JPWO2009028174A1 - カメラシステムおよび交換レンズ - Google Patents
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Abstract
Description
一方、レンズを撮影用として使用する場合は、反射ミラーが瞬時に位置を変え、撮影用光路から待避することで、ファインダ用光路を撮影用光路に切り換え、撮影が終了すると定位置に瞬時に戻る。この方式は、一眼レフ方式であれば、従来の銀塩カメラでも、デジタルカメラでも同様である。
そこで、例えば、液晶モニタを見ながら撮影できるデジタル一眼レフカメラが提案されている。
また、デジタル一眼レフカメラでは、一般的に焦点検出方式として位相差検出方式が採用されている(例えば、特許文献1を参照)。
そこで、画像信号から求められるコントラスト情報に基づいて焦点検出を行うコントラスト検出方式を、デジタル一眼レフカメラに採用することが提案されている。
しかし、コントラスト検出方式の場合、合焦位置の前後に余分にフォーカスレンズを移動させる必要があるため、従来の構成のままでコントラスト検出方式を用いると、フォーカスレンズの可動領域が足りず、フォーカスレンズの可動領域の端部周辺で合焦位置が正確に把握できない。
また、フォーカスレンズの可動領域を拡大すると、それに伴いフォーカスレンズの駆動制御を変更する必要があるが、それについてはいまだ提案されていない。
第1の発明に係るカメラシステムは、交換レンズと、カメラ本体と、を備えている。交換レンズは、フォーカスレンズを有し被写体の光学像を形成する撮像光学系と、撮像光学系を支持する機構であってフォーカスレンズを光軸に沿った方向に移動可能に支持するフォーカスレンズ支持枠を有するレンズ鏡筒と、フォーカスレンズ支持枠を駆動するフォーカス駆動部と、フォーカスレンズの位置情報を入力可能な情報入力部と、フォーカス駆動部の動作を制御するレンズ制御部と、を有している。カメラ本体は、光学像を画像信号に変換する撮像部と、画像信号に基づいて焦点検出用のコントラスト情報を取得するコントラスト情報取得部と、レンズ制御部と情報の送受信が可能であり撮像部およびコントラスト情報取得部の動作を制御する本体制御部と、を有している。情報入力部に入力された位置情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持枠が駆動される場合と、コントラスト情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持部が駆動される場合と、で、レンズ制御部は、フォーカス駆動部を介してフォーカスレンズの可動領域を変化させている。
これにより、このカメラシステムでは、コントラスト検出方式に対応可能となる。
第2の発明に係るカメラシステムは、第1の発明に係るカメラシステムにおいて、コントラスト情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持部が駆動される場合、フォーカスレンズは、撮像光学系の広角端から望遠端までに対応するズーム領域と、ズーム領域の外側に設けられ焦点検出時に使用される余剰領域と、を移動可能である。情報入力部に入力された位置情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持枠が駆動される場合、フォーカスレンズは、ズーム領域のみを移動可能である。
第4の発明に係る交換レンズは、撮像光学系と、レンズ鏡筒と、フォーカス駆動部と、情報入力部と、レンズ制御部と、を備えている。撮像光学系は、フォーカスレンズを有しており、被写体の光学像を形成している。レンズ鏡筒は、撮像光学系を支持する機構であって、フォーカスレンズを光軸に沿った方向に移動可能に支持するフォーカスレンズ支持枠を有している。フォーカス駆動部はフォーカスレンズ支持枠を駆動する。情報入力部はフォーカスレンズの位置情報を入力可能である。レンズ制御部はフォーカス駆動部の動作を制御する。情報入力部に入力された位置情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持枠が駆動される場合と、コントラスト情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持部が駆動される場合と、で、レンズ制御部は、フォーカス駆動部を介してフォーカスレンズの可動領域を変化させている。
これにより、この交換レンズでは、コントラスト検出方式に対応可能となる。
2 交換レンズユニット
3 カメラ本体
3a 筐体
4 ボディーマウント
10 ボディーマイコン(本体制御部)
11 撮像センサ(撮像部)
12 撮像センサ駆動制御部
20 表示部
21 画像表示制御部
23 クイックリターンミラー
25 電源スイッチ
26 モード切換ダイアル
27 十字操作キー
28 MENU設定ボタン
29 SETボタン
30 シャッター操作部
31 シャッター制御部
33 シャッターユニット
34 ファインダ切り換えボタン
35 動画撮影操作ボタン
40 レンズマイコン(レンズ制御部)
41 フォーカスレンズ駆動制御部
58 第2レンズ保持枠(フォーカスレンズ支持枠)
61 第2ホルダー(フォーカスレンズ支持枠)
61a 貫通カム溝(カム溝)
79 レンズマウント
95 電子ファインダ部
L 撮像光学系
L1 1群レンズ
L2 2群レンズ
L3 3群レンズ
L4 4群レンズ
E1 ズーム領域
E2 第1余剰領域(余剰領域)
E3 第2余剰領域
<1:カメラシステムの全体構成>
図1〜図3(B)を用いて第1実施形態に係るカメラシステム1の全体構成について説明する。図1にカメラシステム1のブロック図を示す。図2にカメラ本体3のブロック図を示す。図3(A)および(B)にカメラ本体3の概略構成図を示す。
図1に示すように、カメラシステム1は、交換レンズ式のデジタル一眼レフカメラシステムであり、主に、カメラシステム1の主要な機能を有するカメラ本体3と、カメラ本体3に取り外し可能に装着された交換レンズユニット2と、から構成されている。交換レンズユニット2は、レンズマウント79を介して、カメラ本体3の前面に設けられたボディーマウント4に装着されている。
図1および図2に示すように、カメラ本体3は主に、被写体を撮像する撮像部71と、撮像部71などの各部の動作を制御する本体制御部としてのボディーマイコン10と、撮影された画像や各種情報を表示する画像表示部72と、画像データを格納する画像格納部73と、被写体像を視認するファインダ光学系22と、から構成されている。
撮像部71は主に、入射光をファインダ光学系22および焦点検出ユニット5に導くクイックリターンミラー23と、光電変換を行うCCD(Charge Coupled Device)などの撮像センサ11と、撮像センサ11の露光状態を調節するシャッターユニット33と、ボディーマイコン10からの制御信号に基づいてシャッターユニット33の駆動を制御するシャッター制御部31と、撮像センサ11の動作を制御する撮像センサ駆動制御部12と、焦点(被写体像の合焦状態)を検出する焦点検出ユニット5と、から構成されている。
コントラスト検出方式の場合、ボディーマイコン10によりコントラスト情報が求められ焦点が検出される。すなわち、ボディーマイコン10がコントラスト情報取得部を含んでいると言える。ボディーマイコン10により取得された合焦位置情報は後述のレンズマイコン40に送信され、フォーカスレンズ(第2レンズ群L2)の駆動に用いられる。コントラスト検出方式の詳細については後述する。
撮像センサ11は、撮像光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な信号に変換する、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサである。撮像センサ11は、撮像センサ駆動制御部12により発生されるタイミング信号により駆動制御される。なお、撮像センサ11はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサでもよい。
また、ボディーマイコン10は、図3(B)に示す電源スイッチ25、レリーズボタン30、モード切換ダイアル26、十字操作キー27、MENU設定ボタン28およびSETボタン29、ファインダ切り替えボタン34、動画撮影操作ボタン35の信号を、それぞれ受信可能である。ボディーマイコン10は、本体制御部の一例である。
ボディーマイコン10は、レリーズボタン30等の操作に応じて、撮像センサ11等のカメラシステム全体を制御する。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器に送信する。これと並行して、ボディーマイコン10は、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。ボディーマイコン10は、生成した露光同期信号を、ボディーマウント4およびレンズマウント79を介して、レンズマイコン40に周期的に繰り返して送信する。
電源スイッチ25は、カメラシステム1あるいはカメラ本体3の電源の入切を行うためのスイッチである。電源スイッチ25により電源がON状態になると、カメラ本体3および交換レンズユニット2の各部に電源が供給される。モード切換ダイアル26は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードを切り換えるためのダイアルであり、ユーザーはモード切換ダイアル26を回転させてモードを切換えることができる。モード切換ダイアル26により静止画撮影モードが選択されると、撮影モードを静止画撮影モードへ切り換えることができ、モード切換ダイアル26により動画撮影モードが選択されると、撮影モードを動画撮影モードへ切り換えることができる。動作撮影モードでは、基本的に動画撮影が可能となる。さらに、モード切換ダイアル26により再生モードが選択されると、モードを再生モードへ切り換えることができ、表示部20に撮影画像を表示させることができる。
図2に示すように、静止画撮影モードでは、レリーズボタン30の操作によるタイミング信号を受信したボディーマイコン10は、ストロボ制御部47に制御信号を出力する。そしてストロボ制御部47は、制御信号に基づいてLEDなどにて構成されるストロボ48を発光させる。ストロボ48は、撮像センサ11が受光する光量に応じて制御される。すなわち、ストロボ制御部47は、撮像センサ11からの画像信号の出力が一定値以下の場合にはシャッター動作と連動して自動的に発光させる。一方、画像信号の出力が一定値以上の場合には、ストロボ制御部47はストロボ48を発光させないように制御する。
