JPH0233388B2 - - Google Patents

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JPH0233388B2
JPH0233388B2 JP56158300A JP15830081A JPH0233388B2 JP H0233388 B2 JPH0233388 B2 JP H0233388B2 JP 56158300 A JP56158300 A JP 56158300A JP 15830081 A JP15830081 A JP 15830081A JP H0233388 B2 JPH0233388 B2 JP H0233388B2
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JP
Japan
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collagen
bone
filling material
porous body
calcium phosphate
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JP56158300A
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Hiroyasu Takeuchi
Yoshitaka Ookubo
Yasuaki Fukuda
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Mitsubishi Mining and Cement Co Ltd
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Mitsubishi Mining and Cement Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は医用材料、特に生体の骨腫瘍その他に
よつて生ずる骨欠損部及び空隙部に充てんし、当
該個所の新生骨の形成を促進し、損傷個所の治瘉
後に於て、生体の骨組織と一体化する骨欠損部及
び空隙部充てん材に関する。 高度な粉砕骨折や骨腫瘍の切除などに伴い、骨
に欠損あるいは空隙を生じ、当該個所の補綴を必
要とするケースが外科あるいは整形外科の分野に
おいてしばしば見うけられる。従来かかる場合に
おいては、患者本人の腸骨などから海綿状の自家
骨を採取して、骨欠損個所等にこれを充てんし、
骨組織の回復治瘉を早める手法が採用されてい
る。しかし、該方法によれば患者の損傷個所以外
の骨組織を切除して用いる必要があり、患者の苦
痛は大きく、また手術に当つて多大の労力を要す
る。さらに、広範な骨欠損部を充てんするに十分
な量の自家骨を採取できるとは限らず、不足分に
ついては何らかの代用物をもつてこれに充当する
必要が生じてくる。自家骨以外の骨を充てんする
方法としては同種骨移植と異種骨移植があるが、
現在のところ、いずれも拒絶反応を伴うなどの問
題点があり、術後の経過は必ずしも良好とはいえ
ない。 このようなことから、骨欠損部及び空隙部に充
てんした場合生体適合性に優れ、当該欠損個所並
びにその周辺部における造骨作用を促進し、骨組
織欠損個所の構造機能を修復及び回復せしめる人
工材料の開発が望まれている。 従来、生体の硬組織代替物質としては、各種合
金及び有機物等が用いられてきたが、これらは生
体内におけるきびしい環境下で溶解や劣下などの
変化を生じ、毒性や異物反応を伴うことなどか
ら、現在では生体との親和性に優れ、かつ上記の
欠点の少ないセラミツク系材料が用いられつつあ
る。このセラミツク系材料の中でも生体適合性に
優れたアルミナ、カーボン、リン酸三カルシウム
〔Ca3(PO42〕あるいはヒドロキシアパタイト
〔Ca5(PO43OH〕の焼結体若しくは単結晶からな
る人工骨、人工歯根などが開発され注目を集めて
いる。 これらの焼結体若しくは単結晶を骨欠損部及び
空隙部に充てんする試みもなされているが、実際
治療を必要とする骨欠損部の形状は一定でなく、
かつ複雑な形状をしていることが多く、その形状
に適合するようこれらの焼結体若しくは単結晶を
