JPWO2008111464A1 - スプライシング異常を指標とする抗ガン剤の作用検定方法 - Google Patents

スプライシング異常を指標とする抗ガン剤の作用検定方法 Download PDF

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脇 正 史 門
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Abstract

本発明は、プラジエノライド誘導体の生体への作用を検定するための方法、プローブ、プライマー、抗体、試薬、およびキットの提供をその目的とする。本発明によれば、スプライシング異常を指標とする、プラジエノライド誘導体の作用検定方法が提供される。

Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、スプライシング異常を指標とする抗ガン剤の作用検定方法に関し、より詳細には、pre−mRNAの発現量増加や異常タンパク質の発現量増加を指標にして抗ガン剤の作用を検定する方法に関する。
背景技術
プラジエノライド誘導体は天然物プラジエノライド(pladienolide)の誘導体である。プラジエノライドが優れた抗腫瘍を示すことから(Mizui et al., 2004, J. Antibiotics 577:188-196)、更に抗腫瘍効果の高い化合物の探索がなされ、プラジエノライド誘導体が見出された(WO2002/060890号公報およびWO2003/099813号公報)
発明の概要
本発明者らは、プラジエノライド誘導体をガン細胞を含む生体細胞や被験者の末梢血(PBMC)や全血(PBC)から得られた試料に接触させたところ、ある群の遺伝子のpre−mRNAの発現量が増大するとともに、異常タンパク質の発現量が増大することを見いだした。以下の理論に拘束される訳ではないが、これは、ブラジエノライド誘導体の投与によってある群の遺伝子のpre−mRNAに変異が導入され、それによりスプライシング異常を誘発したことに起因すると考えられる。本発明はこれらの知見に基づくものである。
本発明は、プラジエノライド誘導体の生体への作用を検定するための方法、プローブ、プライマー、抗体、試薬、およびキットの提供をその目的とする。
本発明によれば、以下の発明(1)〜(19)が提供される。
(1)下記式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定する方法であって、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物によるスプライシング異常を検出することを含んでなる、方法。
Figure 2008111464
[式中、R、R、RおよびR21は、同一または異なっていてもよく、
1)水酸基もしくは結合する炭素原子と一緒になって形成されるオキソ基(ただし、Rは水酸基に限る)、
2)置換基を有していても良いC1−22アルコキシ基、
3)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルコキシ基、
4)置換基を有していても良いC7−22アラルキルオキシ基、
5)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキルオキシ基、
6)RCO−O−(ここにおいて、Rは、
a)水素原子、
b)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
c)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルキル基、
d)置換基を有していても良いC6−14アリール基、
e)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
f)置換基を有していても良いC7−22アラルキル基、
g)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基、
h)置換基を有していても良いC1−22アルコキシ基、
i)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルコキシ基、
j)置換基を有していても良いC6−14アリールオキシ基または
k)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリールオキシ基を表す)、
7)RS1S2S3SiO−(ここにおいて、RS1、RS2およびRS3は、同一または異なって、
a)C1−6アルキル基または
b)C6−14アリール基を表す)、
8)ハロゲン原子、
9)RN1N2N−R−[ここにおいて、Rは、
a)単結合、
b)−CO−O−、
c)−SO−O−、
d)−CS−O−もしくは
e)−CO−NRN3−(ここにおいて、RN3は、水素原子または置換基を有していても良いC1−6アルキル基を表す)(ただし、b)ないしe)は、左端の結合子が窒素原子と結合する)、
N1およびRN2は、同一または異なって、
a)水素原子、
b)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
c)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルキル基、
d)置換基を有していても良い脂肪族C2−22アシル基、
e)置換基を有していても良い芳香族C7−15アシル基、
f)置換基を有していても良いC6−14アリール基、
g)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
h)置換基を有していても良いC7−22アラルキル基、
i)置換基を有していても良いC1−22アルキルスルホニル基、
j)置換基を有していても良いC6−14アリールスルホニル基、
k)RN1およびRN2が一緒になって結合する窒素原子と共に形成する置換基を有していても良い3ないし14員環非芳香族複素環式基(該非芳香族複素環式基は置換基を有していても良い)、
l)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基、
m)置換基を有していても良いC3−14シクロアルキル基または
n)置換基を有していても良い3ないし14員環非芳香族複素環式基を表す]、
10)RN4SO−O−(ここにおいて、RN4は、
a)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
b)置換基を有していても良いC6−14アリール基
c)置換基を有していても良いC1−22アルコキシ基、
d)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルコキシ基、
e)置換基を有していても良いC6−14アリールオキシ基、
f)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリールオキシ基、
g)置換基を有していても良いC7−22アラルキルオキシ基または
h)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキルオキシ基を表す)、
11)(RN5O)PO−O−(ここにおいて、RN5は、
a)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
b)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルキル基、
c)置換基を有していても良いC6−14アリール基、
d)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
e)置換基を有していても良いC7−22アラルキル基または
f)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基を表す)、
12)(RN1N2N)PO−O−(ここにおいて、RN1およびRN2は、前記定義に同じ)あるいは
13)(RN1N2N)(RN5O)PO−O−(ここにおいて、RN1、RN2およびRN5は、前記定義に同じ)を表し(ただし、R、R、RおよびR21が全て水酸基である化合物、ならびにR、RおよびR21が全て水酸基であり、かつRがアセトキシ基である化合物を除く)、
16は、水素原子または水酸基を表す。]
(2)式(I)の化合物が、
(8E,12E,14E)−7−(N−(2−(N’,N’−ジメチルアミノ)エチル)−N−メチルカルバモイロキシ)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−ブチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−エチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−プロピルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−プロピルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−(シクロプロピルメチル)ホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−シクロペンチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−7−((4−イソプロピルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−(N−(2−(N’,N’−ジエチルアミノ)エチル)−N−メチルカルバモイロキシ)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−7−((4−イソブチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−エチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−ブチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,16,21−トリヒドロキシ−6−メトキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,16,21−トリヒドロキシ−6−メトキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−3,6,7,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
(8E,12E,14E)−7−((4−(2,2−ジメチルプロピル)ホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、および
(8E,12E,14E)−3,6,16−トリヒドロキシ−21−メトキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド
からなる群から選択される、(1)に記載の方法。
(3)スプライシング異常の検出が、
(a)哺乳動物に式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前後におけるpre−mRNAの発現量を測定する工程と、
(b)(a)で測定された発現量をもとに、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前のpre−mRNAの発現量と、それを投与した後のpre−mRNAの発現量とを比較し、投与後のpre−mRNAの発現量が増加している場合に、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物がその哺乳動物に対して作用していると判断する工程
を含んでなる、(1)に記載の方法。
(4)発現量が測定されるpre−mRNAが、表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子のpre−mRNAである、(3)に記載の方法。
(5)遺伝子が、DNAJB1、BZW1、NUP54、RIOK3、CDKN1B、STK17B、EIF4A1およびID1から選択される、(4)に記載の方法。
(6)工程(a)において、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前および後に被験体から採取された試料中のpre−mRNAの発現量が測定される、(3)に記載の方法。
(7)被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿、および血清から選択される、(6)に記載の方法。
(8)表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列からなるポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドからなる、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するためのプローブまたはプライマー。
(9)表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子のゲノム上のイントロン部位またはその一部を検出することができるか、あるいは表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子のゲノム上のエクソン部位の一部欠失したポリヌクレオチドを検出することができる、(8)に記載のプローブまたはプライマー。
(10)(8)に記載のプローブまたはプライマーを含んでなる、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するための試薬またはキット。
(11)スプライシング異常の検出が、
(f)哺乳動物に式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前後における異常タンパク質の発現量を測定する工程と、
(g)(f)で測定された発現量をもとに、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前の異常タンパク質の発現量と、それを投与した後の異常タンパク質の発現量とを比較し、投与後の異常タンパク質の発現量が増加している場合に、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物がその哺乳動物に対して作用していると判断する工程
を含んでなる、(1)に記載の方法。
(12)発現量が検出される異常タンパク質が、表1または表3に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなるタンパク質であるか、あるいは表2、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなるタンパク質である、(11)に記載の方法。
(13)発現量が検出される異常タンパク質が、DNAJB1、BZW1、NUP54、RIOK3、CDKN1B、STK17B、EIF4A1およびID1から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなるタンパク質である、(11)に記載の方法。
(14)工程(f)において、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前および後に被験体から採取された試料中の異常タンパク質の発現量が測定される、(11)に記載の方法。
(15)被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿、および血清から選択される、(14)に記載の方法。
(16)表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなる異常タンパク質に対する抗体またはそのフラグメント。
(17)式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するための試薬またはキットであって、(16)に記載の抗体またはそのフラグメントを含んでなる試薬またはキット。
(18)式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するための、表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列からなるポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドからなる、プローブまたはプライマーの使用。
