JPWO2008143145A1 - 皮膚保湿作用の評価方法、およびこれを用いた保湿物質のスクリーニング方法 - Google Patents

皮膚保湿作用の評価方法、およびこれを用いた保湿物質のスクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、被験物質について皮膚保湿作用を評価する方法を提供する。また本発明は、当該方法を用いて新規な保湿物質を探索し取得する方法(スクリーニング方法)を提供する。さらに本発明は当該スクリーニング方法で取得された保湿物質の保湿剤としての用途を提供する。本発明の評価方法は、次の工程を有する方法を用いて被験物質の皮膚保湿作用を評価することを特徴とする:(1)被験物質を非ヒト動物に投与し、当該非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動を測定する工程、必要に応じてさらに、(2)被験物質を投与した非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動が、被験物質を投与しない非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動よりも低下する場合に、当該被験物質について皮膚保湿作用があると判断する工程。

Description

本発明は、被験物質について皮膚に対する保湿作用を評価する方法に関する。また本発明は、当該方法を用いて新規な保湿物質を探索し取得する方法(スクリーニング方法)に関する。さらに本発明は、当該方法によって取得された保湿物質を有効成分とする保湿剤、およびこれを含有する保湿用皮膚外用剤に関する。
皮膚角質層の水分量は、肌の状態と密接に関連し、健康な素肌を保つためには、角質層に適度な水分が保持されていることが必要である。角質層の水分保持には、天然保湿因子(NMF:Natural Moisturizing Factor)の寄与が大きいことが知られており(非特許文献1)、特にNMFの主成分であるアミノ酸が角質層の水分保持に深く関わっているとされている。しかし、角質層内のアミノ酸量は、加齢や外部環境によって減少し、これに伴って角質層の水分保持機能が低下することが報告されている(非特許文献2および3参照)。加齢に伴って肌の潤いや柔軟性が低下して、シワが形成されるのも、この角質層の水分保持機能の低下が一因となっている。
従来から、かかる水分保持機能を改善し、皮膚の保湿を高めるために、各種の保湿剤(例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、トレハロース、1,3-ブチレングリコール、ヒアルロン酸やそのナトリウム塩など)が開発され、提供されている。これらの保湿剤は、皮膚に塗布することにより経皮的散逸水分量(TEWL)を抑制し、結果として皮膚の水分を維持して肌に潤いをもたらす効果を奏している。また尿素も、NMFの構成成分の一つであり、保湿剤として汎用されている成分である。尿素の角質層内での保湿機構としては「水素結合」が挙げられ、水素結合によって角質層内で水分が保持され、皮膚の乾燥が防止されると考えられている。
ところで、保湿剤や外用組成物の保湿作用を評価する方法としては、例えば化粧膜を皮膚に形成し、かかる化粧膜の表面の自由エネルギーを計測し、それを指標として保湿作用を評価する方法(特許文献1および2)、ヘアレスマウスの皮膚を損傷させ、経皮的水分散逸量を増大させて、被験外用剤によるその改善効果を指標として、保湿作用を評価する方法(特許文献3)、および皮膚に被験外用剤を塗布し、次いでそれを拭き取り、当該部位の水分量またはその代替値を皮膚コンダクタンスにより測定する方法(特許文献4)などを挙げることができる。
このような評価方法によれば、各種保湿剤や外用組成物の保湿作用を比較評価することができ、また新しい保湿成分を探索し、取得することができると考えられる。
しかしながら、この目的を達成するためには、より一層簡単に実施でき、しかも精度の高い評価方法を確立することが好ましい。また、皮膚に塗布するといった経皮投与による保湿効果だけでなく、経口摂取による保湿効果をも評価できる方法が確立できれば、保湿作用のある可食性成分を探索することも可能になる。
平尾哲二「NMFの最新研究」、Fragrance J., 17 (2000) 河野義行「保湿・肌荒れ防止用化粧品の有用性と製品開発」、J. Soc. Cosmet. Chem. Japan 36(4) (2002) 正木仁ら「角質水分と老化」、Fragrance J., 8 (1993) 特開2002−14022号公報 特開2002−12515号公報 特開2000−275243号公報 特開2005−10090号公報
本発明は、被験物質の皮膚に対する保湿作用を評価する方法を提供することを目的とする。また、本発明は、かかる評価方法を利用して、新規な保湿物質を探索し取得するための方法、すなわち新しい保湿物質をスクリーニングする方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、当該スクリーニング方法を用いて取得された保湿物質を保湿有効成分とする保湿剤、ならびに当該保湿剤を含有する保湿用皮膚外用剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、非ヒト動物の皮膚に保湿成分として周知の尿素を塗布し、皮膚の経皮的水分蒸散量を測定すると同時に、皮膚動脈を支配する交感神経(皮膚動脈交感神経)の遠心枝の電気活動の変化を測定したところ、当該経皮的水分蒸散量の低下(すなわち皮膚保湿作用)と皮膚動脈交感神経の電気活動との間に良好な相関関係があること、すなわち、経皮的水分蒸散量の低下(皮膚保湿作用)に応じて皮膚動脈交感神経の活動も低下することを見出した。また、本発明者は、被験物質を経腸または経口投与した後に皮膚動脈交感神経の活動を測定することによって、当該被験物質の経腸または経口投与による皮膚保湿効果が評価できることを見出した。
かかる知見に基づいて、本発明者は、皮膚動脈交感神経の活動の低下を指標とすることによって、被験物質の皮膚に対する保湿作用を評価することができ、かかる評価系を用いることで、保湿剤として有効に利用できる保湿物質を簡便に探索し見出すことができることを確認し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記の態様を備えるものである。
(I)被験物質についてその皮膚保湿作用を評価する方法
(I-1)下記の工程を有することを特徴とする、被験物質の皮膚に対する保湿作用を評価する方法:
(1)被験物質を非ヒト動物に投与し、当該非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動を測定する工程
