JPWO2008102568A1 - 骨軟骨形成促進剤 - Google Patents

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Abstract

構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はそれらの塩を有効成分として含有する骨軟骨形成促進剤及び、骨軟骨形成促進作用を有する因子あるいは骨補填剤(BMP、TGF-β、FGF、IGF、インスリン、PDGF、HGF、ミッドカイン、プレイオトロフィン、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、オステオネクチン、骨シアロタンパク、ハイドロキシアパタイト、無水リン酸ジカルシウム、リン酸ジカルシウム2水和物、リン酸α−トリカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸β−トリカルシウム、PLLA、PLGA、チタン、脱灰骨、自家骨等)との混合物。

Description

本発明は、骨組織や軟骨組織が損傷した際に使用できる、骨軟骨形成促進剤に関する。
骨折の治療は、損傷部を整復、固定して自然治癒に任せる方法が一般的に多く取られている。このとき、骨粗鬆症や糖尿病の場合を除き、薬理学的な治療はあまり行われない。広範囲な骨軟骨組織の損傷、部分欠損(骨腫瘍の術後や口唇口蓋)に対しては、人工の骨補填剤の充填や、骨及び骨軟骨移植が行われている。
損傷あるいは欠損した部位の骨軟骨の細胞増殖または細胞分化を促進させる物質として、骨形成タンパク(bone morphogenetic proteins、BMPs)、腫瘍増殖因子β(transforming growth factor-β、TGF-β)、線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor、FGF)、インスリン様増殖因子(Insulin like growth factor、IGF)、ミッドカイン(Midkine、MK)等が報告されている。
また、骨軟骨形成を促進するマトリックス成分、例えば、コラーゲン、ゼラチンや、骨補填剤のハイドロキシアパタイト、リン酸β-トリカルシウム、リン酸オクタカルシウム(特許文献1、特許文献2)等のリン酸カルシウム類、脱灰骨、自家骨等が使用されている。
また、上記の増殖因子と補填剤との混合物も欠損部位の修復に有効であることが知られている。
グリコサミノグリカンに関しては、コンドロイチン硫酸(非特許文献1)、ヘパリン(非特許文献2)が骨芽細胞の分化を促進すること、ヘパリン、ヘパラン硫酸が、BMPの作用増強剤として骨形成に有効であることが報告されている(非特許文献3)。また、ハイドロキシアパタイトとコンドロイチン硫酸の混合物(特許文献3)あるいはリン酸β-トリカルシウムとコンドロイチン硫酸の混合物(特許文献4)が報告されている。
特開平5−70113号公報 特開2006−167445号公報 特開平8−229114号公報 特開平8−229113号公報 Bouvier M., et al, Arch Oral Biol 35(4) 301-309 1990 Hausser H-J., et al, J Cell Biochem 91 1062-1073 2004 Zhao B., et al, J Biol Chem 281(32):23246-53 2006
骨折や広範囲の骨軟骨組織の損傷に際し、骨充填や骨軟骨移植を行ったとしても、従来はかかる処置を施した後に長期間の固定が必要とされた。長期間の固定は、殊に高齢者にとっては、時には治癒後に寝たきりとなってしまうなど、重大な問題を引き起こしていた。従って、少しでも早い骨・軟骨の再生・治癒の達成が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構造を有するガラクトサミノグリカンが培養骨芽細胞の増殖および分化、および培養軟骨細胞のコラーゲン合成を促進することで、優れた骨軟骨形成促進効果を有すること見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する骨軟骨形成促進剤。
(2) 硫酸化ガラクトサミノグリカンが、N−アセチルコンドロシン又はN−アセチルデルモシン構造を含む硫酸化ガラクトサミノグリカンである(1)記載の骨軟骨形成促進剤。
(3) 硫酸化ガラクトサミノグリカンが式1乃至4記載の構造を含む(1)又は(2)記載の骨軟骨形成促進剤。
Figure 2008102568
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(式中Cは炭素原子を、Oは酸素原子を、Hは水素原子を、Nは窒素原子を、Sは硫黄原子をそれぞれ示し、Rは水素原子又はその置換基を示す。)
(4) 硫酸化ガラクトサミノグリカンの分子量が1000Da以上である(1)乃至(3)いずれかに記載の骨軟骨形成促進剤。
(5) 式1乃至4の構造の含有率が20モル%以上である(1)乃至(4)いずれかに記載の骨軟骨形成促進剤。
Figure 2008102568
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(式中Cは炭素原子を、Oは酸素原子を、Hは水素原子を、Nは窒素原子を、Sは硫黄原子をそれぞれ示し、Rは水素原子又はその置換基を示す。)
(6) 頭足類又は軟骨魚類の軟骨、又は無顎類の脊索由来の硫酸化ガラクトサミノグリカンを有効成分として含有する骨軟骨形成促進剤。
(7) 骨形成を促進する因子又は骨補填剤を添加剤として更に含む(1)乃至(6)いずれかに記載の骨軟骨形成促進剤。
