JPWO2009001803A1 - 有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法および有機無機ハイブリッド薄膜 - Google Patents

有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法および有機無機ハイブリッド薄膜 Download PDF

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Abstract

少なくとも1つの官能基を有する有機化合物(A)と、金属原子を中心とし、該金属原子に、少なくとも1つの官能基と加水分解性基とがそれぞれ直接にまたは連結基を介して結合した構造を有する無機化合物(B)を用い、前記有機化合物(A)が有する官能基と、前記無機化合物(B)が有する官能基との間に共有結合を形成し、前記無機化合物(B)の加水分解性基に加水分解反応を起こさせて金属酸化物を形成してなる構造を有する、有機無機ハイブリッド薄膜。

Description

本発明は、有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法および該製造方法により得られる有機無機ハイブリッド薄膜に関する。
有機化合物と金属酸化物から構成される複合材料には、それぞれの材料にはない力学的・物理的・化学的特性が期待できることから、このような複合材料の開発が様々な分野で強く要求されている。特に、高分子化合物と金属酸化物からなる複合材料は、高分子の強靱さと酸化物の剛直さを合わせた力学的特性を有することから、今日の重要な材料の一つとして位置づけられている。また、高分子化合物と金属酸化物からなる複合材料は、弾性、耐摩耗性および化学的安定性に優れており、将来のタイヤやシールド材としても期待されている。さらに、有機分子を含有する金属酸化物は、汎用材料の着色から新規な光学素子に至るまで広範囲の応用が模索されている。
ところで、このような複合材料の特性は、薄膜となって初めて実質的に価値を有するものも多い。例えば、今日の半導体産業では、電子デバイスの層の高集積化が重要な技術目標となっているが、該目標の達成には、ナノレベルで膜厚が制御された安定な絶縁薄膜が必要不可欠となる。また、ハードディスク等の機械的摩擦を生じる精密電子機器においては、適度な柔らかさと耐摩耗性という一見相反する特性を有する薄膜が必要とされる。
このような要件を満たす薄膜として、非特許文献1に記載されている薄膜が知られている。該文献に記載された薄膜は、相互侵入構造を有する。このような相互侵入型は、金属酸化物と、有機ポリマーが互いに入り組んだ構造をとるため、力学的・物理的安定性が高い。しかしながら、技術の進歩に伴い、さらなる力学的・物理的安定性の向上が求められる傾向にある。
また、非特許文献1では、金属酸化物前駆体をゾルゲル反応させて金属酸化物とし、かつ、該ゾルゲル反応の進行中に、有機モノマーを重合させて相互侵入構造としているため、薄膜を製造するために採用する技術的手段が限られたものとなりやすい。
Vendamme, R.; Onoue, S.; Nakao, A.; Kunitake, T. Nature Materials, 2006, 5, 494-501.
本発明の課題は、上記課題を解決することを目的としたものであって、力学的・物理的安定性の高い有機無機ハイブリッド薄膜を製造することを目的とする。
上記課題の下、発明者が鋭意検討を行った結果、有機化合物と無機化合物との間に共有結合を形成させ、無機化合物間で加水分解反応を起こさせて金属酸化物を形成することにより、安定性の向上した有機無機ハイブリッド薄膜が得られることを見出した。具体的には、下記手段により、上記課題を解決しうることを見出した。
(1)少なくとも1つの官能基を有する有機化合物(A)と、金属原子を中心とし、該金属原子に、少なくとも1つの官能基と加水分解性基とがそれぞれ直接にまたは連結基を介して結合した構造を有する無機化合物(B)を用い、前記有機化合物(A)が有する官能基と、前記無機化合物(B)が有する官能基との間に共有結合を形成し、前記無機化合物(B)の加水分解性基に加水分解反応を起こさせて金属酸化物を形成してなる構造を有する、有機無機ハイブリッド薄膜。
(2)前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種および前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種が、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、メルカプト基、アルキルハライド基、イソ(チオ)シアナート基、酸ハライド基、ホスホノ基、およびアルコキシホスホノ基から選択される、(1)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(3)前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種および前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種が、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基およびアミノ基から選択される、(1)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(4)前記共有結合は、連鎖重合反応、縮合反応または付加反応によって形成されたものである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(5)前記共有結合は、不可逆的な共有結合である、(1)〜(4)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(6)前記有機化合物(A)が2つ以上の官能基を有する、(1)〜(5)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(7)前記無機化合物(B)が有する金属原子が、Al、Sb、Zr、Ti、Cr、Si、La、Ni、SnおよびVから選択される、(1)〜(6)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(8)前記無機化合物(B)が有する加水分解性基の少なくとも1種が、アルコキシ基、アセトキシ基およびクロル基から選択される、(1)〜(7)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(9)前記無機化合物(B)がシランカップリング剤である、(1)〜(8)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(10)前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種および前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種が、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基およびアミノ基から選択され、前記無機化合物(B)が有する金属原子がSiであり、前記無機化合物(B)が有する加水分解性基の少なくとも1種が、アルコキシ基、アセトキシ基およびクロル基から選択される、(1)〜(9)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
