JPWO2008133055A1 - 凹凸形状を有する感光性樹脂版及び凸版印刷版の製造方法、並びに当該製造方法に用いる版面用処理液 - Google Patents
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Abstract
Description
1. 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面に、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を付着させる工程を含む、凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法、
2. 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基又はアミド基をさらに有する前項1記載の凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法、
3. 前項1又は2に記載の製造方法により得られる凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版、
4. 製版露光工程、現像工程および後露光工程を含む感光性樹脂版の製造方法であって、
製版露光工程の以降に、前記感光性樹脂版の版面に、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を付着させる工程を含む、感光性樹脂版の製造方法、
5. 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基又はアミド基をさらに有する前項4記載の感光性樹脂版の製造方法、
6. 前記含フッ素重合体を、現像工程後、後露光工程前に付着する工程を含む、前項4又は5に記載の感光性樹脂版の製造方法、
7. 前項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られる感光性樹脂版、
8. 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面を処理するための、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を含有する版面用処理液、
9. 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基またはアミド基をさらに有する前項8記載の版面用処理液、
10. 更に、水とアルコールを含有する前項8又は9記載の版面用処理液、
11. 前記アルコールが1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも一種である前項10記載の版面用処理液、
12. 水の含有量が5〜60wt%であり、アルコールの含有量が40〜95wt%である前項10又は11記載の版面用処理液、
13. 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面のインキ汚れを低減させるための、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を含有する版面処理液の使用、
を提供する。
共役ジエンの具体例としては、以下のものに限定されないが、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が挙げられ、特に耐磨耗性の点からブタジエンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。耐溶剤性をさらに向上するために、必要に応じて、共役ジエン中の二重結合を水素添加してもよい。
ビニル芳香族炭化水素の具体例としては、以下のものに限定されないが、スチレン、P−メチルスチレン、第三級ブチルスチレン、α−メチルスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルトルエン等の単量体が挙げられ、特にスチレンが好ましい。これらの単量体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
共役ジエンを主体とする第1の重合体ブロックが、例えば、ビニル芳香族炭化水素−ブタジエンの共重合体である場合、共重合体ブロック中のビニル芳香族炭化水素は均一に分布してもまた不均一(例えばテーパー状)に分布してもよい。均一に分布した部分および/または不均一に分布した部分は各ブロックに複数個共存してもよい。これらの重合体は、単独でも2種以上の併用でもよい。
熱可塑性エラストマーには、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲で、共役ジエンブロックの完全水素添加物のスチレン−エチレン−ブチレンブロック共重合体やスチレン−エチレン−プロピレンブロック共重合体等を併用してもよい。
また、本実施形態で用いるフレキソ印刷用感光性樹脂版には、種々の補助添加成分、例えば可塑剤、極性基含有ポリマー、熱重合防止剤、紫外線吸収剤、ハレーション防止剤、光安定剤、シリコンオイルなどの表面処理剤、光ルミネセンスタグ(外部エネルギー源によって励起され、得られたエネルギーを光および/または放射線の形で放出する物質)などを添加することができる。
(i)版を現像液に浸漬させた状態でブラシを用いて未露光部を溶解、又は掻き落とす現像方式;
