JPH08229113A - 高性能骨補填剤 - Google Patents

高性能骨補填剤

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JPH08229113A
JPH08229113A JP7038683A JP3868395A JPH08229113A JP H08229113 A JPH08229113 A JP H08229113A JP 7038683 A JP7038683 A JP 7038683A JP 3868395 A JP3868395 A JP 3868395A JP H08229113 A JPH08229113 A JP H08229113A
Authority
JP
Japan
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bone
chondroitin sulfate
type
filling agent
tricalcium phosphate
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP7038683A
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English (en)
Inventor
Masahiro Hirano
昌弘 平野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 骨形成能力に優れた高性能骨補填剤を提供す
る。 【構成】 本発明の高性能骨補填剤は、β型リン酸3カ
ルシウムに、コンドロイチン硫酸イオンを、固定したも
のからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、医科および歯科分野に
おいて生じる骨欠損部、骨空隙部の補填剤に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来からβ型リン酸3カルシウムを構成
成分とする骨欠損部補填剤は公知である(例えば、特開
昭62−32964号公報、特開昭63−46167号
公報)。これらの公知の骨補填剤に使用されるβ型リン
酸3カルシウムは、生体親和性に優れた材料であること
が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記、従来の技術での
β型リン酸3カルシウムは、それ自体では、骨の形成能
力を有せず、骨形成の足場となるにとどまる材料であ
る。そこで、骨形成因子(B.M.P.)をβ型リン酸
3カルシウムと複合して、骨形成能を付与しようとする
研究も進められているが、大量に骨形成因子を精製する
ことは極めて困難であるという問題があつた。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、効率的に骨形成能力を有する実
用的な高性能の骨補填剤を開発すべく研究を進めたとこ
ろ、β型リン酸3カルシウムに、コンドロイチン硫酸イ
オンを固定した状態にすると、骨の形成を効率的に促進
し得るという知見を得たのである。
【0005】本発明は、上記の知見に基づいてなされた
ものであつて、β型リン酸3カルシウムに、コンドロイ
チン硫酸イオンを固定したことを特徴とする高性能の骨
補填剤からなるものである。
【0006】本発明の骨補填剤において使用するβ型リ
ン酸3カルシウムは、公知のものを用いることが出来
る。したがつて、顆粒体状、多孔体状、緻密体状など、
いずれの形態でも良く、使用目的、使用部位によつてさ
まざまなスペクを選択できる。例を挙げると、骸骨の
再建の場合は、粒径:0.1mm〜3.0mm、特に好
ましくは、0.3mm〜1.0mmの顆粒体が好ましく
用いられる。また、腫瘍などによる骨欠損部への補填の
場合は、0.2cc〜50cc、特に好ましくは、0.
5cc〜30ccの立方体、直方体、円柱、円錐台など
の形状を有する多孔体が用いられる。多孔体の気孔率
は、20〜80%、特に好ましくは、30〜70%であ
り、平均気孔寸法は、50〜300μmが好ましく用い
られる。更に、強度を必要とする人工歯根には、直径3
〜7mmの緻密体が好ましく用いられる。
【0007】これらのβ型リン酸3カルシウムは、公知
の方法、つまり、カルシウム成分とリン成分を含む原料
から、湿式、乾式、水熱式のいずれかの方法で合成され
たものが使用できる。これらの中で、純度が高く、大量
にβ型リン酸3カルシウムを得ることのできる湿式法で
合成することが最も好ましい方法である。湿式法による
合成の1例を挙げると、1モル/lの水酸化カルシウム
水溶液9lに、6モル/lのリン酸水溶液を1l、攪拌
下滴下してβ型リン酸3カルシウム3モルを合成するこ
とができる。
【0008】本発明に使用するβ型リン酸3カルシウム
は、600℃〜1200℃で焼成したものが好ましい。
600℃未満では、溶出量が多く、生体に対して為害作
用を有し、1200℃を越すと分解するからである。中
でも、生体親和性に富む700〜1150℃が好まし
く、更に、骨誘導能の高い800〜1000℃が最も好
ましい。なお、この様なβ型リン酸3カルシウムは、既
に市販されているのでそれらを使用しても良い。
【0009】本発明の骨補填剤では、コンドロイチン硫
酸イオンが、必須の構成成分であるが、コンドロイチン
硫酸は、人体中特に、軟骨や角膜などに多く含まれてい
る成分であり、このコンドロイチン硫酸イオンが極めて
重要な役割を担つている。
【0010】コンドロイチン硫酸イオンを得るには、市
販のコンドロイチン硫酸ナトリウム試薬を水に溶解させ
るだけで良いので、極めて現実的、実用的である。コン
ドロイチン硫酸ナトリウムは水に易溶であり、溶解した
コンドロイチン硫酸イオンは、そのスルホン基やカルボ
キシル基がカルシウムと電気的に引き合う。そのため、
β型リン酸3カルシウムとコンドロイチン硫酸イオンが
共存すると、当然β型リン酸3カルシウムにコンドロイ
チン硫酸イオンが固定された状態になる。この状態のま
ま生体内に埋入されると、β型リン酸3カルシウムに吸
着したコンドロイチン硫酸イオンが他のカルシウムイオ
ンを吸着しようとする作用が働き、この結果、β型リン
酸3カルシウムに接してカルシウムの沈着が起き、した
