本発明は、セルに割り当てたZadoff−Chu系列又はGCL(Generalized chirp like)系列を通知する系列通知方法及び系列通知装置に関する。
セルラ通信システムに代表される移動体通信システム、または、無線LAN(Local Area Network)システムにおいては、送信領域にランダムアクセス領域が設けられる。このランダムアクセス領域は、端末局(以下、「UE」という)が基地局(以下、「BS」という)に最初に接続要求を行う場合、あるいは、BSなどがUEの送信時間や送信帯域を割り当てる集中管理システムにおいて新たな帯域割り当て要求を行う場合、上り回線の送信領域に設けられる。なお、基地局はアクセスポイント又はNodeBと呼ばれることがある。
ランダムアクセス領域(以下、「RAスロット」という)で送信されるランダムアクセスバースト(以下、「RAバースト」という)は、スケジュールされる他のチャネルとは異なり、シグネチャ系列の衝突(複数のUEが同じRAスロットを用いて同一シグネチャ系列を送信すること)又はシグネチャ系列間の干渉により受信エラー及び再送が発生する。RAバーストの衝突、受信エラーが発生すると、RAバーストを含む上り送信タイミング同期取得及びBSへの接続要求処理の処理遅延が大きくなる。このため、シグネチャ系列の衝突率の低減、シグネチャ系列の検出特性の向上が要求されている。
非特許文献1に記載の移動体通信システムでは、RAバーストのプリアンブル(以下、「RAプリアンブル」という)系列として、自己相関特性及び系列間の相互相関特性が低いZadoff−Chu系列(以下、「ZC系列」という)又はGCL系列(非特許文献2)を用いたRAプリアンブル系列(または、シグネチャ系列)が検討されている。また、ZC系列を巡回シフトすることにより生成されるZC−ZCZ(Zadoff−Chu Zero Correlation Zone)系列を用いることが検討されている。
ZC系列及びGCL系列は、その系列番号rと系列長Nが互いに素の関係を満たす場合、自己相関特性が最適となる。また、2つの系列間の相互相関特性は、系列番号をそれぞれr1及びr2とすると、r1とr2の差の絶対値と系列長Nが互いに素の関係を満たす場合は、相互相関値は√Nで一定となる。したがって、系列長Nが素数の場合、N−1個の系列、すなわち、系列番号r=1,2,…,N−1の全ての系列に対して、自己相関特性及び相互相関特性が最適な系列の組が得られる。
また、非特許文献1に記載の移動体通信システムでは、1つのセルに対して常に64個のZC−ZCZ系列を割り当てることが検討されている。この64個の系列は、異なる系列番号のZC系列、及び、それぞれの系列番号のZC系列から生成される巡回シフト系列(Cyclic shift sequence)、すなわち、ZC−ZCZ系列を含む。
1つのZC系列から生成可能なZC−ZCZ系列の系列数は、系列間の巡回シフト量に依存する。巡回シフト量をΔ、系列長をNとした場合、生成されるZC−ZCZ系列数は、floor(N/Δ)で表される。なお、floor(x)は、xを超えない最大の整数を表す。巡回シフト量Δは、巡回シフト量Δに対応する時間(Δtime)で考えると、UEから送信されたRAプリアンブルが到来する可能性のある時間範囲によって定義される。具体的には、BSからUE間の伝搬遅延時間(TPropagationDelay)の往復分の最大想定値(TRoundTripDelay)と、伝送路のマルチパス遅延時間の最大想定値(TDelaySpread)との和よりも大きくなるように巡回シフト量Δtimeが設定される(Δtime>2×TPropagationDelay+TDelaySpread)。
したがって、セルサイズ(セル半径)に比例して、BSとUE間の伝搬遅延時間が増減するため、セルサイズが大きいセルほど、1つのZC系列から生成可能なZC−ZCZ系列が減少する。このことから、1セルに64個のプリアンブル系列を割り当てるためには、多くの異なる系列番号のZC系列をセルに割り当てる必要がある。
しかしながら、上述した割当系列情報の通知方法では、セル半径の大きいセルの場合、最大64のZC系列を通知する必要があり、報知チャネルのシグナリング量(ビット数)が増大してしまう。割当系列情報は、UEがRAプリアンブル送信の前に必要な情報であることから、受信環境の劣悪なUEでも正しく受信できるようにロバストに送信(つまり、伝送レートの低い変調方式、符号化率などを用いて送信)される。このため、シグナリング量が多いとその分無線リソースを消費してしまう。
本発明の目的は、セルに割り当てたZadoff−Chu系列又はGCL系列を通知するシグナリング量を低減する系列通知方法及び系列通知装置を提供することである。
本発明の系列通知装置は、複数の異なるコード系列に連続する番号のインデックスを対応付け、前記インデックスが連続するようにセルに割り当てる系列通知装置であって、複数の異なるコード系列に連続する番号のインデックスを対応付けた対応関係を記憶する記憶手段と、前記対応関係に基づいて、割り当てられたコード系列のうちいずれか1つを示すインデックスと割り当てられた系列数を示す情報とを合わせた情報を割当系列情報として通知する通知手段と、を具備する構成を採る。
本発明の系列通知方法は、複数の異なるコード系列に連続する番号のインデックスを対応付けた対応関係に基づいて、前記インデックスが連続するようにセルに割り当てられたコード系列を、割り当てられたコード系列のうちいずれか1つを示すインデックスと割り当てられた系列数を示す情報とを合わせた情報を割当系列情報として通知するようにした。
本発明によれば、セルに割り当てたZadoff−Chu系列又はGCL系列を通知するシグナリング量を低減することができる。
本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
図1に示したBSの構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係るUEの構成を示すブロック図
図2に示したプリアンブル系列検出部の内部構成を示す図
本発明の実施の形態1に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態1に係る報知チャネルの構成を示す図
図1に示した系列割当部の動作を示すフロー図
本発明の実施の形態1に係る割当系列情報の構成を示す図
本発明の実施の形態1に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
分散管理型システム構成を示すブロック図
本発明の実施の形態2に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態2に係る報知チャネルの構成を示す図
本発明の実施の形態3に係る割当系列数と通知ビットの対応関係を示す図
本発明の実施の形態3に係る報知チャネルの構成を示す図
セルサイズ(半径)に対する1系列から生成可能な巡回シフト系列数及び所要割当系列数の対応関係を示す図
本発明の実施の形態4に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態4に係る報知チャネルの構成を示す図
本発明の実施の形態4に係るインデックス種別とプリアンブル系列テーブルの対応関係を示す図
本発明の実施の形態5に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態5に係る報知チャネルの構成を示す図
本発明の実施の形態6に係るZC系列の相関値と巡回シフト量Δの関係を示す図
本発明の実施の形態6に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態6に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態6に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、ZC系列について式を用いて示す。系列長NのZC系列は、Nが偶数の場合、式(1)によって表され、Nが奇数の場合、式(2)によって表される。
ただし、k=0,1,2,…,N−1、qは任意の整数、rは系列番号(Sequence index)であり、rはNとは互いに素の関係を有し、かつ、Nより小さい正の整数である。
次に、GCL系列について式を用いて示す。系列長NのGCL系列は、Nが偶数の場合、式(3)によって表され、Nが奇数の場合、式(4)によって表される。
ただし、k=0,1,2,…,N−1、qは任意の整数、rはNとは互いに素の関係を有し、かつ、Nより小さい整数、b
i(k mod m)は、任意の複素数であり、i=0,1,…,m−1である。また、GCL系列間の相互相関を最小にする場合、b
i(k mod m)は振幅1の任意の複素数を用いる。
GCL系列は、ZC系列にbi(k mod m)を乗算した系列であり、受信側の相関演算はZC系列と同様であるため、以下、ZC系列を例に説明する。また、以下においては、RAバーストのプリアンブル系列として、系列長Nが奇数かつ素数のZC系列を用いる場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。この図において、無線リソース管理部51は、複数のBS(#1〜#M)100−1〜100−Mに割り当てる無線リソースを管理し、系列割当部52及び通知部53を備える。
系列割当部52は、配下のBSが管理するセルにZC系列の系列番号rを割り当て、割り当てた系列番号rを通知部53に出力する。通知部53は、系列割当部52から出力された系列番号rを示す情報をBS100−1〜100−Mに通知する。なお、系列割当部52及び通知部53の詳細については後述する。
BS100−1〜100−Mは、通知部53から通知された系列番号rを示す情報に基づいて、後述する通知方法により割当系列情報を自セル内のUEに報知し、UEから送信されたプリアンブル系列を検出する。BS100−1〜100−Mは全て同一の機能を有することから、以下の説明では、BS100として一括して扱うものとする。
図2は、図1に示したBS100の構成を示すブロック図である。この図において、報知チャネル処理部101は、報知チャネル生成部102、符号化部103、変調部104を備えている。報知チャネル生成部102は、図1に示した通知部53から通知された割当系列番号rを示す情報に基づいて、プリアンブル系列テーブル記憶部113から該当する情報を読み出し、読み出した情報を含めて下り制御チャネルである報知チャネル(Broadcast channel)を生成する。生成された報知チャネルは符号化部103に出力される。
符号化部103は、報知チャネル生成部102から出力された報知チャネルを符号化し、変調部104は、符号化された報知チャネルをBPSK、QPSKなどの変調方式によって変調する。変調された報知チャネルは多重部108に出力される。
DLデータ送信処理部105は、符号化部106及び変調部107を備え、DL送信データの送信処理を行う。符号化部106は、DL送信データを符号化し、変調部107は、符号化されたDL送信データをBPSK、QPSKなどの変調方式によって変調し、変調したDL送信データを多重部108に出力する。
多重部108は、変調部104から出力された報知チャネルと、変調部107から出力されたDL送信データとを時間多重、周波数多重、空間多重、または、符号多重を行い、多重信号を送信RF部109に出力する。
送信RF部109は、多重部108から出力された多重信号にD/A変換、フィルタリング、アップコンバート等の所定の無線送信処理を施し、無線送信処理を施した信号をアンテナ110から送信する。
受信RF部111は、アンテナ110を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の所定の無線受信処理を施し、無線受信処理を施した信号を分離部112に出力する。
分離部112は、受信RF部111から出力された信号をRAスロットとULデータスロットとに分離し、分離したRAスロットをプリアンブル系列検出部114に、ULデータスロットをULデータ受信処理部115の復調部116にそれぞれ出力する。
プリアンブル系列テーブル記憶部113は、図1に示した系列割当部52が割り当て可能なプリアンブル系列、この系列の番号及びこれらの系列の番号を示すインデックスを対応付けたプリアンブル系列テーブルを記憶し、図1に示した通知部53から通知された割当系列番号rを示す情報に基づいて、プリアンブル系列をテーブルから読み出し、該当するプリアンブル系列をプリアンブル系列検出部114に出力する。
プリアンブル系列検出部114は、分離部112から出力されたRAスロットについて、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されたプリアンブル系列を用いて相関処理等のプリアンブル波形検出処理を行い、プリアンブル系列がUEから送信されたか否かを検出する。検出結果(RAバースト検出情報)は図示せぬ上位層に出力される。
ULデータ受信処理部115は、復調部116及び復号化部117を備え、ULデータの受信処理を行う。復調部116は、分離部112から出力されたULデータの伝送路応答歪補正を行い、変調方式に対応した硬判定又は軟判定による信号点判定を行い、復号化部117は、復調部116による信号点判定の結果について誤り訂正処理を行い、UL受信データを出力する。
図3は、本発明の実施の形態1に係るUE150の構成を示すブロック図である。この図において、受信RF部152は、図1に示したBS100から送信された信号をアンテナ151を介して受信し、受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の所定の無線受信処理を施し、無線受信処理を施した信号を分離部153に出力する。
分離部153は、受信RF部152から出力された信号に含まれる報知チャネルとDLデータとをそれぞれ分離し、分離したDLデータをDLデータ受信処理部154の復調部155に、報知チャネルを報知チャネル受信処理部157の復調部158に出力する。
DLデータ受信処理部154は、復調部155及び復号化部156を備え、DLデータの受信処理を行う。復調部155は、分離部153から出力されたDLデータの伝送路応答歪補正を行い、変調方式に対応した硬判定又は軟判定による信号点判定を行い、復号化部156は、復調部155による信号点判定結果について誤り訂正処理を行い、DL受信データを出力する。
報知チャネル受信処理部157は、復調部158、復号化部159及び報知チャネル処理部160を備え、報知チャネルの受信処理を行う。復調部158は、分離部153から出力された報知チャネルの伝送路応答歪補正を行い、変調方式に対応した硬判定又は軟判定による信号点判定を行い、復号化部159は、復調部158による報知チャネルの信号点判定結果について誤り訂正処理を行う。誤り訂正処理された報知チャネルは報知チャネル処理部160に出力される。報知チャネル処理部160は、復号化部159から出力された報知チャネルに含まれる割当系列情報をプリアンブル系列テーブル記憶部161に、その他の報知チャネルは図示せぬ上位層に出力する。
