JPWO2009020105A1 - プラズマ滅菌方法 - Google Patents

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Abstract

滅菌対象物である長尺状細管内でプラズマを生成し、長尺状細管内部の滅菌処理を行うためのプラズマ滅菌装置及び方法を提供することを目的とする。特に、内径が5mm以下の長尺状細管であっても効率的に滅菌処理できると共に、長尺状細管の内壁に対し、損傷を防止し、かつ二次感染の危険性を抑制することが可能であり、さらに電極のスパッタリングによる長尺状細管の汚染を抑制することを可能としたプラズマ滅菌装置及び方法を提供することを目的とする。滅菌対象物である長尺状細管1を収容可能であると共に、内部圧力を調整可能な容器2と、該長尺状細管の少なくとも一方の端部に配置される電極5と、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌装置である。

Description

この発明は、プラズマ滅菌装置及び方法に関し、特に、滅菌対象物である長尺状細管をプラズマを用いて滅菌処理を行うプラズマ滅菌装置及び方法に関する。
従来、カテーテルや内視鏡などの長尺状細管を滅菌する方法として、紫外線や高圧水蒸気ガスなどを使用する方法があるが滅菌効率が低く、場合によっては紫外線や熱などにより材料を変質させることもある。他方、酸化エチレンガスや過酸化水素の液体や蒸気を用いた方法では、滅菌効果が高いが、酸化エチレンや過酸化水素は毒性がある上、過酸化水素においては衣類等が溶解するなど取扱者への安全性の問題がある。しかも、酸化エチレン以外の方法では、液体や気体が粘性の関係から、また、紫外線では透過性の関係から長尺状細管の内深部までに行き渡らず、長尺状細管内部まで十分な滅菌処理を行うことが困難である。
また、プラズマを用いた滅菌方法も提案されており、その一例として、特許文献1に示すように、長尺状細管内に放電部を挿入し、該放電部に形成された中心電極と外部電極との間で放電プラズマを発生させるものが提案されている。この方法では、放電部と放電部に電力を供する給電線を共に、長尺状細管内部に挿入する必要がある。
特開2003−210556号公報
しかしながら、中心電極と外部電極との間の導通を避け、かつ両者間に放電空間を確保するため、放電部の外径又は内径を小さくすることは困難であり、しかも給電線が絶縁破壊を起こさないように電線の太さ及び電線間の絶縁性を確保することが必要となる。このため、滅菌対象物である長尺状細管の内径は大きいもの(例えば、5mm以上、好ましくは1cm以上)に限定される上、放電部や給電線の出し入れにより長尺状細管の内壁が傷つき易く、しかも、滅菌処理した後であっても放電部や給電線が内壁に接触すると、放電部等の表面に付着している菌が逆に内壁に付着し、二次感染の原因ともなる。しかも、同一の滅菌処理装置を兼用する場合には、この二次感染は極めて重要な問題となる。
さらに、以下の非特許文献1には、大気圧下におけるカテーテルの滅菌システムが開示されている。この滅菌システムは、細管内部にワイヤ電極を挿入し、該ワイヤ電極と細管外部の接地電極との間でプラズマ流を発生させるものである。
TOPICS「大気圧非平衡プラズマ流による滅菌システムの開発」,日本機械学会誌,Vol.110,No.1063,p.56,2007年6月
しかしながら、細管内部にワイヤ電極を挿入することは、上述した特許文献1の場合と同様に、細管内部への損傷や二次感染の危険性がある。しかも、ワイヤ電極がプラズマによりスパッタリングされ、電極を構成する金属が細管の全長に渡り内部に付着し、細管を汚染することが危惧される。
さらに、細管内部で形成されるプラズマの形成領域は、ワイヤ電極と接地電極との間の極めて局所的な空間である。このため、細管内部全体を滅菌するために、細管と電極とを相対的に移動させる場合には、可動機構などが必要となり構成が煩雑化すると共に、細管内部又は外部への損傷や二次感染の危険性がより高くなる。また、接地電極を円筒状に構成し、細管を取り囲むように接地電極を配置した場合には、多様な径の細管に対応するため異なる径の円筒状接地電極を用意する必要がある。しかも、細管と接地電極とは近接して配置されるため、細管外部が損傷又は二次感染される危険性がある。仮に、円筒状接地電極の径を大きくし、多様な径の細管を設置可能としても、ワイヤ電極と接地電極との距離が大きくなり、電極に印加する電圧が高くなるため、結果としてワイヤ電極や接地電極がプラズマによりスパッタリングされ、細管を汚染する危険性が高くなる。
本発明が解決しようとする課題は、上述した問題を解消し、滅菌対象物である長尺状細管内でプラズマを生成し、長尺状細管内部の滅菌処理を行うためのプラズマ滅菌装置及び方法を提供することである。特に、内径が5mm以下の長尺状細管であっても効率的に滅菌処理できると共に、長尺状細管の内壁又は外壁に対し、損傷を防止し、かつ二次感染の危険性を抑制すると共に、電極のスパッタリングによる長尺状細管の汚染を抑制することを可能としたプラズマ滅菌装置及び方法を提供することである。
請求項1に係る発明は、滅菌対象物である長尺状細管を収容可能であると共に、内部圧力を調整可能な容器と、該長尺状細管の少なくとも一方の端部に配置される電極と、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌装置である。
なお、本発明における「滅菌」の意味は、単に細菌を死滅させることを意味するだけでなく、ウイルスを死滅又は破壊したり、さらには蛋白質や脂質を無害化又は分解・除去することなども包含する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプラズマ滅菌装置において、該一方の端部に配置された電極に対応する他方の電極は、該長尺状細管の他方の端部に配置される電極又は該容器の壁面であることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のプラズマ滅菌装置において、該長尺状細管の端部に配置される電極には、長尺状細管の内外を導通する貫通孔が形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項3に記載のプラズマ滅菌装置において、該電極に形成された貫通孔を介して気体が該長尺状細管内に出入りできるよう、該貫通孔にガス供給手段又はガス排出手段の少なくとも一方が接続されていることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ滅菌装置において、該容器内の圧力を調整する手段を該容器に接続していることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項5に記載のプラズマ滅菌装置において、該容器内に設置された高周波用アンテナを有し、該アンテナに高周波を印加して該容器内にプラズマを生成することを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項6に記載のプラズマ滅菌装置において、該電極への交流電圧の印加と、該アンテナへの高周波の印加を同時行うことが可能であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、滅菌対象物である長尺状細管の少なくとも一方の端部に電極を配置し、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌方法である。
請求項9に係る発明は、請求項8に記載のプラズマ滅菌装置において、該長尺状細管内でのプラズマ生成と同時又は該生成の前後に、該長尺状細管の外部で高周波用アンテナに高周波を印加して他のプラズマを生成することを特徴とする。
請求項10に係る発明は、請求項8又は9に記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の内部の圧力は、該長尺状細管内のプラズマ生成の前後に、該長尺状細管の外部圧力に対し高圧側又は低圧側に調整されていることを特徴とする。
請求項11に係る発明は、請求項8乃至10のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管内でのプラズマ生成時の内部圧力は、100〜10000Paであり、該長尺状細管の外部圧力は該内部圧力の5分の1以下であることを特徴とする。
請求項12に係る発明は、請求項11に記載のプラズマ滅菌方法において、該電極に印加する交流電圧は、周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVであることを特徴とする。
請求項13に係る発明は、請求項8乃至12のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該電極に印加する交流電圧は、所定の周波数を有する交流波形と、該周波数より周期の長いパルス波形とが合成された合成波形を有し、該パルス波形のon期間とoff期間とは、滅菌対象物の表面温度が所定温度以下となるように設定されていることを特徴とする。
請求項14に係る発明は、請求項8乃至13のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管は、樹脂で形成され、内径が5mm以下、長さが10cm以上であることを特徴とする。
請求項15に係る発明は、請求項14に記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の少なくとも一部は、滅菌処理の際に、渦巻状に巻かれていることを特徴とする。
請求項16に係る発明は、請求項8乃至15のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の少なくとも内部には、酸素又は水蒸気を含有するガスが導入されていることを特徴とする。
請求項17に係る発明は、請求項8乃至16のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管は細菌やウイルスの侵入を防止する樹脂製袋に収容されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明により、長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該長尺状細管の少なくとも一方の端部に配置される電極に交流電圧を印加することにより、長尺状細管内にプラズマを生成することが可能となる。例えば、長尺状細管内にはグロー放電が発生するが、長尺状細管外には放電が発生しない状況を実現することができる。この長尺状細管内のプラズマにより、細管の内壁に付着した細菌等を効果的に分解除去することが可能となる。特に、長尺状細管の外部ではグロー放電等に適さない気圧に維持されているため、放電が発生せず、電極に供給された電力を効率的に利用して、長尺状細管の内部にプラズマを発生することが可能となる。
プラズマを生成した際には、電子やイオンだけでなく、紫外線やラジカルなども発生する。例えば、プラズマ中のイオン衝撃による菌の物理的破壊、紫外線によるDNAの破壊、酸素ラジカルやOHラジカルなどのラジカル原子・分子による菌表面のエッチングなど、プラズマやその副次的生成物質等により、ウイルスや細菌を死滅又は破壊したり、さらには蛋白質や脂質を無害化又は分解・除去するなどの滅菌処理を効果的に行うことが可能となる。
さらに、本発明では、長尺状細管の内深部に挿入される部材が全く無いため、長尺状細管の内径が5mm以下の場合に対しても滅菌処理を施すことができるだけでなく、内壁の損傷を防止し、二次感染も抑制することが可能となる。しかも、スパッタリングされた電極材料が長尺状細管の内壁に付着することも無く、本発明ではグロー放電を利用するため、大気圧下のプラズマ生成より電極のスパッタリング自体を抑制することも可能となる。
請求項2に係る発明により、一方の端部に配置された電極に対応する他方の電極が、長尺状細管の他方の端部に配置される電極の場合には、一方の電極の設置と同様に、長尺状細管の端部に電極を取り付けるだけで良いため、従来の細管内に電極を配置する滅菌処理より作業負担も少なく、細管を損傷する等の弊害も無い。また、他方の電極が容器の壁面である場合には、長尺状細管に他方の電極を取り付ける作業は、全く不要となる。
請求項3に係る発明により、長尺状細管の端部に配置される電極には、長尺状細管の内外を導通する貫通孔が形成されているため、該貫通孔を通じて、長尺状細管の内部に気体を導入したり、内部の気体を排出することも可能となる。また、貫通孔の口径を調整することにより、多様な内径を有する長尺状細管に対しても管の内部と外部との圧力差を所定の値に維持することが可能となり、管内部でプラズマを効率良く生成することが可能となる。