がって骨の形成に寄与する(骨の形成を促進する)とい
う効果を発揮する。この効果は、同じくコンドロイチン
硫酸イオンを含むコンドロイチン硫酸ナトリウム水溶液
のみでは十分に発揮できない。コンドロイチン硫酸イオ
ンを、その場に固定し、かつ骨の形成の足場となるβ型
リン酸3カルシウムと組み合わせて初めて効果が倍加さ
れるのである。
【0011】コンドロイチン硫酸イオンを得る際のコン
ドロイチン硫酸ナトリウム水溶液の濃度は特に限定され
るものではないが、0.5〜20重量%であることが好
ましい。0.5重量%未満では、所望の効果が十分に発
揮できず、20重量%を越すと水溶液の濃度が高くな
り、粘性が大きくなりすぎるので好ましくない。
【0012】本発明の骨補填剤の製造方法は、β型リン
酸3カルシウムの顆粒体または多孔体または緻密体を、
コンドロイチン硫酸ナトリウム水溶液に、用時または予
め浸漬するだけで良い。上で述べたように、β型リン酸
3カルシウムとコンドロイチン硫酸イオンとは接着し易
いので、数秒間の浸漬であつても目的は達せられる。し
たがって、β型リン酸3カルシウムを補填後、この上か
らコンドロイチン硫酸ナトリウム水溶液を掛けることに
よって、その場で本発明の骨補填剤を製造することもで
きる。もちろん、術前にコンドロイチン硫酸ナトリウム
水溶液中にβ型リン酸3カルシウムを浸漬させておき、
用時取り出して使用することもできれば、さらに、予め
取り出して使用することもできれば、さらに、予め取り
出して40℃以下で乾燥した後に使用することもでき
る。
【0013】β型リン酸3カルシウムとコンドロイチン
硫酸ナトリウム水溶液を、用時混合する使用法の場合に
は、もちろん両者とも滅菌しておく必要がある。前者
は、高圧蒸気滅菌や乾熱滅菌、後者は、濾過滅菌を好ま
しく用いることができる。また、予め浸漬させる場合に
は、同じく滅菌したβ型リン酸3カルシウムとコンドロ
イチン硫酸ナトリウム水溶液を用いて固定(浸漬)を行
い、取り出した骨補填剤は、その後無菌的に取り扱う必
要がある。
【0014】
【実施例】次に、本発明の高性能骨補填剤の具体的な内
容を、実施例によって詳細に説明する。 [実施例1]まず、水酸化カルシウム(和光純薬工業
製:特級)9モルを蒸留水9lに懸濁した。これに、リ
ン酸(和光純薬工業製:食添用)85重量%水溶液6モ
ルを蒸留水1lに溶解した後、撹拌しつつ、滴下した。
24時間養生後、得られたスラリ−を乾燥し、1150
℃で1時間焼成してβ型リン酸3カルシウムを合成し
た。合成したβ型リン酸3カルシウムを使用して顆粒体
(0.3〜0.7mm:焼成温度800℃)、多孔体
(5×5×5mm:気孔率70%:平均気孔径200μ
m:焼成温度1000℃)、緻密体(5mmΦ、15m
mL、密度98.0%:焼成温度1150℃)を作製し
た。これらを、コンドロイチン硫酸ナトリウム(和光純
薬工業製:特級)0.5、5、20重量% 水溶液にそ
れぞれ5秒間浸漬した後取り出した。取り出したβ型リ
ン酸3カルシウムを室温で乾燥後、赤外線スペクトルパ
タ−ンを測定したところ(日立製作所製260−30型
赤外吸光光度計使用)、いずれの場合もコンドロイチン
硫酸に起因するピ−クを認め、コンドロイチン硫酸イオ
ンが固定されていることが示された。
【0015】[実施例2]動物実験のため実施例1のコ
ンドロイチン硫酸ナトリウムが固定された顆粒体と固定
前の顆粒体を300μm以下に粉砕した。これを用いて
次のような実験をした。10週齢のWistar/ST
系ラットの大腿骨に直径約1.4mmの孔を開け、ここ
に(1)コンドロイチン硫酸硫酸ナトリウムの固定され
ていない粉と滅菌生理食塩水を混合(粉/液比=3.
0)したスラリ−(従来の骨補填剤)、(2)コンドロ
イチン硫酸ナトリウムの固定された粉と滅菌生理食塩水
を混合(粉/液比=3.0)したスラリ−(本発明の骨
補填剤1)、(3)コンドロイチン硫酸ナトリウムの固
定されていない粉と滅菌コンドロイチン硫酸ナトリウム
3重量%水溶液を混合(粉/液比=3.0)したスラリ
−(本発明の骨補填剤2)を作製し、それぞれ流し込ん
だ。各群3匹ずつ実施し、術後1ケ月で屠殺し、補填部
の組織標本を作製して、骨の形成量を画像解析にて計量
した。その結果を画像上の新生骨の面積(3匹の平均)
で比較した値を表1に示した。[なお、表では上記
(1)の面積を100とした場合の相対値で示す。]
【0016】
【表1】
【0017】
【発明の効果】表1から明らかな様に、本発明の骨補填
剤1〜2は、従来の骨補填剤と比べ、格段に優れた骨形
成能力を有しており、これは、骨誘導能に富む β型リ
ン酸3カルシウムにコンドロイチン硫酸イオンを固定し
たことの顕著な効果であり、実用的に優れたものであ
り、産業上大いな貢献をなすものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 β型リン酸3カルシウムに、コンドロイ
    チン硫酸イオンを、固定してなる高性能骨補填剤。
JP7038683A 1995-02-27 1995-02-27 高性能骨補填剤 Withdrawn JPH08229113A (ja)

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JP7038683A JPH08229113A (ja) 1995-02-27 1995-02-27 高性能骨補填剤

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001129073A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Olympus Optical Co Ltd 骨補填材および骨補填材注入具
WO2008102568A1 (ja) * 2007-02-22 2008-08-28 Pg Research Co., Ltd. 骨軟骨形成促進剤

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JP2001129073A (ja) * 1999-11-02 2001-05-15 Olympus Optical Co Ltd 骨補填材および骨補填材注入具
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