プリアンブル系列記憶部161は、図2に示したBS100のプリアンブル系列テーブル記憶部113が有するプリアンブル系列テーブル、すなわち、図1に示した系列割当部52が割り当て可能なプリアンブル系列、この系列の番号及びこれらの系列の番号を示すインデックスを対応付けたプリアンブル系列テーブルを記憶する。そして、報知チャネル処理部160から出力された割当系列情報に対応するプリアンブル系列をRAバースト生成部162に出力する。
RAバースト生成部162は、図示せぬ上位層からRAバースト送信指示を取得すると、プリアンブル系列テーブル記憶部161から利用可能なプリアンブル系列の1つを選択し、選択したプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、生成したRAバーストを多重部166に出力する。
ULデータ送信処理部163は、符号化部164及び変調部165を備え、UL送信データの送信処理を行う。符号化部164は、UL送信データを符号化し、変調部165は、符号化されたUL送信データをBPSK、QPSKなどの変調方式によって変調し、変調したUL送信データを多重部166に出力する。
多重部166は、RAバースト生成部162から出力されたRAバーストと、変調部165から出力されたUL送信データとを多重し、多重信号を送信RF部167に出力する。
送信RF部167は、多重部166から出力された多重信号にD/A変換、フィルタリング、アップコンバート等の所定の無線送信処理を施し、無線送信処理を施した信号をアンテナ151から送信する。
次に、図2に示したプリアンブル系列検出部114について説明する。図4は、図2に示したプリアンブル系列検出部114の内部構成を示す図である。ここでは、系列長N=11であり、プリアンブル系列として、系列番号r=aと系列番号r=N−aのZC系列を組として割り当てられている場合を例示する。ここで、aは系列番号rが取りうる任意の系列番号を表す。
図4において、遅延器Dからの入力信号をr(k)=ak+jbk、系列番号r=aのZC系列の各係数をcr=a *(k)=ck+jdkとすると、複素乗算部xは、系列番号r=a側の相関に対する演算結果をakck−bkdk+j(bkck+akdk)とする。一方、系列番号r=N−aのZC系列の各係数はcr=N−a *(k)=(ar=a *(k))*=ck−jdkであり、系列番号r=N−a側の相関に対する演算結果は、akck+bkdk+j(bkck−akdk)となる。
したがって、系列番号r=a側の相関値を得るために行った乗算演算結果は、akck、bkdk、bkck、akdkは、系列番号r=N−a側の相関値の算出に利用できるため、系列番号r=aと系列番号r=N−aを組として割り当てない場合の受信処理に比べて乗算演算量を低減することができ、回路規模(乗算器数)を削減することができる。
なお、図4からも分かるように、1つのZC系列は、偶対象の系列(系列の各要素がcr(k)=cr(N−1−k))の関係にあるため、相関器では、乗算演算の前にkとN−1−kの要素を加算した乗算処理を行うことにより、乗算回数(乗算器数)をさらに半分に削減することができる。
次に、割当系列情報の具体的な通知方法について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図5では、インデックス1に系列番号r=1が、インデックス2に系列番号r=N−1が対応付けられ、インデックス3に系列番号r=2が、インデックス4に系列番号r=N−2が対応付けられている。インデックス4以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
図1に示した系列割当部52では、セルに系列番号を割り当てる際に、図5に示すテーブルに従って、各セルに必要な系列数K個のZC系列をインデックスが連続するように割り当てる。割り当てられた系列の系列番号rを示す情報は通知部53に通知される。
通知部53では、系列割当部52によって割り当てられたZC系列を割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知された割当系列情報を含む報知チャネル(BCH:Broadcast channel)を生成する。
図6は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル300の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図5に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、連続して割り当てられるZC系列の始めの系列番号に対応付けられたインデックスを示すスタート・インデックス番号3021と割り当てられたZC系列数を示す割当系列数3022とを合わせた割当系列情報302が生成される。割当系列情報302は報知チャネル300に含められ、各UEへ通知される。
ここで、スタート・インデックス番号3021のビット数Xは、ZC系列番号を通知するのに必要なビット数であり、系列数がN−1の場合は、X=ceiling(log2(N−1))である。また、割当系列数3022のビット数Yは、1セルに割り当て可能な最大割当数Mを通知するのに必要なビット数であり、Y=ceiling(log2(M))である。ここで、ceiling(x)はxが整数の場合はxを表し、xが非整数の場合はxより大きい整数のうち最小の整数を表す。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当系列数は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図5に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当系列数を用いて、利用可能な系列番号を特定する。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
なお、図6では、割り当てられた系列の先頭のインデックス番号を通知する例を示したが、末尾、あるいは、無線リソース管理部51、BS100、UE150の間で予め定められた特定の位置のインデックス番号であってもよい。
次に、図1に示した系列割当部52の動作について図7を用いて説明する。図7において、ステップ(以下、「ST」と省略する)401では、カウンタaを初期化(a=1)する。また、1セルへの割当数をKとする。
ST402では、インデックス番号aからインデックス番号a+K−1までの連続するK個の系列が1つでも割り当て済みであるか否かを判定する。割り当て済みではない場合(NO)、つまり、K個全ての系列が割り当て可能である場合は、系列割り当てを行うためにST404に移行し、連続するK個の系列のうち1つでも割り当て済み系列がある場合(YES)は、ST403において、カウンタaをインクリメント(a=a+1に更新)し、ST402へ戻る。
ST404では、インデックス番号aからa+K−1までの系列を割り当て、系列割り当て処理を終了する。なお、ST401、ST402、ST404では、割り当てる系列を系列番号の若い順に検索する手順を示しているが、検索する順序(カウンタaの順序)は、これに限定しない。
図8に、ZC系列長N=839、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とした場合のプリアンブル系列テーブル及び報知チャネルの割当系列情報の構成を示す。
系列長Nが839の素数であるため、割り当て可能な系列数は838であり、インデックス数も838である。したがって、インデックス番号の通知に必要なビット数は10bitsとなる。また、割当系列数の通知に必要なビット数は、割当数が1から64(最大)であるため、6bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に16bitsとなる。
一方、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)が必要となるため、実施の形態1の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから16bitsに低減でき、シグナリング量を最大97.5%削減することができる。
このように実施の形態1によれば、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。また、割当系列数にかかわらず一定サイズとなるため、割当系列情報のビット数を割当系列数にかかわらず一定に保つことができるため、報知チャネルのサイズを一定にでき、送受信処理構成を簡易にできる。
なお、通知部53から各BS100−1〜100−Mへの割当系列情報の通知方法も、BS100からUE150への通知方法と同様に通知することにより、シグナリング量を低減することができる。
なお、本実施の形態では、系列長Nが素数(奇数)の場合について説明したが、系列長Nが非素数(奇数、偶数問わず)であってもよい。系列長Nが素数でない場合は、システム全体で利用可能な最適な自己相関特性をもつ系列番号rは、系列長Nに対して互いに素であることを満たす必要がある。
なお、図9に示すように、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されるテーブルは、(a,N−a)の組をランダムに並べてもよい。また、ZC系列の組の順序(a,N−aの順序)は、a,N−aの順であっても、N−a,aの順のいずれであってもよい。
また、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されるテーブルは、ZC系列番号の順序(系列番号aの順序)は任意でもよく、a=1,2,3,4,…でも、a=11,(N−1)/2,1,…のようにランダムな割り当てであってもよい。このようなプリアンブル系列テーブルを用いる場合であっても、BS100とUE150が同一のテーブルを共有していれば、テーブルに示された系列番号に対応付けられたインデックス番号と割当系列数とを通知することにより、同様にシグナリング量を削減することができる。
また、本実施の形態では、ランダムアクセスで利用するプリアンブル系列を例に説明したが、本発明はこれに限らず、既知信号として、1つのBSで複数のZC系列又はGCL系列を用いる場合にも適用することができる。このような既知信号としては、例えば、チャネル推定用参照信号、下り同期用パイロット信号(Synchronization channel)などが挙げられる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、複数のBSに対して1つの系列割当部52が存在する集中管理型のシステム構成について説明したが、図10に示すように、BS毎に系列割当部を備え、複数のBS間で互いに異なる系列番号rのZC系列を割り当てるように情報交換する分散管理型のシステム構成であってもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図11では、インデックス1に系列番号r=1,N−1が対応付けられ、インデックス2に系列番号r=2、N−2が対応付けられている。インデックス3以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
系列割当部52では、セルに系列番号を割り当てる際に、図11に示すテーブルに従って、各セルに必要な系列数K個のZC系列をインデックスが連続するように割り当てる。割り当てられた系列のインデックスは通知部53に通知される。
通知部53では、系列割当部52によって割り当てられた系列のインデックスを割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知されたインデックスに基づいて、割当系列情報を生成する。割当系列情報は、報知チャネルに含められる。
図12は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル310の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図11に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、スタート・インデックス番号3121と割り当てられたZC系列のインデックス数3122とを合わせた割当系列情報312が生成される。割当系列情報312は、報知チャネル310に含められ、各UEへ通知される。
本実施の形態では、1つのインデックスに2つの系列番号が対応付けられているため、インデックス数の通知に必要なビット数はX−1bitとなる。また、割り当てを行うインデックス数は、最大系列数がMの場合はM/2となるため、割当インデックス数の通知に必要なビット数はY−1bitとなる。
ここで、スタート・インデックス番号3121のビット数X−1及び割当インデックス数3122のビット数Y−1は、実施の形態1と同様に定義する。すなわち、XはZC系列番号を表すのに必要なビット数であり、系列数がN−1の場合は、X−1=ceiling(log2(N−1))−1である。また、ビット数Yは、1セルに割り当て可能な最大割当数Mを通知するのに必要なビット数であり、Y−1=ceiling(log2(M))−1である。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当インデックス数は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図11に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当インデックス数を用いて、利用可能な系列番号を特定する。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
なお、図12では、割り当てられた系列の先頭のインデックス番号を通知する例を示したが、末尾、あるいは、無線リソース管理部51、BS100、UE150の間で予め定められた特定の位置のインデックス番号であってもよい。
以下、ZC系列長N=839、系列数が838、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とした場合、上述した割当系列情報の通知方法による効果について説明する。
系列長Nが839の素数であるため、割り当て可能な系列数は838であり、インデックス数も838である。系列番号a、N−aの組に対してインデックス番号を付与するため、インデックス番号の通知に必要なビット数は9bitsとなる。また、割当インデックス数の通知に必要なビット数は、インデックス数が1から32(最大)であるため、5bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に14bitsとなる。
一方、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)が必要となるため、実施の形態2の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから14bitsに低減でき、シグナリング量を最大97.8%削減することができる。