(I-2)さらに下記の工程を有する、(I-1)に記載する皮膚保湿作用の評価方法:
(2)被験物質を投与した非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動が、被験物質を投与しない非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動よりも低下する場合に、当該被験物質について皮膚保湿作用があると判断する工程。
(I-3)皮膚動脈交感神経活動の測定を、皮膚動脈交感神経の遠心枝の電気活動を測定することによって行う(I-1)または(I-2)に記載する皮膚保湿作用の評価方法。
(I-4)投与形態が、経皮投与、経口投与または経腸投与のいずれかである、(I-1)乃至(I-3)のいずれかに記載する皮膚保湿作用の評価方法。
(II)皮膚保湿作用を有する物質(保湿物質)のスクリーニング方法
(II-1)工程(1)または(2)を有する上記(I-2)乃至(I-4)のいずれかに記載する方法を行うことを特徴とする、被験物質のなかから皮膚保湿作用を有する物質をスクリーニングする方法。
(II-2)工程(2)で、皮膚保湿作用があると判断された被験物質を、保湿物質として取得する、(II-1)に記載するスクリーニング方法。
(III)皮膚保湿剤およびこれを含有する外用剤
(III-1)上記(I-1)乃至(I-4)のいずれかに記載する評価方法によって皮膚保湿作用があると評価される化合物であるカルノシンを有効成分とする皮膚保湿剤。
(III-2)経口または経腸的に投与または摂取される形態を有する(III-1)記載の皮膚保湿剤。
(III-3)(III-1)に記載する皮膚保湿剤を含有する経口または経腸投与用組成物。
(III-4)上記(I-1)乃至(I-4)のいずれかに記載する評価方法によって皮膚保湿作用があると評価される非環式モノテルペン、単環式モノテルペン、並びにこれらのエステルおよび塩からなる群から選択される少なくとも一つのテルペン化合物を有効成分とする皮膚保湿剤。
(III-5)上記非環式モノテルペンが、リナロール、ゲラニオール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトラールジメチルアセタール、ゲラニアールジメチルアセタール、およびネラールジメチルアセタールであり、上記単環式モノテルペンが、αテルピネオール、およびテルピネン−4−オールである、(III-4)に記載する皮膚保湿剤。
(III-6)経皮的に投与される形態を有する(III-4)または(III-5)記載の皮膚保湿剤。
(III-7)(III-4)または(III-5)に記載する皮膚保湿剤を含有する保湿用皮膚外用剤。
(IV)皮膚保湿剤としての使用
(IV-1)カルノシンの皮膚保湿剤としての使用。
(IV-2)リナロール、ゲラニオール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトラールジメチルアセタール、ゲラニアールジメチルアセタール、ネラールジメチルアセタール、α-テルピネオール、テルピネン−4−オール、並びにこれらのエステルおよび塩からなる群から選択される少なくとも一つのモノテルペン化合物の皮膚保湿剤としての使用。
本発明の評価方法によれば、被験物質を経皮、経口または経腸的に投与して、皮膚動脈を支配する交感神経の電気活動の低下の有無を観察することによって、簡単に被験物質の保湿作用の有無を判断することができる。すなわち、本発明によれば、簡単に被験物質の皮膚への保湿作用を評価することができる。
このため、本発明の評価方法は、従来公知の保湿剤や外用組成物の保湿作用を評価する方法として有用であるほか、いままで保湿作用が知られていなかった物質(可食性物質を含む)について新たに保湿作用を見出すための方法として、さらに、多くの物質の中から新規な保湿物質を探索し取得するための方法として、また、複数の成分からなる組成物の中から保湿作用を有する有効成分を同定する方法として、有効に使用することができる。
そしてかかる方法によって新たに取得された保湿物質は、保湿を効果・効能とする外用組成物(化粧料や外用医薬品を含む)、または経口組成物(食品や経口医薬品を含む)の有効成分として有効に使用することができる。
(I)皮膚保湿作用の評価方法
本発明の皮膚保湿作用の評価方法は、評価対象とする被験物質を非ヒト動物に投与して、当該非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動を測定することによって実施することができる。
測定に使用する非ヒト動物は、ヒト以外の哺乳動物または鳥類などの恒温動物であれば特に制限されず、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、サル、イヌおよびネコなどを挙げることができる。
なお、測定に使用する非ヒト動物は、被験物質の匂い刺激によって生じる皮膚動脈交感神経への影響を消失しておくために、予め無臭症処理しておくことが好ましい。無臭症処理は、特に制限されず定法に従って行うことができるが、例えば、鼻粘膜をキシロカインで局所麻酔する方法、または鼻粘膜に硫酸亜鉛の1%水溶液を塗布する方法(Kolunie JM et al., Horm. Behav. 1995, 29: 492-518)等を例示することができる。好ましくは1%硫酸亜鉛水溶液による無臭症処理である。
被験物質の投与方法としては、経皮投与、経口投与および経腸投与を挙げることができる。かかる投与方法は、被験物質の使用目的や使用形態に応じて適宜選択することができる。例えば、被験物質が、外用組成物(化粧料や外用医薬品を含む)やその成分である場合またはその用途で使用する場合は、当該被験物質を非ヒト動物に経皮投与することによって、皮膚に対する保湿作用を評価することが好ましい。また、被験物質が、経腸投与剤(経口投与や坐薬などその物質が腸を通過するものを含む)やその成分である場合またはその用途で使用する場合は、当該被験物質を非ヒト動物に経腸投与(直腸投与を含む)することによって、皮膚に対する保湿作用を評価することが好ましい。
また、被験物質が、経口組成物(食品や経口医薬品を含む)やその成分である場合またはその用途で使用する場合は、当該被験物質を非ヒト動物に経口投与することによって、皮膚に対する保湿作用を評価することが好ましい。なお、この場合、被験物質を経口投与してから、体内吸収されるか、或は、腸内にて効果を発揮して皮膚動脈交感神経の活動に反映されるまでに、多少の時間を要する。このため、まず被験物質を非ヒト動物に経腸投与(経小腸投与)して、予め皮膚に対する保湿作用を評価し(一次評価)、次いで、当該一次評価で皮膚保湿作用が確認された被験物質を非ヒト動物に経口投与して、経口投与による皮膚保湿作用を評価することもできる(二次評価)。
