この発明は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置を制御する照明制御装置および照明制御方法、被写体に対して照明装置から照明光を照射して当該被写体の画像を撮影する撮像装置に関する。
従来より、生体認証や監視などに用いることを目的として、近接した被写体に照明を照射して撮影を行う撮像装置が存在する。例えば、図15に例示するように、生体認証を行う際の撮影環境には、撮像装置に備えられた自照明から照射される光以外の外光(あるいは、環境光)が存在し、被写体に当る角度や強度を制御することができないので、そのような撮影環境下で撮影された認証対象の画像と、外光の影響のない撮影環境下で撮影された照合用画像との差が大きくなる場合があり、認証精度に影響を与える恐れがある。そのため、生体認証を行う撮影環境は、外光がない、あるいは弱い環境下に限定されてきた。
これに対して、例えば、図16および図17に例示するように、自照明を点灯して撮影した画像と自照明を消灯して撮影した画像の差分を求めることにより、外光の影響を排除した画像を取得する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、外光を装置内に取り込んでバックライトとして積極的に利用することにより、外光の影響により見にくくなるビデオカメラのビューファインダを見やすくする技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−19823号公報
特開平7−95451号公報
ところで、上記した従来の技術は、撮影した画像の画質が悪化する、取り込んだ外光が照明としては不適切である場合があるという問題点があった。
すなわち、自照明を点灯して撮影した画像と自照明を消灯して撮影した画像の差分を求めることにより、外光の影響を排除した画像を取得する従来技術では、例えば、図18に例示するように、外光が強くなるに従い、自照明の寄与分が減少して、画像のS/N比(Signal To Noise ratio:シグナル/ノイズ比)が悪化するという問題点があった。
また、外光を装置内に取り込んでバックライトとして積極的に利用することにより、外光の影響により見にくくなるビデオカメラのビューファインダを見やすくする従来技術では、取り込んだ光を利用するものであるため、生体認証に用いられる撮像装置では、波長などの光の特性が自照明として不適切になる場合があるという問題点があった。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、外光を導入して照明として利用することが可能な照明制御装置および照明制御方法、導入した外光を照明として利用するとともに外光の影響を排除した画像を取得することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置を制御する照明制御装置であって、前記照明装置以外の光源から被写体に照射されている外光を導入する導入手段と、前記導入手段により導入された外光を前記照明光と同一の特性に加工する加工手段と、前記照明光の照射経路と同一の経路から、前記加工手段により加工された外光を照明として前記被写体に照射するように制御する照射制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記加工手段により加工された外光に前記照明光を結合させて前記被写体に照明として照射するように制御することを特徴とする。
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、前記導入手段により導入された外光の波長を前記照明光と同一になるように加工することを特徴とする。
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、波長フィルタを用いて、前記導入手段により導入された外光の波長を前記照明光と同一になるように加工することを特徴とする。
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記導入手段は、導光体、鏡、光ファイバおよびプリズムのいずれか一つまたは複数を用いて前記外光を導入することを特徴とする。
また、請求項6に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、前記導入手段により導入された外光を構成する各波長成分の光量を制限することを特徴とする。
また、請求項7に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、液晶シャッタまたは圧電ミラを用いて、前記導入手段により導入された外光の光量を制御することを特徴とする。
また、請求項8に係る発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記導入手段により導入された外光の強度に応じて前記照明光の強度を調整したうえで、前記加工手段により加工された外光に当該照明光を結合させて前記被写体に照明として照射するように制御することを特徴とする。
また、請求項9に係る発明は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置を制御する照明制御方法であって、前記照明装置以外の光源から被写体に照射されている外光を導入する導入工程と、前記導入工程により導入された外光を前記照明光と同一の特性に加工する加工工程と、前記照明光の照射経路と同一の経路から、前記加工工程により加工された外光を照明として前記被写体に照射するように制御する照射制御工程と、を含んだことを特徴とする。
また、請求項10に係る発明は、被写体に対して照明装置から照明光を照射して、当該被写体の画像を撮影する撮像装置であって、前記照明装置以外の光源から被写体に照射されている外光を導入する導入手段と、前記導入手段により導入された外光を前記照明光と同一の特性に加工する加工手段と、前記照明光の照射経路と同一の経路から、前記加工手段により加工された外光を照明として前記被写体に照射するように制御する照射制御手段と、前記照射制御手段による照明照射時に撮影した画像を取得する画像取得手段と、を備えたことを特徴とする。
また、請求項11に係る発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記被写体の画像を撮影するタイミングと同期させて照明の照射および非照射を制御し、前記画像取得手段は、前記照射制御手段による照明照射時に撮影した画像と、当該照射制御手段による照明非照射時に撮影した画像との差分を取ることにより、前記被写体に照明のみが照射された画像を取得することを特徴とする。
また、請求項12に係る発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記加工手段により加工された外光に前記照明光を結合させて前記被写体に照明として照射するように制御することを特徴とする。
また、請求項13に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、前記導入手段により導入された外光の波長を前記照明光と同一になるように加工することを特徴とする。
また、請求項14に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、波長フィルタを用いて、前記導入手段により導入された外光の波長を前記照明光と同一になるように加工することを特徴とする。
また、請求項15に係る発明は、上記の発明において、前記導入手段は、導光体、鏡、光ファイバおよびプリズムのいずれか一つまたは複数を用いて前記外光を導入することを特徴とする。
また、請求項16に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、前記導入手段により導入された外光を構成する各波長成分の光量を制限することを特徴とする。
また、請求項17に係る発明は、上記の発明において、前記加工手段は、液晶シャッタまたは圧電ミラを用いて、前記導入手段により導入された外光の光量を制御することを特徴とする。
また、請求項18に係る発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記導入手段により導入された外光の強度に応じて前記照明光の強度を調整したうえで、前記加工手段により加工された外光に当該照明光を結合させて前記被写体に照明として照射するように制御することを特徴とする。
また、請求項19に係る発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、液晶シャッタまたは圧電ミラを用いて、照明の照射または非照射を制御することを特徴とする。
また、請求項20に係る発明は、上記の発明において、前記照射制御工程は、前記加工工程により加工された外光に前記照明光を結合させて前記被写体に照明として照射するように制御することを特徴とする。
本発明によれば、照明装置以外の光源から被写体に照射される外光を導入して、照明光の特性と同一の特性に加工するとともに、照明光の照射経路と同一の経路から加工された外光を照明として被写体に照射するように制御するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自らが制御する照明装置の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して、同一の照射角度および照射分布を持った照明として照射することができ、自照明として利用することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることが可能である。
また、本発明によれば、加工された外光に照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、例えば、外光強度が弱い環境下である場合には、照明光により自照明を適切な強度に強化して照射することが可能である。
また、本発明によれば、外光の波長を照明光と同一になるように加工するので、照明の役割を果たすための主要な特性である波長について導入した外光を適切に加工することができ、自照明として利用することが可能である。
また、本発明によれば、波長フィルタを用いて、外光の波長を照明光と同一になるように加工するので、簡易な構成で導入した外光を適切に加工することが可能である。
また、本発明によれば、導光体、鏡、光ファイバおよびプリズムのいずれか一つまたは複数を用いて外光を導入するので、簡易な構成で外光を導入することが可能である。
また、本発明によれば、導入された外光が複数の波長を持って構成されている場合に、各波長の光量を制御するので、例えば、可視光などのように広い波長分布を持つ外光について、例えば、RGBなどの各波長成分の光量を制御することで各波長のバランスを調整することができ、自照明の波長分布と同一に加工することが可能である。
また、本発明によれば、液晶シャッタまたは圧電ミラを用いて導入された外光の光量を制御するので、簡易な構成で導入された外光の光量を制御することが可能である。
また、本発明によれば、導入された外光に応じて照明光の強度を調整したうえで、加工された外光に照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、十分な照明強度を確保しつつ、照明光の点灯に要する電力を節約することが可能である。
また、本発明によれば、照明装置以外の光源から導入された外光を照明光と同一の特性に加工して、照明光の照射経路と同一の経路から加工された外光を照明として被写体に照射するように制御するとともに、被写体の画像を撮影するタイミングと同期させて照明の照射および非照射を制御し、照明照射時に撮影した画像と照明非照射時に撮影した画像との差分を取ることにより、被写体に照明のみが照射された画像を取得するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自らが制御する照明装置の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して自照明として利用することができ、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために最適な外光の影響を排除した画像を取得することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることができ、環境を選ぶことなく、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために最適な画像を取得することが可能である。
図1は、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴を説明するための図である。
図2は、実施例1に係る照明制御装置の外観構成を示す図である。
図3は、実施例1に係る光学系構成部の具体的な外観構成を示す図である。
図4は、実施例1に係る照明制御装置の回路系構成部の構成を示す図である。
図5は、実施例1に係る光量比率の算定について説明するための図である。
図6は、各シャッタの開口比率および各導出光の総光量の算定について説明するための図である。
図7は、実施例1に係る照明制御装置の外光加工処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、実施例1に係る照明制御装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9は、実施例2に係る撮像装置の概要および特徴を説明するための図である。