(11)少なくとも1つの官能基を有する有機化合物(A)と、金属原子を中心とし、該金属原子に、少なくとも1つの官能基と加水分解性基とがそれぞれ直接にまたは連結基を介して結合した構造を有する無機化合物(B)とを含む組成物を層状にすることを含み、前記組成物中の有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種と、前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種との間に、共有結合を形成させた後、前記加水分解性基に、加水分解反応を起こさせて金属酸化物を形成することを含む、有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(12)前記共有結合を、連鎖重合反応、縮合反応または付加反応によって形成させる、(11)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(13)前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種と、前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種との間に、共有結合を形成させた後、層状にし、加水分解反応を起こさせる、(11)または(12)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(14)前記有機化合物(A)と前記無機化合物(B)を直接に混合して、共有結合を形成させる、(13)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(15)前記組成物を層状にした後、前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種と、前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種との間に、共有結合を形成させ、その後、加水分解反応を起こさせる、(11)または(12)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(16)前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種および前記無機化合物(B)が有する化合物の少なくとも1種が、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、アミノ基、水酸基、カルボン酸基およびそのエステル、メルカプト基、アルキルハライド基、イソ(チオ)シアナート基、酸ハライド基、リン酸およびエステル類から選択される、(11)〜(15)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(17)前記共有結合は、不可逆的な共有結合である、(11)〜(16)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(18)前記有機化合物(A)が2つ以上の官能基を有する、(11)〜(17)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(19)前記無機化合物(B)が有する金属原子が、Al、Sb、Zr、Ti、Cr、Si、La、Ni、SnおよびVから選択される、(11)〜(18)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(20)前記無機化合物(B)が有する加水分解性基の少なくとも1種が、アルコキシ基、アセトキシ基およびクロル基から選択される、(11)〜(19)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(21)支持体の表面に犠牲層を設け、該犠牲層の表面に、前記組成物を層状に塗布した後に加水分解反応を起こさせて薄膜を形成し、さらに前記犠牲層を除去することにより前記支持体と前記薄膜を分離させることを含む、(11)〜(20)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(22)前記犠牲層の除去は、該犠牲層を溶解することにより行う、(21)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(23)前記組成物は、スピンコーティング法またはディップコーティング法により、前記支持体上に層状に設ける、(21)または(22)に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
(24)(11)〜(23)のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法により製造され、厚さが3nm〜100nmである、有機無機ハイブリッド薄膜。
本発明により、力学的・物理的安定性の高い有機無機ハイブリッド薄膜を得ることが可能になった。
本願実施例における有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法のスキームを示す。 本願実施例1におけるIRスペクトルの測定結果を示す。 本願実施例1におけるSEM観察の結果を示す。 本願実施例1および実施例2におけるTEM観察の結果を示す。 本願実施例4におけるIRスペクトルの測定結果を示す。 本願実施例7における昇温脱離スペクトルの測定結果を示す。 本願実施例7における有機無機ハイブリッド薄膜の焼成前後のSEM観察の結果を示す。 本願実施例7における有機無機ハイブリッド薄膜をフッ化水素水溶液に30分間浸漬した前後のSEM観察の結果を示す。
符号の説明
1 シリコーンウェハー基板
2 犠牲層
3 本発明で用いる組成物からなる層
4 光照射装置
5 有機無機ハイブリッド薄膜
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の有機無機ハイブリッド薄膜は、少なくとも1つの官能基を有する有機化合物(A)と、金属原子を中心とし、該金属原子に、少なくとも1つの官能基と加水分解性基とがそれぞれ直接にまたは連結基を介して結合した構造を有する無機化合物(B)を用い、前記有機化合物(A)が有する官能基と、前記無機化合物(B)が有する官能基との間に共有結合を形成し、前記無機化合物(B)の加水分解性基に加水分解反応を起こさせて金属酸化物を形成してなる構造を有する。
以下に、上記構造を有する有機無機ハイブリッド薄膜について説明するが、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜は、上記構造を有する有機無機ハイブリッド薄膜であれば、本願明細書に記載された製造方法以外の製造方法で製造されたものであっても本発明の有機無機ハイブリッド薄膜に含まれる。
