって製造する方法が挙げられる。
溝5の形成は、図3に示すように、フラックス線状コア3の断面形状を円形に保った状態で、フラックス線状コア3に達しない深さになるようにして形成しても良いし、図4に示すように、溝5の底部が、フラックス線状コア3に喰い込んで、フラックス線状コア3の断面が変形するように形成しても良い。後者の場合、図4に示す如く、チューブ状外殻2の半田合金がフラックス線状コア3内に延伸して喰い込むことによりフラックス線状コア3が変形するようにことが好ましい。この場合の加工方法を、以後「コア変形加工」と称し、この加工によって得られる糸半田を「コア変形加工品」と称する。このコア変形加工品の場合、図5に示すように該フラックスを露呈させた際に、該半田合金外殻2の断面が、下方向に向いた2本のつのを有するような形状になる。このコア変形加工品とすることで、半田付け作業時のフラックス及び半田の飛散を防止する効果がより顕著になるのみならず、溝5に沿ってフラックスを露呈させる切込みを入れる際に、フラックスの散逸を防止することができる。即ち、図2に示すような従来のフラックス露呈溝4を有するフラックス内包糸半田の場合は、溝入れ加工時に、溝入れ用の切込み刃にフラックスが付着して散逸し、製品や周囲の環境を汚染し、作業性や製品の信頼性の低下を招くという問題があったが、上記の「コア変形加工品」により、この問題を解決することができる。
本発明においては、該フラックス線状コア3と該少なくとも1本の溝5の底部との間の距離が、少なくとも0.01mmであることが好ましく、0.01〜0.1mmであることがより好ましく、0.01〜0.04mmであることが更に好ましく、0.02〜0.03mmであることが特に好ましい。ここで該フラックス線状コア3と該少なくとも1本の溝5の底部との間の距離とは、図3及び図4(b)に示すような糸半田の長手方向に垂直な断面において、溝5の底部と、フラックス線状コア3との最短距離(図3及び図4(b)におけるt2)のことを示す。該フラックス線状コア3と該少なくとも1本の溝5の底部との間の距離が、0.01mm未満であると、半田付け施工前に糸半田を僅かに曲げただけでも、溝5の底部におけるチューブ状外殻の薄肉部6が破断してフラックスが露呈し、劣化してしまう恐れがある。また、この距離が0.1mmを超すと、半田付け作業時のフラックス露呈加工の容易性が損なわれる恐れがある。
本発明の半溝式糸半田の直径については特に限定はないが、0.01〜3mmであることが好ましく、0.3〜2mmであることがより好ましく、0.5〜1.6mmであることが特に好ましい。また、フラックス線状コアの直径に関しても特に制限はないが、フラックス内包糸半田の直径に対して15〜20%であることが好ましく、21〜25%であることがより好ましく、26〜30%であることが特に好ましい。
本発明において溝5の形成方法に関しては、従来の溝入れ方法を使用することができる。例えば、図3に示すように、フラックス線状コア3を円形に保った状態で、フラックス線状コア3に達しない深さになるようにして形成する場合には、背景技術の項目で説明した特許文献1〜7に記載の装置及び方法を使用することができる。例えば、図9に示すような溝入れ装置11を使用することができる。図9に示す溝入れ装置11は、溝入れ刃12、溝入れガイドローラ13及び溝入れ加工動力モータ14を含んでなる装置であって、溝入れガイドローラ13の周囲の筒状表面に形成された、回転方向に延びる溝に沿って誘導されてくる糸半田1に溝入れ刃12で溝5を形成することができる。この際、溝入れ刃12と溝入れガイドローラ13の軸間距離Wを適宜調節することにより、糸半田1に食い込ませる深さを調節して、溝5がフラックス線状コア3を露呈させないようにする必要がある。
一方、図4に示すようなコア変形加工品の場合には、上記したような特許文献1〜7に記載の装置で製造するのは困難であり、特開2007−290026号公報に記載のような装置を使用することが望ましい。この公報は、フラックスを露呈させる溝を形成するに当たり、フラックス線状コアを変形させる(例えば、図4に示すような変形コアにする)技術を開示している。この公報に記載の装置においては、特許文献1〜7に記載されているような従来の溝入れ装置に使用されている溝入れ刃よりも切込み能力が低い溝入れ刃を使用している。より具体的には特開2007−290026号公報においては、刃先が、図10(a)〜(i)に示すような丸みをおびた形状、台形などの断面形状を有する溝入れ刃を使用している。これに対して、従来の溝入れ装置に使用されている溝入れ刃は、図10(j)に示すような鋭利な刃先を有している。
