JP2877487B2 - 光電子放出材 - Google Patents

光電子放出材

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、光電効果を有する光電子放出材に関する。
そして光電子放出材を用いて微粒子を荷電し利用する
分野としては、 (a) 微粒子の表面改質、荷電量の制御、微粒子の分
離・分級を行う方法及び装置、 (b) 荷電微粒子により、空気あるいは排ガス等の気
体中の微粒子の濃度や粒径の測定を行う方法及び装置、 (c) 荷電微粒子を捕集、除去して、清浄化気体を得
る方法及び装置、等がある。
[従来の技術] 光電子放出材に、紫外線及び/又は放射線を照射する
ことにより発生する光電子による微粒子の荷電及びその
利用については、本発明者の多数の提案がある。本発明
者が気体清浄化関係において提案したものの内、本発明
と特に関連性を有する基本的なものは、次の通りであ
る。
(1) 光電子放出材に紫外線を照射することにより発
生する光電子により空気中の微粒子を荷電させるか、又
は電場において紫外線を照射することにより空気中の微
粒子を荷電させるか、又は電場において光電子放出材に
紫外線を照射することにより発生する光電子により空気
中の微粒子を荷電させた後荷電した粒子を除去する、空
気清浄方法及びその装置(特開昭61−178050号、USP at
ent4,750,917号)を提案した。
(2) 紫外線及び/又は放射線を光電子放出材上に照
射することにより、放電された光電子によってガス流中
の粒子状物質を荷電させた後、該ガス流をイオン交換フ
ィルターに通すことを特徴とするガス流中の微粒子と共
に酸性ガス、アルカリ性ガス及び/又は臭気性ガスをも
同時に捕集する、ガス流の清浄方法及びその装置(特開
昭63−77557号)を提案した。
(3) 光電子により空気中の微粒子を荷電せしめた
後、荷電した粒子を捕集することにより空気を清浄にす
る方法において、反射面を利用して光電子の放出を効率
良く行なう、空気の清浄方法及びその装置(特開昭63−
100955号)を提案した。
[当該発明が解決しようとする課題] 従来の光電子放出材は、1種類のバルク状(かたまり
状)の材料を用いていた。該放出材は、光電子放出量や
安定性に限界があり、改善の必要があった。すなわち、
光電子放出材は、仕事関数の小さい物質が良いが、仕事
関数の小さい物質は、一般に変質を受けやすく長時間の
安定性に欠ける課題があり、改善が求められていた。こ
の改善の一対応策として本発明者らは先に特開平3−10
8698号を提案した。
さらに、本発明は、上記の課題のより一層の改善を企
図し、光電子放出量が多く、長時間安定して使用できる
光電子放出材を提供し、微粒子の荷電を効果的に行うこ
とを目的とするものである。
ここに、仕事関数とは、物質がその内部に電子を束縛
している束縛エネルギーをうわまって物質の内部から電
子を放出させるために必要な最小エネルギーをeVで表わ
した値である。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明らは、上記目的を達成すべく研究の結果、光電
子放出材として使用できる物質(仕事関数が小さい程好
ましい)は程度に差はあるが一般に変質を受けやすく長
期の安定性に欠けるが、これらの物質のうち仕事関数の
比較的大きい物質、例えばAuなどの特定金属は相対湿度
が80%以下、好ましくは60%以下の環境下であれば、薄
膜状にして空気に触れても比較的安定であり、これらの
物質を薄膜状にして単独で、または該薄膜と母材の両方
より光電子を放出できることを見出し本発明に到達し
た。
したがって、本発明では、紫外線及び/又は放射線の
照射により光電子を放出する元素、無機化合物、合金、
又はこれらの混合物、又はこれらの複合物からなる母
材、若しくは、紫外線及び/又は放射線の照射により光
電子を放出しない材料からなる母材と、該母材上に厚さ
が0.01μmより薄い仕事関数が比較的大きい安定な物質
を付加し、該薄膜単独又は該薄膜と母材より光電子放出
を行うものである。
さらに本発明を具体的に説明する。本発明の光電子放
出材は、母材と母材上の薄膜とよりなる。本発明は、仕
事関数の比較的大きい安定な物質を超薄膜化すると、光
