JPWO2008120644A1 - アルコール連続生産方法 - Google Patents

アルコール連続生産方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008120644A1
JPWO2008120644A1 JP2009507483A JP2009507483A JPWO2008120644A1 JP WO2008120644 A1 JPWO2008120644 A1 JP WO2008120644A1 JP 2009507483 A JP2009507483 A JP 2009507483A JP 2009507483 A JP2009507483 A JP 2009507483A JP WO2008120644 A1 JPWO2008120644 A1 JP WO2008120644A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alcohol
fermenter
yeast
interface
production method
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2009507483A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5130288B2 (ja
Inventor
正幸 遠山
正幸 遠山
片桐 学
学 片桐
一栄 高岡
一栄 高岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Holdings Co Ltd
Original Assignee
Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Mitsui E&S Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd, Mitsui E&S Holdings Co Ltd filed Critical Mitsui Engineering and Shipbuilding Co Ltd
Priority to JP2009507483A priority Critical patent/JP5130288B2/ja
Publication of JPWO2008120644A1 publication Critical patent/JPWO2008120644A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5130288B2 publication Critical patent/JP5130288B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P7/00Preparation of oxygen-containing organic compounds
    • C12P7/02Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group
    • C12P7/04Preparation of oxygen-containing organic compounds containing a hydroxy group acyclic
    • C12P7/06Ethanol, i.e. non-beverage
    • C12P7/14Multiple stages of fermentation; Multiple types of microorganisms or re-use of microorganisms
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N1/00Microorganisms, e.g. protozoa; Compositions thereof; Processes of propagating, maintaining or preserving microorganisms or compositions thereof; Processes of preparing or isolating a composition containing a microorganism; Culture media therefor
    • C12N1/14Fungi; Culture media therefor
    • C12N1/16Yeasts; Culture media therefor
    • C12N1/18Baker's yeast; Brewer's yeast
    • C12N1/185Saccharomyces isolates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12RINDEXING SCHEME ASSOCIATED WITH SUBCLASSES C12C - C12Q, RELATING TO MICROORGANISMS
    • C12R2001/00Microorganisms ; Processes using microorganisms
    • C12R2001/645Fungi ; Processes using fungi
    • C12R2001/85Saccharomyces
    • C12R2001/865Saccharomyces cerevisiae
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/10Biofuels, e.g. bio-diesel

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Mycology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Botany (AREA)
