JPWO2009020208A1 - 動径多極子型配置レンズ及びそれを用いた荷電粒子光学系装置 - Google Patents

動径多極子型配置レンズ及びそれを用いた荷電粒子光学系装置 Download PDF

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Abstract

凹レンズ及び凸レンズ機能を有する動径多極子型配置レンズ及びそれを用いた荷電粒子光学系装置を提供する。動径多極子型配置レンズであって、回転対称構造の周辺に複数のリング状に配置され、中心に指向性のあるポテンシャルを形成する動径多極子を備え、この動径多極子(11),(12),(13),(14),…(n)に印加される電圧を中心部から順にプラスの極性、マイナスの極性となるように配置し、最外周の動径多極子(n)にマイナスの極性の電圧を印加することにより、負の荷電粒子にとっての凹レンズ、正の荷電粒子にとっての凸レンズを構成する。このとき、加える電圧の極性を反転させると上記凹レンズは凸レンズに、上記凸レンズは凹レンズに入れ替わる。

Description

本発明は、動径多極子型配置レンズ及びそれを用いた荷電粒子光学系装置に関するものである。
従来、電子光学系では凹レンズが存在しないとされているため、収差を補正することは困難と考えられていた。近年になり、光軸に対して回転方向に配置された多極子が発生する、回転方向に完全に対称でない電磁場を用いて収差を補正する技術が実現されつつある(下記非特許文献1参照)。回転方向に完全に対称でない電磁場では、回転方向に不均一な電磁場に起因した三次元的な荷電粒子線の軌道を考案する必要があり、軌道設計が複雑化する要因となっていた。完全回転対称の電磁場を用いた加速・集束系でも、近軸近似が有効な光軸近傍を利用すれば収差を低減することはできるが、結果として装置の大型化を招く。Abbeの回折限界を目指すには、電子波の短波長化即ち高圧化が必要であるが、装置の大型化が必然的になり、装置の安定性や防振、防音設備のコスト増大を招く原因となっていた。
一方、半導体の微細化に伴う露光光源の短波長化が試みられているが、極限的な短波長光として電子波(電子線)を用いた2次元一括露光方式が以前から研究されている。代表的な手法として、以下のようなIBM(Scalpel方式)やAT&T(Privail方式)がある。
Scalpel方式:パターン化された散乱部を備えるメンブレンのレチクルに電子線を照射し、出射電子線を利用する方式である。この方式は、電子がメンブレンを通過する必要があるため、その部分で著しく解像度が低下してしまう。
Privail方式:空孔をもつSi基板に電子線を照射し、空孔を通過した電子線を利用する方式である。この方式は、複雑なパターンを形成するときにパターンによる位置合わせが必要となり、この位置合わせが原因で解像度が著しく低下する(100nmが限界)。
これらの手法ではマスク及び組み合わせマスクの位置合わせによる解像度の低下が支配的であったが、たとえそれが改善されたとしても、LSIの情報を持った大面積の電子線をザイデル収差無しで集束させるには、必然的に、近軸近似が有効な巨大なレンズ系を作るか、収差補正のための凹レンズが必要となる。現状では、完全回転対称系のレンズ径に対してその1/10以下程度しか利用できないため、ウエハ露光のための大面積電子線用だとすれば、少なくとも数m以上のレンズ系が必要となってしまう。
これらの背景から、収差低減のための、完全回転対称ポテンシャルを発生させる凹レンズ装置が現在強く求められていることが分かる。
「電子・イオンビームハンドブック」,平成10年10月28日,第3版1刷,日刊工業新聞社,pp.275−310
本発明は、荷電粒子線に対し発散特性を有する動径多極子型配置レンズを提供し、上述した収差を低減した高分解能の2次電子像を得ることを可能とする電子顕微鏡、若しくは、LSIパターンを有する大面積荷電粒子線を均一にレジスト表面に集束させることが可能な二次元荷電粒子線露光装置の実現を可能とさせるものである。
