JPWO2009011203A1 - 光ピックアップ装置 - Google Patents

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英之 藤井
藤原 勝巳
勝巳 藤原
淳夫 岩下
淳夫 岩下
保孝 中垣
保孝 中垣
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Abstract

本発明は、簡素な構成でありながら、コリメートレンズの調整を精度良く容易に行える光ピックアップ装置を提供する。ハウジング1の開口1aが、コリメートレンズ3の光軸と対物レンズ10の光軸との関係を維持しつつ、ホルダ2をコリメートレンズ3の光軸方向に所定範囲内で移動可能にガイドするようになっているので、開口1aにガイドされつつホルダ2を所定範囲内で移動させ、最も球面収差の少ない位置で固着すれば、コリメートレンズ3の光軸と対物レンズ10の光軸との関係は維持されていることから、高精度な調整を容易に行うことができる。

Description

本発明は、光ピックアップ装置に関し、特に、光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行うことができ、コンパクトな構成を有する光ピックアップ装置に関する。
CDやDVDに代表される光ディスクに対して、情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置が開発されている。また、波長400nm程度の青紫色半導体レーザを用いて、Blu−ray DiscやHD DVDなどの高密度光ディスクに情報の記録及び/又は再生を行える光ピックアップ装置の開発も急速に進んでいる。
特開平09−44891号公報 特開2005−149607号公報
ところで、高密度光ディスクに対して情報の記録及び/又は再生を行う場合、400nm前後の光束を出射する半導体レーザを用いることが多いが、上市されている半導体レーザは、出射光束の波長が基準波長に対して大きくばらつくという問題がある。出射光束の波長が基準波長に対して大きくシフトすると、集光スポットに球面収差が発生し、波長のばらつきに相応して光ピックアップ装置個々で記録/再生性能がばらつき、これが問題となる恐れがある。また、光ピックアップ装置の集光光学系を構成する光学素子、特に対物レンズについては、製造誤差に起因する球面収差を生じやすく、これが記録/再生性能を劣化させる要因となる場合がある。このような球面収差を補正する一つの方法として、組立時に半導体レーザを集光光学系の光軸方向に位置調整することも考えられる。
しかしながら、半導体レーザを光軸方向に動かすと、光検出器上における光ディスクからの反射光の光軸方向の集光位置もずれてしまう。このずれを、光ディスク反射光を光検出器に集光するサーボレンズの位置を調整して修正することもできるが、それにより光ディスクから光検出器に至る光学系の倍率が変わってしまうという問題がある。
一方、光検出器自体を光軸方向に調整して修正することもできるが、光検出器は光軸直交方向の位置調整も必要なことから、光ピックアップ本体に対して接着材のみによって保持しなくてはならず、その結果、前述の球面収差のばらつきに相応して光ピックアップ本体と光検出器との距離にばらつきが生じ、温度等の環境変化に対する光検出器の位置の安定性について、光ピックアップ個々で差が生じるという問題がある。
また、光ピックアップ装置全体での球面収差の補正は、実際に光ディスクの情報記録面で反射した光束を、対物レンズを含む集光光学系を介して光検出器で受光して、その信号を利用して行うことが好ましいが、半導体レーザの光軸方向の調整を行う場合、光軸直交方向の動きも光検出器上の光スポットの動きとなるため、信号が安定せず調整が困難となる問題がある。
これに対し、例えば光ピックアップ装置の組立時に、コリメートレンズを光軸方向位置を調整して対物レンズに入射させる光束の発散度を変更することにより、光ディスクの情報記録面における球面収差の量を許容範囲に収めることも考えられる。
ここで、コリメートレンズを光ピックアップ装置に設ける場合、コリメートレンズの焦点距離が長い方が、半導体レーザとコリメートレンズとの位置関係における誤差感度上有利であり、コリメートレンズを対物レンズと立上げミラーの間に配置すれば、長焦点距離のコリメートレンズを用いながらコンパクトなレイアウトが可能となる。光ディスクの情報記録面に直交する方向における寸法の許容度が比較的大きな光ピックアップ装置では、このようなレイアウトを選ぶ場合が多い(特許文献1参照)。