  • Tropical Medicine & Parasitology (AREA)
  • Virology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

【課題】菌体リサイクルを行うアルコール連続生産において、リサイクル率と、希釈率の最適な範囲を特定して、高いエタノール生産性を有する、アルコール連続生産方法を提供すること。【解決手段】発酵槽内に凝集沈殿性を有する酵母を存在させ、発酵槽にアルコール原料を供給してアルコール発酵を行い、得られたアルコール培養液を前記発酵槽から引き抜いて、かつ前記引き抜いた液中の酵母菌体は回収し前記発酵槽内に返送する菌体リサイクルをしながらアルコール発酵を行う際に、前記発酵槽下方に強制的な液流を発生させてアルコールを生産するアルコール連続生産方法であって、菌体のリサイクル比(r)を0<r<0.4とし、希釈率D(h-1)が0.2≦D≦0.3とする条件で行われているときに、アルコール生産性(g/L・h)が15g/Lh以上となることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

本発明は、アルコールの連続生産方法に関し、詳しくは凝集沈殿性を有する酵母を用いた、酵母菌体をリサイクルするアルコールの連続生産方法に関する。
アルコールの生産方法に関しては、アルコールを微生物により生産する場合、アルコール原料が十分に存在している状態では、ある程度までは菌体の量とアルコール生産量は比例するので、発酵生産性を上げるためには発酵槽内の菌体濃度を高濃度に維持し運転することが必要とされている。
発酵槽内では、アルコール原料と酵母の接触回数が多いほど反応効率が上がるので、攪拌等で完全混合することが好ましい。しかし、完全混合すれば、アルコール培養液を発酵槽から引き抜く際に、多量の酵母が一緒に抜き出されて、発酵槽内の菌体濃度が減少してしまう。
アルコール培養液の引き抜き量に対して、酵母の増殖量が少なければ、流出した菌体分を補うことができないので、発酵槽内に存在する酵母の菌体量が減少し、アルコール原料と酵母の接触回数は酵母の減少により大幅に低下して、アルコール生成反応の効率が低下する問題がある。
一方、発酵槽内を攪拌しなければ、凝集沈降性を有する酵母は沈降し、発酵槽底部に沈積してしまう。菌体は沈降が進むと、所定時間経過後は沈降領域から圧密領域に入るので、底部に菌体の層ゾーン(圧密ゾーン)が形成される。発酵槽の底部からアルコール原料を供給すると、この層ゾーンをアルコール原料が通過して、アルコール原料と酵母の接触が生じることになるが、かかる層ゾーンでの接触では圧密されていること、及びアルコール原料に対して酵母菌体量が過剰であることからアルコール原料と酵母の反応効率は極端に悪くなる問題がある。
そこで、アルコール発酵が終了した発酵液から、微生物の菌体を回収し、再利用するという方法が知られている。
特許文献1には菌体リサイクルを行うアルコール連続生産方法が開示されており、菌体増殖と低濃度アルコール発酵を行う発酵槽とその菌体分離を行う沈降槽、および高濃度アルコール発酵を行う発酵槽とその菌体分離を行う沈降槽を直列に配置し、各沈降槽からは、適正な菌体濃度となるように二つの発酵槽に菌体を返送して、菌体濃度を維持・調節しながらアルコール連続生産を行っている。
特許文献2には、サッカロマイセス属セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AM12菌株(以下、必要によりAM12菌株と称する)からなる酵母を用いたアルコールの生産方法が開示されており、AM12菌株は優れたアルコール生産能とアルコール耐性、凝集沈降性を有するという記載がある。
特開平6−284891号公報 特開昭59−135896号公報
しかし、特許文献1の方法は、2つの発酵槽と2つの沈降槽を設ける必要があるので、設備コストが高くなってしまう。また、沈降槽では、リサイクルするための菌体液や、菌体濃度が希薄な液体を取り出す位置を状況に応じて調節しなければならず、管理の手間が必要であった。
更に、菌体リサイクルを行なう場合、発酵槽から菌体が流出しても、沈降分離をおこなって菌体を発酵槽に戻すので、発酵槽から流出する菌体量について考えてはいない。しかし、返送する菌体量が多いと、返送する菌体液の粘度が高くなり返送が困難になってしまうので、リサイクルできる量も限界があることがわかった。
このため本発明者らは、菌体リサイクルを行なうアルコール連続生産においても、発酵槽から流出する菌体量を抑制しながら菌体リサイクルを行うアルコール連続生産を行ったところ、良好な結果が得られた。
そこで本発明の課題は、菌体リサイクルを行うアルコール連続生産において、リサイクル率と、希釈率の最適な範囲を特定して、高いエタノール生産性を有する、アルコール連続生産方法を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、菌体流出を防止し、アルコール原料と酵母の接触効率を向上させて、凝集沈殿性を有する酵母のアルコール生産能力を十分に生かすことが出来るアルコール連続生産方法を提供することにある。
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかになる。
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
請求項1記載の発明は、発酵槽内に凝集沈殿性を有する酵母を存在させ、発酵槽にアルコール原料を供給してアルコール発酵を行い、得られたアルコール培養液を前記発酵槽から引き抜いて、かつ前記引き抜いた液中の酵母菌体は回収し前記発酵槽内に返送する菌体リサイクルをしながらアルコール発酵を行う際に、前記発酵槽下方に強制的な液流を発生させてアルコールを生産するアルコール連続生産方法であって、菌体のリサイクル比(r)を0<r<0.4とし、希釈率D(h-1)が0.2≦D≦0.3とする条件で行われているときに、アルコール生産性(g/L・h)が15g/Lh以上となることを特徴とするアルコール連続生産方法である。