本発明の有機無機ハイブリッド薄膜は、柔軟性と強度の両方を備えた安定性の高い薄膜であるが、これは、有機化合物(A)と無機化合物(B)とを共有結合により、強固に結合させた後、無機化合物(B)を加水分解して金属酸化物を形成することにより得られる。
また、本発明では、共有結合の形成と加水分解反応を、それぞれ独立して進行させることができるため、両者の相互作用を考慮することなく、有機無機ハイブリッド薄膜を製造することができる。従って、原材料である有機化合物(A)および無機化合物(B)として、幅広い化合物を採用することができる。特に、本発明では、前記共有結合を不可逆的に形成することができるため、構造の安定性が極めて向上する。
本発明の有機無機ハイブリッド薄膜は、例えば、有機化合物(A)と無機化合物(B)とを含む組成物を調製し、該組成物を層状にすることによって製造する。ここで、組成物中の有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1つと、無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1つとの間に、共有結合を形成させた後、該組成物に、加水分解反応を起こさせる。共有結合の形成のタイミングを、層状にする前/層状にした後のいずれとするかは、有機化合物(A)および無機化合物(B)の種類によって、適宜、定めることができる。
また、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法では、共有結合の形成後に、加水分解反応を起こさせることが重要であって、共有結合の形成は、層状にする前に行ってもよいし、層状にした後に行ってもよい。
尚、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、最終的に得られる薄膜内のすべての共有結合の形成が完全に終了する前に、加水分解反応が進行してもよい。例えば、共有結合の形成が比較的ゆっくり進行する場合、最終的に得られる有機無機ハイブリッド薄膜に含まれる共有結合の一部(例えば、10%以下)が終了していない段階で、加水分解反応を起こさせることも本発明の製造方法の範囲に含まれる。また、有機化合物(A)と無機化合物(B)とを混合することによって、共有結合の形成中に、微小の加水分解が自然に進行する場合もあるが、このような場合も、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法の範囲に含まれる。
実施形態1
共有結合の形成を、上記組成物を層状にする前に行う場合には、最終的に得られる有機無機ハイブリッド薄膜に含まれる共有結合の全てが、層状にする前に形成されているほか、一部が形成されている場合も含む。例えば、共有結合の形成が比較的ゆっくり進行する場合などに、最終的に得られる有機無機ハイブリッド薄膜に含まれる共有結合の、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上が該段階で形成されていれば、本発明における、「共有結合を形成させた後、層状にし」の要件を満たす。
組成物を層状にする前に、共有結合を形成する方法としては、公知の方法を採用できるが、例えば、有機化合物(A)と無機化合物(B)を直接に反応させることが挙げられる。有機化合物(A)と無機化合物(B)とを直接に反応させる方法としては、有機化合物(A)と無機化合物(B)のみを混合し、必要に応じて攪拌した後、溶媒等によって希釈する方法が挙げられる。この方法は、混合により、または、混合後撹拌することにより、有機化合物(A)と無機化合物(B)の間に付加反応や縮合反応が進行する場合に好ましく採用できる。
本実施形態では、既に有機化合物(A)と無機化合物(B)がハイブリッドした状態で層状にしていることから、相分離の危険性を低減させることができる。このため、有機化合物(A)と無機化合物(B)の配合比率を種々に変化させることができ、都合がよい。
例えば、上述の非特許文献1に記載されている方法でも、有機化合物に存在するヒドロキシ基が、シランカップリング剤と反応し、共有結合が形成される可能性は否定できないが、このような共有結合は、“不安定”な共有結合であり、加水分解時に結合が無くなってしまう。仮に、共有結合が形成されたとしても、安定性にかけるため可逆的に結合が解除されてしまう。これに対し、本発明で形成される共有結合は、不可逆的な共有結合とすることができる。
さらに、非特許文献1では、ラジカル重合と加水分解反応は、同時に進行させる必要がある。さらに、非特許文献1では、有機モノマーを精度良く層状にすることが難しいため、回転塗布しながら硬化させる方法に実質的には限定されてしまう。
実施形態2
共有結合の形成を、上記組成物を層状にした後に行う場合には、それ以前に、共有結合の一部が形成されている場合も含む。具体的には、共有結合の大半(好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上)を、層状にした後に形成させる場合は、本発明における、組成物を層状にした後に共有結合を形成させる場合に相当する。
組成物を層状にした後に共有結合を形成する方法としては、公知の方法を採用できるが、連鎖反応により共有結合を形成する方法に好ましく採用できる。連鎖反応としては、光ラジカル重合、熱ラジカル重合等のラジカル重合や、光カチオン重合が挙げられる。
本発明では、有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1つと、無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1つとの結合によって形成される共有結合を有する。さらに、本発明では、有機化合物(A)が有する官能基および無機化合物(B)が有する官能基は、それぞれ、2種以上であってもよい。さらに、有機化合物(A)および無機化合物(B)は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、共有結合に寄与しない官能基を有していてもよい。本発明では、例えば、有機化合物(A)が1種の官能基(A1)を有し、無機化合物(B)が2種の官能基(B1、B2)を有する場合、A1と、B1およびB2がそれぞれ結合してもよいし、B1と、A1およびB2がそれぞれ結合してもよい。有機化合物(A)が2種以上の官能基を有する場合も同様に考えることができる。
ここで、有機化合物(A)が有する官能基と無機化合物(B)が有する官能基とは、互いに結合して共有結合を形成するものであれば、特に定めるものではないが、連鎖重合や付加反応、付加縮合反応など高分子生成反応や不可逆的な共有結合形成に用いられる官能基であることが好ましく、連鎖重合や付加重合、付加縮合重合など高分子生成反応に多用される官能基あることがより好ましい。具体的には、該共有結合が、連鎖重合反応、縮合反応、付加反応によって形成されることが好ましい。
連鎖重合反応は、ラジカル重合反応またはカチオン重合反応であることが好ましい。ラジカル重合反応の場合、好ましい官能基としては、ビニル基、(メタ)アクリル基、フタル酸系のアリール基が挙げられる。カチオン重合反応の場合、好ましい官能基としては、エポキシ基、オキセタン基、カプロラクトン基、フラン等開環重合系の官能基、ビニルエーテル基が挙げられる。