図10は、実施例2に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示す図である。
。図11は、実施例2に係る撮像装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。
図12は、実施例2係る画像取得処理の流れを示すフローチャートである。
図13は、実施例3に係る撮像装置の光学系構成部の具体的な外観構成を示す図である。
図14は、実施例3に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示す図である。
図15は、従来技術を説明するための図である。
図16は、従来技術を説明するための図である。
図17は、従来技術における差分画像取得の原理を示す図である。
図18は、従来技術の問題点を示す図である。
符号の説明
1 外部光源
2 被写体
10 照明制御装置
11 制御部
12 バッファアンプ
13 シャッタ駆動回路
14 LED駆動回路
20 撮像装置
21a バッファアンプ
21b シャッタ駆動回路
21c LED駆動回路
22 撮影処理部
以下に添付図面を参照して、本発明に係る照明制御装置、照明制御方法および撮像装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る照明制御装置を実施例1として説明した後に、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
以下の実施例1では、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴、照明制御装置の構成および処理を順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
[照明制御装置の概要および特徴(実施例1)]
まず、図1を用いて、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例1に係る照明制御装置は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置(例えば、LED照明やファイバー照明など)を制御することを概要とするが、外部の光源(例えば、太陽や室内の照明機器など)から外光を導入して照明として利用することが可能である点に主たる特徴がある。
この主たる特徴について具体的に説明すると、図1に示すように、実施例1に係る照明制御装置10は、外部光源1(例えば、太陽や室内の照明機器など)から照射される外光に向けて外光取込口を設置して導光体により装置内部へ導入する(図1の(1)参照)。なお、導光体により装置内部へ外光を導入する場合に限られるものではなく、例えば、ミラや光ファイバ、プリズムなどの光学素子を用いて、装置内部へ外光を導入するようにしてもよい。
次に、照明制御装置10は、外部光源1から導入した外光の特性を自己の照明装置(自照明)から照射される照明光と同一の特性に加工する(図1の(2)参照)。具体的には、例えば、波長フィルタを用いて、導入した外光の波長を自照明の照明光と同一の波長に加工する。
さらに、照明制御装置10は、例えば、可視光などのように広い波長分布を持つ外光が導入された場合には、導入経路を複数に分割して各経路に波長フィルタ(例えば、RGB)を設置するとともに液晶シャッタや圧電ミラを併設して、導入面積の調整や時分割方式により各波長成分の光量を制御することで各波長のバランスを調整する(自照明の照明光と同一の波長に加工する)。なお、光量とは、光源から照射される光の量であり、光量が大きくなれば光の強度(単位時間に単位面積を流れる光量子の数)も大きくなる。
具体的に説明すると、照明制御装置10は、例えば、図2に示すような外観をその一部に有し、外光取込口、外光導入用導光体、波長フィルタ、自照明用LED、自照明用導光体および液晶シャッタからなる光学系構成部を備える。
この光学系構成部は、内部に設けられた外光の導入経路が複数に分割されており、導入されてきた外光を各波長域に分けるための波長フィルタ(例えば、波長フィルタA、BおよびC)、各波長域に分けて取り込まれた外光の強度を検出するためのPD(Photo Detector、例えば、PD_A、PD_BおよびPD_C)、および各波長域に分けて取り込まれた外光の光量を調整するためのシャッタ(例えば、シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)が各導入系路上にそれぞれ設置されている(図3の上から見た図参照)。また、この光学系構成部から照明光が照射される照射口には、照明光の照射を制御するためのメインシャッタが設置されている(図3の上から見た図参照)。
このような構成のもと、照明制御装置10は、外光取込口から導入されてきた外光を各導入系路上に設置された波長フィルタを通過させることにより各波長域に分けて取り込む。そして、照明制御装置10は、各波長域に分けて取り込まれた外光の強度を各PDによりそれぞれ検出する。具体的に説明すると、外光を受光したPDから出力されるPD検出信号(外光の強度を電流に変換した信号)を、各波長域に分けて取り込まれた外光についてそれぞれ取得する。
そして、照明制御装置10は、自照明用LED(自照明)による照明光の波長と同一となるように、各波長域に分けて取り込まれた外光のバランスを調整して加工する。具体的に説明すると、照明制御装置10は、各波長域に分けて取り込まれた外光についてそれぞれ取得したPD検出信号と、各波長域の外光についてあらかじめ定められた光量比率とを用いて、自照明用LEDによる照明光の波長と同一となるように各シャッタの開口比率を算出する。次に、照明制御装置10は、算出した各液晶シャッタの開口比率に応じて、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口面積を調整する(シャッタ駆動信号により各液晶シャッタを駆動させて調整する)。そして、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から通過してきた光は、自照明用LEDによる照明光の照射経路にそれぞれ導出されて結合されることにより、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工される。
このようにして、外部光源から導入された外光の波長を自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工した後、照明制御装置10は照明照射制御を行う(図1の(3)参照)。具体的には、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明用LEDによる照明光の強度を調節するとともに、例えば、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光とを結合させて、自照明用LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から照明として被写体2に照射するように制御する。
例えば、照明制御装置10は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から自照明用LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計を、PDを用いたPD出力信号などにより検出する。そして、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には、自照明用LEDは消灯したままにした状態でメインシャッタ駆動信号によりメインシャッタを開口させて、自照明LEDによる照明光と同一の波長に加工された照明光を照射する。一方、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には、LED駆動信号により自照明用LEDを点灯させ、自照明LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用のLEDによる照明光と結合させた状態で照明光を照射する。
このようなことから、実施例1によれば、上述した主たる特徴の如く、外部の光源(例えば、太陽や室内の照明機器など)から外光を導入して照明として利用することが可能である。
[照明制御装置の構成(実施例1)]
次に、図4を用いて、実施例1に係る照明制御装置の構成を説明する。図4は、実施例1に係る照明制御装置の回路系構成部の構成を示す図である。なお、同図では、実施例1に係る照明制御装置を実現する上で必要となる構成のみを示し、その他の構成については記載を省略している。
実施例1に係る照明制御装置10は、外部光源1から照射される外光の導入経路が複数に分割された光学系構成部(例えば、図3参照)と、この光学系構成部の動作を制御する回路系構成部とを含んで構成される。なお、特許請求の範囲に記載の「導入手段」は、この光学系構成部に対応し、特許請求の範囲に記載の「加工手段」および「照射制御手段」は、光学系構成部および回路系構成部に対応する。
光学系構成部は、外光取込口、外光導入用導光体、波長フィルタ、自照明用LED、PD(Photo Detector)、自照明用導光体および液晶シャッタから構成される(図2参照)。
このうち、外光導入用導光体は、外部光源1(例えば、太陽や室内の照明機器など)に向けて設置された外光取込口から外光を内部へ導入する(図2参照)。なお、外光導入用導光体の代わりに、ミラや光ファイバ、プリズムなどの光学素子を用いて、外光を内部へ導入するようにしてもよい。また、自照明用導光体は、自照明用LEDによる照明光を被写体2の方向へ導出する。
波長フィルタは、例えば、RGB3原色のRの波長に対応する波長フィルタA、RGB3原色のGの波長に対応する波長フィルタB、およびRGB3原色のBの波長に対応する波長フィルタCが、複数に分割された各導入系路上にそれぞれ設置され、外光取込口から外光導入用導光体により内部に導入されてきた外光を各波長域(RGB3原色の各波長域)に分ける。
PD(Photo Detector)は、複数に分割された各導入系路上に設置され(例えば、例えば、PD_A、PD_BおよびPD_C)、波長フィルタを通過して各波長域に分けられた外光の強度を検出する。具体的には、受光面に受光した外光の強度を電流値に変換して、後述する回路系構成部のバッファアンプ12にPD検出信号として出力する。
液晶シャッタは、各波長域に分けられた外光のバランス調整および被写体2に対する照明光の照射制御を行う。なお、光学系構成部には、液晶シャッタとして、各波長域に分けられた外光の光量を調整するために各導入系路上に設置されたシャッタ(例えば、シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)と、被写体2に対する照明光の照射を制御するメインシャッタとが備えられる(図3参照)。なお、液晶シャッタの代わりに圧電ミラを用いることもできる。
また、図4に例示するように、光学系構成部の動作を制御する回路系構成部は、制御部11と、バッファアンプ12と、シャッタ駆動回路13と、LED駆動回路14とから構成される。
バッファアンプ12は、各PDに対応付けて備えられ、各PDから受け付けたPD検出信号をそれぞれ電圧値に変換して制御部11に出力する。
制御部11は、自照明用LEDによる照明光の波長と同一となるように、各波長域に分けて取り込まれた外光のバランスを調整して加工する。具体的に説明すると、制御部11は、バッファアンプ12から受け付けた各電圧値と、各波長域(RGB3原色の各波長域)の外光についてあらかじめ定められた光量比率とを用いて、自照明用LEDから照射される照明光の波長と同一となるように各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口比率を算出する。
ここで、自照明用LEDから照射される照明光が白色光である場合を例に挙げて、光量比率の算定について簡単に説明する。CIE(国際照明委員会)において白色光のRGB3原色は、Rが700.0(nm)、Gが546.3(nm)、Bが435.8(nm)と規定されていることから、これらの波長ピークを持つ波長フィルタをそれぞれ設置するならば、光量比率は次のように算出される。すなわち、CIEにおいて白色光の3刺激値XYZは、X:Y:Z=1:1:1と規定され、また、図5の(1)式によりRGB系に変換される。続いて、同式にX=Y=Zを代入すると図5の(2)が得られる。そして、図5の(3)に示すように、R:G:B=4:3:3とする光量比率が図5の(2)から算定される。
このようにして算定された光量比率を用いて、制御部11は、各シャッタの開口比率を次のように算出する。すなわち、図6の(1)に示すように、各電圧値を対応する光量比率の各定数でそれぞれ除算した複数の値の中の最小値を求める。例えば、自照明用LEDから照射される照明光が白色光であり、波長フィルタAがRGB3原色のRの波長に対応している場合には、制御部11は、波長フィルタAが設置されている同一の導入経路からのPD検出信号がバッファアンプ12により電圧に変換された電圧値を光量比率の定数「4」で除算する。同様に、制御部11は、波長フィルタBがRGB3原色のGの波長に対応している場合には、波長フィルタBが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算するとともに、波長フィルタCがRGB3原色のBの波長に対応している場合には、波長フィルタCが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算する。そして、それぞれ除算して得られた複数の値の中の最小値を求める。