請求項4に係る発明により、電極に形成された貫通孔を介して気体が長尺状細管内に出入りできるよう、該貫通孔にガス供給手段又はガス排出手段の少なくとも一方が接続されているため、長尺状細管内の気体を強制的に入れ替えることが可能となる。これにより、プラズマ化し易いアルゴンガスや滅菌効果の高い酸素ガスなど滅菌処理に適したガスを、長尺状細管内に導入でき、さらには、滅菌処理で発生したガスを長尺状細管外に排出することが可能となる。
請求項5に係る発明により、容器内の圧力を調整する手段を該容器に接続しているため、容器内の圧力を調整することにより、長尺状細管に接続した電極により生成されるプラズマが、長尺状細管の外部で発生するのを抑制したり、後述するように、長尺状細管の外部表面を滅菌するためのプラズマを容器内に生成するのに適した気圧に調製することなどが可能となる。
請求項6に係る発明により、容器内に設置された高周波用アンテナを有し、該アンテナに高周波を印加して該容器内にプラズマを生成するため、長尺状細管の外部表面にプラズマやプラズマにより生成される酸素ラジカルなどが接触し、該表面を滅菌することが可能となる。特に、長尺状細管内の圧力がグロー放電に適した気圧であるのに対し、容器内はそれよりも低い気圧となっているため、高周波用アンテナを用いて容易にプラズマを生成することが可能となる。
請求項7に係る発明により、電極への交流電圧の印加と、アンテナへの高周波の印加を同時行うことが可能であるため、長尺状細管の内壁と外壁を同時に滅菌処理することが可能となる。
請求項8に係る発明により、滅菌対象物である長尺状細管の少なくとも一方の端部に電極を配置し、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加するため、請求項1と同様に、長尺状細管内にプラズマを生成することが可能となる。特に、長尺状細管内にはグロー放電が発生するが、長尺状細管外には放電が発生しない状況を実現することができる。
しかも、長尺状細管の内深部に挿入される部材が全く無いため、長尺状細管の内径が5mm以下の場合に対しても滅菌処理を施すことができるだけでなく、内壁の損傷を防止し、二次感染も抑制することが可能となる。しかも、スパッタリングされた電極材料が長尺状細管の内壁に付着することも無く、本発明ではグロー放電を利用するため、大気圧下のプラズマ生成より電極のスパッタリング自体を抑制することも可能となる。
請求項9に係る発明により、長尺状細管内でのプラズマ生成と同時又は該生成の前後に、長尺状細管の外部で高周波用アンテナに高周波を印加して他のプラズマを生成するため、長尺状細管の内壁の滅菌処理と併せて、外壁も滅菌処理することが可能となる。
請求項10に係る発明により、長尺状細管の内部の圧力は、該長尺状細管内のプラズマ生成の前後に、該長尺状細管の外部圧力に対し高圧側又は低圧側に調整されているため、長尺状細管内のガスを排気又は吸気することが可能となる。これにより、長尺状細管内の滅菌処理により劣化したガスを排出し、外部の新鮮なガス(外部でプラズマを生成している場合に、外部のプラズマやラジカル等)を細管内に吸入することができる。
請求項11に係る発明により、長尺状細管内でのプラズマ生成時の内部圧力は、100〜10000Paであり、該長尺状細管の外部圧力は該内部圧力の5分の1以下であるため、長尺状細管内にはグロー放電によるプラズマ生成が可能となると共に、例えば周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVの交流電源では、長尺状細管外でのプラズマ生成が難しい環境を容易に設定することが可能となる。
請求項12に係る発明により、電極に印加する交流電圧は、周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVであるため、長尺状細管内にグロー放電によるプラズマ生成を容易かつ効率的に行うことが可能となる。
請求項13に係る発明により、電極に印加する交流電圧は、所定の周波数を有する交流波形と、該周波数より周期の長いパルス波形とが合成された合成波形を有し、該パルス波形のon期間とoff期間とは、滅菌対象物の表面温度が所定温度以下となるように設定されているため、滅菌対象物が樹脂で形成される場合など耐熱性が低い場合でも、滅菌対象物の表面温度の上昇を抑制しながら、プラズマによる滅菌処理を行うことが可能となる。
請求項14に係る発明により、長尺状細管は、樹脂で形成され、内径が5mm以下、長さが10cm以上であるため、上記請求項7乃至10に係る発明を当該長尺状細管に適用することにより、従来十分な滅菌処理が困難であった当該長尺状細管に対しても好適に滅菌処理を行うことが可能となる。
請求項15に係る発明により、長尺状細管の少なくとも一部は、滅菌処理の際に、渦巻状に巻かれているため、長尺状細管の内部と外部との圧力の差をより大きくすることが可能となり、例えば、長尺状細管内のみにプラズマを生成する環境を容易に実現することが可能となる。
請求項16に係る発明により、長尺状細管の少なくとも内部には、酸素又は水蒸気を含有するガスが導入されているため、酸素ラジカルやOHラジカルが発生し、より滅菌効果を高めることが可能となる。
請求項17に係る発明により、長尺状細管は細菌やウイルスの侵入を防止する樹脂製袋に収容されているため、長尺状細管の内部や外部を滅菌処理した後の包装処理等で細菌等が付着することを抑制でき、しかも、該樹脂製袋に収容され続けることにより、長期に渡り滅菌状態を維持することも可能となる。
本発明に係るプラズマ滅菌装置の概略を示す図である。 長尺状細管の端部に配置した電極の様子の概略を示す図である。 長尺状細管の両端に貫通孔を有する電極を配置した様子を示す図である。 長尺状細管を取り囲む電極を示す図である。 長尺状細管の端部に配置した他の電極の形状を示す図である。 電極に印加する交流電圧の波形を示す図である。 樹脂製袋に長尺状細管を収容した様子を示す図である。 マイクロ波用アンテナを併設したプラズマ滅菌装置の概略を示す図である。 長尺状細管の内部にグロー放電を生成した実験写真である。 図9のグロー放電に係る分光結果を示すグラフである。 長尺状細管内に電極側からガスを導入するプラズマ滅菌装置の概略を示す図である。 水蒸気を含む空気を長尺状細管内に導入し放電した際の分光結果を示すグラフである。
符号の説明
1 長尺状細管
2 容器
3 ガス排出用バルブ
4 ガス供給用バルブ
5,51〜55,58 電極
6 給電線
7 交流電圧源
8 載置台
9,12 排出ガス
10,11 供給ガス
21 ガス供給用パイプ
22 給電用端子
23 連結手段
24 管状電極
57 電極(リード線)
60 交流電圧
61 マイクロ波用アンテナ