また、このようなレイアウトでは、半導体レーザからの光束が光ディスクへ向かう系(往路)と、光ディスクからの反射光が光検出器へ向かう系(復路)との共通光路中にコリメートレンズを設けるので、球面収差の補正のためにコリメートレンズを光軸方向に動かしても、光検出器を光軸方向に動かして修正する必要がないので、前述した半導体レーザを動かしたときの問題を回避できるメリットがある。
かかる場合、どのようにしてコリメートレンズの位置調整を行うかという問題がある。これに対し、特許文献2には、レンズホルダによって保持されたコリメートレンズを光軸方向に調整可能な構成が開示されている。しかしながら、特許文献2のレンズホルダは、一体的に形成されたばね片によって支持されているので、レンズホルダの形状が複雑でありコスト的に不利であることの他、ばね部の光軸方向の長さが短いため、レンズホルダをひっかかり無くスムーズに動かすことが難しく、よってコリメートレンズと半導体レーザ、対物レンズとの位置関係を精度良く維持しつつ、コリメートレンズを光軸方向に高精度に調整するのが難しいという問題がある。
本発明は、かかる問題点に鑑みて成されたものであり、簡素な構成でありながら、コリメートレンズの調整を精度良く容易に行える光ピックアップ装置を提供することを目的とする。
請求の範囲1に記載の光ピックアップ装置は、光源と、前記光源からの出射光を反射させる立上げミラーと、対物光学素子を含む集光光学系からなる光ピックアップ装置であって、
前記立上げミラーと前記対物光学素子との間に配置されたコリメートレンズを含む光学素子ユニットと、
少なくとも組付時に、前記光学素子ユニットを前記コリメートレンズの光軸方向に所定範囲内で移動可能にガイドするガイド部を備えたハウジングと、を有し、
前記光学素子ユニットは、前記所定範囲内の所定位置で前記ハウジングに固着されていることを特徴とする。
本発明によれば、前記ハウジングのガイド部が、少なくとも組付時に、前記光源の発光点位置と、前記コリメートレンズの光軸直交方向位置との関係を維持しつつ、前記光学素子ユニットを前記コリメートレンズの光軸方向に所定範囲内で移動可能にガイドするようになっているので、前記ガイド部にガイドされつつ前記光学素子ユニットを前記所定範囲内で移動させ、最も球面収差の少ない位置で固着すれば、個々の光ピックアップ装置について、ばらつきが少なく良好な記録/再生性能を実現できる。
請求の範囲2に記載の光ピックアップ装置は、請求の範囲1に記載の発明において、前記光学素子ユニットは、前記コリメートレンズを保持するホルダを含むことを特徴とする。但し、前記前記光学素子ユニットは、前記コリメートレンズのみから形成されていても良い。
請求の範囲3に記載の光ピックアップ装置は、請求の範囲1又は2に記載の発明において、前記ハウジングは、前記光学素子ユニットの移動範囲の光源から光が入射する側の末端で前記光学素子ユニットに当接する当接部を有することを特徴とする。例えば、対物レンズによる集光スポットのコマ調整などは、必ずしも球面収差をベストな状態に抑えなくても可能である。そこで、前記ガイド部により前記光学素子ユニットをガイドしつつ前記当接部に当接させれば、特別な前記光学素子の保持機構が必要なく、対物光学素子のチルトによるコマ収差の補正を行うことができる。
請求の範囲4に記載の光ピックアップ装置は、請求の範囲3に記載の発明において、前記当接部は環状であることを特徴とする。
請求の範囲5に記載の光ピックアップ装置は、請求の範囲3に記載の発明において、前記当接部は突起であることを特徴とする。
請求の範囲6に記載の光ピックアップ装置は、請求の範囲1〜5のいずれかに記載の発明において、前記ガイド部により前記対物光学素子ユニットがガイドされた状態で、前記ハウジングに対し、前記コリメートレンズの光軸直交方向の位置決めがなされることを特徴とする。
請求の範囲7に記載の光ピックアップ装置は、請求の範囲1〜6のいずれかに記載の発明において、前記コリメートレンズを前記所定範囲の末端から前記所定位置まで移動させたとき、前記対物レンズにより光ディスクの情報記録面に形成される集光スポットの3次球面収差成分の変化量は、0.02〜0.07λrmsであることを特徴とするので、例えば前記コリメートレンズが前記末端の位置でもコマ収差調整が可能であり、且つ光ピックアップ装置の球面収差を補正するための補正量を有しており、個々の光ピックアップ装置を良好な性能に調整することができる。
請求の範囲8に記載の光ピックアップ装置は、請求の範囲1〜7のいずれかに記載の発明において、前記ガイド部は円筒面を含むことを特徴とするので、前記光学素子ユニットを円筒形状とすることで、前記ガイド部の円筒面と嵌合させて、その軸線方向に案内することができる。
本発明によれば、コンパクトでありながらも、簡素な構成でありながら、コリメートレンズの調整を精度良く容易に行える光ピックアップ装置を提供することができる。
