JPWO2008130054A1 - 被削性と衝撃値に優れた熱間加工鋼材 - Google Patents
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Abstract
Description
また、近時、Pbを環境負荷として使用を避ける傾向があり、その使用量を低減する方向にある。更に、Sは、MnSのような切削環境下で軟質となる介在物を形成して被削性を向上させるが、MnSの寸法はPb等の粒子に比べて大きく、応力集中元となりやすい。特に、鍛造及び圧延により伸延すると、MnSにより異方性が生じ、例えば、衝撃特性など鋼の特定の方向が極端に弱くなる。また、鋼を設計する上でもそのような異方性を考慮する必要が生じる。従って、Sを添加する場合は、その異方性を低減化する技術が必要になる。
上述したように、被削性向上に有効な元素を添加しても、衝撃特性が低下するため、強度特性と被削性との両立は困難である。このため、鋼の被削性と強度特性とを両立化するには、更なる技術革新が必要である。
そこで、従来、例えば、固溶V、固溶Nb及び固溶Alから選択される1種以上を合計で0.005質量%以上含有させると共に、固溶Nを0.001%以上含有させることで、切削中に切削熱により生成した窒化物を工具に付着させて工具保護膜として機能させ、切削工具寿命を延長することができる機械構造用鋼が提案されている。(例えば、特開2004−107787号公報参照)。
また、C、Si、Mn、S及びMgの含有量を規定すると共に、Mg含有量とS含有量との比を規定し、更に、鋼中の硫化物系介在物のアスペクト比及び個数を最適化することにより、切屑処理性および機械的特性の向上を図った機械構造用鋼も提案されている(例えば、特許第3706560号公報参照)。この特許第3706560号公報に記載の機械構造用鋼では、Mgを0.02%以下(0%を含まない)とすると共に、Alを含有する場合はその含有量を0.1%以下に規制している。
本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、幅広い切削速度領域において良好な被削性と優れた衝撃値を有する熱間加工鋼材を提供することを目的とする。
本発明者らは、Alを適量添加し、かつN量を制限し、さらに、粗大AlNの存在率を制限すれば、良好な被削性と衝撃値を有する鋼材が得られることを知見し、本発明を完成した。
本発明に係る被削性と衝撃値に優れた熱間加工鋼材は、化学成分が、質量%で、
C:0.06〜0.85%、
Si:0.01〜1.5%、
Mn:0.05〜2.0%、
P:0.005〜0.2%、
S:0.001〜0.35%、
Al:0.06〜1.0%
N:0.016%以下
を含有し、
Al×N×105≦96を満足し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積が、全AlNの総体積の20%以下であることを特徴とする。
また、この熱間加工鋼材は、更に、質量%で、Ca:0.0003〜0.0015%を含有していてもよい。
更にまた、質量%で、Ti:0.001〜0.1%、Nb:0.005〜0.2%、W:0.01〜1.0%、V:0.01%〜1.0%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有していてもよい。
更に、質量%で、Mg:0.0001〜0.0040%、Zr:0.0003〜0.01%、Rem:0.0001〜0.015%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有していてもよい。
更にまた、質量%で、Sb:0.0005%以上0.0150%未満、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、B:0.0005〜0.015%、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%、Pb:0.005〜0.5%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有していてもよい。
更に、質量%で、Cr:0.01〜2.0%、Mo:0.01〜1.0%からなる群から選択された1種又は2種を含有していてもよい。
更にまた、質量%で、Ni:0.05〜2.0%、Cu:0.01〜2.0%からなる群から選択された1種又は2種を含有していてもよい。
図2は、実施例2のシャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を説明する図である。
図3は、実施例3〜7のシャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を説明する図である。
図4は、実施例1における衝撃値と被削性との関係を示す図である。
図5は、実施例2における衝撃値と被削性との関係を示す図である。
図6は、実施例3における衝撃値と被削性との関係を示す図である。
図7は、実施例4における衝撃値と被削性との関係を示す図である。
図8は、実施例5における衝撃値と被削性との関係を示す図である。
図9は、実施例6における衝撃値と被削性との関係を示す図である。
図10は、実施例7における衝撃値と被削性との関係を示す図である。
図11は、鋼材中のAlとNの含有量の積と円相当径が200nmを超えるAlNの発生状況との関係を示す図である。
本発明に係る被削性と衝撃値に優れた熱間加工鋼材においては、上述した課題を解決するため、鋼の化学成分組成におけるAlおよびNの添加量を、Al:0.06〜1.0%、N:0.016%以下の範囲内に調整し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積を、全AlNの総体積の20%以下に調整する。
これにより、マトリクス脆化効果を有する固溶Al量を適量確保することで、被削性を改善し、従来の快削性元素であるS、Pbとは異なり衝撃特性を低下させずに被削性改善効果を得るものである。
円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積が、全AlNの総体積の20%を超えて存在する場合には、粗大なAlNによる切削工具の機械摩耗が顕著となり被削性改善効果がみられない。
先ず、本発明の熱間加工鋼材における各化学成分の含有量(質量%)について説明する。
C:0.06〜0.85%
