JPWO2008111606A1 - 移動通信システム、移動局装置、基地局装置及び移動通信方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2007年3月13日に、日本に出願された特願2007−063728号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
EUTRAでは、通信方式として、マルチパス干渉に強く、高速伝送に適したOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiplexing Access)方式を採用することが決まっている。また、EUTRAに関するデータ転送制御やリソース管理制御といった上位レイヤの動作に関する詳細仕様は、低遅延、低オーバヘッド化を実現し、更に可能な限り簡易な技術の採用が進められている(非特許文献2)。
図20は、下りチャネルの誤り検出後に下り同期の回復も再接続も出来ずにアイドル(Idle)状態(移動局装置が基地局装置と無線接続されていない状態)に遷移した場合の上りチャネルと下りチャネルの状態遷移を示している。ここで、移動局装置は下りチャネルにおいて、下り同期誤りが検出された場合、下り同期誤りが一時的なものかどうかを判定するため、下りチャネル状態を同期区間P11から誤り検出区間P12に遷移させる。
更に、誤り検出区間P12でも下り同期誤りが継続的に検出され、一定回数の下り同期誤りが検出された場合、続いて下り同期状態の回復を試みる同期保護区間P13へと遷移させ、同時に同期保護区間P13を計時するタイマを起動する。
ここで、前記タイマによる計測が満了する前に下りチャネルの同期が回復した場合、移動局装置は下りチャネル状態を同期区間P16に遷移し、停止していた上りデータチャネルの送信を再開して通常の状態に復帰する。
図22は、下りチャネルの下り同期誤り検出後に再接続した場合の上りチャネルと下りチャネルの状態遷移を示している。下り同期外れが発生した後、セルリセレクション手順によって選択したセルの基地局装置に対して再接続要求を行うまでは図20と同じである。ここで、前記タイマによる計測が満了する前に基地局装置より再接続許可を通知された場合、下りチャネル状態を選択セルに対して同期を試みる同期確立区間P17に遷移させ、同期が取れた後は下りチャネル状態を同期区間P16に遷移し、同時に停止していた上りデータチャネルの送信を再開して通常の状態に復帰する。
移動局装置は、通知された上りタイミング調整制御データに従って上り送信タイミングを調整し(ステップS14)、以降の上りデータの上り送信タイミングとして用いる(ステップS15)。
基地局装置は、タイミングのずれを測定するために用いる前記移動局装置から送信される上りデータとして、任意の上りチャネルのデータを使用する。
移動局装置は、通知された上りタイミング調整制御データに従って上り送信タイミングを調整し(ステップS24、S28)、以降の上りデータの上り送信タイミングとして用いる。ここで、基地局装置と移動局装置の上り同期が継続可能な時間、すなわち通常の通信状態であれば上り同期が維持されることを保証する時間を上り同期調整周期とした場合、上りタイミング調整制御データは、少なくとも上り同期調整周期内に一度は移動局装置に送信される必要がある。また、上りデータは、上り同期調整周期内に一度は基地局装置に送信される必要がある。間欠受信などにより上りデータが上り同期調整周期内に一度も送信されない場合、上り同期状態は上り非同期と判定される。
下りチャネルの品質劣化などの理由により、移動局装置側の下り同期状態が誤り検出区間P12に遷移し、更に下り同期が回復せず、そのまま誤り検出区間P12が終了したとき、移動局装置側の下り同期状態は同期保護区間P13に遷移すると共に、移動局装置の送信部は、同期保護区間P13への遷移を通知されることによって(ステップS31)、上り送信停止制御を行う(ステップS32)。
これに伴い、移動局装置で下り同期誤りが発生した場合に、基地局装置と移動局装置との間で通信品質が良好な状態で通信を行うことができるようになるまでに、時間がかかるという問題があった。
11a〜11c・・・受信部、
12a〜12c・・・タイミング追尾部、
13a〜13c・・・チャネル復調部、
14a〜14c・・・スケジュール部、
15a〜15c・・・制御信号処理部、
16a〜16c・・・復号部、
17a〜17c・・・チャネル測定部、
18a〜18c・・・タイミング調整部、
19a〜19c・・・CQI計算部、
20a〜20c・・・上位レイヤ、
21a〜21c・・・同期監視部、
22a〜22c・・・符号部、
23a〜23c・・・ランダムアクセス制御部、
24a〜24c・・・チャネル変調部、
25a〜25c・・・送信電力制御部、
26a〜26c・・・送信部、
27a〜27c・・・下り同期誤り検出部、
30a〜30c・・・基地局装置、
31a〜31c・・・受信部、
32a〜32c・・・タイミング追尾部、
33a〜33c・・・チャネル復調部、
34a〜34c・・・スケジュール部、
35a〜35c・・・制御信号処理部、
36a〜36c・・・復号部、
37a〜37c・・・チャネル測定部、
38a〜38c・・・上り同期調整要求部、
39a〜39c・・・CQI計算部、
40a〜40c・・・上位レイヤ、
41a〜41c・・・符号部、
42a〜42c・・・チャネル変調部、
43a〜43c・・・送信電力制御部、
44a〜44c・・・送信部
また、1スロットの整数倍から構成される送信時間間隔をサブフレームと呼ぶ。更に、複数のサブフレームをまとめたものをフレームと呼ぶ。図1では、1サブフレームが2スロットから構成される場合を示している。この一定の周波数領域(BR)と1スロット長で区切られた領域を、基地局装置から移動局装置に対する下りの信号ではリソースブロックと呼び、移動局装置から基地局装置に対する上りの信号ではリソースユニットと呼ぶ。
図1中のBWはシステム帯域幅を示しており、BRはリソースブロック(またはリソースユニット)の帯域幅を示している。
なお、実際の移動通信システムでは、リソースユニットの構成が図2と異なっていても良い。例えば1スロットが7シンボルではなく、他のシンボル数で構成されていても良い。
同期チャネルは、移動局装置が基地局装置と無線同期を取るために基地局装置から既知の信号パターンを送信するための下りチャネルであり、EUTRAにおいて移動局装置のセルサーチ手順のために受信するチャネルである。この同期チャネルを使用して信号を送信するのは基地局装置である。
報知情報チャネルは、特定の移動局装置向けではなく、あるエリア内に位置する移動局装置が共通して使用する情報を送信するための下りチャネルである。移動局装置は報知情報チャネルによって周辺セルの情報などを取得する。この報知情報チャネルを使用して信号を送信するのは基地局装置である。