連鎖重合反応を行う場合、組成物に重合開始剤を含めることが好ましい。重合開始剤は、重合の種類や原材料となる有機化合物(A)および無機化合物(B)の種類によって適宜公知のものを採用することができる。重合開始剤を用いて光重合を行う場合、例えば、波長300nm〜500nm、強度1mJ/cm2・s〜1J/cm2・s、30秒〜10分の光照射を行うことが好ましい。熱重合開始剤を用いて熱重合を行う場合、例えば、80〜150℃、1分〜10分の加熱を行うことが好ましい。
もちろん、重合開始剤を用いずに、連鎖重合が進行する場合、重合開始剤は不要である。例えば、連鎖重合反応が、光照射等によって、進行する場合は、組成物を層状にした後に、光照射等を行い、共有結合を形成させる方法が好ましく採用できる。
縮合反応・付加反応の場合、無機化合物(B)が有する官能基としては、エポキシ基、アミノ基、アルキルハライド基、イソシアネート基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基およびアルコキシカルボニル基が好ましい例として挙げられる。無機化合物(B)が有する官能基がエポキシ基の場合、有機化合物(A)が有する官能基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基およびメルカプト基が好ましい。無機化合物(B)が有する官能基がアミノ基の場合、有機化合物(A)が有する官能基としては、アルキルハライド基、チオール基、イソ(チオ)シアナート基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、酸無水物系の基、酸ハライド基、エポキシ基、オキシム基、アルデヒド基が好ましい。無機化合物(B)が有する官能基がアルキルハライド基の場合、有機化合物(A)が有する官能基としては、アミノ基、水酸基、オキシム基が好ましい。無機化合物(B)が有する官能基がイソシアネート基の場合、有機化合物(A)が有する官能基としては、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、チオール基が好ましい。無機化合物(B)が有する官能基が、メルカプト基の場合、エポキシ基、アミン基、イソシアネート基、酸無水物系の基、ビニル基が好ましい。無機化合物(B)が有する官能基が水酸基の場合、有機化合物(A)が有する官能基としては、エポキシ基、アルキルハライド基、イソ(チオ)シアネート基、ホスホノ基、およびアルコキシホスホノ基が好ましい。無機化合物(B)が有する官能基がカルボキシル基またはアルコキシカルボニル基の場合、有機化合物(A)が有する官能基としては、エポキシ基、アミノ基、エステル類が好ましい。また、遊離ラジカルによる付加反応によって共有結合が形成されてもよく、この場合、無機化合物(B)が有する官能基は、ジアゾ基、アジド基であることが好ましく、有機化合物(A)が有する官能基は、水素を引き抜く性能を有する基であれば、広く採用することができる。
これらの中でも、本発明の有機化合物(A)および無機化合物(B)に用いられる官能基としては、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、メルカプト基、アルキルハライド基、イソ(チオ)シアナート基、酸ハライド基、ホスホノ基、およびアルコキシホスホノ基が好ましく、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基およびアミノ基がより好ましい。
付加反応や縮合反応の場合、単なる攪拌または加熱(例えば、20〜50℃)によりハイブリッドを形成できる点で好ましい。従って、有機化合物(A)と、無機化合物(B)の間に、共有結合を形成させた後、層状にする手法を採用する場合に、特に好ましい。
アミノ基を有する化合物としては、例えば、ポリエチレンイミンやポリアニリン、ポリアミドなどのポリマー類やその関連オリゴマーが挙げられる。水酸基を有する化合物としては、例えば、ポリアクリル酸や、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルアルコール等のポリマーや、水酸基やカルボキシル基を有するオリゴマーなどが挙げられる。
このなかで、ビニル基とアリル基または(メタ)アクリロイル基、の組み合わせに関し、共有結合の形成に2つの形態が存在する。1つは、先に述べた付加反応や縮合反応であり、メルカプト基を有するオリゴマーや、ポリマーと良好に反応し、ハイブリッド化する。2つめはビニル重合であり、二重結合を有しているポリマーやオリゴマー(ビニル基、アリル基、アクリル基、またはイソプレン基など)と、ラジカル重合やカチオン重合、アニオン重合を起こすことにより、ハイブリッドを得る方法である。この場合、重合開始剤を用いることが好ましい。
有機化合物(A)
本発明で採用する有機化合物(A)は無機化合物(B)が有する官能基と共有結合を形成する官能基を有する限り特に定めるものではないが、好ましくは、2つ以上の官能基を有する化合物である。該2つ以上の官能基は、同じ官能基であっても、異なる種類の官能基であってもよい。
すなわち、無機化合物(B)は加水分解反応により金属酸化物からなる無機ネットワークを形成するが、加水分解反応の際に、加水分解性基の縮合が起こり、それによって金属酸化物が形成される。そして、有機化合物(A)は、無機ネットワークに共有結合する形で導入される。ここで、有機化合物(A)が有する官能基が1つの場合、無機ネットワークとの結合も1ヶ所であるが、有機化合物(A)が有する官能基を2つ以上とすることにより、有機化合物(A)が無機ネットワークと2ヶ所以上で、共有結合することになるため、より強固なネットワークとなり好ましい。
無機化合物(B)
本発明で採用する無機化合物(B)は、金属原子を中心とし、該金属原子に、少なくとも1つの官能基と加水分解性基とが、それぞれ、直接にまたは連結基を介して結合した構造を有する化合物である。ここで、直接または連結基を介して結合している連結基としては、−(CH2n−(nは正の整数)、アリーレン基、
またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。本発明では、金属原子は、官能基および加水分解性基と、それぞれ、直接に結合していることが好ましい。
加水分解性基とは、加水分解反応を起こして、金属酸化物を与える基をいう。具体的には、アルコキシ基、アセトキシ基、クロル基などが挙げられる。アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プルポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましい。
無機化合物(B)が有する金属原子は、Al、Sb、Zr、Ti、Cr、Si、La、Ni、SnおよびVから選択されることが好ましく、Siであることがより好ましい。