Cは、鋼材の基本強度に大きな影響を及ぼす元素である。しかしながら、C含有量が0.06%未満の場合、十分な強度を得られず、他の合金元素をさらに多量に投入せざるを得なくなる。一方、C含有量が0.85%を超えると、過共析に近くなり、硬質の炭化物を多く析出するため、被削性が著しく低下する。よって、本発明においては、十分な強度を得るため、C含有量は0.06〜0.85%とする。
Si:0.01〜1.5%
Siは、一般に脱酸元素として添加されているが、フェライトの強化及び焼戻し軟化抵抗を付与する効果もある。しかしながら、Si含有量が0.01%未満の場合、十分な脱酸効果が得られない。一方、Si含有量が1.5%を超えると、脆化等の材料特性が低下し、更には被削性も劣化する。よってSi含有量は0.01〜1.5%とする。
Mn:0.05〜2.0%
Mnは、鋼中SをMnSとして固定・分散させると共に、マトリックスに固溶させて焼入れ性の向上や焼入れ後の強度を確保するために必要な元素である。しかしながら、Mn含有量が0.05%未満であると、鋼中のSがFeと結合してFeSとなり、鋼が脆くなる。一方、Mn含有量が増えると、具体的には、Mn含有量が2.0%を超えると、素地の硬さが大きくなり冷間加工性が低下すると共に、強度や焼入れ性に及ぼす影響も飽和する。よって、Mn含有量は0.05%〜2.0%とする。
P:0.005〜0.2%
Pは、被削性を良好にする効果があるが、P含有量が0.005%未満の場合、その効果が得られない。また、P含有量が増えると、具体的には、P含有量が0.2%を超えると、鋼中において素地の硬さが大きくなり、冷間加工性だけでなく、熱間加工性及び鋳造特性も低下する。よってP含有量は0.005〜0.2%とする。
S:0.001〜0.35%
SはMnと結合してMnS介在物として存在する。MnSは、被削性を向上させる効果があるが、その効果を顕著に得るためには、Sを0.001%以上添加する必要がある。一方、S含有量が0.35%を超えると、その効果は飽和する一方、強度低下を著しく促進する。よって、S添加により被削性向上を図る場合は、S含有量を0.001〜0.35%とする。
Al:0.06〜1.0%
Alは、酸化物を形成する以外に、整粒化に有効な微細なAlNを析出させ、更には固溶Alとなり被削性を向上させる効果がある。この被削性に有効な固溶Alを十分に生成するためには、0.06%以上を添加する必要がある。Al量が1.0%を超えると、熱処理特性を大きく変えると共に、材料硬さを増加し被削性が低下し始める。よって、Al含有量は0.06%以上1.0%以下とする。好ましい下限は、0.1%超である。
N:0.016%以下
NはAl等の窒化物生成元素と結合して窒化物として、あるいは固溶Nとして存在する。ただし0.016を超えると窒化物を粗大化させたり、固溶Nを高めて被削性を劣化させるのに加え、圧延時に疵等の問題を生ずるため上限を0.016%とする。好ましい上限は、0.010%である。
また、本発明の熱間加工鋼材においては、上記各成分に加えて、Caを含有していても良い。
Ca:0.0003〜0.0015%
Caは、脱酸元素であり、酸化物を生成する。全Al含有量が0.05超〜0.3%の本発明の熱間加工鋼材では、カルシウムアルミネート(CaOAl2O3)が形成するが、このCaOAl2O3は、Al2O3に比べて低融点酸化物であるため、高速切削時に工具保護膜となり、被削性を向上する。しかしながら、Ca含有量が0.0003%未満の場合、この被削性向上効果が得られず、また、Ca含有量が0.0015%を超えると、鋼中にCaSが生成し、却って被削性を低下する。よって、Caを添加する場合は、その含有量を0.0003〜0.0015%とする。
更に、本発明の熱間加工鋼材においては、炭窒化物を形成させ、高強度化が必要な場合には、上記各成分に加えて、Ti:0.001〜0.1%、Nb:0.005〜0.2%、W:0.01〜1.0%、V:0.01〜1.0%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を含有してもよい。
Ti:0.001〜0.1%
Tiは炭窒化物を形成し、オーステナイト粒の成長の抑制や強化に寄与する元素であり、高強度化が必要な鋼、及び低歪を要求される鋼には、粗大粒防止のための整粒化元素として使用される。また、Tiは脱酸元素でもあり、軟質酸化物を形成させることにより、被削性を向上させる効果もある。しかしながら、Ti含有量が0.001未満の場合、その効果が認められず、また、Ti含有量が0.1%を超えると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物を析出し、却って機械的性質が損なわれる。よってTiを添加する場合は、その含有量を0.001〜0.1%とする。
Nb:0.005〜0.2%
Nbも炭窒化物を形成し、二次析出硬化による鋼の強化、オーステナイト粒の成長を抑制及び強化に寄与する元素であり、高強度化が必要な鋼及び低歪を要求される鋼には、粗大粒防止のための整粒化元素として使用される。しかしながら、Nb含有量が0.005%未満の場合、高強度化の効果は得られず、また、0.2%を超えてNbを添加すると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物を析出し、却って機械的性質が損なわれる。よってNbを添加する場合は、その含有量を0.005〜0.2%とする。
W:0.01〜1.0%
Wも炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することができる元素である。しかしながら、W含有量が0.01%未満の場合、高強度化の効果は得られず、また、1.0%を超えてWを添加すると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物を析出し、却って機械的性質が損なわれる。よって、Wを添加する場合は、その含有量を0.01〜1.0%とする。
V:0.01〜1.0%
Vも炭窒化物を形成し、二次析出硬化により鋼を強化することができる元素であり、高強度化が必要な鋼には適宜添加される。しかしながら、V含有量が0.01%未満の場合、高強度化の効果は得られず、また、1.0%を超えてVを添加すると、熱間割れの原因となる未固溶の粗大な炭窒化物を析出し、却って機械的性質が損なわれる。よって、Vを添加する場合は、その含有量を0.01%〜1.0%とする。