次に、制御部11は、図6の(2)に示すように、求められた最小値と光量比率の各定数とを乗算して得た複数の値を、各定数に対応する電圧値でそれぞれ除算することにより各シャッタの開口比率(C_A、C_BおよびC_C)を算出する。そして、制御部11は、算出した各シャッタの開口比率に対応するシャッタ駆動信号を各シャッタ駆動回路13にそれぞれ生成させる。
なお、開口比率に応じて開口面積が調整された各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から通過してきた光は、自照明用LEDによる照明光の照射経路にそれぞれ導出されて結合されることにより、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工される。
また、制御部11は、導入した外光の波長を自照明LEDによる照明光と同一の波長に加工した後、照明照射制御を行う。具体的に説明すると、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明LEDによる照明光の強度を調節するとともに、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明LEDによる照明光とを結合させて、自照明LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から、結合された照明光を被写体2に照射するように制御する。
例えば、制御部11は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から、自照明LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計を上記で説明した最小値と光量比率の各定数の総和とを乗算することにより求める(図6の(3)参照)。あるいは、制御部11は、各導出光の光量の総計をPDを用いたPD出力信号により検出する。そして、制御部11は、求められた各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には、メインシャッタ駆動信号をシャッタ駆動回路13から生成出力してメインシャッタを開口させ、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する。
一方、制御部11は、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には、LED駆動信号をLED駆動回路14により生成出力して自照明用LEDを点灯させるとともに、メインシャッタ駆動信号をシャッタ駆動回路13により生成出力してメインシャッタを開口させ、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用のLEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する。なお、制御部11は、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の光量を差し引いて、撮影のために不十分な光量を補うように、自照明用LEDの光量を調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよいし、撮影の品質を最優先とする場合には、自照明用LEDは常時最大限の光量に調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよい。
シャッタ駆動回路13は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口面積を開口比率に応じて調整するために、シャッタ駆動信号をそれぞれ生成して各シャッタに出力する。また、LED駆動回路14は、自照明用LEDを点灯するために、LED駆動信号を生成して自照明用LEDに出力する。
[照明制御装置の処理(実施例1)]
続いて、図7および図8を用いて、例えば、実施例1に係る照明制御装置の処理を説明する。図7は、実施例1に係る照明制御装置の外光加工処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、実施例1に係る照明制御装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。
[外光加工処理(実施例1)]
まず、図7を用いて、実施例1に係る照明制御装置の外光加工処理を説明する。同図に示すように、制御部11は、各バッファアンプ12から電圧値を受け付けると(ステップS701肯定)、バッファアンプ12から受け付けた各電圧値と、各波長域(RGB3原色の各波長域)の外光についてあらかじめ定められた光量比率とを用いて、自照明用LEDから照射される照明光の波長と同一となるように各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口比率を算出する(ステップS702)。
ここで、自照明用LEDから照射される照明光が白色光である場合を例に挙げて、光量比率の算定について簡単に説明する。CIE(国際照明委員会)において白色光のRGB3原色は、Rが700.0(nm)、Gが546.3(nm)、Bが435.8(nm)と規定されていることから、これらの波長ピークを持つ波長フィルタをそれぞれ設置するならば、光量比率は次のように算出される。すなわち、CIEにおいて白色光の3刺激値XYZは、X:Y:Z=1:1:1と規定され、また、図5の(1)式によりRGB系に変換される。続いて、同式にX=Y=Zを代入すると図5の(2)が得られる。そして、図5の(3)に示すように、R:G:B=4:3:3とする光量比率が図5の(2)から算定される。
このようにして算定された光量比率を用いて、制御部11は、各シャッタの開口比率を次のように算出する。すなわち、図6の(1)に示すように、各電圧値を対応する光量比率の各定数でそれぞれ除算した複数の値の中の最小値を求める。例えば、自照明用LEDから照射される照明光が白色光であり、波長フィルタAがRGB3原色のRの波長に対応している場合には、制御部11は、波長フィルタAが設置されている同一の導入経路からのPD検出信号がバッファアンプ12により電圧に変換された電圧値を光量比率の定数「4」で除算する。同様に、制御部11は、波長フィルタBがRGB3原色のGの波長に対応している場合には、波長フィルタBが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算するとともに、波長フィルタCがRGB3原色のBの波長に対応している場合には、波長フィルタCが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算する。そして、それぞれ除算して得られた複数の値の中の最小値を求める。
次に、制御部11は、図6の(2)に示すように、求められた最小値と光量比率の各定数とを乗算して得た複数の値を、各定数に対応する電圧値でそれぞれ除算することにより各シャッタの開口比率(C_A、C_BおよびC_C)を算出する。そして、制御部11は、算出した各シャッタの開口比率に対応するシャッタ駆動信号を各シャッタ駆動回路13にそれぞれ生成させる。
シャッタ駆動回路13は、生成したシャッタ駆動信号を各シャッタにそれぞれ出力することにより、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口面積を開口比率に応じて調整させる(ステップS703)。
なお、開口比率に応じて開口面積が調整された各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から通過してきた光は、自照明用LEDによる照明光の照射経路にそれぞれ導出されて結合されることにより、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工される。
[照明照射制御処理(実施例1)]
まず、図8を用いて、実施例1に係る照明制御装置の照明照射制御処理を説明する。同図に示すように、制御部11は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から、自照明用LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計が撮影のために十分であるか否か判定する(ステップS801)。
判定の結果、制御部11は、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には(ステップS801否定)、LED駆動回路14からLED駆動信号を生成出力させて自照明用LEDを点灯するとともに(ステップS802)、シャッタ駆動回路13からメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する(ステップS803)。
一方、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には(ステップS801肯定)、制御部11は、シャッタ駆動回路13からメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する(ステップS803)。
なお、制御部11は、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工された外光の光量を差し引いて、撮影のために不十分な光量を補うように、自照明用LEDの光量を調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよいし、撮影の品質を最優先とする場合には、自照明用LEDは常時最大限の光量に調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよい。
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1によれば、外部の光源から被写体に照射される外光を導入して、自照明用LEDによる照明光の波長と同一の波長に加工するとともに、自照明用LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から加工された外光を照明として被写体に照射するように制御するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自らが制御する自照明用LEDの照明光と同一の波長を持った光に加工して、同一の照射角度および照射分布を持った照明として照射することができ、自照明として利用することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることが可能である。
また、実施例1によれば、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光に、自照明用LEDによる照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、例えば、外光強度が弱い環境下である場合には、照明光により自照明を適切な強度に強化して照射することが可能である。
また、実施例1によれば、外光の波長を自照明用LEDによる照明光の波長と同一になるように加工するので、照明の役割を果たすための主要な特性である波長について導入した外光を適切に加工することができ、自照明として利用することが可能である。
また、実施例1によれば、波長フィルタを用いて、外光の波長を自照明用LEDによる照明光と同一になるように加工するので、簡易な構成で導入した外光を適切に加工することが可能である。
また、実施例1によれば、導光体、鏡、光ファイバおよびプリズムのいずれか一つまたは複数を用いて外光を導入するので、簡易な構成で外光を導入することが可能である。
また、実施例1によれば、導入された外光が複数の波長を持って構成されている場合に、各波長の光量を制御するので、例えば、可視光などのように広い波長分布を持つ外光について、例えば、RGBなどの各波長成分の光量を制御することで各波長のバランスを調整することができ、自照明用LEDによる照明光の波長分布と同一の波長分布に加工することが可能である。
また、実施例1によれば、液晶シャッタを用いて導入された外光の光量を制御するので、簡易な構成で導入された外光の光量を制御することが可能である。
また、実施例1によれば、導入された外光の強度に応じて、自照明用LEDによる照明光の強度を調整したうえで、自照明用LEDによる照明光の波長と同一の波長に加工された外光に、自照明用LEDによる照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、十分な照明強度を確保しつつ、自照明用LEDによる照明光の点灯に要する電力を節約することが可能である。
ところで、上述してきた実施例1に係る照明制御装置を撮像装置に適用して、所定の画像を取得するようにしてもよい。そこで、以下の実施例2では、実施例1に係る照明制御装置を適用した撮像装置の概要および特徴、撮像装置の構成および処理を順に説明し、最後に実施例2による効果を説明する。
[撮像装置の概要および特徴(実施例2)]
まず、図9を用いて、実施例2に係る撮像装置の概要および特徴を説明する。図9は、実施例2に係る撮像装置の概要および特徴を説明するための図である。なお、実施例2に係る撮像装置20は、上記の実施例1で説明した照明制御装置と同様の外観(図2参照)および光学系構成部(図3参照)を有する。
実施例2に係る撮像装置20は、被写体に対して照明装置(例えば、LED照明やファイバ照明など)から照明光を照射して、被写体の画像を撮影することを概要とするが、外部の光源(例えば、太陽や室内の照明機器など)から導入した外光を照明として利用するとともに外光の影響を排除した画像を取得することが可能である点に主たる特徴がある。
