JPWO2009038130A1 - 電線端末の止水処理方法および電線 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電線長に依らず、電線端末に一定長さの止水構造を簡単かつ確実に形成することができる電線端末の止水処理方法と、この電線端末の止水処理方法によって止水処理した端末を有する電線と、の提供を目的とする。本発明は、電線端末に硬化性樹脂液を接触させた状態で、この電線端末を等方加圧して前記硬化性樹脂液を電線内部に圧入する工程と;前記硬化性樹脂液を硬化させて前記電線端末に止水構造を形成する工程と;を有する電線端末の止水処理方法に関する。

Description

本発明は、水や有機溶剤などの液体がかかったり、触れたりする可能性のある場所・部分に設置配線される電線の、ショートや腐食を防止するための、電線端末の止水処理方法に関する。さらに本発明は、この電線端末の止水処理方法によって止水処理した端末を有する電線にも関する。
本出願は、日本国特願2007−241058号を基礎出願とし、その内容をここに取り込む。
従来の電線の止水方法としては、(a)吸水ポリマーを塗布したテープを巻き付ける方法(例えば、下記特許文献1参照)や、(b)電線端末をモールドする方法(例えば、下記特許文献2参照)が知られている。
また、近年の細径電線では、前記方法以外に、(c)片端を減圧して端末から樹脂を注入することにより隙間を埋める方法(例えば、下記特許文献3参照)も提案されている。
特開2006−164813号公報 特開2001−167821号公報 特開2004−355851号公報
前述した従来の止水方法のうち、上記(a)の従来技術は、吸水ポリマーの場合、浸入してきた大量の水をそれ以上、浸入させず、被害を最小限に食い止められることや、どこで被覆が破損しても止水できる等、止水構造として優れている。しかしながら、この方法では、電線構造を変えなければならないことや、薄肉電線では有効となる量のポリマーを塗布することが困難となる等の問題がある。
また、上記(b)の従来技術では、電線端末をモールドする場合に、電線の端末が太くなるため、狭所への配線などで不利になる。
また、上記(c)の従来技術では、電線の片端を減圧して樹脂を吸引する方法を採用しているため、電線長が長くなると減圧圧力の圧損が生じて樹脂が吸引できなくなるという問題がある。また、端末を吸引装置に取り付ける作業が煩雑になるという問題もある。さらに、減圧では大気圧分しか圧力差を出すことができないので、選択できる樹脂の範囲も狭くなるという問題もある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、電線長に依らず、電線端末に一定長さの止水構造を簡単かつ確実に形成することができる電線端末の止水処理方法と、この電線端末の止水処理方法によって止水処理した端末を有する電線と、の提供を目的とする。
上記課題を解決して係る目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用した。
(1)本発明の電線端末の止水処理方法は、電線端末に硬化性樹脂液を接触させた状態で、この電線端末を等方加圧して前記硬化性樹脂液を電線内部に圧入する工程と;前記硬化性樹脂液を硬化させて前記電線端末に止水構造を形成する工程と;を有する。
(2)上記(1)に記載の電線端末の止水処理方法で、前記硬化性樹脂液の粘度を、0.6Pa・s〜60Pa・sの範囲内としてもよい。
(3)上記(1)に記載の電線端末の止水処理方法で、前記電線端末を等方加圧する際の圧力を、0.1MPa〜0.5MPaの範囲内としてもよい。
(4)上記(1)に記載の電線端末の止水処理方法では、前記硬化性樹脂液が圧入される前記電線端末を加圧室内に静置した状態で、前記等方加圧を行ってもよい。
(5)上記(4)に記載の電線端末の止水処理方法で、前記電線端末を複数並べ、これら電線端末に対して一度で前記等方加圧を行ってもよい。