(8) 骨形成を促進する因子又は骨補填剤が、BMP、TGF-β、FGF、IGF、インスリン、PDGF、HGF、ミッドカイン、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、オステオネクチン、骨シアロタンパク、マトリックスGlaタンパク、ハイドロキシアパタイト、無水リン酸ジカルシウム、リン酸ジカルシウム2水和物、リン酸α−トリカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸β−トリカルシウム、ポリ−L−乳酸(PLLA)、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)、チタン、脱灰骨、自家骨から選択される少なくとも1の物質である(7)記載の骨軟骨形成促進剤。
(9) 軟骨形成障害、軟骨再生のための、(1)乃至(8)何れかに記載の骨軟骨形成促進剤を含有する医薬組成物。
(10) 構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はその薬理学的に許容される塩の骨軟骨形成促進のための使用。
(11)構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はその薬理学的に許容される塩の軟骨形成促進のための使用。
本発明により、硫酸化ガラクトサミノグリカンを有効成分とする新たな骨軟骨形成促進剤が提供される。
多硫酸化ガラクトサミノグリカンによる培養骨芽細胞MC3T3-E1の石灰化促進作用の結果を示す図である。 多硫酸化ガラクトサミノグリカンによる培養骨芽細胞MC3T3-E1の石灰化促進作用の結果を示す図である。 多硫酸化ガラクトサミノグリカンによる培養骨芽細胞MC3T3-E1のアルカリホスファターゼ活性亢進作用の結果を示す図である。 多硫酸化ガラクトサミノグリカンによる培養骨芽細胞MC3T3-E1の増殖促進作用の結果を示す図である。 多硫酸化ガラクトサミノグリカンによる骨芽細胞MC3T3-E1の石灰化促進作用の結果を示す図である。Aはリン酸オクタカルシウム(OCP)上での培養を、Bはハイドロキシアパタイト(HA)上での培養をそれぞれ示す。 多硫酸化ガラクトサミノグリカンによる骨芽細胞MC3T3-E1の増殖促進作用の結果を示す図である。Aはリン酸オクタカルシウム(OCP)上での培養を、Bはハイドロキシアパタイト(HA)上での培養をそれぞれ示す。 CS-Eによる培養ブタ軟骨細胞のコラーゲン合成促進作用の結果を示す図である。アルギン酸ゲルビーズ、20個当たりのコラーゲン含量を示す。 CS-Eによる培養ブタ軟骨細胞のコラーゲン合成促進作用の結果を示す図である。DNA当たりのコラーゲン含量を示す。
以下、発明を実施するための最良の形態により本発明を詳説する。
本発明医薬は、構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する骨軟骨形成促進剤である。
本発明医薬における、ガラクトサミノグリカンとは、ガラクトサミンを含む酸性多糖のことで、通常、ガラクトサミンとウロン酸の繰り返し構造を基本骨格とする。ウロン酸は通常、グルクロン酸あるいはイズロン酸である。天然に存在するガラクトサミノグリカンの多くは、N-アセチルガラクトサミンの4位に硫酸基が結合したコンドロイチン硫酸A(以下CS-A硫酸と記載する)あるいはコンドロイチン硫酸B(以下CS-Bと記載する、別名:デルマタン硫酸)、N-アセチルガラクトサミンの6位に硫酸基が結合したコンドロイチン硫酸C(以下CS-Cと記載する)である。本発明医薬の有効成分は、グルクロン酸とN-アセチルガラクトサミンの二糖構造において、グルクロン酸の2位および3位とN-アセチルガラクトサミンの4位および6位に硫酸基が結合した合成多硫酸化コンドロイチン硫酸(以下CPSと記載する:下記式1)、グルクロン酸の2位およびN-アセチルガラクトサミンの6位に硫酸基が結合したコンドロイチン硫酸D(以下CS-Dと記載する:下記式2)や、N-アセチルガラクトサミンの4位および6位に硫酸基が結合したコンドロイチン硫酸E(以下CS-Eと記載する:下記式3)、イズロン酸とN-アセチルガラクトサミンの二糖構造において、N-アセチルガラクトサミンの4位および6位に硫酸基が結合したコンドロイチン硫酸H(以下CS-Hと記載する:下記式4)などの、繰り返し二糖単位に硫酸基を2個以上有する構造を含む硫酸化ガラクトサミノグリカン(以下、多硫酸化ガラクトサミノグリカンと呼ぶ)である。
Figure 2008102568
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天然資源から得られる多硫酸化ガラクトサミノグリカンは、ガラクトサミノグリカンを含む生物体(例えば動物組織)から、通常用いられている方法(物理的抽出法、酵素抽出法、有機溶媒分画法、イオン交換樹脂などを用いるクロマトグラフィー分画法などの簡単な組み合わせ)により抽出、精製して得られるものであれば特に限定されない。多硫酸化ガラクトサミノグリカンを生体から抽出、精製する場合、生物種、組織の種類に関して特に限定されないが、例えば、サメ、イカ、タコ、サケ、ヌタウナギ、ウシ、ブタ等の組織(軟骨、骨、脊索、脳、腸、骨髄等)から抽出、精製された多硫酸化ガラクトサミノグリカンを用いることができる。