非同期ランダムアクセスチャネルは、互いに直交するデータ系列を用い、この直交データ系列を送信することによって、上り送信タイミングが同一であっても、異なる直交データ系列であれば基地局装置にて無線信号を分離可能としている。前記直交データ系列をシグネチャと呼び、シグネチャから構成される信号をプリアンブルと呼ぶ。このシグネチャは、基地局装置が移動局装置を識別するために使用される。
一方、上り同期が取れている場合でも、無線リソースのスケジューリングがない状態で送信するランダムアクセスチャネルを同期ランダムアクセスチャネルと呼ぶ。
なお、受信品質としては、SIR(Signal-to-Interference Ratio:信号対干渉電力比)、SINR(Signal-to-Interference plus Noise Ratio:信号対干渉雑音電力比)、SNR(Signal-to-Noise Ratio:信号対雑音電力比)、CIR(Carrier-to-Interference Ratio:搬送波対干渉電力比)、BLER(Block Error Rate:ブロック誤り率)、パスロスなどを使用することができる。
上り共用制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)は、移動局装置から基地局装置への信号の送信に利用される上りチャネルである。移動局装置は、品質情報指標(CQIなど)、HARQ(Hybrid Auto Repeat Request:ハイブリッドARQ)、ACK/NACK(Acknowledge/Not Acknowledge)などの情報を基地局装置に通知するために、上り共用制御チャネルを用いる。
なお、実際の移動通信システムにおける上りチャネルの構成は、図3と異なっていても良い。例えば、上りリファレンスシグナルA1や上り共用制御チャネルにより送信する信号A2を、周波数軸上に分散配置しても、時間軸上に周期的に配置しても良い。
次に、本発明の第1の実施形態による移動通信システムについて説明する。移動通信システムは、移動局装置10a(後述する図4参照)と基地局装置30a(後述する図5参照)とを備えている。
タイミング調整部18aは、上り送信タイミングのずれを上りタイミング調整制御データから計算し、送信部26aの上り送信タイミングを調整する。また、制御チャネルに含まれるスケジューリング情報は、スケジュール部14aへと出力される。チャネル測定部17aでは、下りリファレンスシグナルの受信品質を測定し、測定データとして上位レイヤ20aへ出力すると共に、CQI計算部19aに前記受信品質を出力する。CQI計算部19aは、受信品質からCQIを計算してCQI値として上位レイヤ20aへ出力する。
なお、CQI計算部19aにおけるCQIの計算方法としては、下りリファレンスシグナルの瞬時値から毎回求める方法や、ある所定の受信時間を平均して求める方法などを用いることができる。また、サブキャリア単位でCQIを計算しても良いし、ある受信帯域に亘って平均してCQIを計算しても良い。下り同期誤り検出部27aは、各チャネルの受信品質が入力され、下り同期誤りの判定処理が行わる。判定結果は下り同期データとして上位レイヤ20aに入力される。なお、下り同期データには、下り同期誤りの検出と下り同期状態の情報が含まれている。
また、移動局装置10aから基地局装置30aに対するランダムアクセスチャネルによる信号の送信時は、ランダムアクセス制御部23aにランダムアクセスチャネルの使用理由などの所定のランダムアクセス情報が入力され、プリアンブルの選択が行われた後に符号部22aで符号化される。符号部22aにて符号化された各無線送信信号はチャネル変調部24aに入力される。同期監視部21aは、下り同期の状態が誤り検出区間に遷移した場合に上位レイヤ20aから誤り検出区間開始制御情報が入力される。前記誤り検出区間開始制御情報が入力された同期監視部21aは、ランダムアクセスチャネルを用いて誤り検出区間の遷移を基地局装置30aに通知するために必要なランダムアクセス情報を生成し、前記ランダムアクセス情報をランダムアクセス制御部23aに入力する。
チャネル変調部24aは、スケジュール部14aから送信されるスケジューリング情報に従って、無線送信信号を適切な変調方式で変調処理する。送信電力制御部25aは、スケジュール部14aの指示に従って信号を送信部26aに出力して各チャネルに適切な電力制御を行う。チャネル変調部24aで変調されたデータは送信部26aに入力され、送信電力制御部25aから電力制御されて無線送信信号として送信される。なお、図4の各ブロックの動作は、上位レイヤ20aによって統括的に制御される。
なお、データチャネルの信号、制御チャネルの信号、上りリファレンスシグナル以外の信号の場合、制御信号処理部35a、復号部36a、チャネル測定部37aにそれぞれ所要に応じて出力される。
チャネル測定部37aは、上りリファレンスシグナルに基づいて受信品質を測定し、測定データとして上位レイヤ40aへ出力すると共に、CQI計算部39aに前記受信品質を出力する。CQI計算部39aは、受信品質からCQIを計算してCQI値として上位レイヤ40aへ出力する。また、チャネル測定部37aの出力は、チャネル復調用の参照データとしてチャネル復調部33aにも出力される。
また、上位レイヤ40aよりスケジュール部34aへスケジューリング情報が入力される。符号部41aにて符号化されたユーザデータと制御データ、上りタイミング調整制御データはチャネル変調部42aに入力される。チャネル変調部42aは、スケジュール部34aから送信されるスケジューリング情報に従って、各無線送信信号を適切な変調方式で変調処理する。送信電力制御部43aは、スケジュール部34aの指示に従って信号を送信部44aに出力し、各チャネルに適切な電力制御を行う。チャネル変調部42aで変調されたデータは送信部44aに入力され、送信電力制御部43aから電力制御されて、移動局装置10aに対して無線送信信号として送信される。なお、図5の各ブロックの動作は、上位レイヤ40aによって統括的に制御される。
移動局装置10aでの受信処理(図6(b))と、移動局装置10aでの送信処理(図6(a))との間には、時間T10(例えば、3ミリ秒)の上り/下り時間差が生じる。
これは、下り同期と上り同期とは別個に制御されるため、下り同期誤りを最初に検出した段階では、まだ上り同期が維持されている可能性が高いことを利用したものである。
移動局装置10aは、下り同期誤りを検出してから(時刻t11)、最も直近のランダムアクセスチャネルによる信号の上り送信タイミングで(時刻t12)、ランダムアクセスチャネルを利用して基地局装置30aに対して信号を送信する(ステップS001)。
このとき、送信するランダムアクセスチャネルの信号には、ランダムアクセスチャネルによる信号の送信目的についての情報とCQI値とが含まれる。なお、CQI値の代わりに受信品質が所定の閾値よりも高いか低いかを表すビットを通知する方法もある。
