JPWO2009020197A1 - 群青色蛍光タンパク質 - Google Patents

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Abstract

本発明は、新規な発光波長ピークを有するGFPの人為的変異体を提供する。配列番号1に示されるアミノ酸配列において、66位のアミノ酸残基と175位のアミノ酸残基がそれぞれ置換され、さらに72位のアミノ酸残基又は206位のアミノ酸残基の少なくとも一つのアミノ酸残基が置換されたアミノ酸配列からなる、発光波長ピークが424nmである蛍光タンパク質、又はさらに65位、145位、148位、46位、及び/又は203位の各アミノ酸残基が置換されている、発光波長ピークが424nmであり、pH非依存性蛍光強度を有する蛍光タンパク質。本発明の蛍光タンパク質は424nmという発光波長ピークの蛍光を発し、群青色として他の蛍光タンパク質と肉眼で識別することができる。また、pHの変化に蛍光強度が左右されない、pH非依存性の蛍光強度を有する。

Description

本発明は、改良された蛍光特性を有する蛍光タンパク質、特に群青色に発光する蛍光タンパク質に関する。
発光クラゲの一種であるイクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)に由来する蛍光タンパク質、いわゆるGFP(Green Fluorescence Protein)は、395nmの励起スペクトルピークと509nmの発光スペクトルピークを有し、緑色に発光するタンパク質である(Chalfieら、Science、1994年、第263巻、第802−805頁)。このタンパク質は、高温で安定(Tm=78℃)である、カオトロピック試薬(例えば8M尿素)中で安定である、他のタンパク質との融合タンパク質の形態で比較的安定に発現され、その蛍光発色により当該融合タンパク質の存在が視認できる、などの利点を有しており、無傷の生体あるいは細胞を用いた、生体或いは細胞内における特定の物質の局在性の観察ないし確認、さらには特定の遺伝子発現の確認を行うことを可能とし、分子生物学における研究に大きな変革をもたらした。
この蛍光タンパク質の有用性をさらに高める研究が盛んに行われており、GFPの特定のアミノ酸残基を他のアミノ酸に置換させた人為的変異体が多数報告されている。GFPの人為的変異体の構築の目的は、蛍光強度の増加と発光スペクトルの偏移に大別される。特に、発光スペクトルが偏移した蛍光タンパク質を複数用いることで、複数の異なる物質の局在性や複数の遺伝子発現を同時に確認することが可能となることから、様々な蛍光色に発光する変異体が報告されるに至っている。
これまでに報告されているGFPの人為的変異体の変異部位と特徴は、例えば下記の例を挙げることができる。なお、GFPの人為的変異体変異体の表記は、例えば野生型GFPのアミノ酸配列のN末端から66番目のアミノ酸残基であるチロシン(Y、以下特に断らない限り、アミノ酸は1文字表記で表す)がHに置換された変異体をY66Hと表し、複数のアミノ酸残基が同時に置換された変異体は、それぞれの置換をハイフン(−)で結ぶこととする。
Y66H:青色に発色する蛍光タンパク質であり、蛍光強度は低く、発光は急速に消失する(非特許文献1)
V163A:青色に発光する蛍光タンパク質であり、さらにV163A−S175Gは耐熱性を獲得し、高められた蛍光強度を有する(特許文献1)
F64I、F64V、F64A、F64G、F64L:発光波長の変化はないが、蛍光強度が高められた蛍光タンパク質(特許文献2)
F64L−S65T−Y66H−Y145F:青色に発光するが、蛍光強度は低く、発光が急速に消失する蛍光タンパク質(特許文献3)
F64L−Y66H−Y145F−L236R、F64L−Y66H−Y145F−V163A−S175G−L236R、Y66H−Y145F−V163A−S175G、F64L−Y66H−Y145F:光安定性を有する蛍光タンパク質(特許文献4)
F64L−Y66H−S175G:安定した蛍光特性を呈し、異なる励起スペクトルおよび/または発光スペクトルを有する、青色蛍光タンパク質(特許文献5)
F64L−Y66H−V163A:より高められた蛍光強度を有する青色蛍光タンパク質(特許文献6)。
Heimら、1994年、Proc.Nat1.Acad.Sci.USA、第91巻、第12501−12504頁 国際公開第96/27675号 米国特許第6172188号 米国特許第5777079号 米国特許第6194548号 特表2005−511027 特表2000−509987
本発明は、これまでに報告されていない、新たな最大発光波長ピークを有する新規な蛍光タンパク質の提供を第一の目的とする。また本発明は、野生型のGFPを含め、従来の変異蛍光タンパク質の蛍光強度がpHの変化に大きく依存し、酸性下では蛍光が殆ど失われることから、これまでに報告のない新たな発光スペクトルを有し、かつpHの変化に蛍光強度が左右されない、pH非依存性の蛍光強度を有する新規な蛍光タンパク質を提供することを第二の目的とする。
本発明者らは、これまでに報告のない新たな発光波長ピークを有し、特に蛍光強度が幅広いpHで安定に保持されたGFPの人為的変異体を創成することを目的として研究を行い、GFPの特定のアミノ酸を置換した変異体がかかる特性を発揮することを見いだし、下記の各発明を完成した。
(1)配列番号1に示されるアミノ酸配列において、66位のアミノ酸残基と175位のアミノ酸残基がそれぞれ置換され、さらに72位のアミノ酸残基又は206位のアミノ酸残基の少なくとも一つのアミノ酸残基が置換されたアミノ酸配列からなる、発光波長ピークが424nmである蛍光タンパク質。
(2)72位のアミノ酸残基及び206位のアミノ酸残基がいずれも置換されている、(1)に記載の蛍光タンパク質。
(3)66位のアミノ酸残基がフェニルアラニンに、72位のアミノ酸残基がアラニンに、175位のアミノ酸残基がグリシンに、及び206位のアミノ酸残基がリジンにそれぞれ置換されている、(2)に記載の蛍光タンパク質。
(4)さらに65位のアミノ酸残基、145位のアミノ酸残基又は148位のアミノ酸残基の少なくとも一つのアミノ酸残基が置換されている(1)〜(3)の何れかに記載の蛍光タンパク質。
(5)65位のアミノ酸残基、145位のアミノ酸残基及び148位のアミノ酸残基が何れも置換されている、(4)に記載の蛍光タンパク質。
(6)65位のアミノ酸残基がグルタミンに、145位のアミノ酸残基がグリシンに、及び148位のアミノ酸残基がセリンに置換されている、(5)に記載の蛍光タンパク質。
(7)さらに46位のアミノ酸残基が置換されている、(4)〜(6)の何れかに記載の蛍光タンパク質。
(8)46位のアミノ酸残基がロイシンに置換されている、(7)に記載の蛍光タンパク質。
(9)さらに203位のアミノ酸残基が置換されている、(1)〜(8)の何れかに記載の蛍光タンパク質。
(10)203位のアミノ酸残基がバリンに置換されている、(9)に記載の蛍光タンパク質。
(11)66位のアミノ酸残基がフェニルアラニンに、175位のアミノ酸残基がグリシンに、72位のアミノ酸残基がアラニンに、206位のアミノ酸残基がリジンに、65位のアミノ酸残基がグルタミンに、145位のアミノ酸残基がグリシンに、148位のアミノ酸残基がセリンに、46位のアミノ酸残基がロイシンに、及び203位のアミノ酸残基がバリンに置換されている、(10)に記載の蛍光タンパク質。
(12)(1)〜(11)に記載の蛍光タンパク質において、さらに1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、発光波長ピークが424nmである蛍光タンパク質。
(13)(1)〜(12)の何れかに記載の蛍光タンパク質と任意のタンパク質又はポリペプチドとからなる融合タンパク質。
(14)(1)〜(13)の何れかに記載の蛍光タンパク質又は融合タンパク質をコードする核酸。
(15)(14)に記載の核酸によってコードされる蛍光タンパク質又は融合タンパク質を発現するベクター。
(16)(15)に記載の発現ベクターにより形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞。
本発明の蛍光タンパク質は、第一にこれまでにない424nmという発光波長ピークの蛍光を発し、群青色として他の蛍光タンパク質と肉眼で識別することができる。また、pHの変化に蛍光強度が左右されない、pH非依存性の蛍光強度を有する本発明の蛍光タンパク質は、従来困難であった酸性環境下における蛍光タンパク質の利用を可能にする。