62 マイクロ波
本発明のプラズマ滅菌装置及び方法について、以下に詳細に説明する。
(プラズマ滅菌装置の構造及び原理)
図1は、本発明に係るプラズマ滅菌装置の概略を示す図である。
本発明のプラズマ滅菌装置は、滅菌対象物である長尺状細管1を収容可能であると共に、内部圧力を調整可能な容器2と、該長尺状細管の少なくとも一方の端部に配置される電極5と、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧7を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とする。なお、符号6は、交流電圧を電極5に供給する給電線である。
本発明の特徴は、長尺状細管1の内部と外部とで所定の圧力差を有する状況を実現することで、長尺状細管1の内部に効率良くプラズマを生成することである。一般的に、内部と外部とでは、いずれの側の圧力が高い場合でも本発明は適用可能であるが、例えば、長尺状細管の管壁の機械的強度が低い場合には、外圧を内圧より高くすると、細管が押し潰され、プラズマの発生が難しくなる。また、内圧を外圧より低くするためには、長尺状細管にガスを導入又は排出するための配管を接続することが必要となる。なお、以下の説明では、特段の言及がない限り、「長尺状細管」とは細管の両端が開口し、細管内部が連通している形状を意味する。
長尺状細管の内部圧力は、100〜10000Paの範囲に設定することにより、グロー放電を生成することが可能であり、長尺状細管の外部圧力は該内部圧力の5分の1以下、より好ましくは10分の1以下とすることで、長尺状細管外ではプラズマ生成が難しい環境(特に、グロー放電は発生しない環境)を容易に実現することが可能となる。
本発明のプラズマ滅菌装置では、滅菌対象物に長尺状細管、特に、内径が5mm以下、長さが10cm以上の長尺状細管を使用する場合には、長尺状細管1の内部と外部とでは圧力差がより大きくなる傾向を示すため、上記所定の圧力差をより容易に実現することが可能となる。
また、長尺状細管1の少なくとも一部を、渦巻状に巻くことにより、長尺状細管の内部と外部との圧力の差をより大きくすることが可能となる。一般的に巻く曲率半径を小さくすることにより、長尺状細管内の気体が移動するのを抑制でき、上記圧力差をより大きくすることが可能となる。
さらに、図2に示すように、長尺状細管1の端部に取り付けた電極51には、長尺状細管の内外を導通する貫通孔Hを形成することが可能である。該貫通孔Hを通じて、長尺状細管の内部に気体を導入したり、内部の気体を排出することも可能となる。また、貫通孔の口径Hを調整することにより、多様な内径を有する長尺状細管に対しても管の内部と外部との圧力差を所定の値に維持することが可能となる。
図1に示すプラズマ滅菌装置においては、容器2内を所定の圧力に調整するため、不図示のガス供給手段や該ガス供給手段から提供される供給ガス10を容器内に導入するためのバルブ4、さらには不図示のガス排出手段や該ガス排出手段により排出される排気ガス9を容器内から導出するバルブ3などが設けられている。
また、容器2内には、必要に応じて長尺状細管1を載置するための載置台8を設けることも可能である。なお、載置台8は、プラズマの生成に支障を来たさないように、非導電性材料で構成すると共に、載置台8により容器内のガスの移動が妨げられないように、網目状などの形状とすることが好ましい。
長尺状細管の内部の圧力は、該長尺状細管内のプラズマ生成の前後に、該長尺状細管の外部圧力に対し高圧側又は低圧側に調整することも可能である。圧力の調整方法としては、容器2内の圧力を例えば数分間隔で周期的に変動させる方法や、長尺状細管にガス供給手段又はガス排出手段を接続し直接的に内部圧力を調整する方法などがある。
このような圧力調整により、長尺状細管内の滅菌処理により劣化したガスを排気したり、外部の新鮮なガスを吸気することが可能となる。また、長尺状細管の外部にプラズマを生成している場合には、外部のプラズマや酸素ラジカル等を、長尺状細管内に導入することができる。
(滅菌対象物)
本発明のプラズマ滅菌装置及び方法が対象とする滅菌対象物は、長尺状細管であり、具体的には、カテーテルや内視鏡など内径が5mm以下、長さが10cm以上の長尺状細管である。長尺状細管を構成する材料については特に限定されないが、非導電性材料で構成される必要があり、特に、シリコンゴム、ポリイミド、塩化ビニール、ポリウレタン、フッ素樹脂など、樹脂系材料で構成された長尺状細管には、本発明を好適に適用することが可能である。
本発明により長尺状細管の表面、特に、内壁に付着した各種菌を滅菌することが可能となるが、本発明はこれらの菌に限定されるだけでなく、カテーテル等の内壁に付着した脂質や蛋白質に対しても分解除去を可能とするものである。
(電極構造)
長尺状細管に取り付ける電極としては、図2に示すように、長尺状細管1の内部に挿入される電極51が好適に利用可能である。また、電極内には、貫通孔Hを形成し、長尺状細管1の内部に気体が出入りできるよう構成することが好ましい。図3は、貫通孔を有する電極51及び52を用いて、長尺状細管1の両端に電極を配置した例である。各電極の貫通孔にガス供給手段やガス排出手段からの配管を接続し、図3のように長尺状細管1に対して強制的にガス11を導入し、また、ガス12を排出するよう構成することも可能である。
長尺状細管の内部にプラズマを生成するための電極は、少なくとも一方の電極は細管の端部に取り付け、他方の電極は、図1に示すように容器2本体を用いたり、図3に示すように一方の電極と同様に他の電極を細管の端部に取り付けることも可能である。
さらに、電極は、図2又は3のように、細管の内部に配置するものだけではなく、図4(a)に示すように長尺状細管1の外径より大きな内径を有する電極53を設け、長尺状細管1の端部配置することも可能である。また、図4(b)に示すように、長尺状細管1の途中に管状電極54を配置し、細管内にプラズマを生成することも可能である。
電極の他の形状としては、図5に示すように、電極55が長尺状細管1の一端を塞ぐように構成することも可能である。
電極を形成する材料としては、導電性金属であれば、各種のものが適用可能であるが、医療用のカテーテルなど、人体の内部に挿入される長尺状細管に対しては、銅以外の金属、例えば、金、アルミニウム、ステンレスなどが好適に利用可能である。
図5に示すように、電極55の全体を、金などの導電性を有し、かつ人体に無害な金属で構成するだけでなく、長尺状細管の内部に位置する電極表面56、又は電極の全表面を、金等でメッキ処理することも可能である。