あるいは、特定のCQI値を、下り同期誤り検出を意味するものとして、移動局装置10aと基地局装置30aとの間で予め設定しておいても良い。ランダムアクセスチャネルによる信号の送信目的と、下り同期誤りが検出されたことを示す情報との関連付けの情報は、移動局装置10aと基地局装置30aとの間で一意に設定するようにしても良いし、報知情報チャネルによる信号を用いて基地局装置30aから移動局装置10aに報知するようにしても良いし、基地局装置30aから移動局装置10a毎に個別に通知するようにしても良い。
なお、移動局装置10aにおける下り同期誤りの検出方法としては、下り同期誤り検出部27aが、基地局装置30aから送信される信号の受信品質が所定の閾値よりも低下した場合に下り同期誤りを検出したと判定する。
なお、移動局装置10aにおける下り同期誤りの検出方法には、任意の下りチャネルを用いることができる。下り同期誤りの検出方法としては、下りチャネルの品質(前述のSIR、SINR、SNR、CIR、BLER、パスロス、ビット誤り率など)の少なくとも一つをある時間測定し、移動通信システム内で事前に設定された閾値、又は、測定開始前に基地局装置30aから移動局装置10aに通知される閾値と比較することで判定を行う方法なども用いることができる。
移動局装置10aは、下り同期の状態が、誤り検出区間P02から同期保護区間P03に遷移したときは(時刻t13)、以降のデータ信号送信停止区間において、スケジューリングされている上りデータチャネルによる信号の送信を停止し(時刻t14)、下り同期の回復処理を行う。
下り品質劣化などの理由によって移動局装置10a側の下り同期状態が、同期区間P01から誤り検出区間P02に遷移したとき、移動局装置10aの無線制御として、ランダムアクセスチャネル(RACH)にCQI値と、送信目的として下り同期誤りを検出したことを示す情報とを乗せて基地局装置30aへ通知する(ステップS101、S102、S103)。
なお、基地局装置30aはランダムアクセスチャネルに、下り同期誤りを検出したことを示す情報が設定されていなくても、移動局装置10aの下り同期状態が同期区間P01であれば、送信されないランダムアクセスチャネルの信号を受信したことにより、移動局装置10aにおいて下り同期誤りが発生したと判定しても良い。
ランダムアクセスチャネルにより通知されたCQI値が、移動局装置10aから前回通知されたCQI値よりも低い場合、誤り訂正能力の高い変調方式にチャネル変調部42aによって切り替えたり、下り送信電力を送信電力制御部43aによって増加させたり、それらの両方を行うことにより、基地局装置30aが移動局装置10aに送信する信号の下り品質を向上させることで移動局装置10aの下り同期を回復しやすくする。例えば、チャネル変調部42aは、64QAM(64 Quadrature Amplitude Modulation:64値直交振幅変調)からBPSK(Binary Phase Shift Keying:2相位相偏移変調)に切り替えることにより、誤り訂正能力の高い変調方式に切り替える。
なお、その移動局装置10aに対してCQI値が良い無線リソースブロックを優先的に割り当てたり、無線送信信号を広帯域に分散配置(ディストリビューティッド配置)して周波数ダイバーシティ効果を高める送信方法に切り換えたりしても良い。また、移動局装置10a宛の無線リソース割当てを縮小して、無線リソースの利用効率を向上させても良い。一方、移動局装置10aから基地局装置30aに通知されたCQI値が、移動局装置10aから前回通知されたCQI値とほぼ同じであるか上回る場合、一時的な品質劣化による下り同期誤りと判定して、通常の無線リソース割当とスケジューリングを継続しても良い。
具体的には、移動局装置10aの送信部26a(移動局装置送信部とも称する)は、下り同期誤り検出部27aが、下り同期誤りを所定回数(例えば、5回など)又は所定時間(例えば、10ミリ秒)検出した場合に、基地局装置30aに対するデータ信号の送信を停止する。このような処理を行うことにより、移動局装置10aと基地局装置30aとの通信品質が悪い状態で、移動局装置10aが基地局装置30aに対してデータ信号を送信することを防ぐことができる。
また、時間Ta1が満了する前であっても、移動局装置10aの送信部26a(下り同期誤り通知部とも称する)から下り同期誤りの発生を通知された後、移動局装置10aから下り同期誤りの発生を所定時間(例えば、後述する図10の時間Tr)通知されなかった場合に、基地局装置30aは移動局装置10aに対する信号の送信を停止する。
図8では、下り同期誤りを移動局装置10aが検出して(時刻t11)、そのことをランダムアクセスチャネルにより基地局装置30aに送信(時刻t12)した後、時間T11(例えば、10ミリ秒)の一定周期でランダムアクセスチャネルを移動局装置10aから基地局装置30aに対して繰り返し送信する(ステップS001、S002、S003、・・・)。
タイマが計測する時間T11は、事前に基地局装置30aから移動局装置10aに通知される。ただし、タイマが計測する時間T11は、同期保護区間P03の時間より短く設定されている。しかし、タイマが計測する時間T11を上り同期調整周期と同じ時間にすることもできる。このことにより、上り同期が外れる前にCQI値を移動局装置10aから基地局装置30aへ通知できる可能性がより大きくなる。
移動局装置10aは、図9に示すように、移動局装置10aにおいて下り同期誤りが検出された場合には、ランダムアクセスチャネル(RACH)を利用して基地局装置30aに対して前述の信号を送信し(ステップS201)、これと同時に、タイマを起動して、時間Ts(例えば、10ミリ秒)の計測を開始する(ステップS202)。タイマには、時間Tsとして、移動局装置10aが基地局装置30aに対してランダムアクセスチャネルにより信号を送信してから、その信号に対する応答が基地局装置30aから移動局装置10aに返信されるまでの最大許容時間が設定される。
移動局装置10aは、タイマが計測する時間Tsが満了するまで待機し(ステップS203で「NO」)、タイマによる時間Tsの計測が満了した時点で(ステップS203で「YES」)、移動局装置10aから基地局装置30aに対して直近にランダムアクセスチャネルを用いて送信した信号に対する応答を基地局装置30aから受信している場合には、基地局装置30aとの上り同期が維持されていると判定して(ステップS204で「YES」)、図9のフローチャートによる処理を終了する。図9のフローチャートによる処理の終了後は再度、ランダムアクセスチャネルによる信号の上り送信タイミングで、図9と同様の処理を行う。