また、動画撮影モードでは、レリーズボタン30、あるいは動画撮影操作ボタン35の操作により、LEDなどにて構成されるストロボ48は、ビデオライトとしての機能を果たし、動画撮影中は被写体に向けて、光を照射する。
撮像センサ11から出力された画像信号(静止画、あるいは動画)は、アナログ信号処理部13から、A/D変換部14、デジタル信号処理部15、バッファメモリ16、画像圧縮部17へと、順次送られて処理される。アナログ信号処理部13は、撮像センサ11から出力される画像信号にガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。A/D変換部14は、アナログ信号処理部13から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理部15は、A/D変換部14によりデジタル信号に変換された画像信号に対してノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。バッファメモリ16は、RAMであり、画像信号を一旦記憶する。
表示部20は、例えば液晶モニタであり、画像表示制御部21からの指令に基づいて、画像記録部18あるいはバッファメモリ16に記録された画像信号を可視画像として表示する。ここで表示部20の表示形態としては、画像信号のみを可視画像として表示する表示形態と、画像信号と撮影時の情報とを可視画像として表示する表示形態とがある。なお、表示部20は、カメラ本体3の筐体3aに対して、自由に角度を変更できる角度可変型のモニタであってもよい。
一方、透過光束は、サブミラー23bで反射されて、焦点検出ユニット5のAF用光束として利用される。通常の撮影時には、クイックリターンミラー制御部36により、クイックリターンミラー23が光軸AZ外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット33が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。また非撮影時には、図1に示すようにクイックリターンミラー23が光軸AZ上に配置されるとともに、シャッターユニット33は閉状態とされる。
(1.2:交換レンズユニット)
図1に示すように、交換レンズユニット2は主に、カメラシステム1内の撮像センサ11に被写体像を結ぶための撮像光学系Lと、フォーカシングを行うフォーカスレンズ駆動制御部41と、絞りを調節する絞り駆動制御部42と、交換レンズユニット2の動作を制御するレンズ制御部としてのレンズマイコン40と、から構成されている。
フォーカスレンズ駆動制御部41は主に、フォーカスを調節する後述の第2レンズ群L2(フォーカスレンズ)を駆動制御する。絞り駆動制御部42は、主に絞りまたは開放を調節する絞り部43を駆動制御する。
また、レンズマイコン40内のメモリ44には、交換レンズユニット2に関する各種情報(レンズ情報)が格納されている。具体的には、交換レンズユニット2の焦点距離の最大値と最小値(焦点距離可変領域)を示す焦点距離情報、あるいは物点距離情報などが記憶されている。このメモリ44に記憶されている各種情報については、撮影時に使用するために、交換レンズユニット2がカメラ本体3に取り付けられた際に、カメラ本体3側に送られる。
交換レンズユニット2は、4つのレンズ群を有する撮像光学系Lが搭載されている。具体的には、撮像光学系Lは、第1レンズ群L1と、第2レンズ群L2と、第3レンズ群L3と、第4レンズ群L4と、を有している。第2レンズ群L2はフォーカス調節を行うためのレンズ群である。
交換レンズユニット2は、撮像光学系Lを支持するレンズ鏡筒45と、レンズ鏡筒45を操作する操作ユニット63と、を有している。
固定枠50は、レンズ鏡筒45の基準となる部材である。具体的には、固定枠50は、3本の貫通直進溝50aと、3本の貫通カム溝50bと、を有している。貫通直進溝50aには、後述する第3レンズ保持枠59のカムピン59aが挿入されている。貫通カム溝50bには、第2回転枠55のカムピン(図示せず)が挿入されている。第2回転枠55が固定枠50に対して回転すると貫通カム溝50bにより第2回転枠55は軸方向に案内される。
第1回転枠53は、第1ホルダー54およびリング部材56をZ軸方向に案内するための部材であり、第1直進枠52の外周側に同軸上に配置されている。第1回転枠53は第1直進枠52により光軸AZ回りに相対回転可能に支持されている。具体的には、第1回転枠53は、3本の第1貫通カム溝53aと、3本の貫通カム溝53bと、3本の突起53cと、U字部53dと、を有している。第1ホルダー54のカムピン54a(図4、図5)は、第1貫通カム溝53aを貫通しており、貫通直進溝52bに挿入されている。貫通カム溝53bにはリング部材56のカムピン56aが挿入されている。突起53cは、カバー51の孔51a(図6)を貫通しており、ズームリング64の直進溝(図示せず)に挿入されている。これにより、ズームリング64、第1回転枠53およびカバー51は、一体回転するとともに、第1回転枠53およびカバー51はズームリング64に対してZ軸方向に移動可能である。U字部53dには、第2回転枠55のカムピン(図示せず)が嵌め込まれている。これにより、第1回転枠53および第2回転枠55は一体回転するとともに一体でZ軸方向に移動する。
第1ホルダー54のZ軸方向正側(被写体側)の端部には、第1レンズ群L1を支持する第1レンズ保持枠57と、フィルターマウント62と、固定リング57aと、が固定されている。
第2回転枠55は、第3レンズ保持枠59および第4レンズ保持枠60をZ軸方向に案内するための部材であり、固定枠50の内周側に同軸上に配置されている。第2回転枠55は、3本の貫通回転溝55aと、3本の貫通カム溝55bと、半径方向外側へ延びる3本のカムピン55cと、を有している。第3レンズ保持枠59のカムピン59aが貫通回転溝55aを貫通している。貫通カム溝55bには第4レンズ保持枠60のカムピン60aが挿入されている。カムピン55cは、固定枠50の貫通カム溝50bを貫通しており、第1回転枠53のU字部53dに嵌め込まれている。このため、第1回転枠53と第2回転枠55とは一体回転するとともに一体でZ軸方向へ移動する。第1回転枠53および第2回転枠55のZ軸方向への移動量は貫通カム溝50bにより決定される。
第4レンズ保持枠60は、第4レンズ群L4を支持するための部材であり、第2回転枠55の内周側に同軸上に配置されている。第4レンズ保持枠60は第3レンズ保持枠59により回転規制される。具体的には、第3レンズ保持枠59は、Z軸方向負側に延びる3本の突起(図示せず)を有している。第4レンズ保持枠60は半径方向に窪みZ軸方向に延びる3本の溝(図示せず)を有している。これらの溝に第3レンズ保持枠59の突起が挿入されている。これにより、第4レンズ保持枠60は第3レンズ保持枠59とともに一体回転することなく、第3レンズ保持枠59に対してZ軸方向に移動可能である。
ズームリングユニット81は、ユーザーが焦点距離を操作するためのズームリング64と、ズームリング64を支持するリングベース69と、を有している。ズームリング64は、カバー51の外周側に同軸上に配置されており、固定枠50に固定されたリングベース69によりZ軸方向の移動が規制された状態で光軸AZ回りに回転可能なように保持されている。ズームリング64の内周部には、Z軸方向に延びる3本の直進溝(図示せず)が形成されている。この直進溝には第1回転枠53の突起53cが挿入されているため、第1回転枠53はズームリング64と一体で回転するがZ軸方向に相対移動可能である。固定枠50に対するズームリング64の回転角度(望遠端から広角端)は、例えば90度である。本実施形態では、R1方向が望遠側、R2方向が広角側に対応している(図12)。
フォーカスリングユニット82は、ユーザーがフォーカス調節を操作するフォーカスリング67と、リングガイド96と、指標リング97と、第2ホルダー駆動リング98と、フォーカス固定枠99と、押さえプレート100と、を有している。
フォーカスモータ80は、モータ本体85と、モータ本体85により回転駆動される第1駆動ギヤ86と、第1駆動ギヤ86と噛み合う第2駆動ギヤ(図示せず)と、を有している。静音性を考慮して、フォーカスモータ80として、例えば超音波モータが採用されている。フォーカスモータ80の動作は、フォーカスレンズ駆動制御部41により制御されている。モータ本体85により第1駆動ギヤ86が回転駆動されると、第2駆動ギヤは第1駆動ギヤ86と逆方向に回転する。
例えば、第2ホルダー駆動リング98がフォーカスモータ80によりR1方向へ回転駆動されると、指標リング97は逆方向であるR2方向へ回転駆動される。ユーザーの操作によりフォーカスリング67がR1方向へ回転すると、指標リング97の指標プレート97bもR1方向へ回転させる必要がある。このため、指標リング97の回転方向はフォーカスリング67の回転方向と同じであるが、第2ホルダー駆動リング98の回転方向はフォーカスリング67の回転方向と反対となる。
指標リング97の外周部には焦点距離が印字された指標プレート97bが設けられており、フォーカスモータ80の駆動に伴って指標プレート97bも回転する。フォーカス固定枠99の透明窓(図示せず)から指標プレート97bの焦点距離の印字位置を確認することで、ユーザーは大まかな焦点距離を確認できる。
第2ホルダー駆動リング98は、Z軸方向正側に延びる駆動プレート98bを有している。第2ホルダー駆動リング98は、第2ホルダー61のプレート部61bの溝61cに嵌め込まれている。このため、第2ホルダー61は、第2ホルダー駆動リング98と一体回転するとともに、第2ホルダー駆動リング98に対してZ軸方向に移動可能となっている。
絞りリングユニット83は、固定枠50に固定されたマウントベース70と、ユーザーが絞りを調節するための絞りリング101と、を有している。絞りリング101は、マウントベース70の外周側に同軸上に配置されており、マウントベース70により回転可能に支持されている。マウントベース70には、レンズ基板102と、後方枠103と、が固定されている。
(1.3:フォーカス調節について)
以上に説明した交換レンズユニット2は、コントラスト検出方式に対応している。コントラスト検出方式では、焦点を検出するために第2レンズ群L2を光軸AZに沿った方向へ移動させて、画像信号からコントラスト情報が取得される。このコントラスト情報は、第2レンズ群L2の各位置における評価値の集まりであり、評価値が最大である第2レンズ群L2の位置が合焦位置となる。
そこで、この交換レンズユニット2では、第2ホルダー61の貫通カム溝61aが図9に示すような形状に設定されている。図9では、左右方向が回転方向を示しており、上下方向が光軸AZに沿った方向を示している。上方向がZ軸方向正側に対応している。
