JPWO2008084513A1 - 光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート - Google Patents

光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で明るいモノクロないし色の鮮明なフルカラー像を形成できる超薄型電子ペーパは存在しなかった【解決手段】光感応性微粒子が分散媒中に分散された分散系が挟まれた表示シートに設けられた一対の電極に電圧を印加しつつ透明基板から光像を照射し、光照射された該微粒子の帯電状態を変化させ、光像に対応して該微粒子を移動させる光電気泳動光像形成法において、該分散媒は透明であり、該電極の少なくとも一方は細線状電極からなり、該光感応性微粒子を基板に水平な方向に移動させ、該細線状電極に選択的に堆積させて表示シートの光透過性を変調することによって光像を得ることを特徴とした光像記憶法であり、、微粒子として赤色に感応するシアン色粒子、緑色に感応するマゼンタ色粒子、青色に感応する黄色粒子を混合分散させておくことによって明るく、色の鮮明なフルカラーポジ像を形成することが可能となった【選択図】図3

Description

少なくとも1方は透明な基板間に、微粒子が分散媒中に分散された分散系が挟まれて表示シートを構成しており、内面に透明電極を設けた該透明基板から照射された光像に対応して該微粒子を基板に垂直ないし/および水平な電界で移動させて光像に対応した粒子の空間分布状態を作り出し、基板に垂直方向の光像を得ることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シートに関するものであり、C,M,Y粒子を混合分散しておくことによって容易にフルカラー像を形成できるものである。
薄型、軽量で見やすく低消費電力の電子ペーパの要求は極めて大きい。現状では互いに色と荷電極性が異なる微粒子を絶縁液体ないしガス体中に混合分散させた分散系に電界を作用させて2色の色粒子を空間的に分離して反射色を変えるもの、コレステリック液晶の選択反射を用いるもの、などが実用化されており、いずれも電圧を切って後も表示が維持されるメモリ性を有する低電力表示装置として有用なものである。しかるに文章情報、画像情報を表示するにはパネルならびにドライバ回路が複雑化し、また表示切り替えの為のバッテリも搭載しなければならず紙のような超薄型でフレキシブルなものは未開発である。また明るく、色純度に優れたフルカラー表示が強く望まれているが、反射型で明るさにおいても色純度においても印刷物や写真に匹敵できる表示を実現できるものは存在しなかった。
複雑なX−Yマトリクスパネルならびにドライバ構成を用いることなく、照射した光像に対応して記憶性のある画像を形成する光入力型電子ペーパとして、光導電層とコレステリック等液晶やエレクトロクロミック(EC)層の積層に光像を照射しつつ電圧を印加して光像に対応してコレステリック層やEC層の反射状態を変えるものも提案されている(特許文献1および2)。カラー表示にはこれら積層を3組積層し、各コレステリック層での選択反射による加色混合ないしは積層EC層の減法混色で実現可能であるが多層構成である故にシート構成が複雑化しまた十分可とう性のある超薄型シートの実現は困難であった。またコレステリック液晶の選択反射を用いるものは反射率が原理的に50%以下になってしまい明るい表示の実現が困難であった。
光感応性微粒子分散系に光像を照射しつつ電圧を印加し、微粒子の荷電状態を変化させて入射光像に対応した粒子の空間的分布状態を作り出すことによって画像を形成する方法が特許文献3に述べられている。しかるにコントラストの好ましい画像を得るため、分散系を挟む基板に粒子の色とは異なる着色層を設けたり、明るい粒子を用いる時は分散媒を暗状態にしておき、ポシ像は光像入射した側とは反対側から観察するという不便なものであった。基本的に基板のいずれかの側に光像状に堆積した粒子像を見るものであり、分散粒子を透明液体で除去するなど面倒な操作を必要とし、また封じ切りシートにフルカラー像を形成する方法については一切言及されていないものであった。
特許文献4および5は媒体中に分散された第一微粒子に光を照射して帯電させ、基板面に垂直な電界により粒子を移動させて第二粒子で移動した粒子を隠蔽することによって画像を形成するものであり、(1)光照射で荷電する粒子の使用 (2)C,M,Y色の第一粒子群と白色第二粒子でカラー像を形成するが、C,M,Y粒子は各吸収主波長でない色光で荷電(3)背面から光像を照射 (4)光照射は色光ごとのシーケンシャル露光 (5)粒子分散媒体はガス体 などに特徴を有している。
特許文献6は色と帯電極性の異なる混合粒子系を一方には光導電層を設けた電極間に挟み、電圧印加と光像照射で光照射部の粒子を選択的に移動させて光像を形成するもので、(1)背面から光像照射(2)カラー像形成は白黒粒子分散系と表示面側に設けたR,G,Bカラーフィルタによる加色法 を特徴としている。
特開1995-199214 特開2002-040488 USP4043655 特開2001-34200 特開2002-236298 特開2004-347719
本発明は、光像入射と電圧を併用して分散系中の微粒子の空間的分布状態を画像状に変化させる光像記憶法ならびにこれに用いる表示シートに関するものであり、単純なシート構成で記憶性のある、モノクロ、マルチカラーおよびフルカラー像の可逆的形成を可能とするものである。画像が形成されたシートには駆動回路や電源は一切付属されていないため正に繰り返し表示内容を更新できるモノクロないしフルカラー超薄型表示シートとして多方面に利用できるものである。
