JPWO2008114871A1 - ポリ乳酸系透明耐熱成形体、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
汎用樹脂に比べて環境負荷の少ないポリ乳酸系樹脂を主原料として使用しながらも、耐熱性と透明性とを両立させたポリ乳酸系透明耐熱成形体、およびそのようなポリ乳酸系透明耐熱成形体を再現性良く安定して製造可能な、生産性および経済性に優れる製造方法を提供すること。結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂シートを、加熱して軟化させた後、80〜130℃の金型温度で5秒以上、金型内で保持して除冷しながら成形体を作製する。
Description
本発明は、ポリ乳酸系透明耐熱成形体、およびその製造方法に関し、特に、汎用樹脂に比して環境負荷の少ないポリ乳酸系樹脂を主原料とし、耐熱性および透明性を両立させたポリ乳酸系透明耐熱成形体、およびその製造方法に関する。
従来、食品などの包装に用いられる樹脂製品の多くは、使い捨てであることが多い。樹脂製品の廃棄は、通常、焼却あるいは埋め立てにより行われる。しかしながら、樹脂製品の焼却は、地球温暖化ガスである二酸化炭素の発生が懸念され、また、樹脂製品の埋め立ては、地中への半永久的な残留が懸念される。すなわち、樹脂製品の廃棄は、環境への負荷が非常に高いことが問題とされている。また、汎用樹脂のほとんどは、将来的に枯渇することが予想される化石資源に依存しているので、今後、価格の高騰や原料確保などの問題が高まることは避けられない。
これに対し、熱可塑性で分解性を有するポリマーとして、ポリ乳酸のようなポリヒドロキシカルボン酸や、脂肪族多価アルコールと脂肪族多価カルボン酸から誘導されるポリブチレンサクシネートのような脂肪族ポリエステルが開発されている。これらのポリマーは、土中あるいは海水中に置かれた場合、微生物の働きと相まって数週間から数年程度で分解消滅し、二酸化炭素と水になるという性質を有している。また、ポリ乳酸のように、とうもろこしなどの植物を原料として製造される脂肪族ポリエステルも開発されている。これらのポリマーの使用は、汎用樹脂で問題となる、廃棄時の環境への負荷を著しく低減できる利点があり、また、化石資源への依存性をさらに低下させることを可能とする。そのため、これらのポリマーは、次世代を担う樹脂原料として注目され、その実用化が積極的に検討されている。
とりわけ、ポリ乳酸は、製造時および廃棄時の環境負荷が小さいだけでなく、汎用樹脂と同等の加工性を有しているので、特に期待されている樹脂である。
ところが、ポリ乳酸は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用樹脂と比べて結晶化速度が遅い。そのため、ポリ乳酸を急冷して得られる非晶性の成形体は、容器やボトルなどの3次元形状、シートやフィルムなどの2次元形状など、いずれの形状であっても、透明であるが、耐熱性に劣る。そのため、ポリ乳酸の非晶性の成形体は、使用用途が限定され、例えば、食品用容器などにおいては、熱湯を用いる用途や電子レンジを使用する用途などへの使用ができなかった。そのため、生分解性を有するポリマーとして期待される用途、特に、廃棄割合の高い食品用途への商品展開ができなかった。一方、この問題点を解決すべく、耐熱性を向上させるために成形加工時に結晶化を高めるような熱処理(アニール)をすると、結晶成長を伴って結晶化度が高まり、不透明な成形体しか得られなかった。
ところが、ポリ乳酸は、ポリエチレンやポリプロピレンなどの汎用樹脂と比べて結晶化速度が遅い。そのため、ポリ乳酸を急冷して得られる非晶性の成形体は、容器やボトルなどの3次元形状、シートやフィルムなどの2次元形状など、いずれの形状であっても、透明であるが、耐熱性に劣る。そのため、ポリ乳酸の非晶性の成形体は、使用用途が限定され、例えば、食品用容器などにおいては、熱湯を用いる用途や電子レンジを使用する用途などへの使用ができなかった。そのため、生分解性を有するポリマーとして期待される用途、特に、廃棄割合の高い食品用途への商品展開ができなかった。一方、この問題点を解決すべく、耐熱性を向上させるために成形加工時に結晶化を高めるような熱処理(アニール)をすると、結晶成長を伴って結晶化度が高まり、不透明な成形体しか得られなかった。
このように、現状では、ポリ乳酸の単独使用で透明性と耐熱性を両立させることは困難であり、そのため、ポリ乳酸に何等かの物質を添加することにより、かかる問題を解決する試みが行われている。
例えば、特許文献1には、ポリ乳酸系樹脂にSiO2を含有する結晶性無機粉末、例えばタルクやカオリンなどを加えて、結晶化させながら成形する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、透明性が著しく損なわれる。しかも、熱処理が施されないので結晶化が不十分であり、容器などの成形体を成形する場合に、実用レベルの耐熱性を発現させることができなかった。
また、特許文献2には、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステルに、40〜300℃の融点を有する化合物、例えば、脂肪族カルボン酸アミド、脂肪族カルボン酸塩、脂肪族アルコールおよび脂肪族カルボン酸エステルの群から選ばれる少なくとも1種を加えることにより、透明性と耐熱性を両立した成形体を製造する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、十分に結晶化速度が速くなっておらず、必要とされる耐熱性を満たす結晶化度を実現するためには十分な熱処理時間を確保する必要があり、工業的に実用可能な方法とは言い難かった。
特許文献3には、ポリ乳酸を電子線架橋することにより、透明性を損なわずに維持する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、ポリ乳酸が架橋するので、得られる成形体の分解速度が著しく遅くなると予想され、その結果、生分解性が損なわれて、ポリ乳酸が環境下へ正常に循環されていく過程が阻害されるという問題点がある。
特許文献4には、ポリ乳酸に脂肪族芳香族ポリエステルを加えることにより、工業的に実現可能な成形時間内で、耐熱性を有する成形体を製造する方法が記載されている。しかしながら、この文献には、透明性についての言及は一切ない。また、得られる成形体の耐熱性は、電子レンジに使用するには不十分なものであった。
特許文献5には、ポリ乳酸とポリアセタール樹脂とを混合した樹脂組成物からなる成形体が記載されている。しかしながら、この成形体は、石油系原料であり且つ生分解性を有さないポリアセタールを加えているので、ポリ乳酸が有する環境負荷が小さいという特徴が損なわれたものであった。また、この成形体の耐熱性は、電子レンジに使用するには不十分なものであった。
特許文献6には、ポリ乳酸に、ポリエステル、ポリカーボネートまたはポリアミドなどを加え、亜臨界液体中あるいは超臨界液体中で混練することにより、結晶構造が制御された組成物を得る方法が開示されている。しかしながら、この方法は、相溶性が悪いために粗大分散構造となり、機械物性が著しく劣化するという課題を解決するために、特定条件下でポリマーの混練処理を行うものである。したがって、この方法は、本発明が意図する、透明性と耐熱性を両立するという課題とは、全く異なるものである。
本発明は、上記課題を鑑みて為されたものであり、その目的は、汎用樹脂に比べて環境負荷の少ないポリ乳酸系樹脂を主原料として使用しながらも、耐熱性と透明性とを両立させたポリ乳酸系透明耐熱成形体を提供することにあり、また、そのようなポリ乳酸系透明耐熱成形体を再現性良く安定して製造可能な、生産性および経済性に優れる製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点を解決するために、鋭意検討を行った結果、特定のポリ乳酸系樹脂組成物を特定の成形条件下にて成形することにより、得られる成形体の結晶性を制御することが可能であり、これにより、耐熱性と透明性とを両立させたポリ乳酸系透明耐熱成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下(I)〜(XII)を提供する。
(I)
結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を含むシートを準備する工程と、
前記シートを加熱して軟化させる工程と、
軟化した前記シートを、80〜130℃の金型温度で5秒以上、金型内で保持して除冷しながら成形体を作製する工程と、
を有する、ポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(II)
前記シートを、真空成形法、圧空成形法および真空圧空成形法のいずれか1の方法により、金型内で保持して除冷しながら成形体を作製する、
上記(I)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(III)
深絞り形状の成形体を作製する、
上記(I)または(II)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(IV)
開口部を有する有底筒状の成形体であって、該開口部における成形体高さHと該開口部の直径Wとの割合H/Wが0.3以上1.2以下である成形体を作製する、
上記(I)〜(III)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(V)
前記ポリ乳酸系樹脂組成物は、さらに、可塑剤(C)3〜20重量部を含有する、
上記(I)〜(IV)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(VI)
前記可塑剤(C)は、常温で液体である、
上記(V)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(VII)
下記(1)および(2)のプロファイル:
(1)広角X線測定において、2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、2θ=15〜17°の範囲にピーク強度が最も強い回折ピークが観察される;
(2)小角X線測定において、2θ=0.3〜0.8°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、その回折ピークの半値全幅(FWHM)が0.23°以上;
を満たす成形体を製造する、
上記(I)〜(VI)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(I)
結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を含むシートを準備する工程と、
前記シートを加熱して軟化させる工程と、
軟化した前記シートを、80〜130℃の金型温度で5秒以上、金型内で保持して除冷しながら成形体を作製する工程と、
を有する、ポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(II)
前記シートを、真空成形法、圧空成形法および真空圧空成形法のいずれか1の方法により、金型内で保持して除冷しながら成形体を作製する、