非ヒト動物に経皮投与する方法としては、被験物質を非ヒト動物の皮膚に塗布する方法、および被験物質を含浸または担持させたシートを貼付する方法などを挙げることができ、投与する被験物質の調製形態(例えば、ローション、エアゾール剤、フォーム剤、乳液、クリーム、軟膏、ゲル剤、貼付剤など)に応じて適宜設定することができる。
経皮投与する非ヒト動物の部位は、制限はされないが、好ましくは体毛の影響が少ない領域、具体的には毛がないか若しくは毛の少ない皮膚領域(例えば腹部、太ももの内側、尻尾など)である。但し、試験領域を剃毛することによって体毛の影響を回避することができるため、上記部位に特に拘泥はされない。また、体毛の影響を回避するために、遺伝的に毛のない動物(例えばヘアレスマウス、ヘアレスラットなど)を使用することもできる。
非ヒト動物に経腸投与する方法としては、非ヒト動物を麻酔下で開腹し、腸内にカニューレを設置して被験物質を投与する方法、または肛門を介して直腸内に被験物質を投与する方法を挙げることができる。また非ヒト動物に経口投与する方法としては、口腔内にカニューレを設置して被験物質を強制摂取させる方法、または被験動物を食餌または水に混ぜて、非ヒト動物に食餌や水と一緒に飲食させる方法を挙げることができる。
斯くして被験物質を投与した非ヒト動物について、その皮膚動脈を支配する交感神経(皮膚動脈交感神経)の活動を測定する。当該神経活動の測定は、皮膚動脈交感神経の遠心枝の電気活動を測定することによって行うことができる。なお、経皮投与の場合、経皮投与した皮膚領域の動脈を支配する交感神経の活動を測定することが好ましい。
皮膚動脈交感神経(遠心枝)の電気活動の測定は、具体的には、麻酔下で、非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の遠心枝を、実体顕微鏡下で剥離し、それを銀電極にのせて活動電位を記録することによって行うことができる。なお、銀電極は、乾燥を防ぐために、予め液体パラフィンとワセリンの混合物に十分浸しておくことが好ましい。得られた神経の電気活動は、差動増幅器にて増幅し、オシロスコープにてモニターする。ここでノイズ信号はウィンドウ・ディスクリミネーターにより分離する。信号をスパイク変換し、得られたスパイクをレイトメーターにより5秒間のスパイク数としてカウントする。これをA/D(アナログ/デジタル)変換した後、パソコンに記録する(図1参照)。
かかる方法により皮膚動脈交感神経の遠心枝の電気活動を、スパイク数として測定することができる。すなわち、被験物質投与前に測定したスパイク数が、被験物質投与によって減少した場合には、被験物質投与によって皮膚動脈交感神経の電気活動が低下したと判断することができる。
かかる皮膚動脈交感神経の電気活動の低下は、実験例1に示すように皮膚からの水分蒸散量の低下、すなわち皮膚保湿効果と精度良く相関する。このため、被験物質投与前に測定した上記スパイク数が、被験物質の投与によって減少した場合には、被験物質の投与によって皮膚動脈交感神経の電気活動が低下したと判断することができ、この場合、当該被験物質に皮膚に対する保湿作用があると評価することができる。一方、逆に、被験物質投与前に測定した上記スパイク数が、被験物質の投与によって変動しないか増加した場合には、被験物質の投与によって皮膚動脈交感神経の電気活動が変動しないか上昇したと判断することができ、この場合、当該被験物質には皮膚に対する保湿作用がないと評価することができる。
以上のことを総合するに、本発明の皮膚保湿作用の評価方法は、下記の工程(1)を行うことによって実施することができる:
(1)被験物質を非ヒト動物に投与し、当該非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動を測定する工程。
好ましくは本発明の皮膚保湿作用の評価方法は、上記工程(1)に続いて、下記の工程(2)を行うことによって実施することができる:
(2)上記工程(1)において、被験物質を投与した非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動が、被験物質を投与しない非ヒト動物(対照非ヒト動物)の皮膚交感神経の活動(対照活動)よりも低下する場合に、当該被験物質について皮膚保湿作用があると判断する工程。
なお、工程(2)において対照とする非ヒト動物は、工程(1)で被験物質を投与した非ヒト動物と同一の動物であっても、また異なる動物であってもよい。前者の場合は、被験物質を投与する前に当該非ヒト動物について測定された皮膚動脈交感神経の活動が比較の対象とされ、上記でいう対照活動となる。また、後者において、対照非ヒト動物として被験物質を投与した非ヒト動物と異なる動物を使用する場合、当該動物は、被験物質を投与した非ヒト動物と同種の動物を用いることが好ましい。
斯くして本発明によれば、被験物質について、経皮投与、経口投与または経腸投与による皮膚保湿効果を評価することができる。なお、皮膚保湿効果を評価する対象の被験物質は、測定者が任意に選択することができ、例えば既に皮膚保湿作用が知られている保湿物質や組成物(化粧料や外用医薬品などの外用組成物、食品や経口医薬品などの経口組成物を含む)であってもよいし、また皮膚保湿作用が知られていない物質や組成物(化粧料や外用医薬品などの外用組成物、食品や経口医薬品などの経口組成物を含む)であってもよい。前者の場合は、本発明の評価方法により、皮膚保湿作用を再確認することができ、またその皮膚保湿作用を、他の物質の保湿作用と比較評価をすることができる。また、後者の場合は、本発明の評価方法により、今まで皮膚保湿作用が知られていない物質や組成物について新たに保湿作用を見出すことができる。
(II)保湿物質のスクリーニング方法
本発明はまた、皮膚保湿作用を有する物質(保湿物質)をスクリーニングする方法を提供する。当該方法は、多くの被験物質のなかから、非ヒト動物に投与した場合に、当該非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動を低下させる作用を有する物質を選別することによって実施することができる。
具体的には、保湿物質のスクリーニングは、前述する被験物質の保湿作用の評価方法に従って、下記の工程(1) を行うことによって実施することができる。
(1)被験物質を非ヒト動物に投与して、当該非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動を測定する工程。
好ましくは本発明のスクリーニング方法は、上記工程(1)に続いて、下記の工程(2)を行うことによって実施することができる:
(2)上記工程(1)において、被験物質を投与した非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動が、被験物質を投与しない非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動よりも低下する場合に、当該被験物質について皮膚保湿作用があると判断する工程。