請求項2記載の発明は、前記発酵槽内に凝集沈殿性を有する酵母の菌体の界面が形成されている状態でアルコール発酵することを特徴とする請求項1記載のアルコール連続生産方法である。
請求項3記載の発明は、前記界面が、発酵槽内のアルコール発酵液に形成される、酵母菌体の濃度が高い層と低い層の、層の境目として観察できることを特徴とする請求項2記載のアルコール連続生産方法である。
請求項4記載の発明は、前記界面の有無を、前記発酵槽の側面に形成される覗き窓から目視して判断することを特徴とする請求項2又は3記載のアルコール連続生産方法である。
請求項5記載の発明は、前記界面の有無を、前記発酵槽の液面の上方に設けた発酵素子と受光素子を用いて測定することを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のアルコール連続生産方法である。
請求項6記載の発明は、前記界面の有無を、前記発酵槽内のアルコール発酵液の液面から下方に向かって高さ方向に複数設けた濁度計によって検出することを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載のアルコール連続生産方法である。
請求項7記載の発明は、前記凝集沈殿性を有する酵母が、サッカロマイセス属セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AM12菌株であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のアルコール連続生産方法である。
請求項8記載の発明は、前記発酵槽内の平均酵母菌体濃度が、28〜178g(乾燥重量)/Lであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のアルコール連続生産方法である。
請求項9記載の発明は、前記発酵槽下方に液流を強制的に発生させる手段が、主として攪拌機の回転によることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のアルコール連続生産方法である。
本発明によると、菌体リサイクルを行うアルコール連続生産において、リサイクル率と、希釈率の最適な範囲を特定して、高いエタノール生産性を有する、アルコール連続生産方法を提供することができる。
また、本発明によると、菌体流出を防止し、アルコール原料と酵母の接触効率を向上させて、凝集沈殿性を有する酵母のアルコール生産能力を十分に生かすことが出来るアルコール連続生産方法を提供することができる。
連続エタノール発酵槽の概略図 界面が形成される好ましい位置を高さで示している場合の模式図 酵母菌体の濃度が高い層(B)が、アルコール発酵液の体積Vに占める割合で好ましい界面の位置を示した模式図 界面観察窓を設けた発酵槽の概略図
符号の説明
1:糖液供給タンク
11:供給ポンプ
12:供給ライン
2:発酵槽
21:攪拌装置
22:取液ポンプ
23:取液ライン
24:ライン
3:沈降分離槽
31:アルコールポンプ
32:アルコールライン
33:リサイクルポンプ
34:リサイクルライン
35:排出ライン
100:発酵槽
101:発酵槽
102:観察窓
110:原料供給口
111:排出口
112:攪拌機
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のアルコール連続生産方法は、発酵槽内に凝集沈殿性を有する酵母を存在させ、発酵槽にアルコール原料を供給してアルコール発酵を行い、得られたアルコール培養液を前記発酵槽から引き抜いて、かつ前記引き抜いた液中の酵母菌体は回収し前記発酵槽内に返送する菌体リサイクルをしながらアルコール発酵を行う際に、前記発酵槽下方に強制的な液流を発生させてアルコールを生産する方法である。
ここで、発酵槽下方の強制的な液流を発生させるのは、発酵原料と酵母の接触回数を増加させて発酵反応効率を上昇させるためである。しかし、発酵槽内に、攪拌等に由来する液流を発生させると、菌体が舞い上がり、そのまま発酵槽から外部に発酵液と共に排出されるおそれがあるが、本発明に用いる凝集沈殿性を有する酵母は、その菌体特有の性質として凝集沈降する働きが顕著であるので、発酵槽内の液面付近では菌体濃度が低くなり、発酵槽からの菌体流出は抑制される。
本発明者らは、アルコール連続生産方法において、凝集沈殿性を有する酵母を用いて、発酵槽下方の強制的な液流を調整すると、発酵槽内に、攪拌等に由来する液流によって菌体が舞い上がる働きと、酵母の持つ凝集沈殿性によって菌体が凝集沈降する働きとによって、その層の境目が界面として観察できることを見出した。
本発明において、アルコール連続生産というのは、発酵槽にアルコール原料である糖液を例えば連続的に供給しながら、一方で、生成物を例えば連続的に取り出すことをいう。従って、アルコール原料を供給するのが不連続であっても、時間当たりの供給量が一定していればよい。
また、本発明における「菌体リサイクルがある」とは、発酵槽から取り出したエタノールと酵母の混ざった培養液を静置して酵母菌体を沈殿させて分離し、再培養の有無に係らず分離した菌体の一部を発酵槽に戻してアルコール発酵を行うことと定義される。
本発明では菌体のリサイクル比(r)を0<r<0.4とし、希釈率D(h-1)が0.2≦D≦0.3とする条件で行われていると、アルコール生産性(g/L・h)が15g/Lh以上の高エタノール生産を維持できる。即ち、本発明者らは、本発明で用いる酵母が、高エタノール生産を有するリサイクル率と、希釈率の範囲を見出したものである。
なお、リサイクル比(r)は回収した菌体全量に対して、リサイクルする菌体量を(重量・体積)比で表したものであり、希釈率Dは、糖化液供給速度を培養体積で割ったものである。また、エタノール生産性は発酵槽内のエタノール濃度と希釈率Dの積として求められる。