上記(I)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(III)
深絞り形状の成形体を作製する、
上記(I)または(II)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(IV)
開口部を有する有底筒状の成形体であって、該開口部における成形体高さHと該開口部の直径Wとの割合H/Wが0.3以上1.2以下である成形体を作製する、
上記(I)〜(III)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(V)
前記ポリ乳酸系樹脂組成物は、さらに、可塑剤(C)3〜20重量部を含有する、
上記(I)〜(IV)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(VI)
前記可塑剤(C)は、常温で液体である、
上記(V)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(VII)
下記(1)および(2)のプロファイル:
(1)広角X線測定において、2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、2θ=15〜17°の範囲にピーク強度が最も強い回折ピークが観察される;
(2)小角X線測定において、2θ=0.3〜0.8°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、その回折ピークの半値全幅(FWHM)が0.23°以上;
を満たす成形体を製造する、
上記(I)〜(VI)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。
(VIII)
結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形され、
下記(1)および(2)のプロファイル:
(1)広角X線測定において、2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、2θ=15〜17°の範囲にピーク強度が最も強い回折ピークが観察される;
(2)小角X線測定において、2θ=0.3〜0.8°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、その回折ピークの半値全幅(FWHM)が0.23°以上;
を満たす、
ポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(IX)
深絞り形状の成形体である、
上記(VIII)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(X)
開口部を有する有底筒状の成形体であって、該開口部における成形体高さHと該開口部の直径Wとの割合H/Wが0.3以上1.2以下である成形体である、
上記(VIII)または(IX)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(XI)
前記ポリ乳酸系樹脂組成物は、さらに、可塑剤(C)3〜20重量部を含有する、
上記(VIII)〜(X)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(XII)
前記可塑剤(C)は、常温で液体である、
上記(XI)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形され、
下記(1)および(2)のプロファイル:
(1)広角X線測定において、2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、2θ=15〜17°の範囲にピーク強度が最も強い回折ピークが観察される;
(2)小角X線測定において、2θ=0.3〜0.8°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、その回折ピークの半値全幅(FWHM)が0.23°以上;
を満たす、
ポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(IX)
深絞り形状の成形体である、
上記(VIII)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(X)
開口部を有する有底筒状の成形体であって、該開口部における成形体高さHと該開口部の直径Wとの割合H/Wが0.3以上1.2以下である成形体である、
上記(VIII)または(IX)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(XI)
前記ポリ乳酸系樹脂組成物は、さらに、可塑剤(C)3〜20重量部を含有する、
上記(VIII)〜(X)のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
(XII)
前記可塑剤(C)は、常温で液体である、
上記(XI)に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
さらに、本発明は、以下(a)〜(h)を提供する。
(a) 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を配合してなるポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形される成形体であって、該成形体の結晶構造が下記要件(1)および(2)を満たすことを特徴とするポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(1)広角X線測定 2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが得られかつ
最もピーク強度が高いピークが15〜17°に現れる
(2)小角X線測定 2θ=0.3〜0.8°の範囲に現れるピークの半値幅
(FWHM)が0.23°以上
(b) 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部よりなる高分子量成分100重量部に対して、常温で液状である可塑剤(C)を3〜20重量部配合してなるポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形される成形体であって、該成形体の結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすことを特徴とするポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(c) ポリ乳酸系樹脂組成物をシート状に成形したものを真空成形法あるいは真空圧空成形法によりさらに成形して得られる結晶構造が前記要件(1)および(2)の状態に制御されたポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(d) 成形体が開口部を有する剛性容器であって、開口部の開口面に対する垂直方向の高さHと成形体開口部の直径Wとの割合であるH/Wが、0.3以上1.2以下であることを特徴とする結晶構造が前記要件(1)および(2)の状態に制御されたポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(e) また、結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を溶融混練し、その後、樹脂組成物についてJISK7121に準じた冷結晶化温度(Tc)に対して、Tc−20℃以上Tc+30℃以下の温度領域において形状を固定したまま徐冷することにより、得られた成形体の結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
(f) 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部からなる高分子量成分100重量部に、常温で液状の可塑剤を3〜20重量部添加した後溶融混練し、その後、樹脂組成物についてJISK7121に準じた冷結晶化温度(Tc)に対して、Tc−20℃以上Tc+30℃以下の温度領域において形状を固定したまま徐冷することにより、得られた成形体の結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
(g) 成形金型を利用して成形することにより結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
(h) 溶融混錬されたポリ乳酸系組成物をシート状に成形した後、真空成形法あるいは真空圧空成形法を用いて成形し、かつ開口部の開口面に対する垂直方向の高さHと成形体開口部の直径Wとの割合であるH/Wが、0.3以上1.2以下である成形体であって、結晶構造が前記(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
(a) 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を配合してなるポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形される成形体であって、該成形体の結晶構造が下記要件(1)および(2)を満たすことを特徴とするポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(1)広角X線測定 2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが得られかつ
最もピーク強度が高いピークが15〜17°に現れる
(2)小角X線測定 2θ=0.3〜0.8°の範囲に現れるピークの半値幅
(FWHM)が0.23°以上
(b) 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部よりなる高分子量成分100重量部に対して、常温で液状である可塑剤(C)を3〜20重量部配合してなるポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形される成形体であって、該成形体の結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすことを特徴とするポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(c) ポリ乳酸系樹脂組成物をシート状に成形したものを真空成形法あるいは真空圧空成形法によりさらに成形して得られる結晶構造が前記要件(1)および(2)の状態に制御されたポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(d) 成形体が開口部を有する剛性容器であって、開口部の開口面に対する垂直方向の高さHと成形体開口部の直径Wとの割合であるH/Wが、0.3以上1.2以下であることを特徴とする結晶構造が前記要件(1)および(2)の状態に制御されたポリ乳酸系透明耐熱成形体である。