更にまた、本発明の熱間圧延鋼材および熱間鍛造用鋼において、脱酸調整により硫化物形態制御を行なう場合には、上記各成分に加えて、Mg:0.0001〜0.0040%、Zr:0.0003〜0.01%及びRem:0.0001〜0.015%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を添加することもできる。
Mg:0.0001〜0.0040%
Mgは脱酸元素であり、鋼中で酸化物を生成する。そして、Al脱酸前提の場合には、被削性に有害なAl2O3を、比較的軟質で微細に分散するMgO又はAl2O3・MgOに改質する。また、その酸化物はMnSの核となりやすく、MnSを微細分散させる効果もある。しかしながら、Mg含有量が0.0001%未満では、これらの効果が認められない。また、Mgは、MnSとの複合硫化物を生成して、MnSを球状化するが、Mgを過剰に添加すると、具体的には、Mg含有量が0.0040%を超えると、単独のMgS生成を促進して被削性を劣化させる。よって、Mgを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.0040%とする。
Zr:0.0003〜0.01%
Zrは脱酸元素であり、鋼中で酸化物を生成する。その酸化物はZrO2と考えられているが、このZrO2がMnSの析出核となるため、MnSの析出サイトを増やし、MnSを均一分散させる効果がある。また、Zrは、MnSに固溶して複合硫化物を生成し、その変形能を低下させ、圧延及び熱間鍛造時にMnS形状の伸延を抑制する働きもある。このように、Zrは異方性の低減に有効な元素である。しかしながら、Zr含有量が0.0003%未満の場合、これらについて顕著な効果は得られない。一方、0.01%を超えてZrを添加しても、歩留まりが極端に悪くなるばかりでなく、ZrO2およびZrS等の硬質な化合物が大量に生成し、却って被削性、衝撃値及び疲労特性等の機械的性質が低下する。よって、Zrを添加する場合は、その含有量を0.0003〜0.01%とする。
Rem:0.0001〜0.015%
Rem(希土類元素)は脱酸元素であり、低融点酸化物を生成し、鋳造時ノズル詰りを抑制するだけでなく、MnSに固溶又は結合し、その変形能を低下させて、圧延及び熱間鍛造時にMnS形状の伸延を抑制する働きもある。このように、Remは異方性の低減に有効な元素である。しかしながら、Rem含有量が総量で0.0001%未満の場合、その効果は顕著ではなく、また、Remを0.015%を超えて添加すると、Remの硫化物を大量に生成し、被削性が悪化する。よって、Remを添加する場合は、その含有量を0.0001〜0.015%とする。
更にまた、本発明の熱間加工鋼材において、被削性を向上させる場合には、上記各成分に加えて、Sb:0.0005%以上0.0150%未満、Sn:0.005〜2.0%、Zn:0.0005〜0.5%、B:0.0005〜0.015%、Te:0.0003〜0.2%、Bi:0.005〜0.5%及びPb:0.005〜0.5%からなる群から選択された1種又は2種以上の元素を添加することができる。
Sb:0.0005%以上0.0150%未満
Sbはフェライトを適度に脆化し被削性を向上させる。その効果は特に固溶Al量が多い場合に顕著であり、Sb含有量が0.0005%未満では認められない。またSb含有量が増えると、具体的には0.0150%を超えると、Sbのマクロ偏析が過多となり衝撃値を大きく低下する。よってSb含有量は0.0005%以上0.0150%未満とする。
Sn:0.005〜2.0%
Snは、フェライトを脆化させて工具寿命を延ばすと共に、表面粗さを向上させる効果がある。しかしながら、Sn含有量が0.005%未満の場合、その効果は認められず、また、2.0%を超えてSnを添加しても、その効果は飽和する。よって、Snを添加する場合は、その含有量を0.005〜2.0%とする。
Zn:0.0005〜0.5%
Znはフェライトを脆化させて工具寿命を延ばすと共に、表面粗さを向上させる効果がある。しかしながら、Zn含有量が0.0005%未満の場合、その効果は認められず、また、0.5%を超えてZnを添加しても、その効果は飽和する。よって、Znを添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.5%とする。
B:0.0005〜0.015%
Bは、固溶している場合は粒界強化及び焼入れ性に効果があり、析出する場合にはBNとして析出するため被削性の向上に効果がある。これらの効果は、B含有量が0.0005%未満では顕著ではない。一方、0.015%を超えてBを添加してもその効果が飽和すると共に、BNが多く析出しすぎるため、却って鋼の機械的性質が損なわれる。よって、Bを添加する場合は、その含有量を0.0005〜0.015%とする。
Te:0.0003〜0.2%
Teは被削性向上元素である。また、MnTeを生成したり、MnSと共存することでMnSの変形能を低下させ、MnS形状の伸延を抑制する働きがある。このように、Teは異方性の低減に有効な元素である。しかしながら、Te含有量が0.0003%未満の場合、これらの効果は認められず、また、Te含有量が0.2%を超えると、その効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因になりやすい。よって、Teを添加する場合は、その含有量を0.0003〜0.2%とする。
Bi:0.005〜0.5%
Biは、被削性向上元素である。しかしながら、Bi含有量が0.005%未満の場合、その効果が得られず、また、0.5%を超えてBiを添加しても、被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となりやすい。よって、Biを添加する場合は、その含有量を0.005%〜0.5%とする。
Pb:0.005〜0.5%
Pbは、被削性向上元素である。しかしながら、Pb含有量が0.005%未満の場合、その効果が認められず、また、0.5%を超えてPbを添加しても、被削性向上効果が飽和するだけでなく、熱間延性が低下して疵の原因となりやすい。よって、Pbを添加する場合は、その含有量を0.005〜0.5%とする。
更にまた、本発明の熱間圧延鋼材および熱間鍛造用鋼においては、焼入れ性の向上や焼戻し軟化抵抗を向上させ、鋼材に強度付与を行なう場合には、上記成分に加えて、Cr:0.01〜2.0%、Mo:0.05〜1.0%の1種又は2種を添加してもよい。