移動局装置10aから受信したランダムアクセスチャネルの信号に対する応答信号には、ACK、上りタイミング調整制御データなどが含まれる。また、ランダムアクセスチャネルの信号に対する応答を移動局装置10aに対して送信すると同時に、タイマを起動して時間Tr(例えば、10ミリ秒)の計測を開始する(ステップS303)。
タイマが計測する時間Trは、移動局装置10aによるランダムアクセスチャネルを利用した信号の送信時間間隔に、伝播遅延や処理遅延などの各遅延時間を加えた時間に等しくなるように設定されている。このとき、送信時間間隔と上り同期調整周期が同じとしても良い。基地局装置30aは、タイマによる時間Trの計測が満了するまで待機し(ステップS304で「NO」)、タイマによる時間Trの計測が満了した時点で(ステップS304で「YES」)、ランダムアクセスチャネルを利用した信号を移動局装置10aから受信していた場合には(ステップS305で「YES」)、下り同期が完全には外れていないと判定して、図10のフローチャートによる処理を終了する。基地局装置30aは、図10のフローチャートによる処理の終了後は再度、図10と同様の処理を行う。
また、本発明の第1の実施形態では、基地局装置30aにおいて、移動局装置10aの送信部26aから下り同期誤りの発生を通知された場合に、移動局装置に対して送信する信号にチャネル変調部42a又は送信電力制御部43a(適応制御部とも称する)が適応制御を行い、チャネル変調部42aが適応制御を行った信号を移動局装置10aに対して送信部44a(基地局装置送信部とも称する)が送信する。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態による移動通信システムは、移動局装置10b(後述する図11参照)と基地局装置30b(後述する図12参照)とを備えている。第2の実施形態では、下り同期の誤り検出区間を経過した後に、移動局装置10bから基地局装置30bに対して、ランダムアクセスチャネルにより信号を送信する。
ただし、第2の実施形態では、移動局装置10bの上位レイヤ20bから同期監視部21bに入力される情報が、下り同期の状態が誤り検出区間から同期保護区間に遷移したことを示す同期保護区間開始制御情報である点において、第1の実施形態と異なる。
第2の実施形態による基地局装置30b(図12)の各部31b〜44bは、第1の実施形態による基地局装置30b(図5)の各部31a〜44aと同様の機能を有しているため、それらの説明を省略する。
第2の実施形態では、ランダムアクセスチャネルを用いて移動局装置10bから基地局装置30bに対して信号を送信するタイミングは、誤り検出区間P02の終了後(時刻t13)、すなわち誤り検出区間P02から同期保護区間P03に遷移後の直近のランダムアクセスチャネルの上り送信タイミングである。
第2の実施形態は、第1の実施形態と異なり、時刻t11から、下り同期誤りが所定回数(例えば、5回)発生した後に、又は、一定時間(例えば、10ミリ秒)が経過した後に、ランダムアクセスチャネルを用いて、下り同期誤りを検出したことを移動局装置10bから基地局装置30bに対して通知する。
これにより、第1の実施形態よりも移動局装置のランダムアクセスチャネルによる信号の送信回数を大幅に少なくすることができ、移動局装置10bの電力消費を抑制することが可能となる。
移動局装置10bは、ランダムアクセスチャネルによる信号の送信目的として、下り同期誤りの発生を示す情報を設定し、基地局装置30bに対して通知する。本実施形態において、下り同期誤りの発生を示す情報は、移動局装置10bの下りの同期状態が、誤り検出区間P02から同期保護区間P03に遷移したことを意味する。
あるいは、特定のCQI値を、同期保護区間P03であることを示すものとして、移動局装置10bと基地局装置30bとの間で予め設定しておくようにしても良い。ランダムアクセスチャネルによる信号の送信目的と、同期保護区間P03であることを示す情報との関連付けは、移動通信システム内で一意に設定しても良いし、報知情報チャネルによる信号を用いて基地局装置30bから移動局装置10bに報知するようにしても良いし、基地局装置30bから移動局装置10b毎に個別に通知するようにしても良い。
移動局装置10bは、時刻t14以降、スケジューリングされている上りデータチャネルの基地局装置30bへの送信停止を行い、下り同期の回復処理を行う。
その後、下り品質劣化などの理由によって移動局装置10b側の下り同期状態が、同期区間P01から誤り検出区間P02に遷移する。そして、そのまま誤り検出区間P02が終了して同期保護区間P03に遷移したとき、移動局装置10bの送信部26bは、同期保護区間P03への遷移を通知されることによって(ステップS501)、移動局装置10bから基地局装置30bへの上り送信停止制御を行う(ステップS502)また、ランダムアクセスチャネルに、CQI値と送信目的として同期保護区間P03にあることを示す情報とを乗せて基地局装置30bへ通知する(ステップS503、S504)。なお、基地局装置30bは、ランダムアクセスチャネルの信号に、同期保護区間P03にあることを示す情報が設定されていなくても、移動局装置10bの下り同期状態が同期区間P01であれば、送信されないランダムアクセスチャネルの信号を受信したことにより、移動局装置10bが同期保護区間P03にあると判定するようにしても良い。
基地局装置30bは、移動局装置10bからランダムアクセスチャネルを用いて同期保護区間P03にあることが通知された場合に(ステップS503、S504)、通知された情報に基づいて次の制御を行う。ランダムアクセスチャネルの信号により通知されたCQI値が、移動局装置10bから基地局装置30bに前回通知されたCQI値よりも低い場合、基地局装置30bから移動局装置10bに送信する信号の変調方式をより誤り訂正能力の高い変調方式に切り替えたり、基地局装置30bから移動局装置10bに送信する信号の下り送信電力を増加させたり、またはその両方を行うことにより、下り品質を向上させることで移動局装置10bの下り同期を回復しやすくする。
図15では、誤り検出区間P02から同期保護区間P03に時刻t13で遷移した場合に、移動局装置10bから基地局装置30bに対してランダムアクセスチャネルにより信号を時刻t14に送信(ステップS401)した後、一定の時間間隔T12(例えば、10ミリ秒)でランダムアクセスチャネルにより信号を繰り返し送信している(ステップS401、S402、S403、・・・)。
これにより、移動局装置10bの下り同期状態が同期保護区間P03であっても、上りと下りの両方の同期状態を基地局装置30bが推測することが可能となり、基地局装置30bは推測した上りと下りの同期状態に基づいた効率的なスケジューリングを行うことが可能となる。