加工することは困難であり、さらに、たとえばア
ルミナの焼結体若しくは単結晶を充てんした場合
には充てんした周囲の骨組織よりも著しく硬いた
め充てん材周辺でその刺激による骨吸収がおこ
り、ルーズニングなどの問題が生じ、いまだ実用
の域には達していない。 さらに動物の骨を焼成することにより多孔体と
し、これを充てん材として使用することも考えら
れているが、生体と拒絶反応を起こさない充てん
材としての多孔体を作製するには高温で骨を焼成
し完全に有機物を除去したものを使用する必要が
ある。この高温焼成により、動物の骨の無機成分
であるリン酸カルシウム化合物は焼結し、得られ
る多孔体は生体組織中における有機物が存在した
部分がそのまま気孔とはならず、気孔径はこれよ
り小さなものしか得られない。また動物の骨に含
まれる有機成分は約35%と一定であり、これ以上
の高気孔率を有する多孔体を動物の骨から作るこ
とは不可能である。これらの理由により、動物の
骨を骨欠損部の充てん材として使用したとして
も、気孔径が小さくなることから気孔内への骨形
成成分の進入は困難であり、かつ、部分的に骨形
成成分が進入できたとしても該充てん材と骨組織
が一体化するまでには該充てん材の気孔率が約35
%と低いため長期間を必要とすることとなる。 一方、有機物多孔体にセラミツク粉末を付着さ
せ連続多孔体とし、これを焼成して有機物多孔体
を除くことにより、高気孔率のセラミツク多孔体
を得る方法がある。しかし該方法によつてリン酸
カルシウム多孔体を得たとしても、該多孔体は高
気孔率のものしか得られず、したがつて強度が低
く、取扱いに不便であり、充てん材として使用す
る場合、たとえば手術時において骨欠損部等の形
状にあわせ加工することは容易でないという欠点
がある。 従つて、本発明の一つの目的は強度が大であ
り、充てん個所の形状に適合した形状に加工しや
すく且つ生体適合性にすぐれ、しかも異物反応を
伴わず、特に短期間に骨組織を形成し、充てん材
自体が生体と早期に一体化される骨欠損部及び空
隙部充てん材を提供することにある。 本発明の他の目的は充てん材の気孔内へのコラ
ーゲンの進入が特に速かであり、充てん材自体が
速かに固定される骨欠損部及び空隙部充てん材を
提供することにある。 本発明の他の目的は充てん材における造骨作用
を促進し、骨組織欠損部分の構造及び機能を特に
速やかに修復及び回復せしめる骨欠損部及び空隙
部充てん材を提供することにある。 本発明の更に別の目的は新生骨の生成が特に速
やかに行われる骨欠損部及び空隙部充てん材を提
供することにある。 本発明の上記及びその他の目的は以下の記載か
ら明白となる。 本発明によれば、三次元の連続気孔を有するリ
ン酸カルシウム化合物の海綿状多孔体の前記連続
気孔壁面にコラーゲンを付着固化せしめてなり、
コラーゲン付着固化後の連続気孔の口径寸度が
50μm乃至500μmであり且つ気孔率が40%乃至97
%であることを特徴とする骨欠損部及び空隙部充
てん材が提供される。 以下本発明を詳述する。 本発明者らはリン酸カルシウム化合物を骨欠損
部及び空隙部に充てんすると新生骨が当該個所に
生成することから、まずこのリン酸カルシウム化
合物の骨形成能力を利用することに着目した。本
発明に使用し得るリン酸カルシウム化合物として
は、例えばCa(H2PO42、CaHPO4、CaHPO4
2H2O、Ca2P2O7、Ca3(PO42、Ca5(PO43OH、
Ca4O(PO42等があげられ、これらを単独若しく
は2種以上の混合物として用いることができる。
これらの化合物のうち、リン酸三カルシウム
〔Ca3(PO42〕、ヒドロキシアパタイト〔Ca5
(PO43OH〕、リン酸四カルシウム〔Ca4O
(PO42〕を用いた場合、特に新生骨の生成が早
く好ましい化合物であると言える。最も好ましい
化合物はこれらの中でも特に新生骨の生成が早い
ヒドロキシアパタイトであり、中でも500℃以上
1400℃以下、特に好ましくは700℃乃至1300℃で
熱処理して得たヒドロキシアパタイトが特に新生
骨の生成が早く好ましい。また本発明にて使用し
得るリン酸カルシウム化合物は公知の製造方法に
より人工的に合成されたものであつても、動物の
骨などを粉砕して得られる天然のものを用いても
よい。 本発明では、リン酸カルシウム化合物が多孔体