図9に示すように、貫通カム溝61aは、R1方向の端部からR2方向の端部にかけて湾曲しており、カムピン56aが移動可能な可動領域Eを有している。可動領域Eは、ズーム領域E1と、ズーム領域E1からR2方向に延びる第1余剰領域E2と、ズーム領域E1からR1方向に延びる第2余剰領域E3と、を有している。ここで、各領域E1〜E3は、カムピン56aの中心を基準に決定されている。
ズーム領域E1のR2方向の端(位置WI)は、撮像光学系Lの広角端であって撮影距離が無限遠で合焦する状態に対応している。位置WIから位置WCまでの領域は、撮像光学系Lの広角端における焦点調節が可能な範囲である。位置WIから位置WCまでの回転角Fwの範囲内では、フォーカスモータ80により第2ホルダー61が回転駆動される。これにより、広角端周辺でのフォーカス調節が可能となる。
なお、所定の光学性能を満たすように設計されている領域は、基本的にズーム領域E1である。このため、カムピン56aが第1余剰領域E2内にある状態では、撮像光学系Lが所定の光学性能を満たさない可能性があり、撮影された画像に影響を及ぼすおそれがある。光学性能を考慮すると、第1余剰領域E2は、撮影時(画像取得時)に使用するのが好ましくない領域であると言える。
(1.4:第2ホルダー61の駆動領域の制限)
フォーカスモータ80が第2ホルダー61を回転駆動し得る角度としては、焦点検出時の駆動量を考慮して、例えば図9に示す回転角度Kwや回転角度Ktが確保されている。
この駆動領域の制限を行うために、リング部材56に対する第2ホルダー61の回転方向の位置情報が必要となる。すなわち、図9に示すように撮像光学系Lの焦点距離に応じて回転角FWおよびFTに対応する回転角が異なってくるため、カムピン56aと貫通カム溝61aとの位置関係を把握する必要がある。
カムピン56aと貫通カム溝61aとの位置関係は、第1角度検出部65により検出されたズームリング64の第1回転角度情報および第3角度検出部89により検出された第2ホルダー駆動リング98の第3回転角度情報(すなわち、第2ホルダー61の回転角度情報)に基づいて求めることができる。
例えば、レンズマイコン40のメモリ44に、第1回転角度情報、第3回転角度情報、リング部材56および第2ホルダー61の相対回転角度、および、第1および第3回転角度情報に対応する第2ホルダー61の駆動角度(図9の回転角FWおよびFTなどに対応する回転角)などを、テーブルとして予め格納しておく。第2ホルダー61の駆動角度は、貫通カム溝61aの形状が決定されていれば、リング部材56および第2ホルダー61の相対回転角度(すなわち、第1および第3回転角度情報)から予め求めておくことができる。このテーブルを利用して、第1角度検出部65で検出された第1回転角度情報と第2角度検出部68で検出された第3回転角度情報とから、第2ホルダー61の駆動角度を求めることができる。この駆動角度の情報に基づいて、フォーカスレンズ駆動制御部41を介してレンズマイコン40により第2ホルダー61の駆動角度(フォーカスモータ80の駆動量)が最短撮影距離から無限遠の間で制限される。
そこで、このカメラシステム1では、オートフォーカス撮影モードの場合に、第2ホルダー61の駆動角度をマニュアル撮影モードよりも大きくして、第2ホルダー61の駆動角度(第2レンズ群L2の可動領域)を変えている。
具体的には、メモリ44に格納される上記のテーブルは、焦点検出時における第2ホルダー61の必要駆動角度をさらに有している。この必要駆動角度は、焦点検出時における第2レンズ群L2の検出駆動距離H(図9)および貫通カム溝61aの形状から予め求められる。例えば、位置WI周辺では、貫通カム溝61aの傾きが小さいため、検出駆動距離Hに対応する回転角度Mwiは、位置WCでの回転角度Mwc、位置TIでの回転角度Mtiおよび位置TCでの回転角度Mtcよりも大きくなる。このように、カムピン56aと貫通カム溝61aとの位置関係(すなわち、第1および第3回転角度情報)から第2ホルダー61の必要駆動角度を求めることができる。
以上に説明したように、このカメラシステム1では、コントラスト検出方式に対応させるために、マニュアル撮影モードとオートフォーカス撮影モードとで、第2ホルダー61の駆動角度の制限範囲を変えている。
マニュアル撮影モードにおいては、回転角Fの範囲内に第2ホルダー61の駆動角度が制限されているため、各部の寸法誤差により多少の位置のずれは生じるが、基本的にカムピン56aは貫通カム溝61aのズーム領域E1内のみを移動する。このため、光学性能が保証されていない第1余剰領域E2で撮影が行われるのを防止できる。
<2:カメラシステムの動作>
以下、上述のように構成されたカメラシステム1の撮影動作を説明する。
図10および図11は、カメラシステム1での撮像時の概念図であり、図10はファインダ撮影モードを説明する図、図11はモニタ撮影モードを説明する図である。
(2.1:撮像前の状態)
図10および図11に示すように、被写体(図示せず)からの光は、交換レンズユニット2を透過し、半透過ミラーであるメインミラー23aに入射する。メインミラー23aに入射した光の一部は反射してファインダスクリーン6に入射し、残りの光は透過してサブミラー23bに入射する。ファインダスクリーン6に入射した光は被写体像として結像する。この被写体像は、ペンタプリズム7によって正立像に変換され接眼レンズ8に入射する。これにより、ユーザーは、ファインダ接眼窓9を介して被写体の正立像を観察できる。また、サブミラー23bに入射した光は反射され、焦点検出ユニット5に入射する。
このカメラシステム1は、2つの撮影モード、すなわちファインダ撮影モードおよびモニタ撮影モードを有する。ファインダ撮影モードは、ユーザーがファインダ接眼窓9を観察しながら撮影するモードであり、従来の一眼レフカメラにおける通常の撮影モードである。モニタ撮影モードは、液晶モニタなどの表示部20をユーザーが観察しながら撮影するモードである。
ファインダ撮影モードにおいては、図10に示すように、クイックリターンミラー23は、光軸AZ内の所定位置に配置されており、被写体光は、ファインダ光学系22に導かれるので、ユーザーは、ファインダ接眼窓9から被写体像を観察することができる。実際の撮影時には、クイックリターンミラー23が光軸AZ外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット33が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。
(2.3:ファインダ撮影モードの動作)
カメラシステム1の撮影動作について説明する。図1〜図4を用いて、ユーザーがファインダ接眼窓9を覗いて撮影するファインダ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
ファインダ撮影モードにおいて撮影する場合、ユーザーは、筐体3aの背面に設けられたファインダ切り替えボタン34を操作して、撮影モードとしてファインダ撮影モードを選択する。
露光完了後、撮像センサ駆動制御部12により撮像センサ11から読み出された画像データは、所定の画像処理を実行された後、表示部20に撮影画像として表示される。また、撮像センサ11から読み出され、所定の画像処理を実行された画像データは、画像記録部18を介して、記憶媒体に画像データとして書き込まれる。また、露光終了後、クイックリターンミラー23とシャッターユニット33とは、初期位置にリセットされる。ボディーマイコン10は、レンズマイコン40へ、絞りを開放位置にリセットするよう指示し、レンズマイコン40は、各ユニットに対してリセット命令を行う。リセット完了後、レンズマイコン40は、ボディーマイコン10にリセット完了を伝える。ボディーマイコン10は、レンズマイコン40からのリセット完了情報と露光後の一連処理の完了を待ち、その後、レリーズボタン30の状態が、押し込みされていない状態であることを確認し、撮影シーケンスを終了させる。
次に、図1〜図3(B)および図5を用いて、ユーザーが表示部20を用いて撮影するモニタ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
表示部20を用いて撮影する場合、ユーザーは、ファインダ切り替えボタン34を操作して、モニタ撮影モードを選択する。モニタ撮影モードに設定されると、ボディーマイコン10は、クイックリターンミラー23を光軸AZ内から退避させる。これにより、被写体からの光が撮像センサ11に達する。撮像センサ11は、撮像センサ11上に結像される被写体からの光を画像データに変換し、画像データとして取得し、出力することができる。撮像センサ駆動制御部12により撮像センサ11から読み出された画像データは、所定の画像処理を実行された後、表示部20に撮影画像として表示される。このように、撮影画像を表示部20に表示させることにより、ユーザーは、ファインダ接眼窓9を覗くことなく、被写体を追いかけることが可能となる。
このモニタ撮影モードにおいては、その合焦方法として、焦点検出ユニット5を用いた位相差検出方式に替わり、撮像センサ11で生成された画像データに基づいて、コントラスト検出方式のオートフォーカスが用いられる。表示部20を用いたモニタ撮影モードにおけるオートフォーカス動作の方式としては、コントラスト検出方式を用いることにより、カメラシステムとして、精度の良いフォーカス動作を実現することができる。このモニタ撮影モードでは、定常的に、撮像センサ11で画像データを生成しているので、従来の位相差検出方式に比べ、その画像データを用いたコントラスト検出方式のオートフォーカス動作をするのが容易である。
コントラスト検出方式のオートフォーカス動作を行う際には、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、コントラストAF用データを要求する。コントラストAF用データは、コントラスト検出方式のオートフォーカス動作の際に必要なデータであり、例えば、フォーカス駆動速度、フォーカスシフト量、像倍率、コントラストAF可否情報などが含まれる。
ボディーマイコン10は、垂直同期信号を定期的に生成する。また、ボディーマイコン10は、これと並行して、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。これは、ボディーマイコン10が垂直同期信号を基準にして、露光開始タイミングと露光終了タイミングとを予め把握しているために、露光同期信号を生成できるのである。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器(図示せず)に出力し、露光同期信号をレンズマイコン40に出力する。レンズマイコン40は、露光同期信号に同期して、第2レンズ群L2の位置情報を取得する。