また、本発明の第2の実施形態では、基地局装置30bにおいて、移動局装置10bの送信部26bから下り同期状態が同期保護区間であることを示す情報を通知された場合に、移動局装置10bに対して送信する信号にチャネル変調部42b又は送信電力制御部43b(適応制御部とも称する)が適応制御を行い、チャネル変調部42bが適応制御を行った信号を移動局装置10bに対して送信部44b(基地局装置送信部とも称する)が送信する。
また、移動局装置10bの送信部26bは、下り同期誤り検出部27bが下り同期誤りを所定回数(例えば、5回)検出した場合、又は、一定時間(例えば、10ミリ秒)が経過した場合に、下り同期状態が同期保護区間であることを示す情報を基地局装置30bに対して通知するので、移動局装置10bから基地局装置30bに対して下り同期誤りの発生を通知する回数を減少させることができ、移動局装置10bの消費電力を低くすることができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。本実施形態による移動通信システムは、移動局装置10c(後述する図16参照)と基地局装置30c(後述する図17参照)とを備えている。
第3の実施形態では、移動局装置10cの下り同期状態と上り同期状態は独立した制御が可能であることを利用して、上り送信チャネルであるランダムアクセスチャネルの制御に対しては、上り同期状態に基づいて、より正確な制御を行う。
ただし、第3の実施形態では、移動局装置10cのタイミング調整部18cから同期監視部21cにタイミング調整時間情報が入力される点において、第1の実施形態と異なる。
第3の実施形態による基地局装置30c(図17)の各部31c〜44cは、第1の実施形態による基地局装置30a(図5)の各部31a〜44aと同様の機能を有しているため、それらの説明を省略する。
第3の実施形態では、ランダムアクセスチャネルを用いて無線送信信号を移動局装置10cから基地局装置30cに対して送信するタイミングは、移動局装置10cの下り同期状態が誤り検出区間P02に遷移した後であって(時刻t11以降)、かつ、上りタイミング調整制御データを移動局装置10cが基地局装置30cから受信した時点(時刻t15)から、ある所定の時間T13(例えば、0.5秒)を経過するたびに繰り返し行う(ステップS701、S702、・・・)。
本実施形態では、移動局装置10cにおいて、上り同期状態が同期状態である可能性が高い区間中に、ランダムアクセスチャネルを用いて移動局装置10cの下り同期状態が同期保護区間P03であることを示す情報を、移動局装置10cから基地局装置30cに対して通知するため、ランダムアクセスチャネルを利用した無線送信信号の基地局装置30cへの送達確率を下げることなく、移動局装置のランダムアクセスチャネルによる信号の送信回数を更に少なくすることができ、移動局装置10cの電力消費を抑制することが可能となる。
移動局装置10cは、ランダムアクセスチャネルによる信号の送信目的として、下り同期誤りの発生を示す情報を設定し、基地局装置30cに対して通知する。本実施形態において、下り同期誤りの発生を示す情報は、移動局装置10cの下りの同期状態が、誤り検出区間P02から同期保護区間P03に遷移したことを意味する。
ランダムアクセスチャネルによる信号の送信目的と、下り同期状態が同期保護区間P03であることを示す情報との関連付けは、移動通信システム内で一意に設定しても良いし、報知情報チャネルで基地局装置30cから移動局装置10cに対して報知しても良いし、移動局装置10c毎に個別に通知するようにしても良い。前述したように、ランダムアクセスチャネルには非同期ランダムアクセスチャネルと同期ランダムアクセスチャネルが存在するが、どちらを使用しても良い。なお、移動局装置10cにおける下り同期誤りの検出方法には、任意の下りチャネルを用いることができ、その検出方法は、下りチャネルの品質(前述のSIR、SINR、SNR、CIR、BLER、パスロス、ビット誤り率など)の少なくとも一つをある時間測定し、移動通信システム内で事前に設定された閾値、又は、測定開始前に基地局装置30cから移動局装置10cに通知された閾値と比較する方法などを用いることができる。
また、ランダムアクセスチャネルによる信号の送信と同時に、タイマによる時間T13の計測を再度開始し(ステップS807)、タイマによる時間T13の計測が満了したときの移動局装置10cの下り同期状態が、同期保護区間P03であれば、再度、ランダムアクセスチャネルを用いて信号を送信する(ステップS808、S809)。一方、同期区間が同期保護区間P03から再接続区間P04に遷移していたときは何もしない。
基地局装置30cは、移動局装置10cからランダムアクセスチャネルによる信号によって、移動局装置10cが同期保護区間P03にあることが通知された場合には、通知された情報に基づいて次の制御を行う。つまり、前記ランダムアクセスチャネルによる信号で通知されたCQI値が移動局装置10cから前回通知されたCQI値よりも低い場合、基地局装置30cから移動局装置10cに送信する信号の変調方式をより誤り訂正能力の高い変調方式に切り替えたり、基地局装置30cから移動局装置10cに送信する信号の下り送信電力を増加させたり、またはその両方を行うことにより、下り品質を向上させることで移動局装置10cの下り同期を回復しやすくする。
なお、タイマが時間Ta3を計測する間に、移動局装置10cから上りリファレンスシグナルの信号や、上り送信タイミング調整のためのランダムアクセスチャネルの信号、スケジューリングされていた上りデータ送信、スケジューリング要求などの上りデータが正常に受信された場合は、移動局装置10cの下り同期が回復したものとみなして、タイマによる時間Ta3の計測を停止し、基地局装置30cの下り同期状態を、同期区間P05に遷移させて通常の処理に復帰する。
また、本発明の第3の実施形態では、基地局装置30cにおいて、移動局装置10cの送信部26cから下り同期誤りの発生を通知された場合に、移動局装置10cに対して送信する信号にチャネル変調部42c又は送信電力制御部43c(適応制御部とも称する)が適応制御を行い、チャネル変調部42cが適応制御を行った信号を移動局装置10cに対して送信部44c(基地局装置送信部とも称する)が送信する。
また、移動局装置10cの送信部26cは、上り同期状態が同期状態である可能性が高い区間中に、ランダムアクセスチャネルを用いて移動局装置10cの下り同期状態が同期保護区間であることを示す情報を、基地局装置30cに対して通知するので、移動局装置のランダムアクセスチャネルによる信号の送信回数を更に少なくすることができ、移動局装置10cの消費電力を低くすることができる。
装置との間で通信品質が良好な状態で通信を行うことができるようになるまでに、時間がかかるという問題があった。
[0013]