このような電極の材料や表面処理については、図2又は図4などの管状電極についても同様に適用可能である。
(駆動方法)
長尺状細管に取り付けられた電極に印加する交流電圧の電圧値や周波数及び波形は、プラズマ生成に必要な電力を供給すること、及び生成されたプラズマにより長尺状細管自体を損傷することなく滅菌処理を行うことが可能であることを考慮して、設定される。
プラズマの生成条件は、長尺状細管内のガスの圧力や材料に依存し、例えば、ガスとしては、酸素、アルゴンと酸素の混合、水蒸気、二酸化炭素など各種のガスが利用可能である。また、長尺状細管内の圧力としては、交流電圧を用いてグロー放電が発生可能な100〜10000Paの範囲で任意に選択可能である。
印加する交流電圧には、周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVの範囲で任意の値が設定できる。周波数が1kHzより小さい場合には、グロー放電の維持が困難であり、また、100kHzを超えると長尺状細管内部の温度が高温(例えば、70℃以上)となり、長尺状細管に熱損傷を与えることとなる。さらに100kHzを超える交流電源は高価であると共に大型化し、コスト的及びスペース的にも問題となる。また、電圧が1kVより低いと、グロー放電を生成できず、10kVを超えるとアーク放電が生じる上、樹脂等の耐熱性の低い材料で長尺状細管が構成されている場合には、細管の損傷が発生する。
また、滅菌対象物が樹脂で形成される場合など耐熱性が低い場合には、滅菌対象物の表面温度の上昇を抑制しながら、プラズマによる滅菌処理を行うことが必要となる。交流電圧の電圧値を下げることで、プラズマに与えるエネルギーを減少させ、滅菌対象物に与える損傷を抑制することが可能であるが、電圧値が低下し過ぎると、プラズマ自体を生成することが不可能となる。
このため、プラズマの生成時間を調整することにより、滅菌対象物の表面温度の上昇を抑制する。具体的には、図6に示すように、電極に印加する交流電圧は、所定の周波数を有する交流波形Wと、該周波数より周期の長いパルス波形Pとが合成された合成波形を有し、該パルス波形Pのon期間t1とoff期間t2とを調整している。パルス波形の周波数(1/(t1+t2))は1pps〜100pps(pulse per second)が好適に利用可能である。また、t1/(t1+t2)の値が大きくなるほど、滅菌対象物の温度が上昇し、t2の値が大きくなるほど、プラズマの再生成が難しくなる。また、図6では、パルス波形Pの最大値を1、最小値を0としたが、例えば、最小値を0〜0.5の範囲に設定し、プラズマやそれに関連したラジカル原子などを完全に消滅させないように構成することも可能である。
(抗菌用袋の利用)
カテーテルなどの長尺状細管は、使用直前まで、細菌や汚れの付着を抑制することが必要なため、細菌の侵入を防止する樹脂製袋に収容される場合がある。
このような樹脂製袋は、細菌の侵入は抑制されるが、気体の出入りは可能な特性を有している。具体例としては、例えば、100%ポリエチレン連続性極細長繊維を熱と圧力で結合させた不織布シート(デュポン社製,タイベック(登録商標))を用いた袋等がある。
長尺状細管を滅菌処理した後に、別途、樹脂製袋内に長尺状細管を収容する作業(包装処理)等を行うと、その際に、長尺状細管に細菌が付着したり、樹脂製袋内に細菌が侵入する危険性がある。このような不具合を除去するため、本発明では、図7に示すように、樹脂製袋20内に長尺状細管1を保持したまま、長尺状細管を滅菌処理することを可能としている。
長尺状細管1を樹脂製袋20内に密封した状態で、長尺状細管1内にプラズマを生成するために、本発明では、長尺状細管1に設置された電極に交流電圧を供給可能なリード線57を、密封状態を維持しながら、図7に示すように樹脂製袋20の外側に導出している。
図7の樹脂製袋に収容した長尺状細管を滅菌する際には、該袋を容器2内に配置し、該袋から出たリード線57の端子に、例えば、図1に示す給電線6の端子を接続し、容器2内を所定の圧力に維持して、長尺状細管内にプラズマを生成する。そして、滅菌終了後は、リード線57から給電線6が取り外され、長尺状細管1は、樹脂製袋20に収容したまま保管され、長尺状細管を使用する時まで、滅菌状態を維持することも可能となる。
(外部表面の滅菌装置との併用)
図1に示したプラズマ滅菌装置では、長尺状細管1の内部を滅菌することを主眼としているが、長尺状細管の外部表面についても併せて滅菌する必要がある場合がある。このような場合では、長尺状細管1の外部で容器2の内においてもプラズマや酸素ラジカル等を発生させる必要がある。これらの発生方法としては種々の方法が適用可能であるが、例えば、特許文献2に記載の高周波(RF)とアンテナを用いる方法が好適に利用可能である。
特開2006−20950号公報
図8は、長尺状細管1の外部を滅菌するために、別途、プラズマ発生装置を付加したプラズマ滅菌装置の概略図である。長尺状細管の外部用に対するプラズマの生成方法としては、高周波用アンテナ61を容器2内に配置し、該アンテナに10MHz以上の高周波(RF)62を入力する。
通常、長尺状細管1の外部の圧力は、長尺状細管1の内部圧力の5分の1以下、好ましくは10分の1以下であるため、高周波によるプラズマの生成がより容易な環境でもある。しかも、長尺状細管の内部を電極5に交流電圧60(1kHz〜100kHz)印加すると同時に、高周波62(10MHz以上)を入力しても、お互いの周波数が2桁以上も異なるため互いに干渉が発生せず、長尺状細管1内外を同時に滅菌することも可能となる。当然、長尺状細管の内部と外部とを別々のタイミングで滅菌することも可能である。
なお、図8における符号30は、容器2内の排出ガス9を排出するための配管を示し、符号40は、容器2内に供給ガス10を供給するための配管を示す。
図1に示すプラズマ滅菌装置において、滅菌対象物として内径2mm又は4mm、長さ50cmの長尺状細管(材質;シリコンゴム)を用いて実験を行った。
長尺状細管の一方のみに電極5を設置し、円筒形の容器2(内径200mm,長さ500mm,材質;ステンレス)自体を接地電極とした。
容器2内に酸素ガスを導入し、容器2内(長尺状細管1の外部)の圧力を200Pa〜340Paの範囲に設定した。
次に、図6のような周波数10kHz、電圧4〜6kV、パルス波形周波数10ppsの交流電圧を電極5に印加した。
