本発明は、Zadoff-Chu系列などのCAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto-correlation Code)系列又はCAZAC系列に準ずる系列を参照信号に用いる無線送信装置及び無線通信方法に関する。
3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long-term Evolution)では、上りリンク又は下りリンクの伝搬路の推定にRS(Reference Signal)が利用される。RSには、データ復調用の伝搬路推定に利用されるDM (Demodulation)-RSと周波数スケジューリング用のチャネル品質推定に利用されるSRS (Sounding RS)とがある。
3GPP LTEの上りリンクでは、RSの帯域幅として複数の帯域幅が検討されている。非特許文献1では、DM-RSをデータ送信帯域幅と同一の帯域幅で送信することが検討されている。また、非特許文献2では、SRSを1.25MHz、5MHz、10MHzの3種類の帯域幅で送信することが検討されている。なお、以下の説明では送信帯域幅とRB(Resource Block)数とは同義であるものとして扱う。
また、3GPP LTEでは、上りリンクのRSにCAZAC系列の一種であるZC系列を利用することが検討されている。ZC系列は時間領域で表記すると以下の式(1)で表される。
ここで、Nは系列長、rは時間領域でのZC系列番号であり、Nとrは互いに素である。また、pは任意の整数(一般的には、p=0)を表す。以下では、系列長Nが奇数の場合を用いて説明するが、偶数の場合も同様に適用できる。
式(1)のZC系列を時間領域で巡回シフトすることにより得られる巡回シフトZC系列、あるいはZC-ZCZ (Zadoff-Chu Zero Correlation Zone)系列は、次の式(2)で表される。
ここで、mは巡回シフト系列番号、Δは巡回シフト量を表す。±の符号はいずれであってもよい。さらに、式(1)の時間領域ZC系列をフーリエ変換により周波数領域に変換した系列もZC系列となる。ZC系列は周波数領域で表記すると以下の式(3)で表される。
ここで、Nは系列長、uは周波数領域でのZC系列番号であり、Nとuは互いに素である。また、qは任意の整数(一般的には、q=0)を表す。同様に、式(2)の時間領域でのZC-ZCZ系列を周波数領域で表記すると、巡回シフトと位相回転とがフーリエ変換対の関係にあることから次の式(4)で表される。
ここで、Nは系列長、uは周波数領域でのZC系列番号であり、Nとuは互いに素である。また、mは巡回シフト系列番号、Δは巡回シフト量、qは任意の整数(一般的には、q=0)を表す。
式(4)で表されるZC-ZCZ系列では、系列番号(u)の異なる系列及び巡回シフト量(Δm)の異なる系列の2種類をRSに利用することができる(図1参照)。系列番号の異なる系列間は準直交(相関が低く、ほぼ直交)の関係が成り立つ。一方、巡回シフト量の異なる系列間は直交の関係が成り立つため、系列間の相互相関特性がよい。なお、巡回シフト量の異なる系列は、CAZAC系列の性質上、フレーム同期が確立したセル間で直交の関係を成立させることが容易である。
次に、異なる送信帯域幅(RB数)に応じたRSの具体的な生成方法について述べる。一般に、系列長Nが素数のZC系列からはN−1個の系列を生成することができるため、系列長Nが素数以外の場合に比べて系列リユースファクタを増加させることができる。しかしながら、例えば、非特許文献3に記載されるシステムでは、送信帯域のサブキャリア数が12サブキャリア(1RB)の倍数に決められており、系列長が素数のZC系列を適用するとZC系列長と送信帯域のサブキャリア数が一致しない。具体的には、送信帯域が2RBである場合、サブキャリア数は24サブキャリアとなるが、24に近い素数は23又は29であり、ZC系列長は23又は29である。
そこで、系列長Nが素数のZC系列を送信帯域のサブキャリア数に合わせる方法として、特許文献1には、サイクリックエクステンション(Cyclic Extension(拡張))とトランケーション(Truncation(短縮))が開示されている。図2に示すように、サイクリックエクステンションは、送信帯域のサブキャリア数より小さい素数のうち最大の素数を系列長とし、送信帯域のサブキャリア数に合わせてZC系列の前半部分をコピーして後尾に付加する方法である。一方、トランケーションは、送信帯域のサブキャリア数より大きい素数のうち最小の素数を系列長とし、送信帯域のサブキャリア数に合わせてサブキャリア数を超える部分をZC系列から取り除く方法である。
また、非特許文献3では、送信帯域幅(RB数)毎にそのサブキャリア数に最も近い素数を系列長(N)として適用することが検討されている。例えば、トランケーションを適用する場合、帯域幅が1RB(12サブキャリア)では系列長を13、2RB(24サブキャリア)では系列長を29、3RB(36サブキャリア)では系列長を37とする。
米国特許出願公開第20050226140号明細書
TS36.211 V1.1.0, 3GPP TSG RAN, "Physical Channels and Modulation (Release 8)"
NTT DoCoMo, Fujitsu, Mitsubishi Electric, NEC, Panasonic, Sharp, Toshiba Corporation, R1-072429, "Necessity of Multiple Bandwidths for Sounding Referebce Signals", 3GPP TSG RAN WG1Meeting #49, Kobe, Japan, May 7-11, 2007
Motorola, R1-071339, "Selection between Truncation and Cyclic Cyclic Extension for UL RS Generation",3GPP TSG RAN WG1Meeting #48bis, St. Julian’s, Malta, March 26-30, 2007
上述した特許文献1に記載の方法によれば、同じ系列長のZC系列間の相互相関の増加を最小限に抑えることができる。しかしながら、隣接セル間において異なる系列長のZC系列が送信されるため、図3に示すように、系列長Nの異なるZC系列間では低相互相関が保証されず、互いに干渉を与え、受信特性を著しく劣化させる。なお、上記の課題は、隣接セル間でのみ発生するものではなく、セル内において異なる系列長のZC系列が送信される場合にも発生する。
例えば、セル#1では系列長N(b)、セル#2では系列長N(c)を利用すると、低相互相関を維持できない。さらに、ZC系列の系列番号rの組み合わせによっては相互相関が極めて高くなることがあり、チャネル推定に大きな誤差が生じ、受信特性を著しく劣化させる。
また、送信帯域幅(RB数)毎に異なる系列長N(x)(x=a,b,…)を用いるため、利用可能な帯域幅の種類が増加するほど、無線通信端末装置及び無線通信基地局装置ではシステムで利用するZC系列が増加するため、図4に示すように、ZC系列を保持するメモリなどの回路規模が増大し、また、系列生成に必要な演算量も増加する。
本発明の目的は、異なる送信帯域幅でRSを送信する場合でも、系列間干渉を低減すると共に、回路規模及び演算量を削減する無線送信装置及び無線通信方法を提供することである。
本発明の無線送信装置は、参照信号を割り当てる複数の送信帯域幅毎に基本となる1つの基本系列長を対応付けた対応関係を保持し、取得した送信帯域幅情報が示す送信帯域幅に対応する基本系列長を決定し、決定した基本系列長と前記送信帯域幅情報が示す送信帯域幅との差をサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数として決定する系列長決定手段と、前記決定された基本系列長のCAZAC系列を生成する系列生成手段と、前記送信帯域幅情報が示す送信帯域幅とサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数に基づいて、前記基本系列長のCAZAC系列に対して、サイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理を行うサイクリックエクステンション・トランケーション処理手段と、前記サイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理された前記CAZAC系列を参照信号として送信する送信手段と、を具備する構成を採る。
本発明の無線送信装置は、送信帯域幅を決定する送信帯域幅決定手段と、決定された前記送信帯域幅に対応する基本系列長を有するCAZAC系列を生成する系列生成手段と、前記系列生成手段が生成した系列を送信する送信手段と、を具備し、前記系列生成手段は、R個(Rは2以上の自然数)の送信帯域幅に対し基本系列長が共通のCAZAC系列を生成する構成を採る。
本発明の無線通信方法は、参照信号を割り当てる複数の送信帯域幅毎に基本となる1つの基本系列長を対応付けた対応関係を保持し、取得した送信帯域幅情報が示す送信帯域幅に対応する基本系列長を決定し、決定した基本系列長と前記送信帯域幅情報が示す送信帯域幅との差をサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数として決定する系列長決定工程と、前記決定された基本系列長のCAZAC系列を生成する系列生成工程と、前記送信帯域幅情報が示す送信帯域幅とサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数に基づいて、前記基本系列長のCAZAC系列に対して、サイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理を行うサイクリックエクステンション・トランケーション処理工程と、前記サイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理された前記CAZAC系列を参照信号として送信する送信工程と、を具備するようにした。
本発明によれば、異なる送信帯域幅でRSを送信する場合でも、系列間干渉を低減すると共に、回路規模及び演算量を削減することができる。
参照信号に利用可能なZC系列を示す図
サイクリックエクステンション及びトランケーションの説明に供する図
系列長Nの異なるZC系列間における相互相関を示す図
ZC系列を保持するメモリなどの回路規模が増大することを示す図
本発明の実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
図5及び図6に示した系列長決定部の詳細な説明に供する図
図5に示したRS生成部の他の内部構成を示すブロック図
図5に示したRS生成部の他の内部構成を示すブロック図
本発明の実施の形態2に係る系列長決定部の詳細な説明に供する図
本発明の実施の形態3に係る系列長決定部の詳細な説明に供する図
Distributed FDM送信されるSRSにZC系列を割り当てる様子を示す図
PUCCHをシステム帯域の両端にFDM多重する様子を示す図
PUCCHの送信帯域幅の増減に伴って変動するSRS送信帯域幅の様子を示す図
変動するSRS送信帯域幅を用いてDistributed FDM送信する様子を示す図
サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置を示す図
サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置を示す図
送信帯域幅(RB数)、送信サブキャリア数及び系列長の関係を示す図
本発明の実施の形態6における基本系列長、送信帯域幅のサブキャリア数及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を示す図
基本系列長のZC系列をRPF=3のDistributed FDMで送信する様子を示す図
送信帯域幅(RB数)、送信サブキャリア数及び系列長の関係を示す図
本発明の実施の形態7における基本系列長、送信帯域幅のサブキャリア数及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を示す図
サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数以上は送信しない様子を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る端末100の構成について、図5を用いて説明する。受信RF102部は、アンテナ101を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を復調部103に出力する。復調部103は、受信RF部102から出力された信号に等化処理、復調処理を施し、これらの処理を施した信号を復号部104に出力する。復号部104は、復調部103から出力された信号に復号処理を施し、データ信号及び制御情報を抽出する。抽出された制御情報のうち、送信帯域幅情報(RB数)が系列長決定部105に出力され、RB割当情報がマッピング部109に出力される。
系列長決定部105は、復号部104から出力された送信帯域幅情報(RB数)に基づいて、ZC系列の系列長と、サイクリックエクステンション又はトランケーションを行うシンボル数(以下、「サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数」という)を決定する。決定されたZC系列の系列長はZC系列生成部107に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力される。
RS生成部106は、ZC系列生成部107、サイクリックエクステンション・トランケーション処理部108、マッピング部109、IFFT部110、巡回シフト部111を備えており、系列長決定部105から出力されたZC系列の系列長、及び、制御情報に含まれるZC系列の系列番号情報に基づいてRSを生成して多重化部117に出力する。以下、RS生成部106の内部構成について説明する。
ZC系列生成部107は、系列番号情報及び系列長決定部105から出力された系列長などを用いて、周波数領域で表されるZC系列(式(3)参照)を生成してサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力する。
サイクリックエクステンション・トランケーション処理部108では、系列長決定部105から出力されたサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数に基づいて、ZC系列生成部107から出力されたZC系列をサイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理してマッピング部109に出力する。
マッピング部109は、復号部104から出力されたRB割当情報に基づいて、サイクリックエクステンション・トランケーション処理部108から出力されたZC系列を端末の送信帯域に対応した帯域にマッピングし、マッピングしたZC系列をIFFT部110に出力する。IFFT部110は、マッピング部109から出力されたZC系列にIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を施し、IFFT処理を施したZC系列を巡回シフト部111に出力する。巡回シフト部111は、IFFT部110から出力されたZC系列に対して巡回シフトを施して多重化部117に出力する。
符号化部112は、送信データを符号化し、符号化データを変調部113に出力する。変調部113は、符号化部112から出力された符号化データを変調し、変調信号をDFT部114に出力する。DFT部114は、変調部113から出力された変調信号にDFT(Discrete Fourier Transform)処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換した信号をRB割当部115に出力する。RB割当部115は、DFT部114から出力された信号をRBに割り当て、RBに割り当てた信号をIFFT部116に出力する。IFFT部116は、RB割当部115から出力された信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号を多重化部117に出力する。
多重化部117は、IFFT部116から出力された送信データと巡回シフト部111から出力されたZC系列(RS)とを時間多重し、多重信号を送信RF部118に出力する。なお、多重化部117における多重化方法は、時間多重に限らず、周波数多重、符号多重、複素空間上のIQ多重であってもよい。
送信RF部118は、多重化部117から出力された多重信号にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ101から無線送信する。
次に、本発明の実施の形態1に係る基地局150の構成について、図6を用いて説明する。符号化部151は、送信データ及び制御信号を符号化し、符号化データを変調部152に出力する。変調部152は、符号化データを変調し、変調信号を送信RF部153に出力する。送信RF部153は、変調信号にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ154から無線送信する。
受信RF部155は、アンテナ154を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を分離部156に出力する。分離部156は、受信RF部155から出力された信号をRSと、データ信号及び制御信号とに分離し、分離したRSをDFT部157に出力し、データ信号及び制御信号をDFT部167に出力する。