Cr:0.01〜2.0%
Crは、焼入れ性を向上すると共に、焼戻し軟化抵抗を付与する元素であり、高強度化が必要な鋼には添加される。しかしながら、Cr含有量が0.01%未満の場合には、これらの効果が得られず、また、Crを多量に添加すると、具体的には、Cr含有量が2.0%を超えると、Cr炭化物が生成して鋼が脆化する。よって、Crを添加する場合は、その含有量を0.01〜2.0%とする。
Mo:0.01〜1.0%
Moは、焼戻し軟化抵抗を付与すると共に、焼入れ性を向上させる元素であり、高強度化が必要な鋼には添加される。しかしながら、Mo含有量が0.01%未満の場合、これらの効果が得られず、また、1.0%を超えてMoを添加しても、その効果は飽和する。よって、Moを添加する場合は、その含有量を0.01〜1.0%とする。
更にまた、本発明の機械構造用鋼において、フェライトを強化させる場合には、上記各成分に加えて、Ni:0.05〜2.0%、Cu:0.01〜2.0%の1種又は2種を添加することができる。
Ni:0.05〜2.0%
Niはフェライトを強化し、延性を向上させると共に、焼入れ性向上及び耐食性向上にも有効な元素である。しかしながら、Ni含有量が0.05%未満の場合、その効果は認められず、また、2.0%を超えてNiを添加しても、機械的性質の点では効果が飽和し、被削性が低下する。よって、Niを添加する場合は、その含有量を0.05〜2.0%とする。
Cu:0.01〜2.0%
Cuは、フェライトを強化すると共に、焼入れ性向上及び耐食性向上にも有効な元素である。しかしながら、Cu含有量が0.01%未満の場合、その効果は認められず、また、2.0%を超えてCuを添加しても、機械的性質の点では効果が飽和する。よってCuを添加する場合は、その含有量を0.01〜2.0%とする。なお、Cuは、特に熱間延性を低下させ、圧延時の疵の原因となりやすいため、Niと同時に添加することが好ましい。
次に、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積を、全AlNの総体積の20%以下とする理由について説明する。
円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積が全AlN総体積の20%を超えて存在する場合には、粗大なAlNによる切削工具の機械摩耗が顕著となり固溶Al確保による被削性改善効果がみられないため、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積を、全AlNの総体積の20%以下とする。好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
このAlNの体積比率は、例えば、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により、倍率40000相当のつなぎ写真により、1000μm2の視野をランダムに10nm以上のAlNを対象として20視野以上観察し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積と全AlNの総体積とを求め、[(円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積/全AlNの総体積)×100]により求められる。
円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積を、全AlNの総体積率の20%以下にするには、AlNが十分に溶体化し、溶け残りが十分に少なくなるように、熱間圧延前または熱間鍛造前の加熱温度を調整する必要がある。
本発明者らは、AlNの溶け残りが、鋼材のAlとNの含有量の積と熱間加工前の加熱温度に関連すると考え、以下の実験を行った。
化学成分を、C:0.44〜0.46%、Si:0.23〜0.26%、Mn:0.78〜0.82%、P:0.013〜0.016%、S:0.02〜0.06%、Al:0.06〜0.8%、N:0.0020〜0.020、残部がFeと不可避的不純物とし、AlとNの積を振った鋼材を10種溶製後、φ65に鍛造し、1210℃で加熱した後、AlNの観察調査を行なった。AlNの観察は透過型電子顕微鏡のレプリカ法により行い、AlNの体積率は、上記と同様の方法により求めた。
円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積が全AlNの総体積の20%以下である場合を○、20%超である場合を×として判定した。
その結果を図11に示す。この結果から、下記(1)式を満足し、加熱温度を1210℃以上とすることにより、円相当径が200nmを超える粗大なAlNの全AlNに対する体積率を20%以下とすることができることが分かった。
(%Al)×(%N)×105≦96 ・・・(1)
ここで、%Al、%Nは、それぞれ、鋼材のAlとNの含有量(質量%)である。
すなわち、(1)式を満足し、加熱温度を1210℃以上、好ましくは1230℃以上、より好ましくは1250℃以上とすることにより、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積を、全AlNの総体積の20%以下、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下にすることができる。
上述の如く、本発明の熱間加工鋼材(熱間圧延鋼材および熱間鍛造鋼材)においては、被削性に有効な固溶Al量を増加しつつ、粗大なAlNの生成を抑制しているため、従来の熱間圧延鋼材や熱間鍛造鋼材に比べて、衝撃特性を損なうことなく被削性を向上させることができる。また、一般的に、衝撃特性の良好な鋼は熱間圧延や熱間鍛造時の割れ発生率も低いことから、本発明鋼は熱間圧延や熱間鍛造時の製造性を確保しつつ、被削性を改善する鋼としても有効である。
本発明鋼材は、冷間鍛造用鋼、非調質鋼、調質鋼など、熱間圧延後或いは熱間鍛造後の熱処理の如何に関わらず幅広く適用可能である。そこで、基本成分系或いは熱処理が大きく異なり、基本強度、熱処理組織が異なる5つの鋼種において、本発明を適用した場合の効果について具体的に説明する。
ただし、被削性や衝撃特性は基本強度、熱処理組織が異なる場合にはその影響を大きく受けるため、実施例も7つに分けて説明する。
(実施例1)