本発明は、上記状況に鑑みて、凹レンズ及び凸レンズ機能を有する動径多極子型配置レンズ及びそれを用いた荷電粒子光学系装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕動径多極子型配置レンズであって、荷電粒子光学系の光軸周辺に、複数のリング状に配置され、中心に指向性のあるポテンシャルを形成する動径多極子を備えることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の動径多極子型配置レンズにおいて、前記動径多極子に印加される電圧を中心部から順にプラスの極性、マイナスの極性となるように配置し、最外周の動径多極子にマイナスの極性の電圧を印加することにより、負の荷電粒子にとっての凹レンズ、正の荷電粒子にとっての凸レンズを構成することを特徴とする。
〔3〕動径多極子型配置レンズにおいて、上記〔2〕記載の動径多極子型配置レンズの動径多極子に印加される電圧の極性を反転させることにより、負の荷電粒子にとっての凸レンズ、正の荷電粒子によっての凹レンズを構成することを特徴とする。
〔4〕荷電粒子光学系装置において、上記〔1〕記載の動径多極子型配置レンズと、静電レンズ又は磁場レンズを組み合わせて用いて、荷電粒子線の発散特性又は集束特性、さらに加速、減速、偏向特性を有するようにしたことを特徴とする。
〔5〕荷電粒子光学系装置において、上記〔1〕記載の動径多極子型配置レンズと静電レンズ又は磁場レンズを組み合わせた荷電粒子光学系装置に荷電粒子線を照射し、半導体基板への荷電粒子線露光装置を構成することを特徴とする。
〔6〕荷電粒子光学系装置において、上記〔1〕記載の動径多極子型配置レンズと静電レンズ又は磁場レンズを組み合わせた荷電粒子光学系装置に荷電粒子線を照射し、顕微鏡像を取得することを特徴とする。
〔7〕上記〔5〕記載の荷電粒子光学系装置において、前記荷電粒子線の出射素子としてマイクロチャネルプレートを用いることを特徴とする。
〔8〕上記〔7〕記載の荷電粒子光学系装置において、大気中で酸化の影響を低減したAl、Ag、Ca、Mg、Liまたはそれらの合金を前記マイクロチャネルプレートの光電膜として配備し、この光電膜での光電変換により前記マイクロチャネルプレートに入射された前記荷電粒子線が増幅されて、前記マイクロチャネルプレートの出射端からLSIのパターンを有する大面積荷電粒子線アレイを出射することを特徴とする。
本発明の動径多極子型配置レンズ(電子線の場合の凹レンズ)の構成を示す図である。 本発明の動径多極子型配置レンズ(電子線の場合の凸レンズ)の構成を示す図である。 本発明の解析用動径多極子型配置レンズ構造モデルを示す模式図である。 図3に示す解析用動径多極子型配置レンズを用いて行ったポテンシャル解析結果を示す図である。 従来の同軸円筒型の二重開口レンズを用いて行ったポテンシャル解析結果を示す図である。 図3に示した解析用動径多極子型配置レンズ構造モデルに基づいた電子軌道を示す図である。 図3に示した解析用動径多極子型配置レンズ構造モデルの電極の電圧の極性を反転させた場合の電子軌道を示す図である。 従来の同軸円筒型静電レンズと本発明の動径多極子型配置レンズの構成を示す図である。 図8の条件(a)(動径多極子型配置レンズなし)及び条件(b)(動径多極子型配置レンズあり)で式(2)を基に計算した結果を示す図である。 本発明の動径多極子型配置レンズを用いた荷電粒子光学系装置である荷電粒子線露光装置を示す模式図である。
本発明の動径多極子型配置レンズは、荷電粒子光学系の光軸周辺に、複数の異なる半径のリングが動径方向に配置され、中心に指向性のあるポテンシャルを形成する動径多極子を備え、この動径多極子に印加される電圧を中心部から順にプラスの極性、マイナスの極性となるように配置し、最外周の動径多極子にマイナスの極性の電圧を印加することにより、負の荷電粒子にとっての凹レンズ、正の荷電粒子にとっての凸レンズを構成し、前記動径多極子に印加される電圧の極性を反転させることにより、負の荷電粒子にとっての凸レンズ、正の荷電粒子にとっての凹レンズを構成する。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は本発明の動径多極子型配置レンズ(電子線の場合の凹レンズ)の構成を示す図である。