(19)式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するための、表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子によりコードされるアミノ酸からなるタンパク質に対する抗体またはそのフラグメントの使用。
本発明によれば、ガン患者のガン組織あるいは正常組織または健常人の正常組織におけるスプライシング異常、すなわち、pre−mRNAの発現量や異常タンパク質の発現量を指標にして、式(I)の化合物の生体への作用を確認することができる。例えば、ガン患者のガン組織あるいは正常組織においてスプライシング異常が認められる場合、すなわち、pre−mRNAの発現量や異常タンパク質の発現量が増加している場合には、投与した式(I)の化合物が生体内において作用していると判断でき、薬剤投与が不要であるか、あるいはより少ない量の薬剤を投与すべきと判断できる。また、ガン患者のガン組織あるいは正常組織におけるスプライシング異常が認められない場合、すなわち、pre−mRNAの発現量や異常タンパク質の発現量が実質的に投与前の量になった場合には、投与した式(I)の化合物が生体内において作用していないと判断でき、更なる薬剤投与が必要であると判断できる。従って、本発明によれば、ガン患者への投与の際に、定期的にpre−mRNAの発現量や異常タンパク質の発現量をモニターすることにより、抗ガン剤を効果的に患者に投与できるとともに、必要最小限の薬剤を患者に投与できる。特に、患者の血液など正常組織から得られた試料に基づいてpre−mRNAの発現量や異常タンパク質の発現量をモニターし、その結果に基づいて式(I)の化合物の作用を判断できることから、式(I)の化合物の生体への作用を簡便かつ確実に把握できる点で有利である。
HeLa細胞におけるCDKN1B(p27)およびCDKN1A(p21)のpre−mRNAの蓄積を示した図である。 HeLa細胞におけるDNAJB1、BZW1、SPAG5、RIOK3、NUP54、およびBRD2のpre−mRNAの蓄積を示した図である。 ヒト末梢血から得られた全血(PBC)サンプルにおけるmRNA発現レベルを示した図である。A:Tempus Blood RNA Tubeにより得られたサンプルの結果。B:PAXgene Blood RNA Tubeにより得られたサンプルの結果。 pre−mRNAから翻訳されたタンパク質の発現を示した図である。 プラジエノライド誘導体を投与したヒト大腸ガン細胞皮下移植ヌードマウスの血液における前駆体遺伝子(DNAJB1およびEIF4A1)の発現を測定した結果を示した図である。 プラジエノライド誘導体を投与したヒト大腸ガン細胞皮下移植ヌードマウスの腫瘍における前駆体遺伝子(DNAJB1およびEIF4A1)の発現を測定した結果を示した図である。 対照細胞のプローブセットおよび遺伝子の発現レベルと標準偏差の散布図である。Aはエクソンの発現レベルと標準偏差を、Bは遺伝子の発現レベルと標準偏差を、それぞれ示す。
発明の具体的説明
本明細書中で使用される全ての技術的用語、科学的用語および専門用語は、本発明が属する技術分野の通常の当業者により一般的に理解されるのと同じ意味を有し、単に特定の態様を説明することを目的として用いられ、限定することを意図したものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない限り、さまざまな形態で実施をすることができる。本明細書において引用された全ての先行技術文献および公開公報、特許公報その他の特許文献は、参照として本明細書に組み入れられ、本発明の実施のために用いることができる。
本願明細書において用いる「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味し、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子等が好ましく、中でも例えばフッ素原子、塩素原子等が好ましい。
本願明細書において用いる「C1−22アルキル基」とは、炭素数が1ないし22個の直鎖または分枝状アルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、n−ヘキシル基、1−エチル−2−メチルプロピル基、1,1,2−トリメチルプロピル基、1−プロピルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基等があげられ、好ましくは炭素数が1ないし6個の直鎖または分枝状アルキル基を示し、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられ、中でも例えばメチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基等が好ましい。
本願明細書において用いる「不飽和C2−22アルキル基」とは、炭素数2ないし22個の直鎖または分枝状アルケニル基、あるいは炭素数が2ないし22個の直鎖または分枝状アルキニル基を示し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、イソプロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1,3−ヘキサンジエニル基、1,5−ヘキサンジエニル基、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−エチニル−2−プロピニル基、2−メチル−3−ブチピニル基、1−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1,3−ヘキサンジインイル基、1,5−ヘキサンジインイル基等が挙げられ、好ましくは炭素数2ないし10個の直鎖または分枝状アルケニル基あるいは炭素数が2ないし10個の直鎖または分枝状アルキニル基を示し、例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、3−メチル−2−ブテニル基、3,7−ジメチル−2,6−オクタジエニル基、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、3−メチル−1−プロピニル基等である。
本願明細書において用いる「C6−14アリール基」とは、6ないし14個の炭素原子で構成された芳香族炭化水素環式基を意味し、単環式基、二環式基、三環式基等の縮合環も含まれる。例えばフェニル基、インデニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、アズレニル基、ヘプタレニル基、インダセニル基、アセナフチル基、フルオレニル基、フェナレニル基、フェナントレニル基、アントラセニル基等があげられ、好ましくは例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等である。
本願明細書における「5ないし14員環ヘテロアリール基」とは、窒素原子、硫黄原子および酸素原子からなる群より選ばれる複素原子を1個以上含んでなる単環式、二環式または三環式の5ないし14員芳香族複素環式基をいう。好適な例をあげると、含窒素芳香族複素環式基としては、例えばピロリル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾリル基、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、プリニル基、インダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、キノリジル基、フタラジル基、ナフチリジニル基、キノキサリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、イミダゾトリアジニル基、ピラジノピリダジニル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、カルバゾリル基、カルバゾリニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナシニル基、イミダゾピリジニル基、イミダゾピリミジニル基、ピラゾロピリジニル基、ピラゾロピリジニル基等;含硫黄芳香族複素環式基としては、例えばチエニル基、ベンゾチエニル基等;含酸素芳香族複素環式基としては、例えばフリル基、ピラニル基、シクロペンタピラニル基、ベンゾフリル基、イソベンゾフリル基等;2個以上の異種複素原子を含んでなる芳香族複素環式基としては、例えばチアゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、ベンズチアジアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、オキサゾリル基、イソキサゾイル基、ベンゾオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ピラゾロオキサゾリル基、イミダゾチアゾリル基、チエノフラニル基、フロピロリル基、ピリドオキサジニル基等があげられ、好ましくは、例えばチエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基等である。
本願明細書において用いる「3ないし14員環非芳香族複素環式基」とは、窒素原子、硫黄原子および酸素原子からなる群から選ばれる複素原子を1個以上含んでいても良い、単環式、二環式または三環式の3ないし14員環非芳香族複素環式基をいう。好適な例をあげると、例えばアジリジニル基、アゼチジル基、ピロリジニル基、ピロリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペリジニル基、ホモピペラジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、チオモルホリル基、イミダゾリニル基、オキサゾリニル基、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプチル基、2,5−ジアザビシクロ[2.2.2]オクチル基、3,8−ジアザビシクロ[3.2.1]オクチル基、1,4−ジアザビシクロ[4.3.0]ノニル基、キヌクリジル基、テトラヒドロフラン−イル基、テトラヒドロチオフェン−イル基等があげられる。また、当該非芳香族複素環式基には、ピリドン環から誘導される基や、非芳香族性の縮合環(例えばフタルイミド環、スクシンイミド環等から誘導される基)も含まれる。
本願明細書において用いる「C7−22アラルキル基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」において、置換可能な部分が前記定義の「C6−14アリール基」で置換された基を意味し、具体的には、例えばベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基等があげられ、好ましくは炭素数7ないし10個のアラルキル基であり、例えばベンジル基、フェネチル基等である。
本願明細書において用いる「5ないし14員環ヘテロアラルキル基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」において、置換可能な部分が前記定義の「5ないし14員環ヘテロアリール基」で置換された基を意味し、具体的には例えばチエニルメチル基、フリルメチル基、ピリジルメチル基、ピリダジルメチル基、ピリミジルメチル基、ピラジルメチル基等があげられ、好ましくは例えばチエニルメチル基、フリルメチル基、ピリジルメチル基等である。
本願明細書において用いる「C3−14シクロアルキル基」とは、3ないし14個の炭素原子で構成されたシクロアルキル基を示し、好適な基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等があげられ、好ましくは例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等である。
本願明細書において用いる「C4−9シクロアルキルアルキル基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」において、置換可能な部分が前記定義の「C3−14シクロアルキル基」で置換された基を意味し、具体的には例えばシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘプチルメチル基、シクロオクチルメチル基等があげられ、好ましくは例えばシクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、シクロペンチルメチル基等である。
本願明細書において用いる「C1−22アルコキシ基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味し、好適な基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、iso−ペンチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、n−ヘキソキシ基、iso−ヘキソキシ基、1,1−ジメチルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルプロポキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、1−メチル−2−エチルプロポキシ基、1−エチル−2−メチルプロポキシ基、1,1,2−トリメチルプロポキシ基、1,2,2−トリメチルプロポキシ基、1,1−ジメチルブトキシ基、1,2−ジメチルブトキシ基、2,2−ジメチルブトキシ基、2,3−ジメチルブチルオキシ基、1,3−ジメチルブトキシ基、2−エチルブトキシ基、2−メチルペントキシ基、3−メチルペントキシ基、ヘキシルオキシ基等があげられ、好ましくは例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、iso−ブトキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「不飽和C2−22アルコキシ基」とは、前記定義の「不飽和C2−22アルキル基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味する。好適な基としては、例えばビニロキシ基、アリロキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、2−メチル−1−プロペニルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、1−ブテニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、1−ペンテニルオキシ基、1−ヘキセニルオキシ基、1,3−ヘキサンジエニルオキシ基、1,5−ヘキサンジエニルオキシ基、プロパルギルオキシ基、2−ブチニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは例えばアリロキシ基、プロパルギルオキシ基、2−ブチニルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「C6−14アリールオキシ基」とは、前記定義の「C6−14アリール基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味し、具体的には、例えばフェニルオキシ基、インデニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、アズレニルオキシ基、ヘプタレニルオキシ基、インダセニルオキシ基、アセナフチルオキシ基、フルオレニルオキシ基、フェナレニルオキシ基、フェナントレニルオキシ基、アントラセニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「C7−22アラルキルオキシ基」とは、前記定義の「C7−22アラルキル基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味し、具体的には、例えばベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基、4−フェニルブチルオキシ基、1−ナフチルメチルオキシ基、2−ナフチルメチルオキシ基等が挙げられ、好ましくは例えばベンジルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「5ないし14員環ヘテロアラルキルオキシ基」とは、前記定義の「5ないし14員環ヘテロアラルキル基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味し、具体的には、例えばチエニルメチルオキシ基、フリルメチルオキシ基、ピリジルメチルオキシ基、ピリダジルメチルオキシ基、