DFT部157は、分離部156から出力されたRSにDFT処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換したRSを伝搬路推定部158のデマッピング部159に出力する。
伝搬路推定部158は、デマッピング部159、除算部160、IFFT部161、マスク処理部162、DFT部163を備え、DFT部157から出力されたRSに基づいて、伝搬路を推定する。以下、伝搬路推定部158の内部構成について具体的に説明する。
デマッピング部159は、DFT部157から出力された信号から各端末の送信帯域に対応した部分を抽出し、抽出した各信号を除算部160に出力する。除算部160は、サイクリックエクステンション・トランケーション処理部166から出力されたZC系列を用いて、デマッピング部159から出力された信号を除算し、除算結果(相関値)をIFFT部161に出力する。IFFT部161は、除算部160から出力された信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号をマスク処理部162に出力する。
マスク処理部162は、端末100に割り当てた巡回シフト量に基づいて、IFFT部161から出力された信号にマスク処理を施すことにより、所望の巡回シフト系列の相関値が存在する区間(検出窓)の相関値を抽出し、抽出した相関値をDFT部163に出力する。
DFT部163は、マスク処理部162から出力された相関値にDFT処理を施し、DFT処理を施した相関値を周波数領域等化部169に出力する。なお、DFT部163から出力された信号は、伝搬路の周波数応答を表すものである。
系列長決定部164は、図示せぬスケジューラから出力される送信帯域幅(RB数)情報に基づいて、ZC系列の系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定し、決定した系列長をZC系列生成部165に出力し、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力する。
ZC系列生成部165は、系列長決定部164から出力された系列長及び制御情報に含まれる系列番号情報などを用いて、周波数領域で表されるZC系列(式(3)で表される)を生成してサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力する。
サイクリックエクステンション・トランケーション処理部166は、系列長決定部164から出力されたサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数に基づいて、ZC系列生成部165から出力されたZC系列をサイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理して除算部160に出力する。なお、送信帯域幅(RB数)と系列長(基本系列長)との関係は端末と基地局との双方で共有されているものとする。
DFT部167は、分離部156から出力されたデータ信号及び制御信号にDFT処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換したデータ信号及び制御信号をデマッピング部168に出力する。
デマッピング部168は、DFT部167から出力された信号から各端末の送信帯域に対応した部分のデータ信号及び制御信号を抽出し、抽出した各信号を周波数領域等化部169に出力する。
周波数領域等化部169は、伝搬路推定部158内のDFT部163から出力された信号(伝搬路の周波数応答)を用いて、デマッピング部168から出力されたデータ信号及び制御信号に等化処理を施し、等化処理を施した信号をIFFT部170に出力する。
IFFT部170は、周波数領域等化部169から出力されたデータ信号及び制御信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号を復調部171に出力する。復調部171は、IFFT処理が施された信号に復調処理を施し、復調処理を施した信号を復号部172に出力する。復号部172は、復調処理が施された信号に復号処理を施し、受信データを抽出する。
なお、基地局は、巡回シフト系列を用いない場合、マスク処理部162を備えなくてもよい。また、基地局は、受信データの等化処理を周波数領域において行う場合について説明したが、時間領域において等化処理を行ってもよい。
次に、上述した系列長決定部105及び164について詳細に説明する。系列長決定部105及び164は、図7に示すように、送信帯域幅と系列長との対応関係を保持している。この対応関係は、複数の送信帯域幅に対して基本となる1つの系列長(基本系列長)が設定されている。図7の例では、送信帯域幅a、b、cに対して1つの系列長N(b)が設定されている。ここで、系列長N(b)は送信帯域幅bのサブキャリア数よりも小さい最大の素数である。同様に、送信帯域幅d、e、fに対して1つの系列長N(e)が設定されており、送信帯域幅g、h、iに対して1つの系列長N(h)が設定されている。すなわち、ここでは、3つの送信帯域幅をグループ化し、グループ毎に基本系列長が対応付けられている。
系列長決定部105及び164は、送信帯域幅情報を取得すると、取得した送信帯域幅情報に対応する系列長を決定する。このとき、取得した送信帯域幅情報と基本系列長との大小関係に基づいて、ZC系列にサイクリックエクステンション処理を行うかトランケーション処理を行うかを認識する。すなわち、送信帯域幅情報が基本系列長より長い場合にはサイクリックエクステンション処理を行い、送信帯域幅情報が基本系列長より短い場合にはトランケーション処理を行うことを認識する。そして、送信帯域幅と基本系列長との差、すなわち、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を求める。なお、送信帯域幅情報が基本系列長と一致する場合には、サイクリックエクステンション処理を行うと認識してもよいし、トランケーション処理を行うと認識してもよいが、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は0となる。
例えば、取得した送信帯域幅情報が送信帯域幅aを示す場合、系列長決定部105及び164は、送信帯域幅aに対応する系列長N(b)を決定し、送信帯域幅aが系列長N(b)より短いので、トランケーションシンボル数を求める。また、取得した送信帯域幅情報が送信帯域cを示す場合、系列長決定部105及び164は、送信帯域幅cに対応する系列長N(b)を決定し、送信帯域幅cが系列長N(b)より長いので、サイクリックエクステンションシンボル数を求める。
なお、系列長決定部105及び164で送信帯域幅と基本系列長との差、すなわち、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を算出するのではなく、送信帯域幅情報から系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を導くテーブル等を用意して、系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を求めてもよい。
なお、基本系列長を複数の送信帯域幅のうち、中心の送信帯域幅の系列長を基本系列長に設定したが、これに限定するものではなく、例えば、基本系列長をN(a)又はN(c)に設定してもよい。また、N(a)、N(b)、N(c)以外の系列長を基本系列長に設定してもよい。
また、送信帯域幅の増減に対してサイクリックエクステンション及びトランケーションの両方を用いているが、サイクリックエクステンションのみ、またはトランケーションのみを用いるようにしてもよい。つまり、複数の送信帯域幅内で最も短い送信帯域幅に基本系列長を設定してサイクリックエクステンションのみを適用してもよい。例えば、図7では、N(b)ではなく、N(a)を基本系列長として、送信帯域幅の増減に対してはサイクリックエクステンションのみを用いる。逆に、最も長い送信帯域幅に基本系列長を設定してトランケーションのみを適用してもよい。例えば、図7では、N(b)ではなく、N(c)を基本系列長として、送信帯域幅の増減に対してはトランケーションのみを用いる。
また、送信帯域幅の増減に対してサイクリックエクステンション又はトランケーションを用いているが、サイクリックエクステンションの代わりに0を割り当てる0パディング(padding)を用いてもよい。つまり、送信帯域幅のサブキャリアに対して、系列長を超えるサブキャリアには0を割り当てる。なお、サイクリックエクステンションの代わりにサイクリックエクステンションと0パディングを併用してもよい。
また、3種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成しているが、これに限定するものではなく、例えば、5種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成してもよい。さらに、3種類ずつ、5種類ずつなど均等に分ける必要もない。例えば、3種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成する範囲と、5種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成する範囲があってもよい。
このように実施の形態1によれば、複数の送信帯域幅に1つの基本系列長を対応付け、指示された送信帯域幅とこの送信帯域幅に対応する基本系列長とに基づいて、ZC系列をサイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理することにより、隣接セル間で異なる送信帯域幅が用いられてRSが送信される場合でも、基本系列長が同じ系列間では、基本系列長部分で低相互相関を維持することができるため、隣接セルに与える干渉を低減することができる。よって、チャネル推定精度を向上させることができる。
また、異なる系列長の数を少なくすることができるので、系列長を保持するメモリなどの回路規模、及び、系列生成に要する演算量を削減することができる。また、系列長情報に加えてZC系列の系列番号を示す情報も削減することができる。
また、周波数領域において同一ZC系列を複数回繰り返すとCM (Cubic Metric)/PAPR (Peak to Average Power Ratio)特性が大幅に増大するが、ZC系列の一部分のみがサイクリックエクステンション又はトランケーションされる場合は、低CM/PAPR特性を維持することができる。
なお、本実施の形態では、端末におけるRS生成部106を図5に示すものとして説明したが、図8に示すような構成でもよい。図8に示すRS生成部106は、位相回転部をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部の後段に備えた。この位相回転部は、巡回シフトを時間領域で実施する代わりに、その等価な処理としての位相回転を周波数領域で実施するものである。また、これらの参照信号生成部は、周波数領域においてZC系列が生成された場合の構成を示しているが、図9A〜Cに示すように、時間領域においてZC系列が生成された場合の構成を採ってもよく、この場合、ZC系列生成部の後段又は巡回シフト部の後段にDFT部が備えられる。ただし、巡回シフト系列を用いない場合には、巡回シフト部又は位相回転部を備えなくてもよい。
また、本実施の形態では、Single Carrier-FDMA(Frequency Division Multiplexing Access)構成で説明したが、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)構成でもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、送信帯域幅が長いほど、1つの基本系列長のZC系列で生成できる送信帯域幅数R(Rは2以上の自然数)が増加する場合について説明する。なお、送信帯域幅が一定値よりも小さい場合は送信帯域幅毎に個別の基本系列長でZC系列を生成し、送信帯域幅が一定値よりも大きい場合は1つの基本系列長のZC系列で生成する送信帯域幅数をR(Rは2以上の自然数)としてもよい。
本発明の実施の形態2に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105は、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けた関係を保持し、復号部104から出力された送信帯域幅情報(RB数)に基づいて、ZC系列の基本系列長と、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数とを決定する。なお、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は送信帯域幅と基本系列長との差から求められる。決定されたZC系列の系列長はZC系列生成部107に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力される。
基地局の系列長決定部164は、端末の系列長決定部105と同様に、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持し、図示せぬスケジューラから入力された送信帯域幅情報に基づいて、ZC系列の基本系列長と、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数とを決定する。決定されたZC系列の基本系列長はZC系列生成部165に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力される。
次に、上述した系列長決定部105及び164について詳細に説明する。系列長決定部105及び164は、図10に示すように、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持している。この対応関係は、上述したように、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けている。すなわち、基本系列長が長いZC系列ほど、サイクリックエクステンション・トランケーションを行える最大シンボル数(以下、「サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数」という)を増加させ、基本系列長が短いZC系列ほど、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を減少させる。
ここで、システムで用いる基本系列長をN(a)、N(c)、N(g)(N(a)<N(c)<N(g))とし、基本系列長N(a)、N(c)、N(g)に対応するサイクリックエクステンション可能シンボル数をそれぞれXa、Xc、Xgまでとする。このとき、Xa、Xc、Xgの関係はXa<Xc<Xgを満たす関係とする。すなわち、送信帯域幅に応じてサイクリックエクステンション可能シンボル数(Xa、Xc、Xg)を変更する。例えば、送信帯域幅が1RBの場合、サイクリックエクステンション可能シンボル数が少ないためXaとし、送信帯域幅が3RBの場合、サイクリックエクステンション可能シンボル数がXaより大きいXcとする。
また、基本系列長N(a)、N(c)、N(g)に対応するトランケーション可能シンボル数をそれぞれYa、Yc、Ygまでとする。このとき、Ya、Yc、Ygの関係はYa<Yc<Ygを満たす関係とする。すなわち,送信帯域幅に応じてトランケーション可能シンボル数(Ya、Yc、Yg)を変更する。
なお、図10では、送信帯域幅を3グループ(a、b〜d、e〜i)に分けているが、これに限定するものではなく、2グループに分けてもよいし、4グループ以上に分けてもよい。また、1つの基本系列長から生成する複数の送信帯域幅を1種類(aのみ),3種類(b〜dのみ),5種類(e〜i)としているが、これに限定するものでもない。また、送信帯域幅に閾値を設け、閾値未満は送信帯域幅毎に個別の基本系列長でZC系列を生成し、閾値以上では1つの基本系列長で複数の送信帯域幅のZC系列を生成してもよい。
また、ここでは、送信帯域幅に応じてサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を変更すると説明したが、これに限定するものではなく、例えば、送信帯域幅と対応する基本系列長又は送信RB数に応じて、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を変更してもよい。
また、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数は、一部の基本系列長で同じであってよい。つまり、Xa≦Xc≦Xg、Ya≦Yc≦Ygでもよい。
このように実施の形態2によれば、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けることにより、長い系列長のZC系列ではサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を増加させても、基本系列長部分に対する基本系列長部分以外の割合が少なくできるため、低相互相関特性及び低CM/PAPR特性を維持することができる。