静止画撮影モードの場合には、ユーザーのレリーズボタン30の半押し動作により、カメラシステム1のボディーマイコン10は、交換レンズユニット2内のレンズマイコン40より、レンズマウント79およびボディーマウント4を介して、各種レンズデータを受け取り、内蔵するメモリ38に保存する。また、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、オートフォーカス開始コマンドを発信する。レリーズボタン30が半押しされた場合、オートフォーカス開始コマンドは、コントラスト検出方式のオートフォーカス動作を開始する旨を示すコマンドである。このコマンドに基づいて、レンズマイコン40は、フォーカスレンズ駆動制御部41を介して第2レンズ群L2が光軸AZに沿った方向に移動するようにフォーカスモータ80の動作を制御する。
この山登り方式では、前述のように、焦点検出の際に第2レンズ群L2を合焦位置の前後まで移動させる必要がある。このため、図9に示すように、位置WIの場合、回転角度Mwiの範囲内で貫通カム溝61aとカムピン56aとが相対移動する。言い換えると、前述のように、第2ホルダー61の回転角度は回転角度Mwiの範囲内にレンズマイコン40により制限されている。この結果、焦点検出時においてカムピン56aは第1余剰領域E2内を移動するが、第1余剰領域E2の端で貫通カム溝61aとカムピン56aとが接触し第2ホルダー61の回転が阻害されるのを防止できる。
なお、位置TCの場合も同様であるが、位置TCの場合は貫通カム溝61aの傾斜角が大きいため、回転角度Mtcが位置WIに比べて狭く、このため第2余剰領域E3を第1余剰領域E2ほど大きく確保する必要はない。
また、第1余剰領域E2では、ズーム領域E1に比べて光学性能が低い傾向にある。このため、合焦位置が第1余剰領域E2の範囲内に存在する可能性は極めて低く、このため、
第2ホルダー61の回転角度は角度Mwiの範囲内でしか制限されていないが、第1余剰領域E2が画像取得時に使用されるおそれはない。
焦点検出が完了した後、ユーザーによりレリーズボタン30が全押しされると、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、絞り値を不図示の測光センサからの出力に基づいて計算された絞り値にするよう指示する。そして、レンズマイコン40は、絞り駆動制御部42をコントロールし、指示された絞り値まで、絞りを絞り込む。撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11の駆動を指示し、シャッターユニット33の動作を指示する。なお、撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11の出力より算出された所定のシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
同様に、動画撮影モードの場合には、ユーザーのレリーズボタン30の全押し動作により、動画記録を行うことが可能となる。また、いかなるモードであろうとも、動画撮影操作ボタン35を押すことにより、動画記録を行うことが可能となる。さらには、交換レンズユニット2が動作撮影に対応している場合には、交換レンズユニット2をカメラ本体3に取り付けた際に、自動的に動作撮影モードへ移行するようにしてもよい。
(2.5:ズーム操作)
次に、ユーザーがズーム操作およびフォーカス操作を行う際の交換レンズユニット2の動作を説明する。
図4〜図7に示すように、ユーザーによりズームリング64が回転操作されると、ズームリング64に連結された第1回転枠53にその回転運動が伝達される。第1回転枠53が光軸AZ回りに回転すると、第1回転枠53のU字部53dに嵌め込まれたカムピン55cが固定枠50の貫通カム溝50bに案内され、第2回転枠55とともに第1回転枠53は固定枠50に対して光軸AZ回りに回転しながらZ軸方向に移動する。孔52dに嵌め込まれた第3レンズ保持枠59のカムピン59aが貫通回転溝55aと貫通直進溝50aとを貫通しているため、第1直進枠52は、固定枠50に対して回転することなく(第1回転枠53に対して回転しながら)第1回転枠53、第2回転枠55および第3レンズ保持枠59と一体でZ軸方向に直進移動する。固定枠50に対する第1直進枠52、第1回転枠53、第2回転枠55および第3レンズ保持枠59のZ軸方向への移動量は、貫通カム溝50bの形状により決定される。
また、固定枠50に対して第1回転枠53が光軸AZ回りに回転すると、リング部材56のカムピン56aが貫通カム溝52aおよび貫通カム溝53bに案内され、固定枠50に対してリング部材56が回転しながらZ軸方向へ移動する。リング部材56の回転角度およびZ軸方向への移動量は貫通カム溝53bおよび貫通カム溝52aの形状により決定される。具体的には、固定枠50に対するズームリング64の回転角度が望遠端から広角端までで90度である場合、固定枠50に対するリング部材56の回転角度は2/3の60度である。
以上のように、ズームリング64を望遠側(R1方向)に回転させることにより、交換レンズユニット2の状態(より詳細には、レンズ鏡筒45の状態)は、図4に示す広角端の状態から図5に示す望遠端の状態へと移行し、各レンズ群L1〜L4が光軸AZに沿った方向に移動する。これにより、撮像光学系Lの焦点距離がズームリング64により設定された焦点距離に変化し、所望のズーム位置にて撮影することが可能となる。
(2.6:マニュアル撮影モード)
しかし、各部の寸法誤差などにより、合焦状態を完全に維持するのは困難であり、焦点距離の変更に伴い、実際には合焦位置も若干変化する場合がある。ユーザーが意図的に焦点をずらして撮影する場合もある。
このマニュアル撮影モードの場合、ユーザーによりフォーカスリング67が回転操作されると、フォーカスリング67により設定された撮影距離に基づいて第2ホルダー61がフォーカスモータ80により回転駆動される。具体的には、ユーザーによりフォーカスリング67が回転方向に操作されると、第2角度検出部68によりフォーカスリング67の操作量が検出され、第2角度検出部68は操作量に応じた信号を出力する。レンズマイコン40では、操作量信号に基づいてフォーカスモータ80を駆動する駆動信号が生成され、この駆動信号がレンズマイコン40からフォーカスレンズ駆動制御部41に送信される。フォーカスレンズ駆動制御部41は駆動信号に基づいてフォーカスモータ80を駆動する。フォーカスモータ80により第2ホルダー61が設定された角度まで回転する。
しかし、このカメラシステム1では、マニュアル撮影モードの場合、前述のように第2ホルダー61の駆動角度が回転角Fの範囲内に制限されているため、カムピン56aの移動範囲はズーム領域E1内に制限される。これにより、マニュアル撮影モードにおいて、焦点検出用の第1余剰領域E2が使用されるのを防止できる。
<3:カメラシステムの特徴>
カメラシステム1の特徴は以下の通りである。
このカメラシステム1では、オートフォーカス撮影モードとマニュアル撮影モードとで、第2レンズ群L2の可動領域を変化させている。具体的には図9に示すように、オートフォーカス撮影モードの場合は、第2ホルダー61の駆動角度が回転角度K(回転角度Kwや回転角度Ktなど)に制限されるように、フォーカスレンズ駆動制御部41を介してレンズマイコン40によりフォーカスモータ80の動作が制御される。これにより、焦点検出時に貫通カム溝61aの端部とカムピン56aと接触するのを防止できる
また、マニュアル撮影モードの場合は、第2ホルダー61の駆動角度が回転角度F(回転角度Fwや回転角度Ftなど)に制限されるように、フォーカスレンズ駆動制御部41を介してレンズマイコン40によりフォーカスモータ80の動作が制御される。これにより、焦点検出用の第1余剰領域E2が撮影時に使用されるのを防止できる。
(2)
このカメラシステム1では、焦点検出用の第1余剰領域E2に変曲点Dが設けられており、第1余剰領域E2の傾きがズーム領域E1の位置WIよりも大きく設定されている。このため、第1余剰領域E2の長さを短くすることができ、コントラスト検出方式を実現しつつ、レンズ鏡筒45の大型化を防止できる。すなわち、カメラシステム1や交換レンズユニット2の大型化も防止できる。
また、第1余剰領域E2の傾きが大きいため、位置WIに比べて第1余剰領域E2では光学性能が低下する。このため、焦点検出時に合焦位置が第1余剰領域E2内に存在するのを防止でき、オートフォーカス撮影モードにおいても、焦点検出用の第1余剰領域E2が撮影時に使用されるのを防止できる。
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない領域で種々の修正および変更が可能である。
(1)
第1実施形態では、クイックリターンミラー23が採用されている。しかし、コントラスト検出方式によりフォーカシングが可能である場合、クイックリターンミラー23を省略することができる。図13を用いて第2実施形態に係るカメラシステム1Aについて説明する。図13はカメラシステム1Aの構成を示すブロック図である。図1に示す構成と実質的に同一の機能を有する構成については、同一符号を付すとともに、その説明は省略する。
図13に示すカメラ本体3Aは、図1に示すカメラ本体3に比べて、撮像部71からの入射光をファインダ光学系22および焦点検出ユニット5に導くクイックリターンミラー23が省略されており、その替わりに、液晶ファインダなどの電子ファインダ部95が設けられている。この電子ファインダ部95には、表示部20と同様に、画像表示制御部21からの指令に基づいて、画像記録部18あるいはバッファメモリ16に記録された画像信号を可視画像として表示することができる。これにより、クイックリターンミラー23が搭載されていなくても、撮像光学系Lにより形成された被写体の光学像を、ファインダ接眼窓9を通して観察することが可能となる。
(2)
本実施の形態においては、フォーカス調節用のアクチュエータとして超音波モータが採用されているが、ステッピングモータなどの他の方式のアクチュエータであってもよい。
(3)
本実施の形態においては、フォーカスレンズを第2レンズ群L2としたが、それに限らず、第3レンズ群L3、あるいは第4レンズ群L4などの他のレンズ群であってもよい。また、フォーカスレンズとして第2レンズ群L2が一つの場合について説明したが、複数のレンズ群を協調させてフォーカシングを行うような光学系であっても適用可能である。
一方、レンズを撮影用として使用する場合は、反射ミラーが瞬時に位置を変え、撮影用光路から待避することで、ファインダ用光路を撮影用光路に切り換え、撮影が終了すると定位置に瞬時に戻る。この方式は、一眼レフ方式であれば、従来の銀塩カメラでも、デジタルカメラでも同様である。