この際、長尺状細管の内部のみにグロー放電が発生するのが確認された。内径2mmの長尺状細管の内部にグロー放電を発生させた様子を図9に示す。これにより、長尺状細管内のみで安定してプラズマが生成されていることが理解される。
また、グロー放電中の長尺状細管より放出される放射光のスペクトル分析を行った。分光計測器は、相馬光学S−2400を使用した。分光結果を図10に示す。この分光結果から、777nmに酸素ラジカルのピークが観察された。なお、水素のスペクトルピークは、長尺状細管内に付着した水分がプラズマで分解して発生したものと想定される。
次に、滅菌効果を確認するため、コロニーカウント法を用いて試験を行った。
まず、内径4mmの長尺状細管内で、電極5のから20cmと45cmの位置に、試験片(細菌種類:Geobacillus stearothermophilus,商品名;BACTERIAL SPORE TEST STRIP,製造社名;Raven Biological Laboratories)を配置した。
次に、容器2内に、酸素ガスを導入して、グロー放電を発生させた。その他の条件は上述したものと同様である。
放電時間を1,3,5,7,10,20分の6段階で変化させ、各放電時間終了後に試験片を長尺状細管から取り出し、培地上で培養し、コロニーを観察した。観察結果を表1に示す。なお、細菌のコロニーが観察された場合を(+)で、滅菌処理が完了しコロニーが観察されない場合を(−)で示す。
Figure 2009020105
表1より、長尺状細管内で20cmの位置では約3分程度で、同45cmの位置では約20分程度で完全に滅菌処理が行われていることが、容易に理解される。よって、本発明のプラズマ滅菌装置及び方法は、細菌の滅菌処理に有効に機能するものである。
次に、蛋白質の分解について、以下の方法で試験を行った。
内径4mmの長尺状細管(シリコンゴム製)の内部に蛋白質「フィブリノゲン」を主成分とする牛の血液を塗布し、上述した方法と同様に酸素プラズマで処理を行い、処理前と処理後の長尺状細管を、FTIR(赤外分光光度計)で分光スペクトルを調べた。
特に、分光スペクトル上のフィブリノゲンに相当する部分ピークが、処理前後でどの程度減少したかにより、分解率(%)を測定した。
プラズマ処理が1時間の場合は、約70%の分解率が達成でき、2時間では、ほぼ完全に除去が可能であることを確認している。このことからも、本発明のプラズマ滅菌装置及び方法が、蛋白質の分解にも有効に機能することが理解される。
次に、図11に示すプラズマ滅菌装置において、滅菌対象物として内径2mm、長さ300mmの長尺状細管(材質;シリコンゴム)を用いて実験を行った。
図11のプラズマ滅菌装置では、長尺状細管1の内部に電極58側からガスを導入するための構成を設けている。具体的には、図11(b)に示すように、外部からの給電用端子22は、金属性の連結手段23に接続されている。連結手段23は、給電用端子22から供給される交流電圧を、長尺状細管1が接続される管状電極24に伝導する役割を有する。また、連結手段23には、ガスを供給するための非導電性材料(ガラス等)で形成されるガス供給用パイプ21が接続され、図11(b)の矢印に示すように、ガス供給用パイプ21内のガスは、連結手段23の内部の空洞を通って管状電極24に導出される。
長尺状細管1は電極58の管状電極24に接続され、円筒形の容器2(内径200mm,長さ500mm,材質;ステンレス)内に収容すると共に、容器2自体を接地電極とした。
長尺状細管1が接続された電極58には、交流電圧7とガス11とが供給される。また、容器2内(長尺状細管1の外部)の圧力は、100Pa以下、好ましくは1〜30Paの範囲に設定した。容器2内の圧力は、電極58側から供給されるガスが、長尺状細管の他端部から円滑に排出されるような圧力であり、電極58に印加される交流電圧で長尺状細管1の外部にプラズマが発生しないような圧力に設定することが好ましい。このため、長尺状細管1の内径が狭い程、また該細管1が長いほど、一般的に容器2内の圧力は低く設定される。
長尺状細管1内に供給される供給ガス11は、酸素ガスのみでも良いが、以下では、水蒸気発生器を介して供給されるガスを利用しており、具体的には、水蒸気を含む空気又は水蒸気を含む酸素が用いられている。
交流電圧には、図6のような周波数10kHz、電圧3〜6kV、パルス波形周波数10ppsの交流電圧を用いた。
水蒸気を含む空気を長尺状細管1の内部に導入し、グロー放電を発生させた。その際に、長尺状細管から放出される放射光のスペクトル分析を行った結果を、図12に示す。図12の分光結果から、OHラジカルも発生していることが、容易に理解される。
次に、滅菌効果を確認するため、コロニーカウント法を用いて試験を行った。
まず、内径4mmの長尺状細管内で、電極5のから10,20,30cmの位置に、試験片(細菌種類:Geobacillus stearothermophilus,商品名;BACTERIAL SPORE TEST STRIP,製造社名;Raven Biological Laboratories)を配置した。
次に、長尺状細管内に、水蒸気を含む酸素ガスを導入して、グロー放電を発生させた。その他の条件は上述したものと同様である。
放電時間を1,5,10分の3段階で変化させ、各放電時間終了後に試験片を長尺状細管から取り出し、培地上で培養し、コロニーを観察した。観察結果を表2に示す。なお、細菌のコロニーが観察された場合を(+)で、滅菌処理が完了しコロニーが観察されない場合を(−)で示す。
Figure 2009020105
表2より、内径2mmの長尺状細管内でも、20cmの位置では約1分程度で、同30cmの位置でも、約5分程度で完全に滅菌処理が行われていることが、容易に理解される。よって、本発明のプラズマ滅菌装置及び方法は、細菌の滅菌処理に有効に機能するものである。
以上説明したように、本発明によれば、滅菌対象物である長尺状細管内でプラズマを生成し、長尺状細管内部の滅菌処理を行うためのプラズマ滅菌装置及び方法を提供することが可能となる。特に、内径が5mm以下の長尺状細管であっても効率的に滅菌処理できると共に、長尺状細管の内壁に対し、損傷を防止し、かつ二次感染の危険性を抑制することが可能であり、さらに電極のスパッタリングによる長尺状細管の汚染を抑制することを可能としたプラズマ滅菌装置及び方法を提供することができる。
この発明は、プラズマ滅菌方法に関し、特に、滅菌対象物である長尺状細管をプラズマを用いて滅菌処理を行うプラズマ滅菌方法に関する。
