JPWO2008136174A1 - 成膜装置 - Google Patents

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基 岡田
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毅士 古塚
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Abstract

本発明の成膜装置(100)は、減圧可能な真空成膜室(30)と、直流放電により真空成膜室(30)内に放電プラズマを生成するプラズマ生成手段(40)と、プラズマ生成手段(40)に電力を供給する定電流電源(51)と、ターゲット(35B)に電力を供給するバイアス電源(52)と、真空成膜室(30)内に反応ガスを導く反応ガス供給手段(61)と、制御装置(50)と、を備える。この制御装置(50)は、定電流電源(51)の電圧VPの変化率を指標にして、ターゲット(35B)から放出されるスパッタリング粒子と反応ガスとの間の放電プラズマ反応により生成される絶縁材料からなる堆積膜の、基板(34B)への成膜速度を制御する。

Description

本発明は、成膜装置に係り、更に詳しくは、スパッタリング法により基板に堆積させる堆積膜の成膜速度の制御技術に関する。

反応性スパッタリング法は、真空成膜プロセスの代表的な手法の一つである。具体的には、基板に堆積させたい金属製のターゲットを設け、これに高電圧をかけてイオン化させた希ガス元素(普通はアルゴンを用いる)を衝突させる。すると、ターゲット表面のスパッタリング粒子が叩き出される。そして、この叩き出されたスパッタリング粒子と反応ガスとの間の放電プラズマ反応により生成される材料が、基板に到達して堆積される。
ところで、このような反応性スパッタリング法については、堆積膜の成膜速度に依存する膜質の変化が、従来から問題視されている。例えば、酸化シリコン膜の成膜速度を速くし過ぎると、酸化シリコン材料中のシリコンと酸素の組成比「X/Y」が、その適正な数値範囲から外れる。この場合、酸化シリコン材料(Si)の膜質は脆くなる。そこで、このような酸化シリコン膜を、有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)基板などに使用される水分透過防止用のバリア膜に用いる場合、シリコンと酸素の組成比「X/Y」を適正に保つように、酸化シリコン膜の成膜速度を設定する必要がある。一方、酸化シリコン膜の成膜速度を遅くし過ぎても、酸化シリコン膜の品質の低下を招く。つまり、このような酸化シリコン膜の成膜速度には、その最適な上下限範囲(以下、「基準範囲」という)があり、この基準範囲内に酸化シリコン膜の成膜速度を制御することが肝要となる。

上述の問題に対しては、ターゲットに印加される電圧をイオン加速電圧と近似することにより導かれたスパッタ率と、ターゲットへの供給する電流との積を、堆積膜の成膜速度の指標として、上述の電圧をモニタしながら、上述の電流を調節して、成膜速度を適切に制御することを記載した従来技術がある(特許文献1参照)。

特開平2−305962号公報

本件発明者等は、直流の定電流電源としてのプラズマガン電源を用いて、酸化シリコン(Si)膜や窒化シリコン(Si)膜などの絶縁膜を基板上にスパッタリング形成する真空プロセス開発に取り組んでいる。この開発の過程で、プラズマガン電源の電圧の変化率(単位時間当たりの放電電圧の増減分)を指標にすると、従来技術の近似計算のような不確定な要素を導入することなく、絶縁膜の成膜速度を精度良く見積もれることを見出した。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、直流放電プラズマを用いて、スパッタリング成膜された絶縁膜の成膜速度を適切に制御できる成膜装置を提供することを目的とする。