そこで、例えば、液晶モニタを見ながら撮影できるデジタル一眼レフカメラが提案されている。
また、デジタル一眼レフカメラでは、一般的に焦点検出方式として位相差検出方式が採用されている(例えば、特許文献1を参照)。
そこで、画像信号から求められるコントラスト情報に基づいて焦点検出を行うコントラスト検出方式を、デジタル一眼レフカメラに採用することが提案されている。
しかし、コントラスト検出方式の場合、合焦位置の前後に余分にフォーカスレンズを移動させる必要があるため、従来の構成のままでコントラスト検出方式を用いると、フォーカスレンズの可動領域が足りず、フォーカスレンズの可動領域の端部周辺で合焦位置が正確に把握できない。
また、フォーカスレンズの可動領域を拡大すると、それに伴いフォーカスレンズの駆動制御を変更する必要があるが、それについてはいまだ提案されていない。
これにより、このカメラシステムでは、コントラスト検出方式に対応可能となる。
第2の発明に係るカメラシステムは、第1の発明に係るカメラシステムにおいて、コントラスト情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持枠が駆動される場合、フォーカスレンズは、撮像光学系の広角端から望遠端までに対応するズーム領域と、ズーム領域の外側に設けられ焦点検出時に使用される余剰領域と、を移動可能である。情報入力部に入力された位置情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持枠が駆動される場合、フォーカスレンズは、ズーム領域のみを移動可能である。
第4の発明に係る交換レンズは、撮像光学系と、レンズ鏡筒と、フォーカス駆動部と、情報入力部と、レンズ制御部と、を備えている。撮像光学系は、フォーカスレンズを有しており、被写体の光学像を形成している。レンズ鏡筒は、撮像光学系を支持する機構であって、フォーカスレンズを光軸に沿った方向に移動可能に支持するフォーカスレンズ支持枠を有している。フォーカス駆動部はフォーカスレンズ支持枠を駆動する。情報入力部はフォーカスレンズの位置情報を入力可能である。レンズ制御部はフォーカス駆動部の動作を制御する。情報入力部に入力された位置情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持枠が駆動される場合と、コントラスト情報に基づいてフォーカス駆動部によりフォーカスレンズ支持枠が駆動される場合と、で、レンズ制御部は、フォーカス駆動部を介してフォーカスレンズの可動領域を変化させている。
<1:カメラシステムの全体構成>
図1〜図3(B)を用いて第1実施形態に係るカメラシステム1の全体構成について説明する。図1にカメラシステム1のブロック図を示す。図2にカメラ本体3のブロック図を示す。図3(A)および(B)にカメラ本体3の概略構成図を示す。
図1に示すように、カメラシステム1は、交換レンズ式のデジタル一眼レフカメラシステムであり、主に、カメラシステム1の主要な機能を有するカメラ本体3と、カメラ本体3に取り外し可能に装着された交換レンズユニット2と、から構成されている。交換レンズユニット2は、レンズマウント79を介して、カメラ本体3の前面に設けられたボディーマウント4に装着されている。
図1および図2に示すように、カメラ本体3は主に、被写体を撮像する撮像部71と、撮像部71などの各部の動作を制御する本体制御部としてのボディーマイコン10と、撮影された画像や各種情報を表示する画像表示部72と、画像データを格納する画像格納部73と、被写体像を視認するファインダ光学系22と、から構成されている。
撮像部71は主に、入射光をファインダ光学系22および焦点検出ユニット5に導くクイックリターンミラー23と、光電変換を行うCCD(Charge Coupled Device)などの撮像センサ11と、撮像センサ11の露光状態を調節するシャッターユニット33と、ボディーマイコン10からの制御信号に基づいてシャッターユニット33の駆動を制御するシャッター制御部31と、撮像センサ11の動作を制御する撮像センサ駆動制御部12と、焦点(被写体像の合焦状態)を検出する焦点検出ユニット5と、から構成されている。
コントラスト検出方式の場合、ボディーマイコン10によりコントラスト情報が求められ焦点が検出される。すなわち、ボディーマイコン10がコントラスト情報取得部を含んでいると言える。ボディーマイコン10により取得された合焦位置情報は後述のレンズマイコン40に送信され、フォーカスレンズ(第2レンズ群L2)の駆動に用いられる。コントラスト検出方式の詳細については後述する。
撮像センサ11は、撮像光学系Lにより形成される光学的な像を電気的な信号に変換する、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサである。撮像センサ11は、撮像センサ駆動制御部12により発生されるタイミング信号により駆動制御される。なお、撮像センサ11はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサでもよい。
また、ボディーマイコン10は、図3(B)に示す電源スイッチ25、レリーズボタン30、モード切換ダイアル26、十字操作キー27、MENU設定ボタン28およびSETボタン29、ファインダ切り替えボタン34、動画撮影操作ボタン35の信号を、それぞれ受信可能である。ボディーマイコン10は、本体制御部の一例である。
ボディーマイコン10は、レリーズボタン30等の操作に応じて、撮像センサ11等のカメラシステム全体を制御する。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器に送信する。これと並行して、ボディーマイコン10は、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。ボディーマイコン10は、生成した露光同期信号を、ボディーマウント4およびレンズマウント79を介して、レンズマイコン40に周期的に繰り返して送信する。
電源スイッチ25は、カメラシステム1あるいはカメラ本体3の電源の入切を行うためのスイッチである。電源スイッチ25により電源がON状態になると、カメラ本体3および交換レンズユニット2の各部に電源が供給される。モード切換ダイアル26は、静止画撮影モード、動画撮影モードおよび再生モードを切り換えるためのダイアルであり、ユーザーはモード切換ダイアル26を回転させてモードを切換えることができる。モード切換ダイアル26により静止画撮影モードが選択されると、撮影モードを静止画撮影モードへ切り換えることができ、モード切換ダイアル26により動画撮影モードが選択されると、撮影モードを動画撮影モードへ切り換えることができる。動画撮影モードでは、基本的に動画撮影が可能となる。さらに、モード切換ダイアル26により再生モードが選択されると、モードを再生モードへ切り換えることができ、表示部20に撮影画像を表示させることができる。
図2に示すように、静止画撮影モードでは、レリーズボタン30の操作によるタイミング信号を受信したボディーマイコン10は、ストロボ制御部47に制御信号を出力する。そしてストロボ制御部47は、制御信号に基づいてLEDなどにて構成されるストロボ48を発光させる。ストロボ48は、撮像センサ11が受光する光量に応じて制御される。すなわち、ストロボ制御部47は、撮像センサ11からの画像信号の出力が一定値以下の場合にはシャッター動作と連動して自動的に発光させる。一方、画像信号の出力が一定値以上の場合には、ストロボ制御部47はストロボ48を発光させないように制御する。
また、動画撮影モードでは、レリーズボタン30、あるいは動画撮影操作ボタン35の操作により、LEDなどにて構成されるストロボ48は、ビデオライトとしての機能を果たし、動画撮影中は被写体に向けて、光を照射する。
撮像センサ11から出力された画像信号(静止画、あるいは動画)は、アナログ信号処理部13から、A/D変換部14、デジタル信号処理部15、バッファメモリ16、画像圧縮部17へと、順次送られて処理される。アナログ信号処理部13は、撮像センサ11から出力される画像信号にガンマ処理等のアナログ信号処理を施す。A/D変換部14は、アナログ信号処理部13から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。デジタル信号処理部15は、A/D変換部14によりデジタル信号に変換された画像信号に対してノイズ除去や輪郭強調等のデジタル信号処理を施す。バッファメモリ16は、RAMであり、画像信号を一旦記憶する。
表示部20は、例えば液晶モニタであり、画像表示制御部21からの指令に基づいて、画像記録部18あるいはバッファメモリ16に記録された画像信号を可視画像として表示する。ここで表示部20の表示形態としては、画像信号のみを可視画像として表示する表示形態と、画像信号と撮影時の情報とを可視画像として表示する表示形態とがある。なお、表示部20は、カメラ本体3の筐体3aに対して、自由に角度を変更できる角度可変型のモニタであってもよい。
一方、透過光束は、サブミラー23bで反射されて、焦点検出ユニット5のAF用光束として利用される。通常の撮影時には、クイックリターンミラー制御部36により、クイックリターンミラー23が光軸AZ外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット33が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。また非撮影時には、図1に示すようにクイックリターンミラー23が光軸AZ上に配置されるとともに、シャッターユニット33は閉状態とされる。
(1.2:交換レンズユニット)
図1に示すように、交換レンズユニット2は主に、カメラシステム1内の撮像センサ11に被写体像を結ぶための撮像光学系Lと、フォーカシングを行うフォーカスレンズ駆動制御部41と、絞りを調節する絞り駆動制御部42と、交換レンズユニット2の動作を制御するレンズ制御部としてのレンズマイコン40と、から構成されている。
フォーカスレンズ駆動制御部41は主に、フォーカスを調節する後述の第2レンズ群L2(フォーカスレンズ)を駆動制御する。絞り駆動制御部42は、主に絞りまたは開放を調節する絞り部43を駆動制御する。
また、レンズマイコン40内のメモリ44には、交換レンズユニット2に関する各種情報(レンズ情報)が格納されている。具体的には、交換レンズユニット2の焦点距離の最大値と最小値(焦点距離可変領域)を示す焦点距離情報、あるいは物点距離情報などが記憶されている。このメモリ44に記憶されている各種情報については、撮影時に使用するために、交換レンズユニット2がカメラ本体3に取り付けられた際に、カメラ本体3側に送られる。