ピリミジルメチルオキシ基、ピラジルメチルオキシ基等が挙げられ、好ましくは例えばチエニルメチルオキシ基、フリルメチルオキシ基、ピリジルメチルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「5ないし14員環ヘテロアリールオキシ基」とは、前記定義の「5ないし14員環ヘテロアリール基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味し、具体的には、例えばピロリルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピリダジニルオキシ基、ピリミジニルオキシ基、ピラジニルオキシ基、トリアゾリルオキシ基、テトラゾリルオキシ基、ベンゾトリアゾリルオキシ基、ピラゾリルオキシ基、イミダゾリルオキシ基、ベンツイミダゾリルオキシ基、インドリルオキシ基、イソインドリルオキシ基、インドリジニルオキシ基、プリニルオキシ基、インダゾリルオキシ基、キノリルオキシ基、イソキノリルオキシ基、キノリジルオキシ基、フタラジルオキシ基、ナフチリジニルオキシ基、キノキサリルオキシ基、キナゾリニルオキシ基、シンノリニルオキシ基、プテリジニルオキシ基、イミダゾトリアジニルオキシ基、ピラジノピリダジニルオキシ基、アクリジニルオキシ基、フェナントリジニルオキシ基、カルバゾリルオキシ基、カルバゾリニルオキシ基、ペリミジニルオキシ基、フェナントロリニルオキシ基、フェナシニルオキシ基、イミダゾピリジニルオキシ基、イミダゾピリミジニルオキシ基、ピラゾロピリジニルオキシ基、ピラゾロピリジニルオキシ基、チエニルオキシ基、ベンゾチエニルオキシ基、フリルオキシ基、ピラニルオキシ基、シクロペンタピラニルオキシ基、ベンゾフリルオキシ基、イソベンゾフリルオキシ基、チアゾリルオキシ基、イソチアゾリルオキシ基、ベンゾチアゾリルオキシ基、ベンズチアジアゾリルオキシ基、フェノチアジニルオキシ基、イソキサゾリルオキシ基、フラザニルオキシ基、フェノキサジニルオキシ基、オキサゾリルオキシ基、イソキサゾイルオキシ基、ベンゾオキサゾリルオキシ基、オキサジアゾリルオキシ基、ピラゾロオキサゾリルオキシ基、イミダゾチアゾリルオキシ基、チエノフラニルオキシ基、フロピロリルオキシ基、ピリドオキサジニルオキシ基等があげられ、好ましくは、例えばチエニルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、ピラジルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「脂肪族C2−22アシル基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」、「不飽和C2−22アルキル基」において、その末端にカルボニル基が結合した基を意味し、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、iso−ブチリル基、バレリル基、iso−バレリル基、ピバロイル基、カプロイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、アラキドイル基、アクリロイル基、プロピオル基、クロトニル基、iso−クロトニル基、オレイノル基、リノレノイル基等があげられ、好ましくは炭素数2ないし6個の脂肪族アシル基であり、例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、iso−ブチリル基、アクリロイル基等である。
本願明細書において用いる「芳香族C7−15アシル基」とは、前記定義の「C6−14アリール基」または「5ないし14員環ヘテロアリール基」において、その末端にカルボニル基が結合した基を意味し、例えばベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、ピコリノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基、フロイル基、チオフェンカルボニル基等が挙げられ、好ましくは例えばベンゾイル基、ピコリノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等である。
本願明細書において用いる「C1−22アルキルスルホニル基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」が結合したスルホニル基を意味し、具体的には、例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、iso−プロピルスルホニル基等が挙げられ、好ましくは例えばメチルスルホニル基等である。
本願明細書において用いる「C6−14アリールスルホニル基」とは、前記定義の「C6−14アリール基」が結合したスルホニル基を意味し、具体的には、例えばベンゼンスルホニル基、1−ナフタレンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基等が挙げられ、好ましくは例えばベンゼンスルホニル基等である。
本願明細書において用いる「脂肪族C2−22アシロキシ基」とは、前記定義の「脂肪族C2−22アシル基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味し、例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アクリルオキシ基等が挙げられ、好ましくは例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「C2−22アルコキシカルボニル基」とは、前記定義の「C1−22アルコキシ基」において、その末端にカルボニル基が結合した基を意味し、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、iso−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくは例えばエトキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等である。
本願明細書において用いる「不飽和C3−22アルコキシカルボニル基」とは、前記定義の「不飽和C2−22アルコキシ基」において、その末端にカルボニル基が結合した基を意味し、例えばビニロキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、1−プロペニルオキシカルボニル基、イソプロペニルオキシカルボニル基、プロパルギルオキシカルボニル基、2−ブチニルオキシカルボニル基等が挙げられ、好ましくは例えばアリロキシカルボニル基等である。
本願明細書において用いる「C1−22アルキルチオ基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」において、その末端に硫黄原子が結合した基を意味し、例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基等が挙げられ、好ましくは例えばメチルチオ基、エチルチオ基等である。
本願明細書において用いる「C1−22アルキルスルフィニル基」とは、前記定義の「C1−22アルキル基」において、その末端にスルフィニル基が結合した基を意味し、例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n−プロピルスルフィニル基、iso−プロピルスルフィニル基等があげられる。挙げられ、好ましくは例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基等である。
本願明細書において用いる「C1−22アルキルスルホニルオキシ基」とは、前記定義の「C1−22アルキルスルホニル基」において、その末端に酸素原子が結合した基を意味し、例えばメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n−プロピルスルホニルオキシ基、iso−プロピルスルホニルオキシ基等が挙げられ、好ましくは例えばメチルスルホニルオキシ基等である。
本願明細書において用いる「置換基を有していても良い」の置換基とは、
(1)ハロゲン原子、
(2)水酸基、
(3)チオール基、
(4)ニトロ基、
(5)ニトロソ基、
(6)シアノ基、
(7)カルボキシル基、
(8)ヒドロキシスルホニル基、
(9)アミノ基、
(10)C1−22アルキル基
(例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)、
(11)不飽和C2−22アルキル基
(例えばビニル基、アリル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、イソプロペニル基、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等)、
(12)C6−14アリール基
(例えばフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基等)、
(13)5ないし14員環ヘテロアリール基
(例えばチエニル基、フリル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基等)、
(14)3ないし14員環非芳香族複素環式基
(例えばアジリジニル基、アゼチジル基、ピロリジニル基、ピロリル基、ピペリジニル基、ピペラジニル基、ホモピペリジル基、ホモピペラジル基、イミダゾリル基、ピラゾリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、チオモルホリル基、イミダゾリニル基、オキサゾリニル基、キヌクリジル基等)
(15)C3−14シクロアルキル基(例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基)
(16)C1−22アルコキシ基
(例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、sec−プロポキシ基、n−ブトキシ基、iso−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、
(17)不飽和C2−22アルコキシ基
(例えばビニロキシ基、アリロキシ基、1−プロペニルオキシ基、2−プロペニルオキシ基、イソプロペニルオキシ基、エチニルオキシ基、1−プロピニルオキシ基、2−プロピニルオキシ基、1−ブチニルオキシ基、2−ブチニルオキシ基等)
(18)C6−14アリールオキシ基
(例えばフェニルオキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基等)、
(19)C7−22アラルキルオキシ基
(例えば、ベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基、3−フェニルプロピルオキシ基、4−フェニルブチルオキシ基、1−ナフチルメチルオキシ基、2−ナフチルメチルオキシ基等)
(20)5ないし14員環ヘテロアラルキルオキシ基
(例えばチエニルメチルオキシ基、フリルメチルオキシ基、ピリジルメチルオキシ基、ピリダジルメチルオキシ基、ピリミジルメチルオキシ基、ピラジルメチルオキシ基等)
(21)5ないし14員環ヘテロアリールオキシ基
(例えばチエニルオキシ基、フリルオキシ基、ピリジルオキシ基、ピリダジルオキシ基、ピリミジルオキシ基、ピラジルオキシ基等)、
(22)脂肪族C2−22アシル基
(例えばアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、iso−ブチリル基、バレリル基、iso−バレリル基、ピバリル基、カプロイル基、デカノイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、アラキドイル基、アクリル基、プロピオル基、クロトニル基、iso−クロトニル基、オレイノル基、リノレノイル基等)、
(23)芳香族C7−15アシル基
(例えばベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基等)、
(24)脂肪族C2−22アシロキシ基
(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、アクリルオキシ基等)、
(25)C2−22アルコキシカルボニル基
(例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、iso−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、iso−ブトキシカルボニル基、sec−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)
(26)不飽和C3−22アルコキシカルボニル基
(例えばビニロキシカルボニル基、アリロキシカルボニル基、1−プロペニルオキシカルボニル基、2−プロペニルオキシカルボニル基、イソプロペニルオキシカルボニル基、プロパルギルオキシカルボニル基、2−ブチニルオキシカルボニル基)、
(27)C1−22アルキルチオ基
(例えばメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、iso−プロピルチオ基等)、
(28)C1−22アルキルスルフィニル基
(例えばメチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、n−プロピルスルフィニル基、iso−プロピルスルフィニル基等)、
(29)C1−22アルキルスルホニル基
(例えばメチルスルホニル基、エチルスルホニル基、n−プロピルスルホニル基、iso−プロピルスルホニル基等)、
(30)C6−14アリールスルホニル基
(例えばベンゼンスルホニル基、1−ナフタレンスルホニル基、2−ナフタレンスルホニル基等)、
(31)C1−22アルキルスルホニルオキシ基
(例えばメチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、n−プロピルスルホニルオキシ基、iso−プロピルスルホニルオキシ基等)、
(32)カルバモイル基、
(33)ホルミル基等から選ばれる1個以上の基が挙げられ、好ましくは例えばアミノ基、C1−22アルキル基、不飽和C2−22アルキル基、C6−14アリール基、5ないし14員環ヘテロアリール基、3ないし14員環非芳香族複素環式基、C3−14シクロアルキル基等であり、中でも例えばアミノ基、C1−22アルキル基、3ないし14員環非芳香族複素環式基、C3−14シクロアルキル基等が好ましい。また、「置換基を有していても良い」における当該置換基としてあげた前記(9)アミノ基および(31)カルバモイル基は、さらに、1ないし2個のC1−22アルキル基、不飽和C2−22アルキル基またはC6−14アリール基で置換されていてもよい。
本明細書においては、本発明に係る化合物の化学式は、便宜の上から平面化学式で記載されているが、化学式から導かれる一定の異性体を含むことができる。本発明は、当該化合物の構造上存在する総ての幾何異性体、不斉炭素に基づく光学異性体、回転異性体、立体異性体、互変異性体等の異性体および異性体混合物を含むことができ、本発明は、便宜上の化学式の記載に限定されるものではなく、前記のいずれか一方の異性体、その混合物を含むことができる。従って、本発明の化合物は、分子内に不斉炭素原子を有する場合、光学活性体およびラセミ体が存在するが、本発明においては、いずれも含まれる。また、結晶多形が存在することもあるが、同様に一種類の結晶形にのみ限定されず、いずれかの結晶形が単一であってもまたは複数の結晶形の混合物であってもよい。
本発明において「薬理学的に許容される塩」とは、式(I)の化合物と塩を形成し、且つ薬理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、好ましくはハロゲン化水素酸塩(例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩など)、無機酸塩(例えば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩など)有機カルボン酸塩(例えば酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩など)、有機スルホン酸塩(例えばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩など)、アミノ酸塩(例えばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩など)、四級アミン塩、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩など)、アルカリ土類金属塩(マグネシウム塩、カルシウム塩など)などが挙げられる。