(6)上記(4)に記載の電線端末の止水処理方法で、前記加圧室内に配置した電線の前記電線端末の近傍を、その外周から電線保持部材によって保持し、この電線端末のみに対して、前記加圧容器内で前記等方加圧を行うようにしてもよい。
(7)本発明の電線は、上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の電線端末の止水処理方法で、電線端末が止水処理されている。
(8)本発明の他の電線は、上記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の電線端末の止水処理方法で、端子付きの電線端末が止水処理されている。
本発明の上記(1)に記載の電線端末の止水処理方法によれば、電線長に依らず、電線端末に一定長さの止水構造を簡単かつ確実に形成することができる。
しかも、本発明の電線端末の止水処理方法は、電線端末を等方加圧することで、電線端末に硬化性樹脂液を圧入する空間(加圧室)の内部と外部との圧力差を大きくすることができる。よって、減圧方式では充填に時間がかかる、または充填不可能な高粘度樹脂でも、短時間で充填することが可能である。
また、電線端末を等方加圧する場合には、雰囲気を硬化性樹脂液の硬化し易い条件に調整することが可能であるため、硬化性樹脂液を短時間で硬化させることができる。
図1は、毛細管現象により電線素線間に液が浸透する場合を説明するための要部斜視図である。 図2Aは、本発明に係る電線端末の止水処理方法において用いられる加圧装置の第一の実施形態を示す概略図であり、加圧装置の深さ方向に垂直な断面図を示す。 図2Bは、同加圧装置の概略図であり、その深さ方向に沿った断面図を示す。 図3Aは、本発明に係る電線端末の止水処理方法において用いられる加圧装置の第二の実施形態を示す概略図であり、加圧装置の深さ方向に垂直な断面図を示す。 図3Bは、同加圧装置の概略図であり、その深さ方向に沿った断面図を示す。
符号の説明
10,40 加圧装置
11 耐圧容器
12 耐圧容器本体
13 蓋体
14 密封御パッキン
15 加圧ガス流路
20 電線
21 端子部
30 電線保持部材
30a 電線収納溝。
本発明の電線端末の止水処理方法の各実施形態を以下に説明する。
なお、これら実施形態は、本発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の電線端末の止水処理方法は、電線端末に硬化性樹脂液を接触させた状態で、この電線端末を等方加圧して前記硬化性樹脂液を電線内部に圧入する。さらに、本発明の電線端末の止水処理方法では、前記硬化性樹脂液を硬化させて、電線端末に止水構造を形成する。
硬化性樹脂液を電線の導体素線間、絶縁体と素線との隙間へ浸透させるには、時間をかければ毛細管現象でも可能である。例えば、図1に示すようなディメンションの導体素線間に、毛細管現象により樹脂液の浸透させた場合の浸透長は、表面張力と重力との釣り合いから以下の式(1)で表される。
h=(l・T・cosθ)/(s・ρ・g) …(1)
ここで、
hは、毛細管現象による樹脂液の浸透高さ、
lは、素線に接している樹脂液の周囲長、
Tは、素線に接している樹脂液の表面張力、
θは、素線と樹脂との接触角、
sは、素線間面積、
ρは、樹脂の密度、
gは、重力、
をそれぞれ表す。
前記式(1)において、素線外径rを用いてsとlを除くと、以下の式(2)になる。
h=4πTcosθ/{(2√3−π)ρgr} …(2)
例えば、硬化性樹脂液としてジメチルシリコーンのT(=0.021N/m)、θ(=0.262rad)およびρ(=980kg/m)と、素線の外径r(=0.798mm)を前記式(2)に代入すると、h=26cm程度になる。電線端末から26cmあれば、電線端部の止水構造としては十分である。