(ii)スプレーなどで版面に現像液を振りかけながらブラシで未露光部を溶解、又は掻き落とす現像方式;
(iii)40〜200℃で樹脂を加熱することにより不織布などの基材で吸収させる方式;
(iv)ガスや流体により剪断力によって掻き落とす方式;
などが挙げられる。本実施形態の感光性樹脂版の製造の際の現像方式は、前述の各方式を単独で行ってもよいし、2つ以上組み合わせて行ってもよい。
また、(a1)のパーフルオロアルキル基の構造は直鎖状であっても分岐状であってもよく、直鎖状が好ましい。分岐状である場合には、分岐部分がパーフルオロアルキル基の末端部分に存在し、かつ分岐部分の炭素数は短鎖であることが好ましい。(a1)のパーフルオロアルキル基は、フッ素原子以外のほかのハロゲン原子を有してもよく、他のハロゲン原子としては、塩素原子が好ましい。さらに、パーフルオロアルキル基の炭素−炭素結合間には、エーテル性の酸素原子又はチオエーテル性の硫黄原子が存在してもよい。
なお、本実施形態で用いるレーザー彫刻印刷版製造の際の後処理工程における後露光の露光方式は、前述と同様の光源を用いて行なうことができる。
1Lのガラス製オートクレーブにC6F13CH2CHOCOCH=CH2を177.7g、HOC2H4OCOCH=CH2を39.4g、(C2H5)2NCH2CH2OCOCH=CH2を62.1g、CH3OCOCH3=CH2を3.2g、n−ドデシルメルカプタンを0.7g、プロノン204を2.7g、ポリオキシエチレンオレインエーテエルを10.8g、ジプロピレングリコールを107.8g、酢酸0.7g、イオン交換水389.3g、ステアリルジメチルアンモニウムクロリド(純分63%)4.3gを加え、50℃30分間撹拌した。次に、この溶液を、APVゴーリン社製高圧乳化機LAB−60−10TBSを用いて20MPaで乳化した。この乳化液を699.2gとり、再び1Lのガラス製オートクレーブに移し、これに2,2'−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2イル)プロパン]0.8gを添加し、窒素加圧下にてオートクレーブ内を窒素で置換して撹拌しながら温度を50℃に上げて10時間重合し、乳白色のエマルションを含む溶液を得た。この溶液をアドバンテック社製C−63ろ紙を用いて加圧ろ過した。エマルションを固形分濃度が0.8wt%となるように溶液A(イソプロパノール/精製水=70.4/29.6wt%)で希釈した。
得られた反応液約10gを凍結乾固させた。乾固物約50mgを約1.0mlのCDCl3に溶解して1H−NMR、13C−NMR測定を行い、測定後の溶液に1.0wt/vol%のC6F6を含有するCDCl3を封入した内管を挿入して19F−NMR測定を行ったところ、平均炭素数が6であるパーフルオロアルキル基を側鎖に有するアクリル系フッ素重合体であることが確認された。ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」と記す)で測定したところ、フッ素重合体の数平均分子量(標準ポリスチレン換算)は19000であった。なお、GPCの測定装置は、LC−10(島津製作所製、商品名)を用い、カラムにTSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本を使用し、オーブン温度40℃、溶媒にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)で測定を行った。
100mLガラス製重合アンプルに、C6F13CH2CHOCOCH=CH2を8.2g、C9H19OCOCCH3=CH2を27.1g、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルの20%水溶液13.78g、ステアリルトリエチルアンモニウムクロリドの10%水溶液6.89g、精製水25.83g、アセトン17.23g、ステアリルメルカプタンの0.18gおよび2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)2塩酸塩0.07gを入れた後、窒素置換を行い、60℃で12時間重合反応を行い、エマルジョンを含む溶液を得た。この溶液をアドバンテック社製C−63ろ紙を用いて加圧ろ過した。ろ過後のエマルジョンを、固形分濃度を0.8wt%になるように、溶液B(ブタノール/精製水/ジプロピレングリコール=70.4/29.4/0.2wt%)で希釈した。
得られた反応液約10gを凍結乾固させた。乾固物約50mgを約1.0mlのCDCl3に溶解して1H−NMR、13C−NMR測定を行い、測定後の溶液に1.0wt/vol%のC6F6を含有するCDCl3を封入した内管を挿入して19F−NMR測定を行ったところ、平均炭素数が6であるパーフルオロアルキル基を側鎖に有するアクリル系フッ素重合体であることが確認された。ゲル浸透クロマトグラフィー(以下「GPC」と記す)で測定したところ、フッ素重合体の数平均分子量(標準ポリスチレン換算)は15000であった。なお、GPCの測定装置は、LC−10(島津製作所製、商品名)を用い、カラムにTSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm)2本を使用し、オーブン温度40℃、溶媒にはテトラヒドロフラン(1.0ml/min)で測定を行った。