(e) また、結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を溶融混練し、その後、樹脂組成物についてJISK7121に準じた冷結晶化温度(Tc)に対して、Tc−20℃以上Tc+30℃以下の温度領域において形状を固定したまま徐冷することにより、得られた成形体の結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
(f) 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部とポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)を含む共重合体であるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部からなる高分子量成分100重量部に、常温で液状の可塑剤を3〜20重量部添加した後溶融混練し、その後、樹脂組成物についてJISK7121に準じた冷結晶化温度(Tc)に対して、Tc−20℃以上Tc+30℃以下の温度領域において形状を固定したまま徐冷することにより、得られた成形体の結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
(g) 成形金型を利用して成形することにより結晶構造が前記要件(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
(h) 溶融混錬されたポリ乳酸系組成物をシート状に成形した後、真空成形法あるいは真空圧空成形法を用いて成形し、かつ開口部の開口面に対する垂直方向の高さHと成形体開口部の直径Wとの割合であるH/Wが、0.3以上1.2以下である成形体であって、結晶構造が前記(1)および(2)を満たすポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法である。
本発明によれば、ポリ乳酸系樹脂を主原料として使用しながらも、耐熱性と透明性とを両立させたポリ乳酸系透明耐熱成形体を実現することができるので、ポリ乳酸系樹脂成形体の用途の拡大が図られ、その結果、環境負荷を低減することができ、しかも、そのようポリ乳酸系透明耐熱成形体を再現性良く製造することができるので、生産性および経済性の向上が図られる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明は、この実施の形態のみに限定されるものではなく、また、その要旨を逸脱しない限り、種々の形態で実施することができる。
従来、結晶性ポリ乳酸を用いた成形体において、透明性と耐熱性を両立することは困難であった。その理由を、以下に示す。すなわち、透明性を発現させるためには、光の散乱の原因となるような大きさの集合体(結晶)を成形体中に存在させないことが必要とされる。その一方、耐熱性を発現させるためには、結晶化度を高めて、成形体に剛性を与える必要がある。つまり、結晶性ポリ乳酸を用いた成形体において、透明性を発現させるために必要とされる結晶構造と、耐熱性を発現させるために必要とされる結晶構造とは、通常、相反する関係にある。
しかしながら、本発明者らは、このように相反する結晶構造が必要とされる耐熱性と透明性を両立する方法について、鋭意検討を行い、その結果、結晶性ポリ乳酸の結晶サイズを小さく制御することにより、耐熱性と透明性とを両立し得る結晶構造を形成し得ることを見出し、本発明に至った。すなわち、結晶性ポリ乳酸(A)、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)および二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を含むシートを用い、且つ、このシートを加熱して軟化させた後に成形金型内で所定の条件下にて除冷しながら成形体を作製することにより、得られる成形体の透明性と耐熱性を両立することが可能となる。また、結晶性ポリ乳酸(A)およびポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)に加えて、さらに可塑剤(C)を3〜20重量部配合することにより、結晶化速度がさらに高められ、その結果、柔軟性の付与および成形時間の短縮化も可能となる。
なお、本明細書において、透明とは、成形体内部を外部から視認することができる、換言すれば、成形体内の内容物を外部から確認できる程度に、光を十分に透過する性質を意味する。そのため、本明細書において、透明性の度合いは、後述する透過率を指標として、判別した。
また、耐熱性の指標には、食器洗い機、電子レンジ、食器乾燥機などに対応できるプラスチック製食器の耐熱性の規格(JIS S 2029)を用いた。ここで、電子レンジに使用できるプラスチック製食器は、通常、製品に記載されている耐熱温度が140℃以上であることが必要とされる。そのため、本明細書において、耐熱性の度合いは、表示温度140℃以上、具体的には、150℃に設定した空気撹拌機付恒温槽に成形体を1時間放置保管し、その後に室温で30分以上放冷させた際の、成形体の変形や異常の有無を目視で確認することにより、判別した。
また、耐熱性の指標には、食器洗い機、電子レンジ、食器乾燥機などに対応できるプラスチック製食器の耐熱性の規格(JIS S 2029)を用いた。ここで、電子レンジに使用できるプラスチック製食器は、通常、製品に記載されている耐熱温度が140℃以上であることが必要とされる。そのため、本明細書において、耐熱性の度合いは、表示温度140℃以上、具体的には、150℃に設定した空気撹拌機付恒温槽に成形体を1時間放置保管し、その後に室温で30分以上放冷させた際の、成形体の変形や異常の有無を目視で確認することにより、判別した。
本発明者らは、結晶化させるポリ乳酸の結晶サイズを小さく制御することによって、透明性と耐熱性の両立が可能であると想致し、ポリ乳酸単体の結晶サイズについて解析を行なった。なお、ポリ乳酸の結晶構造は、以下に示すように、X線解析に基づいて判別可能である。
まず、非晶状態のポリ乳酸(成形体)をX線解析測定すると、広角X線解析(WAXS)において、非晶性物質由来のブロードなハローバンドのみが得られ、2θ=10〜25°の範囲にはっきりとしたピークを示すプロファイルは得られない。また、小角X線解析(SAXS)において、明確なピークが観測されない。これらのことから、非晶状態のポリ乳酸(成形体)には、一定の大きさの集合体(結晶)が、規則的に存在していないことがわかる。すなわち、非晶状態のポリ乳酸(成形体)には、光を散乱する原因となる、光の波長と同程度以上の大きさの集合体が存在しないことがわかる。この事実は、非晶状態のポリ乳酸(成形体)が、透明性に優れる傾向にあるという、経験則にも合致する。
一方、ポリ乳酸が十分に結晶化している場合、WAXSにおいて明確なピークをもったプロファイルが得られる。ここで、ポリ乳酸は、一般に、α型、β型、γ型の3種類の結晶構造をとることが知られている。α型は最も安定な構造であり、β型は高温で高延伸した際に出現する構造、γ型はエピタキシャルな結晶の際に出現する構造であるとされている。そして、α型結晶の結晶性ポリ乳酸(成形体)は、WAXSにおいて2θ=10〜25°の範囲にはっきりとしたピークを示すプロファイルが得られ、2θ=15〜17°の範囲に最も強いピークが現れる。他方、ポリ乳酸が十分に結晶化している場合、SAXSにおいて2θ=0.3〜0.8°の範囲に、半値全幅(FWHM)が0.2°程度のピークを示すプロファイルが得られ、規則性のある構造であることがわかる。このSAXSのピークは、集合体(結晶)、言い換えれば結晶構造が、規則的に存在する場合に観測することができる。また、結晶構造の基本単位であるラメラ層の重なり数が多いほど、言い換えれば結晶構造が大きいほど、SAXSのピーク幅が狭くなる。以上のことから、結晶化度の高いポリ乳酸は、光の波長と同程度以上の大きさの集合体、言い換えれば結晶構造が存在していることがわかる。この事実は、ポリ乳酸の結晶化度が高まるにつれて透明性が損なわれる傾向にあるという、経験則にも合致する。
本発明者らは、耐熱性と透明性を発現させるためには相反する結晶構造が必要とされるという上記の知見および経験則を再考し、鋭意検討を行った結果、特定の結晶構造に制御する、すなわち、(1)WAXSにおいて、2θ=10〜25°の範囲にピークを示し、且つ、2θ=15〜17°の範囲に最も強いピークを示し、さらに(2)SAXSにおいて、2θ=0.3〜0.8°の範囲にFWHMが0.23以上のピークを示す、という(1)および(2)のプロファイルを満たすものとすることにより、透明性と耐熱性を両立し得ることを見出した。また、本発明者らは、そのような結晶構造に制御可能であり、透明性および耐熱性に優れるポリ乳酸系成形体を再現性良く安定して製造可能な成形技術を見出した。
上記(1)および(2)のプロファイルを満たす結晶構造は、結晶性ポリ乳酸(A)単体を結晶化させたものとは異なる結晶構造であり、結晶化は生じているものの、結晶性ポリ乳酸(A)単体を結晶化させたものに比べて結晶サイズが小さいものとなる。そのため、かかる結晶構造を有するポリ乳酸系成形体は、結晶性ポリ乳酸(A)単体を結晶化させたものの様に透明性を過度に損なうことがなく、非晶状態のポリ乳酸に近い透明性を呈するものとなる。また、かかる結晶構造を有するポリ乳酸系成形体は、適度な結晶化が生じているので、非晶状態のポリ乳酸に比べて、耐熱性が大きく向上される。一方、WAXSにおいて、2θ=10〜25°の範囲にピークを示さない、あるいは、2θ=15〜17°の範囲に最も強いピークを示さない場合は、成形体が十分に結晶化しておらず、耐熱性が不十分となる傾向にある。また、WAXSにおいて、2θ=10〜25°の範囲にピークを示し、且つ、2θ=15〜17°の範囲に最も強いピークを示すが、SAXSにおいて、2θ=0.3〜0.8°の範囲にFWHMが0.23°よりも狭いピークを示す場合は、耐熱性を期待することはできるが、結晶性ポリ乳酸単体と同様に結晶構造が大き過ぎるため、透明性が不十分となる傾向にある。
上記(1)および(2)のプロファイルを満たすように結晶構造を制御する手法は、特に限定されるものではなく、公知の手法を適宜採用して設計すればよいが、再現性、生産性および経済性の観点から、特定のポリ乳酸系樹脂組成物を用いて特定の成形条件下で成形する手法が好適である。以下、具体的に説明する。
(ポリ乳酸系樹脂組成物)
まず、原料として用いるポリ乳酸系樹脂組成物について説明する。
ここで用いるポリ乳酸系樹脂組成物は、結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部と、ポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)および二塩基酸(Y2)から誘導されるポリエステル(Y)とを共重合させて得られるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有する。
まず、原料として用いるポリ乳酸系樹脂組成物について説明する。