上記課題を解決するために、本発明では少なくとも1方は透明な基板間に、微粒子が媒体中に分散された分散系が挟まれており、両基板の各々の内面ないしいずれか一方の内面に設けた一対の電極に電圧が印加できるように構成し、該透明基板側から照射された光像に対応して該微粒子を電界で移動させて、基板に垂直方向の光反射性ないし光透過性を変化させることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シートに関するものである
本発明の光像記憶シートの構成は図1(A)に示す通り、ガラス、プラスチックフィルムなど少なくとも一方は透明な2枚の基板1,2間に設けられたスペーサ9により表示シート5が構成され、該基板間には分散媒7に光感応性微粒子6が分散された分散系8が充填されている。透明基板1の内面には酸化インジウムなどの透明電極3が、下基板2の内面には透明ないし不透明な下電極4が設けられており、両電極間にはDCあるいはAC電圧が印加できるように構成されている。
両電極間にたとえば図1(A)に示す通りDC電圧を暗状態で印加(第一ステップ)すれば、もし光感応性微粒子6が負に帯電していた場合、光感応性微粒子6はクーロン力の作用により陽極3に引かれて移動し、陽極3上に堆積する。電圧印加のまま透明基板1と透明電極3を通して図1(B)に示す通り光像を照射(第二ステップ)すれば、光感応性微粒子6がたとえば光導電性であれば、粒子の電気抵抗が低下し、粒子は陽極と電荷授受を行い正に帯電する結果、負極4に向って移動し、図1(B)に示すような粒子分布が形成される。ここで分散媒7がたとえば白色不透明に着色してあれば、図1(B)の状態で透明基板1側からシート5を見れば光の照射された領域は分散媒の色である白色を呈し、光の当たらなかった領域は光感応性微粒子6の色に見えることになり、光感応性微粒子6が黒色であれば光像に対応したポジ像が観察されることになる。像が形成された後は光像照射および電圧印加は不要であり、形成された像は電圧を取り除いて後も粒子の両電極への付着力によって維持され、電力消費から開放される。負極4へ向う粒子量は照射された光強度に依存するから中間調も再現できることは言うまでもない。
上記では透明電極上に第一ステップで光感応性粒子集積⇒第二ステップで電圧印加状態で光像照射の2ステッププロセスで画像を形成するとしたが、第一ステップを省略しいきなり第二ステップから実施してもよい。光照射された負帯電粒子が電極部に到達次第次々と電荷授受を行って電荷を反転し、対向電極に向かう一方未照射部では次々粒子が電極に堆積するからである。適切な粒子分布が達成された時点で電圧印加と光像照射を中止するが、粒子分布は粒子の両電極への付着力により維持される。これを1ステッププロセスと名づける。
本発明に用いる分散媒は炭化水素系各種絶縁性有機溶媒、シリコン油などの液体のほか空気や窒素などのガス体でもかまわない。分散媒を白色にするには二酸化チタンなどの白色顔料を分散媒に分散すればよい。ただし分散した白色顔料の帯電極性が未照射の光感応性微粒子6と同一であれば光感応性微粒子と同様の動きをし、光像照射時光感応性微粒子に照射される光エネルギーを減ずるから、白色顔料は帯電していないか、移動度は光照射および未照射粒子の移動速度より小さいか、ないしは光照射粒子と同極性であるがこれよりはるかに移動度が小さいものが望ましい。
図1(B)の粒子分布状態は適切な波高値と持続時間の逆極性パルスを印加することによって図1(C)のように反転させることも可能である。すなわち入力光像のネガポジ反転も可能であることを意味する。分散媒を白色であるとして説明したが染料を溶解したり、顔料を分散して任意の着色が可能であり、形成された像が視覚的に見やすいように感応性粒子と着色した分散媒の色は互いに明度あるいは色相においてコントラストがつくように選んでおくことが望ましい。セル厚は通常数μから100μ程度、光感応性粒子の粒径は50nm〜10μ程度が適切で、印加電圧は通常数ボルトから数1000ボルトで用いられる。
通常の照明光下程度の強度では感応しない微粒子では図1(A)の如き粒子分布状態を明所で実現できる。この場合光像は通常照明光下より相当強度の高いものを用いれば1ステッププロセス、2ステッププロセス共に明所で実施してもよい。可視光では感応せず紫外光で感応する粒子を用いて紫外光像照射を行えば可視光下で両ステッププロセスを実施することが可能となる。
背面基板2、下電極4に透明なものを利用すれば背面から光像照射してもよく、明所で光像形成作業が行い易い。背面露光の場合、白色媒体中に黒色微粒子が分散されていれば表示面側にはネガ像となるが、ネガ光像を照射するか第三ステップで逆極性電圧を印加してもよい。黒色分散媒中に白色光感応性微粒子が分散されている場合もポジ光像照射でポジ像が得られる。
本発明の光像記憶法によって手書きメモシートを構成する場合、レーザダイオード(LD)やLED素子等を内蔵した電子ペンを用いて、照明光より強力な光で描画すれば、明所で取り扱うことが可能な書き替え可能電子シートとなり得る。
もちろんバックライト付き液晶やエレクトロルミネッセンス表示装置などの平板型電子表示装置の表示を本シートの表示面側からないしは背面側から透明電極面に結像ないし密着露光することによって光像を照射してもよく、またライン状光像と表示シートを垂直方向に相対移動させてライン光像を順次照射してもよい。