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、移動局装置で下り同期誤りが発生した場合であっても、早期に基地局装置と移動局装置との間で通信品質が良好な状態で通信を行うことができる移動通信システム、移動局装置、基地局装置及び移動通信方法を提供することにある。
課題を解決するための手段
[0014]
(1) 本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、本発明の一態様による移動通信システムは、移動局装置と基地局装置とを備える移動通信システムであって、前記移動局装置は、前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出部と、前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づきランダムアクセスチャネルを生成する同期監視部と、前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知部とを備え、前記基地局装置は、前記移動局装置からのランダムアクセスチャネルを受信し、前記下り同期誤りの発生に基づくスケジューリングを行う適応制御部を備える。
(2) また、本発明の一態様による移動通信システムは、前記移動局装置は、前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出部と、前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づき下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する同期監視部と、前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知部とを備え、前記基地局装置は、前記移動局装置からのランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに設定された下り同期誤りの発生を示す制御情報の取得処理を実行し、前記下り同期誤りの発生を示す情報に基づくスケジューリングを行う適応制御部を備える。
[0015]
(3) また、本発明の一態様による移動通信システムの前記移動局装置は、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0016]
(4) また、本発明の一態様による移動通信システムの前記移動局装置は、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を所定回数又は所定時間連続して検出している状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0017]
(5) また、本発明の一態様による移動通信システムの前記移動局装置は、前記移動局装置の上り同期状態が上り送信タイミングを示す上りタイミング調整制御データを受信してから所定の時間内の状態であり、更に前記移動局装置の下り同期状態が
下り同期誤りを少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0018]
(6) また、本発明の一態様による移動通信システムの前記移動局装置は、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を通知した後、所定時間が経過するたびに前記基地局装置に対してランダムアクセスチャネルを用いて下り同期誤りの発生を繰り返し送信する。
[0019]
(7) また、本発明の一態様による移動通信システムの前記基地局装置は、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了するまで、又は、下り同期誤りが回復するまでの期間において、前記移動局装置への送信信号に対して下り同期誤りの通知前よりも誤り訂正能力の高い変調方式を用いる、又は、送信電力を増加させるスケジューリングを行う。
[0020]
(8) また、本発明の一態様による移動通信システムの前記基地局装置は、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了したときに、以降の前記移動局装置に対する送信を停止するスケジューリングを行う。
[0021]
(9) また、本発明の一態様による移動局装置は、基地局装置と通信する移動局装置であって、前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出部と、前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づきランダムアクセスチャネルを生成する同期監視部と、前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知部とを備える。
(10) また、本発明の一態様による移動局装置は、基地局装置と通信する移動局装置であって、前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出部と、前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づき下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する同期監視部と、前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知部とを備える。
[0022]
(11) また、本発明の一態様による移動局装置の前記同期監視部は、移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を少なくとも一回検出した状態であれば、下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0023]
(12) また、本発明の一態様による移動局装置の前記同期監視部は、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を所定回数又は所定時間連続して検出している状態であれば、下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネル
に設定する。
[0024]
(13) また、本発明の一態様による移動局装置の前記同期監視部は、前記移動局装置の上り同期状態が上り送信タイミングを示す上りタイミング調整制御データを受信してから所定の時間内の状態であり、更に前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りを少なくとも一回検出した状態であれば、下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0025]