このように実施の形態2によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、さらに報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
なお、本実施の形態では、2つの系列番号(a,N−a)の組に1つのインデックスを対応付ける場合について説明したが、4つの系列番号(a1,N−a1,a2,N−a2)の組、8つの系列番号(a1,N−a1,a2,N−a2,a3,N−a3,a4,N−a4)の組など、2以上の組に対して1つのインデックスを対応付けてもよい。
なお、実施の形態1と同様、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されるテーブルは、(a,N−a)の組をランダムに並べてもよい。また、ZC系列の組の順序(a,N−aの順序)は、a,N−aの順であっても、N−a,aの順のいずれであってもよい。また、(a,N−a)をペアとせずに(1、3)、(2、N−4)、(a、N−b)などのようにZC系列のランダムな組に1つのインデックスを対応付けてもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
また、本発明の実施の形態3に係るプリアンブル系列テーブルは、実施の形態1の図5に示したプリアンブル系列テーブルと同一のテーブルを適用するが、セルに割り当てる系列数を制限する点が実施の形態1とは異なる。
図13は、本発明の実施の形態3に係る割当系列数と通知ビットの対応関係を示す図である。図13では、最大割当系列数を64とし、セルに割り当て可能な系列数を2のべき乗に制限した場合について示している。割当系列数を制限できる理由については後述する。
系列割当部52では、セルにZC系列番号を割り当てる際に、図6に示すテーブルに従って、各セルに必要な系列数K個のZC系列をインデックスが連続するように割り当てる(図8と同じ)。ここで、系列数Kの取りうる値は、図13に示す値に制限される。割り当てられた系列のインデックスは通知部53に通知される。
図14は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル320の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図6及び図13に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、スタート・インデックス番号3021と割り当てたZC系列の割当系列数3222とを合わせた割当系列情報322が生成される。割当系列情報322は報知チャネル320に含められ、各UEへ通知される。
ここで、割当系列数3222のビット数Zは、通知ビットに必要なビット数であり、取りうる割当系列数がP種類である場合、Z=ceiling(log2(P))である。また図13に示す割当系列数(7種類)の場合、ビット数Zは3bitsとなる。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当系列数は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図5及び図13に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当系列数を用いて、利用可能な系列番号を特定する。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
なお、図14では、割り当てられた系列の先頭のインデックス番号を通知する例を示したが、末尾、あるいは、無線リソース管理部51、BS100、UE150の間で予め定められた特定の位置のインデックス番号であってもよい。
次に、割当系列数を制限可能な理由について図15を用いて説明する。
図15は、RAプリアンブル長を800usである場合において、セルサイズ(セル半径)に対する1つのZC系列から生成可能な巡回シフト系列数及び所要割当系列数の関係を示す図である。ここで、所要割当系列数は、異なる系列番号のZC系列数である。
一例として、非特許文献1に記載された移動体通信システムでは、1つのセルに対してランダムアクセス用のプリアンブル系列を常に64系列利用する。この際、64系列は、1つのZC系列から生成される1あるいは複数の巡回シフト系列及び異なる系列番号のZC系列より構成される。1つのZC系列から8つの巡回シフト系列が生成可能である場合、8つの異なる系列番号のZC系列をそのセルに割り当て、各ZC系列から8つずつ巡回シフト系列を生成することにより、合計64系列となる。
系列長が奇数の場合のZC系列(式(2))に対して、q=0とし、巡回シフト量Δを含めた式を(5)に示す。
ここで、lは巡回シフト系列番号を表し、l=0,1,…,L−1であり、Lは巡回シフト系列数を表す。
1つのZC系列から生成可能な巡回シフト系列数は、巡回シフト量Δにより決定される。Δが小さい場合は、1系列から生成可能な巡回シフト系列数が増加し、Δが大きい場合は、1系列から生成可能な巡回シフト系列数が少なくなる。巡回シフト系列数LはL=floor(N/Δ)により得られる。
さらに、巡回シフト量Δは、BS100とUE150間の往復分の伝搬遅延(Round trip delay)よりも大きく設定する必要があるため、セルがサポートするサービス半径に比例する。したがって、図15に示すように、セルサイズ(セル半径)に比例して、1系列から生成可能な巡回シフト系列数が減少し、一方で、所要割当系列数が増加する。
実施の形態1では、割当系列数は1から最大割当数Mの任意の数をセルに割り当て可能な構成であるが、大きい割当系列数(例えば、17〜31、33〜63など)は、セル半径が非常に大きなセルであり、実際にはほとんど利用されない。一方、多くのセルは、そのセル半径が数百メートルから10km程度であり、所要割当系列数が少ない。
したがって、図15に示すようにセル半径が大きいほど、取りうる系列数の間隔を広げる(指数的に増加させる)ことで、系列割り当ての自由度をある程度維持したまま、シグナリング量を低減することが可能となる。
以下、ZC系列長N=839、系列数が838、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とし、割当系列数を図13に示すように制限した場合、上述した割当系列情報の通知方法による効果について説明する。
系列長Nが839の素数であるため、割り当て可能な系列数は838であり、インデックス数も838である。インデックス番号の通知に必要なビット数は実施の形態1と同様10bitsとなる。また、割当系列数の通知に必要なビット数は、3bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に13bitsとなる。
ここで、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)の通知が必要となるため、実施の形態3の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから13bitsに低減でき、シグナリング量を最大98.0%削減することができる。
このように実施の形態3によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、さらに報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
図16は、本発明の実施の形態4に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図16では、割当系列数毎にインデックスと系列番号との対応関係を設定する。例えば、割当系列数をK=1,2,4,8,16,32,64とする場合、7種類のプリアンブル系列テーブルを用意する。
図16Aは、割当系列数1用のプリアンブル系列テーブルを示す。図16Aでは、1つのインデックスに対して1つの系列番号が割り当てられている。具体的には、インデックス1に系列番号r=1が、インデックス2に系列番号r=N−1が対応付けられ、インデックス3に系列番号r=2、インデックス4に系列番号r=N−2が対応付けられている。インデックス5以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
図16Bは、割当系列数2用のプリアンブル系列テーブルを示す。図16Bでは、1つのインデックスに対して2つの系列番号が割り当てられている。具体的には、インデックス1に系列番号r=1、r=N−1が対応付けられ、インデックス2に系列番号r=2、r=N−2が対応付けられている。インデックス3以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
図16Cは、割当系列数4用のプリアンブル系列テーブルを示す。図16Cでは、1つのインデックスに対して4つの系列番号が割り当てられている。具体的には、インデックス1に系列番号r=1、r=2、r=N−1、r=N−2が対応付けられ、インデックス2に系列番号r=3、r=4、r=N−3、r=N−4が対応付けられている。インデックス3以降も同様に系列番号rが対応付けられている。割当系列数8以降も同様に、インデックスと割当系列数分の系列番号が対応づけられる。
系列割当部52では、セルにZC系列番号を割り当てる際に、割当系列数K及び割当数に対応するプリアンブル系列テーブル(図16)に従って、系列を割り当て、割り当てた系列のインデックスを通知部53に通知する。
通知部53では、系列割当部52から通知されたインデックスを割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知されたインデックスを含む報知チャネルを生成する。
図17は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル330の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図16に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、割当数Kに対応するインデックス種別3321と割り当てられたインデックス番号3322とを合わせた割当系列情報332が生成される。割当系列情報332は報知チャネル330に含められ、各UEへ通知される。
ここで、インデックス種別3321のビット数Zは、図18に示すように、割当数Kが1,2,4,8,…と増加するごとに、1bit、2bits、3bits、4bits、…と増加する。また、図18に示すように、割当系列情報の先頭ビットが1の場合、割当数1用のプリアンブル系列テーブルを示し、先頭の1ビット以降の割当系列情報のビットはインデックス番号であることを示す。また、割当系列情報の先頭ビットが01の場合、割当数2用のプリアンブル系列テーブルを示し、先頭の2ビット以降の割当系列情報のビットはインデックス番号であることを示す。以降、同様に割当系列情報の最初にビット“1”が現れた位置がインデックス種別を表し、以降の割当系列情報のビットはインデックス番号であることを示す。
なお、図18において、最初にビット“1”が現れた位置がインデックス種別を表す例を示したが、ビッド“0”と“1”は逆になっていてもよく、最初にビット“0”が現れた位置がインデックス種別を表すようにしてもよい。
一方、インデックス番号のビット数は、割当数Kが1,2,4,…と増加するにつれて、1ビットずつ減少する。例えば、各プリアンブル系列テーブルに対して、図16に示すようにZC系列数を重複して割り当てる場合、系列数をNとすると、K=1,2,4,8,16,32,64に対応する各テーブルのインデックス数N1,N2,N4,…,N64は、それぞれ、N1=N,N2=floor(N/2),N4=floor(N/4),…,N64=floor(N/64)となるため、インデックス番号の通知に必要なビット数は、K=1の場合をXbitとすると、K=2,4,8,16,32,64ではそれぞれ、X−1bit,X−2bit,X−3bit,X−4bit,X−5bit,X−6bitとなる。
しがたって、インデックス種別3321とインデックス番号3322を合わせた割当系列情報332のビット数は、割当数Kにかかわらず一定(X+1bit)にできる。このように決定されたインデックス種別と、インデックス種別に対応付けられたプリアンブル系列テーブルにおける一つのインデックス番号は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図16及び図18に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知されたインデックス種別と、インデックス種別に対応付けられたプリアンブル系列テーブルにおける一つのインデックス番号を用いて、利用可能な系列番号を特定することができる。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
以下、ZC系列長N=839、系列数が838、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とし、割当系列数を図16に示すように制限した場合、上述した割当系列情報の通知方法による効果について説明する。
割当系列数Kを1,2,4,8,16,32,64に制限するため、割当系列数毎のテーブル数は7つである。系列長が839の素数であるため、系列数は838であり、割当系列数K=1,2,4,8,16,32,64に対応する各テーブルのインデックス番号に要するビット数は、それぞれ10bits、9bits、8bits、7bits、6bits、5bitsである。一方、インデックス種別(テーブル種別)の通知に要するビット数は、割当系列数K=1,2,4,8,16,32,64の各テーブルに対して、1bit、2bits、3bits、4bits、5bits、6bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に11bitsとなる。
ここで、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)の通知が必要となるため、実施の形態4の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから11bitsに低減でき、シグナリング量を最大98.3%削減することができる。
このように実施の形態4によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、さらに報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
なお、図16では、各プリアンブル系列テーブルは、ZC系列番号a,N−aの順序はaが昇順に配置される構成を例に示したが、降順であっても、ランダムであってもよい。また、各プリアンブル系列テーブルの系列番号順序もそれぞれ、異なる系列順序であってもよい。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