実施例1では、中炭素の炭素鋼の鋼材について、焼準した後の被削性、焼準と油焼入れ焼戻した後の衝撃値について調査した。本実施例においては、表1−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表1−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmの円柱状に鍛伸した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で、被削性試験、シャルピー衝撃試験、AlNの観察を行い、その特性を評価した。
被削性試験は、鍛伸後の実施例の各鋼材に対して、850℃の温度条件下で1時間保持後、空冷し、焼準のための熱処理を施し、硬さをHv10で160〜170の範囲に調整した。その後、熱処理後の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表1−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。
その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
シャルピー衝撃試験
図1は、シャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を示す図である。シャルピー衝撃試験においては、先ず、図1に示すように、前述の切削性試験同様の方法及び条件で熱処理後した各鋼材1から、中心軸が鋼材1の鍛伸方向に対して垂直になるようにして、直径が25mmの円柱材2を切出した。次に、各円柱材2に対して、850℃の温度条件下で1時間保持後、60℃まで冷却する油焼入れを行い、更に、550℃の温度条件下で30分間保持した後、水冷する焼戻しを行ない、硬さをHv10で255〜265の範囲に調整した。その後、各円柱材2を機械加工して、JIS Z 2202に規定されているシャルピー試験片3を作製し、JIS Z 2242に規定されている方法で、室温におけるシャルピー衝撃試験を実施した。その際、評価指標としては、単位面積当たりの吸収エネルギ(J/cm2)を採用した。
AlNの観察
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料について、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により観察を実施した。
観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積の全AlNの総体積に対する割合(%)を評価した。
以上の試験の結果を表1−3にまとめて示す。
上記表1−3に示すように、実施例No.1〜15の鋼材では、評価指標であるVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが良好であるが、比較例のNo.16〜30の鋼材では、これらのうちの少なくとも1つ以上の特性が、実施例の鋼材に比べて劣っていたためVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが劣っていた。(図4参照)
具体的には、No.16、19、22、25、28は、Al量が本発明規定を下回っているため、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.17、20、23、26、29はAlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.18、21、24、27,30は加熱温度が1200℃と加熱温度が低いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
(実施例2)
実施例2では、中炭素の炭素鋼の鋼材について、焼準と水焼入れ焼戻した後の被削性と衝撃値について調査した。実施例においては、下記表2−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表2−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmの円柱状に鍛伸した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で被削性試験、シャルピー衝撃試験、AlNの観察を行い、その特性を評価した。
被削性試験は、鍛伸後の実施例の各鋼材を850℃の温度条件下で1時間保持後、空冷し、焼準のための熱処理を施した後、11mm厚さで輪切りし、それを、850℃の温度条件下で1時間保持後、水焼入れし、その後、500℃の温度条件下での熱処理を施し、硬さをHv10で300〜310の範囲に調整した。その後、熱処理後の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表2−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。
その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
図2は、シャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を示す図である。シャルピー衝撃試験においては、先ず、図2に示すように、鍛伸後の各鋼材を850℃の温度条件下で1時間保持後、空冷し、焼準のための熱処理を施した後、各鋼材4から、中心軸が鋼材4の鍛伸方向に対して垂直になるようにして、シャルピー試験片より片側1mm大きい直方体の試験片5を切出した。次に、各直方体材5に対して、850℃の温度条件下で1時間保持後、水冷する水焼入れを行い、更に、500℃の温度条件下で30分間保持した後、水冷する焼戻しを行なった。その後、各直方体材5を機械加工して、JIS Z 2202に規定されているシャルピー試験片3を作製し、JIS Z 2242に規定されている方法で、室温におけるシャルピー衝撃試験を実施した。その際、評価指標としては、単位面積当たりの吸収エネルギ(J/cm2)を採用した。
AlNの観察
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料について、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により観察を実施した。