本発明において「溶媒和物」とは、式(I)の化合物またはその塩と溶媒和物を形成し、且つ薬理学的に許容されるものであれば特に限定されないが、水和物、アルコール和物(例えば、エタノール和物)、エーテル和物が挙げられる。
本発明においては、式(I)の化合物が生体内で分解されて生じる代謝物および本発明の式(I)の化合物またはその塩のプロドラッグも本発明に包含される。ここで、「プロドラッグ」とは、バイオアベイラビリティ(bioavailability)の改善や副作用の軽減等を目的として、「薬剤の活性本体」(プロドラッグに対応する「薬剤」を意味する)を不活性な物質に化学修飾したものを意味し、吸収後、体内では活性本体へ代謝され、作用を発現する薬剤のことである。従って、「プロドラッグ」という用語は、対応する「薬剤」よりも固有活性(intrinsic activity)は低いが、生物学的な系に投与されると、自発的な化学反応または酵素触媒反応または代謝反応の結果、その「薬剤」物質を生成する任意の化合物を指す。当該プロドラッグとしては、式(I)の化合物の官能基(例えば、アミノ基、水酸基、カルボキシル基)がアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化、炭酸化、エステル化、アミド化またはウレタン化された化合物などの種々のプロドラッグを例示することができる。但し、例示した群は包括的なものではなく、典型的なものに過ぎず、当業者は他の既知の各種プロドラッグを公知の方法によって式(I)の化合物から調製することができる。
本発明による方法の実施に当たって、式(I)の化合物を哺乳動物に投与する場合には、周知の方法に従って式(I)の化合物を製剤化することができる。製剤化の際は通常の製剤担体を用い、常法により製造する。すなわち、経口用固形製剤を調製する場合は、主薬に賦形剤、更に必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等とする。これらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要により適宜コーティングすることは勿論差し支えない。式(I)の化合物を、注射剤として調製する場合は、主薬に必要によりpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内、関節内、静脈内用注射剤とする。また、式(I)の化合物を各種疾患治療・予防剤として投与する場合は、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、シロップ剤等として経口的に投与してもよいし、また噴霧剤、坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口的に投与してもよい。投与量は症状の程度、年齢、疾患の種類等により著しく異なるが、通常成人1日当たり約1mg〜100mgを1日1〜数回にわけて投与する。
本発明による方法において、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子のpre−mRNAや、その遺伝子のスプライシング異常により生じた異常タンパク質の発現量をモニタリングする場合には、好ましくは、式(I)の化合物の投与前に発現量レベルをモニターし、投与の3、6、8、24、または48時間後に再度モニタリングしてもよい。好ましい態様においては、式(I)の化合物の投与後、早くとも3時間後に発現量を再度モニタリングする。
本発明による方法を実施するに当たっては、スプライシング異常に起因するpre−mRNAの発現量の増大や異常タンパク質の発現量の増大を指標にして、スプライシング異常を検出することができる。
本発明による第一の面によれば、pre−mRNAの発現量増加を指標にした、式(I)の化合物の作用検定方法(発明(3))が提供される。
工程(a)においては、検定対象となる哺乳動物からガン組織あるいは末梢血の血球、血漿、および血清などの正常組織を採取し、採取された試料からpre−mRNA試料を調製して、pre−mRNAの発現量の測定を行うことができる。pre−mRNAの調製は周知であり(例えば、『Molecular Cloning, A Laboratory Manual 3d ed.』(Cold Spring Harbor Press(2001))、その実施のために必要な装置、器具、試薬は市販されている。従って、当業者であれば、必要に応じて市販の装置、器具、試薬を利用して、pre−mRNAの調製を困難なく行いうる。
工程(a)におけるpre−mRNAの発現量の測定は、ノーザンブロット法、ドットブロット法、RT−PCR法、およびマイクロアレイ(好ましくは、Human Exon 1.0 ST Array)から選択されるいずれかの方法によって行うことができる。これらの方法の原理および実施方法は周知であり、これらの方法の実施のために必要な装置や器具は市販されている。また、後記実施例にはこれらの方法を利用してpre−mRNAの発現量を測定した例が記載されている。従って、当業者であれば、ノーザンブロット法、ドットブロット法、RT−PCR法、およびマイクロアレイを利用してpre−mRNAの発現量の測定を困難なく行いうる。工程(a)におけるpre−mRNAの発現量の測定においては、好ましくはマイクロアレイを用いることができる。
工程(a)におけるpre−mRNAの発現量の測定に当たっては、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドからなるプローブおよびプライマーを検出マーカーとして用いることができる。
本発明によるプローブおよびプライマーは、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のpre−mRNA(一部分を含む)の発現を検出できればよく、複数のデオキシリボ核酸(DNA)またはリボ核酸(RNA)等の塩基または塩基対からなる重合体を指す。二本鎖cDNAも組織in situハイブリダイゼーションにおいて利用可能であることが知られており、本発明によるプローブおよびプライマーにはそのような二本鎖cDNAも含まれる。組織中のRNAの検出において特に好ましいプローブおよびプライマーとしては、RNAプローブ(リボプローブ)を挙げることができる。
本発明によるプローブおよびプライマーは、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列並びにそれらが変異したポリヌクレオチド配列の連続する少なくとも10個、好ましくは、少なくとも15個、より好ましくは、少なくとも20個、さらに好ましくは、少なくとも25個のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドからなるものが挙げられる。本発明によるプローブおよびプライマーは、また、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列の連続する10〜50個または10〜30個、15〜50個または15〜30個、20〜50個または20〜30個、25〜50個または25〜30個のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドからなるものが挙げられる。
本発明によるプローブおよびプライマーは、少なくとも10塩基長であることができ、好ましくは、少なくとも15塩基長、より好ましくは、少なくとも20塩基長、さらに好ましくは、少なくとも25塩基長である。本発明によるプローブおよびプライマーは、また、10〜50塩基長または10〜30塩基長、15〜50塩基長または15〜30塩基長、20〜50塩基長または20〜30塩基長、25〜50塩基長または25〜30塩基長である。
本発明によるプローブおよびプライマーの好ましい態様によれば、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列並びにそれらが変異したポリヌクレオチドの連続する少なくとも10個(好ましくは、少なくとも15個、より好ましくは、少なくとも20個、さらに好ましくは、少なくとも25個)のヌクレオチド配列を含むポリヌクレオチドからなり、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載された遺伝子またはその相同遺伝子にハイブリダイズすることができる、式(I)の化合物の哺乳動物に対する作用を検定するための15〜30塩基長のプローブおよびプライマーが提供される。
本発明によるプローブおよびプライマーの好ましい態様によれば、また、表1、表2、表3、表4、および表5に記載の遺伝子並びにその相同遺伝子、好ましくは、表1および表2に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列のうち、識別性の高い部分にハイブリダイズすることができるプローブおよびプライマーが提供される。このようなプローブおよびプライマーを用いることにより、式(I)の化合物の哺乳動物に対する作用をより高い精度で検出することが可能となる。
本発明によるプローブは、検出対象遺伝子のヌクレオチド配列に基づき、化学合成できる。プローブの調製は周知であり、例えば、『Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.』(Cold Spring Harbor Press(1989))、『Current Protocols in Molecular Biology』(John Wiley & Sons(1987-1997))に従って実施できる。
本発明によるプライマーは、二種以上の該プライマーからなる、プライマーセットとしても使用することができる。
本発明によるプライマーおよびプライマーセットは、PCR法、RT−PCR法、リアルタイムPCR法、in situ PCR等の核酸増幅法を利用して目的遺伝子を検出する公知の方法において、常法に従ってプライマーおよびプライマーセットとして利用することができる。
本発明によるプライマーセットは標的遺伝子のヌクレオチド配列をPCR法等の核酸増幅法により増幅できるように選択することができる。核酸増幅法は周知であり、核酸増幅法におけるプライマーペアの選択は当業者に自明である。例えば、PCR法においては、二つのプライマー(プライマーペア)の一方が検出対象遺伝子の二本鎖DNAのプラス鎖に対合し、他方のプライマーが二本鎖DNAのマイナス鎖に対合し、かつ一方のプライマーにより伸長された伸長鎖にもう一方のプライマーが対合するようにプライマーを選択できる。また、LAMP法(WO00/28082号公報)においては、検出対象遺伝子に対して3’末端側からF3c、F2c、F1cという3つの領域を、5’末端側からB1、B2、B3という3つの領域を、それぞれ規定し、この6つの領域を用いて4種類のプライマーを設計することができる。
本発明によるプライマーは、検出対象遺伝子のヌクレオチド配列に基づき、化学合成できる。プライマーの調製は周知であり、例えば、『Molecular Cloning, A Laboratory Manual 2nd ed.』(Cold Spring Harbor Press(1989))、『Current Protocols in Molecular Biology』(John Wiley & Sons(1987-1997))に従って実施できる。
表1、表2、表3、表4、および表5には、これらの表に記載の遺伝子並びにそれらの相同遺伝子を特定する情報が記載されている。従って、当業者であれば、表1、表2、表3、表4、および表5に記載された情報に従って検出対象遺伝子のヌクレオチド配列情報を取得し、それに基づいてプローブおよびプライマーを設計することができる。
また、表1、表2、表3、表4、および表5に挙げられた遺伝子は公知の遺伝子であり、それを検出するためのプローブおよびプライマーは単独で、あるいは検出キットや検出アレイとして市販されている。
本願明細書において「ハイブリダイズする」とは、ストリンジェントな条件下で標的ポリヌクレオチドにハイブリダイズすることを意味する。具体的には、FASTA、BLAST、Smith−Waterman〔Meth. Enzym., 164, 765 (1988)〕などの相同性検索ソフトウェアにより、デフォルト(初期設定)のパラメーターを用いて計算したときに、標的ヌクレオチド配列と少なくとも70%以上、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは90%以上、さらにより好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上、そして最も好ましくは99%以上の同一性を有するポリヌクレオチドが挙げられる。また、「ストリンジェントな条件下」とは、当業者が通常使用し得るハイブリダイゼーション緩衝液中で、温度が40℃〜70℃、好ましくは60℃〜65℃などで反応を行い、塩濃度が15〜300mmol/L、好ましくは15〜60mmol/Lなどの洗浄液中で洗浄する方法に従って行なうことができる。温度、塩濃度は使用するプローブの長さに応じて適宜調整することが可能である。さらに、ハイブリダイズしたものを洗浄するときの条件は、0.2または2×SSC、0.1%SDS、温度20−68℃で行うことができる。ストリンジェント(high stringency)な条件にするかマイルド(low stringency)な条件にするかは、洗浄時の塩濃度又は温度で差を設けることができる。塩濃度でハイブリダイズの差を設ける場合には、ストリンジェント洗浄バッファー(high stringency wash buffer)として0.2×SSC、0.1%SDS、マイルド洗浄バッファー(low stringency wash buffer)として2×SSC、0.1%SDSで行うことができる。また、温度でハイブリダイズの差を設ける場合には、ストリンジェントの場合は68℃、中等度(moderate stringency)の場合は42℃、マイルドの場合は室温(20−25℃)でいずれの場合も0.2×SSC、0.1%SDSで行えばよい。
通常、プレハイブリダイズを実施する場合にはハイブリダイズと同じ条件で実施するが、ハイブリダイズとプレ(予備)洗浄は同じ条件で行うとは限らない。
本願明細書において「相同遺伝子」とは、ある遺伝子がコードするタンパク質と機能的に同等のタンパク質をコードする遺伝子をいう。ここで「機能的に同等」であるかどうかは、その遺伝子の発現と関連する生体現象あるいは機能と同等の機能を有するかどうかを評価することにより決定することができる。このような機能的に同等であるタンパク質をコードする遺伝子には、いわゆる相同遺伝子のみならず、多型を有する遺伝子や機能に影響を与えない変異を有する遺伝子が含まれる。
相同遺伝子の例としては、ある遺伝子のヌクレオチド配列において、1もしくは複数個(好ましくは1もしくは数個または1、2、3、もしくは4個)のヌクレオチドの挿入、置換もしくは欠失またはその一方もしくは両末端への付加がなされたヌクレオチド配列からなり、機能的に同等であるタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。
相同遺伝子の例としては、また、ある遺伝子がコードするアミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸の挿入、置換もしくは欠失またはその一方もしくは両末端への付加がなされたアミノ酸配列(改変アミノ酸配列)をコードする遺伝子であって、機能的に同等であるタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。
本願明細書において、「アミノ酸配列において、1もしくは複数個のアミノ酸の挿入、置換もしくは欠失、またはその一方もしくは両末端への付加がなされた」とは、部位特異的突然変異誘発法等の周知の技術的方法により、または天然に生じ得る程度の複数個の数のアミノ酸の置換等により改変がなされたことを意味する。
本願明細書において「改変アミノ酸配列」とは、例えば1〜30個、好ましくは1〜20個、より好ましくは1〜9個、さらに好ましくは1〜5個、特に好ましくは1〜2個のアミノ酸の挿入、置換、もしくは欠失、またはその一方もしくは両末端への付加がなされたものであることができる。改変アミノ酸配列は、好ましくは、そのアミノ酸配列が、1または複数個(好ましくは1もしくは数個または1、2、3、もしくは4個)の保存的置換を有するアミノ酸配列であることができる。