交換レンズユニット2は、4つのレンズ群を有する撮像光学系Lが搭載されている。具体的には、撮像光学系Lは、第1レンズ群L1と、第2レンズ群L2と、第3レンズ群L3と、第4レンズ群L4と、を有している。第2レンズ群L2はフォーカス調節を行うためのレンズ群である。
交換レンズユニット2は、撮像光学系Lを支持するレンズ鏡筒45と、レンズ鏡筒45を操作する操作ユニット63と、を有している。
固定枠50は、レンズ鏡筒45の基準となる部材である。具体的には、固定枠50は、3本の貫通直進溝50aと、3本の貫通カム溝50bと、を有している。貫通直進溝50aには、後述する第3レンズ保持枠59のカムピン59aが挿入されている。貫通カム溝50bには、第2回転枠55のカムピン(図示せず)が挿入されている。第2回転枠55が固定枠50に対して回転すると貫通カム溝50bにより第2回転枠55は軸方向に案内される。
第1回転枠53は、第1ホルダー54およびリング部材56をZ軸方向に案内するための部材であり、第1直進枠52の外周側に同軸上に配置されている。第1回転枠53は第1直進枠52により光軸AZ回りに相対回転可能に支持されている。具体的には、第1回転枠53は、3本の第1貫通カム溝53aと、3本の貫通カム溝53bと、3本の突起53cと、U字部53dと、を有している。第1ホルダー54のカムピン54a(図4、図5)は、第1貫通カム溝53aを貫通しており、貫通直進溝52bに挿入されている。貫通カム溝53bにはリング部材56のカムピン56aが挿入されている。突起53cは、カバー51の孔51a(図6)を貫通しており、ズームリング64の直進溝(図示せず)に挿入されている。これにより、ズームリング64、第1回転枠53およびカバー51は、一体回転するとともに、第1回転枠53およびカバー51はズームリング64に対してZ軸方向に移動可能である。U字部53dには、第2回転枠55のカムピン(図示せず)が嵌め込まれている。これにより、第1回転枠53および第2回転枠55は一体回転するとともに一体でZ軸方向に移動する。
第1ホルダー54のZ軸方向正側(被写体側)の端部には、第1レンズ群L1を支持する第1レンズ保持枠57と、フィルターマウント62と、固定リング57aと、が固定されている。
第2回転枠55は、第3レンズ保持枠59および第4レンズ保持枠60をZ軸方向に案内するための部材であり、固定枠50の内周側に同軸上に配置されている。第2回転枠55は、3本の貫通回転溝55aと、3本の貫通カム溝55bと、半径方向外側へ延びる3本のカムピン55cと、を有している。第3レンズ保持枠59のカムピン59aが貫通回転溝55aを貫通している。貫通カム溝55bには第4レンズ保持枠60のカムピン60aが挿入されている。カムピン55cは、固定枠50の貫通カム溝50bを貫通しており、第1回転枠53のU字部53dに嵌め込まれている。このため、第1回転枠53と第2回転枠55とは一体回転するとともに一体でZ軸方向へ移動する。第1回転枠53および第2回転枠55のZ軸方向への移動量は貫通カム溝50bにより決定される。
第4レンズ保持枠60は、第4レンズ群L4を支持するための部材であり、第2回転枠55の内周側に同軸上に配置されている。第4レンズ保持枠60は第3レンズ保持枠59により回転規制される。具体的には、第3レンズ保持枠59は、Z軸方向負側に延びる3本の突起(図示せず)を有している。第4レンズ保持枠60は半径方向に窪みZ軸方向に延びる3本の溝(図示せず)を有している。これらの溝に第3レンズ保持枠59の突起が挿入されている。これにより、第4レンズ保持枠60は第3レンズ保持枠59とともに一体回転することなく、第3レンズ保持枠59に対してZ軸方向に移動可能である。
ズームリングユニット81は、ユーザーが焦点距離を操作するためのズームリング64と、ズームリング64を支持するリングベース69と、を有している。ズームリング64は、カバー51の外周側に同軸上に配置されており、固定枠50に固定されたリングベース69によりZ軸方向の移動が規制された状態で光軸AZ回りに回転可能なように保持されている。ズームリング64の内周部には、Z軸方向に延びる3本の直進溝(図示せず)が形成されている。この直進溝には第1回転枠53の突起53cが挿入されているため、第1回転枠53はズームリング64と一体で回転するがZ軸方向に相対移動可能である。固定枠50に対するズームリング64の回転角度(望遠端から広角端)は、例えば90度である。本実施形態では、R1方向が望遠側、R2方向が広角側に対応している(図12)。
フォーカスリングユニット82は、ユーザーがフォーカス調節を操作するフォーカスリング67と、リングガイド96と、指標リング97と、第2ホルダー駆動リング98と、フォーカス固定枠99と、押さえプレート100と、を有している。
フォーカスモータ80は、モータ本体85と、モータ本体85により回転駆動される第1駆動ギヤ86と、第1駆動ギヤ86と噛み合う第2駆動ギヤ(図示せず)と、を有している。静音性を考慮して、フォーカスモータ80として、例えば超音波モータが採用されている。フォーカスモータ80の動作は、フォーカスレンズ駆動制御部41により制御されている。モータ本体85により第1駆動ギヤ86が回転駆動されると、第2駆動ギヤは第1駆動ギヤ86と逆方向に回転する。
例えば、第2ホルダー駆動リング98がフォーカスモータ80によりR1方向へ回転駆動されると、指標リング97は逆方向であるR2方向へ回転駆動される。ユーザーの操作によりフォーカスリング67がR1方向へ回転すると、指標リング97の指標プレート97bもR1方向へ回転させる必要がある。このため、指標リング97の回転方向はフォーカスリング67の回転方向と同じであるが、第2ホルダー駆動リング98の回転方向はフォーカスリング67の回転方向と反対となる。
指標リング97の外周部には焦点距離が印字された指標プレート97bが設けられており、フォーカスモータ80の駆動に伴って指標プレート97bも回転する。フォーカス固定枠99の透明窓(図示せず)から指標プレート97bの焦点距離の印字位置を確認することで、ユーザーは大まかな焦点距離を確認できる。
第2ホルダー駆動リング98は、Z軸方向正側に延びる駆動プレート98bを有している。第2ホルダー駆動リング98は、第2ホルダー61のプレート部61bの溝61cに嵌め込まれている。このため、第2ホルダー61は、第2ホルダー駆動リング98と一体回転するとともに、第2ホルダー駆動リング98に対してZ軸方向に移動可能となっている。
絞りリングユニット83は、固定枠50に固定されたマウントベース70と、ユーザーが絞りを調節するための絞りリング101と、を有している。絞りリング101は、マウントベース70の外周側に同軸上に配置されており、マウントベース70により回転可能に支持されている。マウントベース70には、レンズ基板102と、後方枠103と、が固定されている。
(1.3:フォーカス調節について)
以上に説明した交換レンズユニット2は、コントラスト検出方式に対応している。コントラスト検出方式では、焦点を検出するために第2レンズ群L2を光軸AZに沿った方向へ移動させて、画像信号からコントラスト情報が取得される。このコントラスト情報は、第2レンズ群L2の各位置における評価値の集まりであり、評価値が最大である第2レンズ群L2の位置が合焦位置となる。
そこで、この交換レンズユニット2では、第2ホルダー61の貫通カム溝61aが図9に示すような形状に設定されている。図9では、左右方向が回転方向を示しており、上下方向が光軸AZに沿った方向を示している。上方向がZ軸方向正側に対応している。
図9に示すように、貫通カム溝61aは、R1方向の端部からR2方向の端部にかけて湾曲しており、カムピン56aが移動可能な可動領域Eを有している。可動領域Eは、ズーム領域E1と、ズーム領域E1からR2方向に延びる第1余剰領域E2と、ズーム領域E1からR1方向に延びる第2余剰領域E3と、を有している。ここで、各領域E1〜E3は、カムピン56aの中心を基準に決定されている。
ズーム領域E1のR2方向の端(位置WI)は、撮像光学系Lの広角端であって撮影距離が無限遠で合焦する状態に対応している。位置WIから位置WCまでの領域は、撮像光学系Lの広角端における焦点調節が可能な範囲である。位置WIから位置WCまでの回転角Fwの範囲内では、フォーカスモータ80により第2ホルダー61が回転駆動される。これにより、広角端周辺でのフォーカス調節が可能となる。
なお、所定の光学性能を満たすように設計されている領域は、基本的にズーム領域E1である。このため、カムピン56aが第1余剰領域E2内にある状態では、撮像光学系Lが所定の光学性能を満たさない可能性があり、撮影された画像に影響を及ぼすおそれがある。光学性能を考慮すると、第1余剰領域E2は、撮影時(画像取得時)に使用するのが好ましくない領域であると言える。
(1.4:第2ホルダー61の駆動領域の制限)
フォーカスモータ80が第2ホルダー61を回転駆動し得る角度としては、焦点検出時の駆動量を考慮して、例えば図9に示す回転角度Kwや回転角度Ktが確保されている。
この駆動領域の制限を行うために、リング部材56に対する第2ホルダー61の回転方向の位置情報が必要となる。すなわち、図9に示すように撮像光学系Lの焦点距離に応じて回転角FwおよびFtに対応する回転角が異なってくるため、カムピン56aと貫通カム溝61aとの位置関係を把握する必要がある。
カムピン56aと貫通カム溝61aとの位置関係は、第1角度検出部65により検出されたズームリング64の第1回転角度情報および第3角度検出部89により検出された第2ホルダー駆動リング98の第3回転角度情報(すなわち、第2ホルダー61の回転角度情報)に基づいて求めることができる。
例えば、レンズマイコン40のメモリ44に、第1回転角度情報、第3回転角度情報、リング部材56および第2ホルダー61の相対回転角度、および、第1および第3回転角度情報に対応する第2ホルダー61の駆動角度(図9の回転角FwおよびFtなどに対応する回転角)などを、テーブルとして予め格納しておく。第2ホルダー61の駆動角度は、貫通カム溝61aの形状が決定されていれば、リング部材56および第2ホルダー61の相対回転角度(すなわち、第1および第3回転角度情報)から予め求めておくことができる。このテーブルを利用して、第1角度検出部65で検出された第1回転角度情報と第2角度検出部68で検出された第3回転角度情報とから、第2ホルダー61の駆動角度を求めることができる。この駆動角度の情報に基づいて、フォーカスレンズ駆動制御部41を介してレンズマイコン40により第2ホルダー61の駆動角度(フォーカスモータ80の駆動量)が最短撮影距離から無限遠の間で制限される。