本実施の形態にかかる光ピックアップ装置を概略的に示す断面図である。 図1の構成をII-II線を含む面で切断して矢印方向に見た断面図である。 図1の光ピックアップ装置のコリメートレンズ周辺を示す図である。 ハウジングの一部を示す斜視図である。 図1の光ピックアップ装置のコリメートレンズ周辺を示す図であり、コマ調整時の状態を示す。 コリメートレンズの位置と3次球面収差成分の変化量との関係を示すグラフである。 変形例にかかるハウジングの上面図である。 変形例にかかるコリメートレンズを示す図3と同様な断面図である。
符号の説明
1 ハウジング
1a 開口
1b 環状部
1b’ 凸部
2 ホルダ
3、3’ コリメートレンズ
3a レンズ部
3b 中空円筒部
4 立ち上げミラー
5 半導体レーザ
6 青紫色用偏光ビームスプリッタ
7 パワーモニタ
9 λ/4波長板
10 対物レンズ
11 偏光ビームスプリッタ
12 サーボレンズ
13 光検出器
14 アクチュエータ
15 2レーザ1パッケージ
16 カップリングレンズ
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態をさらに詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置を概略的に示す断面図である。図2は、図1の構成をII-II線を含む面で切断して矢印方向に見た断面図である。図3は、図1の光ピックアップ装置のコリメートレンズ周辺を示す図である。図4は、ハウジングの一部を示す斜視図である。本実施の形態の光ピックアップ装置は、HD DVD、DVD、CDの3種類の光ディスクに対して情報の再生を行えるようになっているが、トラッキング用の光束を生成する回折格子等を追加することにより、情報の記録も行うことが可能である。更に、少なくともその内の1種類の光ディスクに対して情報の記録/再生を行うことができれば足りる。
図3において、ハウジング1の上面には、円筒状の内周面を有する開口1aが形成されており、開口1aの下端内周には、半径方向に突出した環状部1bが形成されている(図4参照)。環状部1bが当接部を構成する。ガイド部を構成する開口1a内には、コリメートレンズ3を保持した円筒状のホルダ2がガタなく嵌合し、不図示の接着剤により、開口1aに対して固着されている。開口1aの下方には、立ち上げミラー4が配置されている。ここでは、コリメートレンズ3とホルダ2により光学素子ユニットを構成する。
次に、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置の動作について説明する。図2において、HD DVDから情報の再生を行う場合、光源である第1半導体レーザ5を発光させると、そこから出射された波長405nm前後のレーザ光束は、青紫色用偏光ビームスプリッタ6で反射され、更に立ち上げミラー4で反射されるが、一部は立ち上げミラー4を通過してパワーモニタ7で検出される。立ち上げミラー4で反射された光束は、コリメートレンズ3,λ/4波長板9を通過し、対物レンズ(対物光学素子ともいう)10を介して、HD DVDの情報記録面に集光される。
HD DVDの情報記録面から反射した光束は、対物レンズ10,λ/4波長板9、コリメートレンズ3を通過し、立ち上げミラー4で反射され、青紫色用偏光ビームスプリッタ6、偏光ビームスプリッタ11を通過し、サーボレンズ12を介して、光検出器13に入射するので、その出力信号を用いて、HD DVDから情報の再生を行うことができる。
ここで、光検出器13上での光スポットの形状変化、強度分布変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて、第1半導体レーザ5からの光束をHD DVDの情報記録面上に結像するように、アクチュエータ14により、対物レンズ10をボビンと一体で、フォーカシング、トラッキング駆動できるようになっている。
DVDから情報の再生を行う場合、2レーザ1パッケージ15内の第2半導体レーザを発光させると、そこから出射された波長660nm前後のレーザ光束は、CD用回折格子16を通過し、偏光ビームスプリッタ11で反射され、青紫色用偏光ビームスプリッタ6を通過し、更に立ち上げミラー4で反射されるが、一部は立ち上げミラー4を通過してパワーモニタ7で検出される。立ち上げミラー4で反射された光束は、コリメートレンズ3,λ/4波長板9を通過し、対物レンズ10を介して、DVDの情報記録面に集光される。