電子放出が効果的になるとの本発明者等の新規な知見に
基づくものである。
すなわち、適宜な母材上に仕事関数の比較的大きい安
定な物質を薄膜状に付加することにより、効果的な光電
子放出材となる。
本発明の光電子放出材は、次の構成と役割とすること
ができる。
1.光電効果を有しない物質の適宜な形状の母材上に仕事
関数の比較的大きい安定な物質を薄膜状に付加し、該薄
膜単独より光電子放出を行う。
2.仕事関数の小さい物質の適宜な形状の母材上に、前記
1に記載の仕事関数の比較的大きい物質を薄膜状に付加
し、母材と薄膜の両者より光電子放出を行う。
つまり、1及び2における光電子の放出は、1では薄
膜、2では薄膜と母材の両方である。
ここで、仕事関数の比較的大きい物質(安定な物質)
とは、紫外線及び/又は放射線の照射により光電子を放
出しうる物質において、仕事関数が比較的大きく、具体
的にはその値が約3.4eV以上の物質を指す。
次に、薄膜より光電子放出を行う場合について説明す
る。
母材は、薄膜支持の役割りであるので、薄膜が付加で
きる安定な物質で、適宜(任意)の形状にできるもので
あれば何れでもよい。例としては、Cu合金(例えばCu−
Zn,Cu−Sn,Cu−Al)、Ag合金(例えばAg−Mg,Ag−In,Ag
−Ni,Ag−Ti,Ag−Fe,Ag−Cu,Ag−Zn,Ag−Al,Ag−Zn)、
Al合金(例えばAl−Cu−Mg)、ステンレスがある。
これら母材用の材料の使用形状は、板状、プリーツ
状、格子状、網状等、があり表面の形状を適宜凹凸状と
し使用することができる。又、凸部の先端を先鋭状ある
いは球面状とすることもできる。
該薄膜材料の例としては、Au,Ag,Al,Zr,Zn,In,Nb,Pb,
Ti,Ni,Cu,Ta,Si,W,C,高分子化合物のいずれか、又はそ
の化合物、これらの物質の合金または混合物、複合材が
あり、これらは単独でまたは2種以上を組合せて用いる
ことができる。
高分子化合物の例としては、エポキシ樹脂があり、化
合物の例としてはZrC,TaC,TiC,WC,TiN,ZrO2がある。
上述の薄膜の厚さは、該薄膜に紫外線及び/又は放射
線照射することにより、光電子放出効果が顕著になる厚
さで、電場のかけ方、強さ、効果等で適宜予備試験等を
行い決めることができる。
通常、厚さは0.01μmより薄く、好ましくは0.005μ
m以下で効果的となる。
次に、母材と薄膜の両方より光電子放出を行う場合を
説明する。母材の材質は、上述の薄膜上からの紫外線及
び/又は放射線の照射により光電子を放出するものであ
れば何れでも良く、光電的な仕事関数の小さいもの程好
ましい。効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,
Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,
In,Bi,Nb,Si,Ta,Ti,U,B,Eu,Sn,Pのいずれか、又はこれ
らの化合物、又は合金が好ましく、これらは単独で、又
は2種以上を複合して用いられる。複合材としては、ア
マルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
化合物としては酸化物、ほう化物、炭化物があり、酸
化物にはBaO,SrO,CaO,Y2O6,Gd2O3,Nd2O3,ThO2,ZrO2,Fe2
O3,ZnO,CuO,Ag2O,La2O3,PtO,PbO,Al2O3,MgO,In2O3,BiO,
NbO,BaOなどがあり、またほう化物には、Yb6,GdB6,La
B6,NdB5,CeB6,EuB6,PrB6,ZrB2などがあり、さらに炭化
物としては、UC,ZrC,TaC,TiC,NbCなどがあり窒化物とし
てTiNがある。
また、合金としては黄銅、青銅、リン青銅、AgとMgと
の合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金(Beが1〜
10wt%)及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記
AgとMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAuとの合金が
好ましい。