また、系列長が長いZC系列ほど必要な回路規模、演算量が多いため、回路規模及び演算量をより削減することができる。また、系列長情報に加えてZC系列の系列番号を示す情報も削減することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105は、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けた関係を保持し、復号部104から出力された送信帯域幅情報(RB数)に基づいて、ZC系列の基本系列長を決定し、決定した基本系列長と基地局から通知されたRSの送信帯域幅からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。このとき、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は各送信帯域幅において基本系列長に対する割合が一定になるように定められたサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数よりも小さいものとする。そして、決定されたZC系列の基本系列長はZC系列生成部107に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力される。
基地局の系列長決定部164は、端末100の系列長決定部105と同様に、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持し、図示せぬスケジューラから入力された送信帯域幅情報に基づいて、ZC系列の基本系列長を決定し、決定した基本系列長とRSの送信帯域幅からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。このとき、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は基本系列長に対する割合が一定となるように定められたサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数よりも小さいものとする。決定されたZC系列の基本系列長はZC系列生成部165に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力される。
次に、上述した系列長決定部105及び164について詳細に説明する。系列長決定部105及び164は、図11に示すように、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持している。この対応関係は、実施の形態2において説明したように、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に基本系列長を対応付けている。そして、系列長決定部105及び164は、上記の送信帯域幅と基本系列長との対応関係からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。
例えば、図11に示すように、各送信帯域幅において“サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数/基本系列長N(x)”を等しくする。つまり、各基本系列長をN(a)、N(c)、N(g)とし、サイクリックエクステンション可能シンボル数をXa、Xc,Xgとする場合、Xa/N(a)、Xc/N(c)、Xg/N(g)がそれぞれ等しくなるXa、Xc、Xgを選択する。また、トランケーション可能シンボル数をYa、Yc、Ygとする場合、Ya/N(a)、Yc/N(c)、Yg/N(g)が等しくなるYa、Yc、Ygを選択する。
なお、Xa/N(a)、Xc/N(c)、Xg/N(g)又はYa/N(a)、Yc/N(c)、Yg/N(g)が完全に一致しなくても近似値であればよい。例えば、Xa/N(a)、Xc/N(c)、Xg/N(g)、Ya/N(a)、Yc/N(c)、Yg/N(g)より求められるサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数が整数でない場合、floor(Xa/N(a)), ceil(Xa/N(a)), round(Xa/N(a))などにより求めればよい。ここで、floor( )は( )内の数値の小数部分を切り上げることを意味し、ceil( )は( )内の数値の小数部分を切り捨てることを意味し、round( )は( )内の数値の小数部分を四捨五入することを意味し、それぞれ( )内の数値を整数とするものである。
また、ここでは、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を基本系列長に応じて変更するとしたが、これに限定するものではなく、例えば、基本系列長に対応する送信帯域幅又は送信RB数に応じて、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を変更してもよい。つまり、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数/送信帯域幅(RB数)を等しくするでもよい。
このように実施の形態3によれば、各送信帯域幅においてサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数と基本系列長N(x)との割合が等しくなるサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を決定することにより、送信帯域幅にかかわらず、系列間の相互相関特性及びCM/PAPR特性を一定に抑えることができる。また、与えられた送信帯域幅情報から、基本系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を簡易な演算によって得ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態1から3では、RSとしてDM-RSを例に説明したが、本発明の実施の形態4では、SRSを例に説明する。なお、ここでは、Distributed FDM送信されるSRSについて説明する。ただし、本発明の実施の形態4に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
ここで、Distributed FDMとは、一定のサブキャリア間隔でZC系列を配置する送信方法である。なお、一定のサブキャリア間隔はRPF(Repetition Factor)で決定され、RPF=NであればNサブキャリア間隔でZC系列が割当てられる。例えば、RPF=2のDistributed FDMではZC系列を送信するサブキャリア間隔が2となるため、奇数サブキャリア#1,#3,#5…、あるいは、偶数サブキャリア#0,#2,#4…でZC系列が送信される。
Distributed FDMにおいても、1つの基本系列長から複数の送信帯域幅のZC系列を生成する。なお、Distributed FDM送信では、基本系列長のZC系列を一定のサブキャリア間隔(RPF=N)で配置する。このとき、系列長決定部105及び164は、“ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅<送信帯域幅”となる場合はサイクリックエクステンションを行うことを認識し、“ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅>送信帯域幅”となる場合はトランケーションを行うことを認識して送信帯域幅に合わせるようにする。つまり、送信帯域幅の増減に合わせ、基本系列長のZC系列からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。
図12では、RPF=2として、2サブキャリア間隔でZC系列を配置し、セル#1とセル#2で同じ基本系列長のZC系列を利用する。このとき、セル#1ではZC系列を配置した帯域幅<送信帯域幅であるためサイクリックエクステンションを、セル#2ではZC系列を配置した帯域幅=送信帯域幅であるためサイクリックエクステンションもトランケーションも行わない。
なお、SRS送信帯域幅が1.25MHzと5MHzがDistributed FDM多重される場合、1.25MHz付近のSRS送信帯域幅では1.25MHz用の基本系列長のZC系列を利用し、5MHz付近のSRS送信帯域幅では5MHz用の基本系列長のZC系列を利用する。
また、Distributed FDM送信に適用するRSは、SRS以外にDM-RSでも、その他のRSでもよい。
このように実施の形態4によれば、隣接セル間において用いられるSRS送信帯域幅(RB数)が異なる場合でも、隣接セル間において同じ基本系列長のZC系列を利用することにより、各帯域幅で符号間干渉を低減することができ、また、系列を保持するメモリなどの回路規模、及び、系列生成に必要な演算量を削減することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)の送信帯域幅の増減によってSRS送信帯域幅が増減する場合について説明する。
上述した非特許文献1では、図13に示すように、PUCCHをシステム帯域の両端にFDM多重することが検討されている。ここで、PUCCHはデータ送信のない端末が制御情報を送信するチャネルであり、制御情報量の増減によってPUCCHの送信帯域幅が増減する。例えば、図13Aは、PUCCHがシステム帯域の両側に各2RB配置された様子を示し、図13Bは、PUCCHがシステム帯域の両側に各1RB配置された様子を示している。
一方、SRSはPUCCHを除く送信帯域で送信することが検討されている。このとき、PUCCHの増減に応じてSRS送信帯域幅が増減するため、セル間でPUCCHの帯域幅が異なる場合、系列長が異なるZC系列がセル間で送信されることがある。
本発明の実施の形態5に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
PUCCH送信帯域幅の増減によって生じるSRS送信帯域幅で送信するZC系列は、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を調整することによって生成される。つまり、PUCCHの送信帯域幅が最大である場合のSRS送信帯域幅(最小)からPUCCHの送信帯域幅が最小である場合のSRS送信帯域幅(最大)までのSRS送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列から生成する。
例えば、図14では、PUCCHの送信帯域幅が最大である場合のSRS送信帯域幅(最小)をA(RB)、PUCCHの送信帯域幅が最小である場合のSRS送信帯域幅(最大)をF(RB)として、A(RB)からF(RB)までを1つの基本系列長N(D)のZC系列から生成する。そして、系列長決定部105及び164は、基本系列長<SRS送信帯域幅である場合はサイクリックエクステンションを行うと認識し、基本系列長>SRS送信帯域幅である場合はトランケーションを行うと認識してZC系列をSRS送信帯域幅に合わせるようにする。
このように実施の形態5によれば、PUCCHの増減に応じてSRS送信帯域幅も増減する場合でも、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を調整することにより、隣接セルに与える干渉を低減することができ、また、系列長を保持するメモリなどの回路規模、及び、系列生成に要する演算量を削減することができる。
なお、1つの基本系列長のZC系列から生成する送信帯域幅数を更に少なくしてもよい。例えば、最小のSRS送信帯域幅であるA(RB)よりも大きい送信帯域幅をB(RB)、最大のSRS送信帯域幅であるF(RB)よりも小さい送信帯域幅をE(RB)として、B(RB)からE(RB)までを1つの基本系列長のZC系列で生成するとしてもよい。
なお、PUCCHの送信帯域幅の増減によってSRS送信帯域幅が増減する場合において、図15に示すように、実施の形態4において説明したDistributed FDM送信と組み合わせてもよい。例えば、A(RB)からF(RB)までを1つの基本系列長のZC系列から生成する場合、基本系列長はDistributed FDM処理前の系列長、つまり、N(A)/RPF数からN(F)/RPF数のいずれかを基本系列長とすることが好ましい。なお、図15では、N(D)/RPFを基本系列長としている。また、この場合、系列長決定部105及び164は、ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅<SRS送信帯域幅である場合はサイクリックエクステンションを行うと認識し、ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅>SRS送信帯域幅である場合はトランケーションを行うと認識してZC系列をSRS送信帯域幅に合わせるようにする。
なお、実施の形態1から3では、上り回線のDM-RSを例に説明したが、SRS、下り回線のRS、同期用パイロット信号などに対しても同様に適用可能である。つまり、1つの基本系列長で複数の送信帯域幅(RB数)のCAZAC系列を生成し、送信帯域幅(RB数)の増減に合わせ、基本系列長のCAZAC系列のサイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル量を変更すればよい。同様に、実施の形態4及び5では、上り回線のSRSを例に説明したが、DM-RS、下り回線のRS、同期用パイロット信号などに対しても同様に適用可能である。
また、サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置は、図16に示すように、ZC系列の両側であってもよいし、図7などに示したように、ZC系列の片側のみであってもよい。また、サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置は、図17に示すように、ZC系列の中心部分であってもよい。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6では、系列長(基本系列長)、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF(Repetition Factor)毎に変更する場合について説明する。
本発明の実施の形態6に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の復号部104が抽出した制御情報には、送信帯域幅情報(RB数)に加えてRPF情報が含まれ、抽出された制御情報が系列長決定部105に出力される。
端末の系列長決定部105は、復号部104から出力された送信帯域幅(RB数)情報及びRPF情報を用いて、RPFに応じて変化する基本系列長と送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数との関係を表すテーブルに基づいて、基本系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。系列長決定部105は、系列長情報をZC系列生成部107に出力し、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力する。
基地局の系列長決定部164は、端末の系列長決定部105と同様に、RPFに応じて変化する基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を表すテーブルを保持し、図示せぬスケジューラから入力された送信帯域幅情報及びRPF情報に基づいて、ZC系列の基本系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。系列長決定部164は、系列長情報をZC系列生成部165に、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力する。
次に、端末の系列長決定部105及び基地局の系列長決定部164が保持するテーブルについて説明する。ここでは、基地局及び端末に記憶させるZC系列の系列長(N)の個数を軽減するため、図18に示すように、ZC系列の系列長(N)が12サブキャリア(1RB)ごとに用意される。
この前提のもと、系列長決定部105及び164は、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF毎に変更可能なテーブルを備える。このとき、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長に設定し、基本系列長のZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションすることになる。なお、基本系列長は、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数に対応する系列長を設定することが好ましい。また、送信帯域幅が狭い範囲では、基本系列長を(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数の系列長を設定し、送信帯域幅が広い範囲では、基本系列長を(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数の系列長を設定してもよい。
(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数の求め方には、以下のような方法がある。すなわち、Floor(送信帯域幅(RB数)÷RPF)、Ceil(送信帯域幅(RB数)÷RPF)、Round(送信帯域幅(RB数)÷RPF)などである。なお、これらは一例であり、これらの1つのみを利用してもよいし、2つ又は3つをRB数に応じて使い分けてもよい。例えば、Floor(送信帯域幅(RB数)÷RPF)のみを利用してもよいし、Ceil(送信帯域幅(RB数)÷RPF)のみを利用してもよいし、これらの両方をRB数に応じて使い分けてもよい。