減圧や加圧が必要である理由は、電線端末に止水構造を形成する場合の工程時間を短くするため、つまり、硬化性樹脂液の浸透速度を高くするためである。前記のh=26cmの場合には、浸透させる時間が考慮されていない。
本発明で用いる硬化性樹脂液のような粘性液体は、管路を進行する速度が電線端末に硬化性樹脂液を圧入する空間(加圧室)の内部と外部との圧力差に依存する。つまり、この圧力差が大きければ大きいほど、管路内に粘性液体を短時間で浸透させることができる。
この考え方は、ニュートン流体を仮定した場合、毛細管型の粘度計から容易に導くことができる。毛細管型粘度計での粘度測定は、下記の式(3)により求められる。
η=π・R・ΔP/(8L・Q) …(3)
ここで、
ηは、見かけの(測定値として出てくる)粘度、
Rは、毛細管の半径、
ΔPは、電線端末に硬化性樹脂液を圧入する空間(加圧室)の内部と外部との圧力差、
Lは、毛細管長(ある時間内に樹脂が進んだ管路長)、
Qは、流束(単位時間で通過する樹脂の体積=樹脂の進む速度)、
をそれぞれ表す。
この式(3)を変形すると、下記式(4)のようになり、ニュートン流体では速度が圧力差ΔPに比例する。
Q=(π・R)/(8L・η)・ΔP …(4)
実際には、硬化性樹脂液は非ニュートン流体であり、かつ、電線の導体素線間の形状は円筒形キャピラリーでないので、前記式(4)から外れる。しかしながら、その場合にも、樹脂が進む速度と、電線端末に硬化性樹脂液を圧入する空間(加圧室)の内部及び外部間の圧力差との間には、正の相関関係があると容易に推定できる。
減圧の場合、圧力差は大気圧(およそ0.1MPa)分しかないのに対し、加圧の場合には、圧力差をそれ以上(0.1MPa以上)に設定することが可能である。よって、硬化性樹脂液を電線端部内に浸透させるとき、減圧よりも加圧の方が有利であることがわかる。
また、前記式(3)、(4)から、樹脂の進む速度は、樹脂の粘度に反比例している。つまり、樹脂液が低粘度であるほど同じ圧力差で流速が高くなることがわかる。つまり、低粘度の樹脂液を使用できれば、減圧方式でも十分となる。しかし、換言すれば、低粘度で止水剤としての用途に適した硬化性樹脂液が無ければ、減圧方式では止水処理ができないことになる。このように、止水剤の選択の自由度が広がるという観点からも、加圧方式の方が有利と言える。
以下、図面を参照して、本発明の各実施形態を説明する。
(1)第一の実施形態
図2Aは、本発明に係る電線端末の止水処理方法において用いられる加圧装置の第一の実施形態を示す概略図であり、加圧装置の深さ方向に垂直な断面図を示す。また、図2Bは、同加圧装置の概略図であり、その深さ方向に沿った断面図を示す。
この図2A及び図2B中、符号10は加圧装置、符号11は耐圧容器(加圧室)、符号12は耐圧容器本体、符号13は蓋体、符号14は密封パッキン、符号15は加圧ガス流路、符号20は電線、符号21は端子部を示す。
加圧装置10は、耐圧容器本体12および蓋体13からなる耐圧容器11と、耐圧容器本体12及び蓋体13間に介在する密封パッキン14と、耐圧容器11の内部に連通するように接続された加圧ガス流路15と、を備えて概略構成されている。
耐圧容器本体12は、平面視して長方形状を有し、なおかつその深さ方向の断面形状が略U字状をなす浅い容器である。
蓋体13は、耐圧容器本体12の開口部を覆い、耐圧容器本体12と一体となって、それらの内部に電線端末部分を収容する空間(加圧室)を形成する部材である。
耐圧容器本体12を構成する材料および蓋体13を構成する材料は、耐圧容器11内に導入される圧縮ガスの圧力に耐えられるものであれば、特に限定されない。また、耐圧容器本体12および蓋体13は、耐圧容器11内に導入される圧縮ガスの圧力に耐えられれば、その全部または一部が光透過性の材料(ガラス、プラスチック)で構成されていてもよい。