図2はフルカラー像を形成する光像記憶法ならびにそれに用いる表示シートを示し、図1との違いは光感応性粒子6として少なくとも赤(R)色に感応性を有するシアン(C)色粒子、緑(G)色に感応性を有するマゼンタ(M)色粒子、青(B)色に感応性を有する黄(Y)色粒子を混合分散させてある点にある。C,M,Y粒子の各吸収主波長はR,G,B光であり、各吸収主波長で感応する少なくとも3種の微粒子が混合分散されている。
各色粒子は光未照射状態で同一の極性の電荷を有していることが望ましい。1ステッププロセス、2ステッププロセスいずれを用いてもよく、電圧印加のままフルカラー像を照射すれば、図1で述べたと同様、図2(B)のように光像の色に対応した粒子分布が達成される。すなわち白色が照射された領域はC,M,Y粒子が電荷を反転する結果殆ど下基板に向かい、白色分散媒の背後に隠れるため白色に見え、光像照射されなかった黒の領域では3色の粒子がそのまま透明電極3に留まるので減法混色の黒になる。R(G、B)光照射領域はC(M,Y)粒子のみ背面に移動し電極3に残ったM(C,Y),Y(M,C)粒子の混色であるR(G,B)色を呈する。C(M,Y)光照射領域は電極3に残る粒子はC(M,Y)粒子のみとなり光像に対応したポジ像が形成されることになる。色と感応波長の異なる2種の粒子の混合分散系ではマルチカラー表示となる。
特許文献4、特許文献5にはガス媒中にC,M,Yおよび白色粒子を分散し、光像照射と電圧印加で光像を形成する方法が提示されている。
しかしながらC,M,Y粒子は各吸収主波長でない色光を受けて荷電する、光像照射は背面から、光像照射は色光ごとのシーケンシャル露光などの点で本願と基本的に異なっている。すなはちG,B光で帯電するC粒子、R,B光で帯電するM粒子、R,G光で帯電するY粒子など吸収主波長でない波長で帯電する粒子ではたとえばB(R,G)光照射ではC,M(M,Y;C,Y)粒子が表示面側に移動し確かにポジのB(R,G)色になるが、白色光照射ではC,M、Y粒子が共に表示面へ移動し、表示面は黒色となり反転してしまうからである。C光(B+G光)、M光(B+R光)、Y光(G+R光)照射でもC,M,Y粒子が帯電して移動するから黒色になってしまい同時露光ではまともなカラー像形成になり得ないからである。
図2でカラー像を再現するのに一旦照射するカラー像を紫外〜青領域の光像に変換し、それぞれに対応した波長域に感度を有するC,M,Y色粒子を用いれば十分明るい所で光像記憶作業を行えるが、明所でカラー像のまま表示シートに記憶するには照射カラー像の強度を十分に高めるか基板2側からカラー光像を照射する必要がある。
図2の如きフルカラー表示記憶装置を手書き電子シートとして用いる場合はR,G,B-LDないしLEDおよびこれらの発光を透明電極部に集光する光学系を内蔵したペンを用いて、選択スイッチで色を選択し本電子シート上で模様を描くと同時にシートの電極間に電圧を印加できるように構成すればよい。
画像を消去するには、両電極間に粒子が電極から離れるに十分なDC電圧を印加して全面白または黒にするか、AC電圧で全面灰色にすることによって全面消去が可能である。電極3ないし電極4のいずれかが帯状ないしマス目状に分割してあれば分割電極と対向電極間に選択的にDCないしAC電圧を印加して分割電極の形状に対応した部分消去が可能である。
電子ペンに筆圧検知機能を持たせ、所定筆圧以上で両電極間に電圧が印加されるように構成しておけば、描画していない期間に表示シートに電圧を印加し続ける電力浪費や画像ダメージを回避できる。
液晶やエレクトロルミネッセンス表示装置の2次元カラー像あるいは1次元カラー像を入力光像に用い、本シートの表示面側からないしは背面側から透明電極面に結像ないし密着露光することによって光像を照射してもよいことは(0016)で述べた通りである。
C,M,Y粒子に加えて黒色の光感応性粒子を混在させると黒色の再現性を向上できる。黒色の光感応性粒子は可視光の全波長域に感度を有するパンクロマチックなものでかつ暗所では光感応性粒子と同一極性に帯電しているものが使用される。
図1、図2では垂直電界で光感応性粒子を移動させる光像記憶法について述べたが粒子は水平電界(横電界)によって移動させることも可能である。
図3に水平電界法による光像記憶法ならびにそれに用いるシートについて述べる。プラスチックフィルムあるいはガラスなどの絶縁性透明基板1と基板2の間に隔壁10が設けられ分散系8が充填されてセル13を構成しており、基板1の内面には透明電極3、基板2側には各セルごとに図4(A)〜(C)に示すような細線からなる電極4が設けられている。電極4は表示シート5のすべてのセルで繋がっており、電極3と共に表示シートは2端子素子として取り扱われる。
セルに分散されている光感応性微粒子6が黒色光吸収性で分散媒が透明な場合、粒子6が図3(A)に示すようにセル中に均一に分散している場合は、セルは黒色不透明である。電極3,4間に電極3が陽極となるようにDC電圧を印加しながら上透明基板側から光像を照射すると、光感応性微粒子6が負に帯電している場合、粒子は陽極3に集まるが、陽極3と電荷授受を行って正帯電化して負極4に向かい線状電極4に堆積する。水平電界法では通常分散媒は透明状態で用いられるからこのセルでは光を遮るものは細線上に堆積した黒色粒子層のみであり、この光吸収断面積が小さければ実質的にセルは光透過性になる。一方光の当らなかったセルでは粒子は電極3に堆積したままであるから粒子がセルの電極3に均一に堆積しておれば不透明黒色となり、1ステッププロセスでポシ像が形成されることになる。