図19は、本発明の実施の形態5に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図19では、あらかじめ設定される割当系列のそれぞれの組み合わせに対して、1つずつインデックス番号を割り当てている。例えば、ZC系列数をN−1とした場合、インデックス番号1からN−1には、それぞれ1からN−1のいずれかの系列番号を割り当てる。インデックス番号Nからiまでは、2つの系列番号の組を割り当てる。インデックス番号i+1からjまでは、4つの系列番号の組を割り当てる。インデックス番号j+1以降も同様に、あらかじめ設定された割当系列の組み合わせを割り当てる。2つの系列を組として1つのインデックス番号に対応付ける部分に必要なインデックス番号の数N2は、N2=i−N=floor(N/2)となる。同様に、X個の系列を組として1つのインデックス番号に対応付ける部分に必要なインデックス番号の数NxはNx=floor(N/X)となる。
系列割当部52では、図19に示すプリアンブル系列テーブルに従って、割当数に対応した系列組を割り当てる。通知部53では、系列割当部52によって割り当てられたZC系列を割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知された割当系列情報を含む報知チャネルを生成する。
図20は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル340の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図19に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、通知部53より通知された割当系列番号の組みに対応するインデックス番号3421を含む報知チャネル340を生成し、各UEへ通知する。
このように、実施の形態5では、割当系列番号とインデックスとの対応関係を示すプリアンブル系列テーブルであって、インデックスは、1つの系列番号に対応付けられたインデックス番号と、系列番号r=aと系列番号r=N−aを組として複数の系列番号に対応付けられたインデックス番号とから構成される。BS100は、図19に示すプリアンブル系列テーブルを記憶する。
ここで、系列長がNの場合は、単一の系列番号に対応付けられたインデックスの数N1はN−1であり、2つの系列番号に対応付けられたインデックスの数N2はN2=floor(N/2)である。同様に、X個の系列番号に対応付けられたインデックスの数NxはNx=floor(N/X)となる。このように、図19に示すプリアンブル系列テーブルでは1つのインデックス番号に対応付けられる割当系列数が多い部分ほど、インデックス番号の数が少なくなる。
BS100は、記憶した図19のテーブルを参照し、割り当てる系列及び系列数から、対応するインデックス番号を決定する。決定された1つのインデックス番号は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図19に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当数情報を用いて、利用可能な系列番号を特定することができる。
実施の形態5の通知方法では、あらかじめシステムで利用する系列番号の組み合わせのみを設定するため、例えば、セルサイズが大きい、すなわち、割当系列数が多いセル数は、セルサイズの小さい、すなわち、割当系列数の少ないセル数ほど多くないため、系列番号の組数を減らすことも可能である。
一方で、例えば、割当系列数の少ない系列番号の組数は多く得られるため(割当系列数1はN組得られる)、系列番号の組数が多く得られる割当系列数に対して、系列番号の組数を減らすことも可能である。
したがって、実際に必要な系列番号の組み合わせ数のみを通知するため、インデックス番号の通知に用いるビット数を無駄なく利用でき、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング量を低減することができる。
このように実施の形態5によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
(実施の形態6)
実施の形態1では、プリアンブル系列テーブルに従って、スタート・インデックス番号と割当系列数を通知する通知方法を示したが、テーブルの系列の並び方に関しては言及していなかった。
ここで、高速に移動するUEが存在し、異なる巡回シフト量の巡回シフト系列を同一セル内で使用する場合、受信信号に対して、高速移動時のドップラー広がり(Doppler spread)や周波数オフセット(Frequency offset)が加わるため、同一ZC系列から生成される別の巡回シフト系列の検出範囲、すなわち、誤ったタイミング位置に高い相関値が生じる。一方、期待される検出範囲の相関値が小さくなる。
異なる巡回シフト系列の検出範囲に高い相関値が生じると、異なる巡回シフト系列に対する誤検出確率が増加する。また、期待する検出範囲の相関値が小さくなると、送信されたプリアンブルの検出確率が低くなる。
図21は、高速移動時のUEから送信されるZC系列の相関値と巡回シフト量Δの関係を示す図である。図21に示すように、高速移動時のUEから送信されたプリアンブルに対する相関値は、静止したUEから送信されるドップラー広がりや周波数オフセットが無い場合に検出される相関値のタイミングに対して、後述するZC系列の系列番号に応じたxのタイミング分、+方向及び−方向に誤ったタイミングに相関値のピークが発生する。一般に相関値のピークの大きさは、UEの移動速度が速くなるにつれて、誤相関値のピークが大きくなる一方、正しいタイミングのピーク値は小さくなる。従って設定した巡回シフト量Δの値がxよりも大きい場合(Δ>x)、基地局におけるピーク検出処理において誤検出が生じるため、巡回シフト量Δはxよりも小さく設定する必要がある(Δ<x)。
従来の通知方法では、誤ったタイミングに生じる相関値の範囲に、別の巡回シフト系列の検出範囲、及び、その別の巡回シフト系列の誤ったタイミングに生じる相関値の範囲が重ならないように、誤検出などが起きない系列番号及び巡回シフト量を個別に選び出し、通知することが可能であるが、本発明の通知方法では個別に通知することができない。
そこで、使用する系列が誤ったタイミングに生じる相関値の位置と正しいタイミングの位置の差が系列番号に依存するという点、また、相関値が生じる範囲がセル半径に依存するため、利用可能な系列番号がセル半径により制限されることに着目したプリアンブル系列テーブル設定の例を示す。
実施の形態6に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
図22は、本発明の実施の形態6に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図22は、系列長Nが37(素数)の場合における系列番号rに対して、1つずつインデックス番号を割り当てている。なお、系列長Nは37に限定されない。
上記実施の形態で記載の式(1)〜(5)のように時間領域で定義されるZC系列を適用する場合、u=1,2,3,…,N−1に対して次の式(6)を満たす系列番号rの順序でインデックスを割り当てたプリアンブル系列テーブルとする。
図22の系列長Nが37の場合では、インデックス1に系列番号r=1が、インデックス2に系列番号r=18が対応付けられている。インデックス3以降も同様に式(6)を満たすrが対応付けられている。なお、系列番号rの順序は、u=N−1,N−2,…,3,2,1に対して式(6)を満たす順序であってもよい。
系列割当部52では、図22に示すプリアンブル系列テーブルに従って、割当数に対応した系列組の割り当てを行う。通知部53では、系列割当部52によって割り当てられたZC系列を割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知された割当系列情報を含む報知チャネルを生成する。
報知チャネル生成部102では、図22に示すテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、スタート・インデックス番号3021と割り当てられたZC系列の割当系列数3022を合わせた割当系列情報302を生成する。割当系列情報は、報知チャネル300に含められ、各UEへ通知される。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当数は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図22に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当数情報を用いて、利用可能な系列番号を特定する。
実施の形態6の通知方法では、BS100は式(6)により設定されるプリアンブル系列テーブルに基づいて、連続するインデックス番号の系列を同一セルに割り当てる。このテーブルを用いれば、図23に示すように、誤ったタイミングに生じる相関値の位置と正しいタイミングに生じる相関値の位置との相対差xが+/−1、+/−2,…,+/−18,−/+18,−/+17,…,−/+1の順序で並ぶ。
また、基地局100において、プリアンブルの誤検出が発生しないようにするために、正しいタイミングに生じる相関値及び誤ったタイミングに生じる相関値のそれぞれに対する巡回シフト量Δが、互いに重ならないように設定する必要がある。つまり、巡回シフト量Δ<相対差xを満たす必要がある。したがって、図23に示すように、適用可能な巡回シフト量Δもそれぞれ、1,2,…,18,18,17,…,1となる。
一方、所要巡回シフト量Δは、そのセルがサポートするBS100とUE150間の往復分の伝搬遅延時間(TPropagationDelay)の最大想定値と、伝送路のマルチパス遅延時間の最大想定値(TDelaySpread)との和よりも大きくなるように設定される。つまり、所要巡回シフト量Δ>2×TRoundTripDelay+TDelaySpreadとなるように設定される。したがって、このセルに適用可能な系列番号は、相対差xがx>シフト量Δ>2×TRoundTripDelay+TDalaySpreadを満たす系列に限られる。
図23のプリアンブル系列テーブルでは、適用可能な巡回シフト量Δ(<x)が昇順および降順に並ぶ、つまり、利用可能なセル半径に比例した順序で系列番号が並ぶため、連続でN個の系列を割り当てる場合であっても、セル半径の制約により利用できない系列が含まれないように割り当てることが容易となる。
また、誤ったタイミングに生じる相関値の位置と正しいタイミングの位置との差が昇順(インデックス番号1〜floor(N/2))、降順(インデックス番号floor(N/2)〜N−1)でインデックス番号に割り当てられるため、相関値が生じる範囲が近い関係にある系列番号rを割り当てることが可能であり、1つのZC系列から生成可能な巡回シフト系列数が最大になるような系列割り当てが可能であり、系列の消費量を軽減できる。
このように実施の形態6によれば、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減しつつ、高速に移動するUEが存在するセルでも、利用可能な系列割り当てのみを無駄なく通知することができる。
なお、プリアンブル系列テーブルは、uに対して式(7)を満たすrの順序としてもよい。図24は、系列長N=37の場合の式(7)を満たすプリアンブル系列テーブルの例である。つまり、インデックス番号1に対して、u=1に対応する系列番号r=N−1,インデックス番号2に対して、u=N−1に対応する系列番号r=1、インデックス番号3以降も同様に、式(7)を満たすuに対する系列番号rを割り当てる。
この場合、系列番号r=aとr=N−aの組は、対応可能なセル半径及び誤ったタイミングに生じる相関値の位置などが同一であるため、高速に移動するUE150が存在するセルでも、さらに利用可能な系列割り当てのみを無駄なく通知することができる。また、式(7)において、u=bとu=N−bの順序は適用可能な巡回シフト量Δが同じであるためu=b,u=N−bあるいはu=N−b,u=bの順のいずれの順序であってもよい。
また、上記実施の形態1から5に記載の系列番号a及びN−aに対するaの順序に対して式(6)、式(7)を適用する構成としてもよい。
また、上記各実施の形態では、ZC系列を用いて説明したが、本発明はこれに限らず、GCL系列を用いてもよい。
また、式(1)から(5)に記載のZC系列及びGCL系列のexp内の符号は−jであっても+jであってもよい。
また、上各記実施の形態では、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する構成を示したが、巡回シフト系列を併用するシステムにおいては、セルで利用するRAプリアンブル数がBSとUE間で予め既知の場合、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する代わりに、巡回シフト系列数を通知する構成であってもよい。これは、セルで利用するプリアンブル数÷巡回シフト系列数とすることで、割当系列数、あるいは、インデックス数を取得可能なためである。
さらに、巡回シフト系列を併用するシステムにおいては、セルで利用するRAプリアンブル数がBSとUE間で予め既知の場合、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する代わりに、巡回シフト量Δを通知する構成であってもよい。これは、系列長N及び巡回シフト量Δより得られる巡回シフト系列数より、割当系列数、あるいは、インデックス数を取得可能なためである。
さらに、巡回シフト系列を併用するシステムにおいては、セルで利用するRAプリアンブル数がBSとUE間で予め既知の場合、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する代わりに、セルサイズ(半径)を通知する構成であってもよい。これは、セルサイズ(半径)から所要巡回シフト量Δを得ることにより、割当系列数、あるいは、インデックス数を取得可能なためである。
また、上記各実施の形態では、系列番号とインデックスの対応関係はプリアンブル系列テーブルを用いる構成を示したが、系列番号=f(インデックス番号)のように、系列番号とインデックスの対応関係は式で得られる構成であってもよい。
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年3月19日出願の特願2007−071194の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる系列通知方法及び系列通知装置は、1つのセルに割り当てた異なるZC系列又はGCL系列を基地局から端末に通知する報知チャネルのシグナリング量(ビット数)を低減することができ、例えば、移動体通信システム等に適用できる。
本発明は、セルに割り当てたZadoff-Chu系列又はGCL(Generalized chirp like)系列を通知する系列通知方法及び系列通知装置に関する。