ここで「保存的置換」とは、タンパク質の機能を実質的に改変しないように、1または複数個のアミノ酸残基を、別の化学的に類似したアミノ酸残基で置換えることを意味する。例えば、ある疎水性残基を別の疎水性残基によって置換する場合、ある極性残基を同じ電荷を有する別の極性残基によって置換する場合などが挙げられる。このような置換を行うことができる機能的に類似のアミノ酸は、アミノ酸毎に当該技術分野において公知である。具体例を挙げると、非極性(疎水性)アミノ酸としては、アラニン、バリン、イソロイシン、ロイシン、プロリン、トリプトファン、フェニルアラニン、メチオニンなどが挙げられる。極性(中性)アミノ酸としては、グリシン、セリン、スレオニン、チロシン、グルタミン、アスパラギン、システインなどが挙げられる。陽電荷をもつ(塩基性)アミノ酸としては、アルギニン、ヒスチジン、リジンなどが挙げられる。また、負電荷をもつ(酸性)アミノ酸としては、アスパラギン酸、グルタミン酸などが挙げられる。
ガン組織およびその周辺組織を検定試料として用いて本発明による第一の面の方法を実施する場合には、好ましくは、表1および表3に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のpre−mRNAの発現量を指標にして、式(I)の化合物の作用を検定することができる。ガン組織およびその周辺組織を試料とした場合のpre−mRNAの発現量の測定は、好ましくはマイクロアレイを用いることができる。
正常組織、特に末梢血または全血を検定試料として用いて本発明による第一の面の方法を実施する場合には、好ましくは、表2、表4、および表5に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のpre−mRNAの発現量を指標にして、式(I)の化合物の作用を検定することができる。末梢血または全血を試料とした場合のpre−mRNAの発現量の測定は、好ましくはマイクロアレイを用いることができる。
本発明による第二の面によれば、pre−mRNAのスプライシング異常に伴って発現される異常タンパク質の発現量増加を指標にした、式(I)の化合物の作用検定方法(発明(11))が提供される。
工程(f)において測定される異常タンパク質は、後記表1、表2、表3、表4、および表5に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のスプライシング異常により生じた異常タンパク質とすることができる。表1、表2、表3、表4、および表5には、これらの表に記載の遺伝子並びにそれらの相同遺伝子を特定する情報が記載されている。
工程(f)においては、検定対象となる哺乳動物からガン組織あるいは末梢血の血球、血漿、および血清などの正常組織を採取し、採取された試料をそのまま、あるいは採取された試料からタンパク質を抽出して、異常タンパク質の発現量の測定を行うことができる。タンパク質の抽出は周知であり(例えば、Campa, M.J. et al. Cancer Res. 63, 1652-1656, 2003)、その実施のために必要な装置、器具、試薬は市販されている。従って、当業者であれば、必要に応じて市販の装置、器具、試薬を利用して、タンパク質の抽出を困難なく行いうる。
工程(f)における異常タンパク質の発現量の測定は、蛍光抗体法、酵素免疫測定(ELISA)法、放射免疫測定(RIA)法、ウェスタンブロット法、および免疫染色(免疫組織化学)法から選択されるいずれかの方法によって行うことができる。これらの方法の原理および実施方法は周知であり、これらの方法の実施のために必要な装置や器具は市販されている。また、後記実施例にはこれらの方法を利用してpre−mRNAの発現量を測定した例が記載されている。従って、当業者であれば、蛍光抗体法、酵素免疫測定(ELISA)法、放射免疫測定(RIA)法、ウェスタンブロット法、および免疫染色(免疫組織化学)法を利用してpre−mRNAの発現量の測定を困難なく行いうる。工程(f)における異常タンパク質の発現量の測定は、好ましくは酵素免疫測定(ELISA)法、ウェスタンブロット法、免疫染色(免疫組織化学)法および質量分析法を用いることができる。
工程(f)における異常タンパク質の発現量の測定に当たっては、表1、表2、表3、表4、および表5に記載された遺伝子のスプライシング異常によって生じた異常タンパク質に対する抗体およびその断片を検出マーカーとして用いることができる。
本発明による抗体を得るための異常タンパク質は、抗原性を有していればよく、異常タンパク質のアミノ酸配列において1若しくは複数個のアミノ酸残基が欠失、挿入、置換または付加されたアミノ酸配列を有するタンパク質も異常タンパク質の抗原として使用することができる。このようなタンパク質が元のタンパク質と同じ生物学的活性が維持されることは公知である(Mark et al.(1984)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:5662-6; Zoller and Smith(1982)Nucleic Acids Res. 10:6487-500; Wang et al.(1984)Science 224:1431-3; Dalbadie-McFarland et al.(1982)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 79:6409-13)。あるタンパク質において、元のタンパク質の抗原性を維持した状態で、1若しくは複数個のアミノ酸を欠失、挿入、置換または付加させる方法は公知である。例えば、部位特異的変異誘発法により変異蛋白質をコードするポリヌクレオチドを調製し、適宜発現させて得ることができる(Molecular Cloning,A Laboratory Manual 2nd ed.,Cold Spring Harbor Press(1989); Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons,(1987-1997),Section8.1-8.5; Hashimoto-Goto et a1.(1995) Gene 152:271-5; Kinkel(1985)Proc.Nat1.Acad.Sci.USA 82:488-92; Kramer and Fritz(1987)Method.Enzymol 154:350-67; Kunke1(1988)Method.Enzymo1.85:2763-6)。
本発明による抗体には、異常タンパク質の一部に対して特異的な抗体も含まれる。即ち、本発明の抗体を得るための異常タンパク質には、異常タンパク質の全長アミノ酸配列を有するポリペプチドに加えて、異常タンパク質の少なくとも6アミノ酸残基以上(例えば、6、8、10、12または15アミノ酸残基以上)と同一の配列を有するポリペプチド断片も含まれる。好ましい断片としては、異常タンパク質のアミノ末端、カルボキシル末端等のポリペプチド断片を挙げることができる。ポリペプチドの抗原決定部位は、タンパク質のアミノ酸配列上の疎水性/親水性を解析する方法(Kyte-Doolittle(1982)J.Mol.Biol. 157:105-22)、二次構造を解析する方法(Chou-Fasman(1978)Ann.Rev.Biochem. 47:251-76)により推定し、さらにコンピュータープログラム(Anal.Biochem. 151:540-6(1985))または短いペプチドを合成しその抗原性を確認するPEPSCAN法(特表昭60−500684号公報)等の手法により確認することができる。
表1、表2、表3、表4、および表5には、これらの表に記載の遺伝子並びにそれらの相同遺伝子を特定する情報が記載されている。従って、当業者であれば、表1、表2、表3、表4、および表5に記載された情報に従って検出対象遺伝子によりコードされるアミノ酸配列情報を取得し、それに基づいて抗体を設計し、得ることができる。
また、表1、表2、表3、表4、および表5に挙げられた遺伝子は公知の遺伝子であり、それによりコードされるタンパク質を検出するための抗体は単独で、あるいは検出キットや検出アレイとして市販されている。
本発明による抗体は、当業者に周知方法を用いて得ることができる(例えば、『Current Protocols in Molecular Biology』(John Wiley & Sons(1987))、Antibodies:A Laboratory Manual, Ed.Harlow and David Lane, Cold Spring Harbor Laboratory(1988))。
本発明による抗体には、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体(scFv)、ヒト化抗体、および多特異性抗体が含まれる。また、本発明による抗体の断片には、Fab、Fab’、F(ab’)2、Fc、Fv等の抗体断片が含まれる。
ポリクローナル抗体であれば、抗原を感作した哺乳動物の血液を取り出し、この血液から公知の方法により血清を分離し、ポリクローナル抗体を含む血清とすることができる。必要に応じてこの血清からポリクローナル抗体を含む画分をさらに単離することもできる。
モノクローナル抗体であれば、上記抗原を感作した哺乳動物の脾臓あるいはリンパ節から得られた抗体産生細胞を取り出し、骨髄腫細胞などと細胞融合させ、得られたハイブリドーマをクローニングして、その培養物から抗体を回収しモノクローナル抗体とすることができる。
免疫抗原としては、異常タンパク質のフラグメントを用いることができる。あるいは、異常タンパク質のアミノ酸配列に基づき合成したものを用いることができる。抗原はキャリア蛋白質との複合体として用いてもよい。抗原とキャリアタンパク質の複合体の調製には種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒド、カルボジイミド、マレイミド活性エステル等が使用できる。キャリアタンパク質は牛血清アルブミン、サイログロブリン、ヘモシアニン等の常用されているものでよく、通常1〜5倍量の割合でカップリングさせる方法が用いられる。
免疫される動物としてはマウス、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスターなどが挙げられ、接種方法は皮下、筋肉または腹腔内の投与が挙げられる。投与に際しては完全フロイントアジュバンドや不完全フロイントアジュバンドと混和して投与してもよく、投与は通常2〜5週毎に1回ずつ行われる。
免疫された動物の脾臓あるいはリンパ節から得られた抗体産生細胞は骨髄腫細胞と細胞融合させ、ハイブリドーマとして単離される。骨髄腫細胞としてはマウス、ラット、ヒト等由来のものが使用され、抗体産生細胞と同種由来のものであることが好ましいが、異種間においても可能な場合もある。
細胞融合の操作は既知の方法、例えば、Nature, 256,495, 1975に従って実施できる。融合促進剤としてはポリエチレングリコールやセンダイウイルスなどが挙げられ、通常には、20〜50%程度の濃度のポリエチレングリコール(平均分子量1000〜4000)を用いて20〜40℃、好ましくは30〜37℃の温度下、抗体 産生細胞数と骨髄腫細胞数の比は通常1:1〜10:1程度、約1〜10分間程度反応させることにより細胞融合を実施することができる。
抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の免疫化学的方法が使用できる。例えば、異常タンパク質をコートしたマイクロプレートを用いるELISA法、抗免疫グロブリン抗体をコートしたマイクロプレートを用いるEIA法、異常タンパク質を含むサンプルを電気泳動後、ニトロセルロース転写膜を用いるイムノブロット法などが挙げられる。
このようなウェルから更に、例えば限界希釈法によってクローニングを行い、クローンを得ることができる。ハイブリドーマの選別、育種は、通常、HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加して、10〜20%牛胎児血清を含む動物細胞用培地(例えば、RPMI1640)で行われる。このようにして得られたクローンはあらかじめプリスタンを投与したSCIDマウスの腹腔内へ移植し、10〜14日後にモノクローナル抗体を高濃度に含む腹水を採取し、抗体精製の原料とすることができる。また、該クローンを培養し、その培養物を抗体精製の原料とすることもできる。
モノクローナル抗体の精製は免疫グロブリンの精製法として既知の方法を用いればよく、たとえば、硫安分画法、PEG分画法、エタノール分画法、陰イオン交換体の利用、さらに異常タンパク質を用いるアフィニティクロマトグラフィーなどの手段により容易に達成することができる。
血清からのポリクローナル抗体の精製も同様に行うことができる。
ガン組織およびその周辺組織を検定試料として用いて本発明による第二の面の方法を実施する場合には、好ましくは、表1および表3に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のスプライシング異常に伴って生じた異常タンパク質の発現量を指標にして、式(I)の化合物の作用を検定することができる。ガン組織およびその周辺組織を試料とした場合の異常タンパク質の発現量の測定は、好ましくは、酵素免疫測定(ELISA)法、ウェスタンブロット法、免疫染色(免疫組織化学)法および質量分析法を用いることができる。
末梢血または全血を試料として用いて本発明による第二の面の方法を実施する場合には、好ましくは、表2、表4、および表5に記載された遺伝子またはその相同遺伝子のスプライシング異常に伴って生じた異常タンパク質の発現量を指標にして、式(I)の化合物の作用を検定することができる。末梢血または全血を試料とした場合の異常タンパク質の発現量の測定は、好ましくは、酵素免疫測定(ELISA)法、ウェスタンブロット法、免疫染色(免疫組織化学)法および質量分析法を用いることができる。
被験体から採取された試料とは、被験体から採取された組織、細胞、体液等をいうが、具体的には、例えば、生検、血液(血球、血漿、血清等を含む)、尿、口腔の掻爬組織(buccal scrapes)等の組織サンプル、腫瘍細胞(乳房、肺、胃、頭頸部、結腸直腸、腎臓、膵臓、子宮、肝臓、膀胱、子宮内膜腺、及び前立腺等の腫瘍に由来する細胞、並びに白血病、又はリンパ球等の血液細胞)等をいう。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の記述は、本発明を説明するための例示であり、本発明を記述された実施形態にのみ限定する趣旨ではない。
実施例1:ノーザンブロットによる解析
細胞周期に影響を及ぼす遺伝子の発現をプラジエノライドB処理したHeLa細胞のRNAを用いてノーザンブロット解析で検討した。その結果、pre−mRNA蓄積が起こる遺伝子CDKN1B(p27)を発見した。
まず、HeLa細胞を5x10cells/mLで6ウェルプレートにまき、RPMI1640培地(10%FCS、ペニシリン、ストレプトマイシン含有)で一晩培養した後に、10μMのプラジエノライドBあるいは100μM DRB、1μg/mL Actinomycin Dで0、1、2、4時間処理後、RNeay mini kit(Qiagen社)を使用して全RNAを取得後、260nmの吸光度を測定し、RNA量を定量した。全RNAサンプル各10μgをRNA SAMPLE LOADING BUFFER(SIGMA社)と混合して、ホルムアルデヒドを含む変性アガロース1%ゲルで泳動してから、ナイロンメンブレンにブロッティングし、紫外線によりクロスリンクし、ノーザンメンブレンを作製した。
CDKN1B(p27)およびCDKN1A(p21)のプローブ作製のため、U251細胞から調製した全RNAから逆転写して作製したcDNAを鋳型に、それぞれ下記のプライマーを用いて全長遺伝子をPCR増幅した。
CDKN1B用プライマー
P27−1F:5’−ATGTCAAACGTGCGAGTGTCTAAC−3’(配列番号:1)
P27−2:5’−TTACGTTTGACGTGTTGTGAGGCC−3’ (配列番号:2)
CDKN1A用プライマー
P21−1F:5’−GCCATGTCAGAACCGGCTGGGGAT−3’ (配列番号:3)
P21−2:5’−TTAGGGCTTCCTCTTGGAGAAGAT−3’ (配列番号:4)
得られたフラグメントをアガロースゲル電気泳動で分離、精製し、そのフラグメントをMegaprime DNA labeling kit(Amersham社)とRedivue 32P(Amersham社)を用いて標識し、ProbeQuant G−50 Micro Columns(Amersham社)で精製した。PerfectHyb hybridization solution(TOYOBO社)を使用して、標識プローブをブロッティングメンブレンにハイブリダイズさせた。2×SSC、0.05%SDSを含むバッファーでメンブレンを洗浄し、続いて0.1×SSC、0.1%SDSを含むバッファーで洗浄した。メンブレンをイメージングプレート(FUJIFILM社)に露光させ、BAS2000(FUJIFILM社)で感光強度を測定した。CDKN1B pre−mRNAの蓄積がプラジエノライド処理時のみに観察された(図1AおよびB)