本発明において、溝5の深さ(図3及び図4(b)におけるd)は、通常、少なくとも0.05mmであり、好ましくは0.05〜2mmであり、更に好ましくは0.05〜1.5mmである。
また、上記の溝5の深さと糸半田1の半径との関係については、上記の溝5の深さが、糸半田1の半径の0.2倍〜1.5倍であることが好ましい。ここで、例えば、溝5の深さが糸半田1の半径と等しい(即ち、1倍である)場合、溝5の底部は糸半田1の中心に達しており、フラックス線状コア3が、上記の「変形コア」となっている。また、「変形コア」は、溝5の深さ(図3及び図4(b)におけるd)が、チューブ状外殻2の厚み(図3及び図4(b)におけるt1)より大きいことを意味するが、「変形コア」の場合、溝5の深さは、通常、チューブ状外殻2の厚みに対して1.5倍〜2.2倍であり、1.8倍〜2倍であることが好ましい。
また、溝5の本数に関しても特に制限はなく、通常、1〜5本であり、好ましくは1又は2本である。しかし、径の細い糸半田1に溝5を複数本形成する作業は、煩雑であったり困難であったりするので、1本で十分な効果が得られるように、溝の幅、形状並びに深さなどを適宜調節することが望ましい。
本発明の半溝式糸半田1において、チューブ状外殻2を形成する半田合金としては、特に制限はなく、様々な半田合金を使用することができる。従来の鉛を含む半田合金を使用することもできるが、現在、主流となっている鉛を実質的に含まない所謂「鉛フリー半田」を使用することがより好ましい。鉛フリー半田とは、鉛含有率が0.1重量%以下の半田のことを意味する。本発明で使用することができる鉛フリー半田の例としては、特開2002−254195号公報に記載のものを挙げることができる。より具体的には、Sn単独であるか、若しくはSn−Ag系合金、Sn−Cu系合金、Sn−In系合金、Sn−Bi系合金、Sn−Sb系合金、Sn−Zn系合金又はSn−Ni系合金などのSn合金である第一金属成分とAg、Cu、Sb、Zn及びNiからなる群より選択された金属元素又はそれらの合金である第二金属成分とを含んでなり、実質的に鉛を含まない半田合金を使用することができる。
本発明の半溝式糸半田1において、フラックス線状コア3を形成する半田用フラックスに関しても、特に制限はない。通常、樹脂、活性剤、溶剤及び所望によりその他の添加剤を含有してなる組成物が使用され、樹脂としては天然ロジン、合成ロジン、水添ロジン、不均化ロジン、マレイン酸変成ロジン、アクリル酸変成ロジン等が用いられ、活性剤としてはアミンハロゲン塩、アミン有機酸塩、有機酸、有機ハロゲン化物、アミン等が用いられている。更に高沸点の溶剤や軟化点降下剤、防錆剤、酸化防止剤、安定剤、艶消し剤等も目的に応じて添加されていてもよい。具体的には、日本国特開平1−278091号公報、日本国特開2001−334394号公報、及び日本国特開2007−95939号公報などに記載のフラックスを使用することができる。
また、本発明の半溝式糸半田において、フラックスの量については、フラックスとして機能する量であれば特に制限はないが、該糸半田の、その軸に垂直な方向に切った断面におけるチューブ状外殻2のフラックス線状コア3に対する面積比として、1:0.04〜1:0.2であることが好ましい。また、チューブ状外殻2を形成する半田合金の線状コア3を形成するフラックスの重量比として、1:0.015〜1:0.035であることが好ましい。
本発明の半溝式糸半田は様々な形態で提供することができる。例えば、螺旋状に巻いた形状や棒状の形状等が挙げられる。工業レベルで使用する場合には、図6に示すようにリール7に巻きつけた形で提供されることが多い。また、少量を販売する際には、数10cm〜数メートルの長さの糸半田を直径1〜2cm程度のコイル状に巻いたものや、図7に示すように、比較的長さが短い棒状などの形状で提供することができる。本発明の半溝式糸半田は、フラックスを露呈させる切込みを入れる際に、従来のような出力の大きい動力源を備えた比較的大型の装置を必要とせず、簡単な小型装置や手でフラックスを露呈させることができる。従って、必要量のみの比較的長さが短い棒状の糸半田(及び所望によりフラックスを露呈させるための非常に簡単で小型の切込み器)を携帯して、所望の場所で容易に半田付け作業を行うことができる。