勿論一旦粒子を電極3に集めて(図3(C))から電圧を維持しつつ光像を照射する2ステッププロセスを採用してもよく図3(B)のようにポジ像が形成される。
電極4は不透明でもよく、明部の透過率を出来るだけ高くするために細線状で出来る限り粒子を厚く堆積させ、光吸収断面積を最小化することが重要である。
図3の構成での粒子移動では基板に垂直および水平電界が併用されているが、便宜上水平(横)電界法と呼ぶことにする。以下同様である。
図4のような線状電極はアルミ、クロム、金、タンタル、酸化インジウムなどの金属や透明導電体を蒸着やスパッタで設けてフォト処理でパタン化した薄膜や、導電性塗料を印刷、インクジェット描画などで設けた導電性厚膜などで構成できる。線状電極の幅は数μから数10μ程度で用いられる。
横電界方式の表示シートでフルカラー像を形成するには(0018)で述べたと同様、光感応性微粒子として少なくとも赤(R)色に感応性を有するシアン(C)色粒子、緑(G)色に感応性を有するマゼンタ(M)色粒子、青(B)色に感応性を有する黄(Y)色粒子を混合分散させればよい。各色粒子は光未照射状態で同一の極性の電荷を有していることが望ましい。分散媒が透明で下基板側が白色ならば1ステッププロセス、2ステッププロセスいずれを用いても図3と同様カラーポジ像が形成される。
従来の電子的カラー像形成は(1)R,G,B並置カラーフィルタと白黒に変調できるライトバルブの組み合わせ(2)R,G,B光の選択反射層の3層積層型(3)C,M,Y変調層の3層積層型で実現せざるを得なかった。(1)では解像度の低下、光利用率の低下が難点であった。(2)、(3)ではパネル構成の複雑化が避けられなかった。本願では垂直型、水平型に拘わらずC,M,Y粒子を混合分散させることにより1つのセルの色を照射光像の色に対応して任意に変えられるため、従来の難点を克服し、簡単な構成で明るく、色純度に優れ、高解像度の画像を形成できるものである。
垂直電界法、水平電界法に共通するが、光照射側の透明電極には光照射された粒子との電荷授受を容易にしたり、電荷授受を抑制するための、導体、半導体、絶縁体などからなる電荷授受制御層や対向電極側にも導体、半導体、絶縁体などからなる電荷ブロッキング層、粒子を安定に堆積させる閾値付与層、電極上の電界を収束するための導電突起など必要に応じて適宜設ける場合もある。
液体またはガス分散媒中で粒子が光照射の結果電極との電荷授受によって帯電極性が変化するとして説明したが、光照射された微粒子の帯電状態の変化(帯電量の増減、帯電極性の逆転など)は電極との電荷授受だけでなく、分散媒、分散媒中成分や基板および他の分散粒子との電荷授受によっても起こり得る。本願では電界の存在の有無に係わらず、光照射によって微粒子の帯電状態が変化する(従って移動方向、移動速度、電極との付着力など)現象を広義の光電気泳動現象と名づける。本願の図1,2,3,5の表示シートは垂直電界型、水平電界型に拘わらず光電気泳動現象を光像形成に用いるものである。
電極に堆積しているか分散媒中に分散している光感応性粒子が電界の有無に係わらず光を吸収した時の振る舞いとして次の4つのケースが起こりえる。1)光吸収前と極性が変化(電荷量に応じて移動速度は向上する場合も減少する場合もあり):第1粒子群と名づける。2)殆ど電荷を有していなかったものが光を吸収して正または負に荷電する:第2粒子群と名づける 3)光吸収前と同じ極性のままで帯電量が増加(従って移動速度向上):第3粒子群と名づける 4)光吸収前と同じ極性のままで帯電量が減少(従って移動速度減少、電荷を消失する場合も含む):第4粒子群と名づける。
本願では第1〜第4のすべての粒子群が垂直電界構成と水平電界構成を用いて表示に利用可能である。
たとえば第2粒子群を図1または図3の構成を用いて光照射で荷電した粒子を電極4に引き付ける電圧を印加すれば1ステップでポジ像が形成される。
また第3粒子群を図1または図3の構成を用いて光照射で帯電量の増大した粒子を電極4に引き付ける電圧を印加すれば1ステッププロセスでポジ像が形成され、第4粒子群ではネガ像となる
第2粒子群、第4粒子群は図5に示すような横電界構成セルで有効に利用できる。図5(A)、(E)では図4(D)〜(F)の如き櫛型、渦型ないしこれらと同類の細線状の一対の電極が用いられる。第2粒子群を用いた図5(A)のような表示シートでは光照射して電荷を得た粒子を電極4に堆積させる電圧を電極3,4間に印加すれば、1ステッププロセスでポジ像が得られる。図5(A)の電極3,4は互いに別基板に設けられていても、共に下基板に設けられていてもかまわない。第4群粒子ではこれとは逆に未照射粒子を電極4に堆積させる電圧を印加すれば光照射して電荷を失った粒子は分散状態を維持するから1ステッププロセスでネガ像が得られる。図5(C)の構成では電極3ないし4は図4(A)〜(C)の形状のものが用いられるが、電極3は透明であることが望ましい。図5(A)と同様に画像形成が可能である。図5の構成のセルではいずれも粒子分散状態でセルは不透明、細線電極に粒子を集積した状態で透明となる。
本発明で粒子分散状態とはブラウン運動により比重差に拘わらず液体中に安定に微粒子が均一分散したコロイド状態は勿論、基板1,2ないし電極3,4内面のいずれかないし両面に一部ないし殆どの粒子がゆるく付着した状態、粒子が互いにゆるく凝集し、両電極間ないし両基板間に3次元網目構造を形成している状態も含むものである。