母材の形状は、上述のごとくであり、最適な形状は、
装置規模、形状、電子放出材の種類、電場のかけ方、効
果、経済性等で適宜予備試験を行い決めることができ
る。
母材上の薄膜については、上述のごとくであり、薄膜
の種類、厚さは母材の種類、形状、適用分野、効果等で
適宜決めることができる。
ここでの薄膜の役割りは、それ自身による光電子放出
と、母材の保護(使用雰囲気に母材を直接さらさせない
で保護する)である。
上記薄膜は、母材の表面に適宜の方法で薄膜状にコー
ティング、あるいは付着させて作ることができる。例え
ば、イオンプレーティング法、スパッタリング法、蒸着
法、CVD法、材料を加熱処理し表面に酸化層を作る方
法、あるいは材料を薬品処理し膜状物質を作る方法があ
り、適宜用いることができる。
光電子放出材の構成(光電子放出部が薄膜のみか、薄
膜と母材の両方か)の選択は、本技術の適用分野、装置
形状、規模、電場のかけ方、強さ、効果、経済性等で適
宜予備試験を行い決めることができる。例えば、適用分
野によっては、かなりの高効率で荷電を行う必要があ
り、この場合は薄膜と母材の両方より光電子放出を行
い、微粒子の荷電を高効率で行う。
この例として、スーパークリーンルームにおけるクリ
ーンゾーンでの清浄器への利用(高性能なクリーン気体
を得る分野)がある。
別の適用分野として、例えば微粒子測定では微粒子へ
の荷電効率が必ずしも高くなくても、一定な荷電が長時
間安定しておれば実用し得る。すなわち80〜90%程度の
荷電効率でも、長時間安定していれば差支えない。この
場合は、薄膜のみからの光電子放出を利用することがで
きる。
次に、紫外線及び/又は放射線の照射について述べれ
ば、紫外線の光源は、光電子放出材料が紫外線照射によ
り光電子を放出するものであれば良く、水銀灯、水素放
電管、キセノン放電管、ライマン放電管などを適宜利用
できる。
放射線を用いる場合の線源も同様に、照射により光電
子を放出するものであれば良く、α線、β線、γ線など
が用いられ、照射手段としてコバルト60、セシウム13
7、ストロンチウム90などの放射性同位元素、又は原子
炉内で生成する放射性廃棄物及びこれに適用な処理加工
した放射性物質など適宜利用できる。
これらの材料、紫外線あるいは放射線の種類の使用
は、装置の形状、適用分野、精度、経済性等で適宜決め
ることができる。
また、光電子放出材への紫外線及び/又は放射線の照
射は電場において行うと、光電子放出材からの光電子発
生が効果的に起こる。
電場の形成方法としては、装置の形状、構造、適用分
野或いは期待する効果(精度)等によって適宜選択する
ことができる。
電場の強さは、共存水分濃度や光電子放出材の種類等
で適宜決めることができ、このことについては本発明者
の別の発明(特開平2−303557号)がある。電場の強さ
は、一般に0.1V/cm〜2kV/cmである。
後述の電極材料とその構造は通常の荷電装置において
使用されているもので良く、例えば電極材料としてタン
グステン線あるいは棒が用いられる。
以下本発明を実施例により具体的に説明するが、本発
明はこの実施例に限定されるものではない。
[実施例1] 本発明により相対湿度60%における空気中の浮遊微粒
子の測定を、図面に従って具体的に説明する。
第1図は、電化微粒子の分級部に分級板を用い検出部
にエレクトロメータを用いた概略図である。予めインパ
クタ(図示されていない)等により10μ以上の大きい粒
子を除去された浮遊微粒子を含む空気1が空気導入口か
ら導入され、該空気中に含まれる微粒子は、荷電部A1
おいて、紫外線照射源(ランプ)2からの紫外線照射を
受けた光電子放出面3から放出される光電子により荷電
される。
荷電部A1は、主に、紫外線ランプ2と光電子放出材3
及び電極4より構成されている。荷電部A1では、光電子
放出材3と電極4の間に電場が形成されており、紫外線
ランプ2の照射を受けた光電子放出材3から、光電子が
効果的に発生している。空気導入口から導入された空気
1中の微粒子は、該光電子の作用で荷電される。
荷電部A1で荷電された微粒子は、荷電微粒子分級部B1
において分級される。
荷電微粒子分級部B1は、コンパクトかつ簡易な構造で
荷電微粒子が分級される部分であり、前記した分級材の
印加電圧を変化させることにより荷電微粒子を分級する
機能を有する。