図7に示す棒状の半溝式糸半田1は、包装具8に収容されている。図7(a)に、包装具8に収容されてなる本発明の半溝式糸半田1の斜視図を示し、図7(b)に、その断面図を示す。また、図8に示すように、切り離し可能な包装具9に複数の半溝式糸半田1を収容した形で提供しても良い。図8に示す態様においては、切り離し用ミシン目10が設けられており、必要に応じて切り離せるようになっている。図7や図8に示すような半溝式糸半田の包装品は、携帯性に優れるのみならず、保存性、管理性が向上する。
上記包装具8及び9の素材については特に限定はなく、プラスチックや紙等を適宜使用することができる。
本発明の半溝式糸半田を使用して半田付けを行う際には、半田付け作業の直前に上記溝5に沿って切込みを入れてフラックス線状コア3を露呈させる。例えば、図4に示す本発明の半溝式糸半田1の溝5に沿って切込みを入れて図5に示すような状態にする。図5においては、フラックスを露呈させた溝5’の4’で示す部分においてフラックスが露呈している。
本発明の半溝式糸半田を使用して半田付けを行う際には、半田付け作業の直前に、フラックス線状コア3を露呈させる。上記の特許文献1〜7に記載の装置や方法を用いる場合と比較して、本発明の半溝式糸半田の場合、フラックスを露呈させる作業は非常に簡単であり、一切道具を使用せずに手で行うことも可能である。例えば、本発明の半溝式糸半田を、手で捻ることにより上記の外殻薄肉部6を破断させてフラックスを露呈させることができる。また、装置を使用する場合にも、非常に簡単な装置でフラックス露呈作業を行うことができる。そのような簡単な装置の例としては、フラックス内包糸半田のための誘導路を有する糸半田ガイド、及びフラックス内包糸半田に切込みを入れるための少なくとも1つの切込み刃を含み、該小型切込み器の使用時に、該フラックス内包糸半田を、該糸半田ガイドの誘導路に沿って該糸半田の軸方向に移動させながら、フラックス内包糸半田の該少なくとも1本の溝に沿って切込みを入れ、溝を深くして、それにより半田用フラックスを露呈させる、ことを特徴とする小型切込み器が挙げられる。以下、図11〜14に参照して、本発明の装置について説明する。
図11(a)は、フラックス露呈用切込み器を上部に有してなるフラックス露呈糸半田自動供給装置15の上面図である。フラックス露呈用切込み装器の下部には、糸半田1を移送するための動力源(図示しない)、及びフラックス露呈用切込み装器に糸半田1を供給するための糸半田送り機構(図示しない)が設けられている。図11(a)に示すフラックス露呈用切込み器は、半溝5に挿入する糸半田誘導板16bを有する糸半田導入ゲート16a、上記糸半田ガイドとしてのガイドローラー18、該切込み刃としてローラー刃17、及びフラックスが露呈された糸半田排出用ノズル19を有する。この装置の該糸半田導入ゲート16a部分のA-A線に沿った断面図を図11(b)に示し、この断面における糸半田1付近を拡大したものを図11(c)に示す。この装置の稼働時には、該糸半田導入ゲート16aに半溝式糸半田1が自動的に供給されるが、この際、該糸半田誘導板16bの先端部を、糸半田1の溝5に挿入することによって、ローラー刃17が、半溝式糸半田の溝5に沿って切込みを入れるように、半溝式糸半田の溝5の向きを調節する。図11の例においては、溝ガイド16bはナイフのような形状を有しており、その刃先が、半溝式糸半田1の溝5に挿入される。該導入ゲート16aを通過した半溝式糸半田1は、ガイドローラー18と該切込み刃としてローラー刃17との隙間に導入され、糸半田1は、ガイドローラー18に誘導されつつローラー刃17によって該溝5に沿ってフラックスを露呈させる切込みを入れる。得られたフラックスが露呈された糸半田は、該排出ノズル19を介して排出され、半田付け作業に供される。本発明の半溝式糸半田は、フラックスを露呈させるために必要な力が小さくて済むため、このようなフラックス露呈糸半田自動供給装置15においても動力源(モーター等)は、小さくて済むため経済的である。
図12は、シンプルな構造を有する小型切込み器の他の一つの態様を示す説明図である。より具体的には、図12に示す小型切込み器20は、筐体21、及びそれに収容されてなるガイドローラー18及びローラー刃17を有している。この装置20の場合、半溝式糸半田1を、ガイドローラー18と該切込み刃としてローラー刃17との隙間に導入し、糸半田1を、ガイドローラー18で誘導しつつローラー刃17によって該溝5に沿ってフラックスを露呈させる切込みを入れる。この際、糸半田1を指で引っ張るだけで、容易にフラックスを露呈させることができる。また、構造が非常にシンプルであり、動力も必要ないため、小型化及び軽量化が容易である。