ここで使用する非ヒト動物の種類や皮膚動脈交感神経の活動の測定方法は、いずれも前述する本発明の評価方法で採用するものを同様に用いることができる。
斯くして、非ヒト動物に投与した場合に当該動物の皮膚動脈交感神経の活動が低下することが確認された被験物質は、皮膚保湿作用を有する物質(保湿物質)として判断取得することができる。
なお、非ヒト動物への投与方法としては、前述する本発明の評価方法と同様に、経皮投与、経口投与および経腸投与を挙げることができる。皮膚投与(塗布および貼付を含む)によって皮膚保湿作用を発揮する被験物質をスクリーニングするためには、被験物質を経皮投与することが好ましい。経腸投与(小腸投与および直腸投与を含む)によって皮膚保湿作用を発揮する被験物質をスクリーニングするためには、被験物質を経腸投与することが好ましく、また経口的に摂取させることによって皮膚保湿作用を発揮する被験物質をスクリーニングするためには、被験物質を経口投与することが好ましい。なお、経口によって皮膚保湿作用を発揮する被験物質を選別する場合は、まず経腸投与を用いて第一次スクリーニングすることで、予め経腸投与によって皮膚保湿作用を発揮する被験物質を選別し、次いで、ここで選別された被験物質について経口投与を用いた第二次スクリーニングを行って、経口投与によって皮膚保湿作用を発揮する被験物質を選別する方法を採用してもよい。
斯くして本発明のスクリーニング方法によって選別された保湿物質は、さらに水分蒸散計や角質水分量測定装置などを用いた有効性試験、安全性試験、さらにヒトを対象とした試験に供してもよく、これらの試験を実施することによって、より実用的な保湿物質を選別取得することができる。
またこのようにして選別された物質は、必要に応じて構造解析を行った後、その物質の種類に応じて、化学的合成、生物学的合成(発酵を含む)または遺伝子学的操作によって、工業的に製造することができ、保湿剤、保湿効果を有する外用組成物(化粧料および外用医薬品を含む)や経口組成物(食品および医薬品)の有効成分として使用することができる。
(III)皮膚保湿剤
本発明はまた、上記本発明の評価方法で皮膚保湿作用があると判断される保湿物質を保湿の有効成分とする皮膚保湿剤を提供する。
かかる保湿物質として、実験例4で示すように、カルノシンを挙げることができる。当該カルノシンは、非ヒト動物に投与(好ましくは経口投与または経腸投与)して、当該動物の皮膚動脈交感神経活動の低下を指標に選別取得された物質である。当該カルノシンは、同時に、非ヒト動物への投与(好ましくは経口投与または経腸投与)によって皮膚水分蒸散量の低下(皮膚保湿作用)も確認されている。
しかして当該カルノシンは、皮膚保湿有効成分、特に経口投与または経腸投与することで皮膚保湿作用を発揮する保湿有効成分として、有効に用いることができる。このためカルノシンは、皮膚保湿を効果・効能とする皮膚保湿剤、特に経口または経腸投与用の保湿剤の有効成分として使用することができる。すなわち、本発明によれば、カルノシンを有効成分とし、皮膚保湿を効能・効果とする経口または経腸投与形態を有する保湿剤を提供することができる。
当該保湿剤に含まれるカルノシンの配合量は、保湿剤が皮膚保湿効果を備える限り、特に制限されず、通常1〜100重量%の範囲から適宜選択して用いることができる。好ましくは50〜100重量%を挙げることができる。当該保湿剤の形態は、経口または経腸投与形態であれば特に制限されず、例えば飲料形態(ドリンク形態)、ゲルまたはシロップ形態、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、粉末または顆粒状形態などの経口投与形態、ならびにクリーム、固形、またはカプセルなどの汎用の坐剤形態を有する経腸投与形態を挙げることができる。
また上記保湿物質として、実験例2および3で示すように、非環式モノテルペンおよび環式モノテルペンを挙げることができる。これらのモノテルペン化合物は、非ヒト動物に経皮投与して、当該動物の皮膚動脈交感神経活動の低下を指標に選別取得された物質である。当該テルペン化合物は、同時に、非ヒト動物への経皮投与による皮膚水分蒸散量の低下(皮膚保湿作用)も確認されている。
しかして、これらの非環式モノテルペンおよび環式モノテルペンは、皮膚保湿有効成分、特に経皮投与することで皮膚保湿作用を発揮する保湿有効成分として、有効に用いることができる。このため当該非環式モノテルペンおよび環式モノテルペンは、皮膚保湿を効果・効能とする皮膚保湿剤、特に経皮投与形態を有する皮膚保湿剤の有効成分として使用することができる。すなわち、本発明によれば、非環式モノテルペンおよび環式モノテルペンからなる群から選択される少なくとも一種のテルペン化合物を有効成分とし、皮膚保湿を効果・効能とする経皮投与形態の皮膚保湿剤を提供することができる。
本発明が対象とする上記非環式モノテルペンとしては、リナロール(Linalool)、ゲラニオール(Geraniol)、シトラール(Citral)、ゲラニアール(Geranial)、ネラール(Neral)、シトラールジメチルアセタール(Citral Dimethyl Acetal)、ゲラニアールジメチルアセタール(Geranial DimethylAcetal)、ネラールジメチルアセタール(NeralDimethyl Acetal)並びにこれらのエステルおよび塩を挙げることができる。ここでエステルには、上記モノテルペンと酢酸や蟻酸などのカルボン酸とのエステル(カルボン酸エステル)が含まれる。制限はされないが、具体的には、酢酸ゲラニオール、蟻酸ゲラニオール、酢酸リナリール、および酢酸ネリルを例示することができる。好ましくは、リナロール、ゲラニオール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトラールジメチルアセタール、ゲラニアールジメチルアセタール、およびネラールジメチルアセタールを挙げることができ、より好ましくはリナロール、ゲラニオール、シトラール、およびシトラールジメチルアセタールを挙げることができる。なお、シトラールはtrans体としてゲラニアール、およびcis体としてネラールを含有する混合物であり、シトラールジメチルアセタールはtrans体としてゲラニアールジメチルアセタール、およびcis体としてネラールジメチルアセタールを含有する混合物である。これらの非環式モノテルペンは1種単独で、本発明の皮膚保湿剤の有効成分として使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また本発明が対象とする単環式モノテルペンとしては、テルピネン−4−オール(Terpinen-4-ol)、α−テルピネオール(α-Terpineol)、並びにこれらのエステルおよび塩を挙げることができる。これらの単環式モノテルペンは1種単独で、本発明の皮膚保湿剤の有効成分として使用してもよいし、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。