本発明が解決しようとする課題は、上述した問題を解消し、滅菌対象物である長尺状細管内でプラズマを生成し、長尺状細管内部の滅菌処理を行うためのプラズマ滅菌方法を提供することである。特に、内径が5mm以下の長尺状細管であっても効率的に滅菌処理できると共に、長尺状細管の内壁又は外壁に対し、損傷を防止し、かつ二次感染の危険性を抑制すると共に、電極のスパッタリングによる長尺状細管の汚染を抑制することを可能としたプラズマ滅菌方法を提供することである。
請求項1に係る発明は、滅菌対象物である長尺状細管の少なくとも一方の端部に電極を配置し、該長尺状細管の少なくとも内部には、水蒸気を含有するガスが導入され、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌方法である。
なお、本発明における「滅菌」の意味は、単に細菌を死滅させることを意味するだけでなく、ウイルスを死滅又は破壊したり、さらには蛋白質や脂質を無害化又は分解・除去することなども包含する。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のプラズマ滅菌装置において、該長尺状細管内でのプラズマ生成と同時又は該生成の前後に、該長尺状細管の外部で高周波用アンテナに高周波を印加して他のプラズマを生成することを特徴とする。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の内部の圧力は、該長尺状細管内のプラズマ生成の前後に、該長尺状細管の外部圧力に対し高圧側又は低圧側に調整されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管内でのプラズマ生成時の内部圧力は、100〜10000Paであり、該長尺状細管の外部圧力は該内部圧力の5分の1以下であることを特徴とする。
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のプラズマ滅菌方法において、該電極に印加する交流電圧は、周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVであることを特徴とする。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該電極に印加する交流電圧は、所定の周波数を有する交流波形と、該周波数より周期の長いパルス波形とが合成された合成波形を有し、該パルス波形のon期間とoff期間とは、滅菌対象物の表面温度が所定温度以下となるように設定されていることを特徴とする。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管は、樹脂で形成され、内径が5mm以下、長さが10cm以上であることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、請求項7に記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の少なくとも一部は、滅菌処理の際に、渦巻状に巻かれていることを特徴とする。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管は細菌やウイルスの侵入を防止する樹脂製袋に収容されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明により、滅菌対象物である長尺状細管の少なくとも一方の端部に電極を配置し、該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加するため、長尺状細管内にプラズマを生成することが可能となる。例えば、長尺状細管内にはグロー放電が発生するが、長尺状細管外には放電が発生しない状況を実現することができる。この長尺状細管内のプラズマにより、細管の内壁に付着した細菌等を効果的に分解除去することが可能となる。特に、長尺状細管の外部ではグロー放電等に適さない気圧に維持されているため、放電が発生せず、電極に供給された電力を効率的に利用して、長尺状細管の内部にプラズマを発生することが可能となる。
さらに、本発明では、長尺状細管の内深部に挿入される部材が全く無いため、長尺状細管の内径が5mm以下の場合に対しても滅菌処理を施すことができるだけでなく、内壁の損傷を防止し、二次感染も抑制することが可能となる。しかも、スパッタリングされた電極材料が長尺状細管の内壁に付着することも無く、本発明ではグロー放電を利用するため、大気圧下のプラズマ生成より電極のスパッタリング自体を抑制することも可能となる。しかも、長尺状細管の少なくとも内部には、水蒸気を含有するガスが導入されているため、酸素ラジカルやOHラジカルが発生し、より滅菌効果を高めることが可能となる。
請求項2に係る発明により、長尺状細管内でのプラズマ生成と同時又は該生成の前後に、長尺状細管の外部で高周波用アンテナに高周波を印加して他のプラズマを生成するため、長尺状細管の内壁の滅菌処理と併せて、外壁も滅菌処理することが可能となる。
請求項3に係る発明により、長尺状細管の内部の圧力は、該長尺状細管内のプラズマ生成の前後に、該長尺状細管の外部圧力に対し高圧側又は低圧側に調整されているため、長尺状細管内のガスを排気又は吸気することが可能となる。これにより、長尺状細管内の滅菌処理により劣化したガスを排出し、外部の新鮮なガス(外部でプラズマを生成している場合に、外部のプラズマやラジカル等)を細管内に吸入することができる。
請求項4に係る発明により、長尺状細管内でのプラズマ生成時の内部圧力は、100〜10000Paであり、該長尺状細管の外部圧力は該内部圧力の5分の1以下であるため、長尺状細管内にはグロー放電によるプラズマ生成が可能となると共に、例えば周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVの交流電源では、長尺状細管外でのプラズマ生成が難しい環境を容易に設定することが可能となる。
請求項5に係る発明により、電極に印加する交流電圧は、周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVであるため、長尺状細管内にグロー放電によるプラズマ生成を容易かつ効率的に行うことが可能となる。
請求項6に係る発明により、電極に印加する交流電圧は、所定の周波数を有する交流波形と、該周波数より周期の長いパルス波形とが合成された合成波形を有し、該パルス波形のon期間とoff期間とは、滅菌対象物の表面温度が所定温度以下となるように設定されているため、滅菌対象物が樹脂で形成される場合など耐熱性が低い場合でも、滅菌対象物の表面温度の上昇を抑制しながら、プラズマによる滅菌処理を行うことが可能となる。