図13は、上記図6に示したリール巻き取り品と上記図12に示した小型切込み器20とが組み込まれてなるリールスタンドの正面図であり、図14は、上記リールスタンドの側面図である。より具他的には、リールスタンド筐体22の上方部に、フラックス露呈用小型切込み器固定用支柱23、23を介して、小型切込み器20が取り付けられており、下方に本発明の半溝式糸半田1をリール7に巻き取ったリール巻き取り品が取り付けられている。図14からも明らかなように、このリールスタンドの場合、リール7から、半溝式糸半田1が小型切込み器20に供給され、糸半田1をリール7と反対の方向に引っ張ることにより、簡単にフラックスを露呈させることができる。
本発明のフラックス露呈用切込み器の各部材は、勿論、上記に限定されるものではなく、同様の機能を有する様々な部材を使用することができる。例えば、図12及び13においては、該切込み刃としてローラー刃が使用されているが、これはナイフのような形状のものであってもよい。また、フラックス露呈用切込み器は、図示したものに限定されず様々な形状のものが使用できる。例えば、米国特許5,421,505号公報に記載のガン(拳銃)型ハウジングを有する糸半田供給器の内部に上記のような切込み刃を設置したものなどがあげられる。
また、上記した薄肉部6が十分に薄い場合には、本発明の半溝式糸半田を、フラックスを露呈させずにそのまま半田付けに供しても良い。その場合、薄肉部6の厚みは、上記したフラックス線状コア3と溝5の底部との間の距離(図3及び図4(b)におけるt2)として、0.05mm以下であることが好ましく、0.02mm以下であることがより好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。
半溝式糸半田の製造
直径0.6mmの市販のフラックス内包糸半田(ESC21 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製)を、ローラー刃12(刃先が、図10(e)に示すような断面形状のもの)を有する図9に示すような溝入れ装置に導入して、半溝式糸半田を得た。得られた半溝式糸半田の断面を顕微鏡で観察したところ、図4に示すような変形コアとなっており、外殻2の厚み(図4(b)のt1)は、0.2mmであり、該フラックス線状コア3と該溝5の底部との間の距離(図4(b)のt2)は、約0.02mmであり、溝5の深さ(図4(b)のd)は、0.4mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を、リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが、その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断によるフラックス露呈は発生しなかった。
得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図12に示すような装置を用いて切込みを入れることにより、フラックスを露呈させた。この際、図12に示すように、装置に導入した半溝式糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラックスを露呈させることができた。フラックスを露呈させた糸半田は、図5に示すような断面を有していた。
半溝式糸半田の溶融半田粒子及び溶融フラックス飛散試験
上記で得られたフラックス露呈糸半田を使用し、半田付け時における溶融半田粒子及び溶融フラックス飛散を以下の条件で評価した。

半田ごてのコテ先温度 : 370℃
半田ごてのコテ先の寸法 : 幅=1mm、 厚み=0.5mm
自動半田送り速度 : 20mm/秒
自動半田送り方法 : 1 セットを20mmで、 間欠送りを10回繰り返す。(トータル200mm)
飛散量の確認 : 50mm × 50mmの正方形が描かれた試験紙を使用し、上記正方形の中心付近で半田付け作業を行い、正方形内に飛散したフラックス・半田粒子(直径が0.01〜2mm程度のもの)の数量を数える。
上記の1連の操作を3回繰り返すことにより、溶融半田粒子及び溶融フラックスの飛散性を評価した。結果を表1に示す。