ここで用いるポリ乳酸系樹脂組成物は、結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部と、ポリヒドロキシカルボン酸(X)と二価アルコール(Y1)および二塩基酸(Y2)から誘導されるポリエステル(Y)とを共重合させて得られるポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有する。
結晶性ポリ乳酸(A)は、主に、成形体の耐熱性発現に関与するものであり、結晶性を有する必要がある。結晶性ポリ乳酸(A)の具体例としては、例えば、L−ポリ乳酸、D−ポリ乳酸、LおよびD−ポリ乳酸共重合体が挙げられる。ここで、L−ポリ乳酸とは、L−乳酸もしくはL−ラクタイド由来の構造単位のみからなるポリ乳酸を意味する。同様に、D−ポリ乳酸とは、D−乳酸もしくはD−ラクタイド由来の構造単位のみからなるポリ乳酸を意味する。
結晶性ポリ乳酸(A)は、L−乳酸もしくはL−ラクタイド由来の構造単位に対するD−乳酸もしくはD−ラクタイド由来の構造単位の割合が、100/0〜90/10あるいは0/100〜10/90であることが好ましく、より好ましくは100/0〜95/5あるいは5/95〜0/100、さらに好ましくは100/0〜98/2あるいは2/98〜0/100である。L−乳酸もしくはL−ラクタイド由来の構造単位に対するD−乳酸もしくはD−ラクタイド由来の構造単位の割合が10%より多い場合あるいは90%よりも少ない場合には、得られる成形体が結晶化を示さないか、あるいは、得られる成形体の結晶化度が低くなる傾向にある。
結晶性ポリ乳酸(A)は、例えば、乳酸の縮合重合法や、乳酸の環状2量体であるラクタイドの開環重合法などで製造することができる。乳酸の縮合重合法とは、乳酸の有するカルボキシル基および水酸基をエステル化反応させる方法であり、例えば、L−乳酸もしくはD−乳酸またはこれらの混合物を高沸点溶媒存在下、減圧下で共沸脱水させる方法が挙げられる。また、ラクタイドの開環重合法とは、開環したラクタイド同士をエステル化反応させる方法であり、例えば、重合調整剤および重合触媒の存在下でL−ラクタイドまたはD−ラクタイドを開環させる方法が挙げられる。このとき、D−乳酸とL−乳酸の2量体であるDL−ラクタイドを併用してもよい。
結晶性ポリ乳酸(A)は、成形加工性や機械的特性の観点から、重量平均分子量が150,000〜300,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは180,000〜300,000の範囲である。結晶性ポリ乳酸(A)の重量平均分子量が、かかる範囲内であると、適度な溶融粘度が得られ易く、また、十分な機械特性や成形加工性が得られ易い。
ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)は、ポリヒドロキシカルボン酸(X)とポリエステル(Y)とを共重合させた共重合体である。ポリエステル(Y)は二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるものである。このポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)は、ポリヒドロキシカルボン酸(X)部分が結晶性ポリ乳酸(A)に対して良好な相溶性を呈し、また、ポリエステル(Y)部分が結晶化開始点として良好に作用するので、高性能な透明結晶核剤として機能する。そのため、結晶性ポリ乳酸(A)にこのポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)を配合することにより、言わば、組成物中に結晶開始点を均一に一定量存在させることができるようになり、その結果、結晶化時の結晶サイズが制限されるなどして、得られる成形体において、高い透明性と高耐熱性とが発現される。
上記(X)および(Y)の共重合の構造としては、例えば、XY型のブロック共重合体、XYX型のブロック共重合体、ランダム共重合体、およびこれらの混合物などが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。これらの中でも、結晶性ポリ乳酸(A)との相溶性が良好であり、結晶性ポリ乳酸(A)の結晶化開始点として組成物中に均一に存在させ易く、また、結晶性ポリ乳酸(A)よりも先に結晶化させ易いという観点から、XY型ブロック共重合体であることが好ましい。
ポリヒドロキシカルボン酸(X)は、分子内にヒドロキシル基を有する脂肪族カルボン酸類の繰り返し単位からなるものであれば、特に限定されるものではない。ポリヒドロキシカルボン酸(X)の具体例としては、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシ吉草酸の他、脂肪族カルボン酸の環状エステル、例えば、グリコール酸の2量体であるグリコライドや、6−ヒドロキシ吉草酸の環状エステルであるε−カプロラクトンなどが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。これらのなかでも、結晶性ポリ乳酸(A)との相溶性などを考慮すると、ポリ乳酸が好ましい。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて、使用することができる。また、ポリ乳酸のように繰り返し単位中に不斉炭素を有する場合、L体およびD体の混合比率は特に限定されず、例えば、ラセミ体であってもよい。
また、ポリヒドロキシカルボン酸(X)は、結晶性ポリ乳酸(A)の機械的物性や溶融成形性などを阻害しないために、重量平均分子量が5,000〜300,000の範囲にあることが好ましく、より好ましくは10,000〜300,000の範囲であり、さらに好ましくは15,000〜250,000の範囲である。
ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)は、ポリヒドロキシカルボン酸(X)を共重合割合で40%以上含むことが好ましい。ポリヒドロキシカルボン(X)の共重合割合が40%よりも少なくなると、ポリ乳酸との相溶性が低下し、透明性が阻害され、機械物性が低下する傾向にある。また、ポリヒドロキシカルボン酸(X)としてポリ乳酸を用いる場合、結晶性ポリ乳酸(A)との相溶性などの観点から、ポリ乳酸の使用割合は、ポリヒドロキシカルボン酸(X)の全量に対し50質量%以上であることが好ましく、より好ましくは60質量%以上である。
二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)より誘導されるポリエステル(Y)は、上述したように、結晶性ポリ乳酸(A)の結晶化開始点としての機能をより一層高める観点から、結晶性を有していることが好ましい。
二価アルコール(Y1)は、鎖状単価水素系鎖あるいは脂環式単価水素系鎖を有する脂肪族二価アルコールであることが好ましく、炭素数が2〜45の脂肪族カルボン酸であることがより好ましい。二価アルコール(Y1)の具体例としては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、プロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、3,3−ジエチル−1.3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、n−ブトキシエチレングリコール、シクロヘキサンジメタノール、ダイマージオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、キシリレングリコール、フェニルエチレングリコールなどが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて、使用することができる。その併用例としては、例えば、プロピレングリコールとポリエチレングリコール、エチレングリコールと1,4−ブタンジオールなどが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
二塩基酸(Y2)は、鎖状単価水素系鎖や脂環式炭素系鎖を有する脂肪族ジカルボン酸、または芳香族環を有する芳香族カルボン酸であることが好ましく、炭素原子数4〜45の脂肪族ジカルボン酸、または炭素原子数8〜45の芳香族ジカルボン酸がより好ましい。二塩基酸(Y2)の具体例としては、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、ダイマー酸、フマル酸などの脂肪族カルボン酸や、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸がなど挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。これらは、単独でまたは2種以上を組み合わせて、使用することができる。その併用例としては、例えば、テレフタル酸とアジピン酸、セバシン酸とダイマー酸などが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
ポリ乳酸系樹脂組成物は、上記の結晶性ポリ乳酸(A)およびポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)の他に、さらに可塑剤(C)3〜20重量部を含有するものであることが好ましい。可塑剤(C)を配合することにより、ガラス転移点を低下させることができ、これにより、柔軟性の付与や結晶化を促進することが可能となり、成形時間の短縮も可能となる。
可塑剤(C)は、常温で液状のものが好ましい。このような常温で液状の可塑剤(C)は、一般に結晶性ポリ乳酸(A)およびポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)に対する相溶性が良好であり、かかる常温で液状の可塑剤(C)を用いることにより、結晶間にその可塑剤(C)が満たされて微妙な屈折率の差が補正されるなどした結果、透明性がさらに高められ得る。可塑剤(C)の具体例としては、例えば、脂肪族多価カルボン酸エステル、脂肪族多価アルコールエステル、オキシ酸エステル、天然油脂およびその他の誘導体などが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
脂肪族多価カルボン酸エステルの具体例としては、例えば、ジメチルアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジイソブチルアジペート、ジブチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジブチルジグリコールアジペート、ジ(2−エチルヘキシル)アジペート、ジブチルセバケート、ジ(2−エチルヘキシル)セバケートなどが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