観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積の全AlNの総体積に対する割合(%)を評価した。
以上の試験の結果を表2−3にまとめて示す。
上記表2−3に示すように、実施例No.31〜36の鋼材では、評価指標であるVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが良好であるが、比較例のNo.37〜41の鋼材では、これらのうちの少なくとも1つ以上の特性が、実施例の鋼材に比べて劣っていたためVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが劣っていた。(図5参照)
具体的には、No.37、40は、Al量が本発明規定を下回っているため、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.38、41はAlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.39は加熱温度が1200℃と加熱温度が低いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
(実施例3)
実施例3では、低炭素の炭素鋼の鋼材について、焼準した後の被削性と衝撃値について調査した。本実施例においては、下記表3−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表3−3に示す加熱温度で熱間鍛造あるいは熱間圧延し、直径が65mmの円柱状にした。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で被削性試験、シャルピー衝撃試験AlNの観察を行い、その特性を評価した。
被削性試験は、鍛伸後の実施例の各鋼材に対して、920℃の温度条件下で1時間保持後、空冷し、焼準のための熱処理を施し、硬さをHv10で115〜120の範囲に調整した。その後、熱処理後の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表3−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。
その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
図3は、シャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を示す図である。シャルピー衝撃試験においては、先ず、図3に示すように、前述の切削性試験同様の方法及び条件で熱処理後した各鋼材7から、中心軸が鋼材7の鍛伸方向に対して垂直になるようにして、機械加工により、JIS Z 2202に規定されているシャルピー試験片8を作製し、JIS Z 2242に規定されている方法で、室温におけるシャルピー衝撃試験を実施した。その際、評価指標としては、単位面積当たりの吸収エネルギ(J/cm2)を採用した。
AlNの観察
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料について、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により観察を実施した。
観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積の全AlNの総体積に対する割合(%)を評価した。
以上の試験の結果を表3−3にまとめて示す。
上記表3−3に示すように、実施例No.42〜45の鋼材では、評価指標であるVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが良好であるが、比較例のNo.46〜50の鋼材では、これらのうちの少なくとも1つ以上の特性が、実施例の鋼材に比べて劣っていたため、VL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが劣っていた。(図6参照)
具体的には、No.46、49は、Al量が本発明規定を下回っているため、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.47、50はAlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.48は加熱温度が1150℃と加熱温度が低いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
(実施例4)
実施例4では、中炭素の炭素鋼の鋼材について、熱間鍛造後空冷(非調質)した後の被削性と衝撃値について調査した。本実施例においては、下記表4−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表4−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmの円柱状に鍛伸し後、空冷し、硬さをHv10で210〜230の範囲に調整した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で被削性試験、シャルピー衝撃試験、AlNの観察を行い、その特性を評価した。
被削性試験は、鍛伸後の実施例の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表4−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。
その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
図3は、シャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を示す図である。シャルピー衝撃試験においては、先ず、図3に示すように、鍛伸後の各鋼材7から、中心軸が鋼材7の鍛伸方向に対して垂直になるようにして、機械加工により、JIS Z 2202に規定されているシャルピー試験片8を作製し、JIS Z 2242に規定されている方法で、室温におけるシャルピー衝撃試験を実施した。その際、評価指標としては、単位面積当たりの吸収エネルギ(J/cm2)を採用した。
AlNの観察