そこで、このカメラシステム1では、オートフォーカス撮影モードの場合に、第2ホルダー61の駆動角度をマニュアル撮影モードよりも大きくして、第2ホルダー61の駆動角度(第2レンズ群L2の可動領域)を変えている。
具体的には、メモリ44に格納される上記のテーブルは、焦点検出時における第2ホルダー61の必要駆動角度をさらに有している。この必要駆動角度は、焦点検出時における第2レンズ群L2の検出駆動距離H(図9)および貫通カム溝61aの形状から予め求められる。例えば、位置WI周辺では、貫通カム溝61aの傾きが小さいため、検出駆動距離Hに対応する回転角度Mwiは、位置WCでの回転角度Mwc、位置TIでの回転角度Mtiおよび位置TCでの回転角度Mtcよりも大きくなる。このように、カムピン56aと貫通カム溝61aとの位置関係(すなわち、第1および第3回転角度情報)から第2ホルダー61の必要駆動角度を求めることができる。
以上に説明したように、このカメラシステム1では、コントラスト検出方式に対応させるために、マニュアル撮影モードとオートフォーカス撮影モードとで、第2ホルダー61の駆動角度の制限範囲を変えている。
マニュアル撮影モードにおいては、回転角Fの範囲内に第2ホルダー61の駆動角度が制限されているため、各部の寸法誤差により多少の位置のずれは生じるが、基本的にカムピン56aは貫通カム溝61aのズーム領域E1内のみを移動する。このため、光学性能が保証されていない第1余剰領域E2で撮影が行われるのを防止できる。
<2:カメラシステムの動作>
以下、上述のように構成されたカメラシステム1の撮影動作を説明する。
図10および図11は、カメラシステム1での撮像時の概念図であり、図10はファインダ撮影モードを説明する図、図11はモニタ撮影モードを説明する図である。
(2.1:撮像前の状態)
図10および図11に示すように、被写体(図示せず)からの光は、交換レンズユニット2を透過し、半透過ミラーであるメインミラー23aに入射する。メインミラー23aに入射した光の一部は反射してファインダスクリーン6に入射し、残りの光は透過してサブミラー23bに入射する。ファインダスクリーン6に入射した光は被写体像として結像する。この被写体像は、ペンタプリズム7によって正立像に変換され接眼レンズ8に入射する。これにより、ユーザーは、ファインダ接眼窓9を介して被写体の正立像を観察できる。また、サブミラー23bに入射した光は反射され、焦点検出ユニット5に入射する。
このカメラシステム1は、2つの撮影モード、すなわちファインダ撮影モードおよびモニタ撮影モードを有する。ファインダ撮影モードは、ユーザーがファインダ接眼窓9を観察しながら撮影するモードであり、従来の一眼レフカメラにおける通常の撮影モードである。モニタ撮影モードは、液晶モニタなどの表示部20をユーザーが観察しながら撮影するモードである。
ファインダ撮影モードにおいては、図10に示すように、クイックリターンミラー23は、光軸AZ内の所定位置に配置されており、被写体光は、ファインダ光学系22に導かれるので、ユーザーは、ファインダ接眼窓9から被写体像を観察することができる。実際の撮影時には、クイックリターンミラー23が光軸AZ外に跳ね上げられるとともに、シャッターユニット33が開かれて撮像センサ11の撮像面上に被写体像が結像される。
(2.3:ファインダ撮影モードの動作)
カメラシステム1の撮影動作について説明する。図1〜図4を用いて、ユーザーがファインダ接眼窓9を覗いて撮影するファインダ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
ファインダ撮影モードにおいて撮影する場合、ユーザーは、筐体3aの背面に設けられたファインダ切り替えボタン34を操作して、撮影モードとしてファインダ撮影モードを選択する。
露光完了後、撮像センサ駆動制御部12により撮像センサ11から読み出された画像データは、所定の画像処理を実行された後、表示部20に撮影画像として表示される。また、撮像センサ11から読み出され、所定の画像処理を実行された画像データは、画像記録部18を介して、記憶媒体に画像データとして書き込まれる。また、露光終了後、クイックリターンミラー23とシャッターユニット33とは、初期位置にリセットされる。ボディーマイコン10は、レンズマイコン40へ、絞りを開放位置にリセットするよう指示し、レンズマイコン40は、各ユニットに対してリセット命令を行う。リセット完了後、レンズマイコン40は、ボディーマイコン10にリセット完了を伝える。ボディーマイコン10は、レンズマイコン40からのリセット完了情報と露光後の一連処理の完了を待ち、その後、レリーズボタン30の状態が、押し込みされていない状態であることを確認し、撮影シーケンスを終了させる。
次に、図1〜図3(B)および図5を用いて、ユーザーが表示部20を用いて撮影するモニタ撮影モードにおける駆動シーケンスについて説明する。
表示部20を用いて撮影する場合、ユーザーは、ファインダ切り替えボタン34を操作して、モニタ撮影モードを選択する。モニタ撮影モードに設定されると、ボディーマイコン10は、クイックリターンミラー23を光軸AZ内から退避させる。これにより、被写体からの光が撮像センサ11に達する。撮像センサ11は、撮像センサ11上に結像される被写体からの光を画像データに変換し、画像データとして取得し、出力することができる。撮像センサ駆動制御部12により撮像センサ11から読み出された画像データは、所定の画像処理を実行された後、表示部20に撮影画像として表示される。このように、撮影画像を表示部20に表示させることにより、ユーザーは、ファインダ接眼窓9を覗くことなく、被写体を追いかけることが可能となる。
このモニタ撮影モードにおいては、その合焦方法として、焦点検出ユニット5を用いた位相差検出方式に替わり、撮像センサ11で生成された画像データに基づいて、コントラスト検出方式のオートフォーカスが用いられる。表示部20を用いたモニタ撮影モードにおけるオートフォーカス動作の方式としては、コントラスト検出方式を用いることにより、カメラシステムとして、精度の良いフォーカス動作を実現することができる。このモニタ撮影モードでは、定常的に、撮像センサ11で画像データを生成しているので、従来の位相差検出方式に比べ、その画像データを用いたコントラスト検出方式のオートフォーカス動作をするのが容易である。
コントラスト検出方式のオートフォーカス動作を行う際には、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、コントラストAF用データを要求する。コントラストAF用データは、コントラスト検出方式のオートフォーカス動作の際に必要なデータであり、例えば、フォーカス駆動速度、フォーカスシフト量、像倍率、コントラストAF可否情報などが含まれる。
ボディーマイコン10は、垂直同期信号を定期的に生成する。また、ボディーマイコン10は、これと並行して、垂直同期信号に基づいて、露光同期信号を生成する。これは、ボディーマイコン10が垂直同期信号を基準にして、露光開始タイミングと露光終了タイミングとを予め把握しているために、露光同期信号を生成できるのである。ボディーマイコン10は、垂直同期信号をタイミング発生器(図示せず)に出力し、露光同期信号をレンズマイコン40に出力する。レンズマイコン40は、露光同期信号に同期して、第2レンズ群L2の位置情報を取得する。
静止画撮影モードの場合には、ユーザーのレリーズボタン30の半押し動作により、カメラシステム1のボディーマイコン10は、交換レンズユニット2内のレンズマイコン40より、レンズマウント79およびボディーマウント4を介して、各種レンズデータを受け取り、内蔵するメモリ38に保存する。また、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、オートフォーカス開始コマンドを発信する。レリーズボタン30が半押しされた場合、オートフォーカス開始コマンドは、コントラスト検出方式のオートフォーカス動作を開始する旨を示すコマンドである。このコマンドに基づいて、レンズマイコン40は、フォーカスレンズ駆動制御部41を介して第2レンズ群L2が光軸AZに沿った方向に移動するようにフォーカスモータ80の動作を制御する。
この山登り方式では、前述のように、焦点検出の際に第2レンズ群L2を合焦位置の前後まで移動させる必要がある。このため、図9に示すように、位置WIの場合、回転角度Mwiの範囲内で貫通カム溝61aとカムピン56aとが相対移動する。言い換えると、前述のように、第2ホルダー61の回転角度は回転角度Mwiの範囲内にレンズマイコン40により制限されている。この結果、焦点検出時においてカムピン56aは第1余剰領域E2内を移動するが、第1余剰領域E2の端で貫通カム溝61aとカムピン56aとが接触し第2ホルダー61の回転が阻害されるのを防止できる。
なお、位置TCの場合も同様であるが、位置TCの場合は貫通カム溝61aの傾斜角が大きいため、回転角度Mtcが位置WIに比べて狭く、このため第2余剰領域E3を第1余剰領域E2ほど大きく確保する必要はない。
また、第1余剰領域E2では、ズーム領域E1に比べて光学性能が低い傾向にある。このため、合焦位置が第1余剰領域E2の範囲内に存在する可能性は極めて低く、このため、第2ホルダー61の回転角度は角度Mwiの範囲内でしか制限されていないが、第1余剰領域E2が画像取得時に使用されるおそれはない。
焦点検出が完了した後、ユーザーによりレリーズボタン30が全押しされると、ボディーマイコン10は、レンズマイコン40に対して、絞り値を不図示の測光センサからの出力に基づいて計算された絞り値にするよう指示する。そして、レンズマイコン40は、絞り駆動制御部42をコントロールし、指示された絞り値まで、絞りを絞り込む。撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11の駆動を指示し、シャッターユニット33の動作を指示する。なお、撮像センサ駆動制御部12は、撮像センサ11の出力より算出された所定のシャッタースピードの時間だけ、撮像センサ11を露光する。
同様に、動画撮影モードの場合には、ユーザーのレリーズボタン30の全押し動作により、動画記録を行うことが可能となる。また、いかなるモードであろうとも、動画撮影操作ボタン35を押すことにより、動画記録を行うことが可能となる。さらには、交換レンズユニット2が動作撮影に対応している場合には、交換レンズユニット2をカメラ本体3に取り付けた際に、自動的に動画撮影モードへ移行するようにしてもよい。
(2.5:ズーム操作)
次に、ユーザーがズーム操作およびフォーカス操作を行う際の交換レンズユニット2の動作を説明する。