これらの組織からの抽出法としては、組織を食塩水や希酢酸でホモジネートしたのち、または、タンパク分解酵素で消化したのち、遠心分離し、上清中に粗多硫酸化ガラクトサミノグリカンを得る方法がある。夾雑タンパクを除くためには、パパイン、プロナーゼ、またはアクチナーゼなどのタンパク分解酵素で組織を消化する方法が望ましい。粗抽出液からの精製方法として、一般的な方法は次のようである。粗抽出液に酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、または塩化ナトリウムを溶解させたのち、攪拌しながら抽出液と当量から3倍量のエタノールを加え、粗多硫酸化ガラクトサミノグリカンを沈殿させる。粗抽出液に塩化ベンザルコニウム(オスバン)や塩化セチルピリジニウム(CPC)のような第四級アンモニウム塩を加え、多硫酸化ガラクトサミノグリカンを沈殿させる方法も単独で、またはエタノールによる沈殿と併せて用いることができる。沈殿をエタノールで洗浄したのち、水酸化ナトリウム溶液等のアルカリ性水溶液を用いて沈殿を処理し、硫酸化ガラクトサミノグリカンの還元端に結合しているペプチドを除く。アルカリ性水溶液による処理は、還元端に結合しているペプチドが問題とならない場合は実施する必要がないが、ペプチドによる免疫原性を回避するためには、実施することが望ましい。アルカリ性水溶液による処理を行った場合は、希塩酸溶液などで中和し、陰イオン交換体カラムに負荷後、クロマトグラフィーを実施する。陰イオン交換体は特に限定されないが、ダウエックス陰イオン交換樹脂(ザ・ダウ・ケミカル社)、アンバーライト陰イオン交換樹脂(ローム アンド ハス社)、AG陰イオン交換樹脂(バイオラッド社)、ジエチルアミノエチル(DEAE)セファロース(GEヘルスケアバイオサイエンス社)、などが挙げられる。ナトリウム塩の水溶液によるグラジェント法、またはステップワイズ法により多硫酸化ガラクトサミノグリカンを溶出し、溶出液をフラクションコレクターで分画する。多硫酸化ガラクトサミノグリカンをカルバゾール硫酸法(Bitter T., et al, Anal Biochem 4 330-334 1962)などで検出し、目的の画分を回収する。透析、ゲルろ過などにより塩を除き、精製された多硫酸化ガラクトサミノグリカンのナトリウム塩を得る。溶出をナトリウム以外の塩で行えば、対応する多硫酸化ガラクトサミノグリカンの塩を得ることができる。陰イオン交換クロマトグラフィーは精製に有効であるが、第四級アンモニウム塩による沈殿とエタノールによる沈殿の条件を最適化すれば、クロマトグラフィーを実施しなくても高純度の多硫酸化ガラクトサミノグリカンを得ることができる。
多硫酸化ガラクトサミノグリカンのうちCS-Dに関しては、サメ軟骨から抽出されたものが望ましい。CS-Eは軟体動物の軟骨組織から抽出されたものが望ましく、イカ軟骨から抽出されたものがより好ましい。CS-Hはヌタメウナギ等の、下等動物の脊索由来のものが望ましい。CS-A、CS-Cから酵素的または化学的に硫酸化するなど化学修飾することによって多硫酸化ガラクトサミノグリカンを合成することもできる。例えば、CS-AにN-アセチルガラクトサミン残基の6位に選択的に硫酸基を転移する酵素であるコンドロイチン6-スルフォトランスフェラーゼを用い、CS-Eを合成することが可能である。
多硫酸化ガラクトサミノグリカンの重量平均分子量は、特に限定されないが、1000Da〜150,000Daが好ましく、10,000Da〜150,000Daがより好ましい。しかし、グリコサミノグリカンの平均分子量は、同一試料でも測定法、測定条件等によって多少異なることが一般的に知られており、本発明においても上記平均分子量の範囲に厳密に限定されるべきものではない。
本発明医薬の有効成分である多硫酸化ガラクトサミノグリカンの多硫酸化構造は、二糖分析により同定、定量が可能である。例えば、硫酸化多糖に作用して不飽和二糖を生成させる酵素で処理し、該硫酸化多糖の構成二糖を反映して生成する不飽和二糖を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により分析する。例えば、CS-Dからは2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(2−O−スルフォ−β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−6−O−スルフォ−D−ガラクトース(ΔDi-SD)が、CS-EとCS-Hからは2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−4、6−ジ−O−スルフォ−D−ガラクトース(ΔDi-SE)が生成し、これらはHPLCで分析することができる(Yoshida K., et al,: Anal Biochem 177 327-332 1989)。なお、Δは不飽和二糖を示す。
二糖分析で用いる酵素は、不飽和二糖にまで分解できるものである限り限定はされない。分析する硫酸化多糖の種類に応じて適宜選択できる。例えば、コンドロイチナーゼ、ヒアルロニダーゼ等が挙げられる。
上記のHPLCによる方法は、硫酸化多糖を酵素処理して得た不飽和二糖の溶出位置を、標準不飽和二糖の溶出位置と比較することにより行う。この二糖分析により、多硫酸化構造の種類、含有率が分析可能である。本発明薬剤の有効成分である多硫酸化ガラクトサミノグリカンは、二糖分析によりD構造あるいはE構造またはH構造の含有率が、20モル%〜100モル%が好ましく、30モル%〜100モル%がより好ましく、50モル%〜100モル%が特に好ましい。
ナトリウム塩の場合、多硫酸化ガラクトサミノグリカン中の硫黄含量は、7%以上が好ましく、8%以上がより好ましい。多硫酸化ガラクトサミノグリカン中の全ての硫酸基およびカルボキシル基がナトリウム塩として存在している場合、構成単糖当たり平均0.6個のエステル硫酸基は、7.33%の硫黄含量となる。N-アセチルコンドロシンまたはN-アセチルデルモシンの基本構造の分子量は、ナトリウム塩の場合、401となる。硫酸基のナトリウム塩の分子量は103で、硫黄の原子量は32である。構成単糖当たり平均0.6個のエステル硫酸基は構成二糖当たり平均1.2個のエステル硫酸基に相当するので、構成単糖当たり平均0.6個のエステル硫酸基を持つ多硫酸化ガラクトサミノグリカンの場合、硫黄含量は以下の式で算出される。