セルラ通信システムに代表される移動体通信システム、または、無線LAN(Local Area Network)システムにおいては、送信領域にランダムアクセス領域が設けられる。このランダムアクセス領域は、端末局(以下、「UE」という)が基地局(以下、「BS」という)に最初に接続要求を行う場合、あるいは、BSなどがUEの送信時間や送信帯域を割り当てる集中管理システムにおいて新たな帯域割り当て要求を行う場合、上り回線の送信領域に設けられる。なお、基地局はアクセスポイント又はNodeBと呼ばれることがある。
ランダムアクセス領域(以下、「RAスロット」という)で送信されるランダムアクセスバースト(以下、「RAバースト」という)は、スケジュールされる他のチャネルとは異なり、シグネチャ系列の衝突(複数のUEが同じRAスロットを用いて同一シグネチャ系列を送信すること)又はシグネチャ系列間の干渉により受信エラー及び再送が発生する。RAバーストの衝突、受信エラーが発生すると、RAバーストを含む上り送信タイミング同期取得及びBSへの接続要求処理の処理遅延が大きくなる。このため、シグネチャ系列の衝突率の低減、シグネチャ系列の検出特性の向上が要求されている。
非特許文献1に記載の移動体通信システムでは、RAバーストのプリアンブル(以下、「RAプリアンブル」という)系列として、自己相関特性及び系列間の相互相関特性が低いZadoff-Chu系列(以下、「ZC系列」という)又はGCL系列(非特許文献2)を用いたRAプリアンブル系列(または、シグネチャ系列)が検討されている。また、ZC系列を巡回シフトすることにより生成されるZC-ZCZ (Zadoff-Chu Zero Correlation Zone)系列を用いることが検討されている。
ZC系列及びGCL系列は、その系列番号rと系列長Nが互いに素の関係を満たす場合、自己相関特性が最適となる。また、2つの系列間の相互相関特性は、系列番号をそれぞれr1及びr2とすると、r1とr2の差の絶対値と系列長Nが互いに素の関係を満たす場合は、相互相関値は√Nで一定となる。したがって、系列長Nが素数の場合、N−1個の系列、すなわち、系列番号r=1,2,…,N−1の全ての系列に対して、自己相関特性及び相互相関特性が最適な系列の組が得られる。
また、非特許文献1に記載の移動体通信システムでは、1つのセルに対して常に64個のZC-ZCZ系列を割り当てることが検討されている。この64個の系列は、異なる系列番号のZC系列、及び、それぞれの系列番号のZC系列から生成される巡回シフト系列(Cyclic shift sequence)、すなわち、ZC-ZCZ系列を含む。
1つのZC系列から生成可能なZC-ZCZ系列の系列数は、系列間の巡回シフト量に依存する。巡回シフト量をΔ、系列長をNとした場合、生成されるZC-ZCZ系列数は、floor(N/Δ)で表される。なお、floor(x)は、xを超えない最大の整数を表す。巡回シフト量Δは、巡回シフト量Δに対応する時間(Δtime)で考えると、UEから送信されたRAプリアンブルが到来する可能性のある時間範囲によって定義される。具体的には、BSからUE間の伝搬遅延時間(TPropagationDelay)の往復分の最大想定値(TRoundTripDelay)と、伝送路のマルチパス遅延時間の最大想定値(TDelaySpread)との和よりも
大きくなるように巡回シフト量Δtimeが設定される(Δtime>2×TPropagationDelay+TDelaySpread)。
したがって、セルサイズ(セル半径)に比例して、BSとUE間の伝搬遅延時間が増減するため、セルサイズが大きいセルほど、1つのZC系列から生成可能なZC-ZCZ系列が減少する。このことから、1セルに64個のプリアンブル系列を割り当てるためには、多くの異なる系列番号のZC系列をセルに割り当てる必要がある。
しかしながら、上述した割当系列情報の通知方法では、セル半径の大きいセルの場合、最大64のZC系列を通知する必要があり、報知チャネルのシグナリング量(ビット数)が増大してしまう。割当系列情報は、UEがRAプリアンブル送信の前に必要な情報であることから、受信環境の劣悪なUEでも正しく受信できるようにロバストに送信(つまり、伝送レートの低い変調方式、符号化率などを用いて送信)される。このため、シグナリング量が多いとその分無線リソースを消費してしまう。
本発明の目的は、セルに割り当てたZadoff-Chu系列又はGCL系列を通知するシグナリング量を低減する系列通知方法及び系列通知装置を提供することである。
本発明の系列通知装置は、複数の異なるコード系列に連続する番号のインデックスを対応付け、前記インデックスが連続するようにセルに割り当てる系列通知装置であって、複数の異なるコード系列に連続する番号のインデックスを対応付けた対応関係を記憶する記憶手段と、前記対応関係に基づいて、割り当てられたコード系列のうちいずれか1つを示すインデックスと割り当てられた系列数を示す情報とを合わせた情報を割当系列情報として通知する通知手段と、を具備する構成を採る。
本発明の系列通知方法は、複数の異なるコード系列に連続する番号のインデックスを対応付けた対応関係に基づいて、前記インデックスが連続するようにセルに割り当てられたコード系列を、割り当てられたコード系列のうちいずれか1つを示すインデックスと割り当てられた系列数を示す情報とを合わせた情報を割当系列情報として通知するようにした。
本発明によれば、セルに割り当てたZadoff-Chu系列又はGCL系列を通知するシグナリング量を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
まず、ZC系列について式を用いて示す。系列長NのZC系列は、Nが偶数の場合、式(1)によって表され、Nが奇数の場合、式(2)によって表される。
ただし、k=0,1,2,…,N−1、qは任意の整数、rは系列番号(Sequence index)であり、rはNとは互いに素の関係を有し、かつ、Nより小さい正の整数である。
次に、GCL系列について式を用いて示す。系列長NのGCL系列は、Nが偶数の場合、式(3)によって表され、Nが奇数の場合、式(4)によって表される。
ただし、k=0,1,2,…,N−1、qは任意の整数、rはNとは互いに素の関係を有し、かつ、Nより小さい整数、b
i(k mod m)は、任意の複素数であり、i=0,1,…,m−1である。また、GCL系列間の相互相関を最小にする場合、b
i(k mod m)は振幅1の任意の複素数を用いる。
GCL系列は、ZC系列にbi(k mod m)を乗算した系列であり、受信側の相関演算はZC系列と同様であるため、以下、ZC系列を例に説明する。また、以下においては、RAバーストのプリアンブル系列として、系列長Nが奇数かつ素数のZC系列を用いる場合について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図である。この図において、無線リソース管理部51は、複数のBS(#1〜#M)100−1〜100−Mに割り当てる無線リソースを管理し、系列割当部52及び通知部53を備える。
系列割当部52は、配下のBSが管理するセルにZC系列の系列番号rを割り当て、割り当てた系列番号rを通知部53に出力する。通知部53は、系列割当部52から出力された系列番号rを示す情報をBS100−1〜100−Mに通知する。なお、系列割当部52及び通知部53の詳細については後述する。
BS100−1〜100−Mは、通知部53から通知された系列番号rを示す情報に基づいて、後述する通知方法により割当系列情報を自セル内のUEに報知し、UEから送信されたプリアンブル系列を検出する。BS100−1〜100−Mは全て同一の機能を有することから、以下の説明では、BS100として一括して扱うものとする。
図2は、図1に示したBS100の構成を示すブロック図である。この図において、報知チャネル処理部101は、報知チャネル生成部102、符号化部103、変調部104を備えている。報知チャネル生成部102は、図1に示した通知部53から通知された割当系列番号rを示す情報に基づいて、プリアンブル系列テーブル記憶部113から該当する情報を読み出し、読み出した情報を含めて下り制御チャネルである報知チャネル(Broadcast channel)を生成する。生成された報知チャネルは符号化部103に出力される。
符号化部103は、報知チャネル生成部102から出力された報知チャネルを符号化し、変調部104は、符号化された報知チャネルをBPSK、QPSKなどの変調方式によって変調する。変調された報知チャネルは多重部108に出力される。
DLデータ送信処理部105は、符号化部106及び変調部107を備え、DL送信データの送信処理を行う。符号化部106は、DL送信データを符号化し、変調部107は、符号化されたDL送信データをBPSK、QPSKなどの変調方式によって変調し、変調したDL送信データを多重部108に出力する。
多重部108は、変調部104から出力された報知チャネルと、変調部107から出力されたDL送信データとを時間多重、周波数多重、空間多重、または、符号多重を行い、多重信号を送信RF部109に出力する。
送信RF部109は、多重部108から出力された多重信号にD/A変換、フィルタリング、アップコンバート等の所定の無線送信処理を施し、無線送信処理を施した信号をアンテナ110から送信する。
受信RF部111は、アンテナ110を介して受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の所定の無線受信処理を施し、無線受信処理を施した信号を分離部112に出力する。
分離部112は、受信RF部111から出力された信号をRAスロットとULデータスロットとに分離し、分離したRAスロットをプリアンブル系列検出部114に、ULデータスロットをULデータ受信処理部115の復調部116にそれぞれ出力する。
プリアンブル系列テーブル記憶部113は、図1に示した系列割当部52が割り当て可能なプリアンブル系列、この系列の番号及びこれらの系列の番号を示すインデックスを対応付けたプリアンブル系列テーブルを記憶し、図1に示した通知部53から通知された割当系列番号rを示す情報に基づいて、プリアンブル系列をテーブルから読み出し、該当するプリアンブル系列をプリアンブル系列検出部114に出力する。
プリアンブル系列検出部114は、分離部112から出力されたRAスロットについて、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されたプリアンブル系列を用いて相関処理等のプリアンブル波形検出処理を行い、プリアンブル系列がUEから送信されたか否かを検出する。検出結果(RAバースト検出情報)は図示せぬ上位層に出力される。
ULデータ受信処理部115は、復調部116及び復号化部117を備え、ULデータの受信処理を行う。復調部116は、分離部112から出力されたULデータの伝送路応答歪補正を行い、変調方式に対応した硬判定又は軟判定による信号点判定を行い、復号化部117は、復調部116による信号点判定の結果について誤り訂正処理を行い、UL受信データを出力する。
図3は、本発明の実施の形態1に係るUE150の構成を示すブロック図である。この図において、受信RF部152は、図1に示したBS100から送信された信号をアンテナ151を介して受信し、受信した信号にダウンコンバート、A/D変換等の所定の無線受信処理を施し、無線受信処理を施した信号を分離部153に出力する。
分離部153は、受信RF部152から出力された信号に含まれる報知チャネルとDLデータとをそれぞれ分離し、分離したDLデータをDLデータ受信処理部154の復調部155に、報知チャネルを報知チャネル受信処理部157の復調部158に出力する。
DLデータ受信処理部154は、復調部155及び復号化部156を備え、DLデータの受信処理を行う。復調部155は、分離部153から出力されたDLデータの伝送路応答歪補正を行い、変調方式に対応した硬判定又は軟判定による信号点判定を行い、復号化部156は、復調部155による信号点判定結果について誤り訂正処理を行い、DL受信データを出力する。
報知チャネル受信処理部157は、復調部158、復号化部159及び報知チャネル処理部160を備え、報知チャネルの受信処理を行う。復調部158は、分離部153から
出力された報知チャネルの伝送路応答歪補正を行い、変調方式に対応した硬判定又は軟判定による信号点判定を行い、復号化部159は、復調部158による報知チャネルの信号点判定結果について誤り訂正処理を行う。誤り訂正処理された報知チャネルは報知チャネル処理部160に出力される。報知チャネル処理部160は、復号化部159から出力された報知チャネルに含まれる割当系列情報をプリアンブル系列テーブル記憶部161に、その他の報知チャネルは図示せぬ上位層に出力する。
プリアンブル系列記憶部161は、図2に示したBS100のプリアンブル系列テーブル記憶部113が有するプリアンブル系列テーブル、すなわち、図1に示した系列割当部52が割り当て可能なプリアンブル系列、この系列の番号及びこれらの系列の番号を示すインデックスを対応付けたプリアンブル系列テーブルを記憶する。そして、報知チャネル処理部160から出力された割当系列情報に対応するプリアンブル系列をRAバースト生成部162に出力する。
RAバースト生成部162は、図示せぬ上位層からRAバースト送信指示を取得すると、プリアンブル系列テーブル記憶部161から利用可能なプリアンブル系列の1つを選択し、選択したプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、生成したRAバーストを多重部166に出力する。
ULデータ送信処理部163は、符号化部164及び変調部165を備え、UL送信データの送信処理を行う。符号化部164は、UL送信データを符号化し、変調部165は、符号化されたUL送信データをBPSK、QPSKなどの変調方式によって変調し、変調したUL送信データを多重部166に出力する。
多重部166は、RAバースト生成部162から出力されたRAバーストと、変調部165から出力されたUL送信データとを多重し、多重信号を送信RF部167に出力する。
送信RF部167は、多重部166から出力された多重信号にD/A変換、フィルタリング、アップコンバート等の所定の無線送信処理を施し、無線送信処理を施した信号をアンテナ151から送信する。
次に、図2に示したプリアンブル系列検出部114について説明する。図4は、図2に示したプリアンブル系列検出部114の内部構成を示す図である。ここでは、系列長N=11であり、プリアンブル系列として、系列番号r=aと系列番号r=N-aのZC系列を組として割り当てられている場合を例示する。ここで、aは系列番号rが取りうる任意の系列番号を表す。
図4において、遅延器Dからの入力信号をr(k)=ak+jbk、系列番号r=aのZC系列の各係数をcr=a *(k)=ck+jdkとすると、複素乗算部xは、系列番号r=a側の相関に対する演算結果をakck−bkdk+j(bkck+akdk)とする。一方、系列番号r=N−aのZC系列の各係数はcr=N−a *(k)=(ar=a *(k))*=ck−jdkであり、系列番号r=N−a側の相関に対する演算結果は、akck+bkdk+j(bkck−akdk)となる。