また、上述した「基本系列長のZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションする」方法には、次のような方法がある。すなわち、基本系列長のZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅>送信帯域幅である場合は、トランケーションを施して送信帯域幅(RB数)に合わせる。一方、基本系列長のZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅<送信帯域幅である場合は、サイクリックエクステンションを施して送信帯域幅(RB数)に合わせる。
ここで、Floor(送信帯域幅(RB数)÷RPF)を利用して、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長とする場合について図19を用いて具体的に説明する。基本系列長23のZC系列において、RPF=1ではサブキャリア数24(送信帯域幅2RB)のみに対応するが、RPF=2ではサブキャリア数24(送信帯域幅4RB)、30(送信帯域幅5RB)に対応する。また、基本系列長23のZC系列において、RPF=1ではサイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数は(+1)のみであるが、RPF=2ではサイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数は(+1)〜(+7)である。このように、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係がRPF毎に変更される。ただし、ここでは、説明の便宜上、図19に示すテーブルを例に具体的に示したが、本発明はこれに限らず、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF毎に与えるものであれば、数式でもその他の方法でもよい。
また、送信帯域幅が2RB、5RBで、RPF=3のDistributed FDMで送信する具体例を図20に示す。図20Aは、送信帯域幅が2RBでは基本系列長が11(1RBの系列長)のZC系列を生成し、このZC系列をDistributed FDMで配置すると送信帯域幅よりも大きいため、ZC系列の後半部分を取り除くことで送信帯域幅のサブキャリア数に一致させて割り当てる様子を示している。一方、図20Bは、送信帯域幅が5RBでは基本系列長が11(1RBの系列長)のZC系列を生成し、このZC系列をDistributed FDMで配置すると送信帯域幅よりも小さいため、このZC系列の前半部分を繰り返すことで送信帯域幅のサブキャリア数に一致させて割り当てる様子を示している。
このように実施の形態6によれば、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF毎に変更する際、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長に設定し、基本系列長のZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションすることにより、送信帯域幅に適した基本系列長をRPF毎に選択しつつ、参照信号を送信帯域幅に一致させて送信することができる。また、RPF>1の場合においても基本系列長及びRPFが同じ系列間において、低い相互相関を維持することができ、干渉波の軽減効果を改善することができる。
なお、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数が複数(例えば2つ)存在する場合は、それぞれのRB数に対応する系列長のうち、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の少ない方の系列長を基本系列長に設定してもよい。
また、送信帯域幅(RB数)のサブキャリア数に一致させる場合、サイクリックエクステンション及びトランケーションの両方、サイクリックエクステンションのみ、トランケーションのみのどれでもよい。つまり、1つの基本系列長から複数の帯域幅のZC系列を生成するが、この複数帯域幅内で最も短い送信帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてサイクリックエクステンションのみを適用する、または最も長い送信帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてトランケーションのみを適用してもよい。
また、RPFとサイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数との関係を“RPFの増加に伴い、サイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数を増加させる”と言い換えてもよい。
さらには、実際に利用するサブキャリア数と基本系列長とを関係づけてもよい。つまり、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長とする代わりに、RPF=1において利用可能な系列長の中で(送信サブキャリア数÷RPF)に近い系列長を基本系列長に設定してもよい。
なお、RPF=1において利用可能な系列長の中で(送信サブキャリア数÷RPF)に最も近い系列長を基本系列長に設定することが好ましい。これによって、送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションするシンボル数を最も少なくできる。具体的には、送信サブキャリアが60(5RB)でRPF=2のDistributed FDM送信をする場合、RPF=1において利用可能な系列長(図19では11、23、31・・・)の中で、30(=60÷2)に最も近い系列長を基本系列長に設定する。つまり、基本系列長を31としてZC系列を生成し、基本系列長のZC系列を1シンボルのみエクステンションすればよいことになる。
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7では、DM-RSに適用可能なRB数のうち(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近いRB数に対応する系列長を基本系列長に設定する場合について説明する。
非特許文献3では、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)用の復調用参照信号(DM-RS)に、ZC系列を連続するサブキャリアで送信するLocalized FDMを利用し、データ送信帯域幅が存在するRB数ごとに系列長(N)を用意することが検討されている。なお、データ送信帯域幅が存在するRB数は、図21に示すように、2,3,5の倍数で表現できるRB数である。例えば、サイクリックエクステンションを適用する場合、帯域幅が1RB(12サブキャリア)では系列長を11、2RB(24サブキャリア)では系列長を23、3RB(36サブキャリア)では系列長を31とする。
一方、PUSCH用のDM-RS以外の参照信号では、PUSCH用のDM-RSのために用意された系列長(N)を利用することが採択されている。例えば、受信品質測定に利用するRPF=2(Distributed FDM送信)のSounding RSにおいても、DM-RS用のZC系列(系列長)を再利用する。
このように、ZC系列の系列長(N)は、DM-RSに適用可能な系列長、すなわち、2,3,5の倍数で表現可能なRB数の系列長とする。
本発明の実施の形態7に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105及び基地局の系列長決定部164が備え、RPFに応じて変化する基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を表すテーブルは、DM-RSに適用可能な系列長のうち(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近いRB数の系列長を基本系列長とする。なお、基本系列長は、DM-RSに適用可能な系列長のうち、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数に対応する系列長を設定することが好ましい。具体的には、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以下で最大、または、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以上で最小のDM-RSに適用可能なRB数の系列長が基本系列長に設定される。
なお、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以下で最大のみを利用してもよいし、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以上で最小のみを利用してもよいし、これらの両方をRB数に応じて使い分けてもよい。
ここで、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以下で最大のDM-RSに適用可能なRB数に対応する系列長を基本系列長に設定する場合について図22を用いて具体的に説明する。まず、データ送信帯域幅が存在しない帯域幅(例えば7RBなど)では、DM-RS用の基本系列長も用意されない。そのため、基本系列長が用意されないRB数では、そのRB数の前後のRB数に対応する基本系列長でZC系列を生成し、この基本系列長で生成したZC系列をサイクリックエクステンション又はトランケーションして送信帯域幅に一致させる必要がある。
例えば、RPF=1において、送信帯域幅(RB数)が7RBでは、送信帯域幅(RB数)が6RBの系列長のZC系列を生成し、このZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンションする。または、送信帯域幅(RB数)が8RBの系列長のZC系列を生成し、このZC系列を送信帯域幅に合わせてトランケーションする。
さらに、RPF=2のDistributed FDMを用いて送信帯域幅(RB数)14RBで送信する場合は、送信帯域幅(RB数)7RBの基本系列長が用意されないので、送信帯域幅(RB数)6RBの基本系列長71でZC系列を生成し、このZC系列の前半部分を送信帯域幅に合わせて繰り返す(図22参照)。または、送信帯域幅(RB数)8RBの基本系列長89でZC系列を生成し、このZC系列の後半部分を送信帯域幅に合わせて取り除く。
なお、ZC系列を送信帯域幅(RB数)に合わせる場合に、サイクリックエクステンション及びトランケーションの両方、サイクリックエクステンションのみ、またはトランケーションのみのいずれで対応してもよい。すなわち、1つの基本系列長で複数の帯域幅のZC系列を生成するが、この複数帯域幅内で最も短い帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてサイクリックエクステンションのみを適用してもよいし、または最も長い帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてトランケーションのみを適用してもよい。
このように実施の形態7によれば、DM-RSに適用可能なRB数のうち(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近いRB数に対応する系列長を基本系列長に設定することにより、DM-RSに適用可能なRB数に対応する系列長から基本系列長を選択することができるため、基地局及び端末が記憶する系列長の情報量を削減することができる。
なお、本実施の形態では、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、DM-RSに適用可能な系列長のうち(送信サブキャリア数÷RPF)に近い系列長を基本系列長としてもよい。
また、本実施の形態では、PUSCH用のDM-RSに適用される系列長を基準として説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、SRSの系列長を基準としてもよい。
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105及び基地局の系列長決定部164が備えるテーブルは、基本系列長が増加するにつれ、サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を増加させるように、RPFに応じて変化する基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を有する。
言い換えれば、基本系列長が長い場合は基本系列長から生成したZC系列のサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を増加させ、基本系列長が短い場合は基本系列長から生成したZC系列のサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を減少させる。
なお、サイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル数がサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数よりも多い場合は、図23に示すように、サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数以上は送信しない部分とする。ただし、図23Bでは、送信しない部分をZC系列の後方に設けたが、前方に設けてもよいし、前方と後方にそれぞれ設けてもよい。
このように実施の形態8によれば、基本系列長が増加するにつれてサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を増加させ、サイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル数が上記シンボル数よりも大きい場合は送信しない部分を設けることにより、基本系列長が短いZC系列において、CMの増加を防ぐことができる。
なお、上述した実施の形態6から8では、上り回線のSRSを例に説明したが、DM-RS、下り回線のパイロット信号、同期用パイロット信号などに対しても同様に適用可能である。
また、上述した実施の形態1から8では、サイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル数<系列長、または、サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数<系列長とすることが望ましい。これにより、同じZC系列を周波数領域で複数回の繰り返すことを防ぐことができ、時間領域におけるCM特性が極端に増大することを防止することができる。
なお、参照信号は、パイロット信号、基準信号、リファレンス信号、リファレンスシグナルなどに置き換えてもよい。
また、上記各実施の形態は、全送信帯域に適用する必要はなく、一部の送信帯域幅のみに適用してもよい。また、基本系列長の一番小さいもの、一番大きいもののみで例外が生じてもよい。例えば、実施の形態2では、送信帯域幅が長いほど1つの基本系列長のZC系列で生成できる送信帯域幅数が増加するとしたが、基本系列長が一番長いZC系列では1つの基本系列長のZC系列で生成できる送信帯域幅数が少なくなってもよい。また、連続する送信帯域幅に1つの基本系列長を割り当てる必要はなく、離れた送信帯域幅に1つの基本系列長を割り当ててもよい。例えば、送信帯域幅a、送信帯域幅c、送信帯域幅eに基本系列長N(c)を割り当て、送信帯域幅b、送信帯域幅d、送信帯域幅fに基本系列長N(d)を割り当てるなどである。
また、上記各実施の形態では、送信帯域幅と系列長の関係を複数セルで共通とする場合について説明したが、これに限定する必要はなく、送信帯域幅と系列長の関係を全セルで共通、フレーム同期が確立するセル内で共通、又は、1つのセル内のみで共通などでもよい。
また、上記各実施の形態では、上りリンクを例に説明したが、下りリンクに適用してもよい。また、本実施の形態は3GPP LTEのシステムに限定するものでもない。
また、上記各実施の形態では、系列長が奇数のZC系列を例に説明したが、系列長が奇数のZC系列以外でも符号系列であれば同様に適用できる。例えば、系列長が偶数のZC系列にも適用可能である。また、ZC系列を内包するGCL(Generalized Chirp Like)系列にも適用可能である。さらに、Frank系列、M系列及びゴールド系列などのPN系列、CAZAC-basedの系列をサイクリックエクステンション・トランケーションした系列、ZC系列をパンクチャリングした系列、Random CAZAC, OLZC, RAZACなどの各種系列、その他のCAZAC系列(計算機により生成した系列を含む)が挙げられる。
ここで、上記GCL系列について式を用いて示す。系列長NのGCL系列は、Nが偶数の場合、式(5)によって表され、Nが奇数の場合、式(6)によって表される。
ただし、k=0,1,2,…,N−1、qは任意の整数、rはNとは互いに素の関係を有し、かつ、Nより小さい整数、bi(k mod m)は任意の複素数であり、i=0,1,…,m−1である。また、GCL系列間の相互相関を最小にする場合、bi(k mod m)は振幅1の任意の複素数を用いる。
このようにGCL系列は、Zadoff-Chu系列にbi(k mod m)を乗算した系列である。