図4〜図7に示すように、ユーザーによりズームリング64が回転操作されると、ズームリング64に連結された第1回転枠53にその回転運動が伝達される。第1回転枠53が光軸AZ回りに回転すると、第1回転枠53のU字部53dに嵌め込まれたカムピン55cが固定枠50の貫通カム溝50bに案内され、第2回転枠55とともに第1回転枠53は固定枠50に対して光軸AZ回りに回転しながらZ軸方向に移動する。孔52dに嵌め込まれた第3レンズ保持枠59のカムピン59aが貫通回転溝55aと貫通直進溝50aとを貫通しているため、第1直進枠52は、固定枠50に対して回転することなく(第1回転枠53に対して回転しながら)第1回転枠53、第2回転枠55および第3レンズ保持枠59と一体でZ軸方向に直進移動する。固定枠50に対する第1直進枠52、第1回転枠53、第2回転枠55および第3レンズ保持枠59のZ軸方向への移動量は、貫通カム溝50bの形状により決定される。
また、固定枠50に対して第1回転枠53が光軸AZ回りに回転すると、リング部材56のカムピン56aが貫通カム溝52aおよび貫通カム溝53bに案内され、固定枠50に対してリング部材56が回転しながらZ軸方向へ移動する。リング部材56の回転角度およびZ軸方向への移動量は貫通カム溝53bおよび貫通カム溝52aの形状により決定される。具体的には、固定枠50に対するズームリング64の回転角度が望遠端から広角端までで90度である場合、固定枠50に対するリング部材56の回転角度は2/3の60度である。
以上のように、ズームリング64を望遠側(R1方向)に回転させることにより、交換レンズユニット2の状態(より詳細には、レンズ鏡筒45の状態)は、図4に示す広角端の状態から図5に示す望遠端の状態へと移行し、各レンズ群L1〜L4が光軸AZに沿った方向に移動する。これにより、撮像光学系Lの焦点距離がズームリング64により設定された焦点距離に変化し、所望のズーム位置にて撮影することが可能となる。
(2.6:マニュアル撮影モード)
しかし、各部の寸法誤差などにより、合焦状態を完全に維持するのは困難であり、焦点距離の変更に伴い、実際には合焦位置も若干変化する場合がある。ユーザーが意図的に焦点をずらして撮影する場合もある。
このマニュアル撮影モードの場合、ユーザーによりフォーカスリング67が回転操作されると、フォーカスリング67により設定された撮影距離に基づいて第2ホルダー61がフォーカスモータ80により回転駆動される。具体的には、ユーザーによりフォーカスリング67が回転方向に操作されると、第2角度検出部68によりフォーカスリング67の操作量が検出され、第2角度検出部68は操作量に応じた信号を出力する。レンズマイコン40では、操作量信号に基づいてフォーカスモータ80を駆動する駆動信号が生成され、この駆動信号がレンズマイコン40からフォーカスレンズ駆動制御部41に送信される。フォーカスレンズ駆動制御部41は駆動信号に基づいてフォーカスモータ80を駆動する。フォーカスモータ80により第2ホルダー61が設定された角度まで回転する。
しかし、このカメラシステム1では、マニュアル撮影モードの場合、前述のように第2ホルダー61の駆動角度が回転角Fの範囲内に制限されているため、カムピン56aの移動範囲はズーム領域E1内に制限される。これにより、マニュアル撮影モードにおいて、焦点検出用の第1余剰領域E2が使用されるのを防止できる。
<3:カメラシステムの特徴>
カメラシステム1の特徴は以下の通りである。
このカメラシステム1では、オートフォーカス撮影モードとマニュアル撮影モードとで、第2レンズ群L2の可動領域を変化させている。具体的には図9に示すように、オートフォーカス撮影モードの場合は、第2ホルダー61の駆動角度が回転角度K(回転角度Kwや回転角度Ktなど)に制限されるように、フォーカスレンズ駆動制御部41を介してレンズマイコン40によりフォーカスモータ80の動作が制御される。これにより、焦点検出時に貫通カム溝61aの端部とカムピン56aと接触するのを防止できる
また、マニュアル撮影モードの場合は、第2ホルダー61の駆動角度が回転角度F(回転角度Fwや回転角度Ftなど)に制限されるように、フォーカスレンズ駆動制御部41を介してレンズマイコン40によりフォーカスモータ80の動作が制御される。これにより、焦点検出用の第1余剰領域E2が撮影時に使用されるのを防止できる。
(2)
このカメラシステム1では、焦点検出用の第1余剰領域E2に変曲点Dが設けられており、第1余剰領域E2の傾きがズーム領域E1の位置WIよりも大きく設定されている。このため、第1余剰領域E2の長さを短くすることができ、コントラスト検出方式を実現しつつ、レンズ鏡筒45の大型化を防止できる。すなわち、カメラシステム1や交換レンズユニット2の大型化も防止できる。
また、第1余剰領域E2の傾きが大きいため、位置WIに比べて第1余剰領域E2では光学性能が低下する。このため、焦点検出時に合焦位置が第1余剰領域E2内に存在するのを防止でき、オートフォーカス撮影モードにおいても、焦点検出用の第1余剰領域E2が撮影時に使用されるのを防止できる。
本発明の実施形態は、前述の実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない領域で種々の修正および変更が可能である。
(1)
第1実施形態では、クイックリターンミラー23が採用されている。しかし、コントラスト検出方式によりフォーカシングが可能である場合、クイックリターンミラー23を省略することができる。図13を用いて第2実施形態に係るカメラシステム1Aについて説明する。図13はカメラシステム1Aの構成を示すブロック図である。図1に示す構成と実質的に同一の機能を有する構成については、同一符号を付すとともに、その説明は省略する。
図13に示すカメラ本体3Aは、図1に示すカメラ本体3に比べて、撮像部71からの入射光をファインダ光学系22および焦点検出ユニット5に導くクイックリターンミラー23が省略されており、その替わりに、液晶ファインダなどの電子ファインダ部95が設けられている。この電子ファインダ部95には、表示部20と同様に、画像表示制御部21からの指令に基づいて、画像記録部18あるいはバッファメモリ16に記録された画像信号を可視画像として表示することができる。これにより、クイックリターンミラー23が搭載されていなくても、撮像光学系Lにより形成された被写体の光学像を、ファインダ接眼窓9を通して観察することが可能となる。
(2)
本実施の形態においては、フォーカス調節用のアクチュエータとして超音波モータが採用されているが、ステッピングモータなどの他の方式のアクチュエータであってもよい。
(3)
本実施の形態においては、フォーカスレンズを第2レンズ群L2としたが、それに限らず、第3レンズ群L3、あるいは第4レンズ群L4などの他のレンズ群であってもよい。また、フォーカスレンズとして第2レンズ群L2が一つの場合について説明したが、複数のレンズ群を協調させてフォーカシングを行うような光学系であっても適用可能である。
2 交換レンズユニット
3 カメラ本体
3a 筐体
4 ボディーマウント
10 ボディーマイコン(本体制御部)
11 撮像センサ(撮像部)
12 撮像センサ駆動制御部
20 表示部
21 画像表示制御部
23 クイックリターンミラー
25 電源スイッチ
26 モード切換ダイアル
27 十字操作キー
28 MENU設定ボタン
29 SETボタン
30 シャッター操作部
31 シャッター制御部
33 シャッターユニット
34 ファインダ切り換えボタン
35 動画撮影操作ボタン
40 レンズマイコン(レンズ制御部)
41 フォーカスレンズ駆動制御部
58 第2レンズ保持枠(フォーカスレンズ支持枠)
61 第2ホルダー(フォーカスレンズ支持枠)
61a 貫通カム溝(カム溝)
79 レンズマウント
95 電子ファインダ部
L 撮像光学系
L1 1群レンズ
L2 2群レンズ
L3 3群レンズ
L4 4群レンズ
E1 ズーム領域
E2 第1余剰領域(余剰領域)
E3 第2余剰領域
Claims (4)
- フォーカスレンズを有し被写体の光学像を形成する撮像光学系と、前記撮像光学系を支持する機構であって前記フォーカスレンズを光軸に沿った方向に移動可能に支持するフォーカスレンズ支持枠を有するレンズ鏡筒と、前記フォーカスレンズ支持枠を駆動するフォーカス駆動部と、前記フォーカスレンズの位置情報を入力可能な情報入力部と、前記フォーカス駆動部の動作を制御するレンズ制御部と、を有する交換レンズと、
前記光学像を画像信号に変換する撮像部と、前記画像信号に基づいて焦点検出用のコントラスト情報を取得するコントラスト情報取得部と、前記レンズ制御部と情報の送受信が可能であり前記撮像部およびコントラスト情報取得部の動作を制御する本体制御部と、を有するカメラ本体と、を備え、
前記情報入力部に入力された前記位置情報に基づいて前記フォーカス駆動部により前記フォーカスレンズ支持枠が駆動される場合と、前記コントラスト情報に基づいて前記フォーカス駆動部により前記フォーカスレンズ支持部が駆動される場合と、で、前記レンズ制御部は、前記フォーカス駆動部を介して前記フォーカスレンズの可動領域を変化させている、
カメラシステム。 - 前記コントラスト情報に基づいて前記フォーカス駆動部により前記フォーカスレンズ支持部が駆動される場合、前記前記フォーカスレンズは、前記撮像光学系の広角端から望遠端までに対応するズーム領域と、前記ズーム領域の外側に設けられ焦点検出時に使用される余剰領域と、を移動可能であり、
前記情報入力部に入力された前記位置情報に基づいて前記フォーカス駆動部により前記フォーカスレンズ支持枠が駆動される場合、前記フォーカスレンズは、前記ズーム領域のみを移動可能である、
請求項1に記載のカメラシステム。 - 前記フォーカスレンズ支持枠は、カム溝を有しており、
前記カム溝は、前記ズーム領域に対応する撮影溝部と、前記余剰領域に対応し変曲点を有する第1余剰溝部と、を有している、
請求項2に記載のカメラシステム。 - フォーカスレンズを有し、被写体の光学像を形成する撮像光学系と、
前記撮像光学系を支持する機構であって、前記フォーカスレンズを光軸に沿った方向に移動可能に支持するフォーカスレンズ支持枠を有するレンズ鏡筒と、
前記フォーカスレンズ支持枠を駆動するフォーカス駆動部と、
前記フォーカスレンズの位置情報を入力可能な情報入力部と、
前記フォーカス駆動部の動作を制御するレンズ制御部と、を備え、
前記情報入力部に入力された前記位置情報に基づいて前記フォーカス駆動部により前記フォーカスレンズ支持枠が駆動される場合と、前記コントラスト情報に基づいて前記フォーカス駆動部により前記フォーカスレンズ支持部が駆動される場合と、で、前記レンズ制御部は、前記フォーカス駆動部を介して前記フォーカスレンズの可動領域を変化させている、
交換レンズ。
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