したがって、系列番号r=a側の相関値を得るために行った乗算演算結果は、akck、bkdk、bkck、akdkは、系列番号r=N−a側の相関値の算出に利用できるため、系列番号r=aと系列番号r=N−aを組として割り当てない場合の受信処理に比べて乗算演算量を低減することができ、回路規模(乗算器数)を削減することができる。
なお、図4からも分かるように、1つのZC系列は、偶対象の系列(系列の各要素がcr(k)=cr(N−1−k))の関係にあるため、相関器では、乗算演算の前にkとN−1−kの要素を加算した乗算処理を行うことにより、乗算回数(乗算器数)をさらに半分に削減することができる。
次に、割当系列情報の具体的な通知方法について説明する。
図5は、本発明の実施の形態1に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図5では、インデックス1に系列番号r=1が、インデックス2に系列番号r=N−1が対応付けられ、インデックス3に系列番号r=2が、インデックス4に系列番号r=N−2が対応付けられている。インデックス4以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
図1に示した系列割当部52では、セルに系列番号を割り当てる際に、図5に示すテーブルに従って、各セルに必要な系列数K個のZC系列をインデックスが連続するように割り当てる。割り当てられた系列の系列番号rを示す情報は通知部53に通知される。
通知部53では、系列割当部52によって割り当てられたZC系列を割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知された割当系列情報を含む報知チャネル(BCH: Broadcast channel)を生成する。
図6は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル300の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図5に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、連続して割り当てられるZC系列の始めの系列番号に対応付けられたインデックスを示すスタート・インデックス番号3021と割り当てられたZC系列数を示す割当系列数3022とを合わせた割当系列情報302が生成される。割当系列情報302は報知チャネル300に含められ、各UEへ通知される。
ここで、スタート・インデックス番号3021のビット数Xは、ZC系列番号を通知するのに必要なビット数であり、系列数がN−1の場合は、X=ceiling (log2(N−1))である。また、割当系列数3022のビット数Yは、1セルに割り当て可能な最大割当数Mを通知するのに必要なビット数であり、Y=ceiling (log2(M)) である。ここで、ceiling(x)はxが整数の場合はxを表し、xが非整数の場合はxより大きい整数のうち最小の整数を表す。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当系列数は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図5に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当系列数を用いて、利用可能な系列番号を特定する。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
なお、図6では、割り当てられた系列の先頭のインデックス番号を通知する例を示したが、末尾、あるいは、無線リソース管理部51、BS100、UE150の間で予め定められた特定の位置のインデックス番号であってもよい。
次に、図1に示した系列割当部52の動作について図7を用いて説明する。図7において、ステップ(以下、「ST」と省略する)401では、カウンタaを初期化(a=1)する。また、1セルへの割当数をKとする。
ST402では、インデックス番号aからインデックス番号a+K−1までの連続する
K個の系列が1つでも割り当て済みであるか否かを判定する。割り当て済みではない場合(NO)、つまり、K個全ての系列が割り当て可能である場合は、系列割り当てを行うためにST404に移行し、連続するK個の系列のうち1つでも割り当て済み系列がある場合(YES)は、ST403において、カウンタaをインクリメント(a=a+1に更新)し、ST402へ戻る。
ST404では、インデックス番号aからa+K−1までの系列を割り当て、系列割り当て処理を終了する。なお、ST401、ST402、ST404では、割り当てる系列を系列番号の若い順に検索する手順を示しているが、検索する順序(カウンタaの順序)は、これに限定しない。
図8に、ZC系列長N=839、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とした場合のプリアンブル系列テーブル及び報知チャネルの割当系列情報の構成を示す。
系列長Nが839の素数であるため、割り当て可能な系列数は838であり、インデックス数も838である。したがって、インデックス番号の通知に必要なビット数は10bitsとなる。また、割当系列数の通知に必要なビット数は、割当数が1から64(最大)であるため、6bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に16bitsとなる。
一方、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)が必要となるため、実施の形態1の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから16bitsに低減でき、シグナリング量を最大97.5%削減することができる。
このように実施の形態1によれば、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。また、割当系列数にかかわらず一定サイズとなるため、割当系列情報のビット数を割当系列数にかかわらず一定に保つことができるため、報知チャネルのサイズを一定にでき、送受信処理構成を簡易にできる。
なお、通知部53から各BS100−1〜100−Mへの割当系列情報の通知方法も、BS100からUE150への通知方法と同様に通知することにより、シグナリング量を低減することができる。
なお、本実施の形態では、系列長Nが素数(奇数)の場合について説明したが、系列長Nが非素数(奇数、偶数問わず)であってもよい。系列長Nが素数でない場合は、システム全体で利用可能な最適な自己相関特性をもつ系列番号rは、系列長Nに対して互いに素であることを満たす必要がある。
なお、図9に示すように、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されるテーブルは、(a,N−a)の組をランダムに並べてもよい。また、ZC系列の組の順序(a,N−aの順序)は、a,N−aの順であっても、N−a,aの順のいずれであってもよい。
また、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されるテーブルは、ZC系列番号の順序(系列番号aの順序)は任意でもよく、a=1,2,3,4,…でも、a=11,(N−1)/2,1,…のようにランダムな割り当てであってもよい。このようなプリアンブル系列テーブルを用いる場合であっても、BS100とUE150が同一のテーブルを共有していれば、テーブルに示された系列番号に対応付けられたインデックス番号と割当系
列数とを通知することにより、同様にシグナリング量を削減することができる。
また、本実施の形態では、ランダムアクセスで利用するプリアンブル系列を例に説明したが、本発明はこれに限らず、既知信号として、1つのBSで複数のZC系列又はGCL系列を用いる場合にも適用することができる。このような既知信号としては、例えば、チャネル推定用参照信号、下り同期用パイロット信号(Synchronization channel)などが挙げられる。
また、本実施の形態では、図1に示すように、複数のBSに対して1つの系列割当部52が存在する集中管理型のシステム構成について説明したが、図10に示すように、BS毎に系列割当部を備え、複数のBS間で互いに異なる系列番号rのZC系列を割り当てるように情報交換する分散管理型のシステム構成であってもよい。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
図11は、本発明の実施の形態2に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図11では、インデックス1に系列番号r=1,N−1が対応付けられ、インデックス2に系列番号r=2、N−2が対応付けられている。インデックス3以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
系列割当部52では、セルに系列番号を割り当てる際に、図11に示すテーブルに従って、各セルに必要な系列数K個のZC系列をインデックスが連続するように割り当てる。割り当てられた系列のインデックスは通知部53に通知される。
通知部53では、系列割当部52によって割り当てられた系列のインデックスを割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知されたインデックスに基づいて、割当系列情報を生成する。割当系列情報は、報知チャネルに含められる。
図12は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル310の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図11に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、スタート・インデックス番号3121と割り当てられたZC系列のインデックス数3122とを合わせた割当系列情報312が生成される。割当系列情報312は、報知チャネル310に含められ、各UEへ通知される。
本実施の形態では、1つのインデックスに2つの系列番号が対応付けられているため、インデックス数の通知に必要なビット数はX−1bitとなる。また、割り当てを行うインデックス数は、最大系列数がMの場合はM/2となるため、割当インデックス数の通知に必要なビット数はY−1bitとなる。
ここで、スタート・インデックス番号3121のビット数X−1及び割当インデックス数3122のビット数Y−1は、実施の形態1と同様に定義する。すなわち、XはZC系列番号を表すのに必要なビット数であり、系列数がN−1の場合は、X−1=ceiling (log2(N−1))−1である。また、ビット数Yは、1セルに割り当て可能な最大割当数Mを通知するのに必要なビット数であり、Y−1=ceiling (log2(M))−1である。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当インデックス数は、BS100
から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図11に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当インデックス数を用いて、利用可能な系列番号を特定する。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
なお、図12では、割り当てられた系列の先頭のインデックス番号を通知する例を示したが、末尾、あるいは、無線リソース管理部51、BS100、UE150の間で予め定められた特定の位置のインデックス番号であってもよい。
以下、ZC系列長N=839、系列数が838、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とした場合、上述した割当系列情報の通知方法による効果について説明する。
系列長Nが839の素数であるため、割り当て可能な系列数は838であり、インデックス数も838である。系列番号a、N−aの組に対してインデックス番号を付与するため、インデックス番号の通知に必要なビット数は9bitsとなる。また、割当インデックス数の通知に必要なビット数は、インデックス数が1から32(最大)であるため、5bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に14bitsとなる。
一方、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)が必要となるため、実施の形態2の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから14bitsに低減でき、シグナリング量を最大97.8%削減することができる。
このように実施の形態2によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、さらに報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
なお、本実施の形態では、2つの系列番号(a,N−a)の組に1つのインデックスを対応付ける場合について説明したが、4つの系列番号(a1,N−a1,a2,N−a2)の組、8つの系列番号(a1,N−a1,a2,N−a2,a3,N−a3,a4,N−a4)の組など、2以上の組に対して1つのインデックスを対応付けてもよい。
なお、実施の形態1と同様、プリアンブル系列テーブル記憶部113に記憶されるテーブルは、(a,N−a)の組をランダムに並べてもよい。また、ZC系列の組の順序(a,N−aの順序)は、a,N−aの順であっても、N−a,aの順のいずれであってもよい。また、(a,N−a)をペアとせずに(1、3)、(2、N−4)、(a、N−b)などのようにZC系列のランダムな組に1つのインデックスを対応付けてもよい。
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
また、本発明の実施の形態3に係るプリアンブル系列テーブルは、実施の形態1の図5に示したプリアンブル系列テーブルと同一のテーブルを適用するが、セルに割り当てる系列数を制限する点が実施の形態1とは異なる。
図13は、本発明の実施の形態3に係る割当系列数と通知ビットの対応関係を示す図である。図13では、最大割当系列数を64とし、セルに割り当て可能な系列数を2のべき乗に制限した場合について示している。割当系列数を制限できる理由については後述する。
系列割当部52では、セルにZC系列番号を割り当てる際に、図6に示すテーブルに従って、各セルに必要な系列数K個のZC系列をインデックスが連続するように割り当てる(図8と同じ)。ここで、系列数Kの取りうる値は、図13に示す値に制限される。割り当てられた系列のインデックスは通知部53に通知される。