そして、実施例2に係る撮像装置20は、照明処理部において、自照明用LEDによる照明光の波長と同一となるように、各波長域に分けて取り込まれた外光のバランスを調整して加工するとともに、外部光源から導入され、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明用LEDによる照明光の強度を調節する点は、上記の実施例1で説明したのと同様であるが、以下に説明する点に主たる特徴がある。
すなわち、この主たる特徴について具体的に説明すると、図9に示すように、実施例2に係る撮像装置20は、撮影処理部において照明照射画像を取得する(図9の(4)参照)。
具体的に説明すると、撮像装置20は、撮影処理部における撮像にタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号を撮影処理部から照明処理部に出力する。そして、撮像装置20は、撮像部(図2参照)を介して、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明のみが照射された画像を取得する(例えば、図16参照)。
このようなことから、実施例2によれば、上述した主たる特徴の如く、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自照明の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して利用することができ、外光の影響を排除した画像を取得することが可能である。
[撮像装置の構成(実施例2)]
次に、図10を用いて、実施例2に係る撮像装置の構成を説明する。図10は、実施例2に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示すブロック図である。なお、同図では、実施例2に係る撮像装置を実現する上で必要となる構成のみを示し、その他の構成については記載を省略している。
実施例2に係る撮像装置20は、外部光源1から照射される外光の導入経路が複数に分割された光学系構成部(例えば、図3参照)と、光学系構成部の動作を制御する照明処理部21および撮像部を介して撮影処理を実行する撮影処理部22からなる回路系構成部(図10参照)とを含んで構成される。そして、実施例2に係る撮像装置20は、実施例1に係る照明制御装置と以下に説明する点が異なる。
すなわち、照明処理部21は、上記の実施例1で説明した回路系構成部の制御部11と同様に、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明LEDによる照明光の強度を調節するとともに、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光とを結合させて、自照明用LEDのよる照明光の照射経路と同一の経路から、被写体2に照明として照射するように制御するが、さらに、照明の照射および非照射のタイミングを制御する。
具体的に説明すると、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認する。確認の結果、撮像同期信号が「ON」である場合には、続いて、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口部から自照明用LEDによる照射経路に導出される各導出光の光量の総計が撮影のために十分であるか否か判定する。判定の結果、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する。
これとは反対に、照明処理部21は、判定の結果、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には、LED駆動回路21cからLED駆動信号を生成出力させて自照明用LEDを点灯するとともに、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用のLEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する。
また、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認した結果、撮像同期信号が「OFF」である場合には、メインシャッタ駆動信号を出力せず、照明の照射は行わない。
撮影処理部22は、照明照射画像を取得する処理部である。具体的に説明すると、撮影処理部22は、撮像にタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号を照明処理部21に出力する。そして、撮影処理部22は、照明処理部21と連携した撮影処理を実行して照明照射時および照明非照射時の被写体2の画像を撮影取得して、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する(例えば、図16参照)。なお、撮影処理部22は、所定のファインダやレンズによって構成される撮像部(図2参照)を介して被写体2の画像を撮影取得する。
なお、請求の範囲に記載の「画像取得手段」は撮影処理部22に対応する。
[撮像装置の処理(実施例2)]
続いて、図11および図12を用いて、実施例2に係る撮像装置の処理を説明する。図11は、実施例2に係る撮像装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。図12は、実施例2に係る画像取得処理の流れを示すフローチャートである。
[照明照射制御処理(実施例2)]
まず、図11を用いて、実施例2に係る照明照射制御処理を説明する。例えば、ユーザによって撮像装置20の電源が立ち上げられると、同図に示すように、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認する(ステップS1101)。確認の結果、撮像同期信号が「ON」である場合には(ステップS1101肯定)、照明処理部21は、続いて、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口部から、自照明用LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計が撮影のために十分であるか否か判定する(ステップS1102)。
判定の結果、照明処理部21は、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には(ステップS1102否定)、LED駆動回路21cからLED駆動信号を生成出力させて自照明用LEDを点灯するとともに(ステップS1103)、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する(ステップS1104)。
一方、判定の結果、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には(ステップS1102肯定)、照明処理部21は、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する(ステップS1104)。
ここで、ステップS1101の説明に戻ると、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認した結果、撮像同期信号が「OFF」である場合には(ステップS1101否定)、メインシャッタ駆動信号を出力せず、照明の照射は行わない。
[画像取得処理(実施例2)]
続いて、図12を用いて、実施例2に係る画像取得処理を説明する。撮影処理部22は、撮像にタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号を照明処理部21に出力する。そして、同図に示すように、撮影処理部22は、照明処理部21と連携した撮影処理を実行して照明照射時および照明非照射時の被写体2の画像を撮影取得して(ステップS1201)、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明光のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する(ステップS1202)。
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2によれば、外部の光源から導入された外光を自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工して、自照明用LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光を照明として被写体2に照射するように制御するとともに、被写体2の画像を撮影するタイミングと同期させて照明の照射および非照射を制御し、照明照射時に撮影した画像と照明非照射時に撮影した画像との差分を取ることにより、被写体2に照明光のみが照射された画像を取得するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自照明用LEDによる照明光と同一の波長を持った照明光に加工して利用することができ、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために外光の影響を排除した最適な画像を取得することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることができ、環境を選ぶことなく、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために最適な画像を取得することが可能である。
また、上述してきた実施例2では、撮影処理部22により撮影された照明照射時の画像と、照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、撮影処理部22により撮影された照明照射時の画像を取得するようにしてもよい。
なお、上述してきた実施例2では、本発明に係る照明制御装置を撮像装置に適用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ビデオカメラのビューファインダのバックライトの技術にも本発明に係る照明制御装置を同様に適用することができる。
上記の実施例2では、自照明用の光源として単数の自照明用LEDを使用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の自照明用LEDを使用するようにしてもよい。そこで、以下では、図13および図14を用いて、実施例3に係る撮像装置の概要および構成を説明する。図13は、実施例3に係る撮像装置の光学系構成部の具体的な外観構成を示す図である。図14は、実施例3に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示す図である。
図13に示すように、実施例3に係る撮像装置の光学系構成部は、実施例2に係る撮像装置20の光学系構成部と基本的には同様の構成であるが、複数の自照明用のLED(LED1およびLED2)と、各自照明用LEDから照射される照明光の波長と同一の波長となるように、外部光源から導入された外光を加工するための波長フィルタ(LED1に対応する波長フィルタ1およびLED2に対応する波長フィルタ2)とを備える点が異なる。
また、図14に示すように、実施例3に係る撮像装置の回路系構成部は、実施例2に係る撮像装置20の回路系構成部と基本的には同様の構成であるが、複数の自照明用LEDに対応づけて複数のLED駆動回路21cを備える点が異なる。
さらに、図14に示すように、実施例3に係る撮像装置の撮影処理部22は、複数の撮像同期信号(S1およびS2)を照明処理部21に出力する点が実施例2に係る撮像装置20とは異なる。ここで、撮像同期信号S1は、LED1から照射される照明光を利用して撮影するための同期信号であり、撮像同期信号S2は、LED2から照射される照明光を利用して撮影するための同期信号である。
これらの撮像同期信号に応じた処理について具体的に説明する。すなわち、撮影処理部22から撮像同期信号S1を受け付けた照明処理部21は、LED1を点灯させるためのLED駆動信号(L_1)をLED駆動回路21cに生成させる。そして、LED駆動回路21cは、生成したLED駆動信号(L_1)をLED1に出力してLED1を点灯させる。さらに、照明処理部21は、シャッタ1を開口するためのシャッタ駆動信号(C_1)をシャッタ駆動回路21bに生成させる。そして、シャッタ駆動回路21bは、生成したシャッタ駆動信号(C_1)をシャッタ1に出力してシャッタ1を開口させる。
また、撮影処理部22から撮像同期信号S2を受け付けた照明処理部21は、LED2を点灯させるためのLED駆動信号(L_2)をLED駆動回路21cに生成させる。そして、LED駆動回路21cは、生成したLED駆動信号(L_2)をLED2に出力してLED2を点灯させる。さらに、照明処理部21は、シャッタ2を開口するためのシャッタ駆動信号(C_2)をシャッタ駆動回路21bに生成させる。そして、シャッタ駆動回路21bは、生成したシャッタ駆動信号(C_2)をシャッタ2に出力してシャッタ2を開口させる。
そして、撮影処理部22は、各光源(LED1およびLED2)を使い分けた撮像のタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号(S1およびS2)を照明処理部21に出力することで、照明処理部21と連携した撮影処理を実行して照明照射時および照明非照射時の被写体2の画像を撮影取得する。各画像の取得後、撮影処理部22は、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明光のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する。