無機化合物(B)としては、例えば、市販のシランカップリング剤として使用されているものが広く採用できる。特に、アミノ基を有するカップリング剤は、ハロゲン化アルキルやアミド化合物、エポキシ基を有するオリゴマーやポリマーと反応を起こす。メルカプト基については、二重結合を有するオリゴマーやポリマー(例えば、ポリイソプレンやポリクロロプレン)と良好に反応する。イソシアナート基については、アミン化合物と反応して尿素誘導体を生じ、酸基を有する化合物と反応してウレタンを生じる。アルキルクロリドに関しては、アミノ基やエポキシ基を有する化合物と反応する。
加水分解性基を加水分解させて、加水分解性基の縮合を起こし、無機化合物(B)を金属酸化物とする方法は、公知の方法を採用できる。例えば、加熱することが挙げられる。この場合の加熱条件は、特に定めるものではないが、30〜150℃、1分〜12時間が好ましい。また、触媒等用いても、加水分解を進行させることができる。
有機化合物(A)と無機化合物(B)の配合割合は、両化合物の種類等に応じて適宜定めることができるが、共有結合の形成に関与する有機化合物(A)が有する官能基と、有機化合物(B)が有する官能基の割合が官能基数のモル比で、1:10〜10:1であることが好ましい。
本発明では、有機化合物(A)と無機化合物(B)の共有結合を介してハイブリッドされたネットワークが形成されるとともに、無機化合物(B)が加水分解され、無機ネットワークが形成される。この結果、高い安定性と、高い強度、柔軟性を備えた有機無機ハイブリッド薄膜が得られる。特に、複雑な手段を採用せずに薄膜を形成できる点に本発明の特徴がある。
本発明で採用する組成物は、上記有機化合物(A)および無機化合物(B)以外の他の成分を含んでいてもよい。
第3成分としてポリマーやアルコキサイドを添加することができる。例えば、テトラエトキシシラン (Si (O-Et)4)などが挙げられる。このような化合物は、例えば硬さを増強するために、添加することが考えられる。また、例えば、エポキシ基とアミノ基の間に共有結合を形成させる場合、ポリエチレンイミンを加えることがあげられる。この場合、ポリエチレンイミンは、親水性をコントロールする。さらに、第3成分が、共有結合の補強等に寄与していても良い。このような第3の成分としては、膜の総重量の5重量%〜50重量%であることが好ましい。
本発明で採用する組成物には、膜構造形成に関与しない、膜に機能を持たせるための物質を含んでいてもよい。このような物質は、有機化合物、無機化合物のいずれでもよく、色素、顔料、金属微粒子、金属酸化物微粒子、有機微粒子、有機低分子、有機ポリマー、デンドリマー、生体分子、カーボンナノチューブ、フラーレン、カーボンブラック、および粘土鉱物から選択される少なくとも1種が例示される。色素としては、ローダミンやピレン、ポルフィリンなどに代表される一般的な蛍光性色素の他、アゾベンゼンやスピロピランのような一般的な機能性色素なども用いることができる。顔料としては、アゾ顔料やフタロシアニンブルーなどの多環式系顔料、あるいはニッケルチタンエローのような無機顔料が、金属微粒子としては、金超微粒子や銀超微粒子、プラチナ微粒子にタングステン微粒子などが挙げられる。金属酸化物微粒子としては、酸化アルミニウムや酸化チタン、酸化珪素に酸化スズなどが挙げられる。有機微粒子としては、ポリスチレンラテックスや(メタ)アクリルアミド粒子、ジビニルベンゼンで重合したポリスチレン微粒子などが挙げられる。有機低分子としては、カルバゾール誘導体やTTF(tetrathiafulvalene)誘導体、キノン類誘導体、チオフェンやピロール誘導体などの各種機能性分子が挙げられる。有機ポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミドなどの結晶性ポリマーや、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリスルホンなどのアモルファスポリマーが挙げられる。生体分子としては、DNAやタンパク質、リン酸質にグルコース、ATPなどが挙げられる。粘土鉱物としては、ゼオライトやカオリナイト、モンモリロナイトにクロライト等が挙げられる。デンドリマーとしては、PMMA型デンドリマーやチオフェン型デンドリマー、ポリ(アミドアミン)デンドリマーが挙げられる。
これらの物質は、本発明で用いる組成物中に、0.01〜80重量%の範囲で用いることが好ましい。また、これらの物質は、得られる有機無機ハイブリッド薄膜の0.1〜40重量%の範囲で含まれていることが好ましい。
このように、本発明の製造方法では、種々の物質を含んだ薄膜として用いることができる。例えば、色素を含んだ有機無機ハイブリッド薄膜は、光学材料に用いることができる。また、金属酸化物を含んだ有機無機ハイブリッド薄膜は、層間絶縁膜に用いることができる。
また、本発明で用いる組成物は、通常、溶媒中に、樹脂や他の物質等を添加して調製する。ここで用いる溶媒は、特に定めるものではないが、例えば、クロロフォルム、シクロヘキサノン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、乳酸エチル等を用いることができる。
ここで、本発明で用いる組成物は、支持体上に直接に設けてもよいし、後述する犠牲層等、何らかの層を設けた上に設けてもよい。
また、本発明で用いる組成物を設ける面の表面は洗浄しておくことが好ましい。洗浄は、酸含有液、好ましくは、ピラニア溶液で洗浄しておくとよい。このような操作を含むことにより、重合した樹脂組成物(本発明の有機無機ハイブリッド薄膜)を支持体から分離することがより容易にできる。
層状に設ける方法としては、スピンコーティング法、ディップコーティング法等の薄層を設ける方法が広く採用できる。
スピンコーティング法を採用する場合、回転数600〜8000rpmで行うことが好ましい。
また、本発明における膜厚は、本発明で用いる組成物中における樹脂の濃度やスピンコートの条件等により調製することができる。
本発明では、本発明で採用する組成物を層状に塗布した後に加水分解反応を起こさせて薄膜を形成した後、該薄膜を支持体から分離することが好ましい。ここで、薄膜と、支持体とを分離する方法は公知の方法を採用することができる。
好ましくは、支持体の表面に犠牲層を設け該犠牲層を除去することにより行うことができる。犠牲層を設ける方法および除去する方法は、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜に損傷を与えない方法であれば、いかなる方法であってもよい。好ましくは、組成物を層状塗布し、加水分解した薄膜、すなわち、有機無機ハイブリッド薄膜が溶解せずに犠牲層のみを溶解する溶媒に浸漬して該犠牲層を溶解する方法である。この方法を採用する場合、犠牲層と有機無機ハイブリッド薄膜の間に切り込みを入れておくことが好ましい。このような手段を採用することにより、溶媒がより浸透しやすくなり好ましい。
特に、本発明では、犠牲層として、外的な刺激によって溶媒への溶解度が不溶から可溶へと変化するポリマーを好ましく用いることができる。このようなポリマーは、好ましくは架橋性ポリマーであり、より好ましくは熱架橋性−光分解性ポリマーまたは光架橋性−熱分解性ポリマーである。熱架橋性−光分解性ポリマーとしては、例えば、ビニルエーテルと、水酸基または酸性ポリマーと、光酸発生剤との組み合わせからなるものが挙げられる。具体的には、例えば、特開平9−274320号公報や特開2004−117878号公報に記載のものが挙げられる。一方、光架橋性−熱分解性ポリマーとしては、例えば、側鎖にエポキシ基を有するポリマーが挙げられる。具体的には、Chem. Mater. 2002, 14, 334-340に記載のものが挙げられる。このような熱架橋性−光分解性ポリマーまたは光架橋性−熱分解性ポリマーを採用することにより、本発明の組成物を犠牲層上に設ける際に、ほとんどすべての溶媒を使用することができるという利点がある。