脂肪族多価アルコールエステルの具体例としては、例えば、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールモノフロピオネート、ジエチレングリコールモノブチレート、ジエチレングリコールジブチレート、ジエチレングリコールモノバレレート、ジエチレングリコールジバレレート、トリエチレングリコールモノアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、トリエチレングリコールモノプロピオネート、トリエチレングリコールジプロピオネート、トリエチレングリコールモノブチレート、トリエチレングリコールジブチレート、トリエチレングリコールモノバレレーと、トリエチレングリコールジバレレート、トリアセチン、グリセリントリプロピオネート、グリセリンジアセテートモノカプリレート、グリセリンジアセトモノラウレート、グリセリンジアセテトモノオレート、テトラグリセリンカプリレート、デカグリセリンラウレート、デカグリセリンオレートなどが挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
オキシ酸エステルの具体例としては、例えば、アセチルリシノール酸メチル、アセチルリシノール酸ブチル、アセチルトリブチルクエン酸などが挙げられる。
天然油脂およびそれらの誘導体としては、大豆油、ひまし油、桐油、菜種油などの天然油脂やエポキシ化大豆油などの誘導体が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
天然油脂およびそれらの誘導体としては、大豆油、ひまし油、桐油、菜種油などの天然油脂やエポキシ化大豆油などの誘導体が挙げられるが、これらに特に限定されるものではない。
また、可塑剤(C)は、分子量が3000以下であることが好ましい。分子量が3000以下の可塑剤(C)を用いることにより、結晶化時の結晶化速度が向上されて透明性が高められ得るとともに、得られる成形体の剛性(耐衝撃性)が向上され得る。
なお、ポリ乳酸系樹脂組成物は、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、難燃剤、内部離型剤、無機添加剤、帯電防止剤、表面濡れ改善剤、焼却補助剤、顔料など滑剤などを含有していてよい。
(ポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法)
次に、ポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法について説明する。本実施形態では、上述したポリ乳酸系樹脂組成物を含むシートを加熱して軟化させ、その後、軟化したシートを80〜130℃の金型温度で5秒以上、金型内で保持して除冷しながらポリ乳酸系透明耐熱成形体を作製する。
次に、ポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法について説明する。本実施形態では、上述したポリ乳酸系樹脂組成物を含むシートを加熱して軟化させ、その後、軟化したシートを80〜130℃の金型温度で5秒以上、金型内で保持して除冷しながらポリ乳酸系透明耐熱成形体を作製する。
このようにポリ乳酸系樹脂シートを加熱して軟化させ、その後、軟化したシートを特定条件下で除冷しながら成形することにより、透明性及び耐熱性に優れるポリ乳酸系透明耐熱成形体を、再現性良く安定して得ることができる。また、このようにすると、上記のX線解析による(1)および(2)のプロファイルを満たす結晶構造を有するポリ乳酸系透明耐熱成形体を得ることが可能となる。
ポリ乳酸系透明耐熱成形体の金型成形方法としては、例えば、射出成形、ブロー成形、プレス成形、真空成形、圧空成形、真空圧空成形などが挙げられる。これらの中でも、真空成形、圧空成形、真空圧空成形は、成形金型の形状を変えることが容易で多品種大量生産に適しており、真空あるいは圧空により、成形時間を短縮できる利点がある。また、真空成形法、圧空成形法および真空圧空成形法においては、例えば、後述するプラグアシストを必要に応じて利用することにより、深絞り形状の剛性容器を比較的容易に得ることができる利点もある。具体的には、開口部を有する有底筒状の剛性容器(成形体)であって、その開口部における成形体高さHと該開口部の直径Wとの割合H/Wが0.3以上1.2以下である剛性容器(成形体)の作製が可能である。したがって、これらの成形方法は、形状が比較的単純で様々な大きさのある食品保存用容器などの剛性を有する剛性容器の生産において好ましく用いられる。ここで、剛性容器とは、JIS Z 0108に定義されるように、樹脂製、金属製あるいはガラス製などの缶、びん、たる、箱などの剛性に富む容器のことを指す。
以下、食品保存容器のような透明且つ高耐熱性の剛性容器(ポリ乳酸系透明耐熱成形体)を、ポリ乳酸系樹脂シートから真空成形により深絞り加工して製造する方法について説明する。真空成形は、成形前加熱ゾーンにてシートを賦形に適した状態に軟化した後、その軟化されたシートを真空成形機の金型上に配置し、金型とシートとの間を減圧することにより、シートを成形金型に密着させて、成形金型の金型キャビティ形状と略同形状にシートを成形する方法である。
ポリ乳酸系樹脂シートは、上述したポリ乳酸系樹脂組成物を、常法にしたがって、シート状に製膜することにより得ることができる。このポリ乳酸系樹脂シートの作製は、特に限定されるものではなく、例えば、Tダイ法、インフレーション法、カレンダー法などの公知の手法により行えばよい。上述したポリ乳酸系樹脂組成物からなるポリ乳酸系樹脂シートを工業的に効率良く生産することを考慮すると、Tダイ法、インフレーション法を採用することが好ましく、数百μm程度の厚みのシートを作製する場合には、Tダイ法を採用することが好ましい。なお、ポリ乳酸系樹脂シートの製造時には、結晶性ポリ乳酸(A)あるいはポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)と必要に応じて配合される可塑剤(C)などの添加剤を溶融混練により押し出してペレット化した後、再度、そのペレットを押出機に投入してシート状に成形してもよい。また、分散性を高めるために溶融混練工程を複数回行ってもよい。ただし、この場合には結晶性ポリ乳酸(A)やポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)、可塑剤(C)などの熱分解が予想されるため、溶融混練工程を3回程度までに留めることが好ましい。
Tダイ法により上記のポリ乳酸系樹脂組成物からポリ乳酸系樹脂シートを製造するには、例えば、単軸あるいは2軸押出機のホッパーに各成分を所定の割合で供給し、シリンダー温度180〜230℃およびTダイ温度190〜230℃にて加熱し、溶融混練して押し出し、30〜65℃の温度範囲に設定されたキャストロールにて冷却する。ポリ乳酸系樹脂シートの厚みは、成形時の絞り比や成形後の成形体の目標厚みなどにより決定すればよいが、通常、150〜1000μm程度である。作製されたポリ乳酸系樹脂シートの使用態様は、特に限定されるものではなく、例えば、キャストロールにて冷却後、未延伸シートのまま巻回体の状態で保管し、その後、成形時に巻回体からシートを繰り出して使用しても、冷却後の未延シートをそのまま引き続き真空成形機へ導いて使用してもよい。
次に、ポリ乳酸系樹脂シートを、成形前加熱ゾーンにて賦形に適した状態まで軟化させる。このように賦形に適した状態にシートを軟化させることにより、得られる成形体の残留歪みを制御することが可能となる。この予備加熱温度は、特に限定されるものではないが、ポリ乳酸系樹脂シートのガラス転移温度+5℃以上、融点+10℃以下未満であることが好ましく、示差走査熱量計(DSC)を用いてJIS K 7121に準じた方法で測定される冷結晶化温度Tc(昇温時結晶化温度Tch)に対して、Tc−20℃以上Tc+40℃以下の範囲であることがより好ましく、さらに好ましくはTc−20℃以上Tc+20℃以下である。このような温度設定にすることによって、成形金型の金型キャビティ形状を再現することができる程度に、ポリ乳酸系樹脂シートを軟化させることができ、また、結晶開始点の溶融が生じ難くなるので、得られるポリ乳酸系成形品において高耐熱性が発現され易くなる。なお、この予備加熱は、例えば、予熱炉や赤外線ヒータなどを用いて行うことができ、具体的には、設定温度を200〜600℃程度にした予熱炉や赤外線ヒータを用いて、その輻射熱を利用して行うことができる。
次いで、軟化したポリ乳酸系樹脂シートを真空成形機の成形金型上に導き、所定温度に温調された成形金型を用いて真空成形を行う。
製品の絞り比にもよるが、一般に、深絞りとよばれる製品の場合には、真空成形時にプラグを用いることが好ましい。このような所謂プラグアシストによる金型成形によれば、得られる成形体の厚みが均一化し易く、また、成形金型の金型キャビティ形状と略同一の形状の成形体が得られ易い。ここで用いるプラグは、一般的に、成形金型の凹型の金型キャビティと対応する略相似の凸型の成形金型であり、このプラグを予備加熱されたシートを凹型の中に押し込むことにより、真空吸引されるシートを凹型の金型キャビティ表面へ密着させることを助けるものである。このようなプラグアシストによる金型成形を行なうことにより、外観が良好で、且つ、部位によって透明性や耐熱性などの性能の差が少ない、品質の高い製品を得ることが容易となる。
ここで、結晶性樹脂シートを用いた真空成形の場合、得られる成形体において、成形金型形状(金型キャビティ形状)を再現するためには、通常、シートをTg以下で急冷して形状を固定する、あるいは、結晶化により形状を固定する、のいずれかの方法が採られる。しかしながら、急冷による形状の固定では、結晶性樹脂の結晶化が殆ど進行せずに非晶状態となるため、前記(1)のプロファイルを満たす結晶構造を実現することができず、得られる成形体において高耐熱性を期待することができない。
したがって、高透明且つ高耐熱性のポリ乳酸系成形体を実現するためには、金型成形時に、予備加熱して軟化させたポリ乳酸系樹脂シートを成形金型内にて所定条件下で除冷しながら適度に結晶化させつつ形状を固定する(成形する)ことが重要となる。このようにすると、前記(1)および(2)のプロファイルを満たす結晶構造を有し、所望のシート形状を有する、高透明且つ高耐熱性のポリ乳酸系透明耐熱成形体を得ることもできる。
ポリ乳酸系樹脂シートを成形金型内にて除冷しながらポリ乳酸系透明耐熱成形体を成形する方法は、特に限定されるものではないが、例えば、調温された成形金型内にポリ乳酸系樹脂シートを所定時間保持することによって行うことができる。以下、その除冷成形条件につき詳述する。
成形金型の温度は、80〜130℃であることが好ましく、より好ましくは90〜125℃、さらに好ましくは100〜120℃である。金型温度が80℃以上であれば、形状を固定するのに十分な程度に、結晶化させることができる。また、金型温度が130℃以下であれば、結晶の融解を抑制できるとともに、高耐熱性が発現され易くなり、また、成形金型に軟化したシートが密着することを避けることができるので、生産性が高められる。さらに、上記の温度条件の範囲であれば、例えば、3秒程度の真空吸引時間で形状を固定することも可能となり、生産性が高められる。これらの観点から、上記の金型温度は、Tc−20℃以上Tc+30℃以下と置き換えてもよい。なお、プラグアシストあるいは真空圧空成形の場合には、プラグの温度を、金型温度より−10℃低い温度以上同一温度とすることが好ましい。プラグの温度が金型温度よりも極端に低いと、均一な厚みの成形体が得られ難くなる。また、プラグの温度が金型温度よりも極端に高くなると、シートの一部において、溶融や破れ、薄肉化などが生じ易くなる傾向にある。