また本発明の皮膚保湿剤は、上記の非環式モノテルペンと単環式モノテルペンの両方を保湿有効成分とするものであってもよい。本発明の皮膚保湿剤に含まれるこれらのモノテルペン化合物の配合割合としては、皮膚保湿剤が保湿作用を有するかぎり特に制限されず、通常これらのモノテルペン化合物の総量として0.001〜100重量%の範囲から適宜選択することができる。好ましくは0.05〜50重量%を例示することができる。
当該皮膚保湿剤の形態は、経皮投与形態であれば特に制限されず、例えば、ローション(液剤、分散液)形態、乳液形態、クリーム形態、軟膏形態、ゲル形態、フォーム形態、エアゾール形態、およびパップやパックなどを含む貼付剤形態などを挙げることができる。また、その使用態様としては、外用医薬品、皮膚化粧料、頭皮化粧料、毛髪化粧料(養毛剤やトリートメント剤を含む)、および洗浄剤(ボディー洗浄剤、毛髪洗浄剤、洗顔料を含む)を挙げることができる。
なお、本発明の皮膚保湿剤は、その皮膚保湿作用が損なわれないことを限度として、必須成分である上記保湿物質(モノテルペン化合物)に加えて、通常皮膚外用剤(例えば、医薬品、医薬部外品、皮膚化粧料、毛髪化粧料、および洗浄料を含む)に配合される成分、例えば界面活性剤(乳化剤を含む)、油性成分、アルコール類、可溶化剤、増粘剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、香料、色素、紫外線吸収または散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、および防腐剤を、必要に応じて配合することができる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、他の皮膚保湿剤を配合してもよい。かかる皮膚保湿剤としては、制限されないが、例えばグリセリン、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ポリグリセリン、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の多価アルコール類;アミノ酸、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボン酸ナトリウムなどのNMF成分;ヒアルロン酸、コラーゲン、ムコ多糖類、コンドロイチン硫酸等の水溶性高分子物質を挙げることができる。
以下、本発明を実験例によって更に詳細に説明する。但し、これらの実験例は本発明を何ら限定するものではない。なお、下記の実験例において、特に言及しない限り、%は重量%を意味するものとする。
実験例1
(I)皮膚動脈交感神経(遠心枝)の電気活動の測定
(1)実験方法
(1-1)被験試料の調製
尿素を同量の水に溶解し、これを基材クリーム(組成:ジプロピレングリコール、セタノール、1,3-ブチレングリコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ポリエチレングルコール-75、ステアレス-20、セテス-20、ホホバ油、水添ポリイソブテン、ベヘン酸エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、エチルパラベン、およびメチルパラベン)に混合して、10%の尿素を含むクリーム(尿素含有クリーム)を調製した。
(1-2)被験動物
予め1週間、24±1℃、12時間周期の明期(照明80lx、7:00-19:00)及び暗期(19:00-7:00)の環境下で飼育したラット(雄、Wistar rat、250〜300g)を被験動物(非ヒト動物)として用いた。なお、実験前、ラットには飼料(MF type; Oriental Yeast)と水を自由に摂取させた。
匂い刺激による交感神経に対する影響が生じないように、実験開始の5日前から毎日ペントバルビタール(30mg/kg)麻酔下で、被験動物の鼻粘膜に、1%の硫酸亜鉛水溶液を塗布して10分間放置する処置を行うことによって、無臭症処理を行った(Kolunie JM. Stern JM: Horm. Behav 1995, 29:492-518)。
上記ラットを6時間絶食させた後、ウレタン麻酔下(1g/kgのウレタン水溶液を腹腔内投与内)で、上記で調製した尿素含有クリーム、またはコントロールとして基材クリームのみを、それぞれ2gずつ尻尾に塗布して、塗布直後から60分間、皮膚動脈交感神経の遠心枝の神経活動(電気活動)の変化を測定した。
皮膚動脈交感神経(遠心枝)の電気活動の測定は、具体的には、ラットの皮膚動脈交感神経の遠心枝を、実体顕微鏡下で、銀電極に釣り上げて行った。乾燥を防ぐ為に電極は予め液体パラフィンとワセリンの混合物に十分浸しておいた。得られた神経の電気活動は、差動増幅器にて増幅し、オシロスコープにてモニターした。皮膚動脈交感神経の神経活動を検出するために、ノイズ信号をウィンドウ・ディスクリミネーターにより分離し、スパイク信号に変換した。得られたスパイク信号はレイトメーターにより5秒間のスパイク数としてカウントし、A/D(アナログ/デジタル)変換後、パソコンに記録した(図1参照)。電気活動の記録は60分間行った(図2B参照)。
(2)実験結果
結果を図2に示す。なお、図2の(A)は実測データであり、(B)はこの実測データを、塗布前の実測データ(スパイク数)を100%として、グラフ化したものである。なお、図2(A)の上段は基材クリーム(コントロール)を塗布したラットの実測データ〔図(B)では、―■―で示す〕、下段は尿素含有クリームを塗布したラットの実測データ〔図(B)では、―●―で示す〕を示す。
図2(A)および(B)からわかるように、基材クリームのみ(コントロール)を尻尾に塗布したラットの皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)は、基材クリーム塗布前と殆ど変わらなかったのに対して、尿素含有クリームを尻尾に塗布したラットの皮膚動脈交感神経の活動は有意に低下した。
この結果からわかるように、10%尿素含有クリームを皮膚に塗布することによって、皮膚の動脈を支配する交感神経の活動が低下した。一方、基材クリームのみを尻尾に塗布したラット(比較群)の皮膚交感神経の神経活動(電気活動)は、クリーム塗布前と変わらず、実験群のような低下は認められなかった。
(II)皮膚水分蒸散量の測定