として用いるが、該多孔体の形状は三次元の連続
気孔を有する海綿状多孔体とする。特に、該多孔
体の連続気孔が三次元の連鎖球状であると、球状
部と球状部との連接部に骨芽細胞が付着しやす
く、新生骨が速かに形成されるので好ましい。 本発明に用いる上述のリン酸カルシウム化合物
の海綿状多孔体は、空孔が連続しており、かつ三
次元の網状構造を有する有機質多孔体にスラリー
状のリン酸カルシウム化合物を含浸させたのち、
乾燥し、該有機質多孔体を加熱して除去すること
により得ることができる。この場合、適宜所望と
する三次元の網状構造を有する有機質多孔体を選
択することにより、連鎖球状の連続気孔を有する
リン酸カルシウム化合物の海綿状多孔体を得るこ
とができる。 本発明によれば、前述のリン酸カルシウム化合
物の海綿状多孔体にコラーゲンを付着固化するこ
とを特徴とする。 コラーゲンは生体の硬組織の有機成分を構成す
る成分であり、ペプシンで溶解して酸性とするこ
とにより溶液状態となるが、該溶液を中性若しく
は塩基性とすると、溶液から繊維状の沈殿物とし
てコラーゲンが析出するという性質を有すること
が知られている。 本発明ではコラーゲンの該性質を利用する。す
なわち、コラーゲンをペプシンにて溶解して酸性
溶液とし、該酸性溶液を三次元の連続気孔を有す
るリン酸カルシウム化合物の海綿状多孔体を浸漬
させ、該連続気孔の壁面にコラーゲンを付着させ
る。この場合、リン酸カルシウム化合物は弱塩基
性の物質であり、このためコラーゲンを含む酸性
溶液に該化合物の海綿状多孔体を浸漬すると、す
みやかに該化合物と酸性溶液とが反応し、ただち
に気孔壁表面近傍において中和がおこり、このた
めコラーゲンを含む溶液から選択的に該気孔壁面
にコラーゲンが付着することとなる。 コラーゲンは上述のように酸性溶液状態で使用
するが、該溶液のPHは1〜5、特に2〜3の範囲
にあることが好ましい。PHが1未満の場合にはリ
ン酸カルシウム化合物が多量に溶液にとけ、リン
酸カルシウム化合物からなる多孔体が崩壊する恐
れがあり、一方PH5を越える場合にはコラーゲン
を溶液状態としておくことが困難となるからであ
る。 コラーゲンは0.1〜2.0wt%のコラーゲン濃度を
有する酸性溶液の状態で使用することが好まし
い。コラーゲン濃度が0.1wt%より低くなると補
強の効果が十分でなくなり、一方、2.0wt%をこ
えた場合は、溶液の粘度が高すぎるため、多孔体
内部にまでコラーゲンが進入しにくくなり、均一
な補強の効果が期待できないことがある。コラー
ゲン溶液中のコラーゲン濃度が高い場合には、海
綿状多孔体の気孔内部にまで均一にコラーゲン溶
液を進入させるため減圧下で浸漬させることが望
ましい。 多孔体に付着固化させるためのコラーゲンはど
んな動物から採取したコラーゲンであつてもかま
わないし、また、いずれの生体組織より採取した
ものであつてもよいが、本来のコラーゲン構造か
らテロペプタイトを除去したコラーゲンが異物反
応を伴わず好ましい。 かようにしてコラーゲンを付着させた海綿状多
孔体は室温、常圧下若しくは減圧下で乾燥させる
ことにより気孔壁面に固化させることができる。 リン酸カルシウム化合物の海綿状多孔体の気孔
壁面にコラーゲンを付着固化させることにより、
そのままでは強度が十分でない海綿状多孔体が靭
性を有するコラーゲンにより補強され、手術にあ
たり骨欠損部の形状に合わせて適宜切断しても崩
壊することなく所望の形状の充てん材とすること
ができる。さらに、充てん材にコラーゲンが付着
固化されているため、充てん後周囲の骨組織より
充てん材内部に進入してくるコラーゲンが充てん
材に付着固化されているコラーゲンと合体し、充
てん材自体が速かに治療部位に固定され、骨組織
と一体化する時間を短縮することができる。 本発明によれば、コラーゲンの付着率、すなわ
ちリン酸カルシウム化合物の海綿状多孔体の気孔
の全内表面積当りのコラーゲン付着面積の割合は
5乃至70%、特に10乃至50%であることが望まし
い。コラーゲンの付着率が5%未満ではコラーゲ
ン付着による多孔体の補強効果が発揮されない場
合があり、まだ前述のコラーゲンの合体による充
てん材の固定効果も期待できないことがある。一
方、70%を越えると、コラーゲンの付着量が多す