硫黄含量(重量%)=32(硫黄の原子量)×1.2(構成二糖当たりのエステル硫酸基数)/(401(基本構造のナトリウム塩の分子量)+(103(エステル硫酸のナトリウム塩の分子量)×1.2(構成二糖当たりのエステル硫酸基数)−1(エステル結合の際に失われる水素の原子量))×100
本発明の医薬に使用する多硫酸化ガラクトサミノグリカンは、直鎖のものに限定されず、分枝していても良い。
多硫酸化ガラクトサミノグリカンの薬理学的に許容される塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、バリウム塩、マグネシウム塩、アルミニウム塩等の金属塩やアミノ酸塩、アミノ糖塩が挙げられ、中でも、ナトリウム塩が好ましい。本発明医薬は有効成分として多硫酸化ガラクトサミノグリカンを含有していることが重要であり、異なる種類の多硫酸化ガラクトサミノグリカンの混合物であっても構わない。
本発明医薬は、ヒト、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギ等哺乳動物の骨軟骨組織の損傷、部分欠損に対して、顕著な組織修復促進作用を有し、骨折、骨欠損(骨腫瘍の術後や口唇口蓋)等のなどの骨疾患あるいは、変形性関節症、外傷性軟骨疾患、関節リウマチ、半月板損傷、肩関節周囲炎、顎関節症等の疾患の治療に適用可能であるが、殊に軟骨の形成や再生を促す疾病に対して、優れた効果が期待される。
本発明医薬の生体への投与方法に関しては、本発明医薬が有する骨軟骨形成促進作用が損なわれない限り特に限定されない。対象となる疾患の性質や重篤度に応じて適宜選択可能であり、損傷部位に投与可能な剤型であることが好ましい。
例えば、骨折、骨欠損に対しては、外科手術の際などに患部に接触させて投与することが好ましい。生体内で骨形成を促進させる因子あるいは骨補填剤との混合物として投与することで、それらの効果をさらに促進させる効果が期待できる。患部近傍への直接注入や皮下注入でも良い。
上記骨形成を促進する因子及び骨補填剤としては、BMP(Wozney JM., et al, Prog Growth Factor Res 1(4) 267-280 1989等)、TGF-β(Joyce ME., et al, J Cell Biol 110(6) 2195-2207 1990等)、FGF(Mayahara H.,et al, Growth Factors 9(1) 73-80 1993等)、IGF(Mueller K., et al, Am J Physiol 267(1 Pt 1) E1-6 1994等)、インスリン(Cornish J., et al, Calcif Tissue Int 59(6) 492-495 1996等)、PDGF(Vikjaer D., et al Eur J Oral Sci 105(1) 59-66 1997等)、HGF(Amano O., Arch Oral Biol 44(11) 935-946 1999等)、ミッドカイン(Ohta S., et al, J Bone Miner Res 14(7) 1132-1144 1999等)、プレイオトロフィン(Imai S., et al, J Cell Biol 143(4) 1113-1128 1998等)、コラーゲン(Saadeh PB., et al, J Craniofac Surg 12(6) 573-579 2001等)、ゼラチン、プロテオグリカン(Gomes RR. Jr, et al, Connect Tissue Res 44(1) 196-201 2003等)、フィブロネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、オステオネクチン、骨シアロタンパク、ハイドロキシアパタイト、無水リン酸ジカルシウム、リン酸ジカルシウム2水和物、リン酸α−トリカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、リン酸オクタカルシウム およびリン酸β−トリカルシウム、ポリ−L−乳酸(PLLA)、乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)、チタン、脱灰骨、自家骨等が上げられる。これら因子の一種類あるいは二種類以上の組み合わせでも構わない。
損傷、欠損部が大きい場合、生体適合性の高いハイドロキシアパタイトや自家骨、生体内吸収および骨置換能を有するリン酸β-トリカルシウムやリン酸オクタカルシウム等のリン酸カルシウム類や、脱灰骨を骨補填剤および本発明医薬の担体として使用することが望ましい。これらを本発明医薬に混合することで、多硫酸化ガラクトサミノグリカンの有する骨軟骨形成効果が促進される。
混合物の作製法は、マトリックス成分と多硫酸化ガラクトサミノグリカンを水溶液中あるいはゲル中で混合する方法が簡単で望ましいが、両者を化学的に結合させる方法でも、両者の活性を損なわない方法であれば使用できる。また、両者の混合液を凍結乾燥することで、固形物として利用可能である。凍結乾燥によるスポンジ状の混合物を作製する場合、投与部位での消失を遅くするために、架橋等によりマトリックス成分を不溶化することが望ましい。コラーゲンの場合、抗原性の低いアテロコラーゲンを熱処理、紫外線照射、あるいは化学的に架橋することで、スポンジ状の担体を作製できる。