実施例2:cDNAライブラリーによる解析
他の遺伝子でpre−mRNAが蓄積するものがあるかないかをプラジエノライド処理したHeLa細胞からcDNAライブラリーを作製しランダムに42クローンをシークエンスする事でイントロンを含んだ遺伝子を探索した。それらの遺伝子についてエクソンを含んだ両側のイントロン内にプライマーを設計し、プラジエノライドB処理したHeLa細胞の全RNAに対してRT−PCRで解析を行い、pre−mRNAが蓄積する遺伝子としてDNAJB1、BZW1、SPAG5、RIOK3、NUP54、BRD2を発見した。
まず、DMEM high glucose培地(10%FCS、ペニシリン、ストレプトマイシン含有)で培養した10cmディッシュにセミコンフルエントのHeLa細胞を10nM、100nM、10μMのプラジエノライドBで4時間処理後、6mLのTRIzol(Invitrogen社)を添加し細胞を溶解させた。TRIzolのプロトコールに従って全RNAを取得後、260nmの吸光度を測定し、RNA量を定量した。
次に、プラジエノライドB 10nM、100nM、10μMおよび未処理のHeLa細胞より回収した全RNAからμMACS mRNA Isolation Kit(Miltenyi Biotec社)でmRNAを精製した。エタノール沈殿でmRNAを濃縮してから、260nmの吸光度を測定してRNA量を定量した。1μgのmRNAからSuperScript Plasmid System for cDNA Synthesis and Cloning(Invitrogen社)を使用して,順に1本鎖cDNA合成、2本鎖cDNA合成、アダプターライゲーションを実施し,レトロウイルスベクターであるpCLexにライゲーションした。続いて、XL10−Gold ultracompetent cells(STRATAGENE社)にトランスフォーメーションし、アンピシリン含有LBプレートに播種して、一晩培養した。プラジエノライドB 10nM、100nM、10μM、未処理サンプルの各プレートから2度に分けて計42クローンずつピックアップし,個別に培養後プラスミドを精製した。
プラジエノライドB 10nM、100nM、10μM、未処理サンプルのcDNAライブラリーから抽出したプラスミド各42クローンに挿入された遺伝子の塩基配列をBigDye Terminator(Applied Biosystems社)とsenseXIYプライマー(配列CCTCGATCCTCCCTTTATCCAGCCCTCACT)(配列番号:5)を使用して、ABI PRISM3130(Applied Biosystems社)で取得した。続いて、取得した配列をUCSC/BLATでゲノム情報と照合し、イントロン領域の配列が含まれる遺伝子を収集した。イントロン領域の配列を含む遺伝子について、イントロン領域を挟むように両側のエクソン領域内に下記プライマーを設計した。
DNAJB1−FW:
5’−GAACCAAAATCACTTTCCCCAAGGAAGGAG−3’ (配列番号:6)
DNAJB1−RV:
5’−AATGAGGTCCCCACGTTTCTCGGGTGT−3’ (配列番号:7)
BZW1−FW:
5’−GCCAATAAGCAAAGTGTTGAACACTTCAC−3’ (配列番号:8)
BZW1−RV:
5’−AAGTGCTTGATGGCTTGCTCTGCTAC−3’ (配列番号:9)
SPAG5−FW:
5’−ACATGGACAGCTTTGCTGAGTCGGTCC−3’ (配列番号:10)
SPAG5−RV:
5’−TTGCTAGACGACTGTTTTCCAACTCCAG−3’ (配列番号:11)
RIOK3−FW:
5’−GCTGAAGGACCATTTATTACTGGAG−3’ (配列番号:12)
RIOK3−RV:
5’−TTCTTGCTGTGTTCTTTCTCCCACA−3’ (配列番号:13)
NUP54−FW:
5’−CTAATCAAACAGGAAATTCAAAGGAAGAG−3’ (配列番号:14)
NUP54−RV:
5’−CTTGATTTCTCGTAACAGATCTGCATC−3’ (配列番号:15)
BRD2−FW:
5’−ACTCTCAGCAACAACACCAGAGCTCTA−3’ (配列番号:16)
BRD2−RV:
5’−TAGCTTTCGTGCCATTGCCACAACATC−3’ (配列番号:17)
プラジエノライドB 100nMもしくは1μMで1時間、2時間、4時間処理および未処理のHeLa細胞より回収した全RNAをDNase処理してから逆転写反応によりcDNAを作成し、設計したプライマーとFastStart HiFi Polymerase(Roche Diagnostics社)を使用して、PCRを実施した。アガロースゲルによる泳動パターンから、DNAJB1、BZW1、SPAG5、RIOK3、NUP54、BRD2において、プラジエノライドB処理による成熟mRNA減少および未成熟mRNA発現の増加を確認した(図2)。
実施例3:マイクロアレイによる解析
14nMの(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド(「E7107」ということがある。)で6時間処理したヒト大腸癌細胞株WiDrから精製したRNAを用いて、マイクロアレイ解析(Human Exon 1.0 ST Array:Affymetrix社)を行った。このアレイは全遺伝子のエクソンを網羅するのみならず、コンピューターによる予測プログラムでエクソンとなり得ると判断される部位にもプローブが設計されており、理論的には全ての遺伝子のエクソンとイントロンの発現量を検出する事が可能となっている。結果として、成熟したmRNAが未処理の状態で充分発現していて、(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド処理によって、少なくとも2つ以上のプローブセットで10倍以上増加しているイントロンを含む遺伝子を同定した。
まず、WiDr細胞をRPMI1640培地(10%FBS、ペニシリン、ストレプトマイシン含有)に懸濁し、10cmディッシュに2×10個ずつまきこんだ。37℃5%炭酸ガスインキュベーター内にて一晩培養後、14nMの(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドを含む培地、あるいは溶媒のみの培地と交換した。さらに6時間培養、細胞にTRI reagent(SIGMA社)を加えて回収した。TRI reagentのプロトコールに従ってRNAを精製し、さらに、RNeasy(QIAGEN社)を用いて精製した。260nmの吸光度を測定し、RNA量を定量した。この実験は3回繰り返して行い、n=3のRNAサンプルを作製した。
次に、対照細胞(n=3)および処理細胞(n=3)の全RNA各1μgからRiboMinus Human/Mouse Transcriptome Isolation Kit(Invitrogen社)を使用してリボソームRNAを除去した。リボソームRNAを除去した全RNAからGeneChip Whole Transcript Sense Target Labeling and Control Reagents(Affymetrix社)を使用して,順に1本鎖cDNA合成、2本鎖cDNA合成、cRNA合成、二次1本鎖cDNA合成、cDNAの断片化、cDNA標識をし、cDNAプローブを作製した。続いて、cDNAプローブをHuman Exon 1.0 ST Array(Affymetrix社)にハイブリダイズした。その後、アレイを洗浄および染色し、スキャナーで蛍光強度を測定した。
Expression Console Ver. 1.0(Affymetrix社) を用い、Summarization Methodに「Median polish as used in RMA」、Normalization Methodに「None」を指定し、プローブセットおよび遺伝子の発現レベルの数値化を行った。プローブの発現レベルを遺伝子の発現レベルでノーマライズし、処理群と対照群でウェルチのT検定を行い、P値を求め、False Discovery Ratioをコントロールして有意なプローブセットを抽出するために、Q値に変換した。
Q値が1%より小さく、ノーマライズしたプローブセットの発現変動が処理群で10倍より大きく、処理群のプローブセットの発現レベルと遺伝子の発現レベルが100よりも大きく、プローブセットの注釈がextended,full,freeのプローブセット抽出し、さらに、遺伝子毎にまとめ、ひとつの遺伝子に複数のプローブセットが見つかったものを、イントロン領域の発現レベルが増加した候補遺伝子とした(表1)。表1では、評価した遺伝子について、名称(Gene Name)、略称(Gene Symbol)、登録番号(Accession)、別名(Synonym)、Human Exon 1.0 ST Arrayの転写クラスター番号(Human Exon 1.0 ST Array)、染色体番号(Chromosome)、鎖の種類(Strand)、開始部位(Start)、終了部位(Stop)、発現変動(Fold Change)をそれぞれ示した。
Figure 2008111464
Figure 2008111464
Figure 2008111464
Figure 2008111464
Figure 2008111464
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実施例4:PBMCにおける解析
臨床では癌組織の取得は容易ではないため、取得が容易である末梢血の血球でマーカーが測定できると更に有用性が高い。そこで、癌細胞で得られたマーカー遺伝子が末梢単核球細胞で癌細胞と同様に変化しうるかを検討した。具体的には、末梢血の3人正常人(ボランティア)から採血し、末梢単核球細胞を精製し、(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドで3時間処理し、前駆体遺伝子(pre−mRNA)発現の変動をqPCRで測定した。pre−mRNAの発現上昇をマーカーとする場合、代表例として後記表2に示される遺伝子が利用可能であることが判明した。
(1)末梢血単核球細胞(PBMC)の単離
ヘパリン添加採血により健常人より採取した血液に、Ficoll−Paque PLUS溶液(アマシャム社、17−1440−02)を、血液の下に層状になるようゆっくりと加えた(25mLの血液に対し、15mLのFicoll−Paque PLUS溶液を添加した)。1,500rpmで30分遠心分離した後、血漿を含んだ上層を除去し、次に単核球細胞層を別のチューブに移した。細胞をPBSで懸濁し、1,500rpmで5分遠心分離して上清を除去する操作を2回繰り返した後に、PBMCはRPMI1640培地(10%FBS、ペニシリン、ストレプトマイシン含有)で再懸濁して細胞数を測定した。
(2)全RNAの調製
PBMCはRPMI1640培地(10%FBS、ペニシリン、ストレプトマイシン含有)に5×10個/mlとなるように懸濁し、24ウェルプレートの各ウェルに1mlずつ加えた。すぐに10倍濃度の(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドを各濃度111μlずつ、各濃度6ウェルに加え、37℃5%炭酸ガスインキュベーター内にて培養した。3時間後、上清を回収し、1500rpm5分間遠心した。上清を除いたプレートにTRI reagent(SIGMA社)を1ml/ウェルで加えて細胞を回収し、遠心した沈殿に加えて溶解した。TRI reagentのプロトコールに従って、RNAを精製した。さらに、RNeasy (QIAGEN社)を用いて精製し、途中プロトコールに従ってDNaseI処理を行った。260nmの吸光度を測定し、RNA量を定量した。
(3)前駆体遺伝子(pre−mRNA)発現量の測定
RNAを30ng/μlに調製し、TaqMan Reverse Transcription Reagents(Applied Biosystems社)を用いてcDNAを合成した。ID1のpre−mRNA発現はTaqMan Gene Expression Assays(Hs00704053_s1、Applied Biosystems社)をプローブとし、TaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems社)を用いて増幅を行った。DNAJB1,BZW1,NUP54,RIOK3,CDKN1B,STK17B,ADRM1,EIF4A1,FOXK2,GNB2L1,HSPA9B,HSPH1,KLHL18およびVIL2のpre−mRNA発現は、下記の配列のプライマー(Invitrogen社)とPOWER SYBR GREEN PCR MASTER MIX(Applied Biosystems社)を用いて、それぞれのプロトコールに従って試薬を調製し、ABI7900(Applied Biosystems社)により測定した。18S rRNAはTaqMan法とSYBR法の両方で測定した。Taqmanプライマーとしては、Hs99999901_s1(Applied Biosystems社)、SYBR用プライマーとしてはTaqman Ribosomal RNA control reagents(4308329:Applied Biosystems社)に含まれている18Sプライマーを用いて発現量を測定し、内部標準として測定値を補正し、(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド無処理の発現量を1として各遺伝子の発現量を算出した。PBMCにおいて発現量が約250%以上になる遺伝子を表2に示した。
DNAJB1:
Sense:5’−GGCCTGATGGGTCTTATCTATGG−3’ (配列番号:18)
Antisense:5’−TTAGATGGAAGCTGGCTCAAGAG−3’ (配列番号:19)
BZW1:
Sense:5’−GAACTTTGCCTCATTCTTTTGCA−3’ (配列番号:20)
Antisense:5’−CTGAGCTCCAGTCTCTTGTATTTCTG−3’ (配列番号:21)
NUP54:
Sense:5’−CAAGGTAACCACTTCTAAGACCATAATTC−3’ (配列番号:22)
Antisense:5’−CCTGCTTGAAGATTACATAACTTTTTGT−3’ (配列番号:23)
RIOK3:
Sense:5’−TCAATGGAGATAGCAAAGGTATTATAACC−3’ (配列番号:24)
Antisense:5’−AGATTTACTTAGGAGCACATTATGAGTGTT−3’ (配列番号:25)
CDKN1B(p27):
Sense:5’−ATGTTTATCAACGGTCCGCCT−3’ (配列番号:26)
Antisense:5’−CATCCCCAGTGGCTTTTAAGG−3’ (配列番号:27)
STK17B:
Sense:5’−TGCGCGGAGACAGCATAG−3’ (配列番号:28)
Antisense:5’−TGGGTTCAAAATGCCAGGTT−3’ (配列番号:29)
ADRM1:
Sense:5’−GGCCCTTCAGAAATGCTTGTC−3’ (配列番号:30)
Antisense:5’−CCCATTACACAATTCATGTGCTTAG−3’ (配列番号:31)
EIF4A1:
Sense:5’−CAGATCATCTAGAAGCAGCTGGTTT−3’ (配列番号:32)
Antisense:5’−ACAGAATCTGGTGCCTACTAACAAAA−3’ (配列番号:33)
FOXK2:
Sense:5’−GAGCAGAAGGAAGCGTGGTT−3’ (配列番号:34)
Antisense:5’−GACACATGAATTTCCACAACAGTAAA−3’ (配列番号:35)
GNB2L1:
Sense:5’−ACGTAATGACATTTTGGTCTGAGTAACT−3’ (配列番号:36)
Antisense:5’−AAATGCTGCTAAACATCCTGGAA−3’ (配列番号:37)
HSPA9B:
Sense:5’−TGAATCCTGAATACTATGCCTCCTT−3’ (配列番号:38)
Antisense:5’−TCCCTTCTTCTCAAGACTACTCAGTATG−3’ (配列番号:39)
HSPH1:
Sense:5’−ACCTTCTTCTCACAAGACTTTTTAAGC−3’ (配列番号:40)
Antisense:5’−CCTTCTCAGCCACCATGGAA−3’ (配列番号:41)
KLHL18:
Sense:5’−CCAGGTTTCCCCTGCAGTT−3’ (配列番号:42)
Antisense:5’−CCCCCTGACTTAGTCCTCGTT−3’ (配列番号:43)
VIL2:
Sense:5’−CCCACTGCCTTGATCTAGTTGAT−3’ (配列番号:44)