GFP、GFPの既知のアミノ酸置換変異体及び本発明のUMFP−1の蛍光の呈色を示す。 本発明の蛍光タンパク質と既知の蛍光タンパク質の吸収スペクトル及び発光スペクトルを表す。図左が吸収スペクトル、図右が発光スペクトルである。 本発明の蛍光タンパク質と既知の蛍光タンパク質変異体(GFPとBFP)の発光強度に関するpH滴定曲線を示す。 UMFP−3(赤色)、EBFP(青色)を355nmの励起光で励起した際の蛍光褪色曲線を示す。 CΔ11UMFP−LE−NΔ4ECFP(青色)、UMFP−3(赤色)、ECFP(シアン色)を355nmの励起光で励起した際の蛍光スペクトルを示す。 UC−SCAT3による生きた細胞内におけるカスパーゼ3活性化のモニターリング。縦軸が大きいほど、カスパーゼ3が活性化していることを表す。横軸はTNFα処理後の時間を示す。 Sirius(水色)またはEGFP(緑色)を発現する大腸菌がファゴサイトーシスによって細胞性粘菌(微分干渉像)に取り込まれ、消化されていく画像を示す。パネルの上の数字は大腸菌が細胞性粘菌に取り込まれてからの時間(秒)を表す。 SC−SCAT3とSapRC2による生きた細胞内におけるカスパーゼ3活性化とCa2+動態のの同時画像化。暖かい色彩ほどカスパーゼ3の活性が高く、Ca2+の濃度が高いことを表す。また、パネル上段の数字はTNFαの添加からの時間を表す。
本発明は、一般にGFPと称される蛍光タンパク質の変異体に関する。本発明の変異体は、オワンクラゲ(イクオレア属、Aequorea属)生物、例えばイクオレア・ビクトリア(Aequorea victoria)由来のGFPの特定のアミノ酸残基が置換された、発光波長ピークが424nmである蛍光タンパク質、またこの蛍光タンパク質においてさらに1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、発光波長ピークが424nmである蛍光タンパク質である。この発光波長は群青色(Ultra Marine)として肉眼で視認され、従来知られている青色蛍光タンパク質の発光色とは肉眼によって明確に区別することが出来る(図1)。以下、群青色の蛍光を発する本発明のタンパク質を、UMFP(Ultra Marine Fluorescence Protein)と表すこととする。
本発明のUMFPは、配列番号1に示されるアミノ酸配列における特定の位置のアミノ酸が置換されてなる蛍光タンパク質である。この配列番号1に示されるアミノ酸配列は、イクオレア・ビクトリア由来の野生型GFPのアミノ酸配列において、64位のFがLに、65位のSがTに、66位のYがWに、146位のNがIに、153位のMがTに、163位のVがAに、231位のHがLに、それぞれ置換されてなるアミノ酸配列である。従って本発明は、野生型GFPのアミノ酸配列において前記7つの位置に置換変異を有するアミノ酸配列からなる蛍光タンパク質に対して、さらに特定の部位のアミノ酸を置換してなる、多重置換変異を有する蛍光タンパク質である。なお、配列番号1に示されるアミノ酸配列は、以前Clontech社からpECFP Vectorの名称(カタログ番号632309)で市販されていた。
本発明のUMFPは、配列番号1に示されるアミノ酸配列において、66位(W)及び175位(S)のアミノ酸残基の置換と、さらに72位(S)又は206位(A)のアミノ酸残基の少なくとも一つのアミノ酸残基の置換とを含むタンパク質である。このUMFPを、以下、UMFP−1と表す。UMFP−1は、配列番号1に示されるアミノ酸配列において66位、175位、72位及び206位の4アミノ酸残基の置換を含むタンパク質であることが好ましい。また、UMFP−1は、66位のアミノ酸残基がF、72位のアミノ酸残基がA、175位のアミノ酸残基がGに、及び206位のアミノ酸残基がKにそれぞれ置換された蛍光タンパク質であることが好ましい。以下、本発明の蛍光タンパク質を置換位置と置換後のアミノ酸の種類で表すときは、配列番号1に示されるアミノ酸配列を基にしたことを表すために、ハイフンで結ばれる置換位置と置換後のアミノ酸の先頭にECFPを付けて表すこととする。例えば、上記のUMFP−1の好ましい例は、ECFP−W66F−S72A−S175G−A206Kと表される。
また本発明は、上記UMFP−1において、65位(T)、145位(Y)、又は148位(H)の何れかのアミノ酸残基のいずれかが、好ましくはこれら3アミノ酸残基の全てがさらに同時に置換された蛍光タンパク質を含む。このさらなる置換を含むUMFPを、以下、UMFP−2と表す。UMFP−2は、65位、145位、及び148位の3アミノ酸残基がさらに置換された蛍光タンパク質であることが好ましい。特に、UMFP−2は、65位のアミノ酸残基がQ、145位のアミノ酸残基がG、及び148位のアミノ酸残基がSにそれぞれ置換された蛍光タンパク質であることが好ましい。前記3アミノ酸残基がそれぞれ好適なアミノ酸残基に置換された本発明のUMFP−2の特に好ましい例は、ECFP−W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145G−H148Sと表される。UMFP−2は、発光波長ピークが424nmであることに加え、UMFP−1よりも高められた蛍光強度を有する。この蛍光強度は、46位(F)に、好ましくはF46Lという置換をさらに導入することで、より蛍光強度を高めることが出来る。この46位の置換を含むUMFP、すなわちECFP−F46L−W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145G−H148Sも、UMFP−2の一つである。
さらに本発明は、前記UMFP−1又はUMFP−2において、203位(T)が更に置換された蛍光タンパク質を含む。この更なる203位の置換を含むUMFPを、以下、UMFP−3と表す。UMFP−3における好ましい置換はT203Vである。
本発明のタンパク質の蛍光波長は、好適には光学的手段、例えば分光光度計、蛍光計CCD撮像素子などにより測定することができる。スペクトル特性は、本発明のタンパク質による発光の励起波長特性および発光波長特性として測定され得、これらのスペクトル特性から、励起波長および発光波長それぞれのピークとなる波長を確認することができる。特に明記しない限り、例えば本発明において「424nm」との記載は、好ましくは424±3nm(より好ましくは424±2nm)を含む意味で用いられる。
上記のアミノ酸置換によって、本発明の蛍光タンパク質は、公知の蛍光タンパク質とは明確に異なる、約424nm以下に発光波長のピークを有する。例えば、公知の蛍光タンパク質は、発光波長ピークが約450nm(例えば、BFP)、約470nm(例えば、CFP)、約510nm(例えば、eGFP)、約530nm(例えば、YFP)、約600nm(例えば、DsRed)などのピークを有する。これら公知の波長ピークとは明確に異なる発光波長ピークは、異なる色彩を有する発光(例えば、本発明の群青色)を提供し、これによって肉眼によって視認することが可能である(図1)。
本発明の蛍光タンパク質はまた、公知の蛍光タンパク質とは明確に異なる、約355nmに励起波長のピークを有する。例えば、公知の蛍光タンパク質は、励起波長ピークが約380nm(例えば、BFP)、約430nm(例えば、CFP)、約480nm(例えば、eGFP)、約510nm(例えば、YFP)、約550nm(例えば、DsRed)などのピークを有する。したがって、公知の蛍光タンパク質がほとんど反応できない波長の励起光を照射することが可能である。
また、本発明の蛍光タンパク質、例えばUMFP−3は、発光波長のピークが424nmであることに加え、その蛍光強度が酸性条件下でも高く維持されるという特徴を有する。wtGFPその他の従来のGFPの酸性条件下、例えばpH5以下の蛍光強度は、中性から弱アルカリ性条件下、例えばpH7〜pH9で示す蛍光強度に対して著しく低下する(通常、70%〜100%低下する)のに対して、例えば本願のUMFP−3の酸性条件下の蛍光強度は、中性から弱アルカリ性条件下における蛍光強度の少なくとも50%以上、好ましくは75%以上、より好ましくは90%以上が維持される。さらに、本発明の蛍光タンパク質の酸性条件下(好ましくはpH5以下、より好ましくはpH3〜pH5)における蛍光強度は、アルカリ性条件下(好ましくはpH7以上、より好ましくはpH7〜pH9)における蛍光強度より強くてもよい。すなわち、本発明の蛍光タンパク質において、pH9における蛍光強度に対して正規化した相対蛍光強度は、例えばpH3〜9の範囲内において、好ましくは50%以内、好ましくは25%以内、より好ましくは10%以内で変化し得る。上記のような、pHの変化に対して好ましくは50%以内、好ましくは25%以内、より好ましくは10%以内で変化する蛍光強度を、本明細書中ではpH非依存性蛍光強度と表す。
本明細書において、「高められた蛍光強度」とは、従来の蛍光タンパク質よりも、ある波長を有する一定の光量の励起光に対して、本発明の蛍光タンパク質はモル当たりの発光量が高いことを意味する。蛍光タンパク質のアミノ酸配列中に変異を導入することによって蛍光強度が上昇する例としては、本発明のUMFP−1とUMFP−3との比較が挙げられ、この例の場合は、355nmの励起光をそれぞれの蛍光タンパク質に照射した場合、UMFP−3は元のUMFP−1よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも40%の上昇を示す。また、本発明の蛍光タンパク質は、公知の蛍光タンパク質と比較して励起光が低波長側にあるため、より低波長の励起光に対して比較的高い蛍光強度を提供できる。