骨補填剤と多硫酸化ガラクトサミノグリカンの混合法は、骨補填剤に多硫酸化ガラクトサミノグリカン溶液を浸して結合させることが可能である。ハイドロキシアパタイト、リン酸カルシウム類の場合、それらのカルシウムに多硫酸化ガラクトサミノグリカンの硫酸基やカルボキシル基をイオン結合により固定できる。さらに、骨補填剤と多硫酸化ガラクトサミノグリカンの混合物を凍結乾燥することで、より多くの多硫酸化ガラクトサミノグリカンを固定できる。用いる骨補填剤は、公知の顆粒体、多孔体、緻密体などいずれの形態でもよく、使用目的、使用部位によって選択できる。顆粒状の骨補填剤と多硫酸化ガラクトサミノグリカンの注入剤としても使用できる。
骨芽細胞の試験には、以下のガラクトサミノグリカンを購入し使用した。コンドロイチン硫酸A(CS-A、クジラ軟骨由来、硫黄含量6.32%、生化学工業(株))、コンドロイチン硫酸B(CS-B、ブタ皮由来、硫黄含量6.57%、生化学工業(株)、コンドロイチン硫酸C(CS-C、コンドロン注、科研製薬(株))、コンドロイチン硫酸E(CS-E、イカ軟骨由来、E構造64.9%、硫黄含量8.75%、生化学工業(株))、コンドロイチン硫酸H(CS-H、ヌタウナギ脊索由来、(株)PGリサーチ)、多硫酸化コンドロイチン硫酸(CPS、アデクァン、三共ライフテック(株))をリン酸緩衝化生理食塩液(PBS(-))で溶解、希釈して培地に添加した。
マウス頭蓋骨由来の骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1を用い、骨芽細胞分化への作用を検討した。MC3T3-E1細胞は、5%ウシ胎子血清(FBS)、10μg/mL ゲンタマイシンを含むα-MEM(増殖培地)にて培養した。細胞がコンフルエントになった時点で、0.25%トリプシン溶液で細胞を回集し、1x104/0.5mL/wellで48wellプレートに増殖培地で播種した。培養24時間後に、培地を50μg/mLアスコルビン酸、10mmol/L β-グリセロリン酸、10nmol/Lデキサメタゾンを含む増殖培地(分化培地)に交換した。また、同時にCS-A、CS-B、CS-C、CS-E、CS-H、あるいはCPSを添加した。分化培地に交換して16日後に、培養上清を除き、PBS(-)で細胞を洗浄した後、1%Nonidet P-40(NP-40:商標名)で細胞を溶解し、細胞溶解液を回収した。プレート上の細胞を15%ホルマリンで固定後、40mmol/Lアリザリンレッド染色(pH4.2)液で石灰化マトリックスを染色し、純水で洗浄した。プレート内のアリザリンレッド色素を、10%ギ酸で溶解し、波長415nmの吸光を測定した。
培養骨芽細胞MC3T3-E1は分化培地で培養することで、骨芽細胞に分化し、アリザリンレッドで染色される石灰化マトリックスを形成する。多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-E、CS-H、CPSは、この石灰化マトリックス形成を有意に促進し培養16日目にはアリザリンレッドにより強く染色されるようになるが、エステル硫酸基の少ないガラクトサミノグリカンであるCS-A、CS-BあるいはCS-Cには、そのような作用は認められなかった(図1)。多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-E、CS-H、CPSは、骨芽細胞の石灰化マトリックス形成を亢進することで、骨・軟骨形成促進作用を有することが明らかとなった。
骨芽細胞の試験には、実施例1で使用したCS-A、CS-Cおよび、コンドロイチン硫酸D(CS-D、サメ軟骨由来、D構造含有率23.2%、硫黄含量7.1%、生化学工業(株))を購入し、使用した。
骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞は、5%FBS、10μg/mL ゲンタマイシンを含むα-MEM(増殖培地)にて培養した。細胞がコンフルエントになった時点で、0.25%トリプシン溶液で細胞を回集し、1x104/0.2mL/wellで96wellプレートに増殖培地で播種した。培養24時間後に、培地を50μg/mLアスコルビン酸、10mmol/L β-グリセロリン酸、10nmol/Lデキサメタゾンを含む増殖培地(分化培地)に交換した。また、同時にリン酸緩衝化生理食塩液(PBS(-))で溶解、希釈したCS-A、CS-C、あるいはCS-Dを添加した。分化培地に交換して10日後に、培養上清を除き、PBS(-)で細胞を洗浄した後、1%NP-40(商標名)で細胞を溶解し、細胞溶解液を回収した。プレート上の細胞を15%ホルマリンで固定後、40mmol/Lアリザリンレッド染色(pH4.2)液で石灰化マトリックスを染色し、純水で洗浄した。プレート内のアリザリンレッド色素を、10%ギ酸で溶解し、波長415nmの吸光を測定した。
培養骨芽細胞MC3T3-E1は分化培地で培養することで、骨芽細胞に分化し、アリザリンレッドで染色される石灰化マトリックスを形成する。多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-Dはこの石灰化マトリックスの形成を有意に促進するが、エステル硫酸基の少ないガラクトサミノグリカンであるCS-A、あるいはCS-Cには、そのような作用は認められなかった(図2)。多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-Dは、骨芽細胞の石灰化マトリックス形成を亢進することで、骨・軟骨形成促進作用を有することが明らかとなった。
骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞を、5%FBS、10μg/mL ゲンタマイシンを含むα-MEM(増殖培地)にて培養した。細胞がコンフルエントになった時点で、0.25%トリプシン溶液で細胞を回集し、8x104/0.5mL/wellで48wellプレートに増殖培地で播種した。培養24時間後に、培地を50μg/mLアスコルビン酸、10mmol/L β-グリセロリン酸、10nmol/Lデキサメタゾンを含む増殖培地(分化培地)に交換した。また、同時に実施例1で使用したCS-C、CS-Eをリン酸緩衝化生理食塩液(PBS(-))で溶解、希釈して添加した。分化培地に交換して8日後に、培養上清を除き、PBS(-)で細胞を洗浄した後、1%NP-40(商標名)で細胞を溶解し、細胞溶解液を回収した。