犠牲層の厚さとしては、100nm〜10μmが好ましい。このような範囲とすることにより、犠牲層を容易に除去できる。
ここで、支持体としては、ガラス基板、シリコーンウェハー基板、マイカ基板、金基板等を採用できる。また、犠牲層としては、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレンスルフォネート、半導体用レジスト材料、熱重合性のポリマー等を採用できる。犠牲層の作製に用いる溶媒としては、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜に損傷を与えない溶媒であることが好ましい。但し、溶媒が完全に揮発した後に本発明で用いる組成物を層状に設ける場合等、本発明の趣旨を逸脱しない限り、この要件は必須ではない。
本発明の方法により得られる有機無機ハイブリッド薄膜は、従来の方法では得られなかった有意な特性を有している。
まず、本発明の製造方法を採用することにより、自己支持性を有する有機無機ハイブリッド薄膜が得られる。ここで自己支持性とは、支持体を取り除いても該有機無機ハイブリッド薄膜層が薄膜の形態を保つことをいう。
さらに、以下の性質を有する有機無機ハイブリッド薄膜を製造することができる。
(1)膜の厚さを、例えば100nm以下、さらには50nm以下、特には10〜50nmとしても自己支持性を有する有機無機ハイブリッド薄膜
(2)表面積が100mm2以上の有機無機ハイブリッド薄膜
(3)アスペクト比 (厚さに対する膜サイズ比)が104以上、さらには106以上、特には107以上の有機無機ハイブリッド薄膜
(4)支持体に対し、1%以下の寸法精度を有する、寸法安定性に優れた有機無機ハイブリッド薄膜
(5)例えば、1MPa以上、さらには10MPa以上の強度を有する有機無機ハイブリッド薄膜
(6)半永久的(例えば、1年以上)自己支持性を維持させることができる有機無機ハイブリッド薄膜
(7)例えば、0.1%以上の極限伸縮張率を有する、柔軟性に優れた有機無機ハイブリッド薄膜
(8)ヤング率が800MPa以上、さらには、1000MPa以上である有機無機ハイブリッド薄膜
(9)強度が10MPa以上である有機無機ハイブリッド薄膜
本発明の有機無機ハイブリッド薄膜の厚さは、用いる用途に応じて適宜定めることができるが、例えば、3nm〜100nmであり、好ましくは10nm〜50nmとすることができる。このような膜厚とすることにより、厚膜では達成できなかった柔軟さを持たせることができ、物質透過性を高めることができ、さらに、緻密な保護膜として使用することができる。
本発明の有機無機ハイブリッド薄膜は、上述のとおり、該有機無機ハイブリッド薄膜自身に機能性を持たせても良いが、該有機無機ハイブリッド薄膜の表面に機能性層を設けることにより、また、機能性材料を付着させることにより、機能性を持たせることもできる。このような機能性層としては、金属層やポリマー層、金属酸化物層が挙げられる。また、機能性材料としては、色素(特に、ローダミンイソチオシアネート、フルオレスカミン、ダンシルクロリド、ダブシルクロリドのような、官能基を有した色素)、顔料、液晶分子や金属微粒子、さらには半導体微粒子や酸化物微粒子が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り、適宜、変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。
実施例1
本実施例で採用した化合物を下記に示す。
クレゾール型エポキシオリゴマー(PCGF、Sigma-Aldrich製、PCGF870)に、1−アミノプロピルトリエトキシシラン(1-aminopropyltriethoxysilane、APS、Sigma-Aldrich製)を混合し、室温で、24時間攪拌させ、その後、クロロフォルムで希釈したものを塗布溶液とした。濃度は樹脂成分が1.0重量%、エポキシ基とアミノ基の官能基のモル比が1:1となるように調製した。
次に、図1の(a)、(b)および(d)の手段に従って、有機無機ハイブリッド薄膜を作成した。尚、本実施例では、図1の(c)の手段は行っていない。尚、図1中、1はシリコーンウェハー基板を、2は犠牲層を、3は本発明で用いる組成物からなる層を、5は本発明の有機無機ハイブリッド薄膜を示している。
シリコーンウェハー基板上に犠牲層としてポリビニルフェノール(PHS)層をスピンコート法により設けた(厚さ:100nm)(図1の(a))。次に、上記塗布溶液を2000rpm、60sスピンコートすることにより、犠牲層上に本発明で用いる組成物からなる層を設けた(図1の(b))。層の厚さは、20nmとした。120℃で30分程度の加熱による加水分解反応の後、得られたサンプルをエタノール中に浸積し、犠牲層を溶解して、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜を分離した(図1の(d))。
比較例1
実施例1において、PCGFとAPSを、それぞれ、クロロフォルムに溶解し、その後に混合して調製した塗布液を用いたこと以外同様に行った。この場合、PCGFとAPSの間では共有結合が形成されないまま、層状に塗布されることになる。
実施例2
実施例1において、エポキシ基とアミノ基の官能基のモル比が1:2となるように調製したこと以外は同様に行って、有機無機ハイブリッド薄膜を得た。
実施例3
実施例1において、エポキシ基とアミノ基の官能基のモル比が1:0.5となるように調製したこと以外は同様に行って、有機無機ハイブリッド薄膜を得た。
結果
実施例1〜3において得られた薄膜を目視により観察したところ、透明で均一な薄膜であった。比較例1において得られた薄膜は、相分離と見られる白濁化が観察され、均一な薄膜ではなかった。このことから、PCGFとAPSを直接に混合・攪拌することにより、エポキシ基とアミノ基がすでに室温で反応し、スピンコート時の相分離が起らないことが確認された。
図2は、PCGFとAPSを直接に混合し撹拌して得られた溶液を、クロロフォルムで希釈した後、スピンコートすることによって金基板上に直接作製した薄膜(PCGF−APS)、APS(液体)およびPCGF(粉体)はそれぞれのIRスペクトルを測定した結果を示したものである。該図2から明らかなとおり、IRスペクトルにおいても、PCGF−APSは、PCFGに見られる環状エーテルに起因する910cm-1のピーク(図2の○印部分)が観察されなかった 。
実施例1で得られた有機無機ハイブリッド薄膜を、多孔質アルミナ基板上に移し替え、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。その結果を図3に示した。図3(a)は有機無機ハイブリッド薄膜の断面を、図3(b)は有機無機ハイブリッド薄膜の表面の写真である。図3より、膜厚は約45(2nmであることが分かった。また、図3(b)から、有機無機ハイブリッド薄膜の断面を凹凸のある多孔質アルミナ基板上に移し替えても、破損がなかった。これらより、実施例1で得られた有機無機ハイブリッド薄膜は、丈夫な薄膜であることが確認された。