密封パッキン14は、耐圧容器本体12の開口部と同様の形状をなす枠状の部材(Oリング)であり、耐圧容器本体12に蓋体13を被せて耐圧容器11を構成した場合に、耐圧容器11の密閉性を高める。この密封パッキン14を、耐圧容器本体12と蓋体13の間に介在させることにより、加圧ガス流路15を介して耐圧容器11の内部に導入した圧縮ガスが、容器外に漏れ出ることがない。
密封パッキン14には、電線20を挿通するために、耐圧容器11の内部と外部を連通する孔14aが複数設けられている。この孔14aの径(内径)は、電線20を挿通した場合に密封パッキン14と電線20とが密着し、両者の間に隙間ができない大きさとなっている。
密封パッキン14としては、天然ゴム、ニトリルゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、エチレンプロピレンゴムなどの合成ゴムからなるゴムパッキンが用いられる。
加圧ガス流路15は、電磁バルブなどのバルブ(図示略)を介して、耐圧容器本体12に配管されている。
また、加圧ガス流路15は、各種ガスボンベ、工場圧縮エア配管などのガス供給源(図示略)から供給される高圧ガスを所定の圧力に調整するためのレギュレータ(図示略)を介して、そのガス供給源に接続されている。
また、耐圧容器11には、耐圧容器本体12に蓋体13を固定し、耐圧容器11内に圧縮ガスを導入した際にも密閉状態を保持するためのクランプなどの固定機構が設けられている。
次に、この加圧装置10を用いた電線端末の止水処理方法を説明する。
被覆を除去した端末部分に端子部21が圧着された電線20を用意する。
次いで、耐圧容器11内に端子部21が入るように、耐圧容器本体12内に複数の電線20を並べて配置するとともに、耐圧容器本体12の開口部に配置した密封パッキン14の孔14aに、端子部21が設けられている端末部分とは反対側の端末から電線20を挿通する。
この時、端子部21を、ピンなどの留め具により、所定の位置に固定する。
これにより、電線20の端子部21およびその近傍のみが、耐圧容器11内に配置される。
次いで、端子部21における電線20に圧着されている部分(端末)に対して、電線端末部分に適した流動性(粘度)を有した硬化性樹脂液を適量滴下する。
次いで、固定機構により、密封パッキン14を介して耐圧容器本体12に蓋体13を固定し、耐圧容器11を密閉した後、加圧ガス流路15に設けられたバルブを開け、ガス供給源から耐圧容器11内に圧縮ガスを導入して、電線20の端末を等方加圧する。
この時、レギュレータによりガス供給源からの圧縮ガスの圧力を、所定の圧力に調整して、耐圧容器11内に所定の圧力の圧縮ガスを供給する。
次いで、この等方加圧によって硬化性樹脂液が電線端部に所定長さ充填された後、硬化性樹脂液を硬化させ、端部が充填樹脂により止水処理された電線を得る。
なお、硬化性樹脂液の硬化方法は、使用する硬化性樹脂液の種類に応じて適宜選択される。
また、硬化性樹脂液の種類に応じて、耐圧容器11から電線端部に硬化性樹脂液が充填された電線20の端子部21を取り出してから、硬化性樹脂液を硬化するか、あるいは、その端子部21を耐圧容器11内に配置したまま、硬化性樹脂液を硬化する。
硬化性樹脂液の粘度は、0.6Pa・s〜60Pa・s(=600mPa・s〜60000mPa・s)の範囲であることが好ましく、より好ましくは600mPa・s〜1000mPa・sである。
硬化性樹脂液の粘度が0.6Pa・s未満では、上記の等方加圧によって、この硬化性樹脂液が電線端部に充填されやすくなるものの、流動性が高すぎて、電線端部に留まらずに外部に流出してしまうので、結果として、電線端末に所望の止水構造を形成することができない。一方、硬化性樹脂液の粘度が60Pa・sを超えると、上記の等方加圧によって、この硬化性樹脂液を電線端部に十分に充填することができないので、結果として、電線端末に所望の止水構造を形成することができない。
硬化性樹脂液としては、一液縮合反応型のシリコーンゴム、二液縮合反応型のシリコーンゴム、熱硬化型のシリコーンゴム、紫外線硬化型のシリコーンゴムなどが用いられる。