CnF2n+1CH2CH2OCOCH=CH2(ここで、nは6〜12の整数の混合物であり、nの平均は9である。)を7.5g, シクロヘキシルメタクリレート12.5gをガラスアンプルに入れ、溶媒としてアサヒクリンAK−225(CF3CF2CHCl2/CClF2CF2CHClF)40g、重合開始剤として0.04gのアゾビスイソブチロニトリルを添加した。この混合物を窒素でバージしながら、ガラスアンプルをシールし、65℃で15時間振とうして共重合反応を行った。生成した共重合体をソルビット(マクダーミッド社製、商品名)で希釈し、固形分濃度0.8wt%に調整した。
溶剤現像型の未露光の感光性樹脂版AFP−SF(旭化成ケミカルズ社製、商品名、厚み1.70mm、スチレンを主体とする重合体ブロックとブタジエンを主体とする重合体ブロックを含む数平均分子量10万の熱可塑性エラストマーを含有する))のカバーシートをはぎとり、感光性樹脂層の上にある保護膜層の上にネガフィルムを密着させ、AFP−1216E露光機(旭化成ケミカルズ社製、商品名)上で370nmに中心波長を有する紫外線蛍光灯を用いて、まず支持体側から320mJ/cm2の全面露光を行った後、引き続きネガフィルムを通して5000mJ/cm2の画像露光を行った。このときの露光強度をオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−35フィルターを用いて、バック露光を行なう側である下側ランプからの紫外線をガラス板上で測定した強度は9.4mW/cm2、レリーフ露光側である上側ランプからの紫外線を測定した強度は11.9mW/cm2であった。
ネガフィルムの画像は、100・133・150lpi各線数で1・2・3・5・10・30・50・60・70・80・90・95%・ベタ部の網点を含むものを使用した。
次に、ソルビット(マクダーミッド社製、商品名、炭化水素類の有機溶剤)を現像液として、クイックライン912現像機(旭化成ケミカルズ社製、商品名)を用いて、液温30℃で現像を行った。
現像直後に、参考例1で得られた溶液を染み込ませたベンコット(旭化成せんい社製、商品名)で、版表面を拭くように塗布した。60℃で2時間乾燥させた後に、紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cm2を版表面全体に行い、続いて254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて2000mJ/cm2の後露光を行なってフレキソ樹脂版を得た。
なお、ここで殺菌灯による後露光量は、MO−2型機のUV−25フィルターを用いて測定された照度から算出したものである。
参考例1で得られた溶液を塗布する作業を後露光作業後に行ったこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。
参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例2で得られた溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。
参考例1で得られた溶液の代わりに参考例2で得られた溶液を使用したこと、その溶液を塗布する作業を後露光作業後に行ったこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。
参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例3で得られた溶液を使用したこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。
参考例1で得られた溶液の代わりに参考例3で得られた溶液を使用したこと、その溶液を塗布する作業を後露光作業後に行ったこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。
参考例1で得られた溶液を塗布する工程を除いたこと以外は、実施例1と同様の方法でフレキソ樹脂版を得た。
(a−1)インキカラ防止効果評価1
インキカラミ防止効果を評価するために、以下の測定条件で版面の接触角を評価した。得られたフレキソ樹脂版を、温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置し、安定化させた。測定条件は、固液界面解析装置Drop Master500、解析ソフトFAMAS(協和界面科学社製、商品名)、プローブ液体にジヨウドメタン(関東化学社製)、針はシリコン表面処理したステンレス製22G(協和界面科学社製、商品名)を用いて、吐出時間100ms、吐出電圧4000mV、精製水が版に接触後15秒後の接触角を自動測定した値を記録した。評価基準は、接触角が70°以上を◎、70−60°を○、60−50°を△、50°以下を×とした。接触角が高いほうが、インクをはじきやすいので、◎、○、△、×の順で好ましい。
印刷中のインクカラミを評価するために、以下の印刷条件において印刷を行い、インキカラミの評価を実施した。溶剤インキには、プロセスXシアン(東洋インキ製、商品名)、被印刷体には、XH536 60um(モービル製、商品名)、アニロックスロールは、600lpi(セル容積3.8cm3/m2)、クッションテープには、3M1020(3M社製、商品名)を使用し、印刷速度は、100m/分とした。
得られたフレキソ樹脂版を用い、500m印刷後に、樹脂版の網点部の3%ハイライトと30%ミッドトーンの凹部のインキの溜まりの程度を、ルーペで観察した。凹部の谷までインクが流れたものを×、凸部のショルダー部の上層にのみインキが付着している場合を○、その中間を△とした。インキが凹部の谷に到達する時間が長い方が良いので、×より△、△より○の方が好ましい。