かかる条件下で運転する際に、発酵槽内に菌体の界面が形成されると、その界面より下の菌体濃度が高い領域は、凝集沈降による圧密領域とは異なり、界面下の菌体濃度と界面上の菌体濃度が極端に違うものであり、この界面の形成されている状態で、アルコール原料の発酵反応を阻害せず却って反応を促進することを見出した。またかかる攪拌下での界面が存在する場合には、その界面の上部の発酵液を引き抜けば菌体流出を防止でき、アルコール原料と酵母の接触効率を向上させて、AM12菌のアルコール生産能力を十分に生かすことが出来ることを見出した。
なお、本発明のアルコール連続生産においては、発酵槽から菌体の流出を抑制しているが若干の菌体は流出する可能性がある。しかし、かかる菌体流出によって発酵槽内の菌体濃度が減少することは防止されている。本発明では発酵槽の上下方向で適度な濃度バランスが維持されているために発酵槽内での菌体増殖量は流出量に比べれば多く、菌体を常時発酵槽に追加していくことは基本的に意図していない。しかし、種菌として追加することはあるだろうし、若干流出した菌体を分離して発酵槽内に返送することは本発明の効果を何等阻害するものでない。
本発明で用いるアルコール原料は、穀物由来の原料が好ましく、例えば米、麦、イモなどは、糖濃度が高いので好ましい例として挙げられる。糖濃度としては、穀物原料の糖化反応効率の観点から、グルコース換算で100〜300g/Lの範囲が好ましく、より好ましくは150〜200g/Lの範囲である。
好気発酵温度は、酵母の至適発酵温度の観点から、40℃以下が好ましく、より好ましくは30〜35℃の範囲である。温度調節には、ヒーターおよび冷却器などの調節手段を採用できるが、格別限定されない。
本発明において、発酵槽内のDO(溶存酸素濃度)は、0〜3ppmの範囲が好ましく、より好ましくは、0〜0.1ppmの範囲である。菌の生育状態によっては、DOはなくても良い。DOの調整は、空気供給量および発酵槽内攪拌翼の回転速度を増減することにより可能であり、例えばDOメータと空気供給量制御手段を連動させる手法を採用することもできる。
pHは、酵母の至適pHの観点から、3〜7の範囲が好ましく、より好ましくは3.5〜5.0の範囲である。pH調整手法としては、pHメータで計測したデータに基づきpH調整剤を連続的に供給してpHを調整するpH制御システムを採用することができる。
凝集沈殿性を有する酵母としては、攪拌が行われていても、界面が形成される沈降性を備えた酵母であれば構わないが、好ましくは、サッカロマイセス属セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AM12菌株(AM12菌)や、サッカロマイセス属セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)TJ1菌株といった酵母が用いられる。
AM12菌株及びTJ1菌株は、工業技術院生物工業研究所 微生物工業技術研究所(現:独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センター(IPOD))に、それぞれ微工研受託番号第6749号、微工研受託番号第6747号として寄託されており、入手できる。
以下、本発明の実施の形態について図面に基づいて説明する。
図1において、1は糖液供給タンクであり、2は発酵槽であり、3は菌体分離装置である沈降分離槽である。
糖液供給タンク1から発酵槽2への原料の供給は供給ポンプ11、供給ライン12を通して行われる。供給ライン12からは原料となる糖液のほか、ペプトンや微量金属塩溶液等の菌体増殖に必要な栄養液も加えることができる。
発酵槽2は、内部に菌体と供給された原料とを十分に混合するための攪拌装置21を備えている。攪拌装置としては、発酵槽内の混合が十分に行われるものであれば良いが、プロペラ等の攪拌翼を備えたものが好ましく、攪拌回転数は酵母にとって最適値となるように調節される。また、発酵槽には図示しないがpH、温度、溶存酸素濃度を維持するために特に限定されないシステムを備えることが好ましい。
発酵槽2では、酵母によってアルコール発酵が行われ、原料糖液はアルコールと酵母菌体を含む液体となり、取液ポンプ22、取液ライン23から沈降分離槽3へ送られる。
また、アルコール発酵に伴って生じるガスはライン24から排出される。
沈降分離槽3では静置による沈降分離が行われ、凝集性酵母は沈降し、アルコール液と分離される。アルコール液はアルコールポンプ31、アルコールライン32から次の精製過程へ送られる。
沈降し濃縮された菌体の一部は取り出され、リサイクル比から求められる規定量の菌体がリサイクルポンプ33、供給ライン12へとつながるリサイクルライン34を通して供給ライン12から原料と共に発酵槽1へ返送される。
余分な沈殿物は排出ライン35より排出される。
本発明では凝集沈殿性を有する酵母を用いることによって、よりアルコール生産性が高く効率的な連続エタノール生産を行うことができる。
本発明において菌体を返送するリサイクル比(r)の範囲は0<r<0.4が好ましく、より好ましくは0<r<0.3、さらに好ましくは0<r<0.22である。
リサイクル率0ではリサイクルを行うことができないのでこの発明に有効でなく、リサイクル率が0.4を超えると発酵槽内の菌体濃度が過剰になり、槽内に返送された酵母菌のエタノール発酵能力の低下や、死滅が起きるという問題や、返送液の粘度が高くなり返送が困難となる問題がある。
また、好ましい希釈率D(h-1)の範囲は、0.2≦D≦0.3であり、より好ましくは0.2≦D≦0.25である。
希釈率Dが0.2より小さいとリサイクルを行うアルコール連続発酵の効果が小さく、
0.3を超えると酵母に供給される糖液が過剰となり、取液ライン23から取り出される
発酵液に、消費されないで残った糖(残糖)が存在するようになる。残糖は、未反応の原料であるので、エタノール生産性(発酵収率)を低下させる一因となる。