電線端末を等方加圧する際の圧力は、0.1MPa〜0.5MPaの範囲内であることが好ましく、より好ましくは0.3MPa〜0.5MPaである。
電線端末を等方加圧する際の圧力が0.1MPa未満では、硬化性樹脂液を電線端部に十分に充填することができないので、結果として、電線端末に所望の止水構造を形成することができない。一方、電線端末を等方加圧する際の圧力が0.5MPaを超えても、それ以下の圧力よりも、電線端部への硬化性樹脂液の充填性(充填距離)が向上しない。
なお、ガス供給源から耐圧容器11内に圧縮ガスを導入して、電線20の端末を等方加圧するとは、ガス供給源から耐圧容器11内に導入した圧縮ガスによって、耐圧容器11内の圧力が均一になるように加圧することである。耐圧容器11内の圧力が均一にすることにより、電線20の端末が全ての方向から均一に加圧(等方加圧)され、その結果、電線20の端子部21に滴下した硬化性樹脂液が、電線端部に充填される。
電線端末を等方加圧する時間(加圧時間)は、硬化性樹脂液の粘度、電線端末を等方加圧する際の圧力などに応じて適宜調整される。
さらに、耐圧容器11内に導入される圧縮ガスは、硬化性樹脂液の種類、すなわち、硬化条件に応じて適宜調整することが好ましい。
例えば、硬化性樹脂液として一液縮合反応型のシリコーンゴムを用いる場合、圧縮ガスとしては、窒素(N)、アルゴン(Ar)などの不活性ガス、空気、好ましくは加湿されたガスなどを用いて、耐圧容器11内を一液縮合反応型のシリコーンゴムの硬化に適した雰囲気とすることが好ましい。
また、硬化性樹脂液として二液縮合反応型のシリコーンゴムを用いる場合、圧縮ガスとしては、窒素(N)、アルゴン(Ar)などの不活性ガス、空気などを用いて、耐圧容器11内を二液縮合反応型のシリコーンゴムの硬化に適した雰囲気とすることが好ましい。
また、硬化性樹脂液として熱硬化型のシリコーンゴムを用いる場合、圧縮ガスとしては、窒素(N)、アルゴン(Ar)などの不活性ガス、空気などを用いて、耐圧容器11内を熱硬化型のシリコーンゴムの硬化に適した雰囲気とすることが好ましい。
このようにすれば、硬化性樹脂液を短時間で硬化することができる。
また、硬化性樹脂液の粘度、電線端末を等方加圧する際の圧力、および、電線端末を等方加圧する時間を調整することにより、硬化性樹脂液を電線端部に充填する長さ(充填長)、すなわち、止水構造の長さを調整することができる。
より詳細には、止水構造の長さを長くする場合、(A)電線端末を等方加圧する際の圧力を高くする、(B)加圧時間を長くする、(C)粘度の低い硬化性樹脂液を用いる、という3つの方法から1つまたは2つ以上の方法を選択する。
一方、止水構造の長さを短くする場合、(a)電線端末を等方加圧する際の圧力を低くする、(b)加圧時間を短くする、(c)粘度の高い硬化性樹脂液を用いる、という3つの方法から1つまたは2つ以上の方法を選択する。
(2)第二の実施形態
図3Aは、本発明に係る電線端末の止水処理方法において用いられる加圧装置の第二の実施形態を示す概略図であり、加圧装置の深さ方向に垂直な断面図を示す。図3Bは、同加圧装置の概略図であり、その深さ方向に沿った断面図を示す。
図3A及び図3Bにおいて、図2A及び図2Bに示した上記第一の実施形態の構成要素と同じ構成要素には同一符号を付して、その説明を省略する。
この第二の実施形態の加圧装置40が、上述の第一の実施形態の加圧装置10と異なる点は、耐圧容器11の内部に、密封パッキン14の孔14aと連通する電線収納溝30aが形成された電線保持部材30が配置されている点である。
電線保持部材30は、外形が角柱、円柱などの柱状をなしており、その長手方向の中心軸を通る平面で2つの保持部材30A、30Bに分割可能に構成されている。
また、電線保持部材30の電線収納溝30aは、2つの保持部材30A、30Bのそれぞれの接合面30bに、この接合面30bの長手方向の中心線に沿って形成されている。そして、2つの保持部材30A、30Bを、それぞれの接合面30bで接合させた場合、それぞれの電線収納溝30aが合わせられて、電線保持部材30の長手方向の中心軸を通る1つの貫通孔を形成するようになっている。