無麻酔下で、体重約250gのヘアレスHWY雄ラットの背中の皮膚の左側2×6cm(12cm2)に、実験例1(I)(1)(1-1)で調製した尿素含有クリーム160mgを、また背中の皮膚の右側2×6cm(12cm2)に、コントロールとして基材クリーム160mgを塗布した。塗布から18時間後および24時間後に、上記処置した各皮膚にポータブル水分蒸散計(VapoMeter Delfin Technologies Ltd製)を押しつけて、皮膚水分蒸散量(Transepidermal water loss, TEWL)を測定した。
(III)実験結果
結果を図3に示す。なお、結果は、塗布前の皮膚水分蒸散量を100%とした場合、塗布から18時間後および24時間後の皮膚水分蒸散量の相対量(%)を示す。
<考察>
上記の実験結果から、保湿剤として周知の尿素を10%含有するクリーム(尿素含有クリーム)を皮膚に塗布することによって、皮膚水分蒸散量が低下し(実験(II))、また同時に皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)が低下することが確認された。このことから、皮膚に対する保湿作用と皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)との間には相関関係があり、皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)を測定しその低下を指標とすることによって、被験物質の皮膚に対する保湿作用を評価することができると考えられる。
実験例2 非環式モノテルペンの保湿作用の評価
実験例1(I)および(II)に記載する方法に従って、非環式モノテルペンの皮膚動脈交感神経(遠心枝)の電気活動および皮膚水分蒸散量を測定した。なお、非環式モノテルペンとしてシトラール、ゲラニオール、リナロール、およびシトラールジメチルアセタールを被験試料として用いた。
(1)被験試料の調製
上記各非環式モノテルペンに、基材クリーム(組成:ジプロピレングリコール、セタノール、1,3-ブチレングリコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ポリエチレングルコール-75、ステアレス-20、セテス-20、ホホバ油、水添ポリイソブテン、ベヘン酸エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、エチルパラベン、およびメチルパラベン)に混合して、被験試料として非環式モノテルペンを含むクリーム(非環式モノテルペン含有クリーム)を調製した。
(2)実験結果
シトラール含有クリーム(5μl/2g)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動および皮膚水分蒸散量の測定結果を図4および5に、ゲラニオール含有クリーム(5μl/2g)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動および皮膚水分蒸散量の測定結果を図6および7に、リナロール含有クリーム(50μl/2g)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動および皮膚水分蒸散量の測定結果を図8および9に、シトラールジメチルアセタール含有クリーム(5μl/2g)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動の測定結果を図10に示す。
また、基材クリーム2g中にシトラール5μlおよびゲラニオール5μl配合したクリームに関する皮膚動脈交感神経の電気活動の結果を図11に示す。なお、図4、6、8、10および11の左図は実測データであり、右図はこの実測データを、塗布前の実測値を100%として、グラフ化したものである。なお、図5、7および9において、実線(―●―)は基材クリーム(コントロール)を皮膚に塗布した場合の皮膚水分蒸発量の変化を、また破線(--□--)は各非環式モノテルペン含有クリーム基材クリームを皮膚に塗布した場合の皮膚水分蒸発量の変化を示す。
これらの結果からわかるように、基材クリーム(コントロール)を尻尾に塗布したラットの皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)は、基材クリーム塗布前と殆ど変わらなかったのに対して、前述する非環式モノテルペン含有クリームを尻尾に塗布したラットの皮膚動脈交感神経の活動は有意に低下した。また、非環式モノテルペン含有クリームを皮膚に塗布することによって、皮膚の動脈を支配する交感神経活動の低下に連動して皮膚水分蒸散量が低下した。一方、基材クリームを皮膚に塗布した場合は、皮膚水分蒸散量の抑制も認められなかった。
実験例3 単環式モノテルペンの保湿作用の評価
実験例1(I)および(II)に記載する方法に従って、単環式モノテルペンの皮膚動脈交感神経(遠心枝)の電気活動および皮膚水分蒸散量に対する影響を測定した。なお、単環式モノテルペンとしてαテルピネオール、およびテルピネン−4−オールを被験試料として用いた。
(1)被験試料の調製
上記各単環式モノテルペンに、基材クリーム(組成:ジプロピレングリコール、セタノール、1,3-ブチレングリコール、ステアリルアルコール、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸、ポリエチレングルコール-75、ステアレス-20、セテス-20、ホホバ油、水添ポリイソブテン、ベヘン酸エトキシジグリコール、フェノキシエタノール、エチルパラベン、およびメチルパラベン)に混合して、被験試料として単環式モノテルペンを含むクリーム(単環式モノテルペン含有クリーム)を調製した。
(2)実験結果
αテルピネオール含有クリーム(5μl/2g)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動および皮膚水分蒸散量の測定結果を図12および13に、テルピネン−4−オール含有クリーム(50μl/2g)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動および皮膚水分蒸散量の測定結果を図14および15に示す。なお、図12、14、および図15の左図は実測データであり、右図はこの実測データを、塗布前の実測値を100%として、グラフ化したものである。なお、図13および15において、実線(―●―)は基材クリーム(コントロール)を皮膚に塗布した場合の皮膚水分蒸発量の変化を、また破線(--□--)は単環式モノテルペン含有クリーム基材クリームを皮膚に塗布した場合の皮膚水分蒸発量の変化を示す。
これらの結果からわかるように、基材クリーム(コントロール)を尻尾に塗布したラットの皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)は、基材クリーム塗布前と殆ど変わらないか、やや上昇傾向であったのに対して、単環式モノテルペン含有クリームを尻尾に塗布したラットの皮膚動脈交感神経の活動は有意に低下した。また、単環式モノテルペン含有クリームを皮膚に塗布することによって、皮膚の動脈を支配する交感神経活動の低下に連動して皮膚水分蒸散量が低下した。一方、基材クリームを皮膚に塗布した場合は、皮膚水分蒸散量の抑制も認められなかった。