ぎて切断加工が困難となる場合がある他、リン酸
カルシウム化合物の露呈面が少ないため新生骨の
形成が速かに行なわれない傾向がみられる。 本発明では、コラーゲンの付着固化後の充てん
材の気孔径が50μm乃至500μmであることを要す
る。気孔径が50μm未満の場合は、骨形成成分が
多孔体内部に進入できず、また気孔径が500μmを
越える場合には、気孔径が大きすぎてしまい気孔
内には繊維化した組織が形成され、新生骨の生成
はほとんど認められなくなる。 更にまた本発明によれば、コラーゲンの付着固
化後の充てん材の気孔率は40%乃至97%であるこ
とを要する。気孔率が40%未満では充てん後骨組
織と一体化するまでの期間が長くなり、場合によ
つては気孔径が骨形成成分の進入に適した径より
小さくなつてしまうためであり、一方97%を越え
る場合にはリン酸カルシウムの量が不足し、コラ
ーゲンを多孔体に付着固化させるに際し、該多孔
体が崩壊しやすく、かつコラーゲンが付着固化で
きたとしても、該多孔体を治療を必要とする部位
に適した形状に加工するに適した強度を持たせえ
ないためである。 本発明の充てん材を骨欠損部及び空隙部に充て
んすると生体の骨形成成分が多孔体である充てん
材内部までほぼ均一に進入し、異物反応などの副
作用を全く生じることなく、新生骨が速やかに形
成され、しかも該充てん材は最終的には生体組織
に吸収置換され生体組織と一体化することにな
る。 本発明による充てん材は単に外科用及び整形外
科用としての用途のみならず、歯科における歯槽
膿漏等における骨欠損部への使用も当然可能であ
る。 以下本発明を実施例によりさらに具体的に説明
する。 実施例 1 乾式法で合成したリン酸三カルシウム及びリン
酸四カルシウムを48時間ポツトミルにて湿式粉砕
し、スラリー状としたもの及び湿式合成により作
製したヒドロキシアパタイトスラリーを連続気孔
を有する有機多孔体に付着させ、乾燥し、1100℃
で3時間焼成することにより各種リン酸カルシウ
ム化合物の多孔体を作製した。 このようにして作製した多孔体をPH2.5であつ
て各々0.05,0.1,0.25,0.5,1.0,2.0wt%のコラ
ーゲン濃度を有する溶液に浸漬し、乾燥させ、コ
ラーゲンを多孔体に付着固化させ圧縮強度を測定
した。なお、1.0,2.0wt%のコラーゲン濃度を有
する溶液への浸漬は減圧下で行つた。この場合比
較のためコラーゲンを付着固化させない多孔体に
ついても測定を行つた。
【表】
【表】 圧縮強度を測定したと同一試料を用い、手術用
メスでこれらを切断したところ、コラーゲンを付
着固化させなかつたもの及び0.05wt%のコラーゲ
ン濃度を有する一溶液に浸漬して得た試料につい
ては切断時形状を保ちえず崩壊した。0.1〜2.0wt
%のコラーゲン濃度を有する溶液に浸漬して得た
試料については切断が可能であつた。 さらに同様の方法にて3.0wt%のコラーゲン濃
度を有する溶液にヒドロキシアパタイトを用いて
作製した多孔体(焼成条件1100℃、3時間、気孔
率86%)を減圧下で浸漬させ、乾燥し、コラーゲ
ンを多孔体に付着固化させたものも作製し同様の
方法で切断をこころみた。この結果、多孔体の外
形は形状を保つていたが、内部は崩壊が見られ
た。さらに切断面の観察から多孔体の特に外周部
はほとんど多孔体の孔がコラーゲンによりつまつ
ていることがわかつた。 実施例 2 湿式法にて作製したヒドロキシアパタイトスラ
リーを有機質多孔体に含浸させ、乾燥し、300℃,
500℃,700℃,900℃,1100℃及び1300℃で各3
時間加熱し、6種類の多孔体を得た。この多孔体
を溶液PH2、コラーゲン濃度1.0wt%の溶液に浸
漬し、充てん材を作製した。各種充てん材の性状
は次表の通りであつた。
【表】 上記各種充てん材を家兎の大腿骨に人工的に作
製した骨欠損部(2mmφ×5mmL)に充てんし、
以後の経過を観察した。 充てん後3週間経過後の骨欠損部の観察によれ
ば、多孔体作製時の加熱温度が300℃のものは若
干異物反応が見られるが、これ以外はまつたく異
物反応は観察されなかつた。これらの中では特に
700℃〜1300℃で焼成した多孔体を使用したもの
において新生骨の生成が多く観察された。 実施例 3 湿式法にて合成したヒドロキシアパタイトを用