(14) また、本発明の一態様による移動局装置の前記下り同期誤り通知部は、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を通知した後、所定時間が経過するたびに前記基地局装置に対してランダムアクセスチャネルを用いて下り同期誤りの発生を繰り返し通知する。
[0026]
(15) また、本発明の一態様による基地局装置は、移動局装置と通信する基地局装置であって、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了するまで、又は下り同期誤りが回復するまでの期間において、前記下り同期誤りの発生を示す情報に基づくスケジューリングを行う適応制御部を備える。
[0027]
(16) また、本発明の一態様による基地局装置の前記適応制御部は、前記移動局装置への送信信号に対して下り同期誤りの通知前よりも誤り訂正能力のより高い変調方式を用いる、又は、送信電力を増加させるスケジューリングを行う。
[0028]
(17) また、本発明の一態様による基地局装置の前記適応制御部は、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了したときに、以降の前記移動局装置に対する送信を停止するスケジューリングを行う。
[0029]
(18) また、本発明の一態様による移動通信方法は、移動局装置と基地局装置とを用いた移動通信方法であって、前記移動局装置は、前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出過程と、前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づき下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する同期監視過程と、前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知過程とを有し、前
記基地局装置は、前記移動局装置からのランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに設定された下り同期誤りの発生を示す制御情報の取得処理を実行し、前記下り同期誤りの発生を示す情報に基づくスケジューリングを行う適応制御過程を有する。
[0030]
(19) また、本発明の一態様による移動通信方法の前記同期監視過程では、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0031]
(20) また、本発明の一態様による移動通信方法の前記同期監視過程では、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を所定回数又は所定時間連続して検出している状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0032]
(21) また、本発明の一態様による移動通信方法の前記同期監視過程では、前記移動局装置の上り同期状態が上り送信タイミングを示す上りタイミング調整制御データを受信してから所定の時間内の状態であり、更に前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りを少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する。
[0033]
(22) また、本発明の一態様による移動通信方法の前記下り同期誤り通知過程では、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を通知した後、所定時間が経過するたびに前記基地局装置に対してランダムアクセスチャネルを用いて下り同期誤りの発生を繰り返し通知する。
[0034]
(23) また、本発明の一態様による移動通信方法の前記適応制御過程では、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了するまで、又は下り同期誤りが回復するまでの期間において、前記移動局装置への送信信号に対して下り同期誤りの通知前よりも誤り訂正能力のより高い変調方式を用いる、又は、送信電力を増加させるスケジューリングを行う。
[0035]
(24) また、本発明の一態様による移動通信方法の前記適応制御過程では、前記
Claims (22)
- 移動局装置と基地局装置とを備える移動通信システムであって、
前記移動局装置は、
前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出部と、
前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づき下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する同期監視部と、
前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知部とを備え、
前記基地局装置は、
前記移動局装置からのランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに設定された下り同期誤りの発生を示す制御情報の取得処理を実行し、前記下り同期誤りの発生を示す情報に基づくスケジューリングを行う適応制御部を備えることを特徴とする移動通信システム。 - 前記移動局装置は、
前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 前記移動局装置は、
前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を所定回数又は所定時間連続して検出している状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 前記移動局装置は、
前記移動局装置の上り同期状態が上り送信タイミングを示す上りタイミング調整制御データを受信してから所定の時間内の状態であり、更に前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りを少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 前記移動局装置は、
前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を通知した後、所定時間が経過するたびに前記基地局装置に対してランダムアクセスチャネルを用いて下り同期誤りの発生を繰り返し送信することを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 前記基地局装置は、