直径1.0mmの市販のフラックス内包糸半田(ESC21 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製)を使用した以外は、実施例1と同様の方法で半溝式糸半田を得た。得られた半溝式糸半田の断面を顕微鏡で観察したところ、図4に示すような変形コアとなっており、外殻2の厚み(図4(b)のt1)は、0.35mmであり、該フラックス線状コア3と該溝5の底部との間の距離(図4(b)のt2)は、約0.02mmであり、溝5の深さ(図4(b)のd)は、0.6mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を、リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが、その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断によるフラックス露呈は発生しなかった。
得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図12に示すような装置を用いて切込みを入れることにより、フラックスを露呈させた。この際、図12に示すように、装置に導入した半溝式糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラックスを露呈させることができた。フラックスを露呈させた糸半田は、図5に示すような断面を有していた。
上記で得られたフラックス露呈糸半田を使用し、半田ごてのコテ先温度を380℃に変更した(実施例1より半田径が大きいため、十分に半田を溶融させるために温度を上げた)以外は、実施例1と同様の方法で、溶融半田粒子及び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を表1に示す。
図9に示す溝入れ装置のローラー刃12を、刃先の断面形状が、図10(j)に示すように鋭利なものに変更した以外は、実施例1と同様の方法で半溝式糸半田を得た。尚、溝入れ刃12がフラックス線状コア3までと到達しないよう溝入れ刃12と溝入れガイドローラ13の軸間距離Wを適宜調節した。得られた半溝式糸半田の断面を顕微鏡で観察したところ、図3に示すような円形コアとなっており、外殻2の厚み(図3のt1)は、0.2mmであり該フラックス線状コア3と該溝5の底部との間の距離(図3のt2)は、約0.04mmであり、溝5の深さ(図3のd)は、0.16mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を、リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが、その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断によるフラックス露呈は発生しなかった。
得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図12に示すような装置を用いて切込みを入れることにより、フラックスを露呈させた。この際、図12に示すように、装置に導入した半溝式糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラックスを露呈させることができた。
上記で得られたフラックス露呈糸半田を用い、実施例1と同様の方法で溶融半田粒子及び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を表1に示す。
図9に示す溝入れ装置のローラー刃12を、刃先の断面形状が、図10(j)に示すように鋭利なものに変更した以外は、実施例2と同様の方法で半溝式糸半田を得た。得られた半溝式糸半田の断面を顕微鏡で観察したところ、図3に示すような円形コアとなっており、外殻2の厚み(図3のt1)は、0.35mmであり、該フラックス線状コア3と該溝5の底部との間の距離(図3のt2)は、約0.04mmであり、溝5の深さ(図3のd)は、0.31mmであった。尚、得られた半溝式糸半田を、リール(巻取り芯の直径45mm)に巻き取ったが、その際、チューブ状外殻の薄肉部の破断によるフラックス露呈は発生しなかった。
得られた半溝式糸半田の溝5に沿って、図12に示すような装置を用いて切込みを入れることにより、フラックスを露呈させた。この際、図12に示すように、装置に導入した半溝式糸半田を指で引っ張るだけで、容易にフラックスを露呈させることができた。