い、実施例1と同様の方法にて(1100℃、3時間
焼成)各種多孔体を作製し、これを溶液PH3.0、
コラーゲン濃度0.5wt%の溶液に浸漬し、コラー
ゲンを付着固化後の気孔率20%,40%,70%,97
%の充てん材を作製した。各充てん材のコラーゲ
ンを付着させ、付着固化後の気孔口径寸度は各々
100μm,140μm,240μm,340μmであつた。これ
らの各充てん材を犬の大腿骨に人工的に作製した
骨欠損部(2mmφ×4mmL)に充てんし、以後の
経過を観察した。 充てん後10週間経過後の充てん部位の観察によ
れば気孔率が20%の充てん材を充てんした場合を
除き、充てん材と生体組織との境界は明確でな
く、かつ充てん材内部においても本来の骨組織と
一体化していた。気孔率が20%の場合には充てん
材と周囲の骨組織の接する部分では充てん材と生
体組織との境界は不明確であるが、充てん材内部
においては、空孔のまま残つている部分も認めら
れ、本来の骨組織と一体化するには至つていなか
つた。 実施例 4 湿式法にて作製したヒドロキシアパタイトスラ
リーを用い、実施例1と同様の方法で(1100℃、
3時間焼成)多孔体を作製した(気孔口径寸度
320μm、気孔率87%)。同様にして作製した多孔
体にさらにこれにコラーゲンを付着固化させ、
(溶液PH2、コラーゲン濃度1.0wt%の溶液を使
用)、付着固化後の気孔口径寸度300μm、気孔率
80%の充てん材を作製した。これらの充てん材を
犬の大腿骨に人工的に作製した骨欠損部(2mmφ
×5mmL)に充てんし、以後の経過を観察した。 この結果充てんののち、2週間経過後において
すでに両充てん材とも新生骨の生成が認められる
が、その量はコラーゲンを(2mmφ×5mmL)に
させない多孔体にくらべ、コラーゲンを付着させ
た充てん材の方がより多く観察された。 実施例 5 湿式法にて合成したヒドロキシアパタイトスラ
リーを用い、実施例1と同様の方法にて(1100
℃、3時間焼成)種々の気孔口径寸度をもつ多孔
体を作製し、これに溶液PH2、コラーゲン濃度
1.0wt%の液中に減圧とした容器内で浸漬させ、
充てん材を作製した。このようにして作製した充
てん材のコラーゲン付着固化後の気孔径は28μm,
50μm,120μm,300μm,500μm,1mmであつた。
コラーゲン付着固化後の気孔率は各々次の通りで
あつた。
【表】 このようにして得た充てん材を犬の大腿骨に人
為的に作製した欠損部(3mmφ×4mmL)に充て
んし、2週間後の新生骨の状態を観察した。その
結果、充てん材の気孔径が50μm〜500μmのもの
については内部まで多量の新生骨の生成が認めら
れたが、気孔径が28μmのものについては充てん
材内部は空孔のまま残つていた。一方、気孔径が
1mmのものについては新生骨の生成はわずかに認
められるもののその量はわずかであり、代わつて
繊維状組織が気孔内に充満していた。 実施例 6 コラーゲンの濃度が各0.5wt%である酸性溶液
PH0.5,1.0,2.0,3.0,5.0である溶液を作製した。
この場合、同様にPH6.0の溶液を作製しようとし
たがコラーゲンが析出し、作製できなかつた。 上記PH0.5〜5.0の溶液を用い、これに実施例1
と同様の方法で作製したヒドロキシアパタイト多
孔体(1100℃、3時間焼成)を浸漬させ多孔体表
面にコラーゲンを(2mmφ×5mmL)にさせよう
と試みた。溶液のPHが1.0〜5.0の場合には多孔体
が崩壊することなくコラーゲンの(2mmφ×5mm
L)にが可能であつたが、溶液PH0.5の場合には
多孔体が崩壊してしまつた。このようにして作製
した多孔体は以下の性状であつた。
【表】 手術用メスにより上記充てん材を切断し、充て
ん材の加工性をしらべたが、その結果、溶液PH
2.0〜3.0でコラーゲンを付着固化させたものが最
も加工しやすかつた。 実施例 7 コラーゲン濃度0.5wt%、PH3.0の溶液を用い、
これに実施例1により作製したヒドロキシアパタ
イト多孔体(1100℃、3時間焼成)を浸漬時間を
変化させ浸漬し、該多孔体全表面積がコラーゲン
によりおおわれている割合の種々異なる試料を作
製した。コラーゲンにより多孔体全表面積のおお
われている割合を光学顕微鏡により測定したとこ