以下に、細孔5,6を備えた分級板を用いた場合の作用
を述べる。
分級板7,8間には、電源により電場が形成されてい
る。分級部B1における全荷電微粒子をb1とする。分級板
7,8間に先ずa1なる弱い電場を形成すると、該電場で影
響を受ける微細な荷電微粒子b2は該分級板に捕集され
る。その結果、残りの粒径の大きい荷電微粒子(b1
b2)は、後流のエレクトロメータ9よりなる検出部C1
て荷電量d1が計測され微粒子濃度が測定される。
次に、分級板7,8間にa1よりも強い電場a2を形成する
と、該電場で影響を受ける(b2よりも粒径の大きい)荷
電微粒子b3は、該分級板に捕集される。その結果、残り
の粒径の大きい荷電微粒子(b1−b3)は、同様に後流の
エレクトロメータ9で計測される。以下、順次適宜分級
板の電場を変化させ、同様に行う。
このように、分級と微粒子濃度の測定を行うことで、
空気導入口の空気1中微粒子の粒径(分布)とその濃度
が分かるものである。
C1は荷電微粒子の検出部であり、上述のように分級部
B1で分級された荷電微粒子の検出をエレクトロメータ9
で行う。
エレクトロメータ9は、荷電微粒子の荷電量を計測
し、これより分級されてきた微粒子濃度が分かるもので
あれば良い。10は空気出口である。
この例の光電子放出材は、Cu−Zn母材上に、Auを0.00
5μmコーティングしたものである。
次に、本発明の特徴である光電子放出材3の構成を第
2図及び第3図で説明する。
第2図は、光電子放出材の部分断面図であり、光電子
放出材3は主に安定な物質(材料)の母材11と該母材上
の薄膜12より成る。
該薄膜12は、前記したように、仕事関数が比較的大き
い物質(安定な物質)を薄膜化したものであり、紫外線
及び/又は放射線照射により光電子放出が効果的となる
ものであれば良い。
第3図は、別の光電子放出材30の例を示す。光電子放
出材30は、仕事関数の小さい物質の母材110と、該母材1
10の薄膜120より成る。
この例では、母材110と薄膜120の両方より光電子放出
を行う。
光電子放出材の母材110は、前記したように、紫外線
及び/又は放射線の照射により光電子を放出するもので
あれば何れでも良く、光電的な仕事関数の小さいもの程
よい。また、母材上の薄膜120は、母材から放出される
光電子を通過させ、かつそれ自身から光電子放出を効果
的に行い、母材の保護(使用雰囲気から隔離し、母材の
劣化を防ぐ)もしている。
本例の光電子放出材3,30は、母材11,110と母材上の薄
膜12,120の2重構造の例であるが、母材11,110あるいは
母材上の薄膜12,120を適宜複数(複合)で使用し、3重
構造あるいはそれ以上の多重構造とすることができるこ
とは言う迄もない。
[実施例2] 相対湿度60%の環境下で、第4図に示す空気清浄器に
煙草の煙を適宜空気で希釈し5/minで送気して、粒子
測定器で性能を調べた。また長期連続運転を行い性能を
調べた。
すなわち、光電子放出材13としてはCu−Znの母材上に
0.003μmの薄膜を設けたものを用い、紫外線ランプと
して低圧水銀灯14を用い、電場の強さ50V/cmにおいて微
粒子の荷電を行った。17及び18は入口及び出口、15は電
極、16は集じん板である。
測定結果は、入口濃度630万個/、出口濃度は310個
/で1ヶ月間の連続運転後も、その性能に変化は認め
られなかった。
[比 較 例] 実施例2において、Cu−Zn(バルク状)からなる材料
を用い同様に試験した。
測定結果は、入口濃度540万個/、出口濃度75,800
個/で、連続運転を行ったところ、3日後の出口濃度
は260,500個/、10日後の出口濃度は591,100個/で
あった。
[実施例3] 母材に金又は銀を蒸着して、相対湿度60%の大気中で
光電子放出量を調べた。
すなわち、母材としてZrC,Cu−Znまたは光電子放出量
の少ないセラミックからなる材料を用い、測定器として
は大気雰囲気型紫外線光電子分析装置を用いた。
試験結果は第1表の通りであった。なお光電子放出量
は1秒当りの光電子放出量の1/2乗の値であるYで示し
た。
また、バルク状の金、銀のYについてはAu11.0、銀1
3.5であった。
[発明の効果] 以上説明したように、本発明によれば、下記のような
効果を奏する。
1.仕事関数の比較的大きい物質を薄膜化することによっ