上記で得られたフラックス露呈糸半田を用い、実施例2と同様の方法で溶融半田粒子及び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を表1に示す。
比較例1
直径0.6mmの市販のフラックス内包糸半田(ESC21 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製)を、そのまま用いて、実施例1と同様の方法で半田付け時における溶融半田粒子及び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を表1に示す。
比較例2
直径1.0mmの市販のフラックス内包糸半田(ESC21 M705 F3、日本国千住金属工業株式会社製)を、そのまま用いて、実施例1と同様の方法で半田付け時における溶融半田粒子及び溶融フラックス飛散試験を行った。結果を表1に示す。
Figure 2009041401
本発明のフラックス内包糸半田は、その表面に長手方向に延びる溝が設けられているが、この溝はフラックスまで達してないため、半田付け作業の前にフラックスが酸化や水分吸収などにより劣化することを防止することができるのみならず、半田付け作業時に簡単な装置及び/又は作業によって、上記の溝に沿ってフラックスまで達する切込みを入れることができ、それによって、半田付け作業時の急激な加熱によるフラックス及び半田の飛散を防止することができる。更に、本発明の糸半田は、フラックスを露呈させる切込みを入れるフラックス露呈工程を行う際に、従来のような出力の大きい動力源を備えた比較的大型の装置を必要としないために、フラックス露呈工程を含まない既存の自動半田付けラインへのフラックス露呈工程の導入が容易であるのみならず、糸半田のみ、若しくは、糸半田と、フラックスを露呈させるための非常に簡単で小型の切込み器とを携帯し、所望の場所でフラックス露呈工程を含む半田付け作業を行うことができる。

Claims (8)

  1. 半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含むフラックス内包糸半田であって、
    該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田。
  2. 直径が0.1mm〜3mmであり、該外殻の壁厚が、該少なくとも1本の溝の深さが、少なくとも0.05mmであり、該フラックス線状コアと該少なくとも1本の溝の底部との間の距離が、少なくとも0.01mmである、ことを特徴とする請求項1に記載の糸半田。
  3. 包装されている、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の糸半田。
  4. リールに巻き取られている、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の糸半田。
  5. フラックス内包糸半田に含まれているフラックスを露呈させるための小型切込み器であって、
    フラックス内包糸半田のための誘導路を有する糸半田ガイド、及び
    フラックス内包糸半田に切込みを入れるための少なくとも1つの切込み刃
    を含み、
    該フラックス内包糸半田が、半田合金により形成されたチューブ状外殻と半田用フラックスにより形成された線状コアとを含み、該チューブ状外殻は、その外側にあいた、長手方向に延びる少なくとも1本の溝を有しており、該フラックス線状コアは該チューブ状外殻に埋設されたままで露呈されていない、ことを特徴とするフラックス内包糸半田であって、
    該小型切込み器の使用時に、該フラックス内包糸半田を、該糸半田ガイドの誘導路に沿って該糸半田の軸方向に移動させながら、フラックス内包糸半田の該少なくとも1本の溝に沿って切込みを入れ、溝を深くして、それにより半田用フラックスを露呈させる、ことを特徴とする小型切込み器。
  6. 動力源を有しない手動操作型である、ことを特徴とする請求項5に記載の小型切込み器。
  7. 該糸半田ガイドが、ガイドローラーであって、周囲の筒状表面に、ガイドローラーの回転方向に延びる該誘導路としての溝を有する、ことを特徴とする請求項5又は6に記載の小型切込み器。
  8. 該切込み刃が、ローラー刃である、ことを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の小型切込み器。
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