また、上記各実施の形態においては、送信帯域幅情報から系列長の決定、ZC系列の生成、サイクリックエクステンション・トランケーション処理を順次行う旨を記載しているが、これに限定されるものではなく、各送信帯域幅情報に対し予めサイクリックエクステンション・トランケーションされた系列を含む系列を関連付けたテーブルを保持し、これを参照する構成にしてもよい。
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
また、上記実施の形態における基地局はNode B、端末はUE、サブキャリアはトーン(Tone)と表されることがある。
2007年8月8日出願の特願2007−207186及び2007年10月26日出願の特願2007−279224の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる無線送信装置及び無線通信方法は、異なる送信帯域幅でRSを送信する場合でも、系列間干渉を低減すると共に、回路規模及び演算量を削減することができ、例えば、移動通信システムの無線通信基地局装置及び無線通信端末装置等に適用できる。
本発明は、Zadoff-Chu系列などのCAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto-correlation Code)系列又はCAZAC系列に準ずる系列を参照信号に用いる無線送信装置及び無線通信方法に関する。
3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long-term Evolution)では、上りリンク又は下りリンクの伝搬路の推定にRS(Reference Signal)が利用される。RSには、データ復調用の伝搬路推定に利用されるDM (Demodulation)-RSと周波数スケジューリング用のチャネル品質推定に利用されるSRS (Sounding RS)とがある。
3GPP LTEの上りリンクでは、RSの帯域幅として複数の帯域幅が検討されている。非特許文献1では、DM-RSをデータ送信帯域幅と同一の帯域幅で送信することが検討されている。また、非特許文献2では、SRSを1.25MHz、5MHz、10MHzの3種類の帯域幅で送信することが検討されている。なお、以下の説明では送信帯域幅とRB(Resource Block)数とは同義であるものとして扱う。
また、3GPP LTEでは、上りリンクのRSにCAZAC系列の一種であるZC系列を利用することが検討されている。ZC系列は時間領域で表記すると以下の式(1)で表される。
ここで、Nは系列長、rは時間領域でのZC系列番号であり、Nとrは互いに素である。また、pは任意の整数(一般的には、p=0)を表す。以下では、系列長Nが奇数の場合を用いて説明するが、偶数の場合も同様に適用できる。
式(1)のZC系列を時間領域で巡回シフトすることにより得られる巡回シフトZC系列、あるいはZC-ZCZ (Zadoff-Chu Zero Correlation Zone)系列は、次の式(2)で表される。
ここで、mは巡回シフト系列番号、Δは巡回シフト量を表す。±の符号はいずれであってもよい。さらに、式(1)の時間領域ZC系列をフーリエ変換により周波数領域に変換した系列もZC系列となる。ZC系列は周波数領域で表記すると以下の式(3)で表される。
ここで、Nは系列長、uは周波数領域でのZC系列番号であり、Nとuは互いに素である。また、qは任意の整数(一般的には、q=0)を表す。同様に、式(2)の時間領域でのZC-ZCZ系列を周波数領域で表記すると、巡回シフトと位相回転とがフーリエ変換対の関係にあることから次の式(4)で表される。
ここで、Nは系列長、uは周波数領域でのZC系列番号であり、Nとuは互いに素である。また、mは巡回シフト系列番号、Δは巡回シフト量、qは任意の整数(一般的には、q=0)を表す。
式(4)で表されるZC-ZCZ系列では、系列番号(u)の異なる系列及び巡回シフト量(Δm)の異なる系列の2種類をRSに利用することができる(図1参照)。系列番号の異なる系列間は準直交(相関が低く、ほぼ直交)の関係が成り立つ。一方、巡回シフト量の異なる系列間は直交の関係が成り立つため、系列間の相互相関特性がよい。なお、巡回シフト量の異なる系列は、CAZAC系列の性質上、フレーム同期が確立したセル間で直交の関係を成立させることが容易である。
次に、異なる送信帯域幅(RB数)に応じたRSの具体的な生成方法について述べる。一般に、系列長Nが素数のZC系列からはN−1個の系列を生成することができるため、系列長Nが素数以外の場合に比べて系列リユースファクタを増加させることができる。しかしながら、例えば、非特許文献3に記載されるシステムでは、送信帯域のサブキャリア数が12サブキャリア(1RB)の倍数に決められており、系列長が素数のZC系列を適用するとZC系列長と送信帯域のサブキャリア数が一致しない。具体的には、送信帯域が2RBである場合、サブキャリア数は24サブキャリアとなるが、24に近い素数は23又は29であり、ZC系列長は23又は29である。
そこで、系列長Nが素数のZC系列を送信帯域のサブキャリア数に合わせる方法として、特許文献1には、サイクリックエクステンション(Cyclic Extension(拡張))とトランケーション(Truncation(短縮))が開示されている。図2に示すように、サイクリックエクステンションは、送信帯域のサブキャリア数より小さい素数のうち最大の素数を系列長とし、送信帯域のサブキャリア数に合わせてZC系列の前半部分をコピーして後尾に付加する方法である。一方、トランケーションは、送信帯域のサブキャリア数より大きい素数のうち最小の素数を系列長とし、送信帯域のサブキャリア数に合わせてサブキャリア数を超える部分をZC系列から取り除く方法である。
また、非特許文献3では、送信帯域幅(RB数)毎にそのサブキャリア数に最も近い素数を系列長(N)として適用することが検討されている。例えば、トランケーションを適用する場合、帯域幅が1RB(12サブキャリア)では系列長を13、2RB(24サブキャリア)では系列長を29、3RB(36サブキャリア)では系列長を37とする。
米国特許出願公開第20050226140号明細書
TS36.211 V1.1.0, 3GPP TSG RAN, "Physical Channels and Modulation (Release 8)"
NTT DoCoMo, Fujitsu, Mitsubishi Electric, NEC, Panasonic, Sharp, Toshiba Corporation, R1-072429, "Necessity of Multiple Bandwidths for Sounding Referebce Signals", 3GPP TSG RAN WG1Meeting #49, Kobe, Japan, May 7-11, 2007
Motorola, R1-071339, "Selection between Truncation and Cyclic Cyclic Extension for UL RS Generation",3GPP TSG RAN WG1Meeting #48bis, St. Julian’s, Malta, March 26-30, 2007
上述した特許文献1に記載の方法によれば、同じ系列長のZC系列間の相互相関の増加を最小限に抑えることができる。しかしながら、隣接セル間において異なる系列長のZC系列が送信されるため、図3に示すように、系列長Nの異なるZC系列間では低相互相関が保証されず、互いに干渉を与え、受信特性を著しく劣化させる。なお、上記の課題は、隣接セル間でのみ発生するものではなく、セル内において異なる系列長のZC系列が送信される場合にも発生する。
例えば、セル#1では系列長N(b)、セル#2では系列長N(c)を利用すると、低相互相関を維持できない。さらに、ZC系列の系列番号rの組み合わせによっては相互相関が極めて高くなることがあり、チャネル推定に大きな誤差が生じ、受信特性を著しく劣化させる。
また、送信帯域幅(RB数)毎に異なる系列長N(x)(x=a,b,…)を用いるため、利用可能な帯域幅の種類が増加するほど、無線通信端末装置及び無線通信基地局装置ではシステムで利用するZC系列が増加するため、図4に示すように、ZC系列を保持するメモリなどの回路規模が増大し、また、系列生成に必要な演算量も増加する。
本発明の目的は、異なる送信帯域幅でRSを送信する場合でも、系列間干渉を低減すると共に、回路規模及び演算量を削減する無線送信装置及び無線通信方法を提供することである。
本発明の無線送信装置は、参照信号を割り当てる複数の送信帯域幅において共通の基本系列長のCAZAC系列を対応付け、取得した送信帯域幅情報が示す送信帯域幅に対応する基本系列長を決定する系列長決定部と、前記決定された基本系列長に対応するCAZAC系列を生成する系列生成部と、前記生成されたCAZAC系列を参照信号として送信する送信部と、を具備する構成を採る。
本発明の無線通信方法は、参照信号を割り当てる複数の送信帯域幅において共通の基本系列長のCAZAC系列を対応付け、取得した送信帯域幅情報が示す送信帯域幅に対応する基本系列長のCAZAC系列を生成して、参照信号として送信するようにした。
本発明によれば、異なる送信帯域幅でRSを送信する場合でも、系列間干渉を低減すると共に、回路規模及び演算量を削減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る端末100の構成について、図5を用いて説明する。受信RF102部は、アンテナ101を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を復調部103に出力する。復調部103は、受信RF部102から出力された信号に等化処理、復調処理を施し、これらの処理を施した信号を復号部104に出力する。復号部104は、復調部103から出力された信号に復号処理を施し、データ信号及び制御情報を抽出する。抽出された制御情報のうち、送信帯域幅情報(RB数)が系列長決定部105に出力され、RB割当情報がマッピング部109に出力される。
系列長決定部105は、復号部104から出力された送信帯域幅情報(RB数)に基づいて、ZC系列の系列長と、サイクリックエクステンション又はトランケーションを行うシンボル数(以下、「サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数」という)を決定する。決定されたZC系列の系列長はZC系列生成部107に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力される。
RS生成部106は、ZC系列生成部107、サイクリックエクステンション・トランケーション処理部108、マッピング部109、IFFT部110、巡回シフト部111を備えており、系列長決定部105から出力されたZC系列の系列長、及び、制御情報に含まれるZC系列の系列番号情報に基づいてRSを生成して多重化部117に出力する。以下、RS生成部106の内部構成について説明する。
ZC系列生成部107は、系列番号情報及び系列長決定部105から出力された系列長などを用いて、周波数領域で表されるZC系列(式(3)参照)を生成してサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力する。
サイクリックエクステンション・トランケーション処理部108では、系列長決定部105から出力されたサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数に基づいて、ZC系列生成部107から出力されたZC系列をサイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理してマッピング部109に出力する。
マッピング部109は、復号部104から出力されたRB割当情報に基づいて、サイクリックエクステンション・トランケーション処理部108から出力されたZC系列を端末の送信帯域に対応した帯域にマッピングし、マッピングしたZC系列をIFFT部110に出力する。IFFT部110は、マッピング部109から出力されたZC系列にIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を施し、IFFT処理を施したZC系列を巡回シフト部111に出力する。巡回シフト部111は、IFFT部110から出力されたZC系列に対して巡回シフトを施して多重化部117に出力する。
符号化部112は、送信データを符号化し、符号化データを変調部113に出力する。変調部113は、符号化部112から出力された符号化データを変調し、変調信号をDFT部114に出力する。DFT部114は、変調部113から出力された変調信号にDFT(Discrete Fourier Transform)処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換した信号をRB割当部115に出力する。RB割当部115は、DFT部114から出力された信号をRBに割り当て、RBに割り当てた信号をIFFT部116に出力する。IFFT部116は、RB割当部115から出力された信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号を多重化部117に出力する。
多重化部117は、IFFT部116から出力された送信データと巡回シフト部111から出力されたZC系列(RS)とを時間多重し、多重信号を送信RF部118に出力する。なお、多重化部117における多重化方法は、時間多重に限らず、周波数多重、符号多重、複素空間上のIQ多重であってもよい。
送信RF部118は、多重化部117から出力された多重信号にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ101から無線送信する。
次に、本発明の実施の形態1に係る基地局150の構成について、図6を用いて説明する。符号化部151は、送信データ及び制御信号を符号化し、符号化データを変調部152に出力する。変調部152は、符号化データを変調し、変調信号を送信RF部153に出力する。送信RF部153は、変調信号にD/A変換、アップコンバート、増幅等の送信処理を施し、送信処理を施した信号をアンテナ154から無線送信する。
受信RF部155は、アンテナ154を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の受信処理を施し、受信処理を施した信号を分離部156に出力する。分離部156は、受信RF部155から出力された信号をRSと、データ信号及び制御信号とに分離し、分離したRSをDFT部157に出力し、データ信号及び制御信号をDFT部167に出力する。
DFT部157は、分離部156から出力されたRSにDFT処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換したRSを伝搬路推定部158のデマッピング部159に出力する。
伝搬路推定部158は、デマッピング部159、除算部160、IFFT部161、マスク処理部162、DFT部163を備え、DFT部157から出力されたRSに基づいて、伝搬路を推定する。以下、伝搬路推定部158の内部構成について具体的に説明する。
デマッピング部159は、DFT部157から出力された信号から各端末の送信帯域に対応した部分を抽出し、抽出した各信号を除算部160に出力する。除算部160は、サイクリックエクステンション・トランケーション処理部166から出力されたZC系列を用いて、デマッピング部159から出力された信号を除算し、除算結果(相関値)をIFFT部161に出力する。IFFT部161は、除算部160から出力された信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号をマスク処理部162に出力する。
マスク処理部162は、端末100に割り当てた巡回シフト量に基づいて、IFFT部161から出力された信号にマスク処理を施すことにより、所望の巡回シフト系列の相関値が存在する区間(検出窓)の相関値を抽出し、抽出した相関値をDFT部163に出力する。
DFT部163は、マスク処理部162から出力された相関値にDFT処理を施し、DFT処理を施した相関値を周波数領域等化部169に出力する。なお、DFT部163から出力された信号は、伝搬路の周波数応答を表すものである。
系列長決定部164は、図示せぬスケジューラから出力される送信帯域幅(RB数)情報に基づいて、ZC系列の系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定し、決定した系列長をZC系列生成部165に出力し、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力する。
ZC系列生成部165は、系列長決定部164から出力された系列長及び制御情報に含まれる系列番号情報などを用いて、周波数領域で表されるZC系列(式(3)で表される)を生成してサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力する。
サイクリックエクステンション・トランケーション処理部166は、系列長決定部164から出力されたサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数に基づいて、ZC系列生成部165から出力されたZC系列をサイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理して除算部160に出力する。なお、送信帯域幅(RB数)と系列長(基本系列長)との関係は端末と基地局との双方で共有されているものとする。