図6を用いて横電界構成セルでの粒子集積時の明状態の透過率について述べる。十分ないんぺい性が得られる濃度に光感応性微粒子を分散させた分散系で充填されたセル中の粒子をすべて上基板に集積したと想定しこの時の粒子層の厚みをd、画素となるセルの面積をSとする(A)。1画素の表示面から見た粒子を集積する細線状電極4の総面積をΔsとし、分散粒子をすべてΔsに集積した明状態では、電極4上の粒子層の厚みhはd*S/Δsとなる(B)。明状態はS−Δsを最大化すなわちΔsを最小化することで実現される。Δs/Sを粒子集積電極4の面積率と定義する。面積率を10%、20%とすればほぼ90%、80%の透過率を実現できることになる。しかしながらこの時のΔs上の粒子層の厚みhは各々dの10倍、5倍になる。すなわち極小の面積の集積電極4に出来るだけ厚く粒子を積み上げれば高透過率を実現できることになり、dが小すなわち隠ぺい力の高い粒子を用いるほど薄い粒子層で上記高パフォーマンスが実現できることになる。隠ぺい力は粒子そのものの特性は勿論、粒径が深く関与し、隠ぺい力が高くなる粒径を選ぶべきである。
粒子を極小の面積Δsに厚く積み上げるには電極4を細線化して電界を収束させることの他、図5(E)のように電極4が両基板に設けられており、互いに重なる配置にあれば粒子を両電極に堆積できる(図5(F))から、2倍の厚みに堆積したのと同じ効果になり、表示面側から見た光吸収断面積の低減(透過率向上)に寄与する。
光像照射で光像に対応した粒子の空間分布を形成するのに光感応性粒子を用いる例について述べたが、電極表面に光導電層を設けることによっても粒子を光像に対応して移動させることが可能である。
図7にこの構成の光像シートを示す。すなわち図1の光像シートに類似しているが透明電極3に透明光導電層11が設けられている点で異なっている。
不透明分散媒中にこれとは色の異なる粒子が分散された分散系が光導電層を介して一対の電極間に挟まれて表示シートが構成されている。
必要なら透明電極を通して透明光導電層が感じる波長の一様な光を照射し透明光導電層11の抵抗値を下げた状態でDC電圧を印加して微粒子6を電極3ないし電極4に集積(第一ステップ)させ、しかる後に光像を照射しつつ逆極性のDC電圧を印加(第二ステップ)すれば、光照射部の光導電層は電気電導性が増しているためより強い電界が配分されるからこの領域の粒子はより早く逆の電極に向って移動、堆積し、画像が形成されることになる。白色分散媒中に帯電した黒色粒子が分散された分散系の場合は光像未照射側に黒色粒子を堆積させた時ポジ像が、逆の場合はネガ像が形成される。
分散媒が液体の場合、分散媒7の着色は染料を溶解したり、顔料を分散して実現できる。分散媒がガス体の場合は流動性の高い微粒子を分散することによって実現される。
図3の横電界セルの透明電極3に透明光導電層11を設けた構成も有用な光像記憶表示シートとして利用できる。図7と同様光照射部では光導電層の電気導電性が増すから、光導電層と粒子の電荷授受が促進されたり、光感応性の有無に拘わらず分散粒子にはより強い電界が作用し、速やかな粒子移動が実現でき粒子移動速度の差によって非光照射部と粒子分布を異ならせることができ光像を形成できる。図5の構成の横電界型シートの場合も透明電極3に光導電層を設ければ非光感応性微粒子を用いても画像形成が可能となる。
特許文献6には異なる帯電特性と色を有する粒子分散系を一方は光導電層を設けた透明電極間に挟み、電圧印加と光像照射で光像に対応した粒子分布を実現して画像を形成する方法が述べられている。しかるに光像照射は背面からのみであり、従って対向する電極および基板は共に透明性であることが必須であること、また透明光導電性層を表示面側に設けて表示面側から光像照射する方法については一切述べられていないため電子ペンで表示を見ながら描画するような用途には不向きであった。
電極に光導電層を設けた図7の構成の場合微粒子は光感応性である必要はないが、光感応性粒子の場合も有効に活用できる。すなわち一様な光を光導電層に照射しつつないしは未照射の状態で図7と同様に光感応性粒子を光導電層側に付着させるようDC電圧を印加して後、電圧印加状態で光像を照射する。光を照射された粒子はたとえば導電性の高くなった光導電層との電荷授受が促進され速やかに逆極性の粒子となり電極4に向うが、光照射部の光導電層の電気抵抗が下がっているからこの部分の分散系には強い電界が配分される結果、逆極性化した粒子は速やかに電極4に向い光像が記憶されるからである。
光導電層が透明でかつパンクロマチックであり、光感応性粒子として少なくとも赤(R)色に感応性を有するシアン(C)色粒子、緑(G)色に感応性を有するマゼンタ(M)色粒子、青(B)色に感応性を有する黄(Y)色粒子を用いれば図7の垂直電界型のほか、図3、図5の水平電界型セル構成においてもフルカラー像を形成できることは言うまでもない。
光照射で第1〜4粒子群のいずれの状態を示す粒子であっても電圧パルス高、幅、極性を選択することにより、光導電層の抵抗低下も併せて活用できるため、コントラストに優れた画像を迅速に形成できることになる。
図1、2、3,5、7の光像記憶シートに共通するが、光導電層も光感応性粒子も光照射された状態が永遠に続くものではない。光照射と電圧印加を休止してから粒子帯電状態が光照射前の状態に戻るまでの時間は主に光感応性粒子、分散媒、電極、基板などの性質によって決まるが、これを時定数と名づけると、当然光像形成は時定数内に終えるべきであり、印加電圧のパルス幅は時定数以下にすべきである。