DVDの情報記録面から反射した光束は、対物レンズ10,λ/4波長板9、コリメートレンズ3を通過し、立ち上げミラー4で反射され、青紫色用偏光ビームスプリッタ6、偏光ビームスプリッタ11を通過し、サーボレンズ12を介して、光検出器13に入射するので、その出力信号を用いて、DVDから情報の再生を行うことができる。
ここで、光検出器13上での光スポットの形状変化、強度分布変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて、第2半導体レーザからの光束をDVDの情報記録面上に結像するように、アクチュエータ14により、対物レンズ10をボビンと一体で、フォーカシング、トラッキング駆動できるようになっている。
CDから情報の再生を行う場合、2レーザ1パッケージ15内の第3半導体レーザを発光させると、そこから出射された波長785nm前後のレーザ光束は、CD用回折格子16に入射して、トラッキング信号用の±1次回折光を生成する。かかるレーザ光束は、偏光ビームスプリッタ11で反射され、青紫色用偏光ビームスプリッタ6を通過し、更に立ち上げミラー4で反射されるが、一部は立ち上げミラー4を通過してパワーモニタ7で検出される。立ち上げミラー4で反射された光束は、コリメートレンズ3,λ/4波長板9を通過し、対物レンズ10を介して、CDの情報記録面に集光される。
CDの情報記録面から反射した光束は、対物レンズ10,λ/4波長板9、コリメートレンズ3を通過し、立ち上げミラー4で反射され、青紫色用偏光ビームスプリッタ6、偏光ビームスプリッタ11を通過し、サーボレンズ12を介して、光検出器13に入射するので、その出力信号を用いて、CDから情報の再生を行うことができる。
ここで、光検出器13上での光スポットの形状変化、強度分布変化を検出して、合焦検出やトラック検出を行う。この検出に基づいて、第3半導体レーザからの光束をCDの情報記録面上に結像するように、アクチュエータ14により、対物レンズ10をボビンと一体で、フォーカシング、トラッキング駆動できるようになっている。
次に、本実施の形態にかかる光ピックアップ装置における組立時の調整について述べる。まず、立上げミラー4、青紫色用偏光ビームスプリッタ6等の固定光学素子をハウジング1に接着固定し、第1半導体レーザ5,2レーザ1パッケージ15,コリメートレンズ3、光検出器13等を仮組みする。ここで、コリメートレンズ3を保持したホルダ2を、ハウジング1の開口1aに嵌合させると、コリメートレンズ3と一体でホルダ2は自重により下降し、図5に示すように、その下端面を環状部1bに当接させた状態で静止する。尚、ホルダ2は、固着される前の状態で、環状部1bに当接した状態を起点とし、上方に向かって開口1aにガイドされつつ移動可能となっている。
次に、第1半導体レーザ5を発光させ、コリメートレンズ3の出射光束が所望の傾き範囲内に収まるように、第1半導体レーザ5の光軸直交方向位置を調整する。その後、対物レンズ10が装着されたアクチュエータ14をハウジング1に取り付け、対物レンズ10により形成される集光スポットを所定のカバーガラス(不図示)を介して拡大光学系により観察し、集光スポットのコマ収差を抑制するように、アクチュエータ14の傾きを調整する。本実施の形態によれば、コマ調整はホルダ2を開口1a内に挿入するだけで良く、自重で環状部1bに安定して押し付けられるので、付勢ばねなど特別な機構や治具は不要であり、組立工程の簡略化を図れる。
次に、調整用の光ディスクを対物レンズ10に対向させ、第1半導体レーザ5を発光させると、上述した光路を辿り、光ディスクからの反射光は光検出器13に入射し、サーボ信号、再生信号が検出される。ここで、ホルダ2の下方からピン(不図示)などを用いてホルダ2を突き上げて、サーボ信号や再生信号が最良になるように、コリメートレンズ3の光軸方向の位置を調整する。このとき、ホルダ2は、開口1aの内周にガイドされながら移動するため、コリメートレンズ3の光軸と、第1半導体レーザ5の発光点との光軸直交方向の位置関係が維持されるので、先に調整したコマ収差は最適に抑制されたままとなる。
図6は、コリメートレンズの位置と、対物レンズによる集光スポットの3次球面収差成分の変化量との関係を示すグラフである。ここで、コリメートレンズの設計上の基準位置をコリメートレンズ移動量0(ゼロ)とし、コリメートレンズを入射光束側(光源側)に動かしたときの移動量を負としている。また、3次球面収差成分の変化量は、光スポットの3次球面収差成分の符号が正負どちらの場合でも、変化の大きさとして正符号としている。例えばコリメートレンズを光源側に動かすと集光スポットの3次球面収差成分は負の値の方向に変化するが、その場合も変化量としては正の値で表すものとする。
ここで、コリメートレンズを設計基準位置に配置したとき、各光学素子の製造誤差等により対物レンズによる集光スポットに±0.03λrms程度の3次球面収差が見込まれる。