DFT部167は、分離部156から出力されたデータ信号及び制御信号にDFT処理を施し、時間領域から周波数領域の信号に変換し、周波数領域に変換したデータ信号及び制御信号をデマッピング部168に出力する。
デマッピング部168は、DFT部167から出力された信号から各端末の送信帯域に対応した部分のデータ信号及び制御信号を抽出し、抽出した各信号を周波数領域等化部169に出力する。
周波数領域等化部169は、伝搬路推定部158内のDFT部163から出力された信号(伝搬路の周波数応答)を用いて、デマッピング部168から出力されたデータ信号及び制御信号に等化処理を施し、等化処理を施した信号をIFFT部170に出力する。
IFFT部170は、周波数領域等化部169から出力されたデータ信号及び制御信号にIFFT処理を施し、IFFT処理を施した信号を復調部171に出力する。復調部171は、IFFT処理が施された信号に復調処理を施し、復調処理を施した信号を復号部172に出力する。復号部172は、復調処理が施された信号に復号処理を施し、受信データを抽出する。
なお、基地局は、巡回シフト系列を用いない場合、マスク処理部162を備えなくてもよい。また、基地局は、受信データの等化処理を周波数領域において行う場合について説明したが、時間領域において等化処理を行ってもよい。
次に、上述した系列長決定部105及び164について詳細に説明する。系列長決定部105及び164は、図7に示すように、送信帯域幅と系列長との対応関係を保持している。この対応関係は、複数の送信帯域幅に対して基本となる1つの系列長(基本系列長)が設定されている。図7の例では、送信帯域幅a、b、cに対して1つの系列長N(b)が設定されている。ここで、系列長N(b)は送信帯域幅bのサブキャリア数よりも小さい最大の素数である。同様に、送信帯域幅d、e、fに対して1つの系列長N(e)が設定されており、送信帯域幅g、h、iに対して1つの系列長N(h)が設定されている。すなわち、ここでは、3つの送信帯域幅をグループ化し、グループ毎に基本系列長が対応付けられている。
系列長決定部105及び164は、送信帯域幅情報を取得すると、取得した送信帯域幅情報に対応する系列長を決定する。このとき、取得した送信帯域幅情報と基本系列長との大小関係に基づいて、ZC系列にサイクリックエクステンション処理を行うかトランケーション処理を行うかを認識する。すなわち、送信帯域幅情報が基本系列長より長い場合にはサイクリックエクステンション処理を行い、送信帯域幅情報が基本系列長より短い場合にはトランケーション処理を行うことを認識する。そして、送信帯域幅と基本系列長との差、すなわち、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を求める。なお、送信帯域幅情報が基本系列長と一致する場合には、サイクリックエクステンション処理を行うと認識してもよいし、トランケーション処理を行うと認識してもよいが、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は0となる。
例えば、取得した送信帯域幅情報が送信帯域幅aを示す場合、系列長決定部105及び164は、送信帯域幅aに対応する系列長N(b)を決定し、送信帯域幅aが系列長N(b)より短いので、トランケーションシンボル数を求める。また、取得した送信帯域幅情報が送信帯域cを示す場合、系列長決定部105及び164は、送信帯域幅cに対応する系列長N(b)を決定し、送信帯域幅cが系列長N(b)より長いので、サイクリックエクステンションシンボル数を求める。
なお、系列長決定部105及び164で送信帯域幅と基本系列長との差、すなわち、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を算出するのではなく、送信帯域幅情報から系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を導くテーブル等を用意して、系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を求めてもよい。
なお、基本系列長を複数の送信帯域幅のうち、中心の送信帯域幅の系列長を基本系列長に設定したが、これに限定するものではなく、例えば、基本系列長をN(a)又はN(c)に設定してもよい。また、N(a)、N(b)、N(c)以外の系列長を基本系列長に設定してもよい。
また、送信帯域幅の増減に対してサイクリックエクステンション及びトランケーションの両方を用いているが、サイクリックエクステンションのみ、またはトランケーションのみを用いるようにしてもよい。つまり、複数の送信帯域幅内で最も短い送信帯域幅に基本系列長を設定してサイクリックエクステンションのみを適用してもよい。例えば、図7では、N(b)ではなく、N(a)を基本系列長として、送信帯域幅の増減に対してはサイクリックエクステンションのみを用いる。逆に、最も長い送信帯域幅に基本系列長を設定してトランケーションのみを適用してもよい。例えば、図7では、N(b)ではなく、N(c)を基本系列長として、送信帯域幅の増減に対してはトランケーションのみを用いる。
また、送信帯域幅の増減に対してサイクリックエクステンション又はトランケーションを用いているが、サイクリックエクステンションの代わりに0を割り当てる0パディング(padding)を用いてもよい。つまり、送信帯域幅のサブキャリアに対して、系列長を超えるサブキャリアには0を割り当てる。なお、サイクリックエクステンションの代わりにサイクリックエクステンションと0パディングを併用してもよい。
また、3種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成しているが、これに限定するものではなく、例えば、5種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成してもよい。さらに、3種類ずつ、5種類ずつなど均等に分ける必要もない。例えば、3種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成する範囲と、5種類の送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列で生成する範囲があってもよい。
このように実施の形態1によれば、複数の送信帯域幅に1つの基本系列長を対応付け、指示された送信帯域幅とこの送信帯域幅に対応する基本系列長とに基づいて、ZC系列をサイクリックエクステンション処理又はトランケーション処理することにより、隣接セル間で異なる送信帯域幅が用いられてRSが送信される場合でも、基本系列長が同じ系列間では、基本系列長部分で低相互相関を維持することができるため、隣接セルに与える干渉を低減することができる。よって、チャネル推定精度を向上させることができる。
また、異なる系列長の数を少なくすることができるので、系列長を保持するメモリなどの回路規模、及び、系列生成に要する演算量を削減することができる。また、系列長情報に加えてZC系列の系列番号を示す情報も削減することができる。
また、周波数領域において同一ZC系列を複数回繰り返すとCM (Cubic Metric)/PAPR (Peak to Average Power Ratio)特性が大幅に増大するが、ZC系列の一部分のみがサイクリックエクステンション又はトランケーションされる場合は、低CM/PAPR特性を維持することができる。
なお、本実施の形態では、端末におけるRS生成部106を図5に示すものとして説明したが、図8に示すような構成でもよい。図8に示すRS生成部106は、位相回転部をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部の後段に備えた。この位相回転部は、巡回シフトを時間領域で実施する代わりに、その等価な処理としての位相回転を周波数領域で実施するものである。また、これらの参照信号生成部は、周波数領域においてZC系列が生成された場合の構成を示しているが、図9A〜Cに示すように、時間領域においてZC系列が生成された場合の構成を採ってもよく、この場合、ZC系列生成部の後段又は巡回シフト部の後段にDFT部が備えられる。ただし、巡回シフト系列を用いない場合には、巡回シフト部又は位相回転部を備えなくてもよい。
また、本実施の形態では、Single Carrier-FDMA(Frequency Division Multiplexing Access)構成で説明したが、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)構成でもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2では、送信帯域幅が長いほど、1つの基本系列長のZC系列で生成できる送信帯域幅数R(Rは2以上の自然数)が増加する場合について説明する。なお、送信帯域幅が一定値よりも小さい場合は送信帯域幅毎に個別の基本系列長でZC系列を生成し、送信帯域幅が一定値よりも大きい場合は1つの基本系列長のZC系列で生成する送信帯域幅数をR(Rは2以上の自然数)としてもよい。
本発明の実施の形態2に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105は、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けた関係を保持し、復号部104から出力された送信帯域幅情報(RB数)に基づいて、ZC系列の基本系列長と、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数とを決定する。なお、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は送信帯域幅と基本系列長との差から求められる。決定されたZC系列の系列長はZC系列生成部107に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力される。
基地局の系列長決定部164は、端末の系列長決定部105と同様に、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持し、図示せぬスケジューラから入力された送信帯域幅情報に基づいて、ZC系列の基本系列長と、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数とを決定する。決定されたZC系列の基本系列長はZC系列生成部165に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力される。
次に、上述した系列長決定部105及び164について詳細に説明する。系列長決定部105及び164は、図10に示すように、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持している。この対応関係は、上述したように、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けている。すなわち、基本系列長が長いZC系列ほど、サイクリックエクステンション・トランケーションを行える最大シンボル数(以下、「サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数」という)を増加させ、基本系列長が短いZC系列ほど、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を減少させる。
ここで、システムで用いる基本系列長をN(a)、N(c)、N(g)(N(a)<N(c)<N(g))とし、基本系列長N(a)、N(c)、N(g)に対応するサイクリックエクステンション可能シンボル数をそれぞれXa、Xc、Xgまでとする。このとき、Xa、Xc、Xgの関係はXa<Xc<Xgを満たす関係とする。すなわち、送信帯域幅に応じてサイクリックエクステンション可能シンボル数(Xa、Xc、Xg)を変更する。例えば、送信帯域幅が1RBの場合、サイクリックエクステンション可能シンボル数が少ないためXaとし、送信帯域幅が3RBの場合、サイクリックエクステンション可能シンボル数がXaより大きいXcとする。
また、基本系列長N(a)、N(c)、N(g)に対応するトランケーション可能シンボル数をそれぞれYa、Yc、Ygまでとする。このとき、Ya、Yc、Ygの関係はYa<Yc<Ygを満たす関係とする。すなわち,送信帯域幅に応じてトランケーション可能シンボル数(Ya、Yc、Yg)を変更する。
なお、図10では、送信帯域幅を3グループ(a、b〜d、e〜i)に分けているが、これに限定するものではなく、2グループに分けてもよいし、4グループ以上に分けてもよい。また、1つの基本系列長から生成する複数の送信帯域幅を1種類(aのみ),3種類(b〜dのみ),5種類(e〜i)としているが、これに限定するものでもない。また、送信帯域幅に閾値を設け、閾値未満は送信帯域幅毎に個別の基本系列長でZC系列を生成し、閾値以上では1つの基本系列長で複数の送信帯域幅のZC系列を生成してもよい。
また、ここでは、送信帯域幅に応じてサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を変更すると説明したが、これに限定するものではなく、例えば、送信帯域幅と対応する基本系列長又は送信RB数に応じて、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を変更してもよい。
また、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数は、一部の基本系列長で同じであってよい。つまり、Xa≦Xc≦Xg、Ya≦Yc≦Ygでもよい。
このように実施の形態2によれば、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けることにより、長い系列長のZC系列ではサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を増加させても、基本系列長部分に対する基本系列長部分以外の割合が少なくできるため、低相互相関特性及び低CM/PAPR特性を維持することができる。
また、系列長が長いZC系列ほど必要な回路規模、演算量が多いため、回路規模及び演算量をより削減することができる。また、系列長情報に加えてZC系列の系列番号を示す情報も削減することができる。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105は、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に1つの基本系列長を対応付けた関係を保持し、復号部104から出力された送信帯域幅情報(RB数)に基づいて、ZC系列の基本系列長を決定し、決定した基本系列長と基地局から通知されたRSの送信帯域幅からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。このとき、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は各送信帯域幅において基本系列長に対する割合が一定になるように定められたサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数よりも小さいものとする。そして、決定されたZC系列の基本系列長はZC系列生成部107に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力される。
基地局の系列長決定部164は、端末100の系列長決定部105と同様に、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持し、図示せぬスケジューラから入力された送信帯域幅情報に基づいて、ZC系列の基本系列長を決定し、決定した基本系列長とRSの送信帯域幅からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。このとき、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数は基本系列長に対する割合が一定となるように定められたサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数よりも小さいものとする。決定されたZC系列の基本系列長はZC系列生成部165に出力され、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数はサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力される。
次に、上述した系列長決定部105及び164について詳細に説明する。系列長決定部105及び164は、図11に示すように、送信帯域幅と基本系列長との対応関係を保持している。この対応関係は、実施の形態2において説明したように、短い送信帯域幅ほど少ない送信帯域幅数に系列長を対応付け、長い送信帯域幅ほど多くの送信帯域幅数に基本系列長を対応付けている。そして、系列長決定部105及び164は、上記の送信帯域幅と基本系列長との対応関係からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。
例えば、図11に示すように、各送信帯域幅において“サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数/基本系列長N(x)”を等しくする。つまり、各基本系列長をN(a)、N(c)、N(g)とし、サイクリックエクステンション可能シンボル数をXa、Xc,Xgとする場合、Xa/N(a)、Xc/N(c)、Xg/N(g)がそれぞれ等しくなるXa、Xc、Xgを選択する。また、トランケーション可能シンボル数をYa、Yc、Ygとする場合、Ya/N(a)、Yc/N(c)、Yg/N(g)が等しくなるYa、Yc、Ygを選択する。