例えば、UMFP−2の一つであるECFP−F46L−W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145G−H148SにさらにT203Vの置換を導入したUMFP−3、すなわちECFP−F46L−W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145V−H148S−T203Vは、424nmの発光波長ピークを有し、UMFP−1よりも少なくとも20%、好ましくは少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも40%だけ高められた蛍光強度を有し、かつ酸性条件下でもその蛍光強度が大きく変化しない(例えば、蛍光強度の変化が50%以内、好ましくは25%以内、より好ましくは10%以内である)という特徴を有している。
本発明は、UMFPの前記特徴、例えば、約424nmの発光波長ピークを有する、好ましくは約424nmの発光波長ピークと高められた蛍光強度とを有する、さらに好ましくは424nmの発光波長ピーク、および高められた蛍光強度とpH非依存性蛍光強度とを有する特徴を示す、本発明のUMFPを特徴付ける変異部位、すなわち46位、66位、72位、175位、206位、65位、145位、148位及び203位以外の部位において、1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる蛍光タンパク質も含む。本発明におけるアミノ酸の置換、欠失、及び/又は付加に関する「1若しくは数個」とは、1〜数十アミノ酸以内、好ましくは1〜70個、より好ましくは1〜50個、更に好ましくは1〜30個、特に好ましくは1〜15個、1〜14個、1〜13個、1〜12個、1〜11個、1〜10個、1〜9個、1〜8個、1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜3個、1〜2個または1個のアミノ酸残基の変化を意味する。アミノ酸配列の同一性(%)で表せば、配列番号1で示されるアミノ酸配列に対して80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上の同一性を有するアミノ酸配列として表すことができる。
タンパク質のアミノ酸配列は、アミノ酸残基の電荷、大きさ、疎水性等の物理化学的性質について、保存性の高い変異が許容され得ることが、経験的に認められている。例えば、アミノ酸残基の置換については、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、Glyとアラニン(Ala)またはバリン(Val)、ロイシン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタミン酸(Glu)とグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)とアスパラギン(Asn)、システイン(Cys)とスレオニン(Thr)、Thrとセリン(Ser)またはAla、リジン(Lys)とアルギニン(Arg)等が挙げられる。また、上述の保存性を超えた場合でも、なおそのタンパク質の本質的な機能を失わない変異が存在し得ることも当業者において経験されるところである。従って、UMFPにおける置換部位として特定される46位、66位、72位、175位、206位、65位、145位、148位及び203位以外の部位において、配列番号1に記載されたアミノ酸配列の1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失、及び/又は付加したアミノ酸配列からなるタンパク質であっても、UMFPとしても前記特徴を有する場合もあり、これらは本発明の一態様として理解される。例えば、前記46位、66位、72位、175位、206位、65位、145位、148位及び203位以外の部位におけるアミノ酸以外はすべてwtGFPのアミノ酸配列と同一のアミノ酸からなる蛍光タンパク質も含まれる。また、前記46位、66位、72位、175位、206位、65位、145位、148位及び203位以外の部位におけるアミノ酸の置換が、本発明のUMFPが特徴とする上記の機能を損なうことなく、さらに酵素の安定性向上や蛍光強度の増加等の有益な特性変化をもたらすこともあり、その様な蛍光タンパク質も本発明に含まれる。
さらにまた本発明のタンパク質は、時間の経過に伴う発光の褪色に対しても利点を有する。すなわち、公知の蛍光タンパク質と比較して、本発明の蛍光タンパク質は、褪色が長期化される。例えば本明細書中の実施例6および図4に示されるように、10秒間のパルス照射した直後の発光強度の対する1000秒後の発光強度を測定すると、本発明の蛍光タンパク質はその約80%を維持しているが、公知のEBFPの場合は約10%しか維持できない。また、本発明の蛍光タンパク質は、少なくとも照射後1000秒の範囲で線形型の褪色を提供できることも特徴とする。
本発明のタンパク質は、単独で製造し、使用してもよいが、本発明のタンパク質のN末端及び/又はC末端に、本発明のタンパク質以外のタンパク質又はポリペプチドを付加させた、いわゆる融合タンパク質として製造し、又利用してもよい。この様な本発明のタンパク質を含む融合タンパク質も、本発明の一態様である。特に本発明のUMFPは、従来のGFPやその変異体と同じ使用目的において、それらに換えて利用することが出来る。例えば、あるタンパク質と本発明のUMFPとの融合タンパク質を生体或いは細胞内で発現させることで、当該タンパク質の生体あるいは細胞内での局在性を調べることができる。また、本発明のUMFPの発現を指標として、生体あるいは細胞内での遺伝子発現制御機構を調べることも出来る。特に、本発明のUMFP−3はpH非依存性蛍光強度を有していることから、エンドソームやリソソームなどの、従来知られているGFPあるいはその変異体を利用することができないか、またはその利用が非常に困難であった酸性オルガネラにおけるタンパク質の局在性の確認、細胞内膜挙動の観察、その他の目的に利用することができる。
本発明の蛍光タンパク質はまた、発光波長ピークおよび励起波長ピークの各々が、公知の蛍光タンパク質が有する各々のピークとは異なるため、同時に複数の蛍光タンパク質を用いる用途に利用することが可能である。例えば、本発明の蛍光タンパク質は発光波長ピークが公知の蛍光タンパク質とは異なるため、本発明の蛍光タンパク質(またはその融合タンパク質)による発光と、公知の蛍光タンパク質(またはその融合タンパク質)による発光とを肉眼によって識別可能である(図1)。また、本発明の蛍光タンパク質の励起波長ピークが公知の蛍光タンパク質とは異なるため、公知の蛍光タンパク質を励起できない波長利用する測定システムも可能である。さらにまたこれら上記の利点によって、本発明の蛍光タンパク質および公知の蛍光タンパク質を同時に利用すると、従来よりも複雑であり、かつ/またはより示差性に優れた、同時多重解析が可能となり得る。
さらに本発明の蛍光タンパク質は、上記のように公知の蛍光タンパク質とは励起波長ピークおよび発光波長ピークが共に異なるため、本発明のタンパク質またはその融合タンパク質と、公知の蛍光タンパク質またはその融合タンパク質とを適切に組合わせることによって、従来とは異なる波長において蛍光共鳴エネルギー移動(Fluorescent Resonance Energy Transfer:FRET)を利用するシステムの構築が可能である。FRETおよびその利用例については当業者に公知であり、例えば、Takemoto,K.,Nagai,T.,Miyawaki,A.& Miura,M.Spatio−temporal activation of caspase revealed by indicator that is insensitive to environmental effects.J.Cell.Biol.160,235−243(2003);Mizuno,H.,Sawano,A.,Eli,P.,Hama,H.& Miyawaki,A.Red fluorescent protein from Discosoma as a fusion tag and a partner for fluorescence resonance resonance energy transfer.Biochemistry.40,2502−2510(2001).などに記載される。