上記課題を解決するため、本発明は、減圧可能な真空成膜室と、直流放電により前記真空成膜室内に放電プラズマを生成するプラズマ生成手段と、前記プラズマ生成手段に電力を供給する定電流電源と、ターゲットに電力を供給するバイアス電源と、前記真空成膜室内に反応ガスを導く反応ガス供給手段と、制御装置と、を備え、
前記制御装置は、前記定電流電源の電圧の変化率を指標にして、前記ターゲットから放出されるスパッタリング粒子と反応ガスとの間の放電プラズマ反応により生成される絶縁材料からなる堆積膜の、前記基板への成膜速度を制御する、成膜装置を提供する。
上述の定電流電源の電圧の変化率を指標にすると、堆積膜の基板への成膜速度を精度良く見積もることができ好適である。その結果、制御装置は、この成膜速度を、堆積膜の膜質の観点から決定される所定の基準範囲内に、適切に制御できる。
なお、ここで、制御装置による成膜速度の具体的な制御方法として、前記成膜速度の基準範囲を記憶した記憶部を備え、前記制御装置は、前記定電流電源の電流を用いて、前記成膜速度を前記基準範囲内に調整してもよい。
また、他の具体的な制御方法として、前記成膜速度の基準範囲を記憶した記憶部を備え、前記制御装置は、前記バイアス電源のバイアス電圧を用いて、前記成膜速度を前記基準範囲内に調整してもよい。
また、他の具体的な制御方法として、前記成膜速度の基準範囲を記憶した記憶部を備え、前記制御装置は、前記反応ガスの導入量を用いて、前記成膜速度を前記基準範囲内に調整してもよい。
また、前記制御装置は、前記定電流電源の電圧の変化率から前記成膜速度を推定し、前記成膜速度の推定値に基づいて、前記堆積膜の膜厚を導いてもよい。

これにより、堆積膜の膜厚を容易に把握できる。
本発明の上記目的、他の目的、特徴、及び利点は、添付図面参照の下、以下の好適な実施態様の詳細な説明から明らかにされる。

本発明によれば、直流放電プラズマを用いて、スパッタリング成膜された絶縁膜の成膜速度を適切に制御できる成膜装置が得られる。

図1は本発明の実施形態による成膜装置の構成例を示した概略図である。 図2は酸化シリコン材料の基板への堆積進行度に伴うプラズマガン電源の電圧の変化の様子を例示した図である。 図3はプラズマガン電源の電流をパラメータにとって、プラズマガン電源の電圧の変化率の推移を示した図である。 図4は窒素ガスの導入量をパラメータにとって、プラズマガン電源の電圧の変化率の推移を示した図である。 図5は本実施形態の成膜装置による成膜速度制御の動作例を示したフローチャートである。
符号の説明

11 フランジ
20 シートプラズマ変形室
21 輸送空間
22 円柱プラズマ
23 第1の電磁コイル
24A、24B 棒磁石
36 真空ポンプ
37 バルブ
27 シートプラズマ
28 ボトルネック部
29 通路
30 真空成膜室
31 成膜空間
32 第2の電磁コイル
33 第3の電磁コイル
34A 基板ホルダ
34B 基板
35A ターゲットホルダ
35B ターゲット
38 永久磁石
40 プラズマガン
50 制御装置
51 プラズマガン電源
52 バイアス電源
60 反応ガス配管
61 流量調整器(反応ガス供給手段)
62 ガスボンベ
100 成膜装置
A アノード
K カソード
S 主面
P マイクロプロセッサ
M 記憶部

図1は、本発明の実施形態による成膜装置の構成例を示した概略図である。
まず、図1を参照しながら本実施形態の成膜装置の構成について説明する。なおここでは便宜上、図1に示す如く、プラズマ輸送の方向をZ方向にとり、このZ方向に直交し、かつ棒磁石24A、24B(後述)の磁化方向をY方向にとり、これらのZ方向およびY方向の両方に直交する方向をX方向にとって、この成膜装置の構成を述べる。
本実施形態の成膜装置100は、図1に示す如く、YZ平面において略十字形をなしており、放電プラズマ輸送の方向(Z方向)から見て順番に、放電プラズマを高密度に生成するプラズマガン40(プラズマ生成手段)と、Z方向の軸を中心とした円筒状の非磁性(例えばステンレス製やガラス製)のシートプラズマ変形室20と、Y方向の軸を中心とした円筒状の非磁性(例えばステンレス製)の真空成膜室30と、を備える。なお、これらの各部40、20、30は、放電プラズマを輸送する通路を介して互いに気密状態を保って連通されている。