アルカリホスファターゼ(ALP)活性は、細胞溶解液とp-ニトロフェニルリン酸(Sigma)を混合し、37℃で約10分間インキュベート後の生成されたp-ニトロフェノール(p-NP)量をOD415nmで測定し、検量線からp-NP量を算出した。
培養骨芽細胞MC3T3-E1は分化培地で培養することで、骨芽細胞分化マーカーであるALP活性が上昇する。多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-Eは、骨芽細胞の分化マーカーであるALP活性を有意に亢進し、骨芽細胞分化を促進したが、エステル硫酸基の少ないガラクトサミノグリカンであるCS-Cにはそのような作用は認められなかった(図3)。多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-Eは、骨芽細胞のアルカリホスファターゼ活性を亢進することで、骨・軟骨形成促進作用を有することが明らかとなった。
骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1細胞を、5%FBS、10μg/mL ゲンタマイシンを含むα-MEM(増殖培地)にて培養した。細胞がコンフルエントになった時点で、0.25%トリプシン溶液で細胞を回集し、4x104/0.2mL/wellで96wellプレートに増殖培地で播種した。培養24時間後に、培地を50μg/mLアスコルビン酸、10mmol/L β-グリセロリン酸、10nmol/Lデキサメタゾンを含む増殖培地(分化培地)に交換した。また、同時に実施例1、実施例2で使用したCS-A、CS-C、CS-DあるいはCS-Eをリン酸緩衝化生理食塩液(PBS(-))で溶解、希釈して添加した。分化培地に交換して16日後に、培養上清を除き、PBS(-)で細胞を洗浄した後、1%NP-40で細胞を溶解し、細胞溶解液を回収した。
DNA量の測定は、PicoGreen dsDNA Quantitation kit (Molecular Probes社)を使用し、ウシ胸腺由来DNA(Sigma)をスタンダードとして、蛍光強度(Ex:波長485nm、Em:波長535nm)から算出した。
骨芽細胞の増殖に関して、多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-Eは、有意に細胞の増殖を促進したが、CS-A、CS-C、CS-Dには、そのような作用は認められなかった(図4)。多硫酸化ガラクトサミノグリカンであるCS-Eは、骨芽細胞の増殖を亢進することで、骨・軟骨形成促進作用を有することが明らかとなった。
リン酸カルシウム上で培養したMC3T3-E1細胞を用い、増殖と骨芽細胞分化への多硫酸化ガラクトサミノグリカンの作用を検討した。
リン酸オクタカルシウム(OCP)、ハイドロキシアパタイト(HA、アパセラム、ペンタックス(株))を乳鉢で粉砕し、ステンレスメッシュ(ポアサイズ53μm)を通過した粉体を実験に使用した。OCPあるいはHA粉体1mgを蒸留水1mLに懸濁し、48wellプレートに150μLずつ添加した(0.15mg/well)。乾燥機で80℃、一晩乾燥したあと、70%エタノールで殺菌し実験に使用した。
MC3T3-E1細胞を、5%FBS、10μg/mL ゲンタマイシンを含むα-MEM(増殖培地)にて培養した。細胞がコンフルエントになった時点で、0.25%トリプシン溶液で細胞を回集し、8x104/0.5mL/wellで48wellプレートに増殖培地で播種した。培養24時間後に、培地を50μg/mLアスコルビン酸、10mmol/L β-グリセロリン酸、10nmol/Lデキサメタゾンを含む増殖培地(分化培地)に交換し、同時にCS-Eを添加した。分化培地に交換して12日後あるいは16日後に、培養上清を除き、PBS(-)で細胞を洗浄した後、1%NP-40(商標名)で細胞を溶解し、細胞溶解液を回収した。DNA量の測定は、PicoGreen dsDNA Quantitation kit (Molecular Probes社)を使用し、ウシ胸腺由来DNA(Sigma)をスタンダードとして、蛍光強度(Ex:波長485nm、Em:波長535nm)から算出した。
石灰化の評価は、プレート上の細胞が産生した石灰化マトリックスを15%ホルマリンで固定後、40mmol/Lアリザリンレッド染色(pH4.2)液で染色し、脱イオン水で洗浄の後、10%ギ酸で溶解し、波長415nmの吸光を測定した。
OCPコートあるいはHAコート条件下においても、CS-Eは骨芽細胞分化を促進し、培養12日目(HA)あるいは16日目(OCP)でのアリザリンレッドで染色される石灰化マトリックスの産生を促進した(図5A及びB)。また、細胞増殖に関しても、CS-EはOCPコート条件下、培養16日目における骨芽細胞の増殖を有意に促進した(図6A)。HAコート条件下においても、有意ではないが同様の細胞増殖促進効果が認められ(図6B)、骨補填剤との併用においてもCS-Eが骨・軟骨形成促進作用を有することが明らかとなった。
軟骨細胞の試験には、コンドロイチン硫酸E(CS-E、イカ軟骨由来、E構造64.9%、硫黄含量8.75%、生化学工業(株))を購入し、使用した。試験に際しては、リン酸緩衝化生理食塩液(PBS(-))で溶解、希釈して培地に添加した。