ろ、それらは3,5,10,30,50,70,90%であ
つた。その他の性状は次の通りであつた。
【表】 これらの充てん材を手術用メスにて切断し、そ
の加工しやすさの観察を行つたところ、コラーゲ
ンにより全表面積のおおわれている割合が3%の
場合を除き、切断可能であり、加工性は良好であ
ると考えられた。しかし、3%の場合には切断時
形状を保ちえず崩壊し加工性は不良であつた。 次いでコラーゲンにより全表面積のおおわれて
いる割合5,10,30,50,70,90%の充てん材を
犬の大腿骨に人工的に作製した骨欠損部(2mmφ
×4mmL)に充てんし、3週間後の新生骨生成の
様子を観察した。その結果、いずれの場合にも新
生骨の生成が観察されたが、なかでも5,10,
30,50,70%、特に10,30,50%の充てん材を使
用した場合、その生成量が多く観察された。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 三次元の連続気孔を有するリン酸カルシウム
    化合物の海綿状多孔体の前記連続気孔壁面にコラ
    ーゲンを付着固化せしめてなり、コラーゲン付着
    固化後の連続気孔の口径寸度が50μm乃至500μm
    であり且つ気孔率が40%乃至97%であることを特
    徴とする骨欠損部及び空隙部充てん材。 2 前記コラーゲンの付着率が5乃至70%である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の充
    てん材。 3 前記リン酸カルシウム化合物がリン酸三カル
    シウム,ヒドロキシアパタイト及びリン酸四カル
    シウムからなる群より選ばれた1種若しくは2種
    以上の混合物からなることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項記載の充てん材。 4 前記ヒドロキシアパタイトを700℃乃至1300
    ℃で焼成することを特徴とする特許請求の範囲第
    3項記載の充てん材。 5 前記リン酸カルシウム化合物の海綿状多孔体
    の連続気孔が三次元の連鎖球状であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項,第2項,第3項,
    又は第4項記載の充てん材。 6 前記コラーゲンを付着するにあたり、0.1乃
    至2.0wt%の濃度の酸性溶液のコラーゲンを用い
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項乃至第
    5項のいずれかに記載の充てん材。 7 前記酸性溶液のPHが1乃至5であることを特
    徴とする特許請求の範囲第6項記載の充てん材。
JP56158300A 1981-10-05 1981-10-05 骨欠損部及び空隙部充てん材 Granted JPS5858041A (ja)

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JP56158300A JPS5858041A (ja) 1981-10-05 1981-10-05 骨欠損部及び空隙部充てん材

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Publication Number Publication Date
JPS5858041A JPS5858041A (ja) 1983-04-06
JPH0233388B2 true JPH0233388B2 (ja) 1990-07-26

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JP56158300A Granted JPS5858041A (ja) 1981-10-05 1981-10-05 骨欠損部及び空隙部充てん材

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JP (1) JPS5858041A (ja)

Cited By (1)

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