プラズマガン40は、減圧可能な放電空間(図示せず)を有し、このプラズマガンのZ方向の一端は、この放電空間を塞ぐようにフランジ11(カソードマウント)が配置されている。このフランジ11には、放電誘発用の熱電子を放出するカソードKが配置されているとともに、放電により電離される放電ガスとしてのアルゴン(Ar)ガスをこの放電空間に導くことができる放電ガス供給手段(図示せず)が設けられている。
また、プラズマガン40の放電空間の適所には、カソードKとの間で放電(グロー放電)を維持するため、直流のプラズマガン電源51(定電流電源)と適宜の抵抗R、Rを介して接続された一対のグリッド電極G、G(中間電極)が配置されている。なお、上述のカソードKが、プラズマガン電源51の負極端子に接続され、後述するアノードAが、プラズマガン電源51の正極端子に接続されている。また、グリッド電極Gは、抵抗R1を介してプラズマガン電源51の正極端子に接続され、グリッド電極Gは、抵抗R2を介してプラズマガン電源51の正極端子に接続されている。
上述のグロー放電においては、プラズマガン40の放電空間への荷電粒子(ここではArと電子)の供給が、ArのカソードKへの衝突の際に起こる二次電子放出および電子によるアルゴン電離によりなされ、これにより、プラズマガン40の放電空間には、荷電粒子の集合体としての放電プラズマが形成される。その後、プラズマガン40では、カソードKの加熱で起こる熱電子放出に基づいたアーク放電に遷移する。このように、プラズマガン40は、プラズマガン電源51に基づく低電圧かつ大電流の直流アーク放電により、カソードKとアノードA(後述)との間に高密度の直流式の放電を可能にする、公知の圧力勾配型ガンである。そして、このプラズマガン40は、プラズマガン電源51により、アノードAと中間電極G、Gに流れ込む電流(放電電流)が一定になるように定電流制御されている。なお、Z方向の輸送中心に対して略等密度分布してなる円柱状の放電プラズマ(以下、「円柱プラズマ22」という)が、プラズマガン40のZ方向の他端とシートプラズマ変形室20のZ方向の一端との間に介在する通路(図示せず)を介してシートプラズマ変形室20へ引き出される。
シートプラズマ変形室20は、Z方向の軸を中心とした円柱状の減圧可能な輸送空間21を有する。
シートプラズマ変形室20の側面周囲には、このシートプラズマ変形室20を取り囲み、円柱プラズマ22のZ方向の推進力を発揮する円形状の第1の電磁コイル23(空心コイル)が配設されている。なお、第1の電磁コイル23の巻線には、カソードK側をS極、アノードA側をN極とする向きの電流が通電されている。
また、この第1の電磁コイル23のZ方向の前方側(アノードAに近い側)には、X方向に延びる一対の角形の棒磁石24A、24B(永久磁石;磁界発生手段の対)が、シートプラズマ変形室20(輸送空間21)を挟むように、Y方向に所定の間隔を隔てて配設されている。また、これらの棒磁石24A、24BのN極同士が対向し合っている。
第1の電磁コイル23により輸送空間21に形成されるコイル磁界と、棒磁石24A、24Bにより輸送空間21に形成される磁石磁界との相互作用に基づいて、円柱プラズマ22は、その輸送方向(Z方向)の輸送中心を含むXZ平面(以下、「主面S」という)に沿って拡がる、均一なシート状のプラズマ(以下、「シートプラズマ27」という)に変形される。
このシートプラズマ27は、図1に示す如く、シートプラズマ変形室20のZ方向の他端と真空成膜室30の側壁との間に介在する、シートプラズマ27の通過用のスリット状のボトルネック部28を介して真空成膜室30へ引き出される。なお、ボトルネック部28の間隔(Y方向寸法)および厚み(Z方向寸法)並びに幅(X方向寸法)は、シートプラズマ27を適切に通過するように設計されている。
この真空成膜室30は、例えば、シートプラズマ27中のArの衝突エネルギによりターゲット35Bのシリコン(Si)材料をスパッタリング粒子として叩き出すスパッタリングプロセス用の成膜チャンバに相当する。
真空成膜室30は、Y方向の軸を中心とした円柱状の減圧可能な成膜空間31を有し、この成膜空間31は、バルブ37により開閉可能な排気口から真空ポンプ36(例えばターボポンプ)により真空引きされている。これにより、当該成膜空間31はスパッタリングプロセス可能なレベルの真空度にまで速やかに減圧される。