以上のセル構成では粒子を移動させるための電圧はすべて外部電源を用いて行う例について述べた。光照射によって電圧を発生する光起電力層を設ければ外部電源不要の表示シートが構成できる。
図7の光導電層の代わりに光起電力層を設けておけば入射光像模様に対応して発生した起電力の大きさ、極性と粒子の極性に応じて粒子は移動し画像が形成できる。光起電力層が透明であれば表示面側に設けることができ、不透明であれば背面側に設け背面側から光像を照射する構成となる。図3,5など水平電界型セルにも適用可能である。
光起電力層が透明でパンクロマチックであり、微粒子が光感応性であればモノクロのみならず、C,M,Y光感応性粒子を用いてフルカラー像を形成できる。光照射で第1〜4粒子群のいずれの状態を示す粒子であっても、光照射部と非照射部では光感応性粒子の帯電状態と光起電力層の起電力が異なるから微粒子の荷電極性、起電力の極性を選択することにより、ポジまたはネガの画像を選択形成できることになる。
光導電層や光起電力層は画素(セル)ごとに分離される場合もある。
図1、2、3,5、7の光像記憶シートに共通するが、光照射されたないしされない粒子の電極面への付着力すなわち閾値性が画像形成に大きく影響する。この閾値性の変化は画像形成に有効に利用できる。たとえば光照射された粒子と未照射粒子で電極面への付着力に違い(逆極性電圧印加での電極脱着の閾値性)があれば、光照射した粒子の荷電極性がたとえ変化しなくても画像形成に有効に利用できる。光照射した粒子、未照射粒子の閾値電圧をそれぞれV1,V2とし、V2>V>V1なる逆極性電圧Vを印加すれば光照射された粒子のみが速やかに対向電極側に向かい、対向電極に堆積させてしまうことも分散状態にすることも可能である。一方非照射部の粒子は電極に留まるため粒子の空間分布が変化して画像が形成される。V1>V>V2の電圧では逆に非照射部の粒子が速やかに電極を離れて先のとはネガポジが逆の画像となる。画像を消去するには電極3,4間に電極上の堆積粒子が一旦は電極を離れることのできる閾値以上の逆極性DC電圧パルスないしAC電圧を印加する必要がある。
図1、2、3,5、7の光像記憶シートに共通するが、シート面内で粒子濃度の均一性を維持するため、基板間に隔壁(仕切り)を設け分散系を小さな直方体、円柱、六角柱などからなるセルに閉じ込めるか、分散系をカプセル粒子の中に閉じ込めるのが望ましい。図8(A)は基板間に隔壁を設けてセルを形成した例であり、図8(B)は分散系をカプセル内に閉じ込めた例であり、電極間のカプセル粒子以外のスペースは透明バインダー樹脂15で充填されている。
隔壁10の領域は色が変化しないから隔壁の厚みは出来るだけ薄く構成し、色が変化する領域の面積割合(開口率)をできるだけ高くすることが優れた画像コントラストを実現する上で望ましい。
電子ペーパ表示では白色度は重要な要素であるから隔壁の少なくとも表示を眺める側は白色であることが望ましい。カプセル粒子の場合、有機樹脂からなるカプセル壁の厚みは通常ミクロン以下であるから隔壁としては十分薄いメリットがある。図8(B)ではカプセルを球形として描いているが基板間隙をカプセルの直径より小さくして図8(C)に示すように各カプセルを直方体になるように変形させて利用すれば開口率向上に寄与する。
マイクロカプセル粒子を用いる場合両基板はバインダー樹脂を介して固着されているが隔壁型シートの場合も、両基板は隔壁と接する面で各々固着されていることが望ましい。
本願の表示シートでは解像度はセルサイズに依存するから、高解像度を望む用途ではセルないしカプセル粒子のサイズは数10μから100μ程度で用いるべきである。セルピッチが100μの場合A4サイズ(297×210mm)では2970×2100画素(623.7万画素)のほぼ満足できる解像度が得られる。用途によってはセルピッチ、カプセル粒子径はもっと大きくてもよい。1画素は多数の隔壁型セルないしカプセル粒子から構成されていてもかまわない。
図1、図2で光像形成に電子発光ペンを用いて手書き描画表示を行う方法について述べたが、図3,5の横電界型シート、図7の光導電層や光起電力層利用シートにも適用できることは言うまでもない。
本発明の表示シートがたとえば基板の両面に形成してあれば両面表示シートとして利用できる。図9に両面表示シートの1例を示す。
たとえば図1,2,3,5,7,8の如き表示シートを両面に設けた両面表示シートは、下基板として紙などを用い、望ましくはこの両面に水分、ガスなどの浸透防止層を形成しその上に下電極を形成、この電極と、透明電極を設けた2枚の透明プラスチックフィルムとの間に各々分散系を挟み周辺をスペーサで封じ切った構成である。たとえ両基板に電極がある電極4層構成であっても電極3どうし、電極4どうしは結線しシートは2端子素子として外部に取り出されるように構成できる。光像は両面同時に形成してもよく、別々に形成してもよい。
片面表示シートであれ両面表示シートであれ画像を形成した複数の表示シートをルーズリーフ形式で保存、持参するためには図10に示すように表示領域の外側に綴じ代および綴じ孔が設けてあると使いやすい。本願表示シートはたとえば基紙に100μ程度の紙、表基板に20μ程度のプラスチックフィルム、分散系厚みを50μ程度としても両面表示シートで240μ程度で構成できる。勿論各々を更に薄くして通常の書籍や雑誌の紙厚と同程度の100μ前後に構成することも可能であり、文字通り厚み、感触において電子ペーパと呼ぶにふさわしいフレキシブル電子表示シートが実現可能である。
本発明で使用する表示シートの基板材料としてプラスチックフィルムや紙を使用するとロールツーロールで連続量産できる特徴が発揮できる。
図11はロールツーロールで表示シートを製造する例を示す。あらかじめ電極等が形成されたロール状フィルムが上ロールから供給されたとえばバインダー樹脂に分散されたカプセル粒子インキが印刷などで塗布される。一方電極取り出しのためのパンチング孔が空けられ印刷またはインクジェット描画などでUVシール樹脂などのシール剤、スペーサ、電極などが設けられた下フィルム基板との間に気泡が残らないように両基板を貼合してUV照射して固着する。パンチングなどで綴じ孔16を設けたり、個片に切断して枚葉表示シートを連続生産することが可能である。勿論長尺巻物形式の表示シートを構成してもよい。
図11は片面表示シート製造の例を示しているが、両面表示シートをロールツーロールで製造することも勿論可能である。
図11では上下基板用フィルムが供給されているが、1枚のロールフィルムで表示シートをロールツーロールで製造することも可能である。すなはち図5(A)で示すように電極が片側基板のみでよい構成では。電極が設けられたフィルムの上にカプセル粒子などの形で分散系層を所定位置に印刷し、この上から透明保護樹脂を塗布すれば表示シートとなり得る。
隔壁型パネル構成では、フィルムにフォトレジストなどで隔壁を形成するか、UV硬化樹脂を塗布して仮硬化した膜などをエンボス加工などで隔壁とセルを形成後本硬化して分散系を充填し、一対の電極付きフィルムで封止することによって隔壁型フィルムパネルをロールツーロールで製造することも可能となる。
本発明に使用する材料について述べる。
光感応性微粒子としてUSP3384488に記載の種々のものが使用できる。すなわちアンソラキノン系、キナクリドン系、アゾ系、フタロシアニン系、トリアジン系などの有機顔料やアモルファスシリコン(a-Si)、酸化亜鉛(ZnO)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、テルル化カドミウム(CdTe)、セレン(Se)などの無機顔料ないし微粒子などが使用できる。たとえ光感応性がない色材微粒子であっても光感応性粒子と共に樹脂媒体に埋め込んだ光感応性色材トナー粒子として用いたり、粒子の周りを透明光導電体等光感応剤で被覆して用いることができる。色材溶液ないし色材分散系をカプセル化したものを微粒子として用いることも出来、光感応性発現のためこのカプセル粒子の表面を光導電剤などの光感応性材料で被覆してもよい。微粒子は原子や分子レベルでの表面コートで表面変性したり、分散剤、界面活性剤等を用いて荷電性付与および良分散性がはかられる。
分散系8が空気や窒素などのガス体中に高流動性の、着色のための微粒子および光感応性微粒子が分散された分散系では光感応粒子の選択的移動に抵抗が少ないから高速応答の表示パネルが可能でかつシートを全固体化できる。微粒子表面に微小な凹凸形状を形成すると更に流動性が高くなること、またシランカップリング剤やシリコンオイルでの粒子の表面処理が帯電性制御、流動性向上に有効なことが知られている。
光導電層材料としては光感応性微粒子と同様の材料や透明光半導体層としてポリビニルカルバゾールなどが使用可能である。分散媒が液体の場合分散する粒子の比重は分散媒とほぼ等しくしておくことが望ましい。比重の大きな無機粒子の場合比重の小さい樹脂に埋め込んだトナー形態として見かけ比重を下げることは有効である。
光起電力層としてはフタロシアニンなど各種染料、顔料等有機半導体やアモルファスシリコン、酸化亜鉛、酸化チタン、カドミウムセレン、カドミウムテルル、ガリウム砒素などの無機半導体のp型、n型を積層したP-N接合、P-I-N接合層が用いられる。光起電力を高めるためには多数のp-n接合が積層して用いられる。
分散媒体が液体の場合シリコン系、石油系やハロゲン化炭化水素など多種類の溶媒が利用でき、常温でゼリー状であっても光像形成時や消去時にシートの温度を上げて分散媒の粘度を下げれば画像形成、消去は可能である。
本発明は次のような効果を奏する。
一対の電極間に微粒子分散系を挟み込んだ封じ切りシートを用い、光像照射と電圧印加を併用して光像に対応した粒子の空間的分布状態を作り出し、光像消去、新規光像形成を繰り返し行えるように構成したことを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シートであり、C,M,Yの光感応性微粒子を用いてフルカラー形成が可能である。表示シートは紙同様の薄型が可能であり、表示を更新する時のみ光像とシートに印加する電圧を発生できる表示書替器に装着すれば瞬時に画像更新が可能であるためモノクロはじめフルカラー電子ペーパとして、電子新聞、電子書籍、値札、ポスター、広告看板、掲示板、電子メモ帳、電子絵画、メニューシート、カタログ、ICカード、OHPシートなど多方面に利用可能である。
は本発明の垂直電界型光像記憶シートの横断面図と原理説明図 は本発明の垂直電界型フルカラー光像記憶シートの横断面図と原理説明図 は本発明の水平電界型光像記憶シートの横断面図と原理説明図 は図3に用いる線状電極の正面図 は本発明の水平電界型光像記憶シートの他の構成例 は本発明の水平電界型光像記憶シートの明状態の透過率を表す断面図 は本発明の光導電層を用いた光像記憶シートの横断面図と原理説明図 は本発明で用いる、分散系を隔壁ないしカプセル化で分離したセル構成の横断面図 は本発明の光像記憶シートを基紙の両面に設けた両面記憶シートの横断面図 は本発明の表示シートをルーズリーフ形式で複数枚格納するための綴じ孔を設けた表示シートの例 は本発明の表示シートをロールツーロールで製造する工程図の1例