成形金型による除冷成形時間は、前記の成形金型の設定温度範囲内であれば、5秒以上が好ましく、より好ましくは10秒以上である。かかる条件下で成形金型による除冷成形を行うことにより、結晶化を十分に進行させることができるとともに形状の固定を安定して行えるので、これにより、前記(1)および(2)のプロファイルを満たす結晶構造を有し、所望のシート形状を有する、高透明且つ高耐熱性のポリ乳酸系成形体を実現することが可能となる。
(ポリ乳酸系透明耐熱成形体)
次に、ポリ乳酸系透明耐熱成形体について説明する。本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体は、結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形され、且つ、上記(1)および(2)のプロファイルを満たすものである。
次に、ポリ乳酸系透明耐熱成形体について説明する。本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体は、結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形され、且つ、上記(1)および(2)のプロファイルを満たすものである。
かかる構成のポリ乳酸系透明耐熱成形体は、高透明且つ高耐熱性を奏するものとなる。その作用機構の詳細は、未だ明らかではないものの、以下のように推定される。
一般に、樹脂の透明性は、光を散乱する原因となる光の波長と同程度以上の大きさの結晶あるいは異成分が存在するか、あるいは、非晶部分と結晶部分の光の屈折率が大きく異なるときに阻害される。通常、ポリ乳酸系組成物からなる成形体は、結晶化速度が非常に遅いので、成形直後では非晶性となることが多い。このような非晶性のポリ乳酸系樹脂成形体は、光を散乱する原因となる結晶が殆ど存在しないので、優れた透明性を有している一方で、結晶性化度が低いので、耐熱性に劣るものとなる。そのため、先行文献などにも記載がある通り、結晶核剤を利用して結晶化速度を速め、耐熱性を向上させる試みはこれまでにも行われているが、一般的な結晶核剤を利用すると、光の散乱が起こり、透明性が阻害されるという問題がある。
一般に、樹脂の透明性は、光を散乱する原因となる光の波長と同程度以上の大きさの結晶あるいは異成分が存在するか、あるいは、非晶部分と結晶部分の光の屈折率が大きく異なるときに阻害される。通常、ポリ乳酸系組成物からなる成形体は、結晶化速度が非常に遅いので、成形直後では非晶性となることが多い。このような非晶性のポリ乳酸系樹脂成形体は、光を散乱する原因となる結晶が殆ど存在しないので、優れた透明性を有している一方で、結晶性化度が低いので、耐熱性に劣るものとなる。そのため、先行文献などにも記載がある通り、結晶核剤を利用して結晶化速度を速め、耐熱性を向上させる試みはこれまでにも行われているが、一般的な結晶核剤を利用すると、光の散乱が起こり、透明性が阻害されるという問題がある。
これに対し、意外なことに、上記のポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)を結晶性ポリ乳酸(A)に加えることにより、光の透過を阻害することなく結晶性を高めることが可能となった。通常、結晶核剤は主原料となる高分子量成分に対して、分子量の極めて小さいものを指すが、透明核剤の役割を担うポリヒドロキシカルボン酸系系共重合体(B)は、結晶性ポリ乳酸(A)と同等程度の分子量を持ち得る。しかしながら、ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)は、結晶性ポリ乳酸(A)に対して相溶性の良好なポリヒドロキシカルボン酸(X)部分と、結晶開始点となり得る部分、具体的には、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)から誘導されるポリエステル(Y)部分とが、ある一定の繰り返し単位を持った状態で存在している。このように、結晶開始点となり得るポリエステル(Y)部分が組成物中に多数かつ均一に存在することにより、結果的に、結晶化時における結晶核生成速度が飛躍的に高められ、これにより、結晶成長速度よりも結晶核生成速度が優位になって、多数の微結晶が形成され易くなると考えられる。
すなわち、本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体は、透明核剤として機能し得るポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)が存在することにより、光の波長よりも小さい結晶が多数存在する構造体になっていると考えられる。一方、このポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)に代えて、例えば、ポリブチレンサクシネートのような他のポリエステルを用いた場合は、不透明な成形体しか得られない。したがって、高透明且つと高耐熱性を発現させるためには、結晶性ポリ乳酸(A)に対する相溶性が良好なポリヒドロキシカルボン酸(X)部分と結晶開始点として機能し得るポリエステル(Y)部分とを併せ持つポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)を、結晶性ポリ乳酸(A)と併用することが重要となる。
一方、可塑剤(C)は、一般に、組成物中において結晶化を促進させる機能を有する。また、可塑剤(C)を組成物に加えると、通常、ガラス転移点が低下する。その理由は定かではないが、可塑剤(C)を組成物に加えることにより、分子の運動自由度が増して組成物に柔軟性が付与され、結晶化に伴う分子の再配列のエネルギーが少なくなった結果、結晶化が容易に促進するためと考えられる。さらに、常温で液状の可塑剤(C)は、結晶化を促進する機能と透明性を向上させる機能を併せ持つ。その理由は定かではないが、常温で液状の可塑剤(C)は、結晶間に満たされることにより微妙な結晶間の屈折率の差を補正する機能を有すると考えられる。
これら結晶性ポリ乳酸(A)およびポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)を、好ましくはさらに可塑剤(C)を用いることにより、高透明且つ高耐熱性を発現するための潜在能力を組成物に与えることは可能であるが、実際にそのような性能を発現させるためには、前述の通り、適切な条件下で結晶化させることが重要となる。
本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体の結晶構造は、X線解析により、以下のように、確認することができる。
まず、本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体について、透過法広角X線解析(透過法WAXS)を行うことにより、前記(1)の結晶構造である2θ=10〜25°の範囲においてピークが存在し、且つ2θ=15〜17°の範囲において最も高いピークを示すプロファイルを得ることができる。このプロファイルは、ポリ乳酸が結晶化している場合に観測されるものであり、主原料であるポリ乳酸が結晶化することにより、耐熱性を発現することが可能な状態になっていると判断される。
まず、本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体について、透過法広角X線解析(透過法WAXS)を行うことにより、前記(1)の結晶構造である2θ=10〜25°の範囲においてピークが存在し、且つ2θ=15〜17°の範囲において最も高いピークを示すプロファイルを得ることができる。このプロファイルは、ポリ乳酸が結晶化している場合に観測されるものであり、主原料であるポリ乳酸が結晶化することにより、耐熱性を発現することが可能な状態になっていると判断される。
また、本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体について、透過法小角X線解析(透過法SAXS)を行うことにより、前記(2)の結晶構造である2θ=0.3〜0.8°の範囲において半値全幅(FWHM)が0.23°以上のピークを示すプロファイルを得ることができる。この透過法SAXSの測定で得られるFWHMは、ラメラ層の重なり数の逆数に依存しているので、FWHMの値が小さい程、ラメラ層の重なり数が多いことを示す。通常、結晶性ポリ乳酸(A)単体のFWHMは0.2°程度である。すなわち、本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体は、結晶性ポリ乳酸(A)単体からなる成形体に比べて、ラメラ層の重なり数が少ないことを示している。ラメラ層の重なり数が少ないということは、本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体に含まれる結晶集合体の大きさが、結晶性ポリ乳酸(A)単体からなる成形体に比べて、小さいことを示している。
以上のように、X線解析の結果を総合的に判断すると、本実施形態のポリ乳酸系透明耐熱成形体は、微小結晶が多数存在した構造を有しており、微小結晶の集合体となっているために、高い透明性が発現され、また、結晶化が進行しているために、耐熱性が発現されたものと言える。このような構造は、結晶性ポリ乳酸(A)単体の成形加工では得られない構造であると言える。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものでない。なお、以下の実施例、比較例における各種物性値の測定方法は以下のとおりである。
(1)金型再現性
一連の成形工程中に成形体が成形金型の形状を再現できるかどうかについて、評価を行った。成形金型とほぼ同じ形状が再現できた場合には○、成形金型とほぼ同じであるが成形体中の一部に成形歪みによる白化が生じた場合には△、成形金型と全く異なる形状の成形体や成形体の一部に破れなどが生じた場合には×とした。
一連の成形工程中に成形体が成形金型の形状を再現できるかどうかについて、評価を行った。成形金型とほぼ同じ形状が再現できた場合には○、成形金型とほぼ同じであるが成形体中の一部に成形歪みによる白化が生じた場合には△、成形金型と全く異なる形状の成形体や成形体の一部に破れなどが生じた場合には×とした。
(2)離形性
一連の成形工程終了段階で成形体が成形金型より取り外される際の離形性について、評価を行った。成形金型から良好に取り外すことができた場合には○、一部樹脂が成形金型に貼り付くことで成形体が変形した場合には△、成形金型に樹脂が強固に貼り付き破れなどを生じた場合には×とした。
一連の成形工程終了段階で成形体が成形金型より取り外される際の離形性について、評価を行った。成形金型から良好に取り外すことができた場合には○、一部樹脂が成形金型に貼り付くことで成形体が変形した場合には△、成形金型に樹脂が強固に貼り付き破れなどを生じた場合には×とした。
(3)透過法WAXS
成形体のうち、平面性が確保できる任意の位置を15mm×15mmの大きさで切り出して、測定試料とした。この試料に対し、X線(ビーム径:0.25mm)を試料の法線方向から入射し、透過してきた散乱を2次元検出器であるイメージングプレートで検出した。測定の際のその他条件としては、カメラ長70mm、測定時間1800秒とした。得られた2次元パターンを円環平均することにより1次元散乱プロファイルを得た。1次元散乱プロファイルにより2θ=10〜25°の範囲にピークが現れかつ2θ=15〜17°に最も強いピークが観測できる場合には○、観測できない場合には×とした。