(a−2)の評価に使用した印刷物のインキの乗り具合を評価した。Dot Analyzer DA 6000(王子計測機器株式会社製、商品名)を用い、所定の反射光源観察によりベタ画像部(網点面積率100%画像部)における単位面積あたりのインキ隠蔽率を計測した。インキ隠蔽率が97%以上をOK、97%未満をNGと評価した。NG評価の場合、目視でインキの抜けが確認できるレベルである。
インキカラミ防止の持続効果を模擬的に評価するため、(a−2)と同じ方法で作成した樹脂版表面を、印刷用インク及びインククリーナーに用いられる代表的な溶剤、エチルアルコールを含ませた不織布で、版表面を40回強く擦り、その後、(a−1)と同様の方法で評価した。接触角が60°以上を○、50°以下を×とし、その中間を△とした。○もしくは△であれば持続効果があると判断した。接触角が高いほうが、フッ素系処理剤の残留が高いので、△より○のほうが好ましい。
印刷中の紙紛離脱性を評価するために、得られたフレキソ樹脂版を用いて、以下の印刷条件において印刷し、紙粉離脱性の評価を実施した。なお、後述するように、表1では、紙粉評価として示す。
AI−3型フレキソ印刷機(伊予機械製)を用いて、水性インキには、HW571AQP(東洋インキ製、商品名)を使用し、被印刷体には、コート紙パールコート(王子製紙製、商品名)を使用した。アニロックスロールは、600lpi(セル容積3.8cm3/m2)、クッションテープは、3M1020(3M製、商品名)を使用し、印刷速度は、100m/分で印刷を実施した。
印刷速度が100m/分に達した段階で、幅0.1〜2.0mm、長さ0.1〜2.0mmに裁断したコート紙パールコート0.5gを被印刷体上に散布し、強制的に版面に接触させ、3分後に印刷された印刷物上で紙紛の数を目視で計測した。
評価するフレキソ樹脂版を製造した際のネガフィルムの画像はベタ部サイズが100×150mmのものを使用した。このベタ部範囲内に紙紛の数が50個以上計測されたものを×、20〜50個計測されたものを△、5〜20個計測されたものを○、5個以下計測されたものを◎とした。計測した紙紛は印刷不良であるので、×より△、△より○、○よりも◎の方が好ましい。
評価(a−1)、評価(a−2)、評価(b)および評価(c)において、◎を3点、○を2点、△を1点、×を0点とし、その合計を総合評価とした。点数が高いほど、効果が高いと判断する。ただし、(a−3)において、◎以外の場合、インキのはじきが見られるので総合評価を0点とする。
20℃において液状の感光性樹脂ADS−60(旭化成ケミカルズ製、商品名、ポリウレタン系ポリマーを含有する)をPETフィルム上に厚さ2.8mmのシート状に形成し、高圧水銀灯の紫外線を、大気中で感光性樹脂層が露出している面から照射した。照射したエネルギーは、4000mJ/cm2であった。このときの露光強度をオーク製作所製のUV照度計MO−2型機でUV−35フィルターを用いた。光硬化した感光性樹脂層をZED社製のレーザー彫刻機(ZED−Mini、商品名)を用いて、パターンの彫刻を行い、フレキソ印刷版を得た。得られたフレキソ印刷版について、上記(a−1)インキカラミ防止効果評価1、(b)インキカラミ防止の持続効果の評価方法を用いて接触角を測定した。
次いで、得られたフレキソ印刷版に、参考例1で得られた溶液を染み込ませたベンコット(旭化成せんい社製 商品名)で版表面を拭くように塗布した。その後、ALF−200UP後露光機を用いて、254nmに中心波長をもつ殺菌灯を用いて版表面全体に、2000mJ/cm2、続いて紫外線蛍光灯を用いて1000mJ/cm2の後露光を行ってフレキソ印刷版を得た。得られたフレキソ印刷版について、上記(a−1)インキカラミ防止効果評価1、(b)インキカラミ防止の持続効果の評価方法を用いて接触角を測定したところ、参考例1で得られた溶液を付着する前のフレキソ版に比べて接触角が各々37°、38°上昇しており、レーザー彫刻印刷版においても、パーフルオロアルキル基の炭素数が6である含フッ素重合体塗布によりインキカラミを長期的に抑制できることがわかった。
参考例1で得られた溶液を塗布する作業を後露光作業後に行ったこと以外は、実施例5と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評価した。その結果、参考例1で得られた溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、同溶液付着後のフレキソ版は、接触角が各々40°、32°上昇しており、レーザー彫刻印刷版においても、パーフルオロアルキル基の炭素数が6である含フッ素重合体塗布によりインキカラミを長期的に抑制できることがわかった。
更に、実施例5と本実施例より、レーザー彫刻印刷版においても、後露光前に含フッ素重合体を付着させる方が、後露光後に付着させるよりもインキカラミ抑制の持続効果が高いことがわかった。
参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例2で得られた溶液を使用したこと以外は、実施例5と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評価した。その結果、参考例2で得られた溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、同溶液付着後のフレキソ版は、接触角が各々42°、51°上昇しており、レーザー彫刻印刷版においても、パーフルオロアルキル基の炭素数が6である含フッ素重合体塗布によりインキカラミを長期的に抑制できることがわかった。