このような条件で運転するとき、発酵槽内の菌体濃度が十分に維持され高濃度のエタノール生産が行われている。
発酵槽内のエタノール濃度と希釈率Dの積で計算されるエタノール生産性は少なくとも15g/L・h以上、通常では20g/L・hとなる。
次に、上記のエタノール生産性を実現する好ましい手法を説明する。
図2は、発酵槽内に界面を形成してアルコール生産する例であり、図2において、100は発酵槽であり、アルコール原料及び返送菌体は発酵槽100の底部の原料供給口110から供給される。発酵槽100内には凝集沈殿性を有する酵母が入れられている。
原料供給口110から発酵槽100内に例えば連続的にアルコール原料が供給されると、酵母によってアルコール発酵され、アルコール発酵液が得られる。アルコール発酵液は、排出口111から引き抜かれる。なお、アルコール原料は発酵槽の底部から供給されれば供給の方法は限定されず、原料供給口110の設置は一例を示したに過ぎない。同様にアルコール発酵液の引き抜きも上部から引き抜くものであればその引き抜き方法は限定されない。
本発明において、発酵槽100内のアルコール発酵液には、攪拌などによって液流が生じている状態であっても界面が形成されている状態でアルコール発酵を行うことを大きな特徴とする。
界面とは、アルコール発酵液内に観察される、濁度(透明度)、或いは色相が異なる二つの層の境目に形成される線状の境界面である。なお、線状の境界は、発酵槽を横方向から観察したときにみられるものであり、直線でなくてもよい。
各層はアルコール発酵液中に含まれる酵母菌体濃度が劇的に異なっているので、濁度(透明度)、或いは色相が異なる二つの層として認められるものである。
例えば、界面より上ではアルコール発酵液自体の色が観察され、濁度は低く、界面より下は酵母菌体が多いため不透明で濁度が高くなるので、AとBの差が明確にわかり、目視にて界面の有無を観察することが出来る。
界面より上(A)は、酵母菌体の濃度が極端に低い層であり、界面より下(B)は、酵母菌体の濃度が高い層である。
菌体濃度で定量的に表現すれば、発酵槽内のアルコール発酵液中の平均酵母菌体濃度(完全混合状態の時に測定される菌体濃度であり、発酵槽内の全酵母菌体量(乾燥重量:g)を発酵槽内のアルコール発酵液量(L)で除した値に等しい)は、好ましくは28〜178g(乾燥重量)/L、より好ましくは50〜120g(乾燥重量)/L、更に好ましくは、70〜100g(乾燥重量)/Lであり、それに対して、界面より上にある、酵母菌体濃度が低い層(A)の酵母菌体濃度は、好ましくは17g(乾燥重量)/L未満、より好ましくは14g(乾燥重量)/L未満、更に好ましくは10g(乾燥重量)/L未満であり、界面より下にある酵母菌体濃度が高い層(B)の酵母菌体濃度は、好ましくは35〜180g(乾燥重量)/L、より好ましくは55〜150g(乾燥重量)/L、更に好ましくは75〜120g(乾燥重量)/Lである。
界面は、アルコール発酵液を抜き取る排出口111よりも下方に形成されていることが重要である。そうすると発酵槽からは、菌体濃度が低い層からアルコール発酵液が抜き取られるため、酵母菌体の流出を抑制することができる。
含まれる酵母菌体濃度が違うことから、当然酵母菌体濃度が低い層(A)と酵母菌体濃度が高い層(B)では、酵母菌体濃度が高い層(B)の方が、アルコール生産性は高い。そのため、界面より酵母菌体濃度が高い層(B)が占める割合が高い方が生産性は向上する。
すなわち、界面が、前記発酵槽内のアルコール発酵液の液面から下方に向かって0.1H〜0.8H(H:液面高さ)の深さ領域に形成され、好ましくは0.2H〜0.6H、より好ましくは0.2H〜0.5Hに形成されている、あるいは酵母菌体濃度が高い層(B)がアルコール発酵液の体積Vの20〜90%、好ましくは40〜80%、より好ましくは50〜80%を占めており、発酵槽の底側(下方)に形成されていることが望ましい。
図2には、界面が形成される高さ方向の好ましい位置が示されている。
円筒状の発酵槽など、断面積が一定の発酵槽においては、界面が観察される位置は、前記発酵槽内のアルコール発酵液の液面から下方に向かって0.1H〜0.8H(H:液面高さ)の深さ領域に形成され、好ましくは0.2H〜0.6H、より好ましくは0.2H〜0.5Hの深さ領域が望ましい。
界面が0.1H〜0.8H、好ましくは0.2H〜0.6H、より好ましくは0.2H〜0.5Hの深さ領域に形成されているときは、攪拌と沈降のバランスが取れている状態であり、発酵槽100内の菌体濃度を高く維持し、かつアルコール原料との接触効率が良いので、エタノール生産性を高くすることができる。
界面の位置が0.1Hより上である場合は、ほとんど完全混合に近い場合であり、そうすると、排出口11から菌体が流出しやすくなり、発酵槽内の菌体量が少なくなるのでアルコール生産性が落ちてしまい好ましくない。
また、界面の位置が0.8Hより下である場合は発酵槽内の菌体は、発酵槽底部に沈積しはじめ、沈降領域や圧密領域ゾーンが形成される。発酵槽の底部からアルコール原料を供給していても、これらの沈降領域や圧密領域ではアルコール原料に対して酵母が多すぎるためアルコール原料と酵母の反応効率は極端に悪くなり、これもアルコール生産性を低下させるので好ましくない。
なお、界面が観察されない状態とは、完全混合による場合、あるいは発酵槽中の菌体量が少なすぎて濃度差がわからない状態などが考えられるが、いずれも本発明のアルコール生産方法を行う上では好ましくない状態である。
図3は、酵母菌体の濃度が高い層(B)が、アルコール発酵液の体積Vに占める割合で好ましい界面の位置を示した模式図である。界面は、酵母菌体濃度が低い層(A)と酵母菌体濃度が高い層(B)の境目に形成されるものであるから、発酵槽の底側(下方)に形成されている酵母菌体濃度が高い層(B)の割合をアルコール発酵液の体積Vの20〜90%、好ましくは40〜80%、より好ましくは50〜80%とすることで、界面の形成される位置が規定できる。なお、酵母菌体の濃度が高い層(B)の体積をv1とし、酵母菌体濃度が低い層(A)をv2とすると、V=v1+v2である。