Antisense:5’−GTCAAGCAATCTATGGCCTACCA−3’ (配列番号:45)
表2では、評価した遺伝子について、略称(Gene Symbol)、登録番号(Accession)、別名(Synonym)、名称(Gene Name)、染色体番号(Chromosome)、鎖の種類(Strand)、開始部位(Start)、終了部位(Stop)、E7107処理後0時間、3時間、10時間、および30時間後の発現量をそれぞれ示した。
Figure 2008111464
実施例5:PBCにおける解析
PBMCを用いるには血球を分画しなければならず、臨床試験の中でPBMCを用いるのは煩雑である。もし、全血(PBC)でpre−mRNAの変動が確認できればより臨床有用性が高い。しかし、PBCは培養することが困難な事から、in vitroでpre−mRNAの変動を見ることは容易ではない。仮に、mRNAの発現がPBMCと同様に確認できれば、pre−mRNAの変化も捉える事が出来るはずである。そこで、PBMCで確認された表2の遺伝子(DNAJB1,BZW1,NUP54,RIOK3,CDKN1B,STK17B,ID1)に関して、臨床と同様のPBCからのRNA精製法(Tempus,PAXgene)で得られたRNAに対して、mRNA発現が検出できるかを調べた。
(1)Tempus Blood RNA Tube(Applied Biosystems社)を用いたRNA調製
ヒト末梢血をtubeに回収(3ml/tube)し、Stabilizing Reagentと混合した。Tubeのプロトコールに従って、ABI 6100 PrepStation(Applied Biosystems社)のRNA Blood−DNA Mrthodを用いてRNAを精製した。260nmの吸光度を測定し、RNA量を定量した。
(2)PAXgene Blood RNA Tube(QIAGEN社)を用いたRNA調製
ヒト末梢血をtubeに回収(2.5ml/tube)し、Stabilizing Reagentと混合し、室温で1晩放置した。Tubeのプロトコールに従って、PAXgene Blood RNA Kit(QIAGEN社)を用いてRNAを精製した。260nmの吸光度を測定し、RNA量を定量した。
(3)mRNA発現量の定量
RNAを30ng/μlに調製し、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kits(Applied Biosystems社)を用いてcDNAを合成した。DNAJB1,BZW1,NUP54,RIOK3,CDKN1B,STK17B,ID1および18S rRNAに対応するプローブをそれぞれTaqMan Gene Expression Assays(Applied Biosystems社)より購入し、TaqMan Universal PCR Master Mix(Applied Biosystems社)のプロトコールに従って試薬を調製し、ABI7900(Applied Biosystems社)によりmRNAの発現量を測定した。図3A(Tempus Blood RNA Tube)、およびB(PAXgene Blood RNA Tube)に示すように、両方の手法で得られたRNAにおいて、遺伝子発現が充分確認できることが示された。
実施例6:ウエスタンブロッティングによる解析
pre−mRNAから翻訳されるタンパク質はイントロンの一部を含むために一般的には存在しないタンパク質となり、(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドの作用を見るためのプロテインマーカーとなり得る。実際に、pre−mRNA依存の異常タンパク質が(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド処理によって出現するか否かを、癌細胞(HeLa)を用いて検討した。その結果、イントロン配列を含むことにより終始コドンが入り、正常のCDKN1B(p27)とは異なる小さな分子量のp27およびSMNが生じる事が判明した(図4)。これらの事から、pre−mRNAから生じるタンパク質もマーカーとなり得る。
まず、約3×10個のHeLa細胞を24wellの培養プレート(底面積2cm)に撒き、18時間後に記載濃度の化合物を添加し、さらに24時間培養をおこなった。細胞をPBS(−)で1回洗浄した後、0.2mlのM−PER試薬(PIERCE社)で30分間処理することによって、細胞を溶解した。回収した細胞ライセートから不溶物を除くため、0.45μmのフィルター処理をおこなった後、等量の2×SDS−PAGEサンプル溶液と混合し、95℃−5分間の加熱変性処理を施して解析サンプルとした。
各15μlの解析サンプルを5−20%のSDS−PAGEで分離し、PVDFメンブレン(Hybond−P:GE−Amersham社)にトランスファーした。メンブレンは、Blockace(大日本製薬社)で1時間インキュベーションすることによりブロッキング処理を施し、その後1次抗体とのインキュベーションを2時間、洗浄を10分×3回、2次抗体とのインキュベーションを1時間、洗浄(10分)を3回施した後に、シグナル検出をおこなった。
p27/Kip1の検出は以下のように行った。すなわち、1次抗体は、マウス抗p27/Kip1モノクローナル抗体(BD Bioscience社, #610242)を1000倍希釈で用いた。2次抗体には、2500倍希釈のHRP標識抗マウスIgG抗体(GE−Amersham社)を用い、シグナル検出にはECL−Plus試薬(GE−Amersham社)を用いた。
SMNの検出は以下のように行った。すなわち、1次抗体は、マウス抗SMNモノクローナル抗体(BD Bioscience社,#610646)を1000倍希釈で用いた。2次抗体には、2500倍希釈のAP標識抗マウスIgG抗体(CHEMICON社)を用い、シグナル検出にはNBT/BCIP試薬(PIERCE社)を用いた。
図4に示すようにp27/Kip1は化合物未処理時には27kDaのバンドのみが検出された。一方、100nMのプラジエノライドB(Pladienolide B)または(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドを24時間処理した細胞では、約22kDaのバンドの出現が確認された。また、SMNでは、化合物未処理時には35kDaのバンドのみが検出されたが、Pladienolide Bの10nM,25nMまたは(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドの10nM,100nMを24時間処理した時に、複数の35kDaより小さな分子量のバンドの出現が確認された。
実施例7:ヌードマウスにおける解析
(1)WiDrヒト大腸癌細胞皮下移植ヌードマウスへのプラジエノライド誘導体の投与
ヌードマウス(BALB/cAJcl−nu/nu、6週齢、雌)は日本クレア(株)から購入した。1週間の順化期間後、Hanks’ Balanced Salt Solution(GIBCO社)に懸濁したWiDr細胞を、1匹につき5×10個皮下移植した。移植から2週間後、腫瘍体積が200mmを超えたことを確認した後、尾静脈注射により(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドを30mg/kgで単回投与した。
(2)採血および腫瘍の単離
(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリドを投与後30分、1時間、2時間、4時間、8時間が経過した時点で、各群につき2匹ずつのマウスを二酸化炭素により安楽死させた。ヘパリン添加採血により各マウス腹部大動脈から全血を採取し、TRIzol LS Reagent(Invitrogen社)を加え、−20℃で保存した。腫瘍は、採取した後に約0.5cm角の大きさに切断し、RNA later(Ambion社)に入れて−20℃で保存した。
(3)RNA調製
血液からのRNA調製は、TRIzol LS Reagent(Invitrogen社)のプロトコールに従った。さらに、得られたRNAをRNeasy(QIAGEN社)により精製した。途中プロトコールに従ってDNaseI処理を行った。腫瘍からのRNA調製は、RNA later(Ambion社)で処理した腫瘍片をTRI reagent(SIGMA社)に入れホモジナイザーで粉砕した後、TRI reagentのプロトコールに従った。さらに、得られたRNAをRNeasy(QIAGEN社)を用いて精製した。途中プロトコールに従ってDNaseI処理を行った。260nmの吸光度を測定し、それぞれのRNA量を定量した。
(4)血液での前駆体遺伝子(pre−mRNA)発現量の測定
RNAを100ng/μlに調製し、TaqMan Reverse Transcription Reagents(Applied Biosystems社)を用いてcDNAを合成した。マウスDNAJB1およびマウスEIF4A1のpre−mRNA発現は、下記の配列のプライマー(Invitrogen社)とPOWER SYBR GREEN PCR MASTER MIX(Applied Biosystems社)を用いて、それぞれのプロトコールに従って試薬を調製し、ABI7900(Applied Biosystems社)により測定した。Taqman Ribosomal RNA control reagents(4308329:Applied Biosystems社)に含まれている18Sプライマーを用いて発現量を測定し、内部標準として測定値を補正し、(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド未投与マウス群での発現量を1として各遺伝子の発現量を算出した。結果は図5に示される通りであった。
[マウスDNAJB1]
Sense:5’−TGCTGTGAGAATAATGGGTTGTG−3’ (配列番号:46)
Antisense:5’−GGCTGGCTTAGGAGCTTCACT−3’ (配列番号:47)
[マウスEIF4A1]
Sense:5’−ACCTGCGGTTCCCACTTTATT−3’ (配列番号:48)
Antisense:5’−ACCACTCCAAATGTCTAAGGTCACT−3’ (配列番号:49)
(5)腫瘍での前駆体遺伝子(pre−mRNA)発現量の測定
RNAを100ng/μlに調製し、TaqMan Reverse Transcription Reagents(Applied Biosystems社)を用いてcDNAを合成した。ヒトDNAJB1およびヒトEIF4A1のpre−mRNA発現は、下記の配列のプライマー(Invitrogen社)とPOWER SYBR GREEN PCR MASTER MIX(Applied Biosystems社)を用いて、それぞれのプロトコールに従って試薬を調製し、ABI7900(Applied Biosystems社)により測定した。Taqman Ribosomal RNA control reagents(4308329:Applied Biosystems社)に含まれている18Sプライマーを用いて発現量を測定し、内部標準として測定値を補正し、(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド未投与マウス群での発現量を1として各遺伝子の発現量を算出した。結果は図6に示される通りであった。
[ヒトDNAJB1]
Sense:5’−GGCCTGATGGGTCTTATCTATGG−3’ (配列番号:50)
Antisense:5’−TTAGATGGAAGCTGGCTCAAGAG−3’ (配列番号:51)
[ヒトEIF4A1]
Sense:5’−GAACTTTGCCTCATTCTTTTGCA−3’ (配列番号:52)
Antisense:5’−CTGAGCTCCAGTCTCTTGTATTTCTG−3’ (配列番号:53)
実施例8:マイクロアレイによる解析(2)
実施例3で用いたデータから、解析条件を再検討し、(8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド処理によって増加したイントロンを含む遺伝子を同定した。
解析条件を検討するために、同一条件サンプルでのデータのばらつきを調べた。図7は対照細胞のプローブセットおよび遺伝子の発現レベルと標準偏差の散布図である。図7から、発現レベルが100より大きく、発現変動が5倍より大きい条件で解析をすることで、発現が増加したプローブセットが抽出可能であることが判明した。
ノーマライズしたプローブセットの発現変動が処理群で5倍より大きく、処理群のプローブセットの発現レベルと遺伝子の発現レベルが100よりも大きく、プローブセットの注釈がextended,full,freeのプローブセットを抽出した。抽出したプローブセットで、処理群と対照群でウェルチのT検定を行い、P値およびQ値を計算し、Q値が5%より小さいプローブセットを含む遺伝子をイントロン領域の発現レベルが増加した候補遺伝子とした(表3)。
表3では、評価した遺伝子について、名称(Gene Name)、略称(Gene Symbol)、登録番号(Accession)、別名(Synonym)、Human Exon 1.0 ST Arrayの転写クラスター番号(Human Exon 1.0 ST Array Transcript Cluster ID)、染色体番号(Chromosome)、鎖の種類(Strand)、開始部位(Start)、終了部位(Stop)、発現変動(Fold Change)をそれぞれ示した。
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実施例9:マイクロアレイによる解析(3)
実施例4(2)で用いたPBMCサンプルを用いて、発現が増加したイントロンを含む遺伝子を同定した。PBMCサンプルの全RNA各1μgからRiboMinus Human/Mouse Transcriptome Isolation Kit(Invitrogen社)を使用してリボソームRNAを除去した。リボソームRNAを除去した全RNAからGeneChip Whole Transcript Sense Target Labeling and Control Reagents(Affymetrix社)を使用して,順に1本鎖cDNA合成、2本鎖cDNA合成、cRNA合成、二次1本鎖cDNA合成、cDNAの断片化、cDNA標識をし、cDNAプローブを作製した。続いて、cDNAプローブをHuman Exon 1.0 ST Array(Affymetrix社)にハイブリダイズした。その後、アレイを洗浄および染色し、スキャナーで蛍光強度を測定した。
Expression Console Ver. 1.0(Affymetrix社) を用い、Summarization Methodに「Median polish as used in RMA」、Normalization Methodに「None」を指定し、プローブセットおよび遺伝子の発現レベルの数値化を行い、プローブの発現レベルを遺伝子の発現レベルでノーマライズした。
(1)3nM処理群で発現が増加するイントロンを持つ遺伝子の同定
ノーマライズしたプローブセットの発現変動が3nM処理群で5倍より大きく、3nM処理群のプローブセットの発現レベルと遺伝子の発現レベルが100よりも大きく、プローブセットの注釈がextended,full,freeのプローブセットを抽出した。抽出したプローブセットで、3nM処理群と対照群で対応のあるT検定を行い、P値およびQ値を計算し、Q値が5%より小さいプローブセットを含む遺伝子をイントロン領域の発現レベルが増加した候補遺伝子とした(表4)。
表4では、評価した遺伝子について、名称(Gene Name)、略称(Gene Symbol)、登録番号(Accession)、別名(Synonym)、Human Exon 1.0 ST Arrayの転写クラスター番号(Human Exon 1.0 ST Array Transcript Cluster ID)、染色体番号(Chromosome)、鎖の種類(Strand)、開始部位(Start)、終了部位(Stop)、発現変動(Fold Change)をそれぞれ示した。
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(2)3nM,10nM,30nM処理群で用量依存的に発現が増加するイントロンを持つ遺伝子の同定
ノーマライズしたプローブセットの発現変動が30nM処理群で5倍より大きく、30nM処理群のプローブセットの発現レベルと遺伝子の発現レベルが100よりも大きく、プローブセットの注釈がextended,full,freeのプローブセットを抽出した。抽出したプローブセットで、対照群,3nM,10nM,30nM処理群で回帰分析行い、回帰式の傾きに対するP値およびQ値を計算し、Q値が5%より小さいプローブセットを含む遺伝子をイントロン領域の発現レベルが増加した候補遺伝子とした(表5)。