また、電線収納溝30aの長手方向と垂直な断面の形状は、電線収納溝30aに電線を収納できれば特に限定されないが、電線と電線収納溝30aとの間に隙間が生じないことから、半円形が好ましい。
また、電線収納溝30aの開口部の幅は、そこに収納される電線の外径に応じて適宜決定されるが、電線を収納した際に、電線と電線収納溝30aとの間に隙間が生じない大きさが好ましい。
電線保持部材30を構成する材料としては、耐圧容器11内に所定の圧力の圧縮ガスを導入した際に、その圧力によって変形したり破損したりしないものであれば特に限定されないが、例えば、各種金属、硬質のプラスチック、ガラスなどが挙げられる。
次に、この加圧装置40を用いた電線端末の止水処理方法を説明する。
被覆を除去した端末部分に端子部21が圧着された電線20を用意する。
次いで、耐圧容器11内に端子部21が入るように、耐圧容器本体12内に複数の電線20を並べて配置するとともに、耐圧容器本体12の開口部に配置した密封パッキン14の孔14aに、端子部21が設けられている端末部分とは反対側の端末から電線20を挿通する。
また、これに伴って、耐圧容器11内に配置した電線20の端子部21を除く部分(電線20の端子部21の近傍)を保持部材30Aの電線収納溝30aに収納する。その後、保持部材30Bの電線収納溝30aに電線20を収納するとともに、2つの保持部材30A、30Bを、それぞれの接合面30bで接合させて、耐圧容器11内に配置した電線20の端子部21を除く部分(電線20の端子部21の近傍)を、その外周から電線保持部材30で強固に保持する。
なお、電線20の端子部21を除く部分を、その外周から電線保持部材30で強固に保持するとは、電線20の素線と被覆の密着状態が、常に保たれる程度の強度で保持することを言う。
以下、第一の実施形態と同様にして、耐圧容器11内に所定の圧力の圧縮ガスを供給して、耐圧容器11内を等方加圧することにより、硬化性樹脂液を電線端部に所定長さ充填した後、硬化性樹脂液を硬化させ、端部が充填樹脂により止水処理された電線を得る。
この実施形態の電線端末の止水処理方法によれば、耐圧容器11内に配置した電線20の端子部21を除く部分を電線保持部材30で保持する。よって、耐圧容器11内に供給した圧縮ガスが電線20の素線と被覆の間に侵入して、被覆が膨張するのを防止することができる。
図2に示したような加圧装置を用い、表1〜10に示す実施例1〜54および比較例1〜6の条件において、電線端部に止水処理を施した。
硬化性樹脂液(以下、「止水剤」と記す)としては、各種粘度の一液縮合硬化タイプのジメチルシリコーン樹脂を用いた。
そして、電線端末を等方加圧する際の圧力を、減圧の場合の圧力差と同じ圧力である0.1MPaと、それよりも大きい0.2MPaおよび0.5MPaで行った。
また、各実施例および比較例において、止水剤を電線端部に充填する長さ(充填長)を測定した。結果を表1〜10に示す。
また、実施例1〜54および比較例1〜6の条件において止水処理を施した電線端部の止水の評価を、以下の水中加圧試験にて行った。
この水中加圧試験とは、止水処理を施した電線端部を水中に入れて、その電線端部に気圧をかける試験である。
この試験では、電線の端子部を水中に入れて、電線が弛まない程度の張力をかけ、電線の片端(水中に浸漬していない側の端)から、電線の被覆内に10kPaの圧縮空気を送り込んだ。その後、10kPa毎に圧縮空気の圧力を上げて、圧縮空気の圧力を最大200kPaまで上げた。
実施例または比較例毎に5本のサンプルを用い、水中の端子部から空気が漏れたものが1本も無ければGood、1本でも漏れがあった場合にはNot Good、5本全部が漏れた場合はBadとして評価した。結果を表1〜10に示す。