また、本発明のタンパク質を含む融合タンパク質は、当該機能性タンパク質が示す機能が付加される点で、本発明のタンパク質を単独で製造し、あるいは使用する場合に比べて、高められた有用性を有する。その様な機能性タンパク質の例としては、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、マルトース結合タンパク質(MBP)、プロテインA、その他の、融合蛋白質の製造に汎用されるタンパク質を挙げることができる。また、FLAGタグ、ヒスチジンタグ又はキチン結合配列のように、組み換えタンパク質の製造、特に組み換えタンパク質の精製を容易にする機能性ポリペプチドを利用すれば、本発明のタンパク質の製造をより有利に行うことができる。
さらに、本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質には、必要に応じて、蛍光物質や放射性物質等の適当な標識化合物を付加したり、種々の化学修飾物質やポリエチレングリコール等の高分子を結合させたりすることが可能であり、あるいは本発明で使用されるタンパク質を不溶性担体へ結合させたりすることも可能である。こうしたタンパク質を対象とした化学的修飾法は当業者に広く知られており、本発明のタンパク質の機能を損なわない限り、どの様に修飾し、利用してもよい。
特に、融合タンパク質の製造における抽出操作又は精製操作など、または標識化タンパク質の製造における標識化合物の付加反応等において、タンパク質は様々な反応条件に晒され得る。本発明の蛍光タンパク質はpH非依存性に活性を維持できるため、公知の蛍光タンパク質よりも様々な反応条件において寛容であり、この特性によって、本発明のタンパク質の利用が促進されると考えられる。
本発明は、本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を提供する。核酸はRNA又はDNAを含み、その形態としてはmRNA、cDNAの他、化学合成DNAなどが含まれるが、特に制限はない。本発明の好ましい核酸はDNAである。また本発明の核酸は1本鎖であっても、それに相補的な配列を有する核酸やRNAと結合して2重鎖、3重鎖を形成していても良い。また、当該核酸は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRPO)等の酵素や放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質等で標識されていてもよい。
本発明の核酸、好ましくは本発明のタンパク質であるUMFPをコードするDNAは、配列番号2に示されるGFPをコードする塩基配列において、前記UMFP1〜3を特徴付ける置換部位、すなわち46位、66位、72位、175位、206位、65位、145位、148位及び203位以外のコドンが、それぞれのアミノ酸置換に応じたコドンに置き換えられた塩基配列からなる。また、係る塩基配列と相補する塩基配列からなる核酸にストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ本発明のUMFPをコードする核酸も本発明の核酸に含まれる。本発明におけるストリンジェントな条件とは、塩濃度1.5Mを含む65℃の緩衝液中で配列番号2に相補的な塩基配列からなる核酸にハイブリダイズし、50℃の2×SSC溶液(0.1%[w/v]SDSを含む)でDNAを洗浄する条件(1×SSCは0.15M NaCl、0.015Mクエン酸ナトリウムである)でハイブリダイズが維持される条件を言う。また、塩基配列の同一性(%)で示せば、配列番号2の塩基配列に対して70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上の同一性を有する塩基配列からなる核酸であればよい。これらの手法は、例えばMolecular Cloning 3rd Ed.、Current Protocols in Molecular Biology,John Wiley & Sons 1987−1997などに記載されている方法を利用することができる。
本発明の核酸は、配列番号1に示されるアミノ酸配列をコードするDNA、具体的には配列番号2に示される塩基配列からなるDNAを基に、PCR、部位特異的変異法その他の一般的な遺伝子工学的手法によって調製することができる。配列番号2に示される塩基配列からなるDNAは、これを含むベクターが種々市販されており、これらをそのまま利用すればよい。また部位特異的変異等の遺伝子工学的手法は、例えばManiatis T.等(MolecularCloning,a Laboratory Manual,Cold Spring harbor Laboratory,New York,1982年)その他の、当業者に広く利用されている実験操作マニュアル書に記載されている。なお、本発明の核酸は、配列番号2に示される塩基配列情報を基にして、ホスホアミダイト法などの化学合成的手法により、あるいは市販のDNAシンセサイザー等を用いて直接製造することもできる。
本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸であるDNAは、適当な発現ベクターに組み込むことができ、かかる発現ベクターは本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質の組換え的生産に利用される。この様なタンパク質の生産用の組み換えベクターも本発明に含まれる。本発明のベクターは、環状、直鎖状等いかなる形態のものであってもよく、また本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸に加え、必要ならば他の塩基配列を有していてもよい。他の塩基配列とは、エンハンサー配列、プロモーター配列、リボゾーム結合配列、コピー数の増幅を目的として使用される塩基配列、シグナルペプチドをコードする塩基配列、他のポリペプチドをコードする塩基配列、ポリA付加配列、スプライシング配列、複製開始点、選択マーカーとなる遺伝子の塩基配列等のことである。
遺伝子組み換えに際しては、適当な合成DNAアダプターを用いて翻訳開始コドンや翻訳終止コドンを本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸に付加したり、あるいは塩基配列内に適当な制限酵素切断配列を新たに発生させたりあるいは消失させたりすることも可能である。これらは当業者が通常行う作業の範囲内であり、当業者は本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を基に任意かつ容易に加工することができる。
また本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を保持するベクターは、使用する宿主に応じた適当なベクターを選択して使用すればよく、プラスミドの他にバクテリオファージ、バキュロウイルス、レトロウィルス、ワクシニアウィルス等の種々のウイルスを用いることも可能である。
利用可能な市販の発現ベクターとしては、pcDM8(フナコシ社製)、pcDNAI(フナコシ社製)、pcDNAI/AmP(Invitrogen社製)、EGFP−C1(Clontech社製)、pREP4(Invitrogen社製)、pGBT−9(Clontech社製)、等を例示することができる。本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質の発現は、該タンパク質をコードする遺伝子固有のプロモーター配列の制御下に発現させることができる。あるいは、本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする塩基配列の上流に別の適当な発現プロモーターを連結して使用することもできる。その様な発現プロモーターは、宿主及び発現の目的に応じて適宜選択すればよく、例えば宿主が大腸菌である場合にはT7プロモーター、lacプロモーター、trpプロモーター、λPLプロモーターなどが、宿主が酵母である場合にはPHO5プロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーター等が、宿主が動物細胞である場合にはSV40由来プロモーター、レトロウィルスプロモーター、サイトメガロウイルス(ヒトCMV)のIE(immediate early)遺伝子のプロモーター、メタロチオネインプロモーター、ヒートショックプロモーター、SRαプロモーター等を挙げることができる。本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸、好ましくはDNAを上記に例示されたプロモーターに連結する、あるいは発現ベクターに組み込む等の操作も、前記Maniatisらその他の実験操作マニュアル書の記載に基づいて行うことができる。
本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質は、例えばFmoc法(フルオレニルメチルオキシカルボニル法)やtBoc法(t−ブチルオキシカルボニル法)等の、有機化学的合成方法、あるいは市販されている適当なペプチド合成機を用いて製造することもできるが、遺伝子組換え技術によって、前記の核酸、特に発現ベクターに組み込まれたDNAを原核生物もしくは真核生物から選択される適当な宿主細胞を用いた好適な発現系に導入することによって製造することが好ましい。