て、 (1)光電子放出が効果的になった。
(2)仕事関数の大きい物質程安定であるので、光電
子放出材の安定性が向上した。
2.仕事関数の比較的大きい物質を薄膜化することによ
り、光電子放出が効果的になったことによって、 (1)光電子放出材の構成を、安定で加工性の良い母
材と母材上の該薄膜とすることができるので、母材とし
て加工性の良い材料を選択して任意の形状の光電子放出
材が得られる。
(2)仕事関数の小さい物質の母材と、仕事関数の比
較的大きい物質の薄膜とすることができるので、光電子
を母材と薄膜の両方から放出させることができ効果(性
能)が向上し、母材の表面が該薄膜により保護されるの
で、効果が長時間安定する。
3.上記1及び2から、微粒子の荷電が効果的となり、こ
のことから、装置の小型化が可能となり、又処理量が増
加した。
4.前記1〜3により、夫々の利用分野で特に次の効果が
生じた。
(1)空気または排ガス等の気体中微粒子の濃度や粒
径の測定を行う方法と装置では、測定精度を向上し、長
時間安定した。
(2)清浄気体を得る方法と装置では、性能が向上
し、長時間安定したので、装置の小型化、処理容量の増
加が可能となった。
(3)微粒子の分離、分級、表面改質、荷電制御を行
う方法と装置では、性能が向上し、長時間安定し、装置
の小型化、処理量の増加が可能となり、特に0.1μmよ
り小さい超微粒子の処理について処理性能向上に有効と
なった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の空気中の浮遊微粒子を測定
するための概略図である。第2図及び第3図は光電子放
出材の部分断面図であり、前者は安定な物質の母材上に
仕事関数が比較的大きい物質を薄膜化して薄膜より光電
子が放出される例、後者は母材と薄膜の両方から光電子
放出を行う例である。 第4図は本発明の一実施例の空気清浄器の概略図であ
る。 符号の説明 1……空気、2,14……紫外線ランプ 3,13,30……光電子放出材 4,15……電極、5,6……細孔 7,8……分級板 9……エレクトロメータ 10……空気出口、11,110……母材 12,120……薄膜、16……集じん板 17……希釈したタバコの煙の入口 18……清浄化処理後のタバコの煙の出口 A1……荷電部 B1……荷電微粒子分級部 C1……検出部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紫外線及び/又は放射線の照射により光電
    子を放出する母材、もしくは紫外線及び/又は放射線の
    照射により光電子を放出しない材料からなる母材と、該
    母材上に厚さが0.01μmより薄く、前記照射により光電
    子を放出する物質の内、光電的に仕事関数の比較的大き
    い安定な物質の薄膜とよりなる多重構造の光電子放出材
    を用いて微粒子の荷電を、電場内において行うことを特
    徴とする微粒子の荷電方法。
  2. 【請求項2】微粒子の荷電を相対湿度80%以下の環境下
    で行う請求項1記載の微粒子の荷電方法。
  3. 【請求項3】前記光電子を放出する母材の少なくとも1
    部分が、光電的な仕事関数の小さい物質よりなる請求項
    1記載の微粒子の荷電方法。
  4. 【請求項4】前記光電子放出材の母材が、Ba、Sr、Ca、
    Y、Gd、La、Ce、Nd、Th、Pr、Be、Zr、Fe、Ni、Zn、C
    u、Ag、Pt、Cd、Pb、Al、C、Mg、Au、In、Bi、Nb、S
    i、Ta、Ti、U、B、Eu、Sn、P及びその化合物から選
    ばれた1種の材料、又は2種以上の合金、又は混合物、
    又は複合材よりなる請求項1記載の微粒子の荷電方法。
  5. 【請求項5】前記光電子放出材の薄膜が、光電的に比較
    的仕事関数の大きい物質である、Au、Ag、Al、Zr、In、
    Nb、Pb、Ti、Ni、Cu、Ta、Si、W、C及びその化合物、
    高分子化合物から選ばれた1種の材料、2種以上の合
    金、又は混合物、又は複合剤よりなる請求項1記載の微
    粒子の荷電方法。
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