軟骨細胞は以下のように、ブタの膝関節軟骨から分離した。生後約1年齢のLWD種ブタの後肢を有限会社下田畜産から購入した。膝関節を開放後、大腿骨の関節軟骨を無菌的に採取した。以降、Mok S.S.らの方法(J. Biol. Chem., 1994, 269, 33021-33027)を一部、変更して、関節軟骨由来の細胞(以下、軟骨細胞と記載する)を分離した。
採取した軟骨を、0.4%のアクチナーゼ(科研製薬(株))と10μg/mLのゲンタマイシン(Invitrogen社)を含むDMEM/F-12培地(ダルベッコ変法イーグルとハムF12を1:1で含む培地、Invitrogen 社)に入れ、スターラーで攪拌しながら5%のCO存在下、37℃で1時間処理した。培地を除去したのち、残渣に0.025%のコラゲナーゼ−P(Roche社)と5%のFBS(Biological Industries社)を含む培地を加え、5%のCO存在下、37℃で16時間消化した。消化後、細胞を洗浄し、70μmのセルストレーナー(Becton Dickinson社)で回収し、血球計算盤を用いて細胞数を計測した。
得られた細胞を2.5%のアルギン酸ナトリウム(アルト、カイゲン(株))を含む生理食塩液に2×10個/mLの密度で懸濁し、以下、Flechtenmacher J.らの方法(Arthritis Rheum., 1996, 39, 1896-1904)を一部変更して、アルギン酸ゲルを用いた三次元培養を行った。
細胞を懸濁したアルギン酸ナトリウム溶液を50mLの使い捨て注射筒(テルモ株式会社)に入れ、22Gの注射針(テルモ株式会社)を装着した。注射筒のピストンを押し、内容液を102mmol/LのCaCl(Sigma社)溶液に滴下した。この操作により、アルギン酸は細胞を含んだ状態でビーズ状にゲル化する。アルギン酸ビーズの直径は約2mmで、ビーズ1個当たり約2×10個の軟骨細胞を含んでいる。滴下後10分に、ビーズを生理食塩液で3回洗浄し、その後、100ng/mLのIGF-I、10%のFBS、25μg/mLの L-アスコルビン酸、10μg/mLのゲンタマイシン、並びに種々の濃度のCS-Eを含むDMEM/F-12培地で、5%のCO存在下、24wellの培養皿を使用して37℃で6日間培養した。CS-Eの濃度は4, 20, 100μg/mLとした。培地は交換しなかった。三次元培養により、軟骨細胞は、その周囲に軟骨基質成分であるプロテオグリカンとII型コラーゲンを産生する。
6日間の三次元培養後、Mok S.S.らの方法(J. Biol. Chem., 1994, 269, 33021-33027)に従って、0.15mol/Lの食塩を含む55mmol/Lのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8)をアルギン酸ビーズの5倍容量加え、攪拌後、室温で15分間放置した。Caイオンによりゲル化したアルギン酸はクエン酸により溶解する。得られた懸濁液を300×g、4℃で5分間遠心分離後、上清を廃棄した。沈殿に生理食塩液を加え、攪拌し、同様に遠心分離し、軟骨基質を伴う軟骨細胞を沈殿として回収した。
得られた軟骨細胞に、1mg/mLのプロナーゼ(Calbiochem社)を含む20mmol/LのHEPES緩衝液(pH7.5)を1mL加え、密栓した後、60℃で3時間消化した。得られた消化液をDNA含量、およびコラーゲン含量の分析用試料とした。
DNA含量はKim Y-Jらの方法(Anal. Biochem., 1988, 174, 168-176)に従って、Hoechst社の蛍光色素(Hoechst 33258)を用いて、ウシ胸腺由来のDNA(Sigma社)を標準として測定した。
前処理で得られた試料、および濃度既知の標準試料の50μLを96wellのブラックプレート(437111型。Nunc社)にとり、同量の100mMトリス−EDTA−NaCl緩衝液(pH7.4)を加えた。前処理で用いたプロナーゼを含む20mmol/LのHEPES緩衝液(pH7.5)を陰性対照試料とした。次に、同一の緩衝液に溶解した5μg/mLのHoechst33258溶液の100μLを各試料に加え、振とう装置で1分間、攪拌した。その後、蛍光プレートリーダー(Twinkle LB970型、Berthold社)を用いて、励起波長、360nm、蛍光波長、460nmで測定した。標準試料の蛍光強度を基にして検量線を作成し、その検量線から各試料中のDNA含量を算出した。
コラーゲン含量はWoessner JF. Jrの方法(Arch. Biochem. Biophys., 1961, 93, 440-447)に従って、加水分解した試料中のヒドロキシプロリンを測定することにより算出した。
前処理で得られた試料の100μLをガラスバイアルビン(08-CPV型。Chromacol社)にとり、同量の塩酸(和光純薬工業株式会社)を加え、四フッ化エチレン樹脂製セプタム付アルミキャップ(8-AC-TST1型。Chromacol社)で密栓後、120℃で16時間加水分解した。前処理で用いたプロナーゼを含む20mmol/LのHEPES緩衝液(pH7.5)を陰性対照試料とした。また、濃度既知のブタII型コラーゲン溶液(Chondrex社)を標準試料として使用した。
加水分解した試料の100μLを0.8mL容量のデープウエルプレート(AB-0765型、ABgene House 社)にとり、水酸化ナトリムを共存させた真空デシケーター内で減圧、乾固した。乾燥した試料に蒸留水を加え、Woessner JF.Jrの方法に従って、発色後、557nmにおける吸光度を測定した。標準試料の吸光度を基にして検量線を作成し、その検量線から各試料中のコラーゲン含量を算出した。