また、コリメートレンズが設計基準位置から約1mm自重で下がった位置で保持されるように環状部1bを設ければ、自重による移動量(約1mm)で生じる球面収差変化量は0.04λrmsとなる(図6参照)。従って、前述のコマ調整時の集光スポットの3次球面収差の大きさは、最大でも製造誤差による0.03λrms程度の球面収差と自重による移動量で生じる0.04λrmsとを合わせた0.07λrms程度となるので、コリメートレンズを自重だけで保持しつつ、十分にコマ調整を行うことが可能であり、且つ前述のように最終的に集光スポットの3次球面収差を抑制することができる。
コリメートレンズの移動量としては、コマ調整時の集光スポットの品質と、使用する各光学素子が有する球面収差の大きさなどを考慮して、最終的にコリメートレンズを固着する位置と、自重保持する位置との間における3次球面収差成分の変化量が0.02〜0.07λrmsとなる範囲に設定するのが望ましい。かかる状態では、通常ホルダ2と環状部1bとの間には、隙間Δが存在する(図3参照)。
図7は、変形例にかかるハウジングの上面図である。変形例にかかるハウジング1’は、開口1aの下端内周において、半径方向に突き出した3カ所の凸部(突起)1b’を形成しており、ここにホルダ2を当接させるようになっている。即ち、凸部1b’が当接部を構成する。このように周方向に不連続な凸部1b’を設けることで、凸部1b’の間から、コリメートレンズ3の調整時にホルダ2を押圧するピン等を突き出しやすくなる。
図8は、変形例にかかるコリメートレンズを示す図3と同様な断面図である。樹脂製のコリメートレンズ3’は、レンズ部3aと、レンズ部3aの周囲に形成された中空円筒部3bとを有する。中空円筒部3bの外周面を、開口1aの内周面に嵌合させ接着剤により直接固着するようになっており、またコマ調整時には、中空円筒部3bの下端を環状部1bに当接させるようになっている。本変形例では、コリメートレンズ3’のみにより光学素子ユニットを構成する。
以上、本発明を実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は上記実施の形態に限定して解釈されるべきではなく、適宜変更・改良が可能であることはもちろんである。

Claims (8)

  1. 光源と、前記光源からの出射光を反射させる立上げミラーと、対物光学素子を含む集光光学系からなる光ピックアップ装置であって、
    前記立上げミラーと前記対物光学素子との間に配置されたコリメートレンズを含む光学素子ユニットと、
    少なくとも組付時に、前記光学素子ユニットを前記コリメートレンズの光軸方向に所定範囲内で移動可能にガイドするガイド部を備えたハウジングと、を有し、
    前記光学素子ユニットは、前記所定範囲内の所定位置で前記ハウジングに固着されていることを特徴とする光ピックアップ装置。
  2. 前記光学素子ユニットは、前記コリメートレンズを保持するホルダを含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の光ピックアップ装置。
  3. 前記ハウジングは、前記光学素子ユニットの移動範囲の光源から光が入射する側の末端で前記光学素子ユニットに当接する当接部を有することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載の光ピックアップ装置。
  4. 前記当接部は環状であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の光ピックアップ装置。
  5. 前記当接部は突起であることを特徴とする請求の範囲第3項に記載の光ピックアップ装置。
  6. 前記ガイド部により前記対物光学素子ユニットがガイドされた状態で、前記ハウジングに対し、前記コリメートレンズの光軸直交方向の位置決めがなされることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  7. 前記コリメートレンズを前記所定範囲の末端から前記所定位置まで移動させたとき、前記対物レンズにより光ディスクの情報記録面に形成される集光スポットの3次球面収差成分の変化量は、0.02〜0.07λrmsであることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
  8. 前記ガイド部は円筒面を含むことを特徴とする請求の範囲第1項乃至第7項のいずれかに記載の光ピックアップ装置。
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