宿主細胞の例としては、エシェリヒア(Escherichia)属細菌、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属細菌、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属細菌、バチラス(Bacillus)属細菌、セラチア(Serratia)属細菌、シュードモナス(Pseudomonas)属細菌、アースロバクター(Arthrobacter)属細菌、エルウニア(Erwinia)属細菌、メチロバクテリウム(Methylobacterium)属細菌、ロドバクター(Rhodobacter)属細菌、ストレプトミセス(Streptomyces)属微生物、ザイモモナス(Zymomonas)属微生物、サッカロミセス(Saccharomyces)属酵母等の微生物、カイコなどの昆虫細胞、HEK293細胞、MEF細胞、Vero細胞、Hela細胞、CHO細胞、WI38細胞、BHK細胞、COS−7細胞、MDCK細胞、C127細胞、HKG細胞、ヒト腎細胞株等の動物細胞を挙げることができる。
宿主細胞に発現ベクターを導入する方法としては、前記のManiatisらを初めとする実験操作マニュアル書に記載されている方法、例えば、エレクトロポレーション法、プロトプラスト法、アルカリ金属法、リン酸カルシウム沈澱法、DEAEデキストラン法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法等により行うことができる。Sf9やSf21等の昆虫細胞の利用については、バキュロウイルス・エクスプレッション・ベクターズ、ア・ラボラトリー・マニュアル、ダブリュー・エイチ・フリーマン・アンド・カンパニー(W.H.Freeman and Company)、New York、1992年)やBio/Technology、1988年、第6巻、第47頁等に記載されている。
本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質は、前記の発現ベクターを上記の宿主細胞内で発現させ、宿主細胞或いは培地から目的とするタンパク質を回収し、精製することによって得ることができる。タンパク質を精製する方法としては、蛋白質の精製に通常使用されている方法の中から適切な方法を適宜選択して行うことができる。すなわち、塩析法、限外濾過法、等電点沈澱法、ゲル濾過法、電気泳動法、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィーや抗体クロマトグラフィー等の各種アフィニティークロマトグラフィー、クロマトフォーカシング法、吸着クロマトグラフィーおよび逆相クロマトグラフィー等、通常使用され得る方法の中から適切な方法を適宜選択し、必要によりHPLCシステム等を使用して適当な順序で精製を行えば良い。
また、本発明のタンパク質をヒスチジンタグやFLAGタグ等との融合タンパク質として発現させた場合には、そのタグ等に特徴的な精製法を採用することが好ましい。融合タンパク質は、適当なプロテアーゼ(トロンビン、トリプシン等)を用いて切断し、本発明のタンパク質を回収することができる。また、組換えDNA分子を利用して無細胞系の合成方法で得る方法も、遺伝子工学的に生産する方法の1つである。
この様に本発明のタンパク質は、それ単独の形態でも別種の蛋白質との融合蛋白質の形態でも調製することができるが、これらのみに制限されるものではなく、本発明のタンパク質を更に種々の形態へと変換させることも可能である。例えば、蛋白質に対する種々の化学修飾、ポリエチレングリコール等の高分子との結合、不溶性担体への結合、リポソームへの封入など、当業者に知られている多種の手法による加工が考えられる。
また、本発明のタンパク質に特異的に結合する抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を挙げることができるが、特にモノクローナル抗体が好ましい。かかる抗体は、本発明のタンパク質を抗原として用いた通常の操作により、非ヒト動物を免疫し、血清を回収して、あるいはモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞を誘導して製造することができる。また、定法に従って、例えば、FITC(フルオレセインイソシアネート)やテトラメチルローダミンイソシアネート等の蛍光物質、放射性同位元素、アルカリホスファターゼやペルオキシダーゼ等の酵素タンパク質で標識してもよい。
本発明のタンパク質は、従来知られているGFPあるいはその変異体をマーカーとして利用した各種分子生物学的な方法において、当該GFPあるいはその変異体に換わるマーカータンパク質として利用することができる。例えば、Invitrogen社製のpRSET/EmGFPベクター等のように、GFPとの融合タンパク質を簡便に発現させることのできるベクターとして当業者に利用され、あるいは市販されている各種ベクターにおけるGFPをコードするORFを、本発明の蛋白質をコードするORFに置き換えたベクターを用意すれば、任意のタンパク質と本発明のタンパク質との融合タンパク質を簡便に製造し、或いは利用することができる。この様なベクターを用いることで、当該任意のタンパク質の生体内あるいは細胞内での発現、細胞および/または細胞外局在性の測定ないし確認、方法を測定することもできる。測定ないし確認は、本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質の蛍光発光を検出ないし測定することで行う事ができる。
また、任意の機能性核酸の制御下に本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質をコードする核酸を連結し、本発明のタンパク質又は本発明のタンパク質を含む融合タンパク質の蛍光発光を検出ないし測定することで、当該機能性核酸の制御機構を調べたり、当該機能性核酸の機能を促進あるいは抑制することの物質を探索したりすることもできる。
<実施例1>UMFP−1(ECFP−W66F−S72A−S175G−A206K)の作製
Invitrogen社製のpcDNA3に保持されているECFP(配列番号1に示されるアミノ酸配列からなる変異蛍光タンパク質)をコードするDNA(ECFP遺伝子)を、制限酵素BamHIとEcoRIで切り出し、同制限酵素で開環させたプラスミドベクターpRSETB(Invitrogen社)に組み換えて、pRSETB/ECFPを作製した。このプラスミドベクターを鋳型とし、下記のプライマーDNAを用いて、Asanoらの方法(Nuc.Acid Res.,2000年、第28巻、第16号、e78)に従って、S72A、S175G及びA206Kの3箇所のアミノ酸変異を導入した。
すなわち、500ngのpRSETB/ECFP、各10pmolのプライマー1〜3、3.75nmolのdNTPs、1.25UのPfu DNAポリメラーゼ、20UのPfu DNAリガーゼ(STRATAGENE社)を含む20μLを準備し、65℃、5分のプレインキュベーションを行ってPfu DNAリガーゼによる鋳型DNAのニックを修復し、その後、95℃、1分のDNA変性の後、95℃、10秒のDNA変性、55℃、30秒のアニーリング反応及び65℃、10分の伸長・連結反応を1サイクルとした20サイクルのサーマルサイクル反応を行った。サーマルサイクル反応後の反応溶液20μLに、0.4μL(8U)のDpnI(New England BioLabs社)を加え、37℃で1時間インキュベートし、さらにフェノールクロロホルム抽出を行ってDNAを精製した後、塩化カルシウム法により、大腸菌JM109(DE3)を形質転換し、ECFP−S72A−S175G−A206K(配列番号:15)をコードするDNA(配列番号:14)を有するプラスミドベクターpRSETB/mSECFPを得た。
このベクターを鋳型とし、下記のプライマーを用いてサーマルサイクル反応を行った。
サーマルサイクルの反応条件は、用いるプライマーを除き、先に示したサーマルサイクル反応と同じ条件である。この反応により、ヒスチジンタグが付加されたECFP−W66F−S72A−S175G−A206K(UMFP−1)をコードするベクターpRSETB/UMFP−1を作製した。UMFP−1のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:16および17に記載される。