ここで、成膜空間31には、その機能上、上下方向(Y方向)において、ボトルネック部28の間隔に対応する水平面(XZ平面)に沿った中央空間を境にして、板状のシリコン製のターゲット35Bを格納するターゲット空間と、板状の基板34Bを格納する基板空間と、がある。
つまり、ターゲット35Bは、ターゲットホルダ35Aに装着された状態において、中央空間の上方に位置するターゲット空間内に格納され、適宜のアクチュエータ(図示せず)によりターゲット空間内を上下(Y方向)に移動可能に構成されている。一方、基板34Bは、基板ホルダ34Aに装着された状態において、中央空間の下方に位置する基板空間内に格納され、適宜のアクチュエータ(図示せず)により基板空間内を上下(Y方向)に移動可能に構成されている。
なお、上述の中央空間は、真空成膜室30においてシートプラズマ27の主成分を輸送させる空間である。
このようにして、ターゲット35Bおよび基板34Bは互いに、シートプラズマ27の厚み方向(Y方向)に一定の好適な間隔を隔てるようにして、このシートプラズマ27を挟み、成膜空間31内に対向して配置されている。
ターゲット35Bは、スパッタリングプロセス中には、直流のバイアス電源52によりバイアス電圧(マイナス電圧)を印加されている。これにより、シートプラズマ27中のArがターゲット35Bに向かって引き付けられる。その結果、Arとターゲット35Bとの間の衝突エネルギによりターゲット35Bから放出されるスパッタリング粒子(ここではシリコン粒子)が、ターゲット35Bから基板34Bに向かって叩き出される。なお、基板ホルダ34Aは接地されている。
成膜装置100のガスボンベ62は、真空成膜室30の成膜空間31への導入用反応ガスを充填している。この成膜空間31に供給される反応ガスとしては、酸素ガスや窒素ガスがある。
また、ガスボンベ62と成膜空間31との間を連通する反応ガス配管60の途中には、流量調整器61(反応ガス供給手段)が設けられている。この流量調整器12により、ガスボンベ62から真空成膜室30への反応ガス導入量を調整できる。なお、流量調整器12として、ここでは、マスフローコントローラを使用している。
以上の構成により、成膜空間31に酸素ガスを導入する場合、ターゲット35Bから放出されるシリコン粒子と酸素ガスとの間の、シートプラズマ27の作用(放電プラズマ反応)に基づいて、酸化シリコン材料(Si;絶縁材料)が生成される。そして、この酸化シリコン材料からなる絶縁膜(以下、「酸化シリコン膜」という)が、基板34B上に堆積される。また、成膜空間31に窒素ガスを導入する場合、窒化シリコン材料(Si;絶縁材料)からなる絶縁膜(以下、「窒化シリコン膜」という)が、基板34B上に堆積される。
次に、ボトルネック部28から見て、Z方向に対向する位置の真空成膜室30の周辺構成を説明する。

当該位置の真空成膜室30の側壁にはアノードAが配置され、この側壁とアノードAとの間には、プラズマ通過用の通路29が設けられている。
アノードAは、カソードKとの間で基準電位が与えられ、カソードKおよびアノードAの間の直流アーク放電によるシートプラズマ27中の荷電粒子(特に電子)を回収する役割を担っている。
また、アノードAの裏面(カソードKに対する対向面の反対側の面)には、アノードA側をS極、大気側をN極とした永久磁石38が配置されている。このため、この永久磁石38のN極から出てS極に入るXZ平面に沿った磁力線により、アノードAに向かうシートプラズマ27の幅方向(X方向)の拡散を抑えるようにシートプラズマ27が幅方向に収束され、シートプラズマ27の荷電粒子が、アノードAに適切に回収され得る。
また、円形状の第2および第3の電磁コイル32、33(空心コイル)は、互いに対をなして、真空成膜室30の側壁を臨むようにして成膜空間31を挟み、異極同士(ここでは、第2の電磁コイル32はN極、第3の電磁コイル33はS極)を向かい合わせて配置されている。
第2の電磁コイル32は、棒磁石24A、24Bと真空成膜室30との間のZ方向の適所に配置され、第3の電磁コイル33は、真空成膜室30の側壁とアノードAとの間のZ方向の適所に配置されている。
第2および第3の電磁コイル32、33の対により作られるコイル磁界(例えば10G〜300G程度)によれば、シートプラズマ27は、その幅方向(X方向)の拡散を適切に抑えるように整形される。