図14は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル320の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図6及び図13に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、スタート・インデックス番号3021と割り当てたZC系列の割当系列数3222とを合わせた割当系列情報322が生成される。割当系列情報322は報知チャネル320に含められ、各UEへ通知される。
ここで、割当系列数3222のビット数Zは、通知ビットに必要なビット数であり、取りうる割当系列数がP種類である場合、Z=ceiling (log2(P))である。また図13に示す割当系列数(7種類)の場合、ビット数Zは3bitsとなる。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当系列数は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図5及び図13に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当系列数を用いて、利用可能な系列番号を特定する。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
なお、図14では、割り当てられた系列の先頭のインデックス番号を通知する例を示したが、末尾、あるいは、無線リソース管理部51、BS100、UE150の間で予め定められた特定の位置のインデックス番号であってもよい。
次に、割当系列数を制限可能な理由について図15を用いて説明する。
図15は、RAプリアンブル長を800usである場合において、セルサイズ(セル半径)に対する1つのZC系列から生成可能な巡回シフト系列数及び所要割当系列数の関係を示す図である。ここで、所要割当系列数は、異なる系列番号のZC系列数である。
一例として、非特許文献1に記載された移動体通信システムでは、1つのセルに対してランダムアクセス用のプリアンブル系列を常に64系列利用する。この際、64系列は、1つのZC系列から生成される1あるいは複数の巡回シフト系列及び異なる系列番号のZC系列より構成される。1つのZC系列から8つの巡回シフト系列が生成可能である場合、8つの異なる系列番号のZC系列をそのセルに割り当て、各ZC系列から8つずつ巡回シフト系列を生成することにより、合計64系列となる。
系列長が奇数の場合のZC系列(式(2))に対して、q=0とし、巡回シフト量Δを含めた式を(5)に示す。
ここで、lは巡回シフト系列番号を表し、l=0,1,…,L−1であり、Lは巡回シフト系列数を表す。
1つのZC系列から生成可能な巡回シフト系列数は、巡回シフト量Δにより決定される。Δが小さい場合は、1系列から生成可能な巡回シフト系列数が増加し、Δが大きい場合は、1系列から生成可能な巡回シフト系列数が少なくなる。巡回シフト系列数LはL=floor(N/Δ)により得られる。
さらに、巡回シフト量Δは、BS100とUE150間の往復分の伝搬遅延(Round trip delay)よりも大きく設定する必要があるため、セルがサポートするサービス半径に比例する。したがって、図15に示すように、セルサイズ(セル半径)に比例して、1系列から生成可能な巡回シフト系列数が減少し、一方で、所要割当系列数が増加する。
実施の形態1では、割当系列数は1から最大割当数Mの任意の数をセルに割り当て可能な構成であるが、大きい割当系列数(例えば、17〜31、33〜63など)は、セル半径が非常に大きなセルであり、実際にはほとんど利用されない。一方、多くのセルは、そのセル半径が数百メートルから10km程度であり、所要割当系列数が少ない。
したがって、図15に示すようにセル半径が大きいほど、取りうる系列数の間隔を広げる(指数的に増加させる)ことで、系列割り当ての自由度をある程度維持したまま、シグナリング量を低減することが可能となる。
以下、ZC系列長N=839、系列数が838、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とし、割当系列数を図13に示すように制限した場合、上述した割当系列情報の通知方法による効果について説明する。
系列長Nが839の素数であるため、割り当て可能な系列数は838であり、インデックス数も838である。インデックス番号の通知に必要なビット数は実施の形態1と同様10bitsとなる。また、割当系列数の通知に必要なビット数は、3bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に13bitsとなる。
ここで、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)の通知が必要となるため、実施の形態3の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから13bitsに低減でき、シグナリング量を最大98.0%削減することができる。
このように実施の形態3によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、さらに報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援
用して説明する。
図16は、本発明の実施の形態4に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図16では、割当系列数毎にインデックスと系列番号との対応関係を設定する。例えば、割当系列数をK=1,2,4,8,16,32,64とする場合、7種類のプリアンブル系列テーブルを用意する。
図16Aは、割当系列数1用のプリアンブル系列テーブルを示す。図16Aでは、1つのインデックスに対して1つの系列番号が割り当てられている。具体的には、インデックス1に系列番号r=1が、インデックス2に系列番号r=N−1が対応付けられ、インデックス3に系列番号r=2、インデックス4に系列番号r=N−2が対応付けられている。インデックス5以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
図16Bは、割当系列数2用のプリアンブル系列テーブルを示す。図16Bでは、1つのインデックスに対して2つの系列番号が割り当てられている。具体的には、インデックス1に系列番号r=1、r=N−1が対応付けられ、インデックス2に系列番号r=2、r=N−2が対応付けられている。インデックス3以降も同様に系列番号rが対応付けられている。
図16Cは、割当系列数4用のプリアンブル系列テーブルを示す。図16Cでは、1つのインデックスに対して4つの系列番号が割り当てられている。具体的には、インデックス1に系列番号r=1、r=2、r=N−1、r=N−2が対応付けられ、インデックス2に系列番号r=3、r=4、r=N−3、r=N−4が対応付けられている。インデックス3以降も同様に系列番号rが対応付けられている。割当系列数8以降も同様に、インデックスと割当系列数分の系列番号が対応づけられる。
系列割当部52では、セルにZC系列番号を割り当てる際に、割当系列数K及び割当数に対応するプリアンブル系列テーブル(図16)に従って、系列を割り当て、割り当てた系列のインデックスを通知部53に通知する。
通知部53では、系列割当部52から通知されたインデックスを割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知されたインデックスを含む報知チャネルを生成する。
図17は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル330の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図16に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、割当数Kに対応するインデックス種別3321と割り当てられたインデックス番号3322とを合わせた割当系列情報332が生成される。割当系列情報332は報知チャネル330に含められ、各UEへ通知される。
ここで、インデックス種別3321のビット数Zは、図18に示すように、割当数Kが1,2,4,8,…と増加するごとに、1bit、2bits、3bits、4bits、…と増加する。また、図18に示すように、割当系列情報の先頭ビットが1の場合、割当数1用のプリアンブル系列テーブルを示し、先頭の1ビット以降の割当系列情報のビットはインデックス番号であることを示す。また、割当系列情報の先頭ビットが01の場合、割当数2用のプリアンブル系列テーブルを示し、先頭の2ビット以降の割当系列情報のビットはインデックス番号であることを示す。以降、同様に割当系列情報の最初にビット“1”が現れた位置がインデックス種別を表し、以降の割当系列情報のビットはインデックス番号であることを示す。
なお、図18において、最初にビット“1”が現れた位置がインデックス種別を表す例を示したが、ビット“0”と“1”は逆になっていてもよく、最初にビット“0”が現れた位置がインデックス種別を表すようにしてもよい。
一方、インデックス番号のビット数は、割当数Kが1,2,4,…と増加するにつれて、1ビットずつ減少する。例えば、各プリアンブル系列テーブルに対して、図16に示すようにZC系列数を重複して割り当てる場合、系列数をNとすると、K=1,2,4,8,16,32,64に対応する各テーブルのインデックス数N1,N2,N4,…,N64は、それぞれ、N1=N,N2=floor(N/2),N4=floor(N/4),…,N64=floor(N/64)となるため、インデックス番号の通知に必要なビット数は、K=1の場合をXbitとすると、K=2,4,8,16,32,64ではそれぞれ、X−1bit,X−2bit,X−3bit,X−4bit,X−5bit,X−6bitとなる。
しがたって、インデックス種別3321とインデックス番号3322を合わせた割当系列情報332のビット数は、割当数Kにかかわらず一定(X+1bit)にできる。このように決定されたインデックス種別と、インデックス種別に対応付けられたプリアンブル系列テーブルにおける一つのインデックス番号は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図16及び図18に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知されたインデックス種別と、インデックス種別に対応付けられたプリアンブル系列テーブルにおける一つのインデックス番号を用いて、利用可能な系列番号を特定することができる。UE150は、特定した利用可能な系列番号の中から一つの系列番号を選択してプリアンブル系列を含めてRAバーストを生成し、RAスロットで送信する。
以下、ZC系列長N=839、系列数が838、1つのセルに割り当て可能な最大系列数を64とし、割当系列数を図16に示すように制限した場合、上述した割当系列情報の通知方法による効果について説明する。
割当系列数Kを1,2,4,8,16,32,64に制限するため、割当系列数毎のテーブル数は7つである。系列長が839の素数であるため、系列数は838であり、割当系列数K=1,2,4,8,16,32,64に対応する各テーブルのインデックス番号に要するビット数は、それぞれ10bits、9bits、8bits、7bits、6bits、5bitsである。一方、インデックス種別(テーブル種別)の通知に要するビット数は、割当系列数K=1,2,4,8,16,32,64の各テーブルに対して、1bit、2bits、3bits、4bits、5bits、6bitsとなる。したがって、割り当てた系列番号及び系列数の通知に必要なビット数は常に11bitsとなる。
ここで、任意の系列番号を1つのセルに割り当てる場合は、割り当てた系列毎にインデックス通知のために10bitsを要し、最大割当系列数が64であるとすると、最大640bits(=10bits×64系列)の通知が必要となるため、実施の形態4の通知方法を適用した場合、シグナリングビット数を最大640bitsから11bitsに低減でき、シグナリング量を最大98.3%削減することができる。
このように実施の形態4によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、さらに報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
なお、図16では、各プリアンブル系列テーブルは、ZC系列番号a,N−aの順序は
aが昇順に配置される構成を例に示したが、降順であっても、ランダムであってもよい。また、各プリアンブル系列テーブルの系列番号順序もそれぞれ、異なる系列順序であってもよい。
(実施の形態5)
本発明の実施の形態5に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
図19は、本発明の実施の形態5に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図19では、あらかじめ設定される割当系列のそれぞれの組み合わせに対して、1つずつインデックス番号を割り当てている。例えば、ZC系列数をN−1とした場合、インデックス番号1からN−1には、それぞれ1からN−1のいずれかの系列番号を割り当てる。インデックス番号Nからiまでは、2つの系列番号の組を割り当てる。インデックス番号i+1からjまでは、4つの系列番号の組を割り当てる。インデックス番号j+1以降も同様に、あらかじめ設定された割当系列の組み合わせを割り当てる。2つの系列を組として1つのインデックス番号に対応付ける部分に必要なインデックス番号の数N2は、N2=i−N=floor(N/2)となる。同様に、X個の系列を組として1つのインデックス番号に対応付ける部分に必要なインデックス番号の数NxはNx=floor(N/X)となる。
系列割当部52では、図19に示すプリアンブル系列テーブルに従って、割当数に対応した系列組を割り当てる。通知部53では、系列割当部52によって割り当てられたZC系列を割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知された割当系列情報を含む報知チャネルを生成する。
図20は、報知チャネル生成部102において生成される報知チャネル340の構成を示す図である。報知チャネル生成部102では、図19に示したテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、通知部53より通知された割当系列番号の組みに対応するインデックス番号3421を含む報知チャネル340を生成し、各UEへ通知する。
このように、実施の形態5では、割当系列番号とインデックスとの対応関係を示すプリアンブル系列テーブルであって、インデックスは、1つの系列番号に対応付けられたインデックス番号と、系列番号r=aと系列番号r=N−aを組として複数の系列番号に対応付けられたインデックス番号とから構成される。BS100は、図19に示すプリアンブル系列テーブルを記憶する。