前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了するまで、又は、下り同期誤りが回復するまでの期間において、前記移動局装置への送信信号に対して下り同期誤りの通知前よりも誤り訂正能力の高い変調方式を用いる、又は、送信電力を増加させるスケジューリングを行うことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 前記基地局装置は、
前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了したときに、以降の前記移動局装置に対する送信を停止するスケジューリングを行うことを特徴とする請求項1に記載の移動通信システム。 - 基地局装置と通信する移動局装置であって、
前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出部と、
前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づき下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する同期監視部と、
前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知部と、
を備えることを特徴とする移動局装置。 - 前記同期監視部は、移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を少なくとも一回検出した状態であれば、下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項8に記載の移動局装置。
- 前記同期監視部は、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を所定回数又は所定時間連続して検出している状態であれば、下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項8に記載の移動局装置。
- 前記同期監視部は、前記移動局装置の上り同期状態が上り送信タイミングを示す上りタイミング調整制御データを受信してから所定の時間内の状態であり、更に前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りを少なくとも一回検出した状態であれば、下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項8に記載の移動局装置。
- 前記下り同期誤り通知部は、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を通知した後、所定時間が経過するたびに前記基地局装置に対してランダムアクセスチャネルを用いて下り同期誤りの発生を繰り返し通知することを特徴とする請求項8に記載の移動局装置。
- 移動局装置と通信する基地局装置であって、
前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了するまで、又は下り同期誤りが回復するまでの期間において、前記下り同期誤りの発生を示す情報に基づくスケジューリングを行う適応制御部を備えることを特徴とする基地局装置。 - 前記適応制御部は、前記移動局装置への送信信号に対して下り同期誤りの通知前よりも誤り訂正能力のより高い変調方式を用いる、又は、送信電力を増加させるスケジューリングを行うことを特徴とする請求項13に記載の基地局装置。
- 前記適応制御部は、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了したときに、以降の前記移動局装置に対する送信を停止するスケジューリングを行うことを特徴とする請求項13に記載の基地局装置。
- 移動局装置と基地局装置とを用いた移動通信方法であって、
前記移動局装置は、
前記基地局装置の送信信号の測定結果から下り同期誤りの発生を検出する下り同期誤り検出過程と、
前記移動局装置の下り同期状態、又は下り同期状態と上り同期状態に基づき下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定する同期監視過程と、
前記ランダムアクセスチャネルを前記基地局装置へ送信する下り同期誤り通知過程とを有し、
前記基地局装置は、
前記移動局装置からのランダムアクセスチャネルを受信し、前記ランダムアクセスチャネルに設定された下り同期誤りの発生を示す制御情報の取得処理を実行し、前記下り同期誤りの発生を示す情報に基づくスケジューリングを行う適応制御過程を有することを特徴とする移動通信方法。 - 前記同期監視過程では、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項16に記載の移動通信方法。
- 前記同期監視過程では、前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りの発生を所定回数又は所定時間連続して検出している状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項16に記載の移動通信方法。
- 前記同期監視過程では、前記移動局装置の上り同期状態が上り送信タイミングを示す上りタイミング調整制御データを受信してから所定の時間内の状態であり、更に前記移動局装置の下り同期状態が下り同期誤りを少なくとも一回検出した状態であれば、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を示す情報をランダムアクセスチャネルに設定することを特徴とする請求項16に記載の移動通信方法。
- 前記下り同期誤り通知過程では、前記基地局装置に対して下り同期誤りの発生を通知した後、所定時間が経過するたびに前記基地局装置に対してランダムアクセスチャネルを用いて下り同期誤りの発生を繰り返し通知することを特徴とする請求項16に記載の移動通信方法。
- 前記適応制御過程では、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了するまで、又は下り同期誤りが回復するまでの期間において、前記移動局装置への送信信号に対して下り同期誤りの通知前よりも誤り訂正能力のより高い変調方式を用いる、又は、送信電力を増加させるスケジューリングを行うことを特徴とする請求項16に記載の移動通信方法。
- 前記適応制御過程では、前記移動局装置から下り同期誤りの発生を通知されると同時に下り同期外れまでの時間を計時するタイマを起動し、前記タイマが満了したときに、以降の前記移動局装置に対する送信を停止するスケジューリングを行うことを特徴とする請求項16に記載の移動通信方法。
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