成膜装置100の制御装置50は、マイクロプロセッサP(CPU)と、記憶部M(例えば、RAMやROM等の内部メモリ)と、を備え、後程詳しく述べるように、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率に基づいて、プラズマガン電源51の電流IP、バイアス電源52のバイアス電圧VB、または、流量調整器61による反応ガス導入量を増減する。この場合、図1に示すように、制御装置50は、プラズマガン電源51の入出力部(図示せず)を介して上述のプラズマガン電源51の電圧VPを取得でき、プラズマガン電源51への電流IPの設定指令を出力する。また、制御装置50は、バイアス電源52の入力部(図示せず)を介して上述のバイアス電源52へのバイアス電圧VBの設定指令を出力する。また、制御装置50は、流量調整器61の入力部(図示せず)を介して上述の流量調整器61への反応ガスの導入量の設定指令を出力する。
この制御装置50は、成膜装置100の全体動作を制御してもよいが、この制御装置50とは別の制御器が、成膜装置100の全体動作を制御してもよい。
次に、成膜装置100を用いて、例えば、基板34Bに酸化シリコン膜を形成した際の、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率について述べる。なお、具体的な実験データは省略するが、成膜装置100を用いて、基板34Bに窒化シリコン膜を形成した際にも、同様の傾向を示すと考えられる。
図2は、酸化シリコン材料の基板への堆積進行度に伴うプラズマガン電源の電圧の変化の様子を例示した図である。但し、図2では、説明の便宜上、実験データの傾向が模式的に表されている。
図2の横軸の数値は、成膜装置100による成膜時間(秒)を示し、酸化シリコン材料の基板34Bへの堆積進行度に対応している。図2の左側の縦軸の数値は、プラズマガン電源51の電圧VPと、プラズマガン電源51の電流IPと、を示しており、それぞれ、放電プラズマの放電電圧と放電電流に対応している。図2の右側の縦軸の数値は、バイアス電源52のバイアス電圧VBを示している。
図2に示すように、プラズマガン電源51の電流IPは、プラズマガン電源51が定電流電源であるので、30Aに固定され、バイアス電源52のバイアス電圧VBが、600(V)に固定されている。
図2によれば、酸化シリコン材料の基板34Bへの堆積進行度に伴って、プラズマガン電源51の電圧VPが、ほぼ単調に増加することが判明した。また、プラズマガン40のパワーを一定にすれば、電圧VPの変化率が同じ値に再現することも確認された。
よって、プラズマガン電源51の電圧VPの単調増加は、酸化シリコン材料が真空成膜室30の全体を覆うことにより、アノードAの表面を酸化シリコン材料で被覆させたことによると考えられる。このため、この電圧VPの変化率が、酸化シリコン膜の基板34Bへの成膜速度に換算可能な物理量に相当すると期待される。
なお、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率と酸化シリコン膜の成膜速度との間の換算の具体的な方法としては、個々の成膜装置100毎に両者の相関関係を事前に確認実験すればよい。そして、制御装置50の記憶部Mには、上述の電圧VPの変化率と、上述の成膜速度との間の相関を表す「電圧変化率−成膜速度データ」が記憶されている。これにより、制御装置50は、この電圧VPの変化率を指標にして、ターゲット35Bから放出されるシリコン粒子と酸素ガスとの間の放電プラズマ反応に基づいて生成される酸化シリコン膜の成膜速度を適切に制御できる。
次に、成膜装置100を用いて、基板34Bに酸化シリコン膜を形成した際の、プラズマガン電源51の電流IPと、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率との間の相関を検証した結果を述べる。なお、具体的な実験データは省略するが、成膜装置100を用いて、基板34Bに窒化シリコン膜を形成した際にも、同様の傾向を示すと考えられる。
図3は、プラズマガン電源の電流をパラメータにとって、プラズマガン電源の電圧の変化率の推移を示した図である。
図3の横軸の数値は、成膜装置100による成膜時間(秒)を示し、酸化シリコン材料の基板34Bへの堆積進行度に対応している。図3の左側の縦軸の数値は、プラズマガン電源51の電圧VPを示しており、放電プラズマの放電電圧に対応する。図3の右側の縦軸の数値は、バイアス電源52のバイアス電圧VBを示している。なお、バイアス電源52のバイアス電圧VBは、600(V)に固定されている。
また、図3において、電圧VPの実測データ601は、プラズマガン電源51の電流IPを「30(A)」に設定した場合の電圧VPのプロファイルであり、電圧VPの実測データ602は、プラズマガン電源51の電流IPを「25(A)」に設定した場合の電圧VPのプロファイルである。