この図において、11,12,13,14,…nは動径多極子である。これらの動径多極子11,13にはそれぞれ正電圧が、動径多極子12,14,nには、それぞれ負電圧が印加されるように電圧源21を具備する。各電極間にはそれを保持するための絶縁層20を挟み、絶縁皮膜された配線を介してそれぞれの電極に電圧を印加し、電荷を供給する。このように構成することにより、荷電粒子の凹レンズまたは凸レンズを得ることができる。
図1に示した動径多極子11,13と動径多極子12,14,nのプラスとマイナスを反転させると、利用する荷電粒子に対して、凸レンズと凹レンズを切り替えることが可能となる。図2は、図1の極性を反転させたものである。図2では、動径多極子11,13にはそれぞれ負電圧が、動径多極子12,14,nには、それぞれ正電圧が印加されるように電圧源22を具備する。図1及び図2の態様を用いることにより凹レンズと凸レンズの両方を含む荷電粒子光学系を組むことができるようになり、荷電粒子軌道の制御性が向上する。なお、電圧源21,22の極性は、極性切り換えスイッチ(図示なし)により切り換えるようにしてもよい。
図3は、本発明の解析用動径多極子型配置レンズ構造モデルを示す模式図であり、図4に図3に示す解析用動径多極子型配置レンズを用いて行ったポテンシャル解析結果を、図5に従来の同軸円筒型の二重開口レンズを用いて行ったポテンシャル解析結果を示す。図4では、動径多極子14に正電圧が、動径多極子15に負電圧が印加されている。図4の結果から、動径多極子型配置レンズは、凹レンズ効果を示すことが分かる。さらに、荷電粒子の電荷、及び動径多極子の電荷の極性の選択により、荷電粒子線にとっての凹レンズにも凸レンズにもなることが分かる。従来の同軸円筒型の二重開口レンズを示す図5において、この等電位面では、どちらから荷電粒子が入射しても集束される。
上記した概念の妥当性を確認するために以下に解析的に計算した結果を示す。
図6は図3に示す解析用の動径多極子型配置レンズ構造モデルに基づいた電子軌道を示す図である。この計算において、初期値を座標(2×10-2,−10×10-2)〔m〕、初速(0.8×106)〔m/s〕、給電電荷8000〔C〕とした。なお、ここでは、発散効果を顕著に示すために、極端な値を用いて計算した。この図において、横軸は動径方向(−0.07〜0〜0.07〔m〕)の断面図(回転対称)、縦軸は電子線の軌道方向(−0.1〜0〜0.075〔m〕)を示している。
上記した図3の動径多極子型配置レンズ構造モデルに基づいて解析的に計算した結果を図6(a)に示す。
図6(a)によれば、中心付近で電子を発散させる、つまり、電子軌道が発散する電子線B1〔図6(b)参照〕を有する、凹レンズ型の電界が発生していることが分かる。実際に、図6(a)の電場の基で電子軌道計算を実施すると図6(b)のようになる。図6(b)によると完全に発散特性を示していることが分かる。電子の軌道は図6(b)の下方から上方である。
図7(a),図7(b)に図3に示した解析用動径多極子型配置レンズ構造モデルの電圧の電極の極性を反転させた場合の電子軌道を示す。ここでは、電子軌道が集束する電子線B2となる。なお、図7においては、初期値を座標(2×10-2,−10×10-2)〔m〕、初速(0.8×106)〔m/s〕、給電電荷−8000〔C〕とした。
次に、上記凹レンズ適用による同軸円筒型静電レンズの動径方向の高次のポテンシャル項の減少について説明する。
まず、回転対称系における収差の原因となる動径方向の高次のポテンシャル項について述べる。
回転対称系の電位は以下の式(1)で表現される。
φ(r,z)=φ(z)−(r/2)2φ(2)(z)+〔1/(2!)2〕(r/2)4φ(4 )(z)−・・・・
…(1)
この式(1)のrの4次以上項が収差の原因となる。近軸軌道は0次、2次の電位によって決定される。
図8は従来の同軸円筒型静電レンズと本発明の動径多極子型配置レンズの構成を示す図である。
図8に示すように、z軸上に従来型の同軸円筒型静電レンズ31〔条件(a)〕と動径多極子型配置レンズ32〔条件(b)〕を並べると、式(1)における近軸を担うφ(2)(z)と収差となるφ(4)(z)の比は以下の式(2)で表される。