なお、Xa/N(a)、Xc/N(c)、Xg/N(g)又はYa/N(a)、Yc/N(c)、Yg/N(g)が完全に一致しなくても近似値であればよい。例えば、Xa/N(a)、Xc/N(c)、Xg/N(g)、Ya/N(a)、Yc/N(c)、Yg/N(g)より求められるサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数が整数でない場合、floor(Xa/N(a)), ceil(Xa/N(a)), round(Xa/N(a))などにより求めればよい。ここで、floor( )は( )内の数値の小数部分を切り上げることを意味し、ceil( )は( )内の数値の小数部分を切り捨てることを意味し、round( )は( )内の数値の小数部分を四捨五入することを意味し、それぞれ( )内の数値を整数とするものである。
また、ここでは、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を基本系列長に応じて変更するとしたが、これに限定するものではなく、例えば、基本系列長に対応する送信帯域幅又は送信RB数に応じて、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を変更してもよい。つまり、サイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数/送信帯域幅(RB数)を等しくするでもよい。
このように実施の形態3によれば、各送信帯域幅においてサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数と基本系列長N(x)との割合が等しくなるサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を決定することにより、送信帯域幅にかかわらず、系列間の相互相関特性及びCM/PAPR特性を一定に抑えることができる。また、与えられた送信帯域幅情報から、基本系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーション可能シンボル数を簡易な演算によって得ることができる。
(実施の形態4)
実施の形態1から3では、RSとしてDM-RSを例に説明したが、本発明の実施の形態4では、SRSを例に説明する。なお、ここでは、Distributed FDM送信されるSRSについて説明する。ただし、本発明の実施の形態4に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
ここで、Distributed FDMとは、一定のサブキャリア間隔でZC系列を配置する送信方法である。なお、一定のサブキャリア間隔はRPF(Repetition Factor)で決定され、RPF=NであればNサブキャリア間隔でZC系列が割当てられる。例えば、RPF=2のDistributed FDMではZC系列を送信するサブキャリア間隔が2となるため、奇数サブキャリア#1,#3,#5…、あるいは、偶数サブキャリア#0,#2,#4…でZC系列が送信される。
Distributed FDMにおいても、1つの基本系列長から複数の送信帯域幅のZC系列を生成する。なお、Distributed FDM送信では、基本系列長のZC系列を一定のサブキャリア間隔(RPF=N)で配置する。このとき、系列長決定部105及び164は、“ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅<送信帯域幅”となる場合はサイクリックエクステンションを行うことを認識し、“ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅>送信帯域幅”となる場合はトランケーションを行うことを認識して送信帯域幅に合わせるようにする。つまり、送信帯域幅の増減に合わせ、基本系列長のZC系列からサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。
図12では、RPF=2として、2サブキャリア間隔でZC系列を配置し、セル#1とセル#2で同じ基本系列長のZC系列を利用する。このとき、セル#1ではZC系列を配置した帯域幅<送信帯域幅であるためサイクリックエクステンションを、セル#2ではZC系列を配置した帯域幅=送信帯域幅であるためサイクリックエクステンションもトランケーションも行わない。
なお、SRS送信帯域幅が1.25MHzと5MHzがDistributed FDM多重される場合、1.25MHz付近のSRS送信帯域幅では1.25MHz用の基本系列長のZC系列を利用し、5MHz付近のSRS送信帯域幅では5MHz用の基本系列長のZC系列を利用する。
また、Distributed FDM送信に適用するRSは、SRS以外にDM-RSでも、その他のRSでもよい。
このように実施の形態4によれば、隣接セル間において用いられるSRS送信帯域幅(RB数)が異なる場合でも、隣接セル間において同じ基本系列長のZC系列を利用することにより、各帯域幅で符号間干渉を低減することができ、また、系列を保持するメモリなどの回路規模、及び、系列生成に必要な演算量を削減することができる。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5では、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)の送信帯域幅の増減によってSRS送信帯域幅が増減する場合について説明する。
上述した非特許文献1では、図13に示すように、PUCCHをシステム帯域の両端にFDM多重することが検討されている。ここで、PUCCHはデータ送信のない端末が制御情報を送信するチャネルであり、制御情報量の増減によってPUCCHの送信帯域幅が増減する。例えば、図13Aは、PUCCHがシステム帯域の両側に各2RB配置された様子を示し、図13Bは、PUCCHがシステム帯域の両側に各1RB配置された様子を示している。
一方、SRSはPUCCHを除く送信帯域で送信することが検討されている。このとき、PUCCHの増減に応じてSRS送信帯域幅が増減するため、セル間でPUCCHの帯域幅が異なる場合、系列長が異なるZC系列がセル間で送信されることがある。
本発明の実施の形態5に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
PUCCH送信帯域幅の増減によって生じるSRS送信帯域幅で送信するZC系列は、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を調整することによって生成される。つまり、PUCCHの送信帯域幅が最大である場合のSRS送信帯域幅(最小)からPUCCHの送信帯域幅が最小である場合のSRS送信帯域幅(最大)までのSRS送信帯域幅を1つの基本系列長のZC系列から生成する。
例えば、図14では、PUCCHの送信帯域幅が最大である場合のSRS送信帯域幅(最小)をA(RB)、PUCCHの送信帯域幅が最小である場合のSRS送信帯域幅(最大)をF(RB)として、A(RB)からF(RB)までを1つの基本系列長N(D)のZC系列から生成する。そして、系列長決定部105及び164は、基本系列長<SRS送信帯域幅である場合はサイクリックエクステンションを行うと認識し、基本系列長>SRS送信帯域幅である場合はトランケーションを行うと認識してZC系列をSRS送信帯域幅に合わせるようにする。
このように実施の形態5によれば、PUCCHの増減に応じてSRS送信帯域幅も増減する場合でも、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を調整することにより、隣接セルに与える干渉を低減することができ、また、系列長を保持するメモリなどの回路規模、及び、系列生成に要する演算量を削減することができる。
なお、1つの基本系列長のZC系列から生成する送信帯域幅数を更に少なくしてもよい。例えば、最小のSRS送信帯域幅であるA(RB)よりも大きい送信帯域幅をB(RB)、最大のSRS送信帯域幅であるF(RB)よりも小さい送信帯域幅をE(RB)として、B(RB)からE(RB)までを1つの基本系列長のZC系列で生成するとしてもよい。
なお、PUCCHの送信帯域幅の増減によってSRS送信帯域幅が増減する場合において、図15に示すように、実施の形態4において説明したDistributed FDM送信と組み合わせてもよい。例えば、A(RB)からF(RB)までを1つの基本系列長のZC系列から生成する場合、基本系列長はDistributed FDM処理前の系列長、つまり、N(A)/RPF数からN(F)/RPF数のいずれかを基本系列長とすることが好ましい。なお、図15では、N(D)/RPFを基本系列長としている。また、この場合、系列長決定部105及び164は、ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅<SRS送信帯域幅である場合はサイクリックエクステンションを行うと認識し、ZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅>SRS送信帯域幅である場合はトランケーションを行うと認識してZC系列をSRS送信帯域幅に合わせるようにする。
なお、実施の形態1から3では、上り回線のDM-RSを例に説明したが、SRS、下り回線のRS、同期用パイロット信号などに対しても同様に適用可能である。つまり、1つの基本系列長で複数の送信帯域幅(RB数)のCAZAC系列を生成し、送信帯域幅(RB数)の増減に合わせ、基本系列長のCAZAC系列のサイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル量を変更すればよい。同様に、実施の形態4及び5では、上り回線のSRSを例に説明したが、DM-RS、下り回線のRS、同期用パイロット信号などに対しても同様に適用可能である。
また、サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置は、図16に示すように、ZC系列の両側であってもよいし、図7などに示したように、ZC系列の片側のみであってもよい。また、サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置は、図17に示すように、ZC系列の中心部分であってもよい。
(実施の形態6)
本発明の実施の形態6では、系列長(基本系列長)、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF(Repetition Factor)毎に変更する場合について説明する。
本発明の実施の形態6に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の復号部104が抽出した制御情報には、送信帯域幅情報(RB数)に加えてRPF情報が含まれ、抽出された制御情報が系列長決定部105に出力される。
端末の系列長決定部105は、復号部104から出力された送信帯域幅(RB数)情報及びRPF情報を用いて、RPFに応じて変化する基本系列長と送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数との関係を表すテーブルに基づいて、基本系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。系列長決定部105は、系列長情報をZC系列生成部107に出力し、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部108に出力する。
基地局の系列長決定部164は、端末の系列長決定部105と同様に、RPFに応じて変化する基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を表すテーブルを保持し、図示せぬスケジューラから入力された送信帯域幅情報及びRPF情報に基づいて、ZC系列の基本系列長及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数を決定する。系列長決定部164は、系列長情報をZC系列生成部165に、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数をサイクリックエクステンション・トランケーション処理部166に出力する。
次に、端末の系列長決定部105及び基地局の系列長決定部164が保持するテーブルについて説明する。ここでは、基地局及び端末に記憶させるZC系列の系列長(N)の個数を軽減するため、図18に示すように、ZC系列の系列長(N)が12サブキャリア(1RB)ごとに用意される。
この前提のもと、系列長決定部105及び164は、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF毎に変更可能なテーブルを備える。このとき、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長に設定し、基本系列長のZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションすることになる。なお、基本系列長は、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数に対応する系列長を設定することが好ましい。また、送信帯域幅が狭い範囲では、基本系列長を(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数の系列長を設定し、送信帯域幅が広い範囲では、基本系列長を(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数の系列長を設定してもよい。
(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数の求め方には、以下のような方法がある。すなわち、Floor(送信帯域幅(RB数)÷RPF)、Ceil(送信帯域幅(RB数)÷RPF)、Round(送信帯域幅(RB数)÷RPF)などである。なお、これらは一例であり、これらの1つのみを利用してもよいし、2つ又は3つをRB数に応じて使い分けてもよい。例えば、Floor(送信帯域幅(RB数)÷RPF)のみを利用してもよいし、Ceil(送信帯域幅(RB数)÷RPF)のみを利用してもよいし、これらの両方をRB数に応じて使い分けてもよい。
また、上述した「基本系列長のZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションする」方法には、次のような方法がある。すなわち、基本系列長のZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅>送信帯域幅である場合は、トランケーションを施して送信帯域幅(RB数)に合わせる。一方、基本系列長のZC系列をDistributed FDMで配置した帯域幅<送信帯域幅である場合は、サイクリックエクステンションを施して送信帯域幅(RB数)に合わせる。
ここで、Floor(送信帯域幅(RB数)÷RPF)を利用して、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長とする場合について図19を用いて具体的に説明する。基本系列長23のZC系列において、RPF=1ではサブキャリア数24(送信帯域幅2RB)のみに対応するが、RPF=2ではサブキャリア数24(送信帯域幅4RB)、30(送信帯域幅5RB)に対応する。また、基本系列長23のZC系列において、RPF=1ではサイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数は(+1)のみであるが、RPF=2ではサイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数は(+1)〜(+7)である。このように、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係がRPF毎に変更される。ただし、ここでは、説明の便宜上、図19に示すテーブルを例に具体的に示したが、本発明はこれに限らず、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF毎に与えるものであれば、数式でもその他の方法でもよい。
また、送信帯域幅が2RB、5RBで、RPF=3のDistributed FDMで送信する具体例を図20に示す。図20Aは、送信帯域幅が2RBでは基本系列長が11(1RBの系列長)のZC系列を生成し、このZC系列をDistributed FDMで配置すると送信帯域幅よりも大きいため、ZC系列の後半部分を取り除くことで送信帯域幅のサブキャリア数に一致させて割り当てる様子を示している。一方、図20Bは、送信帯域幅が5RBでは基本系列長が11(1RBの系列長)のZC系列を生成し、このZC系列をDistributed FDMで配置すると送信帯域幅よりも小さいため、このZC系列の前半部分を繰り返すことで送信帯域幅のサブキャリア数に一致させて割り当てる様子を示している。
