JPWO2008084685A1 - 圧電スピーカおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

広い周波数範囲で音波を再生することができ、入力インピーダンスの設計が容易で、ネットワーク回路の接続を必要とせず、全信号を入力可能な圧電スピーカと、このような圧電スピーカを容易に製造することができる圧電スピーカの製造方法を得る。圧電スピーカ(10)は、圧電体で形成された振動体(12)を含む。振動体(12)は、音波を放出するドーム状部(14)と、ドーム状部(14)の端縁部を支持するベース部(16)とを含む。ドーム状部(14)およびベース部(16)の両面には、駆動電極(18),(20)が形成される。この圧電スピーカ(10)を製造するために、ベース部(16)の外周側に薄肉部を形成した基材を準備し、基材の全面に電極を形成した後、薄肉部を除去することによって、圧電スピーカ(10)を製造することができる。

Description

この発明は、圧電スピーカに関し、特にたとえば、圧電体で形成されたドーム状部を有する圧電スピーカに関する。
圧電体で形成された半球状の振動体の両面に駆動電極を形成した圧電スピーカがある。この圧電スピーカの振動体の端縁部は、接着剤によって、ベース部に保持される。しかしながら、このような圧電スピーカでは、振動体の端縁部が接着剤によって緩衝保持されているため、半球状の振動体の端縁部の輪郭振動がロスとなって、振動体の振動が効率よく音波に変換されないという問題があった。
そこで、振動部とベース部とを一体的に形成した圧電スピーカが考えられた。図15はそのような圧電スピーカの一例を示す斜視図であり、図16は図15の線A−Aにおける断面図である。圧電スピーカ1は、半球面状の振動部2を含む。振動部2の大きさは、再生する音の周波数範囲に対応して決められる。振動部2の端縁部は、ベース部3によって支持されている。ベース部3は、振動部2の端縁部の外周に沿って、円形の板状に形成される。振動部2とベース部3とは、圧電材料で一体成形される。ベース部3の外周部には、マウント用切り欠き4が形成される。このマウント用切り欠き4にマウント用ネジを挿通することにより、圧電スピーカ1がケースなどに固定される。
振動部2の両面には、振動部2を振動させるための駆動電極5a,5bが形成される。さらに、駆動電極5a,5bに接続されるようにして、ベース部3の両面に短冊状の引出電極6a,6bが形成される。駆動電極5a,5bおよび引出電極6a,6bは、振動部2およびベース部3の電極を形成しない部分をマスキングした上で、メッキ、スパッタリング、蒸着、印刷などの方法で形成される。引出電極6a,6bに接続されるように、接続端子7a,7bが取り付けられる。これらの接続端子7a,7bによって、圧電スピーカ1を駆動するための駆動回路が駆動電極5a,5bに接続される。
この圧電スピーカ1では、駆動電極5a,5bに駆動信号が与えられることにより、半球状の振動部2が振動して、音波が放射される。ここで、振動部2と一体的にベース部3が形成されていることにより、両者を接着する必要がなく、組立時の取り扱いが容易となる。また、振動部2とベース部3とが一体成形されているため、高次モードの輪郭振動が抑制され、良好な特性を有するスピーカとすることができる(特許文献1参照)。
特開平11−196490号公報
しかしながら、このような従来の圧電スピーカでは、共振周波数と反共振周波数との間が狭く、再生できる音の周波数範囲が狭いものであった。また、圧電スピーカの入力インピーダンスは、振動部の形状および大きさによってほぼ決まってしまうため、入力インピーダンスを自由に設計することができなかった。さらに、圧電スピーカに限らず、スピーカには固有振動数が存在し、駆動信号がなくても、振動部が固有振動数で振動を続けようとする性質がある。このような固有振動数での振動を抑制するために、他のスピーカと並列接続する際に、たとえばLC回路などからなるネットワーク回路をスピーカの外部に接続する必要があるが、この方法では信号が本来持つ情報が失われてしまう。
また、圧電スピーカを製造する際に、半球状の振動体と駆動電極とで形成された圧電スピーカでは、振動体の全面に電極を形成した後に、振動体の端縁部を研磨するなどの方法により、振動体の端縁部における電極を除去する必要がある。また、図15および図16に示すような振動部とベース部とが一体成形された圧電スピーカでは、振動部とベース部の電極を形成しない部分にマスキングを施した上で電極を形成する必要があり、圧電スピーカの製造に手間がかかる。
それゆえに、この発明の主たる目的は、広い周波数範囲で音を再生することができ、入力インピーダンスの設計が容易で、ネットワーク回路の接続を必要とせず、全信号を入力可能な圧電スピーカを提供することである。
また、この発明の別の目的は、上述のような特徴を有する圧電スピーカを容易に製造することができる圧電スピーカの製造方法を提供することである。
この発明は、ドーム形状を有するドーム状部と、ドーム状部の端縁部を支持するベース部と、ドーム状部およびベース部の両面に形成される駆動電極とを含み、ドーム状部とベース部とは圧電体で一体的に形成された、圧電スピーカである。
ベース部がケースなどに固定され、駆動電極に駆動信号が与えられることにより、ドーム状部が振動して音波が放射される。このとき、ドーム状部とベース部とが一体的に形成されているため、ドーム状部の端縁部の輪郭振動が抑制され、ドーム状部の振動が効率よく音波に変換される。また、圧電体で形成されたドーム状部およびベース部の両方に駆動電極が形成されているため、圧電スピーカに静電容量が形成される。ここで、ドーム状部だけでなく、ベース部にも駆動電極が形成されているため、ベース部の大きさを調整することにより、形成される静電容量を調整することができる。それにより、圧電スピーカの入力インピーダンスを調整することができる。また、ドーム状部およびベース部の両方に駆動電極を形成することにより、静電容量を大きくすることができる。それにより、圧電スピーカのインピーダンスを容量性とすることができ、圧電スピーカ自体にネットワーク回路の役割を持たせることができる。
このような圧電スピーカにおいて、ベース部は、方形の外形を有する平板状に形成されることが好ましい。
ベース部の形状が、方形の外形を有する平板状であることにより、複数の振動モードが発生し、周波数特性に複数のピークが形成されることにより、周波数特性が広帯域化する。
特に、ドーム状部のドーム径の最大長さとベース部の外形の長辺長さとの比が、1:1〜1:2の範囲にあることが好ましい。
ドーム状部のドーム径とベース部の外形の長辺との比を1:1〜1:2の範囲に設定することにより、ドーム状部とベース部とで構成される振動体の1次の共振周波数が1kHz〜20kHzの範囲をカバーするようになる。さらに、ドーム状部およびベース部は圧電体で形成され、圧電体自体が振動するため、ダイナミック型スピーカなどでは得られない高追従性を得ることができる。したがって、1kHz〜20kHzの範囲にある人間の可聴周波数において、高追従性を有する圧電スピーカを得ることができる。
また、ベース部の厚みをドーム状部の厚みより厚くすることが好ましい。
ベース部の厚みを厚くすることにより、ベース部の質量が大きくなり、ドーム状部の端縁部における輪郭振動が抑制されて、ドーム状部の振動が効率よく音波に変換される。
さらに、ドーム状部はベース部の中央部に形成されてもよい。
また、ドーム状部はベース部の中央部から外れた位置に形成されてもよい。
また、複数の異なるドーム状部がベース部に並列に配置されたてもよい。
また、複数の異なるドーム状部が重なるように形成されてもよい。
また、ドーム状部は半球状または楕円ドーム状に形成されてもよい。
また、ドーム状部の端縁部が円形、あるいは複数の円弧が連続する形に形成され、かつドーム状部は全体として半球状以外のドーム形状に形成されてもよい。
また、ドーム状部の厚みが場所によって異なるようにしてもよい。
ドーム状部とベース部との関係において、それぞれの形状や、ドーム状部とベース部との位置関係により、さまざまな振動モードが発生する。そのため、これらの形状や位置関係を調整することにより、さまざまな周波数特性を有する圧電スピーカを得ることができる。
また、この発明は、ドーム形状を有するドーム状部と、ドーム状部の端縁部を支持するベース部と、ベース部の外周部に形成される薄肉部とを圧電材料で一体的に形成する工程、ドーム状部、ベース部および薄肉部の全面に電極を形成する工程、および薄肉部を除去することにより、ドーム状部およびベース部の両面に分離された駆動電極を形成する工程を含む、圧電スピーカの製造方法である。
ドーム状部とベース部と薄肉部とを一体成形することにより、これらの全面に電極を形成し、薄肉部を除去することにより、容易にドーム状部およびベース部の両面に分離された駆動電極を形成することができる。
この発明によれば、ドーム状部とベース部とを圧電体で一体的に形成し、これらの両方に駆動電極を形成することにより、効率よく音波を放射することができる。また、入力インピーダンスの調整を行なうことができるため、所望の入力インピーダンスを有する圧電スピーカを設計することができる。さらに、圧電スピーカのインピーダンスが容量性となり、圧電スピーカ自体がネットワーク回路の役割を果たすため、他のスピーカと並列接続するときに、別途ネットワーク回路を接続する必要がなく、全信号を入力することができる。また、ベース部の形状を方形の平板状とすることにより、周波数特性を広帯域化することができ、広い周波数範囲で音の再生が可能となる。特に、ドーム状部のドーム径の最大長さとベース部の外径の長辺長さとの比を所定の範囲内とすることにより、人間の可聴周波数において、高追従性を有する圧電スピーカを得ることができる。
また、この発明の製造方法によれば、ドーム状部、ベース部および薄肉部の全面に電極を形成することができるため、マスキングなどを行う必要がない。さらに、薄肉部は折るだけで簡単に除去することができるため、ドーム状部およびベース部の両面に分離された駆動電極を容易に形成することができる。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の発明を実施するための最良の形態の説明から一層明らかとなろう。
この発明の圧電スピーカの一例を示す斜視図である。 図1に示す圧電スピーカの断面図である。 図1に示す圧電スピーカを製造する一工程を示す図解図である。 本発明の圧電スピーカと従来の圧電スピーカの音圧の周波数特性を示す特性図である。 この発明の圧電スピーカと従来の圧電スピーカのインピーダンスの周波数特性を示す特性図である。 この発明の圧電スピーカと従来の圧電スピーカの振動のピークを示す特性図である。 この発明の圧電スピーカに用いられる振動体の他の例を示す斜視図である。 図7に示す振動体の変形例を示す斜視図である。 図7に示す振動体の他の変形例を示す斜視図である。 この発明の圧電スピーカに用いられる振動体のさらに他の例を示す斜視図である。 この発明の圧電スピーカに用いられる振動体の別の例を示す斜視図である。 この発明の圧電スピーカに用いられる振動体さらに別の例を示す斜視図である。 この発明の圧電スピーカに用いられる振動体に形成されるドーム状部の他の例を示す図解図である。 この発明の圧電スピーカに用いられる振動体に形成されるドーム状部のさらに他の例を示す図解図である。 従来の圧電スピーカの一例を示す斜視図である。 図15に示す従来の圧電スピーカの断面図である。
符号の説明
10 圧電スピーカ
12 振動体
14 ドーム状部
16 ベース部
18,20 駆動電極
22 薄肉部
24 基材
26 電極
図1はこの発明の圧電スピーカの一例を示す斜視図であり、図2はその断面図である。圧電スピーカ10は、振動体12を含む。振動体12は、ドーム形状を有するドーム状部14と、ドーム状部14の端縁部を支持するベース部16とを含む。ベース部16は、たとえば正方形の外形を有する平板状に形成される。そして、ベース部16の中央部に、ドーム状部14が形成される。ドーム状部14の端縁部は、たとえば円形となるように形成される。また、ドーム状部14の大きさは、再生する音の周波数範囲に対応して決められる。また、ベース部16の厚みは、ドーム状部14の厚みに比べて、厚くなるように形成される。ドーム状部14およびベース部16は、圧電体で一体的に形成される。ドーム状部14の凹面側およびそれに連続するベース部16の全面に、駆動電極18が形成される。また、ドーム状部14の凸面側およびそれに連続するベース部16の全面に、駆動電極20が形成される。
この圧電スピーカ10を製造するために、図3に示すように、ドーム状部14とベース部16と薄肉部22とで構成された基材24が作製される。薄肉部22は、ベース部16の外周側において、ベース部16に比べて薄肉となるように形成される。この基材24は、圧電セラミック、圧電ポリマー、複合素子などの圧電効果を示す材料で一体的に形成される。つまり、これらの圧電材料を用いて、プレス成型または射出成型などにより成型され、必要に応じて焼成などが行われて、基材24が一体的に作製される。
得られた基材24の全面に、電極26が形成される。電極26としては、たとえば下地にNi層を形成し、仕上げ層としてAu層が形成された2層構造となるように形成される。電極26の形成は、メッキ、スパッタリング、蒸着、印刷などによって行うことができる。そののち、基材24の薄肉部22を折って除去することにより、ドーム状部14とベース部16の両面に、互いに分離された駆動電極18,20が形成される。そして、駆動電極18,20間に直流電界が印加されることにより、ドーム状部14およびベース部16に分極が施される。
この圧電スピーカ10は、たとえばケースなどに取り付けられる。ケースには、ベース部16が固定される。そして、駆動電極18,20間に駆動信号が与えられることにより、図2の矢印に示すように、周波数によってはドーム状部14が膨らんだり縮んだりするような呼吸振動を行い、それによって音波が放射される。このとき、ベース部16もベンディング振動をするが、ベース部16はケースに固定されるため、ベース部16の振動は抑制される。
この圧電スピーカ10では、ドーム状部14とベース部16とが一体的に形成されているため、ドーム状部14の端縁部の輪郭振動がベース部16によって抑制される。それにより、ドーム状部14の振動のロスが少なくなり、呼吸振動による音波の放射が効率よく行われる。ツイータとして用いられる圧電スピーカにおいて、図1に示す圧電スピーカ10と、ベース部のないドーム状部のみの圧電スピーカについて、放射される音波の音圧と周波数との関係が図4に示されている。図4からわかるように、ドーム状部14とベース部16とを一体的に形成した圧電スピーカ10は、ドーム状部のみの圧電スピーカに比べて、高い音圧が得られている。
また、この圧電スピーカ10では、圧電体で形成されたドーム状部14およびベース部16の両方に駆動電極18,20が形成されているため、ドーム状部のみの圧電スピーカや、図15に示すようなドーム状部のみに駆動電極が形成された圧電スピーカに比べて、大きい静電容量が形成される。さらに、ドーム状部14およびベース部16の形状や大きさおよび厚みなどを調整することにより、得られる静電容量も調整することができる。また、再生する音の周波数帯域は、主としてドーム状部14の形状と大きさによって決まるが、同じ形状と大きさのドーム状部14を有する圧電スピーカ10でも、ベース部16の大きさを変えることにより、得られる静電容量を調整することができる。このように、圧電スピーカ10に静電容量を形成することにより、インピーダンスの周波数特性が容量性となり、図5の矢印に示すように、低周波側においてインピーダンスが降下する勾配Aが、さらに低周波側に推移する。
インピーダンスの周波数特性において、低周波側の勾配Aと、その勾配が反転して高周波側に向かうにしたがってインピーダンスが大きくなる勾配との交差点が、圧電スピーカの最低インピーダンスとなる。この最低インピーダンスが圧電スピーカの入力インピーダンスであり、圧電スピーカの静電容量を調整することにより、2つの勾配の交差点の位置、すなわち入力インピーダンスを調整することができる。この発明の圧電スピーカでは、ドーム状部14やベース部16の形状、大きさ、厚みなどを調整することにより、圧電スピーカ10の入力インピーダンスを調整することができる。また、ドーム状部14の形状および大きさが決まっている場合であっても、ベース部16の形状や大きさを変えることにより、圧電スピーカ10の入力インピーダンスを調整することができる。したがって、圧電スピーカ10の入力インピーダンスを容易に設計することができる。
また、圧電スピーカに限らず、スピーカには振動しやすい固有振動数があり、駆動信号がなくても、固有振動数で振動を続けようとする性質がある。このような固有振動数での振動を抑制するために、他のスピーカと並列接続するときに、スピーカの外部に、たとえばLC回路などからなるネットワーク回路が接続される。しかしながら、この圧電スピーカ10では、大きい静電容量を得ることができるため、圧電スピーカ10自体にネットワーク回路の特性を持たせることができる。そのため、この圧電スピーカ10では、他のスピーカと並列接続する際に、別途ネットワーク回路を接続する必要がない。また、LC回路などからなるネットワーク回路を接続すると、信号が本来持つ情報が失われてしまうが、この圧電スピーカ10では、ネットワーク回路を接続する必要がないため、全信号を入力することができる。
さらに、この圧電スピーカ10では、正方形の外形を有する平板状のベース部16が形成されていることにより、複数の振動モードが発生し、ドーム状部14の振動のピークと異なる周波数において、振動のピークをもっている。物体が振動する際に、その寸法などによって振動のピークが決まるが、ドーム状部14以外にベース部16が形成されていることによって、複数の周波数において振動のピークが現われる。このように、複数の周波数において振動のピークが現われることにより、振動しやすい周波数範囲が広がり、広い周波数範囲において音波を放射することができる。
この図1に示す圧電スピーカ10と、ドーム状部のみの圧電スピーカについて、インピーダンスの周波数特性が図6に示される。ドーム状部のみの圧電スピーカでは、共振周波数である極小インピーダンスと反共振周波数である極大インピーダンスとが形成された単峰形状であるが、図1の圧電スピーカ10では、複数の山がある周波数特性となっている。このように、ドーム状部のみの圧電スピーカでは、共振周波数と反共振周波数との間が狭く、狭い周波数範囲で音波が放射される。それに対して、図1に示す圧電スピーカ10では、広い範囲で音波を放射することができる。
特に、ドーム状部14のドーム径、すなわちドーム状部14の端縁部の直径とベース部16の1辺の長さとの比を1:1〜1:2の範囲とすることにより、振動体12の1次の共振周波数が1kHz〜20kHzの範囲をカバーするようになる。また、振動体12は、圧電体で一体的に形成され、振動体12自体が振動するため、ダイナミック型のスピーカでは不可能な高追従性を得ることができる。したがって、この発明によれば、人間の可聴周波数において、高追従性を有する圧電スピーカ10を得ることができる。
このように、広い周波数範囲で音波を放射させるために、ドーム状部14やベース部16の形状や位置関係が調整される。たとえば、図7に示すように、ベース部16を外形が長方形の平板状とし、その中央部に半球状のドーム状部14を形成することができる。このような振動体12を用いることにより、ベース部16に異なる寸法a,bが現われるため、複数の周波数に振動のピークが発生し、周波数特性が広域化する。
また、図8に示すように、外形が長方形で平板状のベース部16の中央部から外れた位置にドーム状部14を形成してもよい。図8では、ベース部16の長手方向の一方側に片寄るようにして、ドーム状部14が形成されている。このような圧電スピーカ10では、ベース部16の長手方向の両側において、ドーム状部14とベース部16の端部との間隔が異なり、異なる周波数に振動のピークが現われて、周波数特性が広域化する。
さらに、図9に示すように、外形が長方形で平板状のベース部16の1つの角部に近い部分に片寄るようにして、ドーム状部14が形成されてもよい。このような圧電スピーカ10では、ベース部16の幅方向の両側においても、ドーム状部14とベース部16の端部との間隔が異なり、異なる周波数に振動のピークが現われて、周波数特性が広域化する。
また、図10に示すように、ドーム状部14として、平面形状が楕円形である楕円ドーム状のドーム状部14を形成してもよい。このようなドーム状部14を有する圧電スピーカ10では、ドーム状部14に短軸aと長軸bが形成されるため、異なる周波数に振動のピークが現われて、周波数特性が広域化する。
さらに、図11に示すように、外形が長方形で平板状のベース部16の長手方向に、異なる直径a,bを有する2つのドーム状部14a,14bが並列に形成されてもよい。このように、異なる直径を有するドーム状部14a,14bが形成されることにより、異なる周波数に振動のピークが現われる。さらに、これらのドーム状部14a,14bとベース部16の端部との間にも、異なる間隔が発生するため、さらに異なる周波数に振動のピークが現われ、周波数特性を広域化することができる。
また、図12に示すように、外形が長方形で平板状のベース部16に、異なる直径a,bを有するドーム状部14a,14bが重なるように形成されてもよい。このようなドーム状部14a,14bを形成することにより、異なる周波数に振動のピークが現われる。図11および図12に示すような圧電スピーカ10において、異なる大きさのドーム状部は3つ以上形成されてもよい。また、ドーム状部の形状としては、半球状のものが組み合わされてもよいし、楕円ドーム状のものが組み合わされてもよい。さらに、半球状と楕円ドーム状のドーム状部が組み合わされてもよい。
さらに、図13に示すように、半球状あるいは楕円ドーム状などの形状を有するドーム状部14が形成された振動体12において、ドーム状部14の厚みを位置によって異なる厚みa,bとしてもよい。ドーム状部14の厚みが薄くなると、放射される音波は高周波化し、ドーム状部14の厚みが厚くなると、放射される音波は低周波化する。そのため、ドーム状部14に複数の厚み部分を形成することにより、異なる周波数に振動のピークが現われて、周波数特性が広域化する。
また、端縁部が円形のドーム状部14が形成された振動体12において、ドーム状部14が全体として半球状以外のドーム状に形成されてもよい。つまり、図14に示すように、ドーム状部14の中心点からドーム状部14の天井部分までの距離aと、ドーム状部14の中心点からドーム状部14の端縁部までの距離bとが異なるようにしてもよい。これらの距離a,bを異なるように形成しても、ドーム状部14自体に異なる寸法が発生し、異なる周波数に振動のピークが現われて、周波数特性が広域化する。
このように、ドーム状部14およびベース部16の形状、位置関係、組み合わせなどにより、異なる周波数に振動のピークが現れて、広い周波数範囲で音波を放射することができる圧電スピーカ10とすることができる。また、ドーム状部14とベース部16とを含む振動体12の両面に駆動電極18,20を形成することにより、圧電スピーカ10自体を静電容量として使用することができ、ネットワーク回路を接続することなく、圧電スピーカ10を使用することができ、全信号の入力が可能となる。さらに、振動体12の寸法などを調整することにより、圧電スピーカ10の静電容量を調整することができるため、圧電スピーカ10の入力インピーダンスの設計が容易である。そのため、所望の入力インピーダンスを有する圧電スピーカ10を容易に設計することができる。
なお、これらの形状のドーム状部14およびベース部16において、ドーム状部14のドーム径の最大長さとベース部16の長辺長さとの比を1:1〜1:2の範囲とすることが好ましい。たとえば、図7に示す振動体12を有する圧電スピーカ10では、ドーム状部14の端縁部の直径とベース部16の長辺の長さbとの比が、1:1〜1:2の範囲となるように設定される。また、図10に示す振動体12を有する圧電スピーカ10では、ドーム状部14の端縁部の長軸bとベース部16の1辺の長さとの比が、1:1〜1:2の範囲となるように設定される。ドーム状部14およびベース部16の寸法比をこのような範囲とすることにより、1kHz〜20kHzの範囲にある人間の可聴周波数において、高追従性を有する圧電スピーカ10を得ることができる。
また、圧電スピーカ10を製造する際に、ベース部14の外周部に薄肉部22を形成することにより、基材24の全面に電極26を形成することができるため、マスキングなどの必要がなく、電極26の形成が容易である。さらに、電極26を分離して、振動体12の両面に駆動電極18,20を形成するために、薄肉部22を折って除去すればよく、ベース部14の端部において電極26を研磨などの方法により除去する必要がない。したがって、この発明の製造方法を用いることにより、上述のような優れた特性を有する圧電スピーカ10を容易に製造することができる。

Claims (12)

  1. ドーム形状を有するドーム状部、
    前記ドーム状部の端縁部を支持するベース部、および
    前記ドーム状部および前記ベース部の両面に形成される駆動電極を含み、
    前記ドーム状部と前記ベース部とは圧電体で一体的に形成された、圧電スピーカ。
  2. 前記ベース部は、方形の外形を有する平板状に形成される、請求項1に記載の圧電スピーカ。
  3. 前記ドーム状部のドーム径の最大長さと前記ベース部の外形の長辺長さとの比が、1:1〜1:2の範囲にある、請求項1または請求項2に記載の圧電スピーカ。
  4. 前記ベース部の厚みを前記ドーム状部の厚みより厚くした、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  5. 前記ドーム状部は前記ベース部の中央部に形成された、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  6. 前記ドーム状部は前記ベース部の中央部から外れた位置に形成された、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  7. 複数の異なる前記ドーム状部が前記ベース部に並列に配置された、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  8. 複数の異なる前記ドーム状部が重なるように形成された、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  9. 前記ドーム状部は半球状または楕円ドーム状に形成された、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  10. 前記ドーム状部の端縁部が円形、或いは複数の円弧が連続する形に形成され、かつ前記ドーム状部は全体として半球状以外のドーム形状に形成される、請求項1ないし請求項8のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  11. 前記ドーム状部の厚みが場所によって異なるようにした、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載の圧電スピーカ。
  12. ドーム形状を有するドーム状部と、前記ドーム状部の端縁部を支持するベース部と、前記ベース部の外周部に形成される薄肉部とを圧電材料で一体的に形成する工程、
    前記ドーム状部、前記ベース部および前記薄肉部の全面に電極を形成する工程、および
    前記薄肉部を除去することにより、前記ドーム状部および前記ベース部の両面に分離された駆動電極を形成する工程を含む、圧電スピーカの製造方法。
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