図3から理解されるとおり、プラズマガン電源51の電流IPを「25(A)」から「30(A)」に移行(増加)させると、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率が増加する。言い換えると、プラズマガン電源51の電流IPを「30(A)」から「25(A)」に移行(減少)させると、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率が減少する。このため、制御装置50が、プラズマガン電源51の電流IPを用いて、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率を変更でき、ひいては、酸化シリコン膜の基板34Bへの成膜速度を調整できると考えられる。
なお、制御装置50の記憶部Mには、図3に例示したような、プラズマガン電源61の電流IPとプラズマガン電源51の電圧VPの変化率との間の相関を表す「電流−電圧変化率データ」が記憶されている。
また、ここでは、具体的な実験データは省略するが、制御装置50が、バイアス電源52の電圧VBを変更(増減)させることによって、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率を増減でき、ひいては、酸化シリコン膜の基板34Bへの成膜速度を調整できると考えられる。なお、この場合、制御装置50の記憶部Mには、バイアス電源52のバイアス電圧VBとプラズマガン電源51の電圧VPの変化率との間の相関を表す「バイアス電圧−電圧変化率データ」が記憶されている。
次に、成膜装置100を用いて、基板34Bに窒化シリコン膜を形成した際の、反応ガス(ここでは、窒素ガス)の導入量と、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率との間の相関を検証した結果を述べる。なお、具体的な実験データは省略するが、成膜装置100を用いて、基板34Bに酸化シリコン膜を形成した際にも、同様の傾向を示すと考えられる。
図4は、窒素ガスの導入量をパラメータにとって、プラズマガン電源の電圧の変化率の推移を示した図である。
図4の横軸の数値は、成膜装置100による成膜時間(秒)を示し、窒化シリコン材料の基板34Bへの堆積進行度に対応している。図4の左側の縦軸の数値は、プラズマガン電源51の電圧VPを示しており、放電プラズマの放電電圧に対応する。図4の右側の縦軸の数値は、バイアス電源52のバイアス電圧VBを示している。なお、バイアス電源52のバイアス電圧VBは、600(V)に固定されている。
また、図4において、電圧VPの実測データ701は、流量調整器61において真空成膜室30の成膜空間31への窒素ガスの導入量を「N=4sccm」に設定した場合の電圧VPのプロファイルであり、電圧VPの実測データ702は、この窒素ガスの導入量を「N=4.5sccm」に設定した場合の電圧VPのプロファイルであり、電圧VPの実測データ703は、この窒素ガスの導入量を「N=5sccm」に設定した場合の電圧VPのプロファイルである。
図4から理解されるとおり、窒素ガスの導入量を「N=5sccm」から「N=4sccm」に移行(減少)させると、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率が増加する。言い換えると、窒素ガスの導入量を「N=4sccm」から「N=5sccm」に移行(増加)させると、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率が減少する。このような現象は、窒素ガスの増加に伴い、成膜速度が速いシリコン膜を主体とした膜生成から成膜速度が遅い窒化シリコン膜を主体とした膜生成に移行することによるものと推定される。
このため、制御装置50が、反応ガスの導入量を用いて、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率を変更でき、ひいては、窒化シリコン膜の基板34Bへの成膜速度を調整できると考えられる。
なお、制御装置50の記憶部Mには、図4に例示したような、反応ガスの導入量とプラズマガン電源51の電圧VPの変化率との間の相関を表す「反応ガス−電圧変化率データ」が記憶されている。
次に、本実施形態の成膜装置100による成膜速度制御の動作例について説明する。
図5は、本実施形態の成膜装置による成膜速度制御の動作例を示したフローチャートである。ここでは、成膜装置100を用いて、基板34Bに酸化シリコン膜を形成した場合の動作例について述べる。
まず、プラズマガン40の内部に放電ガスが投入され、プラズマガン電源51によりプラズマガン40に動作用の電力が給電される。これにより、プラズマガン40が、放電を開始できる(ステップS1)。
この状態で、バイアス電源52によりターゲット35Bにバイアス電圧VBが印加され、流量調整器61の流量調整により適量の酸素ガスが真空成膜室30の成膜空間31に投入される(ステップS2)。すると、酸化シリコン材料の基板34Bへの反応性スパッタリング成膜動作が開始する。なお、この反応性スパッタリングの成膜法自体は、公知であり、ここでは、詳細な説明は省略する。
次に、制御装置50は、上述の「電圧変化率−成膜速度データ」に用いて、成膜速度の基準範囲に対応するプラズマガン電源51の電圧VPの変化率の目標範囲を導く。