このようなことから、自照明として利用するための光源を複数利用する場合であっても、太陽や室内照明などから導入した外光を各自照明の光源(例えば、LED1やLED2)の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して利用することができ、例えば、紙幣や有価証券などの真贋判定目的で用いるために外光の影響を排除した最適な画像を取得することが可能である。
さて、これまで本発明の実施例1〜実施例3について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例について説明する。
(装置構成等)
実施例1に係る照明制御装置10(図4参照)、実施例2または実施例3に係る撮像装置20(図10等参照)の回路系構成部の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、照明制御装置10および撮像装置20の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、照明制御装置10の制御部11と、シャッタ駆動回路13とLED駆動回路とを統合し、撮像装置20を構成する照明処理部21と、シャッタ駆動回路21bとLED駆動回路21cとを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
以上のように、本発明に係る照明制御装置、照明制御方法および撮像装置は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置を制御する場合、被写体に対して照明装置から照明光を照射して当該被写体の画像を撮影する場合に有用であり、特に、外光を導入して照明として利用することや、導入した外光を照明として利用するとともに外光の影響を排除した画像を取得することに適する。
この発明は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置を制御する照明制御装置および照明制御方法、被写体に対して照明装置から照明光を照射して当該被写体の画像を撮影する撮像装置に関する。
従来より、生体認証や監視などに用いることを目的として、近接した被写体に照明を照射して撮影を行う撮像装置が存在する。例えば、図15に例示するように、生体認証を行う際の撮影環境には、撮像装置に備えられた自照明から照射される光以外の外光(あるいは、環境光)が存在し、被写体に当る角度や強度を制御することができないので、そのような撮影環境下で撮影された認証対象の画像と、外光の影響のない撮影環境下で撮影された照合用画像との差が大きくなる場合があり、認証精度に影響を与える恐れがある。そのため、生体認証を行う撮影環境は、外光がない、あるいは弱い環境下に限定されてきた。
これに対して、例えば、図16および図17に例示するように、自照明を点灯して撮影した画像と自照明を消灯して撮影した画像の差分を求めることにより、外光の影響を排除した画像を取得する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、外光を装置内に取り込んでバックライトとして積極的に利用することにより、外光の影響により見にくくなるビデオカメラのビューファインダを見やすくする技術も開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平7−19823号公報
特開平7−95451号公報
ところで、上記した従来の技術は、撮影した画像の画質が悪化する、取り込んだ外光が照明としては不適切である場合があるという問題点があった。
すなわち、自照明を点灯して撮影した画像と自照明を消灯して撮影した画像の差分を求めることにより、外光の影響を排除した画像を取得する従来技術では、例えば、図18に例示するように、外光が強くなるに従い、自照明の寄与分が減少して、画像のS/N比(Signal To Noise ratio:シグナル/ノイズ比)が悪化するという問題点があった。
また、外光を装置内に取り込んでバックライトとして積極的に利用することにより、外光の影響により見にくくなるビデオカメラのビューファインダを見やすくする従来技術では、取り込んだ光を利用するものであるため、生体認証に用いられる撮像装置では、波長などの光の特性が自照明として不適切になる場合があるという問題点があった。
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、外光を導入して照明として利用することが可能な照明制御装置および照明制御方法、導入した外光を照明として利用するとともに外光の影響を排除した画像を取得することが可能な撮像装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置を制御する照明制御装置であって、前記照明装置以外の光源から被写体に照射されている外光を導入する導入手段と、前記導入手段により導入された外光を前記照明光と同一の特性に加工する加工手段と、前記照明光の照射経路と同一の経路から、前記加工手段により加工された外光を照明として前記被写体に照射するように制御する照射制御手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記加工手段により加工された外光に前記照明光を結合させて前記被写体に照明として照射するように制御することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記加工手段は、前記導入手段により導入された外光の波長を前記照明光と同一になるように加工することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記加工手段は、波長フィルタを用いて、前記導入手段により導入された外光の波長を前記照明光と同一になるように加工することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記導入手段は、導光体、鏡、光ファイバおよびプリズムのいずれか一つまたは複数を用いて前記外光を導入することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記加工手段は、前記導入手段により導入された外光を構成する各波長成分の光量を制限することを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記導入手段により導入された外光の強度に応じて前記照明光の強度を調整したうえで、前記加工手段により加工された外光に当該照明光を結合させて前記被写体に照明として照射するように制御することを特徴とする。
また、本発明は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置を制御する照明制御方法であって、前記照明装置以外の光源から被写体に照射されている外光を導入する導入工程と、前記導入工程により導入された外光を前記照明光と同一の特性に加工する加工工程と、前記照明光の照射経路と同一の経路から、前記加工工程により加工された外光を照明として前記被写体に照射するように制御する照射制御工程と、を含んだことを特徴とする。
また、本発明は、被写体に対して照明装置から照明光を照射して、当該被写体の画像を撮影する撮像装置であって、前記照明装置以外の光源から被写体に照射されている外光を導入する導入手段と、前記導入手段により導入された外光を前記照明光と同一の特性に加工する加工手段と、前記照明光の照射経路と同一の経路から、前記加工手段により加工された外光を照明として前記被写体に照射するように制御する照射制御手段と、前記照射制御手段による照明照射時に撮影した画像を取得する画像取得手段と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明は、上記の発明において、前記照射制御手段は、前記被写体の画像を撮影するタイミングと同期させて照明の照射および非照射を制御し、前記画像取得手段は、前記照射制御手段による照明照射時に撮影した画像と、当該照射制御手段による照明非照射時に撮影した画像との差分を取ることにより、前記被写体に照明のみが照射された画像を取得することを特徴とする。
本発明によれば、照明装置以外の光源から被写体に照射される外光を導入して、照明光の特性と同一の特性に加工するとともに、照明光の照射経路と同一の経路から加工された外光を照明として被写体に照射するように制御するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自らが制御する照明装置の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して、同一の照射角度および照射分布を持った照明として照射することができ、自照明として利用することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることが可能である。
また、本発明によれば、加工された外光に照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、例えば、外光強度が弱い環境下である場合には、照明光により自照明を適切な強度に強化して照射することが可能である。
また、本発明によれば、外光の波長を照明光と同一になるように加工するので、照明の役割を果たすための主要な特性である波長について導入した外光を適切に加工することができ、自照明として利用することが可能である。
また、本発明によれば、波長フィルタを用いて、外光の波長を照明光と同一になるように加工するので、簡易な構成で導入した外光を適切に加工することが可能である。
また、本発明によれば、導光体、鏡、光ファイバおよびプリズムのいずれか一つまたは複数を用いて外光を導入するので、簡易な構成で外光を導入することが可能である。
また、本発明によれば、導入された外光が複数の波長を持って構成されている場合に、各波長の光量を制御するので、例えば、可視光などのように広い波長分布を持つ外光について、例えば、RGBなどの各波長成分の光量を制御することで各波長のバランスを調整することができ、自照明の波長分布と同一に加工することが可能である。
また、本発明によれば、液晶シャッタまたは圧電ミラを用いて導入された外光の光量を制御するので、簡易な構成で導入された外光の光量を制御することが可能である。
また、本発明によれば、導入された外光に応じて照明光の強度を調整したうえで、加工された外光に照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、十分な照明強度を確保しつつ、照明光の点灯に要する電力を節約することが可能である。
また、本発明によれば、照明装置以外の光源から導入された外光を照明光と同一の特性に加工して、照明光の照射経路と同一の経路から加工された外光を照明として被写体に照射するように制御するとともに、被写体の画像を撮影するタイミングと同期させて照明の照射および非照射を制御し、照明照射時に撮影した画像と照明非照射時に撮影した画像との差分を取ることにより、被写体に照明のみが照射された画像を取得するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自らが制御する照明装置の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して自照明として利用することができ、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために最適な外光の影響を排除した画像を取得することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることができ、環境を選ぶことなく、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために最適な画像を取得することが可能である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る照明制御装置、照明制御方法および撮像装置の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明に係る照明制御装置を実施例1として説明した後に、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
以下の実施例1では、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴、照明制御装置の構成および処理を順に説明し、最後に実施例1による効果を説明する。
[照明制御装置の概要および特徴(実施例1)]
まず、図1を用いて、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴を説明するための図である。
実施例1に係る照明制御装置は、撮影の対象となる被写体に対して照明光を照射する照明装置(例えば、LED照明やファイバー照明など)を制御することを概要とするが、外部の光源(例えば、太陽や室内の照明機器など)から外光を導入して照明として利用することが可能である点に主たる特徴がある。
この主たる特徴について具体的に説明すると、図1に示すように、実施例1に係る照明制御装置10は、外部光源1(例えば、太陽や室内の照明機器など)から照射される外光に向けて外光取込口を設置して導光体により装置内部へ導入する(図1の(1)参照)。なお、導光体により装置内部へ外光を導入する場合に限られるものではなく、例えば、ミラや光ファイバ、プリズムなどの光学素子を用いて、装置内部へ外光を導入するようにしてもよい。