体積の概念で菌体濃度が高い層を設定すると、発酵槽の断面積が一定でない形状をし、高さによる規定が難しい場合にも対応することができる。
本発明において、酵母菌体の高い層(B)の体積v1がアルコール発酵液の体積Vの90%より多くを占めるようになると、完全混合に近い場合であり、そうすると、排出口11から菌体が流出しやすくなり、発酵槽内の菌体量が少なくなるのでアルコール生産性が落ちてしまい好ましくない。
また、酵母菌体の高い層(B)の体積v1がアルコール発酵液の体積Vの20%より少ないと、発酵槽内の菌体は、発酵槽底部に沈積しはじめ、沈降領域や圧密領域ゾーンが形成される。発酵槽の底部からアルコール原料を供給していても、これらの沈降領域や圧密領域ではアルコール原料に対して酵母が多すぎるためアルコール原料と酵母の反応効率は極端に悪くなり、これもアルコール生産性を低下させるので好ましくない。
本発明では、アルコール発酵液の供給によって生じる液流の他に、発酵槽下方に強制的な液流を発生する手段が設けられ、液流を強制的に発生させる手段は、主として攪拌機の回転によるものが好ましい。即ち、攪拌機だけでもよいし、攪拌機と空気曝気の併用のいずれでも良いが、制御の便宜性を考慮すれば攪拌機のみによることが好ましい。
図2や図3の例では、攪拌羽根を持つ攪拌機112が攪拌手段として示されている。
界面の位置は、上記の好ましい領域に形成されるように攪拌の強度等、連続発酵の運転条件を適宜変更することで維持できる。
界面は、液流によって菌体を巻き上げる働きが強くなると上昇し、巻き上げる働きが弱くなると沈降が進行するため下降する。
例えば、攪拌機の回転を上げれば界面は上昇する。
また、アルコール原料や空気の供給が多くなることによって、上昇流が起きれば界面は上昇する。
また、完全混合状態のときに攪拌機の回転を停止あるいは回転を下げれば界面が形成される。
界面の有無の観察については、酵母菌体濃度が低い層(A)と酵母菌体濃度が高い層(B)に色相あるいは透明度の違いがあるので、目視にて観察することが出来る。
ステンレス製など、不透明の発酵槽の場合は、図4のように発酵槽101に覗き窓(観察窓)102を設け、界面の有無を観察することが出来る。
他に、前記界面の有無は、発酵槽内のアルコール発酵液の液面から下方に向かって、上下方向に位置が異なる2つ以上の濁度計を設けて菌体濃度を測定し、確認することもできる。
さらに、界面の有無を、前記発酵槽の液面の上方に設けた発光素子と受光素子を用い、発光素子からの光を界面で反射させその反射光を受光素子で受けて光量変化を求めて測定することもできる。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例によって限定されない。
実施例1
<酵母種菌培養液の調整>
200mlフラスコにYPD培地(酵母エキス 1%、ペプトン 2%、グルコース 5%、pH5.0)を10ml入れ滅菌処理したものに、ストックしていた酵母をそれぞれ一白金耳植菌し、30℃、200rpmの好気条件にて20時間培養し、酵母(AM12菌株)を培養可能な状態に復元した。
250mlフラスコにYPD培地100mlを入れ滅菌処理したものに復元した場酵母培養液10mlを接種し、30℃、200rpmの好気条件にて20時間培養し、対数増殖期にある酵母種菌をさらに増殖させた。
<ジャーファーメンタによる連続発酵>
スタートアップ用滅菌済みCSL培地(コーンスティープリカー(CSL) 1%、KHPO 0.1%、MgSO・7HO 0.05%、CaCl・HO 0.01%、グルコース 10%、pH5.0)900mlの入ったジャーファーメンタに前記酵母種菌培養液110mlを植菌した。
植菌は送液ポンプより行い酵母培養液を外気に触れないように接種した。
ジャーファーメンタ運転条件は以下のように設定した。
pH:5.0(2N NaOH、HClで調整)
通気:0.5〜1.5vvm(コンプレッサーからの空気を無菌フィルターを通して通気)
攪拌速度:50〜150rpm
温度:30℃
途中、開始24時間後と48時間後に発酵槽から培養液を採取してグルコース濃度を測定し、発酵液糖濃度が5g/Lであることを確認した。
ジャーファーメンタに連続生産用滅菌済みCSL培地(CSL 1%、KHPO 0.1%、MgSO・7HO 0.05%、CaCl・HO 0.01%、グルコース 20%、pH5.0)を連続的に供給すると共に、供給する培地と同じ速度で培養液を抜き出し、界面が形成されるように攪拌速度を調整しながら連続発酵を開始した(連続発酵の開始)。抜き取った培養液を槽内体積3Lの凝集沈殿槽に貯留し、3Lを超えた分は液面から抜き出した。
培養液の一部を取り出して分析し、酵母菌体、グルコース、エタノールの発酵槽内濃度が定常値に到達したら沈殿槽下部に沈降した酵母菌体を規定のリサイクル比に従い返送し、菌体リサイクルを開始した(菌体リサイクルの開始)。なお、酵母の増殖状況、グルコース消費、およびエタノール生成量は、以下の方法で分析した。
酵母の増殖:濁度(OD600nmの吸光度)測定し、菌体濃度への換算係数(0.37×OD600nm)を用いて濃度を算出した。
グルコース消費:グルコースキット(和光純薬工業(株)製 グルコーステスト−c−ワコー)により測定した。
エタノール生成の経時変化:培養液のエタノール濃度分析(ShimadzuGC−2014、検出器FID)により測定した。
この条件のとき、菌体リサイクルのリサイクル比を0.1、希釈率を0.22として運転を行ったところ、エタノール生産性は22.1g/L・hだった。
実施例2
実施例1と同様に発酵槽を調整し、リサイクル比を0.3として運転を行ったところ、エタノール生産性は21.9g/L・hだった。
比較例1
実施例1と同様に発酵槽を調整し、リサイクル比を0.5として運転を行ったところ、発酵槽内の平均酵母菌体濃度が200.9g/Lに対して、エタノール生産性は22.0g/L・hだった。菌体濃度は実施例1や2に比べて倍以上であるのに、エタノール生産性は実施例1とほとんど差が見られなかった。