なお、この成膜速度の基準範囲とは、上述のとおり、酸化シリコン膜の膜質(例えば、脆さ)の観点から決定される成膜速度の上下限範囲であり、予め記憶部Mに記憶されている。
ここで、制御装置50は、プラズマガン電源51から電圧VPを取得する。続いて、制御装置50は、取得された電圧VPの変化率を導き、この電圧VPの変化率が、上述の目標範囲内であるか否かを判定する(ステップS3)。
この電圧VPの変化率が、上述の目標範囲内でなければ(ステップS3において「NO」の場合)、以下に述べる酸化シリコン膜の成膜速度の調整動作が実行される(ステップS4)。その後、ステップS3の判定動作が、再度行われる。
酸化シリコン膜の成膜速度の調整には、プラズマガン電源51への電流IPの設定指令に基づく調整と、バイアス電源52へのバイアス電圧VBの設定指令に基づく調整と、流量調整器61への酸素ガスの導入量の設定指令に基づく調整と、がある。
第1番目の調整の場合、制御装置50は、酸化シリコン膜の成膜速度が速すぎると、プラズマガン電源51の電流IPを所定の調整量分、下げ、成膜速度が遅すぎると、プラズマガン電源51の電流IPを所定の調整量分、上げるように、プラズマガン電源51に指令を出す。
この場合、制御装置50は、上述の「電流−電圧変化率データ」に用いて、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率がその目標範囲内に入るように、上述の電流IPの調整量を設定してもよい。
第2番目の調整の場合、制御装置50は、酸化シリコン膜の成膜速度が速すぎると、バイアス電源52のバイアス電圧VBを所定の調整量分、下げ、成膜速度が遅すぎると、バイアス電源52のバイアス電圧VBを所定の調整量分、上げるように、バイアス電源52に指令を出す。
この場合、制御装置50は、上述の「バイアス電圧−電圧変化率データ」を用いて、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率がその目標範囲になるように、上述のバイアス電圧VBの調整量を設定してもよい。
第3番目の調整の場合、制御装置50は、酸化シリコン膜の成膜速度が速すぎると、流量調整器61において酸素ガス量を所定の調整量分、上げ、成膜速度が遅すぎると、流量調整器61において酸素ガス量を所定の調整量分、下げるように、流量調整器61に指令を出す。
この場合、制御装置50は、上述の「反応ガス−電圧変化率データ」を用いて、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率がその目標範囲になるように、上述の酸素ガス量の調整量を設定してもよい。
一方、上述の電圧VPの変化率が、上述の目標範囲内であれば(ステップS3において「YES」の場合)、次の判定ステップに進み、制御装置50は、例えば、酸化シリコン膜の成膜速度の時間積分(成膜時間と成膜速度との積)により、基板34B上に堆積された酸化シリコン膜の膜厚を導くとともに、基板34B上に必要な膜厚分、酸化シリコン膜を成膜したか否か判定する(ステップS5)。
なお、この場合、制御装置50は、上述の「電圧変化率−成膜速度データ」を用いて、取得された電圧VPの変化率から酸化シリコン膜の成膜速度を推定して、この成膜速度の推定値により、酸化シリコン膜の膜厚を求めてもよい。これにより、酸化シリコン膜の膜厚を容易に把握できる。
基板34B上に必要な膜厚分、酸化シリコン膜を成膜していない場合(ステップS5において「NO」の場合)、ステップS3に戻り、以降の動作が再度実行される。
基板34B上に必要な膜厚分、酸化シリコン膜を成膜している場合(ステップS5において「YES」の場合)、プラズマガン40の放電、ターゲット35Bへのバイアス電圧VBの印加、および、酸素ガスの真空成膜室30の成膜空間31への投入が、停止される(ステップS6)。そして、成膜装置100による一連の成膜速度制御の動作を終える。
以上に述べたように、本実施形態の成膜装置100の制御装置50は、プラズマガン電源51の電圧VPの変化率を指標にして、ターゲット35Bから放出されるシリコン粒子と酸素ガスとの間の放電プラズマ反応により生成される酸化シリコン材料からなる酸化シリコン膜の成膜速度を制御している。
このようなプラズマガン電源51の電圧VPの変化率を指標にすると、酸化シリコン膜の成膜速度を精度良く見積もることができ好適である。その結果、制御装置50は、この成膜速度を、酸化シリコン膜の膜質(例えば、脆さ)の観点から決定される基準範囲内に、適切に制御できる。
具体的には、制御装置50は、プラズマガン電源51の電流IPを用いて、酸化シリコン膜の成膜速度をその基準範囲内に調整することができる。
また、制御装置50は、バイアス電源52のバイアス電圧VBを用いて、酸化シリコン膜の成膜速度をその基準範囲内に調整することもできる。
また、制御装置50は、酸素ガスの導入量を用いて、酸化シリコン膜の成膜速度をその基準範囲内に調整することもできる。
更に、制御装置50は、プラズマガン電源51の電圧VPを取得して、その変化率を導き、当該電圧VPの変化率から酸化シリコン膜の成膜速度を推定することもできる。これにより、この成膜速度の推定値に基づいて、酸化シリコン膜の膜厚を容易に導くことができる。