なお、図8において、条件(a)(動径多極子型配置レンズなし)の場合は、Q1は1〔C〕、b1座標は−0.5×10-2〔m〕、b2座標は−0.45×10-2〔m〕、c1は10×10-2〔m〕である。
また、条件(b)(動径多極子型配置レンズあり)の場合は、Q1は1〔C〕、Q2は0.1〔C〕、b1は−0.5×10-2〔m〕、b2は−0.45×10-2〔m〕、c1は10×10-2〔m〕、a1は10×10-2〔m〕、a2は10.5×10-2〔m〕である。
図8の条件で式 (2) を基に計算した結果を図9に示す。計算結果は絶対値である。動径多極子型配置レンズを挿入することによって、高次項の影響が減少していることが分かる。
図10は本発明の動径多極子型配置レンズを用いた荷電粒子光学系装置である荷電粒子線露光装置を示す模式図である。
この図において、41は内部での真空状態を維持する箱状の真空チェンバー、42はステージ、43はメカニカルドライブ、44はステージ位置モニタ、45はステージ42に載置され露光される基板、46は基板45の表面上に形成される金属薄膜、半導体膜または絶縁薄膜といった薄膜、47は薄膜46上に塗布される電子線レジスト、48は二次元の光パターン53を生成するためのプロジェクター、49はレンズ、50は光電膜、51はマイクロチャネルプレート(MCP)、52は動径多極子型配置レンズを含む荷電粒子光学系、54は成形される荷電粒子線アレイ、55はコントローラ、56はディスプレイ、57はデータ入力装置である。
動径多極子型配置レンズを含む荷電粒子光学系52により、近軸領域から外れた荷電粒子による、球面収差の影響を低減した状態で、露光を行うことができる。
ここで、光電膜50としては、マルチアルカリやバイアルカリが一般に用いられており、これらは大気中ですぐに酸化されてしまうことから、真空封入する必要がある。そのため、本発明における荷電粒子線露光装置全体が真空系により大掛かりなものとなり、コスト高となる。そこで、光電膜50として耐酸化性の金属膜を用い、その金属膜に光パターン53を照射し、光電効果により放出された荷電粒子線をマイクロチャネルプレート(MCP)51により増大して荷電粒子線アレイ54を発生させ、荷電粒子線露光を行う。この場合、装置を大気開放できるので、真空系を縮小化できコストダウンを図ることができる。
なお、光電効果により荷電粒子線が放出される限界波長λは以下の式(3)で表される。
λ=hc/φ=1239/Φ(nm) …(3)
この場合、耐酸化性の光電膜50として利用可能な金属としては、Al(φ=4.28eV),Ag(φ=4.26eV),Ca(φ=2.87eV),In(φ=4.12eV)等である。Mg(φ=3.6eV)やLi(φ=2.9eV)は通常大気中では酸化されやすく不安定だが、合金化することによって低仕事関数と耐酸化性を有するMg−Ag(φ=3.7eV),Al−Li(φ=3.0eV)が有望である。
光電効果を起こす光源としては、
Al(φ=4.28eV)…289nm
Ag(φ=4.26eV)…290nm
Mg(φ=3.6eV)……344nm
Ca(φ=2.87eV)…431nm
Li(φ=2.9eV)……427nm
Mg−Ag(φ=3.7eV)…334nm
Al−Li(φ=3.0eV)…413nm
がある。
300nm以上では、マイクロチャネルプレート(MCP)51が利用可能であることから、大気開放可能なマイクロチャネルプレート(MCP)型二次元一括荷電粒子線露光の装置構成が可能となり、低コスト化に著しい寄与を果たすことができる。
なお、荷電粒子光学系装置において、大気中で酸化の影響を低減したAl,Ag,Ca,Mg,Liまたはそれらの合金をマイクロチャネルプレート(MCP)の光電膜として配備し、この光電膜での光電変換によりマイクロチャネルプレート(MCP)に入射された荷電粒子線が増幅されて、マイクロチャネルプレート(MCP)の出射端からLSIのパターンを有する大面積荷電粒子線アレイを出射するようにすることができる。
また、本発明の動径多極子型配置レンズを利用して以下のように構成することもできる。
(1)上記した動径多極子型配置レンズの中心部に走査型探針を配置し、走査型プローブ顕微鏡を構成するようにしてもよい。