以上の実験例2および3の結果から、上記の非環式テルペン(シトラール、ゲラニオール、リナロール、およびシトラールジメチルアセタール)および単環式テルペン(αテルピネオール、およびテルピネン−4−オール)にそれぞれ、皮膚からの水分蒸散を抑制して皮膚の保湿性を維持向上する作用(保湿作用)があることが判明した。
実験例4 カルノシンの保湿作用の評価
(I)皮膚動脈交感神経(遠心枝)の電気活動の測定
(I-1)被験試料の調製
経腸投与実験ではカルノシン5mgまたは50mgを1mlの水に溶解し、これを被験試料とした。また、経口投与実験ではカルノシン200mgを1mlの水に溶解し、これを被験試料とした。
(I-2)被験動物の調製
予め1週間、24±1℃、12時間周期の明期(照明80lx、7:00-19:00)及び暗期(19:00-7:00)の環境下で飼育したラット(雄、Wistar rat、250〜300g)を被験動物(非ヒト動物)として用いた。なお、実験前、ラットには飼料(MF type; Oriental Yeast)と水を自由に摂取させた。
匂い刺激による交感神経に対する影響が生じないように、実験開始の5日間前から毎日ペントバルビタール(30mg/kg)麻酔下で、被験動物の鼻粘膜に、1%の硫酸亜鉛水溶液を塗布して10分間放置する処置を行うことによって、無臭症処理を行った(Kolunie JM. Stern JM: Horm. Behav 1995, 29:492-518)。
(I-3)実験方法
(a)経腸投与による保湿作用の評価
上記被験ラットを6時間絶食させた後、ウレタン麻酔下(1g/kgのウレタン水溶液を腹腔内投与内)で開腹して、十二指腸内にカニューレを挿入し、カニューレを介して上記で経腸投与実験用に調製したカルノシン含有水1ml(5mg/1ml、50mg/1ml)を投与する。対照実験としては水1mlを腸内に投与する。そして投与直後から30分間、実験例1の方法と同様にして、ラットの尻尾の皮膚動脈交感神経の遠心枝の神経活動(電気活動)の変化を測定する。
(b)経口投与による保湿作用の評価
上記被験ラットを6時間絶食させた後、ウレタン麻酔下(1g/kgのウレタン水溶液を腹腔内投与内)で、口腔内にカニューレを挿入し、カニューレを介して上記で経口投与実験用に調製したカルノシン含有水(200mg/1ml)、またはコントロールとして水を、それぞれ1mlずつ経口投与する。そして投与直後から40分間、実験例1の方法と同様にして、ラットの尻尾の皮膚動脈交感神経の遠心枝の神経活動(電気活動)の変化を測定する。
(II)皮膚水分蒸散量の測定
無麻酔下で、体重約250gのヘアレスHWY雄ラットに、上記経口投与実験用に調製したカルノシン含有水(200mg/1ml)、またはコントロールとして水を自由摂取させる。投与開始前及び投与開始3日後にカルノシン投与ラットおよび水投与ラット(コントロール)の背中の皮膚の部位にポータブル水分蒸散計(VapoMeter Delfin Technologies Ltd製)を押しつけて、皮膚水分蒸散量(Transepidermal water loss, TEWL)(g/m2)を測定する。
(III)実験結果
カルノシンを経腸および経口投与した後に、皮膚動脈交感神経の遠心枝の神経活動(電気活動)を経時的に測定した結果を、それぞれ図16および図17に示す。また、カルノシンの経口投与前および経口投与後3日めに皮膚水分蒸散量を測定した結果を図18に示す。
<考察>
図17および図18に示すように、カルノシンを経口投与することによって、皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)が低下し、また皮膚水分蒸散量も低下することが確認された。またカルノシンを経腸投与することによって、皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)が低下することも確認された(図16)。このことから、皮膚動脈交感神経の活動(電気活動)を測定し、その低下の有無を指標とすることによって、被験物質の経口または経腸投与による皮膚に対する保湿作用を評価することができるものと考えられる。また、この結果から、カルノシンは皮膚保湿作用を有する物質であり、これを経口投与または経腸投与することによって、皮膚保湿効果が得られることが確認できた。
製剤処方例
以下に、上記の結果から皮膚保湿作用があると認められるモノテルペン(リナロール、ゲラニオール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトラールジメチルアセタール、ゲラニアールジメチルアセタール、ネラールジメチルアセタール、α-テルピネオール、またはテルピネン−4−オール)を配合した保湿用皮膚外用剤(皮膚保湿剤)の製剤例を記載する。なお、下記に記載するモノテルペンは、リナロール、ゲラニオール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトラールジメチルアセタール、ゲラニアールジメチルアセタール、ネラールジメチルアセタール、α-テルピネオール、およびテルピネン−4−オールのそれぞれを意味する。
1.ローション剤
Figure 2008143145
2.クリーム剤
Figure 2008143145
3.エアゾール剤
Figure 2008143145
本発明で使用する皮膚動脈交感神経の電気活動の測定方法を示す概略図である。ここでは、投与方法として尻尾への経皮投与を例とし、また電気活動の測定部位として、当該尻尾の皮膚動脈交感神経の遠心枝を例として記載する。 (A)は基材クリーム(上欄)または10%尿素含有クリーム(下欄)を皮膚に塗布した場合の皮膚動脈交感神経の遠心枝の活動(電気活動)(Skin-SNA)の経時的変化(実測データ)を示す図である。(B)はそれをグラフ化したものである(実験例1)。なお、(B)の縦軸は皮膚動脈交感神経の電気活動を意味し、各クリームを塗布する前の電気活動を100%とした相対値である(以下、図4、6、8,10〜12、14および16〜17において同じ)。 ヘアレスラットの背中に、基材クリーム(--○--)または10%尿素含有クリーム(―▲―)を塗布した場合の、各皮膚水分蒸散量(%)を示す。なお、水分蒸散量(%)は、各クリームを塗布する前の水分蒸散量を100%とした百分率で表した。 (A)は基材クリーム(上欄)およびシトラール含有クリーム(5μl/2g:分子および分母はそれぞれシトラール配合量及びシトラールを配合する基材クリームの量を示す。