なお、本実施形態では、成膜装置100として、シートプラズマ成膜装置を示しているが、これは飽くまで一例に過ぎない。つまり、本技術は、直流放電プラズマを用いたスパッタリング成膜などの真空プロセス技術に広く適用可能である。
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の実施形態が明らかである。従って、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。

本発明によれば、直流放電プラズマを用いて、スパッタリング成膜された絶縁膜の成膜速度を適切に制御できる成膜装置が得られ、例えば、反応性スパッタリング装置に利用できる。

Claims (5)

  1. 減圧可能な真空成膜室と、
    直流放電により前記真空成膜室内に放電プラズマを生成するプラズマ生成手段と、
    前記プラズマ生成手段に電力を供給する定電流電源と、
    ターゲットに電力を供給するバイアス電源と、
    前記真空成膜室内に反応ガスを導く反応ガス供給手段と、
    制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記定電流電源の電圧の変化率を指標にして、前記ターゲットから放出されるスパッタリング粒子と反応ガスとの間の放電プラズマ反応により生成される絶縁材料からなる堆積膜の、前記基板への成膜速度を制御する、成膜装置。
  2. 前記成膜速度の基準範囲を記憶した記憶部を備え、
    前記制御装置は、前記定電流電源の電流を用いて、前記成膜速度を前記基準範囲内に調整する、請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記成膜速度の基準範囲を記憶した記憶部を備え、
    前記制御装置は、前記バイアス電源のバイアス電圧を用いて、前記成膜速度を前記基準範囲内に調整する、請求項1記載の成膜装置。
  4. 前記成膜速度の基準範囲を記憶した記憶部を備え、
    前記制御装置は、前記反応ガスの導入量を用いて、前記成膜速度を前記基準範囲内に調整する、請求項1記載の成膜装置。
  5. 前記制御装置は、前記定電流電源の電圧の変化率から前記成膜速度を推定し、前記成膜速度の推定値に基づいて、前記堆積膜の膜厚を導く、請求項1記載の成膜装置。
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