参考例1で得られた溶液の代わりに参考例2で得られた溶液を使用したこと、その溶液を塗布する作業を後露光作業後に行ったこと以外は、実施例5と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評価した。その結果、参考例2で得られた溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、同溶液付着後のフレキソ版は、接触角が各々35°、16°上昇しており、レーザー彫刻印刷版においても、パーフルオロアルキル基の炭素数が6である含フッ素重合体塗布によりインキカラミを長期的に抑制できることがわかった。
更に、実施例5〜7と本実施例より、レーザー彫刻印刷版においても、後露光前に含フッ素重合体を付着させる方が、後露光後に付着させるよりもインキカラミ抑制の持続効果が高いことがわかった。
参考例1で得られた溶液の代わりに、参考例3で得られた溶液を使用したこと以外は、実施例5と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評価した(比較例4)。その結果、参考例3で得られた溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、同溶液付着後のフレキソ版は、接触角は上昇していたものの、その差は各々27°、21°であり、実施例5に比べて低いことがわかった。
参考例1で得られた溶液の代わりに参考例3で得られた溶液を使用したこと以外は、実施例6と同様の方法でフレキソ樹脂版を得、評価した(比較例5)。その結果、参考例3で得られた溶液を付着する前のフレキソ版に比べて、同溶液付着後のフレキソ版は、接触角は上昇していたものの、その差は各々16°、15°であり、実施例6に比べて低いことがわかった。
(a−1)インキカラ防止効果評価1
インキカラミ防止効果を評価するために、以下の測定条件で版面の接触角を評価した。得られたフレキソ樹脂版を、温度23℃、相対湿度50%恒温恒湿室内に一日放置し、安定化させた。測定条件は、固液界面解析装置Drop Master500、解析ソフトFAMAS(協和界面科学社製、商品名)、プローブ液体にジヨウドメタン(関東化学社製)、針はシリコン表面処理したステンレス製22G(協和界面科学社製、商品名)を用いて、吐出時間100ms、吐出電圧4000mV、ジヨウドメタンが版に接触後15秒後の接触角を自動測定した値を記録した。評価基準は、接触角が70°以上を◎、70−60°を○、60−50°を△、50°以下を×とした。接触角が高いほうが、インクをはじきやすいので、◎、○、△、×の順で好ましい。
Claims (13)
- 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面に、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を付着させる工程を含む、凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法。
- 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基又はアミド基をさらに有する請求項1記載の凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の製造方法により得られる凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版。
- 製版露光工程、現像工程および後露光工程を含む感光性樹脂版の製造方法であって、
製版露光工程の以降に、前記感光性樹脂版の版面に、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を付着させる工程を含む、感光性樹脂版の製造方法。 - 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基又はアミド基をさらに有する請求項4記載の感光性樹脂版の製造方法。
- 前記含フッ素重合体を、現像工程後、後露光工程前に付着する工程を含む、請求項4又は5に記載の感光性樹脂版の製造方法。
- 請求項4〜6のいずれか1項に記載の製造方法により得られる感光性樹脂版。
- 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面を処理するための、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を含有する版面用処理液。
- 前記含フッ素重合体が、水酸基、アミノ基またはアミド基をさらに有する請求項8記載の版面用処理液。
- 更に、水とアルコールを含有する請求項8又は9記載の版面用処理液。
- 前記アルコールが1−プロパノール、2−プロパノール、tert−ブタノールからなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項10記載の版面用処理液。
- 水の含有量が5〜60wt%であり、アルコールの含有量が40〜95wt%である請求項10又は11記載の版面用処理液。
- 凹凸形状を有する感光性樹脂版又は凸版印刷版の版面のインキ汚れを低減させるための、平均炭素数7以下であるパーフルオロアルキル基を有する含フッ素重合体を含有する版面処理液の使用。
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