実施例1および実施例2で得られた有機無機ハイブリッド薄膜について、透過型電子顕微鏡(TEM)により観察した。その結果を図4に示した。図4中、(a)が実施例1で得られた有機無機ハイブリッド薄膜であり、(b)が実施例2で得られた有機無機ハイブリッド薄膜である。
いずれの薄膜においても、シリカの結晶化・凝集等は観察されず、良好な有機無機ハイブリッド薄膜が得られていることが分かった。
実施例1〜3で得られた有機無機ハイブリッド薄膜について、SEM観察により膜厚を、Adv Mater., 2007, 19, 909-912と同様に行って、極限引っ張り強度をおよび極限伸びを、SIEBIMM法(strain-induced elastic buckling instability measurement method)により、ヤング率をそれぞれ測定した。
また、非特許文献1に記載のアクリレート−ジルコニアの相互侵入高分子網目構造を有する膜およびAdv Mater., 2007, 19, 909-912に記載のエポキシ樹脂からなる薄膜についても、同様に行った。その結果を下記表に示した。
上記表から明らかなとおり、実施例1〜3で得られた有機無機ハイブリッド薄膜は、高いヤング率、高い極限引張り強度および高い極限伸びを有していることが分かった。特に、また、厚さ24±2nmエポキシ樹脂からなる薄膜のヤング率が350MPaであったことから、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜のヤング率は、公知のエポキシ樹脂からなる薄膜のヤング率よりも1桁高いことが確認された。
エタノール中に浮遊している、実施例1〜3で得られた有機無機ハイブリッド薄膜(大きさ:10cm2)を内径320μmのピペットによって吸い込んだ後、吐き出しした。このとき、これらの有機無機ハイブリッド薄膜に、損傷は認められなかった。また、実施例1〜3で得られた有機無機ハイブリッド薄膜を、陽極酸化アルミニウム基板(AAO基板)上に移し替え、その後、エタノールのろ過を試みたが、エタノールを全く通さなかった。
実施例4
本実施例で採用した化合物を下記に示す。
上記1は、シランカップリング剤として知られているトリエトキシビニルシラン(東京化成工業製、Triethoxyvinylsilane)であり、2は、アクリルオリゴマー(三井化学製、R280)である。
上記シランカップリング剤1と上記アクリルオリゴマー2を1:1(体積比)の割合で、クロロフォルムに溶解し、さらに、光重合開始剤としてDarocure4265(Ciba-Geigy製)を添加して塗布溶液を作製した。シランカップリング剤1とアクリルオリゴマー2の総重量が1重量%となるように調製し、重合開始剤は、シランカップリング剤1とアクリルオリゴマー2の総重量に対して5重量%(全体に対して0.05重量%)とした。有機無機ハイブリッド薄膜の形成は、図1の(a)〜(d)の手順に従って行った。尚、図1中、4は光照射装置を示している。
始めに、シリコーンウェハー基板(サイズ:4x4cm)上に犠牲層としてポリビニルフェノール(PHS)層をスピンコートにより設けた(厚さ:約100nm)(図1の(a))。次に、上記塗布溶液を、2000rpm、60sの条件で、スピンコートして、犠牲層上に本発明で用いる組成物からなる層を設けた(図1の(b))。層の厚さは40nmとした。本発明で用いる組成物からなる層に、光照射装置を用いて、波長300nmの光を真空中で60秒間照射した(図1の(c))。ここで、光源には水銀ランプを用い、スライドガラスを通して露光を行った。さらにその後に、120℃で1時間加熱し、得られたサンプルを水中に浸積することによって、犠牲層が溶解し機無機ハイブリッド薄膜を分離した(図1の(d))。
比較例2
実施例4において、120℃、1時間の加熱を行わず、他は同様に行った。
比較例3
実施例4において、光照射を行わず、他は同様に行った。
実施例5
実施例4において、犠牲層の溶解を、有機無機ハイブリッド薄膜をエタノールに浸積させることにより、行い、他は同様に行って、有機無機ハイブリッド薄膜を得た。
実施例6
実施例4において、採用した化合物を、トリエトキシビニルシラン(東京化成工業製)と、ジビニルベンゼン(関東化学製)とに代え、他は同様に行って有機無機ハイブリッド薄膜を得た。
結果
実施例4〜6において得られた薄膜を目視により観察したところ、綺麗であった。比較例2および3では、シリコーンウェハー基板上では、膜状にはなっていたが、シリコーンウェハー基板との剥離途中で破けてしまった。
また、実施例4において、120℃1時間の加熱前および加熱後、ならびに、光照射後の段階において、IRスペクトルを測定した。その結果を図5に示した。図5から明らかなとおり、加熱後に、アクリル基ならびにビニル基に由来する810 cm-1のピークが消失していることから、アクリル基とビニル基はいずれも反応していることが確認された。
実施例4および実施例5から明らかなとおり、犠牲層の除去に際し、水およびエタノールのいずれを用いても良好な有機無機ハイブリッド薄膜が得られた。また、該薄膜は、エタノール中および水中のいずれでも、安定した状態であり、取り扱いが容易であった。さらに、これらの薄膜は寸法安定性みの優れており、シリコーンウェハー基板と同様の大きさの薄膜が得られた。
また、実施例4において、アクリルオリゴマー2を下記アクリルモノマー3に代え、他は同様に行ったところ、実施例4と同じ傾向の効果が得られることを確認した。ここで用いた3のアクリルモノマーは、Sigma-Aldrich製である。また、シランカップリング剤1に対して、体積比で1:1となるように配合した。
実施例7
実施例1と同じ方法で、ただし、膜厚が53.7nmである有機無機ハイブリッド薄膜を作製した。この有機無機ハイブリッド薄膜を用いて以下の実験を行った。
得られた有機無機ハイブリッド薄膜の昇温脱離スペクトル(TDS、Thermal Desorption Spectrum)をE. Ito, J. Noh, and M. Hara, Jpn. J. Appl. Phys., 2003, 42, 852-855に記載の方法に従って測定した。その結果を、図6に示す。図6において、縦軸は温度(単位:℃)を、横軸は質量(単位:M/z)を、高さは相対強度をそれぞれ示している。図6の結果から、実施例7で作製した有機無機ハイブリッド薄膜のエポキシ成分の分解によるフラグメント化は250℃付近から始まっていることが確認された。このことは、実施例7で作製した有機無機ハイブリッド薄膜は、耐熱性に優れた材料であることを示している。またこの有機無機ハイブリッド薄膜は600℃で30分間の焼成、という過酷な条件後も、その形態を保つことができることが確認された。