次に、照明制御装置10は、外部光源1から導入した外光の特性を自己の照明装置(自照明)から照射される照明光と同一の特性に加工する(図1の(2)参照)。具体的には、例えば、波長フィルタを用いて、導入した外光の波長を自照明の照明光と同一の波長に加工する。
さらに、照明制御装置10は、例えば、可視光などのように広い波長分布を持つ外光が導入された場合には、導入経路を複数に分割して各経路に波長フィルタ(例えば、RGB)を設置するとともに液晶シャッタや圧電ミラを併設して、導入面積の調整や時分割方式により各波長成分の光量を制御することで各波長のバランスを調整する(自照明の照明光と同一の波長に加工する)。なお、光量とは、光源から照射される光の量であり、光量が大きくなれば光の強度(単位時間に単位面積を流れる光量子の数)も大きくなる。
具体的に説明すると、照明制御装置10は、例えば、図2に示すような外観をその一部に有し、外光取込口、外光導入用導光体、波長フィルタ、自照明用LED、自照明用導光体および液晶シャッタからなる光学系構成部を備える。
この光学系構成部は、内部に設けられた外光の導入経路が複数に分割されており、導入されてきた外光を各波長域に分けるための波長フィルタ(例えば、波長フィルタA、BおよびC)、各波長域に分けて取り込まれた外光の強度を検出するためのPD(Photo Detector、例えば、PD_A、PD_BおよびPD_C)、および各波長域に分けて取り込まれた外光の光量を調整するためのシャッタ(例えば、シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)が各導入系路上にそれぞれ設置されている(図3の上から見た図参照)。また、この光学系構成部から照明光が照射される照射口には、照明光の照射を制御するためのメインシャッタが設置されている(図3の上から見た図参照)。
このような構成のもと、照明制御装置10は、外光取込口から導入されてきた外光を各導入系路上に設置された波長フィルタを通過させることにより各波長域に分けて取り込む。そして、照明制御装置10は、各波長域に分けて取り込まれた外光の強度を各PDによりそれぞれ検出する。具体的に説明すると、外光を受光したPDから出力されるPD検出信号(外光の強度を電流に変換した信号)を、各波長域に分けて取り込まれた外光についてそれぞれ取得する。
そして、照明制御装置10は、自照明用LED(自照明)による照明光の波長と同一となるように、各波長域に分けて取り込まれた外光のバランスを調整して加工する。具体的に説明すると、照明制御装置10は、各波長域に分けて取り込まれた外光についてそれぞれ取得したPD検出信号と、各波長域の外光についてあらかじめ定められた光量比率とを用いて、自照明用LEDによる照明光の波長と同一となるように各シャッタの開口比率を算出する。次に、照明制御装置10は、算出した各液晶シャッタの開口比率に応じて、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口面積を調整する(シャッタ駆動信号により各液晶シャッタを駆動させて調整する)。そして、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から通過してきた光は、自照明用LEDによる照明光の照射経路にそれぞれ導出されて結合されることにより、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工される。
このようにして、外部光源から導入された外光の波長を自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工した後、照明制御装置10は照明照射制御を行う(図1の(3)参照)。具体的には、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明用LEDによる照明光の強度を調節するとともに、例えば、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光とを結合させて、自照明用LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から照明として被写体2に照射するように制御する。
例えば、照明制御装置10は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から自照明用LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計を、PDを用いたPD出力信号などにより検出する。そして、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には、自照明用LEDは消灯したままにした状態でメインシャッタ駆動信号によりメインシャッタを開口させて、自照明LEDによる照明光と同一の波長に加工された照明光を照射する。一方、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には、LED駆動信号により自照明用LEDを点灯させ、自照明LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用のLEDによる照明光と結合させた状態で照明光を照射する。
このようなことから、実施例1によれば、上述した主たる特徴の如く、外部の光源(例えば、太陽や室内の照明機器など)から外光を導入して照明として利用することが可能である。
[照明制御装置の構成(実施例1)]
次に、図4を用いて、実施例1に係る照明制御装置の構成を説明する。図4は、実施例1に係る照明制御装置の回路系構成部の構成を示す図である。なお、同図では、実施例1に係る照明制御装置を実現する上で必要となる構成のみを示し、その他の構成については記載を省略している。
実施例1に係る照明制御装置10は、外部光源1から照射される外光の導入経路が複数に分割された光学系構成部(例えば、図3参照)と、この光学系構成部の動作を制御する回路系構成部とを含んで構成される。なお、特許請求の範囲に記載の「導入手段」は、この光学系構成部に対応し、特許請求の範囲に記載の「加工手段」および「照射制御手段」は、光学系構成部および回路系構成部に対応する。
光学系構成部は、外光取込口、外光導入用導光体、波長フィルタ、自照明用LED、PD(Photo Detector)、自照明用導光体および液晶シャッタから構成される(図2参照)。
このうち、外光導入用導光体は、外部光源1(例えば、太陽や室内の照明機器など)に向けて設置された外光取込口から外光を内部へ導入する(図2参照)。なお、外光導入用導光体の代わりに、ミラや光ファイバ、プリズムなどの光学素子を用いて、外光を内部へ導入するようにしてもよい。また、自照明用導光体は、自照明用LEDによる照明光を被写体2の方向へ導出する。
波長フィルタは、例えば、RGB3原色のRの波長に対応する波長フィルタA、RGB3原色のGの波長に対応する波長フィルタB、およびRGB3原色のBの波長に対応する波長フィルタCが、複数に分割された各導入系路上にそれぞれ設置され、外光取込口から外光導入用導光体により内部に導入されてきた外光を各波長域(RGB3原色の各波長域)に分ける。
PD(Photo Detector)は、複数に分割された各導入系路上に設置され(例えば、例えば、PD_A、PD_BおよびPD_C)、波長フィルタを通過して各波長域に分けられた外光の強度を検出する。具体的には、受光面に受光した外光の強度を電流値に変換して、後述する回路系構成部のバッファアンプ12にPD検出信号として出力する。
液晶シャッタは、各波長域に分けられた外光のバランス調整および被写体2に対する照明光の照射制御を行う。なお、光学系構成部には、液晶シャッタとして、各波長域に分けられた外光の光量を調整するために各導入系路上に設置されたシャッタ(例えば、シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)と、被写体2に対する照明光の照射を制御するメインシャッタとが備えられる(図3参照)。なお、液晶シャッタの代わりに圧電ミラを用いることもできる。
また、図4に例示するように、光学系構成部の動作を制御する回路系構成部は、制御部11と、バッファアンプ12と、シャッタ駆動回路13と、LED駆動回路14とから構成される。
バッファアンプ12は、各PDに対応付けて備えられ、各PDから受け付けたPD検出信号をそれぞれ電圧値に変換して制御部11に出力する。
制御部11は、自照明用LEDによる照明光の波長と同一となるように、各波長域に分けて取り込まれた外光のバランスを調整して加工する。具体的に説明すると、制御部11は、バッファアンプ12から受け付けた各電圧値と、各波長域(RGB3原色の各波長域)の外光についてあらかじめ定められた光量比率とを用いて、自照明用LEDから照射される照明光の波長と同一となるように各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口比率を算出する。
ここで、自照明用LEDから照射される照明光が白色光である場合を例に挙げて、光量比率の算定について簡単に説明する。CIE(国際照明委員会)において白色光のRGB3原色は、Rが700.0(nm)、Gが546.3(nm)、Bが435.8(nm)と規定されていることから、これらの波長ピークを持つ波長フィルタをそれぞれ設置するならば、光量比率は次のように算出される。すなわち、CIEにおいて白色光の3刺激値XYZは、X:Y:Z=1:1:1と規定され、また、図5の(1)式によりRGB系に変換される。続いて、同式にX=Y=Zを代入すると図5の(2)が得られる。そして、図5の(3)に示すように、R:G:B=4:3:3とする光量比率が図5の(2)から算定される。
このようにして算定された光量比率を用いて、制御部11は、各シャッタの開口比率を次のように算出する。すなわち、図6の(1)に示すように、各電圧値を対応する光量比率の各定数でそれぞれ除算した複数の値の中の最小値を求める。例えば、自照明用LEDから照射される照明光が白色光であり、波長フィルタAがRGB3原色のRの波長に対応している場合には、制御部11は、波長フィルタAが設置されている同一の導入経路からのPD検出信号がバッファアンプ12により電圧に変換された電圧値を光量比率の定数「4」で除算する。同様に、制御部11は、波長フィルタBがRGB3原色のGの波長に対応している場合には、波長フィルタBが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算するとともに、波長フィルタCがRGB3原色のBの波長に対応している場合には、波長フィルタCが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算する。そして、それぞれ除算して得られた複数の値の中の最小値を求める。
次に、制御部11は、図6の(2)に示すように、求められた最小値と光量比率の各定数とを乗算して得た複数の値を、各定数に対応する電圧値でそれぞれ除算することにより各シャッタの開口比率(C_A、C_BおよびC_C)を算出する。そして、制御部11は、算出した各シャッタの開口比率に対応するシャッタ駆動信号を各シャッタ駆動回路13にそれぞれ生成させる。
なお、開口比率に応じて開口面積が調整された各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から通過してきた光は、自照明用LEDによる照明光の照射経路にそれぞれ導出されて結合されることにより、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工される。
また、制御部11は、導入した外光の波長を自照明LEDによる照明光と同一の波長に加工した後、照明照射制御を行う。具体的に説明すると、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明LEDによる照明光の強度を調節するとともに、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明LEDによる照明光とを結合させて、自照明LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から、結合された照明光を被写体2に照射するように制御する。
例えば、制御部11は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から、自照明LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計を上記で説明した最小値と光量比率の各定数の総和とを乗算することにより求める(図6の(3)参照)。あるいは、制御部11は、各導出光の光量の総計をPDを用いたPD出力信号により検出する。そして、制御部11は、求められた各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には、メインシャッタ駆動信号をシャッタ駆動回路13から生成出力してメインシャッタを開口させ、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する。
一方、制御部11は、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には、LED駆動信号をLED駆動回路14により生成出力して自照明用LEDを点灯させるとともに、メインシャッタ駆動信号をシャッタ駆動回路13により生成出力してメインシャッタを開口させ、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用のLEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する。なお、制御部11は、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の光量を差し引いて、撮影のために不十分な光量を補うように、自照明用LEDの光量を調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよいし、撮影の品質を最優先とする場合には、自照明用LEDは常時最大限の光量に調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよい。
シャッタ駆動回路13は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口面積を開口比率に応じて調整するために、シャッタ駆動信号をそれぞれ生成して各シャッタに出力する。また、LED駆動回路14は、自照明用LEDを点灯するために、LED駆動信号を生成して自照明用LEDに出力する。
[照明制御装置の処理(実施例1)]
続いて、図7および図8を用いて、例えば、実施例1に係る照明制御装置の処理を説明する。図7は、実施例1に係る照明制御装置の外光加工処理の流れを示すフローチャートであり、図8は、実施例1に係る照明制御装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。
[外光加工処理(実施例1)]
まず、図7を用いて、実施例1に係る照明制御装置の外光加工処理を説明する。同図に示すように、制御部11は、各バッファアンプ12から電圧値を受け付けると(ステップS701肯定)、バッファアンプ12から受け付けた各電圧値と、各波長域(RGB3原色の各波長域)の外光についてあらかじめ定められた光量比率とを用いて、自照明用LEDから照射される照明光の波長と同一となるように各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口比率を算出する(ステップS702)。
ここで、自照明用LEDから照射される照明光が白色光である場合を例に挙げて、光量比率の算定について簡単に説明する。CIE(国際照明委員会)において白色光のRGB3原色は、Rが700.0(nm)、Gが546.3(nm)、Bが435.8(nm)と規定されていることから、これらの波長ピークを持つ波長フィルタをそれぞれ設置するならば、光量比率は次のように算出される。すなわち、CIEにおいて白色光の3刺激値XYZは、X:Y:Z=1:1:1と規定され、また、図5の(1)式によりRGB系に変換される。続いて、同式にX=Y=Zを代入すると図5の(2)が得られる。そして、図5の(3)に示すように、R:G:B=4:3:3とする光量比率が図5の(2)から算定される。
このようにして算定された光量比率を用いて、制御部11は、各シャッタの開口比率を次のように算出する。すなわち、図6の(1)に示すように、各電圧値を対応する光量比率の各定数でそれぞれ除算した複数の値の中の最小値を求める。例えば、自照明用LEDから照射される照明光が白色光であり、波長フィルタAがRGB3原色のRの波長に対応している場合には、制御部11は、波長フィルタAが設置されている同一の導入経路からのPD検出信号がバッファアンプ12により電圧に変換された電圧値を光量比率の定数「4」で除算する。同様に、制御部11は、波長フィルタBがRGB3原色のGの波長に対応している場合には、波長フィルタBが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算するとともに、波長フィルタCがRGB3原色のBの波長に対応している場合には、波長フィルタCが設置されている同一の経路の電圧値を光量比率の定数「3」で除算する。そして、それぞれ除算して得られた複数の値の中の最小値を求める。
次に、制御部11は、図6の(2)に示すように、求められた最小値と光量比率の各定数とを乗算して得た複数の値を、各定数に対応する電圧値でそれぞれ除算することにより各シャッタの開口比率(C_A、C_BおよびC_C)を算出する。そして、制御部11は、算出した各シャッタの開口比率に対応するシャッタ駆動信号を各シャッタ駆動回路13にそれぞれ生成させる。
シャッタ駆動回路13は、生成したシャッタ駆動信号を各シャッタにそれぞれ出力することにより、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口面積を開口比率に応じて調整させる(ステップS703)。
なお、開口比率に応じて開口面積が調整された各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から通過してきた光は、自照明用LEDによる照明光の照射経路にそれぞれ導出されて結合されることにより、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工される。
[照明照射制御処理(実施例1)]
まず、図8を用いて、実施例1に係る照明制御装置の照明照射制御処理を説明する。同図に示すように、制御部11は、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC)の開口部から、自照明用LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計が撮影のために十分であるか否か判定する(ステップS801)。
判定の結果、制御部11は、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には(ステップS801否定)、LED駆動回路14からLED駆動信号を生成出力させて自照明用LEDを点灯するとともに(ステップS802)、シャッタ駆動回路13からメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する(ステップS803)。
一方、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には(ステップS801肯定)、制御部11は、シャッタ駆動回路13からメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する(ステップS803)。
なお、制御部11は、自照明用LEDの照明光と同一の波長に加工された外光の光量を差し引いて、撮影のために不十分な光量を補うように、自照明用LEDの光量を調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよいし、撮影の品質を最優先とする場合には、自照明用LEDは常時最大限の光量に調節した状態で点灯させるようにLED駆動信号を出力してもよい。
[実施例1の効果]
上述してきたように、実施例1によれば、外部の光源から被写体に照射される外光を導入して、自照明用LEDによる照明光の波長と同一の波長に加工するとともに、自照明用LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から加工された外光を照明として被写体に照射するように制御するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自らが制御する自照明用LEDの照明光と同一の波長を持った光に加工して、同一の照射角度および照射分布を持った照明として照射することができ、自照明として利用することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることが可能である。
また、実施例1によれば、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光に、自照明用LEDによる照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、例えば、外光強度が弱い環境下である場合には、照明光により自照明を適切な強度に強化して照射することが可能である。
また、実施例1によれば、外光の波長を自照明用LEDによる照明光の波長と同一になるように加工するので、照明の役割を果たすための主要な特性である波長について導入した外光を適切に加工することができ、自照明として利用することが可能である。
また、実施例1によれば、波長フィルタを用いて、外光の波長を自照明用LEDによる照明光と同一になるように加工するので、簡易な構成で導入した外光を適切に加工することが可能である。
また、実施例1によれば、導光体、鏡、光ファイバおよびプリズムのいずれか一つまたは複数を用いて外光を導入するので、簡易な構成で外光を導入することが可能である。
また、実施例1によれば、導入された外光が複数の波長を持って構成されている場合に、各波長の光量を制御するので、例えば、可視光などのように広い波長分布を持つ外光について、例えば、RGBなどの各波長成分の光量を制御することで各波長のバランスを調整することができ、自照明用LEDによる照明光の波長分布と同一の波長分布に加工することが可能である。
また、実施例1によれば、液晶シャッタを用いて導入された外光の光量を制御するので、簡易な構成で導入された外光の光量を制御することが可能である。
また、実施例1によれば、導入された外光の強度に応じて、自照明用LEDによる照明光の強度を調整したうえで、自照明用LEDによる照明光の波長と同一の波長に加工された外光に、自照明用LEDによる照明光を結合させて被写体に照明として照射するように制御するので、十分な照明強度を確保しつつ、自照明用LEDによる照明光の点灯に要する電力を節約することが可能である。
ところで、上述してきた実施例1に係る照明制御装置を撮像装置に適用して、所定の画像を取得するようにしてもよい。そこで、以下の実施例2では、実施例1に係る照明制御装置を適用した撮像装置の概要および特徴、撮像装置の構成および処理を順に説明し、最後に実施例2による効果を説明する。
[撮像装置の概要および特徴(実施例2)]
まず、図9を用いて、実施例2に係る撮像装置の概要および特徴を説明する。図9は、実施例2に係る撮像装置の概要および特徴を説明するための図である。なお、実施例2に係る撮像装置20は、上記の実施例1で説明した照明制御装置と同様の外観(図2参照)および光学系構成部(図3参照)を有する。
実施例2に係る撮像装置20は、被写体に対して照明装置(例えば、LED照明やファイバ照明など)から照明光を照射して、被写体の画像を撮影することを概要とするが、外部の光源(例えば、太陽や室内の照明機器など)から導入した外光を照明として利用するとともに外光の影響を排除した画像を取得することが可能である点に主たる特徴がある。
そして、実施例2に係る撮像装置20は、照明処理部において、自照明用LEDによる照明光の波長と同一となるように、各波長域に分けて取り込まれた外光のバランスを調整して加工するとともに、外部光源から導入され、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明用LEDによる照明光の強度を調節する点は、上記の実施例1で説明したのと同様であるが、以下に説明する点に主たる特徴がある。
すなわち、この主たる特徴について具体的に説明すると、図9に示すように、実施例2に係る撮像装置20は、撮影処理部において照明照射画像を取得する(図9の(4)参照)。
具体的に説明すると、撮像装置20は、撮影処理部における撮像にタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号を撮影処理部から照明処理部に出力する。そして、撮像装置20は、撮像部(図2参照)を介して、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明のみが照射された画像を取得する(例えば、図16参照)。
このようなことから、実施例2によれば、上述した主たる特徴の如く、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自照明の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して利用することができ、外光の影響を排除した画像を取得することが可能である。
[撮像装置の構成(実施例2)]
次に、図10を用いて、実施例2に係る撮像装置の構成を説明する。図10は、実施例2に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示すブロック図である。なお、同図では、実施例2に係る撮像装置を実現する上で必要となる構成のみを示し、その他の構成については記載を省略している。
実施例2に係る撮像装置20は、外部光源1から照射される外光の導入経路が複数に分割された光学系構成部(例えば、図3参照)と、光学系構成部の動作を制御する照明処理部21および撮像部を介して撮影処理を実行する撮影処理部22からなる回路系構成部(図10参照)とを含んで構成される。そして、実施例2に係る撮像装置20は、実施例1に係る照明制御装置と以下に説明する点が異なる。
すなわち、照明処理部21は、上記の実施例1で説明した回路系構成部の制御部11と同様に、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光の強度に応じて、自照明LEDによる照明光の強度を調節するとともに、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光とを結合させて、自照明用LEDのよる照明光の照射経路と同一の経路から、被写体2に照明として照射するように制御するが、さらに、照明の照射および非照射のタイミングを制御する。
具体的に説明すると、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認する。確認の結果、撮像同期信号が「ON」である場合には、続いて、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口部から自照明用LEDによる照射経路に導出される各導出光の光量の総計が撮影のために十分であるか否か判定する。判定の結果、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する。
これとは反対に、照明処理部21は、判定の結果、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には、LED駆動回路21cからLED駆動信号を生成出力させて自照明用LEDを点灯するとともに、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用のLEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する。
また、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認した結果、撮像同期信号が「OFF」である場合には、メインシャッタ駆動信号を出力せず、照明の照射は行わない。
撮影処理部22は、照明照射画像を取得する処理部である。具体的に説明すると、撮影処理部22は、撮像にタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号を照明処理部21に出力する。そして、撮影処理部22は、照明処理部21と連携した撮影処理を実行して照明照射時および照明非照射時の被写体2の画像を撮影取得して、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する(例えば、図16参照)。なお、撮影処理部22は、所定のファインダやレンズによって構成される撮像部(図2参照)を介して被写体2の画像を撮影取得する。
なお、請求の範囲に記載の「画像取得手段」は撮影処理部22に対応する。
[撮像装置の処理(実施例2)]
続いて、図11および図12を用いて、実施例2に係る撮像装置の処理を説明する。図11は、実施例2に係る撮像装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。図12は、実施例2に係る画像取得処理の流れを示すフローチャートである。
[照明照射制御処理(実施例2)]
まず、図11を用いて、実施例2に係る照明照射制御処理を説明する。例えば、ユーザによって撮像装置20の電源が立ち上げられると、同図に示すように、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認する(ステップS1101)。確認の結果、撮像同期信号が「ON」である場合には(ステップS1101肯定)、照明処理部21は、続いて、各シャッタ(シャッタA、シャッタBおよびシャッタC、図3参照)の開口部から、自照明用LEDによる照明光の照射経路に導出される各導出光の光量の総計が撮影のために十分であるか否か判定する(ステップS1102)。
判定の結果、照明処理部21は、各導出光の光量の総計が撮影のために不十分である場合には(ステップS1102否定)、LED駆動回路21cからLED駆動信号を生成出力させて自照明用LEDを点灯するとともに(ステップS1103)、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光と自照明用LEDによる照明光と結合させた状態で照明を照射する(ステップS1104)。
一方、判定の結果、各導出光の光量の総計が撮影のために十分である場合には(ステップS1102肯定)、照明処理部21は、シャッタ駆動回路21bからメインシャッタ駆動信号を生成出力させてメインシャッタを開口し、自照明用LEDは消灯したままにした状態で照明を照射する(ステップS1104)。
ここで、ステップS1101の説明に戻ると、照明処理部21は、撮影処理部22から受け付ける撮像同期信号が「ON」であるか否か確認した結果、撮像同期信号が「OFF」である場合には(ステップS1101否定)、メインシャッタ駆動信号を出力せず、照明の照射は行わない。
[画像取得処理(実施例2)]
続いて、図12を用いて、実施例2に係る画像取得処理を説明する。撮影処理部22は、撮像にタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号を照明処理部21に出力する。そして、同図に示すように、撮影処理部22は、照明処理部21と連携した撮影処理を実行して照明照射時および照明非照射時の被写体2の画像を撮影取得して(ステップS1201)、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明光のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する(ステップS1202)。
[実施例2の効果]
上述してきたように、実施例2によれば、外部の光源から導入された外光を自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工して、自照明用LEDによる照明光の照射経路と同一の経路から、自照明用LEDによる照明光と同一の波長に加工された外光を照明として被写体2に照射するように制御するとともに、被写体2の画像を撮影するタイミングと同期させて照明の照射および非照射を制御し、照明照射時に撮影した画像と照明非照射時に撮影した画像との差分を取ることにより、被写体2に照明光のみが照射された画像を取得するので、例えば、太陽や室内照明などから導入した外光を自照明用LEDによる照明光と同一の波長を持った照明光に加工して利用することができ、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために外光の影響を排除した最適な画像を取得することが可能である。また、明るい屋外など、外光が強い撮影環境下であっても、外光強度に応じて照明強度を自然と強化させることができ、環境を選ぶことなく、例えば、生体認証や監視などの目的で用いるために最適な画像を取得することが可能である。
また、上述してきた実施例2では、撮影処理部22により撮影された照明照射時の画像と、照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、撮影処理部22により撮影された照明照射時の画像を取得するようにしてもよい。
なお、上述してきた実施例2では、本発明に係る照明制御装置を撮像装置に適用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ビデオカメラのビューファインダのバックライトの技術にも本発明に係る照明制御装置を同様に適用することができる。
上記の実施例2では、自照明用の光源として単数の自照明用LEDを使用する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の自照明用LEDを使用するようにしてもよい。そこで、以下では、図13および図14を用いて、実施例3に係る撮像装置の概要および構成を説明する。図13は、実施例3に係る撮像装置の光学系構成部の具体的な外観構成を示す図である。図14は、実施例3に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示す図である。
図13に示すように、実施例3に係る撮像装置の光学系構成部は、実施例2に係る撮像装置20の光学系構成部と基本的には同様の構成であるが、複数の自照明用のLED(LED1およびLED2)と、各自照明用LEDから照射される照明光の波長と同一の波長となるように、外部光源から導入された外光を加工するための波長フィルタ(LED1に対応する波長フィルタ1およびLED2に対応する波長フィルタ2)とを備える点が異なる。
また、図14に示すように、実施例3に係る撮像装置の回路系構成部は、実施例2に係る撮像装置20の回路系構成部と基本的には同様の構成であるが、複数の自照明用LEDに対応づけて複数のLED駆動回路21cを備える点が異なる。
さらに、図14に示すように、実施例3に係る撮像装置の撮影処理部22は、複数の撮像同期信号(S1およびS2)を照明処理部21に出力する点が実施例2に係る撮像装置20とは異なる。ここで、撮像同期信号S1は、LED1から照射される照明光を利用して撮影するための同期信号であり、撮像同期信号S2は、LED2から照射される照明光を利用して撮影するための同期信号である。
これらの撮像同期信号に応じた処理について具体的に説明する。すなわち、撮影処理部22から撮像同期信号S1を受け付けた照明処理部21は、LED1を点灯させるためのLED駆動信号(L_1)をLED駆動回路21cに生成させる。そして、LED駆動回路21cは、生成したLED駆動信号(L_1)をLED1に出力してLED1を点灯させる。さらに、照明処理部21は、シャッタ1を開口するためのシャッタ駆動信号(C_1)をシャッタ駆動回路21bに生成させる。そして、シャッタ駆動回路21bは、生成したシャッタ駆動信号(C_1)をシャッタ1に出力してシャッタ1を開口させる。
また、撮影処理部22から撮像同期信号S2を受け付けた照明処理部21は、LED2を点灯させるためのLED駆動信号(L_2)をLED駆動回路21cに生成させる。そして、LED駆動回路21cは、生成したLED駆動信号(L_2)をLED2に出力してLED2を点灯させる。さらに、照明処理部21は、シャッタ2を開口するためのシャッタ駆動信号(C_2)をシャッタ駆動回路21bに生成させる。そして、シャッタ駆動回路21bは、生成したシャッタ駆動信号(C_2)をシャッタ2に出力してシャッタ2を開口させる。
そして、撮影処理部22は、各光源(LED1およびLED2)を使い分けた撮像のタイミングに照明の照射を同期させるための撮像同期信号(S1およびS2)を照明処理部21に出力することで、照明処理部21と連携した撮影処理を実行して照明照射時および照明非照射時の被写体2の画像を撮影取得する。各画像の取得後、撮影処理部22は、照明照射時に被写体2を撮影した照明照射時の画像と、照明非照射時に被写体2を撮影した照明非照射時の画像との差分(画像輝度の差分)を取ることにより、被写体2に照明光のみが照射された画像(照明照射画像)を取得する。
このようなことから、自照明として利用するための光源を複数利用する場合であっても、太陽や室内照明などから導入した外光を各自照明の光源(例えば、LED1やLED2)の照明光と同一の特性(例えば、波長)を持った光に加工して利用することができ、例えば、紙幣や有価証券などの真贋判定目的で用いるために外光の影響を排除した最適な画像を取得することが可能である。
さて、これまで本発明の実施例1〜実施例3について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例について説明する。
(装置構成等)
実施例1に係る照明制御装置10(図4参照)、実施例2または実施例3に係る撮像装置20(図10等参照)の回路系構成部の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、照明制御装置10および撮像装置20の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、照明制御装置10の制御部11と、シャッタ駆動回路13とLED駆動回路とを統合し、撮像装置20を構成する照明処理部21と、シャッタ駆動回路21bとLED駆動回路21cとを統合するなど、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
図1は、実施例1に係る照明制御装置の概要および特徴を説明するための図である。
図2は、実施例1に係る照明制御装置の外観構成を示す図である。
図3は、実施例1に係る光学系構成部の具体的な外観構成を示す図である。
図4は、実施例1に係る照明制御装置の回路系構成部の構成を示す図である。
図5は、実施例1に係る光量比率の算定について説明するための図である。
図6は、各シャッタの開口比率および各導出光の総光量の算定について説明するための図である。
図7は、実施例1に係る照明制御装置の外光加工処理の流れを示すフローチャートである。
図8は、実施例1に係る照明制御装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。
図9は、実施例2に係る撮像装置の概要および特徴を説明するための図である。
図10は、実施例2に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示す図である。
。図11は、実施例2に係る撮像装置の照明照射制御処理の流れを示すフローチャートである。
図12は、実施例2係る画像取得処理の流れを示すフローチャートである。
図13は、実施例3に係る撮像装置の光学系構成部の具体的な外観構成を示す図である。
図14は、実施例3に係る撮像装置の回路系構成部の構成を示す図である。
図15は、従来技術を説明するための図である。
図16は、従来技術を説明するための図である。
図17は、従来技術における差分画像取得の原理を示す図である。
図18は、従来技術の問題点を示す図である。
1 外部光源
2 被写体
10 照明制御装置
11 制御部
12 バッファアンプ
13 シャッタ駆動回路
14 LED駆動回路
20 撮像装置
21a バッファアンプ
21b シャッタ駆動回路
21c LED駆動回路
22 撮影処理部