符号の説明
1:透明基板
2:下基板
3:透明電極
4:下電極
5:表示シート
6:光感応性微粒子
7:分散媒
8:分散系
9:スペーサ
10:隔壁
11:光導電層
12:フォトマスク
13:セル
14:カプセル粒子
15:バインダー
16:綴じ孔

Claims (14)

  1. 内面に電極を有する1対の基板間に、光感応性微粒子が白色に着色された分散媒中に分散された分散系が挟まれて表示シートを構成しており、該基板とその基板に設けられた電極の少なくとも1方は透明であり、該一対の電極間に電圧を印加しつつ該透明基板から光像を照射し、光照射された該微粒子の帯電状態を変化させることによって光像に対応して該微粒子を基板に垂直な電界で移動させて光像に対応した粒子の空間分布状態を作り出すことによってポジ光像を得ることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート
  2. 少なくとも一方は透明な1対の基板間に、光感応性微粒子が透明分散媒中に分散された分散系が挟まれて表示シートを構成しており、該基板のいずれか一方ないしは各々の基板に設けられた電極により一対の電極を構成しており、該一対の電極間に電圧を印加しつつ該透明基板から光像を照射し、光照射された該微粒子の帯電状態を変化させ、光像に対応して該微粒子を基板に水平な方向に移動させて粒子の空間分布状態を作り出すことによって光像を得ることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート
  3. 請求項1〜請求項2の表示シートにおいて該光感応性微粒子は少なくとも各々感応する光波長が異なりかつ色の異るものが2種以上混在していることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート
  4. 請求項1〜請求項3の表示シートにおいて該光感応性微粒子は少なくとも、赤色に感応するシアン色粒子、緑色に感応するマゼンタ色粒子、青色に感応する黄色粒子からなることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いるカラー表示シート
  5. 少なくとも一方は透明な1対の基板間に、分散媒中に微粒子が分散された分散系が挟まれて表示シートを構成しており、該透明基板の少なくとも1部に透明電極が設けられており、該透明電極上に更に光導電層が設けられており、該透明電極は、該透明電極と同一基板上ないし対向基板側に設けられた電極とで電極対を構成しており、該電極対に電圧を印加しつつ該透明基板から光像を照射し、光像に対応して該微粒子を移動させて光像に対応した粒子の空間分布状態を作り出すことによって光像を得ることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート
  6. 少なくとも一方は透明な1対の基板間に、分散媒中に微粒子が分散された分散系が挟まれて表示シートを構成しており、該透明基板の少なくとも1部に透明電極が設けられており、該透明電極上に更に光起電力層が設けられており、該透明電極は、該透明電極と同一基板上ないし対向基板側に設けられた電極とで電極対を構成しており、該透明基板から光像を照射し、光像に対応して発生した光起電力によって該微粒子を移動させて光像に対応した粒子の空間分布状態を作り出すことによって光像を得ることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート
  7. 請求項5〜請求項6の光導電層ないしは光起電力層は透明であり、該微粒子は光感応性であることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート
  8. 請求項7の光導電層ないしは光起電力層はパンクロマチックな感度を有し、該微粒子は少なくとも赤色に感応するシアン色粒子、緑色に感応するマゼンタ色粒子、青色に感応する黄色粒子からなることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いるカラー表示シート
  9. 請求項1〜請求項8の表示シートは表裏両面に光像を記憶するように構成されていることを特徴とした両面記憶表示シート
  10. 請求項1〜請求項9において該分散系は基板間に設けられた隔壁によって形成されたセルに充填されているかまたはカプセル粒子の内部に閉じ込められていることを特徴とした光像記憶法ならびにそれに用いる表示シート
  11. 請求項1〜請求項10の表示シートはロールツーロールで製造されていることを特徴とした表示シート
  12. 請求項1〜請求項11において該光像は液晶またはエレクトロルミネッセンス表示装置に表示された光像を1次元ないし2次元状に該表示シートに結像させて照射することを特徴とした光像記憶法
  13. 請求項1〜請求項12において該光像は電子発光素子を内臓したペンによって描画されることを特徴とした光像記憶法
  14. 請求項3、4、8において光像は異なる色光を選択的に発生できるように構成された電子発光素子ペンによって描画されることを特徴としたフルカラー光像記憶法
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