比較例2
実施例1と同様に発酵槽を調整し、リサイクル比を0.1、希釈率を0.1として運転を行ったところ、エタノール生産性は10.2g/L・hだった。
比較例3
実施例1と同様に発酵槽を調整し、リサイクル比を0.1、希釈率を0.4として運転を行ったところ、エタノール生産性は12.1g/L・hだった。
比較例4
実施例1と同様に発酵槽を調整し、リサイクル比を0.1、希釈率を0.6として運転を行ったところ、エタノール生産性は8.0g/L・hだった。
実施例3
AM12菌株に代えて、TJ1菌株を用いて、実施例1と同条件で運転を行ったところ、エタノール生産性は17.6g/L・hだった。
実施例4
実施例3において、リサイクル比を0.3とした以外は同条件で運転を行ったところ、エタノール生産性は16.7g/L・hだった。
比較例5
実施例3と同様に発酵槽を調整し、リサイクル比を0.1、希釈率を0.1として運転を行ったところ、エタノール生産性は7.48g/L・hだった。
参考例1
AM12菌株に代えて、実施例1と同条件で、凝集沈降性を示さない酵母(Saccharomyces cerevisiae(JCM7255)typestrain)を用いて連続運転を行ったところ、エタノール生産性は10.1g/L・hだった。
以上の実験の結果を表1に示す。
Figure 2008120644

Claims (9)

  1. 発酵槽内に凝集沈殿性を有する酵母を存在させ、発酵槽にアルコール原料を供給してアルコール発酵を行い、得られたアルコール培養液を前記発酵槽から引き抜いて、かつ前記引き抜いた液中の酵母菌体は回収し前記発酵槽内に返送する菌体リサイクルをしながらアルコール発酵を行う際に、前記発酵槽下方に強制的な液流を発生させてアルコールを生産するアルコール連続生産方法であって、
    菌体のリサイクル比(r)を0<r<0.4とし、希釈率D(h-1)が0.2≦D≦0.3とする条件で行われているときに、アルコール生産性(g/L・h)が15g/Lh以上となることを特徴とするアルコール連続生産方法。
  2. 前記発酵槽内に凝集沈殿性を有する酵母の菌体の界面が形成されている状態でアルコール発酵することを特徴とする請求項1記載のアルコール連続生産方法。
  3. 前記界面が、発酵槽内のアルコール発酵液に形成される、酵母菌体の濃度が高い層と低い層の、層の境目として観察できることを特徴とする請求項2記載のアルコール連続生産方法。
  4. 前記界面の有無を、前記発酵槽の側面に形成される覗き窓から目視して判断することを特徴とする請求項2又は3記載のアルコール連続生産方法。
  5. 前記界面の有無を、前記発酵槽の液面の上方に設けた発酵素子と受光素子を用いて測定することを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載のアルコール連続生産方法。
  6. 前記界面の有無を、前記発酵槽内のアルコール発酵液の液面から下方に向かって高さ方向に複数設けた濁度計によって検出することを特徴とする請求項2〜5の何れかに記載のアルコール連続生産方法。
  7. 前記凝集沈殿性を有する酵母が、サッカロマイセス属セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AM12菌株であることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のアルコール連続生産方法。
  8. 前記発酵槽内の平均酵母菌体濃度が、28〜178g(乾燥重量)/Lであることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のアルコール連続生産方法。
  9. 前記発酵槽下方に液流を強制的に発生させる手段が、主として攪拌機の回転によることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のアルコール連続生産方法。
JP2009507483A 2007-03-30 2008-03-26 アルコール連続生産方法 Expired - Fee Related JP5130288B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009507483A JP5130288B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 アルコール連続生産方法

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007095728 2007-03-30
JP2007095728 2007-03-30
PCT/JP2008/055766 WO2008120644A1 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 アルコール連続生産方法
JP2009507483A JP5130288B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 アルコール連続生産方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008120644A1 true JPWO2008120644A1 (ja) 2010-07-15
JP5130288B2 JP5130288B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=39808226

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009507483A Expired - Fee Related JP5130288B2 (ja) 2007-03-30 2008-03-26 アルコール連続生産方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP2143802A4 (ja)