このベクターを用いて、塩化カルシウム法により形質転換した大腸菌JM109(DE3)を100μg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地2mLで、23℃で4日間培養し、得られた細胞をフレンチプレスにより破砕した。破砕後の残渣を遠心分離で除去した上清液から、ニッケルキレートカラム(Qiagen社製)を用いてヒスチジンタグが付加されたECFP−W66F−S72A−S175G−A206Kを100mMイミダゾール及び300mM NaClを含む50mMトリス塩酸緩衝液pH7.4により溶出して回収し、さらにPD−10脱塩・バッファー交換用カラム(GE Healthcare Bio−Sciences社)により、50mM HEPESバッファーpH7.4に緩衝液を交換して、ヒスチジンタグが付加されたECFP−W66F−S72A−S175G−A206K(UMFP−1)(約7.5mg/mL)を得た。
<実施例2> UMFP−2(ECFP−F46L―W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145G−H148S)の作製
実施例1で作製したpRSETB/UMFP−1を鋳型とし、下記のプライマーDNAを用いてサーマルサイクル反応を行った。
すなわち、500ngのpRSETB/UMFP−1、各10pmolのプライマー5〜7、3.75nmolのdNTPs、1.25UのPfu DNAポリメラーゼ、20UのPfu DNAリガーゼ(STRATAGENE社)を含む20μLを準備し、65℃、5分のプレインキュベーションを行ってPfu DNAリガーゼによる鋳型DNAのニックを修復し、その後、95℃、1分のDNA変性の後、95℃、10秒のDNA変性、55℃、30秒のアニーリング反応及び65℃、10分の伸長・連結反応を1サイクルとした20サイクルのサーマルサイクル反応を行った。サーマルサイクル反応後の反応溶液20μLに、0.4μL(8U)のDpnI(New England BioLabs社)を加え、37℃で1時間インキュベートし、さらにフェノールクロロホルム抽出を行ってDNAを精製した後、塩化カルシウム法により、大腸菌JM109(DE3)を形質転換し、ECFP−W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145V−H148S(配列番号:19)をコードするDNA(配列番号:18)を有するプラスミドベクターpRSETB/ECFP−W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145G−H148Sを得た。
このベクターを鋳型とし、下記のプライマーを用いてサーマルサイクル反応を行い、pRSETB/UMFP−2を得た。
サーマルサイクルの反応条件は、用いるプライマーを除き、先に示したサーマルサイクル反応と同じ条件である。pRSETB/UMFP−2を用いて実施例1と同様の操作を行い、ヒスチジンタグが付加されたUMFP−2(約9.3mg/mL)を得た。UMFP−2のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:20および21に記載される。
<実施例3>UMFP−3(ECFP−F46L−W66F−S72A−S175G−A206K−T65Q−Y145G−H148S−T203V)の作製
実施例2で作製したpRSETB/UMFP−2を鋳型とし、下記のプライマーDNAを用いてサーマルサイクル反応を行い、pRSETB/UMFP−3を得た。
サーマルサイクルの反応条件は、用いるプライマーを除き、先に示したサーマルサイクル反応と同じ条件である。このpRSETB/UMFP−3を用いて実施例1と同様の操作を行い、ヒスチジンタグが付加されたUMFP−3(約9.3mg/mL)を得た。UMFP−3のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:22および23に記載される。
<実施例4>UMFPの励起波長ピーク及び発光波長ピークの測定
実施例1〜3で調製したUMFP−1〜3/50mM HEPESバッファーpH7.4の水溶液を50mMのHEPESバッファー(pH7.4)を用いて100倍希釈し、蛍光分光光度計(HITACHI F−2500)を使用して、励起スペクトル及び蛍光スペクトルを測定した。また、同時にwtGFP、既知のGFPの人為的変異体であるBFP(Heimら、前記非特許文献1)、CFP(Heimら、Curr.Biol.、1996年、第6巻、第178−182頁)、YFP(Ormoeら、1994年、Science、第273巻、第1392−1395)及びDsRed(Terskikhら、2000年、Science、第290巻、第1585−1588頁)の励起スペクトル及び蛍光スペクトルを、UMFPと同一条件で測定した。各蛍光タンパク質の最大輝度を1に規格化した蛍光スペク卜ルを図2に示す。UMFP1〜3は、いずれも励起波長のピークが約355nmであり、発光波長のピークが約424nmであった。
<実施例5>UMFP−3のpH非依存性蛍光強度
50mM Glycine−HCl緩衝液(pH3.0〜3.4)、50mM NaOAc(pH3.8〜5.4)、50mM MES(pH5.8〜6.2)、50mM MOPS(pH6.6〜7.0)、50mM HEPES(pH7.4〜7.8)、50mM Glycine(pH8.6〜9.0)を用いてpH3.0〜9.0の範囲の緩衝液を調製し、2μMのUMFP−3/各緩衝液20mMの蛍光を測定し、各pHにおける蛍光強度を計算した。また、GFPとBFPについても同様の測定を行った。この結果を図3に示す。
GFPとBFPいずれも、酸性環境下で蛍光強度が1/2以下に減少した。一方、UMFP−3の蛍光強度は、広いpH範囲(pH3.0〜9.0)において一定であった。
<実施例6>UMFP−3の光安定性
UMFP−3及び、比較のためのEBFPをHeLa細胞に一過性発現させることにより、光安定性の測定を行った。35mmのガラスボトムディッシュに培養したHeLa細胞に、pcDNA3/UMFP−3、pcDNA3/EBFPそれぞれを、Surperfect(Invitrogen)を用いてトランスフェクションした。トランスフェクション1日後、それぞれの組み換えタンパク質が細胞質に正常に発現していることを確認し、光安定性の測定を行った。顕微鏡はNikon TE−2000E倒立顕微鏡を用い、対物レンズはFlour、40倍、開口数1.30の油浸対物レンズを用いた。UMFP−3、EBFPの蛍光は、340−380nmの波長域で励起し、435−485nmの波長域のバンドパスフィルターを用いて検出した。図4は、UMFP−3、EBFPそれぞれの蛍光タンパク質を発現したHeLa細胞に10秒間励起光を当てて撮影をする作業を繰り返して得た、蛍光強度の褪色曲線を示したものである。図4に示されるように、10秒間のパルス照射した直後の発光強度の対する1000秒後の発光強度を測定すると、本発明の蛍光タンパク質はその約80%を維持しているが、公知のEBFPの場合は約10%しか維持できない。またこの図は、本発明の蛍光タンパク質が少なくとも照射後1000秒の範囲で線形型の褪色を提供できることも示している。
<実施例7>UMFP−3をドナー、ECFPをアクセプターとしたFRETペアの作製とFRET効率の検討
UMFP−3とECFPの蛍光スペクトル及びFRET効率を測定するにあたり、C末端11アミノ酸を削ったUMFP−3と、N末端4アミノ酸を削ったmSECFPを制限酵素XhoIの認識配列であるロイシン、グルタミン酸の2つのリンカーアミノ酸でつなげたキメラタンパクを作製した(以下CΔ11UMFP−LE−NΔ4ECFP:ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:24および25に記載される)。CΔ11UMFPのcDNAは制限酵素BamHIの認識配列を含むセンスプライマーと、制限酵素XhoIの認識配列を含むアンチセンスプライマーを用いてPCRを行うことで増幅させた。また、NΔ4ECFPのcDNAは制限酵素XhoIの認識配列を含むセンスプライマーと、制限酵素EcoRIの認識配列を含むアンチセンスプライマーを用いてPCRを行うことで増幅させた。制限酵素処理をした産物をpRSETB(Invitrogen)に導入し、大腸菌発現プラスミドのpRSETB/CΔ11UMFP−LE−NΔ4ECFPを作製した。pRSETB/CΔ11UMFP−LE−NΔ4ECFP、pRSETB/UMFP−3、pRSETB/ECFPを大腸菌JM109(DE3)に導入し、それぞれの組み換えタンパク質を室温で発現させ、ポリヒスチジンタグを用いた精製を行った。精製したサンプルの蛍光スペクトルの測定は、F−2500蛍光分光光度計(HITACHI)を使用した。測定は、50mM HEPES(pH7.4)に濃度2μMのサンプルを溶解させたものを用いた。図5はCΔ11UMFP−LE−NΔ4ECFP(青色)、UMFP−3(赤色)、ECFP(シアン色)を355nmの励起光で励起した際の蛍光スペクトルを表している。この実験より、CΔ11UMFP−LE−NΔ4ECFPのFRET効率は約66%と計算される。FRET効率に関して、例えば、FRET効率の良さから一般的に使われるCFP−YFPのFRETペアを用いたcAMP指示薬(文献:Ponsioen,B.et al.Detecting cAMP−induced Epac activation by fluorescence resonance energy transfer:Epac as a novel cAMP indicator.EMBO Rep.5,1176−1180(2004).)は、蛍光スペクトルから判断して、FRET効率が数%程度であることが記載されている。したがって、本蛍光タンパク質ペアは従来よりも低い波長の励起光によって、非常に高い効率でFRETを起こすことが可能であった。