成形体のうち、平面性が確保できる任意の位置を15mm×15mmの大きさで切り出して、測定試料とした。この試料に対し、X線(ビーム径:0.25mm)を試料の法線方向から入射し、透過してきた散乱を2次元検出器であるイメージングプレートで検出した。測定の際のその他条件としては、カメラ長70mm、測定時間1800秒とした。得られた2次元パターンを円環平均することにより1次元散乱プロファイルを得た。1次元散乱プロファイルにより2θ=10〜25°の範囲にピークが現れかつ2θ=15〜17°に最も強いピークが観測できる場合には○、観測できない場合には×とした。
(4)透過法SAXS
前記透過法WAXSで用いた測定試料を用い、この試料に対し、X線(ビーム径:0.25mm)を試料の法線方向から入射し、透過してきた散乱を2次元検出器であるイメージングプレートで検出した。測定の際のその他条件としては、カメラ長51.5mm、測定時間1800秒とした。得られた2次元パターンを円環平均することにより1次元散乱プロファイルを得た。1次元散乱プロファイルから得られた結晶長周期由来の散乱ピークの半値全幅(FWHM)を算出し、0.23°より小さい場合には結晶サイズが大きいことを示すため×、0.23°以上の場合には○とした。
前記透過法WAXSで用いた測定試料を用い、この試料に対し、X線(ビーム径:0.25mm)を試料の法線方向から入射し、透過してきた散乱を2次元検出器であるイメージングプレートで検出した。測定の際のその他条件としては、カメラ長51.5mm、測定時間1800秒とした。得られた2次元パターンを円環平均することにより1次元散乱プロファイルを得た。1次元散乱プロファイルから得られた結晶長周期由来の散乱ピークの半値全幅(FWHM)を算出し、0.23°より小さい場合には結晶サイズが大きいことを示すため×、0.23°以上の場合には○とした。
(5)耐熱性
開口部の直径と成形体の高さを予め測定しておいた成形体を、成形体より大きくかつ平滑で成形体の重量に十分耐えられる厚さを有した耐熱性板に載せ、予め150℃に調整した空気撹拌機付恒温槽にいれて1時間保持した後、耐熱性板ごと取り出し、常温(20±15℃)で30分間放冷後、成形体の開口部の直径と成形体の高さを測定した。成形体の開口部の直径と成形体の高さから成形体を円筒体と仮定し、耐熱性評価前後の容積の変化率を算出した。容積変化率が5%以下の場合には○、5%より大きく20%以下の場合には△、20%より大きい場合には×とした。
仮想円筒体の容積=π×(成形体の開口部の半径)の2乗×(成形体の高さ)
容積変化率(%)=100×(耐熱性測定前の仮想円筒体の容積−耐熱性測定後の仮想円筒体の容積)/(耐熱性測定前の仮想円筒体の容積)
開口部の直径と成形体の高さを予め測定しておいた成形体を、成形体より大きくかつ平滑で成形体の重量に十分耐えられる厚さを有した耐熱性板に載せ、予め150℃に調整した空気撹拌機付恒温槽にいれて1時間保持した後、耐熱性板ごと取り出し、常温(20±15℃)で30分間放冷後、成形体の開口部の直径と成形体の高さを測定した。成形体の開口部の直径と成形体の高さから成形体を円筒体と仮定し、耐熱性評価前後の容積の変化率を算出した。容積変化率が5%以下の場合には○、5%より大きく20%以下の場合には△、20%より大きい場合には×とした。
仮想円筒体の容積=π×(成形体の開口部の半径)の2乗×(成形体の高さ)
容積変化率(%)=100×(耐熱性測定前の仮想円筒体の容積−耐熱性測定後の仮想円筒体の容積)/(耐熱性測定前の仮想円筒体の容積)
(6)透明性
UV−VISスペクトルメータを用い、試料のX線測定部位における透過率Tを測定した、測定の際、入射ビームを5mmφのピンホールで制御することで、透過法SAXS測定位置周辺における透過率を得た。0.5mmにおける550nmの可視光に対する透過率を透明性の指標とし、50%以上の場合◎、30%以上50%未満の場合○、10%以上30%未満の場合△、10%未満の場合×とした。
UV−VISスペクトルメータを用い、試料のX線測定部位における透過率Tを測定した、測定の際、入射ビームを5mmφのピンホールで制御することで、透過法SAXS測定位置周辺における透過率を得た。0.5mmにおける550nmの可視光に対する透過率を透明性の指標とし、50%以上の場合◎、30%以上50%未満の場合○、10%以上30%未満の場合△、10%未満の場合×とした。
なお、実施例1〜10および比較例1〜8に記載のポリ乳酸、ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体、その他のポリエステル、液状可塑剤は下記のとおりである。
A−1:結晶性ポリ乳酸(L/D=98.6/1.4wt%、MW=20万)
A−2:結晶性ポリ乳酸(L/D=96/4wt%、MW=20万)
A−3:非晶性ポリ乳酸(L/D=88/12wt%、MW=20万)
B−1:乳酸系共重合体(大日本インキ工業社製、プラメートPD−350)
B−2:乳酸系共重合体(大日本インキ工業社製、プラメートPD−150)
B−3:ポリブチレンサクシネート(三菱化学社製、GS−PLa)
B−4:ポリブチレンアジペート/テレフタレート(BASF社製、Ecoflex)
C−1:グリセリンジアセトモノ(C8・C10)エステル(理研ビタミン社製、リケマールPL−019)
C−2:アセチルトリブチルシトレート(旭化成ファインケム社製、ATBC)
C−3:ポリグリセリン酢酸エステル(理研ビタミン社製、リケマールPL−710)
A−1:結晶性ポリ乳酸(L/D=98.6/1.4wt%、MW=20万)
A−2:結晶性ポリ乳酸(L/D=96/4wt%、MW=20万)
A−3:非晶性ポリ乳酸(L/D=88/12wt%、MW=20万)
B−1:乳酸系共重合体(大日本インキ工業社製、プラメートPD−350)
B−2:乳酸系共重合体(大日本インキ工業社製、プラメートPD−150)
B−3:ポリブチレンサクシネート(三菱化学社製、GS−PLa)
B−4:ポリブチレンアジペート/テレフタレート(BASF社製、Ecoflex)
C−1:グリセリンジアセトモノ(C8・C10)エステル(理研ビタミン社製、リケマールPL−019)
C−2:アセチルトリブチルシトレート(旭化成ファインケム社製、ATBC)
C−3:ポリグリセリン酢酸エステル(理研ビタミン社製、リケマールPL−710)
[実施例1]
結晶性ポリ乳酸(A)としてA−1、ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)としてB−1を80/20重量部の割合で配合し、シリンダー温度を180〜200℃に設定した2軸押出機にて溶融混練した後、ダイ温度190℃のTダイよりシート状にて押出し、60℃に設定したキャストロールにて冷却、巻き取ることで厚み800μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートの表面は平滑で、透明性に優れたものであった。
この未延伸シートを用いて、脇坂エンジニアリング社製超小型真空圧空成形機FVS−500型を用いて真空圧空成形を行った。予備加熱温度430℃に設定した予熱炉に300mm角にカットした前記未延伸シートを入れて15秒、予熱軟化した後、金型温度100℃の真空圧空成形機を用いて、軟化未延伸シートを金型内にて17秒間保持することにより、開口部直径120mm、深さ60mmの円筒形の成形品を成形した。
得られた成形品のうち、側面部あるいは底面部より15mm角の試験片を切り出し、金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率の測定を各々行った。透過法SAXSの結果、2θ=0.3〜0.8の範囲に現れたピークのFWHMは0.25°であった。また、試験片を切り出す前の成形品を150℃に設定された恒温槽内に放置して耐熱性評価を行った。また、得られた成形体は良好な生分解性を示した。各種評価結果を、表1に示す。
結晶性ポリ乳酸(A)としてA−1、ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)としてB−1を80/20重量部の割合で配合し、シリンダー温度を180〜200℃に設定した2軸押出機にて溶融混練した後、ダイ温度190℃のTダイよりシート状にて押出し、60℃に設定したキャストロールにて冷却、巻き取ることで厚み800μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートの表面は平滑で、透明性に優れたものであった。
この未延伸シートを用いて、脇坂エンジニアリング社製超小型真空圧空成形機FVS−500型を用いて真空圧空成形を行った。予備加熱温度430℃に設定した予熱炉に300mm角にカットした前記未延伸シートを入れて15秒、予熱軟化した後、金型温度100℃の真空圧空成形機を用いて、軟化未延伸シートを金型内にて17秒間保持することにより、開口部直径120mm、深さ60mmの円筒形の成形品を成形した。
得られた成形品のうち、側面部あるいは底面部より15mm角の試験片を切り出し、金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率の測定を各々行った。透過法SAXSの結果、2θ=0.3〜0.8の範囲に現れたピークのFWHMは0.25°であった。また、試験片を切り出す前の成形品を150℃に設定された恒温槽内に放置して耐熱性評価を行った。また、得られた成形体は良好な生分解性を示した。各種評価結果を、表1に示す。
[実施例2]
結晶性ポリ乳酸(A)としてA−1、ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)としてB−1、液状添加剤(C)としてC−1を76/19/5重量部の割合で配合し、シリンダー温度を180〜200℃に設定した2軸押出機にて溶融混練した後、ダイ温度190℃のTダイよりシート状にて押出し、60℃に設定したキャストロールにて冷却、巻き取ることで厚み800μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートの表面は平滑で、透明性に優れたものであった。
この未延伸シートを用いて、予備加熱温度430℃、保持時間を15秒に設定すること以外は、実施例1と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表1に示す。なお、透過法SAXSの結果、2θ=0.3〜0.8の範囲に現れたピークのFWHMは0.31°であった。
結晶性ポリ乳酸(A)としてA−1、ポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)としてB−1、液状添加剤(C)としてC−1を76/19/5重量部の割合で配合し、シリンダー温度を180〜200℃に設定した2軸押出機にて溶融混練した後、ダイ温度190℃のTダイよりシート状にて押出し、60℃に設定したキャストロールにて冷却、巻き取ることで厚み800μmの未延伸シートを得た。得られた未延伸シートの表面は平滑で、透明性に優れたものであった。