アルギン酸ゲルビーズ、20個当たりのコラーゲン含量を図7に、DNA当たりのコラーゲン含量を図8に示す。100μg/mLのCS-Eはアルギン酸ゲルビーズ、20個当たりのコラーゲン含量、並びにDNA当たりのコラーゲン含量を有意に増加させた。すなわち、軟骨細胞に対して、CS-Eはコラーゲン合成を促進させる作用、すなわち、軟骨形成促進作用があることが示唆された。
なお、本発明で使用した硫酸化ガラクトサミノグリカンの二糖分析結果を表1に示す。分析方法はYoshida K., et alの方法(Anal Biochem 177 327-332 1989)に従った。CPSは、二糖にまで分解できる酵素が存在しないため、分析できなかった。この方法では硫酸化ガラクトサミノグリカンの構成ウロン酸がイズロン酸であっても、グルクロン酸の場合と同一の不飽和二糖を与える。例えば、構成ウロン酸がイズロン酸でN-アセチルガラクトサミンの4位にエステル硫酸基を持つ構造(デルマタン硫酸構造)はΔDi-4Sを、構成ウロン酸がイズロン酸でN-アセチルガラクトサミンの4位と6位にエステル硫酸基を持つ構造(コンドロイチン硫酸H構造)はΔDi-SEを与える。
Figure 2008102568
各不飽和二糖の略号は以下の構造を意味する。
ΔDi-0S:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−D−ガラクトース
ΔDi-6S:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−6−O−スルフォ−D−ガラクトース
ΔDi-4S:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−4−O−スルフォ−D−ガラクトース
ΔDi-SD:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(2−O−スルフォ−β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−6−O−スルフォ−D−ガラクトース
ΔDi-SB:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(2−O−スルフォ−β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−4−O−スルフォ−D−ガラクトース
ΔDi-SE:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−4,6−ジ−O−スルフォ−D−ガラクトース
ΔDi-TriS:2−アセトアミド−2−デオキシ−3−O−(2−O−スルフォ−β−D−グルコ−4−エノピラノシルウロン酸)−4,6−ジ−O−スルフォ−D−ガラクトース
本発明は、骨軟骨形成促進剤に関するものであり、医薬品分野等で利用することができる。

Claims (11)

  1. 構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する骨軟骨形成促進剤。
  2. 硫酸化ガラクトサミノグリカンが、N−アセチルコンドロシン又はN−アセチルデルモシン構造を含む硫酸化ガラクトサミノグリカンである請求項1記載の骨軟骨形成促進剤。
  3. 硫酸化ガラクトサミノグリカンが式1乃至4記載の構造を含む請求項1又は2記載の骨軟骨形成促進剤。
    Figure 2008102568
    Figure 2008102568
    Figure 2008102568
    Figure 2008102568
    (式中Cは炭素原子を、Oは酸素原子を、Hは水素原子を、Nは窒素原子を、Sは硫黄原子をそれぞれ示し、Rは水素原子又はその置換基を示す。)
  4. 硫酸化ガラクトサミノグリカンの分子量が1000Da以上である請求項1乃至3いずれか一項記載の骨軟骨形成促進剤。
  5. 式1乃至4の構造の含有率が20モル%以上である請求項1乃至4いずれか一項記載の骨軟骨形成促進剤。
    Figure 2008102568
    Figure 2008102568
    Figure 2008102568
    Figure 2008102568
    (式中Cは炭素原子を、Oは酸素原子を、Hは水素原子を、Nは窒素原子を、Sは硫黄原子をそれぞれ示し、Rは水素原子又はその置換基を示す。)
  6. 頭足類又は軟骨魚類の軟骨、又は無顎類の脊索由来の硫酸化ガラクトサミノグリカンを有効成分として含有する骨軟骨形成促進剤。
  7. 骨形成を促進する因子又は骨補填剤を添加剤として更に含む請求項1乃至6いずれか一項記載の骨軟骨形成促進剤。
  8. 骨形成を促進する因子又は骨補填剤が、BMP、TGF-β、FGF、IGF、インスリン、PDGF、HGF、ミッドカイン、プレイオトロフィン、コラーゲン、ゼラチン、プロテオグリカン、フィブロネクチン、オステオカルシン、オステオポンチン、オステオネクチン、骨シアロタンパク、ハイドロキシアパタイト、無水リン酸ジカルシウム、リン酸ジカルシウム2水和物、リン酸α−トリカルシウム、非晶質リン酸カルシウム、リン酸オクタカルシウム、リン酸β−トリカルシウム、PLLA、PLGA、チタン、脱灰骨、自家骨から選択される少なくとも1の物質である請求項7記載の骨軟骨形成促進剤。
  9. 軟骨形成障害、軟骨再生のための、請求項1乃至8何れか一項に記載の骨軟骨形成促進剤を含有する医薬組成物。
  10. 構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はその薬理学的に許容される塩の骨軟骨形成促進のための使用。
  11. 構成単糖当たり平均0.6個以上のエステル硫酸基を含有する硫酸化ガラクトサミノグリカン又はその薬理学的に許容される塩の軟骨形成促進のための使用。
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