表5では、評価した遺伝子について、名称(Gene Name)、略称(Gene Symbol)、登録番号(Accession)、別名(Synonym)、Human Exon 1.0 ST Arrayの転写クラスター番号(Human Exon 1.0 ST Array Transcript Cluster ID)、染色体番号(Chromosome)、鎖の種類(Strand)、開始部位(Start)、終了部位(Stop)、1nM当たりの発現変動(Fold Change/nM)をそれぞれ示した。
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Claims (17)

  1. 下記式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定する方法であって、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物によるスプライシング異常を検出することを含んでなる、方法。
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    [式中、R、R、RおよびR21は、同一または異なっていてもよく、
    1)水酸基もしくは結合する炭素原子と一緒になって形成されるオキソ基(ただし、Rは水酸基に限る)、
    2)置換基を有していても良いC1−22アルコキシ基、
    3)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルコキシ基、
    4)置換基を有していても良いC7−22アラルキルオキシ基、
    5)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキルオキシ基、
    6)RCO−O−(ここにおいて、Rは、
    a)水素原子、
    b)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
    c)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルキル基、
    d)置換基を有していても良いC6−14アリール基、
    e)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
    f)置換基を有していても良いC7−22アラルキル基、
    g)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基、
    h)置換基を有していても良いC1−22アルコキシ基、
    i)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルコキシ基、
    j)置換基を有していても良いC6−14アリールオキシ基または
    k)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリールオキシ基を表す)、
    7)RS1S2S3SiO−(ここにおいて、RS1、RS2およびRS3は、同一または異なって、
    a)C1−6アルキル基または
    b)C6−14アリール基を表す)、
    8)ハロゲン原子、
    9)RN1N2N−R−[ここにおいて、Rは、
    a)単結合、
    b)−CO−O−、
    c)−SO−O−、
    d)−CS−O−もしくは
    e)−CO−NRN3−(ここにおいて、RN3は、水素原子または置換基を有していても良いC1−6アルキル基を表す)(ただし、b)ないしe)は、左端の結合子が窒素原子と結合する)、
    N1およびRN2は、同一または異なって、
    a)水素原子、
    b)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
    c)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルキル基、
    d)置換基を有していても良い脂肪族C2−22アシル基、
    e)置換基を有していても良い芳香族C7−15アシル基、
    f)置換基を有していても良いC6−14アリール基、
    g)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
    h)置換基を有していても良いC7−22アラルキル基、
    i)置換基を有していても良いC1−22アルキルスルホニル基、
    j)置換基を有していても良いC6−14アリールスルホニル基、
    k)RN1およびRN2が一緒になって結合する窒素原子と共に形成する置換基を有していても良い3ないし14員環非芳香族複素環式基(該非芳香族複素環式基は置換基を有していても良い)、
    l)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基、
    m)置換基を有していても良いC3−14シクロアルキル基または
    n)置換基を有していても良い3ないし14員環非芳香族複素環式基を表す]、
    10)RN4SO−O−(ここにおいて、RN4は、
    a)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
    b)置換基を有していても良いC6−14アリール基
    c)置換基を有していても良いC1−22アルコキシ基、
    d)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルコキシ基、
    e)置換基を有していても良いC6−14アリールオキシ基、
    f)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリールオキシ基、
    g)置換基を有していても良いC7−22アラルキルオキシ基または
    h)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキルオキシ基を表す)、
    11)(RN5O)PO−O−(ここにおいて、RN5は、
    a)置換基を有していても良いC1−22アルキル基、
    b)置換基を有していても良い不飽和C2−22アルキル基、
    c)置換基を有していても良いC6−14アリール基、
    d)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアリール基、
    e)置換基を有していても良いC7−22アラルキル基または
    f)置換基を有していても良い5ないし14員環ヘテロアラルキル基を表す)、
    12)(RN1N2N)PO−O−(ここにおいて、RN1およびRN2は、前記定義に同じ)あるいは
    13)(RN1N2N)(RN5O)PO−O−(ここにおいて、RN1、RN2およびRN5は、前記定義に同じ)を表し(ただし、R、R、RおよびR21が全て水酸基である化合物、ならびにR、RおよびR21が全て水酸基であり、かつRがアセトキシ基である化合物を除く)、
    16は、水素原子または水酸基を表す。]
  2. 式(I)の化合物が、
    (8E,12E,14E)−7−(N−(2−(N’,N’−ジメチルアミノ)エチル)−N−メチルカルバモイロキシ)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−ブチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−エチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−プロピルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘキシルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−(シクロプロピルメチル)ピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−プロピルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−(シクロプロピルメチル)ホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−シクロペンチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−7−((4−イソプロピルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−シクロヘプチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−(N−(2−(N’,N’−ジエチルアミノ)エチル)−N−メチルカルバモイロキシ)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−7−((4−イソブチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−エチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−ブチルホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,16,21−トリヒドロキシ−6−メトキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,16,21−トリヒドロキシ−6−メトキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−(ピペリジン−1−イル)ピペリジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−3,6,7,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、
    (8E,12E,14E)−7−((4−(2,2−ジメチルプロピル)ホモピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−3,6,16,21−テトラヒドロキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド、および
    (8E,12E,14E)−3,6,16−トリヒドロキシ−21−メトキシ−6,10,12,16,20−ペンタメチル−7−((4−メチルピペラジン−1−イル)カルボニル)オキシ−18,19−エポキシトリコサ−8,12,14−トリエン−11−オリド
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. スプライシング異常の検出が、
    (a)哺乳動物に式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前後におけるpre−mRNAの発現量を測定する工程と、
    (b)(a)で測定された発現量をもとに、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前のpre−mRNAの発現量と、それを投与した後のpre−mRNAの発現量とを比較し、投与後のpre−mRNAの発現量が増加している場合に、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物がその哺乳動物に対して作用していると判断する工程
    を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  4. 発現量が測定されるpre−mRNAが、表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子のpre−mRNAである、請求項3に記載の方法。
  5. 遺伝子が、DNAJB1、BZW1、NUP54、RIOK3、CDKN1B、STK17B、EIF4A1およびID1から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. 工程(a)において、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前および後に被験体から採取された試料中のpre−mRNAの発現量が測定される、請求項3に記載の方法。
  7. 被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿、および血清から選択される、請求項6に記載の方法。
  8. 表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子のヌクレオチド配列またはその相補配列からなるポリヌクレオチドにハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドからなる、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するためのプローブまたはプライマー。
  9. 表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子のゲノム上のイントロン部位またはその一部を検出することができるか、あるいは表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子のゲノム上のエクソン部位の一部欠失したポリヌクレオチドを検出することができる、請求項8に記載のプローブまたはプライマー。
  10. 請求項8に記載のプローブまたはプライマーを含んでなる、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するための試薬またはキット。
  11. スプライシング異常の検出が、
    (f)哺乳動物に式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前後における異常タンパク質の発現量を測定する工程と、
    (g)(f)で測定された発現量をもとに、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前の異常タンパク質の発現量と、それを投与した後の異常タンパク質の発現量とを比較し、投与後の異常タンパク質の発現量が増加している場合に、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物がその哺乳動物に対して作用していると判断する工程
    を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  12. 発現量が検出される異常タンパク質が、表1または表3に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなるタンパク質であるか、あるいは表2、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子またはその相同遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなるタンパク質である、請求項11に記載の方法。
  13. 発現量が検出される異常タンパク質が、DNAJB1、BZW1、NUP54、RIOK3、CDKN1B、STK17B、EIF4A1およびID1から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなるタンパク質である、請求項11に記載の方法。
  14. 工程(f)において、式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物を投与する前および後に被験体から採取された試料中の異常タンパク質の発現量が測定される、請求項11に記載の方法。
  15. 被験体から採取された試料が、末梢血の血球、血漿、および血清から選択される、請求項14に記載の方法。
  16. 表1、表2、表3、表4、または表5に示される遺伝子から選択される少なくとも1つ以上の遺伝子がスプライシング異常を起こしたポリヌクレオチドによりコードされるアミノ酸からなる異常タンパク質に対する抗体またはそのフラグメント。
  17. 式(I)の化合物もしくはその薬理学上許容される塩またはそれらの溶媒和物の哺乳動物に対する作用を検定するための試薬またはキットであって、請求項16に記載の抗体またはそのフラグメントを含んでなる試薬またはキット。
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