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料について、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により観察を実施した。
観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積の全AlNの総体積に対する割合(%)を評価した。
以上の試験の結果を表4−3にまとめて示す。
上記表4−3に示すように、実施例No.51〜55の鋼材では、評価指標であるVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが良好であるが、比較例のNo.56〜60の鋼材では、これらのうちの少なくとも1つ以上の特性が、実施例の鋼材に比べて劣っていたため、VL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが劣っていた。(図7参照)
具体的には、No.56,59は、Al量が本発明規定を下回っているため、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.57、60はAlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.58は、AlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いのに加え、加熱温度が1200℃と低いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
(実施例5)
実施例5では、合金元素Cr、Vを添加した低炭素の合金鋼の鋼材について、熱間鍛造後空冷(非調質)した後の被削性と衝撃値について調査した。本実施例においては、下記表5−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表5−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmの円柱状に鍛伸し後、空冷し、硬さをHv10で200〜220の範囲に調整した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で被削性試験、シャルピー衝撃試験、AlNの観察を行い、その特性を評価した。
被削性試験は、鍛伸後の実施例の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表5−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。
その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
図3は、シャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を示す図である。シャルピー衝撃試験においては、先ず、図3に示すように、鍛伸後の各鋼材7から、中心軸が鋼材7の鍛伸方向に対して垂直になるようにして、機械加工により、JIS Z 2202に規定されているシャルピー試験片8を作製し、JIS Z 2242に規定されている方法で、室温におけるシャルピー衝撃試験を実施した。その際、評価指標としては、単位面積当たりの吸収エネルギ(J/cm2)を採用した。
AlNの観察
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料について、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により観察を実施した。
観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積の全AlNの総体積に体積の割合(%)を評価した。
以上の試験の結果を表5−3にまとめて示す。
上記表5−3に示すように、実施例No.61〜66の鋼材では、評価指標であるVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが良好であるが、比較例のNo.67〜71の鋼材では、これらのうちの少なくとも1つ以上の特性が、実施例の鋼材に比べて劣っていたため、VL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが劣っていた。(図8参照)
具体的には、No.67、70は、Al量が本発明規定を下回っているため、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.68、71はAlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.69は加熱温度が1200℃と加熱温度が低いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
(実施例6)
実施例6では、合金元素Cr、Vを添加し、高Siを添加した中炭素の合金鋼の鋼材について、熱間鍛造後空冷(非調質)した後の被削性と衝撃値について調査した。本実施例においては、下記表6−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表6−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmの円柱状に鍛伸し後、空冷し、硬さをHv10で280〜300の範囲に調整した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で被削性試験、シャルピー衝撃試験、AlNの観察を行い、その特性を評価した。
被削性試験は、鍛伸後の実施例の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表6−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。
その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
図3は、シャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を示す図である。シャルピー衝撃試験においては、先ず、図3に示すように、鍛伸後の各鋼材7から、中心軸が鋼材7の鍛伸方向に対して垂直になるようにして、機械加工により、JIS Z 2202に規定されているシャルピー試験片8を作製し、JIS Z 2242に規定されている方法で、室温におけるシャルピー衝撃試験を実施した。その際、評価指標としては、単位面積当たりの吸収エネルギ(J/cm2)を採用した。