また、実施例7で作製した有機無機ハイブリッド薄膜を作製したのち、AAO基板に移し替えたものの焼成前後のSEM写真を図7に示す。図7中、(a)および(b)は断面図であり、(c)および(d)は表面図である。また、(a)および(c)は焼成前を、(b)および(d)は焼成後を示している。図7から明らかなとおり、焼成後は、有機成分の炭化により、その膜厚は53.7nmから24.2nmと薄くなってはいるが、その形態が保たれていることが確認された。この薄膜は焼成前の有機無機ハイブリッド薄膜と比べて弱いが、有機成分を除去しても形態が保たれていた。
実施例7で作製した有機無機ハイブリッド薄膜を、AAO基板に移し替え、その後1重量%のフッ化水素(HF)水溶液に30分間浸積した前後のSEM写真を図8に示す。図8中、(a)および(b)は断面図であり、(c)および(d)は表面図である。また、(a)および(c)はHF水溶液に浸漬前のものを、(b)および(d)は浸漬後のものを示している。膜厚は53.7nmから43.4nmと約20%の収縮を見せたが、薄膜自体は浸積前と同様に強靱であった。これは、無機のSiO2成分を除去する方法として有用であるHF処理に対して、本発明の有機無機ハイブリッド薄膜は無機と有機が共有結合で結ばれていることによって安定であったためと思われる。

Claims (15)

  1. 少なくとも1つの官能基を有する有機化合物(A)と、金属原子を中心とし、該金属原子に、少なくとも1つの官能基と加水分解性基とがそれぞれ直接にまたは連結基を介して結合した構造を有する無機化合物(B)を用い、
    前記有機化合物(A)が有する官能基と、前記無機化合物(B)が有する官能基との間に共有結合を形成し、前記無機化合物(B)の加水分解性基に加水分解反応を起こさせて金属酸化物を形成してなる構造を有する、有機無機ハイブリッド薄膜。
  2. 前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種および前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種が、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、ビニルエーテル基、アミノ基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、メルカプト基、アルキルハライド基、イソ(チオ)シアナート基、酸ハライド基、ホスホノ基、およびアルコキシホスホノ基から選択される、請求項1に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  3. 前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種および前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種が、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基およびアミノ基から選択される、請求項1に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  4. 前記共有結合は、連鎖重合反応、縮合反応または付加反応によって形成されたものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  5. 前記有機化合物(A)が2つ以上の官能基を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  6. 前記無機化合物(B)が有する金属原子が、Al、Sb、Zr、Ti、Cr、Si、La、Ni、SnおよびVから選択される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  7. 前記無機化合物(B)が有する加水分解性基の少なくとも1種が、アルコキシ基、アセトキシ基およびクロル基から選択される、請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  8. 前記無機化合物(B)がシランカップリング剤である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  9. 前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種および前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種が、それぞれ、ビニル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基およびアミノ基から選択され、前記無機化合物(B)が有する金属原子がSiであり、前記無機化合物(B)が有する加水分解性基の少なくとも1種が、アルコキシ基、アセトキシ基およびクロル基から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜。
  10. 少なくとも1つの官能基を有する有機化合物(A)と、金属原子を中心とし、該金属原子に、少なくとも1つの官能基と加水分解性基とがそれぞれ直接にまたは連結基を介して結合した構造を有する無機化合物(B)とを含む組成物を層状にすることを含み、前記組成物中の有機化合物(A)が有する官能基と、前記無機化合物(B)が有する官能基との間に、共有結合を形成させた後、前記加水分解性基に、加水分解反応を起こさせて金属酸化物を形成することを含む、有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  11. 前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種と、前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種との間に、共有結合を形成させた後、層状にし、加水分解反応を起こさせる、請求項10に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  12. 前記組成物を層状にした後、前記有機化合物(A)が有する官能基の少なくとも1種と、前記無機化合物(B)が有する官能基の少なくとも1種との間に、共有結合を形成させ、その後、加水分解反応を起こさせる、請求項10または11に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  13. 支持体の表面に犠牲層を設け、該犠牲層の表面に、前記組成物を層状に塗布した後に加水分解反応を起こさせて薄膜を形成し、さらに前記犠牲層を除去することにより前記支持体と前記薄膜を分離させることを含む、請求項10〜12のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  14. 前記犠牲層の除去は、該犠牲層を溶解することにより行う、請求項13に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法。
  15. 請求項10〜14のいずれか1項に記載の有機無機ハイブリッド薄膜の製造方法により製造され、厚さが3nm〜100nmである、有機無機ハイブリッド薄膜。
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