このように実施の形態6によれば、基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係をRPF毎に変更する際、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長に設定し、基本系列長のZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションすることにより、送信帯域幅に適した基本系列長をRPF毎に選択しつつ、参照信号を送信帯域幅に一致させて送信することができる。また、RPF>1の場合においても基本系列長及びRPFが同じ系列間において、低い相互相関を維持することができ、干渉波の軽減効果を改善することができる。
なお、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数が複数(例えば2つ)存在する場合は、それぞれのRB数に対応する系列長のうち、サイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の少ない方の系列長を基本系列長に設定してもよい。
また、送信帯域幅(RB数)のサブキャリア数に一致させる場合、サイクリックエクステンション及びトランケーションの両方、サイクリックエクステンションのみ、トランケーションのみのどれでもよい。つまり、1つの基本系列長から複数の帯域幅のZC系列を生成するが、この複数帯域幅内で最も短い送信帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてサイクリックエクステンションのみを適用する、または最も長い送信帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてトランケーションのみを適用してもよい。
また、RPFとサイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数との関係を“RPFの増加に伴い、サイクリックエクステンション・トランケーション可能なシンボル数を増加させる”と言い換えてもよい。
さらには、実際に利用するサブキャリア数と基本系列長とを関係づけてもよい。つまり、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近い整数となるRB数に対応する系列長を基本系列長とする代わりに、RPF=1において利用可能な系列長の中で(送信サブキャリア数÷RPF)に近い系列長を基本系列長に設定してもよい。
なお、RPF=1において利用可能な系列長の中で(送信サブキャリア数÷RPF)に最も近い系列長を基本系列長に設定することが好ましい。これによって、送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンション・トランケーションするシンボル数を最も少なくできる。具体的には、送信サブキャリアが60(5RB)でRPF=2のDistributed FDM送信をする場合、RPF=1において利用可能な系列長(図19では11、23、31・・・)の中で、30(=60÷2)に最も近い系列長を基本系列長に設定する。つまり、基本系列長を31としてZC系列を生成し、基本系列長のZC系列を1シンボルのみエクステンションすればよいことになる。
(実施の形態7)
本発明の実施の形態7では、DM-RSに適用可能なRB数のうち(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近いRB数に対応する系列長を基本系列長に設定する場合について説明する。
非特許文献3では、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel)用の復調用参照信号(DM-RS)に、ZC系列を連続するサブキャリアで送信するLocalized FDMを利用し、データ送信帯域幅が存在するRB数ごとに系列長(N)を用意することが検討されている。なお、データ送信帯域幅が存在するRB数は、図21に示すように、2,3,5の倍数で表現できるRB数である。例えば、サイクリックエクステンションを適用する場合、帯域幅が1RB(12サブキャリア)では系列長を11、2RB(24サブキャリア)では系列長を23、3RB(36サブキャリア)では系列長を31とする。
一方、PUSCH用のDM-RS以外の参照信号では、PUSCH用のDM-RSのために用意された系列長(N)を利用することが採択されている。例えば、受信品質測定に利用するRPF=2(Distributed FDM送信)のSounding RSにおいても、DM-RS用のZC系列(系列長)を再利用する。
このように、ZC系列の系列長(N)は、DM-RSに適用可能な系列長、すなわち、2,3,5の倍数で表現可能なRB数の系列長とする。
本発明の実施の形態7に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105及び基地局の系列長決定部164が備え、RPFに応じて変化する基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を表すテーブルは、DM-RSに適用可能な系列長のうち(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近いRB数の系列長を基本系列長とする。なお、基本系列長は、DM-RSに適用可能な系列長のうち、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に最も近い整数となるRB数に対応する系列長を設定することが好ましい。具体的には、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以下で最大、または、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以上で最小のDM-RSに適用可能なRB数の系列長が基本系列長に設定される。
なお、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以下で最大のみを利用してもよいし、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以上で最小のみを利用してもよいし、これらの両方をRB数に応じて使い分けてもよい。
ここで、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)以下で最大のDM-RSに適用可能なRB数に対応する系列長を基本系列長に設定する場合について図22を用いて具体的に説明する。まず、データ送信帯域幅が存在しない帯域幅(例えば7RBなど)では、DM-RS用の基本系列長も用意されない。そのため、基本系列長が用意されないRB数では、そのRB数の前後のRB数に対応する基本系列長でZC系列を生成し、この基本系列長で生成したZC系列をサイクリックエクステンション又はトランケーションして送信帯域幅に一致させる必要がある。
例えば、RPF=1において、送信帯域幅(RB数)が7RBでは、送信帯域幅(RB数)が6RBの系列長のZC系列を生成し、このZC系列を送信帯域幅に合わせてサイクリックエクステンションする。または、送信帯域幅(RB数)が8RBの系列長のZC系列を生成し、このZC系列を送信帯域幅に合わせてトランケーションする。
さらに、RPF=2のDistributed FDMを用いて送信帯域幅(RB数)14RBで送信する場合は、送信帯域幅(RB数)7RBの基本系列長が用意されないので、送信帯域幅(RB数)6RBの基本系列長71でZC系列を生成し、このZC系列の前半部分を送信帯域幅に合わせて繰り返す(図22参照)。または、送信帯域幅(RB数)8RBの基本系列長89でZC系列を生成し、このZC系列の後半部分を送信帯域幅に合わせて取り除く。
なお、ZC系列を送信帯域幅(RB数)に合わせる場合に、サイクリックエクステンション及びトランケーションの両方、サイクリックエクステンションのみ、またはトランケーションのみのいずれで対応してもよい。すなわち、1つの基本系列長で複数の帯域幅のZC系列を生成するが、この複数帯域幅内で最も短い帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてサイクリックエクステンションのみを適用してもよいし、または最も長い帯域幅(RB数)の系列長を基本系列長としてトランケーションのみを適用してもよい。
このように実施の形態7によれば、DM-RSに適用可能なRB数のうち(送信帯域幅(RB数)÷RPF)に近いRB数に対応する系列長を基本系列長に設定することにより、DM-RSに適用可能なRB数に対応する系列長から基本系列長を選択することができるため、基地局及び端末が記憶する系列長の情報量を削減することができる。
なお、本実施の形態では、(送信帯域幅(RB数)÷RPF)を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、DM-RSに適用可能な系列長のうち(送信サブキャリア数÷RPF)に近い系列長を基本系列長としてもよい。
また、本実施の形態では、PUSCH用のDM-RSに適用される系列長を基準として説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、SRSの系列長を基準としてもよい。
(実施の形態8)
本発明の実施の形態8に係る端末及び基地局の構成は、実施の形態1の図5と図6に示した構成と同様であり、一部機能が異なるのみなので、図5と図6を援用し、異なる機能について説明する。
端末の系列長決定部105及び基地局の系列長決定部164が備えるテーブルは、基本系列長が増加するにつれ、サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を増加させるように、RPFに応じて変化する基本系列長、送信帯域幅(RB数)及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を有する。
言い換えれば、基本系列長が長い場合は基本系列長から生成したZC系列のサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を増加させ、基本系列長が短い場合は基本系列長から生成したZC系列のサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を減少させる。
なお、サイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル数がサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数よりも多い場合は、図23に示すように、サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数以上は送信しない部分とする。ただし、図23Bでは、送信しない部分をZC系列の後方に設けたが、前方に設けてもよいし、前方と後方にそれぞれ設けてもよい。
このように実施の形態8によれば、基本系列長が増加するにつれてサイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数を増加させ、サイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル数が上記シンボル数よりも大きい場合は送信しない部分を設けることにより、基本系列長が短いZC系列において、CMの増加を防ぐことができる。
なお、上述した実施の形態6から8では、上り回線のSRSを例に説明したが、DM-RS、下り回線のパイロット信号、同期用パイロット信号などに対しても同様に適用可能である。
また、上述した実施の形態1から8では、サイクリックエクステンションやトランケーションするシンボル数<系列長、または、サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数<系列長とすることが望ましい。これにより、同じZC系列を周波数領域で複数回の繰り返すことを防ぐことができ、時間領域におけるCM特性が極端に増大することを防止することができる。
なお、参照信号は、パイロット信号、基準信号、リファレンス信号、リファレンスシグナルなどに置き換えてもよい。
また、上記各実施の形態は、全送信帯域に適用する必要はなく、一部の送信帯域幅のみに適用してもよい。また、基本系列長の一番小さいもの、一番大きいもののみで例外が生じてもよい。例えば、実施の形態2では、送信帯域幅が長いほど1つの基本系列長のZC系列で生成できる送信帯域幅数が増加するとしたが、基本系列長が一番長いZC系列では1つの基本系列長のZC系列で生成できる送信帯域幅数が少なくなってもよい。また、連続する送信帯域幅に1つの基本系列長を割り当てる必要はなく、離れた送信帯域幅に1つの基本系列長を割り当ててもよい。例えば、送信帯域幅a、送信帯域幅c、送信帯域幅eに基本系列長N(c)を割り当て、送信帯域幅b、送信帯域幅d、送信帯域幅fに基本系列長N(d)を割り当てるなどである。
また、上記各実施の形態では、送信帯域幅と系列長の関係を複数セルで共通とする場合について説明したが、これに限定する必要はなく、送信帯域幅と系列長の関係を全セルで共通、フレーム同期が確立するセル内で共通、又は、1つのセル内のみで共通などでもよい。
また、上記各実施の形態では、上りリンクを例に説明したが、下りリンクに適用してもよい。また、本実施の形態は3GPP LTEのシステムに限定するものでもない。
また、上記各実施の形態では、系列長が奇数のZC系列を例に説明したが、系列長が奇数のZC系列以外でも符号系列であれば同様に適用できる。例えば、系列長が偶数のZC系列にも適用可能である。また、ZC系列を内包するGCL(Generalized Chirp Like)系列にも適用可能である。さらに、Frank系列、M系列及びゴールド系列などのPN系列、CAZAC-basedの系列をサイクリックエクステンション・トランケーションした系列、ZC系列をパンクチャリングした系列、Random CAZAC, OLZC, RAZACなどの各種系列、その他のCAZAC系列(計算機により生成した系列を含む)が挙げられる。
ここで、上記GCL系列について式を用いて示す。系列長NのGCL系列は、Nが偶数の場合、式(5)によって表され、Nが奇数の場合、式(6)によって表される。
ただし、k=0,1,2,…,N−1、qは任意の整数、rはNとは互いに素の関係を有し、かつ、Nより小さい整数、bi(k mod m)は任意の複素数であり、i=0,1,…,m−1である。また、GCL系列間の相互相関を最小にする場合、bi(k mod m)は振幅1の任意の複素数を用いる。
このようにGCL系列は、Zadoff-Chu系列にbi(k mod m)を乗算した系列である。
また、上記各実施の形態においては、送信帯域幅情報から系列長の決定、ZC系列の生成、サイクリックエクステンション・トランケーション処理を順次行う旨を記載しているが、これに限定されるものではなく、各送信帯域幅情報に対し予めサイクリックエクステンション・トランケーションされた系列を含む系列を関連付けたテーブルを保持し、これを参照する構成にしてもよい。
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
また、上記実施の形態における基地局はNode B、端末はUE、サブキャリアはトーン(Tone)と表されることがある。
2007年8月8日出願の特願2007−207186及び2007年10月26日出願の特願2007−279224の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる無線送信装置及び無線通信方法は、異なる送信帯域幅でRSを送信する場合でも、系列間干渉を低減すると共に、回路規模及び演算量を削減することができ、例えば、移動通信システムの無線通信基地局装置及び無線通信端末装置等に適用できる。
参照信号に利用可能なZC系列を示す図
サイクリックエクステンション及びトランケーションの説明に供する図
系列長Nの異なるZC系列間における相互相関を示す図
ZC系列を保持するメモリなどの回路規模が増大することを示す図
本発明の実施の形態1に係る端末の構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係る基地局の構成を示すブロック図
図5及び図6に示した系列長決定部の詳細な説明に供する図
図5に示したRS生成部の他の内部構成を示すブロック図
図5に示したRS生成部の他の内部構成を示すブロック図
本発明の実施の形態2に係る系列長決定部の詳細な説明に供する図
本発明の実施の形態3に係る系列長決定部の詳細な説明に供する図
Distributed FDM送信されるSRSにZC系列を割り当てる様子を示す図
PUCCHをシステム帯域の両端にFDM多重する様子を示す図
PUCCHの送信帯域幅の増減に伴って変動するSRS送信帯域幅の様子を示す図
変動するSRS送信帯域幅を用いてDistributed FDM送信する様子を示す図
サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置を示す図
サイクリックエクステンション又はトランケーションする位置を示す図
送信帯域幅(RB数)、送信サブキャリア数及び系列長の関係を示す図
本発明の実施の形態6における基本系列長、送信帯域幅のサブキャリア数及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を示す図
基本系列長のZC系列をRPF=3のDistributed FDMで送信する様子を示す図
送信帯域幅(RB数)、送信サブキャリア数及び系列長の関係を示す図
本発明の実施の形態7における基本系列長、送信帯域幅のサブキャリア数及びサイクリックエクステンション・トランケーションシンボル数の関係を示す図
サイクリックエクステンションやトランケーション可能なシンボル数以上は送信しない様子を示す図