JP (1) JP5130288B2 (ja)
BR (1) BRPI0809534A2 (ja)
WO (1) WO2008120644A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5659466B2 (ja) * 2009-08-07 2015-01-28 東レ株式会社 連続培養による化学品の製造方法および製造装置
KR101416744B1 (ko) * 2011-10-27 2014-07-09 대우조선해양 주식회사 연속 발효 장치 및 이를 이용한 다단계 연속 발효 공정
JP6303984B2 (ja) 2014-10-31 2018-04-04 トヨタ自動車株式会社 連続培養によるエタノールの製造方法及び連続培養装置
GB201610932D0 (en) * 2016-06-22 2016-08-03 Univ Of Manchester The Improvements in and relating to lipid production
CN106244633B (zh) * 2016-08-23 2019-06-18 广东省生物工程研究所(广州甘蔗糖业研究所) 一种酵母絮凝的可逆调控方法和应用

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59135896A (ja) * 1982-12-17 1984-08-04 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd アルコ−ルの発酵生産法

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2500353B2 (ja) 1993-04-01 1996-05-29 通商産業省基礎産業局長 凝集性微生物をリサイクルするアルコ―ルの連続生産方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59135896A (ja) * 1982-12-17 1984-08-04 Mitsui Eng & Shipbuild Co Ltd アルコ−ルの発酵生産法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5130288B2 (ja) 2013-01-30
EP2143802A4 (en) 2013-06-19
BRPI0809534A2 (pt) 2016-06-28
EP2143802A1 (en) 2010-01-13
WO2008120644A1 (ja) 2008-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5130288B2 (ja) アルコール連続生産方法
CN102471783A (zh) 醇生产方法
CN103403155B (zh) 新型酿酒酵母菌株
JP2013544106A5 (ja)
Andrietta et al. Bioethanol—what has Brazil learned about yeasts inhabiting the ethanol production processes from sugar cane
CN108342437B (zh) 一种利用构巢曲霉发酵高产棘白菌素b的方法
CN101434911A (zh) 一种酿酒酵母菌株及其高效发酵甘蔗汁生产乙醇的方法
US4567145A (en) Continuous production of ethanol by use of respiration deficient mutant yeast
JP5127525B2 (ja) アルコール連続生産方法
CN105264120B (zh) 碳氢化合物的制备方法
Zhang et al. Effects of cultivation parameters on the morphology of Rhizopus arrhizus and the lactic acid production in a bubble column reactor
CN103740775B (zh) 循环利用裂殖壶菌发酵清液生产dha油脂的方法
CN101045905A (zh) 驯化选育的自絮凝酵母变异株及其应用
JP4620805B2 (ja) 糖原料からのアルコール連続発酵方法及び装置
EP2143801A1 (en) Method for continuously producing alcohol
CN102226163A (zh) 一株丙酮丁醇梭杆菌菌株及其应用
CN101134969A (zh) 一种以糖蜜为原料制备燃料酒精的发酵方法及发酵系统
JP2009225755A (ja) アルコール連続生産方法
CN1699552A (zh) 啤酒酵母工程菌及其构建方法
CN1643131A (zh) 厌氧菌的连续培养法
JP5215010B2 (ja) アルコール連続生産方法
CN100336900C (zh) 一株产麦角甾醇的酵母工程菌及其应用
JPH06284891A (ja) 凝集性微生物をリサイクルするアルコールの連続生産方法
JP4919757B2 (ja) アルコールの連続生産方法
JP5661673B2 (ja) 多槽式菌体リサイクル発酵方式エタノール連続生産方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120207

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120406

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121023

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees