JPWO2008072579A1 - 蛍光内視鏡 - Google Patents

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Abstract

被検体である体腔の内周面全面から発生する蛍光を観察する場合に、観察領域における体腔組織が良性組織か悪性組織かを判別しやすくできる蛍光内視鏡を提供する。体腔(3)内に挿入される挿入部(5)と、挿入部(5)の半径方向に位置する体腔(3)の内壁と接触することにより、挿入部(5)の半径方向において体腔(3)に対する挿入部(5)の位置決めを行うバルーン(15)と、内壁に対して照射される励起光を挿入部(5)の半径方向外方に出射するとともに、内壁から発生した蛍光を挿入部(5)の複数の異なる半径方向から挿入部(5)の内部に導入する光出射導入部(17,19)と、光出射導入部(17,19)から導入された蛍光を撮像する撮像部(21)と、バルーン(15)における内壁との接触面と、挿入部(5)と、の間の距離に基づいて撮像部(21)から出力された撮像信号を補正する補正信号を算出する補正信号算出部(57)と、補正信号に基づいて撮像信号の強度を補正し、補正された撮像信号から画像信号を生成する信号処理部(57)と、が設けられたことを特徴とする。

Description

本発明は、蛍光内視鏡に関する。
近年、癌等の疾患部へ集積するとともに、励起光により蛍光を発する薬剤を用いて生体組織の癌等の疾患状態を診断する技術が開発されている。特に、上記薬剤を生体に注入した状態で蛍光内視鏡等から励起光を生体に照射することで、蛍光内視鏡等により疾患部に集積した薬物から発する蛍光を2次元画像として検出し、検出された蛍光強度から疾患部を診断する技術が知られている。
しかしながら、検出される蛍光の強度は検出部と疾患部との距離の2乗に反比例するため、上記距離を一定に保たなければ、検出された蛍光強度から疾患部を診断することは困難であった。内視鏡を用いた他の疾患部の診断方法においても、疾患部と検出部等との距離を所定距離に保つことは、正確な診断を行う上で重要であった。そのため、内視鏡において疾患部と検出部等との距離を一定に保つ様々な技術が提案されている。
血管の内部から血管組織を検査する際に、血管内部にプローブを挿入してプローブから照明光を血管組織に照射することにより、検査を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
この技術においては、プローブの先端にバルーンが設けられている。上述の検査を行う際に、上記バルーンを膨らませて血管壁に密着させていた。
さらに、蛍光を用いて診断を行う内視鏡において、励起光の照射部と被検体との距離に相当する距離信号を生成する距離測定手段と、距離信号に基づいて蛍光信号や蛍光画像信号を補正する特性値算出手段とを用いて、病変部の診断を行う技術も知られている(例えば、特許文献2参照。)。
この技術によれば、距離測定手段と特性値算出手段とにより、照射部と被検体との距離に影響されないで病変部の診断を行うことができた。
特開2002−219130号公報 特開2006−61638号公報
側視型内視鏡において挿入された管腔の全周または複数方向を蛍光観察する場合には、被検体と内視鏡との観察距離が変化すると、内視鏡により得られる蛍光量が大きく変化してしまい、蛍光の強度による病変の診断が難しいという問題があった。
管腔の内径は一定ではないので、観察位置を変えた際に管腔の内径の変化によって管腔の面と内視鏡の検出部との距離を一定距離に保つことはできなかった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、側視型内視鏡を用いた蛍光観察において、被検体である体腔の内周を複数方向において蛍光観察する場合に、被検体である体腔の内周面全面と挿入部との観察距離が変化しても、観察領域における体腔組織が良性組織か悪性組織かを判別しやすくできる蛍光内視鏡を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、体腔内に挿入される挿入部と、前記挿入部の半径方向に位置する前記体腔の内壁と接触することにより、前記挿入部の半径方向において前記体腔に対する前記挿入部の位置決めを行うバルーンと、前記内壁に対して照射される励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射するとともに、前記内壁から発生した蛍光を前記挿入部の複数の異なる半径方向から前記挿入部の内部に導入する光出射導入部と、前記光出射導入部から導入された蛍光を撮像する撮像部と、前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の間の距離に基づいて前記撮像部から出力された撮像信号を補正する補正信号を算出する補正信号算出部と、前記補正信号に基づいて前記撮像信号の強度を補正し、補正された撮像信号から画像信号を生成する信号処理部と、が設けられた蛍光内視鏡を提供する。
本発明によれば、バルーンは、挿入部の半径方向に位置する体腔の内壁と接触することにより、挿入部を体腔の略中心に位置させる。つまり、バルーンは、挿入部の半径方向における体腔の内壁の全ての部分領域と挿入部との間の距離を等しくすることができる。光出射導入部は、励起光を挿入部の半径方向外方に出射して、バルーンにより挿入部からの距離を等しくされた体腔の内壁に対して照射する。これにより、励起光が照射された内壁から蛍光が発生する。体腔の内壁から発生した蛍光は、光出射導入部により挿入部の内部に導入される。ここで、体腔の内壁の複数箇所から蛍光が発生した場合は、それぞれの蛍光が、挿入部の複数の異なる半径方向から挿入部の内部に導入される。そして、撮像部は、光出射導入部から挿入部内に導入された蛍光を撮像する。
補正信号算出部は、バルーンにおける内壁との接触面と、挿入部との間の距離に基づいて、撮像部から出力された撮像信号を補正する補正信号を算出する。すなわち、バルーンにおける内壁との接触面と、挿入部との間の距離の変化に応じて、補正信号算出部において異なる補正信号が算出される。そして、信号処理部は、補正信号算出部において算出された補正信号に基づいて撮像部から出力された撮像信号の強度を補正し、補正された撮像信号から画像信号を生成する。
これにより、接触面と挿入部との間が所定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。この画像信号を用いることにより、接触面と挿入部との間の距離が変化しても、体腔の内壁を常に所定距離で観察した場合と同様の蛍光画像が得られるので、体腔組織が良性組織か悪性組織かを判別しやすくできる。
上記発明においては、前記光出射導入部が、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、前記内壁から発生した蛍光を、前記挿入部の中心軸線方向に向けて反射するとともに、前記中心軸線回りに回転可能に配置された反射部と、を備え、前記撮像部が、前記反射部から反射した蛍光を撮像する構成でもよい。
このようにすることにより、励起光は光出射導入部に設けられた照射部から挿入部の半径方向外方に出射され、体腔の内壁に照射される。励起光が照射された体腔の内壁から蛍光が発生し、蛍光は挿入部の内部に導入される。挿入部の内部に導入された蛍光は、光出射導入部に設けられた反射部により挿入部の中心軸線方向に向けて反射される。反射部は中心軸線回りに回転可能に配置されているため、挿入部の複数の異なる半径方向に位置する体腔の内壁から発生した蛍光は挿入部の中心軸線方向に向けて反射される。反射部から反射した蛍光は撮像部により撮像される。よって、本発明によれば、挿入部の複数の異なる半径方向に位置する体腔の内壁から発生した蛍光の像を取得することができる。
なお、反射部は、上記内壁から発生した蛍光のみを反射することとしてもよく、体腔の診断に不必要な波長の光(例えば、照射部から出射された励起光など)を透過することとしてもよい。
上記構成においては、前記反射部を回転させる回転駆動部が設けられてもよい。
このようにすることにより、反射部を回転させることにより、挿入部の複数の異なる半径方向に位置する体腔の内壁の部分領域から発生した蛍光を撮像部に向けて反射させて、撮像部に蛍光を撮像させることとしてもよい。
なお、回転駆動部は、反射部のみを回転させるものであってもよいし、反射部を含む光出射導入部を回転させるもの、例えば、光出射導入部を備えたチューブ状のものであって、挿入部に対して回転可能に配置されたものであってもよい。
上記発明においては、前記光出射導入部が、前記挿入部の少なくとも先端部の内部に配置されるとともに、前記挿入部の中心軸線回りに回転可能に配置された回転部と、該回転部に設けられ、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、前記回転部に設けられ、前記内壁から発生した蛍光を前記中心軸線方向に向けて反射する反射部と、を備え、前記撮像部が、前記回転部に設けられ、前記反射部から反射した蛍光を撮像してもよい。
このようにすることにより、励起光は回転部に設けられた照射部から挿入部の半径方向外方に出射され、体腔の内壁に照射される。励起光が照射された体腔の内壁から蛍光が発生し、蛍光は挿入部を透過して回転部の内部に導入される。
回転部の内部に導入された蛍光は、回転部に設けられた反射部により挿入部の中心軸線方向に向けて反射される。反射部から反射した蛍光は撮像部により撮像され、撮像部は挿入部の半径方向に位置する内壁の部分領域の像を取得する。ここで、回転部は、挿入部の内部に、挿入部の中心軸線回りに回転可能に配置されているため、蛍光を挿入部の複数の異なる半径方向から挿入部の内部に導入することが可能である。よって、本発明によれば、挿入部の複数の異なる半径方向に位置する体腔の内壁から発生した蛍光を撮像できる。
上記発明においては、前記光出射導入部が、前記挿入部の少なくとも先端部の内部に配置されるとともに、前記挿入部の中心軸線回りに回転可能に配置された回転部と、前記回転部に設けられ、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、を備え、前記撮像部が、前記回転部の内部に導入された蛍光を撮像してもよい。
このようにすることにより、励起光は回転部に設けられた照射部から挿入部の半径方向外方に出射され、体腔の内壁に照射される。励起光が照射された体腔の内壁から蛍光が発生し、蛍光は挿入部を透過して回転部の内部に導入される。
回転部の内部に導入された蛍光は、回転部に設けられた撮像部により撮像される。ここで、回転部は、挿入部の内部に、挿入部の中心軸線回りに回転可能に配置されているため、蛍光を挿入部の複数の異なる半径方向から挿入部の内部に導入することが可能である。よって、本発明によれば、挿入部の複数の異なる半径方向に位置する体腔の内壁から発生した蛍光を撮像できる。
上記発明においては、前記光出射導入部は、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、前記内壁から発生した蛍光を前記挿入部の中心軸線方向に向けて反射する円錐ミラーと、を備え、前記撮像部が、前記円錐ミラーから反射した蛍光を撮像してもよい。
このようにすることにより、励起光は照射部から挿入部の半径方向外方に出射され、体腔の内壁に照射される。励起光が照射された体腔の内壁から蛍光が発生し、蛍光は光出射導入部から挿入部の内部に導入される。
光出射導入部の内部に導入された蛍光は、光出射導入部に設けられた円錐ミラーにより挿入部の中心軸線方向に向けて反射され、撮像部により撮像される。ここで、円錐ミラーは、蛍光を挿入部の複数の異なる半径方向から挿入部の内部に導入することが可能である。この結果、挿入部の複数の異なる半径方向に位置する体腔の内壁から発生した蛍光を撮像できる。
上記発明においては、前記体腔に対する前記挿入部の挿入長さを計測する挿入長計測部と、前記撮像部から出力される撮像信号と、前記挿入長計測部から出力される挿入長さに係る信号と、に基づいて前記撮像信号の展開処理を行う画像処理部と、が設けられてもよい。
このようにすることにより、体腔に対する撮像部の移動距離は、挿入長計測部により計測される。挿入長計測部から出力された挿入長さに係る信号は、画像処理部に入力される。画像処理部には、撮像部から出力された蛍光画像信号と、挿入長計測部から出力された挿入長さに係る信号とが入力され、両信号に基づいて撮像信号の処理が行われる。
例えば、撮像部から出力された撮像信号が、円錐ミラーに映った内壁の全内周面の蛍光画像に係る信号である場合には、画像処理部は円錐ミラーに映った蛍光画像に係る信号を、体腔を展開した状態の蛍光画像に係る信号に変換処理することができる。
上記発明においては、前記バルーンに流体を流入させる流入部と、前記バルーンに流入した流体の流量を計測する流量計測部と、該流量計測部から出力された流量信号に基づいて、前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の間の距離を求める演算部と、が設けられ、前記補正信号算出部が、前記演算部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出してもよい。
このようにすることにより、バルーン内には、流入部により流体が流入される。流入した流体により膨張したバルーンは、挿入部の半径方向に位置する体腔の内壁と接触することにより、挿入部を体腔の略中心に位置させる。バルーンに流入した流体の流量からは、膨張したバルーンの体積を算出できる。したがって、流量計測部により計測された流量信号に基づいて、演算部が、バルーンにおける上記内壁との接触面と、挿入部と、の間の距離を容易に算出することができる。
そして、演算部により求められた距離に基づいて補正信号算出部が演算部により求められた距離に基づいて補正信号を算出することにより、上記内壁から撮像部までの距離が所定の一定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。
上記発明においては、前記バルーンにおける前記内壁との接触面には蛍光剤が配置され、該蛍光剤から発生した蛍光の強度を検出する蛍光検出部が設けられ、前記補正信号算出部が、前記演算部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出してもよい。
このようにすることにより、挿入部の半径方向外方に出射された励起光はバルーンにおける内壁との接触面に配置された蛍光剤に照射される。励起光が照射された蛍光剤からは、蛍光が発生される。発生された蛍光は蛍光検出部により蛍光強度が検出される。ここで、蛍光強度は蛍光剤からの距離の2乗に反比例するため、蛍光検出部から出力される蛍光強度信号は蛍光剤と蛍光検出部との間の距離に係る信号とみなすことができる。
したがって、補正信号算出部が、蛍光強度信号に基づいて補正信号を算出することにより、上記内壁から撮像部までの距離が所定の一定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。
上記発明においては、前記バルーンに流入する流体が液体であって、前記バルーンにおける前記内壁との接触面に向かって超音波を発生させる超音波信号発生器と、前記接触面から反射した超音波を検出する超音波信号検出器と、前記超音波信号発生器を制御するとともに、前記超音波信号検出器から出力される検出信号に基づいて、前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の距離を求める制御部と、が設けられ、前記補正信号算出部が、前記制御部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出してもよい。
このようにすることにより、超音波は、超音波信号発生器からバルーンの上記接触面に向かって発生され、液体が満たされたバルーン内を伝搬する。ここで、バルーン内に液体が満たされているため、気体が満たされている場合と比較して、超音波の減衰率が低くなる。バルーン内を伝搬した超音波は、上記接触面において反射し、超音波信号検出器により検出される。
制御部は、超音波信号発生部を制御することにより発生される超音波を制御するとともに、制御部には、超音波信号検出器から出力される検出信号が入力される。そのため、制御部は、超音波信号発生部から発生される超音波の位相と、超音波信号検出器に検出された超音波の位相との位相差に基づいて、上記接触面と挿入部との距離を求めることができる。
このように、補正信号算出部が制御部により求められた距離に基づいて補正信号を算出することにより、上記内壁から撮像部までの距離が所定の一定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。
上記発明においては、前記バルーンにおける前記内壁との接触面に向かってマイクロ波を発生させるマイクロ波信号発生器と、前記接触面から反射したマイクロ波を検出するマイクロ波信号検出器と、前記マイクロ波信号発生器を制御するとともに、前記マイクロ波信号検出器から出力される検出信号に基づいて、前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の距離を求める制御部と、が設けられ、前記補正信号算出部が、前記演算部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出してもよい。
このようにすることにより、マイクロ波は、マイクロ波信号発生器からバルーンの上記接触面に向かって発生され、バルーン内を伝搬する。ここで、マイクロ波は、超音波と比較して低い減衰率でバルーン内を伝搬する。バルーン内を伝搬したマイクロ波は、上記接触面において反射し、マイクロ波信号検出器により検出される。
制御部は、マイクロ波信号発生器を制御することにより発生されるマイクロ波を制御するとともに、制御部には、マイクロ波信号検出器から出力される検出信号が入力される。そのため、制御部は、マイクロ波信号発生部から発生されるマイクロ波の位相と、マイクロ波信号検出器に検出されたマイクロ波の位相との位相差に基づいて、上記接触面と挿入部との距離を求めることができる。
このように、補正信号算出部が制御部により求められた距離に基づいて補正信号を算出することにより、上記内壁から撮像部までの距離が所定の一定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。
本発明の蛍光内視鏡によれば、被検体である体腔の内周面全面と挿入部との観察距離が変化しても、体腔の内周面全面と挿入部との間が所定距離で保たれた場合と同様の画像信号を生成することができるので、体腔組織が良性組織か悪性組織かを判別しやすくできるという効果を奏する。
本発明の第1の実施形態の蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図1の挿入部の構成を説明する模式図である。 図2の照射用レンズの構成を説明する斜視図である。 図2の反射ミラーの構成を説明する斜視図である。 図2の保持部の構成を説明するA−A断面図である。 図1のアクチュエータの制御方法を説明するフローチャートである。 図1の蛍光信号処理部における処理方法を説明するフローチャートである。 本発明の第1実施形態の第1変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図8の円錐ミラーの構成を説明する模式図である。 図8の撮像素子に撮像された蛍光像を示す図である。 図8の蛍光信号処理部により変換処理された後の画像を示す図である。 本発明の第1の実施形態の第2変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図12の挿入部の構成を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の第3変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図14の挿入部の構成を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の第4変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図16の挿入部の構成を説明する模式図である。 図17の挿入部の構成を説明する正面視図である。 本発明の第1の実施形態の第5変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図19の挿入部の構成を説明する模式図である。 本発明の第1の実施形態の第6変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図1から図21の蛍光内視鏡の別の構成を説明する模式図である。 図1から図21の蛍光内視鏡のさらに別の構成を説明する模式図である。 図1から図21の蛍光内視鏡のさらに別の構成を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図25の挿入部の構成を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の第1変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図27の挿入部の構成を説明する模式図である。 本発明の第2の実施形態の第2変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。 図29の挿入部の構成を説明する模式図である。
符号の説明
1,101,201,301,401,501,601,701,801,901 蛍光内視鏡
3 体腔
5,105,205,305,405,505,605,705,805,905 挿入部
15 バルーン
17,217,417,517 光出射部(光出射導入部)
19,119,219 光導入部(光出射導入部)
21,421,521 撮像部
33,233 照射用ミラー(照射部)
35 ダイクロイックミラー(反射部)
37 駆動モータ(回転駆動部)
49 送気ポンプ(流入部)
51 流量計(流量計測部)
53,653 距離測定部(演算部)
57 蛍光信号処理部(補正信号算出部、信号処理部)
135 円錐ミラー(反射部)
157 蛍光信号処理部(補正信号算出部、信号処理部、画像処理部)
161 画像センサ(挿入長計測部)
213A,613A,713A,813A 外側挿入部(挿入部)
213B,313B,413B,613B,713B,813B,913B 内側挿入部(光出射導入部,回転部)
533 照射用ミラー(照射部)
624 蛍光検出部
724 超音波発生測定部(超音波信号発生器、超音波信号検出器)
749 ポンプ(流入部)
754,854 制御部
824 マイクロ波発生測定部(マイクロ波信号発生器、マイクロ波信号検出器)
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係る蛍光内視鏡ついて図1から図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態の蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
蛍光内視鏡1は、図1に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部5と、励起光を出射する光源7と、挿入部5と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部9と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図2は、図1の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部5は、被検体の体腔3内に挿入されるとともに、体腔3の内壁から発生する蛍光を観察するものである。挿入部5には、図2に示すように、外皮チューブ13と、バルーン15と、光出射部(光出射導入部)17と、光導入部(光出射導入部)19と、撮像部21と、が設けられている。
外皮チューブ13は、挿入部5の外周面を構成するチューブである。外皮チューブ13における挿入側端部(図2の左側端部)には、励起光が透過する励起光用窓25と、蛍光が透過する蛍光用窓27とが設けられ、励起光用窓25および蛍光用窓27の外周面にはバルーン15が配置されている。外皮チューブ13の内部には、光出射部17や光導入部19や撮像部21や保持部45が配置されている。励起光用窓25に対して蛍光用窓27は、外皮チューブ13の挿入側端部に近い位置に配置されている。励起光用窓25は、略円筒状に形成された部材であって、光源7から出射された励起光を透過する材料から形成されたものである。蛍光用窓27は、略円筒状に形成された部材であって、体腔3から発生した蛍光を透過する材料から形成されたものである。
バルーン15は、体腔3内で膨張されることにより、挿入部5を体腔3に固定するとともに挿入部5の挿入側端部を体腔管路の略中央に位置させるものである。バルーン15は、図2に示すように、外皮チューブ13における励起光用窓25および蛍光用窓27の外周面に配置され、励起光用窓25を透過する励起光および蛍光用窓27を透過する蛍光を透過する材料から形成されたものである。バルーン15には後述する測定制御部9の送気ポンプ49が接続されている。
図2には、膨張される前のバルーン15が実線で表示され、膨張されたバルーン15が二点鎖線で表示されている。
図3は、図2の照射用レンズの構成を説明する斜視図である。図4は、図2の反射ミラーの構成を説明する斜視図である。
光出射部17は、光源7から出射された励起光を体腔3の内壁に向けて出射させるものである。光出射部17は、図2に示すように、ライトガイド29と、照射用レンズ31と、照射用ミラー(照射部)33とを備えている。なお、光出射部17は、上記内壁の全周面に対して一度に励起光を出射できることが好ましい。
ライトガイド29は、光源7から出射された励起光を挿入部5の挿入側端部に配置された照射用レンズ31まで導くものである。ライトガイド29は、励起光を導くファイバの束から構成されたものであって、略円筒状に形成されている。
照射用レンズ31は、励起光を体腔3の観察領域全体に照射させるレンズである。照射用レンズ31は、挿入部5の挿入側端部であって、ライトガイド29と照射用ミラー33との間に配置されている。照射用レンズ31は、図3に示すように円環状に形成されているとともに、ライトガイド29と対向する面に凹状の溝が形成されたレンズである。
照射用ミラー33は、照射用レンズ31から挿入部5の中心軸線方向に出射された励起光を、挿入部5の半径方向外側に反射するミラーである。照射用ミラー33は、外皮チューブ13の内部であって、励起光用窓25と対向する位置に配置されている。照射用ミラー33は、図4に示すように、略円錐状に形成されるとともに円錐面が反射面とされたミラーであって、中心軸線に沿って貫通孔が形成されたミラーである。照射用ミラー33は、ミラー保持部34により保持されている。
光導入部19は、体腔3から発生した蛍光を撮像部21に向けて反射するものである。光導入部19は、図2に示すように、ダイクロイックミラー(反射部)35と、駆動モータ(回転駆動部)37と、モータ制御部39と、を備えている。
ダイクロイックミラー35は、蛍光用窓27を透過した蛍光を挿入部5の中心軸線に沿う方向へ反射させるものであって、撮像部21で撮像される蛍光以外の波長の光は透過するものである。ダイクロイックミラー35は、外皮チューブ13の内部であって蛍光用窓27と対向する位置に、挿入部5の中心軸線を回転中心として回転可能に配置されている。ダイクロイックミラー35は直方体状に形成され、体腔3の一部領域から発生した蛍光を撮像部21に向けて反射するものである。ダイクロイックミラー35は、ダイクロイックミラー保持部36により保持されている。なお、ダイクロイックミラー35としては、公知のものを用いることができ、特に限定するものではない。
駆動モータ37は、ダイクロイックミラー35を挿入部5の中心軸線を回転中心として回転駆動させるものである。駆動モータ37は挿入部5の先端部に配置され、モータ制御部39と接続されている。なお、駆動モータ37としては、公知のモータを用いることができ、特に限定するものではない。
モータ制御部39は、駆動モータ37の回転を制御することにより、ダイクロイックミラー35の回転を制御するものである。モータ制御部39から蛍光信号処理部57にダイクロイックミラー35の位相信号が出力されているとともに、モータ制御部39から駆動モータ37に制御信号が出力されている。
撮像部21は、体腔3から発生した蛍光の像を撮像するものである。撮像部21は、図2に示すように、撮像用レンズ系41と、撮像素子43とを備えている。
撮像用レンズ系41は、ダイクロイックミラー35に反射された蛍光の像を撮像素子43の受光面に結像させるものである。撮像用レンズ系41は、ダイクロイックミラー35と撮像素子43との間に配置されるとともに、照射用ミラー33の内側、言い換えると、挿入部5の中心軸線上に配置されている。本実施形態においては、図2に示すように、複数のレンズから構成された撮像用レンズ系41の場合に適用して説明するが、特に撮像用レンズ系41の構成について限定するものではない。
撮像素子43は、体腔3から発生した蛍光の像を撮像するものである。撮像素子43は、照射用レンズ31の内側、言い換えると、挿入部5の中心軸線上に配置され、表示部11の蛍光信号処理部57と接続されている。なお、撮像素子43としては、CCD(Charge Coupled Devices)や、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの公知な素子を用いることができ、特に限定するものではない。
図5は、図2の保持部の構成を説明するA−A断面図である。
保持部45は、照射用レンズ31と撮像用レンズ系41と撮像素子43とを保持するとともに、照射用レンズ31から出射された励起光が撮像素子43に直接入射することを防止するものである。保持部45には、図5に示すように、モータ制御部39から駆動モータ37へ制御信号を伝達する信号線が通る溝部46が形成されている。
光源7は、図1に示すように、体腔3に照射されるとともに、体腔3から蛍光を発生させる励起光を出射させるものである。特に、体腔3の病変部Tから強い蛍光を発生させる励起光を出射させるものである。光源7から出射された励起光は、挿入部5のライトガイド29に入射されている。
測定制御部9は、挿入部5と体腔3の内壁との距離を測定するものである。測定制御部9は、図1に示すように、送気ポンプ(流入部)49と、流量計(流量計測部)51と距離測定部(演算部)53とを備えている。
送気ポンプ49は、空気(流体)を送気することによりバルーン15を膨張させるものである。送気ポンプ49から送気された空気は外皮チューブ13の外周面に配置された送気チューブ55を通ってバルーン15に送られる。送気ポンプ49の流量信号は流量計51に出力されている。なお、送気ポンプ49としては、公知のポンプを用いることができ、特に限定するものではない。
流量計51は、送気ポンプ49からバルーン15に送気された空気の流量を計測するものである。具体的には、送気ポンプ49の流量信号に基づいて上記空気流量を計測するものである。流量信号としては、送気された空気流量を求めるのに必要な情報であって、送気ポンプ49の駆動時間やポンプの回転速度などを例示することができる。流量計51により計測された空気流量に係る信号は、距離測定部53に出力されている。
距離測定部53は、挿入部5と体腔3の内壁との距離を測定するものである。距離測定部53には、流量計51から空気流量に係る信号が入力され、当該信号に基づいて距離測定部53は、挿入部5と体腔3の内壁との距離を求めることができる。距離測定部53から蛍光信号処理部57に、挿入部5と体腔3の内壁との距離に係る距離信号が出力されている。
表示部11は、撮像部21により撮像された蛍光像を表示するものである。表示部11は、図1に示すように、蛍光信号処理部(補正信号算出部、信号処理部)57と、モニタ59とを備えている。
蛍光信号処理部57は、撮像素子43から出力された撮像信号をモニタ59に表示する画像信号に変換処理するものである。蛍光信号処理部57には、撮像素子43から出力された撮像信号と、モータ制御部39から出力されたダイクロイックミラー35の位相信号と、距離測定部53から出力された距離信号と、が入力されている。蛍光信号処理部57からモニタ59には、画像信号が出力されている。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡1による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
まず、蛍光内視鏡1の挿入部5が、体腔3の内部に挿入される。このとき、バルーン15は、図2に実線で示されるように、挿入の邪魔にならないように縮められ、挿入部5の外周面に密着した状態とされている。
挿入部5の挿入側端部が体腔3の検査領域に到達すると、送気ポンプ49から空気がバルーン15に送気され、バルーン15は膨張して体腔3の内壁に押し付けられる。挿入部5は、バルーン15により体腔3に対して固定されるとともに、挿入部5の挿入側端部は体腔3における管路の略中央に配置される。送気ポンプ49は、バルーン15内の圧力が所定圧力に達するまで送気を継続し、上記圧力が所定圧力に到達した後に送気を中止する。
バルーン15内には所定圧力の空気が満たされているため、バルーン15は体腔3の内壁を半径方向外側に向けて押圧する。例えば、大腸のように体腔3の内壁にヒダがある場合には、ヒダは、バルーン15に押圧されることにより押し広げられる。そのため、体腔3内壁のヒダを伸ばして、ヒダの間に隠れた領域を観察することができる。
図6は、図1のアクチュエータの制御方法を説明するフローチャートである。
流量計51は、送気ポンプ49から出力される流量信号に基づいて上記空気流量を計測し、上記空気流量に係る情報を距離測定部53に出力する(ステップS1)。距離測定部53は、入力された上記空気流量に係る情報に基づいて、バルーン15の外径を求めることにより、挿入部5と体腔3の内壁との距離を測定する(ステップS2)。
具体的には、距離測定部53には、バルーン15に送気された空気の流量と、当該流量に対応する挿入部5と体腔3の内壁との間の距離とに関するルックアップテーブルが記憶されており、当該ルックアップテーブルを参照することにより、距離測定部53は挿入部5と体腔3の内壁との間の距離を求めることができる。上記ルックアップテーブルを構成するデータは、例えば、予め実験などにより実測して取得することができる。
距離測定部53は、求めた挿入部5と体腔3の内壁との間の距離に基づいて、蛍光信号処理部57に対して出力する距離信号を生成する。つまり、アクチュエータ駆動部53は、撮像素子43と体腔3の内壁との間の距離が所定の一定距離となるように、保持部45における外皮チューブ13に対する相対位置を制御している。
具体的には、距離測定部53は、まず、求められた挿入部5と体腔3の内壁との間の距離から求められる体腔3の内壁からダイクロイックミラー35までの距離と、外皮チューブ13に対する保持部45の相対位置に基づいて求められるダイクロイックミラー35から撮像素子43までの距離と、から現在の体腔3の内壁から撮像素子43までの距離を求める。そして、距離測定部53は、求められた距離と上記所定の一定距離との差を求め(ステップS3)、当該差に係る信号(距離信号)を蛍光信号処理部57に出力している(ステップS4)。例えば、距離測定部53は、上記求められた距離が上記所定の一定距離より長い場合には、正の符号情報と、上記求められた距離と上記所定の一定距離との差分の絶対値と、を含む距離信号を出力する。一方、上記求められた距離が上記所定の一定距離より短い場合には、負の符号情報と、上記求められた距離と上記所定の一定距離との差分の絶対値と、を含む距離信号を出力する。
その後、光源7から励起光が出射され、励起光はライトガイド29により外皮チューブ13内を通って、挿入部5の先端側端部に導かれる。励起光はライトガイド29から挿入部5の中心軸線に沿う方向に出射され、照射用レンズ31を透過して照射用ミラー33に入射する。照射用ミラー33に入射した励起光は、挿入部5の半径方向外側に向かって反射され、励起光用窓25およびバルーン15を透過して体腔3に入射する。励起光は、照射用レンズ31を透過することにより、体腔3における観察領域全面を照明することができる。
励起光が入射した体腔3からは蛍光が発生する。特に、病変部Tから発生する蛍光の光量は、正常な体腔3から発生する蛍光の光量より大きくなる。蛍光はバルーン15および蛍光用窓27を透過して外皮チューブ13内に入射する。入射した蛍光の内、ダイクロイックミラー35に入射した蛍光は、挿入部5の中心軸線方向に反射される。ダイクロイックミラー35に入射した上記蛍光以外の波長を有する光は、反射されることなくダイクロイックミラー35を透過する。
ダイクロイックミラー35により反射された蛍光は、撮像用レンズ系41により撮像素子43の受光面に結像される。撮像素子43は、結像された蛍光像に基づいて撮像信号を蛍光信号処理部57に出力する。
一方、ダイクロイックミラー35は、モータ制御部39により回転制御されている。具体的には、モータ制御部39は、駆動モータ37の回転を制御することにより、ダイクロイックミラー35の位相を制御している。体腔3の内壁全面から発生する蛍光は、ダイクロイックミラー35が挿入部5の中心軸線回りに回転制御されることにより、撮像素子43に入射される。
同時に、モータ制御部39は、ダイクロイックミラー35の回転位相に係る信号を蛍光信号処理部57に出力している。
図7は、図1の蛍光信号処理部における処理方法を説明するフローチャートである。
蛍光信号処理部57は、距離測定部53から入力された距離信号と、撮像素子43から入力された撮像信号と、モータ制御部39から入力された回転位相に係る信号とに基づいて、画像信号を算出する。
蛍光信号処理部57は、まず、補正信号算出部53から入力された距離信号に基づいて、補正信号を生成する(ステップS5)。例えば、距離信号に正の符号情報が含まれていた場合には、蛍光信号処理部57は、距離信号に含まれる差分の絶対値に基づいて、画像信号に含まれる蛍光強度の増幅の程度を制御する補正信号を算出する。一方、距離信号に負の符号情報が含まれていた場合には、蛍光信号処理部57は、距離信号に含まれる差分の絶対値に基づいて、画像信号に含まれる蛍光強度の減少の程度を制御する補正信号を算出する。
その後、蛍光信号処理部57は、算出した補正信号に基づいて、撮像信号に補正処理を施して画像信号を生成する(ステップS6)。蛍光信号処理部57は、撮像信号に含まれる全ての蛍光強度に係る信号について、補正信号に基づいて補正処理を施して画像信号を生成する。つまり、蛍光信号処理部57は、実際の体腔3の内壁から撮像素子43までの距離に係わらず、上記所定の一定距離において撮像したら得られる蛍光強度に係る画像信号を生成する。
一方、撮像素子43から入力される撮像信号は、ダイクロイックミラー35の回転に伴い回転する像に係る信号である。蛍光信号処理部57は、上記回転位相に係る信号に基づいて、回転する像に係る信号である撮像信号を、静止した像に係る画像信号に変換処理する。
蛍光信号処理部57において、補正処理および変換処理された画像信号は、蛍光信号処理部57からモニタ59に出力され、モニタ59において表示される。
上記の構成によれば、バルーン15は、挿入部5の半径方向に位置する体腔3の内壁と接触することにより、挿入部5を体腔3の略中心に位置させることができる。つまり、バルーン15は、挿入部5の半径方向における体腔3の内壁の全ての部分領域と挿入部5との間の距離を等しくすることができる。光出射部17は、励起光を挿入部5の半径方向外方に出射して、バルーン15により挿入部5からの距離を等しくされた体腔3の内壁に対して照射することができる。これにより、励起光が照射された内壁から蛍光が発生される。体腔3の内壁から発生した蛍光は、バルーン15を透過して挿入部5の半径方向内方に向かい、光導入部19により挿入部5の内部に導入される。ここで、体腔3の内壁の複数箇所から蛍光が発生した場合は、それぞれの蛍光が、挿入部5の複数の異なる半径方向から挿入部の内部に導入される。そして、撮像部21の撮像素子43は、光導入部19から挿入部5内に導入された蛍光を撮像することができる。
蛍光信号処理部57は、バルーン15における内壁との接触面と、挿入部5との間の距離に基づいて、撮像部21から出力された撮像信号を補正する補正信号を算出することができる。すなわち、バルーン15における内壁との接触面と、挿入部5との間の距離の変化に応じて、蛍光信号処理部57において異なる補正信号が算出される。そして、蛍光信号処理部57において算出された補正信号に基づいて撮像部21の撮像素子43から出力された撮像信号の強度を補正し、補正された撮像信号から画像信号を生成することができる。
これにより、接触面と挿入部5との間が所定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。この画像信号を用いることにより、接触面と挿入部5との間の距離が変化しても、体腔3の内壁を常に所定距離で観察した場合と同様の蛍光画像が得られるので、体腔組織が良性組織化悪性組織化を判別しやすくできる。
励起光は光出射部17に設けられた照射用ミラー33により挿入部5の半径方向外方に出射され、バルーン15と接触している体腔3の内壁に照射される。励起光が照射された体腔3の内壁から蛍光が発生し、蛍光は挿入部5の内部に導入される。挿入部5の内部に導入された蛍光は、光導入部19に設けられたダイクロイックミラー35により挿入部5の中心軸線方向に向けて反射される。ダイクロイックミラー35は中心軸線回りに回転可能に配置されているため、挿入部5の複数の異なる半径方向に位置する体腔3の内壁から発生した蛍光は挿入部5の中心軸線方向に向けて反射される。ダイクロイックミラー35から反射した蛍光は撮像部21の撮像素子43により撮像され、撮像素子43は挿入部5の半径方向に位置する内壁の部分領域の像を取得することができる。
ダイクロイックミラー35を回転させることにより、挿入部5の複数の異なる半径方向に位置する体腔3の内壁の部分領域から発生した蛍光を撮像素子43に向けて反射させて、撮像素子43に蛍光を撮像させることができる。
〔第1の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図8から図11を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、反射部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図8から図11を用いて反射部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡101は、図8に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部105と、励起光を出射する光源7と、挿入部5と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部9と、撮像された蛍光像を表示する表示部111と、を備えている。
挿入部105には、図8に示すように、外皮チューブ13と、バルーン15と、光出射部(光出射導入部)17と、光導入部(光出射導入部)119と、撮像部21と、とが設けられている。
光導入部119は、体腔3から発生した蛍光を撮像部21にむけて反射するものである。光導入部119は、円錐ミラー(反射部)135を備えている。
図9は、図8の円錐ミラーの構成を説明する模式図である。
円錐ミラー135は、蛍光用窓27を透過した蛍光を挿入部5の中心軸線に沿う方向へ反射させるものである。円錐ミラー135は、外皮チューブ13の内部であって蛍光用窓27と対向する位置に配置されている。図9に示すように、円錐ミラー135は円錐状に形成されるとともに、円錐面が反射面とされたミラーである。そのため、円錐ミラー135は、体腔3の内壁全面から発生した蛍光を撮像部21に向けて反射するものである。円錐ミラー135は、挿入部105の先端部に配置されている。
円錐ミラー135は、所定の反射面の表面積を有していれば、円錐台の形状であってもよい。
表示部111は、図8に示すように、撮像部21により撮像された蛍光像を表示するものである。表示部111は、図8に示すように、蛍光信号処理部(補正信号算出部、信号処理部、画像処理部)157と、モニタ59と、画像センサ(挿入長計測部)161と、を備えている。
蛍光信号処理部157は、撮像素子43から出力された撮像信号をモニタ59に表示する画像信号に変換処理するものである。蛍光信号処理部157には、撮像素子43から出力された撮像信号と、距離測定部53から出力された距離信号と、が入力されている。蛍光信号処理部157からモニタ59には、画像信号が出力されている。
画像センサ161は、体腔3に対する挿入部5の挿入長さを測定するものである。画像センサ161は、挿入部5に設けられた目盛りの画像を撮像することにより、挿入部5の挿入長さを測定するものである。挿入長さに係る信号は、画像センサ161から蛍光信号処理部157へ出力されている。なお、画像センサ161としては公知のセンサ等を用いることができ、挿入長さの算出方法としても公知の方法を用いることができ、特に限定するものではない。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡101による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
なお、バルーン15による挿入部5の固定方法は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
光源7から出射された励起光を体腔3に照射するまでの作用についても、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
体腔3から発生した蛍光は、バルーン15および蛍光用窓27を透過して外皮チューブ13内に入射する。入射した蛍光は円錐ミラー135により、挿入部105の中心軸線方向に反射される。つまり、蛍光用窓27と対向する領域である体腔3の全内周面から発生した蛍光が円錐ミラー135に入射し、撮像素子43方向に反射される。
円錐ミラー135に反射された蛍光は、撮像用レンズ系41により撮像素子43に受光面に結像される。撮像素子43は、結像された蛍光像に基づいて撮像信号を蛍光信号処理部157に出力する。
図10は、図8の撮像素子に撮像された蛍光像を示す図である。図11は、図8の蛍光信号処理部により変換処理された後の画像を示す図である。
蛍光信号処理部157は、撮像素子43から入力された撮像信号と、画像センサ161から入力された挿入長さに係る信号に基づいて、画像信号を生成する。ここで、撮像素子43から入力された撮像信号に係る画像は、図10に示すように、円錐ミラー135の円周面に映った体腔3の内壁の像である。蛍光信号処理部157は、挿入長さに係る信号に基づいて、上記撮像信号に対して展開処理や伸張処理などの処理を行い、図11に示すような、体腔3を展開した画像に係る画像信号を生成する。生成された画像信号は、図8に示すように、モニタ59に出力され、モニタ59において表示される。
上記の構成によれば、励起光は照射用ミラー33から挿入部105の半径方向外方に出射され、バルーン15と接触している体腔3の内壁に照射される。励起光が照射された体腔3の内壁から蛍光が発生し、蛍光は挿入部105の内部に導入される。光導入部119の内部に導入された蛍光は、光導入部119に設けられた円錐ミラー135により挿入部105の中心軸線方向に向けて反射される。円錐ミラー135から反射した蛍光は撮像部21の撮像素子43により撮像され、撮像素子43は挿入部105の半径方向に位置する内壁の部分領域の像を取得することができる。
〔第1の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図12および図13を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、挿入部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図12および図13を用いて挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図12は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡201は、図12に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部205と、励起光を出射する光源7と、挿入部205と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部9と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図13は、図12の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部205には、図12に示すように、外側挿入部(挿入部)213Aと、内側挿入部(光出射導入部、回転部)213Bと、が設けられている。
外側挿入部213Aは挿入部205の外周面を構成するチューブである。外側挿入部213Aにおける挿入側端部(図13の左側端部)の外周面にはバルーン15が配置されている。少なくとも、外側挿入部213Aのバルーン15が配置されている領域であって、後述する励起光用窓225および蛍光用窓227と対向する領域は、励起光用窓225を透過する励起光および蛍光用窓227を透過する蛍光を透過する材料から形成されていることが望ましい。外側挿入部213Aは、曲がらない、いわゆる硬性内視鏡の挿入部として形成されることとしてもよい。このようにすることで、内部に挿入された内側挿入部213Bを外側挿入部213Aに対して回転容易にできる。
内側挿入部213Bは外側挿入部213Aの内部に挿入されるものである。内側挿入部213Bには、励起光用窓225と、蛍光用窓227と、光出射部(光出射導入部)217と、光導入部(光出射導入部)219と、撮像部21とが設けられている。
励起光用窓225は、励起光が内側挿入部213Bの内側から外側に向かって出射する窓である。励起光用窓225は、内側挿入部213Bの先端側端部の近傍に形成されており、内側挿入部213Bにおける円周方向の長さが円周の1/4程度になるように形成されている。
蛍光用窓227は、蛍光が内側挿入部213Bの外側から内側に向かって入射する窓である。蛍光用窓227は、内側挿入部213Bの先端側端部の近傍に形成されており、内側挿入部213Bにおける円周方向の長さが円周の1/4程度になるように形成されている。蛍光用窓227は、励起光用窓225よりも内側挿入部213Bの先端側に形成されている。
なお、励起光用窓225および蛍光用窓227における円周方向の長さは、上述のように円周の1/4程度であってもよいし、それ以上であっても以下あってもよく、特に限定するものではない。
光出射部217は、光源7から出射された励起光を体腔3の内壁に向けて出射させるものである。光出射部217は、図13に示すように、ライトガイド229と、照射用レンズ231と、照射用ミラー(照射部)233とを備えている。
ライトガイド229は、光源7から出射された励起光を内側挿入部213Bの挿入側端部に配置された照射用レンズ231まで導くものである。ライトガイド229は、励起光を導くファイバの束から構成されたものである。
照射用レンズ231は、励起光を体腔3の観察領域全体に照射させるレンズである。照射用レンズ231は、内側挿入部213Bの挿入側端部であって、ライトガイド229と照射用ミラー233との間に配置されている。照射用レンズ231は、ライトガイド229と対向する面が凹状に形成されたレンズである。
照射用ミラー233は、照射用レンズ231から挿入部5の中心軸線方向に出射された励起光を、内側挿入部213Bの半径方向外側に反射するミラーである。照射用ミラー233は、内側挿入部213Bの内部であって、励起光用窓225と対向する位置に配置されている。照射用ミラー233は、内側挿入部213Bの中心軸線を含む面により切断した断面が三角形状になるとともに、上記断面形状を、上記中心軸線を回転軸として回転させた立体形状からなるミラーである。照射用ミラー233は、ミラー保持部234により保持されている。
光導入部219は、体腔3から発生した蛍光を撮像部21に向けて反射するものである。光導入部219は、図13に示すように、ダイクロイックミラー(反射部)35を備えている。ダイクロイックミラー35は、内側挿入部213Bの先端部に直接固定されている。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡201による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
まず、蛍光内視鏡201の外側挿入部213Aが、体腔3の内部に挿入される。外側挿入部213Aの内部に図示しない直視型内視鏡を入れた状態で、体腔への挿入を行ってもよい。挿入の際、前方を見ることができるので挿入が楽に行える。観察位置に到達したら直視型内視鏡を抜いて内側挿入部213Bを挿入する。このとき、バルーン15は、挿入の邪魔にならないように縮められ、外側挿入部213Aの外周面に密着した状態とされている。外側挿入部213Aの挿入側端部が体腔3の検査領域に到達すると、送気ポンプ49から空気がバルーン15に送気され、バルーン15は膨張して体腔3の内壁に押し付けられる。外側挿入部213Aは、バルーン15により体腔3に対して固定されるとともに、外側挿入部213Aの挿入側端部は体腔3における管路の略中央に配置される。
その後、内側挿入部213Bが外側挿入部213Aの内部に挿入される。
なお、バルーン15における作用については、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
その後、光源7から励起光が出射され、励起光はライトガイド229により内側挿入部213B内を通って、内側挿入部213Bの先端側端部に導かれる。励起光はライトガイド229から内側挿入部213Bの中心軸線に沿う方向に出射され、照射用レンズ231を透過して照射用ミラー233に入射する。照射用ミラー233に入射した励起光は、内側挿入部213Bの半径方向外側に向かって反射され、励起光用窓225、外側挿入部213Aおよびバルーン15を透過して体腔3に入射する。励起光は、照射用レンズ231を透過することにより、体腔3における観察領域全面を照明することができる。
励起光が入射した体腔3からは蛍光が発生する。特に、病変部Tから発生する蛍光の光量は、正常な体腔3から発生する蛍光の光量より大きくなる。蛍光はバルーン15、外側挿入部213Aおよび蛍光用窓227を透過して内側挿入部213B内に入射する。入射した蛍光の内、ダイクロイックミラー35に入射した蛍光は、内側挿入部213Bの中心軸線方向に反射される。ダイクロイックミラー35に入射した上記蛍光以外の波長を有する光は、反射されることなくダイクロイックミラー35を透過する。
ダイクロイックミラー35により反射された蛍光は、撮像用レンズ系41により撮像素子43に受光面に結像される。撮像素子43は、結像された蛍光像に基づいて撮像信号を蛍光信号処理部57に出力する。
蛍光信号処理部57は、撮像素子43から入力された撮像信号に基づいて、画像信号を生成する。画像信号は、蛍光信号処理部57からモニタ59に出力され、モニタ59において表示される。
一方、内側挿入部213Bは、外側挿入部213Aに対して、中心軸線回りに回転可能に配置されているため、内側挿入部213Bを回転させることにより、体腔3の所定の内壁から発生した蛍光を観察することができる。
上記の構成によれば、励起光は内側挿入部213Bに設けられた照射用ミラー233から挿入部205の半径方向外方に出射され、バルーン15と接触している体腔の内壁に照射される。励起光が照射された体腔の内壁から蛍光が発生し、蛍光は挿入部205を透過して内側挿入部213Bの内部に導入される。内側挿入部213Bの内部に導入された蛍光は、内側挿入部213Bに設けられたダイクロイックミラー35により挿入部205の中心軸線方向に向けて反射される。ダイクロイックミラー35から反射した蛍光は撮像部21の撮像素子43により撮像され、撮像素子43は挿入部205の半径方向に位置する内壁の部分領域の像を取得することができる。
ここで、内側挿入部213Bは、挿入部205の内部に、挿入部205の中心軸線回りに回転可能に配置されているため、蛍光を挿入部205の複数の異なる半径方向から挿入部205の内部に導入することが可能である。よって、撮像素子43は、挿入部205の複数の異なる半径方向に位置する体腔の内壁から発生した蛍光を撮像できる。
〔第1の実施形態の第3変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第3変形例について図14および図15を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第1の実施形態の第2変形例と同様であるが、第1の実施形態とは、回転挿入部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図14および図15を用いて回転挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図14は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態の第2変形例と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡901は、図14に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部905と、励起光を出射する光源7と、挿入部905と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部9と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図15は、図14の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部905は、図15に示すように、外側挿入部213Aと、回転挿入部(光出射導入部,回転部)913Bと、を備えている。
回転挿入部913Bは外側挿入部213Aにおける先端部分の内部に、挿入部905の中心軸回りに回転可能に配置されるものである。回転挿入部913Bには、励起光用窓225と、蛍光用窓227と、光出射部217と、光導入部219と、撮像部21とが設けられている。さらに、回転挿入部913Bには、光ロータリジョイント915と、信号ロータリジョイント917と、挿入部駆動モータ919とが設けられている。
光ロータリジョイント915は、外側挿入部213Aから外側挿入部213A内で回転する回転挿入部913Bへ、励起光を導くジョイントである。光ロータリジョイント915は、挿入部905の中心軸線上に配置されているとともに、外側挿入部213A内のライトガイド229と、回転挿入部913Bのライトガイド229とを繋ぐように配置されている。光ロータリジョイント915には、対向配置されたレンズ916A,916Bが備えられ、レンズ916Aは外側挿入部213Aに配置され、レンズ916Bは回転挿入部913Bに配置されている。そのため、外側挿入部213A内のライトガイド229から出射した励起光は、レンズ916Aおよびレンズ916Bを透過して回転挿入部913Bのライトガイド229に入射する。
なお、本実施形態においては、光ロータリジョイント915として公知の光ロータリジョイントを用いることができ、本実施形態で例示した態様の光ロータリジョイントに限定するものではない。
信号ロータリジョイント917は、外側挿入部213Aと、外側挿入部213A内で回転する回転挿入部913Bとの間を電気的に接続するジョイントである。信号ロータリジョイント917には、撮像素子43から出力された撮像信号を蛍光信号処理部57に導く撮像用集電環921および撮像用ブラシ923が備えられている。
撮像用集電環921は、回転挿入部913Bに設けられた円環または円筒状の部材であって、両集電環921は、中心軸線が回転挿入部913Bの中心軸線と一致するように配置されている。撮像用集電環921は撮像素子43に電気的に接続されている。
撮像用ブラシ923は、外側挿入部213Aに設けられたブラシである。撮像用ブラシ923は、撮像用集電環921の円周面または円筒面に摺動可能に配置されているとともに、蛍光信号処理部57と電気的に接続されている。
なお、本実施形態においては、信号ロータリジョイント917として公知のスリップリング等の集電装置を用いることができ、本実施形態で例示した態様の信号ロータリジョイントに限定するものではない。
挿入部駆動モータ919は、外側挿入部213A内に配置され、外側挿入部213A内で回転挿入部913Bを回転するものである。挿入部駆動モータ919はギヤ(図示せず)などを介して回転挿入部913Bを回転駆動するように配置されているとともに、モータ制御部39と接続されている。
なお、挿入部駆動モータ919としては、公知のモータを用いることができ、特に限定するものではない。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡901による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
なお、バルーン15による挿入部905の固定、および、体腔3の内壁から撮像素子43までの距離の制御方法は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
ここで、本変形例の特徴部である光ロータリジョイント915の作用について説明する。
光源7から出射された励起光は、ライトガイド229により外側挿入部213A内を通って、光ロータリジョイント915に導かれる。励起光は、外側挿入部213Aのライトガイド229からレンズ916Aに向けて出射される。レンズ916Aに入射した励起光は平行光となりレンズ916Bに入射する。
レンズ916A,916Bの光軸は回転挿入部913Bの中心軸線と一致しているため、挿入部駆動モータ919により回転挿入部913Bが回転駆動されていても、レンズ916Aから出射した励起光は全て回転挿入部913Bとともに回転するレンズ916Bに入射する。
レンズ916Bに入射した励起光は、回転挿入部913Bのライトガイド229に集光する。集光された励起光は、照射用レンズ231を通って出射される。以後、励起光が体腔3を照明する作用は、第2変形例と同様であるのでその説明を省略する。
次に、本変形例の別の特徴部である信号ロータリジョイント917の作用について説明する。なお、体腔3から発生した蛍光が撮像素子43に結像するまでの作用は、第2変形例と同様であるので、その説明を省略する。
結像された蛍光像に基づいて、撮像素子43は撮像信号を信号ロータリジョイント917に出力する。撮像素子43からの撮像信号は、信号ロータリジョイント917の撮像用集電環921から撮像用ブラシ923を通って、蛍光信号処理部57に入力される。
撮像用集電環921の中心軸線は、回転挿入部913Bの中心軸線と一致しているため、挿入部駆動モータ919により回転挿入部913Bが回転駆動されていても、撮像用集電環921と撮像用ブラシ923は離れることなく摺動接触し続けることができる。そのため、撮像用集電環921と撮像用ブラシ923は電気的接続し続けることができる。
上記の構成によれば、励起光は回転挿入部913Bに設けられた光出射部217から挿入部905の半径方向外方に出射され、バルーン15と接触している体腔3の内壁に照射される。励起光が照射された体腔3の内壁から蛍光が発生し、蛍光は外側挿入部213Aを透過して回転挿入部913Bの内部に導入される。回転挿入部913Bの内部に導入された蛍光は、回転挿入部913Bに設けられた撮像素子43により撮像される。
ここで、回転挿入部913Bは、外側挿入部213Aの内部に、挿入部905の中心軸線回りに回転可能に配置されているため、蛍光を挿入部905の複数の異なる半径方から回転挿入部913Bの内部に導入することが可能である。
〔第1の実施形態の第4変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第4変形例について図16から図18を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第1の実施形態の第2変形例と同様であるが、第1の実施形態とは、内側挿入部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図16から図18を用いて内側挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図16は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態の第2変形例と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡301は、図16に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部305と、励起光を出射する光源7と、挿入部305と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部9と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図17は、図16の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部305には、図17に示すように、外側挿入部213Aと、内側挿入部(光出射導入部、回転部)313Bと、を備えている。
図18は、図17の挿入部の構成を説明する正面視図である。
内側挿入部313Bは外側挿入部213Aの内部に挿入されるものである。内側挿入部313Bには、励起光用窓225と、蛍光用窓227と、光出射部(光出射導入部)217と、光導入部(光出射導入部)219と、撮像部21と、鉗子孔325と、が設けられている。
鉗子孔325は、内側挿入部313Bに設けられた、直視スコープ327や鉗子などが挿通される貫通孔である。鉗子孔325は、内側挿入部313Bの外周面の近傍に(図18参照。)、中心軸線に沿って形成された貫通孔である。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡301による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
なお、バルーン15による外側挿入部213Aの固定、および、内側挿入部313Bによる体腔3の蛍光撮像の方法は、第1の実施形態の第2変形例と同様であるので、その説明を省略する。
つぎに、内側挿入部313Bの鉗子孔325の使用方法について説明する。
例えば、鉗子孔325には直視スコープ327が挿通され、内側挿入部313Bの先端側端部から、直視スコープ327の先端が突出させる。このように直視スコープ327を用いることにより、挿入部305の中心軸線方向の画像を取得することができる。
あるいは、鉗子孔325に種々の鉗子を挿通させることにより、体腔3への医療処置を施すことができる。
〔第1の実施形態の第5変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第5変形例について図19および図20を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、挿入部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図19および図20を用いて挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図19は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡401は、図19に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部405と、電力を供給する電源407と、挿入部405と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部9と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図20は、図19の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部405には、図20に示すように、外側挿入部413Aと、内側挿入部(光出射導入部、回転部)413Bと、が設けられている。
外側挿入部413Aは挿入部405の外周面を構成するチューブである。外側挿入部413Aにおける挿入側端部(図20の左側端部)の外周面にはバルーン15が配置されている。少なくとも、外側挿入部413Aのバルーン15が配置されている領域であって、後述する窓部425と対向する領域は、窓部425を透過する励起光および蛍光を透過する材料から形成されていることとしてもよい。外側挿入部413Aは、曲がらない、いわゆる硬性内視鏡の挿入部として形成されることが望ましい。このようにすることで、内部に挿入された内側挿入部413Bを外側挿入部413Aに対して回転容易にできる。
内側挿入部413Bは外側挿入部413Aの内部に挿入されるものである。内側挿入部413Bには、図20に示すように、外皮チューブ413と、光出射部(光出射導入部)417と、撮像部421と、励起光および蛍光が透過する窓部425とが設けられている。
外皮チューブ413は、内側挿入部413Bの外周面を構成するチューブである。外皮チューブ413における挿入側端部(図20の左側端部)には、励起光および蛍光が透過する窓部425が設けられ、窓部425の外周面にはバルーン15が配置されている。外皮チューブ413の内部には、光出射部417や撮像部421や保持部445が配置されている。窓部425は、光源7から出射された励起光および体腔3から発生した蛍光を透過する材料から形成されたものである。
光出射部417は、励起光を体腔3の内壁に向けて出射させるものである。光出射部417は、図20に示すように、LED(Light Emitting Diode)(照射部)429を備えている。
LED429は、電源407から電力が供給されることにより、励起光を出射するものである。LED429は、挿入部405の半径方向外側であって、窓部425側に励起光を出射するように配置されている。LED429と電源407とは、電力配線430により接続されている。なお、光出射部417としては、上述のようにLED429を用いてもよいし、その他の励起光を出射する素子を用いてもよく、特に限定するものではない。
撮像部421は、体腔3から発生した蛍光の像を撮像するものである。撮像部421は、図20に示すように、撮像用レンズ系441と、撮像素子443とを備えている。
撮像用レンズ系441は、窓部425を透過した蛍光の像を撮像素子443の受光面に結像させるものである。撮像用レンズ系441は、窓部425と撮像素子443との間に配置されている。撮像用レンズ系441の光軸は、内側挿入部413Bの半径方向に平行となるように配置されている。
撮像素子443は、体腔3から発生した蛍光の像を撮像するものである。撮像素子443は、窓部425から入射した蛍光を撮像できるように配置されている。言い換えると、撮像素子443は、内側挿入部413Bの半径方向外側から入射した蛍光を撮像できるように配置されている。撮像素子443は、表示部11の蛍光信号処理部57と信号配線444により接続されている。
保持部445は、LED429と撮像素子443とを保持するものである。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡401による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
まず、蛍光内視鏡401の外側挿入部413Aが、体腔3の内部に挿入される。外側挿入部413Aの内部に図示しない直視型内視鏡を入れた状態で体腔への挿入を行ってもよい。挿入の際、前方を見ることができるので挿入が楽に行える。観察位置に到達したら、直視型内視鏡を抜いて内側挿入部413Bを挿入する。このとき、バルーン15は、挿入の邪魔にならないように縮められ、外側挿入部413Aの外周面に密着した状態とされている。外側挿入部413Aの挿入側端部が体腔3の検査領域に到達すると、送気ポンプ49から空気がバルーン15に送気され、バルーン15は膨張して体腔3の内壁に押し付けられる。外側挿入部413Aは、バルーン15により体腔3に対して固定されるとともに、外側挿入部413Aの挿入側端部は体腔3における管路の略中央に配置される。
その後、内側挿入部413Bが外側挿入部413Aの内部に挿入される。
なお、バルーン15による外側挿入部413Aの固定、および、体腔3の内壁から撮像素子443までの距離の測定方法は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
その後、電源407からLED429に電力が供給され、LED429から励起光が出射される。励起光は内側挿入部413Bの半径方向外側に向けて出射され、窓部425およびバルーン15を透過して体腔3に入射する。
励起光が入射した体腔3からは蛍光が発生する。蛍光はバルーン15および窓部425を透過して内側挿入部413B内に入射する。入射した蛍光は、撮像用レンズ系441により撮像素子443に受光面に結像される。撮像素子443は、結像された蛍光像に基づいて撮像信号を蛍光信号処理部57に出力する。
蛍光信号処理部57以後の信号処理は第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
上記の構成によれば、内側挿入部413Bに設けられたLED429は、励起光を挿入部405の半径方向外方に出射することができる。これにより、バルーン15と接触している体腔3の内壁に励起光が照射されて、励起光が照射された体腔3の内壁から蛍光が発生される。発生した蛍光は、挿入部405を透過して内側挿入部413Bの内部に導入される。内側挿入部413Bに設けられた撮像素子443は、内側挿入部413Bに導入された蛍光を撮像することができる。
ここで、内側挿入部413Bは、挿入部405の内部に配置されているとともに、中心軸線回りに回転可能とされているため、蛍光を挿入部405の複数の異なる半径方向から挿入部405の内部に導入することが可能である。よって、撮像部421の撮像素子443は、挿入部405の複数の異なる半径方向に位置する体腔3の内壁から発生した蛍光を撮像できる。
〔第1の実施形態の第6変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第6変形例について図21を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、挿入部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図21を用いて挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図21は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡501は、図21に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部505と、励起光を出射する光源7と、挿入部505と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部9と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
挿入部505は、被検体の体腔3内に挿入されるとともに、体腔3の内壁から発生する蛍光を観察するものである。挿入部505は、図21に示すように、外皮チューブ513と、バルーン15と、光出射部(光出射導入部)517と、光導入部(光出射導入部)19と、撮像部521とを備えている。
外皮チューブ513は、挿入部505の外周面を構成するチューブである。外皮チューブ513における挿入側端部(図21の左側端部)には、励起光および蛍光が透過する窓部525が設けられ、窓部525の外周面にはバルーン15が配置されている。外皮チューブ513の内部には、光出射部517や撮像部521や保持部545が配置されている。窓部525は、円筒状に形成されているとともに、光源7から出射された励起光および体腔3から発生した蛍光を透過する材料から形成されているものである。
光出射部517は、光源7(図1参照。)から出射された励起光を体腔3の内壁に向けて出射させるものである。光出射部517は、図21に示すように、ライトガイド29と、照射用レンズ531と、照射用ミラー(照射部)533とを備えている。
照射用レンズ531は、励起光を体腔3の観察領域全体に照射させるレンズである。照射用レンズ531は、挿入部505の挿入側端部であって、ライトガイド29と照射用ミラー533との間に配置されている。照射用レンズ531は、円環状に形成されたレンズであって、照射用ミラー533と対向する面が凸状に形成されたレンズである。
照射用ミラー533は、照射用レンズ531から挿入部505の中心軸線方向に出射された励起光を、挿入部505の半径方向外側に反射するミラーである。照射用ミラー533は、挿入部505の内部であって、窓部525と対向する位置に配置されている。照射用ミラー533は、略円錐状に形成されるとともに円錐面が反射面とされたミラーであって、中心軸線に沿って貫通孔が形成されたミラーである。円錐面は、図に示すように外側へ凸なる曲面に形成されている。挿入部505の中心軸線を含む面により切断した断面が三角形状になるとともに、上記断面形状を、上記中心軸線を回転軸として回転させた立体形状からなるミラーである。照射用ミラー533は、挿入部505の先端部534により保持されている。
撮像部521は、体腔3から発生した蛍光の像を撮像するものである。撮像部521は、図21に示すように、撮像用レンズ系541と、撮像素子43とを備えている。
撮像用レンズ系541は、ダイクロイックミラー35に反射された蛍光の像を撮像素子43の受光面に結像させるものである。撮像用レンズ系541は、ダイクロイックミラー35と撮像素子43との間に配置されている。
保持部545は、照射用レンズ531と撮像用レンズ系541と撮像素子43とを保持するものである。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡501による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
なお、バルーン15による挿入部505の固定方法は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
光源7から励起光が出射され、励起光はライトガイド29により挿入部505内を通って、挿入部5の先端側端部に導かれる。励起光はライトガイド29から挿入部5の中心軸線に沿う方向に出射され、照射用レンズ531を透過して照射用ミラー33に入射する。励起光は、照射用レンズ531から平行光として出射される。照射用ミラー533に入射した励起光は、挿入部505の半径方向外側に向かって反射され、励起光用窓25およびバルーン15を透過して体腔3に入射する。なお、励起光は、照射用ミラー533の反射面は凸状の曲面であるため、体腔3における観察領域全面を照明することができる。
以後の作用効果は、第1の実施形態と同様であるため、その説明を省略する。
上記の構成によれば、第1の実施形態と比較して、撮像素子43に蛍光を結像させる撮像用レンズ系541のレンズ径を大きくすることができ、撮像素子43に結像させる蛍光の蛍光量を大きくすることができる。つまり、第1の実施形態と比較して、より明るい蛍光画像を撮像することができる。
図22は、図1から図21の蛍光内視鏡の別の構成を説明する模式図である。図23は、図1から図21の蛍光内視鏡のさらに別の構成を説明する模式図である。図24は、図1から図21の蛍光内視鏡のさらに別の構成を説明する模式図である。
なお、上述の第1の実施形態およびその各変形例において説明したように、バルーン15越しに励起光を観察領域に照射するとともに、観察領域から発生した蛍光をバルーン15越しに観察してもよいし、図22から図24に示すように、バルーン15を回避して励起光を観察領域に照射し、バルーン15を回避して観察領域から発生した蛍光を観察してもよく、特に限定するものではない。
このようにすることで、バルーン15越しに蛍光を観察する方法と比較して、バルーン15における蛍光のロスが回避されるため、検出される蛍光強度を高めることができる。
さらに、例えば、内壁に襞が存在しない管腔臓器の内壁を観察する場合には、バルーン15の位置と、観察領域とが異なっていても、測定距離と観察距離との間に大きな違いが生じず、観察に支障が生じない。
具体的には、図22に示す蛍光内視鏡では、観察窓25より手元側にバルーン15を配置することにより、バルーン15を回避して励起光を観察領域に照射するとともに、バルーン15を回避して観察領域から発生した蛍光を観察している。図23に示す蛍光内視鏡では、観察窓25より先端側にバルーン15を配置することにより、バルーン15を回避して励起光を観察領域に照射するとともに、バルーン15を回避して観察領域から発生した蛍光を観察している。図25に示す蛍光内視鏡では、観察窓25より手元側および先端側にバルーン15が配置することにより、バルーン15を回避して励起光を観察領域に照射するとともに、バルーン15を回避して観察領域から発生した蛍光を観察している。
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図25および図26を参照して説明する。
本実施形態の蛍光内視鏡の基本構成は、第1の実施形態の第2変形例と同様であるが、第1の実施形態の第2変形例とは、挿入部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図25および図26を用いて挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図25は、本実施形態における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第1の実施形態の第2変形例と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡601は、図25に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部605と、励起光を出射する光源7と、挿入部605と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部609と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図26は、図25の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部605には、図25に示すように、外側挿入部(挿入部)613Aと、内側挿入部(光出射導入部、回転部)613Bと、が設けられている。
外側挿入部613Aは挿入部605の外周面を構成するチューブである。外側挿入部613Aにおける挿入側端部(図26の左側端部)の外周面にはバルーン615が配置されている。少なくとも、外側挿入部613Aのバルーン615が配置されている領域であって、後述する励起光用窓225および蛍光用窓227と対向する領域は、励起光用窓225を透過する励起光および蛍光用窓227を透過する蛍光を透過する材料から形成されていることが望ましい。
バルーン615における体腔3と接触する外周面には、蛍光を発生する蛍光剤が配置されている。上記蛍光剤は、光源7から出射される励起光が照射されると、蛍光を発生させるものである。上記蛍光剤から発生される蛍光は、体腔3から発生される蛍光とは異なる波長の蛍光であって、ダイクロイックミラー35において反射されない波長の蛍光である。蛍光剤は、バルーン615に塗布されていてもよいし、バルーン615を構成する膜の成分の一部として含まれていてもよく、特に限定するものではない。
内側挿入部613Bは外側挿入部613Aの内部に挿入されるものである。内側挿入部613Bには、図26に示すように、励起光用窓225と、蛍光用窓227と、光出射部(光出射導入部)217と、光導入部(光出射導入部)219と、撮像部21と、蛍光検出部624と、が設けられている。
蛍光検出部624は、バルーン615に配置された蛍光剤から発生した蛍光の蛍光強度を検出するものである。蛍光検出部624は、蛍光用窓227と対向する位置であって、蛍光検出部624と蛍光用窓227との間にダイクロイックミラー35が挟まれるように配置されている。蛍光検出部624が検出した蛍光強度に係る信号は、図25に示すように、距離測定部653に出力されている。
測定制御部609は、挿入部605と体腔3の内壁との距離を測定するものである。測定制御部609は、図25に示すように、送気ポンプ49と、距離測定部(演算部)653と、を備えている。
距離測定部653は、挿入部605と体腔3の内壁との距離を測定するとともに、撮像素子43と体腔3の内壁との距離を所定の一定距離に制御するものである。距離測定部653には、蛍光検出部624から蛍光強度に係る信号が入力され、当該信号に基づいて距離測定部653は、挿入部605と体腔3の内壁との距離を求め、当該距離に係る距離信号を蛍光信号処理部57に出力することができる。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡601による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
なお、バルーン615により外側挿入部613Aを体腔3に固定する方法、および、光源7から励起光が体腔3に照射されるまでの作用は、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
励起光が体腔3に照射されると、同時にバルーン615の蛍光剤にも励起光が照射される。そのため、体腔3および上記蛍光剤からそれぞれ蛍光が発生される。
上記蛍光剤から発生した蛍光は、外側挿入部613Aおよび蛍光用窓227を透過して内側挿入部613B内に入射する。入射した蛍光は、ダイクロイックミラー35を透過して蛍光検出部624に入射する。蛍光検出部624は、入射した蛍光の蛍光強度に基づいた、蛍光強度に係る信号を距離測定部653に出力する。
距離測定部653は、まず、入力された蛍光強度に係る信号に基づいて、バルーン615の外周面から蛍光検出部624までの距離を求める。そして、距離測定部653は、バルーン615の外周面から蛍光検出部624までの距離に基づいて、体腔3の内壁から撮像素子43までの距離を算出し、当該算出された距離に基づいて上記距離信号を算出する。
一方、体腔3から発生した蛍光の撮像方法は、第1の実施形態の第2変形例と同様であるので、その説明を省略する。
上記の構成によれば、挿入部605の半径方向外方に出射された励起光はバルーン615における内壁との接触面に配置された蛍光剤に照射される。励起光が照射された蛍光剤からは、蛍光が発生される。発生された蛍光は蛍光検出部624により蛍光強度が検出される。ここで、蛍光強度は蛍光剤からの距離の2乗に反比例するため、蛍光検出部624から出力される蛍光強度信号は蛍光剤と蛍光検出部624との間の距離に係る信号とみなすことができる。
したがって、蛍光強度信号に基づくことにより、蛍光信号処理部57は、上記内壁から撮像部21の撮像素子43までの距離が所定の一定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。
〔第2の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第2の実施形態の第1変形例について図27および図28を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、挿入部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図27および図28を用いて挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図27は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡701は、図27に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部705と、励起光を出射する光源7と、挿入部705と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部709と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図28は、図27の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部705には、図27に示すように、外側挿入部(挿入部)713Aと、内側挿入部(光出射導入部,回転部)713Bと、が設けられている。
外側挿入部713Aは挿入部705の外周面を構成するチューブである。外側挿入部713Aにおける挿入側端部(図28の左側端部)の外周面にはバルーン15が配置されている。少なくとも、外側挿入部713Aのバルーン15が配置されている領域であって、後述する励起光用窓225および蛍光用窓227と対向する領域は、励起光用窓225を透過する励起光および蛍光用窓227を透過する蛍光を透過する材料から形成されていることが望ましい。外側挿入部713Aは、硬質で超音波透過性のよい材料から形成されていることが望ましい。
内側挿入部713Bは外側挿入部713Aの内部に挿入されるものである。内側挿入部713Bには、図28に示すように、励起光用窓225と、蛍光用窓227と、光出射部(光出射導入部)217と、光導入部(光出射導入部)219と、撮像部21と、超音波発生測定部(超音波信号発生器、超音波信号検出器)724と、が設けられている。
超音波発生測定部724は、内側挿入部713Bからバルーン15の体腔3との接触面までの距離の測定に用いるものである。超音波発生測定部724は、超音波を内側挿入部713Bの外側に向けて発生するとともに、内側挿入部713Bの内部に伝播してきた超音波を測定するものである。超音波発生測定部724には、後述する制御部754から発生する超音波の位相等を制御する制御信号が入力されているとともに、超音波発生測定部724から制御部754に、測定された超音波の位相等に係る測定信号が出力されている。超音波発生測定部724は、内側挿入部713Bにおける先端側端部の半径方向外側で配置されている。超音波発生測定部724に対して隣接する位置には、内側挿入部713Bの外周面の一部を構成するカバー725が配置されている。カバー725は、硬質で超音波透過性のよい材料から形成されていることが好ましい。
測定制御部709は、挿入部605と体腔3の内壁との距離を測定するものである。測定制御部709は、図28に示すように、ポンプ(流入部)749と、距離測定部(演算部)753と、制御部754と、を備えている。
ポンプ749は、液体(例えば水)を圧送することによりバルーン15を膨張させるものである。ポンプ749から圧送された液体は圧送チューブ755を通ってバルーン15に送られる。なお、ポンプ749としては、公知のポンプを用いることができ、特に限定するものではない。
距離測定部753は、体腔3の内壁から超音波発生測定部724までの距離を算出するものである。つまり、距離測定部753は、後述する位相差に係る信号に基づいて、体腔3の内壁から超音波発生測定部724までの距離に係る距離信号を生成するものである。距離測定部753には、制御部754から位相差に係る信号が入力されているとともに、距離測定部753から蛍光信号処理部57に距離信号が出力されている。なお、体腔3の内壁から超音波発生測定部724までの距離の算出方法は、公知の算出方法を用いることができ、特に限定するものではない。
制御部754は、超音波発生測定部724を制御するとともに、後述する位相差に係る信号を距離測定部753に出力するものである。制御部754は、超音波発生測定部724に対して超音波の発生や停止、および、発生する超音波の位相などを制御する制御信号を出力しているとともに、制御部754には、超音波発生測定部724から測定された超音波の位相などの測定信号が入力されている。制御部754は、入力された制御信号および測定信号に基づいて、超音波発生測定部724から発生された超音波と、超音波発生測定部724に測定された超音波との位相差を求め、位相差に係る信号を出力している。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡701による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
なお、バルーン15により外側挿入部713Aを体腔3に固定する方法、および、体腔3から発生した蛍光を撮像する方法などは、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施形態の特徴である、体腔3の内壁から超音波発生測定部724までの距離の測定方法について説明する。
バルーン15により外側挿入部713Aが体腔3に固定されている状態で、制御部754は、超音波発生測定部724に対して超音波を発生させる制御信号を出力する。制御信号が入力された超音波発生制御部754は、制御信号に基づいて超音波を発生する。超音波は、カバー725、外側挿入部713Aおよびバルーン15内の液体を伝播して、バルーン15と体腔3との接触面である外周面において反射される。反射された超音波は、バルーン15内の液体、外側挿入部713Aおよびカバー725を伝播して超音波発生測定部724に検出される。超音波発生測定部724は、反射した超音波の位相などの情報を含む測定信号を制御部754に出力する。
制御部754は、超音波発生測定部724から入力された測定信号と、超音波発生測定部724に出力した制御信号とに基づいて、超音波発生測定部724から発生された超音波と、超音波発生測定部724に測定された超音波との位相差を算出する。算出された位相差に係る信号は、制御部854から距離測定部753に出力される。距離測定部753は、入力された位相差に係る信号に基づいて、体腔3の内壁から超音波発生測定部724までの距離を算出する。算出された距離に係る距離信号は、蛍光信号処理部57に出力される。
上記の構成によれば、超音波は、超音波発生測定部724からバルーン15の上記接触面に向かって発生され、液体が満たされたバルーン15内を伝搬する。ここで、バルーン15内に液体が満たされているため、気体が満たされている場合と比較して、超音波の減衰率が低くなる。バルーン15内を伝搬した超音波は、上記接触面において反射し、超音波発生測定部724により検出される。上記接触面と挿入部705との距離は、超音波発生測定部724から発生される超音波の位相と、超音波発生測定部724に検出された超音波の位相との位相差に基づいて、制御部754により求められている。