請求項7に係る発明により、長尺状細管は、樹脂で形成され、内径が5mm以下、長さが10cm以上であるため、上記請求項7乃至10に係る発明を当該長尺状細管に適用することにより、従来十分な滅菌処理が困難であった当該長尺状細管に対しても好適に滅菌処理を行うことが可能となる。
請求項8に係る発明により、長尺状細管の少なくとも一部は、滅菌処理の際に、渦巻状に巻かれているため、長尺状細管の内部と外部との圧力の差をより大きくすることが可能となり、例えば、長尺状細管内のみにプラズマを生成する環境を容易に実現することが可能となる。
請求項9に係る発明により、長尺状細管は細菌やウイルスの侵入を防止する樹脂製袋に収容されているため、長尺状細管の内部や外部を滅菌処理した後の包装処理等で細菌等が付着することを抑制でき、しかも、該樹脂製袋に収容され続けることにより、長期に渡り滅菌状態を維持することも可能となる。

Claims (17)

  1. 滅菌対象物である長尺状細管を収容可能であると共に、内部圧力を調整可能な容器と、
    該長尺状細管の少なくとも一方の端部に配置される電極と、
    該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ滅菌装置において、該一方の端部に配置された電極に対応する他方の電極は、該長尺状細管の他方の端部に配置される電極又は該容器の壁面であることを特徴とするプラズマ滅菌装置。
  3. 請求項2に記載のプラズマ滅菌装置において、該長尺状細管の端部に配置される電極には、長尺状細管の内外を導通する貫通孔が形成されていることを特徴とするプラズマ滅菌装置。
  4. 請求項3に記載のプラズマ滅菌装置において、該電極に形成された貫通孔を介して気体が該長尺状細管内に出入りできるよう、該貫通孔にガス供給手段又はガス排出手段の少なくとも一方が接続されていることを特徴とするプラズマ滅菌装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ滅菌装置において、該容器内の圧力を調整する手段を該容器に接続していることを特徴とするプラズマ滅菌装置。
  6. 請求項5に記載のプラズマ滅菌装置において、該容器内に設置された高周波用アンテナを有し、該アンテナに高周波を印加して該容器内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌装置。
  7. 請求項6に記載のプラズマ滅菌装置において、該電極への交流電圧の印加と、該アンテナへの高周波の印加を同時行うことが可能であることを特徴とするプラズマ滅菌装置。
  8. 滅菌対象物である長尺状細管の少なくとも一方の端部に電極を配置し、
    該長尺状細管の内部と外部とで所定の圧力差を有するように、該長尺状細管の内部又は外部の圧力を調整した状態で、該電極に交流電圧を印加することにより、該長尺状細管内にプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  9. 請求項8に記載のプラズマ滅菌装置において、該長尺状細管内でのプラズマ生成と同時又は該生成の前後に、該長尺状細管の外部で高周波用アンテナに高周波を印加して他のプラズマを生成することを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  10. 請求項8又は9に記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の内部の圧力は、該長尺状細管内のプラズマ生成の前後に、該長尺状細管の外部圧力に対し高圧側又は低圧側に調整されていることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  11. 請求項8乃至10のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管内でのプラズマ生成時の内部圧力は、100〜10000Paであり、該長尺状細管の外部圧力は該内部圧力の5分の1以下であることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  12. 請求項11に記載のプラズマ滅菌方法において、該電極に印加する交流電圧は、周波数が1kHz〜100kHz、電圧が1kV〜10kVであることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  13. 請求項8乃至12のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該電極に印加する交流電圧は、所定の周波数を有する交流波形と、該周波数より周期の長いパルス波形とが合成された合成波形を有し、該パルス波形のon期間とoff期間とは、滅菌対象物の表面温度が所定温度以下となるように設定されていることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  14. 請求項8乃至13のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管は、樹脂で形成され、内径が5mm以下、長さが10cm以上であることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  15. 請求項14に記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の少なくとも一部は、滅菌処理の際に、渦巻状に巻かれていることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  16. 請求項8乃至15のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管の少なくとも内部には、酸素又は水蒸気を含有するガスが導入されていることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
  17. 請求項8乃至16のいずれかに記載のプラズマ滅菌方法において、該長尺状細管は細菌やウイルスの侵入を防止する樹脂製袋に収容されていることを特徴とするプラズマ滅菌方法。
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