以下同様)(下欄)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動(Skin-SNA)の測定結果を示す。(B)はそれをグラフ化したものである。 ヘアレスラットの背中に、基材クリーム(―●―)またはシトラール含有クリーム(5μl/2g)(--□--)を1回塗布した場合の、各皮膚水分蒸散量(g/m2)を示す。 (A)は基材クリーム(上欄)およびゲラニオール含有クリーム(5μl/2g)(下欄)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動(Skin-SNA)の測定結果を示す。(B)はそれをグラフ化したものである。 ヘアレスラットの背中に、基材クリーム(―●―)またはゲラニオール含有クリーム(5μl/2g)(--□--)を1回塗布した場合の、各皮膚水分蒸散量(g/m2)を示す。 (A)は基材クリーム(上欄)およびリナロール含有クリーム(50μl/2g)(下欄)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動(Skin-SNA)の測定結果を示す。(B)はそれをグラフ化したものである。 ヘアレスラットの背中に、基材クリーム(―●―)またはリナロール含有クリーム(50μl/2g)(--□--)を1回塗布した場合の、各皮膚水分蒸散量(g/m2)を示す。 (A)は基材クリーム(上欄)およびシトラールジメチルアセタール含有クリーム(5μl/2g)(下欄)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動(Skin-SNA)の測定結果を示す。(B)はそれをグラフ化したものである。 (A)は基材クリーム(上欄)およびシトラール+ゲラニオール含有クリーム([5μl+5μl]/2g)(下欄)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動(Skin-SNA)の測定結果を示す。(B)はそれをグラフ化したものである。 (A)は基材クリーム(上欄)およびα−テルピネオール含有クリーム(5μl/2g)(下欄)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動(Skin-SNA)の測定結果を示す。(B)はそれをグラフ化したものである。 ヘアレスラットの背中に、基材クリーム(―●―)またはα−テルピネオール含有クリーム(5μl/2g)(--□--)を1回塗布した場合の、各皮膚水分蒸散量(g/m2)を示す。 (A)は基材クリーム(上欄)およびテルピネン−4−オール含有クリーム(50μl/2g)(下欄)に関する皮膚動脈交感神経の電気活動(Skin-SNA)の測定結果を示す。(B)はそれをグラフ化したものである。 ヘアレスラットの背中に、基材クリーム(―●―)またはテルピネン−4−オール含有クリーム(50μl/2g)(--□--)を1回塗布した場合の、各皮膚水分蒸散量(g/m2)を示す。 (A)は水(上欄)およびカルノシン含有水(下欄)(5mg/1ml、50mg/ml)を十二指腸内に投与した場合の皮膚動脈交感神経の遠心枝の活動(電気活動)(Skin-SNA)の経時的変化(実測データ)を示す図である。(B)はそれをグラフ化したものである(実験例2(II))。なお、(B)の縦軸は皮膚動脈交感神経の電気活動を意味し、各被験水を経腸投与するまえの電気活動を100%としてグラフ化した。 水またはカルノシン含有水(200mg/1ml)を経口投与した場合の皮膚動脈交感神経の遠心枝の活動(電気活動)(Skin-SNA)の経時的変化をグラフ化したものである(実験例2(II))。なお、縦軸は皮膚動脈交感神経の電気活動を意味し、各被験水を経口投与するまえの電気活動を100%としてグラフ化した。 ヘアレスラットに、水(―◆―)またはカルノシン含有水(200mg/1ml)(―△―)をそれぞれ唯一の飲料水として3日間経口的に自由摂取させた場合の、各皮膚水分蒸散量(g/m2)を示す。

Claims (12)

  1. 下記の工程を有することを特徴とする、被験物質の皮膚に対する保湿作用を評価する方法:
    (1)被験物質を非ヒト動物に投与し、当該非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動を測定する工程。
  2. さらに下記の工程を有する、請求項1に記載する皮膚保湿作用の評価方法:
    (2)被験物質を投与した非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動が、被験物質を投与しない非ヒト動物の皮膚動脈交感神経の活動よりも低下する場合に、当該被験物質について皮膚保湿作用があると判断する工程。
  3. 皮膚動脈交感神経活動の測定を、皮膚動脈交感神経の遠心枝の電気活動を測定することによって行う、請求項1または2に記載する皮膚保湿作用の評価方法。
  4. 投与形態が、経皮投与、経口投与または経腸投与のいずれかである、請求項1に記載する評価方法。
  5. 工程(1)および(2)を有する請求項2乃至4のいずれかに一項に記載する方法を行うことを特徴とする、被験物質の中から皮膚保湿作用を有する物質をスクリーニングする方法。
  6. 工程(2)で皮膚保湿作用があると判断された被験物質を、保湿物質として取得する、請求項5に記載するスクリーニング方法。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載する評価方法によって皮膚保湿作用があると判断される化合物であるカルノシンを有効成分とする皮膚保湿剤。
  8. 経口または経腸的に投与または摂取される形態を有する請求項7に記載する皮膚保湿剤。
  9. 請求項1乃至4のいずれかに記載する方法によって皮膚保湿作用があると判断される化合物であって、リナロール、ゲラニオール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトラールジメチルアセタール、ゲラニアールジメチルアセタール、ネラールジメチルアセタール、α-テルピネオール、テルピネン−4−オール、並びにこれらのエステルおよび塩からなる群から選択される少なくとも一つのモノテルペン化合物を有効成分とする、皮膚保湿剤。
  10. 経皮的に投与される形態を有する請求項9に記載する皮膚保湿剤。
  11. カルノシンの皮膚保湿剤としての使用。
  12. リナロール、ゲラニオール、シトラール、ゲラニアール、ネラール、シトラールジメチルアセタール、ゲラニアールジメチルアセタール、ネラールジメチルアセタール、α-テルピネオール、テルピネン−4−オール、並びにこれらのエステルおよび塩からなる群から選択される少なくとも一つのモノテルペン化合物の皮膚保湿剤としての使用。
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