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表1〜10の結果から、粘度が600mPa・s〜60000mPa・s(=0.6Pa・s〜60Pa・s)の止水剤を用いた実施例1〜54において、良好な結果を得た。
電線端末を等方加圧する際の圧力を0.2MPaにすることによって、同じ粘度の止水剤で比較すると、0.1MPaよりも速く止水剤が充填されることが確認された。また、同じ加圧時間で比較すると、0.1MPaよりも高粘度の止水剤でもより充填長を長くすることができた。
さらに、比較例1〜6の減圧方式では、電線長により止水剤充填長がばらつくのに対して、等方加圧方式による実施例1〜54では、電線長による止水剤の充填長のばらつきがなかった。
また、等方加圧方式による実施例1〜54では、高粘度の止水剤を用いて止水処理した場合でも、止水剤が電線内に充填され、水中加圧試験は全て合格であった。
一方、減圧方式による比較例1〜6では、止水剤の充填長にばらつきを生じ、高粘度の止水剤を用いて止水処理した場合には水中加圧試験で不合格品が生じた。
本発明の電線端末の止水処理方法は、電線端末に硬化性樹脂液を接触させた状態で、この電線端末を等方加圧して前記硬化性樹脂液を電線内部に圧入した。さらに、本発明では、前記硬化性樹脂液を硬化させて電線端末に止水構造を形成する。これにより、電線長に依らず、電線端末に一定長さの止水構造を簡単にかつ確実に形成することができる。
本発明の電線端末の止水処理方法は、電線端末を等方加圧することで、電線端末に硬化性樹脂液を圧入する空間(加圧室)の内部及び外部間の圧力差を大きくすることができる。よって、減圧方式では充填に時間がかかる、または充填不可能な高粘度樹脂でも短時間充填が可能である。
また、電線端末を等方加圧する場合に、雰囲気を硬化性樹脂液の硬化し易い条件に調整することが可能であるため、硬化性樹脂液を短時間で硬化させることができる。

Claims (8)

  1. 電線端末に硬化性樹脂液を接触させた状態で、この電線端末を等方加圧して前記硬化性樹脂液を電線内部に圧入する工程と;
    前記硬化性樹脂液を硬化させて前記電線端末に止水構造を形成する工程と;
    を有することを特徴とする電線端末の止水処理方法。
  2. 請求項1に記載の電線端末の止水処理方法であって、
    前記硬化性樹脂液の粘度を、0.6Pa・s〜60Pa・sの範囲内とすることを特徴とする電線端末の止水処理方法。
  3. 請求項1に記載の電線端末の止水処理方法であって、
    前記電線端末を等方加圧する際の圧力を、0.1MPa〜0.5MPaの範囲内とすることを特徴とする電線端末の止水処理方法。
  4. 請求項1に記載の電線端末の止水処理方法であって、
    前記硬化性樹脂液が圧入される前記電線端末を加圧室内に静置した状態で、前記等方加圧することを特徴とする電線端末の止水処理方法。
  5. 請求項4に記載の電線端末の止水処理方法であって、
    前記電線端末を複数並べ、これら電線端末に対して一度で前記等方加圧を行うことを特徴とする電線端末の止水処理方法。
  6. 請求項4に記載の電線端末の止水処理方法であって、
    前記加圧室内に配置した電線の前記電線端末の近傍を、その外周から電線保持部材によって保持し、この電線端末のみに対して、前記加圧容器内で前記等方加圧を行うことを特徴とする電線端末の止水処理方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電線端末の止水処理方法で、電線端末が止水処理されたことを特徴とする電線。
  8. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の電線端末の止水処理方法で、端子付きの電線端末が止水処理されたことを特徴とする電線。
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