<実施例8>UMFP−3とmSECFPのFRETペアを用いたSCAT type指示薬によるCaspase−3活性化のリアルタイムイメージング
UMFP−3からmSECFPへのFRETを用いてシステインプロテアーゼであるカスパーゼ3の活性化指示薬UC−SCAT3(ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:26および27に記載される)を作成した。本指示薬遺伝子を発現するプラスミドUC−SCAT3−pcDNA3.1(−)は竹本らが開発したECFPとVenusをFRETペアとして利用したカスパーゼ3活性化指示薬であるSCAT3(Takemoto K,Nagai T,Miyawaki A,et al.:Spatio−temporal activation of caspase revealed by indicator that is insensitive to environmental effects.J.Cell Biol.160:235−243,2003.)のVenus遺伝子を制限酵素KpnIとHindIIIで切断し、そこにUMFP−3を導入し、さらにECFP遺伝子を制限酵素BamHIとKpnIで切断し、そこにmSECFPを導入することによって作製した。UC−SCAT3−pcDNA3.1(−)を35mmのガラスボトムディッシュに培養したHeLa細胞に、Surperfect(Invitrogen)を用いてトランスフェクションし、細胞質に発現させた。トランスフェクションして1日後にイメージングを行った。なお、アポトーシスを誘導するために、イメージングを行う90分前に50ng/ml TNFαと10μg/mlのシクロヘキシミドで細胞を処理した。観察は、Nikon TE−2000E倒立顕微鏡を用い、対物レンズはApo−VC、60倍、開口数1.35、の油浸対物レンズを用いた。HeLa細胞の細胞質に発現したUC−SCAT3を352−388nmの波長域で励起した。蛍光の検出は、UMFP−3については415−455nmの波長域のバンドパスフィルターを用いて検出し、ECFPについては459−499nmの波長域のバンドパスフィルターを用いて検出した。図6の左図は、右図の各円枠内(ROI:Region Of Interst)におけるCaspase−3の活性化に伴うUMFP−3/mSECFPのレシオの変化を示したものである。横軸は、観察開始時からの経過時間を示している。この図から、UMFP−3/mSECFPの蛍光強度比の変化に伴う、Caspase−3の活性化を検出することが可能であることが分かる。
<実施例9>UMFP−4(ECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V)の作製
実施例3で作製したUMFP−3(ECFP−F46L−T65Q−W66F−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V)をコードするプラスミドベクター、pRSETB/UMFP−3を鋳型とし、下記のプライマーDNAを用いてサーマルサイクル反応を行った。
すなわち、50ngのpRSETB/UMFP−3、10pmolのプライマー10、3.75nmolのdNTPs、1.25UのPfu DNAポリメラーゼ、20UのPfu DNAリガーゼ(STRATAGENE社)を含む20μLを準備し、65℃、5分のプレインキュベーションを行ってPfu DNAリガーゼによる鋳型DNAのニックを修復し、その後、95℃、1分のDNA変性の後、95℃、10秒のDNA変性、55℃、30秒のアニーリング反応及び65℃、10分の伸長・連結反応を1サイクルとした20サイクルのサーマルサイクル反応を行った。サーマルサイクル反応後の溶液20μLに、0.4μL(8U)のDpnI(New England BioLabs社)を加え、37℃で1時間インキュベートし、さらにフェノールクロロホルム抽出を行ってDNAを精製した後、塩化カルシウム法により、大腸菌JM109(DE3)を形質転換し、ECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V(UMFP−4)をコードするDNAを有するプラスミドベクターpRSETB/UMFP−4を得た。UMFP−4のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:28および29に記載される。
このベクターpRSETB/UMFP−4を用いて、塩化カルシウム法により形質転換した大腸菌JM109(DE3)を100μg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地200mLで、23℃で4日間培養し、得られた細胞をフレンチプレスにより破砕した。破砕後の残渣を遠心分離で除去した上清液から、ニッケルキレートカラム(Qiagen社製)を用いて、ヒスチジンタグが付加されたECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203Vを100mMイミダゾール及び300mM NaClを含む50mMトリス塩酸緩衝液pH7.4によって回収した。さらにPD−10脱塩・バッファー交換用カラム(GE Healthcare Bio−Sciences社)により、50mM HEPESバッファーpH7.4に緩衝液を交換して、ヒスチジンタグが付加された、ECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V(UMFP−4)を約500μg/mL得た。
<実施例10>Sirius(ECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V−F223S)の作製
<実施例9>で作製したECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203Vをコードするプラスミドベクター、pRSETB/UMFP−4を鋳型とし、下記のプライマーDNAを用いてサーマルサイクル反応を行った。
すなわち、50ngのpRSETB/UMFP−4、10pmolのプライマー11、3.75nmolのdNTPs、1.25UのPfu DNAポリメラーゼ、20UのPfu DNAリガーゼ(STRATAGENE社)を含む20μLを準備し、65℃、5分のプレインキュベーションを行ってPfu DNAリガーゼによる鋳型DNAのニックを修復し、その後、95℃、1分のDNA変性の後、95℃、10秒のDNA変性、55℃、30秒のアニーリング反応及び65℃、10分の伸長・連結反応を1サイクルとした20サイクルのサーマルサイクル反応を行った。サーマルサイクル反応後の溶液20μLに、0.4μL(8U)のDpnI(New England BioLabs社)を加え、37℃で1時間インキュベートし、さらにフェノールクロロホルム抽出を行ってDNAを精製した後、塩化カルシウム法により、大腸菌JM109(DE3)を形質転換し、ECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V−F223S(Sirius)をコードするDNAを有するプラスミドベクターpRSETB/Siriusを得た。Siriusのヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:30および31に記載される。
このベクターpRSETB/Siriusを用いて、塩化カルシウム法により形質転換した大腸菌JM109(DE3)を100μg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地200mLで、23℃で4日間培養し、得られた細胞をフレンチプレスにより破砕した。破砕後の残渣を遠心分離で除去した上清液から、ニッケルキレートカラム(Qiagen社製)を用いて、ヒスチジンタグが付加されたECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V−F223S(Sirius)を100mMイミダゾール及び300mM NaClを含む50mMトリス塩酸緩衝液pH7.4によって回収した。さらにPD−10脱塩・バッファー交換用カラム(GE Healthcare Bio−Sciences社)により、50mM HEPESバッファーpH7.4に緩衝液を交換して、ヒスチジンタグが付加されたECFP−F46L−T65Q−W66F−Q69L−S72A−Y145G−H148S−S175G−A206K−T203V−F223S(Sirius)を約500μg/mL得た。