このように、制御部754により求められた距離に基づくことにより、蛍光信号処理部57は、上記内壁から撮像部21までの距離が所定の一定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。
〔第2の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明の第2の実施形態の第2変形例について図29および図30を参照して説明する。
本変形例の蛍光内視鏡の基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、挿入部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図29および図30を用いて挿入部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図29は、本変形例における蛍光内視鏡の構成を説明する模式図である。
なお、第2の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付してその説明を省略する。
蛍光内視鏡801は、図29に示すように、被検体の体腔3内に挿入される挿入部805と、励起光を出射する光源7と、挿入部805と体腔3の内壁との距離を測定する測定制御部809と、撮像された蛍光像を表示する表示部11と、を備えている。
図30は、図29の挿入部の構成を説明する模式図である。
挿入部805には、図29に示すように、外側挿入部(挿入部)813Aと、内側挿入部(光出射導入部、回転部)813Bと、が設けられている。
外側挿入部813Aは挿入部805の外周面を構成するチューブである。外側挿入部813Aにおける挿入側端部(図30の左側端部)の外周面にはバルーン15が配置されている。少なくとも、外側挿入部813Aのバルーン15が配置されている領域であって、後述する励起光用窓225および蛍光用窓227と対向する領域は、励起光用窓225を透過する励起光および蛍光用窓227を透過する蛍光を透過する材料から形成されていることが望ましい。外側挿入部813Aは、マイクロ波透過性のよい材料から形成されていることが望ましい。
内側挿入部813Bは外側挿入部813Aの内部に挿入されるものである。内側挿入部813Bには、図30に示すように、励起光用窓225と、蛍光用窓227と、光出射部(光出射導入部)217と、光導入部(光出射導入部)219と、撮像部21と、マイクロ波発生測定部(マイクロ波信号発生器、マイクロ波信号検出器)824と、が設けられている。
マイクロ波発生測定部824は、内側挿入部813Bからバルーン15の体腔3との接触面までの距離の測定に用いるものである。マイクロ波発生測定部824は、マイクロ波を内側挿入部813Bの外側に向けて発生するとともに、内側挿入部813Bの内部に伝搬してきたマイクロ波を測定するものである。マイクロ波発生測定部824には、後述する制御部854から、発生するマイクロ波の位相等を制御する制御信号が入力されているとともに、マイクロ波発生測定部824から制御部854に、測定されたマイクロ波の位相等に係る測定信号が出力されている。マイクロ波発生測定部824は、内側挿入部813Bにおける先端側端部の半径方向外側で配置されている。マイクロ波発生測定部824に対して隣接する位置には、内側挿入部813Bの外周面の一部を構成するカバー825が配置されている。カバー825は、マイクロ波透過性のよい材料から形成されていることが好ましい。
測定制御部809は、挿入部805と体腔3の内壁との距離を測定するものである。測定制御部809は、図30に示すように、送気ポンプ49と、距離測定部(演算部)853と、制御部854と、を備えている。
距離測定部853は、体腔3の内壁からマイクロ波発生測定部824までの距離を算出するものである。つまり、距離測定部853は、後述する位相差に係る信号に基づいて、体腔3の内壁からマイクロ波発生測定部824までの距離に係る距離信号を生成するものである。距離測定部853には、制御部854から位相差に係る信号が入力されているとともに、距離測定部853から蛍光信号処理部57に距離信号が出力されている。なお、体腔3の内壁からマイクロ波発生測定部824までの距離の算出方法は、公知の算出方法を用いることができ、特に限定するものではない。
制御部854は、マイクロ波発生測定部824を制御するとともに、後述する位相差に係る信号を距離測定部753に出力するものである。制御部854は、マイクロ波発生測定部824に対してマイクロ波の発生や停止、および、発生する超音波の位相などを制御する制御信号を出力しているとともに、制御部854には、マイクロ波発生測定部824から測定された超音波の位相などの測定信号が入力されている。制御部854は、入力された制御信号および測定信号に基づいて、マイクロ波発生測定部824から発生されたマイクロ波と、マイクロ波発生測定部824に測定されたマイクロ波との位相差を求め、位相差に係る信号を出力している。
次に、上記の構成からなる蛍光内視鏡801による体腔3の内壁の撮像方法について説明する。
なお、バルーン15により外側挿入部813Aを体腔3に固定する方法、および、体腔3から発生した蛍光を撮像する方法などは、第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
次に、本実施形態の特徴である、体腔3の内壁からマイクロ波発生測定部824までの距離の測定方法について説明する。
バルーン15により外側挿入部813Aが体腔3に固定されている状態で、制御部854は、マイクロ波発生測定部824に対してマイクロ波を発生させる制御信号を出力する。制御信号が入力されたマイクロ波発生測定部824は、制御信号に基づいてマイクロ波を発生する。マイクロ波は、カバー825、外側挿入部813Aおよびバルーン15内を伝搬して、バルーン15と体腔3との接触面である外周面において反射される。反射されたマイクロ波は、バルーン15、外側挿入部813Aおよびカバー825を伝搬してマイクロ波発生測定部824に検出される。マイクロ波発生測定部824は、反射したマイクロ波の位相などの情報を含む測定信号を制御部854に出力する。
制御部854は、マイクロ波発生測定部824から入力された測定信号と、マイクロ波発生測定部824に出力した制御信号とに基づいて、マイクロ波発生測定部824から発生されたマイクロ波と、マイクロ波発生測定部824に測定されたマイクロ波との位相差を算出する。算出された位相差に係る信号は、制御部854から距離測定部853に出力される。距離測定部853は、入力された位相差に係る信号に基づいて、体腔3の内壁からマイクロ波発生測定部824までの距離を算出する。算出された距離に係る距離信号は、蛍光信号処理部57に出力される。
上記の構成によれば、マイクロ波は、マイクロ波発生測定部824からバルーン15の上記接触面に向かって発生され、バルーン15内を伝搬する。ここで、マイクロ波は、超音波と比較して低い減衰率でバルーン15内を伝搬する。バルーン15内を伝搬したマイクロ波は、上記接触面において反射し、マイクロ波発生測定部824により検出される。
制御部854は、マイクロ波発生測定部824を制御することにより発生されるマイクロ波を制御するとともに、制御部854には、マイクロ波発生測定部824から出力される検出信号が入力される。そのため、制御部854は、マイクロ波発生測定部824から発生されるマイクロ波の位相と、マイクロ波発生測定部824に検出されたマイクロ波の位相との位相差に基づいて、上記接触面と挿入部805との距離を求めることができる。
このように、制御部854により求められた距離に基づくことにより、蛍光信号処理部57は、上記内壁から撮像部21の撮像素子43までの距離が所定の一定距離に保たれた場合と同様の画像信号を生成することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、第1の実施形態の第1変形例においては、体腔の内壁と挿入部との間の距離を求めるためにバルーンの流量を測定することに代えて、測定挿入部の先端部に超音波発生測定部を設けることができるものである。

Claims (11)

  1. 体腔内に挿入される挿入部と、
    前記挿入部の半径方向に位置する前記体腔の内壁と接触することにより、前記挿入部の半径方向において前記体腔に対する前記挿入部の位置決めを行うバルーンと、
    前記内壁に対して照射される励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射するとともに、
    前記内壁から発生した蛍光を前記挿入部の複数の異なる半径方向から前記挿入部の内部に導入する光出射導入部と、
    前記光出射導入部から導入された蛍光を撮像する撮像部と、
    前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の間の距離に基づいて前記撮像部から出力された撮像信号を補正する補正信号を算出する補正信号算出部と、
    前記補正信号に基づいて前記撮像信号の強度を補正し、補正された撮像信号から画像信号を生成する信号処理部と、
    が設けられた蛍光内視鏡。
  2. 前記光出射導入部が、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、
    前記内壁から発生した蛍光を、前記挿入部の中心軸線方向に向けて反射するとともに、
    前記中心軸線回りに回転可能に配置された反射部と、
    を備え、
    前記撮像部が、前記反射部から反射した蛍光を撮像する請求項1記載の蛍光内視鏡。
  3. 前記反射部を回転させる回転駆動部が設けられた請求項2記載の蛍光内視鏡。
  4. 前記光出射導入部が、前記挿入部の少なくとも先端部の内部に配置されるとともに、前記挿入部の中心軸線回りに回転可能に配置された回転部と、
    該回転部に設けられ、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、
    前記回転部に設けられ、前記内壁から発生した蛍光を前記中心軸線方向に向けて反射する反射部と、
    を備え、
    前記撮像部が、前記回転部に設けられ、前記反射部から反射した蛍光を撮像する請求項1記載の蛍光内視鏡。
  5. 前記光出射導入部が、前記挿入部の少なくとも先端部の内部に配置されるとともに、前記挿入部の中心軸線回りに回転可能に配置された回転部と、
    前記回転部に設けられ、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、
    を備え、
    前記撮像部が、前記回転部の内部に導入された蛍光を撮像する請求項1記載の蛍光内視鏡。
  6. 前記光出射導入部が、前記励起光を前記挿入部の半径方向外方に出射する照射部と、
    前記内壁から発生した蛍光を前記挿入部の中心軸線方向に向けて反射する円錐ミラーと、
    を備え、
    前記撮像部が、前記円錐ミラーから反射した蛍光を撮像する請求項1記載の蛍光内視鏡。
  7. 前記体腔に対する前記挿入部の挿入長さを計測する挿入長計測部と、
    前記撮像部から出力される撮像信号と、前記挿入長計測部から出力される挿入長さに係る信号と、に基づいて前記撮像信号の展開処理を行う画像処理部と、
    が設けられた請求項1から6のいずれかに記載の蛍光内視鏡。
  8. 前記バルーンに流体を流入させる流入部と、
    前記バルーンに流入した流体の流量を計測する流量計測部と、
    該流量計測部から出力された流量信号に基づいて、前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の間の距離を求める演算部と、が設けられ、
    前記補正信号算出部が、前記演算部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出する請求項1から7のいずれかに記載の蛍光内視鏡。
  9. 前記バルーンにおける前記内壁との接触面には蛍光剤が配置され、
    該蛍光剤から発生した蛍光の強度を検出する蛍光検出部が設けられ、
    前記補正信号算出部が、前記演算部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出する請求項1から7のいずれかに記載の蛍光内視鏡。
  10. 前記バルーンに流入する流体が液体であって、
    前記バルーンにおける前記内壁との接触面に向かって超音波を発生させる超音波信号発生器と、
    前記接触面から反射した超音波を検出する超音波信号検出器と、
    前記超音波信号発生器を制御するとともに、前記超音波信号検出器から出力される検出信号に基づいて、前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の距離を求める制御部と、が設けられ、
    前記補正信号算出部が、前記制御部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出する請求項1から7のいずれかに記載の蛍光内視鏡。
  11. 前記バルーンにおける前記内壁との接触面に向かってマイクロ波を発生させるマイクロ波信号発生器と、
    前記接触面から反射したマイクロ波を検出するマイクロ波信号検出器と、
    前記マイクロ波信号発生器を制御するとともに、前記マイクロ波信号検出器から出力される検出信号に基づいて、前記バルーンにおける前記内壁との接触面と、前記挿入部と、の距離を求める制御部と、が設けられ、
    前記補正信号算出部は、前記演算部により求められた距離に基づいて前記補正信号を算出する請求項1から7のいずれかに記載の蛍光内視鏡。
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