(2)荷電粒子光学系装置であって、上記した動径多極子型配置レンズの中心部に荷電粒子線を照射し、収差を低減した高分解能電子顕微鏡装置を構成するようにしてもよい。
上記したように、本発明の動径多極子型配置レンズは、荷電粒子光学系において、(1)収差の補正を行うことができる。(2)完全回転対称ポテンシャルを利用するため荷電粒子光学系の設計の簡素化を図ることができる。また、(3)動径多極子電圧極性の反転により凸レンズにも凹レンズにもなり、両者を組み合わせたレンズ系を得ることが可能である。
さらに、本願発明によれば、(1)大面積荷電粒子線の荷電粒子光学系を構築することができる。(2)二次元荷電粒子線一括露光技術の要素技術は半導体微細化加工に対応させることができる。また、(3)従来の電子顕微鏡の高分解能化(収差の低減)、小型化、低コスト化を図ることができるので、高分解能電子顕微鏡の普及にも貢献することができる。
したがって、荷電粒子線一括露光装置、LSI製造装置、LSI検査装置、電子顕微鏡、マスクレスプログラマブル荷電粒子線一括露光装置、小型電子顕微鏡としての利用が可能である。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の動径多極子型配置レンズは、
荷電粒子光学系において、
(1)収差補正を行うことができる。
(2)完全回転対称ポテンシャルを利用するため荷電粒子光学系の設計の簡素化を図ることができる。
(3)動径多極子の電圧極性の反転により凸レンズにも凹レンズにもなり、両者を組み合わせたレンズ系を構築することができる。
(4)大面積の荷電粒子を少ない収差で均一に加速、集束することができる。
本発明の動径多極子型配置レンズ及びそれを用いた荷電粒子光学系装置は、荷電粒子線一括露光装置、LSI製造装置、LSI検査装置、電子顕微鏡、マスクレスプログラマブル荷電粒子線一括露光装置や小型電子顕微鏡などに利用可能である。

Claims (8)

  1. 荷電粒子光学系の光軸周辺に、複数のリング状に配置され、中心に指向性のあるポテンシャルを形成する動径多極子を備えることを特徴とする動径多極子型配置レンズ。
  2. 請求項1記載の動径多極子型配置レンズにおいて、前記動径多極子に印加される電圧を中心部から順にプラスの極性、マイナスの極性となるように配置し、最外周の動径多極子にマイナスの極性の電圧を印加することにより、負の荷電粒子にとっての凹レンズ、正の荷電粒子にとっての凸レンズを構成することを特徴とする動径多極子型配置レンズ。
  3. 請求項2記載の動径多極子型配置レンズの動径多極子に印加される電圧の極性を反転させることにより、負の荷電粒子にとっての凸レンズ、正の荷電粒子によっての凹レンズを構成することを特徴とする動径多極子型配置レンズ。
  4. 請求項1記載の動径多極子型配置レンズと、静電レンズ又は磁場レンズを組み合わせて用いて、荷電粒子線の発散特性又は集束特性、さらに加速、減速、偏向特性を有するようにしたことを特徴とする荷電粒子光学系装置。
  5. 請求項1記載の動径多極子型配置レンズと静電レンズ又は磁場レンズを組み合わせた荷電粒子光学系装置に荷電粒子線を照射し、半導体基板への荷電粒子線露光装置を構成することを特徴とする荷電粒子光学系装置。
  6. 請求項1記載の動径多極子型配置レンズと静電レンズ又は磁場レンズを組み合わせた荷電粒子光学系装置に荷電粒子線を照射し、顕微鏡像を取得することを特徴とする荷電粒子光学系装置。
  7. 請求項5記載の荷電粒子光学系装置において、前記荷電粒子線の出射素子としてマイクロチャネルプレートを用いることを特徴とする荷電粒子光学系装置。
  8. 請求項7記載の荷電粒子光学系装置において、大気中で酸化の影響を低減したAl、Ag、Ca、Mg、Liまたはそれらの合金を前記マイクロチャネルプレートの光電膜として配備し、該光電膜での光電変換により前記マイクロチャネルプレートに入射された前記荷電粒子線が増幅されて、前記マイクロチャネルプレートの出射端からLSIのパターンを有する大面積荷電粒子線アレイを出射することを特徴とする荷電粒子光学系装置。
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