<実施例11>二光子励起顕微鏡を用いた細胞性粘菌Dictyostelium DiscoideumによるSiriusを発現する大腸菌E.Coliのファゴサイトーシスの観察
細胞性粘菌AX2は予め23.3℃、10mLのHL5培地で培養し、大腸菌JM109(DE3)は<実施例10>で作製したプラスミドベクターpRSETB/Siriusを用いて、塩化カルシウム法により形質転換させた後、100μg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地2mLで、37℃、12時間培養した。細胞性粘菌AX2は、遠心により沈殿させた後、BSSバッファーで再び懸濁し、Siriusを発現する大腸菌JM109(DE3)は、遠心により沈殿させた後、PBSバッファーで再び懸濁した。35mmペトリディッシュ上の1%アガロースゲルの上で、バッファーで懸濁した細胞性粘菌AX2とSiriusを発現する大腸菌JM109(DE3)を混合した。その後室温で1時間インキュベートし、35mmペトリディッシュ上のアガロースゲルを裏返しにして、混合した細胞性粘菌AX2とSiriusを発現する大腸菌JM109(DE3)を顕微鏡観察した。顕微鏡は、多光子励起顕微鏡Olympus Fluoview FV300を用い、対物レンズはUPlan FLN、40倍、開口数1.30(Olympus)の油浸レンズを用いた。レーザーはTi:sapphire(MAITAI,Spectra Physics社)を用い780nmの励起光によってSiriusを2光子励起して蛍光観察した。図7は、Siriusを発現する大腸菌がファゴサイトーシスによって細胞性粘菌に取り込まれ、消化されていく模様をを示している。この図は、蛍光強度がpH非依存性であるSiriusが、蛍光強度がpHに依存するEGFPよりも、酸性条件下にある粘菌のファゴソームの中に取り込まれた大腸菌の様子を明確に確認することが可能であることを示している。
<実施例12>Siriusをドナー、mSECFPをアクセプターとするFRETペア及びSapphireをドナー、DsRedをアクセプターとするFRETペアを同時に用いた、1波長励起4波長測光Dual FRET観察
始めに、SiriusからmSECFPへのFRETを用いてシステインプロテアーゼであるカスパーゼ3の活性化指示薬SC−SCAT3(ヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、それぞれ配列番号:32および33に記載される。)を作成した。本指示薬遺伝子を発現するプラスミドSC−SCAT3−pcDNA3.1(−)は<実施例8>で作成したUC−SCAT3のUMFP−3遺伝子を制限酵素KpnIとHindIIIで切断し、そこにSiriusを導入することによって作製した。
このカスパーゼ3の指示薬であるSC−SCAT3と、カルシウムイオン指示薬であるSapRC2(Mizuno H,Sawano A,Miyawaki A,et al.:Red Fluorescent Protein from Discosoma as a Fusion Tag and a Partner for Fluorescence Resonance Energy Transfer.Biochemistry.40:2502−2510,2001.)の二組のFRETペアを、HeLa細胞内で発現させた。すなわち、4μlのSurperfect(Invitrogen)を用いて、1μg/dishのpcDNA3.1(−)/SC−SCAT3とpcDNA3/SapRC2を35mmガラスボトムディッシュ上で培養したHeLa細胞に導入し、共発現させることにより、行った。
観察は、プラスミドベクターを導入してから2日後に行った。なお、HeLa細胞にアポトーシスを誘導するために、イメージングを行う直前に、50ng/ml TNFαと10μg/mlシクロヘキシミドで細胞を処理した。Wide−field蛍光観察は、TE−2000E倒立顕微鏡(Nikon)で行い、対物レンズは、Apo−VC、60倍、開口数1.35の油浸レンズ(Nikon)を用いた。また、干渉フィルターは、すべてSemrock社のものを使用した。
SC−SCAT3、SapRC2の発光観察はともに、水銀アークランプを光源とし、FF01−370/36の励起フィルター及び、CFW−Di0i−Clinのダイクロイックミラーを用いて励起した。Sirius、mSEECFP、Sapphire、DsRedの蛍光の検出は、それぞれFF01−435/40、FF01/479/40、FF01−525/39、FF01−585/40のフィルターを通して行った。図8はアポトーシス過程のHeLa細胞内におけるカスパーゼ3の活性化とCa2+の動態を同時にタイムラプス観察した画像を示す。この図より、細胞に共発現させたカスパーゼ3指示薬のSC−SCAT3とカルシウムイオン指示薬のSapRC2により、誘導された細胞死に伴うカスパーゼ3の活性化及び、カルシウムイオン濃度の時間変化を同時に観察することが可能であることが分かる。
本発明の蛍光タンパク質は、第一にこれまでにない424nmという発光波長ピークの蛍光を発し、群青色として他の蛍光タンパク質と肉眼で識別することができる。また、pHの変化に蛍光強度が左右されない、pH非依存性の蛍光強度を有する本発明の蛍光タンパク質は、従来困難であった酸性環境下における蛍光タンパク質の利用を可能にする。したがって、本発明の蛍光タンパク質によって、無傷の生体あるいは細胞を用いた、生体或いは細胞内における特定の物質の局在性の目視による観察ないし確認、さらには特定の遺伝子発現の確認などを行うための、より多様な条件に適合可能な蛍光タンパク質を提供することが可能になり、分子生物学における研究などに大きく貢献し得る。
[配列表]

Claims (16)

  1. 配列番号1に示されるアミノ酸配列において、66位のアミノ酸残基と175位のアミノ酸残基がそれぞれ置換され、さらに72位のアミノ酸残基又は206位のアミノ酸残基の少なくとも一つのアミノ酸残基が置換されたアミノ酸配列からなる、発光波長ピークが424nmである蛍光タンパク質。
  2. 72位のアミノ酸残基及び206位のアミノ酸残基がいずれも置換されている、請求項1に記載の蛍光タンパク質。
  3. 66位のアミノ酸残基がフェニルアラニンに、72位のアミノ酸残基がアラニンに、175位のアミノ酸残基がグリシンに、及び206位のアミノ酸残基がリジンにそれぞれ置換されている、請求項2に記載の蛍光タンパク質。
  4. さらに65位のアミノ酸残基、145位のアミノ酸残基又は148位のアミノ酸残基の少なくとも一つのアミノ酸残基が置換されている、請求項1〜3の何れかに記載の蛍光タンパク質。
  5. 65位のアミノ酸残基、145位のアミノ酸残基及び148位のアミノ酸残基が何れも置換されている、請求項4に記載の蛍光タンパク質。
  6. 65位のアミノ酸残基がグルタミンに、145位のアミノ酸残基がグリシンに、及び148位のアミノ酸残基がセリンに置換されている、請求項5に記載の蛍光タンパク質。
  7. さらに46位のアミノ酸残基が置換されている、請求項4〜6の何れかに記載の蛍光タンパク質。
  8. 46位のアミノ酸残基がロイシンに置換されている、請求項7に記載の蛍光タンパク質。
  9. さらに203位のアミノ酸残基が置換されている、請求項1〜8の何れかに記載の蛍光タンパク質。
  10. 203位のアミノ酸残基がバリンに置換されている、請求項9に記載の蛍光タンパク質。
  11. 66位のアミノ酸残基がフェニルアラニンに、175位のアミノ酸残基がグリシンに、72位のアミノ酸残基がアラニンに、206位のアミノ酸残基がリジンに、65位のアミノ酸残基がグルタミンに、145位のアミノ酸残基がグリシンに、148位のアミノ酸残基がセリンに、46位のアミノ酸残基がロイシンに、及び203位のアミノ酸残基がバリンに置換されている、請求項10に記載の蛍光タンパク質。
  12. 請求項1〜11に記載の蛍光タンパク質において、さらに1若しくは数個のアミノ酸が欠失、置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなる、発光波長ピークが424nmである蛍光タンパク質。
  13. 請求項1〜12の何れかに記載の蛍光タンパク質と任意のタンパク質又はポリペプチドとからなる融合タンパク質。
  14. 請求項1〜13の何れかに記載の蛍光タンパク質又は融合タンパク質をコードする核酸。
  15. 請求項14に記載の核酸によってコードされる蛍光タンパク質又は融合タンパク質を発現するベクター。
  16. 請求項15に記載の発現ベクターにより形質転換またはトランスフェクションされた宿主細胞。
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