ここで、系列長がNの場合は、単一の系列番号に対応付けられたインデックスの数N1はN−1であり、2つの系列番号に対応付けられたインデックスの数N2はN2=floor(N/2)である。同様に、X個の系列番号に対応付けられたインデックスの数NxはNx=floor(N/X)となる。このように、図19に示すプリアンブル系列テーブルでは1つのインデックス番号に対応付けられる割当系列数が多い部分ほど、インデックス番号の数が少なくなる。
BS100は、記憶した図19のテーブルを参照し、割り当てる系列及び系列数から、対応するインデックス番号を決定する。決定された1つのインデックス番号は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図19に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当数情報を用いて、利用可能な系列番号を特定することがで
きる。
実施の形態5の通知方法では、あらかじめシステムで利用する系列番号の組み合わせのみを設定するため、例えば、セルサイズが大きい、すなわち、割当系列数が多いセル数は、セルサイズの小さい、すなわち、割当系列数の少ないセル数ほど多くないため、系列番号の組数を減らすことも可能である。
一方で、例えば、割当系列数の少ない系列番号の組数は多く得られるため(割当系列数1はN組得られる)、系列番号の組数が多く得られる割当系列数に対して、系列番号の組数を減らすことも可能である。
したがって、実際に必要な系列番号の組み合わせ数のみを通知するため、インデックス番号の通知に用いるビット数を無駄なく利用でき、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング量を低減することができる。
このように実施の形態5によれば、ZC系列相関処理の演算量を低減しつつ、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減することができる。
(実施の形態6)
実施の形態1では、プリアンブル系列テーブルに従って、スタート・インデックス番号と割当系列数を通知する通知方法を示したが、テーブルの系列の並び方に関しては言及していなかった。
ここで、高速に移動するUEが存在し、異なる巡回シフト量の巡回シフト系列を同一セル内で使用する場合、受信信号に対して、高速移動時のドップラー広がり(Doppler spread)や周波数オフセット(Frequency offset)が加わるため、同一ZC系列から生成される別の巡回シフト系列の検出範囲、すなわち、誤ったタイミング位置に高い相関値が生じる。一方、期待される検出範囲の相関値が小さくなる。
異なる巡回シフト系列の検出範囲に高い相関値が生じると、異なる巡回シフト系列に対する誤検出確率が増加する。また、期待する検出範囲の相関値が小さくなると、送信されたプリアンブルの検出確率が低くなる。
図21は、高速移動時のUEから送信されるZC系列の相関値と巡回シフト量Δの関係を示す図である。図21に示すように、高速移動時のUEから送信されたプリアンブルに対する相関値は、静止したUEから送信されるドップラー広がりや周波数オフセットが無い場合に検出される相関値のタイミングに対して、後述するZC系列の系列番号に応じたxのタイミング分、+方向及び−方向に誤ったタイミングに相関値のピークが発生する。一般に相関値のピークの大きさは、UEの移動速度が速くなるにつれて、誤相関値のピークが大きくなる一方、正しいタイミングのピーク値は小さくなる。従って設定した巡回シフト量Δの値がxよりも大きい場合(Δ>x)、基地局におけるピーク検出処理において誤検出が生じるため、巡回シフト量Δはxよりも小さく設定する必要がある(Δ<x)。
従来の通知方法では、誤ったタイミングに生じる相関値の範囲に、別の巡回シフト系列の検出範囲、及び、その別の巡回シフト系列の誤ったタイミングに生じる相関値の範囲が重ならないように、誤検出などが起きない系列番号及び巡回シフト量を個別に選び出し、通知することが可能であるが、本発明の通知方法では個別に通知することができない。
そこで、使用する系列が誤ったタイミングに生じる相関値の位置と正しいタイミングの位置の差が系列番号に依存するという点、また、相関値が生じる範囲がセル半径に依存す
るため、利用可能な系列番号がセル半径により制限されることに着目したプリアンブル系列テーブル設定の例を示す。
実施の形態6に係る無線リソース管理部、BS及びUEの構成は、実施の形態1における図1、図2及び図3に示した構成と同様であるため、図1、図2及び図3を援用して説明する。
図22は、本発明の実施の形態6に係るプリアンブル系列テーブルを示す図である。図22は、系列長Nが37(素数)の場合における系列番号rに対して、1つずつインデックス番号を割り当てている。なお、系列長Nは37に限定されない。
上記実施の形態で記載の式(1)〜(5)のように時間領域で定義されるZC系列を適用する場合、u=1,2,3,…,N−1に対して次の式(6)を満たす系列番号rの順序でインデックスを割り当てたプリアンブル系列テーブルとする。
図22の系列長Nが37の場合では、インデックス1に系列番号r=1が、インデックス2に系列番号r=18が対応付けられている。インデックス3以降も同様に式(6)を満たすrが対応付けられている。なお、系列番号rの順序は、u=N−1,N−2,…,3,2,1に対して式(6)を満たす順序であってもよい。
系列割当部52では、図22に示すプリアンブル系列テーブルに従って、割当数に対応した系列組の割り当てを行う。通知部53では、系列割当部52によって割り当てられたZC系列を割当対象となるBS100に通知する。BS100の報知チャネル生成部102は、通知部53から通知された割当系列情報を含む報知チャネルを生成する。
報知チャネル生成部102では、図22に示すテーブルを記憶するプリアンブル系列テーブル記憶部113を参照し、スタート・インデックス番号3021と割り当てられたZC系列の割当系列数3022を合わせた割当系列情報302を生成する。割当系列情報は、報知チャネル300に含められ、各UEへ通知される。
このように決定された1つのインデックス番号及び割当数は、BS100から報知チャネルによってUE150に報知される。UE150側でも、図22に示すテーブルと同じテーブルをプリアンブル系列テーブル記憶部161に備え、通知された1つのインデックス番号及び割当数情報を用いて、利用可能な系列番号を特定する。
実施の形態6の通知方法では、BS100は式(6)により設定されるプリアンブル系列テーブルに基づいて、連続するインデックス番号の系列を同一セルに割り当てる。このテーブルを用いれば、図23に示すように、誤ったタイミングに生じる相関値の位置と正しいタイミングに生じる相関値の位置との相対差xが+/−1、+/−2,…,+/−18,−/+18,−/+17,…,−/+1の順序で並ぶ。
また、基地局100において、プリアンブルの誤検出が発生しないようにするために、正しいタイミングに生じる相関値及び誤ったタイミングに生じる相関値のそれぞれに対する巡回シフト量Δが、互いに重ならないように設定する必要がある。つまり、巡回シフト量Δ<相対差xを満たす必要がある。したがって、図23に示すように、適用可能な巡回シフト量Δもそれぞれ、1,2,…,18,18,17,…,1となる。
一方、所要巡回シフト量Δは、そのセルがサポートするBS100とUE150間の往復分の伝搬遅延時間(TPropagationDelay)の最大想定値と、伝送路のマルチパス遅延時間の最大想定値(TDelaySpread)との和よりも大きくなるように設定される。つまり、所要巡回シフト量Δ>2×TRoundTripDelay+TDelaySpreadとなるように設定される。したがって、このセルに適用可能な系列番号は、相対差xがx>シフト量Δ>2×TRoundTripDelay+TDelaySpreadを満たす系列に限られる。
図23のプリアンブル系列テーブルでは、適用可能な巡回シフト量Δ(<x)が昇順および降順に並ぶ、つまり、利用可能なセル半径に比例した順序で系列番号が並ぶため、連続でN個の系列を割り当てる場合であっても、セル半径の制約により利用できない系列が含まれないように割り当てることが容易となる。
また、誤ったタイミングに生じる相関値の位置と正しいタイミングの位置との差が昇順(インデックス番号1〜floor(N/2))、降順(インデックス番号floor(N/2)〜N−1)でインデックス番号に割り当てられるため、相関値が生じる範囲が近い関係にある系列番号rを割り当てることが可能であり、1つのZC系列から生成可能な巡回シフト系列数が最大になるような系列割り当てが可能であり、系列の消費量を軽減できる。
このように実施の形態6によれば、報知チャネルで通知する割当系列情報のシグナリング・オーバーヘッドを低減しつつ、高速に移動するUEが存在するセルでも、利用可能な系列割り当てのみを無駄なく通知することができる。
なお、プリアンブル系列テーブルは、uに対して式(7)を満たすrの順序としてもよい。図24は、系列長N=37の場合の式(7)を満たすプリアンブル系列テーブルの例である。つまり、インデックス番号1に対して、u=1に対応する系列番号r=N−1,インデックス番号2に対して、u=N−1に対応する系列番号r=1、インデックス番号3以降も同様に、式(7)を満たすuに対する系列番号rを割り当てる。
この場合、系列番号r=aとr=N−aの組は、対応可能なセル半径及び誤ったタイミングに生じる相関値の位置などが同一であるため、高速に移動するUE150が存在するセルでも、さらに利用可能な系列割り当てのみを無駄なく通知することができる。また、式(7)において、u=bとu=N−bの順序は適用可能な巡回シフト量Δが同じであるためu=b,u=N−bあるいはu=N−b,u=bの順のいずれの順序であってもよい。
また、上記実施の形態1から5に記載の系列番号a及びN−aに対するaの順序に対して式(6)、式(7)を適用する構成としてもよい。
また、上記各実施の形態では、ZC系列を用いて説明したが、本発明はこれに限らず、
GCL系列を用いてもよい。
また、式(1)から(5)に記載のZC系列及びGCL系列のexp内の符号は−jであっても+jであってもよい。
また、上各記実施の形態では、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する構成を示したが、巡回シフト系列を併用するシステムにおいては、セルで利用するRAプリアンブル数がBSとUE間で予め既知の場合、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する代わりに、巡回シフト系列数を通知する構成であってもよい。これは、セルで利用するプリアンブル数÷巡回シフト系列数とすることで、割当系列数、あるいは、インデックス数を取得可能なためである。
さらに、巡回シフト系列を併用するシステムにおいては、セルで利用するRAプリアンブル数がBSとUE間で予め既知の場合、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する代わりに、巡回シフト量Δを通知する構成であってもよい。これは、系列長N及び巡回シフト量Δより得られる巡回シフト系列数より、割当系列数、あるいは、インデックス数を取得可能なためである。
さらに、巡回シフト系列を併用するシステムにおいては、セルで利用するRAプリアンブル数がBSとUE間で予め既知の場合、割当系列数、あるいは、インデックス数を通知する代わりに、セルサイズ(半径)を通知する構成であってもよい。これは、セルサイズ(半径)から所要巡回シフト量Δを得ることにより、割当系列数、あるいは、インデックス数を取得可能なためである。
また、上記各実施の形態では、系列番号とインデックスの対応関係はプリアンブル系列テーブルを用いる構成を示したが、系列番号=f(インデックス番号)のように、系列番号とインデックスの対応関係は式で得られる構成であってもよい。
上記各実施の形態では、本発明をハードウェアで構成する場合を例にとって説明したが、本発明はソフトウェアで実現することも可能である。
また、上記各実施の形態の説明に用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSIとして実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部または全てを含むように1チップ化されてもよい。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路または汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩または派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
2007年3月19日出願の特願2007−071194の日本出願に含まれる明細書、図面及び要約書の開示内容は、すべて本願に援用される。
本発明にかかる系列通知方法及び系列通知装置は、1つのセルに割り当てた異なるZC
系列又はGCL系列を基地局から端末に通知する報知チャネルのシグナリング量(ビット数)を低減することができ、例えば、移動体通信システム等に適用できる。
本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの構成を示すブロック図
図1に示したBSの構成を示すブロック図
本発明の実施の形態1に係るUEの構成を示すブロック図
図2に示したプリアンブル系列検出部の内部構成を示す図
本発明の実施の形態1に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態1に係る報知チャネルの構成を示す図
図1に示した系列割当部の動作を示すフロー図
本発明の実施の形態1に係る割当系列情報の構成を示す図
本発明の実施の形態1に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
分散管理型システム構成を示すブロック図
本発明の実施の形態2に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態2に係る報知チャネルの構成を示す図
本発明の実施の形態3に係る割当系列数と通知ビットの対応関係を示す図
本発明の実施の形態3に係る報知チャネルの構成を示す図
セルサイズ(半径)に対する1系列から生成可能な巡回シフト系列数及び所要割当系列数の対応関係を示す図
本発明の実施の形態4に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態4に係る報知チャネルの構成を示す図
本発明の実施の形態4に係るインデックス種別とプリアンブル系列テーブルの対応関係を示す図
本発明の実施の形態5に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態5に係る報知チャネルの構成を示す図
本発明の実施の形態6に係るZC系列の相関値と巡回シフト量Δの関係を示す図
本発明の実施の形態6に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態6に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図
本発明の実施の形態6に係る系列番号とインデックスの対応関係を示す図