AlNの観察
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料について、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により観察を実施した。
観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積の全AlNの総体積に対する割合(%)を評価した。
以上の試験の結果を表6−3にまとめて示す。
上記表6−3に示すように、実施例No.72〜77の鋼材では、評価指標であるVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが良好であるが、比較例のNo.78〜82の鋼材では、これらのうちの少なくとも1つ以上の特性が、実施例の鋼材に比べて劣っていたため、VL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが劣っていた。(図9参照)
具体的には、No.78、81は、Al量が本発明規定を下回っているため、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.79、82はAlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.80は加熱温度が1200℃と加熱温度が低いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
(実施例7)
実施例7では、合金元素Cr、Vを添加し、低Siを添加した中炭素の合金鋼の鋼材について、熱間鍛造後空冷(非調質)した後の被削性と衝撃値について調査した。本実施例においては、下記表7−1に示す組成の鋼150Kgを真空溶解炉で溶製後、表7−3に示す加熱温度で熱間鍛造し、直径が65mmの円柱状に鍛伸し後、空冷し、硬さをHv10で240〜260の範囲に調整した。そして、この実施例の鋼材について、下記に示す方法で被削性試験、シャルピー衝撃試験、AlNの観察を行い、その特性を評価した。
被削性試験は、鍛伸後の実施例の各鋼材から被削性評価用試験片を切出し、下記表7−2に示す切削条件でドリル穿孔試験を行い、実施例及び比較例の各鋼材の被削性を評価した。
その際、評価指標としては、ドリル穿孔試験では累積穴深さ1000mmまで切削可能な最大切削速度VL1000を採用した。
図3は、シャルピー衝撃試験用試験片の切出し部位を示す図である。シャルピー衝撃試験においては、先ず、図3に示すように、鍛伸後の各鋼材7から、中心軸が鋼材7の鍛伸方向に対して垂直になるようにして、機械加工により、JIS Z 2202に規定されているシャルピー試験片8を作製し、JIS Z 2242に規定されている方法で、室温におけるシャルピー衝撃試験を実施した。その際、評価指標としては、単位面積当たりの吸収エネルギ(J/cm2)を採用した。
AlNの観察
AlNの観察は、被削性試験評価用試験片と同様の方法で作製した鋼材のQ部から切出した試料について、透過型電子顕微鏡のレプリカ法により観察を実施した。
観察は1000μm2の視野をランダムに20視野実施し、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積の全AlNの総体積に対する割合(%)を評価した。
以上の試験の結果を表7−3にまとめて示す。
上記表7−3に示すように、実施例No.83〜89の鋼材では、評価指標であるVL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが良好であるが、比較例のNo.90〜94の鋼材では、これらのうちの少なくとも1つ以上の特性が、実施例の鋼材に比べて劣っていたため、VL1000、Impact value(吸収エネルギ)のバランスが劣っていた。(図10参照)
具体的には、No.90、93は、Al量が本発明規定を下回っているため、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.91、94はAlまたはNの添加量が多く、上記式(1)を満たす範囲のAl×Nに比べて高いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
No.92は加熱温度が1200℃と加熱温度が低いため、粗大なAlNが生成し、被削性の指標であるVL1000が同程度のS含有量を有する発明鋼に比べ劣っていた。
Claims (3)
- 化学成分が、質量%で、
C:0.06〜0.85%、
Si:0.01〜1.5%、
Mn:0.05〜2.0%、
P:0.005〜0.2%、
S:0.001〜0.35%、
Al:0.06〜1.0%
N:0.016%以下
を含有し、
Al×N×105≦96を満足し、
残部がFeおよび不可避的不純物からなり、円相当径が200nmを超えるAlNの合計体積が、全AlNの総体積の20%以下であることを特徴とする被削性と衝撃値に優れた熱間加工鋼材。 - 化学成分が、更に、質量%で、Ca:0.0003〜0.0015%、Ti:0.001〜0.1%、Nb:0.005〜0.2%、W:0.01〜1.0%、V:0.01%〜1.0%、Cr:0.01〜2.0%、Mo:0.01〜1.0%、Ni:0.05〜2.0%、Cu:0.01〜2.0%、Mg:0.0001〜0.0040%、Zr:0.0003〜0.01%、Rem:0.0001〜0.015%からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の被削性と衝撃値に優れた熱間加工鋼材。
- 化学成分が、更に、質量%で、
Sb:0.0005%以上0.0150%未満、
Sn:0.005〜2.0%、
Zn:0.0005〜0.5%、
B:0.0005〜0.015%、
Te:0.0003〜0.2%、
Bi:0.005〜0.5%、
Pb:0.005〜0.5%
からなる群から選択された1種又は2種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の被削性と衝撃値に優れた熱間加工鋼材。
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