この未延伸シートを用いて、予備加熱温度430℃、保持時間を15秒に設定すること以外は、実施例1と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表1に示す。なお、透過法SAXSの結果、2θ=0.3〜0.8の範囲に現れたピークのFWHMは0.31°であった。
[実施例3]
実施例2にて作成された未延伸シートを用い、金型温度を120℃に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表1に示す。
実施例2にて作成された未延伸シートを用い、金型温度を120℃に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表1に示す。
[実施例4]
実施例2にて作成された未延伸シートを用い、保持時間を120秒に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表1に示す。
実施例2にて作成された未延伸シートを用い、保持時間を120秒に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表1に示す。
[実施例5〜10]
未延伸シートの組成(PLAと乳酸系共重合体、液状可塑剤)および配合比を表2および表3に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表2および表3に示す。
未延伸シートの組成(PLAと乳酸系共重合体、液状可塑剤)および配合比を表2および表3に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表2および表3に示す。
[比較例1]
実施例2にて作成された未延伸シートを用いて、実施例2の方法に準じ、金型温度を実験室雰囲気温度である20℃に設定して、真空圧空成形を行った。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表4に示す。なお、透過法WAXS、透過法SAXSの測定では、いずれもピークを観測することができなかった。
実施例2にて作成された未延伸シートを用いて、実施例2の方法に準じ、金型温度を実験室雰囲気温度である20℃に設定して、真空圧空成形を行った。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表4に示す。なお、透過法WAXS、透過法SAXSの測定では、いずれもピークを観測することができなかった。
[比較例2]
比較例1にて作成された成形品を100℃に設定された恒温槽内にて15秒のアニーリングを行った。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表4に示す。
比較例1にて作成された成形品を100℃に設定された恒温槽内にて15秒のアニーリングを行った。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表4に示す。
[比較例3]
実施例2にて作成された未延伸シートを用い、金型温度を60℃に変更すること以外は、実施例2の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を、表4に示す。
実施例2にて作成された未延伸シートを用い、金型温度を60℃に変更すること以外は、実施例2の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を、表4に示す。
[比較例4]
未延伸シートの組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表4に示す。
未延伸シートの組成を表4に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表4に示す。
[比較例5〜7]
未延伸シートの組成をポリ乳酸とその他ポリエステル、液状可塑剤の配合比を表5に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表5に示す。
未延伸シートの組成をポリ乳酸とその他ポリエステル、液状可塑剤の配合比を表5に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表5に示す。
[比較例8]
未延伸シートの組成を結晶性ポリ乳酸(A)単体に変更し、予備加熱温度480℃、金型温度120℃、保持時間12000秒に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表5に示す。なお、透過法SAXSの測定で、2θ=0.3〜0.8°の範囲にFWHMが0.21°のピークが得られた。
未延伸シートの組成を結晶性ポリ乳酸(A)単体に変更し、予備加熱温度480℃、金型温度120℃、保持時間12000秒に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表5に示す。なお、透過法SAXSの測定で、2θ=0.3〜0.8°の範囲にFWHMが0.21°のピークが得られた。
[比較例9]
比較例8にて作成した未延伸シートを用い、金型温度を実験室雰囲気温度である20℃に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表5に示す。なお、透過法WAXS、透過法SAXSの測定では、いずれもピークを観測することができなかった。
比較例8にて作成した未延伸シートを用い、金型温度を実験室雰囲気温度である20℃に変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表5に示す。なお、透過法WAXS、透過法SAXSの測定では、いずれもピークを観測することができなかった。
[比較例10〜12]
実施例2にて作成した未延伸シートを用い、金型温度および保持時間を表6に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表6に示す。なお、比較例10においては、透過法SAXSにおいてピークを観測することができなかった。
実施例2にて作成した未延伸シートを用い、金型温度および保持時間を表6に示すように変更すること以外は、実施例2と同様の方法で成形した。得られた成形品の金型再現性、離型性、透過法WAXS、透過法SAXS、透過率、耐熱性の評価結果を表6に示す。なお、比較例10においては、透過法SAXSにおいてピークを観測することができなかった。
本発明の成形体はポリ乳酸系樹脂を主原料として用いながら、透明性と耐熱性を両立し、汎用樹脂に比べて環境への負荷が小さいという特徴をもつ。本発明の成形体の耐熱性は電子レンジでも使用可能な食品保存容器を例にあげて説明したが、その他、高温状況下での寸法安定性と視認性を必要とする分野に対しても応用が可能である。また、従来のポリ乳酸製品とは異なり透明性を確保することができるために、意匠性も従来のものに比べて優れたものとなる。
Claims (12)
- 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を含むシートを準備する工程と、
前記シートを加熱して軟化させる工程と、
軟化した前記シートを、80〜130℃の金型温度で5秒以上、金型内で保持して除冷しながら成形体を作製する工程と、
を有する、ポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。 - 前記シートを、真空成形法、圧空成形法および真空圧空成形法のいずれか1の方法により、金型内で保持して除冷しながら成形体を作製する、
請求項1に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。 - 深絞り形状の成形体を作製する、
請求項1または請求項2に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。 - 開口部を有する有底筒状の成形体であって、該開口部における成形体高さHと該開口部の直径Wとの割合H/Wが0.3以上1.2以下である成形体を作製する、
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。 - 前記ポリ乳酸系樹脂組成物は、さらに、可塑剤(C)3〜20重量部を含有する、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。 - 前記可塑剤(C)は、常温で液体である、
請求項5に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。 - 下記(1)および(2)のプロファイル:
(1)広角X線測定において、2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、2θ=15〜17°の範囲にピーク強度が最も強い回折ピークが観察される;
(2)小角X線測定において、2θ=0.3〜0.8°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、その回折ピークの半値全幅(FWHM)が0.23°以上;
を満たす成形体を製造する、
請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体の製造方法。 - 結晶性ポリ乳酸(A)95〜55重量部、ならびに、ポリヒドロキシカルボン酸(X)、および、二価アルコール(Y1)と二塩基酸(Y2)とから誘導されるポリエステル(Y)を含むポリヒドロキシカルボン酸系共重合体(B)5〜45重量部を含有するポリ乳酸系樹脂組成物を用いて成形され、
下記(1)および(2)のプロファイル:
(1)広角X線測定において、2θ=10〜25°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、2θ=15〜17°の範囲にピーク強度が最も強い回折ピークが観察される;
(2)小角X線測定において、2θ=0.3〜0.8°の範囲に回折ピークが観察され、且つ、その回折ピークの半値全幅(FWHM)が0.23°以上;
を満たす、
ポリ乳酸系透明耐熱成形体。 - 深絞り形状の成形体である、
請求項8に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。 - 開口部を有する有底筒状の成形体であって、該開口部における成形体高さHと該開口部の直径Wとの割合H/Wが0.3以上1.2以下である成形体である、
請求項8または請求項9に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。 - 前記ポリ乳酸系樹脂組成物は、さらに、可塑剤(C)3〜20重量部を含有する、
請求項8〜請求項10のいずれか一項に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。 - 前記可塑剤(C)は、常温で液体である、
請求項11に記載のポリ乳酸系透明耐熱成形体。
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